糖尿病および糖尿病に関連する状態の治療のため、ならびに血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療のための併用療法
【課題】被験体の血糖値を低下させること、および被験体の血中GLP−1レベルを増加させることに対する新規アプローチを提供すること。
【解決手段】本発明は、一定量のGPR119アゴニストと一定量のジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)インヒビターとの組み合わせであって、その結果この組み合わせが、一定量のGPR119アゴニストのみまたは一定量のDPP−IVインヒビターのみによって得られる効果よりも被験体の血糖値の低下または血中GLP−1レベルの増加に効果がある組み合わせ、ならびに糖尿病および糖尿病に関連する状態または血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防のためのこのような組み合わせの使用に関する。本発明はまた、GLP−1分泌促進薬のスクリーニングのためのGタンパク質共役型受容体の使用に関する。
【解決手段】本発明は、一定量のGPR119アゴニストと一定量のジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)インヒビターとの組み合わせであって、その結果この組み合わせが、一定量のGPR119アゴニストのみまたは一定量のDPP−IVインヒビターのみによって得られる効果よりも被験体の血糖値の低下または血中GLP−1レベルの増加に効果がある組み合わせ、ならびに糖尿病および糖尿病に関連する状態または血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防のためのこのような組み合わせの使用に関する。本発明はまた、GLP−1分泌促進薬のスクリーニングのためのGタンパク質共役型受容体の使用に関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
GLP−1分泌促進薬を同定する方法であって、
(a)Gタンパク質共役型受容体を、試験化合物の存在下または非存在下で、必要に応じて標識された該受容体に対する公知のリガンドと接触させる工程であって、該受容体に対するリガンドは、GPR119に対するリガンドであり、該Gタンパク質共役型受容体が、
(i)配列番号2のアミノ酸1〜335、
(ii)配列番号2のアミノ酸2〜335、
(iii)配列番号2のアミノ酸2〜335であって、但し、前記受容体が配列番号2のアミノ酸配列を含まない、
(iv)ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役型受容体のアミノ酸配列であって、該ヌクレオチド配列が、配列番号3および配列番号4の特異的プライマーを使用したヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う工程を含むプロセスによって得ることができる配列である、アミノ酸配列、
(v)ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役型受容体のアミノ酸配列であって、該ヌクレオチド配列が、ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズする、アミノ酸配列、および
(vi)(i)〜(v)のいずれか1つの生物活性フラグメント
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、工程と、
(b)該公知のリガンドと該受容体との間の複合体を検出する工程と、
(c)該試験化合物の非存在下よりも該試験化合物の存在下で該複合体があまり形成されないかどうかを決定する工程とを含み、
該決定は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることを示す、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
(d)その化合物の存在下で工程(c)において前記複合体があまり形成されない化合物を、インビトロで哺乳動物腸内分泌細胞と接触させる工程と、
(e)該化合物が該哺乳動物腸内分泌細胞からのGLP−1分泌を刺激するかどうかを決定する工程とを含み、
該試験化合物が該哺乳動物腸内分泌細胞からのGLP−1分泌を刺激する能力は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることをさらに示す、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
(d)その化合物の存在下で工程(c)において前記複合体があまり形成されない化合物を、非ヒト哺乳動物に投与する工程と、
(e)該化合物が該非ヒト哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させるかどうかを決定する工程とを含み、
該試験化合物が該非ヒト哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させる能力は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることをさらに示す、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
(d)非ヒト哺乳動物から得た生物学的サンプル中の血中GLP−1レベルを決定する工程であって、該非ヒト哺乳動物は、その化合物の存在下で工程(c)において前記複合体があまり形成されない化合物を投与されている、工程を含み、
該試験化合物が該非ヒト哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させる能力は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることをさらに示す、方法。
【請求項5】
GLP−1分泌促進薬を同定する方法であって、
(a)化合物をインビトロで哺乳動物腸内分泌細胞と接触させる工程であって、該化合物は、請求項1に記載の方法によって同定されている、工程と
(b)該化合物が該哺乳動物腸内分泌細胞からのGLP−1分泌を刺激するかどうかを決定する工程とを含み、
該試験化合物が該哺乳動物腸内分泌細胞からのGLP−1分泌を刺激する能力は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることをさらに示す、方法。
【請求項6】
GLP−1分泌促進薬を同定する方法であって、
(a)化合物を非ヒト哺乳動物に投与する工程であって、該化合物は、請求項1に記載の方法によって同定されている、工程と
(b)該化合物が該非ヒト哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させるかどうかを決定する工程とを含み、
該試験化合物が該非ヒト哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させる能力は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることをさらに示す、方法。
【請求項7】
GLP−1分泌促進薬を同定する方法であって、
(a)非ヒト哺乳動物から得た生物学的サンプル中の血中GLP−1レベルを決定する工程であって、該非ヒト哺乳動物は請求項1に記載の方法によって同定された化合物を投与されている、工程を含み、
該試験化合物が該非ヒト哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させる能力は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることをさらに示す、方法。
【請求項8】
前記Gタンパク質共役型受容体が組換え体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
GRP119に対する前記リガンドが、GRP119アゴニストである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記GPR119アゴニストが、ヒトGPR119のアゴニストである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記GPR119アゴニストが低分子である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記GPR119アゴニストが経口で活性である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記GPR119アゴニストが選択的GPR119アゴニストである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記GPR119アゴニストが10μM未満のEC50を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
GLP−1分泌促進薬を同定する方法であって、
(a)Gタンパク質共役型受容体を、試験化合物の存在下または非存在下で、必要に応じて標識された該受容体に対する公知のリガンドと接触させる工程であって、該受容体に対するリガンドは、GPR119に対するリガンドであり、該Gタンパク質共役型受容体が、
(i)配列番号2のアミノ酸1〜335、
(ii)配列番号2のアミノ酸2〜335、
(iii)配列番号2のアミノ酸2〜335であって、但し、前記受容体が配列番号2のアミノ酸配列を含まない、
(iv)ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役型受容体のアミノ酸配列であって、該ヌクレオチド配列が、配列番号3および配列番号4の特異的プライマーを使用したヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う工程を含むプロセスによって得ることができる配列である、アミノ酸配列、
(v)ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役型受容体のアミノ酸配列であって、該ヌクレオチド配列が、ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズする、アミノ酸配列、および
(vi)(i)〜(v)のいずれか1つの生物活性フラグメント
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、工程と、
(b)該公知のリガンドと該受容体との間の複合体を検出する工程と、
(c)該試験化合物の非存在下よりも該試験化合物の存在下で該複合体があまり形成されないかどうかを決定する工程とを含み、
該決定は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることを示す、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
(d)その化合物の存在下で工程(c)において前記複合体があまり形成されない化合物を、インビトロで哺乳動物腸内分泌細胞と接触させる工程と、
(e)該化合物が該哺乳動物腸内分泌細胞からのGLP−1分泌を刺激するかどうかを決定する工程とを含み、
該試験化合物が該哺乳動物腸内分泌細胞からのGLP−1分泌を刺激する能力は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることをさらに示す、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
(d)その化合物の存在下で工程(c)において前記複合体があまり形成されない化合物を、非ヒト哺乳動物に投与する工程と、
(e)該化合物が該非ヒト哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させるかどうかを決定する工程とを含み、
該試験化合物が該非ヒト哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させる能力は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることをさらに示す、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
(d)非ヒト哺乳動物から得た生物学的サンプル中の血中GLP−1レベルを決定する工程であって、該非ヒト哺乳動物は、その化合物の存在下で工程(c)において前記複合体があまり形成されない化合物を投与されている、工程を含み、
該試験化合物が該非ヒト哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させる能力は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることをさらに示す、方法。
【請求項5】
GLP−1分泌促進薬を同定する方法であって、
(a)化合物をインビトロで哺乳動物腸内分泌細胞と接触させる工程であって、該化合物は、請求項1に記載の方法によって同定されている、工程と
(b)該化合物が該哺乳動物腸内分泌細胞からのGLP−1分泌を刺激するかどうかを決定する工程とを含み、
該試験化合物が該哺乳動物腸内分泌細胞からのGLP−1分泌を刺激する能力は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることをさらに示す、方法。
【請求項6】
GLP−1分泌促進薬を同定する方法であって、
(a)化合物を非ヒト哺乳動物に投与する工程であって、該化合物は、請求項1に記載の方法によって同定されている、工程と
(b)該化合物が該非ヒト哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させるかどうかを決定する工程とを含み、
該試験化合物が該非ヒト哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させる能力は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることをさらに示す、方法。
【請求項7】
GLP−1分泌促進薬を同定する方法であって、
(a)非ヒト哺乳動物から得た生物学的サンプル中の血中GLP−1レベルを決定する工程であって、該非ヒト哺乳動物は請求項1に記載の方法によって同定された化合物を投与されている、工程を含み、
該試験化合物が該非ヒト哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させる能力は、該試験化合物がGLP−1分泌促進薬であることをさらに示す、方法。
【請求項8】
前記Gタンパク質共役型受容体が組換え体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
GRP119に対する前記リガンドが、GRP119アゴニストである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記GPR119アゴニストが、ヒトGPR119のアゴニストである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記GPR119アゴニストが低分子である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記GPR119アゴニストが経口で活性である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記GPR119アゴニストが選択的GPR119アゴニストである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記GPR119アゴニストが10μM未満のEC50を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2008−220374(P2008−220374A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68597(P2008−68597)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【分割の表示】特願2007−550512(P2007−550512)の分割
【原出願日】平成18年1月9日(2006.1.9)
【出願人】(500478097)アリーナ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (97)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【分割の表示】特願2007−550512(P2007−550512)の分割
【原出願日】平成18年1月9日(2006.1.9)
【出願人】(500478097)アリーナ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (97)
【Fターム(参考)】
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