説明

絶縁トランスおよび電力変換装置

【課題】経時劣化を抑制した上で、信頼性および耐環境性を向上させつつ、外部磁束に起因するノイズとしての影響を軽減するとともに、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら信号の授受を行えるようにする。
【解決手段】2次コイルパターン14を半導体基板11に形成するとともに、1次コイルパターン18をガラス基板17の一方の面に形成し、1次コイルパターン18が一方の面に形成されたガラス基板17を、ガラス基板17の他方の面を介して粘着層16にて半導体基板11上に固着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は絶縁トランスおよび電力変換装置に関し、特に、絶縁トランスの1次側巻線と2次側巻線との絶縁にガラス基板を用いる方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年の車両機器では、高効率化および省エネ対策を図るために、駆動力を生む電動機の駆動システムに、昇降圧コンバータおよびインバータの搭載が行われている。
図9は、従来の昇降圧コンバータを用いた車両駆動システムの概略構成を示すブロック図である。
図9において、車両駆動システムには、昇降圧コンバータ1102に電力を供給する電源1101、電圧の昇降圧を行う昇降圧コンバータ1102、昇降圧コンバータ1102から出力された電圧を3相電圧に変換するインバータ1103および車両を駆動する電動機1104が設けられている。なお、電源1101は、架線からの給電電圧または直列接続されたバッテリーから構成することができる。
【0003】
そして、車両駆動時には、昇降圧コンバータ1102は、電源1101の電圧(例:280V)を電動機1104の駆動に適した電圧(例:750V)に昇圧し、インバータ1103に供給する。そして、スイッチング素子をオン/オフ制御することにより、昇降圧コンバータ1102にて昇圧された電圧を3相電圧に変換して、電動機1104の各相に電流を流し、スイッチング周波数を制御することで車両の速度を変化させることができる。
【0004】
一方、車両の制動時には、インバータ1103は、電動機1104の各相に生じる電圧に同期してスイッチング素子をオン/オフ制御することにより、整流動作を行い、直流電圧に変換してから、昇降圧コンバータ1102に供給する。そして、昇降圧コンバータ1102は、電動機1104から生じる電圧(例:750V)を電源1101の電圧(例:280V)に降圧して電力の回生動作を行うことができる。
【0005】
図10は、図9の昇降圧コンバータの概略構成を示すブロック図である。
図10において、昇降圧コンバータ1102には、エネルギーの蓄積を行うリアクトルL、電荷の蓄積を行うコンデンサC、インバータ1103に流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SW1、SW2、スイッチング素子SW1、SW2の導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路1111、1112が設けられている。
【0006】
そして、スイッチング素子SW1、SW2は直列に接続されるとともに、スイッチング素子SW1、SW2の接続点には、リアクトルLを介して電源1101が接続されている。ここで、スイッチング素子SW1には、制御回路1111からの制御信号に従ってスイッチング動作を行うIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)1105が設けられ、IGBT1105に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードD1がIGBT1105に並列に接続されている。
【0007】
また、スイッチング素子SW2には、制御回路1112からの制御信号に従ってスイッチング動作を行うIGBT1106が設けられ、IGBT1106に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードD2がIGBT1106に並列に接続されている。そして、IGBT1106のコレクタは、コンデンサCおよびインバータ1103の双方に接続されている。
【0008】
図11は、昇圧動作時に図10のリアクトルLに流れる電流の波形を示す図である。
図11において、昇圧動作では、スイッチング素子SW1のIGBT1105がオン(導通)すると、IGBT1105を介してリアクトルLに電流Iが流れ、LI2/2のエネルギーがリアクトルLに蓄積される。
次に、スイッチング素子SW1のIGBT1105がオフ(非導通)すると、スイッチング素子SW2のフライホイールダイオードD2に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーがコンデンサCに送られる。
【0009】
一方、降圧動作では、スイッチング素子SW2のIGBT1106がオン(導通)するとIGBT1106を介してリアクトルLに電流Iが流れ、LI2/2のエネルギーがリアクトルLに蓄積される。
次に、スイッチング素子SW2のIGBT1106がオフ(非導通)すると、スイッチング素子SW1のフライホイールダイオードD1に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーが電源1101へ回生される。
【0010】
ここで、スイッチング素子のオン時間(ON Duty)を変更することで、昇降圧の電圧を調整することが可能であり、概略の電圧値は以下の(1)式にて求めることができる。
L/VH=ON Duty(%) (1)
ただし、VLは電源電圧、VHは昇降圧後の電圧、ON Dutyはスイッチング素子SW1、SW2のスイッチング周期に対する導通期間の割合である。
【0011】
ここで、実際には負荷の変動、電源電圧VLの変動などがあるので、昇降圧後の電圧VHを監視し、昇降圧後の電圧VHが目標値となるように、スイッチング素子SW1、SW2のオン時間(ON Duty)の制御が行われている。
また、車体筐体に接地される制御回路1111、1112側は低圧であり、スイッチング素子SW1、SW2に接続されるアーム側は高圧となる。このため、スイッチング素子SW1、SW2の破壊などの事故が発生しても、人体が危険に晒されることがないようにするために、アーム側とは、フォトカプラを用いて制御回路1111、1112と電気的に絶縁しながら信号の授受が行われる。
【0012】
図12は、従来の昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの概略構成を示すブロック図である。
図12において、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールには、負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SWU、SWDおよびスイッチング素子SWU、SWDの導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路1が設けられている。ここで、制御回路1は、CPU4または論理IC、あるいは論理ICとCPUが搭載されたシステムLSIなどで構成することができる。
【0013】
また、スイッチング素子SWU、SWDはそれぞれ上アーム2用および下アーム3用として動作するように直列に接続されている。そして、スイッチング素子SWUには、ゲート信号SU4に従ってスイッチング動作を行うIGBT6が設けられ、IGBT6に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードDU1がIGBT6に並列に接続されている。また、IGBT6が形成されたチップには、チップの温度変化に起因するダイオードDU2のVF変化を測定原理として用いた温度センサ、および抵抗RU1、RU2を介してIGBT6のエミッタ電流を分流して主回路電流を検出する電流センサが設けられている。
【0014】
また、スイッチング素子SWDには、ゲート信号SD4に従ってスイッチング動作を行うIGBT5が設けられ、IGBT5に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードDD1がIGBT5に並列に接続されている。また、IGBT5が形成されたチップには、チップの温度変化に起因するダイオードDD2のVF変化を測定原理として用いた温度センサ、およびIGBT5のエミッタ電流を抵抗RD1、RD2を介して分流して主回路電流を検出する電流センサが設けられている。
【0015】
そして、上アーム2側には、温度センサからの過熱検知信号SU6および電流センサからの過電流検知信号SU5を監視しながら、IGBT6の制御端子を駆動するためのゲート信号SU4を生成する保護機能付きゲートドライバIC8が設けられるとともに、IGBT6の温度に対応したPWM信号を生成するアナログPWM変換器CUが設けられている。
また、下アーム3側には、温度センサからの過熱検知信号SD6および電流センサからの過電流検知信号SD5を監視しながら、IGBT5の制御端子を駆動するためのゲート信号SD4を生成する保護機能付きゲートドライバIC7が設けられるとともに、IGBT5の温度に対応したPWM信号を生成するアナログPWM変換器CDが設けられている。
【0016】
また、車体筐体に接地される制御回路1側と、高圧となる上アーム2側および下アーム3側との間には、フォトカプラFU1〜FU3、FD1〜FD3がそれぞれ介挿され、制御回路1では、フォトカプラFU1〜FU3、FD1〜FD3を用いて上アーム2側および下アーム3側と電気的に絶縁しながら信号の授受が行われる。
すなわち、上アーム2側において、CPU4から出力されたゲートドライブ用PWM信号SU1は、フォトカプラFU1を介して保護機能付きゲートドライバIC8に入力される。また、保護機能付きゲートドライバIC8から出力されたアラーム信号SU2は、フォトカプラFU2を介してCPU4に入力される。また、アナログPWM変換器CUから出力されたIGBTチップ温度PWM信号SU3は、フォトカプラFU3を介してCPU4に入力される。
【0017】
一方、下アーム3側において、CPU4から出力されたゲートドライブ用PWM信号SD1は、フォトカプラFD1を介して保護機能付きゲートドライバIC7に入力される。また、保護機能付きゲートドライバIC7から出力されたアラーム信号SD2は、フォトカプラFD2を介してCPU4に入力される。また、アナログPWM変換器CDから出力されたIGBTチップ温度PWM信号SD3は、フォトカプラFD3を介してCPU4に入力される。
【0018】
図13は、フォトカプラの周辺回路の概略構成を示すブロック図である。
図13において、フォトカプラ2008には、順電流Ifによって赤外光を放射する赤外発光ダイオード2003、放射された赤外光を受光する受光ダイオード2004および受光ダイオード2004で発生した光電流をベース電流として電流増幅動作を行うバイポーラトランジスタ2005が設けられている。そして、赤外発光ダイオード2003のカソードは抵抗2002を介して電界効果型トランジスタ2001に接続され、バイポーラトランジスタ2005のコレクタは、抵抗2006を介して電源電圧Vcc2に接続されるとともに、バイポーラトランジスタ2005のコレクタを介して出力される出力信号VoutはIGBTドライブIC2007に入力される。
【0019】
そして、電界効果型トランジスタ2001のゲートに信号SPが入力されると、順電流Ifが赤外発光ダイオード2003に流れ、赤外光が放射される。そして、赤外発光ダイオード2003から放射された赤外光は、受光ダイオード2004にて受光され、その赤外光に応じた光電流がバイポーラトランジスタ2005のベースに流れる。そして、バイポーラトランジスタ2005のベースに光電流が流れると、バイポーラトランジスタ2005にコレクタ電流Icが流れ、片端を電源電圧Vcc2に接続された抵抗2006にコレクタ電流Icを流すことにより、抵抗2006の他端電圧の変化が出力信号VoutとしてIGBTドライブIC2007に入力される。
【0020】
ここで、フォトカプラ2008単体の入出力特性は、電流変換効率(CTR:Current Transfer Ratio)、すなわちIc/Ifにて定義することができる。そして、フォトカプラ2008を用いて回路設計を行う際には、(1)バイポーラトランジスタ2005の電流増幅率hfeの温度特性、(2)赤外発光ダイオード2003の発光効率の寿命劣化、(3)CTRのバラツキなどの点を考慮する必要がある。
【0021】
図14は、フォトカプラの電流変換効率の温度特性を示す図である。
図14において、低温になるほど、フォトカプラ2008の電流変換効率は低下し、この要因はバイポーラトランジスタ2005の電流増幅率hfeの温度特性である。
図15は、フォトカプラの電流変換効率の経時劣化特性を示す図である。
図15において、フォトカプラ2008のCTRは、発光ダイオード2003の順電流、環境温度、累積使用時間に依存して低下し、特に、フォトカプラ2008の連続使用時間が1000時間を越えると、CTRの低下が顕著に表れる。
【0022】
図16は、フォトカプラの電流変換効率のバラツキを示す図である。
図16において、フォトカプラの電流変換効率はバラツキが大きく、この要因として、発光ダイオード2003の発光効率やバイポーラトランジスタ2005の電流増幅率hfeのバラツキが挙げられる。
そして、図12の昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの絶縁伝送手段としてフォトカプラを用いた場合、上述した点を考慮しながら回路設計を行う必要があるが、車両や産業機器などの高温雰囲気で10年以上に及ぶ連続使用を満足させるのは困難である。
一方、フォトカプラ以外の伝送信号の絶縁手段として絶縁トランスを用いる方法が挙げられる。そして、このような絶縁トランスとして、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用して大幅に小型化されたマイクロトランスが数社より製品化されている。
【0023】
図17(a)は、従来の絶縁トランスの概略構成を示す断面図、図17(b)は、図17(a)の絶縁トランスの概略構成を示す平面図である。
図17において、半導体基板11には引き出し配線層12が埋め込まれるとともに、半導体基板11上には1次コイルパターン14が形成されている。そして、1次コイルパターン14は引き出し部13を介して引き出し配線層12に接続されている。そして、1次コイルパターン14上には平坦化膜15が形成され、平坦化膜15上には、2次コイルパターン17が形成され、2次コイルパターン17は保護膜18にて覆われている。そして、保護膜18には、2次コイルパターン17の中心を露出させる開口部19が形成され、開口部19を介して2次コイルパターン17の中心にボンディングワイヤを接続することにより、2次コイルパターン17からの引き出しを行うことができる。
なお、例えば、1次コイルパターン14および2次コイルパターン17の巻線幅は5〜10μm、厚みは4〜5μm、巻線の最外径は500μmとすることができる。
【0024】
図18および図19は、従来の絶縁トランスの製造方法を示す断面図である。
図18(a)において、As、P、Bなどの不純物を半導体基板51内に選択的に注入することにより、1次コイルパターン55aの中心からの引き出しを行うための引き出し拡散層52を半導体基板51に形成する。なお、半導体基板51の材質としては、例えば、Si、Ge、SiGe、SiC、SiSn、PbS、GaAs、InP、GaP、GaNまたはZnSeなどの中から選択することができる。
【0025】
次に、図18(b)に示すように、引き出し拡散層52が形成された半導体基板51上にプラズマCVDなどの方法にて絶縁層53を形成する。なお、絶縁層53の材質としては、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などを用いることができる。
次に、図18(c)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、1次コイルパターン55aの中心からの引き出し部分に対応して開口部54aが設けられたレジストパターン54を絶縁層53上に形成する。
次に、図18(d)に示すように、開口部54aが形成されたレジストパターン54をマスクとして絶縁層53をエッチングすることにより、1次コイルパターン55aの中心からの引き出し部分に対応した開口部53aを絶縁層53に形成する。
次に、図18(e)に示すように、レジストパターン54を薬品により絶縁層53から剥離する。
【0026】
次に、図18(f)に示すように、スパッタや蒸着などの方法により、導電膜55を絶縁層53上に形成する。なお、導電膜55の材質としては、AlやCuなどの金属を用いることができる。
次に、図18(g)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、1次コイルパターン55aに対応したレジストパターン56を形成する。
次に、図18(h)に示すように、レジストパターン56をマスクとして導電膜55をエッチングすることにより、1次コイルパターン55aを絶縁層153上に形成する。
次に、図18(i)に示すように、レジストパターン56を薬品により1次コイルパターン55aから剥離する。
【0027】
次に、図18(j)に示すように、1次コイルパターン55aが形成された絶縁層53上にプラズマCVDなどの方法にて平坦化膜57を形成する。なお、平坦化膜57の材質としては、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などを用いることができる。
次に、図18(k)に示すように、斜めエッチングあるいはCMP(Chemical Mechanical Polishing)などの方法により、平坦化膜57を平坦化し、平坦化層57の表面の凹凸を除去する。
次に、図18(l)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、2次コイルパターン55aの外端の配線取出し部分に対応して開口部58aが設けられたレジストパターン58を平坦化膜57上に形成する。
【0028】
次に、図19(a)に示すように、開口部58aが設けられたレジストパターン58をマスクとして平坦化膜57をエッチングすることにより、2次コイルパターン55aの外端の配線取出し部分に対応した開口部57aを平坦化膜57に形成する。
次に、図19(b)に示すように、レジストパターン58を薬品により平坦化膜57から剥離する。
次に、図19(c)に示すように、1次コイルパターン55aと2次コイルパターン55aとの分離層59を平坦化膜57上に形成する。なお、分離層59の形成方法としては、ポリイミド層を平坦化膜57上にスピンコートにて形成する方法などを用いることができる。あるいは、分離層59の形成方法としては、スパッタにてシリコン酸化膜を平坦化膜57上に成膜するようにしてもよい。
【0029】
次に、図19(d)に示すように、スパッタや蒸着などの方法により、導電膜60を分離層59上に形成する。なお、導電膜60の材質としては、AlやCuなどの金属を用いることができる。
次に、図19(e)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、2次コイルパターン60aに対応したレジストパターン61を形成する。
次に、図19(f)に示すように、レジストパターン61をマスクとして導電膜60をエッチングすることにより、2次コイルパターン60aを分離層59上に形成する。
次に、図19(g)に示すように、レジストパターン61を薬品により2次コイルパターン60aから剥離する。
【0030】
次に、図19(h)に示すように、2次コイルパターン60aが形成された分離層59上にプラズマCVDなどの方法にて保護膜62を形成する。なお、保護膜62の材質としては、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などを用いることができる。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて保護膜62をパターニングすることにより、2次コイルパターン60aの端部および中央部を露出させる。
【0031】
また、例えば、特許文献1には、第1の配線層及び第2の配線層から形成されたトランス素子において、鉛直上方向及び鉛直下方向の一方から第1の配線層及び第2の配線層の一方に投影した時に、投影された外形線が予め定められた基準面を基準として対称な形状を有し、かつ投影された外形線が第1の配線層及び第2の配線層の一方上で交差し合う部分については、第1の配線層及び第2の配線層を使って交差しないよう構成することで、トランス素子の専有面積を削減する方法が開示されている。
【0032】
また、例えば、特許文献2には、水平方向に保護リングで囲まれた第1および第2のコイルが設けられた空芯トランスが開示されている。
また、例えば、特許文献3には、コイル導体をそれぞれ表面に設けた磁性体シートと、ガラス絶縁層をそれぞれ表面に設けた磁性体シート等で積層トランスを構成することで、積層トランスのコイル同士の結合量の低下を抑制しつつ、部品の高さ寸法を大きくしないでコイル間の絶縁耐圧を上げる方法が開示されている。
【特許文献1】特開2005−5685号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/230837号公報
【特許文献3】特開2005−310959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
しかしながら、図18および図19の絶縁トランスの製造方法において、分離層59としてポリイミド層をスピンコートにて形成する方法では、表面の平坦性を維持するために、分離層59の膜厚は20μm以下に制限される。
また、分離層59としてシリコン酸化膜をスパッタにて形成する方法では、成膜時の熱応力による表面の不均一性や成膜レートを考慮して、分離層59の膜厚は10μm以下に制限される。
【0034】
一方、車両や産業機器などの用途では、人体の静電気に相当する15〜30kVのESD耐量が要求され、図19のようなマイクロトランスが1次側の回路および2次側の回路と組み合わせてICとしてパッケージ化されると、この15〜30kVの電圧が分離層59に印加される。そして、膜厚が20μmのポリイミド層では8〜11kV、膜厚が10μmのシリコン酸化膜では約7kVで絶縁破壊されることから、15〜30kVの電圧が分離層59に印加されると、分離層59が絶縁破壊されるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、経時劣化を抑制した上で、信頼性および耐環境性を向上させつつ、外部磁束に起因するノイズとしての影響を軽減するとともに、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら信号の授受を行うことが可能な絶縁トランスおよび電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の絶縁トランスによれば、互いに対向配置された1次巻線および2次巻線と、前記1次巻線と前記2次巻線とを互いに絶縁分離するガラス基板またはセラミック基板とを備えることを特徴とする。
これにより、1次巻線や2次巻線が形成される表面の平坦性や均一性を損なうことなく、絶縁トランスの1次巻線と2次巻線との間の間隔を数十μm以上確保することができる。このため、微細加工技術にて絶縁トランスを微細化することを可能としつつ、15〜30kVのESD耐量を確保することが可能となり、信頼性および耐環境性を向上させつつ、外部磁束に起因するノイズとしての影響を軽減するとともに、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら信号の授受を行うことが可能となる。
【0036】
また、請求項2記載の絶縁トランスによれば、前記1次巻線と前記2次巻線とは前記ガラス基板または前記セラミック基板を介して互いに積層されていることを特徴とする。
これにより、半導体プロセス技術によって1次巻線と2次巻線とを形成することができ、1次巻線と2次巻線との結合係数を高めつつ、外部磁束に起因するノイズとしての影響を軽減することが可能となる。
【0037】
また、請求項3記載の絶縁トランスによれば、1次巻線と2次巻線のうちの一方が形成された半導体基板と、前記1次巻線と前記2次巻線のうちの他方が一方の面上に形成され、他方の面を介して前記半導体基板上に固着されたガラス基板またはセラミック基板とを備えることを特徴とする。
これにより、絶縁トランスの1次巻線と2次巻線との間の間隔を数十μm以上確保しつつ、絶縁トランスを半導体基板上に集積化することができ、15〜30kVのESD耐量を確保した上で、信号伝送回路の小型化を図ることができる。
【0038】
また、請求項4記載の絶縁トランスによれば、前記半導体基板と、前記ガラス基板または前記セラミック基板とは接着フィルムを介して固着されていることを特徴とする。
これにより、絶縁トランスの1次巻線または2次巻線がガラス基板またはセラミック基板上に形成されている場合においても、絶縁トランスを半導体基板上に集積化することができる。
【0039】
また、請求項5記載の絶縁トランスによれば、前記半導体基板と、前記ガラス基板または前記セラミック基板とは静電接合にて固着されていることを特徴とする。
これにより、絶縁トランスの1次巻線または2次巻線がガラス基板またはセラミック基板上に形成されている場合においても、絶縁トランスを半導体基板上に集積化することができる。
【0040】
また、請求項6記載の絶縁トランスによれば、1次巻線と2次巻線のうちの一方が一方の面上に形成され、1次巻線と2次巻線のうちの他方が他方の面に形成されたガラス基板またはセラミック基板と、前記1次巻線の始端および終端または前記2次巻線の始端および終端の位置と合致する領域を有する配線パターンが形成され、前記1次巻線および前記2次巻線が形成されたガラス基板またはセラミック基板が固着された半導体基板とを備えることを特徴とする。
【0041】
これにより、絶縁トランスの1次巻線と2次巻線との間の間隔を数十μm以上確保しつつ、半導体基板に形成された回路パターン上に絶縁トランスの1次巻線と2次巻線とを重ねて配置することができる。このため、絶縁トランスの1次巻線と2次巻線を半導体基板に形成するためのスペースを削減しつつ、絶縁トランスを半導体基板上に集積化することができ、15〜30kVのESD耐量を確保した上で、信号伝送回路の小型化を図ることができる。
【0042】
また、請求項7記載の絶縁トランスによれば、前記絶縁トランスは微細加工技術によって形成されていることを特徴とする。
これにより、1次巻線および2次巻線の巻径を小さくすることが可能となるとともに、1次巻線と2次巻線との間隔を小さくすることができる。このため、1次巻線と2次巻線との結合係数を高めつつ、外部磁束が1次巻線および2次巻線に鎖交した場合においてもノイズとしての影響を低減することができ、S/N比を向上させることができる。
【0043】
また、請求項8記載の絶縁トランスによれば、前記ガラス基板の材質は無アルカリ成分であることを特徴とする。
これにより、ガラス基板に高電圧が印加された場合においても、アルカリイオン成分がガラス基板内で移動するのを防止することができ、ガラス基板の絶縁性の劣化を抑制することができる。
【0044】
また、請求項9記載の電力変換装置によれば、上アーム用および下アーム用としてそれぞれ作動するように互いに直列に接続され、負荷へ流入する電流を通電および遮断する1対のスイッチング素子と、前記スイッチング素子の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路と、前記制御信号に基づいて前記スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動回路と、前記制御回路と前記駆動回路とが絶縁されるように1次巻線と2次巻線とが互いに対向配置され、前記1次巻線と前記2次巻線とがガラス基板またはセラミック基板にて互いに絶縁分離された絶縁トランスとを備えることを特徴とする。
【0045】
これにより、微細加工技術にて絶縁トランスを微細化することを可能としつつ、15〜30kVのESD耐量を確保することが可能となり、絶縁トランスの信頼性を確保した上で、外部磁束に起因するノイズとしての影響を軽減することが可能となるとともに、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら信号の授受を行うために、フォトカプラを用いる必要がなくなり、経時劣化を抑制しつつ、耐環境性を向上さることが可能となる。
【発明の効果】
【0046】
以上説明したように、本発明によれば、微細加工技術にて絶縁トランスを微細化することを可能としつつ、絶縁トランスの1次巻線と2次巻線との間の間隔を数十μm以上確保することができ、信頼性および耐環境性を向上させつつ、外部磁束に起因するノイズとしての影響を軽減するとともに、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら信号の授受を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明の実施形態に係る絶縁トランスについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るパワーエレクトロニクス機器が適用される昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュール(IPM:Inteligent Power Module)の概略構成を示すブロック図である。
図1において、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールには、負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SWU、SWDおよびスイッチング素子SWU、SWDの導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路1が設けられている。ここで、制御回路1は、CPU4または論理IC、あるいは論理ICとCPUが搭載されたシステムLSIなどで構成することができる。
【0048】
また、スイッチング素子SWU、SWDはそれぞれ上アーム2用および下アーム3用として動作するように直列に接続されている。そして、スイッチング素子SWUには、ゲート信号SU4に基づいてスイッチング動作を行うIGBT6が設けられ、IGBT6に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードDU1がIGBT6に並列に接続されている。また、IGBT6が形成されたチップには、チップの温度変化に起因するダイオードDU2のVF変化を測定原理として用いた温度センサ、および抵抗RU1、RU2を介してIGBT6のエミッタ電流を分流して主回路電流を検出する電流センサが設けられている。
【0049】
また、スイッチング素子SWDには、ゲート信号SD4に従ってスイッチング動作を行うIGBT5が設けられ、IGBT5に流れる電流と逆方向に電流を流すフライホイールダイオードDD1がIGBT5に並列に接続されている。また、IGBT5が形成されたチップには、チップの温度変化に起因するダイオードDD2のVF変化を測定原理として用いた温度センサ、およびIGBT5のエミッタ電流を抵抗RD1、RD2を介して分流して主回路電流を検出する電流センサが設けられている。
【0050】
そして、上アーム2側には、温度センサからの過熱検知信号SU6および電流センサからの過電流検知信号SU5を監視しながら、IGBT6の制御端子を駆動するためのゲート信号SU4を生成する保護機能付きゲートドライバIC8が設けられるとともに、IGBT6の温度に対応したPWM信号を生成するアナログPWM変換器CUが設けられている。なお、保護機能付きゲートドライバIC8には、スイッチング素子SWD、SWUの状態信号を生成する自己診断回路を設けることができ、自己診断回路はスイッチング素子SWD、SWUの状態信号を生成することができる。
【0051】
また、下アーム3側には、温度センサからの過熱検知信号SD6および電流センサからの過電流検知信号SD5を監視しながら、IGBT5の制御端子を駆動するためのゲート信号SD4を生成する保護機能付きゲートドライバIC7が設けられるとともに、IGBT5の温度に対応したPWM信号を生成するアナログPWM変換器CDが設けられている。
また、車体筐体に接地される制御回路1側と、高圧となる上アーム2側および下アーム3側との間には、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3がそれぞれ介挿され、制御回路1では、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3を用いて上アーム2側および下アーム3側と電気的に絶縁しながら信号の授受が行われる。
【0052】
すなわち、上アーム2側において、CPU4から出力されたゲートドライブ用PWM信号SU1は、空芯型絶縁トランスTU1を介して保護機能付きゲートドライバIC8に入力される。また、保護機能付きゲートドライバIC8から出力されたアラーム信号SU2は、空芯型絶縁トランスTU2を介してCPU4に入力される。また、アナログPWM変換器CUから出力されたIGBTチップ温度PWM信号SU3は、空芯型絶縁トランスTU3を介してCPU4に入力される。
【0053】
一方、下アーム3側において、CPU4から出力されたゲートドライブ用PWM信号SD1は、空芯型絶縁トランスTD1を介して保護機能付きゲートドライバIC7に入力される。また、保護機能付きゲートドライバIC7から出力されたアラーム信号SD2は、空芯型絶縁トランスTD2を介してCPU4に入力される。また、アナログPWM変換器CDから出力されたIGBTチップ温度PWM信号SD3は、空芯型絶縁トランスTD3を介してCPU4に入力される。
【0054】
ここで、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3には、送信側の1次巻線および受信側の2次巻線がそれぞれ設けられている。そして、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3の1次巻線と2次巻線とは互いに対向配置されるように構成されている。例えば、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3の1次巻線と2次巻線とは絶縁層を介して互いに積層することができ、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3は、半導体プロセス技術などの微細加工技術によって形成することができる。
【0055】
また、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3の1次巻線と2次巻線とを絶縁分離する絶縁層としては、ガラス基板またはセラミック基板を用いることができる。ここで、ガラス基板またはセラミック基板の厚みは、15〜30kVのESD耐量を確保できるように設定することができ、例えば、数十μm〜数百μm程度に設定することができる。なお、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3の1次巻線と2次巻線とを絶縁分離する絶縁層としてはガラス基板を用いた場合、ガラス基板の材質は無アルカリ成分であることが好ましい。空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3の1次巻線と2次巻線とを絶縁分離するセラミック基板としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウムなどを用いることができる。
【0056】
そして、CPU4は、IGBT5、6の導通または非導通をそれぞれ指示するゲートドライブ用PWM信号SD1、SU1を生成し、このゲートドライブ用PWM信号SD1、SU1を空芯型絶縁トランスTD1、TU1をそれぞれ介して保護機能付きゲートドライバIC7、8にそれぞれ絶縁伝送する。そして、保護機能付きゲートドライバIC7、8は、ゲートドライブ用PWM信号SD1、SU1にそれぞれ基づいてゲート信号SD4、SU4を生成し、IGBT5、6の制御端子を駆動することにより、IGBT5、6をスイッチング動作させる。
【0057】
ここで、温度センサから出力された過熱検知信号SD6、SU6が保護機能付きゲートドライバIC7、8にそれぞれ入力されるとともに、電流センサから出力された過電流検知信号SD5、SU5が保護機能付きゲートドライバIC7、8にそれぞれ入力される。そして、保護機能付きゲートドライバIC7、8は、IGBT5、6が破壊しない閾値を超過した場合には、空芯型絶縁トランスTD2、TU2をそれぞれ介してCPU4にアラーム信号SD2、SU2を伝送する。そして、CPU4は、保護機能付きゲートドライバIC7、8からアラーム信号SD2、SU2をそれぞれ受け取ると、ゲートドライブ用PWM信号SD1、SU1の生成をそれぞれ停止することにより、IGBT5、6に流れる電流を遮断する。
【0058】
なお、保護機能付きゲートドライバIC7、8は、温度センサから出力された過熱検知信号SD6、SU6および電流センサから出力された過電流検知信号SD5、SU5に基づいて、IGBTが破壊しない閾値を下回ったと判断した場合、一定の時間が経過した後にアラーム信号SD2、SU2を解除する。
さらに、細かい監視を行う場合には、温度センサから出力された過熱検知信号SD6、SU6がアナログPWM変換器CD、CUにそれぞれ入力される。そして、アナログPWM変換器CD、CUは、過熱検知信号SD6、SU6のアナログ値をデジタル信号にそれぞれ変換することにより、IGBTチップ温度PWM信号SD3、SU3をそれぞれ生成し、空芯型絶縁トランスTD3、TU3をそれぞれ介してCPU4にIGBTチップ温度PWM信号SD3、SU3を伝送する。そして、CPU4は、IGBTチップ温度PWM信号SD3、SU3からIGBT5、6のチップ温度をそれぞれ算出し、予め設けられた数段階の閾値に応じて、IGBT5、6のスイッチング周波数の段階的な低下を行ったり、スイッチング停止を行ったりすることができる。
【0059】
ここで、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3の1次巻線と2次巻線とが互いに対向配置されるように微細加工技術によって形成することにより、1次巻線と2次巻線の巻径を小さくすることが可能となるとともに、1次巻線と2次巻線との間隔を小さくすることができる。このため、1次巻線と2次巻線との結合係数を高めつつ、1次巻線および2次巻線に磁束が鎖交する面積を小さくすることができ、外部磁束に起因するノイズとしての影響を軽減することが可能となるとともに、低圧側と高圧側とを電気的に絶縁しながら信号の授受を行うために、フォトカプラを用いる必要がなくなり、経時劣化を抑制しつつ、耐環境性を向上さることが可能となる。
【0060】
また、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3の1次巻線と2次巻線とを絶縁分離する絶縁層としては、ガラス基板またはセラミック基板を用いることで、空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3の1次巻線や2次巻線が形成される表面の平坦性や均一性を損なうことなく、その1次巻線と2次巻線との間の間隔を数十μm以上確保することができる。このため、微細加工技術にて空芯型絶縁トランスTU1〜TU3、TD1〜TD3を微細化することを可能としつつ、15〜30kVのESD耐量を確保することが可能となり、信頼性および耐環境性を向上させつつ、外部磁束に起因するノイズとしての影響を軽減するとともに、制御回路1と上アーム2および下アーム3とを電気的に絶縁しながら信号の授受を行うことが可能となる。
【0061】
図2は、本発明の第1実施形態に係る絶縁トランスの概略構成を示す断面図である。
図2において、半導体基板11には引き出し配線層12が埋め込まれるとともに、半導体基板11上には、絶縁層13を介して2次コイルパターン14および配線パターン14´が形成されている。なお、半導体基板11には、図1の保護機能付きゲートドライバIC7、8、アナログPWM変換器CU、CDなどの集積回路またはスイッチング素子SWU、SWDなどを形成するようにしてもよい。また、半導体基板11の材質としては、例えば、Si、Ge、SiGe、SiC、SiSn、PbS、GaAs、InP、GaP、GaNまたはZnSeなどの中から選択することができる。そして、2次コイルパターン14の中心部に配置された端部は引き出し配線層12を介して配線パターン14´に接続されている。そして、2次コイルパターン14上には2次側保護膜15が形成されている。
【0062】
一方、ガラス基板17上の一方の面には、1次コイルパターン18が形成され、1次コイルパターン18は保護膜19にて覆われている。そして、保護膜19には、1次コイルパターン18の始端および終端を露出させる開口部が形成され、開口部を介して1次コイルパターン18の始端および終端にボンディングワイヤを接続することにより、1次コイルパターン18からの引き出しを行うことができる。
【0063】
なお、例えば、2次コイルパターン14および1次コイルパターン18の巻線幅は5〜10μm、厚みは4〜5μm、巻線の最外径は500μmとすることができる。
そして、1次コイルパターン18が一方の面に形成されたガラス基板17は、ガラス基板17の他方の面を介して粘着層16にて半導体基板11上に固着されている。なお、粘着層16としては、エポキシ樹脂などの接着フィルムを用いることができる。
【0064】
これにより、2次コイルパターン14や1次コイルパターン18が形成される表面の平坦性や均一性を損なうことなく、2次コイルパターン14や1次コイルパターン18との間の間隔を数十μm以上確保することが可能となるとともに、半導体プロセス技術によって2次コイルパターン14と1次コイルパターン18とを形成することが可能となる。このため、2次コイルパターン14や1次コイルパターン18との間隔を数十μm以上確保しつつ、絶縁トランスを半導体基板11上に集積化することができ、15〜30kVのESD耐量を確保した上で、信号伝送回路の小型化を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、2次コイルパターン14を半導体基板11に形成し、1次コイルパターン18をガラス基板17に形成する方法について説明したが、2次コイルパターン14をガラス基板17に形成し、1次コイルパターン18を半導体基板11に形成するようにしてもよい。
【0065】
図3および図4は、図2の絶縁トランスの製造方法を示す断面図である。
図3(a)において、As、P、Bなどの不純物を半導体基板11内に選択的に注入することにより、2次コイルパターン14の中心からの引き出しを行うための引き出し配線層12を半導体基板11に形成する。
次に、図3(b)に示すように、引き出し配線層12が形成された半導体基板11上にプラズマCVDなどの方法にて絶縁層13を形成する。なお、絶縁層13の材質としては、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などを用いることができる。
【0066】
次に、図3(c)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、2次コイルパターン14の中心からの引き出し部分および配線パターン14´との接続部分に対応して開口部H1が設けられたレジストパターンR1を絶縁層13上に形成する。
次に、図3(d)に示すように、開口部H1が形成されたレジストパターンR1をマスクとして絶縁層13をエッチングすることにより、2次コイルパターン14の中心からの引き出し部分および配線パターン14´との接続部分に対応した開口部13aを絶縁層13に形成する。
次に、図3(e)に示すように、レジストパターンR1を薬品により絶縁層13から剥離する。
【0067】
次に、図3(f)に示すように、スパッタや蒸着などの方法により、導電膜14aを絶縁層13上に形成する。なお、導電膜14aの材質としては、AlやCuなどの金属を用いることができる。
次に、図3(g)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、2次コイルパターン14に対応したレジストパターンR2を導電膜14a上に形成する。
次に、図3(h)に示すように、レジストパターンR2をマスクとして導電膜14aをエッチングすることにより、2次コイルパターン14を絶縁層13上に形成する。
次に、図3(i)に示すように、レジストパターンR2を薬品により2次コイルパターン14から剥離する。
【0068】
次に、図3(j)に示すように、2次コイルパターン14が形成された絶縁層13上にプラズマCVDなどの方法にて保護膜15を形成する。なお、保護膜15の材質としては、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などを用いることができる。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、2次コイルパターン14の始端および終端の引き出し部分に対応した開口部を保護膜15に形成する。
【0069】
一方、図4(a)において、スパッタや蒸着などの方法により、導電膜18aをガラス基板17上に形成する。なお、導電膜18aの材質としては、AlやCuなどの金属を用いることができる。
次に、図4(b)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、1次コイルパターン18に対応したレジストパターンR3を導電膜18a上に形成する。
次に、図4(c)に示すように、レジストパターンR3をマスクとして導電膜18aをエッチングすることにより、1次コイルパターン18をガラス基板17上に形成する。
次に、図4(d)に示すように、レジストパターンR3を薬品により1次コイルパターン18から剥離する。
【0070】
次に、図4(e)に示すように、1次コイルパターン18が形成されたガラス基板17上にプラズマCVDなどの方法にて保護膜19を形成する。なお、保護膜19の材質としては、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などを用いることができる。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、1次コイルパターン18の始端および終端の引き出し部分に対応した開口部を保護膜19に形成する。
【0071】
次に、図4(f)に示すように、1次コイルパターン18が一方の面に形成されたガラス基板17の他方の面に接着テープ16を貼り付けた後、ガラス基板17をチップ化する。
次に、図4(g)に示すように、2次コイルパターン14と1次コイルパターン18とが対向配置されるようにして、1次コイルパターン18が一方の面に形成されたガラス基板17を半導体基板11上に接着テープ16にて固着する。
【0072】
図5は、本発明の第2実施形態に係る絶縁トランスの概略構成を示す断面図である。
図5において、半導体基板21には凹部30が形成されている。そして、この凹部30内に配置されるようにして、半導体基板21には引き出し配線層22が埋め込まれるとともに、半導体基板21上には、絶縁層23を介して2次コイルパターン24および配線パターン24´が形成されている。なお、半導体基板21には、図1の保護機能付きゲートドライバIC7、8、アナログPWM変換器CU、CDなどの集積回路またはスイッチング素子SWU、SWDなどを形成するようにしてもよい。そして、2次コイルパターン24の中心部に配置された端部は引き出し配線層22を介して配線パターン24´に接続されている。そして、2次コイルパターン24上には2次側保護膜25が形成されている。
【0073】
一方、ガラス基板27上の一方の面には、1次コイルパターン28が形成され、1次コイルパターン28は保護膜29にて覆われている。そして、保護膜29には、1次コイルパターン28の始端および終端を露出させる開口部が形成され、開口部を介して1次コイルパターン28の始端および終端にボンディングワイヤを接続することにより、1次コイルパターン28からの引き出しを行うことができる。
【0074】
そして、1次コイルパターン28が一方の面に形成されたガラス基板27は、ガラス基板27の他方の面を介して半導体基板21の接合面31に静電接合にて固着されている。
なお、上述した実施形態では、2次コイルパターン24を半導体基板21に形成し、1次コイルパターン28をガラス基板27に形成する方法について説明したが、2次コイルパターン24をガラス基板27に形成し、1次コイルパターン28を半導体基板21に形成するようにしてもよい。
【0075】
図6および図7は、図5の絶縁トランスの製造方法を示す断面図である。
図6(a)において、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、2次コイルパターン24を配置するための凹部30に対応した開口部H11が設けられたレジストパターンR11を半導体基板21上に形成する。
次に、図6(b)に示すように、開口部H11が形成されたレジストパターンR11をマスクとして半導体基板21をエッチングすることにより、2次コイルパターン24を配置するための凹部30を半導体基板21に形成する。
【0076】
次に、図6(c)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、引き出し配線層12に対応した開口部H12が設けられたレジストパターンR12を凹部30に形成する。
次に、図6(d)に示すように、開口部H12が設けられたレジストパターンR12をマスクとして、As、P、Bなどの不純物を半導体基板21内に選択的に注入することにより、2次コイルパターン24の中心からの引き出しを行うための引き出し配線層22を半導体基板21に形成する。
次に、図6(e)に示すように、レジストパターンR11、R12を薬品により半導体基板21から剥離する。
【0077】
次に、図6(f)に示すように、引き出し配線層22が形成された半導体基板21上にプラズマCVDなどの方法にて絶縁層23を形成する。なお、絶縁層23の材質としては、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などを用いることができる。
次に、図6(g)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、2次コイルパターン24の中心からの引き出し部分および配線パターン24´との接続部分に対応して開口部H13が設けられたレジストパターンR12を絶縁層23上に形成する。
【0078】
次に、図6(h)に示すように、開口部H13が形成されたレジストパターンR13をマスクとして絶縁層23をエッチングすることにより、2次コイルパターン24の中心からの引き出し部分および配線パターン24´との接続部分に対応した開口部23aを絶縁層23に形成する。
次に、図6(i)に示すように、レジストパターンR13を薬品により絶縁層23から剥離する。
次に、図6(j)に示すように、スパッタや蒸着などの方法により、導電膜24aを絶縁層23上に形成する。なお、導電膜24aの材質としては、AlやCuなどの金属を用いることができる。
【0079】
次に、図6(k)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、2次コイルパターン24に対応したレジストパターンR14を導電膜24a上に形成する。
次に、図6(l)に示すように、レジストパターンR14をマスクとして導電膜24aをエッチングすることにより、2次コイルパターン24を絶縁層23上に形成する。
次に、図6(m)に示すように、レジストパターンR14を薬品により2次コイルパターン24から剥離する。
【0080】
次に、図6(n)に示すように、2次コイルパターン24が形成された絶縁層23上にプラズマCVDなどの方法にて保護膜25を形成する。そして、CMPなどの方法にて保護膜25を平坦化することにより、保護膜25が凹部30内に埋め込まれるようにして、凹部30外の半導体基板21の表面を露出させる。なお、保護膜25の材質としては、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などを用いることができる。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、2次コイルパターン24の始端および終端の引き出し部分に対応した開口部を保護膜25に形成する。
【0081】
一方、図7(a)において、スパッタや蒸着などの方法により、導電膜28aをガラス基板27上に形成する。なお、導電膜28aの材質としては、AlやCuなどの金属を用いることができる。
次に、図7(b)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、1次コイルパターン28に対応したレジストパターンR15を導電膜28a上に形成する。
次に、図7(c)に示すように、レジストパターンR15をマスクとして導電膜28aをエッチングすることにより、1次コイルパターン28をガラス基板27上に形成する。
次に、図7(d)に示すように、レジストパターンR15を薬品により1次コイルパターン28から剥離する。
【0082】
次に、図7(e)に示すように、1次コイルパターン28が形成されたガラス基板27上にプラズマCVDなどの方法にて保護膜29を形成する。なお、保護膜29の材質としては、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などを用いることができる。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、1次コイルパターン28の始端および終端の引き出し部分に対応した開口部を保護膜29に形成する。
【0083】
次に、図7(f)に示すように、2次コイルパターン24と1次コイルパターン28とが対向配置されるようにして、1次コイルパターン28が一方の面に形成されたガラス基板27を半導体基板21上に静電接合にて固着する。なお、ガラス基板27を半導体基板21上に静電接合にて固着する場合、ガラス基板27と半導体基板21とを約400℃に加熱しながら、ガラス基板27および半導体基板21を静電接合用電極で挟み込み、ガラス基板27側に数百ボルトの負電圧を印加することができる。
【0084】
図8は、本発明の第3実施形態に係る絶縁トランスの概略構成を示す断面図である。
図8において、半導体基板41には配線パターン43が形成されている。そして、配線パターン43上には、2次コイルパターン45との接続領域が露出されるようにして、絶縁層42が形成されている。なお、半導体基板41には、図1の保護機能付きゲートドライバIC7、8、アナログPWM変換器CU、CDなどの集積回路またはスイッチング素子SWU、SWDなどを形成するようにしてもよい。
【0085】
一方、ガラス基板47上の一方の面には、1次コイルパターン48が形成され、1次コイルパターン48は保護膜49にて覆われている。そして、保護膜49には、1次コイルパターン48の始端および終端を露出させる開口部が形成され、開口部を介して1次コイルパターン48の始端および終端にボンディングワイヤを接続することにより、1次コイルパターン48からの引き出しを行うことができる。
【0086】
また、ガラス基板47上の他方の面には、2次コイルパターン45が形成され、1次コイルパターン48は保護膜44にて覆われている。そして、保護膜44には、2次コイルパターン45の始端および終端を露出させる開口部が形成されている。
そして、突出電極46を介して2次コイルパターン45の始端および終端を配線パターン43に接続することにより、1次コイルパターン48および2次コイルパターン45が形成されたガラス基板47が半導体基板41上に固着されている。
【0087】
なお、突出電極46としては、例えば、半田ボールや鉛フリーボールの他、Auバンプ、半田材などで被覆されたCuバンプやNiバンプなどを用いることができる。また、ガラス基板47と半導体基板41との間の隙間には封止樹脂を注入するようにしてもよい。また、例えば、半導体基板41上にガラス基板47をフリップチップ実装する場合、ACF(Anisotropic Conductive Film)、NCF(Nonconductive Film)接合、ACP(Anisotropic Conductive Paste)接合、NCP(Nonconductive Paste)接合などの圧接接合を用いるようにしてもよく、半田接合や合金接合などの金属接合を用いるようにしてもよい。
【0088】
これにより、絶縁トランスの2次コイルパターン45と1次コイルパターン48との間の間隔を数十μm以上確保しつつ、半導体基板41に形成された回路パターン上に絶縁トランスの2次コイルパターン45と1次コイルパターン48とを重ねて配置することができる。このため、絶縁トランスの2次コイルパターン45と1次コイルパターン48を半導体基板41に形成するためのスペースを削減しつつ、絶縁トランスを半導体基板41上に集積化することができ、15〜30kVのESD耐量を確保した上で、信号伝送回路の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の一実施形態に係る絶縁トランスが適用される昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る絶縁トランスの概略構成を示す断面図である。
【図3】図2の絶縁トランスの製造方法を示す断面図である。
【図4】図2の絶縁トランスの製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る絶縁トランスの概略構成を示す断面図である。
【図6】図5の絶縁トランスの製造方法を示す断面図である。
【図7】図5の絶縁トランスの製造方法を示す断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る絶縁トランスの概略構成を示す断面図である。
【図9】従来の昇降圧コンバータを用いた車両駆動システムの概略構成を示すブロック図である。
【図10】図9の昇降圧コンバータの概略構成を示すブロック図である。
【図11】昇圧動作時に図10のリアクトルに流れる電流の波形を示す図である。
【図12】従来の昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの概略構成を示すブロック図である。
【図13】フォトカプラの周辺回路の概略構成を示すブロック図である。
【図14】フォトカプラの電流変換効率の温度特性を示す図である。
【図15】フォトカプラの電流変換効率の経時劣化特性を示す図である。
【図16】フォトカプラの電流変換効率のバラツキを示す図である。
【図17】図17(a)は、従来の絶縁トランスの概略構成を示す断面図、図17(b)は、図17(a)の絶縁トランスの概略構成を示す平面図である。
【図18】従来の絶縁トランスの製造方法を示す断面図である。
【図19】従来の絶縁トランスの製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0090】
1 制御回路
2 上アーム
3 下アーム
4 CPU
5、6 IGBT
7、8 保護機能付きゲートドライバIC
TU1〜TU3、TD1〜TD3 絶縁トランス
DU1、DU2、DD1、DD2 ダイオード
RU1、RU2、RD1、RD2 抵抗
CU、CD アナログPWM変換器
11、21、41 半導体基板
12、22 引き出し配線層
13、23、42、44、49 絶縁層
14、24、45 2次コイルパターン
15、25 2次側保護膜
16 粘着層
17、27、47 ガラス基板
18、28、48 1次コイルパターン
19、29 2次側保護膜
R1〜R3、R11〜R15 レジストパターン
H1、13a、H11〜H13、23a 開口部
14a、18a、24a、28a 導電膜
30 凹部
31 接合面
14´、24´、43 配線パターン
46 突出電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向配置された1次巻線および2次巻線と、
前記1次巻線と前記2次巻線とを互いに絶縁分離するガラス基板またはセラミック基板とを備えることを特徴とする絶縁トランス。
【請求項2】
前記1次巻線と前記2次巻線とは前記ガラス基板または前記セラミック基板を介して互いに積層されていることを特徴とする請求項1記載の絶縁トランス。
【請求項3】
1次巻線と2次巻線のうちの一方が形成された半導体基板と、
前記1次巻線と前記2次巻線のうちの他方が一方の面上に形成され、他方の面を介して前記半導体基板上に固着されたガラス基板またはセラミック基板とを備えることを特徴とする絶縁トランス。
【請求項4】
前記半導体基板と、前記ガラス基板または前記セラミック基板とは接着フィルムを介して固着されていることを特徴とする請求項3記載の絶縁トランス。
【請求項5】
前記半導体基板と、前記ガラス基板または前記セラミック基板とは静電接合にて固着されていることを特徴とする請求項3記載の絶縁トランス。
【請求項6】
1次巻線と2次巻線のうちの一方が一方の面上に形成され、1次巻線と2次巻線のうちの他方が他方の面に形成されたガラス基板またはセラミック基板と、
前記1次巻線の始端および終端または前記2次巻線の始端および終端の位置と合致する領域を有する配線パターンが形成され、前記1次巻線および前記2次巻線が形成されたガラス基板またはセラミック基板が固着された半導体基板とを備えることを特徴とする絶縁トランス。
【請求項7】
前記絶縁トランスは微細加工技術によって形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の絶縁トランス。
【請求項8】
前記ガラス基板の材質は無アルカリ成分であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の絶縁トランス。
【請求項9】
上アーム用および下アーム用としてそれぞれ作動するように互いに直列に接続され、負荷へ流入する電流を通電および遮断する1対のスイッチング素子と、
前記スイッチング素子の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路と、
前記制御信号に基づいて前記スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動回路と、
前記制御回路と前記駆動回路とが絶縁されるように1次巻線と2次巻線とが互いに対向配置され、前記1次巻線と前記2次巻線とがガラス基板またはセラミック基板にて互いに絶縁分離された絶縁トランスとを備えることを特徴とする電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−270490(P2008−270490A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−110810(P2007−110810)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】