糖尿病を治療するためのキヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害剤
本発明は、糖尿病の予防および/または治療のための薬物を調製するための、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のある少なくとも1種の化合物の使用に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のある化合物、特に糖尿病および関連症状を予防および治療するための医薬品としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、極めて不均一な疾患群であり、それらはすべて、共通する一定数の特徴、すなわち、血糖の上昇および心血管系合併症を発症する長期的な危険性の増加を有している。
【0003】
1985年には、WHOの基準により、糖尿病の2つの主要なタイプ、すなわち、それぞれ、これまで1型および2型糖尿病として知られていた、免疫現象の発現が関与するインスリン依存性糖尿病(IDD)、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDD)が区別されている(World Health Organization、1985)。糖尿病は、その症状(口渇、多尿、昏睡など)が高血糖およびケトーシスに伴う場合にインスリン依存性であると考えられており、その場合には、疾患の初期からインスリンの投与が不可欠である。他はたいていの場合、たとえ高血糖が持続するため補助的にインスリンの投与を必要としても、糖尿病は、インスリン非依存性と見なされ、一般的には経口抗糖尿病薬を用いて治療される。現在、インスリン非依存性糖尿病は、世界中で1億1千万人の人々に影響を与えている。この数が減少する兆しはなく、2010年までに2億1千6百万人の人々が影響を受けると予測されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
糖バランスを維持するには、エネルギー代謝に関与する臓器間の厳密な協調が必要である。特に、肝臓および膵臓が主な関与臓器である。特に、肝臓によるグルコースの過剰な産生が、糖尿病患者における空腹時高血糖の原因であることは明確に立証されている(Consoliら、Diabetes、38(1989)、550〜557)。同様に、グルコースに対するインスリン分泌応答の低下は、食後高血糖の発現に寄与している(Polonskyら、N.Engl.J.Med.、318(1988)、1231〜39)。現在、多くの経口抗糖尿病薬が市販されているが、それらのいずれも、血糖制御パラメータの正常化を達成することを可能にしていない。高血糖症に伴う糖尿病性合併症は必ず出現する。これらの薬物の主な弱点は、インスリン抵抗性(チアゾリジンジオン系薬剤またはビグアナイド系薬剤)か、それともインスリン分泌(スルホニル尿素系薬剤、グリニド系薬剤など)という一度に1つの欠陥に対処しているに過ぎないことである。さらに、それらの一部は、無視できない有害作用を有する。特に、スルホニル尿素は、低血糖という重大な危険性を示し、これらの薬物の用量を、患者毎に綿密に規定して対応させることが要求される。随伴する低血糖の危険性なしに上述の2つの欠陥を同時に是正することは、II型糖尿病およびその合併症の治療における根本的なブレークスルーとなるであろう。主な合併症の一つである関連する心血管系の危険性の予防も、糖尿病患者にとって重要な有益性であろう。
【0005】
本発明では、発明者らは、代謝経路、すなわちトリプトファンの代謝に焦点を合わせた。トリプトファンは、炭水化物代謝の制御に関与することがこれまでに報告されているアミノ酸である(Tsiolakis D.およびV.Marks、Horm.Metabol.Res.、16(1964)、226〜229)。キヌレニンを介するその複雑な代謝は、NAD+の産生につながる。一部の中間代謝産物も、血糖コントロール(Connick J.およびStone、Medical hypothesis、18(1985)、371〜376)、特に、肝臓によるグルコースの産生を制御する機序(「Effect of tryptophan and its metabolites on GNG in mammalian tissues」、Pogsonら、1975年)および/またはインスリン分泌および合成(Noto Y.およびOkamoto、Acta Diabet.Lat.、15(1978)、273〜282;RogersおよびEvangelista、Proc.Soc.Exp.、178(1985)、275〜278)におそらく関与していると記載されている。この経路の活性代謝産物がトリプトファン自身、キヌレニンおよびキヌレン酸である。これらの代謝産物の濃度は、3種類の酵素、すなわち、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼ、キヌレニナーゼおよびキヌレニンアミノトランスフェラーゼによって制御されている。キヌレニンアミノトランスフェラーゼは、そのほかの点ではインスリン抵抗性であるSHRラット(高血圧自然発生ラット;Kwokら、JBC、35779〜35782、2002年9月)の高血圧生理病理学への関与を疑われている。それにもかかわらず、肝臓によるグルコース産生に対する、およびグルコースに応答するインスリン分泌に対するこれらの代謝産物の連合作用が従来技術において立証されたことはない。特に、これらの代謝産物のいくつかが、ストレプトゾトシンの注射によって糖尿病にされた動物においてグルコースに対する生理学的応答、膵ホルモン(インスリンおよびグルカゴン)の分泌を回復させ、低血糖のいかなる危険性も生じることなくインスリン分泌欠陥を是正することを可能にすることが立証されたことはない。
【0006】
キノリン酸およびキヌレン酸などのキヌレニン経路の特定の代謝産物が、神経系に対してそれぞれ、神経毒剤および神経保護剤として作用することは従来技術において十分に述べられている。これらの効果は、グルタミン酸受容体および/またはニコチン酸受容体を調節する能力に関連している(Schwarcz R.およびPellicciardi R.、JPET、303(2002)、1〜10;StoneおよびDarlington、Nature Reviews、1(2002)、609〜620)。膵臓内のグルタミン酸受容体の存在は、膵ホルモン分泌に関与している(Weaver C.ら、J.Biol.Chem.、271(1996)、12977〜12984)ように従来技術において記載されているが、これらのグルタミン酸受容体がこの臓器内でキヌレニンの代謝産物によって制御されていることが立証されたことはない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するために行われた研究は、驚いたことに、肝臓、膵臓、心臓のキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害によるキヌレニン経路におけるトリプトファン代謝の調節が、糖尿病性疾患、特にインスリン非依存性糖尿病およびその合併症の予防および治療において重要な役割を果たすことを立証することを可能にした。
【0008】
したがって、本発明の目的の一つは、糖尿病および関連症状に対して治癒的および/または予防的活性を有し、低血糖の危険性のない新規な治療手段を提供することにある。
【0009】
また、本発明は、別の目的として、副作用、特に低血糖を避けることを可能にする糖尿病の治療方法であって、このタイプの症状についての作用機序が従来技術において記述または示唆されていない治療手段を用いる方法を提案している。
【0010】
具体的には、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性を有し、中枢神経系の疾患を含む神経変性疾患、硬化症および緑内障関連網膜症の治療に有用である特定の化合物が知られている(US6 048 896およびUS6 323 240を参照)。このような化合物は、鎮痛性および抗炎症性を有することがすでに知られていた。
【0011】
本発明の目的を達成するために行われた研究は、驚いたことに、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害が、糖尿病性疾患、特にインスリン非依存性糖尿病およびその合併症の予防および治療において重要な役割を果たすことを立証することを可能にした。
【0012】
このように、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のある化合物が、糖尿病および関連症状を予防および治療するのに有効であることが発見された。
【0013】
したがって、本発明の主題の一つは、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病、およびその合併症を予防および/または治療するための薬物を調製するための、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のある少なくとも1種の化合物の使用である。
【0014】
特に、本明細書で後述する一般式(I)または一般式(II)に対応する化合物が、一般にキヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性を有することが発見された。式(I)および(II)に記載の化合物の中で、ある化合物ファミリー、特に、特許出願WO−A−98/07681に対応する化合物ファミリーおよび特許出願EP−A−0 885 869に対応するファミリーは、糖尿病の治療に有用である活性を有していることが知られている。キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する実質的な活性のある化合物が特に好ましい。用語「実質的な活性」は、以下で定義するin vitroの試験法による酵素に対する任意の阻害活性を意味し、酵素に対する有効な治療作用を得ることを可能にする。特に、対照に比べて、70%以下、有利には50%以下、より好ましくは30%以下の酵素活性が好ましい。
【0015】
これらの化合物ファミリー内で、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性を特徴とする化合物を用いて改善された治療または改善された薬物を得るか、異なる目的で、予想外の利点を提供する新規経路により、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病ならびにこの糖尿病の合併症を予防または治療することが可能であることが発見された。また、それらは、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害を必要とする患者に治療有効量を投与することにより、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病の予防および治療を改善することを可能にする。
【0016】
特に、ファミリーIhの化合物は、注目すべきキヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害剤および抗糖尿病薬であることが判明した。キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性の存在の確認は、任意の知られている手段により、特に、とりわけ簡単な方法で、化合物を以下に定義するin vitro試験にかけることにより行うことができる。
【0017】
より具体的に言うと、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のある化合物は、
以下の一般式(I)または一般式(II)、
【0018】
【化1】
【0019】
式中、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【0020】
【化2】
【0021】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成するか、あるいは、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基から選択され、
R5、R6、R7およびR8は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、およびニトロ、シアノ、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルまたはアリール基から選択され、
一方では、基R5およびR6、または他方では、R6およびR7は、それらが接続する炭素原子と一緒に、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、シアノまたはニトロ基、アルキル基およびアルコキシ基から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されているベンゼン環を形成してもよく、
R9は、水素またはアルキル基を表し、
R10は、アルキル、アリールおよびヘテロアリール基から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、R12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよく、あるいはR14は、R2と共に、およびそれらを持つ炭素原子と共に、合計3、4、5、6または7個の炭素原子(そのうち1、2または3個は、窒素、酸素およびイオウから選択される原子で置換されていてもよい)を含む環を形成し、その記環は、1個または複数の二重結合の形で1個または複数の不飽和を含むことがあり、オキソ、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されており、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14およびR15は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R16およびR17は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキル基および複素環基から選択されるか、あるいは
R16およびR17は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成し、
R11は、水素および、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル基、およびアミン官能基の任意の保護基から選択される;ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグに属する。
【0022】
以下の定義は、上記で定義した様々な基(group)および基(radical)の性質を特定している。他に指示がない限り、これらの定義は、このように説明される本発明のすべての用語にあてはまる。
【0023】
用語「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。
【0024】
用語「アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含み、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される1個または複数の化学基によって場合により置換されている直鎖または分枝アルキル基を意味する。1〜14個の炭素原子を含むアルキル基上の可能な置換基は、上述の置換基と同一であってもよい。
【0025】
用語「アルケニル」は、1個または複数の二重結合を含むアルケニル基を意味し、前記基は、直鎖または分枝であり、2〜6個の炭素原子を含み、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される1個または複数の化学基によって場合により置換されている。
【0026】
用語「アルキニル」は、1個または複数の三重結合を含むアルキニル基を意味し、前記基は、直鎖または分枝であり、2〜6個の炭素原子を含み、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される1個または複数の化学基によって場合により置換されている。
【0027】
用語「アルコキシ」は、「アルキル」+「オキシ」と理解するべきであり、用語「アルキル」は、上記で定義した通りである。アルコキシ基の置換基は、アルキル基について定義した置換基と同一である。
【0028】
用語「シクロアルキル」は、3〜13個の炭素原子を含み、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されている架橋または非架橋単環式、二環式または三環式シクロアルキル基を意味する。
【0029】
用語「シクロアルケニル」は、少なくとも1個の二重結合を含む上記で定義したシクロアルキル基を意味する。
【0030】
用語「複素環基」または「ヘテロシクリル」は、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式基を意味し、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されている。
【0031】
用語「アリール」は、6〜14個の炭素原子を含み、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されている単環式、二環式または三環式アリール基を意味する。
【0032】
用語「ヘテロアリール」は、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式ヘテロアリール基を意味し、そのヘテロアリール基は、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されている。
【0033】
好ましいアリール基は、フェニル基または1−ナフチル、2−ナフチルもしくはフルオレニル基である。
【0034】
アリール基により置換されているアルキルおよびアルコキシ基の中で、ベンジル、ベンジルオキシ、フェネチル、フェニルエトキシ、ナフチルメチルおよびナフチルメトキシ基が特に好ましい。
【0035】
好ましいシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル基ならびにテトラリンおよびデカリンから誘導される基である。
【0036】
用語「ヘテロアリール基」および「複素環基」は、ピリジル、フリル、チエニル、1−キノリル、2−キノリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、モルホリノ、ピペラジニル、ピペリジル、ピラニル、チオピラニル、インダニル、ベンゾチエニルまたはベンゾフリル基を意味することが好ましい。
【0037】
上記に示した式(I)および(II)の化合物にとって、用語「幾何異性体」は、シス/トランスすなわちE/Z異性を意味する。より具体的に言えば、式(I)の化合物にとって、R14がR2と共に結合を形成し、置換基R14およびR2をそれぞれ持つ炭素原子間で二重結合を形成する場合、この二重結合は、EまたはZ立体配置をとることができる。これらの幾何異性体は、純粋であってもなくても、単独でまたは混合物として、式(I)の化合物に不可欠な部分を形成する。
【0038】
用語「光学異性体」には、分子内の1つまたは複数の対称軸および/または対称中心の存在から生じ、偏光ビームの回転をもたらす単独または混合物としてのあらゆる形態の異性体が含まれる。より具体的に言うと、用語「光学異性体」には、純品または混合物としての鏡像異性体およびジアステレオ異性体が含まれる。
【0039】
特に、式(I)の化合物にとって、一方では、置換基R2およびR3、および/または他方では、R16およびR17が異なる場合、これらの置換基ペアを持つ炭素原子は非対称であり、鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体をもたらす。これらの光学異性体は、純粋であってもなくても、単独でまたは混合物として、式(I)の化合物に不可欠な部分を形成する。
【0040】
上記の式(I)または式(II)の化合物と薬学的に許容できる塩を形成することができる酸の中で、挙げることができる非限定的な例には、塩酸、リン酸、硫酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、アルキルスルホン酸およびショウノウ酸が含まれる。
【0041】
上記の式(I)または式(II)の化合物と薬学的に許容できる塩を形成することができる塩基の中で、挙げることができる非限定的な例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、アルギニンおよびリジンが含まれる。
【0042】
上記の式(I)および(II)の化合物は、それらの化合物のプロドラッグも含む。
【0043】
用語「プロドラッグ」は、患者に投与されるとすぐに、生体によって式(I)または(II)の化合物に化学的および/または生物学的に変換される化合物を意味する。
【0044】
上記の式(I)の化合物のプロドラッグの例は、R4が、基−OP(Pは、脱離基である)、例えば、ショ糖などの糖残基を表し、R4が−OHを表す化合物に導くことができる化合物である。このようなプロドラッグは、本発明の分野に含められる。
【0045】
上記で定義した式(I)および(II)の多数の化合物が、特に特許刊行物および特許出願US6 048 896、US6 323 240、EP0 885 869およびUS5 877 193によって知られている。これらの特許刊行物は、これらの様々な化合物の調製方法を提供しており、当業者は、これらの方法を参照するか適用して、式(I)および(II)の化合物すべてを合成することができる。
【0046】
本発明の一変形形態によれば、好ましい式(I)の化合物は、別々にまたは組合せとして、以下の特徴を有する、すなわち、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【0047】
【化3】
【0048】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルおよびアリールから選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびアリールから選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択され、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよいか、あるいはR14は、R2と共に、およびそれらを持つ炭素原子と共に、合計3、4、5または6個の炭素原子(そのうち1、2または3個は、窒素および、酸素から選択される原子で置換されていてもよい)を含む環を形成し、その記環は、1個または複数の二重結合の形で1個または複数の不飽和を含むことがあり、オキソ、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されており、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アルキルチオおよびアリールから選択され、
R16は、水素およびアルキルまたはアリール基から選択され、
R17は、水素原子を表し、
R11は、水素およびアミン官能基の任意の保護基から選択される化合物、
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0049】
本発明の別の変形形態によれば、本発明は、糖尿病を予防および/または治療するための薬物を製造するための、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性を有する式(Ia)の化合物の使用に関する。式(Ia)のこれらの化合物は、上記で定義した一般構造(I)を有し、式中、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【0050】
【化4】
【0051】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成するか、あるいはそれらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよいか、あるいはR14は、R2と共に、およびそれらを持つ炭素原子と共に、合計3、4、5、6または7個の炭素原子(そのうち1、2または3個は、窒素、酸素およびイオウから選択される原子で置換されていてもよい)を含む環を形成し、その環は、1個または複数の二重結合の形で1個または複数の不飽和を含むことがあり、オキソ、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されており、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14およびR15は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R16およびR17は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキル基および複素環基から選択されるか、あるいは
R16およびR17は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成し、
R11は、水素および、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル基、およびアミン官能基の任意の保護基から選択されるが、
ただし、R3、R2およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基によって場合により置換されているアルキル基以外である;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0052】
上記で定義した化合物(Ia)の中で、好ましいとされる化合物は、式(I)に属するファミリー(Ib)の化合物で、式中、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【0053】
【化5】
【0054】
R1は、シアノ、ニトロ、フェニル、ベンジル、アルキル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、アルコキシ、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'、ならびにハロゲン原子から選択される1、2または3個の基によって場合により置換されているフェニル基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、場合により置換されているアルコキシ、特にベンジルオキシ、2〜4個の炭素原子を含むアルケニルオキシ、2〜4個の炭素原子を含むアルキニルオキシ、フェノキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、場合により置換されているアルキル基、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、およびフェニルから選択され、
R13は、水素、場合により置換されているアルキル基、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、およびフェニルから選択され、
R13'は、場合により置換されているアルキル基、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、フェニルおよび−N(R12R12')から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよく、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R16は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R17は、水素原子を表すが、
ただし、R3、R2およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基によって場合により置換されているアルキル基以外である;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0055】
多くの場合、上記で定義した化合物(Ib)は、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対して完全に有利な阻害活性を示す。そのため、これらの化合物は、抗糖尿病薬物の調製のために最も特別に好ましく使いやすい。
【0056】
本発明の別の変形形態によれば、本発明は、糖尿病を予防および/または治療するための薬物を調製するための、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のあるファミリー(Ic)の化合物の使用に関する。ファミリー(Ic)のこれらの化合物は、上記で定義した一般構造(I)を有し、式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【0057】
【化6】
【0058】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、水素を表す;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0059】
別の変形形態によれば、本発明は、糖尿病を予防および/または治療するための薬物を調製するための、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のあるファミリー(Id)の化合物の使用に関し、前記化合物(Id)は、上記で定義した一般構造(I)を有し、式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【0060】
【化7】
【0061】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、前記複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシおよびヘテロシクリルオキシから選択される;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0062】
別の好ましい化合物群は、糖尿病を予防および/または治療するための薬物を調製するのに有用である、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のあるファミリー(Ie)の化合物からなり、前記化合物(Ie)は、上記で定義した一般式(I)に属し、式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【0063】
【化8】
【0064】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2およびR14は、一緒に結合を形成し、それぞれ置換基R2およびR14を持つ炭素原子間で二重結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R15は、水素を表す;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0065】
本発明の別の変形形態によれば、本発明は、糖尿病を予防および/または治療するための薬物を調製するのに有用である、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のあるファミリー(If)の化合物の使用に関し、前記化合物(If)は、上記で定義した一般式(I)に属し、式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【0066】
【化9】
【0067】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2およびR14は、一緒に結合を形成し、それぞれ置換基R2およびR14を持つ炭素原子間で二重結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R15は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシおよびヘテロシクリルオキシから選択される;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0068】
一般式(I)の化合物の中で、および本発明の別の変形形態によれば、化合物は、
− 4−(4’−メチルシクロヘキシル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メトキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メチル−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−クロロ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−クロロ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−フルオロ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−フルオロ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−チオメチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メチリデン−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル(R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− メチル(R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− 4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 4−(3’−ニトロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 4−(3’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2,3−ジメチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;および
− 2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロ−4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグからなる化合物ファミリー(Ig)、から選択される。
【0069】
本発明の別の変形形態によれば、上述の一般構造(I)を有する化合物ファミリー(Ih)は
Wは、下式の二価の基を表し、
【0070】
【化10】
【0071】
R1、R2、R3、R4、R12、R12'、R13およびR14は、上記で定義した通りであり、
R15は、チオール、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオおよびヘテロシクリルチオ基から選択されるが、
ただし、R2、R3およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、チオールまたはアルキルチオ基を表すことができない;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグが定義される。
【0072】
ファミリー(Ih)の化合物は、新規であり、この点において本発明の別の主題を形成する。さらに、ファミリー(Ih)の化合物は、十分注目すべき血糖降下特性を有し、この点において、糖尿病およびその合併症の治療および/または予防に有用である。
【0073】
したがって、ファミリー(Ih)の化合物は、糖尿病およびその合併症を予防および/または治療するための薬物を調製するのにも有用である。
【0074】
さらに、ファミリー(Ih)の化合物は、観察した抗糖尿病活性に連動する可能性のあるキヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性を示す。
【0075】
ファミリー(Ih)の化合物の好ましいサブファミリーは、一般式(I)に属するファミリー(Ii)の化合物で式中
Wは、下式の二価の基を表し、
【0076】
【化11】
【0077】
R1は、アリール基を表し、
R2は、水素を表すか、R14と共に結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表すか、R2と共に結合を形成し、
R15は、アリールチオ基を表す;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグからなる。
【0078】
また、好ましいファミリー(Ii)の化合物は、一般式(I)に対応するファミリー(Ij)の化合物で式中
Wは、下式の二価の基を表し、
【0079】
【化12】
【0080】
R1は、フェニル基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシルおよびアルコキシ基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、フェニルチオ基を表す;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0081】
実例として、ファミリー(Ih)の化合物の例は、
・化合物Ih−1:
2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−2:
2−フェニルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−3:
2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−4:
2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
化合物Ih−5:
2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−6:
2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−7:
2−シクロヘキシルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−8:
2−ベンジルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−9:
エチル2−フェニルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−10:
エチル2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−11:
エチル2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−12:
エチル2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−13:
エチル2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−14:
エチル2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−15:
エチル2−シクロヘキシルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−16:
エチル2−ベンジルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−17:
2−フェニルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−18:
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−19:
2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−20:
2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−21:
2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−22:
2−(2’−ナフチルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−23:
2−シクロヘキシルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−24:
2−ベンジルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−25:
2−フェニルチオ−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−26:
2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−27:
2−(4’−クロロフェニル)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−28:
2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−29:
2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−30:
2−(2’−ナフチルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;および
2−カルボキシメチルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸(f);
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0082】
本発明のある特定の態様によれば、好ましい上記の式(I)の様々な変形形態は、R2=R3=Hであり、Wは、場合により置換されている−CH(CH2−X)−,(X=アルキル、アリール、シクロアルキル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、フリル、チエニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ピペリジルまたはピロリジニル),以外である化合物である。
【0083】
本発明の別な特定の態様によれば、式(I)の化合物は、
− ラセミの2−ベンジル−4−(4−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸ならびにそのRおよびS異性体、
− ラセミの2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブタン酸ならびにそのRおよびS異性体、
− 2−シクロヘキシルメチル−4−(4−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸、
− 2−ベンジル−4−フェニル−4−オキソブタン酸、
− 2−(β−ナフチルメチル)−4−フェニル−4−オキソブタン酸、
− 2−ベンジル−4−(β−ナフチルメチル)−4−オキソブタン酸、
− 2−[(4−クロロフェニル)メチル]−4−(4−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸、
− 2−ベンジル−4−(4−メチルフェニル)−4−オキソブタン酸、
− 4−(4−フルオロフェニル)−2−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−オキソブタン酸、
− 2−ベンジル−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4−オキソブタン酸、
− 2−ベンジル−4−シクロヘキシル−4−オキソブタン酸、
− 4−フェニル−2−[(テトラヒドロフル−2−イル)メチル]−4−オキソブタン酸とは異なる。
【0084】
本発明による一つの特に有利な態様によれば、好ましい上記の式(I)゜の変形形態は、R1が、アリール基またはヘテロアリール基である化合物である。
【0085】
好ましい上記で定義した式(II)の化合物は、一般式(II)に対応するファミリー(IIa)の化合物で、式中
R5、R6、R7およびR8は、上記で定義した通りであり、
R9は、水素を表し、
R10は、アルキルまたはアルコキシ基、好ましくはメチルまたはメトキシで3および/または4位において場合により置換されているフェニル基、およびナフチル基から選択される; ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0086】
式(II)の化合物の別のファミリー(IIb)は、一般式(II)の化合物で、式中
R5、R6、R7およびR8は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、ニトロ基およびトリフルオロメチル基から選択され、
基R6およびR7は、それらが接続する炭素原子と一緒に、ハロゲン原子およびトリフルオロメチル、ニトロまたはアルコキシ基から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されているベンゼン環を形成することもあり、
R9およびR10は、上記で定義した通りである;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグによって表される。
【0087】
本発明の一つの好ましい変形形態によれば、式(II)の化合物は、
− 4−メトキシ−N−(4−ナフタレン−2−イルチアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド、
− 4−アミノ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 4−メチル−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 3,4−ジメトキシ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 4−メトキシ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 2−ナフタレンスルホン酸[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− N−[4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド、
− N−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド、
− 4−メチル−N−[4−(4−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 4−アミノ−N−[4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、および
− 3,4−ジメトキシ−N−[4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルフェンアミド;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグからなるリストから選択される。
【0088】
上述の一般式(I)および(II)の化合物ならびにその変形形態の中で、化合物は、上記で定義したキヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する実質的な阻害活性のある化合物が特に好ましい。
【0089】
上記で定義した式(I)および(II)の化合物は、糖尿病およびその合併症を予防および/または治療するための薬物または薬剤組成物を調製するのに有用である。
【0090】
したがって、薬剤組成物は、単独、または1種もしくは複数の充填剤、媒体、着色剤または甘味剤、すなわち薬剤組成物の製造において通常使用される任意の適切かつ薬学的に許容できる無毒性の不活性賦形剤との組合せで、薬理学的に有効な量の少なくとも1種の式(I)または式(II)の化合物を活性成分として含む。
【0091】
このようにして得られる薬剤組成物は、様々な形態をとり、最も有利なのは、ゲルカプセル剤、坐剤、注射用または飲用液剤、パッチ剤、裸錠、糖衣錠、フィルムコート錠または舌下錠、サシェ剤、パケット剤、トローチ剤、クリーム剤、軟膏剤、皮膚ゲル剤、エアゾール剤などである。
【0092】
常用量は、治療される症状の性質および重症度、投与経路ならびに患者の年齢および体重に従って適応させることができる。一般に、単位投与量は、1回または複数回の摂取で1日に5mg〜2000mg、有利には10mg〜1000mg、例えば、50mg〜800mgの範囲である。
【0093】
驚いたことに、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害剤は、グルカゴンとインスリン双方の分泌を制御する二重の活性を有することが発見された。具体的に言うと、グルコースが存在しない場合、グルカゴンの分泌は刺激されるが、インスリンの分泌は刺激されない。グルコースが存在する場合、インスリンの分泌は増強されるが、グルカゴンの分泌は通常、抑制されたままである。
【0094】
このような二重の活性は、今日用いられている糖尿病の治療法を上回る大幅な改善を提供する。具体的に言うと、たとえ処方された投与量および/または投与回数を超えるか、コントロールが不十分であっても、低血糖の危険性は極めて大幅に軽減されるか、実質的に存在しない。
【0095】
したがって、本発明は、低血糖の危険性を最小限に抑えるか取り除く糖尿病の治療方法であって、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼを阻害する上記で定義した式(I)または式(II)の薬学的に有効な投与量の1種または複数の化合物を投与することにある方法にも関する。
【0096】
キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性を有する式(I)の化合物の中で、挙げることができる非限定的な例には、
− 4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル(R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メトキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メトキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メチル−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−クロロ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メチリデン−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル(R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− (R,S)−2−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (E)−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’−ニトロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− メチル(E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテノエート;および
− エチル(E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテノエート;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグが含まれる。
【0097】
また、本発明は、糖尿病および/またはその合併症を予防または治療するための方法であって、それを必要とする患者に対して、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼを阻害する上記で定義した式(I)または式(II)の1種または複数の化合物を、患者においてキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの実質的な阻害を生じるように投与することを含む方法に関する。
【0098】
特に、上記で定義した方法は、特に、症状がまだ明らかになっていないが、糖尿病症状の特徴を示す患者の場合に、糖尿病の予防を可能にする。この症状を診断する基準は、例えば、Diabetes Care、第25巻、suppl.1、2002年1月に定義されている。
【0099】
特に挙げることができる合併症は、動脈性高血圧、糖尿病関連の炎症過程、大血管障害、微小血管障害、糖尿病性ネフロパシー、末梢性糖尿病性神経障害ならびに糖尿病起源の網膜症である。
【0100】
上述のように、上記で定義した式(I)および(II)の化合物は、この治療分野でこれまでは知られていない作用機作に従い、糖尿病およびその合併症を予防および/または治療するのに有用であることが判明した。
【0101】
また、本発明は、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼを阻害することにより、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病およびその合併症を治療および/または予防するための薬物を製造するための方法であって、式(I)または(II)の少なくとも1種の化合物をin vitroのキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害試験にかけ、前記試験に対して陽性に反応する分子を、場合により薬学的に許容できる充填剤または媒体を加えて薬剤組成物の形態にする方法に関する。
【0102】
最後に、本発明は、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼを阻害することにより、糖尿病、および特にインスリン非依存性糖尿病またはその合併症の予防および/または治療における活性について候補化合物をスクリーニングするための方法であって(前記候補は式(I)または(II)に対応していない)、候補化合物をin vitroのキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害試験にかけ、この試験に対して陽性に反応した候補を選択する方法にも関する。
【0103】
好ましい候補は、抗糖尿病活性を有するとすでに知られている化合物である。
【0104】
続く実施例は、本発明に対していかなる種類のいかなる制限も加えることなく、本発明の主題の一部、特に調製方法および抗糖尿病活性試験およびキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害試験における上述の化合物のうちいくつかの活性を説明している。
【0105】
調製例
2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸(化合物Ih−1)の調製
市販の3−ベンゾイルアクリル酸7.04g(0.04mol)を塩化メチレン90mLに溶かす。次いで、2−ナフタレンチオール(0.04mol;1当量)を加える。反応媒体を20℃で20時間放置し、次いで真空下で濃縮する。次いで、単離される粗製の固体生成物をイソプロピルエーテルから粉砕し、吸引によって濾過してイソプロピルエーテルから再結晶する。
【0106】
単離された重量:5.55g;収率=41%;融点=146〜149℃(キャピラリー融点)。
【0107】
プロトンNMR(200MHz、溶媒:重水素化DMSO):3.74ppm、多重線、2H;4.43ppm、幅広い一重線、1H;7.9ppm、多重線、12H芳香族;12.9ppm、COOH)。
【0108】
赤外分光光度法(cm-1):1702.8;1680.7;1595.0;1435.2;1326.6;1217.6。
【0109】
TLC分析:
シリカ、溶離液:メチルシクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸(50/45/5):Rf:0.53。
【0110】
上記で定義したファミリー(Ih)の化合物は、同様の方法に従って調製した。
【0111】
2−(4−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸エチル(化合物Ih−13)の調製
市販のベンゾイルアクリル酸エチル0.408g(0.002mol)を、アルゴン中で、丸底フラスコ中の塩化メチレン6mlに溶かす。次いで、4−メトキシチオフェノール0.280g(1当量)を加える。
反応媒体を20℃で72時間放置し、次いで真空下で濃縮する。
次いで、単離される粗製の油をシリカのカラムで精製する(溶離液:90/10シクロヘキサン/酢酸エチル)。
単離された重量:0.390g;収率=56.6%;油。
【0112】
プロトンNMR(200MHz、溶媒:重水素化クロロホルム):
1.06ppm、三重線、3H;3.41ppm、多重線、2H;3.66ppm、一重線、3H;4.01ppm、多重線、3H;6.72ppm、二重線、2H 芳香族;7.32ppm、多重線、5H 芳香族;7.78ppm、二重線、2H 芳香族。
【0113】
赤外分光光度法(cm-1):1730.6;1685.1;1493.9;1448.8;1287.6;1248.21;1213.6。
【0114】
上記で定義したファミリーIhのエチルエステル化合物は、同様の方法に従って調製した。
【0115】
ファミリーIhの化合物を以下の表I 1〜4に並べる。純度は、HPLC/MSにより測定した。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】
【表3】
【0119】
【表4】
【0120】
ラット肝におけるキヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性の検討
実験プロトコル
ラット肝を、
− 0.25Mショ糖;
− 50mM pH7.4 Tris;
− 1mM EDTA;および
− 1mM DTT
を含む緩衝液中でホモジナイズする(1:8重量/容積)。
【0121】
ホモジネートを、12000rpmで10分間遠心分離する。ペレットを、上述の緩衝液に再懸濁する(1:2重量/容積)。
【0122】
キヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害は、ホモジネート10μLを、NADPH(2mM)、キヌレニン(100μM)および様々な濃度の試験化合物と共に最終容積100μLで37℃において5分間インキュベートすることによって測定する。
【0123】
化合物は、1μM〜300μMの濃度で試験する。3,4−ジメトキシ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミドは、Hoffmann−LaRoche社(Basle、J.Med.Chem.、40(1997)、4738)製の化合物である。30H−キヌレニンは、Carpendoら(Neuroscience、61(1994)、237〜244)によって記載されたプロトコルに従って試験した。
【0124】
結果
各々の実験を一度繰り返し、IC50値(単位μmol/L)を算出し、それら2回の実験の平均値の形で示す。
【0125】
例えば、(R)−2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブタン酸(化合物i)は、1±0.2μmol/LのIC50値を有するが、3,4−ジメトキシ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド(化合物k)は、10±2.1μmol/LのIC50値を有する。
【0126】
ファミリーIhの代表例に関する結果を以下の表IIに示し、対照(100%)と比較して残存したキヌレニン3−ヒドロキシラーゼ活性の割合についての測定を示す。
【0127】
【表5】
【0128】
【表6】
【0129】
N0STZラットにおける抗糖尿病活性の検討
経口による式(I)および(II)の化合物の抗糖尿病活性を、ラットにおいてストレプトゾトシンで誘発したインスリン非依存性糖尿病の実験モデルで測定した。
【0130】
インスリン非依存性糖尿病のモデルは、ストレプトゾトシンの新生児注射(出生日に)によりラットで入手する。
【0131】
使用した糖尿病ラットは、8週齢である。動物は、出生日から実験日まで21〜22℃の調整された温度で動物小屋に収容し、明(午前7時から午後7時)と暗(午後7時から午前7時)の固定光サイクルの下におく。維持飼料、ならびに水および食物からなる食物を自由に与えたが、試験前の絶食する2時間は別で、その間は、食物を取り除く(吸収後状態)。
【0132】
ラットは、1(D1)または4(D4)日間、試験生成物で経口処理する。生成物の最終投与から2時間後、およびペントバルビタールナトリウム(ネンブタール(登録商標))で動物を麻酔してから30分後、血液試料300μLを尾の端から採取する。
【0133】
式(I)の化合物の中で、ファミリー(Ih)の化合物、特にサブファミリー(Ii)の化合物、特に、前に定義した化合物Ih−1(2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸)およびサブファミリー(Ij)の化合物Ih−3(2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸)を、上述の実験プロトコルに従って評価した。
【0134】
以下に示す結果は、D0(処理前)と比較したD1およびD4(処理の日数)による血糖の変化率として表す。
【0135】
【表7】
【0136】
これらの結果は、糖尿病動物において血糖を低下させる際の、特に式(Ih)の化合物の有効性を示している。
【0137】
この抗糖尿病活性は、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対するこのファミリーの分子の阻害効果と相関している。
【0138】
肝臓によるグルコース産生に対する効果の検討
材料および方法:
肝細胞は、Methods Cell Biol.、13(1975)、29〜83に記載の方法に従い、24時間絶食させたウィスターラットの肝臓から分離する。
【0139】
以下の2方法を用いた:
1)肝細胞は、試験量における生成物のプレインキュベーションと併せ、それぞれの濃度が5×10-5Mおよび5×10-7MのAMPシクラーゼ/デキサメタゾンの存在下でDMEM培地中16〜18時間培養する。pH7.4のPBS緩衝液で洗浄後、前述の濃度でKrebs/AMPc/DEX緩衝液中37℃において3時間、細胞をインキュベートする。基準物質として0.1μMインスリンを用いる。2回の同一実験を行う(表III−1)。
【0140】
2)肝細胞は、グルコースを含まないが、1%グルタミン、100U/mLペニシリン、100mg/mLストレプトマイシンおよび7×10-5Mヘミコハク酸ヒドロコルチゾンが添加されたRPMI1640培地中で16〜18時間培養する。
【0141】
pH7.4のPBS緩衝液で洗浄後、試験化合物の存在下、または非存在下で乳酸塩/ピルビン酸塩(10/1mM)を含有し、グルコースおよびインスリンを含まないKrebs緩衝液中37℃において2時間、細胞をインキュベートする。基準物質として、10μM MICA(5−メトキシインドール−2−カルボン酸)を用いる。2回の同一実験を行う(表III−2)。
【0142】
グルコースの定量は、グルコースオキシダーゼを用いる比色法によって行う(ILテストTMGlucose、Monarch 181633−80)。タンパク質アッセイは、Lowry法によりインキュベーション培地の残部について行う(BIO−RAD Dcタンパク質アッセイ、BIO−RAD 5000116)。
【0143】
結果は、タンパク質1ngにつき産生されたグルコース(nmole)として表す。使用した統計的検査法はt検定である。
【0144】
結果:
このように、トリプトファンおよびキヌレニンは、in vitroにおける肝臓でのグルコース産生の強力な阻害剤であることが明らかとなった。例えば、化合物Ih−1(表III 1〜3)ならびに(R)−2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブタン酸(化合物i)および(R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸(化合物j 表IV)という2種のキヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害剤は、以下の結果に示すように、in vitroにおける肝臓によるグルコース産生の強力な阻害剤であることが判明した。
【0145】
【表8】
【0146】
【表9】
【0147】
【表10】
【0148】
N0STZ糖尿病ラットにおける膵ホルモンインスリンおよびグルカゴンの分泌に対する効果の検討
材料および方法:
膵臓は、出生日にストレプトゾトシンの注射によって糖尿病にされ(Porthaら、Diabetes、23、889〜895、(1974年))、ペントバルビタール(ネンブタール:45mg/kg;腹腔内経路)で麻酔された動物から採取する。
【0149】
膵臓の摘出および灌流は、Sussmanら(Diabetes、15(1996)、466〜472)によって記載されたプロトコルの改変(Assan他、Nature、239(1972)、125〜126)に従って行った。
【0150】
化合物または基準物質の効果は、グルコースの非存在下でKrebs緩衝液中35分間(t=20分からt=55分まで)、次いで16.5mMグルコースの存在下で30分間(t=55分からt=85分まで)試験する。
【0151】
媒質から分泌されるホルモン、インスリンおよびグルカゴンの濃度はそれぞれ、キット、すなわちInsulin−CT Cis Bio−International、ScheringおよびGlucagon−10904−Biochem immunosystemを用いる競合ラジオイムノアッセイにより測定する。
【0152】
結果は、いくつかの実験の平均値±SEM(平均値の標準誤差)として表す。統計的検査法は、シェフェ検定である。
【0153】
結果:
N0 STZ糖尿病ラットからの灌流摘出膵臓におけるインスリンおよびグルカゴンの分泌に対するトリプトファンおよびその代謝産物の効果
図1は、トリプトファンが、糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にインスリン分泌を刺激することを示している。同様に、図2は、トリプトファンが、糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にグルカゴン分泌を刺激することを示している。
【0154】
キヌレン酸は、トリプトファンと同様、糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にインスリンの分泌(図3)およびグルカゴンの分泌(図4)を刺激する。
【0155】
図5および図6は、糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にキヌレニン(10-4Mおよび10-5Mで)により刺激されたそれぞれ、インスリンおよびグルカゴンの分泌プロフィールを示している。この刺激は、トリプトファンおよびキヌレン酸で得られる刺激と同様である。
【0156】
N0 STZ糖尿病ラットからの灌流摘出膵臓におけるインスリンおよびグルカゴンの分泌に対するキヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害剤の効果
キヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害剤は、トリプトファン、キヌレニンおよびキヌレン酸の場合と同じインスリンおよびグルカゴン分泌プロフィールを示す。この所見は、図7および8(それぞれ、化合物iによるインスリンおよびグルカゴンの刺激)および図9および10(それぞれ、化合物kによるインスリンおよびグルカゴンの刺激)に見ることができる。
【0157】
摘出ラット膵島に対する活性の検討
静的インキュベーション中の摘出ランゲルハンス島におけるin vitroでのグルコース濃度の関数としてのインスリン分泌に対する化合物の効果:
コラゲナーゼによる膵外分泌組織の消化によって得られ、Ficoll勾配法で精製されたランゲルハンス島を、化合物の存在下または非存在下で2濃度(2.8mMまたは8mM)のグルコースを存在させて90分間インキュベートする。インスリン分泌は、インキュベーション培地中でRIAによりアッセイする。
【0158】
インスリン分泌を刺激する様々な化合物の能力は、刺激係数*を計算することにより推定する。
【0159】
この係数が、インスリンの所与の量について130%以上である場合、ある化合物はインスリンの分泌を刺激する。
刺激係数=(G+Product)÷G×100
式中:
G=グルコースだけ存在する場合のインスリンの分泌(pmol/min.膵島)
(G+Product)=同濃度のグルコースおよび試験化合物が存在する場合のインスリンの分泌(pmol/min.膵島)
図11は、グルコース濃度が2.8mMおよび8mMである場合の10-5Mの化合物Ih−18および(i)についてのインスリン分泌を示している。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】トリプトファンが糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にインスリン分泌を刺激することを示す図である。
【図2】トリプトファンが糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にグルカゴン分泌を刺激することを示す図である。
【図3】キヌレン酸が糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にインスリン分泌を刺激することを示す図である。
【図4】キヌレン酸が糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にグルカゴン分泌を刺激することを示す図である。
【図5】糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にキヌレニンにより刺激されたインスリンの分泌プロフィールを示す図である。
【図6】糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にキヌレニンにより刺激されたグルカゴンの分泌プロフィールを示す図である。
【図7】糖尿病ラットの潅流摘出膵臓における化合物iによるインスリン分泌プロフィールを示す図である。
【図8】糖尿病ラットの潅流摘出膵臓における化合物iによるグルカゴン分泌プロフィールを示す図である。
【図9】糖尿病ラットの潅流摘出膵臓における化合物kによるインスリン分泌プロフィールを示す図である。
【図10】糖尿病ラットの潅流摘出膵臓における化合物kによるグルカゴン分泌プロフィールを示す図である。
【図11】ランゲルハンス島を用いたアッセイにおいて2つの濃度のグルコース存在下の化合物Ih−18およびiのインスリンの分泌を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のある化合物、特に糖尿病および関連症状を予防および治療するための医薬品としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、極めて不均一な疾患群であり、それらはすべて、共通する一定数の特徴、すなわち、血糖の上昇および心血管系合併症を発症する長期的な危険性の増加を有している。
【0003】
1985年には、WHOの基準により、糖尿病の2つの主要なタイプ、すなわち、それぞれ、これまで1型および2型糖尿病として知られていた、免疫現象の発現が関与するインスリン依存性糖尿病(IDD)、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDD)が区別されている(World Health Organization、1985)。糖尿病は、その症状(口渇、多尿、昏睡など)が高血糖およびケトーシスに伴う場合にインスリン依存性であると考えられており、その場合には、疾患の初期からインスリンの投与が不可欠である。他はたいていの場合、たとえ高血糖が持続するため補助的にインスリンの投与を必要としても、糖尿病は、インスリン非依存性と見なされ、一般的には経口抗糖尿病薬を用いて治療される。現在、インスリン非依存性糖尿病は、世界中で1億1千万人の人々に影響を与えている。この数が減少する兆しはなく、2010年までに2億1千6百万人の人々が影響を受けると予測されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
糖バランスを維持するには、エネルギー代謝に関与する臓器間の厳密な協調が必要である。特に、肝臓および膵臓が主な関与臓器である。特に、肝臓によるグルコースの過剰な産生が、糖尿病患者における空腹時高血糖の原因であることは明確に立証されている(Consoliら、Diabetes、38(1989)、550〜557)。同様に、グルコースに対するインスリン分泌応答の低下は、食後高血糖の発現に寄与している(Polonskyら、N.Engl.J.Med.、318(1988)、1231〜39)。現在、多くの経口抗糖尿病薬が市販されているが、それらのいずれも、血糖制御パラメータの正常化を達成することを可能にしていない。高血糖症に伴う糖尿病性合併症は必ず出現する。これらの薬物の主な弱点は、インスリン抵抗性(チアゾリジンジオン系薬剤またはビグアナイド系薬剤)か、それともインスリン分泌(スルホニル尿素系薬剤、グリニド系薬剤など)という一度に1つの欠陥に対処しているに過ぎないことである。さらに、それらの一部は、無視できない有害作用を有する。特に、スルホニル尿素は、低血糖という重大な危険性を示し、これらの薬物の用量を、患者毎に綿密に規定して対応させることが要求される。随伴する低血糖の危険性なしに上述の2つの欠陥を同時に是正することは、II型糖尿病およびその合併症の治療における根本的なブレークスルーとなるであろう。主な合併症の一つである関連する心血管系の危険性の予防も、糖尿病患者にとって重要な有益性であろう。
【0005】
本発明では、発明者らは、代謝経路、すなわちトリプトファンの代謝に焦点を合わせた。トリプトファンは、炭水化物代謝の制御に関与することがこれまでに報告されているアミノ酸である(Tsiolakis D.およびV.Marks、Horm.Metabol.Res.、16(1964)、226〜229)。キヌレニンを介するその複雑な代謝は、NAD+の産生につながる。一部の中間代謝産物も、血糖コントロール(Connick J.およびStone、Medical hypothesis、18(1985)、371〜376)、特に、肝臓によるグルコースの産生を制御する機序(「Effect of tryptophan and its metabolites on GNG in mammalian tissues」、Pogsonら、1975年)および/またはインスリン分泌および合成(Noto Y.およびOkamoto、Acta Diabet.Lat.、15(1978)、273〜282;RogersおよびEvangelista、Proc.Soc.Exp.、178(1985)、275〜278)におそらく関与していると記載されている。この経路の活性代謝産物がトリプトファン自身、キヌレニンおよびキヌレン酸である。これらの代謝産物の濃度は、3種類の酵素、すなわち、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼ、キヌレニナーゼおよびキヌレニンアミノトランスフェラーゼによって制御されている。キヌレニンアミノトランスフェラーゼは、そのほかの点ではインスリン抵抗性であるSHRラット(高血圧自然発生ラット;Kwokら、JBC、35779〜35782、2002年9月)の高血圧生理病理学への関与を疑われている。それにもかかわらず、肝臓によるグルコース産生に対する、およびグルコースに応答するインスリン分泌に対するこれらの代謝産物の連合作用が従来技術において立証されたことはない。特に、これらの代謝産物のいくつかが、ストレプトゾトシンの注射によって糖尿病にされた動物においてグルコースに対する生理学的応答、膵ホルモン(インスリンおよびグルカゴン)の分泌を回復させ、低血糖のいかなる危険性も生じることなくインスリン分泌欠陥を是正することを可能にすることが立証されたことはない。
【0006】
キノリン酸およびキヌレン酸などのキヌレニン経路の特定の代謝産物が、神経系に対してそれぞれ、神経毒剤および神経保護剤として作用することは従来技術において十分に述べられている。これらの効果は、グルタミン酸受容体および/またはニコチン酸受容体を調節する能力に関連している(Schwarcz R.およびPellicciardi R.、JPET、303(2002)、1〜10;StoneおよびDarlington、Nature Reviews、1(2002)、609〜620)。膵臓内のグルタミン酸受容体の存在は、膵ホルモン分泌に関与している(Weaver C.ら、J.Biol.Chem.、271(1996)、12977〜12984)ように従来技術において記載されているが、これらのグルタミン酸受容体がこの臓器内でキヌレニンの代謝産物によって制御されていることが立証されたことはない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するために行われた研究は、驚いたことに、肝臓、膵臓、心臓のキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害によるキヌレニン経路におけるトリプトファン代謝の調節が、糖尿病性疾患、特にインスリン非依存性糖尿病およびその合併症の予防および治療において重要な役割を果たすことを立証することを可能にした。
【0008】
したがって、本発明の目的の一つは、糖尿病および関連症状に対して治癒的および/または予防的活性を有し、低血糖の危険性のない新規な治療手段を提供することにある。
【0009】
また、本発明は、別の目的として、副作用、特に低血糖を避けることを可能にする糖尿病の治療方法であって、このタイプの症状についての作用機序が従来技術において記述または示唆されていない治療手段を用いる方法を提案している。
【0010】
具体的には、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性を有し、中枢神経系の疾患を含む神経変性疾患、硬化症および緑内障関連網膜症の治療に有用である特定の化合物が知られている(US6 048 896およびUS6 323 240を参照)。このような化合物は、鎮痛性および抗炎症性を有することがすでに知られていた。
【0011】
本発明の目的を達成するために行われた研究は、驚いたことに、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害が、糖尿病性疾患、特にインスリン非依存性糖尿病およびその合併症の予防および治療において重要な役割を果たすことを立証することを可能にした。
【0012】
このように、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のある化合物が、糖尿病および関連症状を予防および治療するのに有効であることが発見された。
【0013】
したがって、本発明の主題の一つは、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病、およびその合併症を予防および/または治療するための薬物を調製するための、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のある少なくとも1種の化合物の使用である。
【0014】
特に、本明細書で後述する一般式(I)または一般式(II)に対応する化合物が、一般にキヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性を有することが発見された。式(I)および(II)に記載の化合物の中で、ある化合物ファミリー、特に、特許出願WO−A−98/07681に対応する化合物ファミリーおよび特許出願EP−A−0 885 869に対応するファミリーは、糖尿病の治療に有用である活性を有していることが知られている。キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する実質的な活性のある化合物が特に好ましい。用語「実質的な活性」は、以下で定義するin vitroの試験法による酵素に対する任意の阻害活性を意味し、酵素に対する有効な治療作用を得ることを可能にする。特に、対照に比べて、70%以下、有利には50%以下、より好ましくは30%以下の酵素活性が好ましい。
【0015】
これらの化合物ファミリー内で、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性を特徴とする化合物を用いて改善された治療または改善された薬物を得るか、異なる目的で、予想外の利点を提供する新規経路により、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病ならびにこの糖尿病の合併症を予防または治療することが可能であることが発見された。また、それらは、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害を必要とする患者に治療有効量を投与することにより、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病の予防および治療を改善することを可能にする。
【0016】
特に、ファミリーIhの化合物は、注目すべきキヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害剤および抗糖尿病薬であることが判明した。キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性の存在の確認は、任意の知られている手段により、特に、とりわけ簡単な方法で、化合物を以下に定義するin vitro試験にかけることにより行うことができる。
【0017】
より具体的に言うと、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のある化合物は、
以下の一般式(I)または一般式(II)、
【0018】
【化1】
【0019】
式中、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【0020】
【化2】
【0021】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成するか、あるいは、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基から選択され、
R5、R6、R7およびR8は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、およびニトロ、シアノ、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルまたはアリール基から選択され、
一方では、基R5およびR6、または他方では、R6およびR7は、それらが接続する炭素原子と一緒に、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、シアノまたはニトロ基、アルキル基およびアルコキシ基から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されているベンゼン環を形成してもよく、
R9は、水素またはアルキル基を表し、
R10は、アルキル、アリールおよびヘテロアリール基から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、R12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよく、あるいはR14は、R2と共に、およびそれらを持つ炭素原子と共に、合計3、4、5、6または7個の炭素原子(そのうち1、2または3個は、窒素、酸素およびイオウから選択される原子で置換されていてもよい)を含む環を形成し、その記環は、1個または複数の二重結合の形で1個または複数の不飽和を含むことがあり、オキソ、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されており、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14およびR15は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R16およびR17は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキル基および複素環基から選択されるか、あるいは
R16およびR17は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成し、
R11は、水素および、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル基、およびアミン官能基の任意の保護基から選択される;ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグに属する。
【0022】
以下の定義は、上記で定義した様々な基(group)および基(radical)の性質を特定している。他に指示がない限り、これらの定義は、このように説明される本発明のすべての用語にあてはまる。
【0023】
用語「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。
【0024】
用語「アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含み、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される1個または複数の化学基によって場合により置換されている直鎖または分枝アルキル基を意味する。1〜14個の炭素原子を含むアルキル基上の可能な置換基は、上述の置換基と同一であってもよい。
【0025】
用語「アルケニル」は、1個または複数の二重結合を含むアルケニル基を意味し、前記基は、直鎖または分枝であり、2〜6個の炭素原子を含み、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される1個または複数の化学基によって場合により置換されている。
【0026】
用語「アルキニル」は、1個または複数の三重結合を含むアルキニル基を意味し、前記基は、直鎖または分枝であり、2〜6個の炭素原子を含み、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される1個または複数の化学基によって場合により置換されている。
【0027】
用語「アルコキシ」は、「アルキル」+「オキシ」と理解するべきであり、用語「アルキル」は、上記で定義した通りである。アルコキシ基の置換基は、アルキル基について定義した置換基と同一である。
【0028】
用語「シクロアルキル」は、3〜13個の炭素原子を含み、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されている架橋または非架橋単環式、二環式または三環式シクロアルキル基を意味する。
【0029】
用語「シクロアルケニル」は、少なくとも1個の二重結合を含む上記で定義したシクロアルキル基を意味する。
【0030】
用語「複素環基」または「ヘテロシクリル」は、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式基を意味し、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されている。
【0031】
用語「アリール」は、6〜14個の炭素原子を含み、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されている単環式、二環式または三環式アリール基を意味する。
【0032】
用語「ヘテロアリール」は、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式ヘテロアリール基を意味し、そのヘテロアリール基は、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'(R13'は、水素を除いてR13と同一の定義を有する)から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されている。
【0033】
好ましいアリール基は、フェニル基または1−ナフチル、2−ナフチルもしくはフルオレニル基である。
【0034】
アリール基により置換されているアルキルおよびアルコキシ基の中で、ベンジル、ベンジルオキシ、フェネチル、フェニルエトキシ、ナフチルメチルおよびナフチルメトキシ基が特に好ましい。
【0035】
好ましいシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル基ならびにテトラリンおよびデカリンから誘導される基である。
【0036】
用語「ヘテロアリール基」および「複素環基」は、ピリジル、フリル、チエニル、1−キノリル、2−キノリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、モルホリノ、ピペラジニル、ピペリジル、ピラニル、チオピラニル、インダニル、ベンゾチエニルまたはベンゾフリル基を意味することが好ましい。
【0037】
上記に示した式(I)および(II)の化合物にとって、用語「幾何異性体」は、シス/トランスすなわちE/Z異性を意味する。より具体的に言えば、式(I)の化合物にとって、R14がR2と共に結合を形成し、置換基R14およびR2をそれぞれ持つ炭素原子間で二重結合を形成する場合、この二重結合は、EまたはZ立体配置をとることができる。これらの幾何異性体は、純粋であってもなくても、単独でまたは混合物として、式(I)の化合物に不可欠な部分を形成する。
【0038】
用語「光学異性体」には、分子内の1つまたは複数の対称軸および/または対称中心の存在から生じ、偏光ビームの回転をもたらす単独または混合物としてのあらゆる形態の異性体が含まれる。より具体的に言うと、用語「光学異性体」には、純品または混合物としての鏡像異性体およびジアステレオ異性体が含まれる。
【0039】
特に、式(I)の化合物にとって、一方では、置換基R2およびR3、および/または他方では、R16およびR17が異なる場合、これらの置換基ペアを持つ炭素原子は非対称であり、鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体をもたらす。これらの光学異性体は、純粋であってもなくても、単独でまたは混合物として、式(I)の化合物に不可欠な部分を形成する。
【0040】
上記の式(I)または式(II)の化合物と薬学的に許容できる塩を形成することができる酸の中で、挙げることができる非限定的な例には、塩酸、リン酸、硫酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、アルキルスルホン酸およびショウノウ酸が含まれる。
【0041】
上記の式(I)または式(II)の化合物と薬学的に許容できる塩を形成することができる塩基の中で、挙げることができる非限定的な例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、アルギニンおよびリジンが含まれる。
【0042】
上記の式(I)および(II)の化合物は、それらの化合物のプロドラッグも含む。
【0043】
用語「プロドラッグ」は、患者に投与されるとすぐに、生体によって式(I)または(II)の化合物に化学的および/または生物学的に変換される化合物を意味する。
【0044】
上記の式(I)の化合物のプロドラッグの例は、R4が、基−OP(Pは、脱離基である)、例えば、ショ糖などの糖残基を表し、R4が−OHを表す化合物に導くことができる化合物である。このようなプロドラッグは、本発明の分野に含められる。
【0045】
上記で定義した式(I)および(II)の多数の化合物が、特に特許刊行物および特許出願US6 048 896、US6 323 240、EP0 885 869およびUS5 877 193によって知られている。これらの特許刊行物は、これらの様々な化合物の調製方法を提供しており、当業者は、これらの方法を参照するか適用して、式(I)および(II)の化合物すべてを合成することができる。
【0046】
本発明の一変形形態によれば、好ましい式(I)の化合物は、別々にまたは組合せとして、以下の特徴を有する、すなわち、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【0047】
【化3】
【0048】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルおよびアリールから選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびアリールから選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択され、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよいか、あるいはR14は、R2と共に、およびそれらを持つ炭素原子と共に、合計3、4、5または6個の炭素原子(そのうち1、2または3個は、窒素および、酸素から選択される原子で置換されていてもよい)を含む環を形成し、その記環は、1個または複数の二重結合の形で1個または複数の不飽和を含むことがあり、オキソ、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されており、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アルキルチオおよびアリールから選択され、
R16は、水素およびアルキルまたはアリール基から選択され、
R17は、水素原子を表し、
R11は、水素およびアミン官能基の任意の保護基から選択される化合物、
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0049】
本発明の別の変形形態によれば、本発明は、糖尿病を予防および/または治療するための薬物を製造するための、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性を有する式(Ia)の化合物の使用に関する。式(Ia)のこれらの化合物は、上記で定義した一般構造(I)を有し、式中、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【0050】
【化4】
【0051】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成するか、あるいはそれらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよいか、あるいはR14は、R2と共に、およびそれらを持つ炭素原子と共に、合計3、4、5、6または7個の炭素原子(そのうち1、2または3個は、窒素、酸素およびイオウから選択される原子で置換されていてもよい)を含む環を形成し、その環は、1個または複数の二重結合の形で1個または複数の不飽和を含むことがあり、オキソ、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されており、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14およびR15は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R16およびR17は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキル基および複素環基から選択されるか、あるいは
R16およびR17は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成し、
R11は、水素および、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル基、およびアミン官能基の任意の保護基から選択されるが、
ただし、R3、R2およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基によって場合により置換されているアルキル基以外である;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0052】
上記で定義した化合物(Ia)の中で、好ましいとされる化合物は、式(I)に属するファミリー(Ib)の化合物で、式中、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【0053】
【化5】
【0054】
R1は、シアノ、ニトロ、フェニル、ベンジル、アルキル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、アルコキシ、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'、ならびにハロゲン原子から選択される1、2または3個の基によって場合により置換されているフェニル基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、場合により置換されているアルコキシ、特にベンジルオキシ、2〜4個の炭素原子を含むアルケニルオキシ、2〜4個の炭素原子を含むアルキニルオキシ、フェノキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、場合により置換されているアルキル基、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、およびフェニルから選択され、
R13は、水素、場合により置換されているアルキル基、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、およびフェニルから選択され、
R13'は、場合により置換されているアルキル基、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、フェニルおよび−N(R12R12')から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよく、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R16は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R17は、水素原子を表すが、
ただし、R3、R2およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基によって場合により置換されているアルキル基以外である;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0055】
多くの場合、上記で定義した化合物(Ib)は、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対して完全に有利な阻害活性を示す。そのため、これらの化合物は、抗糖尿病薬物の調製のために最も特別に好ましく使いやすい。
【0056】
本発明の別の変形形態によれば、本発明は、糖尿病を予防および/または治療するための薬物を調製するための、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のあるファミリー(Ic)の化合物の使用に関する。ファミリー(Ic)のこれらの化合物は、上記で定義した一般構造(I)を有し、式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【0057】
【化6】
【0058】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、水素を表す;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0059】
別の変形形態によれば、本発明は、糖尿病を予防および/または治療するための薬物を調製するための、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のあるファミリー(Id)の化合物の使用に関し、前記化合物(Id)は、上記で定義した一般構造(I)を有し、式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【0060】
【化7】
【0061】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、前記複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシおよびヘテロシクリルオキシから選択される;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0062】
別の好ましい化合物群は、糖尿病を予防および/または治療するための薬物を調製するのに有用である、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のあるファミリー(Ie)の化合物からなり、前記化合物(Ie)は、上記で定義した一般式(I)に属し、式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【0063】
【化8】
【0064】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2およびR14は、一緒に結合を形成し、それぞれ置換基R2およびR14を持つ炭素原子間で二重結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R15は、水素を表す;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0065】
本発明の別の変形形態によれば、本発明は、糖尿病を予防および/または治療するための薬物を調製するのに有用である、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性のあるファミリー(If)の化合物の使用に関し、前記化合物(If)は、上記で定義した一般式(I)に属し、式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【0066】
【化9】
【0067】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2およびR14は、一緒に結合を形成し、それぞれ置換基R2およびR14を持つ炭素原子間で二重結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R15は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシおよびヘテロシクリルオキシから選択される;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0068】
一般式(I)の化合物の中で、および本発明の別の変形形態によれば、化合物は、
− 4−(4’−メチルシクロヘキシル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メトキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メチル−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−クロロ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−クロロ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−フルオロ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−フルオロ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−チオメチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メチリデン−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル(R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− メチル(R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− 4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 4−(3’−ニトロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 4−(3’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2,3−ジメチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;および
− 2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロ−4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグからなる化合物ファミリー(Ig)、から選択される。
【0069】
本発明の別の変形形態によれば、上述の一般構造(I)を有する化合物ファミリー(Ih)は
Wは、下式の二価の基を表し、
【0070】
【化10】
【0071】
R1、R2、R3、R4、R12、R12'、R13およびR14は、上記で定義した通りであり、
R15は、チオール、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオおよびヘテロシクリルチオ基から選択されるが、
ただし、R2、R3およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、チオールまたはアルキルチオ基を表すことができない;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグが定義される。
【0072】
ファミリー(Ih)の化合物は、新規であり、この点において本発明の別の主題を形成する。さらに、ファミリー(Ih)の化合物は、十分注目すべき血糖降下特性を有し、この点において、糖尿病およびその合併症の治療および/または予防に有用である。
【0073】
したがって、ファミリー(Ih)の化合物は、糖尿病およびその合併症を予防および/または治療するための薬物を調製するのにも有用である。
【0074】
さらに、ファミリー(Ih)の化合物は、観察した抗糖尿病活性に連動する可能性のあるキヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性を示す。
【0075】
ファミリー(Ih)の化合物の好ましいサブファミリーは、一般式(I)に属するファミリー(Ii)の化合物で式中
Wは、下式の二価の基を表し、
【0076】
【化11】
【0077】
R1は、アリール基を表し、
R2は、水素を表すか、R14と共に結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表すか、R2と共に結合を形成し、
R15は、アリールチオ基を表す;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグからなる。
【0078】
また、好ましいファミリー(Ii)の化合物は、一般式(I)に対応するファミリー(Ij)の化合物で式中
Wは、下式の二価の基を表し、
【0079】
【化12】
【0080】
R1は、フェニル基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシルおよびアルコキシ基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、フェニルチオ基を表す;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0081】
実例として、ファミリー(Ih)の化合物の例は、
・化合物Ih−1:
2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−2:
2−フェニルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−3:
2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−4:
2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
化合物Ih−5:
2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−6:
2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−7:
2−シクロヘキシルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−8:
2−ベンジルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−9:
エチル2−フェニルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−10:
エチル2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−11:
エチル2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−12:
エチル2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−13:
エチル2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−14:
エチル2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−15:
エチル2−シクロヘキシルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−16:
エチル2−ベンジルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・化合物Ih−17:
2−フェニルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−18:
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−19:
2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−20:
2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−21:
2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−22:
2−(2’−ナフチルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−23:
2−シクロヘキシルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−24:
2−ベンジルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−25:
2−フェニルチオ−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−26:
2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−27:
2−(4’−クロロフェニル)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−28:
2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−29:
2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・化合物Ih−30:
2−(2’−ナフチルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;および
2−カルボキシメチルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸(f);
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0082】
本発明のある特定の態様によれば、好ましい上記の式(I)の様々な変形形態は、R2=R3=Hであり、Wは、場合により置換されている−CH(CH2−X)−,(X=アルキル、アリール、シクロアルキル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、フリル、チエニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ピペリジルまたはピロリジニル),以外である化合物である。
【0083】
本発明の別な特定の態様によれば、式(I)の化合物は、
− ラセミの2−ベンジル−4−(4−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸ならびにそのRおよびS異性体、
− ラセミの2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブタン酸ならびにそのRおよびS異性体、
− 2−シクロヘキシルメチル−4−(4−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸、
− 2−ベンジル−4−フェニル−4−オキソブタン酸、
− 2−(β−ナフチルメチル)−4−フェニル−4−オキソブタン酸、
− 2−ベンジル−4−(β−ナフチルメチル)−4−オキソブタン酸、
− 2−[(4−クロロフェニル)メチル]−4−(4−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸、
− 2−ベンジル−4−(4−メチルフェニル)−4−オキソブタン酸、
− 4−(4−フルオロフェニル)−2−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−オキソブタン酸、
− 2−ベンジル−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4−オキソブタン酸、
− 2−ベンジル−4−シクロヘキシル−4−オキソブタン酸、
− 4−フェニル−2−[(テトラヒドロフル−2−イル)メチル]−4−オキソブタン酸とは異なる。
【0084】
本発明による一つの特に有利な態様によれば、好ましい上記の式(I)゜の変形形態は、R1が、アリール基またはヘテロアリール基である化合物である。
【0085】
好ましい上記で定義した式(II)の化合物は、一般式(II)に対応するファミリー(IIa)の化合物で、式中
R5、R6、R7およびR8は、上記で定義した通りであり、
R9は、水素を表し、
R10は、アルキルまたはアルコキシ基、好ましくはメチルまたはメトキシで3および/または4位において場合により置換されているフェニル基、およびナフチル基から選択される; ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである。
【0086】
式(II)の化合物の別のファミリー(IIb)は、一般式(II)の化合物で、式中
R5、R6、R7およびR8は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、ニトロ基およびトリフルオロメチル基から選択され、
基R6およびR7は、それらが接続する炭素原子と一緒に、ハロゲン原子およびトリフルオロメチル、ニトロまたはアルコキシ基から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されているベンゼン環を形成することもあり、
R9およびR10は、上記で定義した通りである;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグによって表される。
【0087】
本発明の一つの好ましい変形形態によれば、式(II)の化合物は、
− 4−メトキシ−N−(4−ナフタレン−2−イルチアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド、
− 4−アミノ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 4−メチル−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 3,4−ジメトキシ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 4−メトキシ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 2−ナフタレンスルホン酸[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− N−[4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド、
− N−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド、
− 4−メチル−N−[4−(4−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 4−アミノ−N−[4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、および
− 3,4−ジメトキシ−N−[4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルフェンアミド;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグからなるリストから選択される。
【0088】
上述の一般式(I)および(II)の化合物ならびにその変形形態の中で、化合物は、上記で定義したキヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する実質的な阻害活性のある化合物が特に好ましい。
【0089】
上記で定義した式(I)および(II)の化合物は、糖尿病およびその合併症を予防および/または治療するための薬物または薬剤組成物を調製するのに有用である。
【0090】
したがって、薬剤組成物は、単独、または1種もしくは複数の充填剤、媒体、着色剤または甘味剤、すなわち薬剤組成物の製造において通常使用される任意の適切かつ薬学的に許容できる無毒性の不活性賦形剤との組合せで、薬理学的に有効な量の少なくとも1種の式(I)または式(II)の化合物を活性成分として含む。
【0091】
このようにして得られる薬剤組成物は、様々な形態をとり、最も有利なのは、ゲルカプセル剤、坐剤、注射用または飲用液剤、パッチ剤、裸錠、糖衣錠、フィルムコート錠または舌下錠、サシェ剤、パケット剤、トローチ剤、クリーム剤、軟膏剤、皮膚ゲル剤、エアゾール剤などである。
【0092】
常用量は、治療される症状の性質および重症度、投与経路ならびに患者の年齢および体重に従って適応させることができる。一般に、単位投与量は、1回または複数回の摂取で1日に5mg〜2000mg、有利には10mg〜1000mg、例えば、50mg〜800mgの範囲である。
【0093】
驚いたことに、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害剤は、グルカゴンとインスリン双方の分泌を制御する二重の活性を有することが発見された。具体的に言うと、グルコースが存在しない場合、グルカゴンの分泌は刺激されるが、インスリンの分泌は刺激されない。グルコースが存在する場合、インスリンの分泌は増強されるが、グルカゴンの分泌は通常、抑制されたままである。
【0094】
このような二重の活性は、今日用いられている糖尿病の治療法を上回る大幅な改善を提供する。具体的に言うと、たとえ処方された投与量および/または投与回数を超えるか、コントロールが不十分であっても、低血糖の危険性は極めて大幅に軽減されるか、実質的に存在しない。
【0095】
したがって、本発明は、低血糖の危険性を最小限に抑えるか取り除く糖尿病の治療方法であって、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼを阻害する上記で定義した式(I)または式(II)の薬学的に有効な投与量の1種または複数の化合物を投与することにある方法にも関する。
【0096】
キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性を有する式(I)の化合物の中で、挙げることができる非限定的な例には、
− 4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル(R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メトキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メトキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メチル−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−クロロ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メチリデン−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル(R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− (R,S)−2−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (E)−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’−ニトロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− メチル(E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテノエート;および
− エチル(E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテノエート;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグが含まれる。
【0097】
また、本発明は、糖尿病および/またはその合併症を予防または治療するための方法であって、それを必要とする患者に対して、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼを阻害する上記で定義した式(I)または式(II)の1種または複数の化合物を、患者においてキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの実質的な阻害を生じるように投与することを含む方法に関する。
【0098】
特に、上記で定義した方法は、特に、症状がまだ明らかになっていないが、糖尿病症状の特徴を示す患者の場合に、糖尿病の予防を可能にする。この症状を診断する基準は、例えば、Diabetes Care、第25巻、suppl.1、2002年1月に定義されている。
【0099】
特に挙げることができる合併症は、動脈性高血圧、糖尿病関連の炎症過程、大血管障害、微小血管障害、糖尿病性ネフロパシー、末梢性糖尿病性神経障害ならびに糖尿病起源の網膜症である。
【0100】
上述のように、上記で定義した式(I)および(II)の化合物は、この治療分野でこれまでは知られていない作用機作に従い、糖尿病およびその合併症を予防および/または治療するのに有用であることが判明した。
【0101】
また、本発明は、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼを阻害することにより、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病およびその合併症を治療および/または予防するための薬物を製造するための方法であって、式(I)または(II)の少なくとも1種の化合物をin vitroのキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害試験にかけ、前記試験に対して陽性に反応する分子を、場合により薬学的に許容できる充填剤または媒体を加えて薬剤組成物の形態にする方法に関する。
【0102】
最後に、本発明は、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼを阻害することにより、糖尿病、および特にインスリン非依存性糖尿病またはその合併症の予防および/または治療における活性について候補化合物をスクリーニングするための方法であって(前記候補は式(I)または(II)に対応していない)、候補化合物をin vitroのキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害試験にかけ、この試験に対して陽性に反応した候補を選択する方法にも関する。
【0103】
好ましい候補は、抗糖尿病活性を有するとすでに知られている化合物である。
【0104】
続く実施例は、本発明に対していかなる種類のいかなる制限も加えることなく、本発明の主題の一部、特に調製方法および抗糖尿病活性試験およびキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害試験における上述の化合物のうちいくつかの活性を説明している。
【0105】
調製例
2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸(化合物Ih−1)の調製
市販の3−ベンゾイルアクリル酸7.04g(0.04mol)を塩化メチレン90mLに溶かす。次いで、2−ナフタレンチオール(0.04mol;1当量)を加える。反応媒体を20℃で20時間放置し、次いで真空下で濃縮する。次いで、単離される粗製の固体生成物をイソプロピルエーテルから粉砕し、吸引によって濾過してイソプロピルエーテルから再結晶する。
【0106】
単離された重量:5.55g;収率=41%;融点=146〜149℃(キャピラリー融点)。
【0107】
プロトンNMR(200MHz、溶媒:重水素化DMSO):3.74ppm、多重線、2H;4.43ppm、幅広い一重線、1H;7.9ppm、多重線、12H芳香族;12.9ppm、COOH)。
【0108】
赤外分光光度法(cm-1):1702.8;1680.7;1595.0;1435.2;1326.6;1217.6。
【0109】
TLC分析:
シリカ、溶離液:メチルシクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸(50/45/5):Rf:0.53。
【0110】
上記で定義したファミリー(Ih)の化合物は、同様の方法に従って調製した。
【0111】
2−(4−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸エチル(化合物Ih−13)の調製
市販のベンゾイルアクリル酸エチル0.408g(0.002mol)を、アルゴン中で、丸底フラスコ中の塩化メチレン6mlに溶かす。次いで、4−メトキシチオフェノール0.280g(1当量)を加える。
反応媒体を20℃で72時間放置し、次いで真空下で濃縮する。
次いで、単離される粗製の油をシリカのカラムで精製する(溶離液:90/10シクロヘキサン/酢酸エチル)。
単離された重量:0.390g;収率=56.6%;油。
【0112】
プロトンNMR(200MHz、溶媒:重水素化クロロホルム):
1.06ppm、三重線、3H;3.41ppm、多重線、2H;3.66ppm、一重線、3H;4.01ppm、多重線、3H;6.72ppm、二重線、2H 芳香族;7.32ppm、多重線、5H 芳香族;7.78ppm、二重線、2H 芳香族。
【0113】
赤外分光光度法(cm-1):1730.6;1685.1;1493.9;1448.8;1287.6;1248.21;1213.6。
【0114】
上記で定義したファミリーIhのエチルエステル化合物は、同様の方法に従って調製した。
【0115】
ファミリーIhの化合物を以下の表I 1〜4に並べる。純度は、HPLC/MSにより測定した。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】
【表3】
【0119】
【表4】
【0120】
ラット肝におけるキヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対する阻害活性の検討
実験プロトコル
ラット肝を、
− 0.25Mショ糖;
− 50mM pH7.4 Tris;
− 1mM EDTA;および
− 1mM DTT
を含む緩衝液中でホモジナイズする(1:8重量/容積)。
【0121】
ホモジネートを、12000rpmで10分間遠心分離する。ペレットを、上述の緩衝液に再懸濁する(1:2重量/容積)。
【0122】
キヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害は、ホモジネート10μLを、NADPH(2mM)、キヌレニン(100μM)および様々な濃度の試験化合物と共に最終容積100μLで37℃において5分間インキュベートすることによって測定する。
【0123】
化合物は、1μM〜300μMの濃度で試験する。3,4−ジメトキシ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミドは、Hoffmann−LaRoche社(Basle、J.Med.Chem.、40(1997)、4738)製の化合物である。30H−キヌレニンは、Carpendoら(Neuroscience、61(1994)、237〜244)によって記載されたプロトコルに従って試験した。
【0124】
結果
各々の実験を一度繰り返し、IC50値(単位μmol/L)を算出し、それら2回の実験の平均値の形で示す。
【0125】
例えば、(R)−2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブタン酸(化合物i)は、1±0.2μmol/LのIC50値を有するが、3,4−ジメトキシ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド(化合物k)は、10±2.1μmol/LのIC50値を有する。
【0126】
ファミリーIhの代表例に関する結果を以下の表IIに示し、対照(100%)と比較して残存したキヌレニン3−ヒドロキシラーゼ活性の割合についての測定を示す。
【0127】
【表5】
【0128】
【表6】
【0129】
N0STZラットにおける抗糖尿病活性の検討
経口による式(I)および(II)の化合物の抗糖尿病活性を、ラットにおいてストレプトゾトシンで誘発したインスリン非依存性糖尿病の実験モデルで測定した。
【0130】
インスリン非依存性糖尿病のモデルは、ストレプトゾトシンの新生児注射(出生日に)によりラットで入手する。
【0131】
使用した糖尿病ラットは、8週齢である。動物は、出生日から実験日まで21〜22℃の調整された温度で動物小屋に収容し、明(午前7時から午後7時)と暗(午後7時から午前7時)の固定光サイクルの下におく。維持飼料、ならびに水および食物からなる食物を自由に与えたが、試験前の絶食する2時間は別で、その間は、食物を取り除く(吸収後状態)。
【0132】
ラットは、1(D1)または4(D4)日間、試験生成物で経口処理する。生成物の最終投与から2時間後、およびペントバルビタールナトリウム(ネンブタール(登録商標))で動物を麻酔してから30分後、血液試料300μLを尾の端から採取する。
【0133】
式(I)の化合物の中で、ファミリー(Ih)の化合物、特にサブファミリー(Ii)の化合物、特に、前に定義した化合物Ih−1(2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸)およびサブファミリー(Ij)の化合物Ih−3(2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸)を、上述の実験プロトコルに従って評価した。
【0134】
以下に示す結果は、D0(処理前)と比較したD1およびD4(処理の日数)による血糖の変化率として表す。
【0135】
【表7】
【0136】
これらの結果は、糖尿病動物において血糖を低下させる際の、特に式(Ih)の化合物の有効性を示している。
【0137】
この抗糖尿病活性は、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼに対するこのファミリーの分子の阻害効果と相関している。
【0138】
肝臓によるグルコース産生に対する効果の検討
材料および方法:
肝細胞は、Methods Cell Biol.、13(1975)、29〜83に記載の方法に従い、24時間絶食させたウィスターラットの肝臓から分離する。
【0139】
以下の2方法を用いた:
1)肝細胞は、試験量における生成物のプレインキュベーションと併せ、それぞれの濃度が5×10-5Mおよび5×10-7MのAMPシクラーゼ/デキサメタゾンの存在下でDMEM培地中16〜18時間培養する。pH7.4のPBS緩衝液で洗浄後、前述の濃度でKrebs/AMPc/DEX緩衝液中37℃において3時間、細胞をインキュベートする。基準物質として0.1μMインスリンを用いる。2回の同一実験を行う(表III−1)。
【0140】
2)肝細胞は、グルコースを含まないが、1%グルタミン、100U/mLペニシリン、100mg/mLストレプトマイシンおよび7×10-5Mヘミコハク酸ヒドロコルチゾンが添加されたRPMI1640培地中で16〜18時間培養する。
【0141】
pH7.4のPBS緩衝液で洗浄後、試験化合物の存在下、または非存在下で乳酸塩/ピルビン酸塩(10/1mM)を含有し、グルコースおよびインスリンを含まないKrebs緩衝液中37℃において2時間、細胞をインキュベートする。基準物質として、10μM MICA(5−メトキシインドール−2−カルボン酸)を用いる。2回の同一実験を行う(表III−2)。
【0142】
グルコースの定量は、グルコースオキシダーゼを用いる比色法によって行う(ILテストTMGlucose、Monarch 181633−80)。タンパク質アッセイは、Lowry法によりインキュベーション培地の残部について行う(BIO−RAD Dcタンパク質アッセイ、BIO−RAD 5000116)。
【0143】
結果は、タンパク質1ngにつき産生されたグルコース(nmole)として表す。使用した統計的検査法はt検定である。
【0144】
結果:
このように、トリプトファンおよびキヌレニンは、in vitroにおける肝臓でのグルコース産生の強力な阻害剤であることが明らかとなった。例えば、化合物Ih−1(表III 1〜3)ならびに(R)−2−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブタン酸(化合物i)および(R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸(化合物j 表IV)という2種のキヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害剤は、以下の結果に示すように、in vitroにおける肝臓によるグルコース産生の強力な阻害剤であることが判明した。
【0145】
【表8】
【0146】
【表9】
【0147】
【表10】
【0148】
N0STZ糖尿病ラットにおける膵ホルモンインスリンおよびグルカゴンの分泌に対する効果の検討
材料および方法:
膵臓は、出生日にストレプトゾトシンの注射によって糖尿病にされ(Porthaら、Diabetes、23、889〜895、(1974年))、ペントバルビタール(ネンブタール:45mg/kg;腹腔内経路)で麻酔された動物から採取する。
【0149】
膵臓の摘出および灌流は、Sussmanら(Diabetes、15(1996)、466〜472)によって記載されたプロトコルの改変(Assan他、Nature、239(1972)、125〜126)に従って行った。
【0150】
化合物または基準物質の効果は、グルコースの非存在下でKrebs緩衝液中35分間(t=20分からt=55分まで)、次いで16.5mMグルコースの存在下で30分間(t=55分からt=85分まで)試験する。
【0151】
媒質から分泌されるホルモン、インスリンおよびグルカゴンの濃度はそれぞれ、キット、すなわちInsulin−CT Cis Bio−International、ScheringおよびGlucagon−10904−Biochem immunosystemを用いる競合ラジオイムノアッセイにより測定する。
【0152】
結果は、いくつかの実験の平均値±SEM(平均値の標準誤差)として表す。統計的検査法は、シェフェ検定である。
【0153】
結果:
N0 STZ糖尿病ラットからの灌流摘出膵臓におけるインスリンおよびグルカゴンの分泌に対するトリプトファンおよびその代謝産物の効果
図1は、トリプトファンが、糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にインスリン分泌を刺激することを示している。同様に、図2は、トリプトファンが、糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にグルカゴン分泌を刺激することを示している。
【0154】
キヌレン酸は、トリプトファンと同様、糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にインスリンの分泌(図3)およびグルカゴンの分泌(図4)を刺激する。
【0155】
図5および図6は、糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にキヌレニン(10-4Mおよび10-5Mで)により刺激されたそれぞれ、インスリンおよびグルカゴンの分泌プロフィールを示している。この刺激は、トリプトファンおよびキヌレン酸で得られる刺激と同様である。
【0156】
N0 STZ糖尿病ラットからの灌流摘出膵臓におけるインスリンおよびグルカゴンの分泌に対するキヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害剤の効果
キヌレニン3−ヒドロキシラーゼ阻害剤は、トリプトファン、キヌレニンおよびキヌレン酸の場合と同じインスリンおよびグルカゴン分泌プロフィールを示す。この所見は、図7および8(それぞれ、化合物iによるインスリンおよびグルカゴンの刺激)および図9および10(それぞれ、化合物kによるインスリンおよびグルカゴンの刺激)に見ることができる。
【0157】
摘出ラット膵島に対する活性の検討
静的インキュベーション中の摘出ランゲルハンス島におけるin vitroでのグルコース濃度の関数としてのインスリン分泌に対する化合物の効果:
コラゲナーゼによる膵外分泌組織の消化によって得られ、Ficoll勾配法で精製されたランゲルハンス島を、化合物の存在下または非存在下で2濃度(2.8mMまたは8mM)のグルコースを存在させて90分間インキュベートする。インスリン分泌は、インキュベーション培地中でRIAによりアッセイする。
【0158】
インスリン分泌を刺激する様々な化合物の能力は、刺激係数*を計算することにより推定する。
【0159】
この係数が、インスリンの所与の量について130%以上である場合、ある化合物はインスリンの分泌を刺激する。
刺激係数=(G+Product)÷G×100
式中:
G=グルコースだけ存在する場合のインスリンの分泌(pmol/min.膵島)
(G+Product)=同濃度のグルコースおよび試験化合物が存在する場合のインスリンの分泌(pmol/min.膵島)
図11は、グルコース濃度が2.8mMおよび8mMである場合の10-5Mの化合物Ih−18および(i)についてのインスリン分泌を示している。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】トリプトファンが糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にインスリン分泌を刺激することを示す図である。
【図2】トリプトファンが糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にグルカゴン分泌を刺激することを示す図である。
【図3】キヌレン酸が糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にインスリン分泌を刺激することを示す図である。
【図4】キヌレン酸が糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にグルカゴン分泌を刺激することを示す図である。
【図5】糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にキヌレニンにより刺激されたインスリンの分泌プロフィールを示す図である。
【図6】糖尿病ラットの膵臓においてグルコース依存的にキヌレニンにより刺激されたグルカゴンの分泌プロフィールを示す図である。
【図7】糖尿病ラットの潅流摘出膵臓における化合物iによるインスリン分泌プロフィールを示す図である。
【図8】糖尿病ラットの潅流摘出膵臓における化合物iによるグルカゴン分泌プロフィールを示す図である。
【図9】糖尿病ラットの潅流摘出膵臓における化合物kによるインスリン分泌プロフィールを示す図である。
【図10】糖尿病ラットの潅流摘出膵臓における化合物kによるグルカゴン分泌プロフィールを示す図である。
【図11】ランゲルハンス島を用いたアッセイにおいて2つの濃度のグルコース存在下の化合物Ih−18およびiのインスリンの分泌を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害により、糖尿病およびその合併症を予防および/または治療するための薬物を調製するための、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼを阻害する少なくとも1種の化合物の使用。
【請求項2】
前記薬物は、インスリン非依存性糖尿病およびその合併症を予防および/または治療するためのものである請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記化合物が、一般式(I)または一般式(II)の化合物、
【化1】
[式中、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【化2】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成するか、あるいは一緒になって、それらを持つ炭素原子と共に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基から選択され、
R5、R6、R7およびR8は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、およびニトロ、シアノ、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルまたはアリール基から選択され、
一方では、基R5およびR6、または他方では、R6およびR7は、それらが接続する炭素原子と一緒に、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、シアノまたはニトロ基、アルキル基およびアルコキシ基から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されているベンゼン環を形成してもよく、
R9は、水素またはアルキル基を表し、
R10は、アルキル、アリールおよびヘテロアリール基から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、R12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよいか、あるいはR14は、R2と共に、およびそれらを持つ炭素原子と共に、合計3、4、5、6または7個の炭素原子(そのうち1、2または3個は、窒素、酸素およびイオウから選択される原子で置換されていてもよい)を含む環を形成し、その環は、1個または複数の二重結合の形で1個または複数の不飽和を含むことがあり、オキソ、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されており、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14およびR15は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R16およびR17は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキル基および複素環基から選択されるか、あるいは
R16およびR17は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成し、
R11は、水素およびアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル基、およびアミン官能基の任意の保護基から選択される。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグに対応する請求項1または請求項2に記載の使用。
【請求項4】
化合物が、一般式(I)に属する請求項3に記載の使用。
【請求項5】
一般式(I)の化合物が、別々にまたは組合せとして、以下の特徴を有する、すなわち、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【化3】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルおよびアリールから選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびアリールから選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択され、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよいか、あるいはR14は、R2と共に、およびそれらを持つ炭素原子と共に、合計3、4、5または6個の炭素原子(そのうち1、2または3個は、窒素、酸素およびイオウから選択される原子で置換されていてもよい)を含む環を形成し、前記環は、1個または複数の二重結合の形で1個または複数の不飽和を含むことがあり、オキソ、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されており、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アルキルチオおよびアリールから選択され、
R16は、水素およびアルキルまたはアリール基から選択され、
R17は、水素原子を表し、
R11は、水素およびアミン官能基の任意の保護基から選択される
前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである、
前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ia)[式中、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【化4】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成するか、あるいは、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、前記複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよいか、あるいはR14は、R2と共に、およびそれらを持つ炭素原子と共に、合計3、4、5、6または7個の炭素原子(そのうち1、2または3個は、窒素、酸素およびイオウから選択される原子で置換されていてもよい)を含む環を形成し、前記環は、1個または複数の二重結合の形で1個または複数の不飽和を含むことがあり、オキソ、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されており、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14およびR15は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R16およびR17は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキル基および複素環基から選択されるか、あるいは
R16およびR17は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成し、
R11は、水素およびアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル基、およびアミン官能基の任意の保護基から選択されるが、
ただし、R3、R2およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基によって場合により置換されているアルキル基以外である。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグに属する請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ib)[式中、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【化5】
R1は、シアノ、ニトロ、フェニル、ベンジル、アルキル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、アルコキシ、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'、ならびにハロゲン原子から選択される1、2または3個の基によって場合により置換されているフェニル基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、場合により置換されているアルコキシ、特にベンジルオキシ、2〜4個の炭素原子を含むアルケニルオキシ、2〜4個の炭素原子を含むアルキニルオキシ、フェノキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、場合により置換されているアルキル基、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、およびフェニルから選択され、
R13は、水素、場合により置換されているアルキル基、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、およびフェニルから選択され、
R13'は、場合により置換されているアルキル基、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、フェニルおよび−N(R12R12')から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよく、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R16は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R17は、水素原子を表すが、
ただし、R3、R2およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基によって場合により置換されているアルキル基以外である。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグに属する請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ic)[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化6】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、水素を表す。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項1から4の一項に記載の使用。
【請求項9】
前記化合物が、
一般式(I)のファミリー(Id)[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化7】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシおよびヘテロシクリルオキシから選択される。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ie)
[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化8】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2およびR14は、一緒に結合を形成し、それぞれ置換基R2およびR14を持つ炭素原子間で二重結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R15は、水素を表す。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
前記化合物が、
一般式(I)のファミリー(If)[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化9】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2およびR14は、一緒に結合を形成し、それぞれ置換基R2およびR14を持つ炭素原子間で二重結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R15は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシおよびヘテロシクリルオキシから選択される。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項1から4の一項に記載の使用。
【請求項12】
前記化合物は、一般式(I)のファミリー(Ig)から選択され、その中で前記化合物は、
− 4−(4’−メチルシクロヘキシル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メトキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メチル−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−クロロ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−クロロ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−フルオロ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−フルオロ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−チオメチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メチリデン−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル(R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− メチル(R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− 4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 4−(3’−ニトロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 4−(3’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2,3−ジメチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;および
− 2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロ−4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ih)[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化10】
R1、R2、R3、R4、R12、R12'、R13およびR14は、上記で定義した通りであり、
R15は、チオール、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオおよびヘテロシクリルチオ基から選択されるが、
ただし、R2、R3およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、チオールまたはアルキルチオ基を表すことができない。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグはから選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ii)[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化11】
R1は、アリール基を表し、
R2は、水素を表すか、R14と共に結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表すか、R2と共に結合を形成し、
R15は、アリールチオ基を表す。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグはから選択される請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ij)[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化12】
R1は、フェニル基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシルおよびアルコキシ基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、フェニルチオ基を表す。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記化合物が、
・2−ベンジルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−フェニルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−カルボキシメチルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−シクロヘキシルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・エチル2−フェニルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−シクロヘキシルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−ベンジルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・2−フェニルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(2’−ナフチルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−シクロヘキシルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−ベンジルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−フェニルチオ−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−クロロフェニル)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(2’−ナフチルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項13に記載の使用。
【請求項17】
前記化合物が、
− 4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル(R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メトキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メトキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メチル−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−クロロ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メチリデン−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル(R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− (R,S)−2−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (E)−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’−ニトロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− メチル(E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテノエート;および
− エチル(E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテノエート;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項18】
前記化合物が、一般式(II)に属する請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項19】
前記化合物が、一般式(II)のファミリー(IIa)[式中、
R5、R6、R7およびR8は、上記で定義した通りであり、
R9は、水素を表し、
R10は、アルキルまたはアルコキシ基、好ましくはメチルまたはメトキシで3および/または4位において場合により置換されているフェニル基、およびナフチル。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグに属する請求項3または請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記化合物が、一般式(II)のファミリー(IIb)[式中、
R5、R6、R7およびR8は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、ニトロ基およびトリフルオロメチル基から選択され、
基R6およびR7は、それらが接続する炭素原子と一緒に、ハロゲン原子およびトリフルオロメチル、ニトロまたはアルコキシ基から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されているベンゼン環を形成することもあり、
R9およびR10は、上記で定義した通りである。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグに属する請求項3または請求項18に記載の使用。
【請求項21】
前記化合物が、
− 4−メトキシ−N−(4−ナフタレン−2−イルチアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド、
− 4−アミノ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 4−メチル−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 3,4−ジメトキシ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 4−メトキシ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 2−ナフタレンスルホン酸[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− N−[4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド、
− N−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド、
− 4−メチル−N−[4−(4−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 4−アミノ−N−[4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、および
− 3,4−ジメトキシ−N−[4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルフェンアミド、
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグからなるリストから選択される請求項1、2、3、18、19および20のいずれか一項に記載の使用。
【請求項22】
一般構造(I)のファミリー(Ih)に属する化合物で、[式中、
Wは、以下の二価の基を表し、
【化13】
R1、R2、R3、R4、R12、R12'、R13およびR14は、請求項4で定義した通りであり、
R15は、チオール、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオまたはヘテロシクリルチオ基から選択されるが、
ただし、R2、R3およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、チオールまたはアルキルチオ基を表すことができない。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグ。
【請求項23】
一般構造(I)のファミリー(Ii)に属する請求項22に記載の化合物で、[式中、
Wは、以下の二価の基を表し、
【化14】
R1は、アリール基を表し、
R2は、水素を表すか、R14と共に結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表すか、R2と共に結合を形成し、
R15は、アリールチオ基を表す。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグ。
【請求項24】
一般式(I)のファミリー(Ij)に属する請求項22または請求項23に記載の化合物で、[式中、
Wは、以下の二価の基を表し、
【化15】
R1は、フェニル基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシルおよびアルコキシ基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、フェニルチオ基を表す。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグ。
【請求項25】
・2−ベンジルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−フェニルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−カルボキシメチルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−シクロヘキシルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・エチル2−フェニルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−シクロヘキシルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−ベンジルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・2−フェニルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(2’−ナフチルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−シクロヘキシルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−ベンジルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−フェニルチオ−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−クロロフェニル)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(2’−ナフチルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される、ファミリー(Ih)に属する請求項21から23のいずれか一項に記載の化合物、
【請求項26】
単独、または1種以上の薬学的に許容できる適切な無毒性の不活性賦形剤との組合せで、薬理学的に有効な量の前記請求項の一項に記載の少なくとも1種の化合物を活性成分として含む薬剤組成物。
【請求項27】
低血糖の危険性を軽減することにより、糖尿病およびその合併症を予防および/または治療するための薬物を調製するための請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項28】
糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病およびその合併症を治療および/または予防するための薬物を製造するための方法であって、請求項1から25の一項に記載の式(I)または(II)の少なくとも1種の化合物をin vitroのキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害試験にかけ、前記試験に対して陽性に反応する分子を、場合により薬学的に許容できる充填剤または媒体を加えて薬剤組成物の形態にする方法。
【請求項29】
キヌレニン3−ヒドロキシラーゼを阻害することによる、糖尿病および特にインスリン非依存性糖尿病またはその合併症の予防または治療における活性について候補化合物、これら候補は、請求項1から25の一項に記載の式(I)または(II)に対応していない、をスクリーニングするための方法であって、候補化合物をin vitroのキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害試験にかけ、この試験に対して陽性に反応した候補を選択する方法。
【請求項1】
キヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害により、糖尿病およびその合併症を予防および/または治療するための薬物を調製するための、キヌレニン3−ヒドロキシラーゼを阻害する少なくとも1種の化合物の使用。
【請求項2】
前記薬物は、インスリン非依存性糖尿病およびその合併症を予防および/または治療するためのものである請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記化合物が、一般式(I)または一般式(II)の化合物、
【化1】
[式中、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【化2】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成するか、あるいは一緒になって、それらを持つ炭素原子と共に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基から選択され、
R5、R6、R7およびR8は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、およびニトロ、シアノ、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルまたはアリール基から選択され、
一方では、基R5およびR6、または他方では、R6およびR7は、それらが接続する炭素原子と一緒に、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、シアノまたはニトロ基、アルキル基およびアルコキシ基から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されているベンゼン環を形成してもよく、
R9は、水素またはアルキル基を表し、
R10は、アルキル、アリールおよびヘテロアリール基から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、R12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよいか、あるいはR14は、R2と共に、およびそれらを持つ炭素原子と共に、合計3、4、5、6または7個の炭素原子(そのうち1、2または3個は、窒素、酸素およびイオウから選択される原子で置換されていてもよい)を含む環を形成し、その環は、1個または複数の二重結合の形で1個または複数の不飽和を含むことがあり、オキソ、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されており、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14およびR15は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R16およびR17は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキル基および複素環基から選択されるか、あるいは
R16およびR17は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成し、
R11は、水素およびアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル基、およびアミン官能基の任意の保護基から選択される。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグに対応する請求項1または請求項2に記載の使用。
【請求項4】
化合物が、一般式(I)に属する請求項3に記載の使用。
【請求項5】
一般式(I)の化合物が、別々にまたは組合せとして、以下の特徴を有する、すなわち、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【化3】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルおよびアリールから選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびアリールから選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択され、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールおよびアリールアルキルから選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよいか、あるいはR14は、R2と共に、およびそれらを持つ炭素原子と共に、合計3、4、5または6個の炭素原子(そのうち1、2または3個は、窒素、酸素およびイオウから選択される原子で置換されていてもよい)を含む環を形成し、前記環は、1個または複数の二重結合の形で1個または複数の不飽和を含むことがあり、オキソ、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されており、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アルキルチオおよびアリールから選択され、
R16は、水素およびアルキルまたはアリール基から選択され、
R17は、水素原子を表し、
R11は、水素およびアミン官能基の任意の保護基から選択される
前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグである、
前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ia)[式中、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【化4】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成するか、あるいは、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')、−N(R12)OR13、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、前記複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよいか、あるいはR14は、R2と共に、およびそれらを持つ炭素原子と共に、合計3、4、5、6または7個の炭素原子(そのうち1、2または3個は、窒素、酸素およびイオウから選択される原子で置換されていてもよい)を含む環を形成し、前記環は、1個または複数の二重結合の形で1個または複数の不飽和を含むことがあり、オキソ、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアルキルカルボニルオキシから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されており、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基から選択され、
R14およびR15は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成することもあり、
R16およびR17は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキル基および複素環基から選択されるか、あるいは
R16およびR17は、それらを持つ炭素原子と一緒に、シクロアルキル基または複素環基を形成し、
R11は、水素およびアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル基、およびアミン官能基の任意の保護基から選択されるが、
ただし、R3、R2およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基によって場合により置換されているアルキル基以外である。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグに属する請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ib)[式中、
Wは、以下の基から選択される二価の基を表し、
【化5】
R1は、シアノ、ニトロ、フェニル、ベンジル、アルキル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、アルコキシ、チオール、−SR13'、−S(O)R13'および−S(O2)R13'、ならびにハロゲン原子から選択される1、2または3個の基によって場合により置換されているフェニル基を表し、
R2は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R3は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R2およびR3は一緒になって、基=CR16R17を形成することもあり、
R4は、ヒドロキシル、場合により置換されているアルコキシ、特にベンジルオキシ、2〜4個の炭素原子を含むアルケニルオキシ、2〜4個の炭素原子を含むアルキニルオキシ、フェノキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、場合により置換されているアルキル基、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、およびフェニルから選択され、
R13は、水素、場合により置換されているアルキル基、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、およびフェニルから選択され、
R13'は、場合により置換されているアルキル基、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、2〜4個の炭素原子を含むアルキニル、フェニルおよび−N(R12R12')から選択され、
R14は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R14は、R2と共に結合を形成し、それぞれ置換基R14およびR2を持つ炭素原子間で二重結合を形成してもよく、
R15は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R16は、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル、チオール、場合により置換されているアルキル、特にベンジル、2〜4個の炭素原子を含むアルケニル、アルコキシ、アルキルチオおよびフェニルから選択され、
R17は、水素原子を表すが、
ただし、R3、R2およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環基によって場合により置換されているアルキル基以外である。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグに属する請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ic)[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化6】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、水素を表す。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項1から4の一項に記載の使用。
【請求項9】
前記化合物が、
一般式(I)のファミリー(Id)[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化7】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシおよびヘテロシクリルオキシから選択される。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ie)
[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化8】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2およびR14は、一緒に結合を形成し、それぞれ置換基R2およびR14を持つ炭素原子間で二重結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R15は、水素を表す。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
前記化合物が、
一般式(I)のファミリー(If)[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化9】
R1は、1〜14個の炭素原子を含み場合により置換されている直鎖または分枝アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基から選択される基を表し、
R2およびR14は、一緒に結合を形成し、それぞれ置換基R2およびR14を持つ炭素原子間で二重結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R15は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロアリールオキシおよびヘテロシクリルオキシから選択される。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項1から4の一項に記載の使用。
【請求項12】
前記化合物は、一般式(I)のファミリー(Ig)から選択され、その中で前記化合物は、
− 4−(4’−メチルシクロヘキシル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メトキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メチル−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−クロロ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−クロロ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−フルオロ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−フルオロ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−チオメチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−メチリデン−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル(R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− メチル(R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− 4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 4−(3’−ニトロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 4−(3’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2,3−ジメチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;および
− 2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロ−4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ih)[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化10】
R1、R2、R3、R4、R12、R12'、R13およびR14は、上記で定義した通りであり、
R15は、チオール、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオおよびヘテロシクリルチオ基から選択されるが、
ただし、R2、R3およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、チオールまたはアルキルチオ基を表すことができない。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグはから選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ii)[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化11】
R1は、アリール基を表し、
R2は、水素を表すか、R14と共に結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表すか、R2と共に結合を形成し、
R15は、アリールチオ基を表す。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグはから選択される請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記化合物が、一般式(I)のファミリー(Ij)[式中、
Wは、下式の二価の基を表し、
【化12】
R1は、フェニル基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシルおよびアルコキシ基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、フェニルチオ基を表す。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記化合物が、
・2−ベンジルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−フェニルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−カルボキシメチルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−シクロヘキシルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・エチル2−フェニルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−シクロヘキシルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−ベンジルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・2−フェニルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(2’−ナフチルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−シクロヘキシルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−ベンジルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−フェニルチオ−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−クロロフェニル)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(2’−ナフチルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項13に記載の使用。
【請求項17】
前記化合物が、
− 4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル(R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− (R,S)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メトキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メトキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− 2−ヒドロキシ−3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メチル−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−クロロ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−メチリデン−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−3−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− メチル(R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタノエート;
− (R,S)−2−フェニル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (R,S)−2−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
− (E)−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−4−(3’−ニトロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−メチル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− 3−ベンジル−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’−フルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− (E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジフルオロフェニル)−4−オキソ−2−ブテン酸;
− メチル(E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテノエート;および
− エチル(E)−2−ヒドロキシ−4−(3’,4’−ジクロロフェニル)−4−オキソ−2−ブテノエート;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項18】
前記化合物が、一般式(II)に属する請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項19】
前記化合物が、一般式(II)のファミリー(IIa)[式中、
R5、R6、R7およびR8は、上記で定義した通りであり、
R9は、水素を表し、
R10は、アルキルまたはアルコキシ基、好ましくはメチルまたはメトキシで3および/または4位において場合により置換されているフェニル基、およびナフチル。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグに属する請求項3または請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記化合物が、一般式(II)のファミリー(IIb)[式中、
R5、R6、R7およびR8は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素、ハロゲン原子、ニトロ基およびトリフルオロメチル基から選択され、
基R6およびR7は、それらが接続する炭素原子と一緒に、ハロゲン原子およびトリフルオロメチル、ニトロまたはアルコキシ基から選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の基によって場合により置換されているベンゼン環を形成することもあり、
R9およびR10は、上記で定義した通りである。]
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグに属する請求項3または請求項18に記載の使用。
【請求項21】
前記化合物が、
− 4−メトキシ−N−(4−ナフタレン−2−イルチアゾール−2−イル)ベンゼンスルホンアミド、
− 4−アミノ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 4−メチル−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 3,4−ジメトキシ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 4−メトキシ−N−[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 2−ナフタレンスルホン酸[4−(3−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− N−[4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド、
− N−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド、
− 4−メチル−N−[4−(4−ニトロフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、
− 4−アミノ−N−[4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルホンアミド、および
− 3,4−ジメトキシ−N−[4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)チアゾール−2−イル]ベンゼンスルフェンアミド、
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグからなるリストから選択される請求項1、2、3、18、19および20のいずれか一項に記載の使用。
【請求項22】
一般構造(I)のファミリー(Ih)に属する化合物で、[式中、
Wは、以下の二価の基を表し、
【化13】
R1、R2、R3、R4、R12、R12'、R13およびR14は、請求項4で定義した通りであり、
R15は、チオール、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アリールチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロアリールチオまたはヘテロシクリルチオ基から選択されるが、
ただし、R2、R3およびR14がそれぞれ水素を表す場合、R15は、チオールまたはアルキルチオ基を表すことができない。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグ。
【請求項23】
一般構造(I)のファミリー(Ii)に属する請求項22に記載の化合物で、[式中、
Wは、以下の二価の基を表し、
【化14】
R1は、アリール基を表し、
R2は、水素を表すか、R14と共に結合を形成し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−N(R12R12')および−N(R12)OR13から選択され、
R12およびR12'は、同一または異なっていてもよく、互いに独立に、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アリールまたはヘテロアリール基から選択されるか、あるいはR12およびR12'は、それらが接続する窒素原子と一緒に、合計5〜10個の原子(そのうち1、2、3または4個は、互いに独立に、窒素、酸素およびイオウから選択される)を含む単環式または二環式複素環基を形成してもよく、その複素環基は、1、2、3または4個の二重結合を場合により含み、ヒドロキシル、ハロゲン原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール、複素環基およびトリフルオロメチルから選択される同一または異なっていてもよい1個または複数の化学基によって場合により置換されており、
R13は、水素およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−N(R12R12')または−N(R12)OR13基から選択され、
R14は、水素を表すか、R2と共に結合を形成し、
R15は、アリールチオ基を表す。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグ。
【請求項24】
一般式(I)のファミリー(Ij)に属する請求項22または請求項23に記載の化合物で、[式中、
Wは、以下の二価の基を表し、
【化15】
R1は、フェニル基を表し、
R2は、水素を表し、
R3は、水素を表し、
R4は、ヒドロキシルおよびアルコキシ基から選択され、
R14は、水素を表し、
R15は、フェニルチオ基を表す。];
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグ。
【請求項25】
・2−ベンジルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−フェニルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−カルボキシメチルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−シクロヘキシルチオ−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタン酸;
・エチル2−フェニルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−(2’−ナフチルチオ)−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−シクロヘキシルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・エチル2−ベンジルチオ−4−フェニル−4−オキソブタノエート;
・2−フェニルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−クロロフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(2’−ナフチルチオ)−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−シクロヘキシルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−ベンジルチオ−4−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−フェニルチオ−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−フルオロフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−クロロフェニル)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メチルフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(4’−メトキシフェニルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
・2−(2’−ナフチルチオ)−4−(4’−クロロフェニル)−4−オキソブタン酸;
ならびにそれらの可能な幾何および/または光学異性体、およびそれらの可能な互変異性体、
それらの化合物の溶媒和物および水和物、
ならびに薬学的に許容できる酸または塩基とのそれらの可能な塩か、あるいはそれらの化合物の薬学的に許容できるプロドラッグから選択される、ファミリー(Ih)に属する請求項21から23のいずれか一項に記載の化合物、
【請求項26】
単独、または1種以上の薬学的に許容できる適切な無毒性の不活性賦形剤との組合せで、薬理学的に有効な量の前記請求項の一項に記載の少なくとも1種の化合物を活性成分として含む薬剤組成物。
【請求項27】
低血糖の危険性を軽減することにより、糖尿病およびその合併症を予防および/または治療するための薬物を調製するための請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項28】
糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病およびその合併症を治療および/または予防するための薬物を製造するための方法であって、請求項1から25の一項に記載の式(I)または(II)の少なくとも1種の化合物をin vitroのキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害試験にかけ、前記試験に対して陽性に反応する分子を、場合により薬学的に許容できる充填剤または媒体を加えて薬剤組成物の形態にする方法。
【請求項29】
キヌレニン3−ヒドロキシラーゼを阻害することによる、糖尿病および特にインスリン非依存性糖尿病またはその合併症の予防または治療における活性について候補化合物、これら候補は、請求項1から25の一項に記載の式(I)または(II)に対応していない、をスクリーニングするための方法であって、候補化合物をin vitroのキヌレニン3−ヒドロキシラーゼの阻害試験にかけ、この試験に対して陽性に反応した候補を選択する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2006−516960(P2006−516960A)
【公表日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564204(P2004−564204)
【出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014539
【国際公開番号】WO2004/060369
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014539
【国際公開番号】WO2004/060369
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】
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