縁部の検査および計測
半導体ウエハ等の品物の1つ以上の特徴を特性決定するために使用される、縁部特徴測定システムおよび方法。特性決定される特徴は、ウエハの縁部に隣接したレジスト層外側境界、および、要望に応じて、ウエハ縁部に隣接した他のウエハの特徴を含む。ある実施形態において、例えば、半導体ウエハの周縁部の周りでレジストが除去された場合、ウエハの縁部からレジスト層縁部までの相対距離を、画像化システムを介して検出することができる。他の実施形態において、ウエハの中心(または1つ以上のレジスト層の中心)が検出され、また望ましい場合は、ウエハ中心と1つ以上のレジスト層の中心との間の相対オフセットが検出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の品物の1つ以上の特徴を特性決定するために使用される縁部特徴測定システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
過去数十年にわたり、半導体主導の技術が飛躍的に発達し、我々の社会を革新した。半導体の製造者らは、生産において幅広い改善を行い、最終製品の品質、スピード、および性能の向上をもたらした。しかし、より速く、より信頼性のある、そしてより高い性能の半導体の需要が引き続き存在する。これらの需要を支えるために、より良い検査システムおよび方法が望まれる。
【0003】
半導体は、ウエハ形式で製造されることが多い。参考までに述べると、ウエハは、典型的には、複数の層で製造され、製造の様々な段階にわたるウエハの整合を目的としてウエハ縁部上に製造されたノッチを含む。半導体ウエハ生産の間、半導体ウエハがその後の処理に従いパターニングされ得るように、ウエハにマスク層またはレジスト層が塗布される。典型的には、ウエハが回転している間に、所望量の液体レジストがウエハの上面に塗布される。ウエハが回転すると、レジスト材料は、ウエハが実質的にレジストの層で被覆されるように、ウエハの中心から半径方向外側に、そして半導体の縁部に向かって広がる。余分な量のレジストは、半導体ウエハの外側縁部上に蓄積し、土手またはビーズを形成する。レジストの「縁部ビーズ」を取り除くために、縁部ビーズ除去(EBR)ユニットとして知られる被覆システムを使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化学EBRユニットは、EBR液と称される溶媒を半導体ウエハのレジスト上に施すノズルを含む。溶媒は、レジストを溶解または展開し、半導体ウエハの縁部からレジストを容易に除去することができるようにする。光学EBRユニットでは、半導体ウエハの縁部または縁部付近のレジストが露光される。その後の展開プロセス中、露光されたレジストが除去される。EBR除去中にウエハが中心に位置しない場合、残ったレジスト層はウエハに対し中心に位置しない。また、除去されるレジストの量の変動性は、ウエハ縁部からのレジスト縁部の距離の変動に寄与し得る。
【0005】
例えば、異なるEBRユニットおよび/または複数のEBRプロセスにより、半導体ウエハの縁部または縁部付近の基板層の不均一な積層がもたらされ得る。いずれにしても、ウエハのレジスト層のオフセットの結果、いくつかの望ましくない効果が生じ得る。例えば、不規則または一様でない形態で積層した基板層は、剥離して、半導体ウエハ上への有害な再沈着を生じ得る。再沈着した基板材料は、半導体ウエハを汚染し、ウエハ上に形成される集積回路デバイスに欠陥をもたらす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るウエハ縁部測定方法は、ウエハ縁部の周りの複数の画像であって、前記各画像は第1の次元および第2の次元を有するピクセルアレイを備える複数の画像を獲得する工程と、前記各ピクセルアレイを前記第1の次元に圧縮し、前記ピクセルアレイをステッチすることにより、圧縮されたピクセルアレイの縁部マップを生成する工程と、前記縁部マップを分析して縁部特徴を特定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の態様に係る縁部ビーズ除去(EBR)ラインを測定する方法は、ウエハの縁部領域の周りの複数の画像であって、前記各画像は第1の次元および第2の次元を有するピクセルアレイを備える複数の画像を獲得する工程と、前記第1の次元にわたり各ピクセルアレイを圧縮して、圧縮されたピクセルアレイの縁部マップを生成する工程と、前記縁部マップをフィルタリングして可能性のある特徴ピクセルを選択する工程と、前記可能性のある特徴ピクセルに対し、正弦線フィッティング操作を実行して縁部ビーズ除去(EBR)ラインを特定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の態様に係る縁部検査システムは、ウエハ縁部の周りの複数の画像を獲得するための画像獲得デバイスと、前記複数の画像のそれぞれに対する画像データであって、第1の次元および第2の次元を有する該画像データを受信するための画像獲得モジュールと、圧縮された画像の縁部マップを生成するための縁部マップモジュールと、前記縁部マップを分析して縁部ビーズ除去(EBR)ラインを特定するための画像分析モジュールと、を備える。前記縁部マップモジュールは、前記画像をステッチするための画像ステッチングモジュールと、前記画像を前記第1の次元に圧縮するための画像圧縮モジュール、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
例えば、半導体ウエハの周縁部の周りでレジストが除去された場合、ウエハの縁部からレジスト層縁部までの相対距離を、画像化システムを介して検出することができる。他の実施形態において、ウエハの中心(または1つ以上のレジスト層の中心)が検出され、また望ましい場合は、ウエハ中心と1つ以上のレジスト層の中心との間の相対オフセットが検出される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の原理に従い縁部ビーズが除去された実施形態の半導体ウエハの概略平面図である。
【図2】図1のウエハの線2−2に沿った概略断面図、および本発明の原理に従う実施形態の縁部検査システムの一部の概略図である。
【図3】本発明の原理に従う実施形態の縁部検査システムを示す概略平面図である。
【図4】図1のウエハの一部の概略平面図である。
【図5】本発明の原理に従う、ウエハ画像の概略的な全体図である。
【図6】本発明の原理に従う、画像圧縮後の図5のウエハ画像の概略的な全体図である。
【図7】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図8】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図9】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図10】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図11】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図12】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図13】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図14】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図15】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図16】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図17】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図18】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図19】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図20】縁部ビーズ除去測定方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図21】ウエハの縁部の位置を決定するための方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図22】ウエハの縁部上のノッチの位置を決定するための方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図23】ウエハの中心の位置を決定するための方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図24】ウエハ縁部から、ウエハ周縁部の周りの縁部ビーズ除去の位置までの距離を決定するための方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図24A】ウエハ縁部から、ウエハ周縁部の周りの縁部ビーズ除去の位置までの距離を決定するための方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図25】複数のレジスト層を有するウエハの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ウエハ縁部の検査および計測は、多くの理由から重要である。例えば、プロセス技術者は、そのプロセスが正しく進行していることを確実とするために、EBRラインを測定することができなければならない。例えば、EBRラインは、ウエハの表面にわたりレジストを流すことにより形成される。ウエハの縁部でレジストにより形成されたビーズは、縁部排除ゾーンにわたって除去される。パターニングおよびエッチングの後、レジストが除去され、行われるプロセス(複数を含む)に依存して、EBRライン(複数を含む)が残される。ウエハおよびウエハ縁部の形状に関係付けて、これらのラインを測定することにより、当該プロセス技術者は、例えばその加工プロセスが適切に稼動していることを確実とすることができる。
【0012】
このように、概括的には、本発明の原理に従う縁部特徴測定システムおよび方法は、ウエハの縁部に隣接したレジスト層外側境界、および、要望に応じて、ウエハ縁部に隣接した他のウエハの特徴を特性決定するために使用される。ある実施形態は、例えば、ウエハの周縁部の周りでレジストが除去された場合、半導体ウエハの縁部からレジスト層縁部までの相対距離を検出する工程を含む。参考までに述べると、本明細書において、レジスト縁部は「EBRライン」と称されるが、本発明の原理は、これに限定されないが、縁部ビーズ除去(EBR)プロセスを含む、様々なウエハ加工プロセスを介して形成されるレジスト縁部に適合することを理解されたい。ある実施形態において、ウエハ縁部、ウエハノッチまたは平坦部、および1つ以上のEBRライン等の複数の縁部特徴の位置が特定される。方法はまた、ウエハおよび/または1つ以上のレジスト層の中心を検出し、また望ましい場合は、ウエハ中心と1つ以上のレジスト層の中心との間の相対オフセットを検出する工程を含む。
【0013】
以下の説明の理解の一助となるように、いくつかの実施形態の縁部特徴測定システムおよび方法は、例えば、回転ステージの中心から半径方向にオフセットして位置するデジタル検査カメラにより、ウエハの縁部の周りの一連のデジタル画像を獲得する工程を含むことに言及しておく。ある実施形態において、ウエハの外側全周縁部が、連続的および/または段階的に画像化される。任意選択で、ウエハノッチの位置、ウエハ中心、レジスト層中心、EBRラインの位置、ウエハ縁部の位置、および他の特徴が、そのような画像データから抽出される。
【0014】
例えば、任意選択で、ウエハ中心、レジスト層中心、検査カメラ座標系、および/またはウエハノッチの相対位置が決定される。以下により詳細に説明するように、様々な特徴をより良く評価するために、ウエハ縁部の画像は圧縮され累積的に評価される。ある実施形態において、そのような圧縮を使用して、ウエハの縁部から、レジストが除去されたEBRラインまでの距離が、ウエハの全周縁部の周りで評価される。上に示唆したように、ウエハ上には、いかなる数のレジスト層も存在し得、各レジスト層は縁部ビーズ除去され、EBRラインを画定する。したがって、該当する場合には、ある実施形態において、対象となる複数のEBRラインが特定または追跡される。
【0015】
さらに、計算されたウエハ中心の位置等の、ウエハ縁部の画像化により得られる情報は、関連した検査プロセスおよびシステムにおいて使用することができることが企図される。例えば、ウエハの欠陥を報告および分析するために、または、ウエハ縁部(「正常縁部」)の輪郭もしくは側面を画像化して、通常縁部を追跡し、またカメラをウエハの正常縁部からの適切な焦点距離を維持できるように、検査カメラを位置づけすることをすることを可能にするため、ウエハ中心の位置を使用することができる。このように、ある実施形態において、EBR検査システムおよび方法で収集される情報は、より大規模でより詳細なウエハ特性決定システムまたは検査方法の一部として使用される。
【0016】
図を参照すると、図1は、半導体ウエハ50の平面図を示す。ウエハ50は、縁部領域100を画定し、ウエハ縁部102、ウエハ中心104、ウエハノッチ106、レジスト層108、レジストが除去されたウエハ領域110、レジスト中心112、レジスト縁部114、ウエハ縁部102とレジスト縁部114との間の距離116、レジストが存在するべきであるが除去されているウエハ領域118、および、除去されているべきレジストが存在するウエハ領域120を含む。
【0017】
図1は、ウエハ中心104からオフセットしたレジスト中心112を示す。この不一致は、多くの場合、レジスト108の形成および/またはレジスト108の一部の除去の間の操作者によるエラーまたは機械的エラーによるものである。以前に示唆したように、加工中のウエハ50の回転中心の位置は、ウエハ中心104に対するレジスト108の位置に影響する。例えば、ある実施形態において、様々な自動加工ステップ中、ウエハ50はチャック(図示せず)に固定される。しかし、自動操作または他のエラーに起因して、回転中心は、時折ウエハ中心104からずれる。回転中心がウエハ中心104と整合しない場合、レジスト層108等のレジスト層は、ウエハ50に対し偏心して位置する。
【0018】
図1は、2つの中心104、112間の不整合が容易に認識されるように、ウエハ中心104からのオフセットが誇張されたレジスト中心112を示している。しかし実際には、中心104、112間の不整合(すなわち、望ましい整合からのずれ)は、多くの場合、人間の肉眼で認めることは困難であることに留意されたい。これを考慮して、ウエハ縁部102とレジスト縁部114との間の距離116は、ウエハ50の周縁部の周りで一貫しないことにも留意されたい。また、レジストを含むべきであるのに含んでいないウエハ領域118等の欠陥領域もまた、ウエハ加工中に生じ得ることにも留意されたい。例えば、いくつかの製造プロセスにおいて、様々な加工または処理が一貫性を欠くことを含む多くの原因に起因して、レジスト108はウエハ領域118で除去される。ある実施形態において、ウエハ領域118等の欠陥領域または潜在的欠陥領域も、縁部検査プロセス中に特定される。同様に、レジストを含むべきではないのに含んでいるウエハ領域120が、任意選択で特定される。参考までに述べると、ウエハ領域120は、例えば、加工エラーまたは処理上が一貫性を欠くことの産物として生成され得る。
【0019】
図2は、図1に示される線2−2に沿った縁部領域100の拡大図である。縁部領域100は、レジスト縁部114、レジスト108を実質的に含まない露出頂部領域130、ウエハ縁部102、および、同じく任意選択で実質的にレジスト108等のレジスト層を含まないウエハ底部領域134を含む。ウエハ縁部102は、頂部ベベル136、ウエハ縁部垂直部138、および底部ベベル140を画定する。
【0020】
図3は、本発明の原理に従う縁部検査システム150の概略図である。縁部検査システム150は、頂部縁部センサ152、底部縁部センサ154、垂直縁部センサ156、コントローラ158、基部160、およびステージアセンブリ162を含む。頂部縁部センサ152はカメラ164を含み、垂直縁部センサ156はカメラ166を含み、底部縁部センサ154はカメラ168を含む。ステージアセンブリ162は、モータ170、エンコーダ172、および支持プレート174を含む。モータ170はエンコーダ172および支持プレート174に連結され、モータ170が支持プレート174を回転するように構成される。エンコーダ172は、モータ170の位置を制御するための計数を提供する。支持プレート174は、ウエハ50の回転および画像化の間ウエハ50を支持する。コントローラ158は、通信リンク176を介して頂部縁部センサ152に、通信リンク178を介して垂直縁部センサ156に、通信リンク180を介して底部縁部センサ154に、そして通信リンク182を介してステージング130に、電気的に連結される。コントローラ158は、縁部領域100の検査のために、頂部縁部センサ152、垂直縁部センサ156、底部縁部センサ154、およびステージアセンブリ162を、通信リンク176、178、180、および182を介して制御する。
【0021】
ある実施形態において、縁部領域100は、縁部検査システム150により、頂部、垂直部、および底部の方向から検査されるが、他の検査方向/角度もまた企図される。概括的には、縁部検査システム150は、頂部縁部センサ152を介して縁部領域100(図2)の頂部の縁部検査を、底部縁部センサ154を介してウエハ50の縁部領域100の底部の縁部検査を、そして垂直縁部センサ156を介して縁部領域100の垂直部の縁部検査を実行する。縁部検査システム150は、レジスト縁部114、露出頂部領域144、およびウエハ縁部102を含むウエハ50の縁部領域100に沿って検査および/または測定する。ある実施形態において、縁部検査システムはまた、ウエハ縁部102の頂部ベベル136、ウエハ縁部垂直部138、および底部ベベル140も検査および/または測定する。
【0022】
図2を参照すると、縁部頂部センサ152は検査領域184を有し、縁部垂直センサ156は検査領域186を有し、縁部底部センサ154は検査領域188を有する。したがって、ある実施形態において、縁部検査システム150は、要望に応じて、レジスト108、レジスト縁部114、露出頂部領域130、頂部ベベル136、縁部垂直部138、底部ベベル140、およびウエハ底部領域134を含む、ウエハ122の縁部領域100に沿って検査および/または測定する。ある実施形態において、ウエハ50の周縁部の周りのレジスト縁部114の位置を評価するため等、ウエハの特徴を検査するために暗視野および/または明視野光が使用される
【0023】
図4−19を参照すると、本発明の原理に従う縁部検査のいくつかの実施形態は、各画像が第1の次元Xおよび第2の次元Yを有するピクセルアレイ190である、ウエハ縁部領域100の周りの複数の画像を獲得する工程、各ピクセルアレイ190を第1の次元Xに圧縮する工程、圧縮されたピクセルアレイ190を縁部マップにステッチする工程、ならびに、縁部マップを分析して、レジスト縁部108およびウエハ縁部102等の1つ以上の縁部特徴を特定する工程を含む。
【0024】
図4は、縁部検査システム150による縁部領域100の周りの画像の獲得中のウエハ50の一部を示す。特に、頂部縁部センサ152は、縁部領域100の周りの画像を獲得するように、ウエハ60が例えば回転方向Rに回転している状態で縁部領域100の周りを測定する。ある実施形態において、画像は、縁部領域100の全体に関して取得される。望ましい場合は、以下により詳細に説明するように、縁部領域100が完全に網羅されるのを確実とする、またはより高い解像度のために獲得される画像情報の量を増やすのに役立つために、重複して画像が取得されるが、重複していない画像、分離した画像、およびそれらの組合せもまた企図される。
【0025】
一実施形態において、200mm倍率構成において、ウエハ50の周り360°を確実に網羅するために128のデジタル画像が確保される。しかし、検査されているウエハ50の周縁部全体の周りの画像、またはより高い解像度の縁部マップを確保するために、頂部縁部検査カメラ152は、任意選択で、例えば360フレームまで、またはそれ以上等、要望に応じてより多くのフレームまたはより少ないフレームを獲得する。ある実施形態において、頂部縁部検査カメラ152は、7マイクロメートルまでの解像度を有する。縁部領域100を完全に画像化するために、より高い倍率には追加の画像が必要であり、一方より低い倍率には必要な画像がより少ないことに留意されたい。したがって、他の倍率および画像数の組合せが企図される。
【0026】
図5は、頂部縁部センサ152により取得された検査領域184からの画像データに対応するピクセルアレイ190の全体を示す。ある実施形態において、ウエハ50の底部を画像化し特性決定するために、底部縁部センサ156を使用して同様のデータ/プロセスが用いられる。いずれにしても、ピクセルアレイ190は、例えば、ウエハ縁部102、頂部ベベル136、およびレジスト縁部114の位置に関連する輝度データを任意選択で含む。ピクセルアレイ190は、第1の次元Xおよび第2の次元Yを画定する。図示されるように、次元Xはウエハ50に対し、特にウエハ縁部102に対し実質的に接線方向であり、次元Yは、ウエハ50に対し実質的に半径方向に一致するが、ピクセルアレイ190の他の配向も企図される。ピクセルアレイ190は、グレイスケールの輝度情報を含むが、他の種類の情報、例えば色情報等も、ある実施形態において企図される。画像獲得中に複数のピクセルアレイ190が得られ、ピクセルアレイ190の各ピクセルは輝度値を有する。後述するように、複数のピクセルアレイ190を適正に整合させて縁部領域100の画像マップを形成するために、ピクセルアレイ190のそれぞれは、圧縮前または圧縮後に連続的に互いにステッチされる。
【0027】
一実施形態において、各デジタル画像は、画像マップとしても説明されるピクセルアレイ190に対応し、第1の次元Xにわたり1,600の水平ピクセル、および第2の次元Yにわたり1,200の垂直ピクセルを有する。しかし、他のピクセルアレイも企図され、例えば、ピクセルアレイ190は、任意選択で、第1の次元Xにわたり1,920ピクセル、第2の次元Yにわたり1,078ピクセルである。ある実施形態において、1,600×1,200アレイが200mm画像倍率構成に対応する。しかし、300mm構成等のより高い倍率が使用される場合、ウエハ50の周縁部の周りの縁部領域100を完全に画像化するためには、より多くのデジタル画像が必要である。同様に、100mm等のより低い倍率が使用される場合、ウエハ50の周縁部の周りの縁部領域100を完全に画像化するために必要なデジタル画像はより少ない。
【0028】
ある実施形態において、ウエハ50の周縁部の周りの1つまたは2つの完全な経路は、実質的に連続的および/または段階的に収集されるデータにより完成する。2つの経路のある実施形態において、第1の経路は明視野データであり、第2の経路は暗視野データである。望ましい場合は、ウエハ106は、画像獲得の開始時および終了時にある程度重複を確保し、および/または所望量の画像情報を確保するのを助けるために、例えば1.1回転、2.1回転、または要望に応じて他の回転数等、1回転より多く、または2回転より多く回転される。
【0029】
図6は、第1の次元Xにわたりピクセルアレイ190を圧縮することにより生成される圧縮画像192の全体図である。ある実施形態において、圧縮は、第1の次元Xにおいてのみ達成され、第2の次元Yでは圧縮されない。第1の次元Xにわたる圧縮は、様々な方法を介して達成される。ある実施形態において、ピクセルアレイ190に対応する輝度値を第1の次元Xにわたり平均することによりピクセルアレイ190が圧縮され、第2の次元Yにおけるピクセル輝度値の単一カラムが生成される。しかし、ある実施形態においては、ピクセルアレイ190は、ピクセルのより多くのカラムに圧縮されることが企図される。いずれにしても、第1の次元Xにわたる圧縮を介して、輝度の異常、輝度の不規則な変動、ウエハのパターニングにより誘引される輝度の変動、および他の望ましくない画像データ効果を低減することができる。
【0030】
したがって、ある実施形態において、各画像はピクセル行平均することによって、すなわち第1の次元Xにわたって圧縮され、第2の次元Yにおいては完全な深度を有するが、第1の次元Xにおいては1ピクセルのみの幅を有する、多くの画像を得ることができる。このようにして、第1の次元にわたる変動(不規則な画像変動またはウエハのパターニング等)を低減し、第1の次元Xに沿って実質的に延在する規則的特徴を強調することができる。したがって、例えばノイズおよび/または望ましくない縁部の抑制を行うために、第1の次元Xに沿った画像圧縮が使用される。
【0031】
本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハ縁部計測/検査の様々な追加の特徴を、図7−19に示し説明する。概括的には、画像圧縮は、ウエハのパターニングに関する情報、画像データの不規則な変動、または他の望ましくない画像情報の除去または低減に役立つ。さもないと、そのようなパターンまたは他の不規則な変動は、レジスト縁部114および他のEBRライン、ならびに他の縁部特徴の検出に困難をもたらす。ある実施形態において、画像の獲得および圧縮の後、例えばステッチング操作により画像が連結され、圧縮画像の画像マップ、縁部マップ、またはEBRマップとしても説明される単一の合成画像となる。
【0032】
図7および8を参照すると、ある実施形態において、ウエハ縁部102および頂部縁部ベベル136は合成画像に位置し、合成画像の検出されたウエハ縁部102が直線として表示され得るように、合成画像は検出されたウエハ縁部102に基づき正規化される。必要な場合は、ある実施形態において合成画像における不連続点として現れるウエハノッチ106もしくは平坦部を、画像が円形の連続的物体、すなわちウエハ50であるため、合成画像の1つの側に、あるいは、反対側に、縁部をシフトさせることにより合成画像の中心に位置付けることができる。
【0033】
ある実施形態において、縁部検出アルゴリズム/方法を実行してEBRラインの位置を特定する。ある実施形態において、Canny縁部検出器およびSobel縁部検出器が適用される。開始ピクセル特性および縁部閾値条件(ある場合にはコントラスト)に基づき、選択された縁部閾値条件に適合する場合はピクセルをセグメントをなす群に加えることにより、ラインセグメントが「成長」する。ある実施形態において、ユーザは、特定のセグメントをなす群を無視または強調するために、上方および下方縁部傾斜閾値、縁部強度(例えば、平均ラインセグメント縁部傾斜)閾値、および/またはセグメントサイズ閾値を調節することができる。したがって、ある実施形態において、特定のサイズ/縁部強度/傾斜のセグメントのみがその後のステップで処理される。
【0034】
ある実施形態において、EBRラインおよび/またはノイズを示すことができ、また縁部フィッティングの前またはその間に不良セグメントが切り捨てられることを可能にし得るセグメントのプロファイルを決定するために、断面にわたるセグメント強度が分析される。第1のセグメントが選択され、それに曲線がフィッティングされる。ある実施形態において、EBRラインは正弦線により良好に表される。そのため、セグメントにフィッティングするために正弦曲線が選択される。しかし、他の種類の曲線または直線もこのフィッティングプロセスに選択することができる。
【0035】
ある実施形態において、第1のフィッティング曲線に良好にフィットするか確認するために、後のセグメントが特定されて第1の曲線フィッティングからのセグメント距離(平均値、中央値、および/または絶対値)が計算される。後のセグメントが良好にフィットする場合、そのセグメントは第1のセグメントと連結され、その後の曲線がフィッティングされる。このプロセスは、EBRラインが特性決定されるまで反復して継続される。形成されているEBRラインからセグメントが遠すぎる場合(他の閾値レベルにより決定される)は、選択されたセグメントに対し新たな曲線をフィッティングすることができ、このプロセスは、所望数のセグメントまたは画像フレームが表されるまで、例えば、実質的にすべての画像フレームがフィッティングされた曲線に含まれるまで継続される。
【0036】
図19を参照すると、2つの交差するEBRラインが示されている。ある実施形態において、6つのラインセグメントA−Fが特定され、ラインセグメントA−Cがマージされ、またセグメントD−Fがマージされて、6つのラインセグメントA−Fに従い2つの最適な正弦フィッティングが得られる。図19に示されるような交差がある場合は、ある実施形態において、レジスト「重複」の評価、測定、またはその他の特性決定が行われる。
【0037】
ある実施形態において、生成されたEBRラインの1つに統合され得る、または統合され得ない残余セグメントが存在する。1つ以上の曲線がフィッティングされたら、例えば、最も完全に特性決定された、または他の様式で選択された特定の強度、関連性の、ユーザにより選択される曲線フィッティングへの近似を考慮して、例えばより許容度の大きい長さまたは縁部強度要件に従いラインセグメントを再評価することにより、フィッティングされないライン、境界ライン、および/またはフィッティングされたラインのセグメントが検討されて1つ以上のフィッティングされた曲線に統合される。
【0038】
EBRラインが生成されたら、検査されているウエハの様々なメトリクス/特性が計算される。例えば、そのようなメトリクス/特性には、EBRラインにより形成される周囲の形状、ウエハの中心/重心からの、EBRラインにより画定される形状の中心/重心のオフセット(R,THETA座標および/またはDELTAX,DELTAY座標)、EBRラインの位置が指定のまたは他の許容範囲内にあるか、EBRラインにより画定されるレジストまたはパターニング領域の重心から、対象のEBRラインまでの最短距離および最長距離等の周囲情報、生成可能なEBRラインの粗さまたは平滑さの程度を表す粗度測定値または標準偏差の数値、決定できる周囲EBRラインの基本的形状(例えば、円形、楕円形等)、複数のEBRラインの「十字」または交差、平均ベベル幅、ベベル幅標準偏差、およびその他が含まれる。
【0039】
ある実施形態において、圧縮されたEBR画像から「黄金EBR」画像モデルが形成される。統計的に有意な数のウエハが検査されてその画像が圧縮された後、圧縮画像が組み合わされて統計モデルとなる。そのモデルに照らしてその後の圧縮画像が分析される。画像減算が行われ、「黄金EBR」画像と検査画像との間の残った「差異」、例えば「差異画像」が分析される。上述のEBR情報を得るために、任意選択で合否分析が続くか、または縁部検出アルゴリズムが実行される。例えば、欠陥EBRラインまたは「黄金EBR」画像標準から十分異なる他の特徴のために、差異画像等によって差異が分析される。
【0040】
図20−25を参照すると、縁部およびウエハの特徴の同定、測定、またはその他の特性決定の関連した方法が示されている。それらの実施形態は、前述の実施形態と重ねて読まれるべきであり、必要に応じて実施形態間で特徴が交換または追加されることを理解されたい。
【0041】
上記に留意し、図20は、縁部ビーズ除去測定方法200を示すフローチャートである。202において、ウエハ50のウエハ縁部102が、一連の獲得されたデジタル画像のそれぞれにおいて決定される。204において、ウエハ縁部102上のノッチ104が決定される。206において、ウエハ中心104の位置が決定される。208において、ウエハ50の周縁部の周りでの、ウエハ縁部102からレジスト縁部114までのEBR距離116が決定される。方法ステップ202−208のそれぞれを、図21−24を参照してさらに説明する。
【0042】
図21は、図20のステップ202を示すフローチャートであり、一連の獲得されたデジタル画像のそれぞれにおいて、ウエハ50のウエハ縁部102が決定される。220において、検査されているウエハ領域100の1組のデジタル画像が獲得される。縁部領域100でのウエハ50の全周縁部の周りの画像データを獲得するために、頂部縁部検査センサ152を利用することができる。ある実施形態において、頂部縁部検査センサ152は、7マイクロメートルまでの解像度を有する。頂部縁部検査センサ152は、縁部領域100でのウエハ50の全周縁部の周りの画像を確保するために、例えば最大360フレーム以上等、数多くのフレームを獲得する。
【0043】
222において、第1のデジタル画像またはフレーム上で、垂直投影が行われる。1,600水平ピクセルおよび1,200垂直ピクセルのアレイを利用して、1,600画素を有するアレイが生成される。1,600画素すべてからの情報が加算されて平均投影が決定され、それにより垂直投影が生成される。224において、Canny型縁部検出、またはLOGルーチン等の他の許容される縁部検出ルーチン/フィルタが使用され、垂直画像投影における最大画像勾配が検出される。226で、縁部検出フィルタの出力のピーク検出から最大画像勾配の位置が検出されると、ウエハ縁部追跡ルーチンが構成される。
【0044】
228において、ウエハ縁部追跡ルーチンが、サブセットに処理されている画像のそれぞれの行で、検出されたピークの背後または後の任意の数のピクセル、およびピークの前方または前の任意の数のピクセルを特定およびクラスター化する。230において、処理のために、ピクセルのサブセットがベイヤーカラー画像からグリーンカラーパレットに変換される。232において、Canny型縁部検出器、または他の許容される縁部検出ルーチン/フィルタが使用され、ピクセルのライン関心領域(ROI)における最大勾配が検出される。234において、収集されたそれぞれのデジタル画像またはフレームにおけるピクセルのそれぞれの行に対し、追跡プロセスが継続される。236において、検出された最後のウエハ縁部の位置が、新たなプロセスラインROIにおける中心位置のために使用される。
【0045】
ウエハノッチを検出するプロセス(図20のステップ204)が図22により詳細に示される。図22に示されるように、240において、勾配ベクトルの方向が各ピクセルの場所で測定される。242において、2つの所定範囲のうちの1つにおける勾配ベクトルを有するピクセルを含有するデジタル画像が特定される。244において、2つの所定の領域のそれぞれに対して、ピクセルの位置(x,y)が直線の式y=mx+bにフィッティングされる。直線の式を不適切に偏らせるノイズまたは不一致を消去または除去するために、反復ルーチンが利用される。246において、2つの定義された領域のそれぞれに対し、高ノイズの点がラインフィッティングの式から除去される。248において、ウエハノッチの位置である2つのラインの交差点が検出される。
【0046】
ウエハ中心の位置を決定するプロセス(図20のステップ206)が図23により詳細に示されている。260において、縁部位置のサンプル点が決定される。262において、縁部位置のサンプル点が、高速フーリエ変換ルーチンを介して分析される。ステップ264において、高速フーリエ変換ルーチンの高調波の大きさおよび位相角が分析され、それによりウエハ中心の位置が決定される。
【0047】
ウエハ縁部、ウエハノッチ、およびウエハ中心が特定されたら、レジストラインまたはEBRラインの測定が決定される(図20のステップ208)。この決定は、図24により詳細に示される。EBR位置の測定では、270において、ウエハ縁部および目的EBRラインをEBR検索許容範囲とともに使用することにより処理ROIが画定される。EBRラインを検出するための方法は272に続き、ここでそれぞれの収集されたデジタル画像またはフレームにおけるプロセス領域ROIが、処理のためにベイヤーカラー画像からグリーンカラーパレットに変換される。274において、ステップ222を参照して説明した垂直画像と同様に、垂直画像投影が処理ROIにおいて行われる。276において、垂直投影に対し、Canny型または他の許容される縁部検出ルーチン/フィルタが実行される。278において、指定された範囲にあるフィルタ出力のピークが、そのデジタル画像またはフレームの縁部ヒストグラムに保存される。一般に、縁部ヒストグラムは所定の閾値に関連して縁部位置を決定するカウンタである。ヒストグラムの真の縁部は、最も多い計数を有する位置である。
【0048】
ステップ280において、すべての画像またはフレームが処理された後、各フレームの縁部ヒストグラムが使用され、各画像またはフレームの縁部ヒストグラムを加算することにより完全なウエハ縁部ヒストグラムを形成する。282において、ウエハ縁部ヒストグラムがフィルタリングされ、制御ループが、次のデジタル画像またはフレーム上の第1のEBR縁部のための目標位置として開始するために選択される、所与の閾値を超える目標EBR位置に最も近い値を決定する。換言すると、デジタル画像上で前に特定された縁部位置と、次のデジタル画像上の第1の縁部との間の差が、分割または二分され、それにより真の縁部位置へ絞り込む。284において、目標EBR値が各画像またはフレームのEBR縁部ヒストグラムと比較される。286において、画像またはフレームのEBR縁部ヒストグラムにおける最も近い値が、そのフレームのEBR縁部位置として選択される。288において、目標EBR縁部位置と検出EBR縁部位置との間の差異に定数を乗じる。290において、乗じられた差異の値は、それまでの目標EBR縁部位置に加えられ、次の画像またはフレームに対する新たな目標EBR縁部位置が得られ、これはゲインのみによる単純なサーボ制御ループを介して行われる。292において、すべてのデジタル画像またはフレームが処理されるまで上記プロセスが繰り返される。
【0049】
ステップ294において、デジタル画像またはフレームのEBR縁部位置が検出された後、各EBRラインの粗度を画像またはフレームEBR値から測定することができる、精緻化ステップを実行することができる。
【0050】
上記手順における変形例は、Canny型縁部検出器または他の許容される縁部検出ルーチン/フィルタでグリーンバッファデータをフィルタリングすることである。検出器/フィルタの出力が閾値化される。次いで閾値化データの投影を利用することができる。これは、EBRラインが有効かどうかを観察するための、EBRラインにおける縁部ピクセルの数の計数を可能にする。
【0051】
上記プロセスが完了したら、次いでウエハの合否判定を行うためにEBR位置のデータが既知のプロセス許容範囲と比較される。不合格のウエハは、除去されて再加工され、加工製造コストを削減することができる。
【0052】
図25は、複数のレジスト層を有するウエハ300の平面図である。ウエハ300は、ウエハ縁部301、ウエハノッチ304、レジスト層306および307、レジストが除去されたウエハ領域308、層306のレジスト縁部309、レジスト層307のレジスト縁部311、レジスト層306の縁部ビーズ除去距離312、ならびにレジスト層307の縁部ビーズ除去距離313を含む。ウエハ300の加工中、複数のレジスト層がウエハ300上に展開され得る。そのような場合、ウエハ300の周縁部の周りの多くのEBRラインを決定することが重要な場合があり、各EBRラインは特定のレジスト層と関連する。示され説明されたプロセスステップの方法は、対象となる各EBRラインに関する個別の情報を収集するために利用することができる。したがって、レジストが存在するべきであるが除去されているウエハ領域118、または除去されているべきレジストが存在するウエハ領域120等の、すべての欠陥または望ましくない仕様からのずれを、その欠陥の原因となるレジスト層がどれであれ、特定することができる。示され説明されたプロセスまたは方法ステップを繰り返すことにより、単一のウエハに対して別個の異なるEBRラインファイルを蓄積することができる。
【0053】
上述の説明において、簡潔性、明確性、および理解のために、ある特定の用語が使用されてきたが、そのような用語は説明目的で使用され、広義に解釈されることを意図しているため、そこから従来技術の要件を超える不要な制限は暗示されない。さらに、本発明の説明および図示は一例であり、本発明の範囲は、図示または説明された厳密な詳細に限定されない。
【0054】
本発明の特徴、発見、および原理、それが構築され使用される様式、構築の特性、および、有利で新しい、そして有用な得られる結果を説明してきたが、新しく有用な構造、デバイス、要素、配置、部分および組合せは、添付の請求項に記載される。
【産業上の利用可能性】
【0055】
例えば、半導体の生産において幅広い改善を行い、最終製品の品質、スピード、および性能の向上をもたらし、より速く、より信頼性のある、そしてより高い性能の半導体の需要を支えるための検査システムおよび方法として利用される。
【符号の説明】
【0056】
50 半導体ウエハ
100 縁部領域
102 ウエハ縁部
104 ウエハ中心
106 ウエハノッチ
108 レジスト層
110,118,120 ウエハ領域
114 レジスト縁部
150 縁部検査システム
152,154,156 センサ
158 コントローラ
160 基部
176,178,180,182 通信リンク
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の品物の1つ以上の特徴を特性決定するために使用される縁部特徴測定システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
過去数十年にわたり、半導体主導の技術が飛躍的に発達し、我々の社会を革新した。半導体の製造者らは、生産において幅広い改善を行い、最終製品の品質、スピード、および性能の向上をもたらした。しかし、より速く、より信頼性のある、そしてより高い性能の半導体の需要が引き続き存在する。これらの需要を支えるために、より良い検査システムおよび方法が望まれる。
【0003】
半導体は、ウエハ形式で製造されることが多い。参考までに述べると、ウエハは、典型的には、複数の層で製造され、製造の様々な段階にわたるウエハの整合を目的としてウエハ縁部上に製造されたノッチを含む。半導体ウエハ生産の間、半導体ウエハがその後の処理に従いパターニングされ得るように、ウエハにマスク層またはレジスト層が塗布される。典型的には、ウエハが回転している間に、所望量の液体レジストがウエハの上面に塗布される。ウエハが回転すると、レジスト材料は、ウエハが実質的にレジストの層で被覆されるように、ウエハの中心から半径方向外側に、そして半導体の縁部に向かって広がる。余分な量のレジストは、半導体ウエハの外側縁部上に蓄積し、土手またはビーズを形成する。レジストの「縁部ビーズ」を取り除くために、縁部ビーズ除去(EBR)ユニットとして知られる被覆システムを使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化学EBRユニットは、EBR液と称される溶媒を半導体ウエハのレジスト上に施すノズルを含む。溶媒は、レジストを溶解または展開し、半導体ウエハの縁部からレジストを容易に除去することができるようにする。光学EBRユニットでは、半導体ウエハの縁部または縁部付近のレジストが露光される。その後の展開プロセス中、露光されたレジストが除去される。EBR除去中にウエハが中心に位置しない場合、残ったレジスト層はウエハに対し中心に位置しない。また、除去されるレジストの量の変動性は、ウエハ縁部からのレジスト縁部の距離の変動に寄与し得る。
【0005】
例えば、異なるEBRユニットおよび/または複数のEBRプロセスにより、半導体ウエハの縁部または縁部付近の基板層の不均一な積層がもたらされ得る。いずれにしても、ウエハのレジスト層のオフセットの結果、いくつかの望ましくない効果が生じ得る。例えば、不規則または一様でない形態で積層した基板層は、剥離して、半導体ウエハ上への有害な再沈着を生じ得る。再沈着した基板材料は、半導体ウエハを汚染し、ウエハ上に形成される集積回路デバイスに欠陥をもたらす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るウエハ縁部測定方法は、ウエハ縁部の周りの複数の画像であって、前記各画像は第1の次元および第2の次元を有するピクセルアレイを備える複数の画像を獲得する工程と、前記各ピクセルアレイを前記第1の次元に圧縮し、前記ピクセルアレイをステッチすることにより、圧縮されたピクセルアレイの縁部マップを生成する工程と、前記縁部マップを分析して縁部特徴を特定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の態様に係る縁部ビーズ除去(EBR)ラインを測定する方法は、ウエハの縁部領域の周りの複数の画像であって、前記各画像は第1の次元および第2の次元を有するピクセルアレイを備える複数の画像を獲得する工程と、前記第1の次元にわたり各ピクセルアレイを圧縮して、圧縮されたピクセルアレイの縁部マップを生成する工程と、前記縁部マップをフィルタリングして可能性のある特徴ピクセルを選択する工程と、前記可能性のある特徴ピクセルに対し、正弦線フィッティング操作を実行して縁部ビーズ除去(EBR)ラインを特定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の態様に係る縁部検査システムは、ウエハ縁部の周りの複数の画像を獲得するための画像獲得デバイスと、前記複数の画像のそれぞれに対する画像データであって、第1の次元および第2の次元を有する該画像データを受信するための画像獲得モジュールと、圧縮された画像の縁部マップを生成するための縁部マップモジュールと、前記縁部マップを分析して縁部ビーズ除去(EBR)ラインを特定するための画像分析モジュールと、を備える。前記縁部マップモジュールは、前記画像をステッチするための画像ステッチングモジュールと、前記画像を前記第1の次元に圧縮するための画像圧縮モジュール、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
例えば、半導体ウエハの周縁部の周りでレジストが除去された場合、ウエハの縁部からレジスト層縁部までの相対距離を、画像化システムを介して検出することができる。他の実施形態において、ウエハの中心(または1つ以上のレジスト層の中心)が検出され、また望ましい場合は、ウエハ中心と1つ以上のレジスト層の中心との間の相対オフセットが検出される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の原理に従い縁部ビーズが除去された実施形態の半導体ウエハの概略平面図である。
【図2】図1のウエハの線2−2に沿った概略断面図、および本発明の原理に従う実施形態の縁部検査システムの一部の概略図である。
【図3】本発明の原理に従う実施形態の縁部検査システムを示す概略平面図である。
【図4】図1のウエハの一部の概略平面図である。
【図5】本発明の原理に従う、ウエハ画像の概略的な全体図である。
【図6】本発明の原理に従う、画像圧縮後の図5のウエハ画像の概略的な全体図である。
【図7】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図8】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図9】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図10】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図11】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図12】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図13】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図14】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図15】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図16】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図17】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図18】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図19】本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハの縁部計測/検査の実施形態の特徴を示し説明する。
【図20】縁部ビーズ除去測定方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図21】ウエハの縁部の位置を決定するための方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図22】ウエハの縁部上のノッチの位置を決定するための方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図23】ウエハの中心の位置を決定するための方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図24】ウエハ縁部から、ウエハ周縁部の周りの縁部ビーズ除去の位置までの距離を決定するための方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図24A】ウエハ縁部から、ウエハ周縁部の周りの縁部ビーズ除去の位置までの距離を決定するための方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図25】複数のレジスト層を有するウエハの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ウエハ縁部の検査および計測は、多くの理由から重要である。例えば、プロセス技術者は、そのプロセスが正しく進行していることを確実とするために、EBRラインを測定することができなければならない。例えば、EBRラインは、ウエハの表面にわたりレジストを流すことにより形成される。ウエハの縁部でレジストにより形成されたビーズは、縁部排除ゾーンにわたって除去される。パターニングおよびエッチングの後、レジストが除去され、行われるプロセス(複数を含む)に依存して、EBRライン(複数を含む)が残される。ウエハおよびウエハ縁部の形状に関係付けて、これらのラインを測定することにより、当該プロセス技術者は、例えばその加工プロセスが適切に稼動していることを確実とすることができる。
【0012】
このように、概括的には、本発明の原理に従う縁部特徴測定システムおよび方法は、ウエハの縁部に隣接したレジスト層外側境界、および、要望に応じて、ウエハ縁部に隣接した他のウエハの特徴を特性決定するために使用される。ある実施形態は、例えば、ウエハの周縁部の周りでレジストが除去された場合、半導体ウエハの縁部からレジスト層縁部までの相対距離を検出する工程を含む。参考までに述べると、本明細書において、レジスト縁部は「EBRライン」と称されるが、本発明の原理は、これに限定されないが、縁部ビーズ除去(EBR)プロセスを含む、様々なウエハ加工プロセスを介して形成されるレジスト縁部に適合することを理解されたい。ある実施形態において、ウエハ縁部、ウエハノッチまたは平坦部、および1つ以上のEBRライン等の複数の縁部特徴の位置が特定される。方法はまた、ウエハおよび/または1つ以上のレジスト層の中心を検出し、また望ましい場合は、ウエハ中心と1つ以上のレジスト層の中心との間の相対オフセットを検出する工程を含む。
【0013】
以下の説明の理解の一助となるように、いくつかの実施形態の縁部特徴測定システムおよび方法は、例えば、回転ステージの中心から半径方向にオフセットして位置するデジタル検査カメラにより、ウエハの縁部の周りの一連のデジタル画像を獲得する工程を含むことに言及しておく。ある実施形態において、ウエハの外側全周縁部が、連続的および/または段階的に画像化される。任意選択で、ウエハノッチの位置、ウエハ中心、レジスト層中心、EBRラインの位置、ウエハ縁部の位置、および他の特徴が、そのような画像データから抽出される。
【0014】
例えば、任意選択で、ウエハ中心、レジスト層中心、検査カメラ座標系、および/またはウエハノッチの相対位置が決定される。以下により詳細に説明するように、様々な特徴をより良く評価するために、ウエハ縁部の画像は圧縮され累積的に評価される。ある実施形態において、そのような圧縮を使用して、ウエハの縁部から、レジストが除去されたEBRラインまでの距離が、ウエハの全周縁部の周りで評価される。上に示唆したように、ウエハ上には、いかなる数のレジスト層も存在し得、各レジスト層は縁部ビーズ除去され、EBRラインを画定する。したがって、該当する場合には、ある実施形態において、対象となる複数のEBRラインが特定または追跡される。
【0015】
さらに、計算されたウエハ中心の位置等の、ウエハ縁部の画像化により得られる情報は、関連した検査プロセスおよびシステムにおいて使用することができることが企図される。例えば、ウエハの欠陥を報告および分析するために、または、ウエハ縁部(「正常縁部」)の輪郭もしくは側面を画像化して、通常縁部を追跡し、またカメラをウエハの正常縁部からの適切な焦点距離を維持できるように、検査カメラを位置づけすることをすることを可能にするため、ウエハ中心の位置を使用することができる。このように、ある実施形態において、EBR検査システムおよび方法で収集される情報は、より大規模でより詳細なウエハ特性決定システムまたは検査方法の一部として使用される。
【0016】
図を参照すると、図1は、半導体ウエハ50の平面図を示す。ウエハ50は、縁部領域100を画定し、ウエハ縁部102、ウエハ中心104、ウエハノッチ106、レジスト層108、レジストが除去されたウエハ領域110、レジスト中心112、レジスト縁部114、ウエハ縁部102とレジスト縁部114との間の距離116、レジストが存在するべきであるが除去されているウエハ領域118、および、除去されているべきレジストが存在するウエハ領域120を含む。
【0017】
図1は、ウエハ中心104からオフセットしたレジスト中心112を示す。この不一致は、多くの場合、レジスト108の形成および/またはレジスト108の一部の除去の間の操作者によるエラーまたは機械的エラーによるものである。以前に示唆したように、加工中のウエハ50の回転中心の位置は、ウエハ中心104に対するレジスト108の位置に影響する。例えば、ある実施形態において、様々な自動加工ステップ中、ウエハ50はチャック(図示せず)に固定される。しかし、自動操作または他のエラーに起因して、回転中心は、時折ウエハ中心104からずれる。回転中心がウエハ中心104と整合しない場合、レジスト層108等のレジスト層は、ウエハ50に対し偏心して位置する。
【0018】
図1は、2つの中心104、112間の不整合が容易に認識されるように、ウエハ中心104からのオフセットが誇張されたレジスト中心112を示している。しかし実際には、中心104、112間の不整合(すなわち、望ましい整合からのずれ)は、多くの場合、人間の肉眼で認めることは困難であることに留意されたい。これを考慮して、ウエハ縁部102とレジスト縁部114との間の距離116は、ウエハ50の周縁部の周りで一貫しないことにも留意されたい。また、レジストを含むべきであるのに含んでいないウエハ領域118等の欠陥領域もまた、ウエハ加工中に生じ得ることにも留意されたい。例えば、いくつかの製造プロセスにおいて、様々な加工または処理が一貫性を欠くことを含む多くの原因に起因して、レジスト108はウエハ領域118で除去される。ある実施形態において、ウエハ領域118等の欠陥領域または潜在的欠陥領域も、縁部検査プロセス中に特定される。同様に、レジストを含むべきではないのに含んでいるウエハ領域120が、任意選択で特定される。参考までに述べると、ウエハ領域120は、例えば、加工エラーまたは処理上が一貫性を欠くことの産物として生成され得る。
【0019】
図2は、図1に示される線2−2に沿った縁部領域100の拡大図である。縁部領域100は、レジスト縁部114、レジスト108を実質的に含まない露出頂部領域130、ウエハ縁部102、および、同じく任意選択で実質的にレジスト108等のレジスト層を含まないウエハ底部領域134を含む。ウエハ縁部102は、頂部ベベル136、ウエハ縁部垂直部138、および底部ベベル140を画定する。
【0020】
図3は、本発明の原理に従う縁部検査システム150の概略図である。縁部検査システム150は、頂部縁部センサ152、底部縁部センサ154、垂直縁部センサ156、コントローラ158、基部160、およびステージアセンブリ162を含む。頂部縁部センサ152はカメラ164を含み、垂直縁部センサ156はカメラ166を含み、底部縁部センサ154はカメラ168を含む。ステージアセンブリ162は、モータ170、エンコーダ172、および支持プレート174を含む。モータ170はエンコーダ172および支持プレート174に連結され、モータ170が支持プレート174を回転するように構成される。エンコーダ172は、モータ170の位置を制御するための計数を提供する。支持プレート174は、ウエハ50の回転および画像化の間ウエハ50を支持する。コントローラ158は、通信リンク176を介して頂部縁部センサ152に、通信リンク178を介して垂直縁部センサ156に、通信リンク180を介して底部縁部センサ154に、そして通信リンク182を介してステージング130に、電気的に連結される。コントローラ158は、縁部領域100の検査のために、頂部縁部センサ152、垂直縁部センサ156、底部縁部センサ154、およびステージアセンブリ162を、通信リンク176、178、180、および182を介して制御する。
【0021】
ある実施形態において、縁部領域100は、縁部検査システム150により、頂部、垂直部、および底部の方向から検査されるが、他の検査方向/角度もまた企図される。概括的には、縁部検査システム150は、頂部縁部センサ152を介して縁部領域100(図2)の頂部の縁部検査を、底部縁部センサ154を介してウエハ50の縁部領域100の底部の縁部検査を、そして垂直縁部センサ156を介して縁部領域100の垂直部の縁部検査を実行する。縁部検査システム150は、レジスト縁部114、露出頂部領域144、およびウエハ縁部102を含むウエハ50の縁部領域100に沿って検査および/または測定する。ある実施形態において、縁部検査システムはまた、ウエハ縁部102の頂部ベベル136、ウエハ縁部垂直部138、および底部ベベル140も検査および/または測定する。
【0022】
図2を参照すると、縁部頂部センサ152は検査領域184を有し、縁部垂直センサ156は検査領域186を有し、縁部底部センサ154は検査領域188を有する。したがって、ある実施形態において、縁部検査システム150は、要望に応じて、レジスト108、レジスト縁部114、露出頂部領域130、頂部ベベル136、縁部垂直部138、底部ベベル140、およびウエハ底部領域134を含む、ウエハ122の縁部領域100に沿って検査および/または測定する。ある実施形態において、ウエハ50の周縁部の周りのレジスト縁部114の位置を評価するため等、ウエハの特徴を検査するために暗視野および/または明視野光が使用される
【0023】
図4−19を参照すると、本発明の原理に従う縁部検査のいくつかの実施形態は、各画像が第1の次元Xおよび第2の次元Yを有するピクセルアレイ190である、ウエハ縁部領域100の周りの複数の画像を獲得する工程、各ピクセルアレイ190を第1の次元Xに圧縮する工程、圧縮されたピクセルアレイ190を縁部マップにステッチする工程、ならびに、縁部マップを分析して、レジスト縁部108およびウエハ縁部102等の1つ以上の縁部特徴を特定する工程を含む。
【0024】
図4は、縁部検査システム150による縁部領域100の周りの画像の獲得中のウエハ50の一部を示す。特に、頂部縁部センサ152は、縁部領域100の周りの画像を獲得するように、ウエハ60が例えば回転方向Rに回転している状態で縁部領域100の周りを測定する。ある実施形態において、画像は、縁部領域100の全体に関して取得される。望ましい場合は、以下により詳細に説明するように、縁部領域100が完全に網羅されるのを確実とする、またはより高い解像度のために獲得される画像情報の量を増やすのに役立つために、重複して画像が取得されるが、重複していない画像、分離した画像、およびそれらの組合せもまた企図される。
【0025】
一実施形態において、200mm倍率構成において、ウエハ50の周り360°を確実に網羅するために128のデジタル画像が確保される。しかし、検査されているウエハ50の周縁部全体の周りの画像、またはより高い解像度の縁部マップを確保するために、頂部縁部検査カメラ152は、任意選択で、例えば360フレームまで、またはそれ以上等、要望に応じてより多くのフレームまたはより少ないフレームを獲得する。ある実施形態において、頂部縁部検査カメラ152は、7マイクロメートルまでの解像度を有する。縁部領域100を完全に画像化するために、より高い倍率には追加の画像が必要であり、一方より低い倍率には必要な画像がより少ないことに留意されたい。したがって、他の倍率および画像数の組合せが企図される。
【0026】
図5は、頂部縁部センサ152により取得された検査領域184からの画像データに対応するピクセルアレイ190の全体を示す。ある実施形態において、ウエハ50の底部を画像化し特性決定するために、底部縁部センサ156を使用して同様のデータ/プロセスが用いられる。いずれにしても、ピクセルアレイ190は、例えば、ウエハ縁部102、頂部ベベル136、およびレジスト縁部114の位置に関連する輝度データを任意選択で含む。ピクセルアレイ190は、第1の次元Xおよび第2の次元Yを画定する。図示されるように、次元Xはウエハ50に対し、特にウエハ縁部102に対し実質的に接線方向であり、次元Yは、ウエハ50に対し実質的に半径方向に一致するが、ピクセルアレイ190の他の配向も企図される。ピクセルアレイ190は、グレイスケールの輝度情報を含むが、他の種類の情報、例えば色情報等も、ある実施形態において企図される。画像獲得中に複数のピクセルアレイ190が得られ、ピクセルアレイ190の各ピクセルは輝度値を有する。後述するように、複数のピクセルアレイ190を適正に整合させて縁部領域100の画像マップを形成するために、ピクセルアレイ190のそれぞれは、圧縮前または圧縮後に連続的に互いにステッチされる。
【0027】
一実施形態において、各デジタル画像は、画像マップとしても説明されるピクセルアレイ190に対応し、第1の次元Xにわたり1,600の水平ピクセル、および第2の次元Yにわたり1,200の垂直ピクセルを有する。しかし、他のピクセルアレイも企図され、例えば、ピクセルアレイ190は、任意選択で、第1の次元Xにわたり1,920ピクセル、第2の次元Yにわたり1,078ピクセルである。ある実施形態において、1,600×1,200アレイが200mm画像倍率構成に対応する。しかし、300mm構成等のより高い倍率が使用される場合、ウエハ50の周縁部の周りの縁部領域100を完全に画像化するためには、より多くのデジタル画像が必要である。同様に、100mm等のより低い倍率が使用される場合、ウエハ50の周縁部の周りの縁部領域100を完全に画像化するために必要なデジタル画像はより少ない。
【0028】
ある実施形態において、ウエハ50の周縁部の周りの1つまたは2つの完全な経路は、実質的に連続的および/または段階的に収集されるデータにより完成する。2つの経路のある実施形態において、第1の経路は明視野データであり、第2の経路は暗視野データである。望ましい場合は、ウエハ106は、画像獲得の開始時および終了時にある程度重複を確保し、および/または所望量の画像情報を確保するのを助けるために、例えば1.1回転、2.1回転、または要望に応じて他の回転数等、1回転より多く、または2回転より多く回転される。
【0029】
図6は、第1の次元Xにわたりピクセルアレイ190を圧縮することにより生成される圧縮画像192の全体図である。ある実施形態において、圧縮は、第1の次元Xにおいてのみ達成され、第2の次元Yでは圧縮されない。第1の次元Xにわたる圧縮は、様々な方法を介して達成される。ある実施形態において、ピクセルアレイ190に対応する輝度値を第1の次元Xにわたり平均することによりピクセルアレイ190が圧縮され、第2の次元Yにおけるピクセル輝度値の単一カラムが生成される。しかし、ある実施形態においては、ピクセルアレイ190は、ピクセルのより多くのカラムに圧縮されることが企図される。いずれにしても、第1の次元Xにわたる圧縮を介して、輝度の異常、輝度の不規則な変動、ウエハのパターニングにより誘引される輝度の変動、および他の望ましくない画像データ効果を低減することができる。
【0030】
したがって、ある実施形態において、各画像はピクセル行平均することによって、すなわち第1の次元Xにわたって圧縮され、第2の次元Yにおいては完全な深度を有するが、第1の次元Xにおいては1ピクセルのみの幅を有する、多くの画像を得ることができる。このようにして、第1の次元にわたる変動(不規則な画像変動またはウエハのパターニング等)を低減し、第1の次元Xに沿って実質的に延在する規則的特徴を強調することができる。したがって、例えばノイズおよび/または望ましくない縁部の抑制を行うために、第1の次元Xに沿った画像圧縮が使用される。
【0031】
本発明の原理に従う、画像圧縮およびウエハ縁部計測/検査の様々な追加の特徴を、図7−19に示し説明する。概括的には、画像圧縮は、ウエハのパターニングに関する情報、画像データの不規則な変動、または他の望ましくない画像情報の除去または低減に役立つ。さもないと、そのようなパターンまたは他の不規則な変動は、レジスト縁部114および他のEBRライン、ならびに他の縁部特徴の検出に困難をもたらす。ある実施形態において、画像の獲得および圧縮の後、例えばステッチング操作により画像が連結され、圧縮画像の画像マップ、縁部マップ、またはEBRマップとしても説明される単一の合成画像となる。
【0032】
図7および8を参照すると、ある実施形態において、ウエハ縁部102および頂部縁部ベベル136は合成画像に位置し、合成画像の検出されたウエハ縁部102が直線として表示され得るように、合成画像は検出されたウエハ縁部102に基づき正規化される。必要な場合は、ある実施形態において合成画像における不連続点として現れるウエハノッチ106もしくは平坦部を、画像が円形の連続的物体、すなわちウエハ50であるため、合成画像の1つの側に、あるいは、反対側に、縁部をシフトさせることにより合成画像の中心に位置付けることができる。
【0033】
ある実施形態において、縁部検出アルゴリズム/方法を実行してEBRラインの位置を特定する。ある実施形態において、Canny縁部検出器およびSobel縁部検出器が適用される。開始ピクセル特性および縁部閾値条件(ある場合にはコントラスト)に基づき、選択された縁部閾値条件に適合する場合はピクセルをセグメントをなす群に加えることにより、ラインセグメントが「成長」する。ある実施形態において、ユーザは、特定のセグメントをなす群を無視または強調するために、上方および下方縁部傾斜閾値、縁部強度(例えば、平均ラインセグメント縁部傾斜)閾値、および/またはセグメントサイズ閾値を調節することができる。したがって、ある実施形態において、特定のサイズ/縁部強度/傾斜のセグメントのみがその後のステップで処理される。
【0034】
ある実施形態において、EBRラインおよび/またはノイズを示すことができ、また縁部フィッティングの前またはその間に不良セグメントが切り捨てられることを可能にし得るセグメントのプロファイルを決定するために、断面にわたるセグメント強度が分析される。第1のセグメントが選択され、それに曲線がフィッティングされる。ある実施形態において、EBRラインは正弦線により良好に表される。そのため、セグメントにフィッティングするために正弦曲線が選択される。しかし、他の種類の曲線または直線もこのフィッティングプロセスに選択することができる。
【0035】
ある実施形態において、第1のフィッティング曲線に良好にフィットするか確認するために、後のセグメントが特定されて第1の曲線フィッティングからのセグメント距離(平均値、中央値、および/または絶対値)が計算される。後のセグメントが良好にフィットする場合、そのセグメントは第1のセグメントと連結され、その後の曲線がフィッティングされる。このプロセスは、EBRラインが特性決定されるまで反復して継続される。形成されているEBRラインからセグメントが遠すぎる場合(他の閾値レベルにより決定される)は、選択されたセグメントに対し新たな曲線をフィッティングすることができ、このプロセスは、所望数のセグメントまたは画像フレームが表されるまで、例えば、実質的にすべての画像フレームがフィッティングされた曲線に含まれるまで継続される。
【0036】
図19を参照すると、2つの交差するEBRラインが示されている。ある実施形態において、6つのラインセグメントA−Fが特定され、ラインセグメントA−Cがマージされ、またセグメントD−Fがマージされて、6つのラインセグメントA−Fに従い2つの最適な正弦フィッティングが得られる。図19に示されるような交差がある場合は、ある実施形態において、レジスト「重複」の評価、測定、またはその他の特性決定が行われる。
【0037】
ある実施形態において、生成されたEBRラインの1つに統合され得る、または統合され得ない残余セグメントが存在する。1つ以上の曲線がフィッティングされたら、例えば、最も完全に特性決定された、または他の様式で選択された特定の強度、関連性の、ユーザにより選択される曲線フィッティングへの近似を考慮して、例えばより許容度の大きい長さまたは縁部強度要件に従いラインセグメントを再評価することにより、フィッティングされないライン、境界ライン、および/またはフィッティングされたラインのセグメントが検討されて1つ以上のフィッティングされた曲線に統合される。
【0038】
EBRラインが生成されたら、検査されているウエハの様々なメトリクス/特性が計算される。例えば、そのようなメトリクス/特性には、EBRラインにより形成される周囲の形状、ウエハの中心/重心からの、EBRラインにより画定される形状の中心/重心のオフセット(R,THETA座標および/またはDELTAX,DELTAY座標)、EBRラインの位置が指定のまたは他の許容範囲内にあるか、EBRラインにより画定されるレジストまたはパターニング領域の重心から、対象のEBRラインまでの最短距離および最長距離等の周囲情報、生成可能なEBRラインの粗さまたは平滑さの程度を表す粗度測定値または標準偏差の数値、決定できる周囲EBRラインの基本的形状(例えば、円形、楕円形等)、複数のEBRラインの「十字」または交差、平均ベベル幅、ベベル幅標準偏差、およびその他が含まれる。
【0039】
ある実施形態において、圧縮されたEBR画像から「黄金EBR」画像モデルが形成される。統計的に有意な数のウエハが検査されてその画像が圧縮された後、圧縮画像が組み合わされて統計モデルとなる。そのモデルに照らしてその後の圧縮画像が分析される。画像減算が行われ、「黄金EBR」画像と検査画像との間の残った「差異」、例えば「差異画像」が分析される。上述のEBR情報を得るために、任意選択で合否分析が続くか、または縁部検出アルゴリズムが実行される。例えば、欠陥EBRラインまたは「黄金EBR」画像標準から十分異なる他の特徴のために、差異画像等によって差異が分析される。
【0040】
図20−25を参照すると、縁部およびウエハの特徴の同定、測定、またはその他の特性決定の関連した方法が示されている。それらの実施形態は、前述の実施形態と重ねて読まれるべきであり、必要に応じて実施形態間で特徴が交換または追加されることを理解されたい。
【0041】
上記に留意し、図20は、縁部ビーズ除去測定方法200を示すフローチャートである。202において、ウエハ50のウエハ縁部102が、一連の獲得されたデジタル画像のそれぞれにおいて決定される。204において、ウエハ縁部102上のノッチ104が決定される。206において、ウエハ中心104の位置が決定される。208において、ウエハ50の周縁部の周りでの、ウエハ縁部102からレジスト縁部114までのEBR距離116が決定される。方法ステップ202−208のそれぞれを、図21−24を参照してさらに説明する。
【0042】
図21は、図20のステップ202を示すフローチャートであり、一連の獲得されたデジタル画像のそれぞれにおいて、ウエハ50のウエハ縁部102が決定される。220において、検査されているウエハ領域100の1組のデジタル画像が獲得される。縁部領域100でのウエハ50の全周縁部の周りの画像データを獲得するために、頂部縁部検査センサ152を利用することができる。ある実施形態において、頂部縁部検査センサ152は、7マイクロメートルまでの解像度を有する。頂部縁部検査センサ152は、縁部領域100でのウエハ50の全周縁部の周りの画像を確保するために、例えば最大360フレーム以上等、数多くのフレームを獲得する。
【0043】
222において、第1のデジタル画像またはフレーム上で、垂直投影が行われる。1,600水平ピクセルおよび1,200垂直ピクセルのアレイを利用して、1,600画素を有するアレイが生成される。1,600画素すべてからの情報が加算されて平均投影が決定され、それにより垂直投影が生成される。224において、Canny型縁部検出、またはLOGルーチン等の他の許容される縁部検出ルーチン/フィルタが使用され、垂直画像投影における最大画像勾配が検出される。226で、縁部検出フィルタの出力のピーク検出から最大画像勾配の位置が検出されると、ウエハ縁部追跡ルーチンが構成される。
【0044】
228において、ウエハ縁部追跡ルーチンが、サブセットに処理されている画像のそれぞれの行で、検出されたピークの背後または後の任意の数のピクセル、およびピークの前方または前の任意の数のピクセルを特定およびクラスター化する。230において、処理のために、ピクセルのサブセットがベイヤーカラー画像からグリーンカラーパレットに変換される。232において、Canny型縁部検出器、または他の許容される縁部検出ルーチン/フィルタが使用され、ピクセルのライン関心領域(ROI)における最大勾配が検出される。234において、収集されたそれぞれのデジタル画像またはフレームにおけるピクセルのそれぞれの行に対し、追跡プロセスが継続される。236において、検出された最後のウエハ縁部の位置が、新たなプロセスラインROIにおける中心位置のために使用される。
【0045】
ウエハノッチを検出するプロセス(図20のステップ204)が図22により詳細に示される。図22に示されるように、240において、勾配ベクトルの方向が各ピクセルの場所で測定される。242において、2つの所定範囲のうちの1つにおける勾配ベクトルを有するピクセルを含有するデジタル画像が特定される。244において、2つの所定の領域のそれぞれに対して、ピクセルの位置(x,y)が直線の式y=mx+bにフィッティングされる。直線の式を不適切に偏らせるノイズまたは不一致を消去または除去するために、反復ルーチンが利用される。246において、2つの定義された領域のそれぞれに対し、高ノイズの点がラインフィッティングの式から除去される。248において、ウエハノッチの位置である2つのラインの交差点が検出される。
【0046】
ウエハ中心の位置を決定するプロセス(図20のステップ206)が図23により詳細に示されている。260において、縁部位置のサンプル点が決定される。262において、縁部位置のサンプル点が、高速フーリエ変換ルーチンを介して分析される。ステップ264において、高速フーリエ変換ルーチンの高調波の大きさおよび位相角が分析され、それによりウエハ中心の位置が決定される。
【0047】
ウエハ縁部、ウエハノッチ、およびウエハ中心が特定されたら、レジストラインまたはEBRラインの測定が決定される(図20のステップ208)。この決定は、図24により詳細に示される。EBR位置の測定では、270において、ウエハ縁部および目的EBRラインをEBR検索許容範囲とともに使用することにより処理ROIが画定される。EBRラインを検出するための方法は272に続き、ここでそれぞれの収集されたデジタル画像またはフレームにおけるプロセス領域ROIが、処理のためにベイヤーカラー画像からグリーンカラーパレットに変換される。274において、ステップ222を参照して説明した垂直画像と同様に、垂直画像投影が処理ROIにおいて行われる。276において、垂直投影に対し、Canny型または他の許容される縁部検出ルーチン/フィルタが実行される。278において、指定された範囲にあるフィルタ出力のピークが、そのデジタル画像またはフレームの縁部ヒストグラムに保存される。一般に、縁部ヒストグラムは所定の閾値に関連して縁部位置を決定するカウンタである。ヒストグラムの真の縁部は、最も多い計数を有する位置である。
【0048】
ステップ280において、すべての画像またはフレームが処理された後、各フレームの縁部ヒストグラムが使用され、各画像またはフレームの縁部ヒストグラムを加算することにより完全なウエハ縁部ヒストグラムを形成する。282において、ウエハ縁部ヒストグラムがフィルタリングされ、制御ループが、次のデジタル画像またはフレーム上の第1のEBR縁部のための目標位置として開始するために選択される、所与の閾値を超える目標EBR位置に最も近い値を決定する。換言すると、デジタル画像上で前に特定された縁部位置と、次のデジタル画像上の第1の縁部との間の差が、分割または二分され、それにより真の縁部位置へ絞り込む。284において、目標EBR値が各画像またはフレームのEBR縁部ヒストグラムと比較される。286において、画像またはフレームのEBR縁部ヒストグラムにおける最も近い値が、そのフレームのEBR縁部位置として選択される。288において、目標EBR縁部位置と検出EBR縁部位置との間の差異に定数を乗じる。290において、乗じられた差異の値は、それまでの目標EBR縁部位置に加えられ、次の画像またはフレームに対する新たな目標EBR縁部位置が得られ、これはゲインのみによる単純なサーボ制御ループを介して行われる。292において、すべてのデジタル画像またはフレームが処理されるまで上記プロセスが繰り返される。
【0049】
ステップ294において、デジタル画像またはフレームのEBR縁部位置が検出された後、各EBRラインの粗度を画像またはフレームEBR値から測定することができる、精緻化ステップを実行することができる。
【0050】
上記手順における変形例は、Canny型縁部検出器または他の許容される縁部検出ルーチン/フィルタでグリーンバッファデータをフィルタリングすることである。検出器/フィルタの出力が閾値化される。次いで閾値化データの投影を利用することができる。これは、EBRラインが有効かどうかを観察するための、EBRラインにおける縁部ピクセルの数の計数を可能にする。
【0051】
上記プロセスが完了したら、次いでウエハの合否判定を行うためにEBR位置のデータが既知のプロセス許容範囲と比較される。不合格のウエハは、除去されて再加工され、加工製造コストを削減することができる。
【0052】
図25は、複数のレジスト層を有するウエハ300の平面図である。ウエハ300は、ウエハ縁部301、ウエハノッチ304、レジスト層306および307、レジストが除去されたウエハ領域308、層306のレジスト縁部309、レジスト層307のレジスト縁部311、レジスト層306の縁部ビーズ除去距離312、ならびにレジスト層307の縁部ビーズ除去距離313を含む。ウエハ300の加工中、複数のレジスト層がウエハ300上に展開され得る。そのような場合、ウエハ300の周縁部の周りの多くのEBRラインを決定することが重要な場合があり、各EBRラインは特定のレジスト層と関連する。示され説明されたプロセスステップの方法は、対象となる各EBRラインに関する個別の情報を収集するために利用することができる。したがって、レジストが存在するべきであるが除去されているウエハ領域118、または除去されているべきレジストが存在するウエハ領域120等の、すべての欠陥または望ましくない仕様からのずれを、その欠陥の原因となるレジスト層がどれであれ、特定することができる。示され説明されたプロセスまたは方法ステップを繰り返すことにより、単一のウエハに対して別個の異なるEBRラインファイルを蓄積することができる。
【0053】
上述の説明において、簡潔性、明確性、および理解のために、ある特定の用語が使用されてきたが、そのような用語は説明目的で使用され、広義に解釈されることを意図しているため、そこから従来技術の要件を超える不要な制限は暗示されない。さらに、本発明の説明および図示は一例であり、本発明の範囲は、図示または説明された厳密な詳細に限定されない。
【0054】
本発明の特徴、発見、および原理、それが構築され使用される様式、構築の特性、および、有利で新しい、そして有用な得られる結果を説明してきたが、新しく有用な構造、デバイス、要素、配置、部分および組合せは、添付の請求項に記載される。
【産業上の利用可能性】
【0055】
例えば、半導体の生産において幅広い改善を行い、最終製品の品質、スピード、および性能の向上をもたらし、より速く、より信頼性のある、そしてより高い性能の半導体の需要を支えるための検査システムおよび方法として利用される。
【符号の説明】
【0056】
50 半導体ウエハ
100 縁部領域
102 ウエハ縁部
104 ウエハ中心
106 ウエハノッチ
108 レジスト層
110,118,120 ウエハ領域
114 レジスト縁部
150 縁部検査システム
152,154,156 センサ
158 コントローラ
160 基部
176,178,180,182 通信リンク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ縁部の周りの複数の画像であって、前記各画像は第1の次元および第2の次元を有するピクセルアレイを備える複数の画像を獲得する工程と、
前記各ピクセルアレイを前記第1の次元に圧縮し、前記ピクセルアレイをステッチすることにより、圧縮されたピクセルアレイの縁部マップを生成する工程と、
前記縁部マップを分析して縁部特徴を特定する工程と、
を含む、ウエハ縁部測定方法。
【請求項2】
前記縁部特徴は、第1の縁部ビーズ除去(EBR)ラインであり、
前記方法は、
前記縁部マップを分析して前記ウエハ縁部を特定する工程と、
前記ウエハ縁部に対する前記第1の縁部ビーズ除去(EBR)ラインの相対位置を評価する工程と、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各ピクセルアレイの前記第1の次元は、前記ウエハ縁部に対し実質的に接線方向である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記各ピクセルアレイは、前記第1の次元にのみ圧縮される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各ピクセルアレイを前記第1の次元に圧縮する工程は、前記第1の次元にわたりピクセルアレイのそれぞれを平均化する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記縁部マップを表示する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記縁部マップを分析して前記ウエハ縁部を特定する工程と、
前記特定されたウエハ縁部を正規化する工程と、
前記正規化されたウエハ縁部を前記縁部マップに表示する工程と、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
表示された縁部マップの一部をユーザが選択できるように構成されるユーザインターフェースを提供する工程をさらに含み、前記表示された縁部マップの一部を選択することで、前記縁部マップの選択された部分に対応する非圧縮画像が表示される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記縁部マップを分析して縁部特徴を特定する工程は、
前記縁部マップ上で縁部検出を実行して、複数の特徴ピクセルを選択する工程と、
前記複数の特徴ピクセルに対し、正弦線フィッティング操作を実行する工程と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
縁部ビーズ除去(EBR)ラインを測定する方法であって、
ウエハの縁部領域の周りの複数の画像であって、前記各画像は第1の次元および第2の次元を有するピクセルアレイを備える複数の画像を獲得する工程と、
前記第1の次元にわたり各ピクセルアレイを圧縮して、圧縮されたピクセルアレイの縁部マップを生成する工程と、
前記縁部マップをフィルタリングして可能性のある特徴ピクセルを選択する工程と、
前記可能性のある特徴ピクセルに対し、正弦線フィッティング操作を実行して縁部ビーズ除去(EBR)ラインを特定する工程と、
を含む、方法。
【請求項11】
前記縁部マップをフィルタリングして可能性のある特徴ピクセルを選択する工程は、前記縁部マップを縁部検出器でフィルタリングする工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記縁部検出器は、上限閾値および下限閾値に従い動作し、前記方法は、
圧縮されたピクセルアレイを縁部マップとして表示する工程と、
特定された縁部ビーズ除去(EBR)ラインを前記縁部マップ上に表示する工程と、
前記縁部マップ上に表示された前記特定された縁部ビーズ除去(EBR)ラインを変更するために、前記上限閾値および前記下限閾値をユーザが選択できるように構成されるユーザインターフェースを提供する工程と、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記圧縮されたピクセルアレイをフィルタリングして可能性のある特徴ピクセルを選択する工程は、
縁部検出器で前記縁部マップから複数のラインセグメントを特定する工程と、
縁部強度およびセグメント長のうちの少なくとも1つに従い前記ラインセグメントをランク付けする工程と、を含み、
さらに、前記ラインセグメントのランク付けに従い、前記ラインセグメントに前記正弦線フィッティング操作が適用される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記縁部マップから、第2の縁部ビーズ除去(EBR)ラインを特定する工程、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の縁部ビーズ除去(EBR)ラインと前記第2縁部ビーズ除去(EBR)ラインとの間に、複数の交差点を決定する工程、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
内側縁部ビーズ除去(EBR)ライン許容範囲を選択する工程と、
外側縁部ビーズ除去(EBR)ライン許容範囲を選択する工程と、
許容範囲外の前記縁部ビーズ除去(EBR)ラインに関連する情報を提供する工程、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
ウエハ縁部の周りの複数の画像を獲得するための画像獲得デバイスと、
前記複数の画像のそれぞれに対する画像データであって、第1の次元および第2の次元を有する該画像データを受信するための画像獲得モジュールと、
圧縮された画像の縁部マップを生成するための縁部マップモジュールと、
前記縁部マップを分析して縁部ビーズ除去(EBR)ラインを特定するための画像分析モジュールと、を備え、
前記縁部マップモジュールは、
前記画像をステッチするための画像ステッチングモジュールと、
前記画像を前記第1の次元に圧縮するための画像圧縮モジュール、を備えたことを特徴とする縁部検査システム。
【請求項18】
前記画像獲得デバイスは、
ウエハを保持するためのステージと、
前記ウエハ縁部に隣接したウエハの頂面を検査するための検査光学部品と、
前記画像獲得デバイスがウエハ縁部の周縁にわたって画像を獲得するように構成され、前記ステージと前記検査光学部品との間の相対回転を誘引するように構成されるアクチュエータと、
を備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記縁部マップを表示するように、また前記縁部マップの一部をユーザが選択できるように構成されるユーザインターフェースモジュールであって、前記縁部マップの一部を選択することで、前記縁部マップの選択された部分に対応する非圧縮画像がユーザに表示される、ユーザインターフェースモジュール、をさらに備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記ユーザインターフェースは、前記特定された縁部ビーズ除去(EBR)ラインの描写を前記非圧縮画像上に表示するように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項1】
ウエハ縁部の周りの複数の画像であって、前記各画像は第1の次元および第2の次元を有するピクセルアレイを備える複数の画像を獲得する工程と、
前記各ピクセルアレイを前記第1の次元に圧縮し、前記ピクセルアレイをステッチすることにより、圧縮されたピクセルアレイの縁部マップを生成する工程と、
前記縁部マップを分析して縁部特徴を特定する工程と、
を含む、ウエハ縁部測定方法。
【請求項2】
前記縁部特徴は、第1の縁部ビーズ除去(EBR)ラインであり、
前記方法は、
前記縁部マップを分析して前記ウエハ縁部を特定する工程と、
前記ウエハ縁部に対する前記第1の縁部ビーズ除去(EBR)ラインの相対位置を評価する工程と、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各ピクセルアレイの前記第1の次元は、前記ウエハ縁部に対し実質的に接線方向である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記各ピクセルアレイは、前記第1の次元にのみ圧縮される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各ピクセルアレイを前記第1の次元に圧縮する工程は、前記第1の次元にわたりピクセルアレイのそれぞれを平均化する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記縁部マップを表示する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記縁部マップを分析して前記ウエハ縁部を特定する工程と、
前記特定されたウエハ縁部を正規化する工程と、
前記正規化されたウエハ縁部を前記縁部マップに表示する工程と、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
表示された縁部マップの一部をユーザが選択できるように構成されるユーザインターフェースを提供する工程をさらに含み、前記表示された縁部マップの一部を選択することで、前記縁部マップの選択された部分に対応する非圧縮画像が表示される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記縁部マップを分析して縁部特徴を特定する工程は、
前記縁部マップ上で縁部検出を実行して、複数の特徴ピクセルを選択する工程と、
前記複数の特徴ピクセルに対し、正弦線フィッティング操作を実行する工程と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
縁部ビーズ除去(EBR)ラインを測定する方法であって、
ウエハの縁部領域の周りの複数の画像であって、前記各画像は第1の次元および第2の次元を有するピクセルアレイを備える複数の画像を獲得する工程と、
前記第1の次元にわたり各ピクセルアレイを圧縮して、圧縮されたピクセルアレイの縁部マップを生成する工程と、
前記縁部マップをフィルタリングして可能性のある特徴ピクセルを選択する工程と、
前記可能性のある特徴ピクセルに対し、正弦線フィッティング操作を実行して縁部ビーズ除去(EBR)ラインを特定する工程と、
を含む、方法。
【請求項11】
前記縁部マップをフィルタリングして可能性のある特徴ピクセルを選択する工程は、前記縁部マップを縁部検出器でフィルタリングする工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記縁部検出器は、上限閾値および下限閾値に従い動作し、前記方法は、
圧縮されたピクセルアレイを縁部マップとして表示する工程と、
特定された縁部ビーズ除去(EBR)ラインを前記縁部マップ上に表示する工程と、
前記縁部マップ上に表示された前記特定された縁部ビーズ除去(EBR)ラインを変更するために、前記上限閾値および前記下限閾値をユーザが選択できるように構成されるユーザインターフェースを提供する工程と、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記圧縮されたピクセルアレイをフィルタリングして可能性のある特徴ピクセルを選択する工程は、
縁部検出器で前記縁部マップから複数のラインセグメントを特定する工程と、
縁部強度およびセグメント長のうちの少なくとも1つに従い前記ラインセグメントをランク付けする工程と、を含み、
さらに、前記ラインセグメントのランク付けに従い、前記ラインセグメントに前記正弦線フィッティング操作が適用される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記縁部マップから、第2の縁部ビーズ除去(EBR)ラインを特定する工程、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の縁部ビーズ除去(EBR)ラインと前記第2縁部ビーズ除去(EBR)ラインとの間に、複数の交差点を決定する工程、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
内側縁部ビーズ除去(EBR)ライン許容範囲を選択する工程と、
外側縁部ビーズ除去(EBR)ライン許容範囲を選択する工程と、
許容範囲外の前記縁部ビーズ除去(EBR)ラインに関連する情報を提供する工程、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
ウエハ縁部の周りの複数の画像を獲得するための画像獲得デバイスと、
前記複数の画像のそれぞれに対する画像データであって、第1の次元および第2の次元を有する該画像データを受信するための画像獲得モジュールと、
圧縮された画像の縁部マップを生成するための縁部マップモジュールと、
前記縁部マップを分析して縁部ビーズ除去(EBR)ラインを特定するための画像分析モジュールと、を備え、
前記縁部マップモジュールは、
前記画像をステッチするための画像ステッチングモジュールと、
前記画像を前記第1の次元に圧縮するための画像圧縮モジュール、を備えたことを特徴とする縁部検査システム。
【請求項18】
前記画像獲得デバイスは、
ウエハを保持するためのステージと、
前記ウエハ縁部に隣接したウエハの頂面を検査するための検査光学部品と、
前記画像獲得デバイスがウエハ縁部の周縁にわたって画像を獲得するように構成され、前記ステージと前記検査光学部品との間の相対回転を誘引するように構成されるアクチュエータと、
を備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記縁部マップを表示するように、また前記縁部マップの一部をユーザが選択できるように構成されるユーザインターフェースモジュールであって、前記縁部マップの一部を選択することで、前記縁部マップの選択された部分に対応する非圧縮画像がユーザに表示される、ユーザインターフェースモジュール、をさらに備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記ユーザインターフェースは、前記特定された縁部ビーズ除去(EBR)ラインの描写を前記非圧縮画像上に表示するように構成される、請求項19に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図24A】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図24A】
【図25】
【公表番号】特表2009−544157(P2009−544157A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519649(P2009−519649)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/073231
【国際公開番号】WO2008/008817
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(507103868)ルドルフテクノロジーズ インコーポレイテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】Rudolph Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】One Rudolph Road, Flanders, NJ 07836 United States of America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/073231
【国際公開番号】WO2008/008817
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(507103868)ルドルフテクノロジーズ インコーポレイテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】Rudolph Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】One Rudolph Road, Flanders, NJ 07836 United States of America
【Fターム(参考)】
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