結像光学系及びこの種の結像光学系を備えたマイクロリソグラフィ用の投影露光装置
結像光学系(36)は、物体平面(5)の物体視野(4)を像平面(9)の像視野(8)内に結像する複数のミラー(M1からM6)を有する。最初のミラー(M1)は、物体視野(4)の後の結像光の結像ビーム経路に配置され、最後のミラー(M6)は、像視野(8)の前の結像ビーム経路に配置される。非折り返し結像ビーム経路内で結像光(3)を誘導するように構成されたミラー(M1からM6)の各々の有利面(23)上への中心物体視野点に属する主光線(16)の入射点は、像平面(9)からのミラー間隔(zM)を有する。最初のミラー(M1)のミラー間隔(zM1)は、最後のミラー(M6)のミラー間隔(zM6)よりも大きい。最後から4番目のミラー(M3)のミラー間隔(zM3)は、最初のミラー(M1)のミラー間隔(zM1)よりも大きい。本発明の更に別の態様では、結像光学系(36)のミラー(M1からM6)のうちの少なくとも1つが有する反射面は、回転対称関数に基づいて表すことができない固定の自由曲面として構成される。この自由曲面は、回転対称関数によって表すことができるこの自由曲面に最適に適応した非球面からは、結像光(3)を誘導するように構成されたこの自由曲面の使用領域(23)の自由曲面要素(20)に対する法線(FNB)が非球面(21)の対応する非球面要素(22)に対する法線(FN)と最大で70μradの角度(α)を取るように異なっている。これらの2つの態様により、小さい結像誤差と、管理可能な製造と、結像光に対する良好な収量との制御可能な組合せがもたらされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び請求項2の前文に記載の結像光学系に関する。更に、本発明は、この種の結像光学系を有する投影露光装置、この種の投影露光装置を用いて構造化構成要素を生成する方法、及び本方法によって製造された微細構造化構成要素又はナノ構造化構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭で示したこの種の結像光学系は、US 7,414,781、US 7,348,565 B2、及びWO 2006/119 977 A1から公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US 7,414,781
【特許文献2】US 7,348,565 B2
【特許文献3】WO 2006/119 977 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、小さい結像誤差と、管理可能な製造と、結像光に対する良好な収量との制御可能な組合せが得られるような冒頭で示した種類の結像光学系を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるとこの目的は、第1の態様に従って請求項1に開示する特徴を備えた結像光学系によって達成される。
【0006】
本発明により、最初のミラーは、最後から4番目のミラーよりも像平面の近くに移動されるので、特に最初のミラー上で結像光に対してごく小さい入射角を提供することができる設計を提供することができる。更に、この最初のミラーは、有利に大きい反射面を有するように構成することができる。最初のミラーには、結像光による有利に低い強度負荷しかもたらされず、一方、特にEUV波長を有する非常に短い波長の結像光においてさえも小さい入射角の可能性に起因して、例えば、対応するミラーコーティングによって高度の反射を得ることができる。最終的に本発明による設計は、最初のミラーが、例えば、一般的に像側開口数を事前判断され、結像光学系の最後のミラーのミラー面をその面積に関して実質的に上回らない反射面を有するという結果も誘導し、それによって製造上の優位性がもたらされる。全体として本発明による設計は、小さい入射角が最初のミラー上で同時に達成され、このミラーの反射面に関する有利な妥協である。結像光学系が平坦な折り返しミラーを用いた折り返しビーム経路を有する場合には、ミラー間隔を判断するために最初にこの結像ビーム経路が展開される。従って、本発明による像平面からのミラー間隔を事前判断するために、常に結像光学系の非折り返し結像ビーム経路を考察する。一般的に結像光学系の瞳は、結像ビーム経路を制限する開口絞りの全ての像を意味すると理解すべきである。これらの像が収まる平面を瞳平面と呼ぶ。開口絞り像は必ずしも厳密に平面ではないので、これらの像に近似的に一致する平面も一般的に瞳平面と呼ぶ。開口絞り自体の平面も瞳平面と呼ぶ。開口絞り像と同様に開口絞りが平面ではない場合には、開口絞りに最も緊密に一致する平面を瞳平面と呼ぶ。
【0007】
結像光学系の入射瞳は、開口絞りが、結像光学系のうちで物体平面と開口絞りの間に位置した部分によって結像される場合に生成される開口絞り像を意味すると理解すべきである。それに応じて射出瞳は、開口絞りが、結像光学系のうちで像平面と開口絞りの間に位置した部分によって結像される場合に生成される開口絞り像である。
【0008】
入射瞳が開口絞りの虚像であり、言い換えれば、入射瞳平面が物体視野の前に位置する場合には、入射瞳の負の後部焦点と呼ばれる。この場合、全ての物体視野点に対する主光線又は主ビームは、結像ビーム経路の前の1つの点から射出したかのように延びている。各物体点に対する主光線は、物体点と入射瞳の中心点とを接続するビームとして定められる。従って、入射瞳の負の後部焦点の場合には、全ての物体点への主光線は、物体視野上で発散するビーム進路を有する。
【0009】
瞳の別の定義は、結像光学系の結像ビーム経路内で、物体視野点から射出する主光線に対して各場合に同じ照明角度に関連付けられたこれらの物体視野点から射出する個別ビームが交差する領域である。この別の瞳定義に従って個別ビームの交差点が位置する平面、又は必ずしも厳密にある一定の平面に位置させる必要がないこれらの交差点の空間分布の最も近くにくる平面を瞳平面と呼ぶことができる。
【0010】
本発明によると冒頭で示した目的は、第2の態様に従って請求項2に開示する特徴を備えた結像光学系によって達成される。
【0011】
本発明により、結像光学系内での少なくとも1つの固定の自由曲面の使用は、結像光学系による結像光の誘導において自由度を大きく高めることが認識されている。固定の自由曲面は、結像光学系の投影使用中にその形状に関して能動的に変更されない自由曲面を意味すると理解すべきである。当然ながら固定の自由曲面は調節目的で全体として変位させることができる。自由曲面は、回転対称関数によって表すことができる基準非球面を起点として設計される。自由曲面に最適に適応した非球面を基準非球面と一致させることができる。一方で最適適応非球面と、他方で自由曲面との間の本発明による小さい法線角度、言い換えれば、小さい法線偏位は、自由曲面が、回転対称関数によって表すことができる最適適応非球面からの偏位の僅かな勾配しか持たず、従って、本発明による自由曲面が、従来の検査構造を用いた面検査において依然として対応可能であるという結果をもたらす。更に、それによって本発明による自由曲面の製造が簡素化される。最大法線角度偏位は、50μrad、35μrad、又は更にそれ未満とすることができる。特に、結像光学系の全てのミラーにおける角度偏位を35μradよりも小さいとすることができる。結像光学系がこの種の自由曲面を複数有する場合には、これらの自由曲面の個別のものにおける角度偏位は、30μradよりも小さく、25μradよりも小さく、又は20μradよりも小さいとすることができる。結像光学系は、この種の自由曲面を厳密に1つ、又はそうでなければこの種の自由曲面を複数有することができる。結像光学系内のそれぞれの自由曲面に最適に適応した非球面の回転対称軸は一致する必要はなく、互いから分離させることができ、互いに対してある角度を有することができ、又は互いに対して斜めに延ばすことができる。少なくとも1つの自由曲面に最適に適応した非球面の回転対称軸は、物体平面及び/又は像平面に対して垂直なものとすることができる。それによってこの少なくとも1つの自由曲面の面検査が簡素化され、この検査に必要とされる検査光学系の設計が容易になる。少なくとも1つの自由曲面に最適に適応した非球面の回転対称軸の物体平面及び/又は像平面に対する90°からの角度偏位は、例えば、85°と90°の間の範囲で可能である。
【0012】
請求項3に記載の結像光学系は、上記2つの本発明の態様の利点を組み合わせるものである。
【0013】
請求項4に記載の結像光の波長よりも大きい矢高又はサジッタ偏位は、十分な像誤差補正の可能性をもたらす。一般的に、偏位は、例えば、50μmよりも小さく、3μmよりも小さいとすることができる。特に、この偏位は、この種の全ての自由曲面において3μmよりも小さいとすることができる。この矢高偏位は、個別自由曲面において2μmよりも小さく、又はそうでなければ1μmよりも小さいとすることができる。
【0014】
6つのミラーを備えた結像光学系は、目的において示したパラメータの特に有利な組合せをもたらす。
【0015】
請求項6に記載の結像光学系では、特に結像誤差を低減する設計自由度だけではなく、例えば、特定の視野形状を与えるための設計自由度も有利に大きい。自由曲面は全て本発明の第2の態様に従って構成することができる。代替的に、自由曲面の個別のものが、上述したものよりも大きい角度偏位又はそうでなければ小さいか又は大きい矢高偏位を有することができる。
【0016】
請求項7に記載の像側開口数は、結像光学系の特に高い構造解像度をもたらす。
【0017】
請求項8に記載の像視野は、結像光学系の良好な収量をもたらす。
【0018】
請求項9から請求項11に記載の結像パラメータは、有利に精密な結像をもたらす。
【0019】
請求項12に記載の結像光学系を投影光学系として使用する場合には、結像光学系の利点が特に大きくなる。
【0020】
本発明による光学系及び本発明による投影露光装置の利点は、本発明による結像光学系に関連して上記に列記したものに対応する。投影露光装置の光源は広帯域のものとすることができ、例えば、1nmよりも広く、10nmよりも広く、又は100nmよりも広い帯域幅を有することができる。更に、投影露光装置は、異なる波長の光源を用いて作動させることができるように設計することができる。特にマイクロリソグラフィに使用される他の波長のための光源、例えば、365nm、248nm、193nm、157nm、126nm、109nmの波長を有する光源、特に、100nmよりも短い、例えば、5nmと30nmの間の波長を有する光源も本発明による結像光学系と共に使用することができる。
【0021】
投影露光装置の光源は、5nmと30nmの間の波長を有する照明光を生成するように構成することができる。この種の光源は、最低反射率を満たすために、小さい入射角許容帯域幅しか持たない反射コーティングをミラー上に必要とする。小さい入射角許容帯域幅というこの要件は、本発明による結像光学系と共に使用することで満たすことができる。
【0022】
対応する利点は、本発明による製造方法、及び本方法によって製造される微細構造化構成要素又はナノ構造化構成要素に適用される。
【0023】
本発明の実施形態を図面を用いてより詳細に以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】EUVマイクロリソグラフィのための投影露光装置の概略図である。
【図2】投影露光装置の結像光学系の実施形態を子午断面に示す図である。
【図3】非回転対称自由曲面の面要素と、非球面の形態にある回転対称最適適応面とを通る断面を示し、自由曲面要素に対応する非球面要素を特徴付ける図である。
【図4】回転対称関数によって表すことができる最適適応非球面からの反射自由曲面の偏位を等高線と偏位のサイズに関連付けられたハッチングとによって示す、図2に記載の結像光学系の結像ビーム経路内の最初のミラーの自由曲面として構成された反射面の使用領域の大幅に拡大した上面図である。
【図5】最適適応非球面からの最初のミラーの反射自由曲面の偏位の勾配を図4と類似の図に示す図である。
【図6】図2に記載の結像光学系の物体視野の拡大図である。
【図7】図1に記載の投影露光装置における結像光学系の更に別の実施形態を図2と類似の図に示す図である。
【図8】図1に記載の投影露光装置における結像光学系の更に別の実施形態を図2と類似の図に示す図である。
【図9】図1に記載の投影露光装置における結像光学系の更に別の実施形態を図2と類似の図に示す図である。
【図10】図1に記載の投影露光装置における結像光学系の更に別の実施形態を図2と類似の図に示す図である。
【図11】図1に記載の投影露光装置における結像光学系の更に別の実施形態を図2と類似の図に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
マイクロリソグラフィのための投影露光装置1は、照明光又は照明放射線3のための光源2を有する。光源2は、例えば、5nmと30nmの間、特に5nmと10nmの間の波長範囲の光を生成するEUV光源である。光源2は、特に、13.5nmの波長を有する光源又は6.9nmの波長を有する光源とすることができる。他のEUV波長が可能である。一般的には、マイクロリソグラフィに使用することができ、適切なレーザ光源及び/又はLED光源に対して利用可能な可視波長、又はそうでなければ他の波長(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm、129nm、109nm)のようないかなる波長であっても、投影露光装置1内で誘導される照明光3において可能である。図1には照明光3のビーム経路を非常に概略的に示している。
【0026】
照明光学系6は、光源2から物体平面5の物体視野4(図6を参照されたい)に向けて照明光3を誘導するために用いされる。物体視野4は、投影光学系又は結像光学系7を用いて像平面9の像視野8内に所定の縮小スケールで結像される(図2を参照されたい)。図2又は図7から図9に図示の実施形態のうちの1つを投影光学系7に対して使用することができる。図2に記載の投影光学系7は、4倍の縮小を行う。
【0027】
他の縮小スケール、例えば、5×、6×、又は8×、又はそうでなければ8×よりも大きい縮小スケール又は4×よりも小さく、例えば、2×又は1×の縮小スケールも可能である。4×の結像スケールは、マイクロリソグラフィにおける一般的なスケールであり、レチクルとも呼ぶ結像する物体を保持する妥当なサイズの反射マスク10を用いて高い収量を可能にするので、EUV波長を有する照明光3に特に適している。更に、4×の結像スケールでは、反射マスク10上で必要とされる構造サイズは、反射マスク10における製造及び適正化の経費を限度内に保つのに十分に大きい。図2及びそれ以降に記載の構成における投影光学系7における像平面9は、物体平面5と平行に配置される。物体視野4に一致する反射マスク10の詳細内容が、この像平面9内に結像される。
【0028】
投影光学系7による結像は、基板ホルダ12によって保持されたウェーハの形態にある基板11の面上で発生する。図1は、レチクル10と投影光学系7の間に投影光学系7内を進む照明光3のビーム束13を投影光学系7と基板11の間に投影光学系7から射出する照明光3のビーム束14を略示している。投影光学系7によって結像される照明光3を結像光とも呼ぶ。図2に記載の構成における投影光学系7の像視野側の開口数は0.36である。図1にはこの開口数を正確な縮尺で示していない。
【0029】
投影露光装置1及び投影光学系7の様々な構成の説明を容易にするために、図面内に直交xyz座標系を提供しており、この座標系から、図内に示す構成要素のそれぞれの位置関係が明らかになる。図1では、x方向は、作図面と垂直に、それに向けて延びている。y方向は右に延び、z方向は下向きに延びている。
【0030】
投影露光装置1はスキャナ型のものである。投影露光装置1の作動中に、レチクル10と基板11の両方がy方向に走査される。基板11の個別露光の合間にレチクル10及び基板11の段階的な変位がy方向に発生するステッパ型の投影露光装置1も可能である。
【0031】
図2は、第1の実施形態の投影光学系7の光学設計を示している。図2のy方向に互いから分離した3つの物体視野点から射出する3つのそれぞれの個別ビーム15のビーム経路を示している。これらの3つの物体視野点のうちの1つに属する3つの個別ビーム15は、各場合に3つの物体視野点において異なる3つの照明方向に関連付けられる。主ビーム又は主光線16は、投影光学系7の瞳平面17、18内の瞳中心を通って進む。これらの主光線16は物体平面5から発して、最初に収束して進む。下記ではこれを投影光学系7の入射瞳の正の後部焦点とも呼ぶ。図2に記載の投影光学系7の瞳平面17内の入射瞳は、投影光学系7内に位置する。
【0032】
図2に記載の投影光学系7は、物体視野4から発する、個別ビーム15の結像ビーム経路の順に連続してM1からM6と番号が振られた合計で6つのミラーを有する。図2にはミラーM1からM6の計算上の反射面のみを示している。ミラーM1からM6は、実際に使用される反射面よりも一般的に大きい。
【0033】
ミラーM1、M2、M4、及びM6は、凹ミラーとして設計される。ミラーM3及びM5は、凸ミラーとして設計される。
【0034】
一方でミラーM1とM4、更に他方でミラーM3とM6は、これらのミラーの反射面の向きに関して対向して配置される。
【0035】
ミラーM2の領域内には、図2に記載の投影光学系7における入射瞳平面17が位置する。ミラーM4とM5の間には中間像平面19が位置する。ミラーM5とM6の間の結像ビーム経路には射出瞳平面18が位置する。
【0036】
図2に記載の投影光学系7の光学データを複数の子表に分割した表を用いて以下に示している。
【0037】
ミラーM1からM6の個別反射面の精密な形状は、基本非球面とも呼ぶ回転対称基準非球面と、XY多項式の形態にある自由曲面項との和として生成される。値Yは、第2の子表の最後に列記した偏心値Dy0だけ、それぞれのミラーM1からM6の位置の関数として変位される。
【0038】
回転対称基準非球面は、自由曲面からの最小偏位を有するように選択することができる。同時にこの場合、基準非球面は、上述の自由曲面に最適に適応した自由曲面、すなわち、最適当て嵌め非球面である。回転対称基準非球面は、個別に選択することができる、言い換えれば、最適適応非球面と一致しなくてもよい。
【0039】
基本非球面は、以下の非球面式(1)を用いて計算される。
ここでx及びyは、座標原点を起点とし、非球面の使用面領域の外側に位置することができる基本球面上の座標を表す。zは、基本非球面の矢高又はサジッタを表す。RDYは、基本非球面の半径、言い換えれば、座標原点における面曲率の逆数である。CCYは、円錐パラメータである。
【0040】
「間隔」という値は、それぞれのそれに続く構成要素からの間隔を表す。
【0041】
2番目に続く表では、「係数」という値は、基本球面式(1)の係数ckにおけるインデックスkを表す。
【0042】
以下の自由曲面項(2)が追加される。
zFは、基準非球面に対する自由曲面項の矢高又はサジッタを表す。自由曲面項のy座標は、基準非球面のy座標に対して偏心値Dy0だけ変位される。
【0043】
(表)
【0044】
(表)
【0045】
(表)
【0046】
(表続き)
【0047】
図に示している投影光学系7の様々な実施形態及び以下に説明する投影光学系の更に別の構成は、非折り返し結像ビーム経路で示したものである。それぞれの投影光学系7を収容するための設置空間要件に基づいて、ミラーM1からM6の間のビーム経路に更に別の折り返しミラーを収容することができることは明らかである。下記では非折り返し結像ビーム経路のみを考察する。
【0048】
上述の表から明らかなように、投影光学系7の6つのミラーM1からM6は、回転対称関数に基づいて表すことができない自由曲面として設計される。ミラーM1からM6のうちの少なくとも1つがこの種類の反射自由曲面を有する投影光学系7の他の構成も可能である。この場合、少なくとも1つの反射面は、回転対称関数に基づいて表すことができず、投影露光装置1の作動中又は作動の休止中に変更することができない、言い換えれば、自由曲面の形状に関して選択方式で変更することができない形状を有する固定の自由曲面として設計される。
【0049】
図3は、例えば、結像光3を誘導するように構成されたミラーM1の自由曲面の使用領域の自由曲面要素20を図示の偏位に関して大幅に誇張した非常に概略的な図に示している。更に、図3は、自由曲面に最適に適応され、回転対称関数、例えば、上述した非球面式によって表すことができる非球面21を示している。
【0050】
図3は、考察対象の自由曲面要素20の座標x0,y0の周囲の非球面要素22の領域内で最適に適応した非球面21に対する法線FNB、言い換えれば、自由曲面要素20に対応する非球面要素22に対する法線FNBを示している。図3には、矢高zに関して同じ座標x0,y0を起点とするが、自由曲面要素20から発する、自由曲面要素20に対する法線FNも示している。2つの法線FNBとFNとは、最大で70μradの互いに対する角度αを挟む。
【0051】
この最大偏位は、M1からM6の自由曲面の使用領域にわたって自由曲面要素とそれに対応する非球面要素との各対に適用される。これらの使用領域を有利面とも呼ぶ。全てのミラーM1からM6の光学的使用領域は、結像光3の通過のための貫通開口を持たず、言い換えれば、掩蔽されない。
【0052】
図4は、ミラーM1の自由曲面のうちで近似的に豆又は腎臓の基本形状を有する使用領域23の矢高又はサジッタの偏位Δzを示している。すなわち、実際に使用される自由曲面のz値からの基本非球面のz値の偏位をそれぞれ考察対象のx−y点に示している。
【0053】
使用領域23のうちの狭窄部24の領域内、言い換えれば、使用領域23の最小y値及び平均x値の位置では、最適適応非球面からの自由曲面の矢高偏位は最大であり、約0.5μmである。他のどこかでは、使用領域23にわたる矢高偏位は小さく、狭窄部24の周囲に弓形に延びる大きい領域25内では0に近い。
【0054】
従って、自由曲面は、500nmよりも短い波長の照明光又は結像光3が使用された場合に、最適適応非球面から最大で結像光3の波長よりも大きく偏位する。
【0055】
同様に図5は、ミラーM1の使用領域23に対して法線FN、FNBの互いからの最大角度偏位を示している。この角度偏位は、使用領域23のうちの2つの対向する縁部領域26、27内の最大x値と最小x値の位置において最大であり、約15μradである。他のどこかでは、法線FN、FNBの間の角度、言い換えれば、最適適応非球面からの自由曲面の偏位の最大勾配は小さく、更に狭窄部24の領域及び狭窄部24の周囲の図4の弓形領域25と比較して若干幅狭に延びる弓形領域28内では0に近い。
【0056】
図6は、投影光学系7の物体視野4の形状を拡大して例として示している。像視野は、縮小されることを除いて厳密に同じ形状を有する。視野4は、2つの部分円29、30によって境界が定められたアーチ形の視野形状を有する。2つの部分円のうちの内側のものである部分円29は半径Rを有する。更に、視野4は、部分円29、30の2つの端部を各場合に連結し、y軸と平行に延びる法線33と平行に延びる2つの境界線31、32によって境界が定められる。2つの境界線31、32は、互いに対する間隔XS、いわゆる走査スロット幅を有する。2つの部分円29、30は、YSという互いに対する間隔、いわゆる走査スロット長を有する。
【0057】
図2に記載の投影光学系7における像視野8は、寸法XS=26mm(走査スロット幅)及びYS=2mm(走査スロット長)を有する。
【0058】
図7を用いて、投影露光装置1において投影光学系7の代わりに使用することができる更に別の投影光学系36を説明する。投影光学系7を参照して上述したものに対応する投影光学系36の構成要素は同じ名称及び参照番号を有し、再度詳細には解説しない。
【0059】
ミラーM1、M4、及びM6は、凹ミラーとして設計される。ミラーM2、M3、及びM5は、凸ミラーとして設計される。
【0060】
ミラーM1とM6、及び同じくミラーM3とM6は、これらのミラーの反射面の向きに関して対向して配置される。
【0061】
投影光学系36では、ミラーM2とM3の間に、投影光学系36内に位置する第1の瞳平面17が存在する。投影光学系26は、入射瞳平面の負の後部焦点を有し、言い換えれば、個別視野点の主光線16は、物体視野4から投影光学系36内に互いに対して発散して延びている。従って、この投影光学系における入射瞳は、瞳平面17内ではなく、物体視野4の前の結像ビーム経路に位置する。それによって例えば、投影光学系7の入射瞳内にある、照明光学系6の瞳構成要素をこの瞳構成要素と物体平面5の間に更に別の結像光学構成要素を存在させる必要ではなく投影光学系36の前のビーム経路に配置することが可能になる。ミラーM4とM5の間の結像ビーム経路には、中間像平面19が、ミラーM6よりも像視野8の近くに位置する。
【0062】
更に、図示の非折り返し結像ビーム経路では、結像光3を誘導するように構成されたミラーM1からM6の各々の有利面23上への中心物体視野点に属する主光線16の入射点は、像平面9からのミラー間隔zM1からzM6を有する。最初のミラーM1のミラー間隔zM1は、最後のミラーM6のミラー間隔zM6よりも大きい。最後から4番目のミラーM3のミラー間隔zM3は、最初のミラーM1のミラー間隔zM1よりも大きい。全体として、投影光学系36の6つのミラーM1からM6のミラー間隔zMに以下の関係が適用される。
zM2>zM4>zM3>zM1>zM6>zM5
【0063】
図7に記載の投影光学系36の光学データを図2に記載の投影光学系7に関する表に対応していくつかの子表に分割した表を用いて以下に示す。
【0064】
これらの子表のうちの最初のものにある「y偏心」と呼ぶ値は、それぞれの面の局所座標系の広域座標系に対するy座標方向の変位を与える。この値は、図2に記載の投影光学系7では0に等しい。
【0065】
以下の表に提供する他のパラメータに関しては、図2に記載の投影光学系7の表に関連して上述したものが適用される。
【0066】
(表)
【0067】
(表)
【0068】
(表)
【0069】
(表続き)
【0070】
投影光学系36のミラーM1からM6の反射面も同様に自由曲面として構成され、これらの自由曲面の一方で矢高偏位に関する最適適応非球面からの偏位と、他方で法線の角度偏位とに関しては、図2に記載の投影光学系7の表に関連して既に上述したものが相応に適用される。例えば、投影光学系36のミラーM1は、1.01μmの最大矢高偏位及び1.14μradの最大角度偏位を有する。
【0071】
投影光学系36の像視野8も同様にリング視野であり、x方向に26mm、y方向に2.5mmの広がりを有する。
【0072】
図8を用いて、投影露光装置1において投影光学系7の代わりに使用することができる更に別の投影光学系37を説明する。投影光学系7を参照して上述したものに対応する投影光学系37の構成要素は同じ名称及び参照番号を有し、再度詳細には解説しない。
【0073】
ミラーM1、M4、及びM6は、凹ミラーとして設計される。ミラーM2及びM5は、凸ミラーとして設計される。ミラーM3は、事実上平面ミラーとして構成されるが、平坦な折り返しミラーではない。
【0074】
ミラーM1とM6は、これらのミラーの反射面の向きに関して対向して配置される。
【0075】
投影光学系37では、ミラーM2とM3の間に、投影光学系37内に位置する第1の瞳平面17が存在する。投影光学系37は、入射瞳の負の後部焦点を有する。従って、投影光学系37における入射瞳は、瞳平面17内ではなく、物体視野4の前の結像ビーム経路に位置する。ミラーM4とM5の間の結像ビーム経路には、中間像平面19がミラーM6の直ぐ隣に位置する。
【0076】
投影光学系37のミラーM1からM6の反射面の面表現は、以下の自由曲面式(3)に従って発生する。
この場合、x及びyは、それぞれの面上の座標を表す。この場合、局所座標系は、広域基準系に対してy座標方向に変位し、x軸の回りに傾斜される。
【0077】
zは、それぞれの局所面座標系における自由曲面の矢高又はサジッタを表す。RDX及びRDYは、xz断面及びyz断面内の自由曲面の半径、言い換えれば、座標原点におけるそれぞれの面曲率の逆数である。CCX及びCCYは円錐パラメータである。
【0078】
2番目に続く子表に提供している多項式係数は係数aijである。
【0079】
(表)
【0080】
(表)
【0081】
(表続き)
【0082】
投影光学系37においても、全てのミラーM1からM6はまた、自由曲面として構成される。
【0083】
投影光学系37の像視野8は矩形であり、x方向に26mmの広がり、y方向に2mmの広がりを有する。
【0084】
図9を用いて、投影露光装置1において投影光学系7の代わりに使用することができる更に別の投影光学系38を説明する。投影光学系7を参照して上述したものに対応する投影光学系38の構成要素は同じ名称及び参照番号を有し、再度詳細には説明しない。
【0085】
ミラーM2、M4、及びM6は、凹ミラーとして構成される。ミラーM3及びM5は、凸ミラーとして構成される。ミラーM1は、事実上平面ミラーとして構成されるが、平坦な折り返しミラーではない。投影光学系38は正の後部焦点を有する。従って、投影光学系38の入射瞳は瞳平面17内に位置する。ミラーM4とM5の間の結像ビーム経路には、中間像平面19が、ミラーM6よりも像視野8の近くに位置する。
【0086】
図9に記載の投影光学系38の光学データを図8に記載の投影光学系37に関する表に対応していくつかの子表に分割した表を用いて以下に示す。以下の表に提供するパラメータに関しては、図8に記載の投影光学系37の表に関して上述したものが適用される。
【0087】
一方でミラーM1とM6、及びミラーM3とM6は、これらのミラーの反射面の向きに関して対向して配置される。
【0088】
(表)
【0089】
(表)
【0090】
(表続き)
【0091】
投影光学系38においても、全てのミラーM1からM6はまた、自由曲面として構成される。
【0092】
投影光学系38の像視野8は矩形であり、投影光学系37の像視野8と大きさが同じである。
【0093】
図10を用いて、投影露光装置1において投影光学系7の代わりに使用することができる更に別の投影光学系39を説明する。投影光学系7を参照して上述したものに対応する投影光学系39の構成要素は同じ名称及び参照番号を有し、再度詳細には解説しない。
【0094】
ミラーM1、M4、及びM6は、凹ミラーとして設計される。ミラーM2、M3、及びM5は、凸ミラーとして設計される。
【0095】
ミラーM1とM6、及び同じくミラーM3とM6は、これらのミラーの反射面の向きに関して対向して配置される。
【0096】
投影光学系39では、ミラーM2とM3の間に、投影光学系39内に位置する第1の瞳平面17が存在する。投影光学系39は、入射瞳の負の後部焦点を有し、言い換えれば、個別視野点の主光線16は、物体視野4から投影光学系39内に互いに対して発散して延びている。従って、この投影光学系における入射瞳は、瞳平面17内ではなく、物体視野4の前の結像ビーム経路に位置する。それによって例えば投影光学系7の入射瞳内にある照明光学系6の瞳構成要素をこの瞳構成要素と物体平面5の間に更に別の結像光学構成要素を存在させる必要ではなく投影光学系39の前のビーム経路に配置することが可能になる。ミラーM4とM5の間の結像ビーム経路には、中間像平面19が、ミラーM6からよりも像視野8から遠くに離れて位置する。
【0097】
更に、図示の非折り返し結像ビーム経路では、結像光3を誘導するように構成されたミラーM1からM6の各々の有利面23上への中心物体視野点に属する主光線16の入射点は、像平面9からのミラー間隔zM1からzM6を有する。最初のミラーM1のミラー間隔zM1は、最後のミラーM6のミラー間隔zM6よりも大きい。最後から4番目のミラーM3のミラー間隔zM3は、最初のミラーM1のミラー間隔zM1よりも大きい。全体として、投影光学系39の6つのミラーM1からM6のミラー間隔zMに以下のカスケード関係が適用される。
zM4>zM2>zM3>zM1>zM6>zM5
【0098】
図10に記載の投影光学系39の光学データを図2に記載の投影光学系7に関する表に対応して複数の子表に分割した表を用いて以下に再現する。
【0099】
以下の表に再現する他のパラメータに関しては、図2に記載の投影光学系7の表に関して上述したものが適用される。
【0100】
(表)
【0101】
(表)
【0102】
(表)
【0103】
(表続き)
【0104】
(表続き)
【0105】
投影光学系39の像視野8も同様にリング視野であり、x方向に26mm、y方向に2.5mmの広がりを有する。
【0106】
図11に示す更に別の投影光学系40の光学データを図2に記載の投影光学系7に関する表に対応して複数の子表に分割した表を用いて以下に再現する。
【0107】
以下の表に再現する他のパラメータに関しては、図2に記載の投影光学系7の表に関して既に上述したものが適用される。
【0108】
(表)
【0109】
(表)
【0110】
(表)
【0111】
(表続き)
【0112】
他の点では図11に記載の投影光学系40は、図10に記載の投影光学系39に対応する。従って、投影光学系40を再度詳細に説明する必要はなく、上述の投影光学系に関する説明、特に図10に記載の投影光学系39に関する説明を参照されたい。図11では、特に投影光学系39を参照して上述したものに対応する投影光学系40の構成要素及び参照番号は同じ名称及び参照番号を有し、再度詳細には解説しない。
【0113】
上述の投影光学系7及び36から40の典型的な特性を表を用いて再度要約する。
【0114】
(表)
【0115】
NAは、それぞれの投影光学系の像側開口数を表す。
【0116】
この場合、設置長さは、物体平面5と像平面9の間の間隔を表す。
【0117】
表に提供している結像誤差、言い換えれば、波面誤差、歪曲、及びテレセントリック性は、それぞれの像視野8にわたる最大値である。
【0118】
表に提供しているテレセントリック性は、物体視野4のある点から射出する照明光ビーム束の密度ビームの像平面9に垂直な面に向う角度である。
【0119】
以下の4つの表は、図2に記載の投影光学系7、図7に記載の投影光学系36、図10に記載の投影光学系39、及び図11に記載の投影光学系40における6つのミラーM1からM6の各々に対して、一方で最大矢高又はサジッタ偏位(最適当て嵌め非球面偏位)を他方で最大法線角度偏位(勾配)を要約している。
【0120】
(表)
【0121】
(表)
【0122】
(表)
【0123】
(表)
【0124】
微細構造化構成要素又はナノ構造化構成要素を生成するために、投影露光装置1は、以下の通りに使用される。最初に、反射マスク10又はレチクルと基板又はウェーハ11とが準備される。次に、レチクル10上の構造が、投影露光装置を用いてウェーハ11の感光層上に投影される。その後に、感光層を現像することによってウェーハ11上に微細構造又はナノ構造が生成され、従って、微細構造化構成要素が生成される。
【符号の説明】
【0125】
4 物体視野
5 物体平面
8 像視野
9 像平面
36 結像光学系
M1、M2、M3、M4、M5、M6 ミラー
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び請求項2の前文に記載の結像光学系に関する。更に、本発明は、この種の結像光学系を有する投影露光装置、この種の投影露光装置を用いて構造化構成要素を生成する方法、及び本方法によって製造された微細構造化構成要素又はナノ構造化構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭で示したこの種の結像光学系は、US 7,414,781、US 7,348,565 B2、及びWO 2006/119 977 A1から公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US 7,414,781
【特許文献2】US 7,348,565 B2
【特許文献3】WO 2006/119 977 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、小さい結像誤差と、管理可能な製造と、結像光に対する良好な収量との制御可能な組合せが得られるような冒頭で示した種類の結像光学系を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるとこの目的は、第1の態様に従って請求項1に開示する特徴を備えた結像光学系によって達成される。
【0006】
本発明により、最初のミラーは、最後から4番目のミラーよりも像平面の近くに移動されるので、特に最初のミラー上で結像光に対してごく小さい入射角を提供することができる設計を提供することができる。更に、この最初のミラーは、有利に大きい反射面を有するように構成することができる。最初のミラーには、結像光による有利に低い強度負荷しかもたらされず、一方、特にEUV波長を有する非常に短い波長の結像光においてさえも小さい入射角の可能性に起因して、例えば、対応するミラーコーティングによって高度の反射を得ることができる。最終的に本発明による設計は、最初のミラーが、例えば、一般的に像側開口数を事前判断され、結像光学系の最後のミラーのミラー面をその面積に関して実質的に上回らない反射面を有するという結果も誘導し、それによって製造上の優位性がもたらされる。全体として本発明による設計は、小さい入射角が最初のミラー上で同時に達成され、このミラーの反射面に関する有利な妥協である。結像光学系が平坦な折り返しミラーを用いた折り返しビーム経路を有する場合には、ミラー間隔を判断するために最初にこの結像ビーム経路が展開される。従って、本発明による像平面からのミラー間隔を事前判断するために、常に結像光学系の非折り返し結像ビーム経路を考察する。一般的に結像光学系の瞳は、結像ビーム経路を制限する開口絞りの全ての像を意味すると理解すべきである。これらの像が収まる平面を瞳平面と呼ぶ。開口絞り像は必ずしも厳密に平面ではないので、これらの像に近似的に一致する平面も一般的に瞳平面と呼ぶ。開口絞り自体の平面も瞳平面と呼ぶ。開口絞り像と同様に開口絞りが平面ではない場合には、開口絞りに最も緊密に一致する平面を瞳平面と呼ぶ。
【0007】
結像光学系の入射瞳は、開口絞りが、結像光学系のうちで物体平面と開口絞りの間に位置した部分によって結像される場合に生成される開口絞り像を意味すると理解すべきである。それに応じて射出瞳は、開口絞りが、結像光学系のうちで像平面と開口絞りの間に位置した部分によって結像される場合に生成される開口絞り像である。
【0008】
入射瞳が開口絞りの虚像であり、言い換えれば、入射瞳平面が物体視野の前に位置する場合には、入射瞳の負の後部焦点と呼ばれる。この場合、全ての物体視野点に対する主光線又は主ビームは、結像ビーム経路の前の1つの点から射出したかのように延びている。各物体点に対する主光線は、物体点と入射瞳の中心点とを接続するビームとして定められる。従って、入射瞳の負の後部焦点の場合には、全ての物体点への主光線は、物体視野上で発散するビーム進路を有する。
【0009】
瞳の別の定義は、結像光学系の結像ビーム経路内で、物体視野点から射出する主光線に対して各場合に同じ照明角度に関連付けられたこれらの物体視野点から射出する個別ビームが交差する領域である。この別の瞳定義に従って個別ビームの交差点が位置する平面、又は必ずしも厳密にある一定の平面に位置させる必要がないこれらの交差点の空間分布の最も近くにくる平面を瞳平面と呼ぶことができる。
【0010】
本発明によると冒頭で示した目的は、第2の態様に従って請求項2に開示する特徴を備えた結像光学系によって達成される。
【0011】
本発明により、結像光学系内での少なくとも1つの固定の自由曲面の使用は、結像光学系による結像光の誘導において自由度を大きく高めることが認識されている。固定の自由曲面は、結像光学系の投影使用中にその形状に関して能動的に変更されない自由曲面を意味すると理解すべきである。当然ながら固定の自由曲面は調節目的で全体として変位させることができる。自由曲面は、回転対称関数によって表すことができる基準非球面を起点として設計される。自由曲面に最適に適応した非球面を基準非球面と一致させることができる。一方で最適適応非球面と、他方で自由曲面との間の本発明による小さい法線角度、言い換えれば、小さい法線偏位は、自由曲面が、回転対称関数によって表すことができる最適適応非球面からの偏位の僅かな勾配しか持たず、従って、本発明による自由曲面が、従来の検査構造を用いた面検査において依然として対応可能であるという結果をもたらす。更に、それによって本発明による自由曲面の製造が簡素化される。最大法線角度偏位は、50μrad、35μrad、又は更にそれ未満とすることができる。特に、結像光学系の全てのミラーにおける角度偏位を35μradよりも小さいとすることができる。結像光学系がこの種の自由曲面を複数有する場合には、これらの自由曲面の個別のものにおける角度偏位は、30μradよりも小さく、25μradよりも小さく、又は20μradよりも小さいとすることができる。結像光学系は、この種の自由曲面を厳密に1つ、又はそうでなければこの種の自由曲面を複数有することができる。結像光学系内のそれぞれの自由曲面に最適に適応した非球面の回転対称軸は一致する必要はなく、互いから分離させることができ、互いに対してある角度を有することができ、又は互いに対して斜めに延ばすことができる。少なくとも1つの自由曲面に最適に適応した非球面の回転対称軸は、物体平面及び/又は像平面に対して垂直なものとすることができる。それによってこの少なくとも1つの自由曲面の面検査が簡素化され、この検査に必要とされる検査光学系の設計が容易になる。少なくとも1つの自由曲面に最適に適応した非球面の回転対称軸の物体平面及び/又は像平面に対する90°からの角度偏位は、例えば、85°と90°の間の範囲で可能である。
【0012】
請求項3に記載の結像光学系は、上記2つの本発明の態様の利点を組み合わせるものである。
【0013】
請求項4に記載の結像光の波長よりも大きい矢高又はサジッタ偏位は、十分な像誤差補正の可能性をもたらす。一般的に、偏位は、例えば、50μmよりも小さく、3μmよりも小さいとすることができる。特に、この偏位は、この種の全ての自由曲面において3μmよりも小さいとすることができる。この矢高偏位は、個別自由曲面において2μmよりも小さく、又はそうでなければ1μmよりも小さいとすることができる。
【0014】
6つのミラーを備えた結像光学系は、目的において示したパラメータの特に有利な組合せをもたらす。
【0015】
請求項6に記載の結像光学系では、特に結像誤差を低減する設計自由度だけではなく、例えば、特定の視野形状を与えるための設計自由度も有利に大きい。自由曲面は全て本発明の第2の態様に従って構成することができる。代替的に、自由曲面の個別のものが、上述したものよりも大きい角度偏位又はそうでなければ小さいか又は大きい矢高偏位を有することができる。
【0016】
請求項7に記載の像側開口数は、結像光学系の特に高い構造解像度をもたらす。
【0017】
請求項8に記載の像視野は、結像光学系の良好な収量をもたらす。
【0018】
請求項9から請求項11に記載の結像パラメータは、有利に精密な結像をもたらす。
【0019】
請求項12に記載の結像光学系を投影光学系として使用する場合には、結像光学系の利点が特に大きくなる。
【0020】
本発明による光学系及び本発明による投影露光装置の利点は、本発明による結像光学系に関連して上記に列記したものに対応する。投影露光装置の光源は広帯域のものとすることができ、例えば、1nmよりも広く、10nmよりも広く、又は100nmよりも広い帯域幅を有することができる。更に、投影露光装置は、異なる波長の光源を用いて作動させることができるように設計することができる。特にマイクロリソグラフィに使用される他の波長のための光源、例えば、365nm、248nm、193nm、157nm、126nm、109nmの波長を有する光源、特に、100nmよりも短い、例えば、5nmと30nmの間の波長を有する光源も本発明による結像光学系と共に使用することができる。
【0021】
投影露光装置の光源は、5nmと30nmの間の波長を有する照明光を生成するように構成することができる。この種の光源は、最低反射率を満たすために、小さい入射角許容帯域幅しか持たない反射コーティングをミラー上に必要とする。小さい入射角許容帯域幅というこの要件は、本発明による結像光学系と共に使用することで満たすことができる。
【0022】
対応する利点は、本発明による製造方法、及び本方法によって製造される微細構造化構成要素又はナノ構造化構成要素に適用される。
【0023】
本発明の実施形態を図面を用いてより詳細に以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】EUVマイクロリソグラフィのための投影露光装置の概略図である。
【図2】投影露光装置の結像光学系の実施形態を子午断面に示す図である。
【図3】非回転対称自由曲面の面要素と、非球面の形態にある回転対称最適適応面とを通る断面を示し、自由曲面要素に対応する非球面要素を特徴付ける図である。
【図4】回転対称関数によって表すことができる最適適応非球面からの反射自由曲面の偏位を等高線と偏位のサイズに関連付けられたハッチングとによって示す、図2に記載の結像光学系の結像ビーム経路内の最初のミラーの自由曲面として構成された反射面の使用領域の大幅に拡大した上面図である。
【図5】最適適応非球面からの最初のミラーの反射自由曲面の偏位の勾配を図4と類似の図に示す図である。
【図6】図2に記載の結像光学系の物体視野の拡大図である。
【図7】図1に記載の投影露光装置における結像光学系の更に別の実施形態を図2と類似の図に示す図である。
【図8】図1に記載の投影露光装置における結像光学系の更に別の実施形態を図2と類似の図に示す図である。
【図9】図1に記載の投影露光装置における結像光学系の更に別の実施形態を図2と類似の図に示す図である。
【図10】図1に記載の投影露光装置における結像光学系の更に別の実施形態を図2と類似の図に示す図である。
【図11】図1に記載の投影露光装置における結像光学系の更に別の実施形態を図2と類似の図に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
マイクロリソグラフィのための投影露光装置1は、照明光又は照明放射線3のための光源2を有する。光源2は、例えば、5nmと30nmの間、特に5nmと10nmの間の波長範囲の光を生成するEUV光源である。光源2は、特に、13.5nmの波長を有する光源又は6.9nmの波長を有する光源とすることができる。他のEUV波長が可能である。一般的には、マイクロリソグラフィに使用することができ、適切なレーザ光源及び/又はLED光源に対して利用可能な可視波長、又はそうでなければ他の波長(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm、129nm、109nm)のようないかなる波長であっても、投影露光装置1内で誘導される照明光3において可能である。図1には照明光3のビーム経路を非常に概略的に示している。
【0026】
照明光学系6は、光源2から物体平面5の物体視野4(図6を参照されたい)に向けて照明光3を誘導するために用いされる。物体視野4は、投影光学系又は結像光学系7を用いて像平面9の像視野8内に所定の縮小スケールで結像される(図2を参照されたい)。図2又は図7から図9に図示の実施形態のうちの1つを投影光学系7に対して使用することができる。図2に記載の投影光学系7は、4倍の縮小を行う。
【0027】
他の縮小スケール、例えば、5×、6×、又は8×、又はそうでなければ8×よりも大きい縮小スケール又は4×よりも小さく、例えば、2×又は1×の縮小スケールも可能である。4×の結像スケールは、マイクロリソグラフィにおける一般的なスケールであり、レチクルとも呼ぶ結像する物体を保持する妥当なサイズの反射マスク10を用いて高い収量を可能にするので、EUV波長を有する照明光3に特に適している。更に、4×の結像スケールでは、反射マスク10上で必要とされる構造サイズは、反射マスク10における製造及び適正化の経費を限度内に保つのに十分に大きい。図2及びそれ以降に記載の構成における投影光学系7における像平面9は、物体平面5と平行に配置される。物体視野4に一致する反射マスク10の詳細内容が、この像平面9内に結像される。
【0028】
投影光学系7による結像は、基板ホルダ12によって保持されたウェーハの形態にある基板11の面上で発生する。図1は、レチクル10と投影光学系7の間に投影光学系7内を進む照明光3のビーム束13を投影光学系7と基板11の間に投影光学系7から射出する照明光3のビーム束14を略示している。投影光学系7によって結像される照明光3を結像光とも呼ぶ。図2に記載の構成における投影光学系7の像視野側の開口数は0.36である。図1にはこの開口数を正確な縮尺で示していない。
【0029】
投影露光装置1及び投影光学系7の様々な構成の説明を容易にするために、図面内に直交xyz座標系を提供しており、この座標系から、図内に示す構成要素のそれぞれの位置関係が明らかになる。図1では、x方向は、作図面と垂直に、それに向けて延びている。y方向は右に延び、z方向は下向きに延びている。
【0030】
投影露光装置1はスキャナ型のものである。投影露光装置1の作動中に、レチクル10と基板11の両方がy方向に走査される。基板11の個別露光の合間にレチクル10及び基板11の段階的な変位がy方向に発生するステッパ型の投影露光装置1も可能である。
【0031】
図2は、第1の実施形態の投影光学系7の光学設計を示している。図2のy方向に互いから分離した3つの物体視野点から射出する3つのそれぞれの個別ビーム15のビーム経路を示している。これらの3つの物体視野点のうちの1つに属する3つの個別ビーム15は、各場合に3つの物体視野点において異なる3つの照明方向に関連付けられる。主ビーム又は主光線16は、投影光学系7の瞳平面17、18内の瞳中心を通って進む。これらの主光線16は物体平面5から発して、最初に収束して進む。下記ではこれを投影光学系7の入射瞳の正の後部焦点とも呼ぶ。図2に記載の投影光学系7の瞳平面17内の入射瞳は、投影光学系7内に位置する。
【0032】
図2に記載の投影光学系7は、物体視野4から発する、個別ビーム15の結像ビーム経路の順に連続してM1からM6と番号が振られた合計で6つのミラーを有する。図2にはミラーM1からM6の計算上の反射面のみを示している。ミラーM1からM6は、実際に使用される反射面よりも一般的に大きい。
【0033】
ミラーM1、M2、M4、及びM6は、凹ミラーとして設計される。ミラーM3及びM5は、凸ミラーとして設計される。
【0034】
一方でミラーM1とM4、更に他方でミラーM3とM6は、これらのミラーの反射面の向きに関して対向して配置される。
【0035】
ミラーM2の領域内には、図2に記載の投影光学系7における入射瞳平面17が位置する。ミラーM4とM5の間には中間像平面19が位置する。ミラーM5とM6の間の結像ビーム経路には射出瞳平面18が位置する。
【0036】
図2に記載の投影光学系7の光学データを複数の子表に分割した表を用いて以下に示している。
【0037】
ミラーM1からM6の個別反射面の精密な形状は、基本非球面とも呼ぶ回転対称基準非球面と、XY多項式の形態にある自由曲面項との和として生成される。値Yは、第2の子表の最後に列記した偏心値Dy0だけ、それぞれのミラーM1からM6の位置の関数として変位される。
【0038】
回転対称基準非球面は、自由曲面からの最小偏位を有するように選択することができる。同時にこの場合、基準非球面は、上述の自由曲面に最適に適応した自由曲面、すなわち、最適当て嵌め非球面である。回転対称基準非球面は、個別に選択することができる、言い換えれば、最適適応非球面と一致しなくてもよい。
【0039】
基本非球面は、以下の非球面式(1)を用いて計算される。
ここでx及びyは、座標原点を起点とし、非球面の使用面領域の外側に位置することができる基本球面上の座標を表す。zは、基本非球面の矢高又はサジッタを表す。RDYは、基本非球面の半径、言い換えれば、座標原点における面曲率の逆数である。CCYは、円錐パラメータである。
【0040】
「間隔」という値は、それぞれのそれに続く構成要素からの間隔を表す。
【0041】
2番目に続く表では、「係数」という値は、基本球面式(1)の係数ckにおけるインデックスkを表す。
【0042】
以下の自由曲面項(2)が追加される。
zFは、基準非球面に対する自由曲面項の矢高又はサジッタを表す。自由曲面項のy座標は、基準非球面のy座標に対して偏心値Dy0だけ変位される。
【0043】
(表)
【0044】
(表)
【0045】
(表)
【0046】
(表続き)
【0047】
図に示している投影光学系7の様々な実施形態及び以下に説明する投影光学系の更に別の構成は、非折り返し結像ビーム経路で示したものである。それぞれの投影光学系7を収容するための設置空間要件に基づいて、ミラーM1からM6の間のビーム経路に更に別の折り返しミラーを収容することができることは明らかである。下記では非折り返し結像ビーム経路のみを考察する。
【0048】
上述の表から明らかなように、投影光学系7の6つのミラーM1からM6は、回転対称関数に基づいて表すことができない自由曲面として設計される。ミラーM1からM6のうちの少なくとも1つがこの種類の反射自由曲面を有する投影光学系7の他の構成も可能である。この場合、少なくとも1つの反射面は、回転対称関数に基づいて表すことができず、投影露光装置1の作動中又は作動の休止中に変更することができない、言い換えれば、自由曲面の形状に関して選択方式で変更することができない形状を有する固定の自由曲面として設計される。
【0049】
図3は、例えば、結像光3を誘導するように構成されたミラーM1の自由曲面の使用領域の自由曲面要素20を図示の偏位に関して大幅に誇張した非常に概略的な図に示している。更に、図3は、自由曲面に最適に適応され、回転対称関数、例えば、上述した非球面式によって表すことができる非球面21を示している。
【0050】
図3は、考察対象の自由曲面要素20の座標x0,y0の周囲の非球面要素22の領域内で最適に適応した非球面21に対する法線FNB、言い換えれば、自由曲面要素20に対応する非球面要素22に対する法線FNBを示している。図3には、矢高zに関して同じ座標x0,y0を起点とするが、自由曲面要素20から発する、自由曲面要素20に対する法線FNも示している。2つの法線FNBとFNとは、最大で70μradの互いに対する角度αを挟む。
【0051】
この最大偏位は、M1からM6の自由曲面の使用領域にわたって自由曲面要素とそれに対応する非球面要素との各対に適用される。これらの使用領域を有利面とも呼ぶ。全てのミラーM1からM6の光学的使用領域は、結像光3の通過のための貫通開口を持たず、言い換えれば、掩蔽されない。
【0052】
図4は、ミラーM1の自由曲面のうちで近似的に豆又は腎臓の基本形状を有する使用領域23の矢高又はサジッタの偏位Δzを示している。すなわち、実際に使用される自由曲面のz値からの基本非球面のz値の偏位をそれぞれ考察対象のx−y点に示している。
【0053】
使用領域23のうちの狭窄部24の領域内、言い換えれば、使用領域23の最小y値及び平均x値の位置では、最適適応非球面からの自由曲面の矢高偏位は最大であり、約0.5μmである。他のどこかでは、使用領域23にわたる矢高偏位は小さく、狭窄部24の周囲に弓形に延びる大きい領域25内では0に近い。
【0054】
従って、自由曲面は、500nmよりも短い波長の照明光又は結像光3が使用された場合に、最適適応非球面から最大で結像光3の波長よりも大きく偏位する。
【0055】
同様に図5は、ミラーM1の使用領域23に対して法線FN、FNBの互いからの最大角度偏位を示している。この角度偏位は、使用領域23のうちの2つの対向する縁部領域26、27内の最大x値と最小x値の位置において最大であり、約15μradである。他のどこかでは、法線FN、FNBの間の角度、言い換えれば、最適適応非球面からの自由曲面の偏位の最大勾配は小さく、更に狭窄部24の領域及び狭窄部24の周囲の図4の弓形領域25と比較して若干幅狭に延びる弓形領域28内では0に近い。
【0056】
図6は、投影光学系7の物体視野4の形状を拡大して例として示している。像視野は、縮小されることを除いて厳密に同じ形状を有する。視野4は、2つの部分円29、30によって境界が定められたアーチ形の視野形状を有する。2つの部分円のうちの内側のものである部分円29は半径Rを有する。更に、視野4は、部分円29、30の2つの端部を各場合に連結し、y軸と平行に延びる法線33と平行に延びる2つの境界線31、32によって境界が定められる。2つの境界線31、32は、互いに対する間隔XS、いわゆる走査スロット幅を有する。2つの部分円29、30は、YSという互いに対する間隔、いわゆる走査スロット長を有する。
【0057】
図2に記載の投影光学系7における像視野8は、寸法XS=26mm(走査スロット幅)及びYS=2mm(走査スロット長)を有する。
【0058】
図7を用いて、投影露光装置1において投影光学系7の代わりに使用することができる更に別の投影光学系36を説明する。投影光学系7を参照して上述したものに対応する投影光学系36の構成要素は同じ名称及び参照番号を有し、再度詳細には解説しない。
【0059】
ミラーM1、M4、及びM6は、凹ミラーとして設計される。ミラーM2、M3、及びM5は、凸ミラーとして設計される。
【0060】
ミラーM1とM6、及び同じくミラーM3とM6は、これらのミラーの反射面の向きに関して対向して配置される。
【0061】
投影光学系36では、ミラーM2とM3の間に、投影光学系36内に位置する第1の瞳平面17が存在する。投影光学系26は、入射瞳平面の負の後部焦点を有し、言い換えれば、個別視野点の主光線16は、物体視野4から投影光学系36内に互いに対して発散して延びている。従って、この投影光学系における入射瞳は、瞳平面17内ではなく、物体視野4の前の結像ビーム経路に位置する。それによって例えば、投影光学系7の入射瞳内にある、照明光学系6の瞳構成要素をこの瞳構成要素と物体平面5の間に更に別の結像光学構成要素を存在させる必要ではなく投影光学系36の前のビーム経路に配置することが可能になる。ミラーM4とM5の間の結像ビーム経路には、中間像平面19が、ミラーM6よりも像視野8の近くに位置する。
【0062】
更に、図示の非折り返し結像ビーム経路では、結像光3を誘導するように構成されたミラーM1からM6の各々の有利面23上への中心物体視野点に属する主光線16の入射点は、像平面9からのミラー間隔zM1からzM6を有する。最初のミラーM1のミラー間隔zM1は、最後のミラーM6のミラー間隔zM6よりも大きい。最後から4番目のミラーM3のミラー間隔zM3は、最初のミラーM1のミラー間隔zM1よりも大きい。全体として、投影光学系36の6つのミラーM1からM6のミラー間隔zMに以下の関係が適用される。
zM2>zM4>zM3>zM1>zM6>zM5
【0063】
図7に記載の投影光学系36の光学データを図2に記載の投影光学系7に関する表に対応していくつかの子表に分割した表を用いて以下に示す。
【0064】
これらの子表のうちの最初のものにある「y偏心」と呼ぶ値は、それぞれの面の局所座標系の広域座標系に対するy座標方向の変位を与える。この値は、図2に記載の投影光学系7では0に等しい。
【0065】
以下の表に提供する他のパラメータに関しては、図2に記載の投影光学系7の表に関連して上述したものが適用される。
【0066】
(表)
【0067】
(表)
【0068】
(表)
【0069】
(表続き)
【0070】
投影光学系36のミラーM1からM6の反射面も同様に自由曲面として構成され、これらの自由曲面の一方で矢高偏位に関する最適適応非球面からの偏位と、他方で法線の角度偏位とに関しては、図2に記載の投影光学系7の表に関連して既に上述したものが相応に適用される。例えば、投影光学系36のミラーM1は、1.01μmの最大矢高偏位及び1.14μradの最大角度偏位を有する。
【0071】
投影光学系36の像視野8も同様にリング視野であり、x方向に26mm、y方向に2.5mmの広がりを有する。
【0072】
図8を用いて、投影露光装置1において投影光学系7の代わりに使用することができる更に別の投影光学系37を説明する。投影光学系7を参照して上述したものに対応する投影光学系37の構成要素は同じ名称及び参照番号を有し、再度詳細には解説しない。
【0073】
ミラーM1、M4、及びM6は、凹ミラーとして設計される。ミラーM2及びM5は、凸ミラーとして設計される。ミラーM3は、事実上平面ミラーとして構成されるが、平坦な折り返しミラーではない。
【0074】
ミラーM1とM6は、これらのミラーの反射面の向きに関して対向して配置される。
【0075】
投影光学系37では、ミラーM2とM3の間に、投影光学系37内に位置する第1の瞳平面17が存在する。投影光学系37は、入射瞳の負の後部焦点を有する。従って、投影光学系37における入射瞳は、瞳平面17内ではなく、物体視野4の前の結像ビーム経路に位置する。ミラーM4とM5の間の結像ビーム経路には、中間像平面19がミラーM6の直ぐ隣に位置する。
【0076】
投影光学系37のミラーM1からM6の反射面の面表現は、以下の自由曲面式(3)に従って発生する。
この場合、x及びyは、それぞれの面上の座標を表す。この場合、局所座標系は、広域基準系に対してy座標方向に変位し、x軸の回りに傾斜される。
【0077】
zは、それぞれの局所面座標系における自由曲面の矢高又はサジッタを表す。RDX及びRDYは、xz断面及びyz断面内の自由曲面の半径、言い換えれば、座標原点におけるそれぞれの面曲率の逆数である。CCX及びCCYは円錐パラメータである。
【0078】
2番目に続く子表に提供している多項式係数は係数aijである。
【0079】
(表)
【0080】
(表)
【0081】
(表続き)
【0082】
投影光学系37においても、全てのミラーM1からM6はまた、自由曲面として構成される。
【0083】
投影光学系37の像視野8は矩形であり、x方向に26mmの広がり、y方向に2mmの広がりを有する。
【0084】
図9を用いて、投影露光装置1において投影光学系7の代わりに使用することができる更に別の投影光学系38を説明する。投影光学系7を参照して上述したものに対応する投影光学系38の構成要素は同じ名称及び参照番号を有し、再度詳細には説明しない。
【0085】
ミラーM2、M4、及びM6は、凹ミラーとして構成される。ミラーM3及びM5は、凸ミラーとして構成される。ミラーM1は、事実上平面ミラーとして構成されるが、平坦な折り返しミラーではない。投影光学系38は正の後部焦点を有する。従って、投影光学系38の入射瞳は瞳平面17内に位置する。ミラーM4とM5の間の結像ビーム経路には、中間像平面19が、ミラーM6よりも像視野8の近くに位置する。
【0086】
図9に記載の投影光学系38の光学データを図8に記載の投影光学系37に関する表に対応していくつかの子表に分割した表を用いて以下に示す。以下の表に提供するパラメータに関しては、図8に記載の投影光学系37の表に関して上述したものが適用される。
【0087】
一方でミラーM1とM6、及びミラーM3とM6は、これらのミラーの反射面の向きに関して対向して配置される。
【0088】
(表)
【0089】
(表)
【0090】
(表続き)
【0091】
投影光学系38においても、全てのミラーM1からM6はまた、自由曲面として構成される。
【0092】
投影光学系38の像視野8は矩形であり、投影光学系37の像視野8と大きさが同じである。
【0093】
図10を用いて、投影露光装置1において投影光学系7の代わりに使用することができる更に別の投影光学系39を説明する。投影光学系7を参照して上述したものに対応する投影光学系39の構成要素は同じ名称及び参照番号を有し、再度詳細には解説しない。
【0094】
ミラーM1、M4、及びM6は、凹ミラーとして設計される。ミラーM2、M3、及びM5は、凸ミラーとして設計される。
【0095】
ミラーM1とM6、及び同じくミラーM3とM6は、これらのミラーの反射面の向きに関して対向して配置される。
【0096】
投影光学系39では、ミラーM2とM3の間に、投影光学系39内に位置する第1の瞳平面17が存在する。投影光学系39は、入射瞳の負の後部焦点を有し、言い換えれば、個別視野点の主光線16は、物体視野4から投影光学系39内に互いに対して発散して延びている。従って、この投影光学系における入射瞳は、瞳平面17内ではなく、物体視野4の前の結像ビーム経路に位置する。それによって例えば投影光学系7の入射瞳内にある照明光学系6の瞳構成要素をこの瞳構成要素と物体平面5の間に更に別の結像光学構成要素を存在させる必要ではなく投影光学系39の前のビーム経路に配置することが可能になる。ミラーM4とM5の間の結像ビーム経路には、中間像平面19が、ミラーM6からよりも像視野8から遠くに離れて位置する。
【0097】
更に、図示の非折り返し結像ビーム経路では、結像光3を誘導するように構成されたミラーM1からM6の各々の有利面23上への中心物体視野点に属する主光線16の入射点は、像平面9からのミラー間隔zM1からzM6を有する。最初のミラーM1のミラー間隔zM1は、最後のミラーM6のミラー間隔zM6よりも大きい。最後から4番目のミラーM3のミラー間隔zM3は、最初のミラーM1のミラー間隔zM1よりも大きい。全体として、投影光学系39の6つのミラーM1からM6のミラー間隔zMに以下のカスケード関係が適用される。
zM4>zM2>zM3>zM1>zM6>zM5
【0098】
図10に記載の投影光学系39の光学データを図2に記載の投影光学系7に関する表に対応して複数の子表に分割した表を用いて以下に再現する。
【0099】
以下の表に再現する他のパラメータに関しては、図2に記載の投影光学系7の表に関して上述したものが適用される。
【0100】
(表)
【0101】
(表)
【0102】
(表)
【0103】
(表続き)
【0104】
(表続き)
【0105】
投影光学系39の像視野8も同様にリング視野であり、x方向に26mm、y方向に2.5mmの広がりを有する。
【0106】
図11に示す更に別の投影光学系40の光学データを図2に記載の投影光学系7に関する表に対応して複数の子表に分割した表を用いて以下に再現する。
【0107】
以下の表に再現する他のパラメータに関しては、図2に記載の投影光学系7の表に関して既に上述したものが適用される。
【0108】
(表)
【0109】
(表)
【0110】
(表)
【0111】
(表続き)
【0112】
他の点では図11に記載の投影光学系40は、図10に記載の投影光学系39に対応する。従って、投影光学系40を再度詳細に説明する必要はなく、上述の投影光学系に関する説明、特に図10に記載の投影光学系39に関する説明を参照されたい。図11では、特に投影光学系39を参照して上述したものに対応する投影光学系40の構成要素及び参照番号は同じ名称及び参照番号を有し、再度詳細には解説しない。
【0113】
上述の投影光学系7及び36から40の典型的な特性を表を用いて再度要約する。
【0114】
(表)
【0115】
NAは、それぞれの投影光学系の像側開口数を表す。
【0116】
この場合、設置長さは、物体平面5と像平面9の間の間隔を表す。
【0117】
表に提供している結像誤差、言い換えれば、波面誤差、歪曲、及びテレセントリック性は、それぞれの像視野8にわたる最大値である。
【0118】
表に提供しているテレセントリック性は、物体視野4のある点から射出する照明光ビーム束の密度ビームの像平面9に垂直な面に向う角度である。
【0119】
以下の4つの表は、図2に記載の投影光学系7、図7に記載の投影光学系36、図10に記載の投影光学系39、及び図11に記載の投影光学系40における6つのミラーM1からM6の各々に対して、一方で最大矢高又はサジッタ偏位(最適当て嵌め非球面偏位)を他方で最大法線角度偏位(勾配)を要約している。
【0120】
(表)
【0121】
(表)
【0122】
(表)
【0123】
(表)
【0124】
微細構造化構成要素又はナノ構造化構成要素を生成するために、投影露光装置1は、以下の通りに使用される。最初に、反射マスク10又はレチクルと基板又はウェーハ11とが準備される。次に、レチクル10上の構造が、投影露光装置を用いてウェーハ11の感光層上に投影される。その後に、感光層を現像することによってウェーハ11上に微細構造又はナノ構造が生成され、従って、微細構造化構成要素が生成される。
【符号の説明】
【0125】
4 物体視野
5 物体平面
8 像視野
9 像平面
36 結像光学系
M1、M2、M3、M4、M5、M6 ミラー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体視野(4)の後の結像光(3)の結像ビーム経路に最初のミラー(M1)を備え、
像視野(8)の前の結像光(3)の前記結像ビーム経路に最後のミラー(M6)を備え、
前記非折り返し結像ビーム経路において、前記結像光(3)を誘導するように構成されたミラー(M1からM6)の各々の使用領域(23)上への中心物体視野点に属する主光線(16)の入射点が、像平面(9)からのミラー間隔(zM)を有する、
物体平面(5)の物体視野(4)を像平面(9)の像視野(8)内に結像する複数のミラー(M1からM6)を備えた結像光学系(36;39;40)であって、
最初のミラー(M1)のミラー間隔(zM1)が、最後のミラー(M6)のミラー間隔(zM6)よりも大きく、
最後から4番目のミラー(M3)のミラー間隔(zM3)が、前記最初のミラー(M1)の前記ミラー間隔(zM1)よりも大きい、
ことを特徴とする結像光学系。
【請求項2】
ミラー(M1からM6)のうちの少なくとも1つの反射面が、回転対称関数によって説明することができない固定の自由曲面として設計される、
物体平面(5)の物体視野(4)を像平面(9)の像視野(8)内に結像する複数のミラー(M1からM6)を備えた結像光学系(7;36;37;38;39;40)であって、
自由曲面が、結像光(3)を誘導するように構成された該自由曲面の使用領域(23)の各自由曲面要素(20)に対する法線(FN)が非球面(21)の対応する非球面要素(22)に対する法線(FNB)と最大で70μradの角度(α)を取るような方法で、回転対称関数によって説明することができる該自由曲面に最適に適応した非球面(21)とは異なる、
ことを特徴とする結像光学系。
【請求項3】
請求項1及び請求項2に記載の結像光学系。
【請求項4】
前記自由曲面は、それに最適に適応した前記非球面(21)から結像光学系(7;36;37;38;39;40)が設計される対象である前記結像光(3)の波長よりも大きく偏位することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の結像光学系。
【請求項5】
結像光学系(7;36;37;38;39;40)が、厳密に6つのミラー(M1からM6)を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項6】
全ての前記ミラー(M1からM6)の前記反射面は、自由曲面として構成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項7】
0.3よりも大きい像側の開口数を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項8】
前記像視野(8)は、少なくとも1mmの広がりを有する辺(29,30,34,35)によって境界が定められた区域を覆うことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項9】
λが、使用される前記結像光(3)の波長である時に、25mλの最大波面誤差(rms)を特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項10】
1.1nmの最大歪曲を特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項11】
3mradの最小テレセントリック性を特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項12】
結像光学系(7;36;37;38;39;40)が、マイクロリソグラフィのための投影光学系として構成されることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項13】
請求項12に記載の投影光学系を備え、かつ
結像光学系(7)の物体視野(4)に向けて照明光(3)を誘導するための照明光学系(6)を備える、
ことを特徴とする光学系。
【請求項14】
請求項13に記載の光学系を備え、かつ
照明及び結像光(3)のための光源(2)を備える、
ことを特徴とするマイクロリソグラフィのための投影露光装置。
【請求項15】
前記光源(2)は、5と30nmの間の波長を有する照明光を生成するように構成されることを特徴とする請求項14に記載の投影露光装置。
【請求項16】
構造化構成要素を生成する方法であって、
レチクル(10)及びウェーハ(11)を準備する段階と、
請求項14又は請求項15に記載の投影露光装置を用いて前記レチクル(10)上の構造を前記ウェーハ(11)の感光層上に投影する段階と、
前記ウェーハ(11)上に構造を生成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法によって生成された構成要素。
【請求項1】
物体視野(4)の後の結像光(3)の結像ビーム経路に最初のミラー(M1)を備え、
像視野(8)の前の結像光(3)の前記結像ビーム経路に最後のミラー(M6)を備え、
前記非折り返し結像ビーム経路において、前記結像光(3)を誘導するように構成されたミラー(M1からM6)の各々の使用領域(23)上への中心物体視野点に属する主光線(16)の入射点が、像平面(9)からのミラー間隔(zM)を有する、
物体平面(5)の物体視野(4)を像平面(9)の像視野(8)内に結像する複数のミラー(M1からM6)を備えた結像光学系(36;39;40)であって、
最初のミラー(M1)のミラー間隔(zM1)が、最後のミラー(M6)のミラー間隔(zM6)よりも大きく、
最後から4番目のミラー(M3)のミラー間隔(zM3)が、前記最初のミラー(M1)の前記ミラー間隔(zM1)よりも大きい、
ことを特徴とする結像光学系。
【請求項2】
ミラー(M1からM6)のうちの少なくとも1つの反射面が、回転対称関数によって説明することができない固定の自由曲面として設計される、
物体平面(5)の物体視野(4)を像平面(9)の像視野(8)内に結像する複数のミラー(M1からM6)を備えた結像光学系(7;36;37;38;39;40)であって、
自由曲面が、結像光(3)を誘導するように構成された該自由曲面の使用領域(23)の各自由曲面要素(20)に対する法線(FN)が非球面(21)の対応する非球面要素(22)に対する法線(FNB)と最大で70μradの角度(α)を取るような方法で、回転対称関数によって説明することができる該自由曲面に最適に適応した非球面(21)とは異なる、
ことを特徴とする結像光学系。
【請求項3】
請求項1及び請求項2に記載の結像光学系。
【請求項4】
前記自由曲面は、それに最適に適応した前記非球面(21)から結像光学系(7;36;37;38;39;40)が設計される対象である前記結像光(3)の波長よりも大きく偏位することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の結像光学系。
【請求項5】
結像光学系(7;36;37;38;39;40)が、厳密に6つのミラー(M1からM6)を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項6】
全ての前記ミラー(M1からM6)の前記反射面は、自由曲面として構成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項7】
0.3よりも大きい像側の開口数を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項8】
前記像視野(8)は、少なくとも1mmの広がりを有する辺(29,30,34,35)によって境界が定められた区域を覆うことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項9】
λが、使用される前記結像光(3)の波長である時に、25mλの最大波面誤差(rms)を特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項10】
1.1nmの最大歪曲を特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項11】
3mradの最小テレセントリック性を特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項12】
結像光学系(7;36;37;38;39;40)が、マイクロリソグラフィのための投影光学系として構成されることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の結像光学系。
【請求項13】
請求項12に記載の投影光学系を備え、かつ
結像光学系(7)の物体視野(4)に向けて照明光(3)を誘導するための照明光学系(6)を備える、
ことを特徴とする光学系。
【請求項14】
請求項13に記載の光学系を備え、かつ
照明及び結像光(3)のための光源(2)を備える、
ことを特徴とするマイクロリソグラフィのための投影露光装置。
【請求項15】
前記光源(2)は、5と30nmの間の波長を有する照明光を生成するように構成されることを特徴とする請求項14に記載の投影露光装置。
【請求項16】
構造化構成要素を生成する方法であって、
レチクル(10)及びウェーハ(11)を準備する段階と、
請求項14又は請求項15に記載の投影露光装置を用いて前記レチクル(10)上の構造を前記ウェーハ(11)の感光層上に投影する段階と、
前記ウェーハ(11)上に構造を生成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法によって生成された構成要素。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−522273(P2012−522273A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502482(P2012−502482)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001512
【国際公開番号】WO2010/115500
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(503263355)カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー (435)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001512
【国際公開番号】WO2010/115500
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(503263355)カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー (435)
【Fターム(参考)】
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