説明

組電池の監視装置

【課題】ヒューズの切断によって、組電池を構成する電池セルの間が電気的に遮断されても、マイコンや電気負荷が利用できる組電池の監視装置を提供する。
【解決手段】ブロックV4の正極側とブロックV5の正極側との間の電圧を検出ユニット20によって検出する。そして、検出された電圧がブロックV5の電圧として想定される電圧から大きくずれることに基づいて、ヒューズ62の切断を検出する。この検出処理の後、ヒューズ62が切断されていると判断された場合、マルチプレクサ42を操作する。これにより、検出ユニット20内の電気経路としてのラインL5、L6、入力スイッチS5、S6及び抵抗体R5、R6を利用してブロックV4の正極側とブロックV5の負極側とを短絡させることで、ヒューズ62を迂回する電気経路を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池セルの直列接続体であって且つ隣接する一対の電池セル間にこれらの間を電気的に遮断するための遮断手段が介在する組電池について、その状態を監視する組電池の監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関に加えてモータジェネレータを備える車両(ハイブリッド車両)が実用化されている。ハイブリッド車両は、内燃機関及びモータジェネレータの少なくとも一方の駆動力により走行し、複数の電池セルの直列接続体としての組電池(高圧バッテリ)を備えている。高圧バッテリは、車両に搭載された電気負荷(例えば、マイクロコンピュータ、ヘッドランプ、各種アクチュエータ等)に電力を供給する低圧バッテリ(鉛蓄電池)や、モータジェネレータの電力供給源となる。また、高圧バッテリには、これを構成する電池セルの間を電気的に遮断する遮断手段(ヒューズ)が接続されている。これにより、高圧バッテリに過大な電流が流れようとする際、ヒューズの溶断によって高圧バッテリが2分され、高圧バッテリを含むループ回路の電気的導通が遮断されることで、高圧バッテリを過電流から保護することができる。
【0003】
ところで、過電流によるヒューズの溶断とは別に、ヒューズの劣化に起因してヒューズが切断されることで、高圧バッテリが2分される事態が生じ得る。ここで、ヒューズの劣化は、例えばヒューズに流れる電流に応じてヒューズが発熱し、熱的な歪みを受けることで生じ得る。ヒューズの切断によって高圧バッテリが2分されると、高圧バッテリが利用できなくなることで、高圧バッテリから低圧バッテリやモータジェネレータへ電力を供給することができなくなるおそれがある。この場合、低圧バッテリのバッテリ上がりが生じることで電気負荷を利用することができなくなったり、モータジェネレータを始動させることができないことで内燃機関を始動できなくなったりするおそれがある。
【0004】
そこで従来は、下記特許文献1に見られるように、ヒューズの寿命を検出し、ヒューズが劣化して切断される前にあらかじめこれを交換することができるようにする技術も提示されている。
【特許文献1】特開2008−193776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
但し、ヒューズが切断される要因としては、上記劣化に限らず、上述したように高圧バッテリに過大な電流が流れることによるものもある。この場合、ヒューズが切断されることで、電気負荷を利用したり内燃機関を始動したりすることができなくなる等、様々な不都合が生じるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、遮断手段によって組電池を構成する電池セルの間が電気的に遮断されたことによる不都合を極力抑制する組電池の監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0008】
請求項1記載の発明は、電池セルの直列接続体であって且つ隣接する一対の電池セル間にこれらの間を電気的に遮断するための遮断手段が介在する組電池について、その状態を監視する組電池の監視装置において、前記組電池を構成する単一の電池セル及び隣接する複数の電池セルのいずれかである単位電池について、該単位電池のそれぞれの両電極間の電圧を検出する電圧検出手段と、前記単位電池のそれぞれの両電極を前記電圧検出手段の入力側に接続する電気経路と、該電気経路を開閉する開閉器と、前記遮断手段により前記隣接する一対の電池セル同士が電気的に遮断されたことを検出する遮断検出手段と、前記遮断検出手段により前記電気的な遮断が検出された場合、前記遮断手段により2分された1又は複数の単位電池同士のうち、一方の単位電池の電極のいずれか1つと、他方の単位電池の電極のいずれか1つとが導通するように前記開閉器を操作する遮断時操作手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
遮断手段によって上記隣接する一対の電池セル同士が電気的に遮断されると、組電池の充電又は放電ができなくなるおそれがある。この点、上記発明では、遮断時操作手段を備えることで、開閉器を操作し、遮断手段を迂回する経路を形成することが可能となる。これにより、遮断手段によって組電池を構成する電池セルの間が電気的に遮断されたことによる不都合を極力抑制することができる。
【0010】
なお、上記遮断手段は、この遮断手段に流れる電流が所定以上となる場合に、上記隣接する一対の電池セルの間を電気的に遮断するもの(例えば、ヒューズ)であることが望ましい。
【0011】
また、上記遮断検出手段は、上記遮断手段に隣接する少なくとも1つ以上の単位電池及び上記遮断手段の直列接続体の両端の電圧に基づき、上記電気的な遮断を検出するのが望ましい。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記隣接する一対の電池セルの電極のうち前記遮断手段側の電極のそれぞれは、前記電気経路を介して短絡可能なものであり、前記遮断時操作手段は、前記遮断手段側の電極同士が導通するように前記開閉器を操作することを特徴とする。
【0013】
上記発明では、遮断手段によって上記隣接する一対の電池セル同士が電気的に遮断された場合、組電池を構成する全ての単位電池の合計電圧を前記組電池の両端子の電極として出力可能なように、遮断手段を迂回する経路に上記全ての単位電池を接続することが可能となる。このため、上記隣接する一対の電池セル同士が電気的に遮断された状況下において組電池を利用するに際し、組電池の電圧を最も大きくすることができる。
【0014】
なお、これに代えて、上記単位電池のそれぞれの異常の有無を判断する異常判断手段を更に備え、上記遮断時操作手段は、上記異常判断手段により異常と判断された単位電池以外の少なくとも1つ以上の単位電池の電圧を前記組電池の両端子の電極として出力可能なように上記開閉器を操作するようにしてもよい。この場合、上記電圧検出手段により検出された単位電池の両電極間の電圧に基づき単位電池の異常の有無を判断するのが望ましい。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記電気経路のうち前記一方の単位電池の電極のいずれか1つと他方の単位電池の電極のいずれか1つとを導通させる電気経路は、それ以外の電気経路よりも電流容量が大きく構成されてなることを特徴とする。
【0016】
単位電池の両電極を電圧検出手段の入力側に接続する電気経路は、単位電池の両電極間の電圧を検出するための電気経路であるため、単位電池同士を接続する電気経路よりも電流容量が小さい経路とされる傾向がある。この点、上記発明では、電気経路のうち遮断手段を迂回する経路の電流容量を、それ以外の電気経路の電流容量よりも大きくすることで、遮断手段を迂回する経路により大きな電流を流すことができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記組電池には、電力変換回路が接続され、前記遮断時操作手段により前記一方の単位電池の電極のいずれか1つと他方の単位電池の電極のいずれか1つとが導通される場合、前記組電池を流れる電流を制限するように前記電力変換回路を操作する手段を更に備えることを特徴とする。
【0018】
上記発明では、電力変換回路(例えば、インバータや降圧コンバータ)が操作されることで、組電池に流れる電流を制限することができる。このため、遮断時操作手段により上記一方の単位電池の電極のいずれか1つと他方の単位電池の電極のいずれか1つとが導通された状況下において、組電池に過大な電流が流れるのを回避することができる。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記組電池は、該組電池の電圧を降圧して低圧用蓄電池に印加する降圧コンバータが接続されるものであることを特徴とする。
【0020】
降圧コンバータを介して組電池からの電力の供給を受ける低圧用蓄電池を備えるシステムでは、遮断手段によって上記隣接する一対の電池セル同士が電気的に遮断された場合、低圧用蓄電池を充電することができなくなるおそれがある。この場合、低圧用蓄電池の蓄電量が減少することで、低圧用蓄電池が利用できなくなり、例えば低圧用蓄電池から電力の供給を受ける車載電気負荷(例えば、マイクロコンピュータ、ヘッドランプ、各種アクチュエータ等)を利用することができなくなるおそれがある。この点、上記発明では、遮断時操作手段を備えることで、上記電気的に遮断された状況下においても、低圧用蓄電池を充電することができる。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記組電池には、電力変換回路を介して回転機が接続され、前記回転機と接続される電力変換回路と前記組電池とを電気的に導通又は遮断する導通遮断手段と、前記遮断時操作手段により前記一方の単位電池の電極のいずれか1つと他方の単位電池の電極のいずれか1つとが導通される場合、前記回転機の発電に起因して前記組電池に流れる電流が所定以上になることに基づき、前記回転機と接続される電力変換回路と前記組電池とが電気的に遮断されるように前記導通遮断手段を操作する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0022】
回転機の発電量が過度に大きくなる場合、組電池に流れる電流が過度に大きくなるおそれがある。この点、上記発明では、回転機の発電に起因して組電池に流れる電流が所定以上になることに基づき、回転機と接続される電力変換回路と組電池とを電気的に遮断することができる。これにより、遮断時操作手段により上記一方の単位電池の電極のいずれか1つと他方の単位電池の電極のいずれか1つとが導通された状況下において、回転機の発電に起因して組電池に過大な電流が流れるのを回避することができる。
【0023】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記電圧検出手段は、フライングキャパシタと、該フライングキャパシタの両端の電圧を検出する電圧検出回路とを備えて構成されてなることを特徴とする。
【0024】
上記発明では、フライングキャパシタとこのフライングキャパシタの両端の電圧を検出する電圧検出回路とを備えて構成されてなる電圧検出手段を有する組電池の監視装置において、遮断手段を迂回する経路を形成すべくこの装置に備えられる電気経路を利用することができる。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記電圧検出手段は、前記単位電池のそれぞれの電圧を分圧する抵抗分圧回路を備えて構成されてなることを特徴とする。
【0026】
上記発明では、単位電池のそれぞれの電圧を分圧する抵抗分圧回路を備えて構成されてなる電圧検出手段を有する組電池の監視装置において、遮断手段を迂回する経路を形成すべくこの装置に備えられる電気経路を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる組電池の監視装置をハイブリッド車両に搭載された高圧バッテリを備えるシステムに適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。
【0029】
図示されるように、高圧バッテリ10は、例えばニッケル水素2次電池等の電池セルの直列接続体として構成される組電池である。上記電池セルは、互いに隣接するN(≧2)個ずつの電池セルを単位とする8個のブロックV1〜V8に分割されている。
【0030】
高圧バッテリ10を構成するこれら各ブロックV1〜V8の両電極間の電圧は、検出ユニット20によって検出される。
【0031】
検出ユニット20は、コネクタCi(i=1〜10)を備え、ブロックV1〜V8のそれぞれの電圧を取り込む。詳しくは、コネクタCi(i=1〜4)によって、ブロックVi(i=1〜4)の負極の電圧を取り込むとともに、コネクタC(i+1)によって各ブロックViの正極の電圧を取り込む。一方、コネクタC(i+1)(i=5〜8)によって、各ブロックVi(i=5〜8)の負極の電圧を取り込むとともに、コネクタC(i+2)によって各ブロックViの正極の電圧を取り込む。
【0032】
コネクタC1〜C10のそれぞれは、10本のラインL1〜L10にそれぞれ電気的に接続されている。10本のラインL1〜L10のそれぞれには、抵抗体R1〜R10がそれぞれ設けられている。
【0033】
これら10本のラインL1〜L10は、マルチプレクサ42を介して3本の入力ラインIN1〜IN3に割り振られている。詳しくは、マルチプレクサ42は、各ラインL1〜L10に対応した例えばSSR(Solid State Relay)等からなる10個の入力スイッチS1〜S10を備えている。そして、10本のラインL1〜L10は、入力スイッチS1〜S10を介して、入力ラインIN1〜IN3に割り振られている。ここで、入力ラインIN1には、ラインL1、L5、L6及びラインL10が接続され、入力ラインIN2には、ラインL2、L4、L7及びラインL9が接続されている。また、入力ラインIN3には、ラインL3及びラインL8が接続されている。
【0034】
入力ラインIN1〜IN3には、検出回路DCが接続されている。詳しくは、入力ラインIN1及び入力ラインIN2間とラインIN2及びラインIN3間とには、検出回路DCの備えるフライングキャパシタ44、46がそれぞれ接続されている。
【0035】
上記フライングキャパシタ44、46の両電極は、例えばSSR等からなる出力スイッチSa〜Scを介して差動増幅回路A,Bの入力端子T1〜T4と接続されている。すなわち、フライングキャパシタ44の入力ラインIN1側の電極は、出力スイッチSaを介して差動増幅回路Aの入力端子T1と接続されており、フライングキャパシタ44、46の入力ラインIN2側の電極は、出力スイッチSbを介して差動増幅回路Aの入力端子T2及び差動増幅回路Bの入力端子T3と接続されている。また、フライングキャパシタ46の入力ラインIN3側の電極は、出力スイッチScを介して差動増幅回路Bの入力端子T4と接続されている。ここで、差動増幅回路Aの入力端子T2と差動増幅回路Bの入力端子T3とは短絡されている。
【0036】
差動増幅回路A,Bの出力は、A/D変換器40に取り込まれる。A/D変換器40は、差動増幅回路A,Bの出力するアナログデータをディジタルデータに変換し、このデータをマイクロコンピュータ(以下、マイコン30)に出力する。
【0037】
マイコン30は、上記入力スイッチSW1〜SW10や出力スイッチSa〜Scを操作することで、差動増幅回路A,Bを介して高圧バッテリ10を構成するブロックV1〜V8のそれぞれの両電極間の電圧を検出する。詳しくは、まず、検出対象となる互いに隣接する2つのブロックについて、これらのブロックの両電極にそれぞれ接続されるラインに対応した入力スイッチをオン操作することで、上記互いに隣接する2つのブロックにてフライングキャパシタ44,46を充電する。次に、上記入力スイッチをオフ操作して、出力スイッチSa〜Scをオン操作することで、差動増幅回路A,Bによって電圧を検出する。例えば、ブロックV1、V2の電圧を検出する場合、まず、入力スイッチS1〜S3をオン操作することで、ブロックV1にてフライングキャパシタ44を充電し,ブロックV2にてフライングキャパシタ46を充電する。次に、上記入力スイッチS1〜S3をオフ操作して、出力スイッチSa〜Scをオン操作することで、ブロックV1、V2のそれぞれの電圧を差動増幅回路A,Bのそれぞれによって検出する。
【0038】
マイコン30は、更に、高圧バッテリ10を流れる電流を検出する電流センサ48の検出値を取り込むことで、その充電電流や放電電流を把握する。
【0039】
高圧バッテリ10には、このバッテリの両電極側にそれぞれ設けられるシステムメインリレー50a、50bを介してDC−DCコンバータ52やインバータ54が接続されている。DC−DCコンバータ52は、高圧バッテリ10の電圧(例えば「288V」)を降圧することで得られる低電圧(例えば「12V」)の出力電圧を低圧バッテリ56に印加することで、このバッテリを充電するものである。低圧バッテリ56は、例えば鉛蓄電池等の2次電池であり、接地電位を基準としつつ、例えば、車両が故障した旨を通報する緊急通報システムや、図示しないヘッドランプ及び各種アクチュエータ等の電気負荷58、マイコン30等の電力供給源となるものである。
【0040】
上記インバータ54は、モータジェネレータ60に接続され、モータジェネレータ60と高圧バッテリ10との間の電力の授受を仲介する。モータジェネレータ60は、インバータ54を介して高圧バッテリ10から電力が供給されると電動機として機能することで車両の駆動力を発生する。一方、車両の減速時や制動時には、発電機として機能することで車両の制動エネルギを電力に変換するいわゆる回生を行う。そして、この電力が高圧バッテリ10に供給されることで、高圧バッテリ10が充電される。
【0041】
高圧バッテリ10において、その中央部であるブロックV4の正極側とブロックV5の負極側との間には、ヒューズ62とサービスプラグ64とが直列に接続されている。ここで、ヒューズ62は、高圧バッテリ10を過電流から保護するために設けられるものである。すなわち、高圧バッテリ10に過大な電流が流れようとする際、ヒューズ62の切断によって高圧バッテリ10が2分される。また、サービスプラグ64は、これに隣接するブロックV4とブロックV5との間を導通又は遮断状態とする機能を有するプラグである。ちなみに、サービスプラグ64は、これを開状態とすることで、高圧バッテリ10を2分することができ、例えばメンテナンス時等において作業の安全性を高めるために設けられるものである。
【0042】
ところで、ヒューズ62が劣化したり、高圧バッテリ10に過大な電流が流れたりすることで、ヒューズ62が切断される事態が生じ得る。ここで、過大な電流が流れる場合としては、例えば、インバータ54内において直列接続された一対のスイッチング素子のいずれか一方が短絡故障して且つ他方が閉状態とされることで、高圧バッテリ10の正極と負極とが一時的に短絡される場合が考えられる。また、例えば、車両の減速時や制動時において、モータジェネレータ60の回転速度が一時的に上昇することで発電量が過度に大きくなる場合も考えられる。
【0043】
このようにヒューズ62が切断されると、様々な不都合が生じるおそれがある。すなわち、ヒューズ62の切断によって高圧バッテリ10が2分されると、高圧バッテリ10が利用できなくなることで、高圧バッテリ10から低圧バッテリ56やモータジェネレータ60へ電力を供給できなくなるおそれがある。この場合、低圧バッテリ56のバッテリ上がりが生じることで、マイコン30や電気負荷58を利用することなどができなくなるおそれがある。
【0044】
そこで、本実施形態では、ヒューズ62の切断が生じた場合であっても、検出ユニット20内に備えられる電気経路を利用し、ヒューズ62を迂回する電気経路(迂回経路)を形成することで、高圧バッテリ10及びDC−DCコンバータ52を含む閉ループ回路を形成し、高圧バッテリ10を極力利用可能な状態にする。
【0045】
図2に、本実施形態にかかる迂回経路の形成処理の手順を示す。この処理は、マイコン30によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0046】
この一連の処理では、まずステップS10において、ヒューズ62の切断を検出する処理を行う。ここで、本実施形態では、高圧バッテリ10を構成する各ブロックV1〜V8のうち、ヒューズ62及びこれに隣接する1つのブロックの直列接続体の両端の電圧を検出ユニット20によって検出し、検出された電圧に基づいてヒューズ62の切断を検出する。これは、ヒューズ62が切断されている場合、ヒューズ62とこれに隣接する1つのブロックとの間には電流が流れず、上記検出された電圧が上記隣接するブロックの電圧として想定される電圧から大きくずれることに基づくものである。具体的には例えば、先の図1において、ブロックV4の正極側とブロックV5の正極側との間の電圧に基づいてヒューズ62の切断を検出すればよい。
【0047】
続くステップS12では、ヒューズ62の切断が検出されたか否かを判断する。ステップS12においてヒューズ62の切断が検出されたと判断された場合には、ステップS14に進み、迂回経路の形成処理を行う。詳しくは、ヒューズ62の切断によってブロックV4とブロックV5との間が遮断された場合、図3に示す態様にて、検出ユニット20内の電気経路を利用して迂回経路を形成すべくマルチプレクサ42を操作する。すなわち、ブロックV4の正極側とブロックV5の負極側とを短絡させることで迂回経路を形成すべく、入力スイッチS5、S6をオン操作し、これ以外の入力スイッチをオフ操作する。これにより、検出ユニット20内の電気経路であるラインL5、L6、入力スイッチS5、S6及び抵抗体R5、R6を介してブロックV4の正極側とブロックV5の負極側とが短絡される。この結果、高圧バッテリ10及びDC−DCコンバータ52を含むループ回路が閉ループ化されることで、高圧バッテリ10を利用することができ、ひいては低圧バッテリ56を充電することでマイコン30や電気負荷58を利用することなどができる。
【0048】
特に、本実施形態では、上記ループ回路に高圧バッテリ10を構成する全てのブロックV1〜V8を含ませることができるため、高圧バッテリ10の電圧や容量を最大にすることができる。このため、例えば、DC−DCコンバータ52を介して低圧バッテリ56に供給する電流をより大きなものにしたり、この電流の供給時間をより長くしたりすることができる。
【0049】
図2の説明に戻り、続くステップS16では、高圧バッテリ10及びDC−DCコンバータ52を含むループ回路に流れる電流を制限する処理を行う。この処理は、迂回経路としての検出ユニット20内の電気経路に過大な電流が流れるのを回避するためのものである。すなわち、検出ユニット20内の電気経路は、高圧バッテリ10を構成する各ブロックV1〜V8の電圧を検出するための経路であるため、各ブロックV1〜V8同士を接続する電気経路と比較すると、その電気経路の断面積が小さい等、電流容量が小さいものとなっている。このため、通常時と同様の電流を流したのでは、この電気経路が損傷するおそれがある。そこで、DC−DCコンバータ52を操作することで、上記電気経路に流れる電流を通常時よりも制限する。なお、検出ユニット20内の電気経路に流れる電流を制限する上限値は、検出ユニット20内の電気経路の電流容量等に基づいてあらかじめ設定される。
【0050】
続くステップS18〜S22では、モータジェネレータ60の発電に起因して迂回経路に流れる電流が過度に大きくなる場合、システムメインリレー50a、50bを開状態とする処理を行う。この処理は、モータジェネレータ60の回生時において、モータジェネレータ60の回転速度が上昇することで発電量が過度に大きくなり、迂回経路に過大な電流が流れることによってこの迂回経路が損傷するのを回避するためのものである。詳しくは、ステップS18において、電流センサ48の検出値が所定の閾値α以上であるか否かを判断する。ここで、所定の閾値αは、検出ユニット20内の電気経路の電流容量等に基づいてあらかじめ設定される。ステップS18において、電流センサ48の検出値が所定の閾値α以上であると判断された場合には、ステップS20に進み、システムメインリレー50a、50bを開状態とする。一方、上記ステップS18において否定判断された場合には、システムメインリレー50a、50bを閉状態とする。
【0051】
なお、上記ステップS12で否定判断された場合や、ステップS20、S22の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
【0052】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0053】
(1)ヒューズ62の切断が検出された場合、ブロックV4の正極側とブロックV5の負極側とを短絡させるようにマルチプレクサ42を操作することで、検出ユニット20内の電気経路を利用して迂回経路を形成した。これにより、ヒューズ62が切断された場合であっても、高圧バッテリ10の電圧やバッテリ容量を最大にして利用することができ、ひいては低圧バッテリ56を充電させることでマイコン30や電気負荷58を利用したりすることなどができる。
【0054】
(2)検出ユニット20内にあらかじめ備えられる電気経路であるラインL5、L6、入力スイッチS5、S6及び抵抗体R5、R6を利用して迂回経路を形成した。これにより、部品点数を増大させることなくヒューズ62切断時における迂回経路を形成することができ、ひいてはコストの増大を抑制することができる。
【0055】
(3)ヒューズ62の切断が検出された場合、検出ユニット20内の迂回経路に流れる電流を通常時よりも制限するようにDC−DCコンバータ52を操作した。これにより、迂回経路に過大な電流が流れるのを回避することができ、ひいては検出ユニット20を保護することができる。
【0056】
(4)電流センサ48の検出値が所定の閾値α以上であると判断された場合、システムメインリレー50a、50bを開状態とした。これにより、回生エネルギをDC−DCコンバータ52に供給しつつも迂回経路に過大な電流が流れるのを回避することができ、ひいては検出ユニット20を保護することができる。
【0057】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0058】
上記第1の実施形態では、ヒューズ62が切断された状況下において迂回経路を形成する場合、ブロックV4の正極側とブロックV5の負極側とを短絡させた。これは、上述したように、利用可能な高圧バッテリ10の電圧や容量を最大にすることができるというメリットがある。しかし、ヒューズ62が切断されるとともに、何らかの原因で高圧バッテリ10を構成する各ブロックV1〜V8のいずれかに異常が生じた場合は、ブロックV4の正極側とブロックV5の負極側とを短絡させても、高圧バッテリ10が2分されたままでこれを利用することができなくなるおそれがある。
【0059】
そこで、本実施形態では、ヒューズ62が切断されるとともに高圧バッテリ10を構成する各ブロックV1〜V8のいずれかに異常が生じた場合、異常が生じたブロックを含まないように検出ユニット20内の電気経路を利用して迂回経路を形成する。
【0060】
図4に、本実施形態にかかる検出ユニット20内の電気経路を利用した迂回経路を示す。なお、図4において、先の図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を示している。
【0061】
図4には、何らかの原因でブロックV7に異常が生じた場合を例示している。ここで、各ブロックの異常の有無は、検出ユニット20によって検出される各ブロックの両電極間の電圧に基づいて判断すればよい。
【0062】
ブロックV7の異常が検出された場合、ヒューズ62及びブロックV7を迂回する電気経路であって且つフライングキャパシタ44、46を介在させない電気経路を形成する。これは、マルチプレクサ42を操作し、ブロックV4の正極側とブロックV8の負極側とを短絡させることで実現することができる。詳しくは、検出ユニット20内の電気経路としてのラインL5、L10、入力スイッチS5、S10及び抵抗体R5、R10を利用し、ブロックV4の正極側とブロックV8の負極側とを短絡させることで実現することができる。
【0063】
このように、本実施形態では、ヒューズ62が切断された状況下、高圧バッテリ10を利用可能な状態とすべく形成される迂回経路の選択の自由度を高めることができる。
【0064】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0065】
図5に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図5において、先の図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を示している。
【0066】
図示されるように、本実施形態にかかる検出回路DCは、入力ラインINAに対する入力ラインINB〜INEの電位差のアナログ値をディジタルデータに変換するA/D変換器40を備え、A/D変換器40の入力可能電圧よりも大きい電圧値を有する高圧バッテリ10の電圧を検出すべく、抵抗分圧を行う抵抗分圧回路である。
【0067】
すなわち、検出ユニット20内のラインL2〜L5の電圧は、入力スイッチS2〜S5がオン操作されることで抵抗体R2〜R5及び抵抗体r1〜r4によって分圧され、入力ラインINB〜INEに印加される。また、ラインL7〜L10の電圧は、入力スイッチS7〜S10がオン操作されることで抵抗体R7〜R10及び抵抗体r1〜r4によって分圧され、入力ラインINB〜INEに印加される。これら入力ラインINB〜INEの電圧の検出値は、A/D変換器40にてディジタルデータに変換された後、フォトカプラ等から構成される絶縁手段66を介してマイコン30に出力される。マイコン30では、これらディジタル化された分圧値に基づいてラインL2〜L5、L6〜L10の電圧を算出し、これら電圧のうち隣接する一対の値同士の差をとることで、各ブロックV1〜V8の電圧を算出する。
【0068】
このような検出ユニット20を備えるシステムにおいて、ヒューズ62の切断が生じた場合、この検出ユニット20内の電気経路を利用して迂回経路を形成する。ちなみに、ヒューズ62の切断の検出は、上記第1の実施形態と同様に、高圧バッテリ10を構成する各ブロックV1〜V8のうち、ヒューズ62及びこれに隣接する1つのブロックの直列接続体の両端の電圧を検出ユニット20によって検出し、検出された電圧が上記隣接するブロックの電圧として想定される電圧から大きくずれることに基づいてヒューズ62の切断を検出すればよい。具体的には例えば、ブロックV4の正極側とブロックV5の正極側との間の電圧に基づいてヒューズ62の切断を検出すればよい。
【0069】
図6に、本実施形態にかかる検出ユニット20内の電気経路を利用した迂回経路を示す。なお、図6において、先の図5に示した部材と同一の部材については、便宜上同一の符号を示している。
【0070】
ヒューズ62の切断が検出された場合、ヒューズ62を迂回する電気経路であって且つ迂回経路での電力損失を極力抑制すべく抵抗体を極力介在させない電気経路を形成する。こうした経路として図6では、ブロックV4の正極側とブロックV10の正極側とを短絡させる例を示した。詳しくは、入力スイッチS5、S10をオン操作し、これ以外の入力スイッチをオフ操作することで、検出ユニット20内の電気経路としてのラインL5、L10、入力スイッチS5、S10及び抵抗体R5、R10を利用し、ブロックV4の正極側とブロックV10の負極側とを短絡させることで、迂回経路を形成する。
【0071】
このように、本実施形態では、抵抗分圧回路を有する検出ユニット20について、ヒューズ62が切断された場合であっても、この検出ユニット20内にあらかじめ備えられた電気経路を利用することで迂回経路を形成することができ、ひいては高圧バッテリ10を利用可能な状態にすることができる。
【0072】
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0073】
図7に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図7において、先の図1に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を示している。
【0074】
本実施形態では、先の図1に示した構成において、検出ユニット20内の電気経路のうち、迂回経路として利用する電気経路の電流容量を、それ以外の電気経路の電流容量よりも大きくする。
【0075】
図中、太線で示す検出ユニット20内の電気経路としてのラインL5、L6、入力スイッチS5、S6及び抵抗体R5、R6の電流容量を、それ以外の電気経路としてのライン、入力スイッチ及び抵抗体の電流容量よりも大きくしている。これにより、本実施形態では、ヒューズ62が切断された場合に形成される迂回経路により大きな電流を流すことができる。
【0076】
特に上記電流容量の設定によっては、車載補機類の電源である低圧バッテリ56への電力供給のためのみならず、主機であるモータジェネレータ60を駆動することも可能となる。このため、例えば本実施形態のハイブリッド車を、パラレルハイブリッド車やパラレルシリーズハイブリッド車とする場合、モータジェネレータ60及び内燃機関が停止した状態にあっても、モータジェネレータ60によって内燃機関を始動させることができるため、車両を走行させることが可能となり、退避走行が可能となる。
【0077】
なお、この場合であっても、迂回経路の電流容量が、高圧バッテリ10及びインバータ54間を接続する電気経路の電流容量よりも小さいときには、モータジェネレータ60を駆動するに際し、迂回経路に流れる電流を通常時よりも制限するようにインバータ54を操作するのが望ましい。
【0078】
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0079】
・第1の実施形態では、モータジェネレータ60の発電量が過度に大きくなる場合、システムメインリレー50a、50bを開状態とすることで、迂回経路に過大な電流が流れるのを回避したがこれに限らない。例えば、DC−DCコンバータ52とインバータ54との間にこれらの間の電気的な接続を導通又は遮断する開閉器(リレー)を設け、開閉器を開状態とすることで、迂回経路に過大な電流が流れるのを回避してもよい。
【0080】
・第3の実施形態では、入力スイッチS5、S10をオン操作し、これ以外の入力スイッチをオフ操作することで、検出ユニット20内の電気経路としてのラインL5、L10、入力スイッチS5、S10及び抵抗体R5、R10を利用し、ブロックV4の正極側とブロックV10の正極側とを短絡させることで迂回経路を形成したがこれに限らない。例えば、入力スイッチS5、S6をオン操作し、これ以外の入力スイッチをオフ操作することで、検出ユニット20内の電気経路としてのラインL5、L6、入力スイッチS5、S6、抵抗体R5、R16及びラインINAや分圧抵抗体r4を利用し、ブロックV4の正極側とブロックV5の負極側とを短絡させることで迂回経路を形成してもよい。
【0081】
・第4の実施形態では、検出ユニット20内の電気経路としてのラインL5、L6、入力スイッチS5、S6及び抵抗体R5、R6の電流容量を、それ以外の電気経路としてのライン、入力スイッチ及び抵抗体の電流容量よりも大きくしたがこれに限らない。例えば複数の電気経路の電流容量を大きくしてもよい。
【0082】
・ヒューズ62の切断を検出する手法としては、上記各実施形態に示したものに限らず、例えば、システムメインリレー50a、50bが開状態とされている場合においては、ブロックV4の正極側とブロックV5の正極側との間の電圧がブロックV5の電圧として想定し得ない低電圧(略0)であることに基づいて検出してもよい。
【0083】
・上記各実施形態において、高圧バッテリ10を構成する各ブロックのうちブロックV4とブロックV5との間を電気的に遮断するための遮断手段としてヒューズ62を用いたがこれに限らない。例えば、リレーを用いてもよい。この場合、電流センサ48で検出される電流が所定以上となるときに、電子制御によりリレーが開状態とされるのが望ましい。
【0084】
・車両としてはハイブリッド車に限らず、電気自動車であってもよい。この場合であっても、車載制御装置や補機類からなる車載制御システムの電源である低圧バッテリ56の電力供給源は、高圧バッテリ10である。このため、ヒューズ62が切断された状況下、高圧バッテリ10が利用できなくなることによって上述した不都合が生じる事情は電気自動車においても同様であることから、本発明の適用は有効である。特に、ハイブリッド車においては、内燃機関が駆動しているときにヒューズ62の切断が生じる場合、内燃機関の動力によって走行したり、この動力によってモータジェネレータ60に発電させることで電気負荷58へ電力を供給したりし得る一方、電気自動車においては、内燃機関のような動力供給源が存在しない。このため、電気自動車においては、本発明の適用が特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1の実施形態にかかるシステム構成図。
【図2】同実施形態にかかるヒューズ切断時における処理の手順を示すフローチャート。
【図3】同実施形態にかかる迂回経路を示す図。
【図4】第2の実施形態にかかる迂回経路を示す図。
【図5】第3の実施形態にかかるシステム構成図。
【図6】同実施形態にかかる迂回経路を示す図。
【図7】第4の実施形態にかかるシステム構成図。
【符号の説明】
【0086】
10…高圧バッテリ、30…マイコン(組電池の監視装置の一実施形態)、42…マルチプレクサ、44、46…フライングキャパシタ、52…DC−DCコンバータ、54…インバータ、56…低圧バッテリ、60…モータジェネレータ、62…ヒューズ、V1〜V8…ブロック、DC…検出回路、L1〜L10…ライン、R1〜R10…抵抗体、r1〜r4…抵抗体、IN1〜IN3…ライン、INA〜INE…ライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルの直列接続体であって且つ隣接する一対の電池セル間にこれらの間を電気的に遮断するための遮断手段が介在する組電池について、その状態を監視する組電池の監視装置において、
前記組電池を構成する単一の電池セル及び隣接する複数の電池セルのいずれかである単位電池について、該単位電池のそれぞれの両電極間の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記単位電池のそれぞれの両電極を前記電圧検出手段の入力側に接続する電気経路と、
該電気経路を開閉する開閉器と、
前記遮断手段により前記隣接する一対の電池セル同士が電気的に遮断されたことを検出する遮断検出手段と、
前記遮断検出手段により前記電気的な遮断が検出された場合、前記遮断手段により2分された1又は複数の単位電池同士のうち、一方の単位電池の電極のいずれか1つと、他方の単位電池の電極のいずれか1つとが導通するように前記開閉器を操作する遮断時操作手段とを備えることを特徴とする組電池の監視装置。
【請求項2】
前記隣接する一対の電池セルの電極のうち前記遮断手段側の電極のそれぞれは、前記電気経路を介して短絡可能なものであり、
前記遮断時操作手段は、前記遮断手段側の電極同士が導通するように前記開閉器を操作することを特徴とする請求項1記載の組電池の監視装置。
【請求項3】
前記電気経路のうち前記一方の単位電池の電極のいずれか1つと他方の単位電池の電極のいずれか1つとを導通させる電気経路は、それ以外の電気経路よりも電流容量が大きく構成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の組電池の監視装置。
【請求項4】
前記組電池には、電力変換回路が接続され、
前記遮断時操作手段により前記一方の単位電池の電極のいずれか1つと他方の単位電池の電極のいずれか1つとが導通される場合、前記組電池を流れる電流を制限するように前記電力変換回路を操作する手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組電池の監視装置。
【請求項5】
前記組電池は、該組電池の電圧を降圧して低圧用蓄電池に印加する降圧コンバータが接続されるものであることを特徴とする請求項1〜4記載の組電池の監視装置。
【請求項6】
前記組電池には、電力変換回路を介して回転機が接続され、
前記回転機と接続される電力変換回路と前記組電池とを電気的に導通又は遮断する導通遮断手段と、
前記遮断時操作手段により前記一方の単位電池の電極のいずれか1つと他方の単位電池の電極のいずれか1つとが導通される場合、前記回転機の発電に起因して前記組電池に流れる電流が所定以上になることに基づき、前記回転機と接続される電力変換回路と前記組電池とが電気的に遮断されるように前記導通遮断手段を操作する手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組電池の監視装置。
【請求項7】
前記電圧検出手段は、フライングキャパシタと、該フライングキャパシタの両端の電圧を検出する電圧検出回路とを備えて構成されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の組電池の監視装置。
【請求項8】
前記電圧検出手段は、前記単位電池のそれぞれの電圧を分圧する抵抗分圧回路を備えて構成されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の組電池の監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−146773(P2010−146773A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320187(P2008−320187)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】