説明

索引付けシステム及びその記録システム

【課題】 全ての記録対象や記録環境に対応した検出用閾値や検出用パターンを準備することなく、新しい記録環境や記録対象にも対応でき、かつ、同一パターンが所定の頻度で発生する場合にも、索引付けを行なえる索引付け及びその記録システムを提供する。
【解決手段】 本発明は連続データの特徴箇所を検出して索引付けをするシステムであり、連続データを入力データパターンに細分化して前処理を行なうパターン化部と、入力データパターンを蓄積するパターンデータベースと、パターンデータベースに蓄積する入力データパターン数を制御するパターンデータベース制御部と、パターンデータベースに蓄積された入力データパターンから、特徴箇所を検出する検出用パターンを作成する検出用パターン作成部と、検出用パターンで入力データパターンの特徴箇所を検出する特徴箇所検出部と、特徴箇所として検出した箇所に索引付けをするマーキング部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、動画像や音声データ、医療用生体センサデータ等、連続データから特徴箇所を検出して索引付けを行う、索引付けおよびその記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体の大容量化や各種周辺機器の普及により、長時間にわたって連続するデータの記録を容易に行えるようになってきた。しかしながら、このような長時間にわたる連続データの記録は、索引付けを行っていない状態では非常に利活用(利用及び活用)しにくいものである。
また、長時間にわたる連続データの記録の際には、記録者が記録という行動を意識しない場合や、記録者が明確ではない場合等があり、記録者による意識的な索引付けが困難なケースが多い。
【0003】
このため、長時間にわたる連続データを利活用しやすい状態で記録し、かつ記録者が索引付けを意識的に行わなくて済む技術として、自動的な索引付けの技術が重要になっている。例えば、自動的な索引付けの技術として従来から、多数の提案が行われている。例えば、あらかじめ検出用閾値や検出用パターンを用意しておき、その検出用閾値、検出用パターンを用いて重要と思われる場面を検出する方法である。
具体的には、動画データと音声データを有するAVデータの検索システムであり、場面中の音量があらかじめ設定した閾値を越えた際に、索引付けするものである(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−16610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術によれば、記録者が意識的に索引付けを行う必要があるが、記録者自らの体験を記録する際、記録者が記録以外の処理を行う必要がある場合には操作自体が困難である。
また、記録時に操作者が存在しない場合や、記録者が記録状況を意識しない医療用生体センサデータ測定時などにも索引付けを行うことができなかった。
そのため、他の手法として、検出用閾値や検出用パターンを予め用意せず、実際の連続データ等から検出用パターンを作成し、この検出用パターンを用いて、重要と思われる場面を検出する手法である。
【0005】
例えば、心電図を長時間にわたり連続して記録する際に、記録データを分割・細分化して、データパターンを作成し、作成したデータパターンと、蓄積された過去のデータパターンとを比較し、蓄積された過去のいずれのデータパターンとも合致しないデータパターンが検出された際に、特徴箇所として索引付けを行う手法がある。
この検出用閾値や検出用パターンを用意しない他の手法は、特許文献1における検出用閾値や検出用パターンを予め用意する手法に比較し、汎用の検出パターンを作成する手間を必要とせず、個々の記録環境や個々の記録対象に応じた索引付けが可能である。また、記録データなどの傾向が変化した際にも、追従可能であるというメリットがある。
【0006】
しかし、上記他の手法を用いた単純な索引付けにおいては、一度蓄積されたデータパターンと同一のデータパターンにより表現される特徴箇所が発生した場合に、2度目以降の特徴箇所の検出が行えない。このため、この他の手法は、同一のデータパターンにより表現される特徴箇所が、ある程度の頻度で発生するような場合に、上手く索引付けを行なえないという課題がある。
これは、新規データパターンを検出した際、システムが検出個所への索引付けと同時に、該当データパターンのデータベースヘの追加蓄積を行なっていることに起因している。
【0007】
この課題を解決する最も簡単な手法としては、データパターンの学習期間と検出期間を分離し、実際に索引付けを行う検出期間にはデータパターンの追加蓄積を行なわない方法が考えられる。
この方法を用いると、設定された学習期間に特徴個所のデータパターンが入力されなければ、それ以降の検出期間中に特徴箇所のデータパターンが何度入力されても検出を的確に行うことが出来る。
しかしながら、この場合にはデータベースに蓄積される過去のデータパターンが固定であるため、記録データの傾向が変化した場合に追従できなくなるというデメリットが生じてしまう。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、全ての記録対象や記録環境に対応した検出用閾値や検出用パターンを予め準備することなく、多くのコストをかけずに新しい記録環境や記録対象にも対応可能であり、かつ、同一のデータパターンにより表現される特徴箇所がある程度の頻度で発生するような場合にも、索引付けを行なうことが可能な索引付け及びその記録システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、本発明の索引付けシステムは、記録された連続データから特徴箇所を検出して索引付けを行なうシステムであって、前記連続データを、細分化された複数の入力データパターンに分割して前処理を行なうパターン化部と、前記入力データパターンを蓄積するパターンデータベースと、前記パターンデータベースに蓄積可能な入力データパターン数を制御するパターンデータベース制御部と、前記パターンデータベースに蓄積された過去の入力データパターンを元に、特徴箇所を検出する検出用パターンを作成する検出用パターン作成部と、前記検出用パターンを元に、前期入力データパターンから特徴箇所のデータパターンを検出する特徴箇所検出部と、前記特徴箇所として検出されたデータパターンに該当する記録箇所に索引付けを行なうマーキング部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の索引付け記録システムは、連続データを記録しながら特徴箇所を検出して索引付けを行なうシステムであって、前記連続データを、細分化された複数の入力データパターンに分割して前処理を行なうパターン化部と、前記入力データパターンを蓄積するパターンデータベースと、前記パターンデータベースに蓄積可能な入力データパターン数を制御するパターンデータベース制御部と、前記パターンデータベースに蓄積された過去の入力データパターンを元に、特徴箇所を検出する検出用パターンを作成する検出用パターン作成部と、前記検出用パターンを元に、前記入力データパターンから特徴箇所のデータパターンを検出する特徴箇所検出部と、前記特徴箇所として検出されたデータパターンに該当する記録箇所に索引付けを行なうマーキング部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の索引付け記録システムは、前記マーキング部は、前記特徴箇所と判別された部分のみ記録することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の索引付けシステムは、記録の対象となる連続データとは別に、特徴箇所検出に有効な連続データを参考データとして記録し、当該記録された参考データから特徴箇所を検出し、その箇所に該当する連続データヘの索引付けを行なうシステムであって、前記記録された参考データを、細分化された複数の入力データパターンに分割し、前処理を行なうパターン化部と、前記入力データパターンを蓄積するパターンデータベースと、前記パターンデータベースに蓄積可能な入力データパターン数を制御するパターンデータベース制御部と、前記パターンデータベースに蓄積された過去の入力データパターンを元に、特徴箇所を検出する検出用パターンを作成する検出用パターン作成部と、前記検出用パターンを元に、前記入力データパターンから特徴箇所のデータパターンを検出する特徴箇所検出部と、前記特徴箇所として検出されたデータパターンに該当する記録箇所に索引付けを行なうマーキング部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の索引付け記録システムは、記録の対象となる連続データとは別に、特徴箇所検出に有効な連続データを参考データとして取得し、当該取得された参考データから特徴箇所を検出し、その箇所に該当する連続データヘの索引付けを行ないながら、該連続データの記録を行なうシステムであって、前記取得された参考データを、細分化された複数の入力データパターンに分割し、前処理を行なうパターン化部と、前記入力データパターンを蓄積するパターンデータベースと、前記パターンデータベースに蓄積可能な入力データパターン数を制御するパターンデータベース制御部と、前記パターンデータベースに蓄積された過去の入力データパターンを元に、特徴箇所を検出する検出用パターンを作成する検出用パターン作成部と、前記検出用パターンを元に、前記入力データパターンから特徴箇所のデータパターンを検出する特徴箇所検出部と、前記特徴箇所として検出されたデータパターンに該当する記録箇所に索引付けを行なうマーキング部とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の索引付け記録システムは、前記マーキング部は、前記特徴箇所と判別された部分のみを記録することを特徴とする。
【0015】
さらに、上記構成において、検出用パターン作成部は、入力された過去のデータパターンを元に検出用パターンを作成し、それを用いて特徴箇所の抽出を行う。後述するように、特徴箇所を検出するためのデータ(検出対象のデータ)として、記録データ自身を用いる方法と、参考データを用いる方法とがある。
検出に際し、特徴箇所検出部は、過去のデータパターンから作成した検出用パターンを用いる。検出用パターンとしては、(i)その検出用パターンにマッチしたものを特徴箇所のデータパターンとし、マッチしないものを通常のデータパターンとするような検出用パターンも、逆に、(ii)その検出用パターンにマッチしたものを通常のデータパターンとし、マッチしないものを特徴箇所のデータパターンとするような検出用パターンも利用可能である。
ここで、(i)の検出パターンは時系列的に入力され、蓄積されたデータパターンに存在しないパターンが所定の規則により生成されて用いられ、一方、(ii)の検出パターンは過去に入力されたパターンデータから出現頻度または類似度をもとに抽出して用いる。
そして、特徴箇所のデータパターンが検出された箇所には、マーキング部において索引付けを行う。
【0016】
パターンデータベース制御部では、例えば、所定の間隔毎に特徴箇所の検出頻度を計算し、パターンデータベースに蓄積するデータパターン数を制御することで、検出頻度を設定された目標頻度に近づけるよう制御を行なう。
すなわち、本発明システムの動作開始時には既知のデータパターンがパターンデータベース内に存在しないため、いかなる入カデータパターンに対しても特徴箇所のデータパターンであると判定してしまう。
【0017】
しかし、時間が経過して既知のデータパターンが十分に蓄積され、それら既知のデータパターンから作成された検出用パターンを用いると、既知のデータパターンに同一または類似のデータパターンは通常のデータパターンとして認識されるようになる。
そのため、既知のデータパターンはパターンデータベースに蓄積されているが、データを記録する環境が変わった場合、パターンデータベースにおいて、古いデータパターンと入れ替えに新しいデータパターンを蓄積することにより、古い環境のデータパターンが徐々に消滅し、変わりに新しい環境のデータパターンが蓄積されていく。
【0018】
上述した処理により、徐々に新しい環境に応じたパターンデータベースが完成し、新しい環境に対応した索引付けが行われるようになる。
ここで本発明では、一定の頻度で特徴箇所が生じることが期待されるような場合にも、蓄積するデータパターン数を制御することにより、一度蓄積された特徴箇所のデータパターンが次回検出時までには廃棄されるように制御することで適切な特徴箇所検出を可能にしている。
このことにより、全ての記録対象や記録環境に対応した検出用閾値や検出用パターンを、予め作成して準備する手間をかける必要がなく、かつ、準備するために多くのコストを要することもなく、新しい記録環境や記録対象にも対応可能な、索引付けおよびその記録システムを、パターンデータベースに蓄積するデータパターン数を調整することにより、索引付けの頻度を制御可能なものとして提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、全ての記録対象や記録環境に対応した検出用閾値や検出用パターンを作成することなく、かつ多くのコストを要することなく、新しい記録環境や記録対象にも対応可能な索引付けおよびその記録システムを、索引付けの頻度を制御可能なものとして提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態による索引付けシステムを図面を参照して説明する。図1は同実施形態による索引付けシステムの構成例を示すブロック図である。この図において、本実施形態の索引付けシステムは、記録された連続データから特徴箇所を検出して、索引付けを行なう索引付けシステムであって、パターン化処理部11と、パターンデータベース12と、検出用パターン作成部13と、特徴箇所検出部14と、マーキング部15と、パターンデータベース制御部16とを有している。
【0021】
パターン化処理部11は、時系列に連続した連続データを、所定の時間幅やデータサイズ,データの周期性にて細分化された複数の入力データパターンに分割して、判別し易いパターンデータとするために前処理(単純化処理)を実行し、前処理後のパターンデータを特徴箇所検出部14へ出力する。
ここで、単純化処理の例としては、パターン間の比較時間を短縮するため、所定の量子化ビット数を設定することにより、電圧値や脈拍数の量子化を行ったり、データパターンの間引きを行いデータ量を削減する処理が挙げられる。
【0022】
また、パターンデータベース12は、過去に入力され、所定の時間幅に分割後に前処理が行われた入力データパターンを、内部のデータパターン記憶装置121に蓄積して管理する機能を有している。
検出用パターン作成部13は、データパターン記憶装置121に蓄積された過去の入力データパターンを元に、特徴箇所を検出する検出用パターンを作成し、特徴箇所検出部14へ供給する。
【0023】
また、特徴箇所検出部14は、入力データパターンを必要に応じてパターンデータベース12へ供給し、また検出結果をパターンデータベース制御部16へ供給する。
マーキング部15は、特徴箇所として検出されたデータパターンに該当する記録箇所に索引付けを行なう機能を有している。
パターンデータベース制御部16は、ユーザ制御や特徴箇所発生頻度からパターンデータベースが保持すべきデータパターン数を計算し、その数値をパターンデータベース12に設定する機能を持つ。
【0024】
次に、図2は、本発明における索引付けシステムの基本動作の流れを示す。以下、図2に示すフローチャートを参照しながら、図1に示す索引付けシステムの動作について説明する。
入力される連続データ10は記録された連続データであり、本発明の索引付けシステムにおいては、この連続データ10に対する索引付けを行う。
連続データ10としては、映像データ、音声データ、映像と音声の複合データ、医療用センサデータ等、複数のデータが考えられるが、以下においては医療用センサデータの場合を例に挙げて説明を行なう。
【0025】
あらかじめ連続データ10として記録された医療用センサデータは、パターン化処理部11において、データ分割処理(S21)、前処理としての単純化処理(S22)が行なわれ、複数個のパターン(1周期分ごとの心電データや、一定時間における脈拍数の変化等)に分割(パターン化)される。
この際、データパターンに対してタイムスタンプや開始時刻からのフレーム数等の属性情報を付与することも可能であり、ここではタイムスタンプを属性情報としてデータパターンに付与する場合を考える。
【0026】
ここで作成されたデータパターンは、特徴箇所検出部14へ順次送られ、特徴箇所検出部14で特徴箇所のデータパターンか否かが判定される(S23)。
この判定には検出用パターン作成部13で作成された検出用パターンとの比較を用いるが、マッチする場合を通常(特徴箇所以外)と判別するような検出用パターンも、マッチする場合を特徴箇所として判別するような検出用パターンも利用可能である。
【0027】
また、この比較には過去のデータパターンとの完全一致だけでなく、誤差を許容するパターンマッチング(パターン間の類似度が所定の閾値よりも小さい)等、高度なパターンマッチングを利用することも可能である。
本実施形態では、検出用パターンとマッチした場合を通常のデータパターン、マッチしない場合を特徴箇所のデータパターンと判別する例を扱う。
本実施形態において、検出用パターンとマッチしない場合、すなわちそのデータパターンが特徴箇所のデータパターンであると判別された場合、特徴箇所検出部14では該当データパターンのタイムスタンプをマーキング部15に通知する。
【0028】
それにより、上記タイムスタンプに基づき、マーキング部15により、記録データの該当箇所に索引付けが行なわれる(S25)。本実施形態では、連続データ自身に索引付けの処理(フラグを付加するなど)を行なう方式を示しているが、別途外部データにマーキング箇所のタイムスタンプなどを記録することも可能である。
特徴箇所検出部14で判別処理が実行されると、データパターンはパターンデータベース12においてデータパターン記憶装置121へ追加登録され、もしくは情報更新が行なわれる(S24)。
すなわち、データパターン記憶装置121の内部に該当するデータパターンが存在する場合は新規に登録が行なわれ、すでに登録されている場合にはタイムスタンプに基づき、最新の登録済みデータパターン時刻の更新処理等が行なわれる。
【0029】
ここで、例えばパターンデータベース12のデータパターン管理において、同一データパターンのカウントを行なっていれば、すでに登録されているデータパターンと同一のものに対してはカウントアップを行い、検出用パターンの作成に、その統計を利用することも可能である。
また、新規のデータパターン登録時、古いデータパターンを削除する等の処理を行なうことも可能である。
【0030】
さらに、特徴箇所検出部14は、特徴箇所の検出が行なわれた場合、すなわち検出パターンとデータパターンとが一致しなかった場合(または所定の類似度以下の場合)、特徴箇所の検出の結果がパターンデータベース制御部16に通知される(S23)。
そして、パターンデータベース制御部16は、この通知を元に特徴箇所の検出頻度を求め(S26;例えば所定時間あるいは所定のデータパターンの入力数毎に)、この求めた検出頻度とユーザ設定値等とを比較して、パターンデータベース12に蓄積するデータパターン数を計算し、特徴検出の頻度があらかじめ設定した範囲内にない場合、パターンデータベース12に制御の指示を与える(S27)。
【0031】
すなわち、パターンデータベース制御部16は、例えば、特徴箇所の検出頻度がユーザが設定した範囲内となるよう、パターンデータベース12に対して、蓄積するデータパターン数を適時増減して調整し(古い順に徐々にデータパターンを破棄する量により調整し)、蓄積可能なデータパターン数として制御する。
例えば、パターンデータベース制御部16は、検出頻度が低ければ蓄積するデータパターン数を減少させるように、破棄するデータパターン数を増加させ、一方、検出頻度が高ければ蓄積するデータパターン数を増加させるように、パターンデータベース12に対して制御を行う。
【0032】
次に、図3は、本発明の索引付け記録システムの一実施形態を示すブロック図である。
この図3においては、本発明の索引付け記録システムに外部接続された連続データ入力装置110から入力される連続データが、システム外部のデータ記憶装置20に索引付けされながら記録される例を示している。
ただし、本実施形態以外にも、連続データ入力装置110がデータ記憶装置20と一体である場合や、本発明システムがデータ記憶装置20と一体である場合、すべてが一体化されている場合等もここに示す実施形態に含まれるものとする。
【0033】
連続データ入力装置110としては、ビデオなどの映像入力装置や、音声人力、医療センサデータ等が考えられるが、ここではビデオカメラを用いて映像入力を行う場合を示す。
なお、図3以降の各図において、図1と同様な構成に対しては同一の符号を付し、重複を回避する意味で詳細な説明は省略し、その差異についてのみ説明する。
図3に示す索引付け記録システムにおいて、連続データ人力装置110(例えば、ビデオカメラ)から入力された画像は、パターン化処理部11においてデータ分割、単純化等の処理が行われる。
【0034】
本実施形態の場合は、例えば、ビデオからの連続データが画像フレーム単位に分割され、そこのフレームを10×10ピクセルのモザイク画像へと単純するような例が考えられる。
この単純化されたデータパターンは、特徴箇所検出部14において特徴箇所のデータパターンか否かが判別され、そこで特徴箇所のデータパターンであると判断された場合には、マーキング15で索引付けが行われると共に外部のデータ記憶装置20に記録される。
なお、上記の実施形態によれば、すべてのデータに対して索引付けを行いながら記録を行うが、マーキング処理部15において索引付けを行う箇所のみ記録を行っても良い。
【0035】
次に、図4は、本発明における索引付けシステムの他の実施形態を示すブロック図である。この図4においては、連続データ10(映像データ等)と同時に記録された参考データ30(生体センサデータ)が記録されており、その参考データ30に基づいて記録データヘの索引付けが行われる。
すなわち、この実施形態においては、図1に示す実施形態と同様の処理を、参考データ30に対して行い、検出された特徴箇所に該当する(時間的な同期の取れた)記録データ部分(データ記憶装置20に記憶される連続データ10)に対して索引付けを行う。
当然のことであるが、図1のシステムにおいても説明したように、記録データに直接索引付けを行う以外にも、別の記録装置にそのタイムスタンプを記録することで、記録データヘの索引付けを行うことも可能である。
【0036】
次に、図5は、本発明における索引付け記録システムの他の実施形態を示すブロック図である。
上述した図4に示す索引付けシステムにおいては、連続データと同時に、特徴箇所検出に使用する参考データを保存しておく例を示したが、この図5のシステムにおいては、記録時に参考データから特徴箇所を検出し、連続データに索引付けを行いながら記録を行うケースを示している。
【0037】
具体的には、連続データ入力装置110からの映像人力と同時に、参考データとして音声データを入力し(参考データ入力装置130)、その特徴箇所検出を行うことにより、索引付けを行いながら映像をデータ記憶装置20に記録するシステムを例として示している。
この図5においては、本発明のシステムを用いて音声データの特徴箇所検出を行い、その特徴箇所を映像データの特徴箇所として索引付けしながら記録している。
なお、ここでは、特徴箇所以外の連続データも記録されているが、特徴箇所についてのみ記録を行っても良い。
【0038】
以上説明のように、本発明は、検出用パターンを事前に用意せず、入力された過去のデータパターンを元に検出用パターンを作成し、それを用いて特徴箇所に対する索引付けを行うものである。
上述してきたように、特徴箇所を検出するためのデータとして、記録データ自身を用いる場合と、参考データを用いる場合とがある。
特徴箇所の検出に際し、本発明のシステムは、過去のデータパターンから検出用データパターンを作成し、この検出用パターンとの比較を行い、特徴箇所のデータパターンと、(特徴箇所以外の)通常のデータパターンとの判別を行う。
そして、特徴箇所のデータパターンが検出された箇所には、マーキング部15において索引付けを行う。
【0039】
本発明システムの動作開始時には、既知のデータパターンがパターンデータベース12内に存在しないため、いかなる入力データパターンに対しても特徴箇所のデータパターンであると判定してしまう。
しかし、時間が経過して既知のデータパターンが十分に蓄積されると、それら既知のデータパターンから作成された検出用パターンを用いて、既知のデータパターンに同一または類似のデータパターンは通常のデータパターンとして認識されるようになる。
既知のデータパターンはパターンデータベース12に蓄積されており、データを記録する環境が変わった場合、パターンデータベース12において、古いデータパターンと入れ替えに新しいデータパターンを蓄積することにより、古い環境のデータパターンが徐々に消滅し、変わりに新しい環境のデータパターンが蓄積されていく。
【0040】
上述のようにして、徐々に新しい環境に応じたパターンデータベースが完成し、新しい環境に対応した(すなわち、新しい入力データに対応した)索引付けが行われるようになる。
このことにより、全ての記録対象や記録環境に対応した検出用閥値や検出用パターンを作成することなく、かつ、検出パターンの作成のために多くのコストを要することなく、新しい記録環境や記録対象にも対応可能な、索引付けおよびその記録システムを提供することができる。
【0041】
なお、図1,3,4,5における索引付けシステム及び索引付け記録システムの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより索引付けの処理及び索引付け記録の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0042】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前記した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前記した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の索引付けシステムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す一実施形態の基本動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の索引付け記録システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明の索引付けシステムの他の実施形態を示すブロック図である。
【図5】本発明の索引付け記録システムの他の実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0044】
10…連続データ
11…パターン化処理部
12…パターンデータベース
13…検出用パターン作成部
14…特徴検出部
15…マーキング部
16…パターンデータベース制御部
20…データ記憶装置
30…参考データ
110…連続データ入力装置
130…参考データ入力装置
121…データパターン記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録された連続データから特徴箇所を検出して索引付けを行なう索引付けシステムであって、
前記連続データを、細分化された複数の入力データパターンに分割して前処理を行なうパターン化部と、
前記入力データパターンを蓄積するパターンデータベースと、
前記パターンデータベースに蓄積可能な入力データパターン数を制御するパターンデータベース制御部と、
前記パターンデータベースに蓄積された過去の入力データパターンを元に、特徴箇所を検出する検出用パターンを作成する検出用パターン作成部と、
前記検出用パターンを元に、前期入力データパターンから特徴箇所のデータパターンを検出する特徴箇所検出部と、
前記特徴箇所として検出されたデータパターンに該当する記録箇所に索引付けを行なうマーキング部と
を備えたことを特徴とする索引付けシステム。
【請求項2】
連続データを記録しながら特徴箇所を検出して索引付けを行なう索引付け記録システムであって、
前記連続データを、細分化された複数の入力データパターンに分割して前処理を行なうパターン化部と、
前記入力データパターンを蓄積するパターンデータベースと、
前記パターンデータベースに蓄積可能な入力データパターン数を制御するパターンデータベース制御部と、
前記パターンデータベースに蓄積された過去の入力データパターンを元に、特徴箇所を検出する検出用パターンを作成する検出用パターン作成部と、
前記検出用パターンを元に、前記入力データパターンから特徴箇所のデータパターンを検出する特徴箇所検出部と、
前記特徴箇所として検出されたデータパターンに該当する記録箇所に索引付けを行なうマーキング部と
を備えたことを特徴とする索引付け記録システム。
【請求項3】
前記マーキング部は、
前記特徴箇所と判別された部分のみ記録することを特徴とする請求項2に記載の索引付け記録システム。
【請求項4】
記録の対象となる連続データとは別に、特徴箇所検出に有効な連続データを参考データとして記録し、当該記録された参考データから特徴箇所を検出し、その箇所に該当する連続データヘの索引付けを行なう索引付けシステムであって、
前記記録された参考データを、細分化された複数の入力データパターンに分割し、前処理を行なうパターン化部と、
前記入力データパターンを蓄積するパターンデータベースと、
前記パターンデータベースに蓄積可能な入力データパターン数を制御するパターンデータベース制御部と、
前記パターンデータベースに蓄積された過去の入力データパターンを元に、特徴箇所を検出する検出用パターンを作成する検出用パターン作成部と、
前記検出用パターンを元に、前記入力データパターンから特徴箇所のデータパターンを検出する特徴箇所検出部と、
前記特徴箇所として検出されたデータパターンに該当する記録箇所に索引付けを行なうマーキング部と
を備えたことを特徴とする索引付けシステム
【請求項5】
記録の対象となる連続データとは別に、特徴箇所検出に有効な連続データを参考データとして取得し、当該取得された参考データから特徴箇所を検出し、その箇所に該当する連続データヘの索引付けを行ないながら、該連続データの記録を行なう索引付け記録システムであって、
前記取得された参考データを、細分化された複数の入力データパターンに分割し、前処理を行なうパターン化部と、
前記入力データパターンを蓄積するパターンデータベースと、
前記パターンデータベースに蓄積可能な入力データパターン数を制御するパターンデータベース制御部と、
前記パターンデータベースに蓄積された過去の入力データパターンを元に、特徴箇所を検出する検出用パターンを作成する検出用パターン作成部と、
前記検出用パターンを元に、前記入力データパターンから特徴箇所のデータパターンを検出する特徴箇所検出部と、
前記特徴箇所として検出されたデータパターンに該当する記録箇所に索引付けを行なうマーキング部と
を備えたことを特徴とする索引付け記録システム。
【請求項6】
前記マーキング部は、
前記特徴箇所と判別された部分のみを記録することを特徴とする請求項5に記載の索引付け記録システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−48411(P2006−48411A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229143(P2004−229143)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】