置換コラム用填充材
【課題】 施工現場での掘削土を使用せず、しかも掘削孔の掘削土と置換する際に、掘削孔周辺の土砂が混入する恐れが少なく、空掘り部を形成した場合にも周辺の土砂あるいは落下土が混入する恐れが少なくなるという性能を発揮できる置換コラム用の填充材を提供することであり、特に置換コラムが硬化し、5N/mm2程度以上の一軸圧縮強度発現後であっても頭部整形が可能な置換コラム用の填充材を提供する。
【解決手段】 セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmである置換コラム用填充材。
【解決手段】 セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmである置換コラム用填充材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木・建築構造物の基礎工法用の置換コラム用填充材に関し、特に掘削孔の掘削土と置換されるための填充材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から種々の目的でフライアッシュはセメントと混合されて使用されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献5、特許文献6等参照)。
一方、土木・建築構造物の基礎工法として掘削孔の掘削土と置換された填充物を造成する工法が知られている(特許文献7、特許文献8、特許文献9等参照)。
また、高炉スラグもセメントと共に使用されている(特許文献10、特許文献11、特許文献12等参照)。
【特許文献1】特開2001−241616(請求項1,段落番号0014)
【特許文献2】特開2001−271068(請求項1,段落番号0014)
【特許文献3】特開昭59−118908(特許請求の範囲、第2頁左上欄、第2頁右下欄)
【特許文献4】特開平10−311142(請求項1,段落番号0007、段落番号0010)
【特許文献5】特開平9−110554(請求項1,段落番号0007、段落番号0018)
【特許文献6】特開2003−336243(請求項1、段落番号0022〜0024)
【特許文献7】特開昭51−26715(特許請求の範囲、第1図〜第4図)
【特許文献8】特開昭52−86209(請求項1、第3図)
【特許文献9】特公昭59−18487(請求項1,従来技術の記載部分)
【特許文献10】特開昭64−18956(請求の範囲)
【特許文献11】特開平2−832488(請求項1)
【特許文献12】特開2004−41942(請求項2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1には空洞填充材の収縮率を小さくするために使用する石炭灰のCaOの含有量を5〜12重量%に限定することが開示されているが、水添加量を調節してテーブルフロー値を調整するなどのテーブルフロー値に関する開示が存在しなく、土木・建築構造物を支持する基礎工法用の置換コラム用填充材に関する開示は存在しない。即ち、原地盤と填充材を置換する置換コラム用填充材に関する開示は存在しない。
【0004】
特許文献2には、収縮率を小さくすると共に長期の強度発現性を抑制するために使用する石炭灰のCaOの含有量を5%未満に限定することが開示されているが、やはり引用文献2に水添加量を調節してテーブルフロー値を調整するなどのテーブルフロー値に関する開示が存在しなく、土木・建築構造物を支持する基礎工法用の置換コラム用填充材に関する開示は存在しない。即ち、原地盤と填充材を置換する置換コラム用填充材に関する開示は存在しない。
【0005】
特許文献3に示されてい材料は、セメントの石炭灰に対する添加割合が2〜7重量部とし、水を加えて含水比140%として流動性を良くして使用することが開示されている。このように流動性を良くしたスラリーは、テーブルフローでは測定できなくなるほど値が大きいものであり、土木・建築構造物の基礎工法用の置換コラム用填充材として使用とすると、置換後の填充物に土塊の混入量が多くなるため、置換コラム用填充材としては使用することができない。
【0006】
特許文献4に開示された混練物は、石炭灰95〜80重量部に対してセメントを5〜20重量部混ぜ合わせ、適量の水を加えて練り合わせて、湿り気がある粉体の状態にした混練物が開示されている。即ち、この混練物は振動を加えたときのみ流動状態になり、柱状の状態では殆ど粉体状態であるので、掘削孔の掘削土と置換される置換コラム用の填充材として使用することは、ポンプ圧送を前提としている工法では使用不可能である。
【0007】
特許文献5に開示された土工材は、セメントや石炭灰の他に、気泡剤を併用して、上下が開口している円筒コーンに試料を入れ、それを引き上げたときに広がる径を測定するJIS A 1101の試験法によるフロー値が160〜240mmという極めて流動性が良いスラリーとするものであり、流動性が良いスラリーを護岸の裏込材等の填充材として使用する例が示されている。しかし、流動性が良すぎると掘削孔の掘削土と置換されるための填充材として使用する際には土塊混入等の問題を発生する。
【0008】
特許文献6に開示された石炭灰モルタルは、セメント30〜150Kg、石炭灰900〜1300Kg、水400〜600Kgを配合したものとすることにより、海に投入した場合でも水中の分離抵抗が高く、しかもセルフレベリング性の高いものとすることができるものである。このようにセルフレベリング可能とするすることによって埋立材と使用することが開示されている。しかし、特許文献6には、テーブルフロー値を150〜330mmの範囲にすることも、掘削孔の掘削土と置換されるための填充材として使用することも開示されていない。
以上に示した特許文献1〜6は、いずれもセメントと石炭灰(フライアッシュ)との併用に関する記載があるものの、置換後の填充物に土塊の混入量が少ない置換コラム用填充材に関する開示がない。
【0009】
一方、特許文献7や特許文献8に開示されたような掘削孔の掘削土を地上側に送り、掘削土と固化材を混合撹拌した混練物を掘削孔に填充してコラムとする工法では、填充材の原料として施工現場で掘削された土砂を使用するため、施工現場毎に施工したコラムの強度が変化したり、土層の地盤物性に起因する強度のバラツキが非常に大きくなる等の現象が生じる恐れがある。
【0010】
また、特許文献9には、現場発生土を使用しないでモルタル若しくはセメントミルク等の填充材を使用することが開示されているが、モルタルは細骨材を含有しているために、混練後の流動性を一定値になるように管理するためには、細骨材の水分管理を施工現場で実施する必要がある。しかしながら、施工現場で細骨材の含水量を測定し、その都度含水量を調整することは現実的には不可能である。更に、細骨材を含有しているモルタルをオーガヘッドの吐出口又はオーガ軸の先端から吐出させるためには、ロート管から一定量が流下する時間で表すフロー値が18〜20秒の流動性の高いものを使用せざるを得なく、ブリージングが発生しやすくなるばかりかモルタルの流動性が高いため、掘削された土砂がモルタル中に落ち込み、モルタル中に土砂が混入される。
また、セメントミルクはその名の通りミルク状であり、流動性が高いため、掘削された土砂がセメントミルク中に落ち込み、モルタル中に土砂が混入される。
さらに、特許文献9で使用されている填充材は、上述したように流動性がよいものであるがために、填充材の填充時に周壁が崩れる恐れがあり、そのために填充材中に土塊が混入し填充物自体の強度が安定しない恐れがある。そのために特許文献9の第5図〜第7図に示されているように、芯材を挿入しているのである。また、填充材の流動性が高いと填充材からなるコラムの上方に空掘り部(即ち填充材が存在しない部分)を形成しようとすると、空掘り部上方から土砂が落下すると、その落下土が未硬化状態のコラム填充材中に落ち、土砂を混入した状態で填充材が硬化することになる。それ故に、特許部文献9の第5図〜第7図に示されているように空掘り部を設けることなく、上部までコラムが形成される。
【0011】
なお、特許文献10〜12には、セメント組成物等として高炉スラグ粉末を使用することを開示しているが、水添加量を調節してテーブルフロー値を調整するなどのテーブルフロー値に関する開示が存在しなく、土木・建築構造物を支持する基礎工法用の置換コラム用填充材に関する開示は存在しない。即ち、原地盤と填充材を置換する置換コラム用填充材に関する開示は存在しない。
【0012】
本発明の目的は、施工現場での掘削土を使用せず、しかも一工程で掘削孔の掘削土と填充材を置換する際に、掘削孔周辺の土砂が混入する恐れが少なく、空掘り部を形成した場合にも周辺の土砂あるいは落下土が混入する恐れが少なくなるという性能を発揮できる置換コラム用の填充材を提供することであり、特に置換コラムが硬化し、5N/mm2程度以上の一軸圧縮強度発現後であっても頭部整形が可能な置換コラム用の填充材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の置換コラム用填充材は、請求項1に記載したように、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmである填充材である。
なお、本発明におけるテーブルフロー値は、JIS R 5201のセメントの物理試験方法におけるフローテーブルを使用して測定するフロー値である。なお、JISに記載されたフローテーブルの直径は300mmであり、テーブルフロー値が300mm以上の値は測定不能であるので、テーブルの上に直径500mmの板を固定して測定した値を本発明ではテーブルフロー値とする。
また、本発明における置換コラムとは、地盤土を填充材に置換してなるコラムである。
【0014】
一方、セメント1重量部に対するフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の使用量が3重量部未満では、コストが高くなり経済性が低下するばかりでなく、セメントの水和反応による発熱量が大きくなり、置換体積量が大きい場合は、発熱量により填充物が亀裂破壊する恐れがある。特に大径の置換コラムや置換コラムをオーバーラップして施工することにより置換体積量が大きい場合も同様な現象を引き起こす恐れがある。また、填充材の固化後の一軸圧縮強度が大きくなり過ぎ、硬化後の頭部整形作業を平爪のバックホウでは容易に行えないため、ブレイカーを使用せざるを得ず、騒音公害のみならず、経済的にも高コストになり好ましくない。
セメント1重量部に対するフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の使用量が20重量部を超えると、硬化したコラムの発現強度が小さくなるばかりか、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の使用量が20重量部超ではセメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末とを混練してスラリーとする際の撹拌混合が均一に行われなくなり、品質のバラツキが大きくなる。
また、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュが3乃至20重量部であっても、加水混合された状態でのテーブルフロー値が150mm未満では、ポンプ圧送時の配管内抵抗が大きくなり、圧送不可能となる。
加水混合された状態での填充材のテーブルフロー値が330mmを超えると、流動性は良くなるが材料が分離しやすく、置換コラムの上方がブリージングによるレイタンス層が厚くなり、上部での強度発現が不充分になる。その上に、孔壁崩壊や空掘り部から落下する土塊の混入が多くなり不均質な置換コラムとなる。
【0015】
なお、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部の配合である場合でも、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の品質によって、加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmの範囲内とするための水の量が異なるので、水の使用量はフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の品質によって決定すればよい。
しかし、請求項2に記載したように、水の使用量を、即ち、含水量をセメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し30〜50%とすることにより、多くの品位のフライアッシュまたは高炉スラグ粉末に対応することができる。即ち、請求項1に記載したように、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmである置換コラム用填充材とすることができる。
【0016】
含水量がセメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し30%未満では、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の品質によってはポンプ圧送時の配管内抵抗が大きくなり、含水量がセメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し50%を超えると、流動性は良くなるがフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の品質によっては材料が分離しやすくなるのみならず、地盤と置換された填充材中に置換施工中または上方の空掘り部からの掘削土砂の混入が増えるため、均一な置換コラムの築造が困難になる。
このように請求項2に記載したように、請求項1記載の置換コラム用填充材であって、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し含水量が30〜50%である場合(即ち、略30〜50%である場合)は、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の品質に拘わらず、土塊等の混入がない均一な品質の置換コラムを安定して施工・築造することができる。
【0017】
なお、セメントとしては、セメント中にフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が含まれていないポルトランドセメントが好ましいセメントである。しかし、セメント中に高炉スラグを含む高炉セメントやセメント中にフライアッシュを含むフライアッシュセメントでもセメントとして使用できる。なお、高炉セメントやフライアッシュセメントを使用する場合、該セメントの高炉スラグやフライアッシュの配合量を加味してセメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の使用量を上述した範囲内に定める。このような補正を行う必要がないので、本発明ではセメントとして、ポルトランドセメント、特に普通ポルトランドセメントを使用することが特に好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の置換コラム用填充材は、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmであるので、該置換コラム用填充材を使用して築造した置換コラムは土塊等の混入が少ない(特に好ましい場合には土砂等の混入が全くない)均一な品質のコラムとなり、上部に空掘り部を有する置換コラムとした場合でもコラム中に土塊の混入がない置換コラムとすることができる。
【0019】
また、請求項1記載の置換コラムであって、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し含水量が30〜50%である本発明の置換コラム用填充材は、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の品質に拘わらず、土塊等の混入がない均一な品質の置換コラムを安定して施工・築造することができる。
【0020】
更に、本発明による填充材は、ポルトランドセメントのような品質管理された工場生産による自硬性の粉体と、コンクリート混和材として広く使用されている火力発電所の副生産物であるフライアッシュを主原料としたもの、または製鉄の高炉の副産物である高炉スラグを粉砕して作製する粉末であるため安価な填充材であると共に、次のような効果も発揮する。
【0021】
1)本発明の規定値内でセメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比や水量を調整することにより、2〜15N/mm2の範囲の圧縮強度(材令28日)を任意にかつ容易に得ることができる。
2)同一配合の填充材は圧縮強度のバラツキが、従来技術である深層混合処理工法によるソイルセメントのそれに比して圧倒的に小さい。同様に単位体積重量や他の各種物理性能のバラツキも小さい。
3)本発明の填充材を使用して築造する置換コラムはその上端部を所定の設計レベルよりも多少高くなるように造成し、その後填充材が固結した後に、具体的には1乃至3日後に、バックホウで頭部整形を行うことができる。即ち、このときに填充材が5kN/mm2超の圧縮強度を発現していても、平爪を取りつけたバックホウで比較的容易に置換コラムの頭部を削り取り、平坦に整形することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の置換コラム用填充材は、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmである。
また、水の使用量を、即ち含水量をセメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し30〜50%とすること(即ち、略30〜50%とすること)により、多くの品位のフライアッシュまたは高炉スラグ粉末に対応することができる。即ち、請求項1に記載したように、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmである置換コラム用填充材とすることができる。
【0023】
このように本発明の置換コラム用填充材は、セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、かつ該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmであるが、特に加水混合するための量は、セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し水の量を30〜50重量%とし、テーブルフロー値が150〜330mmである填充材とすることが好ましい。
なお、テーブルフロー値が150〜220mmのものであると、置換したコラム中に混入される土の量が極めて少なくなるので特に好ましい。このような範囲の置換コラム用填充材は、セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し水の量を30〜35重量%とすることで得られる。
【0024】
更に、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至10重量部とすることにより、得られる置換コラムが一軸圧縮強度が高いものとなり、特に好ましい。なお、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュが3乃至7重量部とすることにより、得られる置換コラムが更に高い一軸圧縮強度を示すので更に好ましい。
【0025】
それ故、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至10重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜220mmである置換コラム填充材が、特に好ましい置換コラム填充材である。
【0026】
また、本発明の置換コラム用填充材を置換コラムの施工時に用意するためには、ミキサー(例えば、グラウトミキサー)で混練する。なお、テーブルフロー値が所定範囲内で小さいもの(コンシステンシーが低いもの)の場合は、ミキサーとしてパン式強制練りミキサーや二軸式強制練りミキサーなどの強制練りミキサーを使用して混練することが好ましい。
【0027】
この置換コラム用填充材の使用目的は、地盤土と置換したコラムを築造することである。この置換コラムの築造は、施工機、例えば、スクリューオーガにより地盤を掘進し、築造する予定の置換コラム底にスクリューオーガが到達したならば、スクリューオーガ先端部から置換コラム用填充材を吐出しつつ正回転で引き上げることにより、地盤土が填充材に置換されたコラムが築造される。
また、このような施工機、例えば、スクリューオーガにミキサーにより混練された置換コラム用填充材を供給するのは、ポンプ(例えば、チューブポンプ)でグラウトホースを介して供給される。なお、テーブルフロー値が規定範囲内で小さいもの(コンシステンシーが硬いもの)の場合は、ポンプとしてスクリュー式ポンプ(スネーク型グラウトポンプとも呼ばれる)を使用する。スクリュー式ポンプ(スネーク型グラウトポンプとも呼ばれる)は、2条の内ネジを持つステータの中をステータの半分のピッチを持つ1条のネジのロータの回転によって、一定容積が脈動することなく押し出される機構のものである。
【0028】
より具体的には、置換コラムの築造は、図1に示すようにプラント設備1と施工機11を用いて施工される。プラント設備1は、サイロ(図示していない)、水槽2、ミキサー3、スクリュー式ポンプ4等を備えてなり、施工機11は、杭打ち機(図では3点式杭打ち機)をベースマシン14とし,先端部には掘削翼と填充材吐出口を有し、かつ軸内部に填充材流路を有するスクリューオーガ(本例では、連続スパイラルオーガ)12を正逆回転可能に接続したオーガモータ13を、リーダー15に昇降自在に装着してなるものであり、プラント設備1と施工機11は、填充材の流路となる耐圧ホース5で連結されている。従って、プラント設備1のミキサー3で混練された填充材は、スクリュー式ポンプ4で耐圧ホース5を介して施工機11のスクリューオーガ12に供給され、その先端吐出口より吐出される。また、スクリュー式ポンプ4のデリバリー側近傍の填充材の流路には、圧力計6と電磁式流量計7の計測器が設置されている。なお、スクリューオーガ12は、施工深度に応じて任意の長さに接続・脱着可能な継手構造を備えている。
【0029】
ミキサー3はコンシステンシーがテーブルフロー値で130〜350mmの填充材を混練できるものであれば、その型式は特に限定する必要はない。ポンプもスクリュー式ポンプを例示しているが、上述の填充材を圧送できるものであれば、その型式は特に限定する必要はない。
また、図1では施工機11のスクリューオーガ12を連続スパイラルスクリューとしているが、これに限定するものではなく、断続スパイラルスクリューやケーシング付きオーガー等、掘削と地盤置換が可能なオーガーであればよい。填充材の吐出口位置はオーガー軸先端面に設けてもよいし、軸先端部付近側面に設けてもよい。またベースマシンは自走式のリーダー起倒型に限定するものではなく、クレーンでリーダーを吊下する形式のものでもよい。
【0030】
置換コラムの標準的な施工手順例は、図2に示したように下記の手順である。
(1)スクリューオーガ12の先端中心を置換コラムの中心位置にセットする。
(2)スクリューオーガ12を正回転させることにより地盤を掘削しつつ、スクリューオーガ12先端を所定深度まで掘進させる。
(3)スクリューオーガ12が所定深度に達したら、オーガー先端部に設けた吐出口から填充材(即ち、本発明の置換コラム用填充材、以下単に填充材という)を吐出しつつ、スクリューオーガ12を正回転させながら引き上げる。
(4)スクリューオーガ12先端位置が所定の置換コラム10の上端位置に達したら、填充材の吐出を停止する。
(5)スクリューオーガ12を逆回転させながら空掘り区間を引き上げる。
以下に実施例等を示し、本発明の置換コラム用填充材について具体的に説明する。
【実施例1】
【0031】
本発明の置換コラム用填充材の配合条件と得られた固化体の圧縮強度を示す。
填充材は、JIS A 601 のコンクリート用フフライアッシュに規定されるライアッシュII種(F:以下同じ)と普通ポルトランドセメント(C:以下同じ)をF/C=5〜20を5ポイント刻みとし、かつW/(F+C)=30〜50%の範囲を5%刻みで組合せた配合とした。表1に填充材の配合を示す。また、表1には配合毎のテーブルフロー値及び材令7日と28日の圧縮強度(一軸圧縮強度)を示している。
【0032】
【表1】
【0033】
表1の試験結果から、F/Cと一軸圧縮強度(材令28日)の関係を図3に、W/(F+C)と一軸圧縮強度(材令28日)の関係を図4に、W/(F+C)及びF/Cと一軸圧縮強度(材令28日)の関係を三次元棒グラフにしたものを図5に示す。
填充材は、表1や図3〜5に示すように、W/(C+F)とF/Cを選定することにより、材令28日強度(圧縮)を1〜8N/mm2の間で任意の値に設定することができる。W/(C+F)とF/Cの選定は表1に示すような範囲及び5ポイント間隔に限定するものではなく、W/(C+F)なら略30%〜50%、F/Cなら2〜30の間で、好ましくはW/(C+F)なら略30%〜40%、F/Cなら3〜20の間で選定すればよい。これはW/(C+F)が略30%未満ならテーブルフロー値が150mm未満となり、ポンプ圧送が困難になるし、50%超なら填充材のテーブルフロー値が300mmを大きく超え、填充材中に施工時の掘削土砂が混入しやすくなり、良好な置換コラムが築造できないためである。
なお、図3、図4に見られるように、W/(C+F)が30〜40%であると。一軸圧縮強度が高くなるのでより好ましい。
【0034】
表1の試験結果から、テーブルフロー値についての結果を示すために、F/Cとテーブルフロー値の関係を図6に、W/(F+C)とテーブルフロー値の関係を図7に、W/(F+C)及びF/Cとテーブルフロー値の関係を三次元棒グラフにしたものを図8に示す。
テーブルフロー値は図6〜8に示すように、F/Cに対してはほとんど変化せず、もっぱらW/(C+F)に対して変化する。したがって、所定のテーブルフロー値を得るためには、主としてW/(C+F)を調整することになる。
【実施例2】
【0035】
一軸圧縮強度のバラツキを確認するために、各配合条件毎に供試体を3本作製した。
この場合、填充材は、フライアッシュII種(F:以下同じ)と普通ポルトランドセメント(C:以下同じ)をF/C=4.0に固定し、かつW/(F+C)=30〜50%の範囲を5%刻みで組合せた配合とした。表2に填充材の配合を示す。また、表2には配合毎のテーブルフロー値及び材令28日の圧縮強度(一軸圧縮強度)を示している。28日の圧縮強度(一軸圧縮強度)には、3本の供試体毎の圧縮強度(一軸圧縮強度)とその平均値及び変動係数(変動係数は一軸圧縮強度の平均値からのバラツキ状態を示す)を示した。
【0036】
【表2】
【0037】
表2に示したようにテーブルフロー値は表1で示した類似の配合条件の試験結果とほぼ同一とみなせる結果であったが、一軸圧縮強度試験結果は表1の類似の配合条件結果よりもかなり大きな値(1.6〜2.9倍)を示している。この原因は不明であるがフライアッシュのロットが異なっていたことが主たる要因と思われる。
同一配合毎の供試体3本のそれぞれの強度から算定した変動係数は、表2に示すように0.77〜9.52%であり、いわゆる深層混合処理工法(コラム工法)のそれが25〜45%超であることと比較すれば、圧倒的に変動係数が小さい。バラツキが小さいといえる。
【実施例3】
【0038】
一軸圧縮強度の日間毎のバラツキを確認するために、フライアッシュII種(F:以下同じ)と普通ポルトランドセメント(C:以下同じ)をF/C=5.0に固定し、かつW/(F+C)を35%に固定した配合とした填充材(この場合の配合を配合条件1の配合という)と、フライアッシュII種(F:以下同じ)と普通ポルトランドセメント(C:以下同じ)をF/C=6.0に固定し、かつW/(F+C)を30%に固定した配合とした填充材(この場合の配合を配合条件1の配合という)について、各配合とも一日に一回の混練を5日間行って試験した。
表3に填充材の配合を示すと共に表3には配合毎のテーブルフロー値及び材令28日の圧縮強度(一軸圧縮強度)を示している。28日の圧縮強度(一軸圧縮強度)には、同一試験No.毎に(即ち、1パッチ毎に)3本の供試体を準備し、その供試体毎の圧縮強度(一軸圧縮強度)とその平均値及び同一試験No.毎の変動係数(バッチ内変動係数)を示した。
表3に示したNo.1−1〜No.1−5が配合条件1の一軸圧縮強度の日間毎のバラツキを確認するためものであり、これを以後配合1のシリーズという。表3に示したNo.2−1〜No.2−5が配合条件2の一軸圧縮強度の日間毎のバラツキを確認するためものであり、これを以後配合2のシリーズという。
【0039】
【表3】
【0040】
配合1のシリーズはバッチ内変動が変動係数で2.2〜11.9%(平均5.3%)であり、日間変動は変動係数で10.1%であった。また、配合2のシリーズはバッチ内変動が変動係数で5.1〜11.5%(平均8.5%)であり、日間変動は変動係数で14.1%であった。
バッチ内変動及び日間変動とも、いわゆる深層混合処理工法(コラム工法)のそれが25〜45%超であることと比較すれば、圧倒的に変動係数が小さい。バラツキが小さいといえる。
【実施例4】
【0041】
フライアッシュの代わりに高炉スラグ微粉末を配合した填充材の例を示す。
填充材は、JIS A 6206 のコンクリート用高炉スラグ微粉末に規定される高炉スラグ微粉末(S:以下同じ)と普通ポルトランドセメント(C:以下同じ)をS/C=5.0とし、かつW/(S+C)=35%とした配合と、高炉スラグ微粉末(S:以下同じ)と普通ポルトランドセメント(C:以下同じ)をS/C=6.0とし、かつW/(S+C)=30%とした配合の2例である。
この填充材を普通ポルトランドセメント(C)と高炉スラグ微粉末(S)と水(W)の混合物で構成した場合の実施例結果を表4に示す。また、表4には配合毎に、填充材の配合後の計算密度(配合後の密度の計算値)、テーブルフロー値及び材令3日と7日と28日の圧縮強度(一軸圧縮強度)を示している。
【0042】
【表4】
【0043】
填充材の主材料をフライアッシュから高炉スラグ微粉末に変更すると、表3と比較すれば、テーブルフロー値は配合No.1で199mm(表3の平均値)から193mmに若干小さくなっているが、変動幅を考慮すればほぼ同一とみなせる。配合No.2では逆に153mm(表3の平均値)から166mmと大きくなっている。この結果から、テーブルフロー値についてはフライアッシュと高炉スラグ微粉末ではほとんど差が無く、同様の物性を示す。
一方、填充材の主材料をフライアッシュから高炉スラグ微粉末に変更すると、表3と比較すれば、一軸圧縮強度については配合No.1で7.96N/mm2(表3の平均値)から31.1N/mm2へと4倍近く大きくなっている。配合No.2では7.75N/mm2(表3の平均値)が36.9N/mm2と4.8倍近く大きくなっている。
填充材の一軸圧縮強度に関しては、フライアッシュよりも高炉スラグ微粉末を使用した方が一軸圧縮強度が大きくなる。
【実施例5】
【0044】
実施例5では実際に置換コラムの築造を行った。
【0045】
1.施工機械
使用した施工機械を表5に示す。この機械装置はフライアッシュやセメント用のサイロを用いた以外は概略図1に示したものと同じである。
【0046】
【表5】
【0047】
2.填充材
填充材は表6に示す4種類の配合とした。なお、表6にはフライアッシュII種(F)と普通ポルトランドセメント(C)と水(W)を混練し、練り上がり時のテーブルフロー値を示している。
【0048】
【表6】
【0049】
3.置換コラムの形状
置換コラムの形状は外径700mm、築造長1.5mとした。また、空掘り長は0.5mとし、各2本づつ築造した。
4.置換コラムの築造仕様
置換コラムの築造にあたり、オーガスクリューを正回転させながら、填充材を吐出せずに掘進速度V=1.0m/分で置換コラム底深度GL−2.0mまで掘進し、該位置で30秒ほど正回転のみさせてから、該オーガー先端部から填充材を吐出させつつ該オーガーを正回転のまま引上げた。このときの引上げ速度は、填充材の吐出量とオーガー引上げに伴う掘削孔に生ずる空間体積が見合うように管理した。同一施工機器の下では填充材のテーブルフロー値が小さくなるにつれて、吐出量も小さくなる傾向があるので、吐出量を常時計測しながら、それに合わせて引上げ速度も小さくなるように施工管理した。
置換コラムの築造仕様を図9に示す。
5.施工結果
(1)置換コラム中の土塊混入状況
築造した地下コラムを掘り出して、置換コラム中の土塊混入状況を確認した。置換コラム中の土塊混入状況を表7及び図10〜21に写真で示す。
【0050】
【表7】
【0051】
なお、配合1は比較例であり、テーブルフロー値が350mm以上だと、図10〜図12に示すように、置換コラム中の土塊混入量が多くなり、良好な置換コラムの築造が困難である。本発明の実施例であるテーブルフロー値が280〜300mm程度だと、図13〜図15に示すように、土塊混入量は少なくなり、良好な置換コラムの築造が可能となる。テーブルフロー値が220〜230mm程度だと、図16〜図18に示すように、土塊混入量は非常に少なくなり、良好な置換コラムの築造が可能となる。テーブルフロー値が185〜195mm程度だと、図19〜図21に示すように、土塊混入が全くと言ってよいほど土塊は見られず、ほぼ完璧な置換コラムが築造できる。
この実施例から、テーブルフロー値が大凡表7の1割増しとして330mm程度以下だと土塊混入量の少ないほぼ良好な置換コラムの築造が可能になると判断できる。テーブルフロー値が大凡表7の1割増しとして250mm程度以下だと土塊混入量が非常に少ない良好な置換コラムの築造が可能になると判断できる。さらに大凡表7の1割増しとして220mm程度以下だと土塊混入量がほとんどないほぼ完璧に近い置換コラムの築造が可能になると判断できる。
【0052】
(2)置換コラム頭部の整形
置換コラムは所定の深度範囲にわたって築造される。置換コラム上端位置も所定深度になるように施工されるが、余盛り施工や施工誤差、または、オーガーの掘削爪の形状のままに置換コラム頭部が形成される等の問題があるため、置換コラムが硬化した後に頭部を所定深度位置に整形する必要がある。これは従来技術の深層混合処理工法による地盤改良コラムも同様の問題がある。もっとも、地盤改良コラムの場合は地盤中に注入材を強制注入して攪拌混合するために体積膨張が起こり、盛上りが発生することが主たる原因であるが。
【0053】
従来技術の地盤改良コラムの頭部整形作業は、バックホウに平爪を取り付けてコラム頭部を水平かつ平坦な形状に整形するものである。このとき、一般的にコラム強度が1〜1.5N/mm2程度までは平爪のバックホウで比較的容易に頭部整形が可能であるが、2N/mm2を超えるとブレイカーを使用しなければコラム頭部の整形ができないといわれている。頭部整形の概念図を図22に示す。
築造した置換コラムのうち、配合No.3のもの(このときの填充材圧縮強度は4〜5N/mm2であった)を平爪を取り付けたバックホウで頭部整形している状況を図23に写真で示し、整形した後の状態を図24に写真で示す。
【0054】
この置換コラムの頭部整形時期は材令5日であり、そのときそのコラムから採取した頭部コアの一軸圧縮強度は5.1N/mm2であった。上述のように、従来技術である地盤改良コラムでは一軸圧縮強度が2N/mm2を超えると平爪のバックホウで頭部整形することはほとんど不可能であるのに対して、本発明の填充材では、驚くべきことに、たとえ5N/mm2を超える強度であったとしてもバックホウで比較的容易に頭部整形ができるのである。これは地盤改良コラムが原地盤を構成している砂分や礫分の粒径の異なる粒子群の影響を受けるため、比較的低強度であっても頭部整形が困難になるのである。これに対して、本発明による填充材は骨材も土砂も含まず、セメントとフライアッシュ乃至高炉スラグ粉末から構成されているため、粒径がほぼ均一であり、不純物質も存在しないため5N/mm2を超える一軸圧縮強度であっても平爪のバックホウで頭部整形作業が可能になるのである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】置換コラムを築造する際のプラント設備や施工機を示す模式図である。
【図2】置換コラムを築造する際の施工手順を工程順(a)〜(e)に示す説明図である。
【図3】フライアシュとセメントの比(F/C)と一軸圧縮強度(材令28日)の関係を示すグラフ図である。
【図4】水比(W/(F+C))と一軸圧縮強度(材令28日)の関係を示すグラフ図である。
【図5】W/(F+C)及びF/Cと一軸圧縮強度(材令28日)の関係を示すグラフ図である。
【図6】F/Cとテーブルフロー値の関係を示すグラフ図である。
【図7】W/(C+F)とテーブルフロー値の関係を示すグラフ図である。
【図8】W/(F+C)及びF/Cとテーブルフロー値の関係を示すグラフ図である。
【図9】実施例5における置換コラムの築造仕様を示す説明図である。
【図10】実施例5におけるNo.1(比較例)の置換コラム上方の土塊混入状況を示す写真図である。
【図11】実施例5における配合No.1の置換コラム中間部の土塊混入状況を示す写真図である。
【図12】実施例5における配合No.1の置換コラム下方部の土塊混入状況を示す写真図である。
【図13】実施例5における配合No.2(実施例)の置換コラム上方の土塊混入状況を示す写真図である。
【図14】実施例5における配合No.2の置換コラム中間部の土塊混入状況を示す写真図である。
【図15】実施例5における配合No.2の置換コラム下方部の土塊混入状況を示す写真図である。
【図16】実施例5における配合No.3(実施例)の置換コラム上方の状況を示す写真図である。
【図17】実施例5における配合No.3の置換コラム中間部の状況を示す写真図である。
【図18】実施例5における配合No.3の置換コラム下方の状況を示す写真図である。
【図19】実施例5における配合No.4(実施例)の置換コラム上方の状況を示す写真図である。
【図20】実施例5における配合No.4の置換コラム中間部の状況を示す写真図である。
【図21】実施例5における配合No.4の置換コラム下方部の状況を示す写真図である。
【図22】頭部整形の概念を示す説明図である。
【図23】置換コラム頭部を削り取って整形している状態を示す写真図である。
【図24】置換コラムの頭部を整形した後の状態を示す写真図である。
【符号の説明】
【0056】
1 プラント設備
2 水槽
3 ミキサー
4 スクリュー式ポンプ
5 耐圧ホース
6 圧力計
7 電磁式流量計
10 置換コラム
11 施工機
12 スクリューオーガ
13 オーガモーター
14 ベースマシン
15 リーダー
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木・建築構造物の基礎工法用の置換コラム用填充材に関し、特に掘削孔の掘削土と置換されるための填充材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から種々の目的でフライアッシュはセメントと混合されて使用されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献5、特許文献6等参照)。
一方、土木・建築構造物の基礎工法として掘削孔の掘削土と置換された填充物を造成する工法が知られている(特許文献7、特許文献8、特許文献9等参照)。
また、高炉スラグもセメントと共に使用されている(特許文献10、特許文献11、特許文献12等参照)。
【特許文献1】特開2001−241616(請求項1,段落番号0014)
【特許文献2】特開2001−271068(請求項1,段落番号0014)
【特許文献3】特開昭59−118908(特許請求の範囲、第2頁左上欄、第2頁右下欄)
【特許文献4】特開平10−311142(請求項1,段落番号0007、段落番号0010)
【特許文献5】特開平9−110554(請求項1,段落番号0007、段落番号0018)
【特許文献6】特開2003−336243(請求項1、段落番号0022〜0024)
【特許文献7】特開昭51−26715(特許請求の範囲、第1図〜第4図)
【特許文献8】特開昭52−86209(請求項1、第3図)
【特許文献9】特公昭59−18487(請求項1,従来技術の記載部分)
【特許文献10】特開昭64−18956(請求の範囲)
【特許文献11】特開平2−832488(請求項1)
【特許文献12】特開2004−41942(請求項2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1には空洞填充材の収縮率を小さくするために使用する石炭灰のCaOの含有量を5〜12重量%に限定することが開示されているが、水添加量を調節してテーブルフロー値を調整するなどのテーブルフロー値に関する開示が存在しなく、土木・建築構造物を支持する基礎工法用の置換コラム用填充材に関する開示は存在しない。即ち、原地盤と填充材を置換する置換コラム用填充材に関する開示は存在しない。
【0004】
特許文献2には、収縮率を小さくすると共に長期の強度発現性を抑制するために使用する石炭灰のCaOの含有量を5%未満に限定することが開示されているが、やはり引用文献2に水添加量を調節してテーブルフロー値を調整するなどのテーブルフロー値に関する開示が存在しなく、土木・建築構造物を支持する基礎工法用の置換コラム用填充材に関する開示は存在しない。即ち、原地盤と填充材を置換する置換コラム用填充材に関する開示は存在しない。
【0005】
特許文献3に示されてい材料は、セメントの石炭灰に対する添加割合が2〜7重量部とし、水を加えて含水比140%として流動性を良くして使用することが開示されている。このように流動性を良くしたスラリーは、テーブルフローでは測定できなくなるほど値が大きいものであり、土木・建築構造物の基礎工法用の置換コラム用填充材として使用とすると、置換後の填充物に土塊の混入量が多くなるため、置換コラム用填充材としては使用することができない。
【0006】
特許文献4に開示された混練物は、石炭灰95〜80重量部に対してセメントを5〜20重量部混ぜ合わせ、適量の水を加えて練り合わせて、湿り気がある粉体の状態にした混練物が開示されている。即ち、この混練物は振動を加えたときのみ流動状態になり、柱状の状態では殆ど粉体状態であるので、掘削孔の掘削土と置換される置換コラム用の填充材として使用することは、ポンプ圧送を前提としている工法では使用不可能である。
【0007】
特許文献5に開示された土工材は、セメントや石炭灰の他に、気泡剤を併用して、上下が開口している円筒コーンに試料を入れ、それを引き上げたときに広がる径を測定するJIS A 1101の試験法によるフロー値が160〜240mmという極めて流動性が良いスラリーとするものであり、流動性が良いスラリーを護岸の裏込材等の填充材として使用する例が示されている。しかし、流動性が良すぎると掘削孔の掘削土と置換されるための填充材として使用する際には土塊混入等の問題を発生する。
【0008】
特許文献6に開示された石炭灰モルタルは、セメント30〜150Kg、石炭灰900〜1300Kg、水400〜600Kgを配合したものとすることにより、海に投入した場合でも水中の分離抵抗が高く、しかもセルフレベリング性の高いものとすることができるものである。このようにセルフレベリング可能とするすることによって埋立材と使用することが開示されている。しかし、特許文献6には、テーブルフロー値を150〜330mmの範囲にすることも、掘削孔の掘削土と置換されるための填充材として使用することも開示されていない。
以上に示した特許文献1〜6は、いずれもセメントと石炭灰(フライアッシュ)との併用に関する記載があるものの、置換後の填充物に土塊の混入量が少ない置換コラム用填充材に関する開示がない。
【0009】
一方、特許文献7や特許文献8に開示されたような掘削孔の掘削土を地上側に送り、掘削土と固化材を混合撹拌した混練物を掘削孔に填充してコラムとする工法では、填充材の原料として施工現場で掘削された土砂を使用するため、施工現場毎に施工したコラムの強度が変化したり、土層の地盤物性に起因する強度のバラツキが非常に大きくなる等の現象が生じる恐れがある。
【0010】
また、特許文献9には、現場発生土を使用しないでモルタル若しくはセメントミルク等の填充材を使用することが開示されているが、モルタルは細骨材を含有しているために、混練後の流動性を一定値になるように管理するためには、細骨材の水分管理を施工現場で実施する必要がある。しかしながら、施工現場で細骨材の含水量を測定し、その都度含水量を調整することは現実的には不可能である。更に、細骨材を含有しているモルタルをオーガヘッドの吐出口又はオーガ軸の先端から吐出させるためには、ロート管から一定量が流下する時間で表すフロー値が18〜20秒の流動性の高いものを使用せざるを得なく、ブリージングが発生しやすくなるばかりかモルタルの流動性が高いため、掘削された土砂がモルタル中に落ち込み、モルタル中に土砂が混入される。
また、セメントミルクはその名の通りミルク状であり、流動性が高いため、掘削された土砂がセメントミルク中に落ち込み、モルタル中に土砂が混入される。
さらに、特許文献9で使用されている填充材は、上述したように流動性がよいものであるがために、填充材の填充時に周壁が崩れる恐れがあり、そのために填充材中に土塊が混入し填充物自体の強度が安定しない恐れがある。そのために特許文献9の第5図〜第7図に示されているように、芯材を挿入しているのである。また、填充材の流動性が高いと填充材からなるコラムの上方に空掘り部(即ち填充材が存在しない部分)を形成しようとすると、空掘り部上方から土砂が落下すると、その落下土が未硬化状態のコラム填充材中に落ち、土砂を混入した状態で填充材が硬化することになる。それ故に、特許部文献9の第5図〜第7図に示されているように空掘り部を設けることなく、上部までコラムが形成される。
【0011】
なお、特許文献10〜12には、セメント組成物等として高炉スラグ粉末を使用することを開示しているが、水添加量を調節してテーブルフロー値を調整するなどのテーブルフロー値に関する開示が存在しなく、土木・建築構造物を支持する基礎工法用の置換コラム用填充材に関する開示は存在しない。即ち、原地盤と填充材を置換する置換コラム用填充材に関する開示は存在しない。
【0012】
本発明の目的は、施工現場での掘削土を使用せず、しかも一工程で掘削孔の掘削土と填充材を置換する際に、掘削孔周辺の土砂が混入する恐れが少なく、空掘り部を形成した場合にも周辺の土砂あるいは落下土が混入する恐れが少なくなるという性能を発揮できる置換コラム用の填充材を提供することであり、特に置換コラムが硬化し、5N/mm2程度以上の一軸圧縮強度発現後であっても頭部整形が可能な置換コラム用の填充材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の置換コラム用填充材は、請求項1に記載したように、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmである填充材である。
なお、本発明におけるテーブルフロー値は、JIS R 5201のセメントの物理試験方法におけるフローテーブルを使用して測定するフロー値である。なお、JISに記載されたフローテーブルの直径は300mmであり、テーブルフロー値が300mm以上の値は測定不能であるので、テーブルの上に直径500mmの板を固定して測定した値を本発明ではテーブルフロー値とする。
また、本発明における置換コラムとは、地盤土を填充材に置換してなるコラムである。
【0014】
一方、セメント1重量部に対するフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の使用量が3重量部未満では、コストが高くなり経済性が低下するばかりでなく、セメントの水和反応による発熱量が大きくなり、置換体積量が大きい場合は、発熱量により填充物が亀裂破壊する恐れがある。特に大径の置換コラムや置換コラムをオーバーラップして施工することにより置換体積量が大きい場合も同様な現象を引き起こす恐れがある。また、填充材の固化後の一軸圧縮強度が大きくなり過ぎ、硬化後の頭部整形作業を平爪のバックホウでは容易に行えないため、ブレイカーを使用せざるを得ず、騒音公害のみならず、経済的にも高コストになり好ましくない。
セメント1重量部に対するフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の使用量が20重量部を超えると、硬化したコラムの発現強度が小さくなるばかりか、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の使用量が20重量部超ではセメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末とを混練してスラリーとする際の撹拌混合が均一に行われなくなり、品質のバラツキが大きくなる。
また、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュが3乃至20重量部であっても、加水混合された状態でのテーブルフロー値が150mm未満では、ポンプ圧送時の配管内抵抗が大きくなり、圧送不可能となる。
加水混合された状態での填充材のテーブルフロー値が330mmを超えると、流動性は良くなるが材料が分離しやすく、置換コラムの上方がブリージングによるレイタンス層が厚くなり、上部での強度発現が不充分になる。その上に、孔壁崩壊や空掘り部から落下する土塊の混入が多くなり不均質な置換コラムとなる。
【0015】
なお、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部の配合である場合でも、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の品質によって、加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmの範囲内とするための水の量が異なるので、水の使用量はフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の品質によって決定すればよい。
しかし、請求項2に記載したように、水の使用量を、即ち、含水量をセメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し30〜50%とすることにより、多くの品位のフライアッシュまたは高炉スラグ粉末に対応することができる。即ち、請求項1に記載したように、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmである置換コラム用填充材とすることができる。
【0016】
含水量がセメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し30%未満では、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の品質によってはポンプ圧送時の配管内抵抗が大きくなり、含水量がセメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し50%を超えると、流動性は良くなるがフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の品質によっては材料が分離しやすくなるのみならず、地盤と置換された填充材中に置換施工中または上方の空掘り部からの掘削土砂の混入が増えるため、均一な置換コラムの築造が困難になる。
このように請求項2に記載したように、請求項1記載の置換コラム用填充材であって、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し含水量が30〜50%である場合(即ち、略30〜50%である場合)は、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の品質に拘わらず、土塊等の混入がない均一な品質の置換コラムを安定して施工・築造することができる。
【0017】
なお、セメントとしては、セメント中にフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が含まれていないポルトランドセメントが好ましいセメントである。しかし、セメント中に高炉スラグを含む高炉セメントやセメント中にフライアッシュを含むフライアッシュセメントでもセメントとして使用できる。なお、高炉セメントやフライアッシュセメントを使用する場合、該セメントの高炉スラグやフライアッシュの配合量を加味してセメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の使用量を上述した範囲内に定める。このような補正を行う必要がないので、本発明ではセメントとして、ポルトランドセメント、特に普通ポルトランドセメントを使用することが特に好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の置換コラム用填充材は、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmであるので、該置換コラム用填充材を使用して築造した置換コラムは土塊等の混入が少ない(特に好ましい場合には土砂等の混入が全くない)均一な品質のコラムとなり、上部に空掘り部を有する置換コラムとした場合でもコラム中に土塊の混入がない置換コラムとすることができる。
【0019】
また、請求項1記載の置換コラムであって、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し含水量が30〜50%である本発明の置換コラム用填充材は、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の品質に拘わらず、土塊等の混入がない均一な品質の置換コラムを安定して施工・築造することができる。
【0020】
更に、本発明による填充材は、ポルトランドセメントのような品質管理された工場生産による自硬性の粉体と、コンクリート混和材として広く使用されている火力発電所の副生産物であるフライアッシュを主原料としたもの、または製鉄の高炉の副産物である高炉スラグを粉砕して作製する粉末であるため安価な填充材であると共に、次のような効果も発揮する。
【0021】
1)本発明の規定値内でセメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比や水量を調整することにより、2〜15N/mm2の範囲の圧縮強度(材令28日)を任意にかつ容易に得ることができる。
2)同一配合の填充材は圧縮強度のバラツキが、従来技術である深層混合処理工法によるソイルセメントのそれに比して圧倒的に小さい。同様に単位体積重量や他の各種物理性能のバラツキも小さい。
3)本発明の填充材を使用して築造する置換コラムはその上端部を所定の設計レベルよりも多少高くなるように造成し、その後填充材が固結した後に、具体的には1乃至3日後に、バックホウで頭部整形を行うことができる。即ち、このときに填充材が5kN/mm2超の圧縮強度を発現していても、平爪を取りつけたバックホウで比較的容易に置換コラムの頭部を削り取り、平坦に整形することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の置換コラム用填充材は、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmである。
また、水の使用量を、即ち含水量をセメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し30〜50%とすること(即ち、略30〜50%とすること)により、多くの品位のフライアッシュまたは高炉スラグ粉末に対応することができる。即ち、請求項1に記載したように、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmである置換コラム用填充材とすることができる。
【0023】
このように本発明の置換コラム用填充材は、セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、かつ該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmであるが、特に加水混合するための量は、セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し水の量を30〜50重量%とし、テーブルフロー値が150〜330mmである填充材とすることが好ましい。
なお、テーブルフロー値が150〜220mmのものであると、置換したコラム中に混入される土の量が極めて少なくなるので特に好ましい。このような範囲の置換コラム用填充材は、セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し水の量を30〜35重量%とすることで得られる。
【0024】
更に、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至10重量部とすることにより、得られる置換コラムが一軸圧縮強度が高いものとなり、特に好ましい。なお、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュが3乃至7重量部とすることにより、得られる置換コラムが更に高い一軸圧縮強度を示すので更に好ましい。
【0025】
それ故、セメントとフライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至10重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜220mmである置換コラム填充材が、特に好ましい置換コラム填充材である。
【0026】
また、本発明の置換コラム用填充材を置換コラムの施工時に用意するためには、ミキサー(例えば、グラウトミキサー)で混練する。なお、テーブルフロー値が所定範囲内で小さいもの(コンシステンシーが低いもの)の場合は、ミキサーとしてパン式強制練りミキサーや二軸式強制練りミキサーなどの強制練りミキサーを使用して混練することが好ましい。
【0027】
この置換コラム用填充材の使用目的は、地盤土と置換したコラムを築造することである。この置換コラムの築造は、施工機、例えば、スクリューオーガにより地盤を掘進し、築造する予定の置換コラム底にスクリューオーガが到達したならば、スクリューオーガ先端部から置換コラム用填充材を吐出しつつ正回転で引き上げることにより、地盤土が填充材に置換されたコラムが築造される。
また、このような施工機、例えば、スクリューオーガにミキサーにより混練された置換コラム用填充材を供給するのは、ポンプ(例えば、チューブポンプ)でグラウトホースを介して供給される。なお、テーブルフロー値が規定範囲内で小さいもの(コンシステンシーが硬いもの)の場合は、ポンプとしてスクリュー式ポンプ(スネーク型グラウトポンプとも呼ばれる)を使用する。スクリュー式ポンプ(スネーク型グラウトポンプとも呼ばれる)は、2条の内ネジを持つステータの中をステータの半分のピッチを持つ1条のネジのロータの回転によって、一定容積が脈動することなく押し出される機構のものである。
【0028】
より具体的には、置換コラムの築造は、図1に示すようにプラント設備1と施工機11を用いて施工される。プラント設備1は、サイロ(図示していない)、水槽2、ミキサー3、スクリュー式ポンプ4等を備えてなり、施工機11は、杭打ち機(図では3点式杭打ち機)をベースマシン14とし,先端部には掘削翼と填充材吐出口を有し、かつ軸内部に填充材流路を有するスクリューオーガ(本例では、連続スパイラルオーガ)12を正逆回転可能に接続したオーガモータ13を、リーダー15に昇降自在に装着してなるものであり、プラント設備1と施工機11は、填充材の流路となる耐圧ホース5で連結されている。従って、プラント設備1のミキサー3で混練された填充材は、スクリュー式ポンプ4で耐圧ホース5を介して施工機11のスクリューオーガ12に供給され、その先端吐出口より吐出される。また、スクリュー式ポンプ4のデリバリー側近傍の填充材の流路には、圧力計6と電磁式流量計7の計測器が設置されている。なお、スクリューオーガ12は、施工深度に応じて任意の長さに接続・脱着可能な継手構造を備えている。
【0029】
ミキサー3はコンシステンシーがテーブルフロー値で130〜350mmの填充材を混練できるものであれば、その型式は特に限定する必要はない。ポンプもスクリュー式ポンプを例示しているが、上述の填充材を圧送できるものであれば、その型式は特に限定する必要はない。
また、図1では施工機11のスクリューオーガ12を連続スパイラルスクリューとしているが、これに限定するものではなく、断続スパイラルスクリューやケーシング付きオーガー等、掘削と地盤置換が可能なオーガーであればよい。填充材の吐出口位置はオーガー軸先端面に設けてもよいし、軸先端部付近側面に設けてもよい。またベースマシンは自走式のリーダー起倒型に限定するものではなく、クレーンでリーダーを吊下する形式のものでもよい。
【0030】
置換コラムの標準的な施工手順例は、図2に示したように下記の手順である。
(1)スクリューオーガ12の先端中心を置換コラムの中心位置にセットする。
(2)スクリューオーガ12を正回転させることにより地盤を掘削しつつ、スクリューオーガ12先端を所定深度まで掘進させる。
(3)スクリューオーガ12が所定深度に達したら、オーガー先端部に設けた吐出口から填充材(即ち、本発明の置換コラム用填充材、以下単に填充材という)を吐出しつつ、スクリューオーガ12を正回転させながら引き上げる。
(4)スクリューオーガ12先端位置が所定の置換コラム10の上端位置に達したら、填充材の吐出を停止する。
(5)スクリューオーガ12を逆回転させながら空掘り区間を引き上げる。
以下に実施例等を示し、本発明の置換コラム用填充材について具体的に説明する。
【実施例1】
【0031】
本発明の置換コラム用填充材の配合条件と得られた固化体の圧縮強度を示す。
填充材は、JIS A 601 のコンクリート用フフライアッシュに規定されるライアッシュII種(F:以下同じ)と普通ポルトランドセメント(C:以下同じ)をF/C=5〜20を5ポイント刻みとし、かつW/(F+C)=30〜50%の範囲を5%刻みで組合せた配合とした。表1に填充材の配合を示す。また、表1には配合毎のテーブルフロー値及び材令7日と28日の圧縮強度(一軸圧縮強度)を示している。
【0032】
【表1】
【0033】
表1の試験結果から、F/Cと一軸圧縮強度(材令28日)の関係を図3に、W/(F+C)と一軸圧縮強度(材令28日)の関係を図4に、W/(F+C)及びF/Cと一軸圧縮強度(材令28日)の関係を三次元棒グラフにしたものを図5に示す。
填充材は、表1や図3〜5に示すように、W/(C+F)とF/Cを選定することにより、材令28日強度(圧縮)を1〜8N/mm2の間で任意の値に設定することができる。W/(C+F)とF/Cの選定は表1に示すような範囲及び5ポイント間隔に限定するものではなく、W/(C+F)なら略30%〜50%、F/Cなら2〜30の間で、好ましくはW/(C+F)なら略30%〜40%、F/Cなら3〜20の間で選定すればよい。これはW/(C+F)が略30%未満ならテーブルフロー値が150mm未満となり、ポンプ圧送が困難になるし、50%超なら填充材のテーブルフロー値が300mmを大きく超え、填充材中に施工時の掘削土砂が混入しやすくなり、良好な置換コラムが築造できないためである。
なお、図3、図4に見られるように、W/(C+F)が30〜40%であると。一軸圧縮強度が高くなるのでより好ましい。
【0034】
表1の試験結果から、テーブルフロー値についての結果を示すために、F/Cとテーブルフロー値の関係を図6に、W/(F+C)とテーブルフロー値の関係を図7に、W/(F+C)及びF/Cとテーブルフロー値の関係を三次元棒グラフにしたものを図8に示す。
テーブルフロー値は図6〜8に示すように、F/Cに対してはほとんど変化せず、もっぱらW/(C+F)に対して変化する。したがって、所定のテーブルフロー値を得るためには、主としてW/(C+F)を調整することになる。
【実施例2】
【0035】
一軸圧縮強度のバラツキを確認するために、各配合条件毎に供試体を3本作製した。
この場合、填充材は、フライアッシュII種(F:以下同じ)と普通ポルトランドセメント(C:以下同じ)をF/C=4.0に固定し、かつW/(F+C)=30〜50%の範囲を5%刻みで組合せた配合とした。表2に填充材の配合を示す。また、表2には配合毎のテーブルフロー値及び材令28日の圧縮強度(一軸圧縮強度)を示している。28日の圧縮強度(一軸圧縮強度)には、3本の供試体毎の圧縮強度(一軸圧縮強度)とその平均値及び変動係数(変動係数は一軸圧縮強度の平均値からのバラツキ状態を示す)を示した。
【0036】
【表2】
【0037】
表2に示したようにテーブルフロー値は表1で示した類似の配合条件の試験結果とほぼ同一とみなせる結果であったが、一軸圧縮強度試験結果は表1の類似の配合条件結果よりもかなり大きな値(1.6〜2.9倍)を示している。この原因は不明であるがフライアッシュのロットが異なっていたことが主たる要因と思われる。
同一配合毎の供試体3本のそれぞれの強度から算定した変動係数は、表2に示すように0.77〜9.52%であり、いわゆる深層混合処理工法(コラム工法)のそれが25〜45%超であることと比較すれば、圧倒的に変動係数が小さい。バラツキが小さいといえる。
【実施例3】
【0038】
一軸圧縮強度の日間毎のバラツキを確認するために、フライアッシュII種(F:以下同じ)と普通ポルトランドセメント(C:以下同じ)をF/C=5.0に固定し、かつW/(F+C)を35%に固定した配合とした填充材(この場合の配合を配合条件1の配合という)と、フライアッシュII種(F:以下同じ)と普通ポルトランドセメント(C:以下同じ)をF/C=6.0に固定し、かつW/(F+C)を30%に固定した配合とした填充材(この場合の配合を配合条件1の配合という)について、各配合とも一日に一回の混練を5日間行って試験した。
表3に填充材の配合を示すと共に表3には配合毎のテーブルフロー値及び材令28日の圧縮強度(一軸圧縮強度)を示している。28日の圧縮強度(一軸圧縮強度)には、同一試験No.毎に(即ち、1パッチ毎に)3本の供試体を準備し、その供試体毎の圧縮強度(一軸圧縮強度)とその平均値及び同一試験No.毎の変動係数(バッチ内変動係数)を示した。
表3に示したNo.1−1〜No.1−5が配合条件1の一軸圧縮強度の日間毎のバラツキを確認するためものであり、これを以後配合1のシリーズという。表3に示したNo.2−1〜No.2−5が配合条件2の一軸圧縮強度の日間毎のバラツキを確認するためものであり、これを以後配合2のシリーズという。
【0039】
【表3】
【0040】
配合1のシリーズはバッチ内変動が変動係数で2.2〜11.9%(平均5.3%)であり、日間変動は変動係数で10.1%であった。また、配合2のシリーズはバッチ内変動が変動係数で5.1〜11.5%(平均8.5%)であり、日間変動は変動係数で14.1%であった。
バッチ内変動及び日間変動とも、いわゆる深層混合処理工法(コラム工法)のそれが25〜45%超であることと比較すれば、圧倒的に変動係数が小さい。バラツキが小さいといえる。
【実施例4】
【0041】
フライアッシュの代わりに高炉スラグ微粉末を配合した填充材の例を示す。
填充材は、JIS A 6206 のコンクリート用高炉スラグ微粉末に規定される高炉スラグ微粉末(S:以下同じ)と普通ポルトランドセメント(C:以下同じ)をS/C=5.0とし、かつW/(S+C)=35%とした配合と、高炉スラグ微粉末(S:以下同じ)と普通ポルトランドセメント(C:以下同じ)をS/C=6.0とし、かつW/(S+C)=30%とした配合の2例である。
この填充材を普通ポルトランドセメント(C)と高炉スラグ微粉末(S)と水(W)の混合物で構成した場合の実施例結果を表4に示す。また、表4には配合毎に、填充材の配合後の計算密度(配合後の密度の計算値)、テーブルフロー値及び材令3日と7日と28日の圧縮強度(一軸圧縮強度)を示している。
【0042】
【表4】
【0043】
填充材の主材料をフライアッシュから高炉スラグ微粉末に変更すると、表3と比較すれば、テーブルフロー値は配合No.1で199mm(表3の平均値)から193mmに若干小さくなっているが、変動幅を考慮すればほぼ同一とみなせる。配合No.2では逆に153mm(表3の平均値)から166mmと大きくなっている。この結果から、テーブルフロー値についてはフライアッシュと高炉スラグ微粉末ではほとんど差が無く、同様の物性を示す。
一方、填充材の主材料をフライアッシュから高炉スラグ微粉末に変更すると、表3と比較すれば、一軸圧縮強度については配合No.1で7.96N/mm2(表3の平均値)から31.1N/mm2へと4倍近く大きくなっている。配合No.2では7.75N/mm2(表3の平均値)が36.9N/mm2と4.8倍近く大きくなっている。
填充材の一軸圧縮強度に関しては、フライアッシュよりも高炉スラグ微粉末を使用した方が一軸圧縮強度が大きくなる。
【実施例5】
【0044】
実施例5では実際に置換コラムの築造を行った。
【0045】
1.施工機械
使用した施工機械を表5に示す。この機械装置はフライアッシュやセメント用のサイロを用いた以外は概略図1に示したものと同じである。
【0046】
【表5】
【0047】
2.填充材
填充材は表6に示す4種類の配合とした。なお、表6にはフライアッシュII種(F)と普通ポルトランドセメント(C)と水(W)を混練し、練り上がり時のテーブルフロー値を示している。
【0048】
【表6】
【0049】
3.置換コラムの形状
置換コラムの形状は外径700mm、築造長1.5mとした。また、空掘り長は0.5mとし、各2本づつ築造した。
4.置換コラムの築造仕様
置換コラムの築造にあたり、オーガスクリューを正回転させながら、填充材を吐出せずに掘進速度V=1.0m/分で置換コラム底深度GL−2.0mまで掘進し、該位置で30秒ほど正回転のみさせてから、該オーガー先端部から填充材を吐出させつつ該オーガーを正回転のまま引上げた。このときの引上げ速度は、填充材の吐出量とオーガー引上げに伴う掘削孔に生ずる空間体積が見合うように管理した。同一施工機器の下では填充材のテーブルフロー値が小さくなるにつれて、吐出量も小さくなる傾向があるので、吐出量を常時計測しながら、それに合わせて引上げ速度も小さくなるように施工管理した。
置換コラムの築造仕様を図9に示す。
5.施工結果
(1)置換コラム中の土塊混入状況
築造した地下コラムを掘り出して、置換コラム中の土塊混入状況を確認した。置換コラム中の土塊混入状況を表7及び図10〜21に写真で示す。
【0050】
【表7】
【0051】
なお、配合1は比較例であり、テーブルフロー値が350mm以上だと、図10〜図12に示すように、置換コラム中の土塊混入量が多くなり、良好な置換コラムの築造が困難である。本発明の実施例であるテーブルフロー値が280〜300mm程度だと、図13〜図15に示すように、土塊混入量は少なくなり、良好な置換コラムの築造が可能となる。テーブルフロー値が220〜230mm程度だと、図16〜図18に示すように、土塊混入量は非常に少なくなり、良好な置換コラムの築造が可能となる。テーブルフロー値が185〜195mm程度だと、図19〜図21に示すように、土塊混入が全くと言ってよいほど土塊は見られず、ほぼ完璧な置換コラムが築造できる。
この実施例から、テーブルフロー値が大凡表7の1割増しとして330mm程度以下だと土塊混入量の少ないほぼ良好な置換コラムの築造が可能になると判断できる。テーブルフロー値が大凡表7の1割増しとして250mm程度以下だと土塊混入量が非常に少ない良好な置換コラムの築造が可能になると判断できる。さらに大凡表7の1割増しとして220mm程度以下だと土塊混入量がほとんどないほぼ完璧に近い置換コラムの築造が可能になると判断できる。
【0052】
(2)置換コラム頭部の整形
置換コラムは所定の深度範囲にわたって築造される。置換コラム上端位置も所定深度になるように施工されるが、余盛り施工や施工誤差、または、オーガーの掘削爪の形状のままに置換コラム頭部が形成される等の問題があるため、置換コラムが硬化した後に頭部を所定深度位置に整形する必要がある。これは従来技術の深層混合処理工法による地盤改良コラムも同様の問題がある。もっとも、地盤改良コラムの場合は地盤中に注入材を強制注入して攪拌混合するために体積膨張が起こり、盛上りが発生することが主たる原因であるが。
【0053】
従来技術の地盤改良コラムの頭部整形作業は、バックホウに平爪を取り付けてコラム頭部を水平かつ平坦な形状に整形するものである。このとき、一般的にコラム強度が1〜1.5N/mm2程度までは平爪のバックホウで比較的容易に頭部整形が可能であるが、2N/mm2を超えるとブレイカーを使用しなければコラム頭部の整形ができないといわれている。頭部整形の概念図を図22に示す。
築造した置換コラムのうち、配合No.3のもの(このときの填充材圧縮強度は4〜5N/mm2であった)を平爪を取り付けたバックホウで頭部整形している状況を図23に写真で示し、整形した後の状態を図24に写真で示す。
【0054】
この置換コラムの頭部整形時期は材令5日であり、そのときそのコラムから採取した頭部コアの一軸圧縮強度は5.1N/mm2であった。上述のように、従来技術である地盤改良コラムでは一軸圧縮強度が2N/mm2を超えると平爪のバックホウで頭部整形することはほとんど不可能であるのに対して、本発明の填充材では、驚くべきことに、たとえ5N/mm2を超える強度であったとしてもバックホウで比較的容易に頭部整形ができるのである。これは地盤改良コラムが原地盤を構成している砂分や礫分の粒径の異なる粒子群の影響を受けるため、比較的低強度であっても頭部整形が困難になるのである。これに対して、本発明による填充材は骨材も土砂も含まず、セメントとフライアッシュ乃至高炉スラグ粉末から構成されているため、粒径がほぼ均一であり、不純物質も存在しないため5N/mm2を超える一軸圧縮強度であっても平爪のバックホウで頭部整形作業が可能になるのである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】置換コラムを築造する際のプラント設備や施工機を示す模式図である。
【図2】置換コラムを築造する際の施工手順を工程順(a)〜(e)に示す説明図である。
【図3】フライアシュとセメントの比(F/C)と一軸圧縮強度(材令28日)の関係を示すグラフ図である。
【図4】水比(W/(F+C))と一軸圧縮強度(材令28日)の関係を示すグラフ図である。
【図5】W/(F+C)及びF/Cと一軸圧縮強度(材令28日)の関係を示すグラフ図である。
【図6】F/Cとテーブルフロー値の関係を示すグラフ図である。
【図7】W/(C+F)とテーブルフロー値の関係を示すグラフ図である。
【図8】W/(F+C)及びF/Cとテーブルフロー値の関係を示すグラフ図である。
【図9】実施例5における置換コラムの築造仕様を示す説明図である。
【図10】実施例5におけるNo.1(比較例)の置換コラム上方の土塊混入状況を示す写真図である。
【図11】実施例5における配合No.1の置換コラム中間部の土塊混入状況を示す写真図である。
【図12】実施例5における配合No.1の置換コラム下方部の土塊混入状況を示す写真図である。
【図13】実施例5における配合No.2(実施例)の置換コラム上方の土塊混入状況を示す写真図である。
【図14】実施例5における配合No.2の置換コラム中間部の土塊混入状況を示す写真図である。
【図15】実施例5における配合No.2の置換コラム下方部の土塊混入状況を示す写真図である。
【図16】実施例5における配合No.3(実施例)の置換コラム上方の状況を示す写真図である。
【図17】実施例5における配合No.3の置換コラム中間部の状況を示す写真図である。
【図18】実施例5における配合No.3の置換コラム下方の状況を示す写真図である。
【図19】実施例5における配合No.4(実施例)の置換コラム上方の状況を示す写真図である。
【図20】実施例5における配合No.4の置換コラム中間部の状況を示す写真図である。
【図21】実施例5における配合No.4の置換コラム下方部の状況を示す写真図である。
【図22】頭部整形の概念を示す説明図である。
【図23】置換コラム頭部を削り取って整形している状態を示す写真図である。
【図24】置換コラムの頭部を整形した後の状態を示す写真図である。
【符号の説明】
【0056】
1 プラント設備
2 水槽
3 ミキサー
4 スクリュー式ポンプ
5 耐圧ホース
6 圧力計
7 電磁式流量計
10 置換コラム
11 施工機
12 スクリューオーガ
13 オーガモーター
14 ベースマシン
15 リーダー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmである置換コラム用填充材。
【請求項2】
セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し含水量が30〜50%である請求項1記載の置換コラム用填充材。
【請求項1】
セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の配合比がセメント1重量部に対しフライアッシュまたは高炉スラグ粉末が3乃至20重量部であり、該配合比で加水混合された状態でのテーブルフロー値が150〜330mmである置換コラム用填充材。
【請求項2】
セメントと、フライアッシュまたは高炉スラグ粉末の合計重量に対し含水量が30〜50%である請求項1記載の置換コラム用填充材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2007−210852(P2007−210852A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−33748(P2006−33748)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000133881)株式会社テノックス (62)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000133881)株式会社テノックス (62)
【Fターム(参考)】
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