説明

縦型多列自動充填包装機におけるカッター装置の引き剥がし機構

【課題】
液体原料が充填された包装袋を円滑に製造することができる縦型多列自動充填包装機を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明に係る縦型多列自動充填包装機は、複数枚の包装フィルムそれぞれを包装袋1個分ずつ引き出しながら同期的に縦シール及び横シールして形成された包装袋に液体原料を充填する縦型多列自動充填包装機であって、当該液体原料が充填された複数の包装袋の横シール部分を、抜き型711と押し型712とが互いに嵌合することによって打ち抜いてRカットし、包装袋ごとに分包するカッター装置7を備えたものである。そして、このカッター装置7は、抜き型711と包装袋との間に配置された引き剥がし板731と、当該引き剥がし板731に連結され、抜き型711から離れる方向に引き剥がし板731を動かすエアーシリンダ713とを有する引き剥がし機構73を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装フィルムの包装袋に液体等の内容物を充填して包装体を製造する縦型多列自動充填包装機に関し、特に、Rカットされた包装袋を引き剥がす引き剥がし機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、縦型多列自動充填包装機によって、スティックタイプの包装袋が製造されてきた。縦型多列自動充填包装機は、原反包装フィルムを各包装袋で必要なサイズ毎にスリッターで切り分け、この切り分けられた包装フィルムを袋状に成形する。この成形された両端重ね合わせ部分に縦シールが施され、縦シールにより筒状になった包装フィルムの規定の位置を挟み込んで横シールが施される。
【0003】
縦型多列自動充填包装機は、このスティックタイプの包装袋に液体原料を充填する場合には、出来上がった袋状の包装フィルム内に充填ノズルを用いて液体原料を投入する。その後、縦型多列自動充填包装機は、原料注入口を横シールして封止し、この封止された横シール部分の中央付近に対しカッター装置を用いて切離し、個別包装袋としている。このような縦型多列自動充填包装機の一例が、特許文献1に開示されている。
【0004】
このような従来の切離された個別包装袋では、カット部分の角と出来上がった袋部分とが互いに接触して穴を開けてしまう事故が発生しやすい。そのため、横シールされたカット部分の角を切り落とした形状(所謂「Rカット」形状)に施工し、このような事故を防ぐようにしている。
【0005】
特に、内容物が液体である場合には、カッター装置で包装袋の角部分を打ち抜く際に微量の内容物が抜き型に付着しやすい。この微量の内容物は、連続して運転し続ける間に、抜き型に蓄積してしまうため、切離された個別包装袋が抜き型により引っ掛かりやすくなってしまう。その結果、カッター装置内で個別包装袋が詰まることになり、液体スティック包装袋が抜き型に引っ掛かることがないような工夫が求められていた。
【特許文献1】特開平9−272511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来の縦型多列自動充填包装機では、液体原料を充填する場合には、Rカット後に微量の液体原料が抜き型に付着するため、液体原料が充填されたスティック状の包装袋を効率よく確実に製造することができないという問題点があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、液体原料が充填された包装袋を円滑に製造することができる縦型多列自動充填包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る縦型多列自動充填包装機は、幅の広いシートフィルムを複数枚の包装フィルムにスリットするスリッター装置と、当該複数の各包装フィルムそれぞれを包装袋1個分ずつ引き出しながら同期的に縦シール及び横シールする縦シール装置及び横シール装置と、当該シール成形された各包装フィルムに液体原料を充填する充填装置と、当該液体原料が充填された複数の包装袋を前記横シール部分で切断して包装袋ごとに分包するカッター装置とを備えた縦型多列自動充填包装機であって、当該カッター装置は、互いに嵌合することによって前記横シール部分を打ち抜いてRカットする抜き型と押し型とを有するRカット機構と、前記抜き型の近傍に配置され、前記Rカット機構によって切断された包装袋を前記抜き型から引き剥がす引き剥がし機構とを有する。
このような構成において、液体原料を充填・包装する場合であっても、抜き型に付着した包装袋を引き剥がすことができる。従って、液体原料が充填された包装袋を円滑に製造することができる。
【0008】
さらに、前記引き剥がし機構は、前記Rカットした後直ちに、前記包装袋を前記抜き型から引き剥がす。これにより、包装袋を確実に引き剥がすことができる。
【0009】
さらにまた、前記引き剥がし機構は、前記抜き型と前記包装袋との間に配置され、前記抜き型の抜き穴の周辺に配設された板状部材と、当該板状部材に連結され、前記抜き型から離れる方向に前期板状部材を動かすエアーシリンダとを有し、前記板状部材は、前記Rカットした後に、前記エアーシリンダの作動によって前記包装袋を前記抜き型から引き剥がす。
これにより、引き剥がし機構を高価な装置を用いて構成する必要がないので、包装袋を抜き型から引き剥がしながら包装袋を円滑に製造するためのコストを低減することができる。
【0010】
好適には、前記板状部材は、前記抜き穴の直下に設けられ、前記Rカットした後直ちに前記エアーシリンダの作動によって、前記包装袋を前記抜き型から引き剥がす。特に、この抜き穴の直下には液体原料が垂れて付着しやすい。抜き穴の直下において包装袋を抜き型から引き剥がすことにより、包装袋を確実に引き剥がすことができ、包装袋の円滑な製造を確実に維持することができる。
【0011】
なお、本明細書において、Rカットとは、尖った包装袋の角を除去するための切断を示す。従って、本明細書におけるRカットは、略曲線状に包装袋の角を除去する場合だけでなく、包装袋同士が傷つかない程度に包装袋の角を除去する場合も含む。
またなお、本明細書における略太鼓状の打ち抜く型とは、略太鼓状の中央に幅があるものだけでなく、幅が無いものも含む。従って、本明細書における略太鼓状の打ち抜く型は、包装フィルムの角部だけを打ち抜き、この角部間を単に切断するだけの場合も含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、液体原料が充填された包装袋を円滑に製造することができる縦型多列自動充填包装機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る縦型多列自動充填包装機は、液体原料が充填されたスティック状の包装袋Rカットすることによって包装袋の角部を除去するものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照して説明する。
【0014】
まず、図1及び図2を用いて、本発明に係る縦型多列自動充填包装機の全体構成について説明する。本発明に係る縦型多列自動充填包装機は、1度に複数本のスティック状包装袋を連続的にシール成形する。
図1の正面図に、本発明に係る縦型多列自動充填包装機の一構成例が示されている。図1では、本発明に係る縦型多列自動充填包装機は、符号1により全体的に示され、この図1は正面側(前方)から背面側(後方)に向かって観察した図である。また、以下では、縦型多列自動充填包装機1を自動包装機1と略す。
図1に示すように、自動包装機1は、フォーミング装置2、縦シール装置3、横シール装置4、原料供給装置5、充填装置6、カッター装置7、操作パネルボックス8を備えている。
【0015】
フォーミング装置2は、包装フィルムを略円筒状にフォーミングする装置であり、フォーマーパイプ21、フォーマーリング22、製袋ガイドローラ23を有する。フォーマーパイプ21は、多列に並設されている。フォーマーリング22は、フォーマーパイプ21ごとに設けられ、フォーマーリング22にフォーマーパイプ151が貫装されている。製袋ガイドローラ23もまた、フォーマーパイプ21ごとに設けられている。
【0016】
縦シール装置3は、ホルダー24の下方に設けられ、フォーマーパイプ21上で、略円筒状に成形された包装フィルムに縦シールを施す装置である。横シール装置4は、縦シール装置17の下方に設けられ、縦シールされた包装フィルムを横シールする装置である。
原料供給装置5は、横シールによって形成された包装袋に液体原料を供給する装置であり、ホッパー51、ポンプ装置52を有する。ホッパー51は、液体原料を収容する収納容器である。ポンプ装置52は、液体原料を吸い上げてホッパー51に送る装置である。
【0017】
充填装置6は、ホッパー51から供給された液体原料を包装袋に充填する装置であり、充填ノズル61、充填ノズル上下機構62を有する。充填ノズル61は、ホッパー51から供給される液体原料を各フォーマーパイプ21内に振り分けて供給する部材である。充填ノズル上下機構62は、充填ノズル61が液体原料の充填にともなって液面に触れないように、充填ノズル61を上下させる機構である。
カッター装置7は、2つの横シール間に液体原料が充填された包装袋を横シールの位置で切断し、スティック状の包装袋に分包する装置である。本発明に係る自動包装機1におけるカッター装置7は、Rカットすることによって包装袋の角部を除去するものである。
操作パネルボックス8は、自動包装機1の各駆動装置等を操作するための装置が内蔵され、自動包装機1の各種駆動装置等を支持する本体フレーム81に取付けられている。また、本体フレーム81には、自動包装機1の動作状態を示すための報知手段である表示/警報ランプ82が設けられている。
【0018】
続いて、図2を用いて、本発明に係る自動包装機1の動作について概略的に説明する。
図2の側面図に、本発明に係る自動包装機1の一構成例が示され、この図2は、図1において右方から左方に向かって観察した図である。図2に示すように、自動包装機1は、上記の各装置に加え、スリッター装置9を備えている。
原反フィルム110から引き出された包装フィルム111は、スリッター装置9によって多列に切り裂かれる。この多列に分けられた包装フィルム111は、各製袋ガイドローラ23によって略U字状にフォーミングされる。包装フィルム111は、このフォーミングされた状態でフォーマーパイプ21に巻きつけられ、フォーマーパイプ21とフォーマーリング22との間に挿入される。フォーマーリング22は包装フィルム111の両端を合掌状に重ね合わせ、包装フィルム111は、略筒状に成形される。包装フィルム111は、この状態で縦シール装置3へと導入され、重ね合わせられた部分を縦シールされる。
【0019】
この縦シールによって略筒状となった包装フィルム111は、横シール装置4に導入され、短手方向に横シールを施される。この横シールは包装袋112の底部分となり、フォーマーパイプ21内に挿入された充填ノズル61から液体原料が注入される。このとき、充填ノズル61は、充填ノズル上下機構62が液体原料の注入量に応じて充填ノズル61を上方に移動させなながら液体原料を注入する。液体原料が所定量だけ注入されると、横シール装置4が間歇運動によって包装フィルム111を下方に引く。
【0020】
この間歇運動によって包装フィルム111が原反ロール110から引き出される。横シール装置4は、復動した後、包装フィルム111が停止した状態で再度横シールを行う。これによって、包装袋112が完成し、カッター装置7に導入される。カッター装置7は、横シール部分を切断することによって、一連に繋がった包装袋112を個別に分封する。このとき、後述するように、カッター装置7は、Rカットを行い、包装袋112の角部を曲線状に加工する。
【0021】
次に、図3乃至図7を用いて、自動包装機1のカッター装置7について詳細に説明する。本発明に係るカッター装置7は、Rカットによって包装袋112の角を除去するものである。
図3に、カッター装置7の全体構成が示されている。図3(a)は正面図、図3(b)は上面図、図3(c)は側面図である。図3に示すように、カッター装置7は、Rカット機構71、ガイド機構72、引き剥がし機構73、集塵機構74を備えている。
【0022】
Rカット機構71は、略太鼓状に横シールを打ち抜く機構である。このRカット機構71は、抜き型711、押し型712、エアーシリンダ713を有する。このRカット機構71の部分構成の一例が、図4に示されている。図4(a)は抜き型711の正面図であり、図4(b)は押し型712の上面図、図4(c)は押し型712の背面図、図4(d)は押し型712の側面図である。
抜き型711は、略平板状の部材に複数の貫通孔が形成された部材である。具体的には、この貫通孔は、略太鼓状の抜き穴714とすることができる。この抜き型711は、抜き穴714が略水平に配列されるように配設されている。詳細には、抜き型711は、略太鼓状の抜き穴714の長手方向が略水平となるように配置されている。また、抜き穴714の幅は、横シール部分を幅方向にRカットするために横シール部分の幅よりも大きな幅である。
【0023】
押し型712は、抜き型711の形状に応じた形状を有し、横シールを抜き型711に押し付けて打ち抜く部材である。この押し型712は、押し型712先端が抜き型711に嵌合するような形状を有し、この先端形状は断面略太鼓状の形状を有する。押し型712は、抜き型711の配列状態に応じて複数配設されている。具体的には、複数の抜き型711は略水平に配列され、詳細には、断面略太鼓状の先端の長手が略水平となるように配列されている。
エアーシリンダ713は、押し型712を押し出したり、引き戻したりする牽引手段である。このエアーシリンダ713は、複数配設され、複数の押し型712のそれぞれに固着されている。
【0024】
ガイド機構72は、カッター装置7における包装袋112を略水平方向にガイドする機構である。このガイド機構72は、袋ガイド721、送りローラ722、モータ723を有する。このガイド機構72の部分構成の一例が、図5に示されている。図5(a)は正面図、図5(b)は上面図である。
袋ガイド721は、断面略コ字状に折り曲げられた部材である。この袋ガイド721は、Rカット機構71の上方に取付けられている。具体的には、袋ガイド721は、包装フィルム111の移送経路に沿って略鉛直に配設されている。袋ガイド721は、包装袋112ごとに複数設けられ、これら袋ガイド721は、包装袋112それぞれの側方に当接した状態で各包装袋112をRカット機構71へと送る。
【0025】
送りローラ722は、包装袋112の表面に当接するローラ部材である。送りローラ722は複数設けられ、これら送りローラ722は包装袋112ごとに当接している。
モータ723は、回転駆動手段である。モータ723は、その同一の回転軸724によって複数のローラ722を軸支し、複数の送りローラ722を同一方向に回転させる。
【0026】
引き剥がし機構73は、Rカット機構71の抜き型711に付着する包装袋112を抜き型711から引き剥がすための機構である。この引き剥がし機構73は、引き剥がし板731、エアーシリンダ732とを有する。この引き剥がし機構73の部分構成の一例が、図6に示されている。図6(a)は正面図、図6(b)は上面図である。
引き剥がし板731は、略板状部材であり、各抜き穴714ごとに複数設けられている。これら引き剥がし板731は、取付部材733に取付けられている。引き剥がし板731は、抜き型711に対して後方に配設され、複数の抜き型711と押し型712との間に配設されている。詳細には、引き剥がし板731は、包装袋112と抜き型711と間に配置されている。
【0027】
より詳細には、引き剥がし板731は、抜き型711の各抜き穴714周辺に配設され、抜き型711と押し型712とによる打ち抜きの際に抜き穴714周辺と包装袋112との間に挟持される。引き剥がし板731は、包装袋112に接触するため、この接触部分が包装袋112表面に沿うような形状とすることができる。一例として、この接触部分が傾斜した形状とすることができる。これによって、引き剥がし板731が包装袋112を傷付けるのを防止することができる。
【0028】
また、引き剥がし板731は、複数の抜き穴714の全てに亘って配設されるような一枚板としてもよい。
エアーシリンダ732は、引き剥がし板731を押し出したり、引き戻したりする牽引手段である。このエアーシリンダ732は、複数の引き剥がし板731を同時に押し引きするために、取付部材733に固着されている。また、エアーシリンダ732は、2個設けられているが、引き剥がし板731ごとに設けることもできる。
【0029】
集塵機構74は、Rカットによって生成された切り屑を回収する機構である。この集塵機構74は、吸収パイプ741、吸引機器742、屑取りパイプ743を有する。この集塵機構74の部分構成の一例が、図7に示されている。図7(a)は上面図、図7(b)は正面図である。
吸収パイプ741は、略円筒状のパイプである。吸収パイプ741は、抜き型711の各抜き穴714ごとに複数配設されている。具体的には、これら吸収パイプ741は、抜き型711に対して後方に配設されている。詳細には、これら吸収パイプ741は、抜き型711の背面において、各抜き穴714にあてがわれている。このとき、各吸収パイプ741は、抜き穴714周辺に当接してもよいし、抜き型711から離間してもよい。
【0030】
吸引機器742は、吸引手段である。
屑取りパイプ743は、略筒状のパイプである。屑取りパイプ743は、抜き型711の背面に配設され、複数の吸収パイプ741に連結されている。それとともに、この屑取りパイプ743は、吸引機器742に取付けられている。
【0031】
続いて、このような構成を有するカッター装置7の動作について詳細に説明する。
液体原料が封入された包装袋112は、ガイド機構72の袋ガイド721に左右からガイドされる。ガイド機構72の送りローラ722は、前方から後方に向かう方向に包装袋112の表面に当接する。この送りローラ722は、この当接した状態で回転しながら、包装袋112を下方へと送る。このとき、包装袋112は、断面略コ字状の袋ガイド721によって後方から前方に向けて支持されている。Rカット機構71に導入された包装袋112は、下方の横シールが抜き型711と押し型712との間を配置された状態で一旦停止する。
【0032】
押し型712は、前方から後方に向かって押し出されると、固定された抜き型711に嵌め合う。すると、包装袋112の横シールが切り抜かれ、複数に繋がっていた包装袋112が個別に分離される。このとき、抜き型711、押し型712の形状が略太鼓状の形状を有するので、包装袋112の角部が曲線状に切り抜かれ、角のない包装袋112が形成される。
【0033】
包装袋112の横シール部分が略太鼓状に切り抜かれると、横シール部分は切断され、包装袋112ごとに区分けされる。切断された包装袋112の横シール部分に微量の液体原料が挟み込まれている場合には、その横シール部分の切断箇所から液体原料が染み出て抜き型711に付着する。この染み出た液体原料によって、包装袋112が抜き型711に付着する。これに対して、包装袋112は、この横シール部分に液体原料が挟み込まれていない場合には、下方へと落下する。
【0034】
引き剥がし機構73の引き剥がし板731は、包装袋112と抜き型711との間に挿入された状態で前方に押し出され、この押し出しによって包装袋112を前方に押し出す。これによって、包装袋112は、抜き型711に付着した微量の液体原料から引き剥がされ、抜き型711から引き剥がされる。換言すれば、引き剥がし板731は、包装袋112と抜き型711とを分離するように前方に押し出される。
【0035】
このように、引き剥がし機構73は、包装袋112が抜き型711に付着しているか否かに関わらず、包装袋112を前方に押し出して抜き型711から引き剥がしている。従って、引き剥がし機構73は、包装袋112を常に抜き型711から離すので、包装フィルム11がカッター装置7において引っ掛かるのを確実に防止することができる。このような包装フィルム112の引っ掛かりは、本発明に係る自動包装機1のように縦型多列で多数の包装袋112を高速で製造する自動包装機の場合には大きな問題である。それ故、本発明に係る自動包装機1においては、この引っ掛かり防止の効果は大きい。
さらに、包装袋112が付着するか否かに関わらず、常に包装袋112を引き剥がすので、包装袋112の付着を検出する装置を必要としない。それ故、この検出装置によってコストが上昇するのを防止することができる。
【0036】
また、引き剥がし板731が前方への押し出される幅、強さ、速度は、包装フィルム112が抜き型711から引き剥がすことができる程度であればよい。またさらに、引き剥がし板731が抜き型721から押し型712の方向に押し出されるので、この押し出される幅、強さ、速度は、押し型712に衝突しないように設定される。
【0037】
切り抜かれた横シール部分は、抜き型711を貫通した抜き穴714を通って、抜き型711背面に押し出される。このとき、集塵機構74の吸引機器742が吸引を行っている。そのため、抜き型711背面に押し出された切り屑は、吸収パイプ741、屑取りパイプ743を介して、吸引機器742に吸い込まれて収集される。
【0038】
以上のように、本発明に係る自動包装機1においては、カッター装置7の引き剥がし機構73によって、Rカット機構71によって個別に切離された包装袋112をRカットの度に毎回確実に引き剥がす。これによって、Rカットを行うカッター装置7は、包装袋112が抜き型711に引っ掛かることなく、分包動作を行うことができる。従って、このカッター装置7は、液体原料が充填されたスティック状の包装袋112を円滑に製造することが可能となる。
特に、本発明に係る自動包装機1は、包装袋112に液体原料を充填・包装する。この場合には、包装袋112の角部分を打ち抜く際に微量の液体原料が抜き型711に付着しやすい。さらに、この微量の液体原料は、継続した運転の間に、抜き型711に蓄積してしまう。そのため、このような引き剥がし機構73による確実に引き剥がすことができる効果は大きい。
【0039】
さらに、引き剥がし機構73が、エアーシリンダ732と、これに連結された略板状の引き剥がし板731とのみから構成されている。そのため、包装袋112を引き剥がすための高価な装置を設けることなく、低コストで包装袋112を確実に引き剥がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る縦型多列自動充填包装機の全体構成を示す正面図である。
【図2】本発明に係る縦型多列自動充填包装機の全体構成を示す側面図である。
【図3】本発明に係る縦型多列自動充填包装機のカッター装置の一構成例を示す図である。
【図4】本発明に係る縦型多列自動充填包装機のカッター装置の部分構成の一例を示す図である。
【図5】本発明に係る縦型多列自動充填包装機のカッター装置の部分構成の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る縦型多列自動充填包装機のカッター装置の部分構成の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る縦型多列自動充填包装機のカッター装置の部分構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1…縦型多列自動充填包装機、2…フォーミング装置、3…縦シール装置、
4…横シール装置、5…原料供給装置、6…充填装置、7…カッター装置、
8…操作パネルボックス、9…スリッター装置
71…Rカット機構、711…抜き型、712…押し型、713…エアーシリンダ、
72…ガイド機構、721…袋ガイド、722…送りローラ、723…モータ、
73…引き剥がし機構、731…引き剥がし板、732…エアーシリンダ、
74…集塵機構、741…吸収パイプ、742…吸引機器、743…屑取りパイプ
110…原反ロール、111…包装フィルム、112…包装袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅の広いシートフィルムを複数枚の包装フィルムにスリットするスリッター装置と、
当該複数の各包装フィルムそれぞれを包装袋1個分ずつ引き出しながら同期的に縦シール及び横シールする縦シール装置及び横シール装置と、
当該シール成形された各包装フィルムに液体原料を充填する充填装置と、
当該液体原料が充填された複数の包装袋を前記横シール部分で切断して包装袋ごとに分包するカッター装置とを備えた縦型多列自動充填包装機であって、
当該カッター装置は、互いに嵌合することによって前記横シール部分を打ち抜いてRカットする抜き型と押し型とを有するRカット機構と、
前記抜き型の近傍に配置され、前記Rカット機構によって切断された包装袋を前記抜き型から引き剥がす引き剥がし機構とを有する縦型多列自動充填包装機。
【請求項2】
前記引き剥がし機構は、前記Rカットした後直ちに、前記包装袋を前記抜き型から引き剥がすことを特徴とする請求項1記載の縦型多列自動充填包装機。
【請求項3】
前記引き剥がし機構は、前記抜き型と前記包装袋との間に配置され、前記抜き型の抜き穴の周辺に配設された板状部材と、
当該板状部材に連結され、前記抜き型から離れる方向に前期板状部材を動かすエアーシリンダとを有し、
前記板状部材は、前記Rカットした後に、前記エアーシリンダの作動によって前記包装袋を前記抜き型から引き剥がすことを特徴とする請求項1又は2記載の縦型多列自動充填包装機。
【請求項4】
前記板状部材は、前記抜き穴の直下に設けられ、前記Rカットした後直ちに前記エアーシリンダの作動によって、前記包装袋を前記抜き型から引き剥がすことを特徴とする請求項3記載の縦型多列自動充填包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−27683(P2006−27683A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−210694(P2004−210694)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(596092595)三光機械株式会社 (102)
【Fターム(参考)】