説明

線状照射線源および焦点合わせ光学器を用いたシュリーレン式ラジオグラフィー

対象の内部特質、例えば対象の内部吸収、屈折、反射、散乱特性を可視化するシステムを開示する。実施の形態は、浸透する照射線の1つ以上のビームと、内部特質がイメージされる対象と、単一もしくは配列である照射線光学器と、結果としてのX線写真を捉えるための検出器とを含むことができる。対象を通して伝導する照射線ビームは、普通狭軸に沿って高空間的純度および直角をなす長軸に沿って低空間的純度を持つ線状源から発生される。照射線光学器は長軸において対象の高解像度イメージを形成するために対象から出てくる発散する照射線を捉えて焦点を合わす。照射線光学器なしでは、X線写真はこの軸でぼやける。このようなX線写真は、狭いビーム源である対立軸では自然に明瞭でありその軸に沿って対象の屈折、反射、散乱特性を明らかにする。また実施の形態は、対象から出るビームにディスクリミネータ(ストッパー、位相転移器、結晶分析器)を含むことができる。また実施の形態は、大きい対象の2次元または3次元イメージ形成を可能にするスキャンの機構を含むことができる。また実施の形態は、対象から出る照射線・照射線波形の分析から得られた対象の内部特質のイメージを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象、例えば他の集積と比較した1つの内部集積は他の集積とは異なる屈折特性、反射特性、散乱特性を持ち、特に集積の照射線吸収コントラストが大きくない材料、の内部特質イメージを検出する方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許第5,319,694
【特許文献2】米国特許第5,406,609
【特許文献3】米国特許第5,428,657
【特許文献4】米国特許第5,457,726
【特許文献5】米国特許第5,457,727
【特許文献6】米国特許第5,579,363
【特許文献7】米国特許第5,715,291
【特許文献8】米国特許第5,717,733
【特許文献9】米国特許第5,787,146
【特許文献10】米国特許第5,802,137
【特許文献11】米国特許第5,805,662
【特許文献12】米国特許第5,850,425
【特許文献13】米国特許第5,923,720
【特許文献14】米国特許第5,949,847
【特許文献15】米国特許第5,987,095
【特許文献16】米国特許第6,018,564
【特許文献17】米国特許第6,035,227
【特許文献18】米国特許第6,038,285
【特許文献19】米国特許第6,212,254
【特許文献20】米国特許第6,269,144
【特許文献21】米国特許第6,385,289
【特許文献22】米国特許第6,493,422
【特許文献23】米国特許第6,567,496
【特許文献24】米国特許第6,577,708
【特許文献25】米国特許第6,594,335
【特許文献26】米国特許第6,804,324
【特許文献27】米国特許第6,870,896
【特許文献28】米国特許第6,947,521
【特許文献29】米国特許第7,062,015
【特許文献30】米国特許第7,076,025
【特許文献31】米国特許第7,107,693
【特許文献32】米国特許第7,280,636
【特許文献33】2002/0027970 Chapman
【特許文献34】2004/0196957 Ando
【特許文献35】2004/0258202 Wemick
【特許文献36】2005/0117705 Morrison
【特許文献37】2005/0129169 Donnelly
【特許文献38】2005/0259788 Hasnah
【特許文献39】2006/0039532 Wu
【特許文献40】2006/0235296 Mattiuzzi
【特許文献41】2006/0072702 Chapman
【特許文献42】WO95/05725 February,1995
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】D Chapman,W.Thomlinson,R.E.Johnson,D.Washbum,E.Pisano.N.Gmur,Z.Zhong,R.Menk,F.Arfelli and D.Sayers,X−Ray Refraction Imaging(XRI)Applied toMammography,published Oct.31,1997.cited by other.
【非特許文献2】V.N.Ingal and E.A.Beliaevskaya,Phase Dispersion Introscopy,(published prior to Oct.16,1996).cited by other.
【非特許文献3】V.N.Ingal and E.A.Beliaevskaya,X−ray plane−wave topography observation ofthe phase contrast from a non−crystalline object,J.Phys. D:Appl.Phys.28(1995)2314−2317.cited by other.
【非特許文献4】V.N.Ingal and E.A.Belyaevskaya,Method of phase−dispersion introscopy,Tech.Phys.42(1),January 1997.cited byother.
【非特許文献5】V.N.Ingal and E.A.Beliaevskaya,Phase dispersion radiography of biologicalobjects,Physica Medica.vol.X11,No.2,April−June 1996.cited by other.
【非特許文献6】V.A.Bushuev,V.N.Ingal and E.A.Belyaevskaya,Dynamical Theory of Images Generated by NoncrystallineObjects for the Method of Phase−Dispersive Introscopy,Crystallography Reports,vol.41,No.5,1996,pp.766−774.cited by other.
【非特許文献7】V.A.Bushuev,E.A.Beliaevskaya and V.N.Ingal,Wave−optical description of X−ray phase contrast images of weakly absorbingnon−crystalline objects,II Nuovo Cimento,vol.19D,No.2−4,February−April 1997.cited by other.
【非特許文献8】V.N.Ingal and E.A.Beliaevskaya,Imaging of biological objects in theplane−wave diffraction scheme,II Nuovo Cimento,vol.19D,No.2−4,February−April 1997.cited byother.
【非特許文献9】V.N.Ingal and E.A.Beliaevskaya,Phase Dispersion Introscopy,Surface Investigation,vol.12,pp.441−450,1997.cited by other.
【非特許文献10】Tetsuya Ishikawa,Selshi Kikuta and Kazutaka Kohra,Angle−Resolved Plane Wave X−Ray Topography,JapaneseJournal of Applied Physics,vol.24,No.7,July 1985,pp.L559−L562.cited byother.
【非特許文献11】Hasnah et al.:Diffraction EnhancedImaging Contrast Mechanisms in Breast Cancer Specimens,Medical Physics 29,pp.2216−2221,2002.cited by other.(先行技術)
【0004】
ラジオグラフィーは、医学的イメージ形成、非破壊試験、コンピュータ断層X線撮影において使用されている。伝統的な医学的X線イメージ形成は、軟部組織と骨もしくはコントラスト媒体間のX線の光電吸収の違いを基にしている。伝統的なラジオグラフィーは、異なった材料間の違い、例えば健康な人体組織と不健康な人体組織または製造された製品の欠陥を識別するのには有用性が低い。人体構造の深い内部のイメージ形成に使われる高エネルギーにおいて、軟部組織のイメージのコントラストは吸収により著しく減少する。
【0005】
伝統的なX線吸収ラジオグラフィーと比較して、シュリーレン位相ラジオグラフィーは、X線を適切に吸収しないが非吸収性詳細構造を持つであろう軟部組織構造を可視化するのにより適している。内部構造は、屈折率の局所的変動および構造の密度と厚さの変動により入射照射線の方向と速度に測定できる偏差を生じるであろう。位相擾乱は、少し異なった屈折率と厚さを持つ軟部組織間の境界面で起きる。軟部組織内部において、入射照射線は、空間的に方位された分子および原子面により屈折されるため、方向の変化に相当する十分な位相遷移を経験する。
【0006】
スペクトルおよび空間的フィルターの技術的進歩、特に大きい完全結晶が利用できることは、いくつかの先行方法がシュリーレン位相ラジオグラフィーを行うことを可能にした。特別な場合(フォースターらによる、1980参照)を除き、これらの先行方法は、適切なスペクトルと空間的特長および適用に十分な流量を持つX線照射ビームを提供できるシンクロトン照射線ソース施設に限定されている。これらの先行シュリーレンラジオグラフィー方法は、当業者に知られるようになり、別名として位相コントラストイメージ形成、回折強化イメージ形成、ダークフィールドラジオグラフィー、多重イメージラジオグラフィー、その他の名称で呼ばれる。
【0007】
一般に、シュリーレン位相ラジオグラフィーには5つの確立された方式があり、それらは1)直接一列幾何図形配置を使用、2)対象の後方に結晶分析器もしくは構成された多層分析器を使用、3)少なくとも2つの個別投影イメージからの位相偏差、4)ホログラフィ干渉法、5)タルボ干渉法である。これらの先行方法は、アナログイメージを形成する、またはデジタルイメージを形成するため検出した鮮明度情報の数学的処理を採用する。
これらの方法の全ては、医学的イメージ形成を行うため、1つの軸もしくは両軸における空間的高純度を照射線発生技術(例えば、屈曲用マグネット、ウイグラー、その他)で達成し、照射線源と対象間に十分な距離が取れるシンクロトン照射源施設を必要とする。
【0008】
これらのシュリーレンラジオグラフィー方式の内、対象の後方に結晶回折分析器を使うためいくつかの準方式が提案されている。分析器表面は、入射ビームと幾何学的に整列され入射ビームとほぼ平行である。分析器とビーム間の特別な幾何学的関係および結晶の均一に方位された回折面のため、結晶分析器は、軟部組織内の屈折率の変化により生じる入射ビームの方向のマイクロラジアン程度の変化に敏感なロッキングカーブを持つ。従って、コヒーレントなX線である入射ビームに対する結晶の方位に依存して、結晶分析器は、シュリーレンイメージ(屈折・反射ビームより)または吸収イメージ(直接ビームより)形成の選択ができる。さらに、吸収および屈折両方法において、結晶分析器は、同時にコンプトン散乱減少光学器として使われる。結晶分析器のロッキングカーブの対面する側面からの2つのイメージは、屈折もしくは吸収情報を含むイメージを取得するためピクセル単位で組み合わせることが出来る。この方式は、シンクロトン照射線源を用いた研究目的には有益であることが証明されている。しかしながら、ビーム調整モノクロメーターからの照射線流量の減少は、この方式が通常研究所のX線照射源を使用することに適さないようにする。
【0009】
インガルらによる米国特許第5,319,694および5,579,363は、位相情報が2次元イメージの1つの軸だけのみであるX線位相イメージを撮る方法を開示する。視準された照射線は、対象を通して伝導されラウエ式結晶分析器を通して回折される。結晶分析器で偏向すると共に、対象の内部構造のインターフェログラムイメージは監視され、最大コントラストを持つイメージを提供する結晶分析器の位置が選択される。結晶分析器から出てくる回折されたビームは、対象の内部構造に由来する位相の情報を持つ。かなり大きい照射線流量を要求するため、インガル方法は、いくつかの医学的イメージ形成への適用において、通常でないシンクロトン照射線源に限定される。
【0010】
チャップマンらによる米国特許第5,987,095, 6,577,708, 6,947,521, 7,076,025は、2つの検出されたイメージは吸収効果を消去するため差し引きされるため、インガル方法の改良として開示する。この方法は結晶分析器の位置を予め設定するためインガル方法の改良となる。しかしながら、チャップマン方式の下では、要求される流量の変更ができず、医学的適用にはシンクロトン照射線源の使用が要求される。
【0011】
同様に、プロトポポフによる米国特許第6,870,896およびマーティノフの米国特許第6,804,324にて提唱される結晶分析器の代わりとしての構成された多層反射器は、照射線源鮮明度の要求を緩和できず、シンクロトン照射線源に限定される。
【0012】
ウイルケンズらによる米国特許第6,018,564, 6,212,254, 6,226,353, 6,493,422は、マイクロフォーカス照射線源から発し、対象を通して伝導する重なるX線を使って密度境界の縁を増強する方法を開示する。この位相ラジオグラフィーは、重なるX線の自然干渉を結果であるイメージに使用する。ウイルキンス方法は、照射線源からの空間的に良好なX線を使用、さらに対象と検出装置間に延長された距離を取る。マイクロフォーカス照射線源は本質的に低出力であり、検出器での流量は、照射線源からの距離の平方にて鮮明度が減少するため、この方法は長時間露出に限定され大部分の医学的イメージ形成には有用でない。
【0013】
高流量通常線状フォーカスX線源を使った方法が少なくとも1つ提示されている。チャップマンによる特許出願、米国2004/957884は、照射線として線状照射線源を使う方法を開示する。この方法において、非調和結晶モノクロメーターは、商業用線状照射線源の出力ビームを調整するのに使用される。しかしながら、大量の初期流量は、部分的にのみ利用されるため、シュリーレンラジオグラフィー設定への適用の有益性は限られる。
【0014】
小さくて初期段階の癌およびその他の疾病の医学的イメージを形成、また非生物対象の小さな欠陥発見のため、臨床環境で通常研究所照射線源を使用して使えるシュリーレン位相ラジオグラフィーシステムの必要性は明らかである。
【発明の概要】
【0015】
本発明の目的は、研究所X線源を使用した医学的シュリーレン位相ラジオグラフィーに適切なシステムを提供することである。この明細書において、照射線はX線、電子、中性子、超紫外線、その他の形態である浸透するエネルギーを意味する。本発明は、対象の内部特質の吸収、屈折、反射、散乱特性を観察できるシュリーレンラジオグラフィーシステムを提供する。さらに、本発明は対象の再構成された位相イメージを容易に作るシステムおよび対象のコンピュータ断層撮影法を提供する。本発明は、デュアルエネルギー差分位相イメージ、選択された散乱イメージ、磁気的に起こされた複屈折イメージを生成できるイメージ形成システムも提供する。本発明は、上記目的を線状照射線源の斬新な使用および照射線の焦点を合わす光学器の斬新な使用により達成する。
【0016】
本発明は、シュリーレン位相ラジオグラフィーを実行するため強力な線状集中照射線源、例えば通常線状X線源管を使用する。線状X線源管は、管電流が陽極の広い表面領域に分配されるため、スポット状X線源管より非常に高い電力で作動する。線状X線源管は、一般に投影された源が30ミクロンの狭い幅と10
mmの長さを持ち、30ミクロンの丸いスポット状源を持つX線管の約100倍である最大3,000ワットの管電力で作動できる。そのような照射線源は、各々が特別な出力スペクトルを持つ色々なターゲット材について商業的に入手できる。本発明に利用できる照射線の代用源は、1つの軸において空間的高純度である熱もしくは冷たい中性子を提供するためにスリットを使う適度な中性子源である。本発明は、シンクロトロン源と共にも利用できる。
【0017】
本発明に先行して、線状X線源管はイメージ形成に使われていなかった。なぜならば、線状モードにおいて、結果のX線写真の1つの軸はぼやけるためである。本発明は、その軸上のイメージを光学的に形成するため焦点を合わす要素を使用することにより照射線源の長軸上のぼやけを克服する。本発明で利用される焦点を合わす要素は、複合屈折レンズ(CRL)である。1次元焦点合わせのための特別CRLレンズ設計がいくつかある。最も一般に、1−Dレンズは一列の穴をある媒体に隣の穴に近接するように作られる。2つの穴間の両凹表面は、X線波長にとって単一焦点合わせレンズとして働く。もちろん、2つの1次元CRLが直角に交われば2−Dレンズ組みを構成する。交差する1−Dレンズに加えて、2−D CRLユニットのための設計がいくつかある。また、色々な複合屈折レンズ設計、湾曲した結晶セット、多層ミラー、その他の焦点合わせ光学器も線状照射線源の長軸の対象のイメージを形成するのに適性である。
【0018】
入射線が経験する位相偏移は、調査下の対象を照らす入射照射線としてコヒーレントビーム(横断ビーム発散がほとんどなし)を採用したときのみマイクロラジアン偏向として観察できる。コヒーレントな照射線は、平行で、摂動されていない平面進行波で、光学軸に沿って、および直角に伝播するトレインと見なすことができる。良好の空間的純度は、球状もしくはシリンダー状の進行波の形態を持つ。そのようなコヒーレンスは、小さいポイント状起源において遠距離で観察され、したがって垂直および水平の両軸においてコヒーレントである。高いコヒーレンスは、標準照射線源と1つの軸のみにコヒーレンスを提供する非対称結晶モノクロメーターの使用によっても達成される。ビームは回折軸に拡張するため鮮明度を犠牲にするが、これらの結晶は高い発散を持つ入射線と低い発散を持つ反射線を受けるためと見なされる。上記したように、先行シュリーレンラジオグラフィー技術は、一軸のみコヒーレントである照射ビームを使用することの正当性を証明した。
【0019】
入射進行波が対象の構成構造と相互作用した後、完全だった波形にたわみが生じる。入射線波形は、対象内で位相偏移のプロファイルを持つ3次元のゆがんだ進行波に変形される。屈折擾乱は、ビーム方向に平行に位置された対象内の異なる密度間の位相で最大である。入射ビームに平行な方向においてのみ、異なる密度をもつ要素の縁はビーム方向と相対的に最大物理的厚さを持つ。従って、最高品質のシュリーレンイメージを取得するには、入射ビームと平行に位置された組織位相のみが空間的に純度の高い入射線を測定できるほど偏差できるようにする。
【0020】
シュリーレン位相ラジオグラフィーにおいて、照射する照射線に必要な空間的品質は、イメージされる対象のタイプに依存する。討論した医学的イメージ形成への適用(癌病巣の境界での屈折偏差は非常に小さい)は、照射する照射ビームの少なくとも1つの軸において低発散を要求する。照射線光学要素および特に線状に焦点が合わされた照射線源と照射線イメージ形成光学器を含むことにより、本発明は線状照射線源の狭い軸として提供される良好ビーム品質と線状状照射線起源の長軸においてぼやけを許さないシュリーレンラジオグラフィーの斬新な配置を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明を、例示としてのみ図面を用いてさらに説明する。
【図1】図1は、本発明の実施の形態に基づくシュリーレンラジオグラフィーシステムの上面図であり、位相および散乱特性は全てイメージの1つの軸に提示されている。
【図2】図2は、図1で説明されているシステムの側面図であり、照射線光学器は対象内のポイントを高解像度で捉えて焦点を合わす。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に基づくシュリーレンラジオグラフィーシステムの上面図であり、位相および散乱特性は全て広い視野のイメージの1つの軸に提示されている。
【図4】図4は、図3で説明されているシステムの側面図であり、1次元照射線光学器は、広い視野に渡って対象内のポイントを捉えて焦点を合わす。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に基づくシュリーレンラジオグラフィーシステムの上面図であり、位相および散乱特性は、吸収特性削減方法によって強調されている。
【図6】図6は、図5で説明されているシステムの側面図であり、1次元照射線光学器は、対象内の位相と散乱特性のポイントを捉えて焦点を合わす。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に基づくシュリーレンラジオグラフィーシステムの上面図であり、拡張された視野に示される強調された位相および散乱特性を捉えて焦点を合わす。
【図8】図8は、図7で説明されているシステムの側面図であり、1次元照射線光学器は、強調された視野イメージの位相および散乱特性を捉えて焦点を合わす。
【図9】図9は、本発明の実施の形態に基づくシュリーレンラジオグラフィーシステムの上面図であり、重要でない位相および散乱特性はイメージの1つの軸に示されている。
【図10】図10は、図9で説明されているシステムの側面図であり、1次元照射線光学期は、対象内の重要でない位相および散乱特性を捉え焦点を合わす。
【図11】図11は、本発明の実施の形態に基づくシュリーレンラジオグラフィーシステムの上面図であり、識別できる反射器は、イメージの1つの軸のまったく重要でない位相および散乱特性を強調するために使われる。
【図12】図12は、図11で説明されているシステムの側面図であり、1次元照射線光学器は、対象内のまったく重要でない位相および散乱特性を捉えて焦点を合わす。
【図13】図13は、図11,12で説明されているシステムの等方性ダイヤグラムであり、1次元イメージ形成光学器の配列は、デジタルに再配列されたディスプレイとして位相および散乱特性の全視野を捉える。
【図14】図14は、本発明の実施の形態に基づくセンサーの上面図であり、照射線光学器は対象のシュリーレンイメージの再構成に使われる結果と共に摂動された波形セクションを測定するために使われる。
【図15】図15は、図14で説明されているセンサーの側面図であり、交差した1次元照射線光学器は、波形角度遷移を記録する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態に基づいて対象のイメージを形成するためのシステムの上面図を図1に示す。狭い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源100は、高い空間的純度を持つ照射線を生産する。これらの照射線のいくつかは、対象104を通して伝導する。これらの照射線のサブセットは、異なった密度を持つ要素106の境界を伝導し、2次元焦点合わせ光学器102に入射する。前記の境界の屈折特性により偏差された照射線108は、検出器110に焦点を合わされる。近傍領域からの偏差されなかった照射線もまた検出器110に焦点を合わされる。したがって、2つのセットの照射線は、干渉しあい異なる密度を持つ前記境界のイメージの強調されたコントラストを生じる。
【0023】
同じシステムの側面図を図2に示す。長い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源101は、低い空間的純度の照射線115を生産する。この軸のいかなる照射線も干渉とコントラスト強調を生じることを期待されていない。代わりに、対象15のいかなる点から発した照射線も、2次元焦点合わせ光学器103の絞りに達し、検出器110に焦点を合わされる。結果として、対象105および異なる密度の要素107の上述の境界を通して伝導し照射線焦点合わせ光学器111の視野内の照射線も検出器上に焦点113を合わされる。この光学的条件は、照射線起源101の長軸が対象105内のすべての特質をバックライトするため改良された解像度をもたらす。
【0024】
このシステムによって作り出されたイメージは、1つの軸上で特に高い解像度およびその他の軸上で特定の特質の強調された縁を持つ結果となる。図1と2の視野およびそこで示されるその他の図は、照射線焦点合わせ光学器を単一の屈折レンズとして示す。大部分の材料内での照射線の屈折率は1より小さいため、レンズの形状は両凹である。実際には、1つのレンズによる屈折は非常に小さいため、利用できる焦点距離を作り出すには一連のレンズが必要である。そのような設計は複合屈折レンズ(CRL)として知られており、ここでは説明目的のため単一レンズ要素で示される。検出器の配列を伴うそのようなCRLの配列は視野を広める。全体イメージは、配列されたイメージを電子的につなぎ合わせた結果である。スキャンすると全体2−Dもしくは3−Dイメージセットを生じる。当業者は、同じ効果を得るために他の照射線焦点合わせ光学器を採用することも出来る。
【0025】
本発明の実施の形態に基づいて対象のイメージを形成するためのシステムの上面図を図3に示す。狭い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源100は、高い空間的純度を持つ照射線を生産する。これらの照射線のいくつかは、対象104を通して伝導される。これらの照射線のサブセットは、異なった密度を持つ要素106の境界を伝導し、1次元焦点合わせ光学器112に入射する。焦点合わせ光学器112は、この軸上の照射線が転置されず焦点を合わされることなく伝導されるように、均一の曲面を持つように図示されている。この境界108の屈折特性により偏差された照射線は、検出器110に入射する。近傍領域からの偏差されなかった照射線もまた検出器110に焦点を合わされる。検出器までに適切な距離を取ることにより、波長の軌道長に差が生じ、照射線の2つのセットは干渉し、異なる密度の境界のイメージのコントラストを強調する。
【0026】
同じシステムの側面図は図4に示される。長い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源101は、低い空間的純度を持つ照射線を生産する。この軸のいかなる照射線も干渉とコントラスト強調を生じることを期待されていない。代わりに、対象105のいかなる点から発した照射線も1次元焦点合わせ光学器109の絞りに達し、検出器110に焦点を合わされる。結果として、対象105および異なる密度の要素107の上述の境界を通して伝導し照射線焦点合わせ光学器111の視野内の照射線も検出器上に焦点113を合わされる.この光学的条件は、照射線源101の長軸が対象105内の全ての特質をバックライトするため改良された解像度をもたらす。
【0027】
このシステムによって作り出されたイメージは、1つの軸上で特に高い解像度およびその他の軸上で特定の特質の強調された縁を持つ。また当業者は、多重エネルギーイメージ形成のための焦点合わせ光学器配置を伴う特殊かつ個別エネルギーの照射線発生を使用できる。また当業者は、一般に追加コントラストエージェントとイメージ控除ルーチンを経過する引き続く分析による選択的吸収のために照射線エネルギーを採用出来る。
【0028】
本発明の実施の形態に基づいて対象のイメージを形成するためのシステムの上面図を図5に示す。狭い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源100は、高い空間的純度を持つ照射線を生産する。これらの照射線のいくつかは、対象104を通して伝導され、2次元焦点合わせ光学器102に入射する。2次元焦点合わせ光学器102は、照射線源のイメージをストッパー・位相転移器128上に落とすように位置されているため、対象の屈折もしくは散乱特性により偏差されない照射線は、ストッパー・位相転移器128により、位相が部分的または全体的に中断・転移される。対象104の、特に異なる密度の要素106の境界における、屈折もしくは散乱特性により偏差された照射線129は、ストッパー・位相転移器に遭遇せず検出器110上に焦点を合わされる。
【0029】
同じシステムの側面図は図6に示される。長い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源101は、低い空間的純度を持つ照射線を生産する。対象105の、特に異なる密度の要素107の境界における、屈折もしくは散乱特性に偏差された照射線は、ストッパー・位相転移器に遭遇せず検出器110上に焦点を合わされる。対象および2次元焦点合わせ光学器103を通るそのような照射線の全ては、検出器110上に焦点を合わされる。当業者は、同じ効果を得るために他の照射線焦点合わせ光学器を採用することも出来る。また当業者は、有効視野を増加するため、多重線状源および多重ストッパー・位相転移器を採用することが出来る。
【0030】
発明の実施の形態に基づいて対象のイメージを形成するためのシステムの上面図を図7に示す。狭い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源100は、高い空間的純度を持つ照射線を生産する。これらの照射線のいくつかは、湾曲した結晶の表面もしくは多重層ミラー125より反射される。選択された波長を持つ照射線は、結晶構造のブラッグ条件を満足するように当てられ反射される。反射器に正しい角度で当たらないまたは正しい波長を持たない照射線ソースから発せられた全ての照射線は反射されない。従って、反射された単色照射線は、対象104の領域を超えた所に設置されたビームストッパー・位相転移器136の狭い軸上に焦点が合わされる。したがって、湾曲した結晶もしくは湾曲した多重層ミラー125は、対象の屈折または散乱特性により偏差されない照射線がストッパー・位相転移器136により部分的もしくは全体的に中断されるように、線状源の1次元イメージを線状ストッパー・位相転移器136に落とすために使用される。対象104の、特に異なる密度要素106の境界における、屈折または散乱特性により偏差された照射線134はストッパーもしくは位相転移器に遭遇せず、検出器110に入射する。1次元照射線イメージ形成光学器は、この軸上でそのような照射線への焦点合わせ効果を持たない。
【0031】
同じシステムの側面図は図8に示される。長い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源101は、低い空間的純度を持つ照射線を生産する。これらの照射線のいくつかは、湾曲した結晶の表面または湾曲した多重層ミラー125から反射される。上記したように、対象105の、特に異なる密度要素107の境界における、屈折または散乱特性により偏差された照射線は、ストッパー・位相転移器137に遭遇せず、検出器110に入射する。対象105のポイント、特に異なる密度の要素107の境界および1次元焦点合わせ光学器131を通過する全ての照射線133は、検出器110に焦点135が合わされる。この光学的条件は、照射線源101が対象105内の全ての特質のバックライトに照射線138を提供するため、解像度の改良をもたらす。当業者は、ビーム源の長軸上のぼやけを除くに同じ効果を持つ他の照射線焦点合わせ光学器を採用することも出来る。また当業者は、有効視野を増加するため、多重線状源および多重ストッパー・位相転移器を採用することが出来る。
【0032】
発明の実施の形態に基づいて対象のイメージを形成するためのシステムの上面図を図9に示す。狭い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源100は、高い空間的純度を持つ照射線を生産する。これらの照射線のいくつかは、2重結晶モノクロメーター120の表面より反射される。ビームも拡張されるので鮮明度は減少するが、反射された照射線が回折面で完全に近い横コヒーレンスの空間的純度を持つように、モノクロメーターとして一連の非対称にカットされた完全結晶が使用される。したがって、反射された照射線127は、ビームの線状源の短軸に高度に視準されている。別の言い方をすれば、波形は回折軸において平面である。1次元照射線イメージ形成光学器130は、そのような照射線のこの軸上での焦点合わせ効果を持たない。
【0033】
同じシステムの側面図は図10に示される。長い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源101は、低い空間的純度を持つ照射線を生産する。これらの照射線のいくつかは、上記するように第1反射器121および第2反射器122の表面から反射される。この軸において、ビーム品質のいかなる改良も反射器によって提供されない。たとえば、この軸のいかなる照射線も干渉せず、コントラスト強調をしない。その代わりに、対象105内の異なった密度107の境界から発せられた照射線133を含めた視野内の全てのポイントからの全ての照射線は、1次元焦点合わせ光学器131の絞りに達し、検出器110上に焦点135を合わされる。当業者は、ビーム源の長軸上のぼやけを除くに同じ効果を持つ他の照射線焦点合わせ光学器を採用することも出来る。また当業者は、完全2−Dおよび3−Dイメージセットを作り出すためスキャンすることが出来る。
【0034】
発明の実施の形態に基づいて対象のイメージを形成するためのシステムの上面図を図11に示す。狭い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源100は、高い空間的純度を持つ照射線を生産する。これらの照射線のいくつかは、2重結晶モノクロメーター120の表面より反射される。したがって、反射された照射線127は、ビームの線状源の短軸に高度に視準されている。対象104の直後に構成された多重層反射器が配置される。多重層の構造は、ファブリー・ペロー干渉計タイプにおいてモノクロメーター120の直接照射線に整列し、それを吸収するようにセットされている。対象104の、特に異なる密度要素106の境界における、屈折または散乱特性により偏差された照射線132は、構成された多重層より反射され、検出器110に入射する。結果としてのイメージは、ほとんど全て対象104内の異なる密度の境界106からなる。1次元照射線イメージ形成光学器130は、そのような照射線のこの軸上での焦点合わせ効果を持たない。
【0035】
同じシステムの側面図は図12に示される。長い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源101は、低い空間的純度を持つ照射線を生産する。これらの照射線のいくつかは、上記するように第1反射器121および第2反射器122の表面から反射される。この軸において、ビーム品質のいかなる改良も反射器によって提供されない。たとえば、この軸のいかなる照射線も干渉せず、コントラスト強調をしない。その代わりに、対象105内の異なった密度107の境界から発せられた照射線133を含めた視野内の全てのポイントからの全ての照射線は、構成された多重層141から反射し、1次元焦点合わせ光学器131の絞りに達し、検出器110上に焦点135を合わされる。当業者は、ビーム源の長軸上のぼやけを除くことに同じ効果を持つ他の照射線焦点合わせ光学器を採用することも出来る。また当業者は、完全2−Dおよび3−Dイメージセットを作り出すためスキャンすることが出来る。
【0036】
1次元イメージ形成光学器の配列を採用した上記の等方性ダイヤグラムは図13に示されている。照射線は、照射線源150の線状ソースから非対称結晶モノクロメーター151に投影されていて、入射線のいくつかは、狭い照射線源の軸で優れた横コヒーレンスで反射されている。そのように生成された照射線はある密度を持つ対象153を通して伝導する。対象153の内部に異なる密度152の要素がある。対象153より発するすべての直接で偏差されていない照射線は、構成された多重層154により吸収される。内部要素152の縁である密度変化の境界で角度偏差をした照射線は、構成された多重層154により反射される。従って、反射された照射線は、1次元照射線イメージ形成光学器155の配列に入射する。配列の各複合屈折レンズは、限られた視野のみ所有し、各レンズは対象の個別部分のイメージを捉える。そのような部分の各ポイントは、照射線の線状源の長い寸法により発せられた照射線により有効的にバックライトされる。ここの部分は標準レンズイメージ形成効果により反転されるが、結果として、検出器156は対象の屈折特性の完全視野を捉える。正しい方位159にイメージをとじ合わせるため転換を電子的に行う。このシステムは、2−Dおよび3−Dイメージセットを作り出すためスキャンすることを採用できる。
【0037】
上記システムの代替システムは、図11,149、図12,141、図13,154に図示された構成された多重層の直接代替として完全結晶分析器を採用する。システムは、屈折および散乱特性の変化する特性を持つイメージを撮るため結晶分析器の入射線の角度を調整する。一般に、結晶整列はモノクロメーターからの偏差されていない照射線の鮮明度を半分にするため、結晶の角度反射(ロッキング)カーブの側面を使用する。当業者は、角度整列変動により複数のイメージを取ることができ、対象の屈折、散乱、吸収特質を分離するためにこれらのイメージを組み合わせる。再び、内部要素の縁である密度変化の境界で角度偏差を受けた照射線は、結晶の角度整合に比例して結晶分析器から反射される。反射された照射線は1次元照射線イメージ形成光学器の1つまたは1つの配列に入射する。各光学器は限られた視野のみ持ち、対象の個別部分のイメージを捉える。そのような部分の各ポイントは、照射線の線状源の長い寸法により発せられた照射線により有効的にバックライトされる。ここの部分は標準レンズイメージ形成効果により反転されるが、結果として、検出器156は対象の屈折特性の完全視野を捉える。このシステムは、2−Dおよび3−Dイメージセットを作り出すためスキャンすることを採用できる。
【0038】
発明の実施の形態に基づいて対象を分析するためのセンサーの上面図を図14に示す。狭い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源100は、高い空間的純度を持つ照射線を生産する。これらの照射線のいくつかは、2重結晶モノクロメーター120の表面より反射される。本発明で使用のため、入射ビームは横コヒーレンスの改良を伴いながら非常に拡張されるように第1反射器121は第2反射器122と一連される。したがって、反射された照射線127は、ビームの線状源の短軸に高度に視準されている。1次元照射線光学器182は、視準されたビームを検出器110のピクセルの数列に焦点を合わす。これらは参照ピクソルと呼ばれ、水平列として示されている。対象104の、特に異なった密度の要素の境界における屈折特性によって偏差された照射線は、集中されたビームの伴う部分を参照ピクソルとは直角に移動し、近傍ピクソルに落ちる。集中されたビームの位置変化は、照射線波形のゆがみの記録である。この情報の分析は、対象の屈折特性の復元となる。別の1次元照射線イメージ形成光学器180は、この軸上での焦点合わせ効果を持たない。
【0039】
同じセンサーの側面図は図15に示される。長い空間的寸法の軸を持つ照射線線状源101は、低い空間的純度を持つ照射線を生産する。これらの照射線のいくつかは、上記するように第1反射器121および第2反射器122の表面から反射される。この軸において、ビーム品質のいかなる改良も反射器によって提供されない。対象105のいかなるポイントから発した照射線も、1次元焦点合わせ光学器181の絞りに達し、検出器110に焦点を合わされる。結果として、対象105のポイントを通して伝導する照射線焦点合わせ光学器181の視野内の照射線は、収集され検出器110に焦点を合わされる。この光学的条件は、照射線源の長軸が対象105内の全ての特性をバックライトするため解像度の改良をもたらす。上記しここに側面図を示す別の1次元照射線イメージ形成光学器183は、この軸上での照射線の焦点合わせ効果を持たない。
【0040】
図14と図15に図示された上記のセンサーは、非点収差が組み込まれた複雑な光学システムである。それは、各々が異なる焦点距離を持つ交差1次元照射線光学器を使用する。
センサーからの情報は、普通光学的進行波ゆがみ分析にしばしば使用されるシャックハルトマン分析法を使って対象の屈折特性のイメージを取り出すために使用される。本発明の実施の形態は、1つの軸において良好の横コヒーレンスを持つ浸透する照射線を使用し、対象を伝導する視準された照射線のゆがんだ波形を分析し、1つの軸での対象の位相特性のイメージを引き出す。スキャンにより、大きい対象のための完全2−Dデータセットを作成する。他の1次元照射線光学器の配列と90度で交差する1次元照射線光学器の配列は、マクロ・スキャンの必要性を非常に減少するが、計算されたスポット重心を使いマクロ・スキャンが解像度を改良することを可能にする。交差配列は、交差照射線光学器の各単一セットのため孤立された参照ピクソルの単一セットを使用する。
【0041】
発明の実施の形態に基づいて対象を分析するための別のセンサーは、両軸において良好な横コヒーレンスを持つ照射線ビームを使用する。2次元照射線光学器は、検出器のいくつかの参照ピクソルに視準されたビームを集中するために使用される。視準されたビームの中に置かれた対象の屈折特性、特に異なる密度の要素の境界において偏差された照射線は、集中されたビームを参照位置から近傍のピクソルに入射するように移動する。集中されたビームの位置変化は、光学器の絞りを通して平均化された照射線波形のゆがみの記録である。この情報の分析は、両軸における対象の屈折特性の再構成となる。ほとんど同一の2次元照射線光学器の配列は、マクロ・スキャンの必要性を非常に減少するが、計算されたスポット重心を使いマクロ・スキャンが解像度を改良することを可能にする。参照ピクソルの単一セットは、各単一2次元照射線光学器から隔離されている。
【0042】
上記の説明において、本発明は、好ましい実施の形態と関連して説明され、詳細は例証として述べられたが、当業者にとって、本発明が追加の実施の形態を受け入れる余地があり、ここで説明された詳細のある部分は、本発明の基本原理から離れることなく、かなり変わることは明らかである。
【0043】
本詳細は、X線の場合である。当業者は十分理解しているように、同じような光学機器および構成は、中性子散乱の異なった理論、異なった材料の中性子の屈折率の偏差の大きさと符号の違いを適切に考慮すれば、中性子線イメージ形成のために使用することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象のイメージを形成するシステムにおいて前記イメージは前記対象の内部特質を含むシステムであって、
浸透する照射線ビームを発生するための手段と、
前記ビーム発生のため1つ以上の線状源を持ち前記ビームは前記ビーム源の狭軸に沿って高空間的純度および前記ビーム源の長軸に沿って低空間的純度を提供する浸透する照射線ビームを発生する前記手段と、
照射線イメージ形成光学器と、
前記ビームが前記対象を通しておよび前記照射線イメージ形成光学器を通して伝導されることを提供するために前記対象を支持する手段と、
検出器スクリーンに提示された前記対象の少なくとも部分イメージを形成するように配設された前記照射線イメージ形成光学器と、
少なくとも位相の1つおよび前記ビームの1つの軸に沿った方向の前記対象の内部特質の散乱特性を含む前記部分イメージとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記照射線イメージ形成光学器は、前記部分イメージを2次元で捉えて焦点を合わせるように配設されることを特徴とする請求項1記載のシステム
【請求項3】
前記照射線イメージ形成光学器は、照射ビームの前記線状源の長軸に整列された照射線採集および焦点合わせ軸を持つ1次元の前記部分イメージを捉えて焦点を合わせるように配設されることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項4】
遠視野検出器と、
ストッパーおよび位相転移フィルターの内の1つと、
前記照射線線状源のイメージを前記ストッパーおよび位相転移フィルターの内の1つに完璧に焦点を合わし前記対象の別イメージを前記遠視野検出器に焦点を合わすことを許すように配設された前記照射線イメージ形成光学器と、
前記対象の内部特質の屈折・散乱特性により偏差された照射線を含む前記別イメージとを備えることを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記照射線イメージ形成光学器であって、
A)曲げられた結晶モノクロメーター、または
B)湾曲した多重人工結晶の1つである結晶と、
回折のため前記線状源のイメージがA)ストッパー、または
B)前記対象の前記内部特質に偏差された照射線を含む遠視野検出器に焦点を合わされた前記イメージを提供する位相転移器の1つの上に完璧に焦点を合わされた前記の照射ビームとを備えることを特徴とする請求項3記載のシステム。
【請求項6】
照射ビームを発生するための前記手段は一部分および別部分を持つビームを発生して、
前記一部分は1つの透過エネルギーで発生されて、
前記対象から特定焦点距離にある検出器上に前記照射線イメージ形成光学器を用いて焦点を合わされて、
前記別部分は別の透過エネルギーで発生されて前記対象から別の特定焦点距離にある検出器上に前記照射線イメージ形成光学器を用いて焦点を合わされて、そして
各異なった透過されたエネルギーについて少なくとも2つのイメージを検出して、位相・吸収イメージは2つの検出されたイメージの分析により得られることを特徴とする請求項3記載のシステム。
【請求項7】
前記イメージ分析は、前記対象の化学成分依存特性、例えば媒体コントラストによる、の別途分析のために前記吸収イメージとは別の前記位相反応イメージを得られるように準備されていることを特徴とする請求項6記載のシステム。
【請求項8】
対象の少なくとも1つの位相および吸収に関係した特質のイメージを表示するシステムであって、
照射ビームの投影のための線状源手段と、
前記線状源の狭軸の前記照射ビームを回折するために配設されたモノクロメーターと、
前記対象を通して前記ビームを伝導できるように前記対象を支持する手段と、
照射線イメージ形成光学器と、
前記イメージシグナルからイメージを形成し前記対象の1つの軸の位相および吸収と関係した特質のための前記イメージを観察者が分析できる手段とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
対象の位相および吸収に関係した特質の少なくとも1つのイメージを表示するシステムであって、
照射ビームの投影のための線状源手段と、
前記線状源の狭軸の前記照射ビームを回折するために配設された結晶モノクロメーターと、
前記対象を通して前記ビームを伝導できるように前記対象を支持する手段と、
対象の特質によって偏差されなかった全ての照射線は反射することが許されないことにより1つの入射角の前記伝導されたビームの一部分を受けるために配設された構成された多重分析器と、
照射線イメージ形成光学器と、
前記照射線イメージ形成光学器を通して前記構成された多重分析器より前記ビームの前記部分を伝導するための手段と、
イメージシグナルを発生することと、
前記イメージシグナルからイメージを形成して吸収に関係した特質が抑制された前記対象の位相および散乱と関係した特質のための前記イメージを観察者が分析できる手段とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項10】
対象の位相および吸収に関係した特質の少なくとも1つのイメージを表示するシステムであって、
照射ビームの投影のための線状源手段と、
前記線状源の狭軸の前記照射ビームを回折するために配設された結晶モノクロメーターと、
前記対象を通して前記ビームを伝導できるように前記対象を支持する手段と、
1つの入射角の前記伝導されたビームの一部分を受けるために配設された結晶分析器と、
照射線イメージ形成光学器と、
前記照射線イメージ形成光学器を通して前記構成された結晶分析器よりの前記ビームの前記部分を伝導するための手段と、
イメージシグナルを発生することと、
前記イメージシグナルからイメージを形成して前記対象の位相および吸収と関係した特質のための前記イメージを観察者が分析できる手段とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記結晶分析器はブラッグ分析器であることを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記結晶分析器はラウエ分析器であることを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項13】
前記照射線イメージ形成光学器であって、
前記結晶分析器と相対的に第1角度位置において発せられる前記ビームの一部分よりの第1イメージシグナルを形成する手段と、
前記結晶分析器と相対的に第2角度位置において発せられる前記ビームの一部分よりの第2イメージシグナルを形成する手段と、
合成イメージシグナルを形成するために前記第1および第2イメージシグナルを合成する手段と、
1つの軸上の位相および散乱特性を持つ前記合成イメージシグナルからの合成イメージを形成する手段とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項14】
前記第1および第2角度位置は前記結晶分析器のロッキングカーブ内であることを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項15】
前記第1角度位置は低ロッキング角度設定および前記第2角度位置は高ロッキング角度設定とは前記結晶分析器についてであることを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項16】
前記第1および第2角度イメージシグナルはデジタルであることを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項17】
前記合成イメージは前記対象の位相および吸収に関係した特質の少なくとも1つにより強調された合成イメージを形成するデジタル化されたシグナルであることを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項18】
対象の位相に関係した少なくとも1つの特質のイメージを得るためのシステムであって、ほとんど同一の1次元照射線焦点合わせ光学器の第1配列と、
前記第1配列と90度に配設されたほとんど同一の1次元照射線焦点合わせ光学器の第2配列と、
ビーム源の長軸に平行に整列された1次元照射線焦点合わせ光学器の前記第1配列と、検出器が1次元照射線焦点合わせ光学器の焦点距離と厳密に等しい距離であるように位置された1次元照射線焦点合わせ光学器の前記第1配列と、
前記第1配列内の1次元照射線焦点合わせ光学器の全数より多数の解像要素を持つ前記検出器と、
前記第1配列内の1つの照射線焦点合わせ光学器のみよりの照射線の線状焦点を検出するために孤立された前記解像要素と、
前記対象の前記特質の前記屈折特性により照射線の前記線状焦点の部分の位置に関連した変化により発生した照射ビーム位相変化の影響を測定する前記解像要素と、
ビーム源の長軸に直角に整列されたほとんど同一の1次元照射線焦点合わせ光学器の第2配列と、
前記線状焦点の各セグメントは前記対象の各部分から伝導された照射線を獲得すると共に検出器は対象のイメージが検出器上の1つの線上に形成される距離であるように配置された1次元照射線焦点合わせ光学器の第2配列と、
照射線進行波のゆがみを決める前記測定された結果について行われる計算と、
前記のゆがんだ照射線進行波のシャック−ハートマン分析から得られた対象の内部屈折特性の1つの軸のイメージとを備えることを特徴とするシステム
【請求項19】
対象の位相に関係した少なくとも1つの特質のイメージを得るシステムであって、
照射ビームを投射するための短線状源(点状に近い)と、
1つの軸内の前記照射ビームを回折するために配置された結晶モノクロメーターと、
前記対象を通して前記ビームを伝導することを許すために前記対象を支持する手段と、
ほとんど同一の2次元焦点合わせ光学器の前記配列と、
検出器が2次元焦点合わせ光学器の焦点距離と厳密に等しい距離になるように位置された2次元焦点合わせ光学器の前記配列と、
前記配列内の2次元照射線焦点合わせ光学器の全数より多数の解像要素を持つ前記検出器と、
前記配列内の1つの2次元照射線焦点合わせ光学器のみよりの照射線の点状焦点を検出するために孤立された前記解像要素と、
照射線の前記点状焦点の位置の変化に関連して前記対象の前記特質の前記屈折特性により発生される照射線ビーム位相変化の影響を測定する前記解像要素と、
照射線進行波のゆがみを決める前記測定された結果について行われる計算と、
前記のゆがんだ照射線進行波のシャック−ハートマン分析から得られた対象の内部屈折特性の1つの軸のイメージとを備えることを特徴とする請求項18記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2011−507672(P2011−507672A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545322(P2010−545322)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/012847
【国際公開番号】WO2009/064495
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(310017161)
【Fターム(参考)】