説明

組織の可視化および操作システム

【課題】体内の組織部位の可視化および/または操作に使用される医療器具を提供すること。
【解決手段】本明細書は、組織の可視化および操作システムについて述べている。このようなシステムは、展開カテーテルおよび拡張形態への展開が可能な付属の撮像フードを含む。使用にあたって、通常血液などの不透明な体液で満たされている体内腔において、撮像対象となる組織部位に押し付けて、または隣接して前記撮像フードを配置する。生理食塩水などの半透明または透明の流体を前記撮像フードにポンプで注入して血液を移動させることによって、展開カテーテルにおいて撮像要素により撮像される組織部位をクリアに保つことができる。加えて、任意の治療ツールを前記展開カテーテルを介して前記撮像フードに通して、対象となる組織部位を処置することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般に体内の組織部位の可視化および/または操作に使用される医療器具に関する。特に本発明は、体内腔の組織部位、例えば心臓弁の周辺あるいは隣接組織といった、血液などの不透明な体液に囲まれているため一般に撮像が困難な組織を可視化および/または操作する器具および方法、または経中隔手順のために心房中隔組織を可視化および/または操作するための器具および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
体内腔の内部領域を可視化する従来型の装置が知られている。例えば、インビボで体内から画像を生成するために超音波装置が使用されている。一般に超音波に由来する画像を強化する造影剤を用いる場合もそうでない場合も超音波が使用されている。
【0003】
他の従来方法は、心室内部などの体内腔に配置されるポジションセンサーを備えたカテーテルまたはプローブを使用している。このようなタイプのポジションセンサーは通常、心臓組織表面の動きまたは前記心臓組織内の電気的活動を測定するために使用される。前記センサーによって十分な数のポイントがサンプリングされると、前記心臓組織の「マップ」が生成される。
【0004】
別の従来型装置は、一般に非膨張状態で経脈管的に導入した後、検査する組織部位に押し付けて膨らませる膨張式バルーンを利用する。撮像は、主に光ファイバーまたは電子チップといった他の装置によって行われ、前記膨張バルーンの膜を通じて前記組織を可視化する。さらに、撮像する際は通常、前記バルーンを膨らませる必要がある。他の従来型バルーンは、前記膨張式バルーンの遠位端に形成された空洞またはくぼみを利用する。この空洞またはくぼみは、検査する組織に対して押し付けられ、透明な流体を流すことにより血液中に透明な経路をもたらす。
【0005】
しかし、そのような撮像バルーンには特有の不利な点が多くある。例えば、そのようなバルーンは一般に、比較的大きく膨らませる必要があるが、これによって周囲組織が動き、前記組織に押し付けて撮像システムを適切な位置に配置するのを妨げるため好ましくない。さらに、そのような膨張式バルーンによって形成される作業領域は一般に狭く、大きさが制限される。また、膨張したバルーンは周囲の流体における圧力変化に影響されやすい。例えば、鼓動する心臓の収縮・拡張圧力サイクルの間など、膨張したバルーンの周辺環境が圧力変化を受けると、一定の圧力変化が前記膨張したバルーンの体積およびその位置に影響し、最適な組織撮像にとって不安定または好ましくない状況をもたらすことがある。
【0006】
したがって、一般にこのようなタイプの撮像様式では、一つには心臓の自然な動きにより生じる動態作用などの要素に起因して、管腔内構造に関する十分な診断および治療に役立つ望ましい画像を提供できない。さらに、体の解剖構造が画像取得プロセスを遮断または妨害することが考えられる。また、血液などの不透明な体液の存在および移動が、一般に心臓内組織部位のインビボ撮像を困難にする。
【0007】
他の外部撮像手段も通常に利用されている。例えば、コンピュータ断層撮影法(CT)および磁気共鳴映像法(MRI)は、心室内といった体内腔の画像を取得するために広く用いられている典型的な手法である。しかし、そのような撮像法は、術中治療手順用にリアルタイム画像を提供することはできない。例えば、蛍光透視撮像は心臓および体の他の領域内の解剖的特徴を識別するため広く用いられている。しかし、蛍光透視法では組織の質または表面に関する正確な画像が得られず、また組織の操作あるいは可視化された組織部位で他の治療手順を行うための器具を提供することができない。さらに蛍光透視法では、病理診断または組織に何らかの治療を行うために前記組織の内腔表面を可視化することが望まれる場合、プレートまたはセンサー上に介在する組織の影が映る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そのため、心臓などの体内腔における組織部位のインビボ画像を血液などの不透明な媒体を通してリアルタイムに提供でき、また可視化した組織に対して治療手段を行うための器具を提供する組織撮像システムが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
心臓などの体内腔での処置に使用される組織撮像および操作器具について以下に記載する。ここで周囲組織の可視化は、内腔に含まれる血液などの媒体によって、不可能ではないが困難となる。一般に、そのような組織撮像および操作器具は、展開カテーテルおよび撮像フードを通して撮像する組織に押し付けて、または隣接して配置する、任意の送達カテーテルまたはシースを備える。
【0010】
前記展開カテーテルは、それを通過する流体送達管腔、および光撮像ファイバーまたはアセンブリが組織を撮像するために配置される撮像管腔を画定する。配置された後、空きスペースまたはフィールドが前記撮像フードによって画定されるならば、前記撮像フードを任意の形状、例えば、円筒形、図に示すような円錐形、半球形などに拡張することができる。前記空きスペースは、対象の組織部位が撮像される領域である。また前記撮像フードは、対象の組織部位に押し付けて配置または当接させるための組織を傷つけない接触縁または端を画定する。さらに、前記展開カテーテルまたは個別の操作可能なカテーテルの遠位端は、プッシュプルワイヤなどの様々な制御機構によって手動で関節運動されるか、またはコンピュータ制御を介して関節運動される。
【0011】
前記展開カテーテルは、様々な方法で前記組織表面に対して固定することもできる。例えば、長い前記カテーテルに沿って配置される膨張式固定バルーンを使用するか、または前記展開カテーテルを通じて、またはそれに沿って組織固定アンカーを通すことにより、前記下層組織を一時的に固定してもよい。
【0012】
操作中、前記撮像フードを展開した後、流体を前記流体送達管腔に正圧でポンプ注入して前記空きスペースを完全に満たし、前記空きスペースから血液を移動させる。前記流体は、生理食塩水、水、血漿、FluorinertTMを含む任意の生体適合液を備え、それを通して比較的ひずみのない可視化が得られる十分に透明な流体である。前記流体は継続的または断続的にポンプ注入され、前記アセンブリと連通する任意のプロセッサーによる画像の取得を可能にする。
【0013】
前記撮像フードはあらゆる形態に形成してよく、また前記展開カテーテルを通じて配置される任意の治療ツールとともに前記撮像アセンブリを使用することもできる。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
組織撮像および操作システムであって、
展開カテーテルであって、前記展開カテーテルを通して少なくとも1つの管腔を画定する、展開カテーテルと、
前記展開カテーテルから遠位に突き出し、内部に空きスペースを画定するフードであって、前記空きスペースは前記少なくとも1つの管腔と流体連通するフードと、
前記フード内または前記フードに沿って配置され、前記空きスペースに隣接する組織を可視化する可視化要素と、を備えるシステム。
(項目2)
送達カテーテルをさらに含み、前記送達カテーテルを通して前記展開カテーテルを送達できる、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記展開カテーテルが操作可能である、項目1に記載のシステム。
(項目4)
少なくとも1つのプッシュプルワイヤによって前記展開カテーテルが操作される、項目3に記載のシステム。
(項目5)
コンピュータ制御によって前記展開カテーテルが操作される、項目3に記載のシステム。
(項目6)
前記フードが弾性材料を備える、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記フードが、組織表面に押し付けて配置するための接触端を画定する、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記フードが、コンパクトな送達形態から拡張した展開形態へ変化するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記フードが、前記拡張した展開形態へ自己拡張するよう構成される、項目8に記載のシステム。
(項目10)
前記フードが超弾性または形状記憶合金の骨組を備える、項目8に記載のシステム。
(項目11)
前記フードがひだのある表面を画定する、項目1に記載のシステム。
(項目12)
前記フードが円錐形である、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記空きスペースの体積を削減するため、前記フード内に弾性材料をさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目14)
前記フードを前記カテーテルから選択的に展開して、前記空きスペースを選択的に変えられる、項目1に記載のシステム。
(項目15)
前記フードが非膨張膜を備える、項目1に記載のシステム。
(項目16)
前記フードがらせん状に広がる骨組を備える、項目1に記載のシステム。
(項目17)
前記フードが少なくとも1つの支持部材を備える、項目1に記載のシステム。
(項目18)
前記少なくとも1つの支持部材が、対応するプルワイヤを介して制御可能である、項目17に記載のシステム。
(項目19)
前記フードが、間に膜が配置された複数の放射状に旋回する部材を備える、項目1に記載のシステム。
(項目20)
前記フードが、それぞれ隣接する部材と重なるように構成された複数の放射状に広がる部材を備える、項目1に記載のシステム。
(項目21)
前記可視化要素が、少なくとも1つの光ファイバー、CCD撮像装置、またはCMOS撮像装置を含む、項目1に記載のシステム。
(項目22)
前記可視化要素が、前記展開カテーテルの遠位端内に配置される、項目1に記載のシステム。
(項目23)
前記可視化要素が、前記展開カテーテルの長手方向軸に対して軸外に関節運動可能である、項目1に記載のシステム。
(項目24)
前記フードに流体を注入するポンプをさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目25)
前記ポンプが電子制御装置を介して制御されるよう構成されている、項目24に記載のシステム。
(項目26)
取得したデータを無線送信するためのアンテナをさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目27)
前記フード内に配置され、不透明な流体または破片の存在の検出に適したトランスデューサーをさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目28)
前記フード上に配置され、物理パラメータを感知する少なくとも1つのセンサーをさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目29)
前記フード上に配置され、組織を照明する少なくとも1つの発光ダイオードをさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目30)
前記展開カテーテルを通じて送達可能ならせん状の組織係合器をさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目31)
前記展開カテーテルを通じて送達可能なアブレーションプローブをさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目32)
前記アブレーションプローブが、電圧を印加できるプローブ、冷凍アブレーションプローブ、またはレーザープローブを備える、項目31に記載のシステム。
(項目33)
前記展開カテーテルおよび前記フードを通じて伸張可能なチューブ状のカニューレをさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目34)
前記フードの接触端上に配置可能な組織アンカーアセンブリをさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目35)
前記組織アンカーアセンブリが、縫合糸またはワイヤによって相互に連結された複数の個別アンカーを備える、項目34に記載のシステム。
(項目36)
前記フードと流体連通する流体だめをさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目37)
前記流体が生理食塩水、血漿、水、または過フッ化物液を含む、項目36に記載のシステム。
(項目38)
浸漬した組織部位を撮像する方法であって、
展開カテーテルから遠位に突き出しているフードを、撮像する組織部位に押し付けて、または隣接して配置するステップと、
半透明な流体を前記展開カテーテルを介して前記フードに注入し、不透明な流体を前記フードから移動させるステップと、
前記半透明な流体を通して組織部位を可視化するステップと、を含む方法。
(項目39)
フードを配置するステップが、前記展開カテーテルを経脈管的に心室へ到達させることを含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
フードを配置するステップが、前記フードをコンパクトな送達形態から拡張した展開形態に展開することを含む、項目38に記載の方法。
(項目41)
フードを配置するステップが、前記組織部位に対して前記展開カテーテルを操作することを含む、項目38に記載の方法。
(項目42)
フードを配置するステップが、前記組織に対して前記フードの位置を安定化させることを含む、項目38に記載の方法。
(項目43)
半透明な流体を注入するステップが、前記展開カテーテルによって画定される流体送達管腔を通じて、前記半透明の流体を前記フードにポンプで注入することを含む、項目38に記載の方法。
(項目44)
半透明の流体を注入するステップが、生理食塩水、血漿、水、または過フッ化物液を前記フードに注入して血液を前記フードから移動させることを含む、項目38に記載の方法。
(項目45)
前記半透明の流体を前記フードに注入する前に冷却するステップをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目46)
前記半透明の流体を前記フードに注入する前に加熱するステップをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目47)
撮像された組織から得たデータを無線送信するステップをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目48)
前記組織部位を可視化するステップが、前記組織部位を照明するステップをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目49)
前記組織部位を照明するステップが、1つまたは複数の発光ダイオードにより照明するステップを含む、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記組織部位を可視化するステップが、前記組織画像を記録するステップを含む、項目38に記載の方法。
(項目51)
前記展開カテーテルを通して送達した治療ツールを用いて前記組織部位を処置するステップをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目52)
撮像する第二の組織部位に前記フードを再配置するステップをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目53)
前記フード内または前記フード外の物理パラメータを感知するステップをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目54)
前記フードを介して組織部位に移植可能な部材を展開するステップをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目55)
前記フードを介して組織部位に固定アセンブリを展開するステップをさらに含む、項目38に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】図1Aは、シースまたは送達カテーテルから展開中、組織撮像装置の一つの変形例に関する側面図を示す。
【図1B】図1Bは、撮像および/または診断カテーテルに取り付けられる任意の拡張式フードまたはシースを有する図1Aの組織撮像装置の展開状態を示す。
【図1C】図1Cは、展開された撮像装置の端面図を示す。
【図1D】図1D〜1Fは、例えばガイドワイヤの通路となる追加管腔を有する図1A〜1Cの装置を示す。
【図1E】図1D〜1Fは、例えばガイドワイヤの通路となる追加管腔を有する図1A〜1Cの装置を示す。
【図1F】図1D〜1Fは、例えばガイドワイヤの通路となる追加管腔を有する図1A〜1Cの装置を示す。
【図2A】図2Aおよび2Bは、撮像する組織に押し付けて、または隣接して配置された展開後の組織撮像装置、および前記拡張式フード内の血液と置き換えられる生理食塩水などの流体の流れに関する一例を示す。
【図2B】図2Aおよび2Bは、撮像する組織に押し付けて、または隣接して配置された展開後の組織撮像装置、および前記拡張式フード内の血液と置き換えられる生理食塩水などの流体の流れに関する一例を示す。
【図3A】図3Aは、プッシュプルワイヤを介して、あるいはコンピュータ制御によって操作される関節運動可能な撮像アセンブリを示す。
【図3B】図3Bおよび3Cは、それぞれ操作可能な器具を示す。ここで、関節運動可能な送達カテーテルが前記撮像フード内で操作される、あるいは前記展開カテーテルの遠位部が操作される。
【図3C】図3Bおよび3Cは、それぞれ操作可能な器具を示す。ここで、関節運動可能な送達カテーテルが前記撮像フード内で操作される、あるいは前記展開カテーテルの遠位部が操作される。
【図4A】図4Aは、軸外撮像能を有する別の変型例について、側面図を示す。
【図4B】図4Bは、軸外撮像能を有する別の変型例について、断面端面図を示す。
【図4C】図4Cは、軸外撮像能を有する別の変型例について、断面端面図を示す。
【図5】図5は、心房内の組織部位を撮像するため、経脈管的に心臓内部に送達された組織撮像装置の例に関する説明図を示す。
【図6A】図6A〜6Cは、処置中に前記装置を固定するため、1つまたは複数の任意の膨張式バルーンまたはアンカーを有する展開カテーテルを示す。
【図6B】図6A〜6Cは、処置中に前記装置を固定するため、1つまたは複数の任意の膨張式バルーンまたはアンカーを有する展開カテーテルを示す。
【図6C】図6A〜6Cは、処置中に前記装置を固定するため、1つまたは複数の任意の膨張式バルーンまたはアンカーを有する展開カテーテルを示す。
【図7A】図7Aおよび7Bは、組織表面に対して前記撮像フードを一時的に固定するための、らせん状組織穿孔装置といったアンカリング機構の変型例を示す。
【図7B】図7Aおよび7Bは、組織表面に対して前記撮像フードを一時的に固定するための、らせん状組織穿孔装置といったアンカリング機構の変型例を示す。
【図7C】図7Cは、前記撮像フードと一体化された1つまたは複数のチューブ状支持部材を有する前記撮像フードのアンカリングに関する別の変型例を示す。各支持部材は、らせん状の組織アンカーを通して内部に送達するための管腔を画定する。
【図8A】図8Aは、組織撮像装置がどのように撮像装置を使用するかに関する一例を説明する。
【図8B】図8Bは、前記流体送達および組織操作システムの携帯型変型例に関するさらなる説明図を示す。
【図9A】図9A〜9Cは、複数部位で複数の組織像を取得する例を示す。
【図9B】図9A〜9Cは、複数部位で複数の組織像を取得する例を示す。
【図9C】図9A〜9Cは、複数部位で複数の組織像を取得する例を示す。
【図10A】図10Aおよび10Bは、前記撮像フード内の流体圧をどのように周囲の血圧に合わせて調整するかを説明するチャートを示す。前記撮像フード内の流体圧は、前記血圧と合わせるか、あるいは血液からの圧力フィードバックに基づいて調整することができる。
【図10B】図10Aおよび10Bは、前記撮像フード内の流体圧をどのように周囲の血圧に合わせて調整するかを説明するチャートを示す。前記撮像フード内の流体圧は、前記血圧と合わせるか、あるいは血液からの圧力フィードバックに基づいて調整することができる。
【図11A】図11Aは、拡張式フード内に撮像バルーンを有する組織撮像装置の別の変型例について側面図を示す。
【図11B】図11Bは、半透明または透明な撮像バルーンを使用する、組織撮像装置の別の変型例を示す。
【図12A】図12Aは、柔軟な拡張性または膨張性膜が前記撮像フードに組み込まれて流体の投入量を変える、別の変型例を示す。
【図12B】図12Bおよび12Cは、前記撮像フードが一部または選択的にカテーテルから展開されて可視化される組織領域および流体投入量を調整する、別の変型例を示す。
【図12C】図12Bおよび12Cは、前記撮像フードが一部または選択的にカテーテルから展開されて可視化される組織領域および流体投入量を調整する、別の変型例を示す。
【図13A】図13Aおよび13Bはそれぞれ、別の変型例の典型的な側面・断面図を示す。ここで、注入された流体は装置に引き戻され、処置中の体内への流体インプットを最小限にする。
【図13B】図13Aおよび13Bはそれぞれ、別の変型例の典型的な側面・断面図を示す。ここで、注入された流体は装置に引き戻され、処置中の体内への流体インプットを最小限にする。
【図14A】図14A〜14Dは、様々な形態、および撮像フードをコンパクトに構成して送達および/または展開する方法を示す。
【図14B】図14A〜14Dは、様々な形態、および撮像フードをコンパクトに構成して送達および/または展開する方法を示す。
【図14C】図14A〜14Dは、様々な形態、および撮像フードをコンパクトに構成して送達および/または展開する方法を示す。
【図14D】図14A〜14Dは、様々な形態、および撮像フードをコンパクトに構成して送達および/または展開する方法を示す。
【図15A】図15Aおよび15Bは、らせん状に拡張する骨組または支持部材を有する撮像フードを示す。
【図15B】図15Aおよび15Bは、らせん状に拡張する骨組または支持部材を有する撮像フードを示す。
【図16A】図16Aおよび16Bは、展開カテーテルの近位端において旋回するように取り付けられ、フード膜と一体化した1つまたは複数のフード支持部材を有する別の撮像フードを示す。
【図16B】図16Aおよび16Bは、展開カテーテルの近位端において旋回するように取り付けられ、フード膜と一体化した1つまたは複数のフード支持部材を有する別の撮像フードを示す。
【図17A】図17Aおよび17Bは、前記撮像フード膜を支持する少なくとも2つ以上の長手軸方向に配置された支持部材を有する撮像フードに関して、さらに別の変型例を示す。ここで、前記支持部材は、トルク回転、牽引、または押出力によって互いに連動する。
【図17B】図17Aおよび17Bは、前記撮像フード膜を支持する少なくとも2つ以上の長手軸方向に配置された支持部材を有する撮像フードに関して、さらに別の変型例を示す。ここで、前記支持部材は、トルク回転、牽引、または押出力によって互いに連動する。
【図18A】図18Aおよび18Bは、前記展開カテーテルの遠位部がコンパクトな形態のチューブを形成する複数の旋回部材を有する、別の変型例を示す。
【図18B】図18Aおよび18Bは、前記展開カテーテルの遠位部がコンパクトな形態のチューブを形成する複数の旋回部材を有する、別の変型例を示す。
【図19A】図19Aおよび19Bは、展開カテーテルの遠位部が柔軟な金属またはポリマー材料を備え、放射状に拡張するフードを形成する、別の変型例を示す。
【図19B】図19Aおよび19Bは、展開カテーテルの遠位部が柔軟な金属またはポリマー材料を備え、放射状に拡張するフードを形成する、別の変型例を示す。
【図20A】図20Aおよび20Bは、前記撮像フードが重複パターンで互いに重なる複数の重複フード部材で形成される、別の変型例を示す。
【図20B】図20Aおよび20Bは、前記撮像フードが重複パターンで互いに重なる複数の重複フード部材で形成される、別の変型例を示す。
【図21A】図21Aおよび21Bは、様々な地理的構造を持つ組織に対して整合性の高い拡張式フードに関する別例を示す。
【図21B】図21Aおよび21Bは、様々な地理的構造を持つ組織に対して整合性の高い拡張式フードに関する別例を示す。
【図22A】図22Aは、組織の接触を感知する、または不整脈を検知するため、フードの接触端または縁付近に任意の電極が多数配置された拡張式フードのさらなる別例を示す。
【図22B】図22Bは、前記下層組織に対して前記撮像フードを整合させる別の変型例を示す。ここで、膨張可能な接触端は前記撮像フードの周囲に配置することができる。
【図23】図23は、前記撮像フードに染み出した血液の存在を検出するトランスデューサーを搭載したシステムの変型例を示す。
【図24A】図24Aおよび24Bは、様々な物理パラメータを検出するセンサーを搭載した撮像フードの変型例を示す。前記センサーは、前記撮像フードの外面周囲に搭載してよく、また前記撮像フード内に搭載してもよい。
【図24B】図24Aおよび24Bは、様々な物理パラメータを検出するセンサーを搭載した撮像フードの変型例を示す。前記センサーは、前記撮像フードの外面周囲に搭載してよく、また前記撮像フード内に搭載してもよい。
【図25A】図25Aおよび25Bは、可視化する組織を照明するため、前記撮像フードがそれ自体に1つまたは複数のLEDを有する変型例を示す。
【図25B】図25Aおよび25Bは、可視化する組織を照明するため、前記撮像フードがそれ自体に1つまたは複数のLEDを有する変型例を示す。
【図26A】図26Aおよび26Bは、フード自体に1つまたは複数のLEDを搭載した個別の照明ツールを前記撮像フード内で使用する別の変型例を示す。
【図26B】図26Aおよび26Bは、フード自体に1つまたは複数のLEDを搭載した個別の照明ツールを前記撮像フード内で使用する別の変型例を示す。
【図27】図27は、対象の組織部位を処置するため、前記組織撮像装置を通じて治療ツールをどのように送達するかについての一例を示す。
【図28】図28は、対象の組織部位を処置するための、らせん状治療ツールの別例を示す。
【図29】図29は、膨張式撮像バルーンを用いてどのように治療ツールを使用するかについての変型例を示す。
【図30A】図30Aおよび30Bは、使用する治療器具用の代替形態を示す。一つの変型例は、傾斜した器具アームを有し、別例は軸外の器具アームを有する。
【図30B】図30Aおよび30Bは、使用する治療器具用の代替形態を示す。一つの変型例は、傾斜した器具アームを有し、別例は軸外の器具アームを有する。
【図31A】図31Aは、アブレーションプローブと併用される撮像システムの側面図を示す。
【図31B】図31Bは、アブレーションプローブと併用される撮像システムの端面図を示す。
【図31C】図31Cは、アブレーションプローブと併用される撮像システムの端面図を示す。
【図32A】図32Aは、アブレーションプローブを有する前記撮像フードに関する別の変型例の側面図を示す。ここで、前記撮像フードは下層組織の温度を制御するため密閉されている。
【図32B】図32Bは、アブレーションプローブを有する前記撮像フードに関する別の変型例の端面図を示す。ここで、前記撮像フードは下層組織の温度を制御するため密閉されている。
【図33A】図33Aおよび33Bは、前記撮像液自体が温度変化して、前記下層組織上で行われる様々な処置を容易にする例を示す。
【図33B】図33Aおよび33Bは、前記撮像液自体が温度変化して、前記下層組織上で行われる様々な処置を容易にする例を示す。
【図34A】図34Aおよび34Bは、前記撮像システムと併用されるレーザーリング生成器の例、および心房細動を処置するために前記レーザーリング生成器を左心房内で適用する例を示す。
【図34B】図34Aおよび34Bは、前記撮像システムと併用されるレーザーリング生成器の例、および心房細動を処置するために前記レーザーリング生成器を左心房内で適用する例を示す。
【図35A】図35A〜35Cは、一般に細長いチューブ状部材を備える伸張式カニューレの一例を示す。これは送達中、前記展開カテーテル内に配置され、その後前記撮像フードの中で遠位に、また任意でフードを越えて突き出す。
【図35B】図35A〜35Cは、一般に細長いチューブ状部材を備える伸張式カニューレの一例を示す。これは送達中、前記展開カテーテル内に配置され、その後前記撮像フードの中で遠位に、また任意でフードを越えて突き出す。
【図35C】図35A〜35Cは、一般に細長いチューブ状部材を備える伸張式カニューレの一例を示す。これは送達中、前記展開カテーテル内に配置され、その後前記撮像フードの中で遠位に、また任意でフードを越えて突き出す。
【図36A】図36Aは、前記下層組織の処置のために器具またはツールを通すため、前記フードと一体化した1つまたは複数のチューブ状支持部材を有する撮像フードの側面図を示す。
【図36B】図36Bは、前記下層組織の処置のために器具またはツールを通すため、前記フードと一体化した1つまたは複数のチューブ状支持部材を有する撮像フードの端面図を示す。
【図37A】図37Aおよび37Bは、例えば冠状静脈洞の内腔に一時的に配置される照明付きプローブを用いて、どのように撮像装置を心腔内の対象部位に誘導するかを示す。
【図37B】図37Aおよび37Bは、例えば冠状静脈洞の内腔に一時的に配置される照明付きプローブを用いて、どのように撮像装置を心腔内の対象部位に誘導するかを示す。
【図38A】図38Aおよび38Bは、組織表面に移植するリムーバブルディスク型部材を有する撮像フードを示す。
【図38B】図38Aおよび38Bは、組織表面に移植するリムーバブルディスク型部材を有する撮像フードを示す。
【図39A】図39A〜39Cは、図38Aおよび38Bのリムーバブルディスクを移植する一つの方法を示す。
【図39B】図39A〜39Cは、図38Aおよび38Bのリムーバブルディスクを移植する一つの方法を示す。
【図39C】図39A〜39Cは、図38Aおよび38Bのリムーバブルディスクを移植する一つの方法を示す。
【図40A】図40Aは、組織接触端に取り付けられる展開式アンカーアセンブリを有する撮像フードの組立図を示す。
【図40B】図40Bは、組織接触端に取り付けられる展開式アンカーアセンブリおよびこのアンカーに結合される縫合糸またはワイヤの組立図を示す。
【図41A】図41A〜41Dは、図40Aおよび40Bのアンカーアセンブリを展開して開口部または傷を閉じる方法を示す。
【図41B】図41A〜41Dは、図40Aおよび40Bのアンカーアセンブリを展開して開口部または傷を閉じる方法を示す。
【図41C】図41A〜41Dは、図40Aおよび40Bのアンカーアセンブリを展開して開口部または傷を閉じる方法を示す。
【図41D】図41A〜41Dは、図40Aおよび40Bのアンカーアセンブリを展開して開口部または傷を閉じる方法を示す。
【図42】図42は、前記撮像システムが患者の血液をろ過するための透析ユニットと流体結合される別の変型例を示す。
【図43A】図43Aおよび43Bは、第一の展開式フードと前記第一のフードから遠位に配置された第二の展開式フードを有する展開カテーテルの変型例を示す。前記展開カテーテルは、拡張したフードの間の組織を撮像するため、第一フードと第二フードの間に配置される側面撮像要素を有してもよい。
【図43B】図43Aおよび43Bは、第一の展開式フードと前記第一のフードから遠位に配置された第二の展開式フードを有する展開カテーテルの変型例を示す。前記展開カテーテルは、拡張したフードの間の組織を撮像するため、第一フードと第二フードの間に配置される側面撮像要素を有してもよい。
【図44A】図44Aは、膨らんでいないコンパクトな形態の側面撮像バルーンを有する展開カテーテルの側面図を示す。
【図44B】図44Bは、膨らんでいないコンパクトな形態の側面撮像バルーンを有する展開カテーテルの端面図を示す。
【図45A】図45Aは、膨らんだバルーンにおいて可視化フィールドを画定する図44Aおよび44Bの膨張バルーンの側面図を示す。
【図45B】図45Bは、膨らんだバルーンにおいて可視化フィールドを画定する図44Aおよび44Bの膨張バルーンの上面図を示す。
【図45C】図45Cは、膨らんだバルーンにおいて可視化フィールドを画定する図44Aおよび44Bの膨張バルーンの端面図を示す。
【図46A】図46Aは、図45Aから45Cに示す膨張バルーンの可視化フィールド内で血管壁の病巣を可視化する際に使用する方法の側面断面図を示す。
【図46B】図46Bは、図45Aから45Cに示す膨張バルーンの可視化フィールド内で血管壁の病巣を可視化する際に使用する方法の端面断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
下記の組織撮像および操作装置は、心臓のように動的に流れる血液で満たされた体内腔における組織部位のリアルタイム画像をインビボで提供でき、また撮像された組織部位に対して様々な手順を行うための血管内ツールおよび器具を提供することもできる。そのような装置は、例えば、左心房への経中隔アクセスの促進、冠状静脈洞へのカニューレ挿入、弁逆流/狭窄の診断、弁形成術、心耳閉合、不整脈病巣アブレーションなど多くの手順に利用できる。
【0016】
組織アクセスおよび撮像装置の変型例を図1A〜1Cの詳細斜視図に示す。図1Aに示すように、組織撮像および操作アセンブリ10は、コンパクトな形態で、患者の体内を送達カテーテルまたはシース14を介して経脈管的に送達される。心臓の左心房流出路に位置する僧帽弁などの組織を処置する場合、一般に、患者への外傷を最小限に抑えながら左心房に進入あるいはアクセスすることが望ましい。そのようなアクセスを非手術的に行うための従来アプローチの一つは、右心房から左心房への心房内中隔に穴を開けるステップを含む手段で、一般に経中隔術または中隔切開術と呼ばれる。経皮的弁修復術および置換術などの手術の場合、左心房への経中隔アクセスによって、一般に動脈系へ経皮的導入できる装置より大きな装置を静脈系に導入することが可能になる。
【0017】
前記撮像および操作アセンブリ10を撮像組織に使用する状態にする場合、矢印で示すように、撮像フード12をカテーテル14に対して進め、カテーテル14の遠位開口部から展開する。展開する際は、図1Bに示すように撮像フード12を開放して、展開撮像形態に拡張する、または開く。撮像フード12は、ポリマー、プラスティック、または織布を含むがこれらに限定されない様々な柔軟性、弾性のある生体適合材料で作られる。織布の一例は、Kevlar(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours、デラウェア州ウィルミントン)である。これは、例えば0.001インチ未満にまで薄くすることができるアラミド材であり、本明細書に記載のアプリケーションに対する十分な整合性を維持する。さらに、前記撮像フード12は、半透明または不透明な材料を用いて多様な色に加工され、周囲の流体あるいは解剖学的、機械的構造または器具などの構造から反射される光を最適化あるいは弱める。いずれの場合も、撮像フード12を一様構造あるいは足場支持構造に組み立てることができる。この場合、Nitinolなどの形状記憶合金、バネ鋼、あるいはプラスティックなどを備える足場は、ポリマー、プラスティック、あるいは織布で加工および被覆される。
【0018】
撮像フード12は、インターフェイス24において、シース14から独立して平行移動される展開カテーテル16に取り付けられる。インターフェイス24の取り付けは、あらゆる従来方法によって行うことができる。展開カテーテル16は、流体送達管腔18および内部に光撮像ファイバーまたはアセンブリが組織を撮像するために配置される撮像管腔20を画定する。展開する際、空きスペースまたはフィールド26が撮像フード12によって画定されるならば、撮像フード12は円柱、図に示すような円錐、半球などを含むあらゆる形状に拡張する。前記空きスペース26は、対象の組織部位が撮像される領域である。また撮像フード12は、傷つけない接触縁または端22を画定して、対象の組織部位に押し付けて配置または当接させる。さらに、撮像フード12の直径は、最大に展開した状態、例えば接触縁または端22において、通常展開カテーテル16の直径よりも大きい(しかし、接触縁または端22の直径は、展開カテーテル16の直径よりも小さいか等しい場合もある)。例えば、前記接触端の直径は、展開カテーテル16の直径の1〜5倍の範囲で変動する(あるいはそれ以上でも使用可能である)。図1Cは、展開形態における前記撮像フード12の端面図を示す。また、前記接触縁あるいは端22および流体送達管腔18、撮像管腔20も示す。
【0019】
前記撮像および操作アセンブリ10は、それぞれ図1D〜1Fの側面および端面図に示すように、同心または離心管腔などのガイドワイヤ管腔をさらに画定する。前記展開カテーテル16は、ガイドワイヤ管腔19を画定して、体内腔を経脈管的に進められるガイドワイヤ17上またはそれに沿ったシステムの通過を促進する。前記展開カテーテル16は次に、当該技術において周知のとおり、ガイドワイヤ17上を進められる。
【0020】
手術中、撮像フード12を図1Bに示すように展開し、接触端22に沿って撮像する組織部位に押し付けて望ましい位置に配置した後、交換液を正圧で流体送達管腔18にポンプ注入して、空きスペース26を完全に前記流体で満たし、空きスペース26内から任意の流体28を移動させる。前記交換液の流れを層流化して、その洗浄効果を改善し、前記撮像フード12への血液の逆流を防ぐこともできる。代わりに、展開を行う前に流体の注入を開始してもよい。本明細書に撮像液としても記載されている前記交換液は、生理食塩水、水、血漿などを含む任意の生体適合液を備え、その流体を通して比較的ゆがみのない画像を得るために十分な透明性を持つ。代替または追加として、任意の治療薬を前記流体にけん濁するか、あるいは空きスペース26に注入した後、心臓および患者の体内を通す流体自体を構成してもよい。
【0021】
図2Aおよび2Bの例に見られるように、展開カテーテル16を操作して、展開した撮像フード12を撮像対象の下層組織部位(この例では左心房内の僧帽弁MVの輪Aの一部)に押し付けてかまたはその付近に配置してよい。図2Aに示すように、周囲の血液30が撮像フード12の周辺および撮像フード12内で画定される空きスペース26を流れるため、前記下層輪Aは不透明な血液30によって閉塞され、撮像管腔20を通じて見ることは困難である。次に生理食塩水などの半透明な流体28を流体送達管腔18を通じて断続的または継続的にポンプ注入し、図2Bに示すように、血液30の少なくとも一部、好ましくは全てを空きスペース26から移動させる。
【0022】
接触端22が前記下層組織と直接接触する必要はないが、空きスペース26からの透明な流体28の流れを維持して空きスペース26に著しく血液30が逆流するのを防ぐため、少なくとも前記組織の近位に近づけることが好ましい。また、一般的に知られるように、特定の柔軟性を持つシリコンまたはポリウレタンなどの柔らかいエラストマー材料で接触端22を構成することにより、接触端22と平坦でなく粗い下層解剖組織表面との整合にも役立つ。血液30が撮像フード12から移動されると、透明な流体28を通して下層組織の画像が見られる。この画像はその後記録されるか、あるいは治療手順を行う際のリアルタイムビューに使用できる。流体28の正流は継続的に維持され、前記下層組織のクリアな画像を提供する。代替として、前記流体の流れ28が止まって血液30が撮像フード12に染み出す、または逆流する時点で、組織のクリアな画像を撮影および記録できるようになるまで、流体28を一時的または散発的にポンプ注入してもよい。このプロセスは、同一の組織部位または複数の組織部位で何度も繰り返してよい。
【0023】
患者の体内の様々な部位に前記アセンブリを好ましく配置するには、多くの関節運動および操作制御を用いることができる。例えば、図3Aの関節運動可能な撮像アセンブリ40に示すように、1つまたは複数のプッシュプルワイヤ42を展開カテーテル16に通して、装置の遠位端を様々な方向46に操作し、可視化する組織部位に隣接する撮像フード12を好ましい位置に配置する。使用するプッシュプルワイヤ42の位置と数に応じて、展開カテーテル16および撮像フード12をあらゆる形態44に関節運動させる。1つまたは複数の前記プッシュプルワイヤ42は、1つまたは複数の制御を使用して患者の体外から近位端を介して手動で関節運動させる。代わりに、以下に詳述するように、展開カテーテル16をコンピュータ制御で関節運動させてもよい。
【0024】
追加または代替として、1つまたは複数のプッシュプルワイヤを介して関節運動され、撮像管腔および1つまたは複数の作業管腔を有する関節運動可能な送達カテーテル48は、前記展開カテーテル16を通じて撮像フード12に送達される。撮像フード12内の関節運動可能な送達カテーテル48の遠位端と一体となって、透明な交換液が送達カテーテル48または展開カテーテル16を通じてポンプ注入され、撮像フード12内のフィールドをクリアにする。図3Bに示すように、前記関節運動可能な送達カテーテル48は、撮像フード12に隣接する組織の鮮明な画像を得るため、前記撮像フード内で関節運動する。さらに、以下に詳述するように、関節運動可能な送達カテーテル48を関節運動させて、撮像フード12を通じて展開カテーテル16を再配置したり、フード12内の撮像フィールドを再度洗浄する必要なく、前記カテーテル48を通過する器具またはツールを、撮像フード12を通じて撮像される特定の組織部位に導く。
【0025】
代わりに、送達可能な送達カテーテル48を展開カテーテル16に通すのではなく、図3Cに示すように、展開カテーテル16自体の遠位部を撮像フード12内で関節運動可能な遠位端49で構成してもよい。有向撮像、器具の送達などは、展開カテーテル16内の1つまたは複数の管腔を通じて、撮像フード12内で撮像される特定の下層組織部位に対して直接行われる。
【0026】
前記撮像フード12内の可視化は、上述のように、展開カテーテル16を通じて画定される撮像管腔20によって行われる。そのような形態において、可視化は直線で得られる。例えば、画像は、展開カテーテル16によって画定される長手方向軸に沿ってフィールドから遠位に生成される。代替または追加として、旋回可能な支持部材50を有する関節運動可能な撮像アセンブリは、展開カテーテル16に接続または搭載されるか、あるいは通過して、図4Aに示すように、展開カテーテル16によって画定された長手方向軸に対して軸外の可視化を提供する。支持部材50は、CCDまたはCMOS撮像装置あるいは光ファイバーなどの撮像要素52を有し、その遠位端において、旋回接続54を介して展開カテーテル16に接続されるその近位端に取り付けられる。
【0027】
1つまたは複数の光ファイバーを撮像に使用する場合、前記光ファイバー58は、図4Bの断面図に示すように、展開カテーテル16を通過し、前記支持部材50を通る。光ファイバー58を使用することによって、展開カテーテル16を通じて直径の大きい1つまたは複数の管腔56を、診断および/または治療ツールの通路として提供できる。代わりに、一般に知られている電荷結合阻止(CCD)またはCMOS撮像装置などの電子チップを前記光ファイバー58の代わりに使用してもよい。この場合、前記電子撮像装置は、前記展開カテーテル16を近位に通る電子ワイヤを用いて、前記展開カテーテル16の遠位部分に配置される。代替として、前記電子撮像装置を受信器と無線結合して画像を無線伝送してもよい。以下に詳述するように、追加の光ファイバーまたは発光ダイオード(LED)を使用して、画像または手術室に照明を提供することができる。図4Cの断面図に示すように、支持部材50は結合部54を介して旋回し、前記部材50をカテーテル16の遠位部において画定されるチャンネルまたは溝60内にコンパクトな形態で配置できる。患者の体内で展開カテーテル16を血管内送達する間、撮像フード12を用いて、支持部材50を同じくコンパクトな形態でチャンネルまたは溝60内に配置することができる。可視化の間、図4Aに示すように、撮像フード12をその展開形態に拡張し、支持部材50をその軸外形態に展開してフード12に隣接する組織を撮像する。必要に応じて、軸外可視化用の支持部材50の他の形態も使用できる。
【0028】
図5は、撮像アセンブリ10を介して見られる対象の組織部位を有する心臓Hの断面説明図を示す。この例において、送達カテーテルアセンブリ70は、患者の脈管構造に経皮導入され、上大静脈SVCを通って右心房RAに送達される。例えば僧帽弁MVを取り囲む輪Aなどの組織を可視化または処置するため、前記送達カテーテルまたはシース72が、心房中隔ASを通して左心房LAに関節運動される。図に示すように、展開カテーテル16および撮像フード12を送達カテーテル72から出し、対象の組織部位に接触あるいは近接させる。他の例では、必要に応じて、送達カテーテルアセンブリ70を下大静脈IVCを通じて進めてもよい。さらに、心臓Hの他の部位、例えば右心室RVまたは左心室LVも撮像アセンブリ10によってアクセス、撮像または処置できる。
【0029】
心臓Hの部位または体の他の部分にアクセスする際に、前記送達カテーテルまたはシース14は、従来の血管内カテーテルまたは管腔内送達装置で構成してもよい。代わりに、ロボット制御の送達カテーテルを本明細書に記載の撮像アセンブリと任意で併用してもよい。この場合、コンピュータ制御装置74を使用して、送達カテーテル14の関節運動および配置を制御する。使用するロボット制御の送達カテーテルの例については、Brockらの米国特許公開2002/0087169A1において「フレキシブルな器具」として詳細に記述されており、その全体を参照することにより本書に組み込まれる。Hansen Medical,Inc.(カリフォルニア州マウンテンビュー)製のロボット制御送達カテーテルを前記送達カテーテル14と併用することもできる。
【0030】
処置中、前記展開カテーテル16の固定を促進するため、図6Aに示すように、1つまたは複数の膨張式バルーンまたはアンカー76をカテーテル16の長さに沿って配置する。例えば、心房中隔ASから左心房LAにかけて経中隔アプローチを用いる場合、膨張式バルーン76をコンパクトな形態から拡張形態に膨らませて、心臓Hに対する前記カテーテル16の位置を一時的に係合または固定する。図6Bは膨らんだ第一のバルーン78を示し、図6Cは前記第一バルーン78の近位で膨らんだ第二のバルーン80を示す。このような形態において、隔壁ASを前記バルーン78、80の間に割り込ませる、あるいは前記バルーンで挟んでカテーテル16および撮像フード12を一時的に固定する。バルーン78のみ、あるいはバルーン78、80の両方を使用してよい。他の代替例では、拡張式メッシュ部材、マレコット、または任意の他の一時的拡張式構造が使用される。処置が完了した後、前記バルーンアセンブリ76を収縮、あるいはコンパクトな形態にして前記展開カテーテル16を取り除く。
【0031】
撮像する組織表面に対して前記撮像フード12の位置をさらに固定するために、多様なアンカリング機構を任意で採用し、組織に押し付けて前記撮像フード12を一時的に保持する。そのようなアンカリング機構は、移動しやすい組織を撮像する際、例えば鼓動している心臓室内の組織を撮像する場合に特に有効である。少なくとも1つの器具管腔および任意の可視化管腔を有するツール送達カテーテル82は、展開カテーテル16を通じて拡張した撮像フード12に送達される。前記撮像フード12が検査する組織表面Tに接触すると、図7Aに示すように、らせん状の組織穿孔装置84などのアンカリング機構がツール送達カテーテル82を通って撮像フード12に送達される。
【0032】
前記らせん状の組織係合装置84は、患者体外の近位端から回転して、下層組織表面Tに一時的に固定する。一旦組織T内に埋め込まれると、図7Bの矢印で示すように、らせん状の組織係合装置84は展開カテーテル16に対して近位に引っ張られ、展開カテーテル16および撮像フード12は遠位に押されて、撮像フードの接触端または縁22を組織Tに対してやさしく押し付けられる。前記組織係合装置84の配置は、前記展開カテーテル16に対して一時的にロックされ、前記撮像フード12内の診断または治療手順中、前記撮像フード12の位置を固定する。処置後、その近位端を反対方向に回転させてアンカーを組織Tから外すことによって、組織係合装置84を組織から取り外し、前記展開カテーテル16を組織の別の部位に再配置する。ここで、前記アンカリングプロセスを繰り返すか、あるいは患者の体から取り外す。前記組織係合装置84は、特に真空支援係合または捕捉器具支援係合ツールなどの既知の組織係合装置で構成してもよい。
【0033】
らせん状アンカー84が示されているが、これは一例にすぎず、かぎ状または有刺アンカー、捕捉器具を含む他の一時アンカーを使用してもよい。さらに、前記ツール送達カテーテル82全体を省略してもよく、前記アンカリング装置を前記展開カテーテル16によって画定された管腔を通して直接送達してもよい。
【0034】
前記ツール送達カテーテル82全体を省略して撮像フード12を一時的に固定する別の変型例では、図7Cに示すように、1つまたは複数のチューブ状支持部材86、例えば図では4つの支持部材86を、撮像フード12と一体化する。前記チューブ状の支持部材86は、それを通して管腔を画定する。各管腔はその内部に配置されるらせん状の組織係合装置88を有する。拡張した撮像フード12を一時的に組織に固定する場合、前記らせん状の組織係合装置88を遠位に押して撮像フード12から拡張し、それぞれの近位端から回転させて下層組織Tに固定する。前記らせん状の組織係合装置88はそれぞれ展開カテーテル16の長さに沿って進められ、または撮像フード12の送達および展開中、チューブ状の支持部材86内に配置される。撮像フード12における処置が終了したら、前記組織係合装置88をそれぞれ組織から取り外し、前記撮像フード12を組織の別部位に再配置するか、または患者の体から取り外す。
【0035】
図8Aは、流体送達システム90および任意のプロセッサー98および画像記録装置および/またはビューアー100に接続される組織撮像アセンブリの説明例を示す。前記流体送達システム90は一般にポンプ92および任意のバルブ94で構成され、システムへの流体流量を制御する。ポンプ92と流体連通する流体だめ96は、撮像フード12にポンプ注入する流体を保持する。任意の中央演算処理装置またはプロセッサー98は、流体送達システム90と電子的に連通して、注入される流体の流量および/または速度などのパラメータを制御する。また前記プロセッサー98は、画像記録装置および/またはビューアー100とも電子的に連通して、撮像フード12から受信した組織の画像を直接映す。画像記録装置および/またはビューアー100を使用することにより、必要に応じて、画像だけでなく可視化した組織部位の位置を記録することもできる。
【0036】
任意で、プロセッサー98を使用して、流体の流れおよび画像取得を調整する。例えば、プロセッサー98をプログラムして、組織領域から血液が取り除かれ、クリアな画像が得られるまでタンク96から流体を流す。画像が視覚的に十分にクリアであると施術者またはコンピュータが判断すると、組織の画像は記録装置100によって自動的に取得され、ポンプ92は自動的に停止するか、あるいはプロセッサー98によって減速されて患者への流体の注入を止める。前記流体送達および画像取得に関する他の変型例も当然可能であり、前記の形態はあくまで一例であってそれに限定されない。
【0037】
図8Bは、携帯型の流体送達および組織操作システム110のさらなる説明図を示す。この変型例において、システム110は、患者の体外から医師が保持または操作できるハウジングまたはハンドルアセンブリ112を有する。この変型例ではシリンジとして示される前記流体だめ114は、前記ハンドルアセンブリ112と流体連通し、主ネジなどのポンプ機構116を介して起動することができる。流体だめ114は、前記ハンドルアセンブリ112から分離した単一のタンクであり、1つまたは複数のチューブを介してハンドルアセンブリ112と流体連通する。前記流体流量および他の機構は、電子制御装置118によって測定する。
【0038】
撮像フード12の展開は、前記ハンドルアセンブリ112上に配置されたフード展開スイッチ120によって起動し、タンク114からの流体投入は、流体展開スイッチ122によって起動する。これらは制御装置118と電子的に連通可能である。また制御装置118は、図に示すように、前記ハンドルアセンブリ112と任意で一体化される有線または無線アンテナ124と電子的に連通する。前記無線アンテナ124を使用して、撮像フード12から取得した画像を、Bluetooth(登録商標)ワイヤレステクノロジー(Bluetooth SIG,Inc.、ワシントン州ベルビュー)、RFなどを介して、無線で受信機に伝送して、モニター128で見るか、または記録して後で見ることができる。
【0039】
前記展開カテーテル16、または前記展開カテーテル16が送達される送達カテーテルまたはシース14の関節制御は、上記のようにコンピュータ制御によって行われる。この場合、追加の制御装置をハンドルアセンブリ112とともに使用する。手動関節制御の場合、ハンドルアセンブリ112は1つまたは複数の関節制御装置126を組み込んで、展開カテーテル16の位置を手動で操作する。またハンドルアセンブリ112は、以下に詳述するように、撮像フード12内で組織操作および処置を行うため多数の血管内ツールを通す1つまたは複数の器具ポート130を画定する。さらに、特定の手順では、吸引ポンプ132をハンドルアセンブリ112と任意で流体連通するか、または展開カテーテル16と直接連結することによって、流体または破片を撮像フード12に吸入して患者の体内から取り除くこともある。
【0040】
上述のように、流体を継続的に撮像フード12にポンプ注入して、下層組織のクリアなビューを得る。代わりに、前記組織のクリアなビューが撮像および記録可能になるまで流体を一時的または散発的にポンプ注入してもよい。この時点で流体の流れが止まり、血液が撮像フード12に染み出すか、または逆流することがある。図9A〜9Cは、組織の複数部位において複数の画像を取得する例を示す。展開カテーテル16を好ましい位置に配置し、撮像フード12を展開して撮像する組織部位に押し付けて配置する。この例では、患者の心臓左心房内の僧帽弁MVを囲む組織を示す。前記撮像フード12は、上述のように、任意で組織に固定し、次に前記フード12に撮像液をポンプ注入することによりクリアにする。十分にクリアした後、組織を可視化して、制御電子回路118により画像を取得する。図9Aに示すように、最初に取得された画像140は、保存され、そして/または医師が見られるよう無線124でモニター128に伝送される。
【0041】
次に、図9Bに示すように、前記展開カテーテル16を僧帽弁MVの隣接部に再配置する。ここで前記プロセスを繰り返し、第二の画像142を取得して見るおよび/または記録する。図9Cに示すように、前記展開カテーテル16を、組織の別の部位に再度配置する。ここで、第三の画像144を取得して見るおよび/または記録する。この手順を必要に応じて何度も繰り返し、僧帽弁MVを囲む組織または任意の他の組織部位の全体像を取得する。前記展開カテーテル16および撮像フード12を組織部位から別の組織部位に再配置する場合、その間ポンプを停止して、上述のように撮像フード12をクリアにして組織を撮像するまで、血液または周囲の流体を撮像フード12に流入させる。
【0042】
上述のように、内部に撮像液をポンプ注入して血液または他の体液を取り除くことによって前記撮像フード12をクリアにする場合、前記流体を継続的にポンプ注入して前記フード12内に撮像液を正圧で維持するか、あるいは様々なパラメータを検知した際あるいは下層組織のクリアな画像が得られるまで、コンピュータ制御の下で流体をポンプ注入して前記フード12への流体の流れを減速または停止させる。また前記制御電子回路118をプログラムして、前記撮像フード12への流体流量を様々な物理パラメータで調整し、撮像フード12内のクリアな画像を維持してもよい。
【0043】
一例を図10Aに示す。これは前記撮像フード12内の液圧をどのように周囲の血圧に合わせるかを説明するチャート150を示す。チャート150は、患者の心臓の鼓動によって拡張期血圧152と収縮期血圧154の間で時間Tとともに変化する周期的な血圧156を示す。プロット160で示される撮像フード12内の撮像液の圧力は、血圧の変化160に対応するよう自動的に調節される。それによって、ピーク収縮期血圧158における圧力の差で示されるように、撮像フード12内の圧力が血圧156より常に△Pだけ僅かに高く維持される。この圧力差△Pは、撮像フード12内で周囲の血圧変化より高く維持され、それにより撮像フード12内の撮像液圧が正に保たれ、下層組織のクリアなビューを維持できる。△Pを一定に維持する利点は、一定流量およびクリアなフィールドを維持できることである。
【0044】
図10Bは、下層組織のクリアなビューを維持するための別の変型例を示すチャート162を示す。ここで、前記撮像フード12内の1つまたは複数のセンサーは、以下に詳述するように、前記撮像フード12内の圧力変化を感知し、それに対応して撮像フード12内の撮像液圧を高めるように構成される。これによって、周期的な血圧156に対する液圧変化160が示すように、時間の遅延△Tが生じる。しかし、前記時間の遅延△Tは、下層組織のクリアな画像を維持する際は無視してよい。予言的ソフトウェアアルゴリズムを使用して、次の圧力波ピークの到着を予測して、その圧力波の到着前に圧力を前述の時間遅延に等しい時間分だけ高めて、時間の遅延を実質的に相殺することによって、この時間の遅延を本質的に排除することもできる。
【0045】
撮像フード12内の流体圧変化は、撮像フード12の性質によって部分的に得られる。組織を撮像するために一般に使用される膨張式バルーンは、周囲の血圧変化に影響を受ける。一方、撮像フード12はその内部体積を一定に維持し、構造的に周囲の血圧変化の影響を受けないため、内部の圧力を高めることができる。フード12を構成する材料が、このフード12内の圧力を調整する方法に寄与することもある。高デュロメーターポリウレタンまたはナイロンなどの堅いフード材料は、展開時にフードの開きを維持するのを助ける。一方、低デュロメーターPVCまたはポリウレタンを含む比較的低いデュロメーターまたは柔らかい材料は、周囲の液圧によって崩れる可能性があり、フードを展開または拡張した状態で維持するには不適切である。
【0046】
撮像フードについては、図11Aに示すように、前記組織撮像アセンブリの他の変型例を使用する。図11Aは、撮像フード174内に追加の撮像バルーン172を含む変型例を示している。この例では、半透明の膨張式バルーン172が撮像フード174内に配置される。バルーン172は、通して映像を見るに足る透明性を有する、任意の膨張性生体適合材料を備える。対象の組織部位に押し付けて前記撮像フード174を展開した後、バルーン172に生理食塩水などの流体、もしくはあまり好ましくないが、ガスなどを充填して、十分に血液が移動するまでバルーン172を膨らます。このため、前記バルーン172は可視化する組織部位に近位または接触して膨張される。前記バルーン172に造影剤を充填して、透視法で見ながらその配置を助けることもできる。次に、展開カテーテル170内に配置される光ファイバーなどの撮像装置を利用して、前記バルーン172を通じて組織部位を見ることができ、また展開カテーテル170の一部に沿ってバルーン172の近位に配置される1つまたは複数の任意の流体ポート176を介して撮像フード174にポンプ注入される任意の追加流体を通じて組織部位をみることができる。代わりに、バルーン172の表面に1つまたは複数の穴を画定して、内部に含まれる流体が漏出または流出するようにして、撮像フード174内から血液を送出および移動させる。
【0047】
図11Bは、バルーン180を単独で使用する別の代替例を示す。展開カテーテル178に取り付けられるバルーン180に生理食塩水または造影剤などの流体を充填し、好ましくは撮像する組織部位と直接接触するよう配置する。
【0048】
図12Aは、展開カテーテル16が上述のように撮像フード12を一体化し、撮像フード12内に追加の柔軟な膜182を含む、別の代替例を示す。柔軟な膜182は、カテーテル16の遠位端、および任意で接触端22に取り付けられる。撮像フード12を上述のように利用し、膜182をインビボで、または患者の体内にカテーテル16を配置する前にカテーテル16から展開して、撮像フード12内の体積を削減する。この体積を削減または最小化して、可視化のために投入される液量を削減するか、または可視化する組織部位に応じて削減する。
【0049】
図12Bおよび12Cは、さらに別の代替例を示す。ここで、撮像フード186を展開カテーテル184内で近位に引き込むか、あるいは図に示すように、カテーテル186から遠位に展開して撮像フード186の容積、ひいては投入する流体量を変える。撮像フード186は、図12Bに示すように、環状管腔188などのカテーテル184内の周囲に画定される管腔から部分的に展開される。下層組織は、一部のみが展開された撮像フード186を用いて可視化される。代わりに、環状管腔188から遠位にフード186’を押し出すことによって、図12Cに示すように、撮像フード186’を完全に展開してもよい。この拡張形態において、可視化する組織部位はフード186’が周囲に拡張するにつれて増加する。
【0050】
図13Aおよび13Bは、流体吸引システムを利用して組織の可視化中、患者の心臓または他の体内腔に注入する流体量を最小化する撮像アセンブリについて、さらに別の変型例の斜視図および断面側面図を示す。この変型例における展開カテーテル190は、展開カテーテル190と一体化されるか、または独立して平行移動可能な内部チューブ状部材196を画定する。部材196を通じて画定される流体送達管腔198は、接触縁上で1つまたは複数のオープンチャンネル194も画定する撮像フード192に流体接続される。次に流体送達管腔198を通じてポンプ注入される流体を空きスペース202に充填して、血液または他の流体あるいは内部にある物体を取り除く。透明な流体が空きスペース202から押し出されたら、1つまたは複数のチャンネル194を通じて速やかに吸引または引き込み、展開カテーテル190に戻す。チューブ状部材196は、任意のツールまたは可視化装置の通路となる1つまたは複数の追加の作業チャンネル200も画定する。
【0051】
本明細書に記載する例において撮像フードを展開する際、図14A〜14Dの例に示すように、前記送達カテーテル内でコンパクトな送達用に配置または構成される場合、前記撮像フードはあらゆる形態をとる。これらは一例にすぎず、対象範囲を制限するものではない。図14Aは、複数のひだに沿ってフード212を折りたたむことによって、カテーテル210内で撮像フード212を圧縮する一例を示す。フード212は、超弾性または形状記憶材料、あるいはNitinol、Elgiloyなどの合金、形状記憶ポリマー、電気活性ポリマー、またはバネ状ステンレス鋼を備える足場またはフレーム214で構成してもよい。窮屈なカテーテル210から矢印の方向に押されると、前記形状記憶材料が作用して、撮像フード212を拡張形態に拡張または展開する。
【0052】
図14Bは、カテーテル210から、撮像フード216が折れ重なった形態から拡張または展開される別の例を示す。フレームまたは足場214をこの例に使用してもよい。図14Cは、撮像フード218が自己回転、反転、外転して展開するさらに別の例を示す。さらに別の例において、図14Dは、撮像フード220が超弾性の材料を備え、フード220を容易にコンパクトに収縮できる構造を示す。特に、ひだ状またはフレーム状の形状記憶あるいは超弾性材料、例えば、Nitinolをその構成に使用すると、フード220を解放するだけで、コンパクトな収縮形状から展開形態に拡張できる。
【0053】
図15Aおよび15Bは、前記撮像フードを拡張する別の変型例、らせん状に拡張するフレームまたは支持部材230を示す。その窮屈でコンパクトな形態において、図15Aに示すように、らせん状のフレーム230を前記撮像フード12の膜と一体化する。解放して拡張する場合、図15Bに示すように、らせん状のフレーム230を円錐またはテーパー状に拡張できる。代わりに、らせん状のフレーム230を加熱により活性化されるNitinolで作製して電流の印加により拡張できるようにし得る。
【0054】
図16Aおよび16Bは、さらに別の変型例を示す。ここで撮像フード12は、前記フード膜と一体化した1つまたは複数のフード支持部材232を備える。これらの長手方向に取り付けられた支持部材232は、その近位端で、旋回しながら展開カテーテル16に取り付けられる。1つまたは複数のプルワイヤ234を展開カテーテル16の長さに通し、展開カテーテル16において画定される1つまたは複数の開口部238を通じて撮像フード12へと近位に延び、プルワイヤ取り付けポイント236において対応する支持部材232に取り付ける。前記支持部材232は、プラスティックまたはステンレス鋼などの金属で作成してよい。代わりに、プルワイヤを使用する必要なくその展開形態に自己拡張する、Nitinolなどの超弾性または形状記憶合金で前記支持部材232を作成してもよい。加熱により活性化されるNitinolを使用してもよく、これは熱エネルギーまたは電気エネルギーの印加の際に拡張する。別の代替例において、支持部材232を、PETバルーンなどを用いる膨張式管腔として構成してもよい。図16Aに示すコンパクトな送達形態から、1つまたは複数のプルワイヤ234を患者の体外の近位端から対応する支持部材232を引っ張って、図16Bに示すような展開形態にして、撮像フード12を拡張する。撮像フード12をコンパクトな形態に再構成するには、展開カテーテル16を窮屈なカテーテルへ近位に引き込むか、あるいは前記プルワイヤ234を単に遠位に押して撮像フード12を崩してもよい。
【0055】
図17Aおよび17Bは、長手方向に配置され、前記撮像フード膜を支持する、少なくとも2つ以上の支持部材242を有する撮像フード240のさらに別の変型例を示す。前記支持部材242はそれぞれの間で斜めに延び、旋回可能に支持部材242に取り付けられるクロスサポート部材244を有する。前記クロスサポート部材244はそれぞれ、互いに旋回可能に取り付けられ、前記支持部材242間で交差する。この交差点においてジャックまたはネジ部材246を各クロスサポート部材244に結合し、トルク回転可能なワイヤ248などのトルク回転部材を各ジャックまたはネジ部材246に結合して、展開カテーテル16を通じて患者の対外へ近位に延長する。患者の体外から、前記トルク回転式ワイヤ248をねじって、前記ジャックまたはネジ部材246を回し、前記クロスサポート部材244を順に押して互いに斜めに交差するようにすることによって、前記支持部材242を互いに引き離す。そのため、前記撮像フード240は図17Aに示すように、そのコンパクトな形態から図17Bに示すように、拡張形態に変わり、回転ワイヤ248によってそのコンパクトな形態に戻る。
【0056】
図18Aおよび18Bは、撮像フードおよびその展開に関するさらに別の変型例を示す。図18Aに示すように、展開カテーテル16の遠位部は、複数の回転部材250、例えば2つから4つのセクションを有し、これらはチューブ形状をそのコンパクトな形態に形成する。展開カテーテル16を中心に放射状に旋回されると、旋回部材250は図18Bに示すように、前記旋回部材250の間のギャップを越えて広がる膨張膜または拡張膜252を有する展開形態に開く。前記膨張膜252は、接着などの様々な方法で旋回部材250に取り付けられ、前記旋回部材250が完全に円錐状に広がると、前記旋回部材250および膜252は撮像フードとして使用するための円錐状を成す。前記膨張膜252は、メッシュまたはPTFEなどの多孔材料から作成するか、またはポリウレタン、PVC、ナイロンなどの半透明あるいは透明なポリマーから作成する。
【0057】
図19Aおよび19Bは、さらに別の変型例を示す。ここで、展開カテーテル16の遠位部は、柔軟な金属またはポリマー材料で加工され、放射状に拡張するフード254を形成する。図19Aに示すように、複数のスロット256を展開カテーテル16の遠位部上に一定のパターンで形成する。前記スロット256をパターン状に形成することにより、上記の任意の方法を用いて前記遠位部を放射状に押し広げた場合、図19Bに示すように、放射状に拡張した円錐状のフード254は開口部に拡大するスロット256それぞれによって形成され得る。膨張膜258は、前記フード254の外部または内部表面を覆って、流体不浸透性のフード254を形成するため、前記フード254を撮像フードとして使用できる。代わりに、前記膨張膜258を各開口部258に形成して、流体不浸透性のフード254を形成してもよい。撮像手順が完了したら、フード254をそのコンパクトな形態に縮める。
【0058】
前記撮像フードに対するさらに別の形態を図20Aおよび図20Bに示す。ここで、前記撮像フードは複数の重複するフード部材260を備え、重複パターンで互いに重なる。拡張すると、前記フード部材260はそれぞれ、展開カテーテル16に対して外側に放射状に拡大し、図20Bに示すように、円錐状の撮像フードを形成する。隣接するフード部材260は、重複するインターフェイス262に沿って互いに重なり、前記撮像フード内に流体保持表面を形成する。さらに、前記フード部材260は、対象の組織部位から周囲の組織を任意で引っ込ませるに足る強度を有するNitinol、ステンレス鋼、ポリマーなどの任意の生体適合材料で形成してよい。
【0059】
一般に撮像フードを法線方向で組織表面と接触させることが望ましいが、代わりに、前記撮像フードを前記組織表面と鋭角で接触するよう構成してもよい。組織に対してそのように接するよう構成された撮像フードは、特に予測できないまたは平坦でない解剖構造を有する組織表面に適している。例えば、図21Aの変型例で示すように、展開カテーテル270は特に柔軟に構成された撮像フード272を有する。この変型例において、撮像フード272は、例えばひだ状の表面を使用して折りたたむ、または崩すように構成された1つまたは複数のセクション274を備える。したがって、図21Bに示すように、撮像フード272が平坦でない組織表面Tに接する場合、セクション274は前記組織と密接に適合できる。これらのセクション274は、アコーディオン型の構成を用いることによって個別に崩すことができ、例えば心臓の小柱または様々な体内管腔の内部で検出される平坦でない構造などへの適合を可能にする。
【0060】
さらに別の代替例において、図22Aは別の変型例を示す。ここで撮像フード282は展開カテーテル280に取り付けられる。前記接触縁または端284は、接触端284の周囲に配置される1つまたは複数の電気接点286を備える。前記電気接点286は組織と接触するよう構成され、例えば血液と組織のインピーダンス差を測定することによって、組織接触が得られるかどうかを肯定的に示す。代わりに、接点286と電気的に連通するプロセッサー98などは、どのタイプの組織が電気接点286と接触状態にあるかを特定するように構成される。さらに別の代替例では、心臓組織を電気的にマッピングし、続いて下記のように検出された不整脈を処置する目的で、副伝導路などの下層組織において生じている任意の電気的活動を測定するように前記プロセッサー98を構成する。
【0061】
撮像フード282と下層組織の接触を確保する別の変型例を図22Bに示す。この変型例は、撮像フード282の周囲に膨張可能な接触端288を有する。前記膨張可能な接触端288は、前記撮像フード282を平坦でない変化に富む構造を有する組織表面に押し付けて配置する際に、膨張管腔289を通じて流体またはガスで膨張させる。膨張した周囲表面288は、組織表面に適合してフード282内の造影剤保持を促進することによって、フード端と継続的に接触する。
【0062】
前記撮像フードとは別に、様々な器具を前記撮像および操作システムと併用できる。例えば、撮像フード12内のフィールドから不透明な血液を取り除き、透明な流体を通して下層組織を可視化した後、血液が前記撮像フード12に染み出して視界を妨げることがある。自動的に鮮明な撮像フィールドを維持する一方法は、図23に示すように、撮像フード12内で展開カテーテルの遠位端に配置される超音波振動子290などのトランスデューサーを使用する。前記トランスデューサー290は、エネルギーパルス292を撮像フード12に送り、前記撮像フード12内の破片または血液から反射される後方散乱エネルギー294を検知するまで待機する。後方散乱エネルギーが検出されると、ポンプが自動的に起動して、前記破片または血液が検知されなくなるまで流体を撮像フードに注入する。
【0063】
代わりに、1つまたは複数のセンサー300を、図24Aに示すように前記撮像フード12自体に配置して、多数の異なるパラメータを検出する。例えば、センサー300は周囲血液中の酸素の存在、血圧および/または撮像液圧、撮像フード内の流体の色などを検出するよう構成される。流体の色は、反射型センサーを使用して血液からの後方反射を検知することにより、撮像フード12内の血液の存在を判定するのにとりわけ役立つ。撮像フード12内に存在する血液から反射した任意の光は、展開カテーテル16を通じて、制御電子回路118内の赤色フィルターに光学的または電気的に伝達される。検出された任意の赤色は血液の存在を示し、医師に信号を送るか、または自動的にポンプを起動して撮像フード12にさらなる流体を注入して血液を取り除く。
【0064】
前記フード12内の血液の存在を検出する別の方法は、撮像フード12内の撮像液を通じて伝達された光を検知することを含む。例えば、LEDまたは光ファイバーを用いる白色光源を撮像フード12の内部で照明する場合、血液が存在すると赤色がこの流体に染み通る。検出される赤色の度合いまたは強度は、撮像フード12内に存在する血液の量に対応する。一変型例において、赤色センサーは赤色透過フィルターを有するフォトトランジスタのみを備える。これは、検出される赤い光の量を特定し、次に撮像フード12内の血液の存在を示すことができる。血液が検出されると、前記システムはさらに交換液をポンプで注入して、交換液の圧力および流量の閉ループフィードバック制御を可能にする。
【0065】
任意のセンサーを撮像フード12の外部302または内部304に配置して、撮像フード12の外部だけでなく、内部のパラメータを検出する。図24Bに示すような形態は、図10Aおよび10Bについて前述のとおり、血圧などの物理パラメータに基づいて自動的にクリアな撮像フィールドを維持するのに極めて有効である。
【0066】
センサーとは別に、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を利用して、撮像フード12内を照明する。照明は、展開カテーテル16を通る光ファイバーによって提供されるが、撮像フード12上でLEDを使用することによって、照明を提供するための光ファイバーを追加する必要がなくなる。1つまたは複数のLEDに接続される電線は前記フード12内または上、および外部表面に沿って通るか、または展開カテーテル16内に押し進められる。1つまたは複数のLEDを、図25Aに示すように撮像フード12の周囲に円周パターン306で配置するか、あるいは図25Bに示すように、撮像フード12に沿って直線の長手軸方向パターン308で配置してよい。らせんまたは渦巻きパターンなどの他のパターンを使用してもよい。代わりに、LEDを撮像フード12の支持部材形成部に沿って配置してもよい。
【0067】
撮像フード12内の照明に関する別の代替例では、図26Aに示されるように、個別の照明ツール310が使用される。そのようなツールの例は、送達部材312の遠位端に旋回可能に接続される316キャリア部材314を有する柔軟な血管内送達部材312を備える。1つまたは複数のLED318がキャリア部材314に沿って搭載される。使用する際は、展開カテーテル16に送達部材312を進めて、キャリア部材314を撮像フード12内に配置する。撮像フード12内に入ると、図26Bに示すように、キャリア部材314は任意の方向に旋回し、前記撮像フード12内の照明を促進または最適化する。
【0068】
LEDを照明に使用する場合、撮像フード12に沿って配置するか、または個別の器具に沿って配置するかに関わらず、前記LEDは単一のLEDカラー、例えば白色の光を備える。代わりに、赤、青、黄色といった他の色のLEDを単独または白色LEDとの組み合わせで使用して、撮像する組織または流体を様々に照明する。代わりに、赤外線または紫外線の光源を用いると、組織表面の下を撮像する、または組織の蛍光をもたらして、システムガイダンス、診断、または治療に使用することができる。
【0069】
可視化プラットフォームの提供とは別に、前記撮像アセンブリを用いて、可視化中の組織を処置するための治療プラットフォームを提供することもできる。図27に示すように、展開カテーテル320は、前記の撮像フード322、送達管腔324、および撮像管腔326を有する。この変型例において、針328などの治療ツールを、流体送達管腔324または別の作業管腔を通じて送達し、空きスペース332を進んで可視化中の組織を処置することができる。この例において、針328は薬剤を送達するための1つまたは複数のポート330を画定する。このため、適切な組織部位が撮像および特定されると、針328を進めて下層組織に刺す。ここで、治療薬剤がポート330を通じて送達される。代わりに、針328を高周波、マイクロ波などの電源334と電気的に連通させて、対象の下層組織部位を焼灼する。
【0070】
図28は、別の代替例を示す。ここで展開カテーテル340には上記のとおり撮像フード342が取り付けられており、らせん状の組織穿孔装置344の形態である治療ツール344を有する。また、下層組織に対して撮像フードを固定する場合の使用に関して図7Aおよび7Bに示し、上記のとおり、前記らせん状の組織穿孔装置344を利用して、様々な治療手順において組織を操作することもできる。前記らせん部分346は、治療薬剤を送達するための1つまたは複数のポートを画定する。
【0071】
さらに別の代替例において、生理食塩水356を満たした膨張式撮像バルーン352を有する展開カテーテル350を図29に示す。前記の治療ツール344はバルーン352に対して平行移動可能である。前記ツールの穿孔部分346がバルーン352に穴を開けるのを防ぐため、ストップ354をバルーン352上に形成して、部分346がストップ354を近位方向に越えないようにする。
【0072】
図30Aおよび30Bは、撮像フード12内の組織操作に使用するため展開カテーテル16を通じて送達されるツールの代替形態を示す。図30Aは、展開カテーテル16を通じて血管内送達するための長い軸を持つように構成された組織把持具などの曲がった器具360の一例を示す。この器具の遠位端は、撮像フード12に配置される際にその長い軸に対して湾曲する。前記長い軸は、少なくとも一部を形状記憶合金で作ることによって、自動的に曲がるように構成されるか、または起動時にプルワイヤを引っ張ることによって曲げることができる。図30Bは、撮像フード12内でその遠位部を軸外形態に再構成するように設定されている器具362に関する別の形態を示す。いずれの場合も、器具360、362は展開カテーテル16へ近位に引き戻される際に、コンパクトな形状に再構成される。
【0073】
撮像システムと併用する他の器具またはツールの側面および端面図を図31Aから31Cに示す。図31Aは、コンパクトな形状から湾曲した形状に再構成される遠位端エフェクター372を有するプローブ370を示す。前記遠位端エフェクター372は、高周波エネルギー、マイクロ波エネルギー、超音波エネルギー、レーザーエネルギー、または冷凍アブレーションを利用するアブレーションプローブとして構成される。代わりに、前記遠位端エフェクター372は、本体上に複数の電極を有し、下層組織を通じて伝送される電気信号を検出またはマッピングする。
【0074】
下層組織のアブレーションに用いられる遠位端エフェクター372の場合、細長い部材376上に配置される熱電温度計またはサーミスタ374などの追加の温度センサーを前記遠位端エフェクター372に隣接する撮像フード12へと送達して、焼灼した組織に接触させて温度をモニターする。図31Bは、組織に接触するよう単に垂直形態に曲げられた遠位端エフェクター372に関する一形態の端面の例を示す。図31Cは、前記遠位端エフェクターを湾曲した遠位端エフェクター378に再構成して、組織との接触を増やす別の例を示す。
【0075】
図32Aおよび32Bは、密閉された底部を有する撮像フード12と併用されるアブレーションツールの別の変型例を示す。この変型例において、遠位端エフェクター382を有する凍結アブレーションプローブ380などのアブレーションプローブを前記撮像フード12を通じて配置することによって、図32Bの端面図に示すように、前記遠位端エフェクター382が透明な膜または筺体384の遠位に配置されるようにする。プローブ380の軸は、前記膜384を通じて画定される開口部386を通過する。使用にあたって、前記透明な流体を上述のように撮像フード12にポンプ注入し、前記撮像フード12および焼灼する組織の上または隣りに配置される前記膜384を用いて、その遠位端を焼灼する組織部位を押し付けて配置する。凍結アブレーションの場合、前記撮像液を撮像フード12に注入する前に温めて、膜384と接触する組織が凍結アブレーション中に温められるようにする。例えば、高周波エネルギーを使用する温熱アブレーションでは、撮像フード12に注入される流体を冷却して、アブレーション中、前記膜384が接触する組織およびアブレーションプローブに隣接する組織も同様に冷却されるようにする。
【0076】
上記の例において、前記撮像液の温度を変えて、組織上で行う様々な手順を容易にすることができる。他の例において、前記撮像液自体を変えることによって様々な手順を容易にできる。例えば図33Aに示すように、展開カテーテル16および撮像フード12は、尿で満たされた膀胱394などの空洞の臓器内を、膀胱壁上の病巣または腫瘍392に向かって送達される。前記撮像フード12は、前記病巣392全体または一部を覆うように配置される。前記組織壁390に対して固定されると、凍結液、例えば水または血液などの凍結温度以下に冷却された流体を前記撮像フード12にポンプ注入して、図33Bに示すように、器具または組織表面上の氷の形成を防ぎながら、病巣390に凍結アブレーションを施す。
【0077】
冷凍液が撮像フード12から漏出して臓器に入ると、前記流体は患者の体温によって自然に温められ、最終的に取り除かれる。前記冷凍液は無色半透明の流体であって、それを通して下層組織の可視化を可能にする。そのような流体の例は、無色無臭の過フッ化物液であるFluorinertTM(3M、ミネアポリス、セントポール)を含む。FluorinertTMなどの流体を使用することによって、前記撮像フード12内外に結氷を生じない凍結アブレーションを可能にする。代わりに、凍結アブレーション以外に、FluorinertTM液を高い温度に加熱することによって、前記撮像フード12内の病巣392を焼灼する温熱処置を行うこともできる。さらに、FluorinertTMを心臓内の様々な部分に使用してもよい。
【0078】
図34Aは、前記撮像システムと併用される器具の別の変型例を示す。この変型例において、レーザーリング生成器400は、前記展開カテーテル16を通じて撮像フード12に一部送達される。一般に、レーザーリング生成器400を使用してレーザーエネルギー402の環状リングを形成し、心房細動の処置において肺静脈周辺の伝導ブロックを生成する。レーザーエネルギー402の環状リングは、前記リング402の直径が前記撮像フード12の直径に入るように生成され、撮像される組織上で直接組織を焼灼できるようにする。心房細動をもたらす信号は、一般に肺静脈の入り口から左心房に入る。また処置は、心房内の肺静脈心門に対するアブレーションエネルギーの送達を含む場合がある。焼灼された組織部分は環状の傷跡となって、心房細動に対するインパルスをブロックする。
【0079】
前記レーザーエネルギーを使用して心臓組織を焼灼する場合、一般に、下層組織を焼灼している間、表面を覆う組織の統合性および健全性を維持することが望ましい。例えば、これは前記撮像液を患者の体温より低いが血液の凍結点より高い温度(例、2℃〜35℃)に冷却することによって行われる。そのため冷却された撮像液は、表面組織を冷却した流体の温度に維持する。一方で、より深部の下層組織は患者の体温に保たれる。前記レーザーエネルギー(または高周波エネルギー、マイクロ波エネルギー、超音波エネルギーなどの他のタイプのエネルギー)を組織に放射すると、冷却された組織表面および深層組織の温度がともに一様に上昇する。体温に維持される前記深層組織は、下層組織を破壊するに足るほど温度上昇する。冷却された表面組織の温度も上昇するが、体温またはそれよりわずかに高い温度に上昇するのみである。
【0080】
したがって、図34Bに示すように、処置の一例は、展開カテーテル16を患者の心臓Hの心房中隔ASを越えて左心房LAに通すステップを含む。左心房LAにアクセスする他の方法を使用してもよい。前記撮像フード12およびレーザーリング生成器400は、肺静脈PVの1つまたは複数の心門OTの隣または上に配置され、前記レーザー生成器400は、レーザーエネルギー402の環状リングを用いて心門OTの周りの組織を焼灼し、伝導ブロックを形成する。心門OTの周囲にある1つまたは複数の組織が焼灼されると、前記撮像フード12をコンパクトな形態に再構成して、患者の心臓Hから取り出す。
【0081】
心門OT内または周囲の組織の処置における困難の一つは、前記心門OTを通る血液の動的な流れである。この動態作用がカニューレ挿入または心門OTへの進入を困難にする。そのため、前記撮像システムと併用可能な器具またはツールに関する別の変型例は、図35Aに示すように、拡張式カニューレ410であり、通して画定されるカニューレ管腔412を有する。前記拡張式カニューレ410は、一般に長いチューブ部材を備え、このチューブ部材は送達中、前記展開カテーテル16内に配置され、次に図35Bに示すように、撮像フード12を通じて遠位に突き出し、任意で撮像フード12を越えて突き出る。
【0082】
使用にあたって、前記撮像フード12が図35Cに示すように、肺静脈PVの心門OT外の組織に対して望ましい位置に配置されると、前記拡張式カニューレ410は、展開カテーテル16から遠位に突き出し、一方、上記のように任意で撮像フード12を通じて組織を撮像する。前記拡張式カニューレ410は、その遠位端の少なくとも一部が心門OTに拡張するまで遠位に突き出す。心門OTに入ると、器具またはエネルギーアブレーション装置は、心門OT内の処置のため、前記カニューレ管腔412を通じて、またその外で拡張される。前記手順が完了したら、前記カニューレ410を近位に引っ張り、患者の体から取り除く。前記拡張式カニューレ410は、その近位端またはその付近に膨張式閉塞バルーンも含み、PVの外に血液が流出するのを防いで組織部位のクリアなビューを維持する。代わりに、前記拡張式カニューレ410は、カニューレ410を通じて血液を誘導して前記撮像フードの近位から出すことによって、前記閉塞バルーンを超えて、一般に肺静脈PVを出る血液の少なくとも一部をバイパスする管腔を画定する。
【0083】
図36Aおよび36Bは、ツールまたは器具の使用に関するさらに別の変型例の側面および端面図を示す。この変型例において、撮像フード12は、前記フード12と一体化された1つまたは複数のチューブ状支持部材420を有する。前記チューブ状支持部材420はそれぞれ、下層組織に対して処置を行うための1つまたは複数の器具またはツールを送達するアクセス管腔422を画定する。特定の例を上記の図7Cに示す。
【0084】
様々な方法および器具を使用して、前記システムを使用する、またはその使用を容易にすることができる。例えば、一つの方法は、患者の心臓に対する装置の初期送達および配置を容易にするステップを含む。最初に前記撮像アセンブリを僧帽弁などの心腔内に誘導する場合、図37Aおよび37Bに示すように、個別の誘導プローブ430を使用する。誘導プローブ430は、光源434を使用して遠位先端部432を照明する光ファイバーなどを備える。前記先端部432を冠状静脈洞CSなどを通じて心臓に送達し、先端を僧帽弁MVに隣接するように配置する。図37Aに示すように先端432を照明し、次に心房内から見える照明された先端432、僧帽弁MVに向けて撮像アセンブリを誘導する。
【0085】
上述の装置および方法とは別に、前記撮像システムを使用して様々な他の手順を容易にすることができる。図38Aおよび38Bでは、特に装置の撮像フードを使用する。この例において、折り畳み可能な膜またはディスク型部材440は、撮像フード12の接触端または縁の周囲に一時的に固定される。経脈管的送達中、前記撮像フード12および付属部材440は、ともに折りたたまれた形態であり、送達のためコンパクトな形態を維持する。展開する際に、撮像フード12および前記部材440をともに拡張形態に広げる。
【0086】
前記ディスク型部材440は、アプリケーションに応じて様々な材料で構成される。例えば、部材440を薬剤溶出薬442で活性化される多孔ポリマー材料で形成し、組織表面に押し付けて移植して、下層組織への薬剤の導入を遅らせることができる。代わりに、前記部材440を金属またはポリマーなどの無孔材料で形成して、移植および傷、空洞の閉合により流体の漏出を防ぐ。さらに別の代替例では、前記部材440を膨張性の材料で形成し、拡張状態で撮像フード12に固定する。組織表面または傷に移植または固定した後、拡張した部材440を撮像フード12から解放する。その際に、拡張した部材440を小さく収縮しながら、付着した下層組織に接近して傷口または開口部を閉じる。
【0087】
組織表面にディスク型部材440を固定する1つの方法は、前記部材440の表面に取り付けられる棘、フック、突起などの複数の組織アンカー444を含む。他の取り付け方法は、接着剤、縫合糸などを含む。使用にあたって、図39A〜39Cに示すように、遠位に突き出す複数の組織アンカー444で取り付けられる部材440を用いて、前記撮像フード12をその拡張形態に展開する。図39Aに示すように、前記組織アンカー444を処置されるべき組織部位446に押し進めて、図39Bに示すように、前記アンカー444を組織に固定して、部材440を組織に直接配置する。プルワイヤを起動して前記撮像フード12から部材440を解放し、展開カテーテル16を近位に引っ張って組織446に対して部材440を固定する。
【0088】
組織の操作および処置の別の変型例を40Aに示す。この図は前記組織接触端22に取り付けられる展開式アンカーアセンブリ450を有する撮像フード12を示す。明確にするために、撮像フード12から取り外された前記アンカーアセンブリ450を図40Bに示す。前記アンカーアセンブリ450は、子穴または開口部458などの縫合保持端を前記アンカー456の近位端にそれぞれ有する棘、フック、突起などの複数の個別組織アンカー456を持つものとして見られる。縫合部材またはワイヤ452は、前記開口部458およびシンチング要素454を通じて各アンカー456に滑らせて接続する。これは、縫合またはワイヤ452上を一方向にスライドして、各アンカー456が互いに近接するように構成される。前記アンカー456はそれぞれ、様々な方法で撮像フード12に一時的に取り付けられる。例えば、プルワイヤまたは保持ワイヤは、前記撮像フード12の周囲にある受入リング内のアンカーをそれぞれ保持する。前記アンカー456を解放する場合、前記プルワイヤまたは保持ワイヤを患者の体外の近位端から引っ張ることによって、前記アンカー456を前記撮像フード12から解放する。
【0089】
卵円孔開存(PFO)などの開口部または傷460を閉合するための前記アンカーアセンブリ450の1つの使用例を図41A〜41Dに示す。前記展開カテーテル16および撮像フード12は、経脈管的に患者の心臓などに送達される。前記撮像フード12はその拡張形態に展開されるため、図41Aに示すように、前記撮像フード12は開口部または傷460に隣接して配置される。図41Bに示すように、拡張した撮像フード12上に配置された前記アンカーアセンブリ450を用いて、展開カテーテル16が、撮像フード12の接触端およびアンカーアセンブリ450を組織開口部460を囲む領域に押し向けられる。図41Cに示すように、前記アンカーアセンブリ450を周囲組織内に固定すると、前記アンカーを撮像フード12から解放してアンカーアセンブリ450および前記アンカーから続く縫合部材452を残す。図41Dに示すように、縫合またはワイヤ部材452は、患者の体外から近位に引っ張ることによって堅く締めることができ、巾着縫合方式で互いにアンカーアセンブリ450のアンカーを近接させて組織開口部462を閉じる。前記シンチング要素454は、縫合またはワイヤ部材452上を遠位に押されて、近接したアンカーアセンブリ450が緩んだり広がるのを防ぐ。
【0090】
別の代替使用例を図42に示す。ここで、前記展開カテーテル16および展開した撮像フード12が患者の体内に配置され、血液472を展開カテーテル16に引き込む。引き込まれた血液472は、患者の体外に配置される透析ユニット470にポンプで通されろ過される。また、ろ過された血液は患者の体内に再導入される。
【0091】
図43Aおよび43Bはさらに別の変型例を示す。第一の展開式フード482、および前記第一フード482の遠位に配置される第二展開式フード484を有する前記展開カテーテル480の変型例を示す。前記展開カテーテル480は、前記展開カテーテル480の長さに沿って前記第一および第二フード482、484の間に配置される側面ビュー撮像要素486を有してもよい。使用にあたって、そのような装置を血管VSの管腔488を通じて導入する。ここで、片方または両方のフード482、484を拡張して、血管VSの周囲壁とやさしく接触させる。フード482、484を拡張した後、図43Bに示すように、フード482、484の間に画定される領域に透明な撮像液をポンプで注入して、血液を移動させて撮像空間490を形成する。フード482、484の間に透明な流体を入れて、前記撮像要素486を使用して、フード482、484の間に含まれる周囲組織表面を見る。他の器具またはツールを展開カテーテル480および前記カテーテル480に沿って画定される1つまたは複数の開口部に通して、血管壁上で追加の治療手順を行うことができる。
【0092】
器具の側にある組織の撮像に使用される展開カテーテル500の別の変型例を図44A〜45Bに示す。図44Aおよび44Bは、膨張していないコンパクトな形態の側面撮像バルーン502を有する展開カテーテル500の側面および端面図を示す。側面撮像要素504は、前記バルーン502を配置するカテーテル500の遠位部内に配置される。バルーン502は、膨らませると放射状に拡張して周囲組織と接触するが、前記バルーン502によって、前記撮像要素504が配置される場所に可視化フィールド506が作られる。その側面、上面、および端面図を図45A〜45Bにそれぞれ示す。前記可視化フィールド506は、クリアでバルーン502により障害物が取り除かれるフィールド内506の領域の画像が可視化要素504に提供されるよう、膨張したバルーン502内で画定される単なる空洞またはチャンネルであってよい。
【0093】
使用にあたって、展開カテーテル500を可視化および/または処置する病巣または腫瘍508に向かって、血管管腔488を通じて経脈管的に送達する。前記病巣508に到達したら、展開カテーテル500を前記病巣508に隣接して配置し、バルーン502を膨らませて、前記病巣508が可視化フィールド506内に含まれるようにする。バルーン502が完全に膨らんで血管壁に接触したら、透明な流体を展開カテーテル500を通じて可視化フィールド506にポンプ注入し、前記フィールド506から血液または不透明な流体を移動させる。その側面および端面図をそれぞれ図46Aおよび46Bに示す。次に、展開カテーテル500を通じてフィールド506に任意の器具を通し、病巣508を視覚的に検査および治療する。
【0094】
上述のように開示される本発明のアプリケーションは、特定の処置または体の部位に制限されず、他のあらゆる処置および体の部位を含む。本発明を実施する上述の方法および装置の修正、および当該技術分野に熟練する者に明らかな本発明の様々な態様は、この開示の範囲内であることを意図している。さらに、実施例の態様を多様に組み合わせることも考えられ、同様に本開示の範囲内であると考慮する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31A】
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【図31B】
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【図31C】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33A】
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【図33B】
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【図34A】
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【図34B】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図36A】
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【図36B】
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【図37A】
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【図37B】
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【図38A】
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【図38B】
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【図39A】
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【図39B】
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【図39C】
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【図40A】
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【図40B】
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【図41A】
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【図41B】
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【図41C】
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【図41D】
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【図42】
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【図43A】
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【図43B】
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【図44A】
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【図44B】
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【図45A】
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【図45B】
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【図45C】
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【図46A】
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【図46B】
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【公開番号】特開2011−152449(P2011−152449A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−108812(P2011−108812)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【分割の表示】特願2007−554156(P2007−554156)の分割
【原出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(507258939)ボエッジ メディカル, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】