説明

粘性液体の吐出装置

【課題】大容量の容器を使用する場合においても容器の破損を防止することができる粘性液体の吐出装置を提供する。
【解決手段】上端部に開口部を有する略円筒状の容器30の内部に貯留された粘性液体を空圧により吐出する粘性液体の吐出装置において、容器30の開口部30aに嵌脱自在に挿入された蓋18によってこの容器30を下方に押し下げ、容器保持部15を構成する筒部16cの内円筒状の凹部16eの底面に設けられた当接面16fに、容器30の下面30eを当接させることによって容器30を下方から保持して、開口部30aに設けられた鍔部30bを筒部16cと当接させない構造とする。これにより、容器30を安定して保持することができ、大容量の容器30を使用する場合においても容器30の破損を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂接着剤などの粘性液体を容器に貯留して吐出する粘性液体の吐出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品実装分野においては、基板に電子部品を固着する用途などに樹脂接着剤が広く用いられている。樹脂接着剤などの粘性液体は、シリンジやカートリッジなどの容器に貯留された状態で取り扱われ、これらの液状物質を基板などのワークに塗布する塗布装置に対して供給する際には、粘性液体を貯留した容器を吐出装置や塗布装置などに設けられた容器ホルダに装着する(例えば特許文献1参照)。この特許文献に示す例では、上端の開口部の縁部にフランジを設けた形状の筒状の容器内に樹脂接着材を収納し、この容器を内円筒状の凹部内に収納して、容器ホルダの上面にシール部材を介してフランジを押し付けることにより、容器を固定して保持するようにしている。
【特許文献1】特開2006−341218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記先行技術例においては、容器の保持形態に起因して、以下のような現象が生じていた。すなわち電子部品実装分野においては生産設備の稼働率を極力高めることが求められているため、粘性液体の供給を必要とする装置においては、容器交換の頻度を少なくすることができるよう、大容量の容器を採用する傾向にある。このような大容量の容器を使用する場合には容器を容器ホルダに保持させるために必要とされる押し付け力が大きくなり、容器に設けられたフランジには着脱の度に大きな力が繰り返し作用する。このため樹脂製の容器においてフランジ部分にクラックなどの破損が生じる場合があった。
【0004】
そこで本発明は、大容量の容器を使用する場合においても容器の破損を防止することができる粘性液体の吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の粘性液体の吐出装置は、上端部に開口部を有する略円筒状の容器の内部に貯留された粘性液体を空圧により吐出する粘性液体の吐出装置であって、内円筒状の凹部に前記容器を交換自在に収納し、前記凹部の底面に設けられた当接面に前記容器の下面を当接させることにより前記容器を保持する容器ホルダと、前記容器ホルダの上部に前記凹部の開口面に対して可動に結合され、前記容器ホルダに保持された容器の前記開口部に嵌脱自在に挿入された状態において、この容器を下方に押し下げて前記下面を前記当接面に当接させる蓋と、前記蓋に設けられこの蓋が前記開口部に挿入された状態において前記容器の内周面に当接して前記容器の内部を密閉する密閉部とを備えた。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、上端部に開口部を有する略円筒状の容器を容器ホルダに保持させる構成において、容器の開口部に嵌脱自在に挿入された蓋によってこの容器を下方に押し下げ、内円筒状の凹部の底面に設けられた当接面に容器の下面を当接させる容器保持形態とすることにより、容器を安定して保持することができ、大容量の容器を使用する場合においても容器の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の塗布装置の斜視図、図2は本発明の一実施の形態の塗布装置における粘性液体の塗布機構の斜視図、図3は本発明の一実施の形態の塗布装置のタンクヘッドの正面図、図4は本発明の一実施の形態の塗布装置のタンクヘッドの側面図、図5は本発明の一実施の形態の塗布装置の容器ホルダの部分断面図、図6は本発明の一実施の形態の塗布装置の容器ホルダにおける蓋ロック機構の動作説明図、図7は本発明の一実施の形態の塗布装置における容器ホルダの蓋開閉動作の動作説明図である。
【0008】
まず図1を参照して、塗布装置1の全体構造を説明する。図1において、塗布装置1は基台2上に基板搬送機構3および粘性液体の塗布機構5を配設した構成となっている。基板搬送機構3は、粘性液体である樹脂接着剤の塗布対象となる基板4を搬送し位置決めする。塗布機構5は、樹脂接着剤を吐出する塗布ノズル10を備えた塗布ヘッド9を、塗布ヘッド移動機構6によって移動させる構成となっている。
【0009】
また塗布機構5には、上端部に開口部を有する略円筒状の容器30(図3,図5参照)の内部に貯留された樹脂接着剤を空圧により吐出する機能を有するタンクヘッド7が設けられており、タンクヘッド7から吐出される樹脂接着剤はチューブ8を介して塗布ヘッド9に供給される。したがってタンクヘッド7は、上端部に開口部を有する略円筒状の容器30の内部に貯留された粘性液体を空圧により吐出する粘性液体の吐出装置となっている。塗布機構5を囲んで設けられたカバーフレーム2aの前面には、カバー開口部2bが設けられており、カバー開口部2bを介してタンクヘッド7、塗布ヘッド9の保守点検や容器交換などの作業を行うことができるようになっている。
【0010】
図2に示すように塗布ヘッド移動機構6は、Y軸テーブル11の下面に装着されたY方向移動部材12に、X軸テーブル13および垂直な板状のベースブラケット14を取り付け、さらにX軸テーブル13に昇降テーブル21を装着した構成となっている。昇降テーブル21には塗布ヘッド9を構成する吐出機構22が装着されており、Y軸テーブル11、X軸テーブル13、昇降テーブル21を駆動することにより、吐出機構22は、塗布ノズル10とともにX方向(矢印a)、Y方向(矢印b)、Z方向(矢印c)にそれぞれ移動する。
【0011】
ベースブラケット14にはタンクヘッド7が配設されており、Y軸テーブル11を駆動してY方向移動部材12をY方向に移動させることにより、タンクヘッド7はY方向に移動する。タンクヘッド7は容器30を保持する容器保持部15を備えており、容器保持部15は容器ホルダ16、蓋18、蓋開閉機構17より構成される。容器保持部15はベースブラケット14の下部に設けられたヒンジ部19によって軸支されており、ベースブラケット14においてヒンジ部19の上方には容器保持部15を固定する固定機構20が設けられている。固定機構20による容器保持部15の固定を解除することにより、容器保持部15をヒンジ部19を支点として垂直姿勢から傾斜させることができるようになっている(図7参照)。
【0012】
次に図3、図4、図5を参照して容器保持部15の構造を説明する。図3、図4において、Y方向移動部材12の下面に固着されたベースブラケット14の前面側(図4において右側)には、容器30を保持する容器保持部15が装着されている。容器30は、上端部に開口部30aを有する略円筒状・縦長形状のシリンジであり、内部に樹脂接着剤などの液状物質を貯留する(図5も参照)。開口部30aの外縁部には、外径方向に円周状に延出した鍔部30bが設けられている。
【0013】
容器ホルダ16は、垂直な背板16aおよび背板16aに結合された上部16b、下部16dおよび上部16b、下部16dによって上下両端部を保持された筒部16cを主体
とする構造となっている。筒部16cは縦長の円筒状部材であり、筒部16cには容器30を交換自在に収納する内円筒状の凹部16eが設けられている。凹部16eの底面には、円錐テーパ状の当接面16fが設けられており、さらに筒部16cの上端部が開口した開口面には、部分的に内縁部に段差を設けて切り欠いた切欠き部16gが設けられている(図5も参照)。
【0014】
当接面16fは容器30の下部30cの形状に倣って設けられており、容器30を筒部16c内に収納した状態では、下部30cの下面30eは当接面16fに当接し、これにより容器30は筒部16cによって下方から支持される。また切欠き部16gは容器30の鍔部30bの外径寸法よりも大きく設けられており、鍔部30bを筒部16cに当接させることなく、容器30を筒部16c内に収納することができるようになっている。
【0015】
すなわち、容器ホルダ16は、内円筒状の凹部16eに容器30を交換自在に収納し、凹部16eの底面に設けられた当接面16fに容器30の下面を当接させることにより容器30を保持し、この状態において容器ホルダ16は鍔部30bと当接しない形状となっている。容器30を保持する形態としてこのような構成を用いることにより、開口部30aに設けられた鍔部30bには容器保持のための外力が作用せず、したがって従来技術において発生していたような、鍔部30bに外力が作用することに起因する容器の破損を防止することが可能となっている。なお、容器ホルダ16の構成として、本実施の形態においては、上部16b、下部16dによって筒部16cを保持する構成となっているが、容器ホルダ16の構成は任意であり、これらを一体として製作してもよい。
【0016】
容器30を容器ホルダ16に収納した状態では、図5に示すように、容器30の下端部に設けられた吐出口30dが下部16dの下面から下方に突出する。吐出口30dには塗布ヘッド9へ樹脂接着剤を送給するためのチューブ8が接続され、容器30の内部に貯留された樹脂接着剤31は、ピストン32が圧縮気体によって押し下げられることにより吐出口30dから吐出され、チューブ8を介して塗布ヘッド9に供給される(図2参照)。
【0017】
図4に示すようにヒンジ部19は、背板16aの下端部の背面側(図4において左側)から延出して設けられた軸支プレート16iを、ベースブラケット14の下端部の前面に設けられた軸支ブラケット14bによって、ピン19aを介して軸支した構成となっている。また図3に示すように、背板16aの上部の背面側には、ピン孔が設けられた係止プレート16hが左側に延出して設けられている。
【0018】
ベースブラケット14の上部の前面側には、ピン20aを水平方向にスライド自在に支持する係止ブラケット14aが、係止プレート16hの位置に対応して設けられている。ピン20aはグリップ20bと結合されており、グリップ20bを把持してX方向(矢印d)に水平移動させるピン嵌脱操作を行うことにより、ピン20aを係止プレート16hのピン孔に嵌脱させることができる。係止ブラケット14a、ピン20a、グリップ20bは、容器ホルダ16を固定する固定機構20を構成する。
【0019】
ピン20aを係止プレート16hのピン孔に嵌合させて係止プレート16hを係止した状態では、容器保持部15はヒンジ部19、固定機構20によって上下を支持され、ベースブラケット14に垂直姿勢で保持される。またグリップ20bを右側に引き出してピン20aによる係止プレート16hの係止を解除することにより、容器保持部15はヒンジ部19廻りに回動し傾斜姿勢となる。容器保持部15への容器30の着脱は、このようにして容器保持部15を傾斜した状態で行われる。図4に示すように、ベースブラケット14の右側面には、背板16aを検出するセンサ23が配置されている。センサ23が背板16aを検出することにより、容器保持部15が垂直姿勢にあることが検知される。
【0020】
図4において、背板16aの上端部には、上部16aの上側に配置された蓋18が蓋ヒンジ部18aを介して背板16aに結合され、蓋ヒンジ部18a廻りに回動自在に支持されている。蓋18を時計方向に回動させることにより、蓋18は凹部16eの上端部の開口面に移動して、容器ホルダ16によって保持された容器30の上端部の開口部30aを塞ぐとともに、容器30を下方に押し下げる。これにより、容器30の下面30eは筒部16cの底面に設けられた当接面16fに押し付けられ、容器30の位置が固定される。
【0021】
すなわち、蓋18は容器ホルダ16の上部16cに凹部16eの開口面に対して可動(回動自在)に結合され、容器ホルダ16に保持された容器30の開口部30aに嵌脱自在に挿入された状態において、容器30を下方に押し下げて下面30eを当接面16fに当接させる。なお蓋ヒンジ部18aは、図5に示すように、水平方向の長穴18eにピン34を挿通させた構成となっており、嵌合凸部18dを容器30の開口部30aに嵌合させる際の位置ずれを、長穴18eの遊び代によって吸収できるようになっている。
【0022】
蓋18において、蓋ヒンジ部18aの反対側には、被係合部26が設けられている。また上部16bに固着された垂直な垂直プレート24には、リンクロッド25を介して蓋18を開閉する操作を行うためのレバー27を備えた蓋開閉機構17が設けられている。垂直プレート24の前面には、ブラケット24aが突出して設けられており、ブラケット24aに設けられた第1の支点28には、レバー27の上端部が軸支されている。レバー27は、第1の支点28廻りに縦方向へ回動自在となっている。
【0023】
レバー27には、第1の支点28から下方に離れた位置に第2の支点29が設けられている。リンクロッド25は第2の支点29によって下端部を軸支されて縦方向に回動自在となっている。リンクロッド25の上端部には上方に延出した逆L字形状の係合フック35が設けられている。蓋18から水平方向に延出して設けられた被係合部26は2枚の側板26aの上部をカバー部26bで連結し、カバー部26bの下方に両端を側板26aによって支持された被係合ピン26cを配設した構造となっている。
【0024】
レバー27、リンクロッド25がいずれも直立した状態では、被係合ピン26cに係合フック35が係合し、これにより蓋18はリンクロッド25、レバー27を介して容器ホルダ16にロックされ、開口部30aを密閉した状態が保たれる。蓋開閉機構17は係止部36a、被係止部36b(図7参照)よりなる係止機構36を備えており、リンクロッド25、レバー27は係止機構36によって直立状態に固定係止される。これにより、蓋18は容器ホルダ16にロックされる。したがって蓋開閉機構17は、蓋18を容器ホルダ16にロックする蓋ロック機構となっている。
【0025】
図5は、蓋18が閉じられた状態を示している。蓋18の下面には、容器30の開口部30aに対応した形状の嵌合凸部18dが突設されており、嵌合凸部18dの外周にはOリング33が装着されている。被係合部26にリンクロッド25を係合させて下方に引き付けることにより、嵌合凸部18dがOリング33とともに容器30の開口部30a内に嵌合する。これにより、Oリング33によって容器30の内部が密閉される。Oリング33は、蓋18に設けられこの蓋18が開口部に挿入された状態において容器30の内周面に当接して容器30の内部を密閉する密閉部となっている。またOリング33は、容器30の水平方向の位置を保持する機能も有している。
【0026】
蓋18には、密閉された容器30の内部へ圧縮気体を送給するための通気孔18cが、嵌合凸部18dの下面側から上方に貫通して設けられている。通気孔18cは、継手部材18bを介してエア配管37(図2参照)に接続されている。空圧供給源からエア配管37を介して空圧を供給することにより、容器30の内部へ通気孔18cによって圧縮気体が送給される。これにより、容器30内に装着されたピストン32が押し下げられ、容器
30の内部に貯留された樹脂接着剤31は容器30から圧出され、容器30の下端部に設けられた吐出口30cから圧出される。
【0027】
空圧供給源(図示省略)およびエア配管37は、蓋18に設けられた通気孔18cを介して密閉された容器30の内部へ圧縮気体を送給する送気手段となっている。蓋18は蓋開閉機構17によって固定係止されていることから、容器30の内部に圧縮気体が送給された状態では、容器30は内部の圧力によって下方に押圧される。これにより、下面30eは当接面16fへ強固に押し付けられ、容器30は容器ホルダ16によって安定して保持される。
【0028】
次に図6を参照して、レバー27を操作することによって蓋18の開閉を行なう蓋開閉機構17の機能について説明する。図6(a)は蓋18を閉じる際の動作を示している。この動作では、係合フック35の下面に被係合ピン26cの上面を係合させた状態で、レバー27を第1の支点28廻りに下方(矢印h方向)に回動させる。するとリンクロッド25は第2の支点29を介して下方へ押し下げられ、被係合部26はリンクロッド25によって下方(矢印i方向)に引き下げられる。これにより、蓋18は蓋ヒンジ部18a廻りに回動する。
【0029】
そしてこの状態からレバー27を上方(矢印j方向)に回動させることにより、図6(b)に示すように、レバー27に連結されたリンクロッド25は上方へ移動する。そして係合フック35は、被係合ピン26cの上面から離れてカバー部26bの下面に当接して被係合部26を上方(矢印k方向)へ押し上げる。これにより、蓋18は蓋ヒンジ部18a廻りに開放方向に回動する。
【0030】
次に容器30を交換する容器交換作業における蓋18の開放動作の詳細について、図7を参照して説明する。この容器交換作業は、固定機構20による容器保持部15の固定を解除して、容器保持部15をヒンジ部19を支点として垂直姿勢から傾斜させた状態で行われる。蓋18の開放に際しては、レバー27を把持して上方(矢印l方向)に回動させる。これにより、レバー27が第1の支点28廻りに回動し、さらにこの回動による第2の支点29の移動によってリンクロッド25が上方(矢印m方向)に移動する。そしてリンクロッド25の上方への移動によって係合フック35はカバー部26bに当接してこれを押し上げる。これにより、容器30の開口部30aに挿入された状態の嵌合凸部18dが、Oリング33とともに開口部30aから抜き取られる。
【0031】
この後、レバー27をさらに上方に回動させると蓋18は上部16bからさらに離れる方向に移動する。そして係合フック35が被係合部26との係合状態から離脱可能な位置まで上昇したならばリンクロッド25を第2の支点29廻りに回動させて、係合フック35と被係合部26との係合を解除する。これにより、蓋18は蓋ヒンジ部18a廻りに自由に回動可能な状態となる。そして蓋18が上部16bに対して略直角になるまで蓋18を上方に回動させ、この状態で容器30の容器保持部15への着脱が行われる。
【0032】
この後、蓋18を閉じる際には、上述と逆順の動作を行う。すなわち、リンクロッド25を第2の支点29廻りに回動させて、係合フック35を被係合部26と係合させ、レバー27を把持して下方(矢印o方向)に回動させる。これにより、レバー27が第1の支点28廻りに回動し、さらにこの回動による第2の支点29の移動によってリンクロッド25が下方(矢印p方向)に移動する。そしてリンクロッド25の下方への移動によって係合フック35は被係合ピン26cに係合し、蓋18を下方(矢印q方向)に押し下げる。これにより、嵌合凸部18dがOリング33とともに開口部30a内に挿入され、容器30を下方に押し下げるとともに容器30の内部が密閉される。
【0033】
上記説明したように、本実施の形態に示す粘性流体の吐出装置においては、上端部に開口部30aを有する略円筒状の容器30を容器ホルダ16に保持させる構成において、開口部30aに嵌脱自在に挿入された蓋18によって容器30を下方に押し下げ、内円筒状の凹部16eの底面に設けられた当接面16fに容器30の下面30eを当接させる容器保持形態とすることにより、開口部30aに過大な外力を作用させることなく容器30を安定して保持することができる。したがって開口部30aに鍔部30bが設けられた大容量の容器30を使用する場合においても、容器30の破損を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の液状物質供給装置は、大容量の容器を使用する場合においても容器の破損を防止することができるという効果を奏し、樹脂接着剤などの液状物質を容器から吐出して供給する用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施の形態の塗布装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態の塗布装置における粘性液体の塗布機構の斜視図
【図3】本発明の一実施の形態の塗布装置のタンクヘッドの正面図
【図4】本発明の一実施の形態の塗布装置のタンクヘッドの側面図
【図5】本発明の一実施の形態の塗布装置の容器ホルダの部分断面図
【図6】本発明の一実施の形態の塗布装置の容器ホルダにおける蓋ロック機構の動作説明図
【図7】本発明の一実施の形態の塗布装置における容器ホルダの蓋開閉動作の動作説明図
【符号の説明】
【0036】
1 塗布装置
5 塗布機構
6 塗布ヘッド移動機構
7 タンクヘッド
9 塗布ヘッド
15 容器保持部
16 容器ホルダ
16c 筒部
16e 凹部
16f 当接面
17 蓋開閉機構
18 蓋
30 容器
30a 開口部
30b 鍔部
30d 吐出口
30e 下面
31 樹脂接着剤
33 Oリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部に開口部を有する略円筒状の容器の内部に貯留された粘性液体を空圧により吐出する粘性液体の吐出装置であって、
内円筒状の凹部に前記容器を交換自在に収納し、前記凹部の底面に設けられた当接面に前記容器の下面を当接させることにより前記容器を保持する容器ホルダと、
前記容器ホルダの上部に前記凹部の開口面に対して可動に結合され、前記容器ホルダに保持された容器の前記開口部に嵌脱自在に挿入された状態において、この容器を下方に押し下げて前記下面を前記当接面に当接させる蓋と、
前記蓋に設けられこの蓋が前記開口部に挿入された状態において前記容器の内周面に当接して前記容器の内部を密閉する密閉部とを備えたことを特徴とする粘性液体の吐出装置。
【請求項2】
前記蓋に設けられた通気孔を介して密閉された前記容器の内部へ圧縮気体を送給する送気手段と、前記容器の下端部に設けられ前記圧縮気体によって前記容器から圧出される粘性液体を吐出する吐出口とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の粘性液体の吐出装置。
【請求項3】
前記開口部の外縁部には外径方向に円周状に延出した鍔部が設けられており、前記容器ホルダは前記鍔部と当接しない形状となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の粘性流体の吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−119330(P2009−119330A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293923(P2007−293923)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】