説明

置換2,5−ジアミノ−3−ヒドロキシヘキサンの製造方法

【課題】HIVプロテアーゼ阻害剤の製造に有用である置換2,5−ジアミノ−3−ヒドロキシヘキサンおよびその製造法を提供する。
【解決手段】下記一般式:


で表わされる置換2,5−ジアミノ−3−ヒドロキシヘキサン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換2,5−ジアミノ−3−ヒドロキシヘキサンの製造のために有用である中間体類および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
HIVプロテアーゼの阻害剤である化合物類は、インビトロおよびインビボでHIVプロテアーゼを阻害するのに有用であり、HIV感染を阻害するのに有用である。ある種のHIVプロテアーゼ阻害剤類は、置換2,5−ジアミノ−3−ヒドロキシヘキサン部分を含む。特に興味あるHIVプロテアーゼ阻害剤類は、式1:
【0003】
【化81】

[式中、AはRNHCH(R)C(O)−であり、BはR2aであるか、または、AはR2aであり、BはRNHCH(R)C(O)−であり、Rは低級アルキルであり、そしてRおよびR2aは、−C(O)−R−R(式中、出現ごとに、RはO、Sおよび−N(R)−(式中、Rは水素または低級アルキルである。)から独立に選択され、そして出現ごとに、Rは複素環または複素環アルキルから独立に選択される。)である。]で表される化合物であるか、或いは医薬上許容しうるその塩、プロドラッグまたはエステルである。式1で表される化合物類は、1992年5月27日に発行された欧州特許出願EP0486948号に開示されている。
【0004】
式1で表される好ましいHIVプロテアーゼ阻害剤は、式2a:
【0005】
【化82】

で表される化合物、あるいは医薬上許容しうるその塩、プロドラッグまたはエステルである。
【0006】
式1で表される別の好ましいHIVプロテアーゼ阻害剤は、式2b:
【0007】
【化83】

で表される化合物である。
【0008】
式2bで表される化合物は、1994年7月7日に発行されたPCT特許出願番号WO94/14436号で開示されており、これを参照して本明細書の一部とする。
【0009】
式1および2で表される化合物類を製造するために特に有用である中間体は、式3:
【0010】
【化84】

〔式中、R、RおよびRは、水素およびN保護基から独立に選択される。〕で表される実質的に純粋な化合物であるか、またはそれの酸付加塩である。好ましいN保護基RおよびRは、
【0011】
【化85】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【0012】
【化86】

(式中ナフチル環は、非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択される。
【0013】
代わりに、それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【0014】
【化87】

(式中、R、R、RHおよびRは水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)である。
【0015】
さらに、Rは、R7aOC(O)−〔式中R7aは低級アルキル(好ましくは、t−ブチル)またはベンジルである。〕であってよい。
【0016】
さらに好ましいN保護基RおよびRは、RおよびRがベンジルおよび置換ベンジル(ここで、ベンジル基のフェニル環は、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されたものである。最も好ましいN保護基RおよびRは、RおよびRが各々ベンジルであるものである。
【0017】
好ましいN保護基Rは、−C(O)R”〔式中、R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(ここで、フェニル環は非置換であっても、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されていてもよい。)である。〕である。最も好ましいN保護基Rは、t−ブチルオキシカルボニルである。
【0018】
式3で表される好ましい中間体類は、(i)R、RおよびRが、各々水素であるか、または(ii)RおよびRは、各々ベンジルまたは置換ベンジル(ここで、ベンジル基のフェニル環は、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)、または、それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【0019】
【化88】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)であり、そしてRは水素またはt−ブチルオキシカルボニルであるか、または(iii)RおよびRが水素で、そしてRがt−ブチルオキシカルボニルである化合物である。
【発明の開示】
【0020】
本発明は、式3で表される実質的に純粋な化合物の製造のための中間体および方法に関する。本発明の方法で重要な中間体は、式4:
【0021】
【化89】

〔式中、RおよびRは、
【0022】
【化90】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【0023】
【化91】

(式中ナフチル環は、非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、そしてRは、R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルまたはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【0024】
【化92】

(式中、R、R、RHおよびRは水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)であり、そしてRは水素または−C(O)R”(式中、R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(式中、フェニル環は非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)である。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩である。
【0025】
好ましい中間体は、式4〔式中RおよびRは、ベンジルおよび置換ベンジル(ここで、ベンジル基のフェニル環は、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択された1つ、2つまたは3つの置換基で置換されている。)から独立に選択され、そしてRは水素または−C(O)R”(式中、R”は、低級アルキル、アルコキシまたはフェニル(ここで、フェニル環は低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択された1つ、2つまたは3つの置換基で置換されている。)である。)である。〕で表される化合物である。
【0026】
さらに好ましい中間体は、式4(式中、RおよびRは、ベンジルであり、そしてRは水素およびt−ブチルオキシカルボニルである。)で表される化合物である。
【0027】
本発明の方法での別の主要な中間体は、式6:
【0028】
【化93】

(式中、RおよびRは、
【0029】
【化94】

(式中、RおよびRは水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および、
【0030】
【化95】

(式中、ナフチル環は、非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択された1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上記に定義されるとおりであり、そしてRは、R7aOC(O)−(式中、R7aは、低級アルキルまたはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【0031】
【化96】

(式中、R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)で表される化合物か、または、それの酸付加塩である。
【0032】
好ましい中間体は、式6〔式中、RおよびRは、ベンジルおよび置換ベンジル(式中、ベンジル基のフェニル環は低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択された1つ、2つまたは3つの置換基で置換されている。)から独立に選択される。〕で表される化合物である。
【0033】
さらに好ましい中間体は、式6(式中、RおよびRはベンジルである。)で表される化合物である。
【0034】
4および6の製造の方法は、反応図式Iに示される。L−フェニルアラニンをN保護(例えば、RおよびRが共にベンジルである。)およびエステル化(例えば、Rが低級アルキルまたはベンジルである。)し、化合物5を得る。不活性溶媒中で5をアセトニトリルのα−カルバニオンと反応させると、ニトリル6が生ずる。適切な不活性溶媒としては、エーテル性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、ジエチルエーテルなど)、またはエーテル性溶媒と炭化水素溶媒(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなど)の混合物が挙げられる。好ましい溶媒は、THF/ヘプタン混合物である。アセトニトリルのα−カルバニオンは、アセトニトリルを、ナトリウムアミド、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムヘキサメチルジシラザン、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジエチルアミド、n−BuLiなどの塩基と反応させることによって製造しうる。代わりに、5をシアノマロン酸t−ブチルのエノラートと反応させ、それに続く脱カルボアルコキシル化により、ニトリル6が得られる。ニトリル6をベンジルグリニャール(例えば、塩化ベンジルマグネシウム)と反応させると、エナミン4が得られる。
【0035】
4から3を製造する方法は、反応図式IIに示される。反応図式IIの方法で、RがR7aOC(O)−である場合は、R7aはベンジルである。カルボン酸(R25−COOH、式中、R25は低級アルキル、ハロアルキル、フェニルまたはハロフェニルである。)の存在下で、不活性溶媒中、エナミン:還元剤:カルボン酸を1:約1〜約20:約1〜約20のモル比で、4をホウ水素化ホウ素還元剤(例えば、NaBH、NaBHCN、LiBH、KBH、K(OiPr)BH、Na(OMe)BHなど)と反応させると、7(すなわち、3a(式中Rは水素である))が生ずる。好ましい還元剤は、NaCNBHであり、そして好ましいカルボン酸は、トリフルオロ酢酸である。エナミン:還元剤:カルボン酸の好ましい比率は、1:約4:約4である。この方法では、還元剤をエナミンの溶液に加え、続いてカルボン酸の添加を行う。
【0036】
4から3を製造する別法は、ワンポット2段反応手順を包含する。この代替製法の最初の段階で、エナミンをホウ素含有還元剤〔ここで、還元剤は予め、(i)R26−COOH(式中、R26は低級アルキル、ハロアルキル、フェニルまたはハロフェニルである。)、(ii)R27−SOH(式中、R27はOH、F、低級アルキル、ハロアルキル、フェニル、低級アルキル置換フェニル、ハロフェニルまたはナフチルである。)および(iii)R28−PO(式中、R28はOH、低級アルキルまたはフェニルから選択される酸、または前記酸の組合せと反応させる。)と反応させる。
【0037】
ホウ素含有還元剤の例としては、ホウ水素化還元剤(例えばば、NaBH、NaCNBH、LiBH、KBHなど)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、(R)−B−イソピノカンフェイル−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンまたは(S)−B−イソピノカンフェイル−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン等のようなホウ素含有還元剤、およびボランアミン錯体類〔例えば、ボランアンモニア錯体、ボラン−t−ブチルアミン錯体、ボラン−N,N−ジエチルアニリン錯体、ボラン−N,N−ジイソプロピル−エチルアミン錯体、ボラン−ジメチルアミン錯体、4−(ボラン−ジメチルアミノ)ピリジン錯体、ボラン−4−エチルモルホリン錯体、ボラン−2,6−ルチジン錯体、ボラン−4−メチルモルホリン錯体、ボラン−モルホリン錯体、ボラン−4−フェニルモルホリン錯体、ボラン−ピペラジン錯体、ボラン−ピペリジン錯体、ボラン−ポリ(2−ビニルピリジン)錯体、ボラン−ピリジン錯体、ボラン−ピロール錯体、ボラン−トリメチルアミン錯体、ボラン−トリエチルアミン錯体等〕、ボランエーテル錯体(例えば、ボラン−テトラヒドロフラン錯体等)、ボランスルフィド錯体(例えば、ボラン−メチルスルフィド錯体、ボラン−1,4−オキサチアン等)およびボランホスフィン錯体(例えば、ボラン−トリブチルホスフィン錯体、ボラン−トリフェニルホスフィン錯体等)等のBH錯体が挙げられる。
【0038】
好ましいボロン含有還元剤は、ホウ水素化還元剤である。好ましいホウ水素化還元剤は、NaBHである。
【0039】
酸類R26−COOHの例としては、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ジフルオロ酢酸、安息香酸およびペンタフルオロ安息香酸が挙げられる。酸類R27−SOHの例としては、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロスルホン酸、フェニルスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸が挙げられる。酸類R28−POの例としては、リン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸およびフェニルホスホン酸が挙げられる。
【0040】
好ましい酸は、R27−SOHである。さらに好ましい酸は、メタンスルホン酸である。
【0041】
別法の第1段階では、不活性溶媒中で酸をホウ素含有還元剤に加える。その後、エナミンをホウ素含有還元剤/酸錯体に加える。この別法の第1段階で、エナミン:還元剤:酸のモル比は、1:約1〜約10:約2〜約20である。
【0042】
別法の第1段階で、エナミン:還元剤:酸のさらに好ましいモル比は、1:約2〜約4:約4〜約10である。エナミン:還元剤:酸の最も好ましいモル比は、1:約2.5:約6である。
【0043】
この方法についての適切な不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、ジエチルエーテル等のようなアルキル−およびアリール−エーテルおよびポリエーテルが挙げられる。
【0044】
別法の第1段階で、エナミンをホウ素含有還元剤/酸錯体に加える前に、所望によりプロトン性溶媒(例えば、イソプロパノール、エタノール、メタノール、水等)をホウ素含有還元剤/酸錯体に加えうる。その代わりに、エナミンをホウ素含有還元剤/酸錯体に加える前に、プロトン性溶媒をエナミンと混合してもよい。プロトン性溶媒は、約0〜約10モル当量(エナミンに基づいて)の量で添加される。好ましいプロトン性溶媒は、約7モル当量の量のイソプロパノールである。
【0045】
別法の第2段階には、第1段階から得られた反応混合物(すなわち、還元基質)に、ホウ水素化試薬(例えば、NaBH、LiBH、KBH、NaCNBH等、好ましくはNaBH)とカルボン酸〔R29−COOH(式中、R29は低級アルキル、ハロアルキル、フェニルまたはハロフェニルである。)〕の錯体を加えて、7〔すなわち、Rが水素である3〕とすることが包含される。ホウ水素化試薬/カルボン酸錯体は、不活性溶媒中で酸をホウ水素化試薬に加えることで製造される。
【0046】
別法の第2段階で、好ましいカルボン酸は、トリフルオロ酢酸である。この別法の第2段階で、還元基質:ホウ水素化試薬:カルボン酸のモル比は、1:約1〜約8:約1〜約24である。還元基質:ホウ水素化試薬:カルボン酸の好ましいモル比は、1:約4:約4〜約12である。還元基質:ホウ水素化試薬:カルボン酸の最も好ましいモル比は、1:約4:約5である。
【0047】
別法の第2段階は、第1段階から得られる反応混合物(すなわち、還元基質)に、モノ−、ジ−またはトリ−エタノールアミン、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール等のようなホウ素錯化剤を加え、続いて不活性溶媒中でケトン還元剤〔例えば、LiAlH、NaBH、NaBHCN、LiBH、KBH、K(OiPr)BH、Na(OMe)BH等、好ましくは、NaBH〕を固形物または溶液として添加して、7〔すなわち、Rが水素である3〕とすることもできる。適切な不活性溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、トリグライム等が挙げられる。
【0048】
別法の第2段階のこの型で、好ましいホウ素錯化剤は、トリエタノールアミンであり、そして好ましいケトン還元剤はNaBHである。還元基質:ホウ素錯化剤:ケトン還元剤のモル比は、1:約3〜約4:約2〜約3である。還元基質:ホウ素錯化剤:ケトン還元剤の好ましいモル比は、1:約3:約2.5である。NaBHに対する好ましい溶媒は、ジメチルアセトアミドである。
【0049】
化合物7は、水素化(例えば、HおよびPd/C、またはHおよびPd(OH)、または蟻酸およびPd/C、または蟻酸アンモニウムおよびPd/C等で)によりN−脱保護されて、式3b(R、RおよびRが各々水素である。)で表される化合物とし得る。
【0050】
別法として、化合物7の遊離5−アミノ基はN保護(例えば、ジ炭酸ジ−t−ブチルまたは他の活性化t−ブチルオキシカルボニルエステル類またはアジド類と反応させることによりt−ブチルオキシカルボニルアミノ基として)されうる。2−アミノ基上のN保護基は、上述のとおり選択的に取り除き、式3c(式中、RおよびRは水素であり、そしてRはN保護基である。)で表される化合物とし得る。
【0051】
式3cで表される化合物の好ましい具体例は、Rがt−ブチルオキシカルボニルである化合物である。この化合物を単離しそして精製するための好ましい方法には、有機カルボン酸との塩に変換して結晶化することを包含する。適切な有機カルボン酸の例としては、コハク酸、フマル酸、マロン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、リンゴ酸、マンデル酸、シュウ酸、酒石酸、アジピン酸、マレイン酸、クエン酸、乳酸等が挙げられる。好ましいカルボン酸は、コハク酸およびフマル酸である。
【0052】
一方または他方がN−保護された形態の式3の化合物を使用すると、それ以外のアミノ基をN−保護するのと同時に、2−アミノ基または5−アミノ基のいずれかを選択的にさらに機能化することが可能である。
【0053】
化合物4から化合物7を製造する代替法を反応図式IIIに示す。反応図式IIIの方法で、RがR7aOC(O)−である場合には、R7aは低級アルキルである。4とRONH(Rは水素、低級アルキルまたはベンジルである。)との反応は、オキシム8を与える。オキシム8の還元(例えば、LiAlHによる)は、7を生ずる。
【0054】
4から3を製造する代替法を反応図式IVに示す。エナミン4の遊離アミノ基を保護して、化合物9(R”はフェニル、置換フェニル、低級アルキル、ベンジルオキシまたはアルコキシである。)を得ることができる。RおよびRは各々ベンジルであり、そしてR”がt−ブチルオキシであるのが好ましい。9をケトン還元剤(例えば、水素化リチウムアルミニウム、リチウム・トリエチルボロハイドライドまたはホウ水素化ナトリウム等)と反応させると、アルコール10を得る。10を水素および水素化触媒(例えば、酸化白金、炭素上の水酸化パラジウムまたは炭素上の白金等)で水素化すると、ジ−N−保護された3となる。ジ−N−保護された3の選択的N−脱保護により、モノ−N−保護3aまたは3cが得られる。モノ−N−保護3aまたは3cの他のアミノ基を引き続き脱保護すると、非保護ジアミノアルコール3bを提供する。
【0055】
9から3を製造する別法を反応図式Vに示す。9(R、RおよびR”は、先に定義されたとおりである。RおよびRはベンジルで、そしてR”はt−ブチルオキシであるのが好ましい。)を、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、(R)−B−イソピノカンフェイル−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンまたは(S)−B−イソピノカンフェイル−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン等のようなホウ素含有還元剤、錯化および非錯化溶媒中のボラン溶液(例えば、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、ジオキサン、ジオキソランまたは塩化メチレン中のボラン溶液等、或いはそれの混合物)或いはボランエーテル錯体(例えば、ボラン−テトラヒドロフラン錯体等)、ボランスルフィド錯体(例えば、ボラン−メチルスルフィド錯体、ボラン−1,4−オキサチアン等)、またはボランホスフィン錯体(例えば、ボラン−トリブチルホスフィン錯体、ボラン−トリフェニルホスフィン錯体等)およびその均等物のようなBH錯体と反応させると、ケトン11が得られる。好ましいホウ素含有還元剤はボラン−テトラヒドロフラン錯体である。ケトン11を、例えばLiAlH、NaBH、NaBHCN、LiBH、KBH、K(OiPr)BH、Na(OMe)BH等で還元すると、ジ−N−保護された3が生ずる。好ましいケトン還元剤はLiAlHまたはKBHである。
【0056】
【化97】

【0057】
【化98】

【0058】
【化99】

【0059】
【化100】

【0060】
【化101】

【0061】
ここで使用される「低級アルキル」の語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、2級ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル等を非限定的に含む、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖アルキルラジカル(基)を意味する。
【0062】
ここで使用される「アルコキシ」の語は、−OR10(式中、R10は低級アルキル基である。)を意味する。
【0063】
ここで使用される「ハロ」の語は、F,Cl,BrまたはIを意味する。
【0064】
ここで使用される「ハロアルキル」の語は、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、フルオロメチル、クロロメチル、クロロエチル、2,2−ジクロロエチル等を非限定的に含む、1つまたはそれ以上の水素原子がハロゲンに置換された低級アルキル基を意味する。
【0065】
ここで使用される「ハロフェニル」の語は、クロロフェニル、ブロモフェニル、フルオロフェニル、ヨードフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2,3,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、2,4−ジクロロ−5−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,3,6−トリフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニル、2,3,4,5−テトラフルオロフェニル、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル等を非限定的に含む、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つの水素原子がハロゲンに置換されたフェニル基を意味する。
【0066】
本発明の化合物の酸付加塩は、本発明のアミン含有化合物を無機または有機酸と反応させて得ることができる。これらの塩は、以下のものを含むが、それに限定されない。:アセテート、アジペート、アルギネート、シトレート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルフォネート、ビスルフェート、ブチレート、カンフォレート、カンフォルスルホネート、ジグルコネート、シクロペンタンプロピオネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、グルコヘプタノエート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、フマレート、ハイドロクロライド、ハイドロブロマイド、ハイドロイオダイド、2−ヒドロキシ−エタンスルホネート(イセチオネート)、ラクテート、マレエート、マロネート、グルタレート、マレート、マンデレート、メタンスルホネート、ニコチネート、2−ナフタレンスルホネート、オキサレート、パモエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、タートレート、チオシアネート、p−トルエンスルホネートおよびウンデカノエート。
【0067】
酸付加塩形成に使用しうる酸の例としては、塩酸、硫酸およびリン酸のような無機酸、並びにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、およびクエン酸のような有機酸、さらには上記した他の酸が挙げられる。
【0068】
ここで使用される「実質的に純粋」の語は、混入した他の立体異性体(エナンチオマーまたはジアステレオマー)が10%より多くなく、好ましくは他の立体異性体が5%より多くなく、最も好ましくは他の立体異性体が3%より多くない化合物を意味する。
【0069】
ここで使用されるとおり、「S」および「R」配置の語は、IUPAC 1974レコメンデーション・フォー・セクション・イー、ファンダメンタル・ステレオケミストリー、PuReAppl.Chem.(1976)45,13−30によって定義されているとおりである。
【0070】
以下の例は、本発明の化合物および方法をさらに例示するであろう。
【実施例】
【0071】
実施例1
(L)−N,N−ジベンジルフェニルアラニン ベンジルエステル
L−フェニルアラニン(161kg、975モル)、炭酸カリウム(445kg、3220モル)、水(675L)、エタノール(340L)および塩化ベンジル(415kg、3275モル)を含有する溶液を、10〜24時間、90±15℃に加熱した。反応混合物を60℃に冷却し、下層の水層を取り除いた。ヘプタン(850L)および水(385L)を有機物に添加し、攪拌し、層を分離した。有機物を水/メタノール混合物(150L/150L)で1回洗浄した。有機物を留去して所望の生成物を油状物として得、次の段階に精製なしで使用する。
【0072】
IR(ニート)3090、3050、3030、1730、1495、1450、1160cm−1H NMR(300MHz、CDCl)δ7.5〜7.0(m,20H)、5.3(d,1H,J=13.5Hz)、5.2(d,1H,J=13.5Hz)、4.0(d,2H,J=15Hz)、3.8(t,2H,J=8.4Hz)、3.6(d,2H,J=15Hz)、3.2(dd,1H,J=8.4,14.4Hz)、13C NMR(300MHz,CDCl)δ172.0、139.2、138.0、135.9、129.4、128.6、128.5、128.4、128.2、128.1、128.1、126.9、126.2、66.0、62.3、54.3、35.6。[α]−79°(c=0.9,DMF)。
【0073】
実施例2a
4S−N,N−ジベンジルアミノ−3−オキソ−5−フェニル−ペンタノニトリル
520mLテトラヒドロフランおよび420mLアセトニトリル中に実施例1の生成物(すなわち、ベンジルエステル)(約0.45モル)を含有する溶液を、窒素下で−40℃まで冷却した。850mLテトラヒドロフラン中にナトリウムアミド(48.7g、1.25モル)を含有する第2の溶液を−40℃に冷却した。このナトリウムアミド溶液に75mLアセトニトリルをゆっくりと加え、得られた溶液を15分間以上−40℃で攪拌した。ナトリウムアミド/アセトニトリル溶液を−40℃でゆっくりと上記ベンジルエステル溶液に加えた。混合溶液を1時間−40℃で攪拌し、1150mLの25%(w/V)クエン酸溶液で反応停止した。得られたスラリーを周囲温度に加温し、有機物を分離した。この有機物を350mLの25%(w/V)塩化ナトリウム溶液で洗浄し、900mLのヘプタンで希釈した。この有機物を900mLの5%(w/V)塩化ナトリウム溶液で3回、900mLの10%メタノール性水溶液で2回、900mLの15%メタノール性水溶液で1回、そしてさらに900mLの20%メタノール性水溶液で1回洗浄した。有機物を留去し、得られた材料を700mLの熱エタノール中に溶かした。室温まで冷却すると、所望の生成物が沈殿した。濾過するとL−フェニルアラニンから59%の収率で、所望の生成物を得た。
【0074】
IR(CHCl)3090、3050、3030、2250、1735、1600、1490、1450、1370、1300、1215cm−1H NMR(CDCl)δ7.3(m,15H)、3.9(d,1H,J=19.5Hz)、3.8(d,2H,J=13.5Hz)、3.6(d,2H,J=13.5Hz)、3.5(dd,1H,J=4.0、10.5Hz)、3.2(dd,1H,J=10.5、13.5Hz)、3.0(dd,1H,J=4.0,13.5Hz)、3.0(d,1H,J=19.5Hz)、13C NMR(300MHz,CDCl)δ197.0、138.4、138.0、129.5、129.0、128.8、128.6、127.8、126.4、68.6、54.8、30.0、28.4。[α]−95°(c=0.5,DMF)。
【0075】
実施例2b
4S−N,N−ジベンジルアミノ−3−オキソ−5−フェニル−ペンタノニトリルの別の製造法
フラスコに、窒素下でナトリウムアミド(5.8g,134ミリモル)を入れ、続いて100mLのメチルt−ブチルエーテル(MTBE)を加えた。攪拌溶液を0℃に冷却した。アセトニトリル(8.6mL、165ミリモル)を1分かけて加えた。この溶液を5±5℃で、30分間攪拌した。125mLのMTBE中に(L)−N,N−ジベンジルフェニルアラニン・ベンジルエステル(25g、90%純度、51.6ミリモル)を含む溶液を15分間かけて添加し、反応が完了するまで(約3時間)、得られた不均質混合物を5±5℃で攪拌した。反応を100mLの25%w/Vクエン酸水溶液で停止し、25℃に加温して層を分離した。有機物を100mLのHOで洗浄した。水層を分離し、有機物を濾過して真空中で濃縮した。50mLのエタノールから残渣を結晶化して、13.8gの所望の生成物を白色固体として得た。
【0076】
実施例2c
4S−N,N−ジベンジルアミノ−3−オキソ−5−フェニル−ペンタノニトリルの別の製造法
0℃に冷却したナトリウムアミド(120kg,3077モル)、ヘプタン(1194L)、およびテトラヒドロフラン(590L)を含有する溶液に、実施例1の生成物(すなわち、ベンジルエステル)(約975モル)、テトラヒドロフラン(290L)、ヘプタン(570L)およびアセトニトリル(114L)を含有する溶液を添加した。添加は、5℃より低い温度を維持しながら行った。混合溶液を0±5℃で約1時間攪拌し、25%クエン酸溶液(1540L)でpHを5.0〜7.0に調整して反応停止した。上部有機層を分離し、そして25%塩化ナトリウム水溶液(715kg)で洗浄し、活性炭(2kg)で処理し、溶媒を留去した。得られた残渣を55℃エタノール/水溶液(809kg/404kg)から結晶化した。結晶化する前に溶液を0℃に冷却して、約215kgの所望の生成物を得た。
【0077】
実施例3
4S−N,N−ジベンジルアミノ−3−オキソ−5−フェニル−ペンタノニトリルの別の製造法
温度計、窒素入口、均圧添加漏斗および機械的攪拌器を具備した1リットル容ジャケット付反応フラスコに、テトラヒドロフラン(350mL)中のカリウムt−ブトシキド(32g、0.289モル、3.0当量)の溶液を加え、−10℃の内部温度に冷却した。テトラヒドロフラン(10mL)およびアセトニトリル(15mL、0.289モル、3.0当量)中の実施例1の生成物(すなわち、ベンジルエステル)(42.0g、0.0964モル、1.0当量)の溶液を、これに均圧添加漏斗から20分かけて加えた。添加の間、内部温度を−5℃に上げた。反応(透明なオレンジ色となる)混合物をさらに30分間−10℃で攪拌した。ベンジルエステル溶液添加後、その一部を10%クエン酸水溶液で反応停止し、ヘプタンの間に分配した試料をHPLC分析(Chiralpak ADカラム、1mL/分、ヘプタン中に10%のイソロパノール、@205nm)し、出発材料が残っていないこと、さらに所望のニトリルがS異性体主成分として93%eeで存在することを認めた。反応器の残りの内容物を0℃に30分かけて加温した。クエン酸(10%水溶液、200mL)、続いてヘプタン(100mL)を加え、反応内容物を20℃に加温した。水相を分離し、有機相を10%塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、水相を分離した。45℃浴を使用して有機相を真空中で濃縮した。n−ブタノール(100mL)を加え、内容物が容量でおおよそ10%に減少するまで、真空蒸留した。機械的に攪拌しながら得られた懸濁物を20℃に冷却し、その温度で18時間保持した。固体を濾過し、45℃で真空乾燥させた。最初の回収物は20.5g(57%)であった。この材料は、HPLCで>98%純度であった。
【0078】
実施例4
2−アミノ−5S−N,N−ジベンジルアミノ−4−オキソ−1,6−ジフェニルヘキス−2−エン
テトラヒドロフラン(288L)中に実施例2のニトリル生成物(90Kg、244モル)を含む−5℃溶液に、塩化ベンジルマグネシウム(378Kg、THF中2M、708モル)を加えた。溶液を周囲温度に加温し、そして分析結果が出発物質残存を示さなくなるまで攪拌した。溶液を−5℃に再冷却し、ゆっくりと15%クエン酸(465kg)の溶液に移した。追加のテトラヒドロフラン(85L)を使用して当初の容器をすすぎ、これをクエン酸停止容器に加えた。有機物を分離し、10%塩化ナトリウム(235kg)で洗浄し、溶媒を留去して固体にした。再度エタノール(289L)から生成物を再度ストリップし、80℃エタノール(581L)に溶かした。室温に冷却し12時間攪拌した後、得られた生成物を濾過し、30℃で真空乾燥機内で乾燥させて、約95kgの所望の生成物を得た。
【0079】
融点101〜102℃、IR(CDCl)3630、
3500、3110、3060、3030、2230、
1620、1595、1520、1495、1450cm−1H NMR(300MHz、CDCl)δ9.8(広幅s、1H)、7.2(m,20H)、5.1(s,1H)、4.9(広幅s、1H)、3.8(d,2H,J=14.7Hz)、3.6(d,2H,J=14.7Hz)、3.5(m,3H)、3.2(dd,1H,J=7.5、14.4Hz)、3.0(dd,1H,J=6.6,14.4Hz)、13C NMR(CDCl)δ198.0、162.8、140.2、140.1、136.0、129.5、129.3、128.9、128.7、128.1、128.0、127.3、126.7、125.6、96.9、66.5、54.3、42.3、32.4。[α]−147°(c=0.5,DMF)。
【0080】
実施例5a
(2S,3S,5S)−5−アミノ−2−N,N−ジベンジルアミノ−3−ヒドロキシ−1,6−ジフェニル−ヘキサン
A.テトラヒドロフラン(157L)中にホウ水素化ナトリウム(6.6kg、175モル)を含有する懸濁物を、−10±5℃未満に冷却した。メタンスルホン酸(41.6kg、433モル)をゆっくりと加え、添加の間温度を0℃未満に維持した。添加が完了したら、0℃未満の温度を維持しながら、水(6L、333モル)、実施例4の生成物(20kg、43モル)およびテトラヒドロフラン(61L)の溶液をゆっくりと加えた。混合物を少なくとも19時間、0±5℃で攪拌した。
【0081】
B.分離フラスコに、ホウ水素化ナトリウム(6.6kg、175モル)およびテトラヒドロフラン(157L)を加えた。−5±5℃に冷却した後、15℃未満の温度に維持しながらトリフルオロ酢酸(24.8kg、218モル)を加えた。溶液を30分間、15±5℃で攪拌し、15℃未満の温度に維持しながら、段階Aから得られる反応混合物に加えた。反応が完了するまで、これを20±5℃で攪拌した。その後、溶液を10±5℃に冷却し、3NのNaOH(195kg)で反応停止した。t−ブチルメチルエーテル(162L)を加えて攪拌した後、有機層を分離し、0.5NのNaOH(200kg)で1回、20%w/V塩化アンモニウム水溶液(195kg)で1回、そして25%塩化ナトリウム水溶液(160kg)で2回洗浄した。溶媒を留去して所望の生成物を油状物として得、これ次の段階に直接使用した。
【0082】
IR(CHCl)3510、3400、3110、3060、3030、1630、H NMR(300MHZ、CDCl)δ7.2(m,20H)、4.1(d,2H,J=13.5Hz)、3.65(m,1H)、3.5(d,2H,J=13.5Hz)、3.1(m,2H)、2.8(m,1H)、2.65(m,3H)、1.55(m,1H)、1.30(m,1H)、13C NMR(300MHz,CDCl)δ140.8、140.1、138.2、129.4、129.4、128.6、128.4、128.3、128.2、126.8、126.3、125.7、72.0、63.6、54.9、53.3、46.2、40.1、30.2。
【0083】
実施例5b
(2S,3S,5S)−5−アミノ−2−N,N−ジベンジルアミノ−3−ヒドロキシ−1,6−ジフェニル−ヘキサンの別の製造法
1,2−ジメトキシエタン(1356L)中にホウ水素化ナトリウム(30kg、793モル)を含有する懸濁物を、−5℃未満に冷却した。5℃未満の温度に維持しながら、メタンスルホン酸(192kg、1998モル)をゆっくりと加えた。添加が完了したら、5℃未満の温度に維持しながらイソプロパノール(142L、1849モル)、実施例4の生成物(123kg、267モル)および1,2−ジメトキシエタン(311L)の溶液を、ホウ水素化物溶液にゆっくりと加えた。混合物を12時間以上、0±5℃で攪拌した。
【0084】
その後、トリエタノールアミン(118kg)の追加で反応を停止した。反応混合物の温度は、停止反応の間、5℃未満に維持した。その後、10℃未満に温度を維持しながら、ホウ水素化ナトリウム(25kg、661モル)およびジメチルアセトアミド(184kg)を含有する別の溶液を加えた。溶液を3時間、10±5℃で攪拌した。その後、水(1375L)で溶液を反応停止し、30分間激しく攪拌した。t−ブチルメチルエーテル(1096L)と混合した後、有機層を分離し、3%NaOH(443kg)で1回、20%w/V塩化アンモニウム水溶液(1492kg)で1回、そして25%塩化ナトリウム水溶液(1588kg)で1回洗浄した。有機物をストリップし、所望の生成物を油状物として得た。
【0085】
実施例6
(2S,3S,5S)−2,5−ジアミノ−3−ヒドロキシ−1,6−ジフェニル−ヘキサン二塩酸塩
メタノール(250kg)中に[2S,3S,5S]−2−N,N−ジベンジルアミノ−3−ヒドロキシ−5−アミノ−1,6−ジフェニルヘキサン(20kg、43.1モル)を含む攪拌溶液に、水(23kg)中に蟻酸アンモニウム(13.6kg、215モル)を含む水溶液、および炭素上の5%湿潤パラジウム(4.0kg、デグサ(Degussa)触媒、E101NE/W、重量でおおよそ50〜60%の水)を含む懸濁水溶液を添加した。得られた懸濁物を加熱して6時間還流(70±10℃)し、その後室温に冷却した。珪藻土の床を通して懸濁物を濾過した。ケーキをメタノール(2×30kg)で洗浄した。濾液を真空蒸留で濃縮して、水性油状物とした。この水性残渣を1NのNaOH(200L)に溶解し、酢酸エチル(155kg)で抽出した。20%塩化ナトリウム水溶液(194kg)、さらに水(97kg)で有機生成物層を洗浄した。その後、酢酸エチル生成物溶液を濃縮して、真空蒸留下で油状物とした。残渣にイソプロパノール(40kg)を加え、再度溶液を真空蒸留で濃縮して油状物を得た。この油状物に、イソプロパノール(160kg)および濃塩酸(20.0kg)を添加した。懸濁液/溶液を加熱して1時間還流し、徐々に室温に冷却した。その後、スラリーを12〜16時間攪拌した。スラリーを濾過し、酢酸エチル(30kg)でケーキを洗浄した。イソプロパノール(93kg)および水(6.25kg)中に湿潤ケークを再懸濁し、加熱して1時間攪拌しながら還流した。反応混合物を徐々に室温に冷却し、12〜16時間攪拌した。反応混合物を濾過し、イソプロパノール(12kg)で湿潤ケーキを洗浄した。真空乾燥機で、45℃、およそ24時間固形物を乾燥して、7.5kgの所望の生成物を得た。
【0086】
H NMR(300MHZ、CDOD)δ7.40〜7.15(m,10H)、3.8(ddd,1H,J=11.4、3.7、3.7Hz)、3.68〜3.58(m,1H)、3.37(ddd,1H,J=7.5、7.5、3.5Hz)、3.05〜2.80(m,4H)、1.95〜1.70(m,2H)、13C NMR(300MHz,CDOD)δ135.3、135.1、129.0、128.9、128.7、128.7、127.12、127.07、67.4、57.1、51.6、38.4、35.5、35.2。
【0087】
実施例7
[2S,3S,5S]−2−N,N−ジベンジルアミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン
MTBE(1096L)中に[2S,3S,5S]−2−N,N−ジベンジルアミノ−3−ヒドロキシ−5−アミノ−1,6−ジフェニルヘキサン(およそ105kg、226モル)を含む溶液に、BOC無水物(65kg、373モル)および10%炭酸カリウム(550kg)を添加した。反応が完了するまで(およそ1時間)、この溶液を攪拌した。底部層を取り除き、有機物を水(665L)で洗浄した。その後、溶媒を留去して、所望の生成物を油状物として得た。
【0088】
H NMR(300MHz、CDCl)δ1.40(s、9H)、1.58(s,2H)、2.45〜2.85(m,4H)、3.05(m,1H)、3.38(d,2H)、3.6(m,1H)、3.79(m,1H)、3.87(d,2H)、4.35(s,1H)、4.85(広幅s、1H)、7.0〜7.38(m,20H)。
【0089】
実施例8a
[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン
メタノール(350mL)中に[2S,3S,5S]−2−N,N−ジベンジルアミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン(12g、21.3ミリモル)を含む攪拌溶液に、蟻酸アンモニウム(8.05g、128ミリモル、6.0当量)および炭素上の10%パラジウム(2.4g)を添加した。60℃で3時間、75℃で12時間、窒素下で溶液を攪拌した。1mLの氷酢酸と一緒に蟻酸アンモニウム(6g)および炭素上の10%パラジウム(1.5g)を追加した。還流温度で2時間以内に反応を完了させた。反応混合物を室温に冷却し、セライトの床を通して濾過した。濾過ケーキをメタノール(75mL)で洗浄し、減圧下に合せた濾液を濃縮した。1NのNaOH(300mL)に残渣を取り出し、塩化メチレン(2×200mL)に抽出した。合せた有機層をブライン(250mL)で洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で脱水した。減圧下に溶液を濃縮すると、所望の生成物が淡い色の油状物として得られ、これを放置すると徐々に結晶化した(5g)。生成物の精製は、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、塩化メチレン中に5%メタノール)によって行った。
【0090】
H NMR(300MHz、CDCl)δ1.42(s,9H)、1.58(m,1H)、1.70(m,1H)、2.20(広幅s,2H)、2.52(m,1H)、2.76〜2.95(m,4H)、3.50(m,1H)、3.95(m,1H)、4.80(広幅d,1H)、7.15〜7.30(m,10H)。
【0091】
実施例8b
[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン・コハク酸塩
メタノール(437L)中に[2S,3S,5S]−2−N,N−ジベンジルアミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン(約127kg、225モル)を含む溶液に、炭素上の5%パラジウム(24kg)のメタノール性(285L)スラリーを添加した。これにメタノール(361L)中に蟻酸アンモニウム(8kg、1332モル)を含む溶液を加えた。溶液を75℃に6〜12時間加熱し、室温に冷却した。濾過助剤(セライト)で被覆したフィルターを使用して、固形物を反応混合物から濾取し、加熱および真空(70℃まで)を使用して反応混合物からメタノールを留去した。加熱(40℃)しながら残渣を酢酸イソプロピル(4400kg)中に溶かし、10%炭酸ナトリウム溶液(725kg)で、最終的に水(665L)で洗浄した。両方の洗浄は、生成物を液状に維持するために40℃で行なった。溶媒を真空下で加熱(70℃まで)して取り除いた。イソプロピルアルコール(475L)を加え、残留溶媒を留去した。イソプロパノール(1200L)を残渣に加え、均質になるまで撹拌した。この溶液に、イソプロパノール(1200L)中にコハク酸(15〜40kg)を含む溶液を加えた。溶液ジャケットを70℃に加熱し、全ての固形物を溶かし、徐々に室温に冷却させ、さらに6時間攪拌した。溶液を濾過し、所望の生成物を白色固形物として得た(55〜80kg)。
【0092】
融点:145〜146℃。H NMR(DMSO−d、300MHz)δ0.97(d,3H,IPA)、1.20(s,9H)、1.57(t,2H)、2.20(s,2H,コハク酸)、2.55(m,2H)、2.66(m,2H)、2.98(m,1H),3.42(m,1H)、3.70(m,1H)、3.72(m,1H,IPA)、6.60(d,1H,アミド NH)、7.0〜7.3(m,10H)。
【0093】
H NMR(CDOD,300MHz)δ1.11(d,3H,J=7Hz,IPA)、1.29(s,9H)、1.70(m,2H)、2.47(s,2H,コハク酸)、2.65(m,2H)、2.85(m,2H)、3.22(m,1H),3.64(m,1H)、3.84(m,1H)、7.05〜7.35(m,10H)。
【0094】
同様の方法で、[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサンの以下の塩類を製造した。
【0095】
[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン・フマル酸塩
融点:157〜159℃。
【0096】
H NMR(DMSO−d、300MHz)δ0.98(d,8H,IPA)、1.20(s,9H)、1.57(t,2H)、2.62(m,2H)、2.71(m,2H)、3.01(m,1H)、3.43(m,1H),3.68(m,1H)、3.72(m,3H)、6.47(s,1H,フマル酸)、6.57(d,1H,アミド NH)、7.0〜7.3(m,10H)。
【0097】
[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン・マロン酸塩
融点:150〜152℃。
【0098】
H NMR(DMSO−d、300MHz)δ0.98(d,1H,IPA)、1.17(s,9H)、1.61(m,2H)、2.65(m,2H)、2.66(s,1H,マロン酸)、2.81(m,2H)、3.31(m,1H),3.53(m,1H)、3.69(m,1H)、6.61(d,1H,アミド NH)、7.0〜7.3(m,10H)。
【0099】
13C NMR:(MeSO−d)d 28.2、36.1、38.5、38.9、39.8、48.0、54.6、65.3、77.3、125.8、126.7、127.8、128.5、129.2、129.3、136.5、138.8、155.0、171.5。
【0100】
グルタル酸[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン塩
融点:162〜164℃。
【0101】
H NMR(DMSO−d、300MHz)δ0.98(d,6H,IPA)、1.21(s,9H)、1.55(m,2H)、1.63(m,1H,グルタル酸)、2.25(t,2H,グルタル酸)、2.49(m,2H)、2.67(m,2H),2.84(m,1H)、3.39(m,1H)、3.72(m,1H)、3.73(m,1H)、6.59(d,1H)、7.0〜7.3(m,10H)。
【0102】
13C NMR(DMSO−d)δ25.5、28.2、34.0、48.5、55.4、62.0、68.6、77.0、125.6、125.7、127.8、127.9、129.1、139.0、139.5、154.9、174.5。
【0103】
[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン・トランス−ケイ皮酸塩
融点:164〜165℃。
【0104】
H NMR(DMSO−d、300MHz)δ1.21(s,9H)、1.57(m,2H)、2.52(m,2H)、2.59(m,2H)、2.90(m,1H)、3.41(m,1H)、3.70(m,1H),6.47(d,1H,ケイ皮酸)、6.59(d,1H)、7.0〜7.3(m,12H)、7.33(m,3H)、7.42(d,1H,ケイ皮酸)、7.59(m,2H)。
【0105】
13C NMR(DMSO−d)δ28.2、48.3、55.2、68.3、77.1、101.8、125.6、125.8、127.8、128.2、128.8、129.2、134.9、139.1、139.2、141.5、166.0、168.3、200.0。
【0106】
[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン・L−リンゴ酸塩
融点:152〜154℃。
【0107】
H NMR(DMSO−d、300MHz)δ0.99(d,3H,IPA)、1.20(s,9H)、2.2(dd,1H,L−リンゴ酸)、2.40(d,1H,L−リンゴ酸)、2.48〜2.78(m,3H)、3.02(m,1H)、3.44(m,1H),3.58(m,1H)、3.61(m,1H,IPA)、3.77(dd,1H,L−リンゴ酸)、6.60(d,1H,アミド NH)、7.0〜7.3(m,10H)。
【0108】
13C NMR(DMSO−d)δ25.5、28.2、48.3、55.1、61.8、65.5、67.3、77.0、125.5。
【0109】
[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン・S(+)マンデル酸塩
融点:165〜167℃。
【0110】
[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン・R(−)マンデル酸塩
融点:173〜175℃。
【0111】
[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン・シュウ酸塩
融点:201〜202℃。
【0112】
[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン・シュウ酸・二塩酸塩
融点:206〜208℃。
【0113】
[2S,3S,5S]−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン・D−酒石酸塩
融点:187〜188℃。
【0114】
実施例9
シン−(2S)−2−(N,N−ジベンジル)アミノ−5−ベンジルオキシイミノ−1,6−ジフェニル−3−オキソ−ヘキサンおよびアンチ−(2S)−2−(N,N−ジベンジル)アミノ−5−ベンジルオキシイミノ−1,6−ジフェニル−3−オキソ−ヘキサン
50mLのアセトニトリル中に1.0g(2.17ミリモル)の(2S)−2−(N,N−ジベンジル)アミノ−5−アミノ−1,6−ジフェニル−3−オキソ−4−ヘキセンおよび 347mgの塩酸O−ベンジルヒドロキシルアミン(2.17ミリモル)を含む溶液を、N2 雰囲気下で1時間還流した。真空下でほとんどのアセトニトリルを取り除いた後、残渣を20mLの飽和NaHCO水溶液で処理し、20mLずつのジクロロメタンで4回抽出した。有機層を合わせ、NaSO上で脱水し、真空濃縮して1.24g(100%)の所望のシンおよびアンチ混合物を無色油状物として得た。シン−O−ベンジルオキシムおよびアンチ−O−ベンジルオキシムを、ヘキサン中50%のジクロロメタンを使用するシリカゲルクロマトグラフィによって分離した。
【0115】
シン−O−ベンジルオキシム: H NMR(CDCl)δ2.85(1H,dd,J=13.5、4.5Hz)、3.03(1H,d,J=16.5Hz)、3.07(1H,dd,J=13.5、8.7Hz)、3.44(2H,qAB)、3.53(1H,dd,J=9.2、4.0Hz)、3.55(2H,d,J=13.8Hz)、3.60(1H,d,J=16.9Hz)、3.69(2H,d,J=13.8Hz)、4.93(2H,qAB)、6.97〜7.32(25H,m)。質量スペクトル:(M+H)=567。
【0116】
アンチ−O−ベンジルオキシム: H NMR(CDCl)δ2.87(1H,dd,J=13.5、4.2Hz)、3.07(1H,d,J=16.8Hz)、3.08(1H,dd,J=13.5、8.7Hz)、3.42(1H,d,J=16.5Hz)、3.46(1H,dd,J=9.0、4.5Hz)、3.51(2H,d,J=13.6Hz)、3.60(2H,qAB)、3.70(2H,d,J=13.6Hz)、5.04(2H,s)、6.68〜7.35(25H,m)。質量スペクトル:(M+H)=567。
【0117】
実施例10
(2S,3S,5S)−2−(N,N−ジベンジル)アミノ−5−アミノ−1,6−ジフェニル−3−ヒドロキシヘキサンの別の製造法
2mLのテトラヒドロフラン中に100mg(0.176ミリモル)のシン−(2S)−2−(N,N−ジベンジル)アミノ−5−ベンジルオキシイミノ−1,6−ジフェニル−3−オキソ−ヘキサンを含む溶液を、0℃で、テトラヒドロフラン中の水素化リチウムアルミニウム1M溶液0.882mL(0.882ミリモル)で処理した。反応混合物をゆっくり周囲温度に加温して、15時間攪拌した。混合物を飽和NaSO水溶液(0.25mL)で反応停止し、得られた沈殿を濾別した。濾液を濃縮し、ジクロロメタン中の2%メタノールおよび2%イソプロピルアミンを使用したシリカゲルクロマトグラフィによって残渣を精製して、76.3mg(93%)の所望の(2S,3S,5S)化合物および2つの異性体(2S,3R,5Rおよび2S,3S,5R)を9.6:1:0.7の比率で得た。
【0118】
シンおよびアンチ混合物から出発すると、8.0:0.6:1のジアステレオマー比で同一の生成物を付与する。
【0119】
実施例11
(S)−2−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−5−N,N−ジベンジルアミノ−1,6−ジフェニル−4−オキソ−2−ヘキセン
100mLのメチルt−ブチルエーテル中の9.21g(20ミリモル)の実施例4の生成物および0.37g(3ミリモル)の4−N,N−ジメチルアミノピリジンに、同じ溶媒(25mL)中に4.80g(22ミリモル)の炭酸ジ−t−ブチルを含有する溶液を注射器ポンプを介し6時間かけて加えた。その後、メチルt−ブチルエーテル(3mL)を追加して、添加を完了した。室温で18時間攪拌した後、氷水浴の助けで反応混合物を冷却した。結果物固体を吸引濾過によって収集し、冷(0℃)メチルt−ブチルエーテルおよびヘキサンで洗浄し、真空乾燥させて、9.9gの粗材料を白色固形物として得た。単離された材料を最小量のジクロロメタンに溶かし、シリカゲル上のフラッシュ・クロマトグラフィによって精製した。ヘキサン−酢酸エチル−ジクロロメタン(8:1:1)の混合物でカラムを溶出して、適切な画分を濃縮すると、8.1g(72%)の所望のN−Bocビニル性アミドを得た。
【0120】
融点191〜193℃。[α]−183.7°(c=1.05,CHCl)。H NMR(CDCl)δ11.68(bs,1H)、7.05〜7.47(m,20H)、5.28(s,1H)、4.27(d,J=16Hz,1H)、4.02(d,J=16Hz,1H)、3.58(m,4H)、3.40(m,1H)、3.11(m,1H)、2.90(m,1H)、1.48(s,9H)。
【0121】
実施例12
(S)−2−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−5−N,N−ジベンジルアミノ−1,6−ジフェニル−4−オキソ−2−ヘキセンの別の製造法
下で15%酢酸エチル/ヘキサン(2リットル)中に(S)−2−アミノ−5−ジベンジルアミノ−1,6−ジフェニル−4−オキソ−2−ヘキセン(100.0g、0.217モル)を含む懸濁物を約40℃に加温した。生じた溶液を室温まで冷やし、4.0g(33ミリモル)のN,N−ジメチル−4−アミノピリジンおよび49.7g(0.228モル)のジ炭酸ジ−t−ブチルを加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌させた。(およそ1時間後、白色沈殿が形成し始めた。)
懸濁物を濾過し、そして沈殿をヘキサンで洗浄して、所望の生成物を無色の結晶として得た。TLC:25%酢酸エチル/ヘキサン R0.38。
【0122】
実施例13
(2S,3S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシ−1,6−ジフェニル−ヘキス−4−エン
100mL容フラスコに磁気的攪拌器を儲け、窒素正圧に保持した。このフラスコに実施例11の生成物(1g、1.8ミリモル)および無水THF(10mL)を入れた。溶液を0℃に冷やした。THF中のLiAlH1M溶液(1.8mL、1.8ミリモル)を加えた。冷浴を取り除き、反応物を室温で攪拌した。LAHの添加後に、反応は80〜90%完了していた。フィーザー後処理法(0.2mLのHO;0.2mLの15%NaOH;0.6mLのHO)により反応を停止した。生成有機溶液を無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濃縮して、所望の生成物を無色発泡体として得た(〜70%収率)。
【0123】
TLC:25%EtOAc/ヘキサン 出発材料R=0.55、生成物R=0.45。H NMR(CDCl)δ7.37〜7.10(m,20H)、6.78(brs,1H)、4.62(d,1H)、4.50(s,1H)、4.18(dd,1H)、3.90(d,2H)、3.65(dd,2H)、3.40(d,2H)、3.00(m,2H)、2.77(m,1H)、1.48(s,9H)。
【0124】
実施例14
(2S,3S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシ−1,6−ジフェニル−ヘキス−4−エンの別の製造法
−78℃で、8mLの乾燥THF中に200mg(0.36ミリモル)の2S−ジベンジルアミノ−3−オキソ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニル−ヘキス−4−エンを含む溶液に、リチウム・トリエチルボロハイドライドの1M溶液1.4mLを加えた。−78℃で1時間溶液を攪拌し、水で反応停止し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。無水硫酸ナトリウムで有機層を脱水して濾過した。真空中で酢酸エチル溶液を蒸発させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(20%EtOAc/ヘキサン)により粗残渣を精製すると、125mgの純粋な所望の生成物および65mgの回収出発材料を得た。
【0125】
H NMR(300MHz、CDCl)δ1.48(s,9H)、2.75(m,1H)、2.98(m,2H)、3.40(d,J=12Hz,2H)、3.65(ABq,J=15Hz,2H)、3.90(d,J=12Hz,2H)、4.17(m,1H)、4.48(s,1H)、4.62(d,J=6.5Hz,1H)、6.77(br s,1H)、7.10〜7.35(m,20H)。
【0126】
実施例15
(2S,3S,5S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシ−1,6−ジフェニルヘキサン
12mLのエタノール中に50mgの酸化白金を含む懸濁液に、120mgの実施例14の生成物を加えた。パー(Parr)の水素化装置を使用して、約60psiの水素圧下で活発に反応混合物を振盪した。15時間後、触媒を濾別し、30mLのエタノールで洗浄した。エタノール溶液を合せ、溶媒を真空蒸発させ、シリカゲル・カラムクロマトグラフィ(3%→5%のEtOAc/CHCl)により残渣を精製して、10mgの回収出発材料および78mgの所望の生成物(70%)を得た。
【0127】
H NMR(300MHz、CDCl)δ1.20(m,2H)、1.40(s,9H)、2.55〜2.80(m,4H)、3.05(m,1H)、3.47(d,J=13.5Hz,2H)、3.60(m,1H)、3.80(m,1H)、3.90(d,J=13.5Hz,2H)、4.35(s,1H)、4.85(br s,1H)、7.02〜7.30(m,20H)。
【0128】
実施例16
(2S,3S,5S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン
10mLのイソプロピルアルコール中に100mgの木炭上10%酸化白金を含む懸濁物に、73mgの実施例15の生成物を加えた。パー(Parr)の水素化装置を使用して、約60psiの水素圧で、18時間活発に反応混合物を振盪した。触媒を濾別し、50mLのイソプロピルアルコールで洗浄した。溶媒を真空中で蒸発させ、シリカゲル・カラムクロマトグラフィ(5%→10%のMeOH/CHCl)により残渣を精製して、36mgの所望の生成物(72%)を得た。
【0129】
H NMR(300MHz、CDCl)δ1.42(s,9H)、1.58(m,1H)、1.70(m,1H)、2.20(brs,2H)、2.52(m,1H)、2.76〜2.95(m,4H)、3.50(m,1H)、3.95(m,1H)、4.80(br d,1H)、7.15〜7.30(m,10H)。質量スペクトル:(M+H)=385。
【0130】
実施例17
(2S,3S,5S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシ−1,6−ジフェニルヘキサンの別の製造法
ジクロロメタン(100mL)および1,4−ジオキソラン(100mL)中に実施例11の生成物(5g、8.9ミリモル)を含む溶液を−10℃〜−15℃の間に冷却し、そして1MのBHTHF(26.7mL、26.7ミリモル)で滴下処理した。溶液をこの温度で3時間攪拌した。過剰のメタノール(20mL)を用いて透明な溶液を反応停止し、室温で30分間攪拌した。溶媒を真空中で除去した。
【0131】
白色発泡体をTHF(75mL)中に溶かし、−40℃に冷却した。LAHの溶液(9mL、THF中1M、9ミリモル)を滴下で加えた。10分後、溶液を水、続いて希HCl水溶液によって反応停止した。有機物を除去し、酢酸エチル(3×20mL)で水層を抽出した。有機物を合わせて洗浄し(飽和重炭酸塩水溶液、次いでブライン)、脱水し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、4.9g(99%)の所望の生成物を白色発泡体として得た。
【0132】
別法として、BHTHF反応段階から得られる白色発泡体をMeOH(45mL)に溶かし、+3℃に冷却し、KBH(1.44g、26.7ミリモル)で少しずつ処理した。最後の部分のKBHの添加後、反応物をさらに4時間、+4〜+5℃で攪拌した。真空中で溶液を半量まで濃縮し、1/1ヘキサン−EtOAc(70mL)で希釈し、pH約5までKHSOの10%溶液を加え(温度<30℃に保持するよう冷却しながら)反応停止した。NaOH(15%水溶液)を加えてpHを12〜13にした。不溶性塩を濾別し、濾過ケーキを3回、7mLの1/1ヘキサン/EtOAcで洗浄した。濾液および洗浄物を分離漏斗に移し、15mLヘキサンおよび15mL HOで希釈した。有機物を除去し、20mL(1/1)ヘキサン−EtOAcで1回水層を抽出した。有機物を合せて洗浄(飽和ブライン)し、脱水(NaSO)し、濾過し、蒸発させて、所望の生成物5.2gを得、これをさらに精製することなく次工程に供した。
【0133】
0.5(25% EtOAc/ヘキサン)
H NMR(CDCl)δ7.37〜7.10(m,20H)、6.78(br s,1H)、4.62(d,1H)、4.50(s,1H)、4.18(dd,1H)、3.9(d,2H)、3.65(dd,2H)、3.65(dd,2H)、3.40(d,2H)、3.00(m,2H)、2.77(m,1H)、1.39(s,9H)。MS (EI)m/e565(M+H)。
【0134】
実施例18
(2S,3S,5S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサンの別の製造法
無水EtOH(2L)中に溶かした実施例17から得られた生成物(150g、250ミリモル)を含む溶液を、10% Pd/C(18g、前もって湿潤した)で処理し、続いてHO(200mL)に溶解した蟻酸アンモニウム(78.6g、1.25モル)を加えた。得られた混合物を還流しながら2.5時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、滴虫土(20g)のパッドを通して濾過した。濾過ケーキをEtOH(各々70mL)で3回洗浄した。濾液を真空中で濃縮した。残渣をEtOAc(1L)中に溶かし、洗浄し(1N NaOH,次いでHOで、さらにブラインで)、脱水し(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮して、95gの恒量(理論量の99.2%)とした。明るい黄色固形物(95gの内の91.5g)を熱ヘプタン(600mL)(蒸気浴)で懸濁液にし、イソプロパノール(45mL)で処理し、激しく撹拌して溶解させた。溶液を3時間かけて徐々に室温に冷却し、さらに2時間室温で維持し、濾過した。濾過ケーキを9/1 ヘキサン−イソプロパノールで10回(各々30mL)洗浄して、乾燥すると恒量57.5gになったオフホワイトの微細に結晶化した固形物として所望の生成物を得た。
【0135】
粗製物(20g)を熱140mLヘプタン/17mLイソプロパノールから再結晶させた。溶液を徐々に室温に冷却させた後、混合物を室温で2時間静置させ、濾過した。濾過ケーキを5×15mL(8/1)ヘプタン/イソプロパノールですすぎ、乾燥させて、恒量18.5gとした。
【0136】
上記は、本発明を単に例示するものであって、本発明を記載された具体例に限定するものではない。当業者に明白な改変および変化は、添付の請求項で定義される本発明の範囲および特性の範囲内にあることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

〔式中、RおよびRは、
【化2】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【化3】

(式中ナフチル環は、非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、そしてRは、 R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルまたはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化4】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)であり、そして、
は水素または−C(O)R”(式中、R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(式中、フェニル環は非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)である。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩。
【請求項2】
およびRがベンジルである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式:
【化5】

〔式中、RおよびRは、
【化6】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、R、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【化7】

(式中ナフチル環は、非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化8】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)である。〕で表される請求項1に記載の化合物またはそれの酸付加塩。
【請求項4】
2−アミノ−5S−ジベンジルアミノ−4−オキソ−1,6−ジフェニルヘキス−2−エンまたはそれの酸付加塩である請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式:
【化9】

〔式中、RおよびRは、
【化10】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、R、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【化11】

(式中ナフチル環は、非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルまたはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化12】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)であり、そして、
は水素または−C(O)R”(式中、R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(式中、フェニル環は非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)である。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩。
【請求項6】
(2S,3S,5S)−5−アミノ−2−N,N−ジベンジルアミノ−3−ヒドロキシ−1,6−ジフェニルヘキサン、(2S,3S,5S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサンおよび(2S,3S,5S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサンからなる群から選ばれた化合物またはそれの酸付加塩である請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
(2S,3S,5S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサンまたはそれの有機カルボン酸付加塩である請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
(2S,3S,5S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−1,6−ジフェニルヘキサン・コハク酸塩である請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
式:
【化13】

〔式中、RおよびRは、
【化14】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【化15】

(式中ナフチル環は、非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルまたはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化16】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)であり、そして、
R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(式中、フェニル環は非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩。
【請求項10】
(2S,3S)−2−N,N−ジベンジルアミノ−5−t−ブチルオキシカルボニルアミノ−3−ヒドロキシ−1,6−ジフェニルヘキス−4−エンまたはそれの酸付加塩である請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
式:
【化17】

〔式中、RおよびRは、
【化18】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【化19】

(式中ナフチル環は、非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルまたはベンジルである。)から独立に選択されるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化20】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)であり、そして、
R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(式中、フェニル環は非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩。
【請求項12】
式:
【化21】

〔式中、RおよびRは、
【化22】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【化23】

(式中ナフチル環は、非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルまたはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化24】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩。
【請求項13】
4S−N,N−ジベンジルアミノ−3−オキソ−5−フェニル−ペンタノニトリルまたはそれの酸付加塩である請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
式:
【化25】

〔式中、RおよびRは、
【化26】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、R、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および、
【化27】

(式中ナフチル環は、非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化28】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)であり、そして、
は水素、低級アルキルまたはベンジルである。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩。
【請求項15】
式:
【化29】

〔式中、RおよびRは、各々水素であるか、或いは、
およびRは、
【化30】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、R、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および、
【化31】

(式中ナフチル環は、非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化32】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)であるか、および、
は水素である。〕で表される化合物をホウ水素化還元剤と反応させ、次いでR25−COOH(式中R25は低級アルキル、ハロアルキル、フェニルまたはハロフェニルである。)を添加することよりなる、
式:
【化33】

〔式中、RおよびRは、各々水素であるか、或いは、
およびRは、
【化34】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【化35】

(式中ナフチル環は、非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化36】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択され、そして、
は水素または−C(O)R”(式中、R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(式中、フェニル環は非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)である。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩の製造のための方法。
【請求項16】
式:
【化37】

(式中、RおよびRは、各々、ベンジルであり、そしてRは水素である。)で表される化合物をNaCNBHと反応させ、次いでトリフルオロ酢酸の添加を行うことよりなる、式:
【化38】

〔式中、RおよびRは、各々、水素またはベンジルであり、そしてRは水素または−C(O)R”(式中、R”はt−ブチルオキシである。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩の製造のための請求項15に記載の方法。
【請求項17】
(I)式:
【化39】

〔式中、RおよびRは、各々水素であるか、或いは、
およびRは、
【化40】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【化41】

(式中ナフチル環は、非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化42】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択され、そして、
は水素である。)〕で表される化合物を、
(a)(i)R26−COOH(式中R26は低級アルキル、ハロアルキル、フェニルまたはハロフェニルである)、(ii)R27−SOH(式中R27はOH、F、低級アルキル、ハロアルキル、フェニル、低級アルキル置換フェニル、ハロフェニルまたはナフチル、および(iii)R28−PO(式中R28はOH、低級アルキルまたはフェニル、あるいはそれの組合せ、および
(b)ホウ素含有還元剤の混合物(この混合物は上記の酸またはその組合せをホウ素含有還元剤に加えて作られる)と反応させ、次いで、
(IIa)段階(I)の反応混合物をホウ水素化試薬とR29−COOH(式中R29は低級アルキル、ハロアルキル、フェニルまたはハロフェニルである。)の混合物と(該ホウ水素化試薬とR29−COOHの混合物はR29−COOHをホウ水素化試薬に添加することによって製造される)と反応させ、
または続いて、
(IIb)段階(I)の反応混合物をホウ素錯化剤と反応させ、続いて得られた混合物をケトン還元剤と反応させることからなる、
式:
【化43】

〔式中、RおよびRは、各々水素であるか、或いは、
およびRは、
【化44】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および、
【化45】

(式中ナフチル環は、非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化46】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択される。)であり、そして、
は水素または−C(O)R”(式中、R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(式中、フェニル環は非置換、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)である。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩の製造のための方法。
【請求項18】
(I)式:
【化47】

(式中、RおよびRは、各々ベンジルであり、そしてRは、水素である。)で表される化合物を、メタンスルホン酸をホウ水素化ナトリウムに添加することによって製造されたNaBHとメタンスルホン酸との混合物と反応させ、次いで(II)段階(I)の反応混合物を、トリフルオロ酢酸をNaBHに加えることによって製造されたNaBHとトリフルオロ酢酸との混合物と反応させることからなる、
式:
【化48】

〔式中、RおよびRは、各々水素またはベンジルであり、Rは水素または−C(O)R”(式中、R”はt−ブチルオキシである。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩の製造のための請求項17に記載の方法。
【請求項19】
式:
【化49】

(式中、RおよびRは、各々ベンジルであり、およびRは、水素である。)で表される化合物を、メタンスルホン酸をホウ水素化ナトリウムに加えることによって製造されたNaBHとメタンスルホン酸との混合物と反応させ、続けて
(II)段階(I)の反応混合物を、トリエタノールアミンと反応させて、続いて得られた混合物をNaBHと反応させることからなる、
式:
【化50】

〔式中、RおよびRは、各々水素またはベンジルであり、そしてRは水素または−C(O)R”(式中、R”はt−ブチルオキシである。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩の製造のための請求項17に記載の方法。
【請求項20】
式:
【化51】

〔式中、RおよびRは、
【化52】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【化53】

(式中ナフチル環は、非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化54】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択され、そして、
は水素、低級アルキルまたはベンジルである。)〕で表される化合物を還元剤と反応させることよりなる、式:
【化55】

〔式中、RおよびRは、各々水素であるか、或いは、
およびRは、
【化56】

(式中、RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および、
【化57】

(式中ナフチル環は、非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化58】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択され、そして、
は水素または−C(O)R”(式中、R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(式中、フェニル環は非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)である。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩の製造のための方法。
【請求項21】
式:
【化59】

(式中、R、RおよびRは各々ベンジルである。)で表される化合物をLiAlHと反応させることよりなる、式:
【化60】

(式中、R、Rは、各々水素またはベンジルであり、そしてRは、水素または−C(O)R”(式中、R”はt−ブチルオキシである。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩の製造のための請求項20に記載の方法。
【請求項22】
(I)式:
【化61】

〔式中、RおよびRは、
【化62】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および、
【化63】

(式中ナフチル環は、非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルまたはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化64】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択され、そして、
は水素または−C(O)R”(式中、R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(式中、フェニル環は非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されており、そしてR”は、フェニル、低級アルキルまたはアルコキシである。)である。)である。〕で表される化合物をケトン還元剤と反応させ、続いて
(II)段階(I)の生成物を接触水素化することよりなる、式:
【化65】

〔式中、RおよびRは、各々水素であるか、或いは、
およびRは、
【化66】

(式中、RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【化67】

(式中ナフチル環は、非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルまたはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化68】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択され、そして、
は水素または−C(O)R”(式中、R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(式中、フェニル環は非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)である。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩を製造する方法。
【請求項23】
(I)式:
【化69】

(式中、RおよびRは各々ベンジルであり、そしてR”はt−ブチルオキシである。)で表される化合物をトリエチルボロハイドライドリチウムと反応させ、続いて
(II)段階(I)の生成物を接触水素化することよりなる、式:
【化70】

〔式中、RおよびRは、各々水素またはベンジルであり、そしてRは、水素または−C(O)R”(式中、R”はt−ブチルオキシである。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩の製造のための請求項22に記載の方法。
【請求項24】
(I)式:
【化71】

〔式中、RおよびRは、
【化72】

(式中RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【化73】

(式中ナフチル環は、非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)、または、
は、上述に定義されたとおりであり、およびRは、 R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルまたはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化74】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択され、そして、
は水素または−C(O)R”(式中、R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(式中、フェニル環は非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)である。)である。〕で表される化合物をホウ素含有還元剤と反応させ、続いて
(II)段階(I)の生成物とケトン還元剤との反応を行うことよりなる、
式:
【化75】

〔式中、RおよびRは、各々水素であるか、或いは、
およびRは、
【化76】

(式中、RおよびRは、水素、低級アルキルおよびフェニルから独立に選択され、そしてR、RおよびRは、水素、低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、ハロおよびフェニルから独立に選択される。)、および
【化77】

(式中ナフチル環は、非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)から独立に選択されるか、または、
は、上述に定義されたとおりであり、そしてRは、R7aOC(O)−(式中R7aは低級アルキルまたはベンジルである。)であるか、または、
それらが結合している窒素原子と一緒になったRおよびRが、
【化78】

(式中R、R、RHおよびRは、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから独立に選択され、そして、
は水素または−C(O)R”(式中、R”は低級アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシまたはフェニル(式中、フェニル環は非置換であるか、または低級アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシおよびハロから独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されている。)である。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩の製造のための方法。
【請求項25】
(I)式:
【化79】

(式中、RおよびRは各々ベンジルであり、そしてR”はt−ブチルオキシである。)で表される化合物をボランテトラヒドロフラン錯体と反応させ、続いて
(II)段階(I)の生成物とLiAlHまたはKBHとの反応を行うことよりなる、
式:
【化80】

〔式中、RおよびRは、各々水素またはベンジルであり、そしてRは、水素または−C(O)R”(式中、R”はt−ブチルオキシである。)である。〕で表される実質的に純粋な化合物またはそれの酸付加塩の製造のための請求項24に記載の方法。

【公開番号】特開2006−206597(P2006−206597A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−52376(P2006−52376)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【分割の表示】特願平7−511829の分割
【原出願日】平成6年9月26日(1994.9.26)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】