説明

粘性ワックスを含む化粧品組成物

【課題】ワックスを高含量含んでいても容易に塗布できてメークアップが迅速にできるケラチン繊維の被覆用組成物の提供。
【解決手段】化粧品として許容可能な媒体中に、0.7N・s以上のタック及び3.5MPa以下の硬度を有するワックスを含む化粧品組成物。好ましいワックスとしては、特にC20−C40アルキル(ヒドロキシステアロイルオキシ)ステアレートが例示される。本組成物は特にマスカラやアイライナーとして使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は粘性ワックスを含むケラチン繊維被覆用化粧品組成物である。本発明は、また、睫毛、眉毛及び毛髪等のケラチン繊維のメークアップ又はトリートメント用化粧品にも関する。
【0002】
本発明の他の主題は、アイライナー又はアイシャドウ等の目のケア又はメークアップ組成物である。
【0003】
本発明の組成物は、マスカラとも称されるメークアップ組成物、ケラチン繊維用のメークアップ下地、すなわちベースコート、トップコートとしても知られるメークアップ上に塗布される組成物、或いは、ケラチン繊維をトリートメントする組成物であることができる。より特には、本発明はマスカラである。
【0004】
「マスカラ」なる用語は、睫毛に塗布することを意図する組成物を意味するものと理解されている。それは、睫毛のメークアップ組成物、睫毛のメークアップベース、トップコートとしても知られるマスカラ上に塗布される組成物、又は、睫毛の美容処理組成物であることができる。マスカラは、より具体的には、ヒトの睫毛用であるが、つけ睫毛にも使用可能である。
【背景技術】
【0005】
マスカラは通常2つのタイプの配合に従って調製されるが、それらは、クリームマスカラとして知られ、水中ワックスエマルジョン型である水系マスカラと、耐水性マスカラとして知られ、有機溶媒中ワックス分散物型である無水マスカラ又は低含水量マスカラである。
【0006】
例えば、WO91/12793に記載されるように、ミツロウ、キャンデリラワックス、カルナウバワックス又はポリエチレンワックス等の様々なワックスを使用してマスカラを配合することは公知のプラクティスである。
【0007】
しかし、マスカラがある種のワックス(例えば、カルナウバワックス、米糠ワックス又はポリエチレンワックス)を含む場合、得られる睫毛のメークアップがまだらに堆積してしまい、スムースでない不均一なメークアップが得られてしまう。このような欠点は得られたメークアップを魅力に欠けるものとしてしまう。
【0008】
更に、良好な装填特性を有するマスカラを得るためには、すなわち、睫毛の濃いメークアップを得るためには、マスカラの全重量の25%を越える量の1以上のワックスをマスカラに配合することが可能である。しかし、ミツロウ、キャンデリラワックス又はカルナウバワックス等の通常のワックスをこのような高い含有量で使用する場合、マスカラ組成物は非常に粘度が高くなり、さらには過剰に密なものとなり、通常使用されるマスカラブラシ塗布具では容易に睫毛に塗布することができない。過剰に粘度の高いマスカラは、かたまりとなって睫毛に堆積し、得られるメークアップ結果は望ましいスムースな外観を有さないものとなる。このメークアップは不均一で且つ魅力に欠けるものである。
【0009】
更に、オレンジワックス又はラノリンワックス等のある種のワックスを25重量%を越えて使用すると、特に室温(25℃)で2週間後に、十分に安定でない組成物が得られてしまう。この組成物は固形化(粘度の実質的な増大)又は裸眼で確認しうる相分離を引き起こす。この組成物は睫毛への塗布には適切ではない。
【特許文献1】国際公開第91/12793号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、ケラチン繊維のスムースで均一なメークアップを得ることを可能とする、ケラチン繊維被覆用の組成物を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、睫毛に容易に塗布することができ、期待どおりのメークアップを迅速に得ることが可能で、ワックスを高含量で含んでもよく、そして、睫毛への良好な堆積特性を有するケラチン繊維、特に睫毛、の被覆用組成物を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、特に25℃で24時間の貯蔵後に、安定なケラチン繊維の被覆用組成物を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明者らは、粘性を有する(高粘性)特定のワックスを使用することでそのような組成物が得られうることを見出した。このワックスは、睫毛に容易に塗布され、睫毛に良好に付着し、期待どおりのメークアップを迅速に得ることを可能とし、スムースで均一でまだらでないメークアップ結果の形成を導くケラチン繊維被覆用組成物を提供する。
【0014】
更に、上記粘性ワックスは、組成物を固形化することなく、組成物の全重量の60重量%までの含量で組成物に配合することができる。組成物は(特に25℃で24時間後の安定性の点で)安定で、クリームの粘稠度を維持し、睫毛に容易に塗布される。
【0015】
更に、上記マスカラは、睫毛の良好な分離をもたらし、睫毛は一緒にくっつくことがない。
【0016】
より具体的には、本発明の1つの主題は、化粧品的に許容可能な媒体中に、0.7N・s以上のタック及び3.5MPa以下の硬度を有する第1のワックスを含む、ケラチン繊維被覆用組成物である。
【0017】
本発明の主題は、上記の組成物をケラチン繊維へ塗布することを含む、ケラチン繊維、特に睫毛、の非治療的美容処理メークアップ又はケア方法でもある。
【0018】
本発明の主題は、ケラチン繊維上での均一及び/又はスムース及び/又は濃いメークアップ結果を得るための、及び/又は、メークアップされたケラチン繊維の良好な分離を得るための、上記の組成物の使用でもある。
【0019】
本発明の主題は、睫毛上での均一及び/又はスムース及び/又は濃いメークアップ結果を得るための、及び/又は、安定なマスカラを得るための、及び/又はメークアップされた睫毛の良好な分離を得るための、0.7N・s以上のタック及び3.5MPa以下の硬度を有するワックスの使用でもある。
【0020】
ところで、アイシャドウ又はアイライナーでは、安定性に加えて、皮膚に容易に塗布され、スムーズで均一なフィルムを形成し、塗布中に収縮せず、塗布後も皮膚に付着する、光沢のある組成物を得ることが求められている。上記の粘性ワックスを使用することによって、そのような組成物を得ることができる。
【0021】
したがって、本発明の他の主題は、化粧品的に許容可能な媒体中に、0.7N・s以上のタック及び3.5MPa以下の硬度を有する第1のワックスを含む、アイライナー又はアイシャドウ等の目のケア又はメークアップ組成物である。
【0022】
本発明の他の主題は、上記の組成物の、目の周囲、目の上端又は下端、或いは、瞼への塗布を含む、目の非治療的美容メークアップ又はケア方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
「化粧品的に許容可能な媒体」という用語は、睫毛又は皮膚に適合する化粧用媒体を意味する。
【0024】
本発明の組成物中に存在する、粘性ワックス(tacky wax)としても知られる第1のワックスは、0.7N・s以上、特に0.7N・sから30N・sの範囲の、好ましくは1N・s以上の、特に1N・sから20N・sの範囲の、より好ましくは2N・s以上の、特に2N・sから10N・sの範囲の、さらに好ましくは2N・sから5N・sの範囲のタックを有する。
【0025】
前記粘性ワックスは3.5MPa以下、特に0.01から3.5MPaの範囲、好ましくは0.05から3MPaの範囲、より好ましくは0.1から2.5MPaの範囲の硬度を有する。
【0026】
本発明の目的のためには、「ワックス」なる用語は室温(25℃)及び大気圧(760mmHgすなわち10Pa)で固体の親油性脂肪化合物を意味し、可逆的な固体/液体状態変化を有し、30℃、好ましくは55℃、を越え、そして200℃まで、好ましくは120℃までの融点を有する。
【0027】
ワックスをその融点とすることによって、ワックスを油と混和性とすることが可能であり、微視的に均一な混合物が形成するが、混合物を室温に冷却すると、混合物の油中でのワックスの再結晶が得られる。
【0028】
本発明では、融点値は、例えばMettler社からDSC30の名称で市販の熱量計等の示差走査型熱量計(D.S.C.)を用いて1分間に5〜10℃の温度上昇で測定した融点ピークに相当する。
【0029】
第1のワックスのタックはRheo社からTA−XT2iの名称で市販のtexturometerを用いて20℃で測定したものである。それは45度の角度を形成する円錐形状のアクリルポリマーのローターを備えており、下記の操作:
・ローターを0.5mm/sの速度で変位させ、2mmの浸透深さまでワックス中に浸透させる
・2mmの深さまでローターが浸透したときに、ローターを1秒間(緩和時間に相当する)静止させ、次に0.5mm/sの速度で引き抜く
の間に、時間の関数としての力(圧縮力又は伸長力)(F)の変化を測定する。緩和時間中に力(圧縮力)は急激に減少してゼロとなり、次に、ローターの引き抜きの間に力(伸長力)は負の値となり、再び0に上昇する。タックとは、力の負の値(伸長力)に相当するカーブの部分についての、時間の関数としての力のカーブの積分に相当する。タック値はN・sで表される。
【0030】
ワックスのタック測定を行うためには、ワックスは当該ワックスの融点+10℃に等しい温度で溶融される。溶融ワックスは25mmの直径で20mmの深さの容器に注入される。ワックスの表面が平らでスムースとなるようにワックスは室温(25℃)で24時間再結晶化され、次にワックスは20℃で少なくとも1時間維持されてタック測定を行う。
【0031】
第1のワックスの硬度は、直径2mmのステンレス鋼シリンダーを備えたRheo社よりTA−XT2iの名称で市販のtexturometerを用いて、シリンダーを0.1mm/sの測定速度で0.3mmの浸透深さへワックスに浸透させて、20℃で圧縮力を測定することによって決定される。硬度測定を行うためには、ワックスは当該ワックスの融点+20℃に等しい温度で溶融される。溶融ワックスは30mmの直径で20mmの深さの容器に注入される。ワックスは室温(25℃)で24時間再結晶化され、次にワックスは20℃で少なくとも1時間維持されて硬度測定を行う。硬度値はワックスと接触するtexturometerのシリンダーの面積で割られた測定圧縮力である。
【0032】
使用されうる粘性ワックスは、C20−C40アルキル(ヒドロキシステアロイルオキシ)ステアレート(アルキル基が20〜40の炭素原子を含む)を含み、特に、式(I):
【化1】

(式中、nは18から38の範囲の整数である)
のC20−C40アルキル 12−(12'−ヒドロキシステアロイルオキシ)ステアレート又は式(I)の化合物の混合物を含む。
【0033】
したがって、本発明の主題は、化粧品的に許容可能な媒体中に、特に上記式(I)の、C20−C40アルキル(ヒドロキシステアロイルオキシ)ステアレート(特にC20−C40アルキル 12−(12'−ヒドロキシステアロイルオキシ)ステアレート)を含むケラチン繊維被覆用組成物、特にマスカラ、でもある。
【0034】
そのような第1のワックスは、特にKoster Keunen社によって「Kester Wax K82P」及び「Kester Wax K80P」の名称で市販されている。
【0035】
第1のワックスはワックス粒子の水性微細分散物の形態でありうる。「ワックス(粒子)の水性分散物」の用語は前記ワックス粒子のサイズが約1μm以下であるワックス粒子の水性分散物を意味する。
【0036】
ワックスの微細分散物はコロイド状ワックス粒子の安定な分散物であり、特に、”Microemulsions Theory and Practice”, L.M.Prince Ed., Academic Press (1977) pages 21-32に記述されている。
【0037】
特に、これらのワックスの微細分散物は、任意に少量の水と共に、ワックスを界面活性剤の存在下で溶融させて、熱水を撹拌しつつ徐々に添加することによって得ることができる。油中水型エマルジョンの中間形成が観測され、相転移後に、水中油型のミクロエマルジョンが最終的に生成する。冷却すると、固形のワックスコロイド粒子の安定な微細分散物が得られる。
【0038】
ワックスの微細分散物は、ワックス、界面活性剤及び水の混合物を、超音波、高圧ホモジナイザー又はターボミキサー等の撹拌手段を用いて撹拌することによっても得ることができる。
【0039】
ワックスの微細分散物の粒子は好ましくは1μm未満(特に0.02μmから0.99μm)のサイズを有し、より好ましくは0.5μm未満(特に0.06μmから0.5μm)のサイズを有する。
【0040】
これらの粒子はワックス又はワックスの混合物から本質的になる。しかし、それらは少量の油性及び/又はペースト性脂肪添加物、界面活性剤、及び/又は、通常の油溶性添加剤/活性剤を含んでもよい。
【0041】
前記粘性ワックスは組成物の全重量に対して0.5から60重量%(特に0.5重量%より多く且つ25重量%未満で)、好ましくは5から50重量%、より好ましくは10から40重量%の範囲の含量で本発明の組成物中に存在してもよい。
【0042】
特に、前記粘性ワックスは組成物の全重量に対して25重量%を越えて、例えば25から60重量%、好ましくは27重量%を越えて、例えば27から50重量%、より好ましくは28重量%を越えて、例えば28から45重量%、更により好ましくは30重量%を越えて、例えば30から40重量%の範囲の含量で本発明の組成物中に存在してもよい。
【0043】
第2のワックス
有利には、本発明の組成物はハードワックスとしても知られる第2のワックスを含むが、これは、6MPa以上の硬度を有し、特に6Maから30MPa、好ましくは7MPa以上、特に7MPaから25MPa、より好ましくは8MPa以上、特に8MPaから25MPa、更により好ましくは9MPa以上、例えば9MPaから20MPaの範囲の硬度を有する。
【0044】
前記ハードワックスの硬度は第1のワックスの場合と同じプロトコルに従って測定される。
【0045】
使用されうるハードワックスには、カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、カンデリラワックス、水素化ホホバ油、スマクワックス、セレシン、オクタコサニルステアレート、テトラコンタニルステアレート、セラックワックス、ベヘニルフマレート、Hest 2T-4Sの名称でHeterene社より販売されているビス(1,1,1−トリメチロールプロパン)テトラステアレート、及びHest 2T-4Bの名称でHeterene社より販売されているビス(1,1,1−トリメチロールプロパン)テトラベヘネート、例えばStrahl&Pitsch社よりOzokerite Wax SP 1020 Pの名称で販売されているオゾケライト、並びに、Sophim社よりPhytowax Olive 18L57の名称で販売されている、ステアリルアルコールでエステル化されたオリーブ油の水素添加で得られるワックスが含まれる。
【0046】
第2のワックスは、第1のワックスについて説明した、ワックス粒子の水性微細分散物の形態であってもよい。
【0047】
第2のワックスは、本発明の組成物中に、組成物の全重量に対して0.1から30重量%、好ましくは1から20重量%、より好ましくは2から10重量%の範囲の含量で存在することができる。
【0048】
ところで、ある種の化粧用途では、特に、第1のワックスが多量(典型的には10%より多く、好ましくは20%より多く、より好ましくは25%より多い)に存在する場合に、スムーズで均一であるという有利な堆積特性を維持しつつ、第1のワックスのもともとのタックを減少できることが有利である。そして、マスカラ型の配合の場合は特に、ある種の使用者は睫毛の完全な個別化を求めるが、これは粘性ワックスの存在下では必ずしも最適ではない。
【0049】
本発明者らは、上記の粘性ワックスを脂肪酸のデキストリンエステル及び/又は100m/g以上のBET比表面積を有するフィラーから選択される少なくとも1つの化合物と組み合わせる条件でこの付加的な要求を満たすことが可能であることを予期せず見出した。
【0050】
したがって、有利には、本発明の組成物は、脂肪酸のデキストリンエステル及び/又は100m/g以上のBET比表面積を有するフィラーから選択される少なくとも1つの化合物を含む。
【0051】
ある比表面積を有するフィラー
前記フィラーは、100m/g以上、特に100から5000m/g、好ましくは150から1000m/g、特に200から800m/gの範囲の比表面積を有しうる。
【0052】
「フィラー」なる用語は、前記組成物が製造される温度に係わらず、前記組成物の媒体中に不溶の、任意の形状の粒子を意味する。
【0053】
「比表面積を有するフィラー」の表現は、100m/g以上の、BET法で測定した比表面積を有するフィラーを意味する。
【0054】
「BET比表面積」とは、The Journal of the American Chemical Society, Vol. 60, page 309, February 1938に記載されたBET(Brunauer-Emmet-Teller)法に従って決定されたものであり、国際標準規格ISO5794/1に該当する。BET比表面積はフィラーの全比表面積(すなわち微少孔を含む)に該当する。
【0055】
本発明の組成物中のフィラー量は一般に組み合わされるワックスのタックを所望の値に制御するように調整される。したがって、本発明のフィラーは、少なくとも10%、特に20%、より好ましくは少なくとも25%、更により好ましくは少なくとも27%の少なくとも1つの粘性ワックスを含む化粧品組成物の調製に特に有利である。
【0056】
例えば、このフィラーは、組成物の全重量に対して0.1から25重量%、好ましくは0.5から20重量%、特に1から15重量%の範囲の量で本発明の組成物中に存在してもよい。
【0057】
有利には、前記第1のワックス(粘性ワックス)と前記比表面積を有するフィラーは、前記比表面積を有するフィラーに対する第1のワックスの重量比が350から0.1、好ましくは100から0.5、より好ましくは50から0.8、特に30から1の範囲となる含量で存在する。
【0058】
前記比表面積を有するフィラーを構成する粒子は0.01から100μm、好ましくは0.1から50μm、特に1から20μmの範囲の平均粒径を有してよい。「平均粒径」の用語は統計的粒径分布により母集団の中間に与えられたD50として表されるサイズである。
【0059】
本発明の前記比表面積を有するフィラーは、特には、有機及び鉱物フィラー及び/又はそれらの混合物から選択される。
【0060】
有機フィラーは、ポリオレフィンワックス、例えばポリエチレンワックス、特にNew Phase Technology社からPerformalen 2000(登録商標)の名称で販売されているもの、或いは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、例えば日本純薬(株)からJurymer MB1(登録商標)の名称で販売されているもの、又は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のポリマーフィラーから選択されうる。鉱物フィラーの言及されるべき非限定的な例は、シリカ、アルミナ、シリケート及びアルミノシリケート、特に、三神化学(株)よりSunsil 130(登録商標)の名称で販売されているもの又は三好(株)よりSilica Beads SB150(登録商標)の名称で販売されているものを含む。
【0061】
前記比表面積を有するフィラーを構成する粒子は様々な形状を有してよい。これらの粒子は特に球状、板状、特に真球形、中空又は中実であってよい。中空フィラーが特に有利であることが見出される。
【0062】
特に、鉱物フィラーの場合、中空シリカミクロスフェアが最も好適であり、特に、770m/gの比表面積を有する旭硝子(株)のSunsphere H-51、及び、200〜260m/gの比表面積を有する三神化学(株)のSunsil 130等が好適である。
【0063】
本発明の1つの態様では、前記組成物は少なくとも1つの第1のワックス(粘性ワックス)と100m/g以上の比表面積を有する少なくとも1つの、中空球状シリカ、中空シリカミクロスフェア及び/又はポリエチレンワックス等のフィラーを含む。
【0064】
脂肪酸のデキストリンエステル
本発明の組成物中で前記粘性ワックスと組み合わされてよい脂肪酸のデキストリンエステルはより特には式(II):
【化2】

(式中、
− nは3から200、好ましくは20から150、特に25から50の範囲の整数であり、
− R、R及びR基は、同一又は異なって、水素及びアシル基(R−CO−(式中、R基は直鎖又は分岐、飽和又は不飽和の6から50,好ましくは7から29、より好ましくは7から21、更により好ましくは11から19、更により好ましくは13から17、特には15、の炭素原子を含む炭化水素ベース基である))から選択される;但し、前記R、R又はR基の少なくとも1つは水素以外である)に該当する、少なくとも1つの脂肪酸のデキストリンモノエステル又はポリエステルである。
【0065】
特に、R、R及びR基は水素原子又はアシル基(R−CO−(式中、Rは上記の炭化水素ベースの基))を表してよく、前記R、R又はR基の少なくとも2つは同一で他方は水素である。
【0066】
、R及びR基は全てアシル基(R−CO−)を含んでもよく、これらは同一であっても異なっていてもよいが、特には同一である。
【0067】
特に、nは有利には、本発明の一般式(II)のエステルにおいて25から50の範囲であり、特に38に等しい。
【0068】
、R及び/又はR基が、同一又は異なって、アシル基(R−CO−)を含む場合、これらの基は、カプリルイル、カプロイル、ラウロイル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、エイコサニル、ドコサノイル、イソバレリル、エチル−2 ブチリル、エチルメチルアセチル、イソヘプタニル、エチル−2 ヘキサニル、イソノナニル、イソデカニル、イソトリデカニル、イソミリスチル、イソパルミチル、イソステアリル、イソヘキサニル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ミリスチル、ヘキサデセノイル、パルミトレイル、オレイル、エライジル、エイコセニル、ソルビル、リノレイル、リノレニル、プニシル、アラキドニル、ステアロリル基及びこれらの混合物から選択されうる。
【0069】
好ましくは、少なくとも1つのデキストリンパルミテートが前記脂肪酸のデキストリンエステルとして使用される。このエステルは単独で使用されてもよく、また、他のエステルとの混合物として使用されてもよい。
【0070】
有利には、前記脂肪酸のデキストリンエステルは1つのグルコース単位を基準として2.5以下、好ましくは1.5から2.5の範囲、特に2から2.5の範囲の置換度を有する。前記デキストリンエステルの重量平均分子量は特に10000から150000、好ましくは12000から100000、より好ましくは15000から80000の範囲である。
【0071】
デキストリンエステル、特にデキストリンパルミテート、はChiba Flour社からRheopearl TL又はRheopearl KLの名称で市販されている。
【0072】
前記デキストリンエステルは組成物の全重量に対して0.1から20重量%、好ましくは0.5から15重量%、特に1から10重量%の範囲の量で本発明の組成物中に存在しうる。
【0073】
有利には、前記デキストリンエステル及び前記第1のワックス(粘性ワックス)は、前記デキストリンエステルに対する前記第1のワックスの重量比が350から0.1、好ましくは100から0.5、より好ましくは50から1、特に15から2の範囲となる含量で存在する。
【0074】
生理学的に許容可能な媒体
前記組成物の生理学的に許容可能な媒体は、特に水及び揮発性有機溶媒及び下記の揮発性油及びそれらの混合物から選択される揮発性溶媒を含みうる。
【0075】
本発明の組成物は、当該組成物の連続相を形成しうる水性相を構成する水性媒体を含みうる。
【0076】
水性相は水を必須にしてなるが、水と水混和性溶媒(25℃での水混和度が50重量%を越えるもの)の混合物をも含むことができる。水混和性溶媒は、例えば、エタノール又はイソプロパノール等の1から5の炭素原子を含む低級モノアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール又はジプロピレングリコール等の2から8の炭素原子を含むグリコール、C−Cケトン及びC−Cアルデヒドである。
【0077】
水性相(水及び任意に水混和性有機溶媒)は組成物の全重量に対して1から95重量%、好ましくは3から80重量%、より好ましくは5から60重量%の範囲の含量で存在することができる。
【0078】
本発明の組成物は特に脂肪相、とりわけ連続脂肪相を形成しうる油又は有機溶媒を含むことができる。前記組成物は無水組成物であってもよい。
【0079】
本発明の目的において、「揮発性油又は有機溶媒」の表現は、ケラチン繊維に接触すると室温及び大気圧下で1時間未満で揮発しうる任意の非水性媒体を意味する。本発明の揮発性有機溶媒及び揮発性油は、室温で液体であり、室温及び大気圧下で0.13Paから40000Pa(10−3から300mmHg)、特に1.3Paから13000Pa(0.01から100mmHg)、より特には1.3Paから1300Pa(0.01から10mmHg)の範囲の0でない蒸気圧を有する揮発性化粧用有機溶媒及び油である。「不揮発性油」の表現は、ケラチン繊維に室温及び大気圧下で数時間残存する油を意味し、特に、10−3mmHg(1.33Pa)未満の蒸気圧を有する。
【0080】
これらの油は炭化水素ベース油、シリコーン油又はこれらの混合物でありうる。
【0081】
「炭化水素ベース油」の表現は、主に水素及び炭素原子を含み、任意に酸素、窒素、硫黄又はリン原子を含む油を意味する。揮発性炭化水素ベース油は8から16の炭素原子を含む炭化水素ベース油、特に、C−C16分岐アルカンから選択することができ、それらは、例えば、石油起源のC−C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)、イソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとしても知られる)、イソデカン、及び、イソヘキサデカンであり、また、例えば、Isopar 又はPermetylsの商品名で販売されている油、C−C16分岐エステル、イソヘキシルネオペンタノエート及びこれらの混合物である。他の揮発性炭化水素ベース油は、例えば、石油留出物であり、特に、Shell社からShell Soltの名称で市販のもの、も使用することができる。揮発性溶媒は好ましくは8から16の炭素原子を含む炭化水素ベース揮発油及びその混合物から選択される。
【0082】
また使用されてよい揮発性油は揮発性シリコーンであり、例えば、線状又は環状揮発性シリコーン油、特に8センチストークス(8×10−6/s)以下の粘度で、特に2から10のケイ素原子を含むものである。これらのシリコーンは任意に1から22の炭素原子を含むアルキル基又はアルコキシ基を含む。本発明で使用されてもよい揮発性シリコーン油としては、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及び、ドデカメチルペンタシロキサン、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0083】
前記揮発性油は本発明の組成物中に、組成物の全重量に対して0から98重量%、好ましくは0から65重量%の範囲の含量で存在することができる。
【0084】
前記組成物は特に不揮発性炭化水素ベース油及び/又はシリコーン油から選択される少なくとも1つの不揮発性油をも含むことができる。
【0085】
言及されてよい不揮発性炭化水素ベース油は、特に、
− 炭化水素ベース植物油、
例えば、脂肪酸エステルとグリセロールからなるトリグリセリドであって、脂肪酸はC4〜C24の様々な鎖長を有しうるもの(これらの鎖は直鎖又は分岐、飽和又は不飽和でありうる);これらの油は特に、小麦胚芽油、向日葵油、葡萄種油、胡麻油、トウモロコシ油、アプリコット油、ヒマシ油、カリテバター、アボガド油、オリーブ油、大豆油、スイートアーモンド油、ヤシ油、菜種油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ポピー油、カボチャ油、骨髄油、クロフサスグリ種油、マツヨイグサ油、キビ油、大麦油、キノーア油、ライ麦油、ベニバナ油、キャンドルナッツ油、トケイソウ油及びジャコウバラ油である;或いは、Stearineries Dubois社から市販の、又は、Dynamit Nobet社からMiglyol 810, 812, 818の名称で市販されるもの等のカプリル/カプリン酸トリグリセリドである;
− 10から40の炭素原子を含む合成エーテル;
− 鉱物又は合成起源の直鎖又は分岐炭化水素類、
例えば、石油ゼリー、ポリデセン、パーリーム等の水素化ポリイソブテン及びスクアラン、並びに、それらの混合物;
− 合成エステル類、
例えば、式RCOOR(式中、Rは1から40の炭素原子を含む直鎖又は分岐脂肪酸残基を表し、Rは1から40の炭素原子を含む特に分岐した炭化水素ベース鎖を表す;但し、R+R≧10)の油であって、例えば、パーセリン油(セトステアリルオクタノエート)、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、C12−C15アルキルベンゾエート、ヘキシルラウレート、ジイソプロピルアジペート、イソノニルイソノナノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、イソステアリルイソステアレート、アルキル又はポリアルキルオクタノエート、プロピレングリコールジオクタノエート等のデカノエート又はリシノレート;イソステアリルラクテート及びジイソステアリルマレート等のヒドロキシル化エステル;及び、ペンタエリトリトールエステル;
− 12から26の炭素原子を含む分岐及び/又は不飽和炭素ベース鎖を含む室温で液体の脂肪アルコール、
例えば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−ブチルオクタノール又は2−ウンデシルペンタデカノール;
− 高級脂肪酸、
例えば、オレイン酸、リノレン酸又はリノレイン酸;並びに
これらの混合物である。
【0086】
本発明の組成物で使用されてもよい不揮発性シリコーン油は、不揮発性ポリジメチルシロキサン類(PDMSs)、ペンダント位及び/又はシリコーン鎖の末端に2から24の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサン類、フェニルシリコーン類、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケートであってよい。
【0087】
前記不揮発性油は、組成物の全重量に対して0〜30重量%(特に0.1から30重量%)、好ましくは0〜20重量%(特に0.1から20重量%)、より好ましくは0〜10重量%(特に0.1から10重量%)の範囲の含量で本発明の組成物中に存在してよい。
【0088】
本発明の組成物は、前記第1のワックス(粘性ワックス)及び前記第2のワックス(ハードワックス)以外の追加のワックスを含んでもよい。追加のワックスは、例えば、ミツロウ、パラフィンワックス、水素化ヒマシ油及びシリコーンワックスから選択される。
【0089】
追加のワックスは前記第1及び第2のワックスについて記述したワックスの微細分散物の形態で存在してよい。
【0090】
前記追加のワックスは、組成物の全重量に対して0.1から50重量%、好ましくは0.5から30重量%、より好ましくは1から20重量%の範囲の含量で本発明の組成物中に存在してよい。
【0091】
本発明の組成物中のワックスの総量(第1のワックス及び/又は第2のワックス及び/又は追加のワックス)は、組成物の全重量に対して0.7から70重量%、好ましくは5から65重量%、より好ましくは10から60重量%、更により好ましくは10から60重量%の範囲となりうる。
【0092】
本発明の組成物は室温でペースト状の少なくとも1つの脂肪化合物を含むことができる。本発明の目的において、「ペースト状の脂肪化合物」の表現は20から55℃、好ましくは25℃から45℃の範囲の融点及び/又は40℃で0.1から40Pa・s(1から400センチポアズ)、好ましくは0.5から25Pa・sの範囲の粘度(60Hzで回転するスピンドルを備えたContraves TV又はRheomat 80粘度計を用いて測定)を有する脂肪物質を意味する。一般的知識に基づいて、テストされるペースト状化合物の測定を実施するために、当業者はスピンドルMS−r3及びMS−r4から粘度測定用のスピンドルを選択することができる。
【0093】
これらの脂肪物質は好ましくは炭化水素ベース化合物であり、任意に重合したタイプである;それらは、シリコーン化合物からも選択することができ、シリコーン化合物は炭化水素ベース化合物及び/又はシリコーン化合物との混合物の形態でもよい。異なるペースト状脂肪物質の混合物の場合、炭化水素ベースのペースト状化合物(主に水素と炭素原子を含み任意にエステル基を含む)が好ましくは主成分として使用される。
【0094】
本発明の組成物で使用されてもよいペースト状化合物の中では、18から21Pa・s、好ましくは19から20.5Pa・s、及び/又は、30から55℃の融点を有する、アセチル化ラノリン又はオキシプロピレン化ラノリン又はイソプロピルラノレート等のラノリン類及びラノリン誘導体を挙げることができる。脂肪酸又は脂肪アルコールのエステルを使用することも可能であり、特に、20から65の炭素原子を含むもの(約20から35℃の融点及び/又は40℃で0.1から40Pa・sの範囲の粘度)、例えば、トリイソステアリル又はセチルシトレート;アラキジルプロピオネート;ポリビニルラウレート;コレステロールエステル類、水素化植物油等の植物起源のトリグリセリド、ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)等の粘性ポリエステル、並びに、これらの混合物を使用可能である。
【0095】
8から24の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ型のペンダント鎖を含み、20から55℃の融点を有する、ステアリルジメチコーン等の、ポリジメチルシロキサン類(PDMSs)等のペースト状シリコーン脂肪物質、特に、Dow Corning社からDC2503及びDC25514の名称で市販されているもの、並びにこれらの混合物も言及されてよい。
【0096】
ペースト状脂肪物質は、組成物の全重量に対して0から60重量%、好ましくは0.5から45重量%、より好ましくは2から30重量%の範囲の割合で本発明の組成物中に存在してよい。
【0097】
本発明の組成物は乳化界面活性剤を含むことができ、特に、組成物の全重量に対して、2から30重量%、好ましくは5から15重量%の範囲の割合で存在することができる。これらの界面活性剤はアニオン性及び非イオン性界面活性剤から選択されうる。(乳化)界面活性剤の特性と機能の定義については、”Encyclopedia of Chemical Technology, Kirk-Othmer”, Vol. 22, pp. 333-432, 3rd Edition, 1979, Wileyを参照してよく、特に、この文献のpp.347-377がアニオン性及び非イオン性界面活性剤についてである。
【0098】
本発明の組成物で好ましく使用される界面活性剤は
− 非イオン性界面活性剤:脂肪酸、脂肪アルコール、ポリエトキシル化ステアリル又はセチルステアリルアルコール等のポリエトキシル化又はポリグリセロール化脂肪アルコール、スクロースの脂肪酸エステル、アルキルグルコースエステル、特に、C−Cアルキルグルコースのポリオキシエチレン化脂肪エステル、並びに、これらの混合物;
− アニオン性界面活性剤:アミン、水性アンモニア又はアルカリ塩で中和されたC16−C30脂肪酸、
並びに、これらの混合物から選択される。
【0099】
水中油型又は水中ワックス型エマルジョンを得ることを可能とする界面活性剤が好ましく使用される。
【0100】
本発明の組成物は、少なくとも1つの皮膜形成ポリマーを含むことができる。
【0101】
前記皮膜形成ポリマーは、組成物の全重量に対して固形分で0.1から60重量%、好ましくは0.5から40重量%、より好ましくは1から30重量%の範囲の含量で本発明の組成物中に存在することができる。
【0102】
本明細書での「皮膜形成ポリマー」の表現は、それ自身で又は皮膜形成補助剤の存在下で、基体、特に睫毛等のケラチン物質上に連続的で付着性のある皮膜を形成することのできるポリマーを意味する。
【0103】
本発明の組成物中に使用されてもよい皮膜形成ポリマーの中では、ラジカル媒介タイプ又は重縮合タイプの合成ポリマー、並びに、天然起源のポリマー、そして、これらの混合物を挙げることができる。
【0104】
「ラジカル媒介皮膜形成ポリマー」の表現は、不飽和、特にエチレン性不飽和を含むモノマーの重合によって得られたポリマーを意味し、(重縮合とは異なり)各モノマーは単独重合可能である。
【0105】
ラジカル媒介型皮膜形成ポリマーは、特に、ビニルポリマー又はコポリマーであってよく、特にアクリルポリマーであってよい。
【0106】
ビニル皮膜形成ポリマーは、エチレン性不飽和と少なくとも1つの酸性基を含むモノマー及び/又はこれらの酸性モノマーのエステル及び/又はこれらの酸性モノマーのアミドの重合から得ることができる。
【0107】
使用されてよい酸性基を有するモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸又はイタコン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸である。(メタ)アクリル酸及びクロトン酸が好ましく使用され、より好ましくは(メタ)アクリル酸が使用される。
【0108】
酸性モノマーのエステルは、有利には、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリレートとしても知られる)、特に、アルキル、特にC−C30アルキル、好ましくはC−C20アルキルの(メタ)アクリレート、アリール、特にC−C10アリールの(メタ)アクリレート、及び、ヒドロキシアルキル、特にC−Cヒドロキシアルキルの(メタ)アクリレートから選択される。
【0109】
アルキル(メタ)アクリレートの中では、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート及びシクロヘキシルメタクリレートを言及することができる。
【0110】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの中では、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、及び、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを言及することができる。
【0111】
アリール(メタ)アクリレートの中では、ベンジルアクリレート及びフェニルアクリレートを言及することができる。
【0112】
特に好ましい(メタ)アクリレートはアルキル(メタ)アクリレートである。
【0113】
本発明では、上記エステルのアルキル基はフッ素化又は過フッ素化(すなわち、アルキル基の幾つか又は全ての水素原子がフッ素原子で置換)されていてもよい。
【0114】
言及されてよい前記酸性モノマーのアミドの例は、(メタ)アクリルアミド、特に、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、特に、N−C−C12アルキル(メタ)アクリルアミドである。N−アルキル(メタ)アクリルアミドの中では、N−エチルアクリルアミド、N−t-ブチルアクリルアミド、N−t-オクチルアクリルアミド及びN−ウンデシルアクリルアミドが言及されうる。
【0115】
ビニル皮膜形成ポリマーはビニルエステル及びスチレンモノマーから選択されるモノマーの単独重合又は共重合からも得ることができる。特に、これらのモノマーは、上記したような、酸性モノマー及び/又はそのエステル及び/又はそのアミドと共に重合をうけてよい。
【0116】
言及されてよいビニルエステルの例はビニルアセテート、ビニルネオデカノエート、ビニルピバレート、ビニルベンゾエート及びビニルt−ブチルベンゾエートである。
【0117】
言及されてよいスチレンモノマーはスチレンとα−メチルスチレンである。
【0118】
被膜形成重縮合物の中では、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアミド、エポキシエステル樹脂及びポリウレアを挙げることができる。
【0119】
ポリウレタンは、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性のポリウレタン、ポリウレタン−アクリル、ポリウレタン−ポリビニル−ピロリドン、ポリエステル−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタン、ポリウレア、及び、ポリウレア/ポリウレタン、並びに、これらの混合物から選択されうる。
【0120】
ポリエステルは、公知の方法で、ジカルボン酸とポリオール、特にジオールとの重縮合によって得ることができる。
【0121】
ジカルボン酸は脂肪族、脂環式又は芳香族であってよい。言及されてよいそのような酸の例はシュウ酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリックアシッド、2,2−ジメチルグルタル酸、アゼライン酸、スベリックアシッド、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、ジグリコール酸、チオジプロピオン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、又は、2,6−ナフタレンジカルボン酸である。これらのジカルボン酸は単独で使用されてよく、また、少なくとも2つのジカルボン酸モノマーの組み合わせとして使用されてよい。これらのモノマーの中では、好ましく選択されるものはフタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸である。
【0122】
ジオールは脂肪族、脂環式又は芳香族ジオールであってよい。使用されるジオールは好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、及び、4−ブタンジオールから選択される。使用されてよい他のポリオールはグリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール及びトリメチロールプロパンである。
【0123】
ポリエステルアミドは、二酸とジアミン又はアミノアルコールの重縮合によって、ポリエステルの場合と類似の方法で得ることができる。使用されてよいジアミンはエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びメタ−又はパラ−フェニレンジアミンである。使用されてよいアミノアルコールはモノエタノールアミンである。
【0124】
ポリエステルは少なくとも1つの−SOM基(Mは水素原子、アンモニウムイオンNH、又は、例えばNa、Li、K、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Fe2+、又はFe3+イオン等の金属イオンを表す)を有する少なくとも1つのモノマーをも含んでよい。そのような−SOM基を含む二官能性芳香族モノマーを特に使用することができる。
【0125】
−SOM基をも有する前記二官能性芳香族モノマーの芳香核は、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、オキシビフェニル、スルホニルビフェニル及びメチレンビフェニル核から選択されうる。−SOM基をも有する前記二官能性芳香族モノマーの例として、スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸を言及することができる。
【0126】
好ましく使用されるコポリマーはイソフタレート/スルホイソフタレートに基づくものであり、より好ましくは、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸及びスルホイソフタル酸の縮合によって得られるコポリマーである。
【0127】
任意に変性される天然起源のポリマーは、セラック樹脂、サンダラックゴム、ダマー樹脂、エレミゴム、コパール樹脂及びセルロースポリマー、並びに、これらの混合物から選択することができる。
【0128】
本発明の組成物の第1の態様では、皮膜形成ポリマーは水溶性ポリマーであって、組成物の水性相に存在しうる。そして、ポリマーは組成物の水性相中に溶解する。言及されてよい水溶性皮膜形成ポリマーの例は、
− 蛋白質、
例えば、小麦蛋白質及び大豆蛋白質等の植物起源蛋白質;ケラチン、ケラチン加水分解物及びスルホン性ケラチン等の動物起源蛋白質;
− セルロースポリマー、
例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、並びに、第4級化セルロース誘導体;
− アクリルポリマー又はコポリマー、
例えば、ポリアクリレート又はポリメタクリレート;
− ビニルポリマー、
例えば、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸のコポリマー、ビニルアセテートとクロトン酸のコポリマー、ビニルピロリドンとビニルアセテートのコポリマー、ビニルピロリドンとカプロラクタムのコポリマー、ポリビニルアルコール;
− 任意に変性される天然起源のポリマー、例えば
− アラビアゴム、グアーゴム、キサンタン誘導体、カラヤゴム;
− アルギネート及びカラギーナン;
− グリコアミノグリカン、ヒアルロン酸及びその誘導体;
− セラック樹脂、サンダラックゴム、ダマー樹脂、エレミゴム及びコパール樹脂;
− デオキシリボ核酸;
− コンドロイチン硫酸塩等のムコポリサッカライド;
並びに、これらの混合物である。
【0129】
本発明の組成物の別の態様では、皮膜形成ポリマーは既述した如き有機溶媒又は油を含む液状脂肪相中に存在しうる(したがって、この皮膜形成ポリマーは油溶性ポリマーと称される)。本発明の目的においては、「液状脂肪相」の表現は、室温(25℃)且つ大気圧(760mmHg、すなわち10Pa)で液体の脂肪相を意味し、室温で液状の1以上の一般に相互に混和性の脂肪物質(油としても知られる)からなる。
【0130】
液状脂肪相は好ましくは揮発性油を含み、それは任意に不揮発性油と混合されている。それらの油は既述したものから選択することができる。
【0131】
言及されてよい油溶性ポリマーの例は、ビニルエステル(ビニル基はエステル基の酸素原子に直接結合しており、ビニルエステルは、エステル基のカルボニルに連結した飽和の直鎖又は分岐の1から19の炭素原子の炭化水素ベース基を含む)と、ビニルエステル(上記のビニルエステル以外)、α−オレフィン(8から28の炭素原子を含む)、アルキルビニルエーテル(アルキル基は2から18の炭素原子を含む)或いはアリル性又はメタリル性エステル(エステル基のカルボニルに連結した飽和の直鎖又は分岐の1から19の炭素原子の炭化水素ベース基を含む)でありうる少なくとも1つの他のモノマーとのコポリマーである。
【0132】
これらのコポリマーは、テトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、ジビニルオクタンジオエート、ジビニルドデカンジオエート、及び、ジビニルオクタデカンジオエート等のビニル型又はアリル型又はメタリル型でよい架橋剤の補助の下で架橋されてもよい。
【0133】
言及されてよいこれらのコポリマーの例は下記のコポリマーである:
ビニルアセテート/アリルステアレート、ビニルアセテート/ビニルラウレート、ビニルアセテート/ビニルステアレート、ビニルアセテート/オクタデセン、ビニルアセテート/オクタデシルビニルエーテル、ビニルプロピオネート/アリルラウレート、ビニルプロピオネート/ビニルラウレート、ビニルステアレート/1−オクタデセン、ビニルアセテート/1−ドデセン、ビニルステアレート/エチルビニルエーテル、ビニルプロピオネート/セチルビニルエーテル、ビニルステアレート/アリルアセテート、ビニル2,2−ジメチルオクタノエート/ビニルラウレート、アリル2,2−ジメチルペンタノエート/ビニルラウレート、ビニルジメチルプロピオネート/ビニルステアレート、アリルジメチルプロピオネート/ビニルステアレート、0.2%のジビニルベンゼンで架橋されたビニルプロピオネート/ビニルステアレート、0.2%のジビニルベンゼンで架橋されたビニルジメチルプロピオネート/ビニルラウレート、0.2%のテトラアリルオキシエタンで架橋されたビニルアセテート/オクタデシルビニルエーテル、0.2%のジビニルベンゼンで架橋されたビニルアセテート/アリルステアレート、0.2%のジビニルベンゼンで架橋されたビニルアセテート/1−オクタデセン、及び、0.2%のジビニルベンゼンで架橋されたアリルプロピオネート/アリルステアレート。
【0134】
言及されてもよい油溶性皮膜形成ポリマーの例は、油溶性コポリマー、特に、9から22の炭素原子を含むビニルエステルとアルキル基が10から20の炭素原子を含むアルキルアクリレート又はメタクリレートとの共重合から得られるものである。
【0135】
そのような油溶性コポリマーは、ポリビニルステアレート、ジビニルベンゼン、ジアリルエーテル又はジアリルフタレートで架橋されたポリビニルステアレート、ポリステアリル(メタ)アクリレート、ポリビニルラウレート及びポリラウリル(メタ)アクリレートから選択されうる。これらのポリ(メタ)アクリレートはエチレングリコールジメタクリレート又はテトラエチレングリコールジメタクリレートの補助で架橋されることができる。
【0136】
上記の油溶性コポリマーは公知であり、特にFR−A−2232303に記載されている。それらは2000から500000、好ましくは4000から200000の重量平均分子量を有することができる。
【0137】
本発明で使用されうる油溶性皮膜形成ポリマーとしては、ポリアルキレン、及び、特に、ポリブテン等のC−C20アルケンのコポリマー、直鎖又は分岐の飽和又は不飽和のC−Cアルキル基を備えたアルキルセルロース(例えば、エチルセルロース及びプロピルセルロース)、ビニルピロリドン(VP)のコポリマー、特に、ビニルピロリドンとCからC40、好ましくはCからC20アルケンとのコポリマーを言及することができる。本発明で使用されうるVPコポリマーの例としては、VP/ビニルアセテート、VP/エチルメタクリレート、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)、VP/エチルメタクリレート/メタクリル酸、VP/エイコセン、VP/ヘキサデセン、VP/トリアコンテン、VP/スチレン又はVP/アクリル酸/ラウリルメタクリレートを挙げることができる。
【0138】
皮膜形成ポリマーは水性相又は非水性相中に分散した粒子の形態で組成物中に存在してよい。これらは一般にラテックス又は疑似ラテックスとして知られている。これらの分散物を調製する技術は当業者に周知である。
【0139】
使用されてよい皮膜形成ポリマーの水性分散物はAvecia-Neoresins社からNeocryl XK-90(登録商標), Neocryl A-1070(登録商標), Neocryl A-1090(登録商標), Neocryl BT-62(登録商標), Neocryl A-1079(登録商標)及びNeocryl A-523(登録商標)の名称で販売されているアクリル性分散物、Dow Chemical社からDow Latex 432(登録商標)の名称で市販されているアクリル性分散物、大東化成工業(株)よりDaitosol 5000 AD(登録商標)の名称で市販されているアクリル性分散物;或いは、Avecia-Neoresins社よりNeorez R-981(登録商標), Neorez-R-974(登録商標)の名称で市販されているポリウレタンの水性分散物、Goodrich社よりAvalure UR-405(登録商標), Avalure UR-410(登録商標), Avalure UR-425(登録商標), Avalure UR-450(登録商標), Sancure 875(登録商標), Sancure 861(登録商標), Sancure 878(登録商標)及びSancure 2060(登録商標)の名称で市販されているポリウレタンの水性分散物、Bayer社よりImpranil 85(登録商標)の名称で市販されているポリウレタンの水性分散物、Hydromer社よりAquamere H-1511(登録商標)の名称で市販されているポリウレタンの水性分散物;Eastman Chemical Products社よりEastman AQ(登録商標)のブランド名で市販のスルホポリエステル;例えば、Chimex社のMexomer PAM等のビニル分散物;及びChimex社のMexomer PAP等のイソドデカン中のアクリル性分散物である。
【0140】
本発明の組成物は、皮膜形成ポリマーによる皮膜の形成を促進する可塑剤を含んでよい。そのような可塑剤は所望の機能を満たすことの可能な当業者に公知の任意の化合物から選択されることができる。
【0141】
添加剤
本発明の組成物は、染料、例えば、粉体染料、油溶性染料及び水溶性染料を含んでもよい。この染料は組成物の全重量に対して0.01から30重量%の範囲の含量で存在することができる。
【0142】
粉体染料は顔料及び真珠光沢顔料から選択することができる。
【0143】
顔料は白色又は着色されていてもよく、鉱物性及び/又は有機性、及び、被覆又は非被覆であってもよい。鉱物性顔料の中で言及されてよいものは、任意に表面処理された二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛又は酸化セリウム、並びに、酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、水和クロム及びフェリックブルーである。有機性顔料の中で言及されてよいものは、カーボンブラック、D&C型顔料、及び、コチニールカーマインベースのレーキ、又は、バリウム、ストロンチウム、カルシウム又はアルミニウムベースのレーキである。
【0144】
真珠光沢顔料は、チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ等の白色真珠光沢顔料、酸化鉄含有チタンマイカ、特に、フェリックブルー又は酸化クロム含有チタンマイカ、上記のタイプの有機性顔料を含むチタンマイカ、並びに、オキシ塩化ビスマスベースの真珠光沢顔料から選択することができる。
【0145】
油溶性染料は、例えば、Sudan Red、D&C Red、D&C Green 6、β-カロテン、大豆油、Sudan Brown、D&C Yellow 11、D&C Violet 2、D&C Orange 5、キノリンイエロー、及び、アンナットである。水溶性染料は、例えば、ビートの根汁、メチレンブルー、ponceauの二ナトリウム塩、アリザリングリーンの二ナトリウム塩、キノリンイエロー、アマランサスの三ナトリウム塩、タルトラジンの二ナトリウム塩、ローダミンのモノナトリウム塩、フクシンの二ナトリウム塩、及び、キサントフィルである。
【0146】
本発明の組成物は、化粧品に通常使用される任意の添加剤をも含むことができる。それは例えば抗酸化剤、上記の特定の比表面積を有するもの以外のフィラー、保存剤、香料、中和剤、増粘剤、ビタミン及び可塑剤並びにこれらの混合物である。
【0147】
本発明のある特定の態様では、前記組成物はUVスクリーニング剤(有機スクリーニング剤又は鉱物性スクリーニング剤;紫外線を吸収又は反射するスクリーニング剤)を含まない。本発明の組成物は好ましくはマスカラである。
【0148】
言うまでもなく、当業者は、本発明の組成物の有利な特性が、包含される添加剤によって悪影響を受けない、又は、実質的に受けないように、上記の任意の追加の添加剤を選択し、及び/又は、その量を選択するよう留意するであろう。
【0149】
本発明の組成物は化粧品に一般に使用される公知の方法で製造されうる。
【0150】
本発明の組成物は、容器及び当該容器を好ましくは漏れのないように閉鎖する除去可能手段を備えた塗布製品中に詰められうる。
【0151】
前記塗布アセンブリは、メークアップ組成物をケラチン繊維(特に睫毛)に塗布する部材を備えることもでき、前記塗布部材は前記組成物を取り出し、取り出された組成物を睫毛上に堆積させることができる。この塗布部材は好ましくは前記アセンブリを漏れのないように閉鎖する手段にしっかりと固定される。
【0152】
前記塗布アセンブリはまた前記塗布部材用の排出手段(排出体)を備えることができ、この排出手段は容器にしっかりと固定されうる。
【0153】
前記塗布部材は好ましくは当業者に周知のマスカラブラシであってよい。そのようなブラシは特に螺旋コア、特に金属コア、の周囲に半径方向に配置された硬毛を備える。前記ブラシは様々な形状であってよく、切り欠き部を備えていてもよい。マスカラブラシは、例えば、FR−A−2607373、EP−A−611170、EP−A−811336、EP−A−811337及びEP−A−842620に記載されている。
【0154】
ここで言及される図1は、本発明のケラチン繊維被覆用組成物を含むパッケージ及びアプリケーターアセンブリ1の1つの好ましい態様を示す。
【0155】
パッケージ及びアプリケーターアセンブリ1は、ネジ頸3をその上に備えた容器2を備え、その一方の自由端は穴4を定める。穴4中には排出部材5が取り付けられている。アセンブリ1はステム13にしっかりと固定されたキャップ11を有する塗布デバイス10をも備え、その一方の端部はアプリケーター12を備え、それは一般に螺旋鉄ワイヤの2つの枝の間に保持された繊維の配列の形態とされている。キャップ11の内部表面はネジ頸3と係合するようにネジが形成されている。したがって、アプリケーター12とステム13が容器2内にある場合、キャップ11のネジはキャップが容器の穴4を漏れなく閉鎖するようにネジ頸3と係合する。
【0156】
或いは、アプリケーターは、熱可塑性材料からなる基体を用いて成形して得られる一般に複数の歯を備えた櫛からなることができる。アプリケーターは櫛とブラシの組み合わせでもよい。
【実施例】
【0157】
本発明は、下記の実施例においてより詳細に例証される。
【0158】
実施例1〜6
6つの異なるワックスを用いて、下記の組成を有する、本発明の無水マスカラ(実施例1)と本発明を構成しない5つのマスカラ(実施例2〜6)が調製された。
− ワックス 27g
− ベントナイト 5.3g
− プロピレンカーボネート 1.7g
− ビニルアセテート/アリルアセテート共重合体 2.2g
(65/35)(Chimex社のMexomer PQ)
− ポリビニルラウレート(Chimex社のMexomer PP) 0.7g
− シリカ 0.8g
− 顔料 3.6g
− 保存剤 少量
− イソドデカン 全量が100gとなる量
【0159】
各組成物について、粘度と粘稠指数が測定され、25℃での安定性が評価された。
【0160】
粘度測定は、4番スピンドルを備えたRheomat RM180粘度計を用いて25℃で実施された。測定は、スピンドルの10分間の回転後に(その時間後に粘度とスピンドルの回転速度の安定性が観測される)200/sの專断速度で行われた。
【0161】
粘稠指数測定は、直径12mmのステンレス鋼円筒プローブを備えたRheo社のTX-XT2I texturometerを用いて実施された。
【0162】
円筒形容器(直径35mm、15mm深さ)がテストされるマスカラ組成物で充填され、次に、容器中に含まれる製品の表面が削ぎ取られて、当該製品の完全に平らな表面を得た。Texturometerの円筒形プローブを10mm/sの速度で変位し、次に、円筒形容器中に含まれるマスカラに0.2mmの深さまで浸入させた。マスカラによってプローブ上に作用した力が次に記録された。この力はそのマスカラの粘稠指数に相当し、Paで表される。
【0163】
安定性は、25℃で2週間貯蔵後の組成物の目視観測によって評価した。
【0164】
ワックスのタックと硬度は既に説明した測定方法に従って測定された。
【0165】
下記の結果が得られた。
【表1】

【0166】
本発明の組成物1が安定で最低の粘度と最低の粘稠度を有することがわかった。組成物2及び3も安定であったが組成物1に比べて比較的高い粘度と比較的高い粘稠度を有していた。組成物4は粘性があまりに高く、したがってマスカラブラシを用いた睫毛への塗布には不適であった。組成物5及び6は不安定であった。それらは25℃で2週間の貯蔵後に2相に分離した。
【0167】
実施例7
下記の組成:
− 粘性ワックス(Koster Keunen社のKester Wax K82P) 30g
− 2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール 0.5g
− トリエタノールアミン 2.4g
− ステアリン酸 5.8g
− 水溶性非イオン性ポリマー 4.3g
− ポリメタクリレートナトリウム(Vanderbilt社のDarvan 7) 0.25gAM
− エピクロロヒドリンで架橋され、トリメチルアミンで第4級化されたヒドロキシエチルセルロース(Union Carbide社のJR 400) 0.1g
− 顔料 5.4g
− 保存剤 少量
− 水 全体が100gとなる量
を有する水中ワックス型エマルジョンマスカラが調製された。
【0168】
このマスカラは室温で24時間後も安定である。それは睫毛に容易に且つ良好に付着する。このマスカラはスムースで均一なメークアップを形成し、睫毛を濃くする。
【0169】
実施例8
下記の組成:
− 粘性ワックス(Koster Keunen社のKester Wax K82P) 30g
− ベントナイト 5.3g
− プロピレンカーボネート 1.7g
− ビニルアセテート/アリルステアレート共重合体 2.2g
(65/35)(Chimex社のMexomer PQ)
− ポリビニルラウレート(Chimex社のMexomer PP) 0.7g
− 12−ヒドロキシステアリン酸のオリゴマーのステアレート 0.1g
(Avecia社のSolsperse 21000)
− シリカ 0.8g
− 顔料 4.2g
− 保存剤 少量
− イソドデカン 全体が100gとなる量
を有する無水マスカラが調製された。
【0170】
この耐水性マスカラは睫毛に良好に付着する。それは高度に分離(個々の睫毛がはっきりとしている様子を表す。以下同様)された、スムースで均一なメークアップを睫毛に与える。
【0171】
実施例9
下記の組成:
− 粘性ワックス(Koster Keunen社のKester Wax K82P) 35g
− ベントナイト 5.3g
− プロピレンカーボネート 1.7g
− ビニルアセテート/アリルステアレート共重合体 2.2g
(65/35)(Chimex社のMexomer PQ)
− ポリビニルラウレート(Chimex社のMexomer PP) 0.7g
− 12−ヒドロキシステアリン酸のオリゴマーのステアレート 0.1g
(Avecia社のSolsperse 21000)
− シリカ 0.8g
− 顔料 4.2g
− 保存剤 少量
− イソドデカン 全体が100gとなる量
を有する無水マスカラが調製された。
【0172】
この耐水性マスカラは睫毛に良好に付着する。それは高度に分離された、スムースで均一なメークアップを睫毛に与える。
【0173】
実施例10
下記の組成:
− 粘性ワックス(Koster Keunen社のKester Wax K82P) 15g
− マイクロクリスタリンワックス 10g
− 2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール 0.5g
− トリエタノールアミン 2.4g
− ステアリン酸 5.8g
− 水溶性非イオン性ポリマー 4.3g
− ポリメタクリレートナトリウム(Vanderbilt社のDarvan 7) 0.25gAM
− エピクロロヒドリンで架橋され、トリメチルアミンで第4級化されたヒドロキシエチルセルロース(Union Carbide社のJR 400) 0.1g
− 顔料 5.4g
− 保存剤 少量
− 水 全体が100gとなる量
を有する水中ワックス型エマルジョンマスカラが調製された。
【0174】
このマスカラは睫毛に良好に付着する。メークアップはスムースで均一である。
【0175】
実施例11
下記の組成:
− 粘性ワックス(Koster Keunen社のKester Wax K82P) 25g
− キャンデリラワックス 6g
− 2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール 0.5g
− トリエタノールアミン 2.4g
− ステアリン酸 5.8g
− イソノニル イソノナノエート 3g
− 水溶性非イオン性ポリマー 4.3g
− 顔料 5.4g
− 保存剤 少量
− 水 全体が100gとなる量
を有する水中ワックス型エマルジョンマスカラが調製された。
【0176】
このマスカラは睫毛に容易に付着し、睫毛のメークアップはスムースで均一である。
【0177】
実施例12
下記の組成:
− 粘性ワックス(Koster Keunen社のKester Wax K82P) 25g
− カルナウバワックス 3g
− 2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール 0.5g
− トリエタノールアミン 2.4g
− ステアリン酸 5.8g
− 水溶性非イオン性ポリマー 4.3g
− 顔料 5.4g
− 保存剤 少量
− 水 全体が100gとなる量
を有する水中ワックス型エマルジョンマスカラが調製された。
【0178】
このマスカラは睫毛に良好に付着する。メークアップはスムースで均一である。
【0179】
実施例13
下記の組成:
− 粘性ワックス(Koster Keunen社のKester Wax K82P) 17.5g
− マイクロクリスタリンワックス 17.5g
− ベントナイト 5.3g
− プロピレンカーボネート 1.7g
− ビニルアセテート/アリルステアレート共重合体 2.2g
(65/35)(Chimex社のMexomer PQ)
− ポリビニルラウレート(Chimex社のMexomer PP) 0.7g
− 12−ヒドロキシステアリン酸のオリゴマーのステアレート 0.1g
(Avecia社のSolsperse 21000)
− タルク 0.8g
− 顔料 4.2g
− 保存剤 少量
− イソドデカン 全体が100gとなる量
を有する無水マスカラが調製された。
【0180】
このマスカラは睫毛に容易に付着する。それは睫毛に高度に分離したスムースで均一なマークアップを与える。
【0181】
実施例14〜16
下記:
− 粘性ワックス(Koster Keunen社のKester Wax K82P) 27g
− ベントナイト 2.66g
− プロピレンカーボネート 1.7g
− ビニルアセテート/アリルステアレート共重合体 2.2g
(65/35)(Chimex社のMexomer PQ)
− ポリビニルラウレート(Chimex社のMexomer PP) 0.7g
− 12−ヒドロキシステアリン酸のオリゴマーのステアレート 0.1g
(Avecia社のSolsperse 21000)
− 特定の表面積を有するフィラー 15g
− 顔料 4.2g
− 保存剤 少量
− イソドデカン 全体が100gとなる量
の無水マスカラが調製された。
【0182】
この配合を用いて、それぞれに特定のフィラーを配合することにより、本発明の3つの異なるマスカラが調製された。
【0183】
この3つの選択されたフィラーの特性、その性質、及び、それぞれの量を表2に示す。
【表2】

【0184】
シリカであるSunsil 130(登録商標)は三神化学(株)より販売されている。
【0185】
ポリメチルメタクリレートであるJurymer MB1(登録商標)は日本純薬(株)より販売されており、シリカであるSunsphere H-51(登録商標)は旭硝子(株)より販売されている。
【0186】
タックは下記のプロトコルに従って評価されている。
ブラシを用いて製品を30回連続に塗布することにより直毛(15mm長の60の毛髪)からなるサンプルがメークアップされる。1時間乾燥後、メークアップされた毛髪は指で前後に動かすことにより摩擦を受けた。毛髪のくっつき度合いに従って1(全くくっつかない)から5(非常にくっつく)まで定性的にタックを評価する。
【0187】
こうして得られた耐水性マスカラは睫毛に良好に付着する。それらは高度に分離された、スムースで均一なメークアップを睫毛に与える。
【0188】
実施例17
下記の組成:
− 粘性ワックス(Koster Keunen社のKester Wax K82P) 32g
− デキストリンパルミテート(Chiba Flour社のRheopearl KL(登録商標)) 5.3g
− ビニルアセテート/アリルステアレート共重合体 2.2g
(65/35)(Chimex社のMexomer PQ)
− ポリビニルラウレート(Chimex社のMexomer PP) 0.75g
− 12−ヒドロキシステアリン酸のオリゴマーのステアレート 0.1g
(Avecia社のSolsperse 21000)
− シリカ 10g
− タルク 0.84g
− 顔料 4.6g
− 保存剤 少量
− イソドデカン 全体が100gとなる量
を有する無水マスカラが調製された。
【0189】
このマスカラは睫毛に容易に付着し、睫毛に濃い非粘性のメークアップを与える。睫毛は良好に分離されている。
【0190】
実施例18
下記の組成:
− 粘性ワックス(Koster Keunen社のKester Wax K82P) 25g
− キャンデリラワックス 3g
− デキストリンパルミテート(Chiba Flour社のRheopearl KL(登録商標)) 6g
− ステアリン酸 5.8g
− 2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール 0.5g
− トリエタノールアミン 2.4g
− ヒドロキシエチルセルロース 0.9g
− シリカ 5g
− 顔料 5.5g
− 保存剤 少量
− 水 全体が100gとなる量
を有する水中ワックス型エマルジョンマスカラが調製された。
【0191】
このマスカラは非常に容易に睫毛に付着し、濃く且つ分離した均一な堆積を与える。
【図面の簡単な説明】
【0192】
【図1】本発明のマスカラ組成物を含むパッケージ及びアプリケーターアセンブリの1つの好ましい態様を示す図。
【符号の説明】
【0193】
1:パッケージ及びアプリケーターアセンブリ1、2:容器、3:ネジ頸、4:穴、5:排出部材、10:塗布デバイス、11:キャップ、12:アプリケーター、13:ステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品的に許容可能な媒体中に、0.7N・s以上のタック及び3.5MPa以下の硬度を有する第1のワックスを含む、ケラチン繊維被覆用組成物
【請求項2】
化粧品的に許容可能な媒体中に、0.7N・s以上のタック及び3.5MPa以下の硬度を有する第1のワックスを含む、目のケア又はメークアップ組成物。
【請求項3】
前記第1のワックスが0.7N・sから30N・sの範囲のタックを有する、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記第1のワックスが1N・s以上の、好ましくは1N・sから20N・sの範囲のタックを有する、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項5】
前記第1のワックスが2N・s以上の、好ましくは2N・sから10N・sの範囲のタックを有する、請求項1乃至4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記第1のワックスが0.01から3.5MPaの範囲の硬度を有する、請求項1乃至5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記第1のワックスが0.05から3MPaの範囲、好ましくは0.1から2.5MPaの範囲の硬度を有する、請求項1乃至6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記第1のワックスがC20−C40アルキル(ヒドロキシステアロイルオキシ)ステアレートである、請求項1乃至7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記第1のワックスが組成物の全重量に対して0.5から60重量%、好ましくは5から50重量%、より好ましくは10から40重量%の範囲の含量で存在する、請求項1乃至8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
前記第1のワックスが組成物の全重量に対して25重量%より多い、好ましくは27重量%より多い、より好ましくは28重量%より多い、そして更により好ましくは30重量%より多い含量で存在する、請求項1乃至9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
化粧品的に許容可能な媒体中にC20−C40アルキル(ヒドロキシステアロイルオキシ)ステアレートを含む組成物。
【請求項12】
前記C20−C40アルキル(ヒドロキシステアロイルオキシ)ステアレートが組成物の全重量に対して0.5から60重量%、好ましくは5から50重量%、より好ましくは10から40重量%の範囲の含量で存在する、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
前記C20−C40アルキル(ヒドロキシステアロイルオキシ)ステアレートが下記式(I):
【化1】

(式中、nは18から38の範囲の整数である)
に該当する、或いは、式(I)の化合物の混合物である、請求項8又は11乃至12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
6MPa以上の硬度を有する第2のワックスを含む、請求項1乃至13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
前記第2のワックスが6Maから30MPa、好ましくは7MPaから25MPa、より好ましくは8MPaから25MPa、更により好ましくは9MPaから20MPa、更により好ましくは10MPaから20MPaの範囲の硬度を有する、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
前記第2のワックスが、カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、カンデリラワックス、水素化ホホバ油、ビス(1,1,1−トリメチロールプロパン)テトラステアレート及びステアリルアルコールでエステル化されたオリーブ油の水素添加で得られるワックスから選択される、請求項14又は15記載の組成物。
【請求項17】
前記第2のワックスが組成物の全重量に対して0.1から30重量%、好ましくは1から20重量%、より好ましくは2から10重量%の範囲の含量で存在する、請求項14乃至16のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
脂肪酸のデキストリンエステル及び/又は100m/g以上のBET比表面積を有するフィラーから選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1乃至17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
前記脂肪酸のデキストリンエステルが式(II):
【化2】

(式中、
nは3から200の範囲の、好ましくは20から150の範囲の、より好ましくは25から50の範囲の整数であり、
、R及びRは、同一又は異なって、水素及びアシル基(R−CO−:式中、Rは直鎖又は分岐、飽和又は不飽和の6から50の炭素原子を含む炭化水素ベースの基である。但し、R、R又はRの少なくとも1つは水素以外である)から選択される)に相当する、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
前記R、R又はRの少なくとも2つが同一で且つ水素以外である、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
前記脂肪酸のデキストリンエステルがグルコース単位を基準として2.5以下、好ましくは1.5から2.5の範囲、特に2から2.5の範囲の置換度を有する、請求項19又は20記載の組成物。
【請求項22】
式(II)においてnが25から50の範囲であり、特に38に等しい、請求項19又は20記載の組成物。
【請求項23】
前記アシル基がカプリルイル、カプロイル、ラウロイル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、エイコサニル、ドコサノイル、イソバレリル、エチル−2 ブチリル、エチルメチルアセチル、イソヘプタニル、エチル−2 ヘキサニル、イソノナニル、イソデカニル、イソトリデカニル、イソミリスチル、イソパルミチル、イソステアリル、イソヘキサニル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ミリスチル、ヘキサデセノイル、パルミトレイル、オレイル、エライジル、エイコセニル、ソルビル、リノレイル、リノレニル、プニシル、アラキドニル、ステアロリル基及びこれらの混合物から選択される、請求項19乃至22のいずれかに記載の組成物。
【請求項24】
前記脂肪酸のデキストリンエステルが少なくともデキストリンパルミテートを含む、請求項19乃至23のいずれかに記載の組成物。
【請求項25】
前記脂肪酸のデキストリンエステルの重量平均分子量が10000から150000、好ましくは12000から100000、より好ましくは15000から80000の範囲である、請求項19乃至24のいずれかに記載の組成物。
【請求項26】
前記脂肪酸のデキストリンエステルが組成物の全重量に対して0.1から20重量%、好ましくは0.5から15重量%、特に1から10重量%の範囲の量で存在する、請求項19乃至25のいずれかに記載の組成物。
【請求項27】
前記脂肪酸のデキストリンエステル及び粘性ワックスが、前記エステルに対する前記第1のワックスの重量比が350から0.1、好ましくは100から0.5、より好ましくは50から1、特に15から2の範囲となる含量で存在する請求項19乃至26のいずれかに記載の組成物。
【請求項28】
前記脂肪酸のデキストリンエステル及び前記アルキル(ヒドロキシステアロイルオキシ)ステアレートが、前記エステルに対する前記第1のワックスの重量比が350から0.1、好ましくは100から0.5、より好ましくは50から1、特に15から2の範囲となる含量で存在する請求項19乃至27のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
100から5000m/g、好ましくは150から1000m/g、特に200から800m/gの範囲の比表面積を有する少なくとも1つのフィラーを含む、請求項1乃至18のいずれかに記載の組成物。
【請求項30】
前記比表面積を有するフィラーが有機又は鉱物フィラー及びそれらの混合物から選択される、請求項18又は29記載の組成物。
【請求項31】
前記比表面積を有する有機フィラーがポリオレフィンワックス、特にポリエチレンワックス、及び、ポリメチルメタクリレート又はポリテトラフルオロエチレン型のポリマーフィラーから選択される、請求項30記載の組成物。
【請求項32】
前記比表面積を有する鉱物フィラーがシリカ、アルミナ、シリケート及びアルミノシリケートから選択される、請求項30記載の組成物。
【請求項33】
前記フィラーを構成する粒子が0.01から100μm、好ましくは0.1から50μm、特に1から20μmの範囲の平均粒径を有する、請求項18又は請求項29乃至32のいずれかに記載の組成物。
【請求項34】
前記比表面積を有するフィラーを構成する粒子が中空である、請求項18又は請求項29乃至33のいずれかに記載の組成物。
【請求項35】
前記比表面積を有するフィラーを構成する粒子が中空シリカミクロスフェアである、請求項18又は請求項29乃至34のいずれかに記載の組成物。
【請求項36】
前記比表面積を有するフィラーに対する前記第1のワックスの重量比が350から0.1、好ましくは100から0.5、より好ましくは50から0.8、特に30から1の範囲である、請求項18又は請求項29乃至35のいずれかに記載の組成物。
【請求項37】
前記比表面積を有するフィラーを組成物の全重量に対して0.1から25重量%、好ましくは0.5から20重量%、特に1から15重量%含む、請求項18又は請求項29乃至36のいずれかに記載の組成物。
【請求項38】
水性相を含む、請求項1乃至37のいずれかに記載の組成物。
【請求項39】
水、又は、水と水混和性有機溶媒との混合物から形成される水性相を含む、請求項1乃至38のいずれかに記載の組成物。
【請求項40】
前記水混和性有機溶媒が1から5の炭素原子を含む低級モノアルコール、2から8の炭素原子を含むグリコール、C−Cケトン、及び、C−Cアルデヒドから選択される、請求項39記載の組成物。
【請求項41】
前記水性相が組成物の全重量に対して1から95重量%、好ましくは3から80重量%、より好ましくは5から60重量%の範囲の含量で存在する、請求項39又は40記載の組成物。
【請求項42】
揮発性油を含む、請求項1乃至41のいずれかに記載の組成物。
【請求項43】
前記揮発性油が炭化水素ベース油及びシリコーン油又はこれらの混合物から選択される、請求項42記載の組成物。
【請求項44】
前記揮発性油が組成物の全重量に対して0.1から98重量%、好ましくは1から65重量%の範囲の含量で存在する、請求項42又は43記載の組成物。
【請求項45】
不揮発性油を含む、請求項1乃至44のいずれかに記載の組成物。
【請求項46】
前記不揮発性油が組成物の全重量に対して0.1から30重量%、好ましくは0.1から20重量%、より好ましくは0.1から10重量%の範囲の含量で存在する、請求項45記載の組成物。
【請求項47】
皮膜形成ポリマーを含む、請求項1乃至46のいずれかに記載の組成物。
【請求項48】
前記皮膜形成ポリマーが組成物の全重量に対して固形分で0.1から60重量%、好ましくは0.5から40重量%、より好ましくは1から30重量%の範囲の含量で存在する、請求項47記載の組成物。
【請求項49】
追加のワックスを含む、請求項1乃至48のいずれかに記載の組成物。
【請求項50】
前記追加のワックスが組成物の全重量に対して0.1から50重量%、好ましくは0.5から30重量%、より好ましくは1から20重量%の範囲の含量で存在する、請求項49記載の組成物。
【請求項51】
界面活性剤を含む、請求項1乃至50のいずれかに記載の組成物。
【請求項52】
染料、抗酸化剤、フィラー、ペースト状脂肪物質、保存剤、香料、中和剤、増粘剤、ビタミン及び可塑剤並びにこれらの混合物から選択される添加剤を含む、請求項1乃至51のいずれかに記載の組成物。
【請求項53】
UVスクリーニング剤を含まない、請求項1乃至52のいずれかに記載の組成物。
【請求項54】
マスカラである、請求項1及び3乃至53のいずれかに記載の組成物。
【請求項55】
アイライナーである、請求項2乃至53のいずれかに記載の組成物。
【請求項56】
ケラチン繊維への請求項1及び3乃至54のいずれかに記載の組成物の塗布を含む、ケラチン繊維の非治療的美容メークアップ又はケア方法。
【請求項57】
目の周囲、目又は瞼の上端又は下端への、請求項2乃至53のいずれか又は請求項55記載の組成物の塗布を含む、目の非治療的美容メークアップ又はケア方法。
【請求項58】
ケラチン繊維上での均一及び/又はスムース及び/又は濃いメークアップ結果、及び/又は、メークアップされたケラチン繊維の良好な分離を得るための、請求項1及び3乃至54のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項59】
睫毛上での均一及び/又はスムース及び/又は迅速なメークアップ結果を得るための、及び/又は、安定なマスカラを得るための、及び/又は、メークアップされた睫毛の良好な分離を得るための、0.7N・s以上のタック及び3.5MPa以下の硬度を有するワックスのマスカラ組成物における使用。
【請求項60】
前記ワックスが下記式(I)
【化3】

(式中、nは18から38の範囲の整数である)に該当するC20−C40アルキル(ヒドロキシステアロイルオキシ)ステアレート又は式(I)の化合物の混合物である、請求項59記載の使用。
【請求項61】
(i)請求項1及び3乃至54のいずれかに記載の組成物を含むコンテナ(2)、及び、
(ii)前記組成物を繊維に塗布する、特に、捻ったブラシ又は櫛の形態にある、手段(12)
を含むケラチン繊維被覆用製品を包装及び塗布するためのアセンブリ(1)。

【図1】
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【公開番号】特開2007−23049(P2007−23049A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248531(P2006−248531)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【分割の表示】特願2003−314831(P2003−314831)の分割
【原出願日】平成15年9月5日(2003.9.5)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】