説明

経皮的ワーファリン−含有送達システム

体表又は膜をとおる透過によりワーファリンを投与するための、体表又は膜に対する適用のための物質の組成物、ここで当該組成物は、単独で又は透過促進剤又は混合物と組み合わせて治療的に有効な速度で投与されるワーファリンを含んでなる。更にワーファリン又はワーファリン及び促進剤の組成物を含む薬剤送達装置並びにワーファリン及びワーファリン/促進剤組成物の経皮的投与の方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血栓塞栓障害の予防及び処置のためのワーファリンの安全で有効な経皮的投与に関する。更にとりわけ、本発明は長期間にわたり体表又は膜をとおり被験者にワーファリンを投与するための新規の方法、組成物及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワーファリン、3−((アルファ)−アセトニルベンジル)−4−ヒドロキシクマリンは血液が凝固することを妨げる血液希釈剤及び/又は抗血栓剤としての有用性を示してきた抗凝固剤である。ワーファリンは、死亡の危険性、再発心筋梗塞及び、心筋梗塞後の発作又は全身塞栓のような血栓塞栓事象を減少させるための、深部静脈血栓症(DVT)及び肺塞栓症を含む静脈血栓塞栓症(VE)の予防及び/又は処置、心房細動及び/又は心臓弁置換術心房細動に伴なう血栓塞栓合併症の予防及び/又は処置のための規制当局の許可を与えられてきた。(例えば、Physicians Desk Reference(医師の机上参考書),第56版、2002、1243−1248ページを参照されたい)。
【0003】
ワーファリンは比較的狭い治療インデックス(2〜4の国際標準比(INR))を有する強力な抗凝固剤である。強力であることは、比較的低い血中濃度の薬剤が所望の効果をもたらすのに十分であることを意味する。狭い治療的インデックスを有することは治療的効果が狭い濃度範囲のみにわたって得られ、ワーファリンの場合は、その範囲未満又はそれを超えた濃度では重篤なそして潜在的な致死的副作用を伴なうことを意味する。ワーファリンによる抗凝血治療に伴なうもっとも重篤な危険は、あらゆる組織又は器官中の出血並びに死亡又は恒久的障害をもたらす可能性のある皮膚及び他の組織の壊死及び/又は壊疽である。
【0004】
ワーファリンの使用は更に所望の抗凝血効果の開始の前の数日の遅れにより複雑である。ワーファリンは安全で有効な使用を難題にさせる複雑な用量反応相関を有する。各患者の処置は著しく個別的な事項である。一旦治療が開始されると、低投与と過剰投与間の均衡をうまくとるために注意深い監視が必要である。大部分の適用のためには、投与量はプロトロンビン時間(PT)、国際標準比(INR)又は他の適切な凝固試験の定期的決定値により制御される。ワーファリンに反応する各患者に応じたばらつきに加えて、特徴物のこの組み合わせがワーファリンの投与における高度な(extreme)注意を必要とする。
【0005】
最近まで、抗凝固剤治療に伴なう高い危険性のための再発性静脈血栓塞栓症の予防又は処置の長期の管理においてはどんな治療剤も有効ではなかった。最近の研究(PREVENT)は、大出血又はワーファリンの他の可能な副作用のような患者に対する重篤な副作用を伴なわずに、深部静脈血栓症(DVT)及び肺塞栓症を含む静脈血栓塞栓症(VTE)の長期予防のための低用量経口ワーファリン治療の使用を有効に示した(非特許文献1参照)。
【0006】
ワーファリンの経口投与からなる既存の治療は幾つかの欠点を有する。例えば、頻繁な定期的投与は血中濃度(Cpeak〜4時間)にピークと谷をもたらし、通常これらの血中濃度の揺れに標準誤差が伴なう。更に、個体のコンプライアンスの欠如及び処置計画に対する不適当な固守が処方された用量より下又は上のワーファリン濃度をもたらし、それが重大な、そして潜在的な致死的副作用をもたらすと考えられる。従って血栓塞栓障害の、改善された、そして有効な予防及び処置の必要が存在する。
【0007】
ワーファリンの経皮的投与は幾つかの利点を与える。ワーファリンの頻繁な定期的投与からもたらされる血中濃度のピークと谷が排除され、実質的に一定の血漿濃度をもたらすと考えられる。これは個体のコンプライアンスを改善するのみならずまた、期間投与に伴なう高度の副作用と無効な血中濃度の交互の期間を排除すると考えられる。血流中へ直接に皮膚をとおって薬剤を投与することは更に、経口投与されるワーファリンの初回通過代謝を排除すると考えられる。しかし、大量のワーファリンの経皮的投与は、許容できない皮膚刺激及び感作をもたらすと考えられる。
【0008】
以前に記載された経皮的システムは前記の課題に対応してワーファリンを投与するために開発された。例えば、特許文献1は疎水性感圧性接着剤の水性分散物中に溶解された疎水性薬剤の親水性塩を含有する経皮的システムを開示している(特許文献1参照)。ある程度の成功にもかかわらず、以前に記載のシステムは低投与量ワーファリンの経皮的投与に対して全く満足というわけにはいかなかった。抗凝固剤治療に伴なう高いリスクのため低投与量ワーファリンの経皮的投与が、再発性静脈血栓塞栓症の予防又は処置の長期管理のための有効な治療計画を提供する。低用量のワーファリンを投与することができる経皮的装置は7日までの、好ましくは、約3日〜約7日の期間、血中の定常状態のワーファリン濃度を維持することにより改善された治療をもたらすと考えられる。
【特許文献1】米国特許第6,365,178号明細書
【非特許文献1】Ridker等、The New England Journal of Medicine(NEJM),348(15),ページ1425−1434
【発明の開示】
【0009】
本発明は血栓塞栓障害の予防及び処置のための低用量ワーファリンの安全で有効な経皮的投与を提供する。本発明はとりわけ、長期間にわたり体表又は膜をとおして被験者に少量のワーファリンを投与するための新規の方法、組成物及び装置を提供する。好ましい態様において、ワーファリンは非塩形態で、好ましくは、非イオン化塩基形態で存在する。ワーファリンの非塩形態は、それがイオン化形態より更に容易にヒトの皮膚に透過することが期待されるために好ましい。ワーファリン(好ましくは、非イオン化ワーファリン)はとりわけ疎水性接着剤中に分散/溶解され、そこでワーファリンは疎水性接着剤中に著しく可溶性である。本発明の経皮的ワーファリンシステムはそこでワーファリンが飽和濃度以下で存在するので、結晶を含まない。
【0010】
本発明によれば、ワーファリンが、低い副作用発生率及び改善された個体のコンプライアンスを伴なって、抗凝固剤治療に伴なう高いリスクのための再発静脈血栓塞栓症の長期の予防及び/又はその処置の管理のための有効な治療計画を提供するために、低用量で経皮的に安全で有効に投与され得ることが発見された。更に、改善されたコンプライアンス及び実質的に一定の血漿濃度が少ないコンプライアンスをもたらし、モニター実施の頻度を減少し、従って治療の費用効率を改善すると考えられる。
【0011】
更に、本発明は、好ましくは、長期の治療のための個体におけるワーファリンの治療血漿レベルを達成し、そして維持するために、体表又は膜を連続的にとおる低用量ワーファリンの投与に適する、低用量ワーファリンの経皮的送達法及びその実施のための送達システムを提供する。本発明の特に有利なアスペクトは、長期間にわたり個体中にワーファリンの実質的に一定な血漿レベルを維持する能力である。
【0012】
本発明の前記の及びその他の物体(objects)、特徴物及び利点は、図面に関連した以下の詳細な説明を読むと、より容易に理解されるであろう。
概説及び定義
本発明は血栓塞栓障害の予防及び処置のための低用量ワーファリンの安全で有効な経皮
投与に関する。本発明はとりわけ長期間にわたり、体表又は膜をとおして被験者に低用量ワーファリンを投与するための新規の方法、組成物及び装置を提供する。
【0013】
本発明の実施は、別記されない限り、当業者間の製薬学的製品開発に携る当業者により使用される通常の方法を使用するであろう。このような技術は文献に詳細に説明されている。本明細書に言及されるすべての特許、特許出願書及び刊行物は、前記、後記にかかわらず、それらの全体を引用により本明細書に取り入れられている。
【0014】
本発明を説明し、請求する際に、以下の用語は以下に示される定義に従って使用されるであろう。
【0015】
単数形態の「a」、「an」および「the」は文脈が明白に別記しない限り、複数の指示物を含む。従って、例えば「a solvent」に対する言及は単数の溶媒並びに2種以上の異なる溶媒の混合物を含み、「a salt」に対する言及は1種の塩並びに組み合わせた2種以上の異なる塩を含み、「a polymer」に対する言及は1種のポリマー並びに2種以上の異なるポリマーの混合物を含む、等である。
【0016】
本明細書で使用される「経皮的」の用語は皮膚及び粘膜をとおる投与、すなわち全身循環中への無傷の破損されない皮膚又は粘膜組織をとおるワーファリンの通過を表わす。
【0017】
本明細書で使用される「ワーファリン」の用語はワーファリンの基礎形態(basic
form)のみならずまた、ワーファリンの製薬学的に許容できる塩形態を表わす。
【0018】
本明細書で使用される「塩」の用語はそれに限定はされないが、ナトリウム、カリウム等のような製薬学的に許容できる塩を表わす。
【0019】
本明細書で使用される「ワーファリン治療」の用語は、死亡、再発心筋梗塞及び、心筋梗塞後の発作又は全身塞栓症のような血栓塞栓事象、の危険性を減少するために、深部静脈血栓症(DVT)及び肺塞栓症を含む静脈血栓塞栓症(VE)の予防及び/又は処置;心房細動及び/又は心臓弁置換術心房細動に伴なう血栓塞栓合併症の予防及び/又は処置のような、それらに限定はされないが、血栓又は,その原発部位から剥がれた血栓物質による血管の塞栓又はブロックから生ずる血栓塞栓障害を含む、それに対してワーファリンが適用される又は適用されるであろうすべての医学的状態を表わす。
【0020】
本明細書で使用される「低用量ワーファリン治療」の用語は1.25〜2、好ましくは、1.5〜2のINRを達成するための1日に約0.5mg〜約2mgのワーファリンの投与を表わす。
【0021】
本明細書で使用される「個体」の用語は生存哺乳動物を表わし、限定はされないが、ヒト及び他の霊長類、家畜及びスポーツ用動物(例えば、ウシ、ブタ及びウマ)並びに愛玩動物(例えば、ネコ及びイヌ)を含む。
【0022】
本明細書で使用される「治療的血漿レベル」の用語は、治療効果を達成し、典型的には約1〜2ng/mL−cm、約0.5〜3ng/mL−cm、そして約0.1〜4ng/mL−cmの範囲内にある血漿中のワーファリンレベルを表わす。
【0023】
本明細書で使用される「治療的有効速度」の用語は投与期間中に個体においてワーファリンの治療的血漿レベルを達成し、そして1.25〜2、好ましくは、1.5〜2のINRを達成するために有効な、ワーファリン送達の速度を表わす。
【0024】
本明細書で使用される「持続期間」又は「投与期間」の用語は、少なくとも約8時間を表わし、典型的には約1〜約7日間、好ましくは、約3日〜約7日間の範囲内の適用期間を表わす。
【0025】
本明細書で使用される「前以て決められた皮膚の面積」の用語は、そのままの破損されていない皮膚又は粘膜組織の規定面積を表わす。その面積は通常、約1cm〜約100cmの範囲内にあるであろう。
【0026】
本明細書で使用される「透過促進剤」の用語は、ワーファリンに対する皮膚の透過性を増加する薬剤又は薬剤の混合物を表わす。
【0027】
本明細書で使用される「透過性促進」の用語は、透過促進剤の不在時のワーファリンに対する皮膚の透過性に比較して、透過促進剤の存在時のワーファリンに対する皮膚の透過性の増加を表わす。
発明の実施法
前記のように、本発明は、有効な治療結果を提供するために、前以て決められて持続期間中、治療的に有効な速度で、体表又は膜をとおり被験者に低用量のワーファリンを投与するための新規の方法、組成物及び装置を提供する。本発明のもう1つのアスペクトは、適当な透過促進剤又は促進剤の混合物と一緒の、低用量のワーファリンの経皮的投与に向けられる。適当な経皮的送達装置の例は図1〜4に示される。図において、同一又は同様な構成部品を示すために異なる図面をとおして同一の参照番号が使用される。図面は実測に従って描かれていない。
【0028】
今度は図1及び2に関して、本発明に従う経皮装置10の好ましい態様は支持層2、支持層2上に配置されたワーファリンレザボア3(ここで、ワーファリンレザボア3の少なくとも皮膚接触面は接着性である)及び剥離可能な保護層4を含んでなる。ワーファリンレザボア3はワーファリンを含んでなり、そこでワーファリンは、ワーファリンレザボア3がワーファリンの結晶を含まないように、飽和濃度以下の濃度で存在する。特定の態様において、ワーファリンレザボアは場合により、以下により詳細に説明されるような透過促進剤を含んでなる。好ましい態様において、ワーファリンレザボア3は製薬学的に許容できる接着剤から形成される。
【0029】
今度は図2に関して、ワーファリンレザボア3は適当な接着性特性をもたない物質から形成されている。経皮装置20のこの態様においては、ワーファリンレザボア3の皮膚接触面は薄い接着性層5を伴なって調製することができる。ワーファリンレザボア3から皮膚へのワーファリンの放出速度を制御するための速度制御膜(図1及び2には示されていない)は場合により、そこで速度制御膜の少なくとも皮膚接触面が接着性である、ワーファリンレザボア3の皮膚接触面上に配置されることができる。
【0030】
図3において、経皮的送達装置30は実質的に図1について説明されたようなワーファリンレザボア3を含んでなり、そこでワーファリンレザボアはワーファリン及び透過促進剤を含んでなる。経皮装置は更に、その中に透過促進剤を分散させている透過促進剤レザボア(「促進剤レザボア」)6を含んでなり、そこで透過促進剤は飽和濃度以下にあり、そしてワーファリンは飽和濃度以上にある。促進剤レザボア6は好ましくは、ワーファリンレザボア3を形成するために使用されるものと実質的に同様な物質から調製される。促進剤レザボア6からワーファリンレザボア3への透過促進剤の放出速度を制御するための速度制御膜7は2種のレザボアの間に配置される。装置からワーファリン及び/又は透過促進剤の放出を制御するための速度制御膜(図3には示されていない)もまた場合により使用することができ、接着層5とワーファリンレザボア3の間に存在すると考えられる。
【0031】
装置30の透過促進剤レザボア6の上には支持層2が重なっている。ワーファリンレザボア3の皮膚に近位の側に接着性層5及び、皮膚への装置30の適用前に取り外されると考えられる剥離可能な保護層4が存在する。
【0032】
図1、2及び3の態様において、レザボアの担体又はマトリックス物質は滲みだし又は流出せずにその形状を維持するために十分な粘度を有する。しかし、マトリックス又は担体が液体又はゲルのような低粘度の流動性物質である場合は、組成物は例えば、米国特許第4,379,454号明細書から当業者に知られるような、そして図4に具体的に示されるようなパウチ又はポケット中に完全に封入することができる。図4に示される装置40は装置のための保護覆い物として働き、構造的支持を与えそして、装置40中の成分を装置から実質的に逃がさないようにする支持層2を含んでなる。装置40はまた、透過促進剤を含んで又は含まないでワーファリンを含むワーファリンレザボア3を含み、そして裏部材2から遠位のその表面上に、装置40からのワーファリン及び/又は透過促進剤の放出を制御するための速度制御膜7を担持する。支持層2の外側の縁はワーファリンレザボア3の縁と重なり、液体密封配列で速度制御膜7の外側の縁と周囲に沿って接合される。この密封レザボアは圧力、融合、接着、縁に対して適用される接着剤又は当該技術分野で知られた他の方法により実施することができる。この方法でワーファリンレザボア3は支持層2と速度制御膜7の間に全体を包含される。速度制御膜7の皮膚に近位の側に、接着性層5及び、皮膚への装置40の適用前に剥がされると考えられる剥離可能な保護層4が存在する。
【0033】
図4の装置40の代わりの態様において、ワーファリンレザボア3は透過促進剤及び、飽和濃度以下のワーファリンを含有する。ワーファリン及び更なる量の透過促進剤は、別なレザボアとして働く接着性層5中に存在する。
【0034】
支持層2は布地、ポリビニルアセテート、ポリビニリデン・クロリド、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステル、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、コートされた紙製品、アルミニウムシート等及びそれらの組み合わせ物を含んでなる、呼吸可能な又は密閉性物質であることができる。好ましい態様において、支持層は低密度ポリエチレン(LDPE)物質、中密度ポリエチレン(MDPE)物質又は高密度ポリエチレン(HDPE)物質、例えば、SARANEX(Dow Chemical,Midland,MI)を含んでなる。支持層はモノリス層又は多ラミネート層であることができる。好ましい態様において、支持層は非線形LDPE層/線形LDPE層/非線形LDPE層を含んでなる多ラミネート層である。支持層は約0.012mm(0.5mil)〜約0.125mm(5mil)、好ましくは、0.025mm(1mil)〜約0.1mm(4mil)、より好ましくは、0.0625mm(1.5mil)〜約0.0875mm(3.5mil)の厚さを有する。
【0035】
ワーファリンレザボア3は支持層上に配置され、そこでレザボアの少なくとも皮膚接触面は接着性である。ワーファリンレザボア3は当該技術分野で知られた標準物質か形成することができる。例えば、ワーファリンレザボアはそこでワーファリンが所望の範囲内に送達されるワーファリンに対して十分な(reasonable)溶解度を有するポリマー物質(例えば、ポリウレタン、エチレン/ビニルアセテート・コポリマー(EVA)、ポリアクリレート、スチレン・ブロックコポリマー、等)から形成される。好ましい態様において、ワーファリンレザボア3は製薬学的に許容できる感圧性接着剤、好ましくは、以下に更に詳述されるような、ポリアクリレート又はスチレン・ブロックコポリマー基剤の接着剤から形成される。
【0036】
ワーファリンレザボア3又は接着層5は当該技術分野で知られた標準のインライン・コンタクト接着剤及び感圧性接着剤から形成される。感圧性接着剤の例には、それらに限定
はされないが、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリイソブチレン(PIB)、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン・ブロックポリマー、等が含まれる。スチレン・ブロックコポリマー基剤の接着剤には、それらに限定はされないが、スチレン−イソプレン−スチレン・ブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン・コポリマー(SBS)、スチレン−エチレンブテン−スチレン・コポリマー(SEBS)及びそれらのジ−ブロック類似体が含まれる。
【0037】
本発明者はまた、特定の接着剤が治療的経皮的ワーファリンシステムに使用される時に、インラインコンタクト接着剤として好まれること見いだした。より具体的には、インラインコンタクト接着剤としてアクリレート接着剤を使用するシステムは、ポリイソブチレン接着剤のような他の接着剤が使用される時より多い、皮膚中をとおるワーファリンの流れをもたらすことを見いだした。
【0038】
アクリル系ポリマーはアクリル酸、アルキルアクリレート、メタクリレート、コポリマー化可能な二次モノマー又は官能基をもつモノマーを含んでなる群から選択される少なくとも2種以上の代表的成分を含んでなるコポリマー又はターポリマーからなる。モノマーの例には、それらに限定はされないが、アクリル酸、メタクリル酸、メトキシエチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルブチルアクリレート、2−エチルブチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、tert−ブチルアミノエチルアクリレート、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、等が含まれる。本発明の実施に適する適当なアクリル性接着剤の更なる例はSatas,“Acrylic Adhesives,”Handbook of pressure−Sensitive Adhesive Technology,2nd ed.,pp.396−456(D.Satas,ed.),Van Nostrand Reinhold,New York(1989)中に記載されている。アクリル系接着剤は市販されている(National Starch and Chemical Corporation,Bridgewater,NJ;Solutia,MA)。ポリアクリレート−基剤接着剤の更なる例はNational Starch(Prodct Bulletin,2000)により製造された製品番号として識別される以下:87−4098、87−2287、87−4287、87−5216、87−2051、87−2052、87−2054、87−2196、87−9259、87−9261、87−2979、87−2510、87−2353、87−2100、87−2852、87−2074、87−2258、87−9085、87−9301及び87−5298である。
【0039】
アクリル系ポリマーは架橋及び非架橋ポリマーを含んでなる。ポリマーは所望のポリマーを提供するための既知の方法により架橋される。好ましい態様において、接着剤は−10℃未満のガラス転移温度(T)を有する、より好ましくは、約−20℃〜約−30℃のTを有するポリアクリレート接着剤である。あらゆる架橋反応の前の、重量平均として表わされるポリアクリレート接着剤の分子量(MW)は概括的に25,000〜10,000,000、好ましくは、50,000〜3,000,000そしてより好ましくは、100,000〜1,000,000の範囲内にある。架橋時に、MWはポリマー化学に関与する当業者に知られるように、無限大に近づく。
【0040】
好ましい態様において、ワーファリンレザボアは約1重量%〜約30重量%のワーファリン、好ましくは、約2.5重量%〜約28重量%のワーファリン、好ましくは、約4重量%〜約26重量%のワーファリン、より好ましくは、約5重量%〜約24重量%のワーファリン、より好ましくは、約6重量%〜約22.5重量%のワーファリン、そして更により好ましくは、約7重量%〜約21重量%のワーファリンを含んでなる。
【0041】
ワーファリンレザボア3を形成する物質は総ポリマー組成物の約0.1重量%〜約22重量%、好ましくは、約0.5重量%〜約20重量%、より好ましくは、総ポリマー組成物の約1.0重量%〜約15重量%そして更により好ましくは、総ポリマー組成物の約2重量%〜約15重量%のワーファリンに対する溶解度を有する。接着層5を伴なう又は伴なわないワーファリンレザボア3は約0.025mm〜約0.2mm、好ましくは、約0.035mm〜約0.15mm、より好ましくは、0.045mm〜約0.125mm、そして更により好ましくは、約0.05mm〜約0.125mmの厚さを有する。
【0042】
促進剤レザボア6はワーファリンレザボアの形成のための前記のものと同様な物質から形成される。好ましい態様において、促進剤レザボアは約5重量%〜約25重量%の透過促進剤、好ましくは、約10重量%〜約20重量%の透過促進剤を含んでなる。促進剤レザボア6は約0.025mm〜約0.2mm、好ましくは、約0.035mm〜約0.15mm、より好ましくは、0.045mm〜約0.125mm、そして更により好ましくは、約0.05mm〜約〜0.125mmの厚さを有する。
【0043】
本発明に有用な透過促進剤はワーファリンと相容性であり、使用者の皮膚に薬剤と一緒に投与される時に薬剤に増加した皮膚透過性を提供する化合物から選択される。更に、透過促進剤はインラインコンタクト接着層が存在する場合はその接着剤と不都合に反応してはならない。本発明の1態様はまた、ワーファリンの経皮的送達において補助するための少なくとも1種の前記の透過促進剤の同時送達(codelivery)に関する。
【0044】
透過促進剤の例にはそれらに限定はされないが、単独又は1又は複数の組み合わせ物の、グリセリンの脂肪酸(例えば、カプリン酸、カプリル酸、ドデシル酸、オレイン酸)エステル、イソソルバイドの脂肪酸エステル、蔗糖、ポリエチレングリコール;カプロイルラクチル酸;ラウレス−2;ラウレス−2アセテート;ラウレス−2ベンゾエート;ラウレス−3カルボン酸;ラウレス−4;ラウレス−5カルボン酸;オレス−2;グリセリルピログルタメートオレエート;グリセリルオレエート;N−ラウロイルサルコシン;N−ミリストイルサルコシン;N−オクチル−2−ピロリドン;ラウラミノプロピオン酸;ポリプロピレングリコール−4−ラウレス−2;ポリプロピレングリコール−4−ラウレス−5ジメチルラウラミド;ラウラミドジエタノールアミン(DEA)、モノグリセリド(例えば、グリセロールモノラウレート(GML)、グリセロールモノオレエート(GMO)又はグリセロールモノリノレエート、グリセリルモノカプリレート、グリセリルモノカプレート)、ラクテートエステル(例えば、ラウリルラクテート)、メチルラウレート、カプロイル乳酸、ラウラミドジエタノールアミン(LDEA)、ジメチルラウラミド、ポリエチレングリコール−4ラウリルエーテル(Laureth−4)、ラウリルピログルタメート(LP)、ソルビタンモノラウレート及びエタノールが含まれる。適した透過促進剤の更なる例は例えば、米国特許第5,785,991号、第5,843,468号、第5,882,676号及び第6,004,578号明細書に記載されている。
【0045】
モノグリセリドは典型的にはその成分から混合物がその名称を由来する主要成分である1モノグリセリドとの脂肪酸のモノグリセリドの混合物として入手可能であった。例えば、1つの市販のモノグリセリドは、58%のグリセロール・モノオレエート含量及び58%の総モノエステル含量を伴なうグリセロール・オレエートの混合物である、Emerest 2421グリセロール・モノオレエート(Emery Division,Quantum Chemical Corp.)である。市販のモノグリセリドの他の例は、61%のグリセロール・モノオレエート含量及び93%の総モノエステル含量をもつMyverol 1899Kグリセロール・モノオレエート(Eastman Chemical Products)並びに68%のグリセロール・モノリノレエート含量及び90%の最少総モノエステル含量をもつMyverol 1892Kグリセロール・モノリノレエートである。モノエステルは10〜20個の炭素原子からのものから選択される。脂肪酸は飽和でも又は不飽和でもよく、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びパルミチン酸を含むことができる。モノグリセリドの透過促進剤には、例えば、グリセロール・モノオレエート、グリセロール・モノラウレート及びグリセロール・モノリノレエートが含まれる。本発明の現在好ましい態様において、透過促進剤はモノグリセリドとしてグリセロール・モノラウレートを含んでなる。
【0046】
約65%未満の総モノエステルを含有するグリセロール・モノオレエートは、接着剤が皮膚上に送達装置を維持するように働くことができない程度に既知の接着物質と不都合に反応することが認められてきた。従って、インライン接着剤が、透過促進剤が接着剤を通過しなければならないように本発明の装置の一部として存在する時に、そしてグリセロール・モノオレエートが透過促進剤として使用される時には、グリセロール・モノオレエートは少なくとも65%の総モノエステルを含まなければならない。
【0047】
透過促進混合物は、好ましくは、予想される投与期間をとおしてレザボア中の透過促進量の促進剤を提供するために十分な濃度で、マトリックス又は担体中に分散される。更なる別の透過促進剤マトリックス層も同様に存在する場合は、透過促進剤は通常、過剰な飽和度で別のレザボア中に存在する。
【0048】
更なる態様において、ワーファリンレザボア3及び/又は促進剤レザボア6は場合により、添加剤、透過促進剤、安定剤、染料、顔料、希釈剤、可塑化剤、粘性付与剤、顔料、担体、不活性充填剤、抗酸化剤、賦形剤、ゲル化剤、抗刺激剤、血管収縮剤及び、経皮技術分野で一般に知られた他の物質のような更なる成分を含有することができる。
【0049】
特定の態様において、ワーファリンレザボア3及び/又は促進剤レザボア6は急速粘着性(quick tack)を減少し、粘度を増加しそして/又はマトリックス構造を増強することができる希釈物質、例えば、ポリブチルメタクリレート(ICI Acrylicsにより製造されるELVACITE、例えば、ELVACITE 1010、ELVACITE 1020、ELVACITE 20)、高分子アクリレート、すなわち少なくとも500,000の平均分子量をもつアクリレート、等を含んでなる。
【0050】
特定の態様において、接着特性を改善するために可塑化剤又は粘性付与剤を接着剤組成物中に取り入れる。適当な粘性付与剤の例には、それらに限定はされないが、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、水素化エステル、ポリテルペン、水素化木材樹脂、ESCOREZのような粘性付与樹脂、石油化学供給原料のカチオン重合又は石油化学供給原料の熱重合及びその後の水素化から製造される脂肪族炭化水素樹脂、ロジンエステルの粘性付与剤、等、鉱油及びそれらの組み合わせ物が含まれる。
【0051】
使用される粘性付与剤はポリマーの混合物と相容性でなければならない。例えば、スチレン・ブロックコポリマーはゴムと相容性の粘性付与性樹脂、ポリメチルスチレンのようなエンドブロック相容性樹脂又は鉱油のような可塑化剤とともに調製することができる。概括的にポリマーは総接着剤組成物の約5〜50%であり、粘性付与剤は総接着組成物の約30〜85%であり、そして鉱油は総接着組成物の約2〜40%である。
【0052】
図1〜4に記載の経皮装置は更に剥離可能な保護層4を含んでなる。保護層4は場合に
より金属化することができるポリマー物質から製造される。ポリマー物質の例には、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニリデンクロリド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、紙、等及びそれらの組み合わせ物が含まれる。好ましい態様において、保護層はシリコーン処理ポリエステル・シートを含んでなる。
【0053】
特定の態様において、図1〜4に記載の経皮装置は速度制御膜を含んでなる。速度制御膜は送達装置中への及びそれからの薬剤の速度を制御することが当該技術分野で知られており、ワーファリンレザボア3の透過性より低い、透過促進剤に対する透過性を有する、透過性、半透過性又は微小孔性物質から加工することができる。適当な物質にはそれらに限定はされないが、ポリエチレン、ポリビニルアセテート、エチレンn−ブチルアセテート及びエチレンビニルアセテート・コポリマーが含まれる。
【0054】
本発明に従う経皮的送達パッチの様々な層を加工するために使用することができる広範な種類の物質が前記に説明されてきた。従って本発明は今後必要な機能を実施することができることが当業者に知られるようになるかも知れないものを含む、特に本明細書に開示されたもの以外の物質の使用を想定している。
ワーファリンの投与
透過促進剤を伴なう又は伴なわないワーファリンは、例えば、軟膏、ゲル、クリーム又はローションの形態で、皮膚又は粘膜への直接的適用によりヒトの皮膚又は粘膜に投与することができるが、好ましくは、ワーファリン又はワーファリン及び促進剤の飽和又は不飽和調製物を含有する皮膚パッチ又は他の知られた経皮的送達装置から投与される。
【0055】
治療装置中に存在し、有効な治療的結果を達成するために要請されるワーファリンの量は、処置されている特定の適用に対するワーファリンの最少必要投与量、透過促進剤、接着層及び、存在する場合は速度制御膜の存在を考慮して、マトリックスの溶解度及び透過性、並びに装置が皮膚に固定されるであろう期間、のような多数の因子に左右される。ワーファリンの最少量は、十分な量のワーファリンが一定の投与期間にわたり所望の放出速度を維持するように装置内に存在しなければならないという必要条件により決定される。安全の目的のための最大量は、存在するワーファリンの量が毒性レベルに達する放出速度を超えることはできないという必要条件により決定される。
【0056】
ワーファリンは好ましくは、所望の治療結果を提供するワーファリンの治療的有効量を送達するのに十分な治療速度においてそして十分な期間にわたり皮膚又は粘膜部位に対する連続的投与のための飽和未満のレベルでレザボア中に存在する。あるいはまた、ワーファリンは飽和を超える濃度でマトリックス又は担体中に存在することができ、そこで過剰な量はシステムの送達期間の所望の長さの関数である。
【0057】
皮膚に適用すると、図1〜4に記載のような経皮装置のワーファリンレザボア3中のワーファリンが皮膚中に拡散し、そこでそれは血流中に吸収されて、全身的抗凝固効果をもたらす。反復されて連続的に適用すると、パッチの適用部位の残留ワーファリンが、新規パッチからのワーファリンが新規適用部分中に吸収される速度とほぼ同様な速度で身体により吸収される。従って、患者は抗凝固性作用のどんな中断をも経験しないはずである。
【0058】
長期の低用量ワーファリン治療が所望される時は、枯渇されたパッチを剥がして、新鮮なパッチを新部位に適用される。例えば、長期の低用量ワーファリン治療を提供するために投与期間の最後にパッチを連続的に剥がして、新鮮なパッチと交換されると考えられる。新鮮なパッチから新適用部分中へのワーファリンの吸収は通常、パッチの以前の適用部位内の残留ワーファリンの身体による吸収と実質的に同一速度で起るので、血中レベルは実質的に一定に留まるであろう。
【0059】
投与は少なくとも3日間、そして7日まで継続され、3〜4日の投与計画が好ましいと考えられる。好ましい態様において、少なくとも3%、しかし40%を超えないパッチ内ワーファリンの総量が使用の最初のほぼ24時間以内に投与され、少なくとも6%、しかし50%を超えないワーファリンの総量が使用の最初のほぼ48時間以内に投与され、そして少なくとも10%しかし75%未満のワーファリン総量が投与期間中に投与される。
【0060】
本発明に従うと、約1〜2ng/mL−cm、約0.5〜3ng/mL−cmそして約0.1〜4ng/mL−cmの治療的血漿レベルが達成される。低用量ワーファリン投与に所望される速度は、流量に影響を与えずに経皮的送達装置の表面積を増加又は減少することにより達成することができる。例えば、6μg/時間−cmのワーファリン皮膚流量に対し、約20cmの表面積をもつパッチは24時間にわたりほぼ2.4mgのワーファリンを送達すると考えられる。
【0061】
個体から個体へのそして同一身体上の部位から部位への皮膚透過性の広範なばらつきのために、透過促進剤を伴なう又は伴なわないワーファリンを速度制御される経皮的送達装置から投与することが好ましいかも知れない。速度制御は速度制御膜又は接着剤又はそれら双方のいずれかにより並びに他の手段により得ることができる。
【0062】
特定量のワーファリンは皮膚に可逆的に結合するであろう、そして従って装置の皮膚接触層は負荷量としてこのワーファリン量を含むことが好ましい。
【0063】
本発明の装置の表面積は約1〜200cmにわたることができる。しかし、典型的な装置は約1〜50cmの範囲内の、好ましくは、約20cmの表面積をもつであろう。
【0064】
本発明の装置は数時間から7日以上までの持続期間にわたりワーファリンを有効に送達するようにさせることができる。
【0065】
皮膚の部位の密閉の不都合な効果は時間とともに増大し、皮膚細胞の腐肉形成及び交換の通常の周期は約7日で起るので、概括的に7日が単一装置の適用の最大期限である。
【0066】
経皮的薬剤送達装置は好ましくは、治療的血漿レベルを提供するために、投与期間の間中、治療的有効速度で皮膚をとおるワーファリンの全身投与を提供するために前記のような十分量の透過促進剤及びワーファリンを組み合わせて含有する。
【0067】
前記の特許は本発明に従う経皮的ワーファリン送達システムの様々な層又は成分を加工するために使用することができる広範な種類の物質につき記載している。従って本発明は、必要な機能物(functions)を形成することができる、今後当業者に知られるようになるかも知れないものを含む、本明細書に特に開示されたもの以外の、他の物質の使用を想定している。
【0068】
本発明は更に、個体中に実質的に一定の治療的な血漿レベルのワーファリンを提供するために投与期間中、治療的に有効な速度で個体にワーファリンを連続的に投与する方法に向けられる。
【0069】
本発明のもう1つの方法は、体表又は膜にワーファリン及び透過促進剤を同時投与する(ここでワーファリンは個体のワーファリンの治療的血漿レベルを達成し、維持するために投与期間の間中、治療的有効速度で送達される)ことを含んでなる、個体のワーファリンの治療的血漿レベルを達成し、維持するために皮膚透過促進量の透過促進剤と一緒の、
治療的有効速度におけるワーファリンの経皮的同時投与法に向けられる。ワーファリン及び透過促進剤は前記の装置及び組成物により体表又は膜に投与することができる。
【0070】
本発明の好ましい態様は前記に詳述されたような血栓塞栓障害を処置する方法を含んでなる。ワーファリンの正確な治療用量は被験者の年齢、サイズ、性別及び状態、処置されるべき障害の本質及び重篤度、等とともに変わるであろう、従って正確な有効量は前以て特定することはできず、看護者により決定されるであろう。しかし、適量は1.25〜2、好ましくは、1.5〜2のINRを達成するように定常試験により決定することができる。
【0071】
血漿中のワーファリン存在時間の長さ及び総量は、異なる処置計画を提供するために本発明の説に従って変更することができる。従ってそれらは外部ワーファリンが個体又は動物に経皮的に送達される期間の長さにより制御することができる。
製法
経皮的装置は既知の方法に従って製造することができる。前記のようなポリマーのレザボア物質の溶液を二重プラネタリーミキサーに添加し、次に所望量のワーファリン、好ましくは、15重量%の固体及び場合により透過促進剤を添加する。ポリマーのレザボア物質は好ましくは、有機溶媒、例えば、エタノール、エチルアセテート、ヘキサン、等中に可溶化された接着性ポリマーである。次にミキサーを閉鎖し、一定時間活性化して、成分の許容できる均一性を達成する。ミキサーを一体成型/フィルム乾燥ラインの片方の端に配置された適当な成型ダイにコネクターにより取り付ける。成型ダイに溶液を供給するためにミキサーを窒素を使用して加圧する。移動しているシリコーン処理ポリエステルのウェブ上の湿ったフィルムとして溶液を成型する。ラインを通してウェブを延伸し、一連のオーブンを使用して許容できる残留限界まで成型溶媒を蒸発させる。次に乾燥されたレザボアフィルムを選択された裏膜に張り付け、ラミネートを巻き取りロール上に巻き取る。次の操作において、個々の経皮的パッチをダイで打ち抜き、分離し、そして適当なパウチ材料を使用して単位包装する。通常の装置を使用して経皮装置を梱包する。もう1つの過程において、ワーファリンレザボアは当該技術分野で知られた装置を使用して乾燥混合及び熱フィルム形成を使用して形成することができる。材料は好ましくは、乾燥混合され、スロットダイを使用して押し出し、次に適当な厚さにカレンダー処理する。
実施例
以下は本発明を実施するための特定の態様の実施例である。実施例は例示的目的のためにのみ提供され、どんな方法でも本発明の範囲を限定する意図はもたれない。
【0072】
使用される数字(例えば、量、温度、等)に関しては精度を確保する努力をしたが、もちろん幾らかの実験誤差及び偏差は許容されなければならない。
【0073】
長期間にわたり、ワーファリンを投与することができる本発明の様々な経皮パッチの特定の例を以下に示す実施例中に説明されるであろう。以下の実施例において、すべての百分率は別記されない限り重量に基づく。
【実施例1】
【0074】
エチレン−ビニルアセテート・コポリマー(1Kg、40重量%のビニルアセテート)をRoss内部混合ボウル(Model PVM−2又はPD−2、Charles Ross & Sons Co.,Hauppauge,NY)のホッパー中に秤量する。ボウルをBrabender Mixing Bowl(Model R.E.O.−6)(C.W.Brabender Instruments,Inc.,South Hackensack,NJ)の駆動装置に接続する。ボウルの上部を閉鎖し、添加されたペレットから均等な融解生成物を得るまでミキサーを加熱せずに作動させる(約0.5時間)。この終りの時点で、装置を停止し、蓋を開ける。ワーファリンアセテート(150gm)をボウルに添加する。蓋を閉鎖後、装置にエネルギーをかけて、コポリマー中のワーファリンの均等な分散を達成する(0.5時間)。混合物をミキサーから取り出し、更なる使用のために保存する。
【0075】
Bravender押し出し機(0.75インチ(1.83cm)直径、4フィート(122cm)の1軸機械、Model 2503)(C.W.Brabender Instuments,Inc.,South Hackensack,NJ)を前記と同様な予備駆動装置に取り付ける。押し出しバレルの末端に加熱可能な4−インチ(9.8cm)幅のフレックス・ニップ押し出しダイを固定する。押し出し物を1枚の挿入用シリコーン処理ポリエステルフィルムと1枚のポリエステル/EVA裏フィルム間に挟む。それが押し出し機から排出する時に6インチ(14.7cm)幅の測定値をもつワーファリン含有層のサイズをもつように1組の3カレンダーロールを設定する。0.1±0.01mmの目標のワーファリンレザボアフィルムの厚さはカレンダーロールの適当な調整により達成される。3層ラミネートは更なる製造使用のために巻き取りロール上に巻き取る。
【0076】
エチルアセテート中の溶液のアクリレート接着剤(製品番号87−4287,National Starch and Chemical Corporation,Bridgewater,NJ;Solutia,MA)を、成型機を使用して成型して接着層を形成する。溶液を比較的容易な剥離のシリコーン処理ポリエステルフィルム上にスロットダイを通してレザボアポットから圧力供給する。フィルム/接着剤の二層を500μg/gm未満のレベルまでエチルアセテートを除くためにダイナミックオーブンの加熱段階をとおして延伸させる。フィルムが乾燥オーブンの最終段階を排出する時、剥離可能な層をワーファリンレザボアフィルムから剥がし、接着層をラミネート体の利用可能な面に張り付ける。4層フィルム(PET/EVA層、ワーファリンレザボア、アクリレート接着剤&剥離性裏材)を更なる加工のために巻き取りロール上に巻き取る。
【0077】
個々の経皮的システムを20cmの面積にダイカットする。最終製造段階において、システムは最後のヒートシール段階によりスリットを入れてSurlyn/Al/Kraftラミネートパウチ供給原料(Alcoa Flexiable Packaging,Richmond,VA)中に包装する。装置は7日間まで、好ましくは、約3〜7日間、2〜15μg/時間−cmでワーファリンを送達することができる。
【実施例2】
【0078】
本実施例は連続的供給装置−押し出し機(例えば、Kneader押し出し機(ModelMKS30)Coperion Corp.,Ramsey NJ)の使用を示す。固形の接着剤(メルト−加工可能なアクリレート、例えば、Kraton Polymers,Houston,TXからのSEBS(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)ポリマーKraton SEBS G1657のような)をホッパーに連続的に供給し、他方ワーファリン基剤を押し出し機上の第2のホッパー中に供給する。ポリマーに対する接着剤の比率は4:1である。押し出されたフィルムをシリコーン処理ポリエステル(3mil)とポリエステル/ポリエチレン(2mil)からなる裏フィルムの間に押し出しダイから下流で0.125±0.0125mmの厚さ、約6.5インチ(16.5cm)の幅にカレンダー処理する。システムを約5cm〜約50cmの範囲の面積にダイカットする。30cm2のシステムに対するインビトロの経皮的ワーファリン基剤は、標準の両面皮膚流量セル(skin flux cells)を使用して測定されると、名目上7μg/時間−cmである。このようなシステムの期間は約3日〜約7日である。
【0079】
より多い経皮ワーファリン流量が所望される場合は、ワーファリンレザボアは15重量%までもの透過促進剤(例えば、ラウリルプロリンエステル、グリセロールモノラウリレート又はオレイン酸)を含むように調製される。透過促進剤の使用は透過促進剤を含む匹敵する装置の2〜3倍、流量を増加すると考えられる。
【実施例3】
【0080】
ワーファリン血中レベルのばらつきを改善するために、速度制御膜を製造し、ワーファリンレザボアとアクリレート層間に挿入して、ワーファリンの放出を調整することができる。所望の速度に応じて、約0.05mmの厚さの6〜18.8%ビニルアセテートのEVAフィルムを挿入することができると考えられる。
【実施例4】
【0081】
ワーファリン/透過促進剤レザボアはワーファリン基剤(warfarin base)、GML(Grindsted Products,Braband,Denmark)又はLDEA(Lonza,Inc.)及び鉱油(Witco Dorp.)と、40パーセントのビニルアセテート(“EVA 40”,USI Chemicals,Illinois)を含むエチレン・ビニルアセテートを混合することにより調製する。次に混合物をテトラヒドロフランに溶解する。混合後、混合物を0.12mmの厚さのフィルムに手動で成型し、乾燥する。
【0082】
次にフィルムを、片面を着色された中間密度のポリエチレン/アルミニウムフォイル/PET/EVA(Medpar(R))裏材にそして他方の面をアクリレートコンタクト接着剤(3M,St.Paul,MN)に張り付ける。ラミネート体を1.6cmの面積に打ち抜く。
【0083】
ヒト表皮の円形片を角質層を上に向けて配置する。ラミネートの剥離裏材を剥がし、システムを表皮の角質層側上の中央に置く。次に表皮の縁をシステムの周囲に折り込む。このアセンブリーをTeflonロッド上に固定する。既知の容量の受容体溶液を試験管中に入れ、35℃で平衡化させる(equilibrated)。次にシステム及び表皮を固定したTeflonロッドを35℃の水浴中に入れる。一定の垂直混合を誘起するモーターに取り付けることにより混合を実施する。
【0084】
一定の時間間隔で、受容体溶液全体を試験管から取り出し、35℃で前以て平衡化させた等量の新鮮な受容体溶液と交換する。受容体溶液をHPLCによるワーファリン含量のアッセイまで、室温の蓋付きバイアル中に保存する。ワーファリン濃度及び受容体溶液の容量、透過面積及び時間間隔、表皮をとおるワーファリンの流量を以下のように計算する:(ワーファリン濃度×受容体の容量)/(面積×時間)=流量(μg/cm−時間)。
【実施例5】
【0085】
ワーファリン/透過促進剤レザボアを実施例4に従って調製する。フィルムを片面をMedpar裏地にそして他方の面を、2.5重量%のワーファリンを含むポリイソブチレン接着剤に張り付ける。接着剤をヘプタン中に19.8%の1.2Mポリイソブチレン、24.7%の35Kのポリイソブチレン及び55.5%の軽質鉱油を溶解することにより調製する。2.5%のワーファリンを添加し、混合物全体を0.5mmの乾燥厚さに成型する。フィルムを1.6cmの面積をもつステンレス鋼のパンチを使用して円形に切断する。
【0086】
60秒間60℃の水中に浸漬後、皮膚供与者の真皮から表皮を分離する。ディスク(7/8−インチ(2.22cm)の直径)を表皮から切り抜き、ディスクを使用時まで水和状態で4℃で維持する。
【0087】
試験される各装置に対して、剥離裏地を剥がし、ワーファリン放出面を使用直前に乾燥
ブロットされる表皮のディスクの角質層側に向けて配置する。過剰な表皮は、装置の縁が受容体溶液に全く暴露されないように、装置の周囲に巻かれる。表皮でおおわれた装置を、ナイロンネット及びニッケルワイアを使用して放出速度ロッドのTeflonホールダーの平坦な側に取り付ける。ロッドを固定容量の受容体溶液中で往復させる。受容体溶液全体を各試料採取時に交換する。水浴中の受容体溶液の温度は35℃に維持される。
【実施例6】
【0088】
ワーファリン/透過促進剤レザボアを、ワーファリン、EtOH、GML及びカプロイル乳酸(CLA)(R.I.T.A.Corp.,Woodstock,IL)を混合することにより調製する。
【0089】
更なる3重量%のヒドロキシプロピルセルロース及び水を添加し、混合物を適当な容器に入れて、ゲル化させる。所望量の混合物を、速度制御膜として使用のために18%のビニルアセテートを含む0.5mmの厚さのエチレン・ビニルアセテートフィルム、2.5重量%のワーファリンを含むポリイソブチレン・コンタクト接着剤並びに剥離裏地としての使用のためのシリコーンでコートされたポリエチレン・エチレンテレフタレートフィルムからなる、前以て形成された3ラミネート体の表面上に適用する。Medpar裏地を混合物の上部に適用し、全システムをヒートシールする。実施例4及び5中に記載されたインビトロ試験法に使用のために必要なサイズにシステムをダイカットする。
【実施例7】
【0090】
実施例6で形成されたような所望量の混合物を、速度制御膜としての使用のための28%のビニルアセテートを含む0.5mmの厚さのエチレンビニルアセテートフィルム、2.5重量%のワーファリンを含むポリイソブチレンコンタクト接着剤並びに剥離裏地として使用のためのフッ化炭素でコートされたポリエチレンエチレンテレフタレートフィルムからなる前以て形成された3ラミネート体の表面上に適用する。次にMedpar裏地を混合物の上部に適用し、全システムをヒートシールする。次に実施例2〜4に記載のインビトロ試験法において使用に必要なサイズにシステムをダイカットする。
【実施例8】
【0091】
様々な補助溶媒(cosolvent)によるGMLの透過促進に対する鉱油の効果を研究する。ワーファリン/透過促進剤レザボアを、40パーセントのビニルアセテートを含むエチレンビニルアセテート(“EVA 40”,USI Chemicals,Illinois)、ワーファリンメシレート、GML並びにLaureth−e(L−4)(Heterene Chemical Co.,Inc.,Paterson,N.J.)、メチルラウレート(Sigma)、ラウリルラクテート(ISP Van Dyk Inc.,Belleville,NJ)及びドデシルアセテート(Penta)から選択される補助溶媒、を混合することにより調製する。混合物をテトラヒドロフランに溶解する。混合後、混合物を0.12mmの厚さのフィルムに手動成型し、乾燥する。鉱油を含まない各補助溶媒に対する様々な組成物を、メシレート/GML/ラウレス−4/EVA10/20/12/58を含んでなる対照組成物と比較する。
【0092】
フィルムを片面をPET/EVA(3M Corp.,St.Paul,MN)裏地に張り付ける。実施例5〜7に記載のインビトロ試験法に使用のために要するサイズにシステムをダイカットする。
【実施例9】
【0093】
水のみ、水及びエタノール又は鉱油のみと混合したワーファリンを含む供与者のベヒクルからのヒト死体の表皮をとおるワーファリンの流量を測定するために幾つかの試験試料
を作製する。経皮流量を標準拡散セル中の35℃のヒト表皮を使用して得る。
【0094】
我々の発明をこのように概括的に説明し、出願者が彼らの発明を実施する最良の方法であると考える態様を含む、それらの特定の態様を説明したので、以下の請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲から逸脱せずに、本発明に対する様々な修正を当業者により実施されることができることが容易に明白であるにちがいない。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明に従う経皮的治療システムの1態様の、スキームによる遠近図をとおる断面図を表わす。
【図2】本発明のもう1つの態様をとおる断面図を表わす。
【図3】本発明のもう1つの態様をとおる断面図を表わす。
【図4】本発明のもう1つの態様をとおる断面図を表わす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持層、前記支持層上に配置された疎水性レザボア及び前記疎水性レザボア中に配置された一定量のワーファリンを有し、前記レザボアが皮膚接触面を有するものである送達装置、
を含んでなる、患者に対するワーファリンの経皮的投与のための送達システム。
【請求項2】
疎水性レザボア中のワーファリンの前記の量が前記ワーファリンの飽和濃度を超えず、そのために前記疎水性レザボアがワーファリンの結晶を実質的に含まない、請求項1のシステム。
【請求項3】
疎水性レザボアが約1〜30重量%の範囲内のワーファリンを含む、請求項1のシステム。
【請求項4】
疎水性レザボアが約7〜21重量%の範囲内のワーファリンを含む、請求項1のシステム。
【請求項5】
疎水性レザボア中の前記ワーファリンの溶解度が約0.1〜22重量%の範囲内にある、請求項1のシステム。
【請求項6】
疎水性レザボア中の前記ワーファリンの溶解度が約2.0〜15重量%の範囲内にある、請求項1のシステム。
【請求項7】
疎水性レザボアが第1の透過促進剤を含む、請求項1のシステム。
【請求項8】
第1の透過促進剤がグリセリン脂肪酸エステル、イソソルバイド脂肪酸エステル、蔗糖、ポリエチレングリコール;カプロイルラクチル酸;ラウレス−2;ラウレス−2アセテート;ラウレス−2ベンゾエート;ラウレス−3カルボン酸;ラウレス−4;ラウレス−5カルボン酸;オレス−2;グリセリルピログルタメートオレエート;グリセリルオレエート;N−ラウロイルサルコシン;N−ミリストイルサルコシン;N−オクチル−2−ピロリドン;ラウラミノプロピオン酸;ポリプロピレングリコール−4−ラウレス−2;ポリプロピレングリコール−4−ラウレス−5ジメチルラウラミド;ラウラミドジエタノールアミン(DEA)、モノグリセリド(例えば、グリセロールモノラウレート(GML)、グリセロールモノオレエート(GMO)又はグリセロールモノリノレエート、グリセリルモノカプリレート、グリセリルモノカプレート)、ラクテートエステル(例えば、ラウリルラクテート)、メチルラウレート、カプロイル乳酸、ラウラミドジエタノールアミン(LDEA)、メチルラウラミド、ポリエチレングリコール−4ラウリルエーテル(Laureth−4)、ラウリルピログルタメート(LP)、ソルビタンモノラウレート及びエタノールからなる群から選択される、請求項7のシステム。
【請求項9】
疎水性レザボアの前記皮膚接触面が実質的に接着性である、請求項1のシステム。
【請求項10】
疎水性レザボアが接着性部材から形成されている、請求項1のシステム。
【請求項11】
装置が前記疎水性レザボアの前記皮膚接触面上に配置された接着性層を含む、請求項1のシステム。
【請求項12】
装置が前記疎水性レザボアの前記皮膚接触面上に配置された第1の速度制御膜を含み、そこで前記の第1の速度制御膜が皮膚接触面を有する、請求項1のシステム。
【請求項13】
第1の速度制御膜の前記皮膚接触面が実質的に接着性である、請求項12のシステム。
【請求項14】
装置が透過促進剤のレザボアを含み、そこで透過レザボアがその中に第2の透過促進剤を配置されている、請求項7のシステム。
【請求項15】
第2の透過促進剤が、グリセリン脂肪酸エステル、イソソルバイド脂肪酸エステル、蔗糖、ポリエチレングリコール;カプロイルラクチル酸;ラウレス−2;ラウレス−2アセテート;ラウレス−2ベンゾエート;ラウレス−3カルボン酸;ラウレス−4;ラウレス−5カルボン酸;オレス−2;グリセリルピログルタメートオレエート;グリセリルオレエート;N−ラウロイルサルコシン;N−ミリストイルサルコシン;N−オクチル−2−ピロリドン;ラウラミノプロピオン酸;ポリプロピレングリコール−4−ラウレス−2;ポリプロピレングリコール−4−ラウレス−5ジメチルラウラミド;ラウラミドジエタノールアミン(DEA)、モノグリセリド(例えば、グリセロールモノラウレート(GML)、グリセロールモノオレエート(GMO)又はグリセロールモノリノレエート、グリセリルモノカプリレート、グリセリルモノカプレート)、ラクテートエステル(例えば、ラウリルラクテート)、メチルラウレート、カプロイル乳酸、ラウラミドジエタノールアミン(LDEA)、ジメチルラウラミド、ポリエチレングリコール−4ラウリルエーテル(Laureth−4)、ラウリルピログルタメート(LP)、ソルビタンモノラウレート及びエタノールからなる群から選択される、請求項14のシステム。
【請求項16】
透過促進剤レザボアが約5〜25重量%の範囲内の前記透過促進剤を含む、請求項15のシステム。
【請求項17】
透過促進剤レザボアが約10〜20重量%の範囲内の前記透過促進剤を含む、請求項15のシステム。
【請求項18】
装置が第2の速度−制御膜を含み、そこで前記第2の速度−制御膜が前記透過促進剤レザボアと前記疎水性レザボアの間に配置されている、請求項14のシステム。
【請求項19】
疎水性レザボアがポリウレタン、ポリシロキサン、ポリイソブチレン(PIB)、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン/ビニルアセテート・コポリマー(EVA)、ポリアクリレート、スチレン・ブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレン・ブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン・コポリマー(SBS)、スチレン−エチレンブテン−スチレン・コポリマー(SEBS)及びそれらのジ−ブロック類似体からなる群から選択される物質から形成される、請求項1のシステム。
【請求項20】
ワーファリンを配置されている疎水性レザボアを含む送達装置を提供し、そして
前記ワーファリンが治療的有効速度で患者に全身的に送達される、少なくとも8時間の投与期間中、患者の皮膚に前記送達装置を適用する、
段階を含んでなる、患者に対するワーファリンの経皮的投与法。
【請求項21】
疎水性レザボアが約1〜30重量%の範囲内のワーファリンを含む、請求項20の方法。
【請求項22】
疎水性レザボアが約7〜21重量%の範囲内のワーファリンを含む、請求項20の方法。
【請求項23】
投与期間が約3〜7日の範囲内にある、請求項20の方法。
【請求項24】
投与期間が約3〜4日の範囲内にある、請求項20の方法。
【請求項25】
ワーファリン送達が約0.1〜4ng/mL−cmの範囲内のワーファリン血漿レベルをもたらす、請求項20の方法。
【請求項26】
ワーファリン送達が約1.01〜2.0ng/mL−cmの範囲内のワーファリン血漿レベルをもたらす、請求項20の方法。
【請求項27】
ワーファリン送達が前記投与期間にわたり、実質的に一定のワーファリン血漿レベルを提供する、請求項24の方法。
【請求項28】
疎水性レザボア中に配置された、少なくとも3%そして40%未満の前記ワーファリンが前記投与期間の最初の24時間以内に患者に送達される、請求項24の方法。
【請求項29】
疎水性レザボア中に配置された、少なくとも6%そして50%未満の前記ワーファリンが前記投与期間の最初の48時間以内に患者に送達される、請求項24の方法。
【請求項30】
疎水性レザボア中に配置された、少なくとも10%そして75%未満の前記ワーファリンが前記投与期間にわたり患者に送達される、請求項24の方法。
【請求項31】
ワーファリン送達が約1.25〜2の範囲内のInternational Normalized Ratio(国際標準比)をもたらす、請求項20の方法。
【請求項32】
少なくとも0.5〜2mgのワーファリンが24時間にわたり患者に送達される、請求項20の方法。
【請求項33】
疎水性レザボア中に配置された前記透過促進剤を投与する段階を含む、請求項20の方法。
【請求項34】
透過促進剤がグリセリン脂肪酸エステル、イソソルバイド脂肪酸エステル、蔗糖、ポリエチレングリコール;カプロイルラクチル酸;ラウレス−2;ラウレス−2アセテート;ラウレス−2ベンゾエート;ラウレス−3カルボン酸;ラウレス−4;ラウレス−5カルボン酸;オレス−2;グリセリルピログルタメートオレエート;グリセリルオレエート;N−ラウロイルサルコシン;N−ミリストイルサルコシン;N−オクチル−2−ピロリドン;ラウラミノプロピオン酸;ポリプロピレングリコール−4−ラウレス−2;ポリプロピレングリコール−4−ラウレス−5ジメチルラウラミド;ラウラミドジエタノールアミン(DEA)、モノグリセリド(例えば、グリセロールモノラウレート(GML)、グリセロールモノオレエート(GMO)又はグリセロールモノリノレエート、グリセリルモノカプリレート、グリセリルモノカプレート)、ラクテートエステル(例えば、ラウリルラクテート)、メチルラウレート、カプロイル乳酸、ラウラミドジエタノールアミン(LDEA)、ジメチルラウラミド、ポリエチレングリコール−4ラウリルエーテル(Laureth−4)、ラウリルピログルタメート(LP)、ソルビタンモノラウレート及びエタノールからなる群から選択される、請求項33の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2007−500711(P2007−500711A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522040(P2006−522040)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/024406
【国際公開番号】WO2005/011644
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】