説明

粘着テープ貼付装置及びテープ残量検知方法

【課題】リールに巻回された粘着テープの終端部に終端マーク等が設けられていなくても、粘着テープの残量若しくは終端部を確実に検知する粘着テープ貼付装置を提供する。
【解決手段】粘着テープを巻回したリール13を回転駆動して粘着テープ5を供給するテープ供給部と、粘着テープの供給長さが所定長となるようにリールを回転する回転量制御手段28と、テープ供給部から供給された粘着テープを被貼付部材に押圧して粘着材層を貼り付ける圧着手段と、貼り付けられた粘着材層と支持テープを剥離する剥離手段と、支持テープを回収するテープ回収部とを備えた粘着テープ貼付装置において、粘着テープ供給時のリール13の回転角度を検出する手段29と、検出した回転角度からリール13のテープ巻回径を検出する手段30と、検出したテープ巻回径から粘着テープの終端を判定する手段31とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ACF(異方性導電材フィルム)テープなど、支持テープに粘着材層を設けて成る粘着テープを基板に貼り付ける粘着テープ貼付装置及びその粘着テープの残量又は終端を検知するテープ残量検知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルやPDP(Plasma Display Panel)に代表されるディスプレイパネルなどの基板に部品を実装する方法として、基板にACFテープなどの粘着テープを貼り付けた後、その支持テープを剥離して基板にACFなどの粘着材層を設け、その粘着材層の上に、例えばTCP(Tape Carrier Package)、IC、薄型LSIパッケージ部品等の部品を仮圧着した後、熱と圧力を加えて本圧着することで、基板に部品を実装する方法が知られている。このような部品実装方法では、上記のように基板に粘着テープを貼り付けるために粘着テープ貼付装置が使用されている。
【0003】
粘着テープ貼付装置の構成としては、リールに巻回された粘着テープを供給する際に粘着材層のみを所定の長さに切断した後、受け台上に載置された基板上に供給し、圧着手段にて粘着テープを押圧して所定長さに切断された粘着材層を基板に貼り付け、その後支持テープを貼り付けた粘着材層から剥離して支持テープを回収するとともに、次の粘着テープの供給を行うという動作を繰り返すようにしたものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
このような粘着テープ貼付装置において、使用中のリールに巻回された粘着テープが無くなる(「テープ切れ」と称する)と、新たなリールと交換する必要がある。従来は、供給する粘着テープに所定のテンションを付与するようにテープ供給部に設けれているテンションローラが、テープ切れによって可動範囲端に移動することによってテープ切れを検知し、リール交換の必要を報知するようにしたものが知られている。
【0005】
しかし、使用中のリールに巻回された粘着テープが完全になくなった後にリール交換すると、粘着テープを所定経路に沿って一から配設するという面倒で時間のかかる作業が必要となるため、好ましくは、使用中の粘着テープの終端部と新たに交換したリールの粘着テープの始端部とを接続し、さらに好ましくは、その接続を自動的に行って粘着テープを連続的に供給できるようにすることが求められる。そのために、使用中のリールに巻回された粘着テープの終端を検出する必要がある。
【0006】
そこで、使用中の粘着テープの終端を検知できるように、リールに巻回された粘着テープの終端部にエンドマークを設け、そのエンドマークをセンサで検知すると、使用中の粘着テープの終端部に新たなリールの粘着テープの始端を接続することが知られている(例えば、特許文献3参照)。なお、この特許文献3では、使用中の粘着テープの終端部を裏がして新たなリールの粘着テープの始端部に重ね合わせ、加熱圧着して接続する方法、またリードテープにて両テープを接続する方法が記載されている。
【0007】
また、熱溶着が容易でかつセンサで容易に検知することができる接続テープを、粘着テープの始端と終端の両端に接着テープにて接続しておき、使用中の粘着テープの終端の接続テープをセンサにて検知すると、使用中の粘着テープの終端の接続テープと新たなリールの粘着テープの始端の接続テープとを熱溶着して両テープを接続する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2001−326450号公報
【特許文献2】特開2003−198197号公報
【特許文献3】特開2004−196540号公報
【特許文献4】特開2005−336447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、粘着テープ貼付装置で使用される粘着テープには、終端マークが設けられていないものが存在しており、そのような粘着リールを使用した場合には終端と始端を接続して連続使用することができず、生産性が著しく低下するという問題があった。また、近年は、狭幅のICを接合することが多々あり、そのような場合には使用される粘着テープの幅が約1mm程度と狭いために、その粘着テープの終端部にたとえ終端マークが設けられていたとしても、従来の検出センサでは確実に検出することができないことがあり、上記と同様の問題があった。
【0009】
本発明は、上記従来の問題に鑑み、リールに巻回された粘着テープの終端部に終端マーク等が設けられていなくても、粘着テープの残量若しくは終端部を確実に検知できるようにした粘着テープ貼付装置及びテープ残量検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の粘着テープ貼付装置は、支持テープに粘着材層を設けた粘着テープを巻回したリールを回転駆動して粘着テープを供給するテープ供給部と、粘着テープの供給長さが所定長となるようにリールを回転する回転量制御手段と、テープ供給部から供給された粘着テープを基板に押圧して粘着材層を貼り付ける圧着手段と、貼り付けられた粘着材層と支持テープを剥離する剥離手段と、支持テープを回収するテープ回収部とを備えた粘着テープ貼付装置において、粘着テープを供給するリールの回転角度又は回転時間を検出する手段と、検出した回転角度又は回転時間からリールのテープ巻回径を検出する手段と、検出したテープ巻回径から粘着テープの終端を判定する手段とを備えたものである。
【0011】
この構成によれば、リールに巻回した粘着テープを所定長さづつ供給して基板にその粘着材層を圧着する粘着テープ貼付装置において、所定の粘着テープ供給長さに対して、テープ巻回径に応じてリールの回転角度又は回転時間が変化することから、テープ供給時のリールの回転角度又は回転時間を検出することでテープ巻回径を求めることができ、そのテープ巻回径が所定値未満になるとテープ終端に達したと判定できるので、リールに巻回された粘着テープの終端部に終端マーク等が設けられていなくても、粘着テープの残量若しくは終端部を確実に検知することができる。
【0012】
また、テープ供給部は、リールを回転駆動するモータと、一方向に移動付勢されるとともに貼付部への粘着テープの供給によって付勢力に抗して移動するテンションローラとを備え、回転量制御手段は、テンションローラが所定の原点位置に位置することを検出する原点検出手段と、貼付部への粘着テープの供給後に、原点検出手段にてテンションローラを検出するまでモータを回転させるモータ制御手段を備え、リールの回転角度又は回転時間を検出する手段はモータの回転を検出するエンコーダからの出力信号を処理する手段にて構成すると、供給する粘着テープにテンションローラにて所要のテンションを付与しつつそのテンションローラの位置検出にて粘着テープの供給量を精度良く制御でき、かつその供給時のモータの回転をエンコーダにて検出することで、精度良く回転角度又は回転時間を検出できて好適である。尚、モータの回転時間は、貼付部への粘着テープの供給を開始する為に、粘着テープの供給に伴いテンションローラの位置が原点検出手段の原点より外れてから貼付部への粘着テープ供給後にテンションローラの位置が原点検出手段にて原点位置を検出されるまでのモータを回転する時間を検出して、所定のテープ供給量だけ送るのにかかったリールの回転時間としても良い。
【0013】
また、本発明のテープ残量検知方法は、支持テープに粘着材層を設けた粘着テープを巻回したリールから粘着テープを供給し、供給された粘着テープを基板に押圧して粘着材層を貼り付け、貼り付けられた粘着材層と支持テープを剥離して支持テープを回収する粘着テープ貼付装置におけるテープ残量検知方法であって、リールのテープ巻回径を検出する工程と、検出したテープ巻回径からテープ残量を検知する工程を有するものである。
【0014】
この構成によれば、テープ供給時のリールのテープ巻回径を求め、そのテープ巻回径からテープ残量を検知することで、リールに巻回されている粘着テープの残量を確実に検知することができる。
【0015】
また、テープ残量検知工程が、テープ残量が所定長以下となっている終端を検知するテープ終端検知工程であると、リールに巻回された粘着テープの終端部に終端マーク等が設けられていなくても、粘着テープの終端を確実に検知することができる。
【0016】
また、テープ巻回径検出工程が、粘着テープ供給時のリールの回転角度を検出する工程と、検出した回転角度からテープ巻回径を演算する工程を有すると、テープ巻回径をリールの回転角度を検出することで容易に検出することができる。
【0017】
また、テープ巻回径検出工程は、粘着テープ供給時にリールを回転する回転時間を検出する工程と、検出した回転時間からテープ巻回径を演算する工程を有すると、テープ巻回径をリールの回転時間を検出することで容易に検出することができる。
【0018】
また、本発明のテープ残量検知方法は、リールを回転させてリールに巻回されたテープを供給する装置におけるテープ残量検知方法であって、テープ供給時のリールの回転角度を検出する工程と、検出した回転角度からテープ巻回径を演算する工程と、検出したテープ巻回径からテープ残量を検知する工程とを有するものであり、粘着テープ貼付装置に限らず、保護テープ等の任意の物性のテープをリールから供給する場合に適用することで、同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の粘着テープ貼付装置及びテープ残量検知方法によれば、テープ供給時のリールの回転角度又は回転時間を検出してテープ巻回径を求めることで、そのテープ巻回径が所定値未満になるとテープ終端に達したと判定できるので、リールに巻回された粘着テープの終端部に終端マーク等が設けられていなくても、粘着テープの残量若しくは終端部を確実に検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を、液晶表示パネルのガラス基板などの基板に、異方性導電材などの粘着材層を有する粘着テープを貼り付ける粘着テープ貼付装置に適用した一実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。
【0021】
図1において、本実施形態の粘着テープ貼付装置1は、基板2を支持して移動及び位置決めする位置決め手段3と、基板2の側端部を下方から支持する下受け台4と、貼り付けるべき粘着テープ5を上方から押圧して基板2に貼り付ける圧着機構部6と、粘着テープ5を供給するテープ供給部7と、基板2に貼付けられた粘着テープ5の粘着材層からその支持テープを剥離する剥離機構部8と、剥離された粘着テープ5の支持テープを回収するテープ回収部9にて構成されている。10は、粘着テープ貼付装置1の搬入位置に搬入された基板2を位置決め手段3に移載する移載手段である。
【0022】
圧着機構部6は、図2に示すように、下方に配置された下受け部4と対向する圧着面11aを下面に有し、粘着テープ5の貼付動作を行う圧着ヘッド11と、この圧着ヘッド11を昇降駆動するシリンダ装置などのヘッド昇降装置12を備えている。圧着ヘッド11には、図示しない加熱手段が内蔵されており、圧着ヘッド11の圧着面11aを所定温度に加熱することが可能となっている。
【0023】
テープ供給部7は、粘着テープ5が巻回されたリール13と、リール13から供給される粘着テープ5を案内する複数のガイドローラ14a、14b、14cと、間隔をあけて並列配置された一対のガイドローラ14a、14b間でこれらローラに対して遠近方向に移動自在にかつ遠ざかる方向に移動付勢されたテンションローラ15と、粘着テープ5における支持テープの片面に一連に設けられた粘着材層に対し、基板2における粘着材貼付領域の大きさに応じた長さ毎に切り込みを入れるカッター16と、粘着テープ5の終端と新たに装着したリール13から引き出した粘着テープ5の始端とを、熱溶着や超音波接合等にて接続するテープ接続手段17とを備えている。
【0024】
剥離機構部8は、下受け台4と圧着ヘッド11の圧着面11aとの間をその長手方向に往復移動可能な移動体18と、移動体18の移動に伴って基板2に圧着された粘着テープ5の上面に沿って転動しながら移動するテープ押さえローラ19aと、押さえローラ19aの斜め上方に配置され、粘着テープ5の支持テープを外周の一部に巻回させて移動体18の移動に伴って支持テープを剥離するテープ剥離ローラ19bと、移動体18に設けられて所要時に剥離された支持テープを把持固定するチャック20にて構成されている。
【0025】
テープ回収部9は、剥離された支持テープを上向きにガイドするガイドローラ21と、支持テープを把持固定するチャック22と、支持テープを吸引回収する回収手段23にて構成されている。
【0026】
以上の全体構成の粘着テープ貼付装置1において、本実施形態では、図3、図4に示すように、テープ供給部7で、リール13に巻回された粘着テープ5の残量若しくは終端を検知するように構成されている。すなわち、テンションローラ15が原点(ORG)位置に位置したことを検出する原点センサ24と、上限位置と下限位置に位置したことを検出する上限センサ25a及び下限センサ25bが設けられ、また粘着テープ5を供給するようにリール13を回転駆動するモータ26が設けられるとともに、このモータ26の回転角度を検出するエンコーダ27が設けられている。エンコーダ27は、スリットを有する回転板27aとスリットを検出するセンサ27bにて構成されている。尚、図3、図4では、リール13の回転角度又は回転時間を検出する手段のエンコーダ27は、モータ26と別体で構成されているが、モータの回転位置検出手段であるロータリーエンコーダが内蔵されたパルスモータやサーボモータなど、モータとエンコーダが一体で構成されたものであってもよい。
【0027】
モータ26は、粘着テープ5の供給動作時に、モータ制御手段28にてテンションローラ15が原点センサ24にて検出するまで回転駆動するように構成されている。また、このモータ26の回転時に、エンコーダ27のセンサ27bの検出信号が回転角度検出手段29、又は回転時間検出手段に入力されている。また、回転角度検出手段29にて検出された回転角度信号がテープ巻回径演算手段30に入力されてテープ巻回径が演算され、さらにその演算結果に基づいてテープ終端判定手段31にてテープ終端に達したことを判定するように構成されている。
【0028】
次に、以上の構成の粘着テープ貼付装置1にて基板2の側縁部に粘着テープ5を貼り付ける工程を説明する。図1、図2に示す状態から位置決め手段3にて基板2の側縁部を下受け台4上に位置決めした状態で、ヘッド昇降装置12にて圧着ヘッド11を下降動作させ、圧着ヘッド11の下面の圧着面11aにて粘着テープ5を押圧して粘着テープ5を基板2に圧着させる。次に、テープ回収部9のチャック22を閉じて粘着テープ5の支持テープを保持固定し、剥離機構部8のチャック20を開いた状態で、移動体18をテープ供給部7側に移動させることで、基板2に貼り付けられた粘着テープ5の粘着材層からその支持テープが剥離される。
【0029】
次に、剥離機構部8のチャック20を閉じて粘着テープ5を保持するとともに、テープ回収部9のチャック22を開いて支持テープが回収手段23に自在に吸引回収される状態にして、剥離機構部8の移動体18を図3に矢印で示すように所定のテープ供給量Sだけ移動させる。これによって粘着材層を設けられた粘着テープ5が、圧着ヘッド11の圧着面11aと下受け台4上に位置決めされた基板2の粘着テープ5を貼り付けるべき領域の間に供給されることになる。この動作により、テープ供給部7では、図3及び図5に示すように、テンションローラ15が原点センサ24にて検出されている状態から、図6に示すように、原点センサ24と上限センサ25aの間の位置まで上昇する。このときの上昇移動量Lは、S/2である。なお、上限センサ25aと下限センサ25bは安全のために設けられたものであり、そのため原点センサ24と上限センサ25aの距離は、最大の基板2に対して粘着テープ5を貼り付ける場合のテープ供給量SのS/2よりも大きく設定されている。
【0030】
次に、図7に示すように、モータ制御手段28にてテンションローラ15が原点センサ24にて検出されるまでモータ26を駆動し、リール13を回転させてリール13に巻回された粘着テープ5を供給する。その供給量は、上記テープ供給量Sと同じである。
【0031】
このときのリール13の回転がエンコーダ27にて検出され、その回転角度θが回転角度検出手段29にて検出される。その回転角度θはテープ巻回径演算手段30に入力され、テープ巻回径演算手段30において、図8に示すように、所定のテープ供給量Sと、検出された回転角度θから、リール13におけるテープ巻回径rが演算される。すなわち、テープ供給量Sは、 S=2・π・r・θ/360 であるから、
テープ巻回径rは、 r=360・S/(2π・θ)で演算される。
【0032】
こうして、リール13におけるテープ巻回径rが求められると、テープ終端判定手段31にて、その値が所定の判定値以上であれば未だ終端には達していず、判定値未満になると、終端であると判定して、リール13を交換して新たなリール13をテープ供給部7にセットし、使用中の粘着テープ5の終端と新たなリール13の粘着テープ5の始端とをテープ接続手段17にて接続することで、粘着テープ5を連続して供給することが可能となる。また、本実施形態では、具体的な機構とその構成については開示していないが、リール13の交換及び粘着テープ5の終端と始端の接続を自動的に行うようにすることも可能である。
【0033】
なお、以上の説明では、粘着テープ5の供給時のリール13の回転角度θを回転角度検出手段29にて検出するようにした例を示したが、回転角度検出手段29に代えて、図4に括弧書きしたように、モータ26の回転時間、すなわち送り時間t(sec)を検出する回転時間検出手段を適用しても良い。すなわち、モータ26の回転速度N(rpm)が一定である場合、図9に示すように、粘着テープ5を所定のテープ供給量Sだけ送るのにt時間かかったとすると、テープ巻回径rは次の演算によって求められる。すなわち、
テープ送り速度Vは、 V=2・π・r・N/60 でかつ
V=S/t であるから、
テープ巻回径rは、 r=(S/t)・60/(2・π・N)で演算される。
【0034】
また、以上の実施形態の説明では、粘着テープとしてACF(異方性導電材フィルム)を支持テープの片面に設けたACFテープの例についてのみ示したが、本発明はACFテープを用いた部品実装に限らず、非導電性フィルムを基板に貼り付けて部品を実装する場合にも同様に適用することができる。また、圧着ヘッドと粘着テープとの間や圧着ヘッドと部品との間に、保護テープを介在させて圧着することで、圧着ヘッドに粘着材が付着するのを防止するようにした粘着テープ貼付装置や圧着装置において、その保護テープの残量検知にも本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の粘着テープ貼付装置及びテープ残量検知方法によれば、テープ供給時のリールの回転角度又は回転時間を検出してリールのテープ巻回径を求めることで、そのテープ巻回径が所定値未満になるとテープ終端に達したと判定でき、リールに巻回された粘着テープの終端部に終端マーク等が設けられていなくても、粘着テープの残量若しくは終端部を確実に検知することができることができるので、基板に粘着テープを貼り付けて各種部品を実装する部品実装装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る粘着テープ貼付装置の一実施形態の全体斜視図。
【図2】同実施形態の要部の拡大斜視図。
【図3】同実施形態のテープ供給部の構成を示す正面図。
【図4】同テープ供給部における粘着テープの終端を検出する構成図。
【図5】同テープ供給部における動作説明図。
【図6】同テープ供給部における動作説明図。
【図7】同テープ供給部における動作説明図。
【図8】同テープ供給部におけるテープ巻回径算出方法の説明図。
【図9】同テープ供給部における他のテープ巻回径算出方法の説明図。
【符号の説明】
【0037】
1 粘着テープ貼付装置
2 基板
5 粘着テープ
6 圧着機構部
7 テープ供給部
8 剥離機構部
9 テープ回収部
13 リール
15 テンションローラ
24 原点センサ(原点検出手段)
26 モータ
27 エンコーダ
28 モータ制御手段
29 回転角度検出手段
30 テープ巻回径演算手段
31 テープ終端判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持テープに粘着材層を設けた粘着テープを巻回したリールを回転駆動して粘着テープを供給するテープ供給部と、粘着テープの供給長さが所定長となるようにリールを回転する回転量制御手段と、テープ供給部から供給された粘着テープを基板に押圧して粘着材層を貼り付ける圧着手段と、貼り付けられた粘着材層と支持テープを剥離する剥離手段と、支持テープを回収するテープ回収部とを備えた粘着テープ貼付装置において、粘着テープを供給するリールの回転角度又は回転時間を検出する手段と、検出した回転角度又は回転時間からリールのテープ巻回径を検出する手段と、検出したテープ巻回径から粘着テープの終端を判定する手段とを備えたことを特徴とする粘着テープ貼付装置。
【請求項2】
テープ供給部は、リールを回転駆動するモータと、一方向に移動付勢されるとともに貼付部への粘着テープの供給によって付勢力に抗して移動するテンションローラとを備え、回転量制御手段は、テンションローラが所定の原点位置に位置することを検出する原点検出手段と、貼付部への粘着テープの供給後に、原点検出手段にてテンションローラを検出するまでモータを回転させるモータ制御手段を備え、リールの回転角度又は回転時間を検出する手段はモータの回転を検出するエンコーダからの出力信号を処理する手段にて構成したことを特徴とする請求項1記載の粘着テープ貼付装置。
【請求項3】
支持テープに粘着材層を設けた粘着テープを巻回したリールから粘着テープを供給し、供給された粘着テープを基板に押圧して粘着材層を貼り付け、貼り付けられた粘着材層と支持テープを剥離して支持テープを回収する粘着テープ貼付装置におけるテープ残量検知方法であって、リールのテープ巻回径を検出する工程と、検出したテープ巻回径からテープ残量を検知する工程を有することを特徴とするテープ残量検知方法。
【請求項4】
テープ残量検知工程は、テープ残量が所定長以下となっている終端を検知するテープ終端検知工程であることを特徴とする請求項3記載のテープ残量検知方法。
【請求項5】
テープ巻回径検出工程は、粘着テープ供給時のリールの回転角度を検出する工程と、検出した回転角度からテープ巻回径を演算する工程を有することを特徴とする請求項3又は4記載のテープ残量検知方法。
【請求項6】
テープ巻回径検出工程は、粘着テープ供給時にリールを回転する回転時間を検出する工程と、検出した回転時間からテープ巻回径を演算する工程を有することを特徴とする請求項3又は4記載のテープ残量検知方法。
【請求項7】
リールを回転させてリールに巻回されたテープを供給する装置におけるテープ残量検知方法であって、テープ供給時のリールの回転角度を検出する工程と、検出した回転角度からテープ巻回径を演算する工程と、検出したテープ巻回径からテープ残量を検知する工程とを有することを特徴とするテープ残量検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−73645(P2009−73645A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246080(P2007−246080)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】