絞り装置
【課題】簡単な構成を有し、高速化が可能な絞り装置の構造を提供すること。
【解決手段】本絞り装置(レンズシャッタ装置)1は、駆動モータ14により回転駆動される内駆動リング2と駆動モータ15により回転駆動される外駆動リング3とを有しており、シャッタ羽根11,12,13は、内駆動リング2の駆動ピン4,5,6および外駆動リング3の駆動ピン7,8,9により開閉駆動若しくは回転支持される。シャッタ開時には、内駆動リング2のみを時計回りに駆動してシャッタ羽根11,12,13の開放を行い、シャッタ閉では、外駆動リング3のみを同じく時計回りに駆動してシャッタ羽根11,12,13の閉鎖が行われる。上述のようにシャッタ開,閉の切り換え時に内,外駆動リング2,3の回転方向の切り換えが行われず、絞りの高速化が可能である。
【解決手段】本絞り装置(レンズシャッタ装置)1は、駆動モータ14により回転駆動される内駆動リング2と駆動モータ15により回転駆動される外駆動リング3とを有しており、シャッタ羽根11,12,13は、内駆動リング2の駆動ピン4,5,6および外駆動リング3の駆動ピン7,8,9により開閉駆動若しくは回転支持される。シャッタ開時には、内駆動リング2のみを時計回りに駆動してシャッタ羽根11,12,13の開放を行い、シャッタ閉では、外駆動リング3のみを同じく時計回りに駆動してシャッタ羽根11,12,13の閉鎖が行われる。上述のようにシャッタ開,閉の切り換え時に内,外駆動リング2,3の回転方向の切り換えが行われず、絞りの高速化が可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絞り装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の絞り装置において、開閉駆動される1組のセクタを適用するものでは、シャッタ開閉を行う場合、上記セクタを一旦開位置に移動直後、直ちに、閉方向に反転駆動する必要がある。したがって、上記反転動作のために高速で上記セクタを素早く開閉することが困難であった。
【0003】
特開平6−43520号公報に開示の絞り機構は、絞り開閉のために回動駆動される複数枚のセクタを有するものであって、上記セクタの回動中心部がカバー板の支持ピンに回動自在に支持され、上記セクタの一端部に配置される摺動ピンが回転駆動されるセクタ板の長穴に摺動自在に嵌入している。上記支持ピンと摺動ピンとの位置は、絞り開口を挟んだ位置に配置されている。上記セクタ板を回動駆動することにより上記セクタが回動して絞りが変化する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特開平6−43520号公報に開示の絞り機構をレンズシャッタに適用することを考えた場合、シャッタを開閉するためには、開方向への運動エネルギを有した上記セクタ板をその開方向から閉方向にその運動エネルギに抗しながら反転駆動しなければならず、非常に大きなエネルギを必要とし、シャッタの高速化は困難である。
【0005】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、簡単な構成を有し、高速化が可能な絞り装置の構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の絞り装置は、撮影光束の外方に配置された回転中心であって、この回転中心はさらに上記撮影光束の光軸に関しそれ自身が回転する孔またはピンにより構成された第1の回転中心と、この第1の回転中心とで上記撮影光束を挟むように上記撮影光束の外方に配置された回転中心であって、この回転中心はさらに上記撮影光束の光軸に関しそれ自身が回転する孔またはピンにより構成された第2の回転中心とを有し、上記第1の回転中心と上記第2の回転中心との間に上記撮影光束を通過させる開口の一部を形成する開口縁部とを有する羽根と、第1の駆動手段と、第2の駆動手段と、リング状の部材であり、上記羽根の第1の回転中心を構成する孔またはピンを回動自在または回動摺動自在に連結するピンまたは孔もしくは溝を有し、上記第1の駆動手段により上記撮影光束の光軸周りに回転可能に配設された第1の回転駆動部材と、リング状の部材であり、上記羽根の第2の回転中心を構成する孔またはピンを回動自在または回動摺動自在に連結するピンまたは孔もしくは溝を有し、上記第2の駆動手段により上記撮影光束の光軸周りであって、上記第1の回転駆動部材による回転方向と同一の方向に回転可能に配設された第2の回転駆動部材と、を有し、上記第2の回転駆動部材に対する上記第1の回転駆動部材の相対的回転により、上記第2の回転中心を上記光軸に関して一方向に回転させながら、上記羽根を上記第1の回転中心に関して上記一方向と同一の方向に回転させて上記開口縁部が上記開口を形成させ、上記第1の回転駆動部材に対する上記第2の回転駆動部材の相対的回転により、上記第1の回転中心を上記光軸に関して上記一方向と同一の方向に回転させながら、上記羽根を上記第2の回転中心に関して上記一方向と同一の方向に回転させて上記開口を閉じさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、絞り羽根開動作と閉動作にて絞り羽根を反転させることなく一方方向に回転させるように構成して羽根開閉の高速化を可能とする絞り装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の、絞り装置としても使用可能な第1の実施形態のレンズシャッタ装置の斜視図であり、図2は、上記レンズシャッタ装置の分解斜視図である。図3〜8は、図1のA矢視図で示される上記レンズシャッタ装置の開閉動作状態を示す図であって、図3は、全閉状態、図4は、図3の状態の後の途中開口状態、または、設定開口状態、図5は、図4の状態の後の全開状態、図6は、図5の状態の後の途中開口状態、または、設定開口状態、図7は、図6の状態の後の全閉状態を示している。図8は、設定開口後のシャッタ閉状態を示す図である。なお、以下の各実施形態の説明において、撮影光の入射側を前方側とする。また、回転方向は、被写体側(図1のA方向)から見た回転方向で示し、時計回りをD1方向の回転とし、反時計回りをD2 方向の回転とする。
【0009】
本実施形態のレンズシャッタ装置1は、主に内駆動リング2と、外駆動リング3と、絞り羽根としても機能することが可能なシャッタ羽根11,12,13と、ステッピングモータである駆動モータ14、および、15とを有してなる。
【0010】
上記内駆動リング2は、光軸Oを中心とするシャッタ開口2aと、シャッタ開口2aの外方位置にて前面側に光軸Oと平行方向に突出して配置される第2軸の駆動ピン4,5,6と、駆動ピン4,5,6の支持部位置で外周側に突出する3つの突起部2bと、外周部後方に設けられるギヤ部2eとを有している。なお、上記各突起部2bの右側面(前方からみて)は、当接面2cを形成し、上記各突出部2bの左側面(前方からみて)は、当接面2dを形成する。
【0011】
上記外駆動リング3は、光軸Oを中心とする開口であって、内駆動リング2の外周部が回転可能に嵌入する嵌合部3aと、シャッタ開口2aの外方位置にて前面側に光軸Oと平行方向に突出して配置される第1軸の駆動ピン7,8,9と、駆動ピン7,8,9の支持部位置の左右側面(前方からみて)に形成される当接面3c,3dと、当接面3c,3dの間であって、かつ、駆動ピン7,8,9の間の円周方向に配置される3つの円弧状の凹部3bと、外周部に設けられるギヤ部3eとを有している。
【0012】
上記外駆動リング3は、駆動リング支持部材(図示せず)により光軸O中心に回転可能に支持され、上記内駆動リング2は、外駆動リング3により光軸O中心に回転可能に支持されている。
【0013】
上記シャッタ羽根11は、上記駆動ピン4に摺動自在に嵌入し、第2の回転中心となる長穴11bと、上記駆動ピン7が回転自在に嵌入し、第1の回転中心となるピン穴11cと、長穴11bとピン穴11cとの間に配置され、シャッタ開口の一部を形成する開口縁部11aとを有している。
【0014】
上記シャッタ羽根12は、上記駆動ピン5に摺動自在に嵌入し、第2の回転中心となる長穴12bと、上記駆動ピン8に回転自在に嵌入し、第1の回転中心となるピン穴12cと、シャッタ開口の一部を形成する開口縁部12aとを有している。
【0015】
上記シャッタ羽根13は、上記駆動ピン6が摺動自在に嵌入し、第2の回転中心となる長穴13bと、上記駆動ピン9が回転自在に嵌入し、第1の回転中心となるピン穴13cと、シャッタ開口の一部を形成する開口縁部13aとを有している。
【0016】
上記駆動ピン4,5,6のそれぞれと、上記長穴11b,12b,13bのそれぞれは、それら長穴の長軸方向に相対摺動可能となっている。
【0017】
上記駆動モータ14の出力軸に固着されるピニオン16は、内駆動リング2のギヤ部2eに噛合し、また、上記駆動モータ15の出力軸に固着されるピニオン17は、外駆動リング3のギヤ部3eに噛合している。
【0018】
上述した構成を有する本実施形態のレンズシャッタ装置1では、各種のシャッタ開閉の制御動作が可能であり、そのうち、第1のシャッタ制御動作について、図3〜8を用いて説明する説明する。
【0019】
この第1のシャッタ制御動作を適用する場合、レンズシャッタ装置に対して別に絞り装置が併用されものとする。このシャッタ制御動作においては、上記絞り装置を所定の絞り設定状態とし、図3のシャッタ全閉状態から駆動モータ15は停止状態のまま、駆動モータ14を反時計回りに駆動し、内駆動リング2のみをD1 方向(時計回り)に所定角度回動駆動させる。上記内駆動リング2のD1 方向の回転により突起部2bが凹部3b上を摺動して駆動ピン4,5,6が光軸O中心に回動移動する。その回動によってシャッタ羽根11,12,13がそれぞれ駆動ピン7,8,9(すなわち、ピン穴11c,12c,13c)を中心に回動し、同時にピン穴11c,12c,13cのそれぞれは、駆動ピン7,8,9のそれぞれと相対移動する。そして、図4に示すシャッタ途中開口Paが形成される。
【0020】
さらに内駆動リング2のみをD1 方向(時計回り)に所定角度回動駆動すると、シャッタ羽根11,12,13は、駆動ピン7,8,9を中心の回動が上記同様に続行されて、図5に示すように内駆動リング2の突起部2bの当接面2cが外駆動リング3の当接面3cに当接して、シャッタ開口2a(全開口Pb)が開放されたシャッタ全開状態となる。そこで駆動モータ14を停止させる。
【0021】
その後、所定の秒時経過してシャッタ閉状態にするには、駆動モータ14を停止させたまま、駆動モータ15を反時計回りに回転駆動し、外駆動リング3のみをD1 方向に所定角度回動させると、駆動ピン7,8,9が光軸O中心に回動移動する。その回動によってシャッタ羽根11,12,13がそれぞれ駆動ピン4,5,6(すなわち、長穴11b,12b,13b)を中心に回動し、同時にピン穴11c,12c,13cのそれぞれは、駆動ピン7,8,9のそれぞれと相対移動する。そして、図6に示す途中開口Pcを呈する状態となる。
【0022】
続いて、さらに外駆動リング3のみをさらにD1 方向(時計回り)に所定角度回動駆動させると、シャッタ羽根11,12,13は、駆動ピン4,5,6を中心とした回動を続行して図7に示すように外駆動リング3の当接面3dが内駆動リング2の当接面2dに当接し、シャッタ閉状態となる。そこで駆動モータ15を停止させる。
【0023】
その後、再度、シャッタ開閉を行うする場合は、上述の図3〜図7に示した駆動制御動作が繰り返される。
【0024】
次に、本第1のレンズシャッタ装置1による第2のシャッタ制御動作について説明する。
【0025】
前記第1のシャッタ制御動作では内,外駆動リング2,3をそれぞれ図4等に示すようにD1 方向(時計回り)に回転させたが、本第2のシャッタ開閉制御動作では、外,内駆動リング3,2をそれぞれD2 方向(反時計回り)に回転させてシャッタ開閉を行う。すなわち、外駆動リング3をD2 方向に回転させて、図7のシャッタ閉状態から図6の途中開口状態を経て図5の全開状態とし、続いて、内駆動リング2をD2 方向に回転させて、図5のシャッタ開状態から図4の途中開口状態を経て図3の全閉状態にすることができる。
【0026】
次に、上記第1の実施形態のレンズシャッタ装置1による第3のシャッタ制御動作について説明する。
なお、この第3のシャッタ制御動作を適用する場合、レンズシャッタ装置1が絞り機能を有するので、別に絞り装置を設ける必要はない。
【0027】
このシャッタ開閉制御動作においては、シャッタ羽根の開口状態が所定の設定絞り開口状態に到達した後、開動作から閉動作に移るように制御される。まず、図3に示すシャッタ閉状態から内駆動リング2のみをD1 方向(時計回り)に所定角度回動駆動させる。上記内駆動リング2の回転によりシャッタ羽根11,12,13がそれぞれ駆動ピン7,8,9を中心に回動して所定の設定絞り状態である図4のシャッタ設定開口Paの状態となる。そこで、内駆動リング2を停止させ、続いて外駆動リング3をD1 方向に回転駆動する。上記外駆動リング3の回転によりシャッタ羽根11,12,13は、駆動ピン4,5,6を中心にして回動し、図8に示すシャッタ閉状態となる。
【0028】
続いて、再度、シャッタ開閉動作を行う場合、図8の状態からやはり内駆動リング2をD1 方向に回転させ、その後、外駆動リング3をD1 方向に回転させてシャッタ開閉を行わせることになる。
【0029】
上述したようにこの第1の実施形態のレンズシャッタ装置1にて上述した第1,2のシャッタ制御動作を適用する場合、シャッタ開動作から閉動作に移行するときに内,外駆動リング2,3の駆動部材の逆転回動動作を行わせる必要がないので高速のシャッタ秒時での開閉動作が可能になる。また、シャッタ羽根11,12,13についても各羽根の重心周りの回転方向成分が開動作時と閉動作時ともに同じ方向(D1 方向、または、D2 方向)であるので、開閉時に羽根が往復動作する従来のレンズシャッタ装置の機構に比べて高速で動作させることができる。
【0030】
特に、上記第3のシャッタ制御動作を適用する場合は、絞り装置を不要とすることからカメラの露光装置の構成が簡単になる。
【0031】
なお、上記第1の実施形態のレンズシャッタ装置1においては、2台の駆動モータ14,15を適用したが、これに限らず、1台の駆動モータの正逆回転をクラッチで切り換えて2つの駆動リング2,3をそれぞれ回転させるように構成することも可能である。
【0032】
さらに、駆動モータとしてステッピングモータを適用したが、回転量を検出するセンサーを設ければ、通常のDCモーターを適用することもできる。
【0033】
次に、上記第1のレンズシャッタ装置1によるシャッタ制御動作について、上述した第1,2,3のシャッタ制御動作以外の制御動作について説明する。
【0034】
第4のシャッタ制御動作は、前記第1と第2のシャッタ制御動作を交互に実行してシャッタ開閉を行うものである。まず、前述した第1のシャッタ制御動作に基づいて内駆動リング2をD1 方向に回転させ、図3のシャッタ閉状態から図5の開状態に回転駆動する。さらに、外駆動リング3をD1 方向に回転させ、図5のシャッタ開状態から図7の閉状態にする。
【0035】
さらに続けてシャッタ開閉を行うとき、前述した第2のシャッタ制御動作に基づいて外駆動リング3を逆方向のD2 方向に回転させ、シャッタ羽根を図7の閉状態から図5の開状態に回転駆動する。さらに、内駆動リング2をD2 方向に回転させ、図5のシャッタ開状態から図7の閉状態にする。
【0036】
この第4のシャッタ制御動作を適用した場合も一回のシャッタ開閉動作で内,外駆動リング2,3を逆転駆動することはなく、シャッタ動作の高速化が可能である。
【0037】
また、内,外駆動リング2,3を一周回転させる必要がなく、上記内,外駆動リングの外周に設けられるギア部を外周の1部分のみに配置すればよくなる。したがって、この第4のシャッタ制御動作を適用した場合には、ギヤ部以外の外周部分に他の機構部を配置することができ、レンズシャッタ装置をコンパクトにまとめることができる。なお、本シャッタ制御動作を適用する場合、内,外駆動リング2,3は双方向に動作することになるが、やはり1台の駆動モータを駆動源としてクラッチを介して内,外駆動リング2,3を駆動するように構成することも可能である。
【0038】
次に、上記第1のレンズシャッタ装置1による第5のシャッタ制御動作について説明する。
【0039】
前述した第1〜4のシャッタ制御動作においては、シャッタ全開動作時、または、シャッタ設定開口動作時に、開放駆動を行っていた駆動モータ14、または、15を停止させたが、本第5のシャッタ制御動作では、上記シャッタ全開、または、シャッタ設定開口状態を所定時間持続する必要があるとき、上記開放駆動を行っていた駆動モータ14、または、15を停止させず、さらに、他方の駆動モータ15、または、14を始動させ、双方の駆動モータを等速で駆動するように制御する。このように駆動モータを制御することで上記シャッタ全開、または、シャッタ設定開口の状態を所望の時間だけ持続させることができる。
【0040】
所要時間経過後、上記開放駆動を行っていた駆動モータ14、または、15を停止させ、他方の駆動モータ15、または、14は、そのまま駆動を続行させて閉じ動作を行わせ、全閉時に上記駆動モータ15、または、14も停止させる。
【0041】
この第5のシャッタ制御動作によれば、ある一定秒時以上ではシャッタ羽根11,12,13の開口形状がそのまま回転するので露光が平均化され、異方性のないボケ、言い換えれば、平均化されたボケやくせのないボケ味を得ることができる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態のレンズシャッタ装置について説明する。
図9,10は、上記第2の実施形態のレンズシャッタ装置の斜視図であり、図9は、前方側からみた図であり、図10は、後方側からみた図である。図11,12は、上記レンズシャッタ装置の分解斜視図であり、図11は、前方側からみた図であり、図12は、後方側からみた図である。図13〜37は、上記レンズシャッタ装置の開閉動作状態を示す図であり、図13,16,23は、図11のB矢視図、また、図14,17,19,21,24,26,28,30,32,34,36は、図11のC矢視図、また、図15,18,20,22,25,27,29,31,33,35,37は、図11のE−E断面図で示される上記レンズシャッタ装置の各開閉動作状態を示す図である。そして、上記図13〜15は初期の全閉状態、上記図16〜18は絞り設定後の全閉状態を示す。上記図19,20はシャッタ開放動作開始時の状態、上記図21,22はシャッタ開放途中の状態、上記図23〜25はシャッタ全開状態を示す。さらに、上記図26,27はシャッタ閉鎖途中の状態、上記図28,29はシャッタ閉鎖直前の状態、上記図30,31は、シャッタ全閉状態を示す。上記図32,33はシャッタ全閉でチャージ状態を示す。上記図34,35は、所定の絞り状態でのシャッタ設定絞り開口状態、上記図36,37は、上記シャッタ設定絞り開放後のシャッタ全閉状態を示す。
【0043】
本実施形態のレンズシャッタ装置21は、主に地板22と、第1の回転駆動部材である開きリング23と、第2の回転駆動部材である閉じリング24と、絞り羽根としても機能することが可能なシャッタ羽根27,28と、羽根押さえシート25と、絞りリング26と、ギヤボックス52に連結されるステッピングモータである駆動モータ51とからなる。
【0044】
上記地板22は、カメラ本体(図示せず)に固定支持されており、中央部に開口22aを有し、その前面側にクラッパー式(吸着型)電磁石であるシャッタ開き用電磁石41,シャッタ閉じ用電磁石42が取り付けられ、さらに、駆動ピン22b,22cが植設されており、その駆動ピン22b,22cに開きバネ43,閉じバネ44が懸架されている。なお、上記電磁石41,42は、その取り付け位置の微調整が可能であり、シャッタ閉状態にあるとき、後述する開きリング23、または、閉じリング24の鉄片部29,30の吸着面29a,30aが密着するように微調節される。
【0045】
上記開きリング23は、カメラ本体(図示せず)に対して光軸O回りに回転可能に支持されている。この開きリング23は、中央部に開口23aを有しており、後面側に磁性体からなり、吸着面29aを有する鉄片部29と、前面側にガイド溝23b,23cと、外方に突出する突起部の周方向側面に当接面23d,23eとが設けられている。また、開きリング23には、開きバネ43の一端が懸架されており、開きリング23は、開きバネ43のチャージ状態では、D1 方向(前方から見て時計回り)に回転付勢される。
【0046】
上記閉じリング24は、上記開きリング23の外周に回動自在に嵌合する嵌合穴24aを有し、開きリング23に回転可能に支持される。この閉じリング24には、後面側に磁性体からなり、吸着面30aを有する鉄片部30と、後面側周方向に設けられる当接面24b,24cと、前面側に光軸Oに沿って突出する駆動ピン31,32とが設けられている。また、閉じリング24には、閉じバネ44の一端が懸架されており、閉じバネ44のチャージ状態では、D1 方向(前方から見て時計回り)に回転付勢される。
【0047】
上記シャッタ羽根27,28は、それぞれシャッタ開口を形成する開口縁部27a,28aと、第1の回転中心であり、駆動ピン31,32に回転自在に嵌入するピン穴27b,28bと、後面側に突出し、第2の回転中心であり、ガイド溝23b,23cにその溝方向に摺動可能で、かつ、回転摺動自在に嵌入する駆動ピン33,34とを有している。このシャッタ羽根27,28は、駆動ピン31、または、32およびガイド溝23b、または、23cを介して開きリング23、および、閉じリング24により駆動され、光軸O回りを回動しながらシャッタ開閉回動駆動される。
【0048】
上記羽根押さえシート25は、シャッタ羽根27,28の光軸O方向の移動を規制する部材であり、中央にシャッタ開口25aを有しており、2つのピン穴25bを駆動ピン31,32に嵌入して装着され、閉じリング24と一体的に回転駆動される。
【0049】
上記絞りリング26は、カメラ本体(図示せず)に回転自在に支持される。この絞りリング26には、中央部に開口26aと、外周の一部にギヤ部26cと、後方側突出部周方向に当接面26bと、前方に光軸Oに沿って突出する7つのピン35とを有している。上記各ピン35には、それぞれ絞り羽根(図示せず)が回動可能に支持されている。シャッタ開閉に先立って駆動モータ51により絞りリング26が所定角度回動駆動されると、上記絞り羽根が回動駆動され、所定の絞り値の開口(図示せず)が設定される。
【0050】
次に、上述した構成を有する本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21におけるシャッタ開閉のためのシャッタ制御動作について説明する。
【0051】
本シャッタ制御動作の初期状態は、図13〜15に示すように絞りリング26をD2 方向(反時計回り、但し、図15上では、時計回り)に回し切った状態であり、絞りリング26の当接面26bで開きリング23の当接面23eを押し、かつ、開きリング23の当接面23dで閉じリング24の当接面24cを押して、上記三つのリング26,23,24は鉄片部29,30の吸着面29a,30aが電磁石41,42の吸着面41a,42aに当て付く位置まで回転している(図15)。また、閉じバネ44および開きバネ43はチヤージされた状態に保持されている。また、上記絞り羽根は、最小開口もしくは全閉状態に保持されている。この状態は、モーターのコギングトルクによって保持されている。
【0052】
上述の初期状態から以下に示す撮影時の露光のためのシャッタ開閉動作が開始される。すなわち、シャッタ開閉動作開始に際して、上記三つのリング26,23,24が図15の状態にあるとき、電磁石41,42に通電して鉄片部29,30吸着状態とする。なお、上記鉄片部29,30を吸着する場合、待機状態で電磁石41,42と鉄片部29,30との間に振動等により隙間が生じたとしても上述した絞りリング26のD2 方向への初期の回動動作により絞りリング26の当接面26bを介して開きリング23、さらに、閉じリング24が押圧されるので、上記鉄片部29,30の吸着面が隙間のない状態に保持され、確実に上記鉄片部29,30が電磁石41,42に吸着される。
【0053】
シャッタ全開動作を行う場合には、絞りリング26をD1 方向(時計回り)に回転させて絞り羽根(図示せず)を設定絞り値の状態にセットする(図16)。シャッタ羽根27,28は、閉状態を保ち(図17)、電磁石41,42は、吸着状態を保つ(図18)。
【0054】
そこで、開き電磁石41への通電を止めると、電磁石41は、磁力を失い、鉄片部29が解放され、開きリング23が開きバネ43の付勢力でD1 方向に回転する(図20)。上記開きリング23の回転によりガイド溝部23b,23cでシャッタ羽根27,28の駆動ピン33,34がガイド溝23b,23cの溝方向に移動しながら、すなわち、駆動ピン33,34とガイド溝23b,23cとは相対移動しながら押圧駆動されて、シャッタ羽根27,28が閉じリング24の駆動ピン31,32を中心にしてD1 方向にそれぞれ開き動作を開始する(図19)。
【0055】
開きリング23がさらにD1 方向に回転すると、シャッタ羽根27,28が上記開動作を続行し、途中開口状態を経て(図21)、開きリング23の当接面23eが絞りリング26の当接面26bに当接して停止する。その停止状態でシャッタ羽根27,28は、開口縁部27a,28aによりシャッタ全開口が形成される(図23,24)。図25は、上記シャッタ全開口状態での鉄片部29と開き電磁石41との離間状態を示す。
【0056】
所定のシャッタ秒時経過後に閉じ電磁石42の通電をオフすると、電磁石42は、磁力を失い、鉄片部30が閉じ電磁石42から離れ、閉じリング24は、閉じバネ44の付勢力でD1 方向に回転する(図27)。上記回転に伴って閉じリング24の駆動ピン31,32によりシャッタ羽根27,28が駆動ピン33,34を中心にしてD1 方向に回動駆動され、それとともに駆動ピン33,34は、上記ガイド溝23b,23cの溝中を移動し、すなわち、駆動ピン33,34とガイド溝23b,23cとは相対移動しながらシヤッタ閉じ動作が開始される(図26)。
【0057】
さらに、閉じリング24のD1 方向の回転が続行し、図28,29の状態を経て閉じリング24の当接面24cが開きリング23のの当接面23dに当接すると、閉じリング24は、停止してシャッタ全閉状態になる(図30,31)。
【0058】
その後、図30,31の全閉状態から駆動モータ51を駆動して絞りリング26をD2 方向に回転させ、絞りリング26により開きリング23を、さらに、開きリング23により閉じリング24をそれぞれ押圧してD2 方向に回転させて前記図13,14に示した初期状態に戻す。上記回転時には、開きリング23と閉じリング24とは、相対回転しない状態で回転するのでシャツタ羽根27,28は、閉じ状態を保持して回転する。また、この初期状態では、前記図15に示したように鉄片部29,30の吸着面29a,30aが電磁石41,42の吸着面41a,42aに当て付く位置まで回転しており、また、閉じバネ44および開きバネ43は、チヤージされた状態に保持される。
【0059】
次に、全開より小さい開口の所定のシャッタ開口状態とする場合の動作について説明すると、上記図13に示す初期状態にて電磁石41,42に通電し、鉄片部29,30と電磁石41,42とを吸着状態とする。この通電状態までは前述したシャッタ全閉動作と同じである。
【0060】
まず、絞りリング26をD1 方向に回転させて絞り羽根(図示せず)を所定の設定絞り値の状態にする。その絞りリング26の回転状態では、図32,33に示すようにシャッタ閉状態が保持される。
【0061】
そこで、開き電磁石41の通電をオフすると、開きリング23が開きバネ43の付勢力でD1 方向に回転し、開きリング23の当接面23eが絞りリング26の当接面26bに当接して停止する。上記開きリング23の回転によってガイド溝部23bでシャッタ羽根27,28の駆動ピン33,34が押圧駆動されて、シャッタ羽根27,28が閉じリング24の駆動ピン31,32を中心にしてD1 方向に回転して所定のシャッタ開口位置まで回転する(図34,35)。この状態ではシャッタ羽根27,28の開口径は絞り羽根(図示せず)の開口径S1 よりも若干大きくなっている。
【0062】
そして、所定のシャッタ秒時が経過した後、閉じ電磁石42の通電をオフすると、閉じリング24が閉じバネ44の付勢力によりD1 方向に回転し、閉じリング24の当接面24cが開きリング23の当接面23dに当接して停止する。上記閉じリング24の回転により駆動ピン31,32によりシャッタ羽根27,28が駆動ピン33,34を中心にしてD1 方向に回動駆動され、シヤッタ全閉状態となる(図36,37)。
【0063】
上記シャッタ全閉状態から絞りリング26をD2 方向に回転させると開きリング23と閉じリング24が同時にD2 方向に回転し、シャツタ羽根27,28は閉じたまま前記図13,14の初期状態に戻るが、このときの動作は、前記シャッタ全開動作の場合と同様である。
【0064】
上述した本第2実施形態のレンズシャッタ装置21によれば、前記第1の実施形態のレンズシャッタ装置1の場合と同様にシャッタ開動作から閉動作に移行するときに開き,閉じリング23,24の逆転回動動作を行わせる必要がないので、高速のシャッタ秒時での開閉動作が可能になる。特に、本実施形態の場合、閉じ動作にてシャツタ羽根27,28の回転中心となる駆動ピン33,34とシャツタ羽根の重心点が、羽根の形状上、接近しているので、開き動作から閉じ動作に移行する時間を短くすることができ、この点からもさらにシャッタ秒時の高速化に有利となる。
【0065】
また、本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21では、シャッタ羽根が2枚構成であるため途中開口での開口形状が長円に近い形状となるが、開き動作時と閉じ動作時で開口が回転しながら開閉するので従来の単に往復回動動作するシャッタ羽根をもつものに比べて上記開口形状による影響は少ないといえる。
【0066】
また、本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21は、1台の駆動モータ51で駆動可能であり、クラッチ等を採用する必要がなく構成が簡単である。
【0067】
なお、本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21では、絞り羽根(図示せず)とシャッタ羽根27,28とを別に設けるものとしたが、前記第1の実施形態の場合と同様にシャッタ羽根に絞り機能を持たせ、両者を兼用することも可能である。この場合、絞りリング26は、開きバネ,閉じバネのチャージと開きリング,閉じリングの停止位置の制御のみの機能を受け持つことになる。
【0068】
また、本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21では、絞りの開口径によってシャッタ羽根の停止位置を変化させたが、シャッタ羽根の回動は全開回動動作のみとすることができる。この場合、全開状態で開きリング23の当接面23eを閉じリング24の当接面24bに当てることによって全開状態から閉じ動作に移行するときの閉じリング24の速度を上げることができる。
【0069】
さらに、本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21では、シャッタ羽根のチャージを絞りリングの回動で行っているが、絞りリング機構とは独立した別途のチャージ機構を設けてもよい。
【0070】
また、本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21における電磁石41,42の吸着面の向きなどを変更することによって、開きリングと閉じリングを逆にする構成も可能である。
【0071】
また、前記第1の実施形態、または、第2の実施形態のレンズシャッタ装置においては、シャッタ開閉動作時に内,外駆動リングや開き,閉じリングを機械的に当て付けることによって停止させているが、当て付いたこと、あるいは、当て付き相当位置に到達したことを検出するセンサーを設けて、次の動作を行うように構成すれば、より適切な制御を行うことができる。
【0072】
また、従来のシャッタ装置と本発明のシャッタ装置とは、言い換えると、次のようになる。
すなわち、シャッタ羽根の回転速度を速度ベクトルとして表現すると、シャツタ羽根の回転平面に垂直な線上に回転速度の大きさ(長さ)を採り、シャッタ羽根の回転方向をその線上のベクトルの方向とすることができる。そして、従来のシャッタ装置ではシャツタ羽根の開方向の動きと閉じ方向の動きが逆となるためそのベクトルの向きが正反対となるのに対し、本発明のシャッタ装置ではシヤツタ羽根の開動作および閉じ動作において、それら速度ベクトルは同じ方向のベクトルとなっていることを特徴としている。さらに、言い換えると、シャツタ羽根を有するレンズシャツタ装置において、上記シャッタ羽根の開動作時のシャツタ羽根が有する回転速度ベクトルと、閉動作における上記シャツタ羽根の閉じ動作時のシャッタ羽根が有する回転速度ベクトルとが同じ方向を有するように構成されているといえる。
【0073】
上述したように本発明におけるレンズシャッタ開閉動作の高速化は、細かく言えば、開き動作から閉じ動作に移行する時間の短縮によるのものである。従来の往復動作する機構では動いている羽根を一旦止めてから逆方向に動かすことになるため高速化に限界があった。しかし、本発明の装置では駆動部材は往復動作しないことと、羽根自体の重心回りの回転方向が開き動作と閉じ動作とで変化しないことから、開きから閉じへ早く移行することができる。また、従来の往復作動する機構では羽根の速度自体をあげると反転しにくくなるのでトータル的には速度はあまり速くならないが、本発明の装置では反転時の負荷抵抗が小さいのでシャッタ羽根自体の速度を上げることができる。
【0074】
従来の高速化の手段として数多く提案されている閉じと開きを別の羽根にする案は、確かに部材の反転が全くないので高速化には有利であるが、羽根の枚数が多くなり、また、機構も複雑になる。本発明の装置は、少ないシャッタ羽根枚数で高速化が実現でき、少ないスペースに配置可能であるところにメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の、絞り装置としても使用可能な第1の実施形態のレンズシャッタ装置の斜視図である。
【図2】上記図1のレンズシャッタ装置の分解斜視図である。
【図3】上記図1のレンズシャッタ装置のA矢視図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図4】上記図1のレンズシャッタ装置のA矢視図であり、開閉動作状態のうちの途中開口状態、または、設定開口状態を示す。
【図5】上記図1のレンズシャッタ装置のA矢視図であり、開閉動作状態のうちの全開状態を示す。
【図6】上記図1のレンズシャッタ装置のA矢視図であり、開閉動作状態のうちの途中開口状態、または、設定開口状態を示す。
【図7】上記図1のレンズシャッタ装置のA矢視図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図8】上記図1のレンズシャッタ装置のA矢視図であり、開閉動作状態のうちの設定開口後のシャッタ閉状態を示す。
【図9】本発明の、絞り装置としても使用可能な第2の実施形態のレンズシャッタ装置を前方側からみた斜視図である。
【図10】上記図9のレンズシャッタ装置を後方側からみた斜視図である。
【図11】上記図9のレンズシャッタ装置を前方側からみた分解斜視図である。
【図12】上記図9のレンズシャッタ装置を後方側からみた分解斜視図である。
【図13】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のB矢視図であり、開閉動作状態のうちの初期の全閉状態を示す。
【図14】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの初期の全閉状態を示す。
【図15】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうち初期の全閉状態を示す。
【図16】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のB矢視図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図17】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図18】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図19】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの開放動作開始時の状態を示す。
【図20】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの開放動作開始時の状態を示す。
【図21】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの開放途中の状態を示す。
【図22】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの開放途中の状態を示す。
【図23】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のB矢視図であり、開閉動作状態のうちの全開状態を示す。
【図24】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの全開状態を示す。
【図25】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの全開状態を示す。
【図26】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの閉鎖途中の状態を示す。
【図27】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの閉鎖途中の状態を示す。
【図28】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの閉鎖直前状態を示す。
【図29】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの閉鎖直前状態を示す。
【図30】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図31】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図32】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちのシャッタ全閉でチャージ状態を示す。
【図33】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちのシャッタ全閉でチャージ状態を示す。
【図34】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの設定絞り開口状態を示す。
【図35】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの設定絞り開口状態を示す。
【図36】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図37】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【符号の説明】
【0076】
4,5,6
…駆動ピン(第2軸)
7,8,9
…駆動ピン(第1軸)
11,12,13,27,28
…シャッタ羽根
11a,12a,13a,27a,28a
…開口縁部
11b,12b,13b
…長穴(第2の回転中心)
11c,12c,13c,27b,28b
…ピン穴(第1の回転中心)
23 …開きリング(第1の回転駆動部材)
24 …閉じリング(第2の回転駆動部材)
33,34
…駆動ピン(第2の回転中心)
O …撮影光束の光軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、絞り装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の絞り装置において、開閉駆動される1組のセクタを適用するものでは、シャッタ開閉を行う場合、上記セクタを一旦開位置に移動直後、直ちに、閉方向に反転駆動する必要がある。したがって、上記反転動作のために高速で上記セクタを素早く開閉することが困難であった。
【0003】
特開平6−43520号公報に開示の絞り機構は、絞り開閉のために回動駆動される複数枚のセクタを有するものであって、上記セクタの回動中心部がカバー板の支持ピンに回動自在に支持され、上記セクタの一端部に配置される摺動ピンが回転駆動されるセクタ板の長穴に摺動自在に嵌入している。上記支持ピンと摺動ピンとの位置は、絞り開口を挟んだ位置に配置されている。上記セクタ板を回動駆動することにより上記セクタが回動して絞りが変化する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特開平6−43520号公報に開示の絞り機構をレンズシャッタに適用することを考えた場合、シャッタを開閉するためには、開方向への運動エネルギを有した上記セクタ板をその開方向から閉方向にその運動エネルギに抗しながら反転駆動しなければならず、非常に大きなエネルギを必要とし、シャッタの高速化は困難である。
【0005】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、簡単な構成を有し、高速化が可能な絞り装置の構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の絞り装置は、撮影光束の外方に配置された回転中心であって、この回転中心はさらに上記撮影光束の光軸に関しそれ自身が回転する孔またはピンにより構成された第1の回転中心と、この第1の回転中心とで上記撮影光束を挟むように上記撮影光束の外方に配置された回転中心であって、この回転中心はさらに上記撮影光束の光軸に関しそれ自身が回転する孔またはピンにより構成された第2の回転中心とを有し、上記第1の回転中心と上記第2の回転中心との間に上記撮影光束を通過させる開口の一部を形成する開口縁部とを有する羽根と、第1の駆動手段と、第2の駆動手段と、リング状の部材であり、上記羽根の第1の回転中心を構成する孔またはピンを回動自在または回動摺動自在に連結するピンまたは孔もしくは溝を有し、上記第1の駆動手段により上記撮影光束の光軸周りに回転可能に配設された第1の回転駆動部材と、リング状の部材であり、上記羽根の第2の回転中心を構成する孔またはピンを回動自在または回動摺動自在に連結するピンまたは孔もしくは溝を有し、上記第2の駆動手段により上記撮影光束の光軸周りであって、上記第1の回転駆動部材による回転方向と同一の方向に回転可能に配設された第2の回転駆動部材と、を有し、上記第2の回転駆動部材に対する上記第1の回転駆動部材の相対的回転により、上記第2の回転中心を上記光軸に関して一方向に回転させながら、上記羽根を上記第1の回転中心に関して上記一方向と同一の方向に回転させて上記開口縁部が上記開口を形成させ、上記第1の回転駆動部材に対する上記第2の回転駆動部材の相対的回転により、上記第1の回転中心を上記光軸に関して上記一方向と同一の方向に回転させながら、上記羽根を上記第2の回転中心に関して上記一方向と同一の方向に回転させて上記開口を閉じさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、絞り羽根開動作と閉動作にて絞り羽根を反転させることなく一方方向に回転させるように構成して羽根開閉の高速化を可能とする絞り装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の、絞り装置としても使用可能な第1の実施形態のレンズシャッタ装置の斜視図であり、図2は、上記レンズシャッタ装置の分解斜視図である。図3〜8は、図1のA矢視図で示される上記レンズシャッタ装置の開閉動作状態を示す図であって、図3は、全閉状態、図4は、図3の状態の後の途中開口状態、または、設定開口状態、図5は、図4の状態の後の全開状態、図6は、図5の状態の後の途中開口状態、または、設定開口状態、図7は、図6の状態の後の全閉状態を示している。図8は、設定開口後のシャッタ閉状態を示す図である。なお、以下の各実施形態の説明において、撮影光の入射側を前方側とする。また、回転方向は、被写体側(図1のA方向)から見た回転方向で示し、時計回りをD1方向の回転とし、反時計回りをD2 方向の回転とする。
【0009】
本実施形態のレンズシャッタ装置1は、主に内駆動リング2と、外駆動リング3と、絞り羽根としても機能することが可能なシャッタ羽根11,12,13と、ステッピングモータである駆動モータ14、および、15とを有してなる。
【0010】
上記内駆動リング2は、光軸Oを中心とするシャッタ開口2aと、シャッタ開口2aの外方位置にて前面側に光軸Oと平行方向に突出して配置される第2軸の駆動ピン4,5,6と、駆動ピン4,5,6の支持部位置で外周側に突出する3つの突起部2bと、外周部後方に設けられるギヤ部2eとを有している。なお、上記各突起部2bの右側面(前方からみて)は、当接面2cを形成し、上記各突出部2bの左側面(前方からみて)は、当接面2dを形成する。
【0011】
上記外駆動リング3は、光軸Oを中心とする開口であって、内駆動リング2の外周部が回転可能に嵌入する嵌合部3aと、シャッタ開口2aの外方位置にて前面側に光軸Oと平行方向に突出して配置される第1軸の駆動ピン7,8,9と、駆動ピン7,8,9の支持部位置の左右側面(前方からみて)に形成される当接面3c,3dと、当接面3c,3dの間であって、かつ、駆動ピン7,8,9の間の円周方向に配置される3つの円弧状の凹部3bと、外周部に設けられるギヤ部3eとを有している。
【0012】
上記外駆動リング3は、駆動リング支持部材(図示せず)により光軸O中心に回転可能に支持され、上記内駆動リング2は、外駆動リング3により光軸O中心に回転可能に支持されている。
【0013】
上記シャッタ羽根11は、上記駆動ピン4に摺動自在に嵌入し、第2の回転中心となる長穴11bと、上記駆動ピン7が回転自在に嵌入し、第1の回転中心となるピン穴11cと、長穴11bとピン穴11cとの間に配置され、シャッタ開口の一部を形成する開口縁部11aとを有している。
【0014】
上記シャッタ羽根12は、上記駆動ピン5に摺動自在に嵌入し、第2の回転中心となる長穴12bと、上記駆動ピン8に回転自在に嵌入し、第1の回転中心となるピン穴12cと、シャッタ開口の一部を形成する開口縁部12aとを有している。
【0015】
上記シャッタ羽根13は、上記駆動ピン6が摺動自在に嵌入し、第2の回転中心となる長穴13bと、上記駆動ピン9が回転自在に嵌入し、第1の回転中心となるピン穴13cと、シャッタ開口の一部を形成する開口縁部13aとを有している。
【0016】
上記駆動ピン4,5,6のそれぞれと、上記長穴11b,12b,13bのそれぞれは、それら長穴の長軸方向に相対摺動可能となっている。
【0017】
上記駆動モータ14の出力軸に固着されるピニオン16は、内駆動リング2のギヤ部2eに噛合し、また、上記駆動モータ15の出力軸に固着されるピニオン17は、外駆動リング3のギヤ部3eに噛合している。
【0018】
上述した構成を有する本実施形態のレンズシャッタ装置1では、各種のシャッタ開閉の制御動作が可能であり、そのうち、第1のシャッタ制御動作について、図3〜8を用いて説明する説明する。
【0019】
この第1のシャッタ制御動作を適用する場合、レンズシャッタ装置に対して別に絞り装置が併用されものとする。このシャッタ制御動作においては、上記絞り装置を所定の絞り設定状態とし、図3のシャッタ全閉状態から駆動モータ15は停止状態のまま、駆動モータ14を反時計回りに駆動し、内駆動リング2のみをD1 方向(時計回り)に所定角度回動駆動させる。上記内駆動リング2のD1 方向の回転により突起部2bが凹部3b上を摺動して駆動ピン4,5,6が光軸O中心に回動移動する。その回動によってシャッタ羽根11,12,13がそれぞれ駆動ピン7,8,9(すなわち、ピン穴11c,12c,13c)を中心に回動し、同時にピン穴11c,12c,13cのそれぞれは、駆動ピン7,8,9のそれぞれと相対移動する。そして、図4に示すシャッタ途中開口Paが形成される。
【0020】
さらに内駆動リング2のみをD1 方向(時計回り)に所定角度回動駆動すると、シャッタ羽根11,12,13は、駆動ピン7,8,9を中心の回動が上記同様に続行されて、図5に示すように内駆動リング2の突起部2bの当接面2cが外駆動リング3の当接面3cに当接して、シャッタ開口2a(全開口Pb)が開放されたシャッタ全開状態となる。そこで駆動モータ14を停止させる。
【0021】
その後、所定の秒時経過してシャッタ閉状態にするには、駆動モータ14を停止させたまま、駆動モータ15を反時計回りに回転駆動し、外駆動リング3のみをD1 方向に所定角度回動させると、駆動ピン7,8,9が光軸O中心に回動移動する。その回動によってシャッタ羽根11,12,13がそれぞれ駆動ピン4,5,6(すなわち、長穴11b,12b,13b)を中心に回動し、同時にピン穴11c,12c,13cのそれぞれは、駆動ピン7,8,9のそれぞれと相対移動する。そして、図6に示す途中開口Pcを呈する状態となる。
【0022】
続いて、さらに外駆動リング3のみをさらにD1 方向(時計回り)に所定角度回動駆動させると、シャッタ羽根11,12,13は、駆動ピン4,5,6を中心とした回動を続行して図7に示すように外駆動リング3の当接面3dが内駆動リング2の当接面2dに当接し、シャッタ閉状態となる。そこで駆動モータ15を停止させる。
【0023】
その後、再度、シャッタ開閉を行うする場合は、上述の図3〜図7に示した駆動制御動作が繰り返される。
【0024】
次に、本第1のレンズシャッタ装置1による第2のシャッタ制御動作について説明する。
【0025】
前記第1のシャッタ制御動作では内,外駆動リング2,3をそれぞれ図4等に示すようにD1 方向(時計回り)に回転させたが、本第2のシャッタ開閉制御動作では、外,内駆動リング3,2をそれぞれD2 方向(反時計回り)に回転させてシャッタ開閉を行う。すなわち、外駆動リング3をD2 方向に回転させて、図7のシャッタ閉状態から図6の途中開口状態を経て図5の全開状態とし、続いて、内駆動リング2をD2 方向に回転させて、図5のシャッタ開状態から図4の途中開口状態を経て図3の全閉状態にすることができる。
【0026】
次に、上記第1の実施形態のレンズシャッタ装置1による第3のシャッタ制御動作について説明する。
なお、この第3のシャッタ制御動作を適用する場合、レンズシャッタ装置1が絞り機能を有するので、別に絞り装置を設ける必要はない。
【0027】
このシャッタ開閉制御動作においては、シャッタ羽根の開口状態が所定の設定絞り開口状態に到達した後、開動作から閉動作に移るように制御される。まず、図3に示すシャッタ閉状態から内駆動リング2のみをD1 方向(時計回り)に所定角度回動駆動させる。上記内駆動リング2の回転によりシャッタ羽根11,12,13がそれぞれ駆動ピン7,8,9を中心に回動して所定の設定絞り状態である図4のシャッタ設定開口Paの状態となる。そこで、内駆動リング2を停止させ、続いて外駆動リング3をD1 方向に回転駆動する。上記外駆動リング3の回転によりシャッタ羽根11,12,13は、駆動ピン4,5,6を中心にして回動し、図8に示すシャッタ閉状態となる。
【0028】
続いて、再度、シャッタ開閉動作を行う場合、図8の状態からやはり内駆動リング2をD1 方向に回転させ、その後、外駆動リング3をD1 方向に回転させてシャッタ開閉を行わせることになる。
【0029】
上述したようにこの第1の実施形態のレンズシャッタ装置1にて上述した第1,2のシャッタ制御動作を適用する場合、シャッタ開動作から閉動作に移行するときに内,外駆動リング2,3の駆動部材の逆転回動動作を行わせる必要がないので高速のシャッタ秒時での開閉動作が可能になる。また、シャッタ羽根11,12,13についても各羽根の重心周りの回転方向成分が開動作時と閉動作時ともに同じ方向(D1 方向、または、D2 方向)であるので、開閉時に羽根が往復動作する従来のレンズシャッタ装置の機構に比べて高速で動作させることができる。
【0030】
特に、上記第3のシャッタ制御動作を適用する場合は、絞り装置を不要とすることからカメラの露光装置の構成が簡単になる。
【0031】
なお、上記第1の実施形態のレンズシャッタ装置1においては、2台の駆動モータ14,15を適用したが、これに限らず、1台の駆動モータの正逆回転をクラッチで切り換えて2つの駆動リング2,3をそれぞれ回転させるように構成することも可能である。
【0032】
さらに、駆動モータとしてステッピングモータを適用したが、回転量を検出するセンサーを設ければ、通常のDCモーターを適用することもできる。
【0033】
次に、上記第1のレンズシャッタ装置1によるシャッタ制御動作について、上述した第1,2,3のシャッタ制御動作以外の制御動作について説明する。
【0034】
第4のシャッタ制御動作は、前記第1と第2のシャッタ制御動作を交互に実行してシャッタ開閉を行うものである。まず、前述した第1のシャッタ制御動作に基づいて内駆動リング2をD1 方向に回転させ、図3のシャッタ閉状態から図5の開状態に回転駆動する。さらに、外駆動リング3をD1 方向に回転させ、図5のシャッタ開状態から図7の閉状態にする。
【0035】
さらに続けてシャッタ開閉を行うとき、前述した第2のシャッタ制御動作に基づいて外駆動リング3を逆方向のD2 方向に回転させ、シャッタ羽根を図7の閉状態から図5の開状態に回転駆動する。さらに、内駆動リング2をD2 方向に回転させ、図5のシャッタ開状態から図7の閉状態にする。
【0036】
この第4のシャッタ制御動作を適用した場合も一回のシャッタ開閉動作で内,外駆動リング2,3を逆転駆動することはなく、シャッタ動作の高速化が可能である。
【0037】
また、内,外駆動リング2,3を一周回転させる必要がなく、上記内,外駆動リングの外周に設けられるギア部を外周の1部分のみに配置すればよくなる。したがって、この第4のシャッタ制御動作を適用した場合には、ギヤ部以外の外周部分に他の機構部を配置することができ、レンズシャッタ装置をコンパクトにまとめることができる。なお、本シャッタ制御動作を適用する場合、内,外駆動リング2,3は双方向に動作することになるが、やはり1台の駆動モータを駆動源としてクラッチを介して内,外駆動リング2,3を駆動するように構成することも可能である。
【0038】
次に、上記第1のレンズシャッタ装置1による第5のシャッタ制御動作について説明する。
【0039】
前述した第1〜4のシャッタ制御動作においては、シャッタ全開動作時、または、シャッタ設定開口動作時に、開放駆動を行っていた駆動モータ14、または、15を停止させたが、本第5のシャッタ制御動作では、上記シャッタ全開、または、シャッタ設定開口状態を所定時間持続する必要があるとき、上記開放駆動を行っていた駆動モータ14、または、15を停止させず、さらに、他方の駆動モータ15、または、14を始動させ、双方の駆動モータを等速で駆動するように制御する。このように駆動モータを制御することで上記シャッタ全開、または、シャッタ設定開口の状態を所望の時間だけ持続させることができる。
【0040】
所要時間経過後、上記開放駆動を行っていた駆動モータ14、または、15を停止させ、他方の駆動モータ15、または、14は、そのまま駆動を続行させて閉じ動作を行わせ、全閉時に上記駆動モータ15、または、14も停止させる。
【0041】
この第5のシャッタ制御動作によれば、ある一定秒時以上ではシャッタ羽根11,12,13の開口形状がそのまま回転するので露光が平均化され、異方性のないボケ、言い換えれば、平均化されたボケやくせのないボケ味を得ることができる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態のレンズシャッタ装置について説明する。
図9,10は、上記第2の実施形態のレンズシャッタ装置の斜視図であり、図9は、前方側からみた図であり、図10は、後方側からみた図である。図11,12は、上記レンズシャッタ装置の分解斜視図であり、図11は、前方側からみた図であり、図12は、後方側からみた図である。図13〜37は、上記レンズシャッタ装置の開閉動作状態を示す図であり、図13,16,23は、図11のB矢視図、また、図14,17,19,21,24,26,28,30,32,34,36は、図11のC矢視図、また、図15,18,20,22,25,27,29,31,33,35,37は、図11のE−E断面図で示される上記レンズシャッタ装置の各開閉動作状態を示す図である。そして、上記図13〜15は初期の全閉状態、上記図16〜18は絞り設定後の全閉状態を示す。上記図19,20はシャッタ開放動作開始時の状態、上記図21,22はシャッタ開放途中の状態、上記図23〜25はシャッタ全開状態を示す。さらに、上記図26,27はシャッタ閉鎖途中の状態、上記図28,29はシャッタ閉鎖直前の状態、上記図30,31は、シャッタ全閉状態を示す。上記図32,33はシャッタ全閉でチャージ状態を示す。上記図34,35は、所定の絞り状態でのシャッタ設定絞り開口状態、上記図36,37は、上記シャッタ設定絞り開放後のシャッタ全閉状態を示す。
【0043】
本実施形態のレンズシャッタ装置21は、主に地板22と、第1の回転駆動部材である開きリング23と、第2の回転駆動部材である閉じリング24と、絞り羽根としても機能することが可能なシャッタ羽根27,28と、羽根押さえシート25と、絞りリング26と、ギヤボックス52に連結されるステッピングモータである駆動モータ51とからなる。
【0044】
上記地板22は、カメラ本体(図示せず)に固定支持されており、中央部に開口22aを有し、その前面側にクラッパー式(吸着型)電磁石であるシャッタ開き用電磁石41,シャッタ閉じ用電磁石42が取り付けられ、さらに、駆動ピン22b,22cが植設されており、その駆動ピン22b,22cに開きバネ43,閉じバネ44が懸架されている。なお、上記電磁石41,42は、その取り付け位置の微調整が可能であり、シャッタ閉状態にあるとき、後述する開きリング23、または、閉じリング24の鉄片部29,30の吸着面29a,30aが密着するように微調節される。
【0045】
上記開きリング23は、カメラ本体(図示せず)に対して光軸O回りに回転可能に支持されている。この開きリング23は、中央部に開口23aを有しており、後面側に磁性体からなり、吸着面29aを有する鉄片部29と、前面側にガイド溝23b,23cと、外方に突出する突起部の周方向側面に当接面23d,23eとが設けられている。また、開きリング23には、開きバネ43の一端が懸架されており、開きリング23は、開きバネ43のチャージ状態では、D1 方向(前方から見て時計回り)に回転付勢される。
【0046】
上記閉じリング24は、上記開きリング23の外周に回動自在に嵌合する嵌合穴24aを有し、開きリング23に回転可能に支持される。この閉じリング24には、後面側に磁性体からなり、吸着面30aを有する鉄片部30と、後面側周方向に設けられる当接面24b,24cと、前面側に光軸Oに沿って突出する駆動ピン31,32とが設けられている。また、閉じリング24には、閉じバネ44の一端が懸架されており、閉じバネ44のチャージ状態では、D1 方向(前方から見て時計回り)に回転付勢される。
【0047】
上記シャッタ羽根27,28は、それぞれシャッタ開口を形成する開口縁部27a,28aと、第1の回転中心であり、駆動ピン31,32に回転自在に嵌入するピン穴27b,28bと、後面側に突出し、第2の回転中心であり、ガイド溝23b,23cにその溝方向に摺動可能で、かつ、回転摺動自在に嵌入する駆動ピン33,34とを有している。このシャッタ羽根27,28は、駆動ピン31、または、32およびガイド溝23b、または、23cを介して開きリング23、および、閉じリング24により駆動され、光軸O回りを回動しながらシャッタ開閉回動駆動される。
【0048】
上記羽根押さえシート25は、シャッタ羽根27,28の光軸O方向の移動を規制する部材であり、中央にシャッタ開口25aを有しており、2つのピン穴25bを駆動ピン31,32に嵌入して装着され、閉じリング24と一体的に回転駆動される。
【0049】
上記絞りリング26は、カメラ本体(図示せず)に回転自在に支持される。この絞りリング26には、中央部に開口26aと、外周の一部にギヤ部26cと、後方側突出部周方向に当接面26bと、前方に光軸Oに沿って突出する7つのピン35とを有している。上記各ピン35には、それぞれ絞り羽根(図示せず)が回動可能に支持されている。シャッタ開閉に先立って駆動モータ51により絞りリング26が所定角度回動駆動されると、上記絞り羽根が回動駆動され、所定の絞り値の開口(図示せず)が設定される。
【0050】
次に、上述した構成を有する本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21におけるシャッタ開閉のためのシャッタ制御動作について説明する。
【0051】
本シャッタ制御動作の初期状態は、図13〜15に示すように絞りリング26をD2 方向(反時計回り、但し、図15上では、時計回り)に回し切った状態であり、絞りリング26の当接面26bで開きリング23の当接面23eを押し、かつ、開きリング23の当接面23dで閉じリング24の当接面24cを押して、上記三つのリング26,23,24は鉄片部29,30の吸着面29a,30aが電磁石41,42の吸着面41a,42aに当て付く位置まで回転している(図15)。また、閉じバネ44および開きバネ43はチヤージされた状態に保持されている。また、上記絞り羽根は、最小開口もしくは全閉状態に保持されている。この状態は、モーターのコギングトルクによって保持されている。
【0052】
上述の初期状態から以下に示す撮影時の露光のためのシャッタ開閉動作が開始される。すなわち、シャッタ開閉動作開始に際して、上記三つのリング26,23,24が図15の状態にあるとき、電磁石41,42に通電して鉄片部29,30吸着状態とする。なお、上記鉄片部29,30を吸着する場合、待機状態で電磁石41,42と鉄片部29,30との間に振動等により隙間が生じたとしても上述した絞りリング26のD2 方向への初期の回動動作により絞りリング26の当接面26bを介して開きリング23、さらに、閉じリング24が押圧されるので、上記鉄片部29,30の吸着面が隙間のない状態に保持され、確実に上記鉄片部29,30が電磁石41,42に吸着される。
【0053】
シャッタ全開動作を行う場合には、絞りリング26をD1 方向(時計回り)に回転させて絞り羽根(図示せず)を設定絞り値の状態にセットする(図16)。シャッタ羽根27,28は、閉状態を保ち(図17)、電磁石41,42は、吸着状態を保つ(図18)。
【0054】
そこで、開き電磁石41への通電を止めると、電磁石41は、磁力を失い、鉄片部29が解放され、開きリング23が開きバネ43の付勢力でD1 方向に回転する(図20)。上記開きリング23の回転によりガイド溝部23b,23cでシャッタ羽根27,28の駆動ピン33,34がガイド溝23b,23cの溝方向に移動しながら、すなわち、駆動ピン33,34とガイド溝23b,23cとは相対移動しながら押圧駆動されて、シャッタ羽根27,28が閉じリング24の駆動ピン31,32を中心にしてD1 方向にそれぞれ開き動作を開始する(図19)。
【0055】
開きリング23がさらにD1 方向に回転すると、シャッタ羽根27,28が上記開動作を続行し、途中開口状態を経て(図21)、開きリング23の当接面23eが絞りリング26の当接面26bに当接して停止する。その停止状態でシャッタ羽根27,28は、開口縁部27a,28aによりシャッタ全開口が形成される(図23,24)。図25は、上記シャッタ全開口状態での鉄片部29と開き電磁石41との離間状態を示す。
【0056】
所定のシャッタ秒時経過後に閉じ電磁石42の通電をオフすると、電磁石42は、磁力を失い、鉄片部30が閉じ電磁石42から離れ、閉じリング24は、閉じバネ44の付勢力でD1 方向に回転する(図27)。上記回転に伴って閉じリング24の駆動ピン31,32によりシャッタ羽根27,28が駆動ピン33,34を中心にしてD1 方向に回動駆動され、それとともに駆動ピン33,34は、上記ガイド溝23b,23cの溝中を移動し、すなわち、駆動ピン33,34とガイド溝23b,23cとは相対移動しながらシヤッタ閉じ動作が開始される(図26)。
【0057】
さらに、閉じリング24のD1 方向の回転が続行し、図28,29の状態を経て閉じリング24の当接面24cが開きリング23のの当接面23dに当接すると、閉じリング24は、停止してシャッタ全閉状態になる(図30,31)。
【0058】
その後、図30,31の全閉状態から駆動モータ51を駆動して絞りリング26をD2 方向に回転させ、絞りリング26により開きリング23を、さらに、開きリング23により閉じリング24をそれぞれ押圧してD2 方向に回転させて前記図13,14に示した初期状態に戻す。上記回転時には、開きリング23と閉じリング24とは、相対回転しない状態で回転するのでシャツタ羽根27,28は、閉じ状態を保持して回転する。また、この初期状態では、前記図15に示したように鉄片部29,30の吸着面29a,30aが電磁石41,42の吸着面41a,42aに当て付く位置まで回転しており、また、閉じバネ44および開きバネ43は、チヤージされた状態に保持される。
【0059】
次に、全開より小さい開口の所定のシャッタ開口状態とする場合の動作について説明すると、上記図13に示す初期状態にて電磁石41,42に通電し、鉄片部29,30と電磁石41,42とを吸着状態とする。この通電状態までは前述したシャッタ全閉動作と同じである。
【0060】
まず、絞りリング26をD1 方向に回転させて絞り羽根(図示せず)を所定の設定絞り値の状態にする。その絞りリング26の回転状態では、図32,33に示すようにシャッタ閉状態が保持される。
【0061】
そこで、開き電磁石41の通電をオフすると、開きリング23が開きバネ43の付勢力でD1 方向に回転し、開きリング23の当接面23eが絞りリング26の当接面26bに当接して停止する。上記開きリング23の回転によってガイド溝部23bでシャッタ羽根27,28の駆動ピン33,34が押圧駆動されて、シャッタ羽根27,28が閉じリング24の駆動ピン31,32を中心にしてD1 方向に回転して所定のシャッタ開口位置まで回転する(図34,35)。この状態ではシャッタ羽根27,28の開口径は絞り羽根(図示せず)の開口径S1 よりも若干大きくなっている。
【0062】
そして、所定のシャッタ秒時が経過した後、閉じ電磁石42の通電をオフすると、閉じリング24が閉じバネ44の付勢力によりD1 方向に回転し、閉じリング24の当接面24cが開きリング23の当接面23dに当接して停止する。上記閉じリング24の回転により駆動ピン31,32によりシャッタ羽根27,28が駆動ピン33,34を中心にしてD1 方向に回動駆動され、シヤッタ全閉状態となる(図36,37)。
【0063】
上記シャッタ全閉状態から絞りリング26をD2 方向に回転させると開きリング23と閉じリング24が同時にD2 方向に回転し、シャツタ羽根27,28は閉じたまま前記図13,14の初期状態に戻るが、このときの動作は、前記シャッタ全開動作の場合と同様である。
【0064】
上述した本第2実施形態のレンズシャッタ装置21によれば、前記第1の実施形態のレンズシャッタ装置1の場合と同様にシャッタ開動作から閉動作に移行するときに開き,閉じリング23,24の逆転回動動作を行わせる必要がないので、高速のシャッタ秒時での開閉動作が可能になる。特に、本実施形態の場合、閉じ動作にてシャツタ羽根27,28の回転中心となる駆動ピン33,34とシャツタ羽根の重心点が、羽根の形状上、接近しているので、開き動作から閉じ動作に移行する時間を短くすることができ、この点からもさらにシャッタ秒時の高速化に有利となる。
【0065】
また、本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21では、シャッタ羽根が2枚構成であるため途中開口での開口形状が長円に近い形状となるが、開き動作時と閉じ動作時で開口が回転しながら開閉するので従来の単に往復回動動作するシャッタ羽根をもつものに比べて上記開口形状による影響は少ないといえる。
【0066】
また、本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21は、1台の駆動モータ51で駆動可能であり、クラッチ等を採用する必要がなく構成が簡単である。
【0067】
なお、本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21では、絞り羽根(図示せず)とシャッタ羽根27,28とを別に設けるものとしたが、前記第1の実施形態の場合と同様にシャッタ羽根に絞り機能を持たせ、両者を兼用することも可能である。この場合、絞りリング26は、開きバネ,閉じバネのチャージと開きリング,閉じリングの停止位置の制御のみの機能を受け持つことになる。
【0068】
また、本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21では、絞りの開口径によってシャッタ羽根の停止位置を変化させたが、シャッタ羽根の回動は全開回動動作のみとすることができる。この場合、全開状態で開きリング23の当接面23eを閉じリング24の当接面24bに当てることによって全開状態から閉じ動作に移行するときの閉じリング24の速度を上げることができる。
【0069】
さらに、本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21では、シャッタ羽根のチャージを絞りリングの回動で行っているが、絞りリング機構とは独立した別途のチャージ機構を設けてもよい。
【0070】
また、本第2の実施形態のレンズシャッタ装置21における電磁石41,42の吸着面の向きなどを変更することによって、開きリングと閉じリングを逆にする構成も可能である。
【0071】
また、前記第1の実施形態、または、第2の実施形態のレンズシャッタ装置においては、シャッタ開閉動作時に内,外駆動リングや開き,閉じリングを機械的に当て付けることによって停止させているが、当て付いたこと、あるいは、当て付き相当位置に到達したことを検出するセンサーを設けて、次の動作を行うように構成すれば、より適切な制御を行うことができる。
【0072】
また、従来のシャッタ装置と本発明のシャッタ装置とは、言い換えると、次のようになる。
すなわち、シャッタ羽根の回転速度を速度ベクトルとして表現すると、シャツタ羽根の回転平面に垂直な線上に回転速度の大きさ(長さ)を採り、シャッタ羽根の回転方向をその線上のベクトルの方向とすることができる。そして、従来のシャッタ装置ではシャツタ羽根の開方向の動きと閉じ方向の動きが逆となるためそのベクトルの向きが正反対となるのに対し、本発明のシャッタ装置ではシヤツタ羽根の開動作および閉じ動作において、それら速度ベクトルは同じ方向のベクトルとなっていることを特徴としている。さらに、言い換えると、シャツタ羽根を有するレンズシャツタ装置において、上記シャッタ羽根の開動作時のシャツタ羽根が有する回転速度ベクトルと、閉動作における上記シャツタ羽根の閉じ動作時のシャッタ羽根が有する回転速度ベクトルとが同じ方向を有するように構成されているといえる。
【0073】
上述したように本発明におけるレンズシャッタ開閉動作の高速化は、細かく言えば、開き動作から閉じ動作に移行する時間の短縮によるのものである。従来の往復動作する機構では動いている羽根を一旦止めてから逆方向に動かすことになるため高速化に限界があった。しかし、本発明の装置では駆動部材は往復動作しないことと、羽根自体の重心回りの回転方向が開き動作と閉じ動作とで変化しないことから、開きから閉じへ早く移行することができる。また、従来の往復作動する機構では羽根の速度自体をあげると反転しにくくなるのでトータル的には速度はあまり速くならないが、本発明の装置では反転時の負荷抵抗が小さいのでシャッタ羽根自体の速度を上げることができる。
【0074】
従来の高速化の手段として数多く提案されている閉じと開きを別の羽根にする案は、確かに部材の反転が全くないので高速化には有利であるが、羽根の枚数が多くなり、また、機構も複雑になる。本発明の装置は、少ないシャッタ羽根枚数で高速化が実現でき、少ないスペースに配置可能であるところにメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の、絞り装置としても使用可能な第1の実施形態のレンズシャッタ装置の斜視図である。
【図2】上記図1のレンズシャッタ装置の分解斜視図である。
【図3】上記図1のレンズシャッタ装置のA矢視図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図4】上記図1のレンズシャッタ装置のA矢視図であり、開閉動作状態のうちの途中開口状態、または、設定開口状態を示す。
【図5】上記図1のレンズシャッタ装置のA矢視図であり、開閉動作状態のうちの全開状態を示す。
【図6】上記図1のレンズシャッタ装置のA矢視図であり、開閉動作状態のうちの途中開口状態、または、設定開口状態を示す。
【図7】上記図1のレンズシャッタ装置のA矢視図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図8】上記図1のレンズシャッタ装置のA矢視図であり、開閉動作状態のうちの設定開口後のシャッタ閉状態を示す。
【図9】本発明の、絞り装置としても使用可能な第2の実施形態のレンズシャッタ装置を前方側からみた斜視図である。
【図10】上記図9のレンズシャッタ装置を後方側からみた斜視図である。
【図11】上記図9のレンズシャッタ装置を前方側からみた分解斜視図である。
【図12】上記図9のレンズシャッタ装置を後方側からみた分解斜視図である。
【図13】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のB矢視図であり、開閉動作状態のうちの初期の全閉状態を示す。
【図14】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの初期の全閉状態を示す。
【図15】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうち初期の全閉状態を示す。
【図16】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のB矢視図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図17】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図18】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図19】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの開放動作開始時の状態を示す。
【図20】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの開放動作開始時の状態を示す。
【図21】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの開放途中の状態を示す。
【図22】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの開放途中の状態を示す。
【図23】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のB矢視図であり、開閉動作状態のうちの全開状態を示す。
【図24】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの全開状態を示す。
【図25】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの全開状態を示す。
【図26】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの閉鎖途中の状態を示す。
【図27】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの閉鎖途中の状態を示す。
【図28】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの閉鎖直前状態を示す。
【図29】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの閉鎖直前状態を示す。
【図30】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図31】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図32】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちのシャッタ全閉でチャージ状態を示す。
【図33】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちのシャッタ全閉でチャージ状態を示す。
【図34】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの設定絞り開口状態を示す。
【図35】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの設定絞り開口状態を示す。
【図36】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のC矢視図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【図37】上記図9のレンズシャッタ装置の図11のE−E断面図であり、開閉動作状態のうちの全閉状態を示す。
【符号の説明】
【0076】
4,5,6
…駆動ピン(第2軸)
7,8,9
…駆動ピン(第1軸)
11,12,13,27,28
…シャッタ羽根
11a,12a,13a,27a,28a
…開口縁部
11b,12b,13b
…長穴(第2の回転中心)
11c,12c,13c,27b,28b
…ピン穴(第1の回転中心)
23 …開きリング(第1の回転駆動部材)
24 …閉じリング(第2の回転駆動部材)
33,34
…駆動ピン(第2の回転中心)
O …撮影光束の光軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光束の外方に配置された回転中心であって、この回転中心はさらに上記撮影光束の光軸に関しそれ自身が回転する孔またはピンにより構成された第1の回転中心と、この第1の回転中心とで上記撮影光束を挟むように上記撮影光束の外方に配置された回転中心であって、この回転中心はさらに上記撮影光束の光軸に関しそれ自身が回転する孔またはピンにより構成された第2の回転中心とを有し、上記第1の回転中心と上記第2の回転中心との間に上記撮影光束を通過させる開口の一部を形成する開口縁部とを有する羽根と、
第1の駆動手段と、
第2の駆動手段と、
リング状の部材であり、上記羽根の第1の回転中心を構成する孔またはピンを回動自在または回動摺動自在に連結するピンまたは孔もしくは溝を有し、上記第1の駆動手段により上記撮影光束の光軸周りに回転可能に配設された第1の回転駆動部材と、
リング状の部材であり、上記羽根の第2の回転中心を構成する孔またはピンを回動自在または回動摺動自在に連結するピンまたは孔もしくは溝を有し、上記第2の駆動手段により上記撮影光束の光軸周りであって、上記第1の回転駆動部材による回転方向と同一の方向に回転可能に配設された第2の回転駆動部材と、
を有し、
上記第2の回転駆動部材に対する上記第1の回転駆動部材の相対的回転により、上記第2の回転中心を上記光軸に関して一方向に回転させながら、上記羽根を上記第1の回転中心に関して上記一方向と同一の方向に回転させて上記開口縁部が上記開口を形成させ、
上記第1の回転駆動部材に対する上記第2の回転駆動部材の相対的回転により、上記第1の回転中心を上記光軸に関して上記一方向と同一の方向に回転させながら、上記羽根を上記第2の回転中心に関して上記一方向と同一の方向に回転させて上記開口を閉じさせることを特徴とする絞り装置。
【請求項1】
撮影光束の外方に配置された回転中心であって、この回転中心はさらに上記撮影光束の光軸に関しそれ自身が回転する孔またはピンにより構成された第1の回転中心と、この第1の回転中心とで上記撮影光束を挟むように上記撮影光束の外方に配置された回転中心であって、この回転中心はさらに上記撮影光束の光軸に関しそれ自身が回転する孔またはピンにより構成された第2の回転中心とを有し、上記第1の回転中心と上記第2の回転中心との間に上記撮影光束を通過させる開口の一部を形成する開口縁部とを有する羽根と、
第1の駆動手段と、
第2の駆動手段と、
リング状の部材であり、上記羽根の第1の回転中心を構成する孔またはピンを回動自在または回動摺動自在に連結するピンまたは孔もしくは溝を有し、上記第1の駆動手段により上記撮影光束の光軸周りに回転可能に配設された第1の回転駆動部材と、
リング状の部材であり、上記羽根の第2の回転中心を構成する孔またはピンを回動自在または回動摺動自在に連結するピンまたは孔もしくは溝を有し、上記第2の駆動手段により上記撮影光束の光軸周りであって、上記第1の回転駆動部材による回転方向と同一の方向に回転可能に配設された第2の回転駆動部材と、
を有し、
上記第2の回転駆動部材に対する上記第1の回転駆動部材の相対的回転により、上記第2の回転中心を上記光軸に関して一方向に回転させながら、上記羽根を上記第1の回転中心に関して上記一方向と同一の方向に回転させて上記開口縁部が上記開口を形成させ、
上記第1の回転駆動部材に対する上記第2の回転駆動部材の相対的回転により、上記第1の回転中心を上記光軸に関して上記一方向と同一の方向に回転させながら、上記羽根を上記第2の回転中心に関して上記一方向と同一の方向に回転させて上記開口を閉じさせることを特徴とする絞り装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【公開番号】特開2007−264645(P2007−264645A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121153(P2007−121153)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【分割の表示】特願2002−229058(P2002−229058)の分割
【原出願日】平成14年8月6日(2002.8.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【分割の表示】特願2002−229058(P2002−229058)の分割
【原出願日】平成14年8月6日(2002.8.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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