説明

組込部品付きプラスチック中空体の製造方法及び組込部品付きプラスチック容器

本発明は、組込部品を内包した熱可塑性プラスチック材料製中空体の製造方法に関する。中空体は好適には自動車燃料タンクである。成形キャビティを形成する分割構造のブロー成形金型(9a,9b)を縦に分割開放して形成される金型開放間隙に可塑化プラスチック材料からなる1つ以上の帯板状又はチューブ状のパリソン(13)を垂下配置すると共に該金型開放間隙内に最終製品に内蔵させるべき少なくとも1つの組込部品(1)を配置し、これらパリソン(13)と組込部品(1)の周りで金型を閉じることにより金型で囲まれたキャビティ内でパリソン(13)を製品外形にブロー成形する。成形中又は成形直後に依然として塑性状態にある製品内壁(4)に組込部品(1)を押し付け、製品内壁の塑性状態のプラスチック材料の一部を組込部品(1)の少なくとも1つの穴から該穴の背後にまで流入させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラスチック中空体の製造方法及びプラスチック容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性プラスチック材料の中空体を製造するには、例えば押出ブロー成形、深絞り成形、或いは射出成形など、多種多様な製造法が知られている。押出ブロー成形では、例えば単一のチューブ状パリソンからシームレスの中空体を製造することができる。但し、チューブ状パリソンを縦に分割して帯板状パリソンとし、2分割構造又は3分割以上の多分割構造のブロー成形金型の各金型分割体にそれぞれ帯板状パリソンを配置して、金型内のキャビティ内面に負圧吸引又は正圧ガス加圧によって膨張と共に押し付けることで成形することも可能である。
【0003】
特に、上述の製造法によって熱可塑性プラスチックから一体又は複数部品構成で製造される燃料タンク等の工業製品の製造においては、様々な組込部品を中空体に固定することが必要となる。この固定作業は製造過程の第1段階又はその後に行うことができるが、中空体の内部に組込部品を収容する必要がある場合には、組込部品の寸法によっては中空体の製造時に既に組込部品を中空体内に導入しておくことが屡々必要となる。組込部品は中空体に対して機械的な嵌合又は溶着で固定することができ、溶着する場合は中空体製造過程の第1段階又はその後の第2段階で例えば摩擦溶接又は熱線反射溶接による溶着作業を行うことができる。
【0004】
中空体の内部に組込部品を機械的に嵌合させて固定するには、中空体の成形法によっては或る限界が生じることが多い。例えば、押出ブロー成形法で中空体を製造する場合、内部に配置されるべき組込部品と中空体内壁との機械的嵌合による錠止を可能とするアンダーカット部分を中空体の輪郭部に設けることは限定的な局所についてのみ可能であるに過ぎない。この理由から、多くの場合は接合手順として溶接が頼りとされている。
【0005】
しかしながら、溶接による接合は、組込部品と中空体内壁との互いに接合されるべき部位を構成するプラスチック材料が互いに溶着可能な材料対となっていなければならないという基本的な要求を満たす必要があり、この基本的な要求により、中空体に内蔵すべき組込部品に対する構成材料の選択の余地が制限されるという欠点が避けられない。
【0006】
例えばプラスチック材料製の自動車用燃料タンクを製造する場合、特定のプラスチック材料はタンク内に燃料が存在するときに膨らんだり炭化水素を透過させたりするので、上述の基本的な要求が組込部品の材料選択に大きな障害となる。即ち、特定の管路や弁などの組込部品については、それらを内部に固定すべき燃料タンク、即ちプラスチック中空体に対して、構成材料相互の溶着性を当初から排除したプラスチック材料で構成することを余儀なくされていることが多いのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な課題は、熱可塑性プラスチックから成る中空体を製造する過程で中空体内に組込部品を特に簡単且つ確実に固定することが可能な組込部品付きプラスチック中空体の製造方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の課題は、特に簡単な構造で組込部品を堅固に係合止着したプラスチック容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
係る課題を解決するため、本発明に従って組込部品を内包した熱可塑性プラスチック材料製の中空体を製造する方法は、成形キャビティを形成する分割構造のブロー成形金型を縦に分割開放して形成される金型開放間隙に可塑化プラスチック材料からなる1つ以上の帯板状又はチューブ状のパリソンを垂下配置すると共に、同じ金型開放間隙内に最終製品に内蔵させるべき少なくとも1つの組込部品を配置し、これらパリソンと組込部品の周りで金型を閉じ、この閉じた金型によって囲まれるキャビティの内部で前記パリソンを製品外形にブロー成形するに際して、成形中又は成形直後に依然として塑性状態にある製品内壁に組込部品を押し付けることにより、該製品内壁の塑性状態のプラスチック材料の一部を組込部品の少なくとも1つの穴から該穴の背後に拡がる空間にまで流入させることにより係合部を形成することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の方法によれば、比較的簡単な手法で組込部品を中空体の壁に確実に係合止着することが可能である。即ち、中空体の内壁を形成するプラスチック材料の一部が未だ塑性状態にあるうちに組込部品に設けられた固定用の穴に入り込んで該穴の背後に拡がる空間にまで流入し、この流入したプラスチック材料は、冷却後には中空体内壁と一体でしかも前記穴の背後の拡張空間内で穴に密に係合して穴から抜け出すことのできない係合部を形成する。この場合、組込部品の構成材料には中空体内壁との溶着に関する材料の適合性は考慮する必要がない。従って、本発明によれば、中空体を構成するプラスチック材料との溶着性が無い例えば金属などの堅牢材料で組込部品を構成することが可能である。
【0011】
組込部品に設けておく穴の造形により、この穴を通して穴の背後の組込部品側に拡がる空間に流れ込む中空体内壁のプラスチック材料は、主にリベット頭部のように確実な嵌合固定を保持する係合部を形成する。
【0012】
本発明による方法の好適な一実施形態において、依然として塑性状態にある製品内壁に対する組込部品の押し付けは、例えば製品を仕上げた後に製品から再び取り除く必要のある残置形の補助具を用いることなく実行される。
【0013】
本発明による方法の特に好適な一実施形態において、リベット頭部状の係合部は、組込部品の穴の背後に流入してくる中空体内壁のプラスチック材料の流れを押し止めて塞ぐような補助具を用いることなく形成される。
【0014】
本発明による方法の更に好適な一実施形態においては、縦に分割開放された2分割構造のブロー成形金型の各金型半割体の間に帯板状の2つのパリソンが垂下配置され、これとは別に組込部品が組込用支持フレームの内部に配置された位置決め用可動手段に装着されて該組込用支持フレームが2つのパリソンの間に位置するように各金型半割体の間に配置され、その後、まず各金型半割体が2つのパリソンの間に配置されている前記組込用支持フレームに対して閉じられてから、前記位置決め用可動手段によって組込部品が前記組込用支持フレームの外方へ向けて押し出されることにより依然として塑性状態にある製品内壁に押し付けられて製品内壁に取り付けられ、しかる後、前記位置決め用可動手段が前記組込用支持フレームの内部へ待避されたのちに組込用支持フレームが各金型半割体の間から取り出され、その後、最終工程で各金型半割体が閉じられて2つのパリソンから成形された製品半片同士が互いに接合され、中空体の製品形状に仕上げられる。
【0015】
組込用支持フレームは枠組又は支持板で構成することができるのは当業者にとって自明である。更に、組込用支持フレームは必ずしも開放構造に形成しておく必要はない。
【0016】
本発明は更に、組込部品を堅固に係合止着したプラスチック容器も提供し、この容器はプラスチック中空体からなり、予め該中空体の製造過程で該中空体に結合された少なくとも1つの組込部品を有し、特に前述の課題を解決するために、中空体と組込部品が互いに係合して止着され、組込部品が中空体の壁との接触面の領域内に少なくとも1つの貫通穴を有し、該壁のプラスチック材料が前記貫通穴を通して該穴の背後に拡がる空間にまで入り込んで係合していることを特徴とする。
【0017】
貫通穴は、円形穴として形成されていることが望ましい。別の選択肢として、貫通穴は円形以外の異形穴として形成しておくこともできる。これは、特に組込部品が単一の貫通穴しか持たず、中空体の壁への固定に関して組込部品の明確な取付方位を定めておきたい場合に有効である。組込部品の貫通穴に入り込んだプラスチック材料の流れは、組込部品側の貫通穴の背後に拡径した係合部の頭部を形成し、この係合部が中空体の壁と組込部品との嵌合固定を果たすことになる。
【0018】
本発明によるプラスチック容器の好適な一実施形態によれば、組込部品は少なくとも1つの突部を有し、この突部の先端面が前記中空体の壁に食い込んで段付きの接触面を形成している。これにより、同じ押付力が作用した場合、突部が無い場合に比べて接触面の部分における中空体の壁に対する面接触圧力を高めることができる。即ち、このような突部は、中空体の壁の可塑化したプラスチック材料が貫通穴に流れ込む圧力を高めるピストン作用を生じるものであり、この場合、前記貫通穴は突部の接触面を貫通していることが望ましい。
【0019】
本発明によるプラスチック容器の更に好適な一実施形態によれば、突部の接触面が擂り鉢状の凹面に形成されており、該凹面の底に貫通穴が設けられている。これにより、中空体の壁の可塑化したプラスチック材料が貫通穴を通過して背後の拡張空間へと入り込む流れに中心に向けて収束する動きが付加され、貫通穴の背後への材料の流れ込みが促進されて確実な係合部の形成が果たされる。
【0020】
本発明によるプラスチック容器の更に好適な一実施形態によれば、前記貫通穴の前記壁とは反対側の端部に背後の空間へ向かって拡がるアンダーカット部分が設けられている。このアンダーカット部分は、貫通穴の背後に拡がる空間へ入り込んだプラスチック材料が冷却して固化した係合部を形成したときには、この係合部の拡径頭部を抜けないように支承する座面となる。
【0021】
本発明によるプラスチック容器を例えば自動車用燃料タンクとして構成する場合、燃料タンク内に内蔵すべき組込部品には複数個の突部を備えることができる。このようにして係合部の個所を増加し、且つ適正に分布配置することによって、自動車の様々な走行状況下においても燃料タンクの内部で組込部品を確実な固定状態に維持することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以上に述べた本発明の特徴と利点を更に明確にするため、本発明の好適な実施形態を添付図面と共に詳述すれば以下の通りである。
【0023】
図1と図2に要部を示したように、組込部品1はその取付面に突部2を備え、この突部には貫通穴3が設けられている。
【0024】
既に述べたように、図示の実施形態は本発明の方法を自動車用プラスチック製燃料タンクの製造に適用した場合の一例であるが、本発明の方法は、これ以外のあらゆるプラスチック中空体の製造に適用できるものと理解すべきである。組込部品との結合は、中空体の内側でも外側でも可能である。図示の例では、組込部品1は燃料タンク内に固定配置されるサージポットである。
【0025】
図1において、組込部品1が図中矢印方向の操作力を受けると、その外面に設けられた環状の突部2は、製造すべき中空体の壁4に対し、そのプラスチック材料が塑性状態にあるときに押し付けられて壁4に食い込んでゆく。以下に述べる製造プロセスでは、この押し付けによる組込部品の結合が中空体の成形工程の初期段階に行われ、この段階では壁4のプラスチック材料は未だ可塑化された状態にあり、突部2に対して図1の右側に示す矢印の方向の操作力が加えられると、塑性状態にある壁4のプラスチック材料が図2に示すように組込部品1の貫通穴3を通してその背後に拡がる空間にまで流入し、結果として貫通穴3の背後にリベット頭部のような拡径した係合部5を形成する。貫通穴3は好ましくは円形穴として形成され、壁4とは反対側の端部では組込部品内側からの面取りによるアンダーカット部7が貫通穴よりも内径の大きい拡張空間を形成している。
【0026】
突部2の先端面は、貫通孔を通してその背後に流れる塑性状態のプラスチック材料に対して流動性を改善する目的で擂り鉢状の凹面からなる接触面6に形成され、この接触面は押し付け操作によって壁4に当接して食い込む段付き面であって、その中央部、即ち擂り鉢状凹面の底に貫通穴3が設けられている。このように、段付き接触面6を形成するように組込部品1の外面から突き出た突部2の造形は、貫通穴3内を通過する塑性状態のプラスチック材料の流動性を向上させる。即ち、突部2がピストン状の段差構造を有することにより押付操作力が接触面領域に集中して面接触圧力が高まり、この高い面接触圧力と合わせて接触面の擂り鉢状の凹面形状が貫通穴3へ向けて塑性状態のプラスチック材料の流れを収束させる働きをする。
【0027】
貫通穴3は、接触面6とは反対側の端部で組込部品の内側へ向かって徐々に拡径するアンダーカット部7に連通しており、このアンダーカット部が係合部5の拡径頭部を抜けないように支承する座面を形成している。尚、係合部5の拡径頭部は、貫通穴の内側端部にアンダーカット部7が設けられておらず、従って貫通穴の内側端部が急峻に拡径する場合でも形成されるが、その場合、状況によっては突部2の突出厚を比較的小寸法に形成しておく必要がある。
【0028】
既に述べたように、自動車用プラスチック製燃料タンクの製造に適用した場合の本発明による方法の主な段階を図3〜図12に模式的に示す。
【0029】
この例は、自動車用燃料タンクとしての中空体製品8を押出ブロー成形によって製造する場合である。
【0030】
ブロー成形金型は、互いに相補的な形状の2つの金型半割体9a、9bからなる2分割構造のものであり、両金型半割体を互いに接近させてそれらの分割面で閉じると、成形すべき中空体製品8のタンク外形を決定するキャビティ10が内部に画定される。このブロー成形金型が縦に分割開放されている状態で、金型半割体9a、9bの間に形成される金型開放間隙には組込用支持フレーム11が配置され、この組込用支持フレームは、金型半割体9a、9bの間の金型開放間隙に下方から進入し、また下方へ退避するように図示しない支持機構によって移動可能に支持されている。組込用支持フレーム11の内部には組込部品位置決め用可動保持器12が配置されており、この保持器は、組込用支持フレーム11上で先端の保持部に装着した組込部品1を液圧式又は空圧式に組込用支持フレームの主面と平行に一方の金型半割体9aの内面方向へ向かって調整された力で移動させることが可能である。可動保持器12の先端保持部には、金型開放間隙内へ配置される前に予め図4に示すように組込部品1が装着されている。尚、図示の例では、略示した管路部品によって複数個の組込部品1が既に相互に連結されている。勿論、これらの組込部品は、図1及び図2に示したような貫通穴付きの突部をそれぞれの先端面に有するものである。
【0031】
組込用支持フレーム11を金型半割体9a、9bの間の金型開放間隙内で位置決めしたのち、単一又は複数の図示しない押出ヘッドから帯板状パリソン13が押し出され、開放状態の金型半割体9a、9bの間の金型開放間隙内に垂下配置される。この場合、金型が配置されている場所から離れた位置でパリソン13を押し出し、この押し出されたパリソンを金型半割体9a、9bの間の金型開放間隙内にハンドリング装置で持ち込むようにしてもよい。
【0032】
図5及び図6に示すように、組込用支持フレーム11の両側で金型半割体9a又は9bとの間に延在するように一対のパリソン13が垂下配置されると、先ず各金型半割体が一対のパリソンの間に配置されている組込用支持フレーム11に対して閉じられ、次の工程で各パリソンが負圧吸引によりそれぞれ金型半割体9a、9bのキャビティ10の内面輪郭に密着されてそれぞれ製品の半シェルが成形される。この密着工程は、好ましくは金型半割体9a、9bを組込用支持フレーム11に対して閉じてから行われるが、場合によってはそれ以前に行うこともできる。
【0033】
ここで、パリソン13は負圧吸引によってキャビティ10の内面輪郭に完全に密着されるが、これはキャビティ内の空気をキャビティ外の加圧空気によって押し出すことによっても可能である。
【0034】
次いで組込用支持フレームに支持された組込部品位置決め用可動保持器12が外向きに移動し、組込部品1を未だ塑性状態にある製品8の内壁、即ちキャビティ10に密着されているパリソンの内面に押し付ける。これにより、組込部品1と製品8の壁4との間に前述のような係合部が形成されて両者の固定が果たされる。
【0035】
その後、可動保持器12が元の位置に復帰する。次いで両金型半割体が離反移動されるが、これら両側の金型半割体のキャビティ内には、前述のようにして成形された製品8の半シェルがそれぞれ残されている。両金型半割体9a、9bが開かれると、組込用支持フレーム11が下方へ移動して金型開放間隙から外部へ待避し、その後、金型が再び閉じらてれ両方の製品半シェル同士をその周縁部で互いに加熱溶着する。
【0036】
以上のような製品8の仕上げ成形工程と取出工程は図11及び図12に示す通りである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態における組込部品と中空体製品内壁との係合部の形成前の様子を模式的に示す要部断面図である。
【図2】図1の係合部の形成後の様子を模式的に示す要部断面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるプラスチック製燃料タンクの製造方法における初期段階の様子を模式的に示す要部断面図である。
【図4】同じく工程開始時の様子を模式的に示す要部断面図である。
【図5】同じく次の工程の様子を模式的に示す要部断面図である。
【図6】同じく更に次の工程の様子を模式的に示す要部断面図である。
【図7】同じく更に次の工程の様子を模式的に示す要部断面図である。
【図8】同じく更に次の工程の様子を模式的に示す要部断面図である。
【図9】同じく更に次の工程の様子を模式的に示す要部断面図である。
【図10】同じく更に次の工程の様子を模式的に示す要部断面図である。
【図11】同じく製品仕上げ成形工程の様子を模式的に示す要部断面図である。
【図12】同じく製品の取出工程の様子を模式的に示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1:組込部品
2:突部
3:貫通穴
4:中空体の壁
5:係合部
6:段付き接触面
7:アンダーカット部
8:中空体製品
9a,9b:金型半割体
10:キャビティ
11:組込用支持フレーム
12:組込部品位置決め用可動保持器
13:パリソン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組込部品を内包した熱可塑性プラスチック材料製の中空体を製造する方法であって、成形キャビティを形成する分割構造のブロー成形金型を縦に分割開放して形成される金型開放間隙に可塑化プラスチック材料からなる1つ以上の帯板状又はチューブ状のパリソンを垂下配置すると共に該金型開放間隙内に最終製品に内蔵させるべき少なくとも1つの組込部品を配置してこれらパリソンと組込部品の周りで金型を閉じ、この閉じた金型によって囲まれるキャビティの内部で前記パリソンを製品外形にブロー成形するに際して、成形中又は成形直後に依然として塑性状態にある製品内壁に組込部品を押し付けることにより、該製品内壁の塑性状態のプラスチック材料の一部を組込部品の少なくとも1つの穴から該穴の背後に拡がる空間にまで流入させることを特徴とする組込部品付きプラスチック中空体の製造方法。
【請求項2】
塑性状態にある製品内壁に対する組込部品の押し付けを、残置される補助具を用いることなく実行することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
縦に分割開放された2分割構造のブロー成形金型の各金型半割体の間に帯板状の2つのパリソンを垂下配置し、これとは別に組込部品を組込用支持フレームの内部に配置された位置決め用可動手段に装着して該組込用支持フレームが2つのパリソンの間に位置するように該組込用支持フレームを各金型半割体の間に配置し、その後、まず各金型半割体を2つのパリソンの間に配置されている前記組込用支持フレームに対して閉じてから、前記位置決め用可動手段によって組込部品を前記組込用支持フレームの外方へ向けて押し出すことにより組込部品を依然として塑性状態にある製品内壁に押し付けて該組込部品を該製品内壁に取り付け、しかる後、前記位置決め用可動手段を前記組込用支持フレームの内部へ待避させて該組込用支持フレームを各金型半割体の間から取り出してから各金型半割体を閉じて2つのパリソンを中空体の製品形状に仕上げることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
プラスチック中空体からなり、予め該中空体の製造過程で該中空体に結合された少なくとも1つの組込部品を有する容器において、中空体と組込部品が互いに係合して止着されており、組込部品が中空体の壁(4)との接触面(6)の領域内に少なくとも1つの貫通穴(3)を有し、該壁(4)のプラスチック材料が前記貫通穴を通して該穴の背後に拡がる空間にまで入り込んで係合していることを特徴とする組込部品付きプラスチック容器。
【請求項5】
組込部品が少なくとも1つの突部(2)を有し、この突部の先端面が中空体の壁(4)に食い込んで段付きの接触面(6)を形成していることを特徴とする請求項4に記載のプラスチック容器。
【請求項6】
貫通穴(3)が突部(2)の先端面の接触面(6)を貫通していることを特徴とする請求項5に記載のプラスチック容器。
【請求項7】
接触面(6)が擂り鉢状の凹面に形成されており、該凹面の底に貫通穴(3)が設けられていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のプラスチック容器。
【請求項8】
貫通穴(3)の前記壁(4)とは反対側の端部に背後の空間へ向かって拡がるアンダーカット部分(7)が設けられていることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のプラスチック容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−525893(P2009−525893A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553631(P2008−553631)
【出願日】平成18年12月16日(2006.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/012152
【国際公開番号】WO2007/090453
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(598001467)カウテックス テクストロン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (22)
【Fターム(参考)】