説明

繊維強化された構造用セメントパネル用のセメントスラリを湿式混合するための方法

セメント粉末と液体との湿式スラリを形成するための垂直混合チャンバを有する湿式混合機を採用するプロセス。垂直混合チャンバは、関連のセメントパネル製造ラインの連続動作を保証するのに適切なスラリ供給を可能にする混合滞留時間内に、完全に混合されて一様に薄いスラリを提供するために所要の混合量を提供するように設計される。チャンバのスラリ混合領域へのセメント粉末と水との供給用の重力供給手段も開示される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、全体を参照として本明細書に組み込む2006年11月1日出願の米国特許出願第11/555655号による優先権を主張するものである。
【0002】
[0002]本出願は、以下の同時係属の出願に関係付けられる。
【0003】
[0003]2006年11月1日出願の「PROCESS AND APPARATUS FOR FEEDING CEMENTITIOUS SLURRY FOR FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」という名称の米国特許出願第11/555647号(代理人整理番号APV31960/3991)。
【0004】
[0004]2006年11月1日出願の「APPARATUS AND METHOD FOR WET MIXING CEMENTITIOUS SLURRY FOR FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」という名称の米国特許出願第11/555658号(代理人整理番号APV31963/3994)。
【0005】
[0005]2006年11月1日出願の「PANEL SMOOTHING PROCESS AND APPARATUS FOR FORMING A SMOOTH CONTINUOUS SURFACE ON FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」という名称の米国特許出願第11/555661号(代理人整理番号APV31964/3995)。
【0006】
[0006]2006年11月1日出願の「WET SLURRY THICKNESS GAUGE AND METHOD FOR USE OF SAME」という名称の米国特許出願第11/555665号(代理人整理番号APV31965/3845)。
【0007】
[0007]2006年11月1日出願の「MULTI−LAYER PROCESS AND APPARATUS FOR PRODUCING HIGH STRENGTH FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENTITIOUS PANELS WITH ENHANCED FIBER CONTENT」という名称の米国特許出願第11/591793号(代理人整理番号2033.75722/3615A)。
【0008】
[0008]2006年11月1日出願の「EMBEDMENT ROLL DEVICE」という名称の米国特許第11/591957号(代理人整理番号2033.76667/3589A)。
【0009】
[0009]これら全ての特許出願の全体を参照として本明細書に組み込む。
【技術分野】
【0010】
[0010]本発明は、硬化性スラリを使用して構造用パネルを製造するための連続的なプロセス及び関連装置に関し、より詳細には、曲げ強度を提供するために繊維が急結スラリと組み合わされた、本明細書では構造用セメントパネル(SCP)と呼ばれる強化されたセメントパネルの製造で使用されるスラリ混合機装置に関する。
【背景技術】
【0011】
[0011]セメントパネルは、居住及び/又は商業施設の内壁及び外壁を形成するために建設業界で使用されている。そのようなパネルの利点は、標準の石膏ベースのウォールボードに比べて耐水性を有することである。しかし、そのような従来のパネルの欠点は、そのようなパネルが、構造用合板又は配向性ストランドボード(OSB)よりも大きくないにせよそれに匹敵しうる程度まで十分な構造強度を有さないことである。
【0012】
[0012]典型的には、セメントパネルは、強化又は安定材料の層の間に少なくとも1つの固化されたセメント複合材料層を含む。幾つかの例では、強化又は安定材料は、繊維ガラスメッシュ又はその等価物である。メッシュは通常、硬化性スラリの層の上又は間に、シートの様式でロールから塗布される。従来のセメントパネルで使用される製造技法の例は、米国特許第4420295号、第4504335号、及び第6176920号に提供されており、それらの内容を参照として本明細書に組み込む。さらに、他の石膏セメント組成が、一般に、米国特許第5685903号、第5858083号、及び第5958131号に開示されている。
【0013】
[0013]全体を参照として本明細書に組み込むTonyanの米国特許第6620487号は、フレーミングに固定されたときに、合板又は配向性ストランドボードパネルによって提供されるせん断負荷に等しい又はそれを超えるせん断負荷に耐えることができる強化された、軽量の、寸法的に安定なパネルを開示する。パネルは、硫酸カルシウムα半水和物と、水硬性セメントと、活性ポゾランと、石灰との水性混合物の養生によって生じる連続相のコアを採用し、連続相は、耐アルカリ性ガラス繊維で強化され、セラミック微小球、若しくはセラミック微小球とポリマー微小球とのブレンドを含む、又は0.6/1〜0.7/1の水と反応性粉末との重量比を有する水性混合物から生成される、又はそれらの組合せである。パネルの少なくとも1つの外面が、ガラス繊維で強化され、釘打ち性を改良するのに十分なポリマー球を含む、又はポリマー球と同様の効果を提供するような水と反応性粉末との比で生成される、又はそれらの組合せである養生連続相を含むことがある。
【0014】
[0014]全体を参照として本明細書に組み込むPorterの米国特許出願公開第2005/0064055号(出願番号第10/665541号)は、構造用パネル製造ラインで使用するための埋込みデバイスであって、スラリが、支持フレームに関して移動キャリア上で輸送され、細断された繊維がスラリ上に堆積され、埋込みデバイスが、支持フレームに固定されて、第1の複数の軸方向で間隔を空けられたディスクを有する第1の細長いシャフトと、支持フレームに固定されて、第2の複数の軸方向で間隔を空けられたディスクを有する第2の細長いシャフトとを含み、第1のシャフトが、互いにディスクが噛み合うように第2のシャフトに関して配設される埋込みデバイスを開示する。噛み合い関係は、スラリへの繊維の埋込みを向上し、また、尚早に硬化されたスラリ粒子によるデバイスの詰まりを防止する。
【0015】
[0015]全体を参照として本明細書に組み込むDubeyらの米国特許出願公開第2005/0064164号(出願番号第10/666294号)は、構造用セメントパネルを製造するための多層プロセスであって、(a.)移動ウェブを提供するステップと、(b.)(i)個々のばらばらの繊維の第1の層をウェブ上に堆積し、次いで硬化性スラリの層をウェブ上に堆積するステップ、及び(ii)硬化性スラリの層をウェブ上に堆積するステップの一方を行うステップと、(c.)個々のばらばらの繊維の第2の層をスラリ上に堆積するステップと、(d.)スラリ全体にわたって前記繊維を分散するために、個々のばらばらの繊維の前記第2の層をスラリ内に能動的に埋め込むステップと、(e.)硬化性の繊維補強されたスラリの層が所望の数だけ得られるまで、且つ繊維がパネル全体にわたって分散されるように、ステップ(ii)〜(d.)を繰り返すステップとを含むプロセスを開示する。また、このプロセスによって製造される構造用パネルと、このプロセスに従って構造用セメントパネルを製造するのに適した装置と、複数の層を有する構造用セメントパネルとが提供され、各層が、移動ウェブ上に硬化性スラリの層を堆積し、スラリ上に繊維を堆積し、スラリ内に繊維を埋め込むことによって作成され、それにより各層が隣接層と一体形成される。
【0016】
[0016]全体を参照として本明細書に組み込むDubeyらの米国特許第6986812号は、SCPパネル製造ライン、或いは羽目又はボードの製造で硬化性スラリが使用される同様の用途で使用するためのスラリ供給装置を特徴とする。装置は、スラリの供給分が保持されるニップを形成するために互いに近接して概して平行関係で配置された主計測ロールと随伴ロールとを含む。どちらのロールも、好ましくは同じ方向に回転し、それによりスラリは、ニップから計測ロールの上に引かれ、SCPパネル製造ラインの移動ウェブ上に堆積される。厚さ制御ロールが、スラリの所望の厚さを維持するために主計測ロールの極めて近位で動作するように提供される。
【0017】
[0017]全体を参照として本明細書に組み込むTonyanらへの米国特許出願公開第2006/0174572号が、耐震壁用の不燃性SCPパネル金属フレームシステムを開示する。
【0018】
[0018]SCPパネルを準備する際、重要なステップは、スラリを形成するためにセメント粉末を混合するステップである。次いで、スラリが、チャンバの底部から引き出され、キャビティポンプを通してスラリ供給装置にポンプされる。典型的な従来の連続セメント混合機は、M−TEC GmbH(ドイツ、ニュルンベルク)からのDUO MIX2000連続セメント混合機であり、これは、コンクリートスラリを混合及びポンプするために建設業界で使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
[0019]しかし、従来の混合機は、詰まる傾向があり、製造中断を生じた。したがって、連続パネル製造ラインを提供するために、十分に混合されたセメントスラリの供給を保証する改良された湿式混合装置が必要である。混合機内での粉末と水との混合の度合いもまた、所望の改良形態の一領域であり、湿式混合物中の小さな塊を破壊し、粉末と水とをより完全に混合して、滑らかで粘稠性のあるスラリを実現し、連続製造ラインで使用するためのスラリの連続カーテンを提供する。
【0020】
[0020]製造ラインダウンタイムを短縮する、構造用合板及びOSBに匹敵する構造性質を有するボードをもたらす繊維強化セメントパネルを製造するための改良されたプロセス及び/又は関連装置が望まれる。また、従来の製造プロセスに勝る、製造コストを削減するために成分材料をより効率的に使用する構造用セメントパネルを製造するためのプロセス及び/又は関連装置が望まれる。
【0021】
[0021]さらに、SCPとも呼ばれる上述のセメント構造用パネルは、好ましくは、合板及びOSBと同様の建設環境で機能するように構成される。したがって、SCPパネルは、好ましくは釘打ち可能であり、従来の鋸及び他の従来の工具を使用して切断又は加工することができる。さらに、SCPパネルは、構造用合板シートに適用されるASTM E72、ASTM 661、ASTM C 1185、及びASTM E136、又は同様の試験など認められている試験によって測定されたときに、耐せん断性、負荷能力、水誘起膨張、及び耐燃焼性に関する建築基準に見合うべきである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
[0022]本発明は、構造用セメントパネル(SCPパネル)製造ライン、或いは繊維強化された羽目又はボードを製造するために硬化性スラリが使用される同様のラインの移動ウェブ上にスラリを堆積するのに使用するためのスラリ供給装置(典型的には「ヘッドボックス」として知られる)に供給すべきスラリを準備するための湿式混合機装置を特徴とする。
【0023】
[0023]混合機は、第1の混合チャンバに乾燥セメント材料を供給するオーガを含み、そこで、セメント材料が液体と混合して混合物を生成する。次いで、混合物は、垂直混合チャンバ内のスラリプールに落ち、そこで、混合物はさらに、所望の性質を有するスラリを形成するために十分な時間にわたって混合される。次いで、混合物が、混合機の下側部分から放出される。
【0024】
[0024]適切に混合されたスラリを得るために、垂直チャンバは、約10〜約360秒の平均スラリ滞留時間の間に適切な混合体積を提供し、その一方で、スピンパドルが、混合チャンバ内のスラリにせん断力を加える。典型的には、垂直チャンバは、約15〜約240秒の平均スラリ滞留時間を提供する。混合機パドルのRPM範囲は、典型的には70RPM〜270RPMである。平均スラリ滞留時間に関する他の典型的な範囲は、約15秒〜約30秒、又は約20秒〜約60秒である。
【0025】
[0025]より具体的には、本発明は、十分なサイズを有し、垂直混合チャンバ内で十分なせん断力を加える湿式セメント混合機を提供して、一様なスラリを生成し、チャンバ内で利用可能なスラリの体積を増加し、スラリ水位変動を回避して、より高い製造ライン速度をサポートする。
【0026】
[0026]望みであれば、液体水位制御センサが、混合機の垂直チャンバ内のスラリの水位を測定するために使用される。また、液体水位センサは、スラリの適切な混合を保証するために垂直混合チャンバ内に供給される水とセメント粉末との量の制御を作動させる働きをし、その一方で、繊維強化された構造用セメントパネルを準備するための製造ラインへのスラリの適切な供給分を保証する。
【0027】
[0027]典型的には、この混合機は、構造用セメントパネル(SCP又はSCPパネル)を製造するための多層プロセス、及びそのようなプロセスによって製造されるSCPにおいて採用される。移動ウェブ上への、ばらばらに分散されて細断された繊維、又はスラリの層の初期堆積の1つの後、繊維がスラリ層の上に堆積される。埋込みデバイスが、最後に堆積された繊維をスラリ内に完全に混合し、それにより繊維がスラリ全体にわたって分散され、その後、スラリ、次いで細断された繊維の追加の層が追加され、その後、さらに埋込みが行われる。望みであれば、このプロセスが、パネルの各層に関して繰り返される。完成すると、ボードは、より均等に分散された繊維成分を有し、これは、セメントパネルの従来技術製造技法で教示されるように強化繊維の厚いマットを必要とせずに、比較的強いパネルをもたらす。
【0028】
[0028]さらに、得られるパネルは、任意選択で、従来のパネルよりもスラリ層当たりの繊維の量を多くして提供される。
【0029】
[0029]好ましい実施形態では、堆積されたスラリの各層に関して、細断された個々のばらばらの繊維の複数の層が堆積される。好ましい手順は、移動ウェブ又は既存のスラリの上にばらばらの繊維の層が堆積され、次いでスラリの層、次いで別の繊維層が堆積されることである。次に、繊維/スラリ/繊維の合成体が、スラリ内に繊維を完全に混合させるために埋込みを施される。この処置は、より少ないスラリ層を使用して、スラリ全体にわたってスラリ繊維の比較的多量の組込み及び分散を可能にすることが判明している。したがって、パネル製造機器及び処理時間を減少することができ、その一方で、向上された強度特性を有するSCPパネルを提供する。
【0030】
[0030]より具体的には、繊維強化されたセメントスラリの少なくとも1つの層からなる構造用セメントパネルを製造するためのプロセスが提供され、そのような各スラリ層のためのプロセスは、移動ウェブを提供するステップと、個々のばらばらの繊維の第1の層をウェブ上に堆積するステップと、堆積された個々のばらばらの繊維の第1の層の上に、硬化性スラリの層を堆積するステップと、堆積された硬化性スラリの層の上に、個々のばらばらの繊維の第2の層を堆積するステップと、繊維をスラリ全体にわたって分散するために、両方の個々のばらばらの繊維の層をスラリ層内に能動的に埋め込むステップとを含む。
【0031】
[0031]別の実施形態では、多層の構造用セメントパネルを製造するための装置が、移動ウェブを支持するコンベア型フレームと、フレームと動作関係にあり、ばらばらの繊維を移動ウェブ上に堆積するように構成された第1のばらばらの繊維の分散ステーションと、フレームと動作関係にあり、繊維が覆われるように、硬化性スラリの薄い層を移動ウェブ上に堆積するように構成された第1のスラリ供給ステーションとを含む。第2のばらばらの繊維の分散ステーションが、フレームと動作関係で提供され、ばらばらの繊維をスラリ上に堆積するように構成される。埋込みデバイスが、フレームと動作関係にあり、繊維をスラリ内に埋め込むためにスラリで混練作用を発生するように構成される。
【0032】
[0032]さらに別の実施形態では、繊維を埋め込まれたセメントパネルを形成するためのプロセスが提供され、
第1の式
【数1】


を使用して、得られるパネルの各硬化性スラリ層内に堆積すべき第1の繊維層の射影繊維表面積分率を求めるステップと、
第2の式
【数2】


を使用して、得られるパネルの各硬化性スラリ層内に堆積すべき第2の繊維層の射影繊維表面積分率を求めるステップと、
繊維強化されたスラリ層内の繊維のパーセンテージである所望のスラリ体積分率Vを提供するステップと、
繊維直径dと、0.05〜0.35インチの範囲内の、繊維強化されたスラリ層厚さtとの少なくとも1つを調節し、さらに、繊維の体積分率Vを、第2の層内の繊維を第1の繊維層内の繊維と比べる繊維の供給分の比Xに振り分け、それにより、各繊維層に関する繊維表面積分率
【数3】


と繊維表面積分率
【数4】


とが0.65未満になるようにするステップと、
上で計算された繊維表面積分率
【数5】


に従って、ばらばらの個々の繊維の供給分を提供するステップと、
移動ウェブを提供するステップと、
ばらばらの個々の繊維の第1の層をウェブ上に堆積するステップと、
個々のばらばらの繊維の第1の層の上に、硬化性スラリの層を堆積するステップと、
硬化性スラリの層の上に、ばらばらの個々の繊維の第2の層を堆積するステップと、
複数の繊維層がパネル内の各スラリ層全体にわたって分散されるように、ばらばらの個々の繊維をスラリ内に埋め込むステップと
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のスラリ混合デバイスで使用するのに適したSCPパネル製造ラインの概略側面図である。
【図1A】図1のSCPパネル製造ラインのヘッドボックスを供給する混合機の概略図である。
【図1B】図1の製造ラインでのSCPパネルの形成を補助するために使用される振動シュラウドの概略図である。
【図1C】本発明の処置に従って製造される構造用セメントパネルの部分垂直図である。
【図2】水平予混合機と垂直向き混合チャンバとを有する、本発明の湿式スラリ混合装置の概略図である。
【図3】伸張型の垂直向き混合チャンバと、上部に取り付けられた電動機と、水入口とを示す、湿式スラリ混合機の部分切欠斜視図である。
【図3A】伸張型の垂直向き混合チャンバと、上部に取り付けられた電動機と、水入口とを示す、湿式スラリ混合機の斜視図である。
【図4】図3の実施形態の垂直混合チャンバ内で使用することができる混合パドルの正面図の写真である。
【図5】垂直向き混合チャンバで使用することができる複数の混合ブレードを有する混合パドルの正面図の写真である。
【図6】本発明のスラリ混合デバイスと共に使用するのに適したSCPパネル製造ラインの第2の実施形態の概略正面図である。
【図7】本明細書の実施例3からのデータのプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[0044]次に図1を参照すると、構造用パネル製造ラインが、図式的に示され、全体を参照番号10で表される。製造ライン10は、複数の脚部13又は他の支持体を有する支持フレーム又は形成テーブル12を含む。支持フレーム12上に、滑らかな耐水性の表面を有するエンドレスゴム状コンベアベルトなどの移動キャリア14が含まれ、しかし有孔表面も想定される。当技術分野でよく知られているように、支持フレーム12は、指定された脚部13又は他の支持構造を含むことがある少なくとも1つのテーブル状セグメントからなることがある。また、支持フレーム12は、フレームの遠位端18にある主駆動ロール16と、フレームの近位端22にあるアイドラロール20とを含む。また、所望の張力を保ち、キャリア14をロール16、20に対して位置決めするために、典型的には、少なくとも1つのベルト追跡及び/又は張力付加デバイス24が提供される。この実施形態では、移動キャリアが近位端22から遠位端18に方向「T」で進行するときに、SCPパネルが連続的に製造される。
【0035】
[0045]この実施形態では、硬化前のスラリを支持するためのクラフト紙、剥離紙、又はプラスチックキャリアのウェブ26がキャリア14上に提供されて敷かれることがあり、キャリア14を保護し、及び/又はキャリア14を清浄に保つ。
【0036】
[0046]しかし、連続的なウェブ26ではなく、比較的剛性の材料からなる個別的なシート(図示せず)、例えばポリマープラスチックのシートがキャリア14上に配置されてもよいと想定される。
【0037】
[0047]また、本発明のライン10によって製造されるSCPパネルが、キャリア14上に直接形成されることも想定される。この状況では、少なくとも1つのベルト洗浄ユニット28が提供される。キャリア14は、当技術分野で知られているように主駆動ロール16を駆動するモータ、プーリ、ベルト、又はチェーンの組合せによって、支持フレーム12に沿って移動される。キャリア14の速度は、作成される製品に適するように変えることができると想定される。
【0038】
チョッパ
[0048]本発明では、構造用セメントパネル(SCPパネル)製造は、ウェブ26上のプラスチックキャリアの上に、サイズ約1インチのばらばらの細断された繊維30の層を堆積することによって開始される。本発明のライン10によって、様々な繊維堆積及び細断デバイスが想定される。例えば、典型的なシステムは、繊維ガラスコードの幾つかのスプール32を保持するラック31を採用し、各スプールから、ある長さの繊維又は繊維の糸34が、チョッパ36とも呼ばれる細断ステーション又は装置に供給される。典型的には、繊維ガラスの複数のストランドが、各チョッパステーションで供給される。
【0039】
[0049]チョッパ36は、回転するブレード付きのロール38を含み、ロール38から、キャリア14の幅にわたって横方向に延在する半径方向延在ブレード40が突出し、且つロール38は、アンビルロール42と近接、接触、回転関係で配設される。好ましい実施形態では、ブレード付きロール38とアンビルロール42とが比較的近接した関係で配設され、それにより、ブレード付きロール38の回転がアンビルロール42も回転させるが、逆のことも想定される。また、アンビルロール42は、好ましくは弾性支持材料によって覆われ、ブレード40がその弾性支持材料に当たって、コード34を切片に細断する。ロール38上でのブレード40の間隔が、細断される繊維の長さを決定する。図1で見られるように、製造ライン10の長さの生産的な使用を最大にするために、チョッパ36は、キャリア14の上方で近位端22の近くに配設される。繊維ストランド34が細断されるとき、繊維は、キャリアウェブ26上にばらばらに落ちる。
【0040】
スラリ混合機
[0050]本発明の製造ライン10は、スラリ準備及び供給セクション2(図1A)を含む。スラリ準備及び供給セクション2は、全体を参照番号44で表されるスラリ供給ステーション、又はスラリ供給機、又はスラリヘッドボックスと、この実施形態では湿式混合機47であるスラリ源とを含む。スラリ供給機44は、キャリアウェブ26上の細断された繊維の上にスラリ46を堆積するために、湿式混合機47からスラリ46の供給分を受け取る。また、このプロセスは、初めにキャリア14上にスラリを堆積することから始めることもできると想定される。
【0041】
[0051]様々な硬化性スラリが想定されるが、本発明のプロセスは、構造用セメントパネル(SCPパネル)を製造するために特に設計される。したがって、スラリ46は、好ましくは、当技術分野でよく知られており、参照として組み込む以下に挙げる特許に記載されている、様々な量のポルトランドセメント、石膏、骨材、水、硬化促進剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、及び/又は他の成分から構成される。上の成分の幾つかの排除、又は他の成分の追加を含めた、これらの成分の相対量は、最終製品の所期の使用に適するように変えることができる。
【0042】
[0052]全体を参照として本明細書に組み込むTonyanらの米国特許第6620487号が、強化された、軽量の、寸法的に安定な構造用セメントパネル(SCP)を開示し、このSCPは、硫酸カルシウムα半水和物と、水硬性セメントと、活性ポゾランと、石灰との水性混合物の養生によって生じる連続相のコアを採用する。連続相は、耐アルカリ性ガラス繊維で強化される、セラミック微小球、若しくはセラミック微小球とポリマー微小球とのブレンドを含む、又は0.6/1〜0.7/1の水と反応性粉末との重量比を有する水性混合物から生成される、又はそれらの組合せである。SCPパネルの少なくとも1つの外面が、ガラス繊維で強化され、釘打ち性を改良するのに十分なポリマー球を含む、又はポリマー球と同様の効果を提供するような水と反応性粉末との比で生成される、又はそれらの組合せである養生連続相を含むことがある。
【0043】
[0053]望みであれば、組成が、0.4/1〜0.7/1の水と反応性粉末との重量比を有してもよい。
【0044】
[0054]また、現行プロセスで使用されている複合材料スラリに関する様々な配合が、米国特許出願公開第2006/185267号、第2006/0174572号、第2006/0168905号、及び第2006/0144005号に示されており、それら全ての特許出願の全体を参照として本明細書に組み込む。典型的な配合は、反応性粉末として、乾燥ベースで35〜75重量%の硫酸カルシウムα半水和物と、20〜55重量%のポルトランドセメントなどの水硬性セメントと、0.2〜3.5重量%の石灰と、5〜25重量%の活性ポゾランとを含む。パネルの連続相は、耐アルカリ性ガラス繊維で一様に強化され、セラミック微小球と、ガラス微小球と、フライアッシュセノ球と、パーライトとからなる群から選択される一様に分散された軽量の充填剤粒子を20〜50重量%含む。SCPパネルに関する上の組成が好ましいが、上の成分の幾つかの排除、又は他の成分の追加を含めた、これらの成分の相対量は、最終製品の所期の使用に適するように変えることができる。
【0045】
[0055]本発明の湿式粉末混合機47の一実施形態が、図2、図3、及び図3Aに示される。ポルトランドセメント、石膏、骨材、充填剤などの粉末混合物が、上方のホッパービン160からベロー161を通して水平チャンバ162に供給され、水平チャンバ162は、側部に取り付けられたオーガモータ164によって駆動されるオーガスクリュー163を有し、オーガモータ164は、速度制御装置162Aによって調整される。また、オーガスクリュー163と側部に取り付けられたモータ164とが、スラリ予混合機166内のパドル180を駆動する。容積式供給機又は重量式供給機(図示せず)によって、ホッパービン160からオーガスクリュー163に固体が供給されることもある。
【0046】
[0056]容積式供給システムは、一定の速度で稼動するオーガスクリューコンベア163を使用して、貯蔵ホッパービン160から一定の割合(単位時間当たりの容積、例えば立方フィート毎分)で粉末を放出する。重量式供給システムは、一般に、単位時間当たり一定の重量(例えばポンド毎分)での貯蔵ホッパービン160からの粉末の放出を制御するために、計量システムと関連付けられた容積式供給機を使用する。重量信号がフィードバック制御システムによって使用されて、実際の供給レートを常に監視し、オーガスクリュー163の速度(RPM)を調節することによって嵩密度や多孔率などの変動を補償する。
【0047】
[0057]オーガスクリュー163からの粉末は、パドル180によってスラリ予混合機166内に供給され、スラリ予混合機166内で、粉末は、入口167及びノズル167Aを通してスラリ予混合機166内に供給される液体、例えば水と混合される。次いで、粉末と水との混合物が、パドル180によって予混合機166から放出されて、垂直混合チャンバ165の上側セクション165Aに流れ込む。次いで、混合物は、重力によって、垂直チャンバ165の、撹拌器を設けられた下側セクション165B内に落ちる。典型的には、予混合機166からの固体と液体との両方が、スラリプールまで少なくとも約6インチ下へ落ちる。
【0048】
[0058]水と粉末とは、混合機パドル174によって完全に混合され、混合機パドル174は、複数のパドルブレード175を有し、これらのブレード175は、上部に取り付けられた電動機168によって、パドル中央シャフト173(図4)と共に回転される。中央シャフトに付いたパドルブレード175の数と、各パドルブレード175で使用される水平バー177の数を含めたパドルブレード175の構成とを変えることができる。例えば、垂直に取り付けられたピン179(図4)をブレード175の水平バー171に追加して、スラリの撹拌を高めることができる。典型的には、バー171は、図4に示されるように平坦な水平部材であり、角度が付いておらず、混合チャンバ165の下側部分165B内での渦を低減する。本発明の混合機の実施形態の典型的な8インチ直径チャンバでは、図5に示されるように3つ以上のブレードを有するパドル混合機がより良い結果をもたらすことが判明している。SCPスラリを混合するための本発明の実施形態に関するパドルは、スラリと、混合チャンバ165の下側部分の直径とに対応するように設計される。混合チャンバの下側部分の直径を増大すると、パドル174の横方向幅「W」も増大することになる。増大されたパドル174の横方向幅「W」は、所与のRPMで、その先端速度を増加する。これは、パドルが垂直混合チャンバ165の外縁部に向けてスラリを振り飛ばし、混合チャンバ165の下側部分の中央に望ましくない深い渦を生成する可能性が高くなるので、問題を生じる。SCPスラリと共に採用される本発明のパドルは、好ましくは、適切な混合を依然として保証しながら渦流を最小にするために、水平混合バーの数を最小にし、且つ水平混合バーを平坦化することによって、この問題を最小限に抑えるように設計される。
【0049】
[0059]垂直混合チャンバ165内のスラリ46の水位は、垂直混合チャンバ165内部に配設されることがある電気的な水位制御センサ169(図2)によって制御される。制御センサ169は、電子制御弁167Aを通る水の流れを制御し、且つオーガモータ164をオン又はオフに切り換えることによって垂直チャンバ165内への粉末供給を制御する。したがって、垂直混合チャンバ165内のスラリの体積と、垂直混合チャンバ165内での混合滞留時間との両方を制御するために、加えられる水とスラリとの体積の制御が使用される。スラリ46は、適切に混合されると、スラリポンプ170によって、垂直混合チャンバ165の底部からスラリ供給装置44にポンプ出口172によってポンプされる。ポンプ170は、上部に取り付けられた電動機168によって駆動されるパドル中央シャフト173によって稼動される。しかし、望みであれば、ポンプ170を駆動するために別個のポンプモータ(図示せず)を使用することもできる。
【0050】
[0060]垂直混合チャンバ165内の粉末と水との混合滞留時間は、垂直チャンバ165の設計に重要である。スラリ混合物46は、完全に混合されなければならず、且つ簡単にポンプすることができ、ウェブ上のはるかに厚い繊維ガラス層の上に一様に堆積することができる粘稠度を有さなければならない。
【0051】
[0061]適切に混合されたスラリ46を得るために、垂直チャンバ165は、約10〜約360秒の平均スラリ滞留時間の間に適切な混合体積を提供し、その一方で、スピンパドル174が、混合チャンバ165内のスラリにせん断力を加える。典型的には、垂直チャンバ165は、約15〜約240秒の平均スラリ滞留時間を提供する。混合機パドルのRPM範囲は、典型的には70RPM〜270RPMである。平均スラリ滞留時間に関する他の典型的な範囲は、約15秒〜約30秒、又は約20秒〜約60秒である。
【0052】
[0062]混合機47の垂直チャンバ165の典型的な実施形態は、約8〜14インチ(20.3〜35.6cm)、例えば12インチ(30.5cm)の公称内径と、約20〜30インチ(50.8〜76.2cm)、例えば約25インチ(63.5cm)の総垂直高さと、センサ169の下での約6〜10インチ(15.2〜25.4cm)、例えば約8インチ(20.3cm)の垂直高さとを有する。直径が増大するとき、パドルは、上述したように所定のRPMでのパドル先端速度の増加によって引き起こされる渦効果を最小にするために、これらのより大きな直径に対応するように設計されるべきである。パドルの外側先端は、一般に、例えばチャンバ165の内壁から約4分の1インチ(0.64cm)又は約8分の1インチ(0.32cm)以内に近づくように設計される。パドル先端とチャンバ165の内壁との距離があまりに大きいと、スラリ蓄積が生じることになる。
【0053】
[0063]図3は、伸張型の垂直向き混合チャンバ165と、上部に取り付けられた電動機168と、水入口167とを示す湿式スラリ混合機47の斜視図である。
【0054】
[0064]図2は、垂直向き混合チャンバ165の水位制御センサ169を示す。また、本発明の混合機47は、変速モータ164によって駆動される水平予混合機1内のスクリューオーガ163及びパドル146用の制御装置162Aを有し、予混合機への、次いで垂直向き混合チャンバ165への粉末の供給レートの制御を可能にする。図4及び図5は、図3及び4の実施形態の垂直混合チャンバ165で使用することができる混合パドル174、174B、174C、174Dと、従来技術の8インチストックパドル174A(図5)とを示す。
【0055】
[0065]図4に示されるように、垂直に取り付けられるパドル174は、伸張された中央シャフト173を有する。パドル174の設計と、パドルブレード175の数と、垂直に取り付けられるピン179を伴って又は伴わずに使用される水平バー171の数とが、混合機パドル174の回転速度やスラリ粘性などを考慮して決定されて、パネル製造ライン10の連続動作を保証するようにチャンバ内でのスラリの滞留時間内に湿式スラリを準備するような粉末と水との混合の量を実現する。
【0056】
スラリ供給装置
[0066]次に図1〜1Aを参照すると、上述したように、スラリ供給ステーション、スラリ供給機、又はスラリヘッドボックスとも呼ばれる全体を参照番号44で表される本発明のスラリ供給装置が、湿式混合機47からスラリ46の供給分を受け取る。
【0057】
[0067]好ましいスラリ供給機44は、キャリア14の進行距離「T」に対して横方向に配設された主計測ロール48を含む。随伴又はバックアップロール50が、計測ロール48に対して近接、平行、回転関係で配設される。スラリ46は、2つのロール48、50の間にあるニップ52内に堆積される。
【0058】
[0068]また、スラリ供給機44は、計測ロール48の表面に隣接して取り付けられるようにスラリ供給装置44の側壁54に取り付けられたゲート132を有し、計測ロール48とゲート132との間にニップ55を形成する。図1Aに示されるように、ゲート132は、ゲート132とロール48の上部との間にニップ55が存在するように計測ロール48の上方にある。ロール48、50とゲート132とは、ニップ55がスラリ46の供給分を保持するように十分に近接関係で配設され、それと同時に、ロール48、50が互いに関して回転する。ゲート132は、バイブレータ(図示せず)を設けられる。図1Aで見られるように、計測ロール48は、ニップ52からニップ55へ回転する。
【0059】
[0069]他のサイズも想定されるが、典型的には、計測ロール48は、随伴ロール50よりも大きな直径を有する。
【0060】
[0070]また、典型的には、ロール48、50の一方が、滑らかなステンレス鋼外面を有し、他方、好ましくは随伴ロール50が、ロール外面を覆う弾性の非粘着材料を有する。
【0061】
[0071]特に、ゲート132は、振動ゲート支持シャフト/バー(図示せず)に取り付けられたブレード132Aと、任意選択で、振動ゲート支持シャフト/バーに取り付けられた補強部材(図示せず)とを備える。ゲートブレード132aは、典型的には、16〜12ゲージのステンレスシートメタルからなる。
【0062】
[0072]ゲート132は、補強部材の、ブレードと反対の側に取り付けられたロータリバイブレータ(図示せず)によって振動される。補強部材は、振動ゲート支持シャフトの後部と振動ゲート132とに装着される。補強部材が提供されない場合、ロータリバイブレータは、ゲート支持シャフト又はゲート132の他の適切な部分に装着されることがある。振動手段は、典型的には、空気圧式ロータリボールバイブレータである。振動のレベルは、従来の空気調整器(図示せず)を用いて制御することができる。
【0063】
[0073]補強部材は、スラリゲートを補強するように機能するだけでなく、この補強部材に振動ユニットを取り付けることによって、デバイスの長さにわたって振動をより均等に分散する。例えば、補強部材を用いずに振動ユニットをスラリゲートに直接取り付ける場合、振動ユニットからの振動は、取付点に非常に局所化されることになり、シートの縁部では振動が比較的小さくなる。これは、振動ユニットを補強部材以外の場所には取り付けることができないということではないが、補強部材は、典型的には採用され、振動を等しく分散するという好適な働きをするので、好ましい位置であるということである。
【0064】
[0074]ゲート132は、水平にも垂直にもブレードの位置を調節できるようにするために、支持システム(図示せず)によってヘッドボックス44の側壁54に取り付けられることがある。支持システムは、ゲート支持シャフトの各端部にそれぞれ装着され、スラリ供給装置の側壁54に装着された調節可能取付部内に載置されたピボットピンを含む。調節可能取付部の一実施形態は、U字形部材内に載置されたピボットヨークを有する。ねじが、上方に延在するU字形取付部脚部を通過して、ピボットヨーク、さらにはゲート132の位置の前後調節を可能にする。また、ボルトが、U字形部材の穴を通して提供され、ピボットヨーク、さらにはゲート132の位置の上下調節を可能にする。
【0065】
[0075]好ましくは、振動ゲート132は、枢動調節システム(図示せず)によって、ゲート132と計測ロール48との間のギャップ「D」(図1A)を変えるように枢動調節することができる。
【0066】
[0076]振動ゲート132は、ゲート132上でのスラリ46の多量の蓄積を防止する助けとなり、計測ロール48上に堆積されるスラリ46の厚さを制御する。振動ゲート132は、洗浄及び保守のために壁取付部から簡単に取り外すことができる。
【0067】
[0077]スラリ供給機(ヘッドボックス)44のさらなる詳細は、全体を参照として本明細書に組み込む2006年11月1日出願の「PROCESS AND APPARATUS FOR FEEDING CEMENTITIOUS SLURRY FOR FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」という名称の米国特許出願第11/555647号(代理人整理番号APV31960/3991)に開示されている。
【0068】
[0078]典型的には、スラリ供給機44は、好ましくはTEFLON(商標)材料などの非粘着材料からなり、又は非粘着材料で被覆された一対の比較的剛性の側壁54(一方のみ示す)を有する。側壁54は、ニップ52内に注入されたスラリ46が、スラリ供給機44の側部から逃げるのを防止する。好ましくは支持フレーム12(図1)に固定された側壁54は、スラリ46を保持するためにロール48、50の端部に近接関係で配設される。しかし、側壁54は、ロール回転に干渉するほどロールの端部に過剰には近接しない。
【0069】
[0079]スラリ供給機44は、移動キャリアウェブ26上に、比較的制御された厚さのスラリ46の平坦な層を堆積する。適切な層厚さは、約0.08インチ〜0.16インチの範囲である。しかし、製造ライン10によって製造される構造用パネルにおいて4つの層が好まれ、適切な羽目が約0.5インチであるとき、特に好ましいスラリ層厚さは、0.125インチの範囲内である。しかし、目標パネル形成厚さが約0.84’’である場合、標準的な層厚さは、典型的には、4つの形成ステーションそれぞれで約0.21インチに近づく。また、ヘッドボックス毎に0.1インチ〜0.3インチの範囲が適切となることもある。
【0070】
[0080]そこで、振動ゲート132と主計測ロール48との間の相対距離「D」(図1A)を、堆積されるスラリ46の厚さを変えるために調節することができる。ゲート132と計測ロール48との間のニップ距離「D」は、典型的には、約1/8〜約3/8インチ(約0.318〜約0.953cm)の距離で保たれる。しかし、これは、スラリ46の粘性及び厚さと、ウェブ26上に堆積すべきスラリの所望の厚さとに基づいて調節することができる。
【0071】
[0081]ウェブ26全体にわたるスラリ46の一様な性質を保証するために、スラリ46は、スラリ混合機又はリザーバ47の出口と流体連絡する第1の端部60(図1A)を有するホース56又は同様の管路を通してスラリ供給機44に送達される。ホース56の第2の端部62は、当技術分野でよく知られているタイプの横方向往復、ケーブル駆動、流体駆動分与装置64(図2)に接続される。したがって、ホース56から流れるスラリは、横方向往復運動で供給機44内に注入されて、ロール48、50とスラリ供給機44の側壁54とによって画定されるリザーバ57を充填する。計測ロール48の回転が、スラリ46の層をリザーバ57から引き出す。
【0072】
[0082]往復分与機構64は、より詳細には、全体を参照として本明細書に組み込む2006年11月1日出願の「PROCESS AND APPARATUS FOR FEEDING CEMENTITIOUS SLURRY FOR FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」という名称の米国特許出願第11/555647号(代理人整理番号APV31960/3991)と、全体を参照として本明細書に組み込むDubeyらの米国特許第6986812号とで説明されている。
【0073】
[0083]本発明の供給機装置44の別の特徴は、主計測ロール48と随伴ロール50とが共に同じ方向に駆動され、これが、それぞれの動く外面上でのスラリの尚早な硬化の可能性を最小にすることである。流体駆動モータ、電動機、又は他の適切なモータを含む駆動システム(図示せず)が、主計測ロール48又は随伴ロール50に接続されて、ロール(1つ又は複数)を同じ方向で駆動させ、この方向は、図1及び1Aで見たときに時計方向である。当技術分野でよく知られているように、ロール48、50の何れか一方が駆動されることがあり、他方のロールは、プーリ、ベルト、チェーン及びスプロケット、歯車、又は他の知られている動力伝達技術によって接続されることがあり、確動の共通の回転関係を維持する。
【0074】
[0084]外面70A上のスラリ46が、移動キャリアウェブ26に向けて移動するとき、スラリが全てウェブ上に堆積され、ニップ52に向けて上方に進んで戻らないことが重要である。そのような上方への進行は、ロール48、50上のスラリ46の尚早な硬化を助長することになり、リザーバ57からキャリアウェブ26へのスラリの滑らかな移動を妨げることになる。
【0075】
[0085]これを支援するために、スラリ供給機44は、主計測ロール48とキャリアウェブ26との間に位置されたドクターブレード134(図1A)を有して、比較的薄いスラリ46が連続カーテンとして完全に堆積されること、又はスラリのシートが、キャリアウェブ26から約1.0〜約1.5インチ(2.54〜3.81cm)の距離以内まで下に一様に向けられることを保証する。ドクターブレード134は、スラリ46が、キャリアウェブ26上の繊維ガラス繊維層を一様に覆い、ニップ52と供給機リザーバ57とに向けて上に逆戻りしないことを保証する。また、ドクターブレード134は、主計測ロール50が、尚早に硬化するスラリ46を有さないようにする助けとなる。
【0076】
[0086]ドクターブレード134は、初期のスラリ供給システムで使用されている従来技術ストリッピングワイヤに勝る改良部材であり、より薄いスラリがウェブ上にスラリの小滴として堆積できるようにした。
【0077】
[0087]ドクターブレード134は、スラリ供給機44の支持フレーム又は側壁54に装着された調節可能ピボット取付部に枢動可能に取り付けられたドクターブレードテンションアームに取り付けられたドクターブレード支持シャフト(図示せず)に取り付けられる。シャフト又はバーは、計測ローラ48の上方でスラリ供給機44の側壁54に装着される。ドクターブレード134は、シャフト又はバーに装着された第1の端部と、ドクターブレードテンションアームの自由端に装着された第2の端部とを有する引張ばねによって、ロール48に向けてバイアスされる。したがって、ドクターブレード134は、テンションアーム及び引張ばねによって計測ロール48の外面に隣接する位置に保たれる。ドクターブレード134の位置は、スラリ供給機44の支持フレーム又は側壁54に装着された調節可能ピボット取付部を調節することによって調節することができる。
【0078】
[0088]ドクターブレード134は、Dubeyらの米国特許第6986812号のプロセスで使用されるワイヤと同様に、計測ロール48の表面からスラリを除去する。また、ドクターブレード134は、スラリ46によって繊維ガラス層を一様に覆うために、スラリ46を収集して一様な層又はカーテンにする働きをして、ウェブの移動の方向で、ウェブ上の繊維ガラス層の上で約1.0〜1.5インチ(92.54〜3.81cm)の点までスラリ46を下方向に向ける。これは、繊維ガラス層を覆うためにより薄いスラリが使用される場合に特に重要であり、なぜなら、より薄いスラリは、ワイヤを伝って滴りやすいからである。
【0079】
[0089]ドクターブレード134は、より詳細には、全体を参照として本明細書に組み込む2006年11月1日出願の「PROCESS AND APPARATUS FOR FEEDING CEMENTITIOUS SLURRY FOR FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」という名称の米国特許出願第11/555647号(代理人整理番号APV31960/3991)で説明されている。
【0080】
スラリ供給装置の下流の処理
[0090]再び図1を参照すると、SCPパネル製造ラインの他の機能構成要素が簡潔に説明されているが、それらは、以下の文献でより詳細に説明されている。
【0081】
[0091]全体を参照として本明細書に組み込む「SLURRY FEED APPARATUS FOR FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENTITIOUS PANEL PRODUCTION」という名称の米国特許第6986812号。
【0082】
[0092]さらに、何れも全体を参照として本明細書に組み込む、本願と同時係属であり同一出願人の以下の米国特許出願。
【0083】
[0093]「MULTI−LAYER PROCESS AND APPARATUS FOR PRODUCING HIGH STRENGTH FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENTITIOUS PANELS」という名称のDubeyらの米国特許出願公開第2005/0064164A1号(出願番号第10/666294号)。
【0084】
[0094]「EMBEDMENT DEVICE FOR FIBER−ENHANCED SLURRY」という名称のPorterの米国特許出願公開第2005/0064055A1号(出願番号第10/665541号)。
【0085】
[0095]2006年11月1日出願の「PROCESS AND APPARATUS FOR FEEDING CEMENTITIOUS SLURRY FOR FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」という名称の米国特許出願第11/555647号(代理人整理番号APV31960/3991)。
【0086】
[0096]2006年11月1日出願の「APPARATUS AND METHOD FOR WET MIXING CEMENTITIOUS SLURRY FOR FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」という名称の米国特許出願第11/555658号(代理人整理番号APV31963/3994)。
【0087】
[0097]2006年11月1日出願の「PANEL SMOOTHING PROCESS AND APPARATUS FOR FORMING A SMOOTH CONTINUOUS SURFACE ON FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」という名称の米国特許出願第11/555661号(代理人整理番号APV31964/3995)。
【0088】
[0098]2006年11月1日出願の「WET SLURRY THICKNESS GAUGE AND METHOD FOR USE OF SAME」という名称の米国特許出願第11/555665号(代理人整理番号APV31965/3845)。
【0089】
[0099]2006年11月1日出願の「MULTI−LAYER PROCESS AND APPARATUS FOR PRODUCING HIGH STRENGTH FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENTITIOUS PANELS WITH ENHANCED FIBER CONTENT」という名称の米国特許出願第11/591793号(代理人整理番号2033.75722/3615A)。
【0090】
[0100]2006年11月1日出願の「EMBEDMENT ROLL DEVICE」という名称の米国特許第11/591957号(代理人整理番号2033.76667/3589A)。
【0091】
埋込みデバイス
[0101]バイブレータやシープスフートローラなどを含めた、しかしそれらに限定されない様々な埋込みデバイスが想定されるが、本発明の実施形態では、埋込みデバイス70は、フレーム12上のキャリアウェブ14の進行方向に対して横方向に取り付けられた概して平行な少なくとも1対のシャフト76を含む。各シャフト76は、複数の比較的大きな直径のディスク76を設けられ、これらは、小さな直径のディスク(図示せず)によってシャフト上で互いに軸方向で離隔されている。
【0092】
[0102]SCPパネル製造中、シャフト76とディスク74とが、シャフト76の長手方向軸の周りで一体に回転する。当技術分野でよく知られているように、シャフト76の何れか一方又は両方が動力供給されることがあり、一方のみが動力供給される場合、他方は、駆動されるシャフトに対応する方向及び速度を保つように、ベルト、チェーン、歯車駆動、又は他の既知の動力伝達技術によって駆動されることがある。隣接する好ましくは平行なシャフト76のそれぞれのディスク74は、互いに重なって噛み合わされて、スラリに「混練」又は「マッサージング」作用を生み出し、スラリが、先に堆積された繊維68を埋め込む。さらに、ディスク74の近接、噛み合い、及び回転関係は、ディスク上でのスラリ46の蓄積を防止し、実際上、「自己洗浄」作用を生み出し、この作用は、スラリの集塊の尚早な硬化による製造ラインダウンタイムを大幅に短縮する。
【0093】
[0103]シャフト76でのディスク74の噛み合い関係は、小さな直径のスペーサディスク(図示せず)と比較的大きな直径の主ディスク74との向かい合う周縁の極めて隣接した配置を含み、これもまた、自己洗浄作用を促進する。ディスク74が、極めて近位で互いに関して(しかし、好ましくは同じ方向に)回転するので、スラリの粒子が装置内に捕捉されて、尚早に硬化するのは難しい。互いに関して横方向でずらされた2組のディスク74を提供することによって、スラリ46が複数回の破壊作用を受け、スラリ46中に繊維68をさらに埋め込む「混練」作用を生み出す。
【0094】
[0104]製造ライン10で使用するのに適した埋込みデバイス70の一実施形態は、より詳細には、全体を参照として本明細書に組み込む2003年9月18日出願の「EMBEDMENT DEVICE FOR FIBER−ENHANCED SLURRY」という名称の本願と同時係属の米国特許出願第10/665541号(米国特許出願公開第2005/0064055号)に開示されている。
【0095】
[0105]製造ライン10で使用するのに適した埋込みデバイスの別の実施形態は、2006年11月1日出願の「MULTI−LAYER PROCESS AND APPARATUS FOR PRODUCING HIGH STRENGTH FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENTITIOUS PANELS WITH ENHANCED FIBER CONTENT」という名称の米国特許出願第11/591793号(代理人整理番号2033.75722/3615A)と、2006年11月1日出願の「EMBEDMENT ROLL DEVICE」という名称の米国特許第11/591957号(代理人整理番号2033.76667/3589A)とに開示され、どちらの特許文献も全体を参照として本明細書に組み込む。
【0096】
追加の層の塗布
[0106]繊維68が埋め込まれると、パネル92の第1の層77が完成する。好ましい実施形態では、第1の層77の高さ又は厚さは、概ね0.05〜0.15インチの範囲内にある。この範囲は、SCPパネルにおいて同様の層と組み合わされるときに所望の強度及び剛性を提供することが判明している。しかし、SCPパネルの最終的な所期の使用に応じて、他の厚さも想定される。
【0097】
[0107]所望の厚さの構造用セメントパネルを構築するために、典型的には、追加の層が追加される。このために、供給機44と実質的に同一の第2のスラリ供給機78が、移動キャリア14と動作関係で提供され、既存の層77の上にスラリ46の追加層80を堆積するために配設される。
【0098】
[0108]次に、チョッパ36及び66と実質的に同一の追加のチョッパ82が、フレーム12と動作関係で提供されて、ラック31と同様に、フレーム12に関して構成及び配設されたラック(図示せず)から提供される繊維68の第3の層を堆積する。繊維68は、スラリ層80の上に堆積され、第2の埋込みデバイス86を使用して埋め込まれる。埋込みデバイス70に関する構成及び配置と同様に、第2の埋込みデバイス86は、移動キャリアウェブ14よりもわずかに高く取り付けられ、それにより第1の層77は乱されない。このようにして、スラリと埋め込まれた繊維との第2の層80が作成される。
【0099】
[0109]次に図1及び1cを参照すると、硬化性スラリと繊維との各連続層について、追加のスラリ供給機ステーション78と、それに続く繊維チョッパ82及び埋込みデバイス86とが、製造ライン10上に提供される。好ましい実施形態では、計4つの層77、80、88、90が、SCPパネル92を形成するために提供される。
【0100】
[0110]本発明の重要な特徴は、パネル92が、複数の層77、80、88、90を有し、それらの層は、硬化時に、一体の繊維強化された質量を形成することである。本明細書に開示されて説明されるように、各層での繊維の存在及び配置が特定の所望のパラメータによって制御され、そのパラメータ範囲内で維持されるという条件の下では、本発明のプロセスによって製造されるパネル92を剥離することはほぼ不可能である。
【0101】
形成と平滑化と切断
[0111]上述したように、繊維を埋め込まれた硬化性スラリの4つの層を堆積した後、整形デバイスがフレーム12に提供されることがあり、パネル92の上面96を形作る。
【0102】
[0112]しかし、過剰な厚さのSCPパネル材料を擦り取る整形デバイスは望ましくない。例えば、所望の寸法特性に合うようにパネルを適合させるように設計されたばね式又は振動プレート、或いは振動水平化スクリードなどの整形デバイスは、過剰な厚さのSCPパネル材料を擦り取るので、SCP材料には使用されない。そのようなデバイスは、パネル表面を効果的には擦り取らない、又は平坦化しない。それらのデバイスにより、繊維ガラスが巻き上がり始め、パネルの表面を平坦化及び平滑化するのではなくパネルの表面を損なうことがある。
【0103】
[0113]特に、製造ライン10は、ばね式デバイス及び振動水平化スクリードではなく、パネル92の上面96を穏やかに平滑化するためにフレーム12に提供される振動シュラウド144とも呼ばれる平滑化デバイスを含むことがある。平滑化デバイス144は、取付スタンド146(図1)と、取付スタンドに固定された可撓性シート148と、シート148の幅を延長する補強部材150B(図6)と、シート148を振動させるために好ましくは補強部材150Bの上に位置される振動発生器(バイブレータ150)とを含む。シート148は、U字形上部148Bを設けられた第1の直立壁148Aと、湾曲壁148Cと、第2の直立壁148Dとを有する。U字形上部148Bは、支持バー146Aを揺動支持する。バイブレータ150は、空気圧ホース150Aによって動力供給される。平滑化デバイス144の湾曲パネル148Cは、支持バー146Aに枢動可能に装着された上流端部を有し、支持バー146Aはさらに、製造ライン10上の取付部146に装着される。湾曲パネル148Cは、下流後端部を有し、この端部は、その下を通るSCP材料の最上層に接触する。望みであれば、平滑化デバイス144は、スラリの最上層を水平化する補助となるように分銅159を設けられる。平滑化デバイス144は、最終埋込みステーション86の後に提供されることがあり、又は平滑化デバイスは、各埋込みステーション70、86の後に提供されることがある。
【0104】
[0114]補強部材150Bは、平滑化シートを補強するように機能するだけでなく、この補強部材に振動ユニットを取り付けることによって、デバイスの長さにわたって振動をより均等に分散する。例えば、補強部材を用いずに振動ユニットを平滑化シートに(例えば中央に)直接取り付ける場合、振動ユニットからの振動は、取付点に非常に局所化されることになり、シートの縁部では振動が比較的小さくなる。これは、振動ユニットを補強部材150B以外の場所には取り付けることができないということではないが、補強部材は、典型的には存在し、振動を等しく分散するという好適な働きをするので、好ましい位置であるということである。
【0105】
[0115]スラリ46に振動を加えることによって、平滑化デバイス144は、パネル92全体にわたる繊維30、68の分散を促進し、より一様な上面96を提供する。
【0106】
[0116]振動シュラウド144としても知られている整形デバイスに関するさらなる詳細は、全体を参照として本明細書に組み込む2006年11月1日出願の「PANEL SMOOTHING PROCESS AND APPARATUS FOR FORMING A SMOOTH CONTINUOUS SURFACE ON FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」という名称の米国特許出願第11/555661号(代理人整理番号APV31964/3995)によって開示されている。
【0107】
[0117]当技術分野で通常知られているように、他の整形デバイスも想定される。しかし、平滑化デバイス144は、有利には、キャリアウェブ26からのSCPパネルの一部分を破壊又は裂傷するのを回避する。過剰なSCP材料を擦り落とす整形デバイスは、パネル製品が整形されたときにパネル製品の繊維性質によりSCP材料を破壊又は断裂するので、採用されない。
【0108】
[0118]この時点で、スラリの層が硬化し始め、それぞれのパネル92が、切断デバイス98によって互いに分離され、切断デバイス98は、典型的な実施形態では、ウォータージェットカッターである。動翼を含めた他の切断デバイスは、それらが本発明のパネル組成物に適切に鋭利な縁部をもたらすことができるという条件の下で、この操作に適切であるとみなされる。切断デバイス98は、所望の長さを有するパネルが製造されるようにライン10及びフレーム12に関して配設され、所望の長さは、図1に示される図示とは異なることがある。キャリアウェブ14の速度は比較的遅いので、切断デバイス98は、ウェブ14の進行方向に垂直に切断するように取り付けることができる。製造速度がより速い場合、そのような切断デバイスは、ウェブ進行方向に対してある角度で製造ライン10に取り付けられることが知られている。切断後、分離されたパネル92は、当技術分野でよく知られているさらなる取扱い、梱包、保管、及び/又は搬送のために積み重ねられる。
【0109】
[0119]製造ライン10は、少なくとも4つの層77、80、88、及び90(図1c)を製造するのに十分な繊維細断ステーション36、66、82と、スラリ供給機ステーション44、78と、埋込みデバイス70、86とを含む。製造ライン10に関して上述したステーションの反復によって、追加の層を作成することもできる。
【0110】
[0120]SCPパネル92の作成後、整形デバイス94によって関与された後でさえ、パネルの下側102又は底面が、上側又は上面96よりも滑らかであることがある。幾つかの場合には、パネル92の用途に応じて、滑らかな面と、比較的粗い面とを有することが好ましいことがある。しかし、他の用途では、両方の面96、102が滑らかであるボードを有することが望ましいことがある。滑らかなテクスチャは、滑らかなキャリア14又はキャリアウェブ26とのスラリの接触によって生成される。
【0111】
[0121]2006年11月1日出願の「MULTI−LAYER PROCESS AND APPARATUS FOR PRODUCING HIGH STRENGTH FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENTITIOUS PANELS WITH ENHANCED FIBER CONTENT」という名称の米国特許出願第11/591793号(代理人整理番号2033.75722/3615A)に開示されているように、両方の面又は側面が滑らかなSCPパネルを得るために、上面96と下面102との両方が、キャリア14又は解放ウェブ26に向き付けて整形されることがある。
【0112】
[0122]別の代替形態(図示せず)は、一方又は両方の面又は側面96、102を研磨することである。
【0113】
[0123]本発明の別の特徴は、得られるSCPパネル92が、パネル全体にわたって繊維30、68が一様に分散されるように構成されることである。これは、比較的少量でより効率的な繊維の使用による比較的強いパネルの製造を可能にすることが判明している。各層でのスラリの体積に対する繊維の体積分率は、好ましくは、概ねスラリ層77、80、88、90の約1体積%〜5体積%、好ましくは1.5体積%〜3体積%の範囲を占める。望みであれば、外層77、90は、内層80、88の何れか又は両方よりも高い体積分率を有してよい。
【0114】
製造ラインの第2の実施形態
[0124]スラリ46全体にわたって分散されるある体積分率のばらばらの繊維の組込みは、所望のパネル強度を得るのに重要な因子である。したがって、そのような繊維を組み込む効率の改善が望まれる。図1に示されるシステムは、幾つかの場合には、十分な繊維体積分率を有するSCPパネルを得るために、余剰な数のスラリ層を必要とすると考えられる。
【0115】
[0125]したがって、スラリ層当たり比較的高い体積の繊維を組み込む高性能の繊維強化SCPパネルを製造するための代替SCPパネル製造ライン又はシステムが図6に例示され、全体を参照番号130で表される。多くの場合、パネル当たりの繊維のレベルの増加が、このシステムを使用して得られる。図1のシステムは、初期層の後に堆積される各後続のスラリ個別層内に単一の繊維個別層を堆積することを開示するが、製造ライン130は、所望のパネル厚さを得るために、各個別スラリ層内に複数の個別強化繊維層を構築する方法を含む。最も好ましくは、開示されるシステムは、単一の操作で、個々のスラリ個別層に少なくとも2つの強化繊維個別層を埋め込む。個別強化繊維は、適切な繊維埋込みデバイスを使用してスラリ個別層に埋め込まれる。
【0116】
[0126]より具体的には、図6で、システム130で使用され、図1のシステム10と共用される構成要素が、同一の参照番号で表される。それらの構成要素の上述の説明がここでも適用可能であるとみなされる。さらに、図6に関連して説明される装置は、後付けで図1のものに組み込まれてよく、又は新たな構成であってもよいと想定される。
【0117】
[0127]また、図6のシステム130は、2006年11月1日出願の「MULTI−LAYER PROCESS AND APPARATUS FOR PRODUCING HIGH STRENGTH FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENTITIOUS PANELS WITH ENHANCED FIBER CONTENT」という名称の米国特許出願第11/591793号(代理人整理番号2033.75722/3615A)の上部デッキ106を設けられることもあると想定される。
【0118】
[0128]代替システム130では、SCPパネル製造は、ばらばらの細断された繊維30の第1の層をウェブ26上に堆積することによって開始される。次に、スラリ供給ステーション又はスラリ供給機44が、遠隔混合機47からスラリ46の供給分を受け取る。
【0119】
[0129]混合機47及びスラリ46は、この実施形態では、図1の製造ライン10で使用されるものと同じであると想定される。
【0120】
[0130]また、スラリ供給機44も基本的には同じであり、主計測ロール48とバックアップロール50とを含み、ニップ52を形成し、側壁54を有する。適切な層厚さは、約0.05インチ〜0.35インチ(0.13〜0.9cm)の範囲である。例えば、公称3/4インチ(1.9cm)の厚さの構造用パネルを製造するために、4つの層が好ましく、特に好ましいスラリ層厚さは、本発明のプロセスによって製造される好ましい構造用パネルでは約0.25インチ(0.64cm)未満である。
【0121】
[0131]図1A及び6を参照すると、スラリ46は、横方向往復、ケーブル駆動、流体駆動分与装置58内に位置されたホース56を通して供給機44に送達される。したがって、ホース56から流れるスラリは、横方向往復運動で供給機44内に注入されて、ロール48、50と側壁54とによって画定されるリザーバ57を充填する。したがって、計測ロール48の回転が、スラリ46の層をリザーバから引き出す。
【0122】
[0132]システム130は、好ましくは、上述した振動ゲート132を設けられ、この振動ゲート132は、堆積又は計測ロール48上へのスラリを計測する。振動によって、ゲート132は、ヘッドボックス44の隅での多量の蓄積を防止し、振動なしで提供されたものよりも一様で厚いスラリの層を提供する。
【0123】
[0133]振動ゲート132を追加した場合でさえ、主計測ロール48とバックアップロール50とは、キャリア14及びキャリアウェブ26の運動方向と同じ進行方向「T」で回転駆動され、これが、それぞれの動く外面上でのスラリ46の尚早な硬化の可能性を最小にする。
【0124】
[0134]主計測ロール48の外面62上のスラリ46がキャリアウェブ26に向けて移動するとき、上述したばね式ドクターブレード134が提供され、このドクターブレード134は、スラリ46を主計測ロール48から引き離して、移動ウェブ26上にスラリ46を堆積する。ドクターブレード134は、キャリアウェブ26から約1.5インチ以内まで下がった直接的な経路をスラリ46に与え、途切れのないスラリのカーテンをウェブ又は形成ライン上に連続的に堆積できるようにし、これは、均質なパネルを製造するのに重要である。
【0125】
[0135]ゲート132及びドクターブレード134のさらなる詳細は、全体を参照として本明細書に組み込む2006年11月1日出願の「PROCESS AND APPARATUS FOR FEEDING CEMENTITIOUS SLURRY FOR FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」という名称の、本願と同一出願人の同時係属の米国特許出願第11/555647号(代理人整理番号APV31960/3991)に与えられている。
【0126】
[0136]好ましくはチョッパ36と同一の第2のチョッパステーション又は装置66が、供給機44の下流に配設されて、繊維68の第2の層をスラリ46上に堆積する。チョッパ装置66は、チョッパ36に供給するのと同じラック31からコード34を供給されることがある。しかし、各個のチョッパに別個のラック31を供給することができることも想定される。
【0127】
[0137]再び図6を参照すると、次に、全体を参照番号136で表される埋込みデバイスが、スラリ46と、製造ライン130の移動キャリア14とに動作関係で配設されて、繊維30、68の第1及び第2の層をスラリ46中に埋め込む。バイブレータやシープスフートローラなどを含めた、しかしそれらに限定されない様々な埋込みデバイスが想定されるが、好ましい実施形態では、埋込みデバイス136は、埋込みデバイス70と同様であり、ただし、隣接するシャフト138の重なりが約0.5インチの範囲に減少されている点が異なる。また、ディスク140の数が減少されており、ディスクは、実質的により厚い。さらに、隣接シャフト138の隣接する重畳ディスク140間に、0.010〜0.018インチ程度のより狭い間隔又は隙間が存在し、繊維が隣接ディスク間に詰まるのを防止する。
【0128】
[0138]埋込みデバイス136のさらなる詳細は、全体を参照として本明細書に組み込む2006年11月1日出願の「EMBEDMENT ROLL DEVICE」という名称の本願と同時係属の同一出願人による米国特許出願第11/591957号(代理人整理番号2033.76667/3589A)で見られる。その他の点では、埋込みデバイス136は、デバイス70と同様の混練作用を提供し、スラリ46内部に繊維30、68を埋め込む又は完全に混合するという目的を有する。
【0129】
[0139]スラリ46内への繊維30、68の埋込みをさらに向上させることが望まれる場合、各埋込みデバイス136で、フレーム12が、スラリ46を振動させるために、キャリアウェブ14又はペーパーウェブ26の近位で動作する少なくとも1つのバイブレータ141を設けられる。そのような振動は、細断された繊維30、68をスラリ46全体にわたってより一様に分散することが判明している。従来のバイブレータデバイスが、この用途に適していると考えられる。
【0130】
[0140]図6に見られるように、スラリ46の層それぞれに関して繊維30、68の層が複数ある本発明のシステム130を実施するために、追加の細断ステーション142が、埋込みデバイス136と後続のスラリ供給機ボックス78との間に提供され、それにより、スラリ46の層それぞれに関して、スラリの堆積の前及び後に繊維30、68が堆積される。この改良形態は、スラリ中へのかなり多くの繊維の導入を可能にし、したがって得られるSCPパネルの強度を高めることが判明している。好ましい実施形態では、3つのみが図示されているが、組み合わされたスラリと繊維との計4つの層が、SCPパネル92を形成するために提供される。
【0131】
[0141]上述したように繊維を埋め込まれた硬化性スラリの4つの層を堆積した後、好ましくは、平滑化デバイス又は振動シュラウド144などの整形デバイスがフレーム12に提供されて、パネル92の上面96を形作る又は平滑化する。スラリ46に振動を加えることによって、平滑化デバイス144は、パネル92全体にわたる繊維30、68の分散を促進し、より一様な上面96を提供する。平滑化デバイス144は、取付スタンド146と、取付スタンドに固定された可撓性シート148と、シート148の幅を延長する補強部材149と、シートを振動させるために好ましくは補強部材の上に位置される振動発生器150とを含む。
【0132】
[0142]上述したように、本発明の重要な特徴は、パネル92が、複数の層77、80、88、90を有し、それらの層が、硬化時に、一体の繊維強化質量を形成することである。各層での繊維の存在及び配置が、以下に開示されて説明される特定の所望のパラメータによって制御され、そのパラメータ範囲内で維持されるという条件の下では、本発明のプロセスによって製造されるパネル92を剥離することはほぼ不可能である。
【0133】
[0143]各個の個別スラリ層と共に2つの強化繊維個別層を利用することが、以下の利益を提供する。第1に、スラリ層内に組み込むべき繊維の総量を2つ以上の個別繊維層に分割することが、各個別繊維層内の繊維の量をそれぞれ減少する。個々の個別繊維層内の繊維の量の減少は、スラリ層内への繊維の埋込みの効率を高める。さらに、繊維埋込み効率の向上は、繊維とセメントマトリックスとの間の優れた界面結合及び機械的相互作用をもたらす。
【0134】
[0144]次に、複数の強化繊維個別層を利用することによって、より多量の強化繊維を各スラリ層内に組み込むことができる。これは、スラリ層内への繊維の埋込みの容易さが、個別繊維層内の繊維の総表面積に依存することが判明しているという知見によるものである。個別繊維層内の繊維の量が増加して、スラリ層内に埋め込むべき繊維の表面積の増加をもたらすにつれて、スラリ層内への繊維の埋込みは一層難しくなる。個別繊維層内の繊維の総表面積が臨界値に達するとき、スラリ層内への繊維の埋込みはほぼ不可能になることが判明している。これは、スラリ個別層に正常に組み込むことができる繊維の量に上限を課す。個別スラリ層内に組み込むべき所与の総量の繊維に関して、複数の個別繊維層の使用が、各個別繊維層内の繊維の総表面積を減少させる。(複数の個別繊維層の使用によってもたらされる)繊維表面積のこの減少は、さらに、スラリ個別層内に正常に埋め込むことができる繊維の総量を増加できる可能性を提供する。
【0135】
[0145]さらに、複数の個別繊維層の使用が、パネル厚さにわたる繊維の分散に関する大きな融通性を与える。個々の個別繊維層内の繊維の量は、所望の目的を実現するように変えることができる。「サンドウィッチ」構成の最終的な形成は、より多数の個別繊維層の存在によって非常に容易にされる。繊維層がパネル肌面付近でより大量の繊維を有し、パネルコア付近の繊維層ではより少量の繊維を有するパネル構成が、製品強度とコスト最適化との両方の観点から特に好ましい。
【0136】
[0146]定量的な観点では、繊維及びスラリ層の数と、パネル内の繊維の体積分率と、各スラリ層の厚さと、繊維ストランド直径とが繊維埋込み効率に及ぼす影響が研究され、本発明のシステム130の一部として確立されている。2つの個別繊維層と1つの個別スラリ層とを含む場合に関する射影繊維表面積分率の概念に関する数学的処理を、以下に紹介して導出する。個別繊維層の射影繊維表面積分率が値1.0を超える場合、スラリ層内に繊維を埋め込むのはほぼ不可能であることが判明している。射影繊維表面積分率が1.0未満となるときには繊維を埋め込むことができるが、最良の結果は、射影繊維表面積分率が0.65未満であるときに得られる。射影繊維表面積分率が0.65〜1.00の間の範囲にあるとき、繊維埋込みの効率及び容易性は変化し、0.65で繊維埋込みが最良であり、1.00で最悪である。この分率を考察する別の様式は、スラリの表面の約65%が繊維によって覆われると考えるものである。
【0137】
[0147]v=基本繊維スラリ層の総体積
f,t=総繊維体積/層
f1=基本繊維スラリ層の個別繊維層1内の繊維の体積
f2=基本繊維スラリ層の個別繊維層2内の繊維の体積
s,t=基本繊維スラリ層内のスラリの体積
f,t=基本繊維スラリ層内の繊維の総体積分率
=個々の繊維ストランドの直径
=個々の繊維ストランドの長さ
=スラリと繊維とを含む個々の層の総厚さ
s,t=基本繊維スラリ層でのスラリ層厚さ
=基本繊維スラリ層の層1での繊維体積に対する層2での繊維体積の比
f,t、nf1,t、nf2,t=繊維層内の繊維の総数
【数6】


【数7】


とする。
【0138】
[0148]1つの個別スラリ層と2つの個別繊維層とから構成される繊維層/スラリ層/繊維層サンドウィッチの構成における繊維層に関する射影繊維表面積分率を求めるために、以下の関係が導出される。
【0139】
[0149]スラリ層の体積が、vs,tに等しく、
層1内の繊維の体積が、vf1に等しく、
層2内の繊維の体積が、vf2に等しく、
基本繊維スラリ層内の繊維の総体積分率が、Vf,tに等しく、
基本繊維スラリ層の総厚さが、tに等しく、
スラリ層の厚さが、ts,tに等しいとし、
繊維の総体積(すなわち層1及び層2内の繊維)が、vf,tに等しいとすると、
f,t=vf1+vf2 (1)
であり、
【数8】


である。
【0140】
[0150]基本繊維スラリ層の総体積v
スラリ層の総体積+2つの繊維層の総体積=
s,t+vf,t=vs,t+vfl+vf2 (3)
とする。
【0141】
[0151]式(1)と(2)とを組み合わせると
【数9】


となる。総繊維体積分率に関する基本繊維スラリ層の総繊維体積は、
f,t=vf,t (5)
と書くことができる。したがって、層1での繊維の体積は、
【数10】


と書くことができる。
【0142】
[0152]同様に、層2での繊維の体積は、
【数11】


と書くことができる。円筒形状を有する繊維を仮定すると、層1内の繊維の総数nf1,tは、式6から以下のように導出することができる。
【数12】


ここで、dは、繊維ストランド直径であり、lは、繊維ストランド長さである。
【0143】
[0153]同様に、層2での繊維の総数nf2,tは、式7から以下のように導出することができる。
【数13】

【0144】
[0154]円筒形繊維の射影表面積は、その長さと直径との積に等しい。したがって、層1内の全ての繊維の総射影表面積
【数14】


は、
【数15】


と導出することができる。
【0145】
[0155]同様に、層2内の繊維の総射影表面積
【数16】


は、
【数17】


と導出することができる。
【0146】
[0156]スラリ層の射影表面積
【数18】


は、
【数19】


と書くことができる。繊維層1の射影繊維表面積分率
【数20】


は、以下のように定義される。
【数21】

【0147】
[0157]式10と式12とを組み合わせると、繊維層1の射影繊維表面積分率
【数22】


は、
【数23】


と導出することができる。
【0148】
[0158]同様に、式11と式12とを組み合わせると、繊維層2の射影繊維表面積分率
【数24】


は、式(15)と導出することができる。
【数25】

【0149】
[0159]式14と式15とは、パラメータ射影繊維表面積分率
【数26】


及び
【数27】


が、変動する総繊維体積分率Vf,tに加えて、幾つかの他の変数に依存することを示す。これらの変数は、繊維ストランドの直径、個別スラリ層の厚さ、及び個々の個別繊維層内の繊維の量(比)である。
【0150】
[0160]セメントスラリ層の上に敷かれた繊維網の層の埋込み効率は、パラメータ「射影繊維表面積分率」の関数であることが、実験観察から確認されている。射影繊維表面積分率がより小さくなればなるほど、スラリ層内への繊維層の埋込みがより簡単になることが判明している。良好な繊維埋込み効率の理由は、繊維網の層内の開き領域又は有孔率の大きさが射影繊維表面積分率の減少と共に増加することによって説明することができる。より大きな開き領域が利用できるとき、繊維網の層を通るスラリ貫通が増長され、これが繊維埋込み効率の向上につながる。
【0151】
[0161]したがって、良好な繊維埋込み効率を実現するために、目的関数が、繊維表面積分率をある臨界値未満に保つ。式15に現れる1つ又は複数の変数を変えることによって、良好な繊維埋込み効率を実現するために射影繊維表面積分率を調整することができることが重要である。
【0152】
[0162]良好な繊維埋込み効率を実現するために、射影繊維表面積分率の大きさに影響を及ぼす様々な変数が識別され、「射影繊維表面積分率」の大きさを調整するための幾つかの手法が提案されている。これらの手法は、射影繊維表面積分率を臨界しきい値未満に保つために以下の変数の1つ又は複数を変えることを含む。すなわち、別個の繊維及びスラリ層の数、別個のスラリ層の厚さ、及び繊維ストランドの直径。
【0153】
[0163]この基本作業に基づいて、射影繊維表面積分率
【数28】


の好ましい大きさは、以下のように知られている。
【数29】

【0154】
[0164]設計パネル繊維体積分率V、例えば、各スラリ層で1〜5%のパーセンテージ繊維体積含有量に関して、前述の好ましい射影繊維表面積分率の大きさの実現は、以下の変数の1つ又は複数を調整することによって可能にすることができる。すなわち、別個の繊維層の総数、別個のスラリ層の厚さ、及び繊維ストランド直径。特に、好ましい射影繊維表面積分率の大きさをもたらすこれらの変数に関する所望の範囲は、以下のようである。
別個のスラリ層の厚さs,t
好ましい別個のスラリ層の厚さts,t≦0.35インチ
より好ましい別個のスラリ層の厚さts,t≦0.25インチ
最も好ましい別個のスラリ層の厚さts,t≦0.15インチ
繊維ストランド直径
好ましい繊維ストランド直径d≧30tex
最も好ましい繊維ストランド直径d≧70tex
【実施例】
【0155】
実施例1
[0165]次に図1Cを参照すると、SCPパネル92の断片が、繊維とスラリとから形成される。スラリのセメント部分は、65重量%の硫酸カルシウムα半水和物と、22重量%のタイプIIIポルトランドセメントと、12重量%のシリカヒュームと、1重量%の消石灰とを含む。スラリの液体部分は、99.19重量%の水と、0.81重量%のW.R.Grace and Co.によるADVACAST高性能減水剤とを含む。液体:セメント重量比は、0.55であり、骨材(EXTENDOSPHERES SG微小球):セメント重量比は、0.445であった。
【0156】
[0166]スラリは、本発明のシステムを使用して本発明のプロセスに従って生成され、4つのスラリ層77、80、88、及び90を有するものとして示されている。本発明のシステムによって製造されるパネル92は1つ又は複数の層を有することがあるので、このパネルは単に例示的なものとみなすべきである。上の数学的関係を使用することによって、スラリ層77、80、88、及び90は、様々な繊維体積分率を有することができる。例えば、肌面又は表面層77、90は、指定された5%の繊維体積分率Vを有し、一方、内層80、88は、指定された2%のVを有する。これは、高い外側強度と、比較的低い強度を有する内側コアとを有するパネルを提供し、このパネルは、特定の用途で望ましいことがあり、又はコスト面で繊維を節約する。層の数と同様に、繊維体積分率Vを、用途に適するように層77、80、88、90毎に変えることができると想定されている。
【0157】
[0167]また、繊維含有量の変更は、各スラリ層内で達成することができる。例えば5%の繊維体積分率Vの場合、例えば、繊維層1が、指定された3%のスラリ体積分率を任意に有し、繊維層2が、指定された2%の繊維体積分率を任意に有する。したがって、Xは、3/2である。
【0158】
[0168]次に表1を参照すると、パネルは、図6のシステムを使用して、且つ上述のスラリ組成から上述の射影繊維表面積分率の式を使用して製造された。パネル厚さは、0.5〜0.82インチの範囲であった。個々のスラリ層の厚さは、0.125〜0.205の範囲であった。総繊維体積分率Vは、2.75〜4.05%の範囲であった。パネル1では、図1Cに関連して上述したように、外側繊維層1及び8は、総パネル体積の関数としての体積分率(%)が、内層での0.43%に比べて比較的高く、0.75%であり、射影繊維表面積分率は、外層1及び8での0.63%から内層2〜7での0.36%の範囲であった。対照的に、パネル4は、全ての繊維層に関して0.50の同じ体積分率%を有し、全ての繊維層に関して0.42%の同様に一定の射影繊維表面積分率を有した。全ての試験パネルが優れた繊維埋込みを有することが分かった。興味深いことに、パネル1は、パネル4よりもわずかだけ低い曲げ強度を有し、それぞれ3401/3634psiであった。
【0159】
[0169]本発明のシステム130では、それぞれ独自の繊維表面積分率を有する繊維層の数を増加することによって、同数のスラリ層を必要とせずに、より多くの繊維を各スラリ層に追加することができる。上のプロセスを使用して、パネル92は、従来のパネルと比べて、同じ直径の同数の繊維を含み、より少数のスラリ層を含んで、同じ厚さを有することができる。したがって、得られるパネル92は、強度が増強された層を有し、しかし、より少ないエネルギー及び資本の機器を使用するより短い製造ラインにより、製造がより安価になる。
【表1】

【0160】
実施例2
[0170]垂直混合チャンバの様々な実施形態における湿式スラリの滞留時間は、スラリに添加された赤色色素トレーサが垂直チャンバから完全に出るまでの滞留時間を求めることによって実験的に求められている。水と粉末とのスラリが垂直チャンバに入るときにそのスラリに添加された赤色色素トレーサを使用して、垂直混合チャンバ内での滞留時間を求めるために試験が行われた。セメントスラリは、実施例1に関して上述したのと実質的に同じ組成を有した。
【0161】
[0171]使用された機器は、スラリを計量するためのデジタルスケールと、スラリを捕捉するためのバケットと、様々な点の経過時間を測定するためのストップウォッチとであった。混合機は、12インチ混合機、8インチ伸張混合機、及び8インチストック混合機として表2〜4に列挙される3つの異なる混合チャンバ設計を有して使用された。
【0162】
[0172]8インチストック混合機は、本発明の図3Aのものと同様のDUO MIX 2000混合機であるが、少なくとも、垂直混合チャンバがより短く、混合チャンバ内でスラリが混合される作業体積がより小さい点で異なる。作業体積は、通常動作時にスラリが占有する混合機部分である。
【0163】
[0173]8インチ伸張混合機は、本発明の図3Aに示されるタイプのものである。これは、少なくとも、その垂直チャンバが、比較的大きな作業体積を提供するように伸張されたので、8インチストック混合機とは異なる。
【0164】
[0174]12インチ混合機は、2006年11月1日出願の「APPARATUS AND METHOD FOR WET MIXING CEMENTITIOUS SLURRY FOR FIBER−REINFORCED STRUCTURAL CEMENT PANELS」という名称の米国特許出願第11/555658号(代理人整理番号APV31963/3994)で開示されている。これは、幾つかのバックエンド構成要素を8インチストック混合機と共用するが、異なる垂直混合チャンバ及び他の相違点を有する。
【0165】
[0175]6〜8インチ(15〜20cm)スランプの一貫したスラリ流動性を実現して維持した後、共通の煉瓦色素(トレーサ)の液体溶液が、設定された混合機出力速度(例えば、初めは60%)で垂直チャンバに加えられた。混合機出力速度は、パドル速度及びポンプ速度に直接関連付けられる。これらの混合機は、1〜10段階速度制御装置を有した。基本的には、設定1=約45RPMであり、設定10=約260RPMである。
【0166】
[0176]色素が添加されたときに、ウォッチがスタートされた。赤色着色スラリが初めにホースから出た時間が記された(T1)。同様に、赤色色素がスラリをもはや目に見えるほど着色しなくなった時間が記された(T2)。このプロセスが、様々なポンプ出力速度で繰り返され、全ての様々な混合機チャンバ設計で再び繰り返された。全ての場合に、所与のポンプ速度でホースの特定の長さを通してスラリをポンプするのに必要な時間量だけ、値が低下された。これは、スラリがホースを通って進むのにかかる時間を効果的に排除し、様々なチャンバ設計間でのより正確な比較を可能にした。
【0167】
[0177](各端部で開き、平坦で滑らかな面上に一端を配置された)高さが4’’である直径2インチのシリンダ内にスラリを注入し、スラリの上部を敷きならすことによって、スランプが測定された。これは、試験毎にスラリの設定体積を提供する。次いで、シリンダが即座に引き上げられ、スラリが、シリンダの開いた底端部から奔出した。この作用は、スラリの円形「パテ」を形成した。このパテの直径が、インチ単位で測定されて記録された。典型的には、より多くの流体スラリが、より大きな直径のパテをもたらす。
【0168】
[0178]表2は、色素の添加(T0)から、色素が最初に見られる時間(T1)まで、さらに最終的には色素がもはや見えなくなる時間(T2)までに経過した時間を示す。色素が最初に見える時間(T1)が、色素がもはや見えなくなるまでの時間(T2)から差し引かれて、総滞留時間を得て、これらの値が表3に示される。表4は、スラリ流量を作業体積で割った値として計算されるこの実施例の稼動の平均滞留時間(垂直チャンバが空になるまでの時間)を列挙する。
【表2】


【表3】


【表4】

【0169】
[0179]表2及び3において、インチの値は、混合チャンバの公称ODを表す。8インチストック混合機は、比較実施例である。混合チャンバの全長は、以下のようである。8インチストック混合機:高さ17インチ、作業高さ(スラリの深さ)約5インチ;8インチ伸張混合機:高さ25インチ、作業高さ(スラリの深さ)約14インチ;12インチ混合機:高さ25インチ、作業高さ(スラリの深さ)約13インチ。
【0170】
[0180]混合機出力速度は、混合機羽根車の速度を表し、同じモータが羽根車パドルと放出ポンプとに動力供給するので、レート材料が、混合機を通って流れている。
【0171】
[0181]8インチ伸張混合機又は12インチ混合機の総滞留時間を8インチストック混合機と比較すると、混合機体積を増加することによって見られる滞留時間の大幅な増加が示される(任意のポンプ速度(60%、80%、又は100%)で)。また、色素が最初に見える時間は、色素(又はスラリ)がチャンバに入ってから色素(又はスラリ)が最初に混合機から出始めるまでに経過した時間の大幅な増加を示す。これは、材料が、混合チャンバから入った後、適切に混合されずに直ぐに出ることがないことを保証する助けとなる。
【0172】
[0182]10秒未満の平均滞留時間を有する表4の8インチストック混合機の稼動は、本発明の範囲外である。
【0173】
[0183]したがって、チャンバの体積の増加は、セメントスラリが最初にチャンバから出ることができるようになる前にチャンバ内に残っているはずの(混合を受ける)時間を大幅に増加する。さらに、別の時点でチャンバに入った全てのスラリがチャンバから空にされるまでに経過する時間量は、より大きな体積の混合機では大幅に増加される。これらの知見は、混合時間が増加されたときに示される圧縮強度の増加によって支持される。
【0174】
実施例3
[0184]図7は、DUO MIX混合機のホースからの生成物(「混合機#1」)と、バケット内でさらに混合されたDUO MIX混合機のホースからの生成物(「バケット内で穏やかに撹拌されたスラリ」)、及びドリル混合機を用いてバケット内でさらに混合されたDUO MIX混合機のホースからの生成物(「ドリル混合機を用いてバケット内で混合されたスラリ」)とを比較したデータを示す。最初の混合機は、スラリを十分完全には混合していなかった。しかし、追加の混合によって、大幅な利益が見られた。
【0175】
[0185]この実施例は、DUO MIX混合機と、(ペイントスティックに似た)手動撹拌器と、共同化合物混合パドルを有するハンドドリルと、5ガロンバケットと、ストップウォッチとを使用した。セメントスラリは、放出ホースから収集され、圧縮キューブが、方法ASTM C109を使用して注型された。セメントスラリは、実施例1に関して上述したのと実質的に同じ組成を有していた。
【0176】
[0186]特に、スラリは、DUO MIX混合機の出力ホースから直接取られた。次いで、圧縮強度キューブが、上述の方法ASTM C109を使用してスラリから形成された。
【0177】
[0187]その直後、セメントスラリは、再びバケット内に収集され、1分間、金属製スパチュラを用いて手で撹拌された。次いで、スラリが使用されて、上述の方法ASTM C109を使用して圧縮強度キューブを注型し、圧縮強度を求めるために試験された。特に、混合機ホースからのセメントスラリが、5ガロンバケット内にポンプされ、このスラリは、パドルを用いて手で穏やかに撹拌された。次いで、圧縮強度キューブが、上述の方法ASTM C109を使用してスラリから作成された。
【0178】
[0188]この直後、セメントスラリが再び収集され、このとき、ジョイント化合物を混合するために使用されるものと同様のハンドドリル及び混合パドルを使用して、1分間、バケット内で混合された。特に、混合機ホースからのセメントスラリが、別の5ガロンバケット内にポンプされ、このスラリは、ジョイント化合物を混合するために使用されるのと同様の撹拌デバイス(混合パドル)を設けられたドリルを用いて混合された。次いで、圧縮強度キューブが、上述した方法ASTM C109を使用してスラリから作成された。
【0179】
[0189]DUO MIX混合機の出力ホースから直接取られたスラリから作成されたキューブは、それらが製造された後、7、14、及び28日で、圧縮強度を試験された。各期間の圧縮強度結果が平均化され、「ホースから直接のスラリ(混合機#1)」の下で図7の表に報告された。
【0180】
[0190]手で混合されたスラリから作成されたキューブは、それらが製造された後、7、14、及び28日で、圧縮強度を試験された。各期間の圧縮強度結果が平均化され、「バケット内で穏やかに撹拌されたスラリ」の下で図7の表に報告された。
【0181】
[0191]ドリル混合機を用いて混合されたスラリから作成されたキューブは、それらが生成された後、7、14、及び28日で、圧縮強度を試験された。各期間の圧縮強度結果が平均化され、「ドリル混合機を用いてバケット内で混合されたスラリ」の下で図7の表に報告された。
【0182】
[0192]この研究からの一般的な結果は、混合エネルギー及び/又は混合時間の増加が、パネルの全体的な性能特性の重要な要素である材料圧縮強度の発達を大幅に改良することであった。
【0183】
[0193]繊維強化された構造用セメントパネルを製造するための本発明のスラリ供給装置の特定の実施形態を図示して説明してきたが、より広い態様での、且つ以下の特許請求の範囲に記載される本発明から逸脱することなく、変更及び修正を本発明に施すことができることが当業者には理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化された構造用セメントパネルを製造するときに、繊維の厚い層を一様に覆うための連続カーテンとして供給することができる軽量セメント複合材料スラリを準備するための方法であって、
ビンから、水平に取り付けられたスクリューオーガを有する水平粉末混合機内に、セメント、石膏、及び骨材を含む乾燥セメント粉末を供給するステップと、
前記スクリューオーガから、前記スクリューオーガによって中央水平軸の周りで回転されるパドルを設けられた水平予混合機内に、乾燥セメント粉末混合物を放出するステップと、
入口を通して前記水平予混合機内に、水を含む液体流を供給するステップと、
湿式粉末スラリ混合物を形成するために、セメント粉末と液体とを混合するステップと、
垂直向き混合チャンバの上部から、上部に取り付けられたモータによって垂直シャフトの周りで回転されるパドル混合機を設けられた前記垂直向き混合チャンバの下側部分に、前記予混合された粉末と液体との混合物を落とすステップと、
前記垂直向き混合チャンバの前記下側部分内で、水と粉末とを混合するステップと、
パネル製造ラインでウェブ上の厚い繊維層の上に連続カーテンとしてスラリを堆積するためのスラリヘッドボックスに前記スラリをポンプするステップと
を含み、
前記粉末と液体とが、混合チャンバ下側部分での約10〜約360秒の平均混合滞留時間にわたって混合され、それと共に、スピンパドルが、前記混合チャンバ内の前記スラリにせん断力を加えて前記粉末と水とを混合して、軽量セメント複合材料の一様なスラリを生成し、前記一様なスラリが、繊維強化された構造用セメントパネルを製造するために、ウェブ上の厚い繊維層をスラリが一様に覆うことができるようにする粘稠度を有する
方法。
【請求項2】
前記垂直チャンバが、約15〜約240秒の平均スラリ滞留時間を提供し、前記パドルのRPM範囲が、70RPM〜270RPMである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パドルの中心シャフトを回転させる目的も持つように前記垂直向き混合チャンバの上部に取り付けられたモータによって稼動されるキャビティポンプによって、前記スラリが、前記垂直チャンバの底部からポンプされる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記垂直向き混合チャンバ内の前記パドルが、複数の水平ブレードを備える複数のパドルブレードと、前記垂直向き混合チャンバの長さに伸張された中央シャフトとを有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記垂直向き混合チャンバに入る粉末及び液体の供給分が、前記混合チャンバ内の粉末と水とのスラリの水位を継続的に監視する電子的液体水位センサ制御装置によって制御される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記スクリューオーガに関連付けられる重量式計量システムが、毎分当たり一定の所定の粉末重量に基づいて、前記水平向き予混合機内への前記乾燥セメント粉末の供給レートを制御する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記乾燥セメント粉末が、反応性粉末部分と、任意選択の軽量充填剤部分とを含み、前記反応性部分が、乾燥ベースで、35〜75重量%の硫酸カルシウムα半水和物と、20〜55重量%の水硬性セメントと、0.2〜3.5重量%の石灰と、5〜25重量%の活性ポゼランとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記乾燥セメント粉末が、反応性粉末部分と、軽量充填剤部分とを含み、前記反応性部分が、乾燥ベースで、35〜75重量%の硫酸カルシウムα半水和物と、20〜55重量%のポルトランドセメントと、0.2〜3.5重量%の石灰と、5〜25重量%の活性ポゼランとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
乾燥セメント粉末が、乾燥ベースで20〜50重量%の軽量充填剤粒子を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記軽量充填剤粒子が、セラミック微小球と、ガラス微小球と、フライアッシュセノスフェアと、パーライトとからなる群から選択される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
変速モータが、前記スクリューオーガを制御して、前記水平向き予混合機への粉末の供給分とパドルの回転とを制御して、垂直向き混合チャンバに前記湿式粉末スラリを送達する請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記スラリが、前記垂直に取り付けられた撹拌器ブレードの中央シャフトによって駆動されるキャビティポンプによって前記垂直向き混合チャンバの底部からポンプされ、前記中央シャフトが、さらに、前記垂直向き混合チャンバの上部に取り付けられたモータによって稼動される請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−508179(P2010−508179A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535282(P2009−535282)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/022694
【国際公開番号】WO2008/057274
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(596172325)ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー (100)
【Fターム(参考)】