説明

精密基板収納容器

【課題】大きな差圧を生じる前に空気を拡散させることなく収納容器内に通気させて外気圧との均衡を図ることができる収納容器を提供する。
【解決手段】上面が開口して内部に精密基板5を収納する容器本体2と、この容器本体2の開口部に被せられる蓋体3と、この開口部と蓋体3の間に介在して容器本体2内に密閉空間を形成するガスケット4とからなる収納容器1であって、ガスケット4による容器本体2と蓋体3との閉鎖部は、ガスケット4が容器本体2および蓋体3に密着する密着部20bと、ガスケット4が容器本体2およびまたは蓋体3に接する漏洩部20aとからなり、漏洩部20aから気密漏れし、外部圧力の変化によって生じる外部圧力と容器内部圧力との差圧を解消するようになされたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハや液晶用ガラス板などの精密基板を多数枚を収納し、保管、運搬等に使用する容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ等の精密基板(薄板)は、その表面に超微細加工が施されることから、その保管、運搬、収納には極めて高度な清潔性が必要とされ、密封性に優れた容器本体と蓋体とからなる基板収納容器が使用されている。しかし、良好な密封がなされた収納容器を、例えば飛行機に積載して輸送する場合、高度の上昇と共に外気と容器内との気圧差が生じ、該容器が膨張して容器内の気体が暫時放出され、次いで、地上に下りると容器内圧力は外気より相対的に低くなり収縮することになる。この容器が収縮した状態で、蓋を開けることは非常に困難であり、無理にこれを開くと外気が急激に容器内に入り込み、同時に外気中の塵埃が精密基板を汚染することになる。
【0003】
そこで、このような容器内と外気との気圧差を解消するための収納容器としては、容器本体の側壁または蓋体に窓を設け、そこに分子濾過フィルターを装着した構成のものが提案されている( 特許文献1ないし3参照) 。この収納容器においては、環境の気圧変動に際して容器内の空気が分子濾過フィルターを介して排出され、或いは、流入することになり、蓋体の開閉は容易であるとされている。
【0004】
また、他の収納容器としては、蓋体に装着されたガスケットに当接薄片が変位形成され、この当接薄片が容器本体のシール溝に嵌合することによって容器本体に蓋体を閉じるように構成されたものが提案されている。この収納容器は、気圧変動を生じた際に当接薄片がシール溝内で摺動し、この摺動の際の微小な間隙から通気がなされて容器内と外気との気圧差を解消するようになされている(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】実公平2−49721号公報
【特許文献2】特開平10−107135号公報
【特許文献3】特開2003−170969号公報
【特許文献4】特開2006−303261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、フィルターを装着した収納容器の場合、航空機輸送に使用したときに生じる気圧変動で、この収納容器に設けられた分子濾過フィルターを介して排気し、吸気することとなる。したがって、ケース内の空気が通気する速度が早くなることにより、空気中の水蒸気が基板表面に付着する量も多くなり基板に不純物が付着し不具合が発生する。
【0006】
また、この分子濾過フィルターは航空機のフライト毎に洗浄しなければならず、経済性および実用性において不都合があった。
【0007】
また、当接薄片を形成したガスケットを用いた収納容器の場合、気圧変動を生じた際に当接薄片とシール溝との間の微小な間隙から通気がなされる。この場合、当接薄片がシール溝に嵌合しているので、容器本体内と外気との間にある程度の気圧差を生じたときに微小な間隙を生じて、その間隙から勢い良く通気がなされることとなり、容器本体内に導入される外気は、収納容器内の気体を拡散してしまう。この場合、良好な密封状態であったとしても、収納容器内には、その雰囲気温度の飽和水蒸気圧分の水分子が存在し、これらの水分子にパーティクルが付着しているので、収納容器内で気体の拡散が起こると、収納容器内に収納された精密基板は、表面にパーティクルが付着するといった不都合を生じることとなる。特に、この収納容器の場合、開口周縁部全体で、当接薄片がシール溝に嵌合しているので、どの位置から通気されるかは定まっておらず、その時々で異なった位置から通気がなされることとなり、収納容器内のあらゆる箇所で気体の拡散を生じてしまうこととなる。
【0008】
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであって、大きな差圧を生じる前に気体を拡散させることなく収納容器内に通気させて外気圧との均衡を図ることができる収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の収納容器は、上面が開口して内部に精密基板を収納する容器本体と、この容器本体の開口部に被せられる蓋体と、この開口部と蓋体の間に介在して容器本体内に密閉空間を形成するガスケットとからなる収納容器であって、ガスケットによる容器本体と蓋体との閉鎖部は、ガスケットが容器本体および蓋体に密着する密着部と、ガスケットが容器本体およびまたは蓋体に接する漏洩部とからなり、漏洩部から気密漏れし、外部圧力の変化によって生じる外部圧力と容器内部圧力との差圧を解消するようになされたものである。
【0010】
上記精密基板収納容器において、漏洩部は、閉鎖部の対向する位置にそれぞれ設けられているものである。
【0011】
上記精密基板収納容器において、容器本体は、対向する2つの立上り壁間に、これら立上り壁と同一面方向で間隔を存して複数枚の精密基板が設けるようになされ、漏洩部は、これら2 つの立上り壁と蓋体との閉鎖部に形成されてなるものである。
【0012】
上記精密基板収納容器において、密着部は、容器本体の開口部および蓋体に形成された溝部にガスケットが嵌合することによって形成されているものである。
【0013】
上記精密基板収納容器において、容器本体の開口部または蓋体に形成された当接面にガスケットの当接片が当接することによって密着部が形成され、漏洩部は、ガスケットの当接片による当接力が密着部よりも弱くなるように形成されているものである。ガスケットの当接片による当接力が弱くなるように漏洩部の当接片のみが薄く形成されたものである。
【0014】
上記精密基盤収納容器において、漏洩部の容器内部側に位置する蓋体および容器本体の少なくとも何れか一方には、外部から浸入する空気を減速させる減速部が形成されたものである。
【発明の効果】
【0015】
以上述べたように、本発明によると、ガスケットによる容器本体と蓋体との閉鎖部は、ガスケットが容器本体および蓋体に密着する密着部と、ガスケットが容器本体およびまたは蓋体に接する漏洩部とからなり、漏洩部から気密漏れし、外部圧力の変化によって生じる外部圧力と容器内部圧力との差圧を解消するようになされているので、気圧差が大きくなる前に、この収納容器の漏洩部から気体が出入りすることとなる。したがって、収納容器は、ゆっくりと気体を出入りさせることができることとなるので、導入される外部空気によって容器内が拡散されて収納された精密基板が汚れるといったことを防止することができる。また、決められた漏洩部から外部空気を導入するので、万が一、精密基板が汚れるとしても、特定の精密基板に限定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は収納容器1の全体構成の概略を示し、図2ないし図6は同収納容器1の要部を示している。
【0017】
この収納容器1は、容器本体2と蓋体3とガスケット4とからなり、ガスケット4と密着する容器本体2の一部に漏洩部20aが形成されている。
【0018】
容器本体2は、ポリカーボネート、ポリプロピレンその他のプラスチックで主として透明または半透明材料によって成形されている。容器本体2の開口周縁21の内側から略蓋体3の厚み分だけ下った位置には、開口周縁21の全周にわたってガスケット当接面20が形成されている。このガスケット当接面20は、漏洩部20aと密着部20bとから形成されている。漏洩部20aは、容器本体2の対向する2辺の両側近傍の合計4箇所の位置に形成され、それ以外は全て密着部20bとなされている。密着部20bは、ガスケット当接面20にシール溝22を形成して構成されている。漏洩部20aは、密着部20bのシール溝22の溝底と同じ高さとなるようにガスケット当接面20が密着部20bよりも低く形成され、実質的にシール溝22が無い状態に形成されている。この漏洩部20aより上の開口周縁2aの立上り壁部分には、後述する蓋体3を係合する係合孔23が設けられている。容器本体2は、この係合孔23が設けられた2辺とは異なる2辺に、容器本体2内に向けて等間隔で複数のスリット24が設けられている。そして、この各スリット24間に精密基板5を設けることができるようになされている。
【0019】
蓋体3は、容器本体2と同様の素材によって形成されている。蓋体3は、容器本体2の開口周縁21の内側に落とし込むことが可能な大きさとなされている。この蓋体3上面には回動可能なカム31が設けられており、このカム31の回動に連動するリンク機構32を介して蓋体3の対向する2辺の端面から係合片33が出没するようになされている。また、蓋体を開口周縁21の内側に落とし込んだ状態で、容器本体2のガスケット当接面20と対向する位置には、ガスケット装着溝34が設けられている。
【0020】
ガスケット4は、容器本体2のガスケット当接面20と、蓋体3のガスケット装着溝34との間に介在する略四角環形状に形成されており、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂などの軟質または半硬質の樹脂、或いはシリコン樹脂により作製される。ガスケット4の片面の内周寄りの位置には、蓋体3のガスケット装着溝34に嵌合する嵌合片41が突設されている。また、この嵌合片41と反対側の面は、外周側に向かうにしたがって下方に屈曲する略ヘ字状断面に形成された屈曲延設部42が形成されている。このガスケット4は、蓋体3のガスケット装着溝34に嵌合片41を嵌合することにより、通常時は蓋体3に装着した状態となされている。
【0021】
このようにして構成される収納容器1は、容器本体2のスリット24間に精密基板5を設け、容器本体2内に窒素などの不活性ガスを充填した後、蓋体3を被せ、カム31を回動させて蓋体3の係合片33を容器本体2の係合孔23に係合させることによって容器本体2内に精密基板5を収納することができる。
【0022】
この蓋体3の係合片33を容器本体2の係合孔23に係合することによって、蓋体3は、容器本体2のガスケット当接面20側に押し付けられ、これによってガスケット4の屈曲延設部42が可撓変形することとなる。この状態で、蓋体3は、ガスケット装着溝34にガスケット4の嵌合片41が嵌合しているので、全周にわたってガスケット4と密着することとなる。また、容器本体2の密着部20bでは、ガスケット4の屈曲延設部42の先端がガスケット当接面20のシール溝22に嵌合して密着しているので気密性が保たれているが、漏洩部20aでは、ガスケット4の屈曲延設部42の先端が当接しているだけなので密着部20bよりも気密性が劣ることとなる。
【0023】
したがって、外気圧の変化によって収納容器1内と外部との間に気圧差を生じた場合、この漏洩部20aから通気されることとなる。この際、漏洩部20aからの漏洩具合は、飛行機の降下時を想定した外部圧の変化(0.182pa/sec)に対し、収納容器1内の圧力が16.5pa以上の負圧を生じないうちにこの外部圧の変化に追従し、漏洩部20aから外部空気が収納容器1内へ漏洩するように、ガスケット4の屈曲延設部42の先端と、漏洩部20aとの当接具合を設定することが好ましい。外部圧の変化に対して収納容器1内の圧力が16.5pa以上の負圧を生じてから漏洩部20aから外部空気が漏洩する場合には、漏洩部20aから外部空気が漏洩する際に収納容器1内に勢い良く空気が導入されることとなってしまうので好ましくない。
【0024】
外部圧の変化に対して収納容器1内の圧力が16.5pa以上の負圧を生じないうちに漏洩部20aから収納容器1内へ外部空気が漏洩するように、ガスケット4の屈曲延設部42の先端と、漏洩部20aとの当接具合を設定することにより、この収納容器1に精密基板5を収納して航空運送する場合であっても、精密基板5の汚れを防止して快適に運搬することが可能になる。
【0025】
すなわち、外部圧と収納容器1内の圧力との間に差圧を生じない通常の平地の場合は、容器本体2と蓋体3との間にガスケット4が当接して外部から収納容器1内は完全に閉塞されているので、汚れの心配をすることなく精密基板5を搬送することができる。
【0026】
また、高度上昇して外気圧が低下した場合は、収納容器1内の圧力が外気圧よりも高くなるが、この場合は、漏洩部20aから収納容器1内の気体が排気されるだけで、収納容器1内の気体が拡散されることも無いので精密基板5が汚れる心配も無く、収納容器1内と外気圧とは均等する。
【0027】
そして、高度低下して外気圧が再度上昇した場合は、収納容器1内の圧力が外気圧よりも低くなり、外気圧と均等するために、漏洩部20aから外部空気が収納容器1内に入って来ることとなる。この際、漏洩部20aは、ガスケット4の屈曲延設部42の先端が当接しており、この当接部分の微小な間隙から外部空気が浸入することとなるため、この間隙から浸入する外部空気の流速が増して収納容器1内の気体が拡散されることが懸念される。しかし、実際にこの微小な間隙から収納容器1内に浸入する外部空気は、外部圧の変化に対して収納容器1内の圧力が16.5以上の負圧を生じないうちに徐々に浸入するため、この漏洩部20aを通過した後の収納容器1内の位置で気体が拡散される心配も無い。したがって、収納容器1内の気体の拡散によって精密基板5が汚れることも無い。
【0028】
仮に、この漏洩部20aから収納容器1内に浸入する空気によって収納容器1内の気体が拡散されて精密基板5が汚れることがあったとしても、気体の拡散は漏洩部20a近傍に限定されることとなり、しかも、この容器本体2内には、漏洩部20aが設けられた対向する二つの立上り壁と同一面方向で間隔を存して複数枚の精密基板5を設けているので、この漏洩部20aに隣接する精密基板5のみが汚れるだけで、他の精密基板5を汚すことにはならない。また、飛行機の降下時を想定した外部圧の変化に追従して収納容器1内の圧力が16.5以上の負圧を生じないように、漏洩部20aから徐々に空気が浸入するように設定していたとしても、想定外の急激な外部圧の変化が起こるような場合(例えば飛行機がエアポケットに入って急降下するような場合)、漏洩部20aから収納容器1内に浸入する空気によって収納容器1内の気体が拡散されることが懸念される。このような場合であっても、収納容器1内の気体が拡散されないようにするために、漏洩部20aを通過して収納容器2内に進む空気の通り道に、この空気の進行を妨げる邪魔板となるリブ35を蓋体3に形成しておいてもよい。このリブ35に相当する邪魔板は、容器本体2に形成されたものであってもよいし、容器本体2および蓋体3の両方に形成されたものであってもよい。
【0029】
また、この収納容器1は、蓋体3の係合片33を容器本体2の係合孔23に係合させることによって閉鎖することができるようになされており、この容器本体2の係合孔23の直下の位置に漏洩部20aを形成している。したがって、漏洩部20aとガスケット4の屈曲延設部42の先端との当接具合は、直上の位置で蓋体3の係合片33が容器本体2の係合孔23に係合することによって、ガタツキや撓みも無く安定することとなり、漏洩部20aからの気体の出入りを確実に制御できることとなる。
【0030】
なお、本実施の形態において、収納容器1は、漏洩部20aから気体を漏洩させて収納容器1内に徐々に空気を浸入させることができるようになされているが、収納容器1の容量が大きい場合には、漏洩部20aから出入りする気体の絶対量も多くなる。しかし、収納容器1は、漏洩部20aにガスケット4の屈曲延設部42の先端が当接するように構成されているため、この漏洩部20aと、ガスケット4の屈曲延設部42の先端との微小な間隙から漏洩させることができる気体の絶対量には限りがある。したがって、漏洩部20aの大きさ(幅)は、収納容器1の容量に応じて適宜決定される。
【0031】
また、本実施の形態では、図6に示すように、漏洩部20aでは、ガスケット4の屈曲延設部42の先端がガスケット当接面20に当接するように構成されており、密着部20bでは、ガスケット4の屈曲延設部42の先端がガスケット当接面20のシール溝22に嵌合するようになされているが、これら漏洩部20aや密着部20bについては、特にこのような構成に限定されるものではなく、ガスケット4の素材選択や、ガスケット4の形状を工夫して、適宜決定することができる。例えば、図7に示すように、密着部20bではガスケット4の厚みDを分厚く形成して密着度合いを高め、漏洩部20aではガスケット4の厚みdを薄く形成して密着度合いを低下させたり、図8に示すように、密着部20bでは容器本体2と蓋体3との間隙Wを狭くして密着度合いを高め、漏洩部20aでは容器本体2と蓋体3との間隙wを広く形成して密着度合いを低下させたりしてもよい。
【0032】
さらに、本実施の形態では、ガスケット4は、蓋体3に取り付けた状態となっているが、容器本体2に取り付けた状態とするものであってもよいし、容器本体2および蓋体3の何れにも取り付けた状態とせず、その都度これら両者間に介在させるようにするものであってもよい。また、ガスケット4と容器本体2との間に漏洩部20aを構成するようになされているが、ガスケット4と蓋体3との間に漏洩部20aを構成するようになされたものであってもよいし、ガスケット4と容器本体2との間およびガスケット4と蓋体3との間にそれぞれ漏洩部20aを構成するようになされたものであってもよい。
【0033】
さらに、本実施の形態において、漏洩部20aは、容器本体2の係合孔23の直下の位置に設けられているが、この漏洩部20aを設ける位置としては、ガスケット4によって閉塞されるガスケット4と蓋体3との間、またはガスケット4と容器本体2との間であれば、特に限定されるものではなく、4辺の自由な位置に設けることができる。ただし、ガスケット4による気密性の安定を考えた場合、奇数箇所設けるよりは、対向する位置に複数箇所設けることが好ましい。
【0034】
さらに、本実施の形態において、収納容器1は、蓋体3の係合片33を容器本体2の係合孔23に係合させることによって閉鎖することができるようになされているが、この閉鎖する機構については、特に限定されるものではなく、蓋体3の側面にフック(図示省略)を突接し、他方の容器本体2には係合突起(図示省略)を設けて、この係合突起(図示省略)に前記のフック(図示省略)を掛け止めするようなものであってもよいし、この種の容器本体2と蓋体3との間にガスケット4を介在させて閉鎖する各種の閉鎖機構を備えたものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る精密基板収納容器は、高度の清潔性が要求される半導体ウエハ、液晶ガラス基板などを収納して航空機輸送し、或いは温度差の大きい地域への移送用として使用される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る収納容器の全体構成の概略を示す分解斜視図である。
【図2】図1の収納容器に使用されるガスケットの端面図である。
【図3】図1の収納容器に使用される蓋体の部分断面図である。
【図4】(a)は図1の収納容器に使用される容器本体のガスケット当接面の部分断面図、(b)は同ガスケット当接面の漏洩部における部分断面図である。
【図5】(a)は図4(a)の容器本体に蓋体を被せた状態を示す部分断面図、(b)は図4(b)の容器本体に蓋体を被せた状態を示す部分断面図である。
【図6】(a)は図5(a)の蓋体を容器本体に係合した閉鎖状態を示す部分断面図、(b)は図5(b)の蓋体を容器本体に係合した閉鎖状態を示す部分断面図である。
【図7】(a)は収納容器の閉鎖状態での密着部の他の実施の形態を示す部分断面図、(b)は同漏洩部の他の実施の形態を示す部分断面図である。
【図8】(a)は収納容器の閉鎖状態での密着部のさらに他の実施の形態を示す部分断面図、(b)は同漏洩部のさらに他の実施の形態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 精密基板収容容器
2 容器本体
21 開口周縁(開口部)
22 シール溝(溝部)
20 ガスケット当接面(閉鎖部)
20a 漏洩部
20b 密着部
3 蓋体
35 リブ(減速部)
4 ガスケット
5 精密基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口して内部に精密基板を収納する容器本体と、この容器本体の開口部に被せられる蓋体と、この開口部と蓋体の間に介在して容器本体内に密閉空間を形成するガスケットとからなる収納容器であって、
ガスケットによる容器本体と蓋体との閉鎖部は、ガスケットが容器本体および蓋体に密着する密着部と、ガスケットが容器本体およびまたは蓋体に接する漏洩部とからなり、
漏洩部から気密漏れし、外部圧力の変化によって生じる外部圧力と容器内部圧力との差圧を解消するようになされたことを特徴とする精密基板収納容器。
【請求項2】
漏洩部は、閉鎖部の対向する位置にそれぞれ設けられている請求項1記載の精密基板収納容器。
【請求項3】
容器本体は、対向する2つの立上り壁間に、これら立上り壁と同一面方向で間隔を存して複数枚の精密基板が設けるようになされ、漏洩部は、これら2 つの立上り壁と蓋体との閉鎖部に形成されてなる請求項2記載の精密基板収納容器。
【請求項4】
密着部は、容器本体の開口部および蓋体に形成された溝部にガスケットが嵌合することによって形成されている請求項1ないし3の何れか1記載の精密基板収納容器。
【請求項5】
容器本体の開口部または蓋体に形成された当接面にガスケットの当接片が当接することによって密着部が形成され、漏洩部は、ガスケットの当接片による当接力が密着部よりも弱くなるように形成されている請求項1ないし3の何れか1記載の精密基板収納容器。
【請求項6】
ガスケットの当接片による当接力が弱くなるように漏洩部の当接片のみが薄く形成された請求項5記載の精密基盤収納容器。
【請求項7】
漏洩部の容器内部側に位置する蓋体および容器本体の少なくとも何れか一方には、外部から浸入する空気を減速させる減速部が形成された請求項1ないし6の何れか1記載の精密基盤収納容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−277688(P2009−277688A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124643(P2008−124643)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(508141254)株式会社ゴールドエイト (1)
【Fターム(参考)】