説明

耐気候性化粧用複合体

本発明は、長期持続で加湿する利点と耐水性を示す耐気候性化粧用複合体に関するものである。本発明の複合体は、0.1ないし90重量%の油性成分および重合体成分から構成されるゲル化油からなり、すなわち;0.1ないし80重量%の主題の耐水性物質;0.01ないし20重量%の粒子サイズが1ないし100μmの吸水性粉末;0.01ないし20重量%の濃稠化剤;および0.1ないし50重量%の有機溶媒、担体物質、またはそれらの混合物を含むものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は長期持続で加湿する効果と耐水性を示す耐気候性化粧用複合体に関する。
【背景技術】
【0002】
装飾用の化粧品の分野に使用される耐水性製品が既知である。特許文献1には水相が液体脂肪相に分散しているマスカラを記載しており、前記水相はまた固体粒子として形成されたフィルム形成重合体系ならびに層状充填物質を含む。特許文献2は皮膚および唇のための耐水ケア製品を示すフィルム形成重合体と組み合わせた固体シリコーン化合物の水性エマルジョンを記載している。特許文献3は中に繊維が分散した水相および架橋固体エラストマーポリオルガノシロキサンからなるメーキャップを記載している。
【特許文献1】欧州特許第1013256B1号明細書
【特許文献2】欧州特許第925778B1号明細書
【特許文献3】欧州特許第1064930B1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は長期に湿気を持続する効果と同時に優れた耐水性および伝達抵抗性をもつ耐気候性化粧用複合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、前記耐気候性化粧用複合体は、0.1ないし90重量%の油性成分と重合体成分からなるゲル化油組成物、その重合体成分がトリブロック共重合体、スター重合体、ラジアル重合体、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン/ブタジエン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブチレン共重合体、エチレン−プロピレン/ジエン共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン共重合体、スチレン−エチレン/ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソピレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、およびこれらの混合物のマルチブロック重合体からなる群から選択され、多価アルコールおよびモノ−またはジカルボン酸からなる0.1−80重量%の主題撥水架橋ポリエステル;セルロースが豊富な天然植物粉末、マルトデキストリン、澱粉、澱粉/ポリアクリレート共重合体、アクリルモノマーから作られた合成重合体およびそれらの混合物から選択される粒径が1ないし100μmの0.01−20重量%の水吸収粉末;0.01−20重量%の濃稠化剤;および0.1−50重量%の有機溶媒、キャリヤ物質またはそれらの混合物からなり、各々は複合体の全重量に関係する。
【0005】
耐気候性化粧用複合体は天候関連の環境ダメージに対する皮膚保護複合体である。複合体は皮膚の接着性耐水フィルムを形成しダストのような外来化合物の皮膚への浸透および雨または雪による皮膚への汚染を防ぐ。複合体は風または太陽による皮膚の脱水を防ぐ保水能を持続する。
【0006】
耐気候性複合体でのゲル化油組成物の好適な範囲は20ないし70重量%である。
【0007】
有利には、油組成物の重合体の割合は重合体成分:油成分が1:5ないし1:50の範囲である。
【0008】
油成分は例えば炭化水素、脂肪アルコール、天然および合成油、エステル、エーテル、およびこれらの混合物から選ばれる。
【0009】
重合体成分は、上記のように、トリブロック共重合体、スター重合体、ラジアル重合体、マルチブロック重合体、およびこれらの組み合わせから選択される。これら合成重合体または共重合体は例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン/ブタジエン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブチレン共重合体、エチレン−プロピレン/ジエン共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン共重合体、スチレン−エチレン/ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソピレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、およびこれらの混合物である。特に好ましいものは1またはそれ以上のジブロック共重合体、1またはそれ以上のトリブロック共重合体およびこれらの混合物である。
【0010】
重合体成分として特に好ましいものは20−70重量%である。
【0011】
主題の撥水物質のための必要条件は皮膚親和性をもつこと、水に不溶性であり、水での長期の耐久性をもつことである。さらに、粉末状物質を保持し従って表皮の上層を保護することである。
【0012】
主題の撥水物質は分子量が600ないし8,000であり、多価アルコールおよびモノ−またはジカルボン酸からなる架橋ポリエステルである。多価アルコールは、例えば、トリメチルペンタンジオール、グリセリンまたはジエチレングリコールを含む。
【0013】
酸は、例えば、アジピン酸および脂肪酸を含む。好ましいアルコールは、例えば、トリメチルペンタンジオール、グリセリンまたはジエチレングリコールを含む。
【0014】
酸は、例えば、アジピン酸および脂肪酸を含む。好ましい撥水物質は例えばトリメチルペンタンジオール/アジピン酸/グリセリン共重合体である。
【0015】
ゲル化油組成物および主題の撥水物質は、主題の撥水物質の強い皮膚親和性、伝達抵抗性および粘性、ならびに、ゲル化油組成物の耐水性およびフィルム形成性質という、これらの性質が補完しあうことによって、フィルムは並々ならぬ伝達抵抗性およびこれによる耐気候性をもつこととなり、その蓄積効果は、個々の効果をしのぎ、そのために相乗的な有効性を見せる。
【0016】
好ましくは、吸水性粉末は天然植物由来であってセルロースおよび/もしくはシリカに富んでいて、たとえば、竹粉末、綿粉末、木材粉末、グアーガム、キサンタンガム等であり、または、澱粉/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体のようなものを含むマルトデキストリン、澱粉、澱粉誘導体およびポリアクリル酸である。二酸化ケイ素(シリカ)ならびに、ケイ酸アルミニウムマグネシウムおよびケイ酸カルシウムといったその誘導体は、アクリルモノマーからの合成重合体と同様、この目的のために使用することができる。
【0017】
吸水性粉末のために特に好ましくは、2ないし8重量%である。
【0018】
好ましくは、60℃ないし100℃の融点をもつ12−ヒドロキシステアリン酸、高分子炭化水素、ポリエチレン、天然および合成ワックス、酸ならびにエステルといった油性複合体を、増粘剤として使用することができる。
【0019】
適切な溶媒または担体物質は、アルコキシル化アルコール、多価アルコールおよびポリオールと同様、極性および非極性油、炭化水素、エーテル、エステルを含む。実施例は、エチルアルコール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、ジアセチン、トリアセチン、パルミン酸イソプロピル、イソドデカン、イソヘキサデカン、トリグリセリドおよび鉱物油を含む。
【0020】
加えて、前記複合体は、より良好な疎水性の洗い流しに対する抵抗性をもたらす、0.01ないし50重量%の架橋シリコン重合体を含むことができる。実施例は、重合体ネットワークを形成するシリコン;架橋ジメチルポリシロキサンエラストマー、および揮発性シリコン油中のそれら混合物;ジメチル/ビニルジメチコン架橋重合体;ジメチコン/フェニルビニルジメチコン架橋重合体;シクロペンタシロキサンを含む架橋シリコンポリエーテル共重合体;ジメチコン架橋重合体を含む。
【0021】
本発明に従う複合体は、ファンデーション、ローション、口紅、アイシャドー、リップグロス、メーキャップ、ルージュ、およびにまた、クリーム、クレンザー、ボディーシャンプー、日焼け止め、アフターシェーブ製剤およびデオドラント製剤といった、装飾的な化粧製品に主たる成分として溶け込ませることができ、そして前記複合体は、所望の耐気候性、改良伝達性、皮膚上の持続性、および撥水性質をもつ製品を供する。
【0022】
これら装飾的な化粧製品はさらに、活性剤および補助剤を含むことができる。たとえば、活性剤の優れた沈積を許容する皮膚浸透を向上させる薬剤を含むことができる。このような増強剤は、エトキシジグリコール、パンテノール、およびフィタントリオールを含む。
【0023】
装飾的な化粧製品中の耐気候化粧品複合体の割合は、0.1ないし99.9重量%の範囲であることができる。5ないし40重量%の範囲での使用が好ましく、特に好ましくは5ないし20重量%である。
【0024】
本発明に従う複合体に加え、装飾的な化粧製品はさらに、たとえば色素、顔料、酸化防止剤、保存料、他の保湿剤、柔軟剤、香料、安定剤、収斂剤、細胞維持剤、細胞増殖刺激剤、抗炎症剤、抗細菌剤、ホルモン調節剤、酵素阻害剤、UV吸収剤、日焼け止め剤等の、補助物質および活性剤を含むことができる。
【0025】
本発明はさらに、化粧製品中の化粧品複合体の使用に関し、前記複合体は、油成分および重合体成分から構成される0.1ないし90重量%のゲル化油組成物;0.1ないし80重量%の主題の撥水性物質;1ないし100μmの粒子サイズをもつ0.01ないし20重量%の吸水粉末;0.01ないし20重量%の増粘剤;ならびに気候関連環境ダメージに対する皮膚保護のための、0.1ないし50重量%の有機溶媒、担体物質、もしくはそれらの混合物、から構成される。
【0026】
前記複合体の化粧製品中の構成比は、化粧品組成の全重量に関連して、5ないし80重量%の範囲であり、好ましくは5ないし40重量%である。
【0027】
本発明を、以下実施例を用いてさらに詳説する。すべてのパーセンテージは、他に言及がない限り、平均重量%である。
【0028】
図1は、発明の複合体によって保護される範囲(フィルム)を通って水に放出された染料の%の図表を示す。
【実施例1】
【0029】
耐気候複合体1(粘性=8000ないし10000Pa・s(cps))
相 構成成分 %(重量/重量)
A イソドデカン、エチレン/プロピレン/スチレン共重合体、 40−50
およびブチレン/エチレン/スチレン共重合体
イソドデカン 20−30
B トリメチルペンタンジオール/アジピン酸/グリセリン共重合体5−15
イソステアリン酸メチルヘプチル 5−15
C フマル酸Di−C12−15アルキル 0.5−1.5
ステアリン酸ベヘノイル 0.5−1.5
シクロメチコーンおよびジメチコーン共重合体 5−15
D 竹粉末 1−5
E 保存料 0.3−1.0
香料 0.3−1.2
総量 100.0
【0030】
複合体の製剤設計は以下のとおりである。
相Aの構成成分を、きれいで、乾燥した、混合器を備えたステンレス鋼容器中に加える。ゆっくりと混合しながら、80℃に熱して、非溶解の原料がない状態でバッチが均一になるまで温度を維持する。
【0031】
別個のステンレス鋼容器中において、相Bの構成成分を均一になるまであらかじめ混合する。相Bをゆっくりと混合しながら相Aに加えて、バッチが均一になるまで75℃に維持する。混合を継続している間、相Cの構成成分を相A+Bに加えて、バッチが均一になるまでバッチ温度を75℃に維持する。加熱を中断し、バッチを50℃まで冷却する。バッチ温度が50℃になると、相Dを主バッチ容器に加える。バッチが全体として均一になるまでよく混合する。
【0032】
相Eを主バッチに加えて、バッチが均一になるまでよく混合する。
【実施例2】
【0033】
耐気候複合体2(粘性=12000ないし15000Pa・s(cps))
相 構成成分 %(重量/重量)
A 水素化イソブテン、水素化スチレン/イソプレン共重合体 55−65
および水素化スチレン/ブタジエン共重合体
イソドデカン 10−20
B トリメチルペンタンジオール/アジピン酸/グリセリン共重合体10−20
水素化ポリデセン 5−15
C ポリエチレン 0.5−1.5
D 加工でんぷん 1−5
E 保存料 0.3−1.0
香料 0.3−1.2
総量 100.0
【0034】
製剤設計は実施例1に従う。
【実施例3】
【0035】
耐気候複合体3(粘性=22000ないし30000Pa・s(cps))
相 構成成分 %(重量/重量)
A イソノナン酸イソノニル、 20−30
エチレン/プロピレン/スチレン共重合体、および
ブチレン/エチレン/スチレン共重合体
パルミチン酸イソプロピル 20−30
B アジピン酸/ジエチレングリコール/グリセリン共重合体 15−25
水素化ポリデセン 15−25
C 合成ワックス 2.5−10
D 竹粉末 1−5
E 保存料 0.3−1.0
香料 0.3−1.2
総量 100.0
【0036】
製剤設計は実施例1に従う。
【実施例4】
【0037】
対照試験1
ベーシック・ローションを準備した。このベーシック・ローションに、耐気候性複合体1の異なる部分を加えた。
【0038】
ベーシック・ローションの処方
相A 水 75−85
グリセリンUSP 1−5
アクリレート/アクリル酸C10−30アルキルクロス重合体 0.1−0.5
ポリソルベート 60 0.2−0.7
相B 鉱物油 3−8
ステアリルアルコール 0.5−4
セチルアルコール 1−5
グリセリルモノステアレート 1−5
パルミチン酸オクチル 1−5
相C 水 1−5
トリエタノールアミン99% 0.1−0.5
相D フェノニップ 0.8−1.2
総量 100.0
【0039】
ベーシック・ローションの製剤設計は以下に従う。相Aの構成成分を、きれいで、乾燥した、混合器を備えたステンレス鋼容器中に加える。ゆっくりと混合しながら、75℃まで加熱を開始して、バッチが非溶解のままの原料がない状態で均一になるまで温度を維持する。別個のステンレス鋼容器中において、相Bの構成成分を均一になるまであらかじめ混合し、バッチを均一になるまで75℃まで加熱する。相Bをゆっくりから早いスピードで混合しながら相Aに加える。バッチが均一になるまで、75℃に維持して、20分ないしそれ以上混合する。継続混合をした後、相Cの構成成分を相A+Bに加えて、均一になるまでバッチ温度を75℃に維持する。加熱を中断し、バッチを50℃まで冷却する。バッチ温度が50℃になると、相Dを主バッチ容器に加える。バッチが全体として均一になるまでよく混合する。
【0040】
ベーシック・ローションとともに、試験ローションA、B、CおよびDを調整した。すなわち、それぞれ0、10、20および70重量%の耐気候性複合体を含む。
【0041】
各試料0.1gずつを、20mgの0.2%青色1号を含むガラススライド上に均一に広げた。全スライドを50℃で20分間乾燥して、次に室温まで冷却した。
【0042】
試験:準備した各スライドを、所望の時間25グラムの水へ浸した。スライドを除去後、残った水溶液を紫外線可視分光光度計によって分析して、色の強さを測定した。
【0043】
試験結果:
表1
耐気候性フィルム保護:
保護染料の水への放出(%)
分 複合体なし(A) 70%複合体(D) 20%複合体(C) 10%複合体(B)
0 0.06±0.13 0.0001±0.03 0.03±0.15 0.03±0.15
2.5 58.78±8.55 4.23±5.84 15.69±1.01 30.78±7.38
5 81.70±15.55 2.19±0.77 17.34±2.09 32.78±4.54
10 81.01±4.70 2.99±0.32 25.31±6.56 37.73±7.97
20 85.77±5.52 4.07±1.17 26.04±6.60 38.84±9.21
【0044】
結果を図1に示す。
10%耐気候性複合体を含むローションによる水へ放出される染料の50%近い有意な減少%は、本発明に従う複合体の優れた水抵抗性および気候耐久性を示す。
【実施例5】
【0045】
対照試験2
実施例4に従ってベーシック・ローションを準備した。このベーシック・ローションに、耐気候性複合体1、2および3をそれぞれ10%含ませた。
【0046】
試料0.1gを均等に、0.2%青色1号20mgを含むガラススライドにひろげた。全スライドを50℃で20分間乾燥して、次に室温に冷却した。
【0047】
試験手順は実施例4に従う。フィルム中に保持される染料の割合は、以下のように計算される。フィルム中に保持される染料%=100%−(水溶液中に保持されている色の強さ/水25g中の0.2%青色1号20mgの色の強さ)
【0048】
試験結果:
表2
耐気候性フィルム保護:
保護フィルム中に保持されている染料(%)
10%複合体1 10%複合体2 10%複合体3 複合体なし
A B C D
74.0±6.6 39.2±9.5 38.9±4.2 14.2±5.5
【0049】
この結果は、10%複合体とともにあると、複合体なしのベース・ローションと比較して、約2.5ないし5倍の保護を受けることを示す。
【実施例6】
【0050】
耐気候複合体4(粘性=85000ないし150000Pa・s(cps))
相 構成成分 %(重量/重量)
A 水素化イソブテン、水素化スチレン/イソプレン共重合体および60−70
水素化スチレン/ブタジエン共重合体 (65)
イソドデカン 3−12(4)
水素化ポリデセン 5−10(7.5)
B トリメチルペンタンジオール/アジピン酸/グリセリン共重合体15−25(20)
C ポリエチレン 0.5−1.5
(0.5)
D マルトリン 1−5(2)
E 保存料 0.5−1(0.8)
香料 0.5−1(0.8)
総量 100.0
【0051】
複合体4の製剤設計は実施例4に従う。かっこ内の数字は特別な調法であり、以下の実施例でも同様である。
【実施例7】
【0052】
皮膚保護クリーム
次の処方でベーシック皮膚保護クリームを調製した。
相 構成成分 %(重量/重量)
A 水 75−85
プロピレングリコール 2−8
グリセレス−7トリアセテート 1−5
PEG/PPG−4/12ジメチコン 0.3−1
B ポリアクリルアミド 0.3−1.5
C13−14イソパラフィン 0.1−1
ラウレス−7 0.1−0.5
ジメチコン 5−10
イソヘキサデカン 1−5
C 水 1−5
トリエタノールアミン 99% 0.1−0.5
D 保存料 0.3−1
香料 0.3−1
紫外線吸収剤 3−8
総量 100.0
【0053】
ベースクリームの製剤設計は以下に従う。
相Aの構成成分を、きれいで、乾燥した、混合器を備えたステンレス鋼容器中に加える。ゆっくりと混合しながら、75℃まで加熱を開始して、バッチが均一になるまで温度を維持する。別個のステンレス鋼容器中において、相Bの構成成分を均一になるまであらかじめ混合し、バッチを均一になるまで75℃まで加熱する。相Bをゆっくりから早いスピードで混合しながら相Aに加える。バッチが均一になるまで、75℃に維持して、20分ないしそれ以上混合する。加熱を中断し、バッチを50℃まで冷却する。バッチ温度が50℃になると、相Cを主バッチ容器に加える。バッチが全体として均一になるまでよく混合する。相Dの構成成分を主バッチ容器に均一かつ均質になるまで加える。
【0054】
ベースクリーム構成成分とともに、30%耐気候性複合体4を加える。その後、対照試験2に従った試験を行った。
【0055】
試験結果:
表3
耐気候性フィルム保護:
保護フィルム中に保持されている染料(%)
30%複合体4 複合体なし
A B
57.6±7.3 0.3±2.2
【0056】
この結果は、複合体とともにあると、複合体なしのものと比較して、約5倍の保護を受けることを示す。
【実施例8】
【0057】
耐気候性複合体5
粘度=400000−800000Pa・s(cps)
相 構成成分 %(重量/重量)
A イソノナン酸イソノニル、 35−50
エチレン/プロピレン/スチレン共重合体、および(40)
ブチレン/エチレン/スチレン共重合体
水素化ポリデセン 20−35(28)
B アジピン酸/ジエチレングリコール/グリセリン共重合体15−25(20)
パルミチン酸イソプロピル 2−8(5)
C 合成ワックス 1−5(3)
D キサンタンガムおよびグアーガム 1−5(3)
E 保存料 0.5−1(0.8)
香料 0.5−1(0.2)
総量 100.0
【0058】
複合体の製剤設計は実施例6に従う。
【実施例9】
【0059】
ボデイ石鹸
ベースボデイ石鹸を調製した。ボデイ石鹸の製法は以下のとおりである。
相 構成成分 %(重量/重量)
A 水 65−80
グリセリン 1−5
プロピレングリコール 0.5−3
ラウレス硫酸ナトリウム 10−20
ラウリル硫酸ナトリウム 1−3
ココベタイン 1−5
PEG−1−PPG−9ラウリルグリコールエーテル 0.5−5
PEG−7グリセリルココエート 0.5−5
PEG−55プロピレングリコールオレエート 0.5−5
B 塩化ナトリウム 0.5−5
クエン酸(pHを5.5−6.0に調整) 適量
C 保存料 0.3−1
香料 0.3−1
紫外線吸収剤 3−8
総量 100.0
【0060】
相Aの構成成分を、きれいで、乾燥した、混合器を備えたステンレス鋼容器中に加える。ゆっくりと混合しながら、65ないし70℃まで加熱を開始して、バッチが均一になるまで温度を維持する。相Bを相Aにゆっくりと穏やかな混合速度で加え、バッチを20分間またはそれ以上均一になるまで混合する。加熱を中断し、バッチを50℃まで冷却する。バッチ温度が50℃になると、相Cを主バッチ容器に加える。バッチが全体として均一かつ均質になるまでよく混合する。
【0061】
ベースボデイ石鹸構成成分とともに、30%耐気候性複合体5を加えた。この後、対照試験2に従う試験を行った。
【0062】
試験結果:
表4
耐気候性フィルム保護:
保護フィルム中に保持されている染料(%)
30%複合体5 複合体なし
A B
33.6±12.7 8.1±2.7
【0063】
複合体とともにあると、複合体なしのものと比較して約4倍の保護を受けることを示す。
【実施例10】
【0064】
複合体6
粘度=50000−90000Pa・s(cps)
相 構成成分 %(重量/重量)
A パルミチン酸イソプロピル、 40−50
エチレン/プロピレン/スチレン共重合体、および (45)
ブチレン/エチレン/スチレン共重合体
イソドデカン 25−35(30)
B トリメチルペンタンジオール/アジピン酸/グリセリン共重合体15−25(20)
C 合成ワックス 2.5−8(2)
D 天然綿粉末 1−5(2)
E 保存料 0.3−1(0.8)
香料 0.3−1(0.2)
総量 100.0
【0065】
複合体の製剤設計は実施例6に従う。
【実施例11】
【0066】
SPF20をもつ日焼け止め
相 構成成分 %(重量/重量)
A 水 55−65
プロピレングリコール 2−8
ポリアクリル酸ナトリウム 1−5
ツイーン60 1−5
B メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 6−7.5
ベンゾフェノン−3 3.5−4.5
サリチル酸エチルヘキシル 4.5−5.5
オクトクリレン 6−7.5
PPG−15ステアリルエーテル 1−5
アルキルシロキサンワックス 1−5
ラウリン酸ヘキシル 0.5−3
イソステアリン酸ポリグリセリル−4 0.5−3
セチルPEG/PPG−70/1ジメチコン 0.5−3
リン酸トリラウレス−4 1−5
ジメチコン 1−10
C 保存料 0.3−1
香料 0.3−1
紫外線吸収剤 適量
総量 100.0
【0067】
ベース日焼け止め構成成分の製剤設計は以下に従う。
相Aの構成成分を、きれいで、乾燥した、混合器を備えたステンレス鋼容器中に加える。ゆっくりと混合しながら、65ないし70℃まで加熱を開始して、バッチが均一になるまで温度を維持する。別個のステンレス鋼容器中において、相Bの構成成分を均一になるまであらかじめ混合し、バッチを均一になるまで65℃まで加熱する。相Bをゆっくりから早いスピードで混合しながら相Aに加える。バッチが均一になるまで、65℃に維持して、20分ないしそれ以上混合する。加熱を中断し、バッチを50℃まで冷却する。バッチ温度が50℃になると、相Cを主バッチ容器に加える。バッチが均一かつ均質になるまでよく混合する。
【0068】
ベースクリーム構成成分とともに、30%耐気候性複合体6を加える。その後、対照試験2に従った試験を行った。
【0069】
試験結果:
表5
耐気候性フィルム保護:
保護フィルム中に保持されている染料(%)
30%複合体6 複合体なし
A B
49.3±13.5 19.4±11.3
【0070】
複合体とともにあると、複合体なしのものと比較して、約2.5倍の保護を受けることを示す。
【0071】
本発明の耐気候性複合体のための好ましい粘度は、25℃でスピンドル速度が50ないし75%の範囲であるスピンドルTC/TD/TEを用いたブルックフィールド法に従って測定して、50000ないし500000Pa・sの範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】耐気候性フィルム保護に関し、水に放出された色素染料に対する阻止を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1ないし90重量%の油性成分と重合体成分からなるゲル化油組成物、その重合体成分がトリブロック共重合体、スター重合体、ラジアル重合体、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン/ブタジエン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブチレン共重合体、エチレン−プロピレン/ジエン共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン共重合体、スチレン−エチレン/ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソピレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、およびこれらの混合物のマルチブロック重合体からなる群から選択され、
分子量が600ないし8000で多価アルコールおよびモノ−またはジカルボン酸からなる0.1ないし80重量%の主題撥水架橋ポリエステル;セルロースが豊富な天然植物粉末、マルトデキストリン、澱粉、澱粉/ポリアクリレート共重合体、アクリルモノマーから作られた合成重合体およびそれらの混合物から選択される粒径が1ないし100μmの0.01−20重量%の水吸収粉末;
0.01−20重量%の濃稠化剤;および0.1−50重量%の有機溶媒、キャリヤ物質またはそれらの混合物からなる、耐気候性化粧用複合体。
【請求項2】
ゲル化油組成物の範囲が20ないし70重量%である、請求項1記載の耐気候性複合体。
【請求項3】
油性組成物での重合体部分が1:5ないし1:50の重合体成分:油性成分の範囲である、請求項1記載の耐気候性複合体。
【請求項4】
油性成分が炭化水素、脂肪アルコール、天然および合成油、エステル、エーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の耐気候性複合体。
【請求項5】
重合体がジ−ブロック共重合体、トリ−ブロック共重合体およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の耐気候性複合体。
【請求項6】
撥水物質が5ないし30重量%である、請求項1記載の耐気候性複合体。
【請求項7】
複合体が0.01ないし50重量%の架橋シリコーン重合体を含む、請求項1記載の耐気候性複合体。
【請求項8】
複合体が、化粧用組成物の全量に関して、5ないし80重量%、好ましくは10ないし40重量%の占有率で化粧用組成物に存在する、請求項1記載の耐気候性複合体。
【請求項9】
複合体が油生成物および重合体成分からなる0.1ないし90重量%のゲル化油組成物;0.1ないし80重量%の主題撥水物質;0.01ないし20重量%の粒径1ないし100μmの吸水性粉末;0.01ないし20重量%の濃稠化剤;および複合体の成分として0.1ないし50重量%の有機溶媒、キャリヤ物質、またはこれらの混合物、さらに天候関連環境ダメージに対する皮膚保護のための化粧用に容認できる物質からなる、請求項1ないし7のいずれか1項記載の化粧用複合体の化粧用製品での使用方法。
【請求項10】
複合体がファンデーション、ローション、口紅、アイシャドウ、リップグロッス、メーキャップおよびルージュからなる群から選択される装飾用化粧用製品に統合される、請求項9記載の使用方法。
【請求項11】
化粧用組成物の全量に関して、化粧用製品での複合体の割合が5ないし80重量%、好ましくは5ないし40重量%の範囲にある、請求項9記載の使用方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−509107(P2007−509107A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536069(P2006−536069)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012089
【国際公開番号】WO2005/039512
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(500080007)
【Fターム(参考)】