説明

置換ピラゾロキノリンおよびそれらの誘導体

本発明は、式Iの置換ピラゾロキノリンおよびそれらの誘導体、PDE10調節障害を治療するためのホスホジエステラーゼ10(PDE10)阻害剤としてのそれらの化合物の使用、それらの化合物を含む医薬組成物、ならびにPDE10調節障害を治療するためのさらなる置換ピラゾロキノリンおよびそれらの誘導体の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2008年10月28日出願の米国特許仮出願第61/108962号の恩恵を主張する。
【0002】
本発明は、置換ピラゾロキノリンおよびそれらの誘導体、PDE10調節障害を治療するためのホスホジエステラーゼ10(PDE10)阻害剤としてのそれらの化合物の使用、それらの化合物を含む医薬組成物、ならびにPDE10調節疾患を治療するためのさらなる置換ピラゾロキノリンおよびそれらの誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
世界の人口の1%が罹患している消耗性精神病である統合失調症は、少なくとも部分的には線条体への過剰な黒質ドーパミン作動性入力および不十分な皮質線条体グルタミン酸作動性入力によるものであると考えられている。これらの神経化学的異常は、脳の他の領域への線条体出力を低減し、不適当な行動活性化をもたらす。現存する抗精神病薬の有効性は主として、淡蒼球に投射する線条体中型有棘神経細胞(MSN)(線条体淡蒼球間接出力経路としても知られる)におけるD2ドーパミン受容体の拮抗作用によるものである。D2ドーパミン受容体拮抗作用は、間接淡蒼球経路による線条体出力を増大し、これは統合失調症のいくつかの側面を改善するが、直接線条体黒質出力経路による線条体出力には影響を及ぼさない。
【0004】
PDE10は、デュアルcAMP/cGMPホスホジエステラーゼであることが知られており、たとえば、Kehlerら、「The potential therapeutic use of phosphodiesterase 10 inhibitors」、Expert Opin.Ther.Patents(2007)17(2):147〜158を参照されたい。
【0005】
PDE10は、すべての中型有棘神経細胞(MSN)で高いレベルで発現するが、脳および末梢の他の場所では、はるかに低いレベルまたは検出不能なレベルで発現する。すべての線条体MSNでcAMPおよびcGMPレベルを増大することによって、PDE10阻害は、間接線条体淡蒼球出力経路のD2ドーパミン受容体拮抗作用を模倣し、直接線条体黒質出力経路の活性を増大し、それにより統合失調症を特徴づける線条体出力の低下がより十分に正常化されることになる。皮質線条体伝達を増大することによって、PDE10阻害は、統合失調症を特徴づける認知機能障害を改善するはずである。さらに、PDE10の離散局在は副作用プロファイルを改善するはずであり、典型的な副作用には、錐体外路症候群、糖尿病、体重増加、過プロラクチン血症、鎮静、およびQTc延長が含まれる。
【0006】
PDE10阻害剤は、精神病、認知障害(アルツハイマー病など)、双極性障害、抑鬱症、食餌性肥満、糖尿病、および代謝症候群などの他のCNS障害の治療に有用であることも報告されている。
【0007】
パパベリンはPDE10阻害剤として同定されており、統合失調症の動物モデルで有効であることが示されている。
【0008】
PDE10阻害剤として有用なヘテロ芳香族キノリン化合物が、WO2006/072828に開示されており、ピロロジヒドロイソキノリンPDE10阻害剤が、WO2006/089815に開示されている。
【0009】
抗ウイルスおよび/または抗腫瘍ピラゾロキノリンが、US5,459,146、US5,506,236、およびUS5,608,067、ならびにCrenshawら、J.Med.Chem.、19(2)、262〜275(1976)に開示されている。カスパーゼの活性化剤およびアポトーシスの誘導剤として有用なピラゾロキノリンが、US2007/0253957A1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2006/072828
【特許文献2】WO2006/089815
【特許文献3】US5,459,146
【特許文献4】US5,506,236
【特許文献5】US5,608,067
【特許文献6】US2007/0253957A1
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Kehlerら、「The potential therapeutic use of phosphodiesterase 10 inhibitors」、Expert Opin.Ther.Patents(2007)17(2):147〜158
【非特許文献2】Crenshawら、J.Med.Chem.、19(2)、262〜275(1976)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
いくつかの実施形態において、本発明は、下記の式Iで表わされる新規な種類の置換ピラゾロキノリンPDE10阻害剤化合物およびそれらの誘導体、1種以上の前記化合物を含む医薬組成物、ならびに前記化合物または医薬組成物を用いて、PDE10阻害剤媒介性障害、たとえば統合失調症、精神病、認知障害(アルツハイマー病など)、双極性障害、抑鬱症、食餌性肥満、糖尿病、および代謝症候群などのCNS障害を治療する方法を提供する。
【0013】
本発明はまた、式IIで表わされるある種類の置換ピラゾロキノリンPDE10阻害剤化合物およびそれらの誘導体を用いて、PDE10阻害剤媒介性障害、たとえば統合失調症、精神病、認知障害(アルツハイマー病など)、双極性障害、抑鬱症、食餌性肥満、糖尿病、および代謝症候群などのCNS障害を治療する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の新規な化合物は、構造式Iを有し、
【化1】

【0015】
または医薬的に許容されるその塩であり、式中、
すべての置換基は、独立して選択され;
【化2】

【0016】
とそれが結合している炭素原子は、フェニル環、6員環のヘテロアリール環(ここで、1または2の環員(ring members)が窒素原子である)、または5員環のヘテロアリール環(ここで、1または2の環員が、N、S、およびOからなる群から選択されたヘテロ原子であり、ただし2つのヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリールである場合、Rは不在である)を形成し;
は、H、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、OH、ヒドロキシアルキル、−CF、−OCF、ハロ、−O−シクロアルキル、ベンジルオキシ、−C(O)Oアルキル、−O−アルキル−COH、−C(O)N(R6A、−N(R6B、−アルキルN(R6B、−NR−C(O)N(R6A、−N(R)C(O)Oアルキル、−N(R)SO−アルキル、フェニル、CN、−SO、−SR、トリメチルシリル−、−SF、−OSF、−C(=NOR)−R
【化3】

【0017】
または−(CH−X−(CH−R18(ここで、Xは−O−、−S−、または−NR−であり、nは0、1、または2であり、mは1、2、または3であり、R18
【化4】

【0018】
からなる群から選択される)であり;
は、H、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、OH、ヒドロキシアルキル、−CF、−OCF、ハロ、−O−シクロアルキル、ベンジルオキシ、−C(O)Oアルキル、−O−アルキル−COH、−C(O)N(R6A、−N(R6B、−アルキルN(R6B、−NR−C(O)N(R6A、−N(R)C(O)Oアルキル、−N(R)SO−アルキル、フェニル、もしくはCNであるか、または
隣接する環炭素原子上のRおよびRは一緒に、−O−CH−O−もしくは−O−(CH−O−を形成し;
は、H、アルキル、ハロ、フルオロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、−N(R6B、−OCF、−CF、−SF、−OSF、または−CNであり;
は、H、アルキル、アルコキシアルキル−、ベンジル−、−C(O)アルキル、−C(O)Oアルキル、−アルキル−OC(O)−アルキル、−SO−アルキル、−C(O)N(R6A、または−C(O)O−ベンジル(ここで、ベンジルは、ハロまたはアルコキシで場合により置換されることができる)であり;
は、アルキル、−CN、−C(O)OR6A、−C(O)N(R6A、アリール−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヘテロアリール−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヒドロキシアルケニル、ヘテロアリールアルケニル−、アリールアルキニル−、ヘテロアリールアルキニル−、架橋ヘテロシクロアルキル、縮合環ヘテロシクロアルキル、−アルキル−O−アリール、−アルキル−O−ヘテロアリール、−アルキル−O−シクロアルキル、−アルキル−O−ヘテロシクロアルキル、−アルキル−N(R)−アリール、−アルキル−N(R)−ヘテロアリール、−アルキル−N(R)−シクロアルキル、−アルキル−N(R)−ヘテロシクロアルキル、−アルキル−ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール−アルキレン−、シクロアルキル(たとえば、シクロプロピル)、
【化5】

【0019】
であり;
bは、1、2、または3であり;
rは、1または2であり;
tは、0、1、または2であり;
各Rは、独立して、Hおよびアルキルから選択され;
各R6Aは、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アリールアルキル−、およびヘテロアリールアルキル−からなる群から選択されるか;または、2つのR6A基はアルキルであり、それらが結合している窒素と共に4から7員環を形成するか;または、2つのR6A基およびそれらが結合している窒素は、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、ホモモルホリニル、チオモルホリニル、もしくはホモチオモルホリニル環を形成し;
各R6Bは、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アリールアルキル−、ヘテロアリールアルキル−、−SOアルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−C(O)アルキル、−C(O)アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)N(R、−C(O)NR−アリール、および−C(O)NR−ヘテロアリールからなる群から選択されるか;または2つのR6B基はアルキルであり、それらが結合している窒素と共に4から7員環を形成するか;または2つのR6B基およびそれらが結合している窒素は、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、ホモモルホリニル、チオモルホリニル、もしくはホモチオモルホリニル環を形成し;
は、H、アルキルであるか、または炭素環員上の2つの水素原子は=Oで置き換えられており;
11は、アルキル、フェニルであるか、または単一の炭素環員上における2つの水素原子は、単一の炭素環員上における2つの水素原子を−(CH2−6−または−O−(CH−O−で置き換えることによって形成されるスピロ環基で置き換えられており;
12は、アルキル、ヒドロキシアルキル、およびフルオロアルキルからなる群から独立して選択された1または2個の置換基であり;
13は、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−アルキル−シクロアルキル、アリール、アリールアルキル−、−C(O)アルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)アリール、−C(O)−アルキルアリール、−C(O)O−アリール、−C(O)O−アルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル−、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)N(R6A、−C(O)−アルキル−NR−C(O)−アリール、−C(O)−アルキル−NR−C(O)O−アルキル、−C(O)−アルキル−NR−C(O)O−ベンジル、−SOアルキル、−SO−アリール、−SO−アルキルアリール、−SO−ヘテロアリール、またはフェニル環上でハロによって場合により置換され得るジフェニルメチルであり;
14は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−アルキル−シクロアルキル、アリール、アリールアルキル−、−C(O)アルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)アリール、−C(O)−アルキルアリール、−C(O)O−アリール、−C(O)O−アルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル−、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)N(R6A、−C(O)−アルキル−NR−C(O)−アリール、−C(O)−アルキル−NR−C(O)O−アルキル、−C(O)−アルキル−NR−C(O)O−ベンジル、−SOアルキル、−SO−アリール、−SO−アルキルアリール、−SO−ヘテロアリール、またはフェニル環上でハロによって場合により置換され得るジフェニルメチルであり;
15は、アルキル、アルコキシ、OH、ヒドロキシアルキル、ハロ、−CF、−C(O)Oアルキル、−C(O)N(R6A、アミノアルキル−、−N(R6B、−NR−C(O)N(R6A、−NR−C(O)−アルキル、−NR−C(O)Oアルキル、−NR−SO−アルキル、−アルキル−イミダゾリル(ここで、イミダゾリルは、アルキルで場合により置換されることができる)、およびフェニルからなる群から独立して選択された1または2個の置換基であるか、または炭素環員上の2つの水素原子は、−(CH2−6−もしくは−O−(CH−O−で置き換えられており;
17aは、Hもしくはアルキルであり、R17bは、H、アルキル、OH、F、−N(R6B、−NOR、アルコキシ、CN、−CHOH、−CH−O−アルキル、−CON(R6a、−CHN(R、もしくは−COであるか、
またはR17aおよびR17bは、それぞれFであるか、
またはR17aおよびR17bは、同じ炭素原子上にあり、一緒に=O、=NOR、もしくは−(CH2−6であり、
ただし、Rがヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−であり、ヘテロシクロアルキル環が環窒素によってアルキレン基に結合している場合、α炭素上のR17b置換基は、H、アルキル、CN、−CHOH、−CH−O−アルキル、−CON(R6a、−CHN(R、または−COである。
【0020】
一例において、式IのRは、H、アルキル、ハロ、フルオロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、−N(R6B、−OCF、−SF、−OSF、または−CNである。
【0021】
一例において、式IのRは、アルキル、−CN、−C(O)OR6A、−C(O)N(R6A、アリール−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヘテロアリール−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヒドロキシアルケニル、ヘテロアリールアルケニル−、アリールアルキニル−、ヘテロアリールアルキニル−、架橋ヘテロシクロアルキル、縮合環ヘテロシクロアルキル、−アルキル−O−アリール、−アルキル−O−ヘテロアリール、−アルキル−O−シクロアルキル、−アルキル−O−ヘテロシクロアルキル、−アルキル−N(R)−アリール、−アルキル−N(R)−ヘテロアリール、−アルキル−N(R)−シクロアルキル、−アルキル−N(R)−ヘテロシクロアルキル、−アルキル−ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリール、
【化6】

【0022】
である。
【0023】
本発明はさらに、式Iの化合物のすべての単離形態を含む。
【0024】
本発明はまた、医薬的に許容される担体に少なくとも1種の式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を含む医薬組成物に関する。
【0025】
別の実施形態において、本発明は、PDE10媒介性障害、たとえば統合失調症、精神病、認知障害(アルツハイマー病など)、双極性障害、抑鬱症、食餌性肥満、糖尿病、および代謝症候群などのCNS障害を治療する方法であって、そのような治療を必要としている哺乳動物に、治療有効量の少なくとも1種の式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩を投与することを含む方法に関する。別の実施形態において、本発明は、PDE10媒介性障害、たとえば統合失調症、精神病、認知障害(アルツハイマー病など)、双極性障害、抑鬱症、食餌性肥満、糖尿病、および代謝症候群などのCNS障害を治療する方法であって、そのような治療を必要としている哺乳動物に、治療有効量の少なくとも1種の式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を投与することを含む方法に関する。
【0026】
別の実施形態において、本発明は、PDE10媒介性障害、たとえば統合失調症、精神病、認知障害(アルツハイマー病など)、双極性障害、抑鬱症、食餌性肥満、糖尿病、および代謝症候群などのCNS障害を治療する方法であって、そのような治療を必要としている哺乳動物に、治療有効量の少なくとも1種の構造式IIの化合物、
【化7】

【0027】
または医薬的に許容されるその塩を投与することを含む方法に関し、式中、
すべての置換基は、独立して選択され;
【化8】

【0028】
とそれが結合している炭素原子は、フェニル環、6員環のヘテロアリール環(ここで、1または2の環員が窒素原子である)、または5員環のヘテロアリール環(ここで、1または2の環員が、N、S、およびOからなる群から選択されたヘテロ原子であり、ただし2つのヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリールである場合、Rは不在である)を形成し;
は、H、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、OH、ヒドロキシアルキル、−CF、−OCF、ハロ、−O−シクロアルキル、ベンジルオキシ、−C(O)Oアルキル、−O−アルキル−COH、−C(O)N(R6A、−N(R6B、−アルキルN(R6B、−NR−C(O)N(R6A、−N(R)C(O)Oアルキル、−N(R)SO−アルキル、フェニル、CN、−SO、−SR、トリメチルシリル−、−SF、−OSF、−C(=NOR)−R
【化9】

【0029】
または−(CH−X−(CH−R18(ここで、Xは−O−、−S−、または−NR−であり、nは0、1、または2であり、mは1、2、または3であり、R18
【化10】

【0030】
からなる群から選択される)であり;
は、H、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、OH、ヒドロキシアルキル、−CF、−OCF、ハロ、−O−シクロアルキル、ベンジルオキシ、−C(O)Oアルキル、−O−アルキル−COH、−C(O)N(R6A、−N(R6B、−アルキルN(R6B、−NR−C(O)N(R6A、−N(R)C(O)Oアルキル、−N(R)SO−アルキル、フェニル、もしくはCNであるか、または
隣接する環炭素原子上のRおよびRは一緒に、−O−CH−O−もしくは−O−(CH−O−を形成し;
rは、1または2であり;
は、H、アルキル、ハロ、フルオロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、−N(R6B、−OCF、−SF、−OSF、または−CNであり;
は、H、アルキル、アルコキシアルキル−、ベンジル−、−C(O)アルキル、−C(O)Oアルキル、−アルキル−OC(O)−アルキル、−SO−アルキル、−C(O)N(R6A、または−C(O)O−ベンジル(ここで、ベンジルは、ハロまたはアルコキシで場合により置換されることができる)であり;
5Aは、H、ハロ、OH、アルコキシ、−O−アルキル−N−(アルキル)、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アルキル−ヘテロシクロアルキル、アリールオキシ−、アリールアルコキシ−、ヘテロアリールオキシ−、−N(R6A、−NR−アルキル−N−(アルキル)、−NR−アルキル−O−アルキル−OH、−NR−ヒドロキシアルキル、−S−アルキル、−S−ヒドロキシアルキル、−S−アリール、−S−アルキルアリール、−S−ヘテロアリール、−S−アルキル−ヘテロアリール、−S−ヘテロシクロアルケニル、−SC(O)−アルキル、−SO−アルキル、−S−アルキル−C(O)OH、−S−アルキル−N(アルキル)、−S−アルキル−NHC(O)H、−S−アルキル−C(O)NH−アルキル−ピロリジノン、
【化11】

【0031】
であり、
各Rは、独立して、Hまたはアルキルであり;
各R6Aは、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アリールアルキル−、およびヘテロアリールアルキル−からなる群から選択されるか;または、2つのR6A基はアルキルであり、それらが結合している窒素と共に4から7員環を形成するか;または、2つのR6A基およびそれらが結合している窒素は、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、ホモモルホリニル、チオモルホリニル、もしくはホモチオモルホリニル環を形成し;
各R6Bは、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アリールアルキル−、ヘテロアリールアルキル−、−SOアルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−C(O)アルキル、−C(O)アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)N(R、−C(O)NR−アリール、および−C(O)NR−ヘテロアリールからなる群から選択されるか;または2つのR6B基はアルキルであり、それらが結合している窒素と共に4から7員環を形成するか;または2つのR6B基およびそれらが結合している窒素は、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、ホモモルホリニル、チオモルホリニル、もしくはホモチオモルホリニル環を形成する。
【0032】
別の実施形態において、本発明は、PDE10媒介性障害、たとえば統合失調症、精神病、認知障害(アルツハイマー病など)、双極性障害、抑鬱症、食餌性肥満、糖尿病、および代謝症候群などのCNS障害を治療する方法であって、そのような治療を必要としている哺乳動物に、治療有効量の少なくとも1種の式IIの化合物または医薬的に許容されるその塩、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を投与することを含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
式Iの一実施形態において、
【化12】

【0034】
はフェニル環を形成する。
【0035】
式Iのいくつかの実施形態において、RおよびRは、RがH、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、−CF、−OCF、およびハロからなる群から独立して選択される。
【0036】
式Iの他の実施形態において、
は、アルキル、好ましくはメチルであり、Rは、アルコキシ、好ましくはメトキシであるか、または
は、アルキル、好ましくはメチルであり、Rは、−OCFであるか、または
は、アルキル、好ましくはメチルであり、Rは、H、OH、ハロ、もしくはアルコキシアルコキシ(好ましくはメトキシエトキシ)であるか、または
は、アルコキシ、好ましくはメトキシであり、Rは、アルコキシ、好ましくはメトキシ、もしくはHであるか、または
は、アルコキシアルコキシ(好ましくはメトキシエトキシ)であり、Rは、Hであるか、または
は、ハロであり、Rは、Hであるか、または
は、ハロであり、Rは、−OCFであるか、または
およびRは一緒に、メチレンジオキシである。
【0037】
式Iの別の実施形態において、Rは、アルキル、好ましくはメチル、またはHである。
【0038】
式Iの別の実施形態において、Rは、−CFである。
【0039】
式Iの別の実施形態において、Rは、H、−C(O)O−アルキル(ここで、アルキルは、好ましくはt−ブチルである)、または−SOアルキル、好ましくは−SOCHである。
【0040】
式Iの別の実施形態において、bは1である。
【0041】
式Iの別の実施形態において、Rは、−CN、−C(O)N(R6A、アリール−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヘテロアリール−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヒドロキシアルケニル、ヘテロアリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキニル−、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリール基は、環炭素または適切な環窒素を介して結合していることができる)、
【化13】

【0042】
からなる群から選択され、式中、b、r、R、R6A、R、R11、R12、R13、R14、R15、R17a、およびR17bは上に定義されたとおりである。
【0043】
式Iの他の実施形態において、Rは、−CN、−C(O)NH−アルキル−ピリジル、−CH(OH)−フェニル、−アルキレン−フェニル、−アルキレン−ピリジル、−C(O)−ピリジル、−CH(F)−ピリジル、−CH(OH)−ピリジル、−CH=CH−(CH−OH、−CH=CH−ピリジル、−C≡C−ピリジル、
【化14】

【0044】
である。
【0045】
式Iの別の実施形態において、Rが、ヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−であるとき、(R17a,R17b)−アルキレンは、好ましくは−C(OH)−であり、Rは、
【化15】

【0046】
などの基である。
【0047】
式Iの別の実施形態において、Rは、ヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−であり、ここで、R17aおよびR17bは独立してHまたはアルキルであり、Rは、好ましくは
【化16】

【0048】
であり、式中、
bは、1、2、または3であり、
rは、1または2であり、
は、H、アルキル、または−SO−アルキルであり、
は、H、アルキル、OH、ヒドロキシアルキル、ハロ、および−CFからなる群から独立して選択された1または2個の置換基であり、
は、H、アルキルであるか、または炭素環員上の2つの水素原子は=Oで置き換えられており、
10は、H、アルキル、またはヒドロキシアルキルである。
【0049】
がヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−である式Iの化合物のさらなる実施形態は、
【化17】

【0050】
である。
【0051】
式Iの別の実施形態において、Rは、
【化18】

【0052】
であり、rは1であり、Rは、Hまたはアルキルであり、R13は、−SOアルキル、−CONH、−C(O)ヘテロアリール、たとえば
【化19】

【0053】
または−C(O)シクロアルキル、たとえば
【化20】

【0054】
であり、より好ましくは、R13は、−SOアルキルまたは−CONHである。別の実施形態において、Rは、
【化21】

【0055】
であり、rは2であり、RはHであり、R13は、−SOアルキルまたは−CONHである。
【0056】
式Iの別の実施形態において、Rは、
【化22】

【0057】
であり、rは2であり、R15は、アルキル(好ましくはメチル)、アルコキシ(好ましくはメトキシ)、−CF、OH、ヒドロキシアルキル、好ましくはヒドロキシメチル、ハロ(好ましくはF)、−NH、−C(O)NH、−CHNH、−C(O)O−アルキル、−NHSOアルキル、または−NHC(O)NHであり、R15は、好ましくは4位にある。別の実施形態において、Rは、
【化23】

【0058】
であり、rは2であり、R15は、3位にあり、ヒドロキシアルキル、好ましくはヒドロキシメチルである。
【0059】
式Iの別の実施形態において、Rは、
【化24】

【0060】
であり、rは1であり、R15は、OHまたはヒドロキシアルキル(好ましくはヒドロキシメチル)である。
【0061】
式Iのヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール−アルキレン−R基の例には、これに限定されるものではないが、
【化25】

【0062】
が含まれる。
【0063】
したがって、一例において、式Iのヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール−アルキレン−R基は、
【化26】

【0064】
である。
【0065】
別の例において、式Iのヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール−アルキレン−R基は、
【化27】

【0066】
である。
【0067】
別の例において、式Iのヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール−アルキレン−R基は、
【化28】

【0068】
である。
【0069】
一例において、Rシクロアルキル基は、シクロプロピルである。
【0070】
式Iの化合物の別の実施形態において、
およびRは、独立して、H、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、−CF、−OCF、およびハロからなる群から選択され、
は、Hまたはアルキルであり、
は、H、−C(O)O−アルキル、または−SOアルキルであり、
は、−CN、−C(O)N(R6A、アリール−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヘテロアリール−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヒドロキシアルケニル、ヘテロアリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキニル−、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリール基は、環炭素または適切な環窒素を介して結合していることができる)、
【化29】

【0071】
からなる群から選択され、式中、b、r、R、R6A、R、R11、R12、R13、R14、R15、R17a、およびR17bは上に定義されたとおりである。
【0072】
式Iの化合物のさらに別の実施形態において、
は、アルキル、好ましくはメチルであり、Rは、アルコキシ、好ましくはメトキシであるか、または
は、アルキル、好ましくはメチルであり、Rは、−OCFであるか、または
は、アルキル、好ましくはメチルであり、Rは、H、OH、ハロ、もしくはアルコキシアルコキシ(好ましくはメトキシエトキシ)であるか、または
は、アルコキシ、好ましくはメトキシであり、Rは、アルコキシ、好ましくはメトキシ、もしくはHであるか、または
は、アルコキシアルコキシ(好ましくはメトキシエトキシ)であり、Rは、Hであるか、または
は、ハロであり、Rは、Hであるか、または
は、ハロであり、Rは、−OCFであるか、または
およびRは一緒に、メチレンジオキシであり、
は、アルキルであり、
は、Hであり、
は、−CN、−C(O)NH−アルキル−ピリジル、−CH(OH)−フェニル、−アルキレン−フェニル、−アルキレン−ピリジル、−C(O)−ピリジル、−CH(F)−ピリジル、−CH(OH)−ピリジル、−CH=CH−(CH−OH、−CH=CH−ピリジル、−C≡C−ピリジル、
【化30】

【0073】
ヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−(式中、(R17a,R17b)−アルキレンは、−C(OH)−、たとえば
【化31】

【0074】
などである)、
ヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−(式中、R17aおよびR17bは、独立してHまたはアルキルである)、好ましくは
【化32】

【0075】
(式中、bは、1、2、または3であり、rは、1または2であり、Rは、H、アルキル、または−SO−アルキルであり、Rは、H、アルキル、OH、ヒドロキシアルキル、ハロ、および−CFからなる群から独立して選択された1または2個の置換基であり、Rは、H、アルキルであるか、または炭素環員上の2つの水素原子は=Oで置き換えられており、R10は、H、アルキル、またはヒドロキシアルキルである)、
【化33】

【0076】
(式中、rは1であり、Rは、Hまたはアルキルであり、R13は、−SOアルキル、−CONH、−C(O)ヘテロアリール、たとえば
【化34】

【0077】
または−C(O)シクロアルキル、たとえば
【化35】

【0078】
であり、より好ましくは、R13は、−SOアルキルまたは−CONHである)
【化36】

【0079】
(式中、rは2であり、RはHであり、R13は、−SOアルキルまたは−CONHである)、
【化37】

【0080】
(式中、rは2であり、R15は、アルキル(好ましくはメチル)、アルコキシ(好ましくはメトキシ)、−CF、OH、ヒドロキシアルキル、好ましくはヒドロキシメチル、ハロ(好ましくはF)、−NH、−C(O)NH、−CHNH、−C(O)O−アルキル、−NHSOアルキル、または−NHC(O)NHであり、R15は、好ましくは4位にある)、
【化38】

【0081】
(式中、rは2であり、R15は、3位にあり、ヒドロキシアルキル、好ましくはヒドロキシメチルである)、または
【化39】

【0082】
(式中、rは1であり、R15は、OHまたはヒドロキシアルキル(好ましくはヒドロキシメチル)である)である。
【0083】
式Iの好ましい化合物は、実施例3E、3F、3S、3V、3BB、4、4A、4B、4F、4H、4I、4K、4L、5、5F、5G、5K、5M、5O、5Q、5R、5S、6H、7A、7B、7E、8、8A、8B、8C、9、10A、10C、10D、10E、10F、10G、10H、13、13−1、13A、13B、13C、13D、13F、13G、13I、13J、13K、13L、13N、13O、13P、13Q、13R、13S、13T、13V、14、15、16、17、18、21B、21D、21F、22、23、24、26、27、27A、27B、27C、28、29A、29B、29D、29E、29F、32B、33、34A、34B、35、36C、36E、36F、および36G2のものである。
【0084】
式Iのより好ましい化合物は、実施例3E、3F、3S、3V、4、4B、4F、4H、4I、4K、5、5F、5K、5M、5O、5Q、5R、5S、6H、7E、8B、8C、9、10A、10C、10D、10E、10F、10G、10H、13、13A、13C、13F、13G、13I、13J、13K、13L、13N、13O、13P、13Q、13R、13S、13V、14、15、16、17、18、21B、21D、21F、22、26、27、27A、27B、27C、29B、29F、32B、34B、35、36C、36E、36F、および36G2である。
【0085】
一実施形態において、式Iの化合物は3Eである。別の実施形態において、式Iの化合物は3Fである。別の実施形態において、式Iの化合物は3Sである。別の実施形態において、式Iの化合物は3Vである。別の実施形態において、式Iの化合物は3BBである。別の実施形態において、式Iの化合物は4である。別の実施形態において、式Iの化合物は4Aである。別の実施形態において、式Iの化合物は4Bである。別の実施形態において、式Iの化合物は4Fである。別の実施形態において、式Iの化合物は4Hである。別の実施形態において、式Iの化合物は4Iである。別の実施形態において、式Iの化合物は4Kである。別の実施形態において、式Iの化合物は4Lである。別の実施形態において、式Iの化合物は5である。別の実施形態において、式Iの化合物は5Fである。別の実施形態において、式Iの化合物は5Gである。別の実施形態において、式Iの化合物は5Kである。別の実施形態において、式Iの化合物は5Mである。別の実施形態において、式Iの化合物は5Oである。別の実施形態において、式Iの化合物は5Qである。別の実施形態において、式Iの化合物は5Rである。別の実施形態において、式Iの化合物は5Sである。別の実施形態において、式Iの化合物は6Hである。別の実施形態において、式Iの化合物は7Aである。別の実施形態において、式Iの化合物は7Bである。別の実施形態において、式Iの化合物は7Eである。別の実施形態において、式Iの化合物は8である。別の実施形態において、式Iの化合物は8Aである。別の実施形態において、式Iの化合物は8Bである。別の実施形態において、式Iの化合物は8Cである。別の実施形態において、式Iの化合物は9である。別の実施形態において、式Iの化合物は10Aである。別の実施形態において、式Iの化合物は10Cである。別の実施形態において、式Iの化合物は10Dである。別の実施形態において、式Iの化合物は10Eである。別の実施形態において、式Iの化合物は10Fである。別の実施形態において、式Iの化合物は10Gである。別の実施形態において、式Iの化合物は10Hである。別の実施形態において、式Iの化合物は13である。別の実施形態において、式Iの化合物は13−1である。別の実施形態において、式Iの化合物は13Aである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Bである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Cである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Dである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Fである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Gである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Iである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Jである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Kである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Lである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Nである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Oである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Pである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Qである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Rである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Sである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Tである。別の実施形態において、式Iの化合物は13Vである。別の実施形態において、式Iの化合物は14である。別の実施形態において、式Iの化合物は15である。別の実施形態において、式Iの化合物は16である。別の実施形態において、式Iの化合物は17である。別の実施形態において、式Iの化合物は18である。別の実施形態において、式Iの化合物は21Bである。別の実施形態において、式Iの化合物は21Dである。別の実施形態において、式Iの化合物は21Fである。別の実施形態において、式Iの化合物は22である。別の実施形態において、式Iの化合物は23である。別の実施形態において、式Iの化合物は24である。別の実施形態において、式Iの化合物は26である。別の実施形態において、式Iの化合物は27である。別の実施形態において、式Iの化合物は27Aである。別の実施形態において、式Iの化合物は27Bである。別の実施形態において、式Iの化合物は27Cである。別の実施形態において、式Iの化合物は28である。別の実施形態において、式Iの化合物は29Aである。別の実施形態において、式Iの化合物は29Bである。別の実施形態において、式Iの化合物は29Dである。別の実施形態において、式Iの化合物は29Eである。別の実施形態において、式Iの化合物は29Fである。別の実施形態において、式Iの化合物は32Bである。別の実施形態において、式Iの化合物は33である。別の実施形態において、式Iの化合物は34Aである。別の実施形態において、式Iの化合物は34Bである。別の実施形態において、式Iの化合物は35である。別の実施形態において、式Iの化合物は36Cである。別の実施形態において、式Iの化合物は36Eである。別の実施形態において、式Iの化合物は36Fである。別の実施形態において、式Iの化合物は36G2である。
【0086】
式IIの化合物の一実施形態において、
【化40】

【0087】
はフェニル環を形成する。
【0088】
式IIのいくつかの実施形態において、RおよびRは、RがH、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、−CF、−OCF、およびハロからなる群から独立して選択される。
【0089】
式IIの他の実施形態において、
は、アルキル、好ましくはメチルであり、Rは、アルコキシ、好ましくはメトキシであるか、または
は、アルキル、好ましくはメチルであり、Rは、−OCFであるか、または
は、アルキル、好ましくはメチルであり、Rは、H、OH、ハロ、もしくはアルコキシアルコキシ(好ましくはメトキシエトキシ)であるか、または
は、アルコキシ、好ましくはメトキシであり、Rは、アルコキシ、好ましくはメトキシ、もしくはHであるか、または
は、アルコキシアルコキシ(好ましくはメトキシエトキシ)であり、Rは、Hであるか、または
は、ハロであり、Rは、Hであるか、または
は、ハロであり、Rは、−OCFであるか、または
およびRは一緒に、メチレンジオキシである。
【0090】
式IIの別の実施形態において、Rは、アルキル、好ましくはメチル、またはHである。
【0091】
式IIの別の実施形態において、RはHである。
【0092】
式IIの別の実施形態において、bは1である。
【0093】
式IIの別の実施形態において、R5Aは、H、ハロ、−O−アルキル−N(アルキル)、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アルキル−ヘテロシクロアルキル、−N(R6A、−NR−アルキル−O−アルキル−OH、−NR−ヒドロキシアルキル、−S−ヒドロキシアルキル、−SO−アルキル、または−S−アルキル−NHC(O)Hである。
【0094】
式IIの他の実施形態において、R5Aは、H、Cl、−O−(CH−N(CH
【化41】

【0095】
−N(CH、−NH(CHCH、−NH(CH−O−(CH−OH、−NH(CH−OH、−NH−CH−CH(OH)−CH、−NH−アルキル−モルホリニル、−S−CHCH(OH)−CHOH、または−SOCHである。
【0096】
別の実施形態において、R5Aが−N(R6Aであるとき、R5Aは、−N(R6A)−(シクロアルキル)であり、式中、R6Aは、Hまたはアルキルであり、シクロアルキルは、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルであり;ここで、シクロアルキル部分は、1または2個の環系置換基で場合により置換されており;任意の置換基は、好ましくはアルキル、OH、ヒドロキシアルキル、ハロ、および−CFからなる群から独立して選択された1または2個の置換基である。
【0097】
別の実施形態において、R5Aが−N(R6Aであるとき、R5Aは、−N(R6A)−(ヘテロシクロアルキル)であり、式中、R6Aは、Hまたはアルキルであり、ヘテロシクロアルキルは、
【化42】

【0098】
であり、式中、R19は、H、アルキル、または−SOアルキルである。
【0099】
別の実施形態において、R5Aが−N(R6Aであるとき、R5Aは、−NR−アルキル−アリールであり、式中、R6Aは、Hまたはアルキルであり、アリールは、好ましくはフェニルであり;さらにフェニル部分は、1または2個の環系置換基で場合により置換されており;任意の置換基は、好ましくはOH、アルコキシ、または−OCFからなる群から独立して選択された1または2個の置換基であるか、または隣接する炭素環員上の2つの水素原子は−O−(CH−O−で置き換えられている。
【0100】
別の実施形態において、R5Aが−N(R6Aであるとき、R5Aは、−NR6A−アルキル−ヘテロアルキルであり、式中、R6Aは、Hまたはアルキルであり、ヘテロアリール部分は、好ましくはピリジル、たとえば
【化43】

【0101】
である。
【0102】
別の実施形態において、R5Aが−N(R6Aであるとき、2つのR6A基およびそれらが結合している窒素は、
【化44】

【0103】
からなる群から選択された環を形成し、式中、qは1または2であり、sは2または3であり、Rは上に定義されたとおりである。
【0104】
式IIの化合物の別の実施形態において、
およびRは、独立して、H、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、−CF、−OCF、およびハロからなる群から選択され、
は、Hまたはアルキルであり、
は、H、−C(O)O−アルキル、または−SOアルキルであり、
5Aは、H、ハロ、−O−アルキル−N(アルキル)、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アルキル−ヘテロシクロアルキル、−N(R6A、−NR−アルキル−O−アルキル−OH、−NR−ヒドロキシアルキル、−S−ヒドロキシアルキル、−SO−アルキル、および−S−アルキル−NHC(O)Hからなる群から選択される。
【0105】
式IIの化合物のさらに別の実施形態において、
は、アルキル、好ましくはメチルであり、Rは、アルコキシ、好ましくはメトキシであるか、または
は、アルキル、好ましくはメチルであり、Rは、−OCFであるか、または
は、アルキル、好ましくはメチルであり、Rは、H、OH、ハロ、もしくはアルコキシアルコキシ(好ましくはメトキシエトキシ)であるか、または
は、アルコキシ、好ましくはメトキシであり、Rは、アルコキシ、好ましくはメトキシ、もしくはHであるか、または
は、アルコキシアルコキシ(好ましくはメトキシエトキシ)であり、Rは、Hであるか、または
は、ハロであり、Rは、Hであるか、または
は、ハロであり、Rは、−OCFであるか、または
およびRは一緒に、メチレンジオキシであり、
は、アルキルであり、
は、Hであり、及び
5Aは、H、Cl、−O−(CH−N(CH
【化45】

【0106】
−N(CH、−NH(CH−CH、−NH(CH−O−(CH−OH、−NH(CH−OH、−NH−CH−CH(OH)−CH、−NH−アルキル−モルホリニル、−S−CHCH(OH)−CHOH、−SOCH、または
−N(R6A)−(シクロアルキル)(式中、シクロアルキルは、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルであり;シクロアルキル部分は、1または2個の環系置換基で場合により置換されており;任意の置換基は、好ましくはアルキル、OH、ヒドロキシアルキル、フルオロ、および−CFからなる群から独立して選択された1または2個の置換基である)、
−N(R6A)−(ヘテロシクロアルキル)(式中、ヘテロシクロアルキルは、
【化46】

【0107】
であり、式中、R19は、H、アルキル、または−SOアルキルである)、
−NR−アルキル−アリール、好ましくは−NR6A−アルキルフェニル(式中、フェニル部分は、1または2個の環系置換基で場合により置換されており;任意の置換基は、好ましくはOH、アルコキシ、または−OCFからなる群から独立して選択されるか、または隣接する炭素環員上の2つの水素原子は−O−(CH−O−で置き換えられている)、
−NR6A−アルキル−ヘテロアルキル(式中、ヘテロアリール部分は、好ましくはピリジルである)、および
−N(R6A(式中、2つのR6A基およびそれらが結合している窒素は、
【化47】

【0108】
からなる群から選択された環を形成し、式中、qは1または2であり、sは2または3であり、Rは上に定義されたとおりである)からなる群から選択された−N(R6Aであり;ここで、−N(R6A)−(シクロアルキル)、−N(R6A)−(ヘテロシクロアルキル)、−NR6A−アルキルアリール、および−NR6A−アルキル−ヘテロアリールにおけるR6Aは、好ましくはHまたはアルキルである。
【0109】
式IIの好ましい化合物は、実施例3、3D、3G、3I、3M、3N、3O、3R、3T、3W、3Y、3AA、3CC、4C、4O、4P、4Q、4R、4S、4U、4V、5A、5C、5D、5E、5H、5J、5L、5P、5T、5V、5W、5X、5Y、6、6A、6D、6I、6K、6L、6M、6N、6O、6P、7、7D、12、13U、20A、20C、21C、および21Eのものである。
【0110】
式IIのより好ましい化合物は、実施例3、3D、3G、3I、3O、3R、3T、3W、3Y、3AA、3CC、4C、4O、4P、4Q、4R、4S、4W、5H、5P、5T、5V、5W、5Y、6、6A、6I、6K、6L、6M、6N、6P、7、7D、および12のものである。
【0111】
一実施形態において、式IIの化合物は3である。別の実施形態において、式IIの化合物は3Dである。別の実施形態において、式IIの化合物は3Gである。別の実施形態において、式IIの化合物は3Iである。別の実施形態において、式IIの化合物は3Mである。別の実施形態において、式IIの化合物は3Nである。別の実施形態において、式IIの化合物は3Oである。別の実施形態において、式IIの化合物は3Rである。別の実施形態において、式IIの化合物は3Tである。別の実施形態において、式IIの化合物は3Wである。別の実施形態において、式IIの化合物は3Yである。別の実施形態において、式IIの化合物は3AAである。別の実施形態において、式IIの化合物は3CCである。別の実施形態において、式IIの化合物は4Cである。別の実施形態において、式IIの化合物は4Oである。別の実施形態において、式IIの化合物は4Pである。別の実施形態において、式IIの化合物は4Qである。別の実施形態において、式IIの化合物は4Rである。別の実施形態において、式IIの化合物は4Sである。別の実施形態において、式IIの化合物は4Uである。別の実施形態において、式IIの化合物は4Vである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Aである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Cである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Dである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Eである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Hである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Jである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Lである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Pである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Tである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Vである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Wである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Xである。別の実施形態において、式IIの化合物は5Yである。別の実施形態において、式IIの化合物は6である。別の実施形態において、式IIの化合物は6Aである。別の実施形態において、式IIの化合物は6Dである。別の実施形態において、式IIの化合物は6Iである。別の実施形態において、式IIの化合物は6Kである。別の実施形態において、式IIの化合物は6Lである。別の実施形態において、式IIの化合物は6Mである。別の実施形態において、式IIの化合物は6Nである。別の実施形態において、式IIの化合物は6Oである。別の実施形態において、式IIの化合物は6Pである。別の実施形態において、式IIの化合物は7である。別の実施形態において、式IIの化合物は7Dである。別の実施形態において、式IIの化合物は12である。別の実施形態において、式IIの化合物は13Uである。別の実施形態において、式IIの化合物は20Aである。別の実施形態において、式IIの化合物は20Cである。別の実施形態において、式IIの化合物は21Cである。別の実施形態において、式IIの化合物は21Eである。
【0112】
本明細書では、以下の用語は、別段の指示のないかぎり下記に定義されるとおりである。
【0113】
哺乳動物は、ヒトおよび他の哺乳類の動物を意味する。
【0114】
以下の定義は、別段の指示のないかぎり、ある用語が単独で用いられているか、または他の用語との組み合わせで用いられているかにかかわらず適用される。したがって、「アルキル」の定義は、「アルキル」、ならびに「ヒドロキシアルキル」、「ハロアルキル」、「アルコキシ」などの「アルキル」部分に適用される。
【0115】
アルキルは、直鎖または分岐であることができ、鎖中に約1から約20個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、鎖中に約1から約12個の炭素原子を含有する。より好ましいアルキル基は、鎖中に約1から約6個の炭素原子を含有する。分岐とは、1つ以上のメチル、エチル、またはプロピルなどの低級アルキル基が線状アルキル鎖に結合していることを意味する。
【0116】
アルキレンは、上に定義されたC1〜C3アルキル基から水素原子を除去することによって得られた二官能アルキル基を意味する。アルキレンの非限定的な例には、メチレン、エチレン、およびプロピレン(すなわち、−CH−、−(CH−、−(CH−)が含まれる。置換されているとき、R17aおよびR17b基は、同一または異なる炭素原子上にあることができる。ただし、Rがヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−であり、ヘテロシクロアルキル環が環窒素によってアルキレン基に結合しているとき、α炭素上のR17b置換基は、H、アルキル、CN、−CHOH、−CH−O−アルキル、−CON(R6a、−CHN(R、または−COであり、不安定な化合物、たとえばα炭素(ここでは環窒素に隣接する炭素を意味する)がOHで置換されている化合物を除外することが意図される。
【0117】
ヒドロキシアルキルは、1から3個のヒドロキシ基で置換された、上記定義のアルキル基を表わす。親への結合はアルキル基を介する。
【0118】
アルコキシは、アルキル基が前に記載されたとおりである、アルキル−O−基を意味する。適切なアルコキシ基の非限定的な例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、およびn−ブトキシが含まれる。親部分への結合はエーテル酸素を介する。
【0119】
アミノアルキルは、アルキル基が前に記載されたとおりである、アミノ−アルキル基を意味する。親部分への結合はアルキルを介する。
【0120】
ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを表わす。
【0121】
「ヒドロキシアルキル」は、アルキルが上記定義のとおりである、HO−アルキル基を意味する。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキルを含有する。適切なヒドロキシアルキル基の非限定的な例には、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが含まれる。
【0122】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、鎖中に約2から約15個の炭素原子を含む、直鎖または分岐脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、鎖中に約2から約12個の炭素原子を有し、より好ましくは鎖中に約2から約6個の炭素原子を有する。「低級アルケニル」は、直鎖または分岐であることができる、鎖中の約2から約6個の炭素原子を意味する。適切なアルケニル基の非限定的な例には、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニル、およびデセニルが含まれる。
【0123】
「ヒドロキシアルケニル」は、1つ以上のヒドロキシル基、好ましくは1または2個のヒドロキシ基で置換されたアルケニル基を指し、ただしヒドロキシル基は、二重結合の一部である炭素上には存在しない。
【0124】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有し、直鎖または分岐であることができ、鎖中に約2から約15個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキニル基は、鎖中に約2から約12個の炭素原子を有し、より好ましくは鎖中に約2から約4個の炭素原子を有する。分岐とは、1つ以上のメチル、エチル、またはプロピルなどの低級アルキル基が線状アルキニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキニル」は、直鎖または分岐であることができる、鎖中の約2から約6個の炭素原子を意味する。適切なアルキニル基の非限定的な例には、エチニル、プロピニル、2−ブチニル、および3−メチルブチニルが含まれる。
【0125】
「アリール」は、約6から約14個の炭素原子、好ましくは約6から約10個の炭素原子を含む、芳香族単環式または多環式環系を意味する。アリール基は、1つ以上の「環系置換基」で場合により置換されていることができ、環系置換基は同一でも異なっていてもよく、本明細書に定義されるとおりである。適切なアリール基の非限定的な例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。
【0126】
「ヘテロアリール」は、約5から約14個の環原子、好ましくは約5から約10個の環原子を含み、環原子の1つ以上が、単独または組み合わせとして炭素以外の元素、たとえば窒素、酸素、または硫黄である、芳香族単環式または多環式環系を意味する。好ましいヘテロアリールは、約5から約6個の環原子を含有する。「ヘテロアリール」は、1つ以上の「環系置換基」で場合により置換されていることができ、環系置換基は同一でも異なっていてもよく、本明細書に定義されるとおりである。ヘテロアリールという語根名の前の接頭辞アザ、オキサ、またはチアは、それぞれ、少なくとも窒素、酸素、または硫黄が環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、対応するN−オキシドに場合により酸化されることができる。適切なヘテロアリールの非限定的な例には、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(N−置換ピリドンを含む)、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシインドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが含まれる。用語「ヘテロアリール」は、たとえば、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリルなどの部分飽和ヘテロアリール部分も指す。
【0127】
「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アリールおよびアルキルが前に記載されたとおりである、アリール−アルキル基を意味する。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例には、ベンジル、2−フェネチル、およびナフタレニルメチルが含まれる。親部分への結合はアルキルを介する。
【0128】
「環系置換基」は、たとえば、環系上の利用可能な水素を置き換える、芳香族または非芳香族環系に結合した置換基を意味する。環系置換基は、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロアリール、−CH(Y)(Y)、−O−Y、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、ハロアルコキシ、−C(O)Y、ハロ、ニトロ、シアノ、−C(O)−Y、−S(O)−Y、−S−Y、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、−C(=N−CN)−NH、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NH(アルキル)、−NY、−アルキル−NY、−C(O)NY、および−SONYからなる群から独立して選択され、式中、Y、Y、およびYは、同一であるかまたは異なることができ、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、およびヘテロアリールアルキルから独立して選択される。芳香環上の「環系置換基」は、−SF、−OSF、−Si(Y、−S(O)N(Y)(Y)、−C(=NOY)Y、−P(O)(OY)(OY)、−N(Y)C(O)Y、−CH−N(Y)C(O)Y、−CH−N(Y)C(O)N(Y)(Y)、−N(Y)S(O)Y、−N(Y)S(O)Y、−CH−N(Y)S(O)、−N(Y)S(O)N(Y)(Y)、−N(Y)S(O)N(Y)(Y)、−N(Y)C(O)N(Y)(Y)、−CH−N(Y)C(O)N(Y)(Y)、−N(Y)C(O)(Y)、−CH−N(Y)C(O)(Y)、−S(O)Y、=NOY、および−Nからなる群から選択することもでき、式中、Y、Y、およびYは、上に定義されたとおりであり、各Yは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、およびヘテロアリールアルキルから独立して選択される。さらに、Y、Y、またはYのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキル部分は、ハロ、OH、−CF、CN、アルコキシ、−NH、−NH−アルキル、−N(アルキル)、およびSi(アルキル)からなる群から独立して選択された1または2個の置換基で場合により置換されていることができる。「環系置換基」は、環系の2つの隣接する炭素原子上の2つの利用可能な水素(各炭素上に1つのH)を同時に置き換える単一部分を意味することもできる。そのような部分の例は、たとえば
【化48】

【0129】
などの部分を形成する、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、−C(CH−などである。
【0130】
同様に、2価アルキル鎖または−O−(CH−O−基などの単一2価部分は、環系の1つの炭素原子上の2つの利用可能な水素原子を同時に置き換えることができる。そのようなスピロ部分の例は、
【化49】

【0131】
である。
【0132】
「ヘテロシクリル」は、約3から約10個の環原子、好ましくは約5個から約10個の環原子を含み、環系のそれらの原子の1つ以上が、単独または組み合わせとして炭素以外の元素、たとえば窒素、酸素、または硫黄である、非芳香族飽和単環式または多環式環系を意味する。隣接する酸素および/または硫黄原子はこの環系に存在しない。好ましいヘテロシクリルは、約5から約6個の環原子を含有する。ヘテロシクリルという語根名の前の接頭辞アザ、オキサ、またはチアは、それぞれ、少なくとも窒素、酸素、または硫黄が環原子として存在することを意味する。ヘテロシクリル環の任意の−NHは、たとえば−N(Boc)、−N(CBz)、−N(Tos)基など、保護されて存在することができ、そのような保護も本発明の一部とみなされる。ヘテロシクリルは、1つ以上の「環系置換基」で場合により置換されていることができ、環系置換基は同一でも異なっていてもよく、本明細書に定義されるとおりである。ヘテロシクリルの窒素または硫黄原子は、対応するN−オキシド、S−オキシド、またはS,S−ジオキシドに場合により酸化されることができる。適切な単環式ヘテロシクリル環の非限定的な例には、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ラクタム、ラクトンなどが含まれる。
【0133】
本発明のヘテロ原子を含有する環系において、N、O、またはSに隣接する炭素原子にヒドロキシル基は存在せず、別のヘテロ原子に隣接する炭素にNまたはS基は存在しないことに留意されたい。したがって、たとえば、下記の環において
【化50】

【0134】
2および5と付された炭素に直接結合する−OHは存在しない。
【0135】
たとえば、下記の部分
【化51】

【0136】
などの互変異性形態は、本発明のある種の実施形態において等価物とみなされることにも留意されたい。
【0137】
「ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリールおよびアルキルが前に記載されたとおりである、ヘテロアリール−アルキル基を意味する。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含有する。適切なヘテロアラルキル基の非限定的な例には、ピリジルメチルおよびキノリン−3−イルメチルが含まれる。親部分への結合はアルキルを介する。
【0138】
同様に、シクロアルキルアルキルおよびヘテロシクロアルキルアルキルは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、およびアルキルが前に記載されたとおりであり、アルキル部分が好ましくは低級アルキルである、シクロアルキル−アルキルおよびヘテロシクロアルキル−アルキル基を意味する。親部分への結合はアルキル部分を介する。
【0139】
用語「置換された」は、指定された原子上の1つ以上の水素が、示された群からの選択肢によって置き換えられていることを意味し、ただし現存する環境下での指定原子の通常の原子価を超えず、置換によって安定な化合物がもたらされる。置換基および/または可変項の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物を生じる場合にのみ許容される。「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物から有用な純度への単離および有効な治療剤への製剤化に耐えるだけ十分に頑強な化合物を意味する。
【0140】
ある化合物に関して「単離された」または「単離形態」という用語は、合成工程もしくは天然供給源、またはそれらの組み合わせから単離された後の前記化合物の物理的状態を指す。ある化合物に関して「精製された」または「精製形態」という用語は、本明細書に記載されているかまたは当業者に周知の標準的な分析技法によって特性を決定できる十分な純度で、本明細書に記載されているかまたは当業者に周知の1つ以上の精製工程から得られた後の前記化合物の物理的状態を指す。
【化52】

【0141】
がフェニルであるとき、式IまたはIIは、以下の構造
【化53】

【0142】
を有する。
【化54】

【0143】
がヘテロアリールであるとき、ヘテロアリールには、これに限定されるものではないが、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、およびフラニルが含まれる。そのような基の例を以下の部分構造に示す。
【化55】

【0144】
当業者は
【化56】

【0145】
が2つのヘテロ原子を含有する5員環であるとき、置換可能な炭素が1つだけ存在し、したがってRは不在であることを、認識するであろう。
【0146】
「シクロアルキル」は、約3から約10個の炭素原子、好ましくは約3個から約7個の炭素原子を含む、非芳香族単環式または多環式環系を意味する。シクロアルキルは、1つ以上の「環系置換基」で場合により置換されていることができ、環系置換基は同一でも異なっていてもよく、本明細書に定義されるとおりである。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが含まれる。適切な多環式シクロアルキルの非限定的な例には、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルなどが含まれる。「シクロアルケニル」は、部分飽和種、たとえばシクロペンテン、シクロヘキセン、インダニル、テトラヒドロナフチルなどを意味する。
【0147】
本明細書では、用語「架橋ヘテロシクロアルキル」は、環の片側の炭素が、C1〜C3アルキル基またはヒドロキシ置換C1〜C3アルキル基によって、環の反対側の炭素に結合しているピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、またはテトラヒドロフラニル環を意味し、ただし架橋がC1架橋であるとき、架橋が結合している両方の炭素原子は同じヘテロ原子に隣接していない。非限定的な例には、以下が含まれる。
【化57】

【0148】
本明細書では、用語「縮合環ヘテロシクロアルキル」は、2つの隣接する共有炭素環員を介して、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環に結合している5または6員ヘテロシクロアルキル環を意味する。非限定的な例には、以下が含まれる。
【化58】

【0149】
ハロアルキルは、1つ以上のハロ原子で置換された、定義されたアルキル基を表わす。ハロがフルオロである例は、−CHF、−CHF、−CF、−CHCF、−CFCFなどである。
【0150】
本明細書の本文、スキーム、実施例、および表において、原子価を満たしていない任意の炭素およびヘテロ原子は、原子価を満たす十分な数の水素原子を有すると想定されることにも留意されたい。
【0151】
ある化合物の官能基が「保護されている」と称されるとき、化合物が反応に供されたとき、保護部位において望ましくない副反応を防ぐために、その基が修飾された形態であることを意味する。適切な保護基は、当業者によって、ならびに標準的な教本、たとえばT.W.Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis(1991)、Wiley、New Yorkなどを参照することによって認識されるであろう。
【0152】
任意の可変項(たとえば、アルキル、ハロなど)が任意の構成要素、または式IもしくはIIに複数回出現するとき、それぞれの出現時の定義は、他のすべての出現時の定義とは独立している。
【0153】
本明細書では、用語「組成物」は、指定の量の指定の成分を含む生成物、ならびに指定の量の指定の成分の組み合わせから、直接または間接的に得られる任意の生成物を包含することが意図される。
【0154】
本発明の化合物のプロドラッグ、溶媒和物、および共結晶も本発明に企図される。
【0155】
本明細書で用いられる用語「プロドラッグ」は、in vivoで変換されて、式(I)(もしくは式II)の化合物、またはその化合物の医薬的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物を生じる化合物を意味する。変換は、たとえば血中での加水分解など、様々な機序によって起こり得る。プロドラッグの使用に関する議論は、T.HiguchiおよびW.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、Vol.14、A.C.S Symposium Series、ならびにBioreversible Carriers in Drug Design、Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987に提供されており、いずれも参照により本明細書の一部とする。
【0156】
たとえば、式(I)の化合物またはその化合物の医薬的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物がカルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、酸基の水素原子を、たとえば(C〜C)アルキル、(C〜C12)アルカノイルオキシメチル、4から9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5から10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4から7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5から8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3から9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4から10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル(β−ジメチルアミノエチルなど)、カルバモイル−(C〜C)アルキル、N,N−ジ(C〜C)アルキルカルバモイル−(C〜C)アルキル、およびピペリジノ−、ピロリジノ−、またはモルホリノ(C〜C)アルキルなどの基で置き換えることによって形成されたエステルを含むことができる。
【0157】
同様に、式(I)の化合物がアルコール官能基を含有する場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子を、たとえば(C〜C)アルカノイルオキシメチル、1−((C〜C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C〜C)アルカノイルオキシ)エチル、(C〜C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C〜C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C〜C)アルカノイル、α−アミノ(C〜C)アルカニル(alkanyl)、アリールアシル、およびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシル(各α−アミノアシル基は、天然L−アミノ酸から独立して選択される)、P(O)(OH)、−P(O)(O(C〜C)アルキル)、またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形態のヒドロキシル基を除去することによって生じる基)などの基で置き換えることによって形成できる。
【0158】
「溶媒和物」は、本発明の化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含む、様々な程度のイオン結合および共有結合を含む。いくつかの例において、溶媒和物は、たとえば1つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれているとき、単離することができる。「溶媒和物」は、液相溶媒和物および単離可能溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例には、エタノラートおよびメタノラートなどが含まれる。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0159】
共結晶は、活性医薬中間体と、化合形態に結晶性を生じる不活性分子を化合することによって形成された結晶性超構造である。共結晶は多くの場合、共結晶の性質に応じて様々な割合のフマル酸、コハク酸などのジカルボン酸と、本発明の化合物Iで表わされるものなどの塩基性アミンとの間で作られる(Rmenar,J.F.ら、J Am.Chem.Soc.2003、125、8456)。
【0160】
「有効量」または「治療有効量」は、PDE10阻害剤として有効であり、したがって所望の治療、改善、阻害、または予防効果を生じる本発明の化合物または組成物の量を記述することが意図される。
【0161】
式IまたはIIの化合物は、同様に本発明の範囲内である塩を形成することができる。本明細書において式IまたはIIの化合物への言及は、別段の指示のないかぎり、その塩への言及を含むことが理解される。本明細書で用いられる用語「塩」は、無機および/または有機酸と形成された酸性塩、ならびに無機および/または有機塩基と形成された塩基性塩を意味する。加えて、式IまたはIIの化合物が、これに限定されるものではないがピリジンまたはイミダゾールなどの塩基性部分、およびこれに限定されるものではないがカルボン酸などの酸性部分の両方を含有するとき、両性イオン(「内塩」)が形成される可能性があり、本明細書で用いられる用語「塩」に含まれる。医薬的に許容される(すなわち、非毒性で生理学的に許容される)塩が好ましいが、他の塩も有用である。式Iの化合物の塩は、たとえば、塩が沈澱するような媒質または水性媒質において、式Iの化合物をある量、たとえば当量の酸または塩基と反応させ、その後凍結乾燥することによって形成することができる。
【0162】
代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシラートとしても知られる)などが含まれる。さらに、塩基性医薬化合物から医薬的に有用な塩を形成するのに適切であると一般にみなされている酸は、たとえば、P.Stahlら、Camille G.(編)Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties,Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley−VCH;S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1〜19;P.Gould、International J.of Pharmaceutics(1986)33、201〜217;Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996)、Academic Press、New York;およびThe Orange Book(Food&Drug Administration、Washington,D.C.ウェブサイト)に論じられている。これらの開示は参照により本明細書の一部とする。
【0163】
代表的な塩基性塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、たとえばナトリウム塩、リチウム塩、およびカリウム塩など、アルカリ土類金属塩、たとえばカルシウム塩およびマグネシウム塩など、有機塩基(たとえば、有機アミン)との塩、たとえばジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミンなど、およびアミノ酸、たとえばアルギニン、リシンなどとの塩が含まれる。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(たとえば、塩化、臭化、およびヨウ化メチル、エチル、およびブチル)、硫酸ジアルキル(たとえば、硫酸ジメチル、ジエチル、およびジブチル)、長鎖ハロゲン化物(たとえば、塩化、臭化、およびヨウ化デシル、ラウリル、およびステアリル)、アラルキルハロゲン化物(たとえば、臭化ベンジルおよびフェネチル)などの作用剤で四級化することができる。
【0164】
そのようなすべての酸塩および塩基塩は、本発明の範囲内の医薬的に許容される塩であることが意図され、すべての酸および塩基塩は、本発明の目的で対応する化合物の遊離形態と等価であるとみなされる。
【0165】
式IまたはIIの化合物、ならびにその塩、溶媒和物、共結晶、およびプロドラッグは、互変異性形態(たとえば、アミドまたはイミノエーテル)で存在することができる。そのようなすべての互変異性形態は、本発明の一部として本明細書において企図される。
【0166】
鏡像異性体(不斉炭素の不在下でも存在することができる)、回転異性体、アトロプ異性体、およびジアステレオマー形態を含む、種々の置換基の不斉炭素の結果として存在することができる異性体などの、本発明の化合物(それらの化合物の塩、溶媒和物、共結晶、およびプロドラッグ、ならびにプロドラッグの塩、および溶媒和物、共結晶を含む)のすべての立体異性体(たとえば、幾何異性体、光学異性体など)が本発明の範囲内で企図され、位置異性体(たとえば、4−ピリジルおよび3−ピリジル)も同様である。本発明の化合物の個々の立体異性体は、たとえば実質的に他の異性体を含まなくてもよく、またはたとえばラセミ化合物として、または他のすべての立体異性体もしくは他の選択された立体異性体と混合されていることもできる。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsに定義されるSまたはR立体配置を有することができる。用語「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」などの使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ化合物、またはプロドラッグの塩、溶媒和物、およびプロドラッグにも同様に適用されることが意図される。異性体は、光学的に純粋もしくは光学的に富む出発材料を反応させることによって、または式Iの化合物の異性体を分離することによって、通常の技法を用いて調製できる。異性体は、たとえば二重結合が存在するとき、幾何異性体も含むことができる。
【0167】
当業者は、式IまたはIIの一部の化合物に関して、1つの異性体が他の異性体より高い薬理活性を示すことを理解するであろう。
【0168】
本発明はさらに、1つ以上の原子が、通常自然界に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置換されていることを除いて、本明細書に挙げた化合物と同一である本発明の同位体標識化合物を包含する。本発明の化合物に取り込むことのできる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素、およびヨウ素の同位体、たとえばそれぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、36Cl、および123Iなどが含まれる。
【0169】
式(I)のある種の同位体標識化合物(たとえば、Hおよび14Cで標識された化合物)は、化合物および/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム(すなわちH)および炭素−14(すなわち14C)同位体は、それらの調製の容易さと検出能のために特に好ましい。式(I)のある種の同位体標識化合物は、医用画像化のために有用であり得る。たとえば、11Cまたは18Fのような陽電子放射同位体で標識された化合物は、陽電子放射断層撮影(PET)での適用に有用であり、123Iのようなガンマ線放射同位体で標識された化合物は、単一光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)での適用に有用であり得る。さらに、重水素(すなわちH)などの重い同位体による置換は、より高い代謝安定性(たとえば、in vivoでの半減期の増大、または必要用量の低減)に由来するある種の治療上の利点を提供することができ、したがって一部の状況下では好ましい可能性がある。さらに、重水素(すなわちH)などの重い同位体による置換は、より高い代謝安定性(たとえば、in vivoでの半減期の増大、または必要用量の低減)に由来するある種の治療上の利点を提供することができ、したがって一部の状況下では好ましい可能性がある。加えて、エピマー化が起こる位置での同位体置換は、エピマー化過程を遅延または低減し、それによってより長い時間、化合物のより活性な形態または有効な形態を維持することができる。式(I)の同位体標識化合物、特に長い半減期(T1/2>1日)を有する同位体を含有する化合物は、一般に以下のスキームおよび/または実施例に開示されるものと類似の手順に従い、非同位体標識試薬を適切な同位体標識試薬に置き換えることによって調製できる。
【0170】
式IまたはIIの化合物の多型形態、ならびに式IまたはIIの化合物の塩、溶媒和物、共結晶、およびプロドラッグの多型形態は、本発明に含まれることが意図される。
【0171】
本明細書において、「少なくとも1種の式I(または式II)の化合物」という用語は、1から3種の異なる式IまたはIIの化合物が医薬組成物または治療方法に用いられている可能性のあることを意味する。好ましくは、1種の式IまたはIIの化合物が用いられる。
【0172】
式Iの化合物は、当分野で知られている方法によって調製される。式Iの化合物を調製するための典型的な反応スキームをスキーム1に示す。
【化59】

【0173】
無水エタノール中のアミノ置換アリールまたはヘテロアリール1を水酸化アンモニウム、次いで二硫化炭素、続いてクロロ酢酸、次いでヒドラジンで処理して、化合物2を得て、それをシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製する。エタノール中の化合物2をエチル2−クロロアセトアセタートで処理して、エステル化合物3を得る。無水エタノール中のエステル3をKOH水溶液で処理する。得られた混合物を加熱還流し、その後、冷却する。酸性化により、酸4を単離する。酸4を還流下、POClで処理し、次いで冷却し、20%NaOHでpHを調整して、クロロ化合物5を得る。クロロ化合物5は、当分野で知られており、以下の実施例に記載される方法を用いて、式6のR置換化合物に変換できる。
【0174】
式IIの化合物は、式Iの化合物に関して記載したものと類似の方法によって、ならびに当分野で知られている方法、たとえば、すべて参照により本明細書の一部とするUS5,459,146、US5,506,236、US5,608,067、およびUS2007/0253957、およびCrenshawら、J.Med.Chem.19(2)、262〜275(1976)に記載の手順によって調製できる。
【0175】
上記のスキームおよび以下の調製例において、以下の略語が用いられる:RT 室温、Ac アセチル、Me メチル、Et エチル、Ph フェニル、iPr イソプロピル、t−Bu t−ブチル、tBOC N−tert−ブトキシカルボニル、DCM ジクロロメタン、DMSO ジメチルスルホキシド、DIBAL 水素化ジイソブチルアルミニウム、DCE ジクロロエタン、DMF ジメチルホルムアミド、THF テトラヒドロフラン、SEM−Cl 2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド、DAST (ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド、TBAF テトラブチルアンモニウムフルオリド、sat.(またはsat) 飽和されている、IBX ヨードキシ安息香酸、TFA トリフルオロ酢酸。
【0176】
LC/MSデータが示されている場合、分析は、Applied Biosystems API−150質量分析計、およびShimadzu SCL−10A LCシステムを用いて行った。カラム:Phenomenex Gemini C18、5ミクロン、50mm×4.6mm ID;勾配:90%水、10%CHCN、および0.05%TFA、5分から、5分で5%水、95%CHCN、および0.05%TFA。MSデータは、Agilent Technologies LS/MSD SLまたは1100系LC/MSD質量分析計を用いて得た。保持時間は、uvが指示されていないかぎり、トータルイオンカレント(TIC)を指す。
【0177】
以下は式IおよびIIの中間体および化合物の調製の例である。
【実施例1】
【0178】
【化60】

【0179】
ステップ1
【化61】

【0180】
CS(4.5mL)を、4−メトキシ−2−メチルアニリン(9.0g)、無水EtOH(25mL)、およびNHOH(6ml)の混合物に添加した。1時間後、クロロ酢酸(7.0g)、NaHCO(4.5g)、および水(20mL)を添加した。さらに1時間後、HNNH一水和物(7.5mL)を黒色混合物に滴加した。得られた混合物を一晩冷蔵した。混合物を濾過し、冷EtOHで洗浄した。紫色の固体を真空オーブンにおいて50℃で乾燥して、紫色−白色の固体(11.52g)を得た。この材料を、60分かけて10%、その後50%MeOHに緩やかに勾配させてCHClで溶離し、シリカゲル順相カラム(330g)で精製した。化合物1−2を含有する画分を真空で濃縮して、オレンジ色−白色の固体として化合物1−2(10.71g)を得た。LCMS:M 211。実測値:M+1 212 2.27分。
【0181】
ステップ2
【化62】

【0182】
化合物1−2(8.33g)および無水EtOH(50mL)を室温で10分間攪拌した。無水EtOH(5mL)中のエチル2−クロロアセトアセタート(6.7mL)を滴加した。2時間後、混合物を1時間冷蔵した。混合物を濾過して、黄色の固体を得て、それを冷EtOHで洗浄し、真空オーブンにおいて50℃で乾燥した。濾液を約10mLに蒸発させ、一晩冷蔵し、濾過した。沈殿物を合わせ、黄色の固体(7.30g)として化合物1−3を得た。LCMS:M 289。実測値:M+1 290 3.88分。
【0183】
ステップ3
【化63】

【0184】
水(80mL)中のKOH(13.7g)を、化合物1−3(7.63g)および無水EtOH(40mL)の混合物に4分かけてゆっくりと添加した。得られた混合物を5時間加熱還流し、その後、氷浴で冷却し、水(50mL)を添加した。pHが〜3になるまで濃HCl(〜18mL)を添加して、黄色の固体を得た。この固体を水で洗浄し、真空オーブンにおいて50℃で乾燥して、綿毛状の黄褐色の固体(4.59g)として化合物1−4を得て、それをさらに精製することなく次のステップに用いた。
【0185】
ステップ4
【化64】

【0186】
化合物1−4(4.50g)とPOCl(5mL)の混合物を窒素パージし、1時間加熱還流した。混合物を70℃に冷却し、真空で濃縮した(浴70℃)。混合物を0℃に冷却し、20%NaOHでpH〜8に調整し、水を添加して、褐色の固体を得た。混合物を濾過し、水で洗浄し、50℃で乾燥して、褐色の固体(3.90g)として化合物1−5を得て、それをさらに精製することなく実施例3に用いた。
【0187】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【化65】

【実施例2】
【0188】
1−2の類似体の別の合成
【化66】

【0189】
ヒドラジン一水和物(2g)を、イソチオシアナート2−1(10g)のDCM溶液にゆっくりと添加した。混合物を室温で3時間攪拌し、得られた混合物を濾過した。沈殿物をDCMで洗浄して、2−2(10.54g)を得た。LCMS:M 235。実測値:m/z 236(MH)。
【0190】
以下の化合物を同様に調製した。
【化67】

【実施例3】
【0191】
【化68】

【化69】

【0192】
化合物1−5(0.825g)、ピペラジン(2.0g)、トリフルオロメチルトルエン(3.5mL)、およびジオキサン(3.5mL)をマイクロウェーブバイアルに加えた。混合物を窒素パージし、密封し、マイクロウェーブ反応器に入れた。混合物を165℃で2時間加熱した。反応混合物をEtOAc、DCM、およびMeOHで希釈し、濾過し、濾液を真空で濃縮した。残留物をEtOAcと水に分配した。有機層を乾燥(KCO)し、真空で濃縮して、残留物(0.51g)を得た。残留物をDCM:MeOH(9:1)で溶離し、シリカゲルプレート(6、1000μ)で精製して、黄色の固体(0.23g)として表題化合物3を得た。LCMS:M 311。実測値:M+1 312 1.66分。
【0193】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【表1】






【実施例4】
【0194】
【化70】

【0195】
1−5(0.100g)、NaH(0.030g)、KI(0.060g)、および4−メチルピペリジン(0.44mL)を充填したマイクロウェーブバイアルを窒素パージし、密封し、マイクロウェーブ反応器で1時間、高設定(high setting)で加熱した。反応混合物をEtOAcと水に分配した。有機層を乾燥(NaSO)し、真空で濃縮して、残留物(0.066g)を得た。残留物をアセトン:DCM(2:8)で溶離し、シリカゲルプレート(6、1000μ)で精製して、化合物4(0.012g)を得た。LCMS:M 324。実測値:M+1 325。保持時間:2.84分。
【0196】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【表2】




【0197】
以下の化合物を、溶媒としてジオキサンを用い、反応混合物を160℃で一晩加熱して、類似の方法で調製した。
【表3】

【0198】
以下の化合物を、溶媒としてジオキサンを用い、KIを用いず、反応混合物を160℃で一晩加熱して、類似の方法で調製した。
【表4】


【0199】
以下の化合物を、溶媒としてジオキサンを用い、KIを用いず、類似の方法で調製した。
【表5】

【実施例5】
【0200】
【化71】

【0201】
化合物1−5(41mg)および4−アミノメチルテトラヒドロピラン(400mg)の混合物を125℃で一晩攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水を添加した。混合物を濾過し、沈殿物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−EtOAc)で精製して、化合物5(16mg)を得た。〜1当量のHCl/エーテルを化合物5のエーテル溶液に添加し、その後、蒸発乾固することによって、モノHCl塩を調製した。LCMS:M 340。m/z 341[M+H]。保持時間2.23分。
【0202】
以下の化合物を類似の方法で得た。
【表6】





【実施例6】
【0203】
【化72】

【0204】
DMSO(1mL)中の化合物1−5(50mg)、ホモモルホリン塩酸塩(200mg)、トリエチルアミン(〜200mg)の混合物を125℃で2日間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水を添加した。混合物を濾過した。沈殿物を2%DCM−MeOHで溶離し、シリカゲルプレートで精製して、化合物6(5mg)を得た。〜1当量のHCl/エーテルを化合物6のエーテル溶液に添加し、その後、1時間蒸発乾固することによって、モノHCl塩を調製した。LCMS:M 326。実測値:m/z 327(MH)。保持時間2.4分。
【0205】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【表7】



【0206】
以下の化合物を、溶媒としてNMPを用いて、類似の方法で調製した。
【表8】

【0207】
以下の化合物を、溶媒としてNMPを用い、塩基として(i−Pr)NEtを用いて、類似の方法で調製した。
【表9】


【実施例7】
【0208】
【化73】

【0209】
化合物7−1(92mg)、ホモモルホリン塩酸塩(74mg)、KCO(72mg)、およびフェノール(1g)の混合物を120℃で4時間加熱した。混合物を室温に冷却し、1M NaOH(50mL)を添加した。混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物を、ヘキサン中0から100%EtOAcの勾配で溶離し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、黄色の油として10mgの化合物7を得た。LCMS:M 342。実測値:M+1 343。
【0210】
以下の化合物を類似の方法で得た。
【表10】


【実施例8】
【0211】
【化74】

【0212】
化合物3(0.15g)およびDCM(10mL)の混合物を、ピリジン(50μL)、次いでCHSOCl(50μL)で処理した。24時間後、追加のピリジン(25μL)およびCHSOCl(25μL)を添加した。2時間後、反応混合物を濃縮し、DCM:MeOH(9:1)で溶離し、シリカゲルプレート(2、1000μL)で精製して、黄色の固体を得た。この黄色の固体をDCMに懸濁し、濾過して、黄色の固体(0.050g)として化合物8を得た。濾液をシリカゲルプレート(2、1000μ)に載せ、上記のとおり溶離し、黄色の固体(0.028g)としてさらに化合物8を得た。LCMS:M 389。実測値:M+1 390 0.79、2.04分。
【0213】
以下の化合物を類似の方法で得た。
【表11】

【実施例9】
【0214】
【化75】

【0215】
3Q(59mg)のDCM(1mL)溶液を、トリフルオロ酢酸(0.33mL)で処理した。1.5時間後、反応混合物を真空で濃縮した。DCMを添加し、真空で濃縮した(2回)。残留物をDCMと2.5N KCO溶液に分配した。有機層を乾燥(KCO)し、真空で濃縮し、残留物をDCM:MeOH:NHOH(180:20:2)で溶離し、シリカゲルプレート(2、1000μ)で精製して、黄色の固体(0.039g)として化合物9を得た。LCMS:M 325。実測値:M+1 326 0.68、1.53(uv)分。
【実施例10】
【0216】
【化76】

【0217】
トリメチルシリルイソシアナート(55μL)を、60℃で乾燥ジオキサン(15mL)中の化合物9(121mg)に添加した。混合物を70分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、MeOH(5mL)を添加し、混合物を真空で濃縮して、黄色の固体(142mg)を得た。この固体をDCM:MeOH(9:1)で溶離し、シリカゲルプレート(4、1000μ)で精製して、黄色の泡状物(92mg)を得た。この泡状物をCHCN中0.1%HCOH/水中0.1%HCOH(20分で10%から95%)で溶離し、逆相HPLCカラム(10μ;30×100mm)で精製して(2回)、オレンジ色の固体(63mg)として10−Aおよび黄色の固体(22mg)として10−Bを得た。10−AのLCMS:M 368。実測値:M+1 369 2.26分(uv)。10−BのLCMS:M 411。実測値:M+1 412 0.82,1.87分(uv)。
【0218】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【表12】


【実施例11】
【0219】
【化77】

ステップ1
【化78】

【0220】
化合物1−5を実施例3に記載したものと類似の方法で、N−Boc−ピペラジンで処理して、褐色の固体(104mg)として化合物11−1を得て、それをさらに精製することなく次のステップに用いた。LCMS:M 411。実測値:M+1 412 2.88分。
【0221】
ステップ2
【化79】

【0222】
窒素雰囲気下、11−1(100mg)のCHCN(3mL)溶液を新たに粉砕したKCO(168mg)、次いでCHI(90μL)で処理した。1時間後、追加のCHI(100ml)およびCHCN(1.5mL)を添加した。2.5時間後、追加のCHI(100μl)を添加した。混合物を60℃で18時間加熱した。反応混合物をDCM:MeOH(9:1)で溶離し、シリカゲルプレート(4、1000μ)で精製して、琥珀色の油(70mg)を得た。この油をDCM:MeOH(9:1)で溶離し、シリカゲルプレート(2、1000μ)で精製して、琥珀色の薄膜(39mg)を得た。この琥珀色の薄膜をシリカゲルプレートに載せ、EtOAc:ヘキサン(1:3)で溶離し、黄色の泡状物(21mg)として表題化合物11−2を得て、それを次のステップに用いた。LCMS:M 425。実測値:426 4.56分。
【0223】
ステップ3
乾燥DCM(750μL)中の化合物11−2(19mg)の混合物を、トリフルオロ酢酸(250μL)で処理した。35分後、反応混合物を真空で濃縮した。DCMを添加し、混合物を2回、真空で濃縮した。残留物をDCMと2.5N KCOに分配した。有機層を乾燥(KCO)し、真空で濃縮した。残留物をDCM:MeOH:NHOH(90:10:1)で溶離し、シリカゲルプレート(1000μ)で精製して、黄色の固体(12mg)として化合物11を得た。LCMS:M 325。実測値:M+1 326 2.37分(uv)。
【0224】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【表13】

【実施例12】
【0225】
【化80】

【0226】
ステップ1
【化81】

【0227】
化合物1−5(1.0g)を48%HBr水溶液で処理した。得られた混合物を110℃で18時間加熱した。反応混合物を冷却し、濾過して、暗緑色の固体として化合物12−1を得て、それをさらに精製することなく次のステップに用いた。LCMS:M 229。実測値:M+1 230 1.96分。
【0228】
ステップ2
【化82】

【0229】
無水酢酸(40mL)中の化合物12−1(1.10g)の混合物を、p−トルエンスルホン酸(40mg)で処理した。得られた混合物を125℃で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、濾過して、白色の固体として表題化合物12−2(0.22g)を得た。濾液を真空で〜5mLに濃縮し、濾過して、さらに表題化合物(0.31g)を得た。LCMS:M 313。実測値:M+1 314 3.51分。
【0230】
ステップ3
【化83】

【0231】
DCM(30mL)中の化合物12−2(0.52g)の混合物を、塩化オキサリル(2.4mL)で処理し、室温で4時間攪拌した。反応混合物を真空で濃縮して、淡褐色の残留物を得た。この残留物をジエチルエーテルで摩砕し、その後濾過して、灰白色の固体として化合物12−3(0.46g)を得た。LCMS:M 331。M+1 332 4.41分。
【0232】
ステップ4
【化84】

【0233】
マイクロウェーブバイアルに化合物12−3(0.20g)、トリフルオロメチルトルエン(2mL)、ジオキサン(2mL)、およびN−メチルホモピペラジン(0.6mL)を充填した。バイアルを窒素パージし、密封し、マイクロウェーブ反応器において165℃で加熱した。反応混合物をDCM:MeOH(9:1)で溶離し、シリカゲルプレート(4、1000μ)で精製して、黄色の固体(0.27g)を得た。この残留物を溶媒としてDCM:MeOH:NHOH(90:10:1)を用い、シリカゲルプレート(2、1000μ)で精製して、黄色の固体を得た。シリカゲルプレート(4、1000μ)を用いてクロマトグラフィを繰り返し、黄色の固体として化合物12(0.76g)を得た。LCMS:M 325。実測値:M+1 326 0.91、1.43分。
【実施例13】
【0234】
【化85】

【0235】
ステップ1
【化86】

【0236】
化合物1−5(4.6g)およびKCN(12g)のDMSO(120mL)溶液を110℃で一晩攪拌した。反応混合物を冷却し、水で希釈し、濾過した。沈殿物を水、エーテル、およびDCMで洗浄して、化合物13−1(〜3g)を得た。LCMS:M 252。実測値:m/z 253(MH)
【0237】
ステップ2
【化87】

【0238】
化合物13−1(3g)のトルエン(150mL)溶液に、−78℃でDIBAL(42mL、ヘキサン中1M)をゆっくりと添加した。混合物を室温に温め、一晩攪拌した。混合物を−78℃で、MeOH(19mL)、次いでNHCl飽和水溶液(27mL)でクエンチした。反応混合物を室温に温め、1N NaOHと多量のエーテルに分配した。有機層を乾燥(NaSO)し、蒸発乾固して、化合物13−2(1.2g)を得て、それをさらに精製することなく次のステップに用いた。LCMS:M 326、m/z 256[M+H]
【0239】
ステップ3
【化88】

【0240】
無水DCM中のアルデヒド13−2(410mg)およびモルホリン(820mg)の混合物に、NaBH(OAc)(820mg)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、その後、1N NaOHとDCMに分配した。有機層を乾燥(MgSO)し、蒸発乾固した。粗材料をHPLC(CHCN−HO、0.1%ギ酸)で精製して、化合物13(110mg)を得た。〜1当量のHCl/エーテルを化合物13のエーテル溶液に添加し、次いで1時間後に蒸発乾固することによって、モノHCl塩を調製した。LCMS:M 326。m/z 327(MH)。保持時間2.20分。
【0241】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【表14】





【実施例14】
【0242】
【化89】

【0243】
AlCl(1.02g)およびDCE(30mL)の混合物を0℃に冷却した。EtSH(760μL)を滴加した。得られた溶液を0℃で10分間攪拌し、その後、13S(351mg)およびDCE(30mL)の混合物を添加した。溶液を室温に温め、3時間攪拌した。HO(150mL)および飽和NaHCO(150mL)を添加した。混合物をEtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、化合物14を得て、それをさらに精製することなく用いた。
【実施例15】
【0244】
【化90】

【0245】
14(32mg)、KCO(31mg)、2−ブロモエチルメチルエーテル(10μL)、およびDMF(2mL)の混合物を80℃で3時間加熱した。HO(15mL)を添加し、混合物をEtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をCHCN中0.1%HCOOH/水中0.1%HCOOH(20分で10%から95%)で溶離し、逆相HPLCで精製した。生成物を含む画分を飽和NaHCOで中和し、生成物をEtOAcで抽出した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、黄色の油として1mgの化合物15を得た。LCMS:M 384。実測値:M+1 385、保持時間=2.07分。
【実施例16】
【0246】
【化91】

【0247】
ステップ1
【化92】

【0248】
1−5(5.45g)、1M HCl(40mL)、およびMeOH(180mL)の混合物を90℃で18時間加熱した。混合物を室温に冷まし、MeOHを真空で除去した。HO(200mL)を添加した。混合物を0℃に冷却し、濾過した。沈殿物を真空オーブンにおいて50℃で乾燥し、さらに精製することなく用いた。粗製16−1、POBr(4.13g)、およびDMF(20mL)の混合物を90℃で2時間加熱した。混合物を室温に冷まし、飽和NaHCO(50mL)をゆっくりと添加した。HO(200mL)を添加し、混合物を濾過した。濾液を真空オーブンにおいて50℃で乾燥し、褐色固体として3.98gの化合物16−2を得て、それをさらに精製することなく用いた。
【0249】
ステップ2
【化93】

【0250】
16−2(2.65g)およびTHF(50mL)の混合物に、NaH(393mg、鉱油中60%分散、9.83mmol)を添加した。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。SEM−Cl(2.3mL)を添加した。溶液を室温で2時間攪拌し、飽和NaHCO(50mL)を添加した。混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィで精製して、黄色の油として1.36g(36%)の16−3を得た。16−3(685mg)のTHF(20mL)溶液を−78℃に冷却した。n−BuLi(1.7mL、ヘキサン中1.04M)を滴加した。得られた溶液を−78℃で20分間攪拌した。4−ピリジンカルボキシアルデヒド(220μL)を滴加した。溶液を−78℃で45分間攪拌し、その後、1時間かけてゆっくりと室温に温めた。溶液を室温で12時間攪拌し、HO(20mL)を添加した。混合物をEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、黄色油として748mgの化合物16−4を得て、それをさらに精製することなく用いた。
【0251】
ステップ3
化合物16−4(263mg)、HCl(2mL)、HO(4mL)、およびEtOH(4mL)の混合物を室温で24時間攪拌した。pH7になるまで、飽和NaHCOを添加した。混合物をHO(50mL)で希釈し、0℃に冷却し、濾過した。沈殿物をCHCN中0.1%HCOOH/水中0.1%HCOOH(20分で10%から95%)で溶離し、逆相HPLCで精製した。生成物を含む画分を合わせ、飽和NaHCOで中和し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、黄色の固体として30mgの化合物16を得た。LCMS:M 334。実測値:M+1 335、保持時間=1.95分。
【実施例17】
【0252】
【化94】

【0253】
16−4(22mg)およびIBX(29mg)のDMSO(2mL)溶液を室温で30分間攪拌した。EtOAc(20mL)を添加し、溶液をHO(3×10mL)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、17−1を得た。残留物をさらに精製することなく用いた。17−1、HCl(250μL)、HO(500μL)、およびEtOH(500μL)の混合物を室温で1時間攪拌した。次いで、この溶液を75℃で45分間加熱した。溶液を室温に冷却し、飽和NaHCO(2mL)およびHO(10mL)を添加した。混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をCHCN中0.1%HCOOH/水中0.1%HCOOH(20分で10%から95%)で溶離し、逆相HPLCで精製した。生成物を含む画分を飽和NaHCOで中和し、生成物をEtOAcで抽出した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、黄色の固体として5mgの化合物17を得た。LCMS:M 332。実測値:M+1 333、保持時間=3.57分。
【実施例18】
【0254】
【化95】

【0255】
16−4(12mg)のCHCl(2mL)溶液に、DAST(5滴)をシリンジで添加した。得られた溶液を室温で5分間攪拌し、次いで飽和NaHCO(2mL)およびHO(10mL)を添加した。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、18−1を得た。残留物をさらに精製することなく用いた。18−1、HCl(250μL)、HO(500μL)、およびEtOH(500μL)の溶液を室温で2時間、次いで75℃で30分間攪拌した。飽和NaHCO(2mL)およびHO(10mL)を添加した。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をCHCN中0.1%HCOOH/水中0.1%HCOOH(20分で10%から95%)で溶離し、逆相HPLCで精製した。生成物を含む画分を飽和NaHCOで中和し、生成物をEtOAcで抽出した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、黄色の油として1mgの化合物18を得た。LCMS:M 336。実測値:M+1 337、保持時間=2.68分。
【0256】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【表15】

【実施例19】
【0257】
【化96】

【0258】
濃HSO(〜400μL)中の化合物13−1(7mg)の混合物を60℃で3日間加熱した。混合物を冷却し、氷水に添加した。得られた溶液を15%NaOH溶液で中和し、濾過した。沈殿物をDCMで洗浄し、その後、MeOHから再結晶して、化合物19(1mg)を得た。
【実施例20】
【0259】
【化97】

【0260】
ステップ1
【化98】

【0261】
水(20mL)中の1−ヨード−3−メチル安息香酸、20−1(5g)、1−ベンジル−3−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン、20−2(3.93g)、KCO(2.64g)、および銅粉末(0.61g)の混合物を一晩、加熱還流した。得られた混合物を室温に冷却した。1N NaOH水溶液でpHを14に調整し、混合物をCHClで抽出した。濃HClを水溶液に添加して、pHを3に調整し、混合物を濾過した。白色の固体を真空オーブンにおいて50℃で乾燥して、20−3(3.05g)を得た。LCMS:M 321。実測値:MH 322。この固体をさらに精製することなく用いた。
【0262】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【化99】

【0263】
ステップ2
【化100】

【0264】
50ml丸底フラスコ中の20−3(3.05g)およびPOCl(5mL)の混合物を窒素パージし、100℃で2時間加熱した。混合物を真空中、70℃で濃縮した。氷を混合物に添加し、20%NaOHでpH〜8に調整した。混合物をCHClで抽出し、乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をヘキサン中0から10%EtOAcの勾配で溶離し、SiOのカラムクロマトグラフィで精製して、184mgの20−4を得た。LCMS:MW 321。実測値:MH 322。
【0265】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【化101】

【0266】
ステップ3
【化102】

【0267】
化合物20−4(184mg)および4−アミノテトラヒドロピラン(462mg)の混合物を150℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水を添加し、混合物をCHClで抽出し、乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をCHCl中0から3%MeOHの勾配で溶離し、SiOのカラムクロマトグラフィで精製して、216mgの20−5を得た。LCMS:M 386。実測値:MH 387。
【0268】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【化103】

【0269】
LCMS:M 432。実測値:M+1 433。保持時間:2.74分。
【0270】
ステップ4
化合物20−5(216mg)、Pd/C(82mg)、およびギ酸(96%、3mL)の混合物を150℃で一晩加熱した。混合物を室温に冷却し、追加のPd/C(200mg)およびギ酸(3mL)を添加し、混合物を150℃で36時間攪拌した。混合物を濾過し、真空で濃縮した。NaHCO水溶液を残留物に添加した。得られた混合物をCHCl中10%MeOHで抽出し、乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をCHCl中0から5%MeOHの勾配で溶離し、SiOのカラムクロマトグラフィで精製して、18mgの実施例20−A(LCMS:M 296。実測値:M+1 297)および68mgの実施例20−B(LCMS:M 213。実測値:M+1 214、保持時間:2.29分)を得た。
【0271】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【化104】

【0272】
LCMS:M 342。実測値:MH 343。保持時間:2.03分。
【実施例21】
【0273】
【化105】

【0274】
ステップ1
【化106】

【0275】
化合物21−3を先の実施例に記載のものと類似の手順を用いて調製した。
【0276】
n−BuLi(0.31mL、ヘキサン中1.6M)を−78℃で21−3(199mg)の溶液に添加した。混合物を−78℃で1時間攪拌した。DMF(0.32mL)を添加した。混合物を2時間かけて室温にゆっくりと温めた。追加のDMF(1mL)を室温で混合物に添加し、得られた混合物を1時間攪拌した。反応物を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をEtOAc中0から10%ヘキサンの勾配で溶離し、SiOのカラムクロマトグラフィで精製して、2.4mgの21−A(LCMS:M 351。実測値:MH 352)および78mgの比率1:2の21−Aと21−4の混合物(LCMS:M 379。実測値:MH 380)を得た。
【0277】
ステップ2
【化107】

【0278】
CHCl(30mL)中の21−4(500mg)、2−メチルモルホリン(266mg)、EtN(0.74mL)、およびNaBH(OAc)の混合物を室温で一晩攪拌した。反応を1N NaOHでクエンチし、EtOAcで抽出し、乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をTFA(13mL)で処理し、得られた混合物を73℃で40時間加熱した。混合物を真空で濃縮し、NaHCO飽和水溶液で処理し、CHClで抽出し、乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をCHCl中0から2%MeOHの勾配で溶離し、SiOのカラムクロマトグラフィで精製し、その後、HPLCによって、129mgの21Bを得た。LCMS:M 344。実測値:MH 345、保持時間:2.87分。
【0279】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【表16】


【実施例22】
【0280】
【化108】

【0281】
21−4(93mg)のTHF懸濁液に−40℃で、シクロプロピルマグネシウムブロミド(1mL、THF中0.5M)を添加し、1時間攪拌した。混合物を室温に温め、NaHCO飽和水溶液で処理し、EtOAcで抽出し、乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をヘキサン中0から55%EtOAcの勾配で溶離し、SiOのカラムクロマトグラフィで精製した。精製した化合物(76mg)をTFA(20mL)で処理し、80℃で一晩加熱した。混合物を真空で濃縮し、NaHCO飽和水溶液で処理し、CHClで抽出し、乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をHPLCで精製して、10mgの22を得た。LCMS:M 301。実測値:MH 302、保持時間:3.43分。
【実施例23】
【0282】
【化109】

【0283】
7F(117mg)のジオキサン(1mL)溶液に0℃で、LAH(0.46mL、THF中2M)を滴加した。反応混合物を室温に温め、10分間攪拌し、100℃で3.5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、HO(0.02mL)、10%NaOH(0.03mL)、およびHO(0.02mL)で処理した。得られた混合物をCHClで希釈し、90分間攪拌し、濾過し、濃縮した。残留物をCHCl中0%から10%MeOHの勾配で溶離し、SiOのカラムクロマトグラフィで精製して、9.5mgの23を得た。LCMS:MW 359。実測値:MH 360。保持時間:1.97分。
【実施例24】
【0284】
【化110】

【0285】
THF(20mL)中の16−2に、TEA(0.23mL)、DMAP(27mg)、およびBocO(0.36mg)を添加し、室温で一晩攪拌した。反応を10%NaCO水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出し、10%NHCl水溶液で洗浄し、乾燥(MgSO)して、真空で濃縮した。残留物をヘキサン中0から30%EtOAcの勾配で溶離し、SiOのカラムクロマトグラフィで精製して、24−1を得た。
【0286】
n−BuLi(0.51mL、1.6M)、およびTHF(8mL)中のテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルバルデヒド(93mg)を用い、16−4の合成手順に従って、24−1から化合物24を調製した。LCMS:MW 441。実測値:MH 442。保持時間:4.65分。
【実施例25】
【0287】
【化111】

【0288】
化合物24(28mg)およびTFA(1mL)の混合物を室温で2時間攪拌した。混合物を真空で濃縮し、CHClとNaHCO水溶液に分配した。有機層を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルプレートで精製して、25を得た。LCMS:M 341。実測値:M+1 342、保持時間:2.92分。
【実施例26】
【0289】
【化112】

【0290】
ステップ1
【化113】

【0291】
16−2(50mg)の無水THF溶液に−78℃で、ヘキサン中n−BuLi(1mL、1.6M)を滴加した。1時間攪拌した後、26−1(175mg)のTHF溶液を混合物にゆっくりと添加した。溶液を−78℃で少なくとも1時間攪拌し、室温にゆっくりと温め、一晩攪拌した。反応物を−78℃に冷却し、HOでクエンチした。溶液を室温に温め、EtOAcで抽出し、乾燥(NaSO)し、濃縮した。残留物をEtOAc−ヘキサン(0−100%)で溶離し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、26−2(17mg)を得た。LCMS:M 440。実測値:M+1 441、保持時間:3.78分。
【0292】
ステップ2
26−2(15mg)およびCHCl中20%TFA(1mL)の混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を濃縮し、EtOAcとNaHCO飽和水溶液に分配した。有機層を乾燥(NaSO)し、濃縮した。残留物をエーテルで洗浄し、CHClから再結晶して、26(7.5mg)を得た。LCMS:M 340。実測値:M+1 341、保持時間:2.12分。
【実施例27】
【0293】
【化114】


【0294】
16−2(200mg)の無水THF中の混合物に−78℃で、ヘキサン中n−BuLi(2mL、1.6M)を滴加した。〜40分間攪拌した後、p−フルオロベンジルアルデヒド(200mg)をゆっくりと添加した。混合物を−78℃で〜1時間攪拌し、室温にゆっくりと温め(〜1時間)、室温で1時間攪拌した。反応物を−78℃に冷却し、HOでクエンチし、室温に温め、EtOAcで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をEtOAc−ヘキサン(0−100%)で溶離し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、27(18mg)を得た。LCMS:M 351。実測値:M+1 352、保持時間:3.66分。
【0295】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【表17】



【実施例28】
【0296】
【化115】

【0297】
CHCl中の27A(12.7mg)およびデス・マーチンペルヨージナン(19.4mg)の混合物を室温で2時間攪拌した。混合物をNaHCO飽和水溶液で処理した。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発乾固した。残留物を40%EtOAc−ヘキサンで溶離し、分取TLCを用いて精製して、28を得た。LCMS:M 331。実測値:M+1 332、保持時間:4.58分。
【0298】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【化116】

【実施例29】
【0299】
【化117】

【0300】
ステップ1
【化118】

【0301】
トルエン(〜3mL)中の16−2(100mg)、2−エチニルピリジン(41mg)、PdCl(PPh(19.4mg)、CuI(5.3mg)、ジイソプロピルアミン(1.5mL)の混合物を脱気し、Nを充填した。混合物を〜90℃で一晩加熱した。得られた混合物を冷却し、濾過した。沈殿物をCHClおよびMeOHで洗浄し、黄色の固体(35mg)として29Aを得た。LCMS:M 328。実測値:M+1 329、保持時間:4.17分。
【0302】
ステップ2
EtOH中の10%Pd/C(15mg)および29A(31mg)の混合物をH(1気圧)下、室温で2日間攪拌した。混合物を濾過し、CHClで洗浄した。濾液を濃縮した。残留物をHPLC(CHCN−HO、0.01%HCOOH、10%から100%勾配)で精製して、29B(9mg)を得た。LCMS:M 332。実測値:M+1 333、保持時間:2.25分。
【0303】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【表18】


【実施例30】
【0304】
【化123】

【0305】
マイクロウェーブバイアルの無水THF(10mL)中16−2(500mg)の混合物に、4−(アミノメチル)ピリジン(540mg)、DBU(760mg)、Herrmann触媒(40mg)、t−BuP・HBF(30mg)、およびMo(CO)(440mg)を連続して添加した。混合物を密封し、Nパージし、マイクロウェーブ反応器に入れた。混合物を150℃(高吸収)で40分間加熱した。同じ条件を用いて、さらに3バッチ行った。冷却した後、反応混合物を合わせ、蒸発乾固した。残留物をCHCl−MeOHで溶離し、シリカゲルクロマトグラフィで精製し、その後、HPLC(CHCN−HO、0.1%HCOH)によって、30(206mg)を得た。LCMS:M 361。実測値:M+1 362、保持時間:2.14分。
【0306】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【表19】

【実施例31】
【0307】
【化119】

【0308】
4−ヒドロキシ−テトラヒドロピラン(〜5mL)のN−メチル−2−ピロリジノン(〜5ml)溶液に0℃で、NaH(764mg、油中60%)を添加した。0.5時間攪拌した後、化合物1−5(500mg)を反応混合物に添加した。混合物を110℃で一晩加熱した。混合物を冷却し、氷水でクエンチし、濾過した。残留物をDCM−MeOHで溶離し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、化合物31(〜76mg)を得た。LCMS:M 327。実測値:m/z 328(MH)、保持時間:2.79分。
【実施例32】
【0309】
【化120】

【0310】
ステップ1
マイクロウェーブバイアル中KI(60mg)のN−メチル−2−ピロリジノン(〜1mL)溶液に、NaH(60mg、油中60%)、次いで化合物1−5(100mg)を添加した。混合物を密封し、Nパージし、マイクロウェーブ反応器に入れた。混合物を150℃(高吸収)で1時間加熱した。反応混合物を冷却し、氷水で処理し、濾過した。沈殿物をエーテルで洗浄して、32A(〜50mg)を得た。LCMS:M 324。実測値:m/z 325(MH)、保持時間:2.47分。
【0311】
ステップ2
化合物32A(35mg)のTHF溶液に−78℃で、DIBAL(323uL、ヘキサン中1M)を添加した。混合物を室温に温め、2時間攪拌した。混合物を−78℃に冷却し、MeOH(140uL)、飽和NHCl(200uL)で処理した。混合物を室温に温め、1N NaOHとEtOAcに分配した。有機層を乾燥(NaSO)し、蒸発乾固した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、化合物32B(〜1mg)を得た。LCMS:M 308。実測値:m/z 309(MH)、保持時間:2.22分。
【実施例33】
【0312】
【化121】

【0313】
16−2(133mg)、4−ピリジンボロン酸(80mg)、Pd(PPh(96mg)、NaCO(40mg)、トルエン(8mL)、EtOH(2mL)、およびHO(2mL)の混合物をマイクロウェーブ反応器において120℃で1時間加熱した。飽和NaHCO(15mL)を添加し、混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をヘキサン中0から70%EtOAcの勾配で溶離し、シリカゲルクロマトグラフィで精製した。得られた残留物を、CHCN中0.1%HCOOH/水中0.1%HCOOH(20分で10%から95%)で溶離し、シリカゲルカラム6μm:25×100mmを備えた逆相HPLCで精製した。生成物を含む画分を飽和NaHCOで中和し、生成物をEtOAcで抽出した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、黄色の固体として37mgの33を得た。LCMS:M 304。実測値:M+1 305、保持時間=2.46分。
【実施例34】
【0314】
【化122】

【0315】
34Aの調製
16−2(124mg)、4−ビニルピリジン(110μL)、Pd(OAc)(20mg)、P(o−tol)(20mg)、TEA(1mL)、およびDMF(1mL)の混合物をマイクロウェーブにおいて120℃で30分間加熱した。飽和NaHCO(10mL)、ブライン(20mL)、およびEtOAc(30mL)を添加した。相を分離し、有機層をHO(2×20mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をヘキサン中0から100%EtOAcの勾配で溶離し、フラッシュカラムクロマトグラフィで精製した。そのようにして得られた残留物を、CHCN中0.1%HCOOH/水中0.1%HCOOH(20分で10%から95%)で溶離し、逆相HPLCで精製した。生成物を含む画分を飽和NaHCOで中和し、生成物をEtOAcで抽出した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、黄色の油として6mgの34Aを得た。LCMS:M 330。実測値:M+1 331、保持時間=2.43分。
【0316】
34Bの調製
化合物16−2(315mg)を上記のHeck条件に供した。フラッシュカラムクロマトグラフィ後、残留物をEtOH(8mL)およびHOAc(2mL)に溶解した。Pd/C(10%、20mg)を添加し、混合物をHバルーン雰囲気下に置いた。混合物を室温で24時間攪拌した。混合物を濾過し、溶媒を真空で除去した。残留物をCHCN中0.1%HCOOH/水中0.1%HCOOH(20分で10%から95%)で溶離し、逆相HPLCで精製した。生成物を含む画分を飽和NaHCOで中和し、生成物をEtOAcで抽出した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、黄色の油として11mgの34Bを得た。LCMS:M 332。実測値:M+1 333、保持時間=2.17分。
【実施例35】
【0317】
【化123】

【0318】
ステップ1
【化124】

【0319】
35−1(TIPSはトリイソプロピルシリルである)(1.35g)のTHF(25mL)溶液を−78℃に冷却した。n−BuLi(2.30mL、ヘキサン中1.04M)を滴加した。得られた溶液を−78℃で20分間攪拌し、B(OMe)(500μL)を添加した。混合物を−78℃で1時間攪拌し、MeOHおよびHOの1:1溶液(4mL)を添加した。混合物を室温に温め、HO(20mL)を添加した。混合物をEtO(3×40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、35−2を得た。
【0320】
ステップ2
【化125】

【0321】
16−2(300mg)、粗製35−2、Pd(PPh(96mg)、NaCO(40mg)、トルエン(8mL)、EtOH(2mL)、およびHO(2mL)の混合物をマイクロウェーブ反応器において120℃で1時間加熱した。飽和NaHCO(15mL)を添加し、混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をヘキサン中0から25%EtOAcの勾配で溶離し、シリカゲルクロマトグラフィで精製して、35−3を得た。
【0322】
ステップ3
化合物35−3(167mg)をTHF(10mL)に溶解し、TBAF(THF中1M溶液、450μL、0.45mmol)を添加した。混合物を室温で30分間攪拌した。HO(30mL)を添加し、混合物をEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮した。残留物をヘキサン中0から35%EtOAcの勾配で溶離し、シリカゲルクロマトグラフィで精製した。残留物をCHCN中0.1%HCOOH/水中0.1%HCOOH(20分で10%から95%)で溶離し、逆相HPLCで精製した。生成物を含む画分を飽和NaHCOで中和し、生成物をEtOAcで抽出した。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、真空で濃縮して、黄色の固体として14mgの35を得た。LCMS:M 292。実測値:M+1 293、保持時間=2.89分。
【実施例36】
【0323】
【化126】

【0324】
冷却した(0℃)ジイソプロピルアミン(135mg)の無水THF(5mL)攪拌溶液に、n−BuLi(0.81mL、ヘキサン中1.6M溶液)をシリンジで滴加した。0℃で20分間攪拌した後、溶液を−78℃に冷却し、4−メチルピリミジン(118mg)をシリンジで滴加した。得られた溶液を−78℃で1時間攪拌した。
【0325】
別のフラスコで、36−1(150mg)(化合物16−2と類似の方法で調製)を無水THF(5mL)に溶解した。この溶液にNaH(33mg、油中60%)を室温で少しずつ添加した。得られた混合物を室温で1時間攪拌し、その後−78℃で、上で調製した(ピリミジニルメチル)リチウム溶液にシリンジで滴加した。得られた混合物を室温にゆっくりと温め、一晩攪拌した。反応をNHCl(10mL)飽和水溶液でクエンチし、続いてHO(20mL)で希釈した。得られた層をCHCl(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して残留物を得て、それを30:1CHCl:MeOHで溶離し、シリカのカラムクロマトグラフィで精製して、淡黄色の固体として36(118mg)を得た。LCMS:M 373。実測値:M+1 374。保持時間:3.75分。
【0326】
以下の化合物を類似の方法で調製した。
【表20】



【0327】
用いられる活性化合物および/または医薬的に許容されるその塩の投与量および頻度は、患者の年齢、状態、および体格などの要因を考慮して、担当医の判断に従って調節される。推奨される典型的な用量レジメンは、約10mg/回から約100mg/回、好ましくは約10から約50mg/回、より好ましくは約20から約25mg/回の範囲であり得る。
【0328】
本発明によって記載される化合物から医薬組成物を調製するために、医薬的に許容される不活性担体は、固体または液体であることができる。固体形態の調剤には、粉剤、錠剤、分散性顆粒、カプセル剤、カシェ剤、および坐剤が含まれる。粉剤および錠剤は、約5から約95パーセントの活性成分からなることができる。適切な固体担体は当分野で知られており、たとえば炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、またはラクトースである。錠剤、粉剤、カシェ剤、およびカプセル剤は、経口投与に適した固体投与形態として用いることができる。医薬的に許容される担体の例および種々の組成物の製造方法は、A.Gennaro(編)、The Science and Practice of Pharmacy、第20版、(2000)、Lippincott Williams & Wilkins、Baltimore、MDに見出すことができる。
【0329】
液体形態の調剤には、溶液、懸濁液、およびエマルションが含まれる。例として、非経口注射用の水もしくは水−プロピレングリコール溶液、または経口溶液、懸濁液、およびエマルションへの甘味剤および乳白剤の添加を挙げることができる。液体形態調剤には、鼻腔内投与用の溶液も含むことができる。
【0330】
吸入に適したエアロゾル調剤には、溶液および粉末形態の固体を含むことができ、これらは不活性圧縮ガス、たとえば窒素などの医薬的に許容される担体と組み合わせることができる。
【0331】
さらに、使用直前に経口投与または非経口投与用の液体形態調剤に変換されることが意図される固体形態調剤も含まれる。そのような液体形態には、溶液、懸濁液、およびエマルションが含まれる。
【0332】
本発明の化合物は、経皮的に送達することもできる。経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾル、および/またはエマルションの形態をとることができ、この目的で当分野において通常行われているとおり、マトリクスまたは貯留型の経皮パッチに含まれることができる。
【0333】
好ましくは、化合物は、経口で投与される。
【0334】
好ましくは、医薬調剤は、単位投与形態である。そのような形態では、調剤は、適切な量、たとえば所望の目的を達成するのに有効な量を含有する適切な大きさの単位用量に再分割される。
【0335】
用いられる実際の用量は、患者の要件および治療される状態の重症度に応じて多様であることができる。特定の状況に適した用量レジメンの決定は、当業者の技能の範囲内である。便宜上、総日用量を分割して、必要に応じてその日の間に少しずつ投与することができる。
【0336】
本発明の化合物および/または医薬的に許容されるその塩の投与量および頻度は、患者の年齢、状態、および体格、ならびに治療される症状の重症度などの要因を考慮して、担当医の判断に従って調節される。経口投与の推奨される典型的な日用量レジメンは、2から4回の分割用量で、約1mg/日から約300mg/日、好ましくは1mg/日から75mg/日の範囲であり得る。
【0337】
式IまたはIIの化合物の活性は、以下の手順によって求めることができる。
【0338】
in vitro PDE10アッセイ
PDE10A1の活性は、シンチレーション近接アッセイ(GE Healthcare)を用いて、白色不透明384ウェルOpti−Plates(Perkin Elmer Life Sciences)で測定した。ヒト組換えPDE10A1を、BPS Bioscience,Incから購入した。反応混合物は、総容量30μl中、50mM Tris−HCl、pH7.5、8.3mM MgCl、17mM EGTA、および0.2%ウシ血清アルブミンに、PDE10A1(0.02nM)、10nM[H]cAMP([5’,8−H]アデノシン3’,5’−環状リン酸、アンモニウム塩、Amersham)、および様々な濃度の化合物を含有した。基質を添加してアッセイを開始し、室温で30分間進行させ、その後、300μgイットリウムSPA PDEビーズを添加して停止した。反応混合物を十分に混合し、30分間ビーズを沈降させた。その後、プレートをTopCountシンチレーションカウンタでカウントした。これらの条件において、化合物の不在下、基質の30%未満が加水分解された。ChengおよびPrusoff(1973)に記載のとおり、Ki値を求めた。
【0339】
上記の試験手順を用いて、式Iの以下の化合物は、Ki値500nM未満を有することが見出された:実施例3E、3F、3S、3V、3BB、4、4A、4B、4F、4H、4I、4K、4L、5、5F、5G、5K、5M、5O、5Q、5R、5S、6H、7A、7B、7E、8、8A、8B、8C、9、10A、10C、10D、10E、10F、10G、10H、13、13−1、13A、13B、13C、13D、13F、13G、13I、13J、13K、13L、13N、13O、13P、13Q、13R、13S、13T、13V、14、15、16、17、18、21B、21D、21F、22、23、24、26、27、27A、27B、27C、28、29A、29B、29D、29E、29F、32B、33、34A、34B、35、36C、36E、36F、および36G2。Ki100nM未満を有する式Iの化合物は、実施例3E、3F、3S、3V、4、4B、4F、4H、4I、4K、5、5F、5K、5M、5O、5Q、5R、5S、6H、7E、8B、8C、9、10A、10C、10D、10E、10F、10G、10H、13、13A、13C、13F、13G、13I、13J、13K、13L、13N、13O、13P、13Q、13R、13S、13V、14、15、16、17、18、21B、21D、21F、22、26、27、27A、27B、27C、29B、29F、32B、34B、35、36C、36E、36F、および36G2である。
【0340】
上記の試験手順を用いて、式IIの以下の化合物は、Ki値500nM未満を有することが見出された:実施例3、3D、3G、3I、3M、3N、3O、3R、3T、3W、3Y、3AA、3CC、4C、4O、4P、4Q、4R、4S、4U、4V、5A、5C、5D、5E、5H、5J、5L、5P、5T、5V、5W、5X、5Y、6、6A、6D、6I、6K、6L、6M、6N、6O、6P、7、7D、12、13U、20A、20C、21C、および21E。Ki100nM未満を有する式IIの化合物は、実施例3、3D、3G、3I、3O、3R、3T、3W、3Y、3AA、3CC、4C、4O、4P、4Q、4R、4S、4V、5H、5P、5T、5V、5W、5Y、6、6A、6I、6K、6L、6M、6N、6P、7、7D、および12のものである。
【0341】
本発明を上記の特定の実施形態に関連して述べたが、それらの多くの代替、修正、および変形が当業者には明らかであろう。そのようなすべての代替、修正、および変形は、本発明の精神および範囲に含まれることが意図される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、
【化1】

または医薬的に許容されるその塩:
[式中、
【化2】

およびそれが結合している炭素原子は、フェニル環、6員環のヘテロアリール環(ここで、1または2の環員が窒素原子である)、または5員環のヘテロアリール環(ここで、1または2の環員が、N、S、およびOからなる群から選択されたヘテロ原子であり、ただし当該環が2つのヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリールである場合、Rは不在である)を形成し;
は、H、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、OH、ヒドロキシアルキル、−CF、−OCF、ハロ、−O−シクロアルキル、ベンジルオキシ、−C(O)Oアルキル、−O−アルキル−COH、−C(O)N(R6A、−N(R6B、−アルキルN(R6B、−NR−C(O)N(R6A、−N(R)C(O)Oアルキル、−N(R)SO−アルキル、フェニル、CN、−SO、−SR、トリメチルシリル−、−SF、−OSF、−C(=NOR)−R
【化3】

または−(CH−X−(CH−R18(ここで、Xは−O−、−S−、または−NR−であり、nは0、1、または2であり、mは1、2、または3であり、R18
【化4】

からなる群から選択される)であり;
は、H、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、OH、ヒドロキシアルキル、−CF、−OCF、ハロ、−O−シクロアルキル、ベンジルオキシ、−C(O)Oアルキル、−O−アルキル−COH、−C(O)N(R6A、−N(R6B、−アルキルN(R6B、−NR−C(O)N(R6A、−N(R)C(O)Oアルキル、−N(R)SO−アルキル、フェニル、もしくはCNであるか、
または隣接する環炭素原子上のRおよびRは一緒に、−O−CH−O−もしくは−O−(CH−O−を形成し;
は、H、アルキル、ハロ、フルオロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、−N(R6B、−OCF、−CF、−SF、−OSF、または−CNであり;
は、H、アルキル、アルコキシアルキル−、ベンジル−、−C(O)アルキル、−C(O)Oアルキル、−アルキル−OC(O)−アルキル、−SO−アルキル、−C(O)N(R6A、または−C(O)O−ベンジル(ここで、ベンジルは、ハロまたはアルコキシで場合により置換され得る)であり;
は、アルキル、−CN、−C(O)OR6A、−C(O)N(R6A、アリール−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヘテロアリール−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヒドロキシアルケニル、ヘテロアリールアルケニル−、アリールアルキニル−、ヘテロアリールアルキニル−、架橋ヘテロシクロアルキル、縮合環ヘテロシクロアルキル、−アルキル−O−アリール、−アルキル−O−ヘテロアリール、−アルキル−O−シクロアルキル、−アルキル−O−ヘテロシクロアルキル、−アルキル−N(R)−アリール、−アルキル−N(R)−ヘテロアリール、−アルキル−N(R)−シクロアルキル、−アルキル−N(R)−ヘテロシクロアルキル、−アルキル−ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール−アルキレン−、シクロアルキル、
【化5】


であり;
bは、1、2、または3であり;
rは、1または2であり;
tは、0、1、または2であり;
各Rは、独立して、Hおよびアルキルから選択され;
各R6Aは、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アリールアルキル−、およびヘテロアリールアルキル−からなる群から選択されるか;または、2つのR6A基はアルキルであり、それらが結合している窒素と共に4から7員環を形成するか;または、2つのR6A基およびそれらが結合している窒素は、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、ホモモルホリニル、チオモルホリニル、もしくはホモチオモルホリニル環を形成し;
各R6Bは、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アリールアルキル−、ヘテロアリールアルキル−、−SOアルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−C(O)アルキル、−C(O)アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)N(R、−C(O)NR−アリール、および−C(O)NR−ヘテロアリールからなる群から選択されるか;また、は2つのR6B基はアルキルであり、それらが結合している窒素と共に4から7員環を形成するか;または、2つのR6B基およびそれらが結合している窒素は、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、ホモモルホリニル、チオモルホリニル、もしくはホモチオモルホリニル環を形成し;
は、H、アルキルであるか、または炭素環員上の2つの水素原子は=Oで置き換えられており;
11は、アルキル、フェニルであるか、または単一の炭素環員上の2つの水素原子は、単一の炭素環員上の2つの水素原子を−(CH2−6−または−O−(CH−O−で置き換えることによって形成されるスピロ環基で置き換えられており;
12は、アルキル、ヒドロキシアルキル、およびフルオロアルキルからなる群から独立して選択された1または2個の置換基であり;
13は、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−アルキル−シクロアルキル、アリール、アリールアルキル−、−C(O)アルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)アリール、−C(O)−アルキルアリール、−C(O)O−アリール、−C(O)O−アルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル−、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)N(R6A、−C(O)−アルキル−NR−C(O)−アリール、−C(O)−アルキル−NR−C(O)O−アルキル、−C(O)−アルキル−NR−C(O)O−ベンジル、−SOアルキル、−SO−アリール、−SO−アルキルアリール、−SO−ヘテロアリール、またはフェニル環上でハロによって場合により置換され得るジフェニルメチルであり;
14は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−アルキル−シクロアルキル、アリール、アリールアルキル−、−C(O)アルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)アリール、−C(O)−アルキルアリール、−C(O)O−アリール、−C(O)O−アルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル−、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)N(R6A、−C(O)−アルキル−NR−C(O)−アリール、−C(O)−アルキル−NR−C(O)O−アルキル、−C(O)−アルキル−NR−C(O)O−ベンジル、−SOアルキル、−SO−アリール、−SO−アルキルアリール、−SO−ヘテロアリール、またはフェニル環上でハロによって場合により置換され得るジフェニルメチルであり;
15は、アルキル、アルコキシ、OH、ヒドロキシアルキル、ハロ、−CF、−C(O)Oアルキル、−C(O)N(R6A、アミノアルキル−、−N(R6B、−NR−C(O)N(R6A、−NR−C(O)−アルキル、−NR−C(O)Oアルキル、−NR−SO−アルキル、−アルキル−イミダゾリル(ここで、イミダゾリルは、アルキルで場合により置換され得る)、およびフェニルからなる群から独立して選択された1または2個の置換基であるか、または炭素環員上の2つの水素原子は、−(CH2−6−もしくは−O−(CH−O−で置き換えられており;
17aは、Hもしくはアルキルであり、R17bは、H、アルキル、OH、F、−N(R6B、−NOR、アルコキシ、CN、−CHOH、−CH−O−アルキル、−CON(R6a、−CHN(R、もしくは−COであるか;
またはR17aおよびR17bは、それぞれFであるか;
またはR17aおよびR17bは、同じ炭素原子上にあり、一緒に=O、=NOR、もしくは−(CH2−6であり;
ただし、Rがヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−であり、ヘテロシクロアルキル環が環窒素によってアルキレン基に結合している場合、α炭素上のR17b置換基は、H、アルキル、CN、−CHOH、−CH−O−アルキル、−CON(R6a、−CHN(R、または−COである]。
【請求項2】
【化6】

がフェニル環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびRが、独立して、H、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、−CF、−OCF、およびハロからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、アルキルであり、Rが、アルコキシであるか、または
が、アルキルであり、Rが、−OCFであるか、または
が、アルキルであり、Rが、H、OH、ハロ、もしくはアルコキシアルコキシであるか、または
が、アルコキシであり、Rが、アルコキシもしくはHであるか、または
が、アルコキシアルコキシであり、Rが、Hであるか、または
が、ハロであり、Rが、Hであるか、または
が、ハロであり、Rが、−OCFであるか、または
およびRが一緒に、メチレンジオキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が、アルキルまたはHであり、Rが、H、−C(O)O−アルキル、または−SOアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、−CN、−C(O)N(R6A、アリール−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヘテロアリール−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−、ヒドロキシアルケニル、ヘテロアリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキニル−、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリール、
【化7】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、−CN、−C(O)NH−アルキル−ピリジル、−CH(OH)−フェニル、−アルキレン−フェニル、−アルキレン−ピリジル、−C(O)−ピリジル、−CH(F)−ピリジル、−CH(OH)−ピリジル、−CH=CH−(CH−OH、−CH=CH−ピリジル、−C≡C−ピリジル;
【化8】

以下の群
【化9】

から選択されたヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−;
以下の群
【化10】

(式中、bは、1、2、または3であり、rは、1または2であり、Rは、H、アルキル、または−SO−アルキルであり、Rは、H、アルキル、OH、ヒドロキシアルキル、ハロ、および−CFからなる群から独立して選択された1または2個の置換基であり、Rは、H、アルキルであるか、または炭素環員上の2つの水素原子は=Oで置き換えられており、R10は、H、アルキル、またはヒドロキシアルキルである)から選択されたヘテロシクロアルキル−((R17a,R17b)−アルキレン)−(式中、R17aおよびR17bは、独立してHまたはアルキルである);
【化11】

(式中、rは1であり、Rは、Hまたはアルキルであり、R13は、−SOアルキル、−CONH、−C(O)ヘテロアリール、または−C(O)シクロアルキルである);
【化12】

(式中、rは2であり、RはHであり、R13は、−SOアルキルまたは−CONHである);
【化13】

(rは2であり、R15は、アルキル、アルコキシ、−CF、OH、ヒドロキシアルキル、ハロ、−NH、−C(O)NH、−CHNH、−C(O)O−アルキル、−NHSOアルキル、または−NHC(O)NHである);
【化14】

(式中、rは2であり、R15は、ヒドロキシアルキルである);
または、
【化15】

(式中、rは1であり、R15は、OHまたはヒドロキシアルキルである)
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
実施例3E、3F、3S、3V、3BB、4、4A、4B、4F、4H、4I、4K、4L、5、5F、5G、5K、5O、5Q、5R、5S、6H、7A、7B、7C、7F、8、8A、8B、8C、9、10A、10C、10D、10E、10F、10G、10H、13、13−1、13A、13B、13C、13D、13F、13G、13I、13J、13K、13L、13N、13O、13P、13Q、13R、13S、13T、13V、14、15、16、17、18、21B、21D、21F、22、23、24、26、27、27A、27B、27C、28、29A、29B、29D、29E、29F、32B、33、34A、34B、35、36C、36E、36Fからなる群から選択された、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
医薬的に許容される担体に、有効量の少なくとも1種の請求項1に記載の化合物を含む、ホスホジエステラーゼ10調節障害を治療するための医薬組成物。
【請求項10】
ホスホジエステラーゼ10調節障害を治療する薬剤を製造するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項11】
前記障害が統合失調症である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
ホスホジエステラーゼ10調節障害を治療する薬剤を製造するための式IIの化合物の使用であって、当該式IIの化合物が下式を有し、
【化16】

または医薬的に許容されるその塩である、当該使用:
[式中
【化17】

およびそれが結合している炭素原子は、フェニル環、6員環のヘテロアリール環(ここで、1または2の環員が窒素原子である)、または5員環のヘテロアリール環(1または2の環員が、N、S、およびOからなる群から選択されたヘテロ原子であり、ただし当該環が2つのヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリールである場合、Rは不在である)を形成し;
は、H、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、OH、ヒドロキシアルキル、−CF、−OCF、ハロ、−O−シクロアルキル、ベンジルオキシ、−C(O)Oアルキル、−O−アルキル−COH、−C(O)N(R6A、−N(R6B、−アルキルN(R6B、−NR−C(O)N(R6A、−N(R)C(O)Oアルキル、−N(R)SO−アルキル、フェニル、CN、−SO、−SR、トリメチルシリル−、−SF、−OSF、−C(=NOR)−R
【化18】

または−(CH−X−(CH−R18(ここで、Xは−O−、−S−、または−NR−であり、nは0、1、または2であり、mは1、2、または3であり、R18
【化19】

からなる群から選択される)であり;
は、H、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、OH、ヒドロキシアルキル、−CF、−OCF、ハロ、−O−シクロアルキル、ベンジルオキシ、−C(O)Oアルキル、−O−アルキル−COH、−C(O)N(R6A、−N(R6B、−アルキルN(R6B、−NR−C(O)N(R6A、−N(R)C(O)Oアルキル、−N(R)SO−アルキル、フェニル、もしくはCNであるか、または
隣接する環炭素原子上のRおよびRは一緒に、−O−CH−O−もしくは−O−(CH−O−を形成し;
rは、1または2であり;
は、H、アルキル、ハロ、フルオロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、−N(R6B、−OCF、−SF、−OSF、または−CNであり;
は、H、アルキル、アルコキシアルキル−、ベンジル−、−C(O)アルキル、−C(O)Oアルキル、−アルキル−OC(O)−アルキル、−SO−アルキル、−C(O)N(R6A、または−C(O)O−ベンジル(ここで、ベンジルは、ハロまたはアルコキシで場合により置換され得る)であり、
5Aは、H、ハロ、OH、アルコキシ、−O−アルキル−N−(アルキル)、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アルキル−ヘテロシクロアルキル、アリールオキシ−、アリールアルコキシ−、ヘテロアリールオキシ−、−N(R6A、−NR−アルキル−N−(アルキル)、−NR−アルキル−O−アルキル−OH、−NR−ヒドロキシアルキル、−S−アルキル、−S−ヒドロキシアルキル、−S−アリール、−S−アルキルアリール、−S−ヘテロアリール、−S−アルキル−ヘテロアリール、−S−ヘテロシクロアルケニル、−SC(O)−アルキル、−SO−アルキル、−S−アルキル−C(O)OH、−S−アルキル−N(アルキル)、−S−アルキル−NHC(O)H、−S−アルキル−C(O)NH−アルキル−ピロリジノン、
【化20】

であり;
各Rは、独立して、Hまたはアルキルであり;
各R6Aは、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アリールアルキル−、およびヘテロアリールアルキル−からなる群から選択されるか;または、2つのR6A基はアルキルであり、それらが結合している窒素と共に4から7員環を形成するか;または、2つのR6A基およびそれらが結合している窒素は、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、ホモモルホリニル、チオモルホリニル、もしくはホモチオモルホリニル環を形成し;
各R6Bは、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アリールアルキル−、ヘテロアリールアルキル−、−SOアルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−C(O)アルキル、−C(O)アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)N(R、−C(O)NR−アリール、および−C(O)NR−ヘテロアリールからなる群から選択されるか;または、2つのR6B基はアルキルであり、それらが結合している窒素と共に4から7員環を形成するか;または、2つのR6B基およびそれらが結合している窒素は、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、ホモモルホリニル、チオモルホリニル、もしくはホモチオモルホリニル環を形成する]。
【請求項13】
【化21】

がフェニル環を形成する、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
およびRが、H、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、−CF、−OCF、およびハロからなる群から独立して選択される、請求項12に記載の使用。
【請求項15】
が、アルキルであり、Rが、アルコキシであるか、または
が、アルキルであり、Rが、−OCFであるか、または
が、アルキルであり、Rが、H、OH、ハロ、もしくはアルコキシアルコキシであるか、または
が、アルコキシであり、Rが、アルコキシもしくはHであるか、または
が、アルコキシアルコキシであり、Rが、Hであるか、または
が、ハロであり、Rが、Hであるか、または
が、ハロであり、Rが、−OCFであるか、または
およびRが一緒に、メチレンジオキシである、請求項12に記載の使用。
【請求項16】
が、アルキルまたはHであり、Rが、H、−C(O)O−アルキル、または−SOアルキルである、請求項12に記載の使用。
【請求項17】
5Aが、H、ハロ、−O−アルキル−N(アルキル)、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アルキル−ヘテロシクロアルキル、−N(R6A、−NR−アルキル−O−アルキル−OH、−NR−ヒドロキシアルキル、−S−ヒドロキシアルキル、−SO−アルキル、または−S−アルキル−NHC(O)Hである、請求項12に記載の使用。
【請求項18】
5Aが、H、Cl、−O−(CH−N(CH
【化22】

−N(CH、−NH(CHCH、−NH(CH−O−(CH−OH、−NH(CH−OH、−NH−CH−CH(OH)−CH、−NH−アルキル−モルホリニル、−S−CHCH(OH)−CHOH、−SOCH
−N(R)−(シクロアルキル)(ここで、シクロアルキルは、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルであり;当該シクロアルキル部分は、1または2個の環系置換基で場合により置換されている)、
−N(R)−(ヘテロシクロアルキル)(ここで、ヘテロシクロアルキルは、
【化23】

であり;式中、R19は、H、アルキル、または−SOアルキルである)、
1または2個の環系置換基で場合により置換されている−NR−アルキル−アリール(ここで、任意の置換基は、OH、アルコキシ、または−OCFからなる群から独立して選択されるか、または隣接する炭素環員上の2つの水素原子は−O−(CH−O−で置き換えられている)、
−NR6A−アルキル−ヘテロアルキル、または
−N(R6A(式中、2つのR6A基およびそれらが結合している窒素は、
【化24】

からなる群から選択された環を形成し;式中、qは1または2であり、sは2または3であり、Rは請求項12に定義されたとおりである)である、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
式IIの化合物が、実施例3、3D、3G、3I、3M、3N、3O、3R、3T、3W、3Y、3AA、3CC、4C、4O、4P、4Q、4R、4S、4U、4V、5A、5C、5D、5E、5H、5J、5L、5P、5T、5V、5W、5X、5Y、6、6A、6D、6I、6K、6L、6M、6N、6O、6P、7、7D、12、13U、20A、20C、21C、および21Eから選択される、請求項12に記載の使用。


【公表番号】特表2012−506873(P2012−506873A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533407(P2011−533407)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/062071
【国際公開番号】WO2010/062559
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】