耐水性の塗布物およびその製造方法
塗布物は、耐水コーティングを含む、1以上のコーティング層を具備する。方法は、ディップ、スプレー、または、フローコーティングによるコーティング層を塗布することを具備する。その方法は、コートされたプリフォームから、好ましくは、ポリエチレンテレフタレートを具備する、コートされた容器を製造できる。いくつかの方法においては、その水性の溶液、分散液、または、エマルジョンは、実質的に、または、完全に、VOCが無い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、ここに全体を関連づけて一体化した、2005年4月18日に出願された仮出願60/672,321号、2005年7月29日に出願された仮出願60/695,023号、2005年10月14日に出願された仮出願60/726,973号、2005年11月17日に出願された仮出願60/737,536号、および、2006年1月26日に出願された仮出願60/761,667号について、第35米国法典119条(e)の下に優先権を主張する。
【0002】
本発明は、塗布物(coated article)に関連しており、耐水性コーティング(water residtant coating)を有するものを含んでいる。また、その塗布物を製造する方法に関連しており、ディップ(dip)、スプレー(spray)、または、フロー(flow)による耐水性コーティングを有するものを含んでいる。
【背景技術】
【0003】
[関連技術の記述]
プリフォーム(preform)は、ブロー成形(blow molding)によって作られる、容器(container)のような物体(article)から製造される製品である。種々のプラスチックまたは他の材料は、容器のために使用されており、多くのものが、極めて適切である。炭酸飲料および食料品などの製品は、容器を必要としており、それは、炭酸ガスまたは酸素などのガスの透過に対して耐性がある。そのような容器のコーティングは、何年にもわたって、提案されている。現在、容器産業において広く使用されている樹脂は、ポリエチレンテレフタテレート(PET)であり、その用語によれば、β−ヒドロキシエチルテレフタレートの重縮合によって形成されたホモポリマーばかりではなく、他のグリコールまたは二酸(diacid)、たとえば、イソフタレートコポリマーから誘導された少量単位を含む共重合ホリエステルを含む。
【0004】
二軸方向に配向されたPETの製造は、技術的に良く知られている。二軸方向に配向されたPETの容器は、強く、そして、クリープ(creep)に対して良好な耐性を有する。比較的薄くて軽量の容器は、所望の保管寿命(shelf life)を越えて過度に歪むことなく、炭酸液体、特に、コーラ、ビールを含むソフトドリンクなどの飲料から受ける圧力に耐えるように、製造される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
薄い壁のPET容器は、炭酸ガスおよび酸素ガスなどのガスに対して、ある程度、透過可能(permeable)であり、それゆえに、炭酸ガスの圧力低下、および、ボトル収容物の香りおよび品質に影響を及ぼす酸素ガスの侵入が生ずる。商業的な操作の一の方法においては、プリフォームは、射出成形(injection molding)で製造され、それから、ボトルにブローされる。市販の2リットルのサイズにおいては、12〜16週間の保管寿命が期待できるが、0.5リットルのような、より小さなボトルにとっては、大きな表面対容積比(surface−to−volume ratio)が、保管寿命を制限する。炭酸飲料は、4.5ガス容積(体積)に加圧されるが、もし、この圧力が、許容可能な製品の仕様レベル以下に低下した場合、その製品は、満足されていないと考えられる。
【0006】
プラスチック容器を製造するために使用される多くの材料は、また、水蒸気に影響を受ける。その容器中への水蒸気の伝達は、その容器中にパッケージされた食物の早期の劣化をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[発明の要約]
ここでは、塗布物および塗布物の製造方法を開示している。いくつかの実施形態においては、物体は、コーティング材料の1以上の層がコートされている。好ましくは、その物体は、1以上の機能性コーティング材料でコートされている。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、2以上の機能性コーティング材料の混合物を具備する。いくつかの実施形態においては、物体は、第1の層と第2の層とを具備し、ここでは、その第1の層と第2の層とは、異なる機能性コーティング材料を具備する。
【0008】
いくつかの実施形態においては、そのコーティング材料は、バリア(barrier)材料である。いくつかの好ましい実施形態においては、そのバリア材料は、ガスバリア材料である。物体は、1以上のガスバリア材料を具備するガスバリア層を具備する。ガスバリア材料は、その物体の基材、および/または、その物体の基材上に配置された他の層を介して、入口と出口とを透過するガスの割合を減らすために用いられる。いくつかの実施形態においては、1以上のガスバリア材料は、その物体の基材を横切って透過する酸素の割合を減らす。他の実施形態においては、1以上のガスバリア材料は、物体の基材を介して透過する二酸化炭素の割合を減らす。
【0009】
いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、その物体の基材上にコートされた1以上の層の内側の層である。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、その物体の基材上にコートされた1以上の層の最も内側の層である。
【0010】
いくつかの実施形態においては、機能性コーティング材料は、耐水性コーティング材料である。物体は、1以上の耐水性材料を具備する、1以上の耐水性コーティング層を具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の耐水性コーティング材料は、その物体の基材を介して透過する水蒸気の割合を減らすために用いられる。いくつかの実施形態においては、耐水性コーティング層は、その物体の基材上に、ベース層として配置される。いくつかの好ましい実施形態においては、その耐水性コーティング層は、その物体の基材上にて、トップ、または、最も外側の層として配置される。
【0011】
いくつかの実施形態においては、物体は、1以上のガスバリア層と、1以上の耐水性コーティング層とを具備する。いくつかの実施形態においては、耐水性コーティング層は、ガスバリア層の外側に配置される。他の実施形態においては、耐水性コーティング層は、最も外側、または、トップのコーティング層である。
【0012】
いくつかの実施形態においては、その物体の基材は、1以上の結合(tie)層を具備する。いくつかの実施形態においては、その結合層は、機能性の接着材料を具備する。いくつかの実施形態においては、結合層は、その物体の基材の表面と、コーティング層との間に配置される。これらの実施形態のいくつかにおいては、その結合層は、最も内側の層である。他の実施形態においては、結合層は、2以上のコーティング層の間に配置されている。
【0013】
物体上に配置された1以上の機能を有する様々な層がある。いくつかの実施形態においては、物体は、少なくとも1つのガスバリア層、少なくとも1つの耐水性コーティング層、および、少なくとも1つの結合(tie)層から選択される1以上を具備する。これらの層のいずれもが、それぞれの上、または、物体の基材上に配置される。たとえば、結合層は、物体の基材の表面上に配置される。ガスバリア層は、結合層上に配置される。いくつかの実施形態においては、耐水性コーティング層は、ガスバリア層上に配置される。他の実施形態においては、第2の結合層は、ガスバリア層上に配置される。これらの実施形態においては、耐水性コーティング層は、第2の結合層上に配置される。
【0014】
いくつかの実施形態においては、物体は、1以上のビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する1以上のガスバリア層、そして、フェノキシタイプの熱可塑性物質、および、1以上の耐水性材料を具備する1以上の耐水性コーティング層を具備し、ここでは、その耐水性材料は、アクリル系のポリマーまたはコポリマー、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エポキシ系ポリマー、および、ワックスからなるグループから選択される1以上を具備する。
【0015】
いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、酸素と二酸化炭素とに対する透過性がその物体の基材を形成する材料よりも小さいバリア材料を具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、酸素と二酸化炭素とに対する透過性がポリエチレンテレフタレートよりも小さいバリア材料を具備する。
【0016】
いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、EVOHを具備する。他の実施形態においては、そのガスバリア層は、PVOHを具備する。他の実施形態においては、そのガスバリア層は、フェノキシタイプ熱可塑性物質を具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、PHAEを具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマー、および、フェノキシタイプ熱可塑性物質の混合物を具備する。他の実施形態においては、そのガスバリア層は、EVOH,PVOH,および,PHAEから選択される1以上の混合物を具備する。いくつかの実施形態においては、EVOHは、約60から約80wt%のエチレン量を有する。
【0017】
いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層が、EVOHとPHAEとの混合物を具備する。これらの実施形態のいくつかにおいては、その混合物は、EVOHとPHAEとの全重量を基準にして、約5から約95wt%のPHAEを具備する。他の実施形態においては、その混合物が、EVOHとPHAEとの全重量を基準にして、約30から約70wt%のPHAEを具備する。いくつかの他の実施形態においては、その混合物が、EVOHとPHAEとの全重量を基準にして、約40から約60wt%のPHAEを具備する。
【0018】
いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、1以上の耐水性材料を具備し、ここでは、その耐水性材料は、アクリル系のポリマーまたはコポリマー、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エポキシ系ポリマー、および、ワックスからなるグループから選択される1以上を具備する。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、ポリエチレンまたはポリプロピレンを具備する。他の実施形態においては、その耐水性コーティング層は、カルナウバおよびパラフィンから選択される1以上のワックスを具備する。いくつかの実施形態においては、そのワックスは、1以上の他の耐水性コーティング材料と混合される。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、アクリル系のポリマーまたはコポリマーを具備する。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーと、アクリル系のポリマーまたはコポリマーの混合物を具備する。これらの実施形態のいくつかにおいては、その耐水性コーティング層は、EAAを具備する。
【0019】
いくつかの耐水性コーティング層は、ポリプロピレンとEAAとの混合物を具備する。いくつかのケースにおいては、その混合物が、EAAとポリプロピレンとの全重量を基準にして、30から約50wt%のEAAを具備する。他のケースにおいては、その混合物が、EAAとポリプロピレンとの全重量を基準にして、50から約70wt%のEAAを具備する。
【0020】
いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、水蒸気の透過性が物体の基材またはガスバリア層よりも小さい。
【0021】
ここで示されている1以上の層は、接着を強化する化合物を具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、PPMAまたはPEMAを具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、PPMAとポリプロピレンとの混合物を具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、ポリエチレンイミン(PEI)を具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、1以上のジルコニウム塩を具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、1以上の有機アルデヒドを具備する。
【0022】
そのコーティング層は、好ましい実施形態において、以下に示す、ガスバリア保護(gas−barrier protection)、UV保護、耐摩擦性(scuff resistance)、耐ブラシ性(blush resistance),化学的耐性(chemical resistance),耐水性(water−resistance),および、撥水性(water repellency)の特性の1以上を含む。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、O2捕捉剤、CO2捕捉剤、および、UV保護添加物からなるグループの1以上を具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、実質的に、VOCフリー(free of VOC)である。いくつかの好ましい実施形態においては、その物体の基材上にコートされた層の全てが、実質的に、VOCフリーである。
【0023】
いくつかの実施形態においては、ここで示す1以上の層は、物体の基材の表面に塗布される。いくつかの実施形態においては、ここで示す1以上の層は、物体の基材の全体にコートされる。他の実施形態においては、ここで示す1以上の層は、物体の基材の一部に塗布される。いくつかの実施形態においては、その1以上の層は、その物体の基材の表面に塗布される。いくつかの実施形態においては、その表面は、1以上の層が塗布される前に加熱される。
【0024】
1以上の層は、ディップ、スプレー、フローコーティング方法によって、塗布されるのが好ましい。いくつかの実施形態においては、その層は、水溶液、水性の分散液、水性の懸濁液、または、そのコーティング材料の溶融物として塗布される。他の実施形態においては、溶液、エマルジョン、分散液、懸濁液は、溶媒を具備する。
【0025】
いくつかの実施形態においては、コートされたその物体は、容器、または、プリフォームであり、実施形態においては、その物体は、プリフォームであって、その方法は、さらに、ブロー成形オペレーションを具備し、好ましくは、その乾燥され、コートされたプリフォームを、ブロー成形プロセスにおいて、配向性にとって適する温度にて、軸方向および放射状に、ボトル容器へ伸縮することを含む。
【0026】
一の観点は、物体の基材の水およびガスの透過性を減少する方法を含む。いくつかの実施形態においては、その方法は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマー、および、フェノキシタイプ熱可塑性物質から選択される1以上を具備するガスバリア材料の第1の水ベースの溶液,分散液,エマルジョンを、ディップ,スプレー,または,フローコーティングによって、物体の基材の表面に塗布して、第1のインナーコーティング層を形成すること、その第1のインナーコーティング層を乾燥すること、アクリル系のポリマーまたはコポリマー、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エポキシ系ポリマー、および、ワックスからなるグループから選択される1以上を具備する耐水性コーティング材料の第2の水ベースの溶液,分散液,エマルジョンを、ディップ,スプレー,または,フローコーティングによって、その物体の外側表面に塗布して、第2のコーティング層を形成すること、その第2のコーティング層を乾燥することを具備する。
【0027】
いくつかの実施形態においては、そのコーティングは、そのコーティング特性が、各コーティング層で増加されるように、1以上のパスにおいて塗布される。コーティング堆積物の体積は、その物体の温度、その物体の角度、その溶液/分散液/エマルジョン/懸濁液/溶融温度または粘度によって変えられる。好ましいプロセスの多層コーティングは、多層において、実質的に層間にて差異がなく、改善されたコーティング・パフォーマンス、および/または、表面ボイド、そして、塗り残し(coating holiday)の減少をもたらす。
【0028】
いくつかの実施形態においては、その物体の基材の表面は、ポリエステル、PLA、または、ポリプロピレンから選択される1以上を具備し、好ましい実施形態においては、その表面は、PETを具備する。いくつかの実施形態においては、その表面は、アモルファスおよび/またはセミクリスタリン(semicrystalline)PETを具備する。いくつかの実施形態においては、その物体は、容器(container)であり、他の実施形態においては、物体は、プリフォームである。
【0029】
いくつかの実施形態においては、1以上の層の乾燥は、水に触れるときに、実質的にブラッシングがない物体を形成するように、実行される。
【0030】
これらの実施形態の全ては、ここに開示されている本発明の範囲内にあることが意図されている。これら及び他の本発明の実施形態は、添付した図面に関連づけた、好適な実施形態の下記の詳細な記述から、当業者にとって容易に明白になり、本発明は、その開示した任意の特定の好適な実施形態に限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
[A.好適な実施系形態の概要]
1以上のコーティング層を有する物体、および、1以上の層を具備する、コートされた物体の製造方法は、ここに示されている。他に示したことを除いて、用語「物体(article)」は、広義の用語であって、その通常の意味において使用され、制限されず、その文脈が、プレート(plate)、成形または中空のボディ(body)、パイプ(pipe)、シリンダ(cylinder)、容器(container)、ブランク(blanks)、パリソン(parison)、そして、プリフォーム(perform)を容認する。他に示したことを除いて、用語「容器(container)」は、広義の用語であって、その通常の意味において使用され、制限されず、プリフォームとボトル容器の両者を含む。ここで示されるコーティング・プロセスは、一般的には、プリフォーム上に使用される。いくつかの実施形態においては、そのコーティング・プロセスは、ボトル、または、他の物体に使用される。
【0032】
そのような物体上に配置された層は、UV保護、スカフ(scuff)耐性、ブラッシュ(blush)耐性、化学的耐性、および/または、O2および/またはCO2捕捉などのアクティブ特性をもたらす層、または、添加剤だけでなく、良好なガス・バリア特性を持つ熱可塑性の材料を具備する。好ましくは、その物体の少なくとも1つの層は、また、耐水性がある。
【0033】
ここで考慮されるように、コートされた物体の一実施形態は、飲料容器として用いられるタイプのプリフォームである。あるいは、好適な実施形態に従った、コートされた物体の実施形態は、液体の食物、医療製品、または、他の製品を保管するためのジャー(jar)、チューブ、トレイ、ボトルの形状を取り、その容器を介してガスに曝されることに敏感なものを含む。しかしながら、単純化する目的のため、これらの実施形態は、ここでは、最初に、物体またはプリフォームとして記載される。
【0034】
さらに、ここで述べられる物体は、特定の基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)に関して特定的に記載されるが、好適な方法は、多くの他の熱可塑性のポリエステルのタイプに適用できる。ここで用いられるように、「基材(substrate)」という用語は、通常の意味で用いられる広義の用語であり、コートされたベースの物体を形成するために用いられる材料を「基材」が言及する実施形態を含む。他の適切な物体の基材は、限定されないが、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンを含むポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ乳酸(polylactic acid(PLA))、ナイロンを含むポリアミド、あるいは、アクリル樹脂などの種々のポリマーを含む。これらの基材の材料は、単独で、あるいは、互いに組み合わされて使用される。より特定的な基材の例は、限定されないが、ポリエチレン2,6−および1,5−ナフタレート(PEN)、PETG、ポリテトラメチレン1,2−ジオキシベンゾエートおよびエチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートの共重合体を含む。
【0035】
一実施形態においては、PETは、コートされるポリエステル基材として用いられる。ここで用いられるように、「PET」は、限定されないが、他の材料とブレンドされたPETだけでなく、変性PET(modified PET)も含む。変性PETの一例は、「high IPA PET」、または、「IPA変性PET」である。「high IPA PET」の用語は、IPA含有量が好適には、重量の約2%よりも多く、重量の約2〜10%のIPAを含有しているPETを指す。
【0036】
コーティング材料の一以上の層は、好適な方法およびプロセスにおいて使用される。その層は、1以上のバリア層、1以上のUV保護層、1以上のガスバリア層、1以上の酸素捕捉層、1以上の二酸化炭素捕捉層、1以上の耐水層、および/または、特定の応用のために必要とされる他の層を具備する。他の実施形態においては、コートされた物体(塗布物)は、1以上の耐水コーティング層と、1以上のガスバリア層を具備し、ここでは、そのガスは、酸素または二酸化炭素である。
【0037】
ここで用いられるように、「バリア材料」、「バリア樹脂」などの用語は、広義の用語であり、通常の意味で用いられ、限定されないが、好適には、物体をコートするのに用いられたときに、物体の基材に、よく接着し、物体の基材よりも、酸素および二酸化炭素に対する透過性が低い材料を指す。ここで用いられるように、「UV保護」などの用語は、広義の用語であり、通常の意味で用いられ、限定されないが、好適には、物体をコートするのに用いられたときに、物体の基材に、よく接着し、物体の基材よりもUV吸収率が高い材料を指す。ここで用いられるように、「酸素捕捉(oxygen scavenging)」などの用語は、広義の用語であり、通常の意味で用いられ、限定されないが、好適には、物体をコートするのに用いられたときに、物体の基材に、よく接着し、物体の基材よりも酸素の吸収率が高い材料を指す。ここで用いられるように、「二酸化炭素捕捉(carbon dioxide scavenging)」などの用語は、広義の用語であり、通常の意味で用いられ、限定されないが、好適には、物体をコートするのに用いられたときに、物体の基材に、よく接着し、物体の基材よりも二酸化炭素の吸収率が高い材料を指す。ここで用いられるように、「架橋(crosslink)」、「架橋した(crosslinked)」などの用語は、広義の用語であり、通常の意味で用いられ、限定されないが、非常に小さな架橋度から、熱硬化性エポキシなどのように完全に架橋された材料までの間にて変化する材料およびコーティングを指す。特定の環境において化学的または機械的酷使の耐性の適切な程度を得るために、架橋度は、調整される。
【0038】
ここで使用されているように、用語「耐水性(water−resistant)」、「撥水性(water−repellant)」などは、広義の用語であって、通常の意味で用いられ、限定されないが、好適には、その材料を介して水が透過する割合の減少をもたらす特定の材料の特性に言及する。いくつかのケースにおいては、それは、また、さまざまな温度における、固体、液体、気体の状態において、水へ曝露されて、実質的に化学的に変化されずに残る材料の能力を言及する。また、水に敏感または水への曝露にて低下する材料への、水のアクセスを更に妨げる特定の材料の能力を含む。ここで使用されているように、用語「化学的耐性(chemical resistance)」などは、広義の用語であって、通常の意味で用いられ、限定されないが、気体、液体状態であっても固体状態であっても、水を含む化学物質への露出にて、実質的に化学的に変化せずに残る、特定の材料の特性を言及しており、限定されないが、水を含む。
【0039】
いくつかの実施形態においては、各層は、異なる機能を与える多層膜(multi−layered film)である。たとえば、EVOHとナイロン膜は、酸素バリア層において酸素バリア材料として使用可能である。これらのバリア材料は、水と湿度とに敏感であるので、それらは、水が、その物体の基材に入ること、または、酸素バリア層を分解することを妨げるために、ポリオレフィンバリア層と共に使用される。加えて、ガスバリア材料、耐水性層材料、または、UV保護材料を具備する1以上の付加的な層は、別のバリア層と共に使用される。いくつかの実施形態においては、結合層は、1以上の層、および/または、その物体の基材の表面の間の十分な結合のために必要とされる。
【0040】
適当なコーティング材料が選択されたときには、コートされた物体を、商業的に生産する装置および方法が、必要である。ディップ、スプレー、フローコーティングの方法、および、ディップ、スプレー、または、フローコーティングの装置は、「Dip, Spray and Flow Coating Process for Forming Coated Articles」を表題とする米国特許出願シリアル・ナンバー10/614,731において示されており、現在、2004/0071885 Alとして発行されており、そして、「Coating Process and Apparatus for Forming Coated Articles」を表題とするPCT/US2005/024726が、現在、WO2006/010141 A2として発行され、その両者は、ここでは、それらの全体における言及によって組み込まれている。
【0041】
好適な方法は、物体、特に、プリフォーム上に配されるコーティングを提供し、後にボトルへブロー成形される。そのような方法は、多くの例において、ボトル自体の上にコーティングを設けるのに好ましい。プリフォームは、その後にブローされた容器よりも、サイズが小さく、形状が規則的であって、均一で規則的なコーティングを得ることを、より容易にしている。さらに、形状とサイズが異なるボトルと容器は、同様なサイズと形状のプリフォームから形成される。すなわち、同じ装置および処理は、いくつかの異なるタイプの容器を形成するためのプリフォームをコートするのに使用される。そのブロー成形は、成形およびコーティングの後に、直ちに実施してもよく、または、プリフォームは、後のブロー成形のために形成され、保管される。プリフォームがブロー成形の前に保管された際には、それらの小さなサイズが、保管におけるスペースを減らすことができる。さらに、コートされたプリフォームから容器を形成することが、好ましいが、容器は、また、コートされる。
【0042】
ブロー成形プロセスは、いくつかの課題が存在する。最大の困難が生じる一のステップは、ブロー成形プロセスの間であって、そこでは、その容器がプリフォームから形成される。このプロセスの間には、層の剥がれ、コーティングの亀裂(cracking)やクレージング(crazing)、不均一なコーティングの膜厚、および、不連続なコーティング、または、空隙(void)が生じる。これらの困難は、適切なコーティング材料を用いて、層間に良好な接着を与える方法でプリフォームをコートすることによって克服できる。
【0043】
このように、好適な実施形態は、適切なコーティング材料を含む。適切なコーティング材料が用いられたとき、そのコーティングは、重大な剥がれもなく、プリフォームに直接的に接着し、プリフォームがブロー成形されて容器になった後に至るまで、接着し続ける。適切なコーティング材料の使用は、また、上述したように容器のブロー成形で生ずる、表面的および構造的な欠損を減らすのに、役立つ。
【0044】
所定のコーティング溶液または分散物を用いたコーティングによって形成された物体において生じる一の共通の問題は、物体が、直接的に、水、スチーム、または、高湿(相対湿度約70%以上を含む)中に、浸漬(部分的な浸漬(immersion)を含む)、あるいは、曝されたときの、「ブラッシング(blushing)」、または、ホワイトニング(whitening)である。好適な実施形態においては、ここで開示された物体、および、ここで開示された方法によって製造された物体は、直接的に、水または高湿中に、浸漬あるいは曝されたときに、最小の、または、実質的にゼロのブラッシングまたはホワイトニングを示す。そのような曝露は、約6時間、12時間、24時間、48時間、および、それ以上を含んでいる数時間、あるいは、それ以上生じるかもしれなく、および/または、室温、および、氷、または、氷水を入れたクーラー中に物体を置いたときに見られるように、下げられた温度付近で生じる。曝露は、また、昇温された温度にて生じ、そのような昇温された温度は、通常、容器あるいはコーティングを形成する材料の相当な軟化をもたらすのに十分に高い温度を含まずに、材料のTgに近づく温度を含む。一実施形態においては、そのコートされた物体は、5℃、10℃、15℃、20℃、22℃および25℃を含む、0℃から30℃までの温度にて、24時間の間、直接的に、水に浸漬あるいは曝されたときに、実質的に、ブラッシングまたはホワイトニングを示さない。コーティング層をキュアあるいは乾燥するために用いられるプロセスは、物体のブラッシュ耐性に効果を有する。
【0045】
バリア特性、ガスバリア特性、酸素バリア特性、二酸化炭素バリア特性、耐水特性、または、接着特性を有する化合物の、水ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンで、バリアおよびコーティングを実現することが望ましい。好ましい実施形態においては、ここで示すように、その水ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンは、実質的に、または、完全に、VOCフリー(free of VOC)、および/または、ハロゲン化合物である。
[B.図面の詳細な説明]
【0046】
図1を参照すると、好適に、コートされていないプリフォーム1が描写されている。プリフォームは、好適には、未使用PET(virgin PET)などのように、FDAが認可した材料から形成され、さまざまな形状、および、サイズのいずれでもよい。図1に示されたプリフォームは、16オンスの炭酸飲料ボトルを形成するタイプの24グラムのプリフォームであるが、当業者に理解されるように、望まれる形状、特性、および、最終物体の用途に応じて、他のプリフォーム形状も用いることができる。コートされていないプリフォーム1は、従来技術で知られた射出成形(injection molding)、または、他の適切な方法で形成される。
【0047】
図2を参照すると、図1の好適にコーティングが形成されていないプリフォーム1の断面図が描写されている。そのコートされていないプリフォーム1は、ネック部2とボディ部4とを有する。ネック部2は、ネック・フィニッシュ(neck finish)とも称され、開口部18にてプリフォーム1の内側へ始まり、支持リング6まで延伸して、これを含む。ネック2は、さらに、ねじ山8の存在で特徴付けられており、それは、プリフォーム1から形成されたボトルにキャップを閉める手段を提供する。ボディ部4は、ネック2から延伸して丸められた端部キャップ10に達する細長い円筒形状の構造である。プリフォームの厚み12は、プリフォーム1の全体の長さと得られる容器の壁の厚みと全体の大きさに依存する。ここでは、用語「ネック」および「ボディ」の用語が用いられており、口語で「ロングネック」容器と呼ばれる容器では、支持リングの直下の細長いところ、ねじ山、および/または、キャップが閉められる注ぎ口は、「ネック」の一部ではなく、容器の「ボディ」の一部と考えられることに注意されたい。図示していない別の実施形態においては、ネック部2は、ネック・フィニッシュ(たとえば、ねじ山8を有さない)を含まないが、支持リングを含む。別の図解していない実施形態においては、ネック部2は、ネック・フィニッシュ、または、支持リングを含まない。
【0048】
図3を参照すると、好適な実施形態に従った特徴を有するコーティングされた、あるタイプのプリフォーム20の断面図が描写されている。コートされたプリフォーム20は、図1および図2において、コートされていないプリフォームのように、ネック部2とボディ部4とを有する。コーティング層22は、ボディ部4のほぼ全表面に配置されており、支持リング6の底部で末端をなしている。図面に示された実施形態において、コーティング層22は、ネック部2まで伸びてはおらず、好適には、PETなどのように、FDAが認可した材料から形成されたプリフォームの内側の表面16上にも存在していない。コーティング層22は、単一の材料の1層、組み合わされた、いくつかの材料の1層、あるいは、少なくとも2つの材料のいくつかの層を含む。プリフォームの全体の厚み26は、初期のプリフォームの厚みと、コーティング層または複数のコーティング層との厚みの和に等しく、結果として生じる容器の全体のサイズと、望まれるコーティングの厚みに依存する。
【0049】
いくつかの好ましい実施形態においては、コーティング層22は、バリア層である。いくつかの実施形態においては、コーティング層22は、ガスバリア層である。他の実施形態においては、コーティング層22は、耐水性コーティング層である。
【0050】
図4は、プリフォームの一実施形態におけるコーティング層の構成を示すプリフォームの壁部断面の拡大図である。層110は、プリフォームの基材層であり、一方で、112は、プリフォームのコーティング層を含む。外側(outer)のコーティング層116は、材料の1以上の層を具備し、一方、114は、内側(inner)のコーティング層を含む。好適な実施形態においては、1層以上の外側のコーティング層があってもよい。ここに示されるように、コートされたプリフォームは、1層の内側のコーティング層と2層の外側のコーティング層を有する。図4の全てのプリフォームがこのタイプということではない。
【0051】
いくつかの実施形態においては、内側のコーティング層114は、ガスバリア層であり、そして、外側のコーティング層116は、耐水性コーティング層である。しかしながら、いくつかの実施形態においては、内側のコーティング層114は、耐水性コーティング層であり、そして、外側のコーティング層は、酸素、二酸化炭素、または、UV耐性層である。
【0052】
図5を参照すると、コートされたプリフォーム25の他の実施形態が断面で示されている。そのコートされたプリフォーム25と、図3において、コートされたプリフォーム20の主要な差は、コーティング層22が、ボディ部4だけでなく、ネック部2の支持リング6上にも配されていることである。好適には、特に上層表面上、または、支持リング6より上に配置された、いずれのコーティングも、PETなどのFDAが認可した材料から形成されている。
【0053】
そのコートされたプリフォームおよび容器は、広い範囲の相対的な厚みの層を有することができる。本開示の観点において、その与えられた層の厚みと、プリフォームまたは容器全体の厚みは、与えられた点において、または、容器全体にわたって、コーティングプロセス、または、特に容器の最終用途に合うように選択することができる。さらに、図3におけるコーティング層に関して、上記で議論したように、ここに開示されるプリフォームと、容器の実施形態におけるコーティング層は、1つの材料、いくつかの材料の1層、少なくとも2つ以上の材料のいくつかの層を含み得る。
【0054】
図3において描写されたような、コートされたプリフォームが、以下に詳細に記載されるような方法および装置により準備された後、それは、引き伸ばすブロー成形プロセスが施される。図6を参照すると、このプロセスにおいて、そのコートされたプリフォーム20は、所望な容器形状に対応するキャビティ(cavity)を有するモールド28に配置される。そのコートされたプリフォームは、その後、加熱され、引き伸ばしによって拡張され、モールド28のキャビティを満たすように、プリフォーム20の内側に、空気によって力で押し込められ、コートされた容器30を形成する。Theブロー成形オペレーションは、通常、プリフォームのボディ部4に限定され、ねじ山、ピルファ(pilfer)リングおよび支持リングを含むネック部2は、元のプリフォームの形状を保つ。
【0055】
図7を参照すると、図3にてコートされたプリフォーム20を、ブロー成形して形成することができるような、好適な実施形態に従って、コートされた容器40の実施形態が開示されている。その容器40は、図?のコートされたプリフォームのネックとボディ部に対応する、ネック部2とボディ部4とを有する。ネック部2は、その容器に、キャップを閉める手段を提供するねじ山8の存在で、さらに特徴付けられる。
【0056】
コートされた容器40が、図8において示すように、断面で観察されると、その構成を見ることができる。そのコーティング42は、容器40のボディ部4の全体の外側を、カバーし、支持リング6の直下で止まる。FDAが認可した材料、好適には、PETで形成された容器の内側の表面50は、コートされていないままであるので、内側の表面50のみが、飲料、食品あるいは薬品などの詰められた製品と接触する。炭酸飲料容器として用いられる好適な一実施形態は、24グラムのプリフォームが、約0.1〜約0.2グラムを含み、約0.05〜約0.75グラムの範囲のコーティングを有する16オンスのボトルへとブロー成形される。
【0057】
図9を参照すると、好適な3層のプリフォーム76が示されている。このコートされたプリフォームの実施形態は、好適には、図1に示されたように、プリフォーム1上に、2層のコーティング層80および82を配することで形成される。好ましい実施形態においては、コーティング層80ガスバリア材料を具備し、コーティング層82は、耐水性コーティング材料を具備する。
【0058】
図10を参照すると、好適なプロセスおよび装置を図解する、非限定的なフロー図が示されている。好適なプロセスおよび装置は、物体のシステムへの導入(entry)84、物体のディップ、スプレーまたはフローコーティング86、過剰な材料の除去88、乾燥/固化90、冷却92、システムからの取り出し94を包含する。
【0059】
図11を参照すると、好適なプロセスの一実施形態の非限定的なフロー図が示されており、ここでは、システムが、単一の塗布物(coat article)を製造する図10におけるタイプの単一なコーティング部(coating unit)Aを具備する。その物体は、コーティングユニットよりも先にシステム84に入れられ、コーティングユニットを除いた後に、システム94から取り出される。
【0060】
図12を参照すると、好適な実施形態の非限定的なフロー図が示されており、ここでは、そのシステムは、多数のステーション100,101,102を含む、1つの一体化した処理ライン(processing line)を具備し、各ステーションは、物体をコートし、乾燥またはキュアし、それによって、多重のコーティングを有する物体を製造する。その物体は、第1のステーション100よりも先にシステム84に入れられ、最後のステーション102の後に、システム94から取り出される。ここで示した実施形態は、3つのコーティングユニットを有する、1つの一体化された処理ラインを図解しており、上記および下記のコーティングユニットの数も含まれていることが理解される。
【0061】
図13を参照すると、好適なプロセスの一実施形態の非限定的なフロー図が示されており、この実施形態においては、そのシステムは、モジュラー(modular)であり、ここで、各処理ライン107,108,109は、他のライン103にハンドオフ(handoff)する能力で、自己包含され(self−contained)、それによって、いくつのモジュールが接続されているかに依存して、一層または多層のコーティングを可能にし、それによって最大の柔軟性を可能にする。その物体は、まず、システム84または120において、いくつかの点の1つにて、システムに入る。その物体は、84に入り、第1のモジュール107を介して進行でき、そのとき、その物体は、118においてシステムから出るか、あるいは、当業者によって知られている、ハンドオフ(hand off)機構103を介して、次のモジュール108へと続ける。その物体は、120において、次のモジュール108に入る。その物体は、次のモジュール109へ続けるか、あるいは、そのシステムから出る。モジュールの数は、必要とされる製造環境に応じて変えてもよい。さらに、個々のコーティングユニット104,105,106は、特定の製造ラインの必要性に応じて、異なるコーティング材料を具備する。異なるモジュールとコーティングユニットの互換性は、最大の柔軟性を与える。
[C.好適な材料の概要]
[物体の基材の材料]
【0062】
ここで開示されている物体は、ここで開示されているような広い範囲の材料のいずれかから、製造される。いくつかの実施形態においては、その物体の基材は、ガラス、プラスチック、または、金属、ポリマーから選択される1以上で形成され、熱可塑性物質材料が好ましい。適切な熱可塑性物質の例は、限定されないが、ポリエステル(たとえば、PET、PEN)、ポリオレフィン(PP,HDPE),ポリ乳酸(polylactic acid)、ポリカーボネート(polycarbonate)、および、ポリアミド(polyamide)を含む。
【0063】
いくつかの物体は、特定のベースプリフォーム材料、および/または、コーティング材料に関係して、具体的に、示されているが、その物体を形成するために用いる、これらのいくつかの物体および方法は、熱可塑性および熱硬化性ポリマーを含む、多くの高分子材料を適用できる。いくつかの実施形態においては、基材材料は、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンを含むポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ乳酸(PLA)、ナイロン(たとえば、ナイロン6、ナイロン66)およびMXD6を含むポリアミド、ポリスチレン、エポキシ、アクリル、コポリマー、混合物(blend)、グラフトポリマー(grafted polymer)、および/または、変性ポリマー(モノマー、または、たとえば、オレフィン変性ポリエステルのように、側鎖基として別の基を有する部分)のように、熱可塑性材料を具備する。これらの基材材料は、単一で、または、別の基材材料と共に使用される。より特有な基材の例は、限定されないが、ポリエチレン−2,6−および1,5−naphthalate(PEN)、PETG、ポリテトラメチレン−1,2−ジオキシベンゾエート(polytetramethylene 1,2−dioxybenzoate)および、エチレンテレフタレート(ethylene terephthalate)とエチレンイソフタレート(ethylene isophthalate)のコポリマーを含む。加えて、ハイIPA PET(high IPA PET)、または、IPA変性PET(IPA−modified PET)のような、変性PETも、また、いくつかの実施形態において使用される。
【0064】
その物体の基材材料は、物体の基材を形成するバリア層材料の材料を含む。たとえば、その物体の基材は、PETと共に、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する。その物体の基材材料は、また、ナノ粒子バリア材料(nanoparticle barrier material)、酸素捕捉剤(oxygen scavenger)、UV吸収材(UV absorber)、発泡剤(foaming agent)などのような、異なる添加物と組み合わされる。
【0065】
特定の実施形態において、好ましい基材材料は、未使用な(virgin)、消費前(pre−consumer)、消費後(post−consumer)、粉砕(regrind)、リサイクル(recycled)、および/または、それらの組合せである。たとえば、PETは、未使用、消費前後、リサイクル、または、粉砕PET、PETコポリマー、および、それらの組合せである。好ましい実施形態においては、その完成された容器、および/または、そこで使用された材料は、その後のプラスチック容器のリサイクルの流れにおいて、良性である。これは、物体の基材、および/または、その物体の基材上にコートされたバリア層を形成するのに使用される材料を含む。
【0066】
ここで使用されているように、用語「ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)」は、PETのコポリマーを言及しており、ここでは、付加的なコモノマー、シクロヘキサン・ジメタノール(CHDM)が、有効な量(たとえば、重量にて約40%以上)、PETの混合物に、加えられる。一実施形態においては、好ましいPETG材料は、本質的に、アモルファス(amorphous)である。適切なPETG材料は、適切なPETG材料は、様々な販売源から購入できる。1つの適切な販売源は、ボリディアン(Voridian)、イーストマンケミカル株式会社(Eastman Chemical Company)の事業部である。他のPETコポリマーは、結果として得られる材料が、結晶化可能な、または、半結晶質のままである下位レベルにて、CHDMを含む。CHDMの下位レベルを含む、PETコポリマーの1つの例は、ボリディアン(Voridian)9921樹脂である。変性PETの他の例は、「ハイIPA PET」、または、IPA変性PETであり、IPA含有量が、好適には、重量の2%よりも大きく、重量の約2〜20%のIPAを含み、また、重量の約5〜10%のIPAを含む。本明細書においては、式(formulations)および組成における全てのパーセンテージは、他に規定されていない限り、重量に対してである。
【0067】
いくつかの実施形態においては、重合体の基材材料およびバリア材料は、ポリマー、又は、グラフト化、または、他の有機化合物、ポリマー、または、コポリマーで変性されたコポリマーを具備する。
【0068】
好ましい実施形態においては、容器、ジャー(jar)、ボトル(bottle)、または、プリフォーム(ときどき、ベースプリフォームとして言及されている)のような、物体である基材は、装置、方法、および、ここで示す材料を用いてコートされる。そのベースプリフォームまたは基材は、限定されないが、その後のブロー成形(blow molding)の有無を伴う、単層射出成形(monolayer injection molding)、インジェクト・オーバー・インジェクト成形(inject−over−inject molding)、コ・インジェクション成形(coinjection molding)、を含む射出成形(injection molding)、押出し成形(extrusion molding)、圧縮成形(compression molding)のような公知なものを含む、いかなる適正な方法にて製造される。
[コーティング層の材料]
[一般]
【0069】
基材をコートする1以上の層は、ここで開示された方法に従う、コーティング層組成を適用することによって形成される。好ましいコーティング層組成は、溶液、懸濁液、エマルジョン、分散液、および/または、少なくとも1つの高分子材料(好ましくは、熱可塑性物質材料)と、任意な1以上の添加物を具備する溶融物を含む。固体、または、液体のいずれかの添加剤は、好ましくは、その乾燥された、または、キュアされた、コーティング層(たとえば、耐UV性、バリア、耐スクラッチ性)、および/または、その物体の基材の形成、その完成された容器の形成、または、コーティング層の塗布をするプロセス(たとえば、サーマル・エンハンサー(thermal enhancer)、非発泡剤(anti−foaming agent))の間のコーティング組成物へ機能を与える。そうの組成において使用される高分子材料は、それ自身に、バリア、耐水性などのような機能的特性を与える。
【0070】
好ましい方法およびプロセスにおいて、1以上の層は、バリア層、UV保護層、酸素捕捉層(oxygen scavenging layer)、酸素バリア層、二酸化炭素捕捉層(carbon dioxide scavenging layer)、二酸化炭素バリア層、耐水性コーティング層、および、特定のアプリケーションにて必要とされる他の層を具備する。ここで使用されているように、用語「バリア材料(barrier material)」、「バリア樹脂(barrier resin)」などは、広義の用語であって、それらの通常の意味で使用され、限定されないが、好適な方法およびプロセスにおいて使われるときに、酸素および二酸化炭素に対して低い、および/または、その完成された物体(基材を含む)の1以上の他の層よりも低い透過性を有する材料に言及する。ここに使用されるように、「UV保護(UV protection)」などの用語は、広義の用語であって、それらの通常の意味で使われ、限定されないが、物体の1以上の層よりも高いUV吸収率を有する材料を言及する。ここで使用されているように、用語「酸素捕捉(oxygen scavenging)」などは、広義の用語であって、それらの通常の意味で使われ、限定されないが、物体の1以上の他の層よりも高い酸素吸収率を有する材料を言及する。ここで使用されているように、用語「酸素バリア」などは、広義の用語であって、それらの通常の意味で使われ、限定されないが、事実上、不活性または活性であって、物体の中、および/または、外への酸素の透過を遅らせる材料を言及する。ここで使用されているように、用語「二酸化炭素捕捉(carbon dioxide scavenging)」などは、広義の用語であって、それらの通常の意味で使われ、限定されないが、物体の1以上の他の層よりも高い二酸化炭素吸収率を有する材料を言及する。ここで使用されているうように、用語「二酸化炭素バリア(carbon dioxide barrier)」などは、限定されないが、事実上、不活性または活性であって、物体の中、および/または、外への酸素の透過を遅らせる材料を言及する。任意の理論に束縛されることを望むことなく、出願人は、物体に含まれる炭酸ガス製品、例えば、清涼飲料のように、過度に炭酸ガスがある用途において、物体の一つ以上の層での二酸化炭素捕捉剤の包含が、過剰な炭酸化作用を許容し、二酸化炭素捕捉を含む層を飽和させる。それゆえに、二酸化炭素が物体から大気へ抜けるとき、それは、まず、その中に含まれる製品よりも、むしろ、物体層から出る。ここで使用されているように、用語「架橋」、「架橋され」などは、広義の用語であって、それらの通常に意味で使われ、限定されないが、材料およびコーティングを指し、非常にわずかの架橋から、熱硬化性エポキシのように完全に架橋された材料を含む。架橋の程度は、調整可能であって、特定な状況のための耐化学的特性または耐機械的特性の程度などのように、所望な、または、適切な物理的特性を提供する。
【0071】
ここで使用されているように、用語「耐水性コーティング」,「撥水性(water repellant)」などは、広義の用語であって、それらの通常の意味で使用され、限定されないが、その材料を介する水の透過性の減少をもたらす特定の材料の特性に言及する。いくつかのケースにおいては、それは、また、さまざまな温度にて固体、液体、または、気体状態において水に露出して、実質的に化学的に変化せずに残存する材料の能力を言及する。ここで使用されているように、用語「化学的耐性(chemical resistance)」などは、広義の用語であって、それらの通常の意味で使用され、限定されないが、気体、液体、または、固体状態において、水を含む化学物質に露出し、実質的に化学的に変化せずに残存する特定の材料の特性に言及する。
[ガスバリア材料]
【0072】
物体の基材は、1以上のガスバリア層を具備する。これらの実施形態において、ガスバリア材料は、物体の基材材料、または、その物体の基材上にコートされた別の層を透過するガスの透過性を減少させる、1以上の材料を具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、物体の基材材料、または、他のコーティング層を介するガスの透過性の十分な減少をもたらす材料を具備する。このために、ガスバリア材料は、少なくとも、物体の基材の一部の外側の上、または、その物体の基材上にすでに堆積された層のトップの上の層として、堆積される。
【0073】
コーティング層、または、物体の基材を介した、酸素、および、二酸化炭素を含む、特定のガスの透過性を減少する、多くの材料がある。ここで示すように、ガスバリア層において使用される材料は、特に限定されない。いくつかの実施形態においては、材料の選択は、物体の基材の材料と他のコーティング層の材料とを考慮において、最も相性がよい(compatible)材料に基づく。たとえば、いくつかの特定の材料は、組み合わされて、特定の層、および/または、物体の基材との間の接着性を強調すると共に、物体の基材の壁を介した、ガスの透過性の割合を、実質的に減少させる。
【0074】
一の好ましい実施形態においては、コーティング材料は、熱可塑性プラスチック材料を具備する。ビニルアルコールポリマーおよびコポリマーは、ガス、特に酸素による浸透に対して、優れた耐性を有する。一般的に、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーを具備するガスバリア層は、酸素の減少された透過性、良好な耐油性、および、物体の基材に対する剛性(stiffness)などの利点を与える。ビニルアルコールポリマーおよびコポリマーは、ポリビニルアルコール(PVOH)およびエチレンビニルアルコール(EVOH)コポリマーを含む。それゆえ、いくつかの実施形態においては、ガスバリア層は、PVOHおよびEVOHの1以上を具備する。いくつかの実施形態においては、EVOHは、加水分解されたエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーである。いくつかの実施形態においては、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、EVAを含む。
【0075】
一の好ましいガスバリア材料は、EVOHコポリマーである。EVOHで準備された層は、エチレン量、ケン化度(saponification degree)、および、EVOHの分子量に応じて、特性が異なる。好適なEVOH材料の一例は、限定されないが、約35から約90wt%のエチレン量を有するものを含む。いくつかの実施形態においては、そのエチレン量は、約50から約70wt%である。他の実施形態においては、そのエチレン量は、約65から約80wt%である。いくつかの実施形態においては、そのエチレン量は、約25から約55wt%である。いくつかの実施形態においては、エチレンとビニルアルコールとの全重量を基準にして、そのエチレン量が約27から約40wt%であることが好適である。いくつかの実施形態においては、より低いエチレン量が好適である。いくつかの実施形態においては、より低いエチレン量は、そのガスバリア層の、より高いバリア性に相互に関係する。いくつかの実施形態においては、そのケン化度は、約20から約95%である。他の実施形態においては、そのケン化度は、約70から約90%である。しかしながら、そのケン化度は、アプリケーションに応じて列記される値よりも、小さく、または、大きくすることができる。
【0076】
一般的には、好ましいビニルアルコールポリマーおよびコポリマー材料は、比較的に安定な水性ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンを形成する。実施形態においては、溶液/分散液の特性は、水との接触によって、不利には、影響を及ぼさない。好適な材料は、約15%,20%,25%,30%,35%,40%および45%を含む、約10%固体から約50%固体に分布し、そして、これらの値は、また、考慮されて、上および下の値になるが、そのようなパーセンテージを囲うように分布する。好ましくは、その使用される材料は、極性溶媒において、溶解、または、分散される。これらの極性溶媒は、限定されないが、水、アルコール、および、グリコールエーテルを含む。いくつかの分散液は、EVOHコポリマーの約20から約50mol%を具備する。他の分散液は、EVOHコポリマーの約25から約45mol%を具備する。
【0077】
いくつかの実施形態においては、イオン変性ビニルアルコールポリマー、または、コポリマー材料が、アメリカ特許番号5,272,200およびアメリカ特許番号5,302,417にてヤマウチ(Yamauchi)らによって示されているように、安定な水性分散液の形成において使用される。水性EVOHコポリマー組成物を製造するための他の方法は、アメリカ特許番号6,613,833および6,838,029においてカワハラ(Kawahara)らによって示されている。
【0078】
いくつかの実施形態においては、商業的に利用可能なEVOH溶液および分散液が、使用される。たとえば、適したEVOH分散液は、限定されないが、Evalca of Kuraray Groupによって製造されているように、EV AL(商標)製品ラインを含む。
【0079】
ポリビニルアルコール(PVOH)は、また、ガスバリア層において使用される。PVOHは、ガス、酸素、および、二酸化炭素、そして、アロマ(aromas)に対して高い不浸透性がある。いくつかの実施形態においては、PVOHを具備するガスバリア層は、また、耐水コーティングである。いくつかの好ましい実施形態においては、PVOHは、部分的な加水分解されるか、または、完全に加水分解される。PVOH材料の例は、限定されないが、デュポンElvanol(商標)の製品ラインを含む。
【0080】
好ましくは、いくつかの実施形態において使用されるフェノキシタイプ熱可塑性プラスチックは、以下のタイプのうちの1つを具備する:
【0081】
(1)化学式Ia、Ib、または、Icのいずれか一つによって代表される、繰り返し単位を有するヒドロキシ基で官能化されたポリ(アミドエーテル):
【0082】
【化1】
【0083】
【化2】
または
【0084】
【化3】
【0085】
(2)化学式IIa、IIb、または、IIcのいずれか一つによって、個々に代表される繰り返し単位を有するポリ(ヒドロキシアミドエーテル)
【0086】
【化4】
【0087】
【化5】
または
【0088】
【化6】
【0089】
(3)化学式IIIによって代表される繰り返し単位を有する、アミドおよびヒドロキシメチル基で官能化されたポリエーテル
【0090】
【化7】
【0091】
(4)化学式IVによって代表される繰り返し単位を有するヒドロキシ基によって官能化されたポリエーテル
【0092】
【化8】
【0093】
(5)化学式Va、または、Vbによって代表される繰り返し単位を有するヒドロキシ基によって官能化されたポリ(エーテルスルホンアミド)
【0094】
【化9】
【0095】
【化10】
【0096】
(6)化学式VIによって代表される繰り返し単位を有するポリ(ヒドロキシエステルエーテル)
【0097】
【化11】
【0098】
(7)化学式VIIによって代表される繰り返し単位を有するヒドロキシ−フェノキシエーテルポリマー
【0099】
【化12】
そして
【0100】
(8)化学式VIIIによって代表される繰り返し単位を有するポリ(ヒドロキシアミノエーテル)
【0101】
【化13】
【0102】
ここでは、各々のArは、個々に、二価芳香族部分、置換二価芳香族部分、または、ヘテロ芳香族部分、または、異なる二価芳香族部分、置換芳香族部分、または、ヘテロ芳香族部分の組み合わせを表す。Rは、個々に、水素、または、一価のヒドロカルビル基部分である。各々のAr1は、二価芳香族部分、または、アミド、または、ヒドロキシメチル基を有する二価芳香族部分の組合せである。各々のAr2は、Arと同じ、または、異なり、個々に、二価芳香族部分、置換芳香族部分、または、ヘテロ芳香族部分、または、異なる二価芳香族部分、置換芳香族部分、または、ヘテロ芳香族部分の組合せである。R1は、個々に、主に、ヒドロカルビレン基部分、例えば、二価芳香族部分、置換二価芳香族部分、二価ヘテロ芳香族部分、二価アルキレン部分、置換二価アルキレン部分、または、二価へテロアルキレン部分、または、そのような部分の組合せである。R2は、個々に、一価のヒドロカルビル基部分である。Aは、アミン部分、または、異なるアミン部分の組合せである。Xは、アミン、アリーレンジオキシ、アリーレンジスルホンアミド、または、アリーレンジカルボキシ部分、または、そのような部分の組合せである。そして、Ar3は、式のいずれかによって代表される、カルド(cardo)部分である。
【0103】
【化14】
【0104】
【化15】
【0105】
ここでは、Yは、無し(nil)、共有結合、または、リンク群(linking group)であり、ここでは、適切なリンク群は、例えば、酸素原子、硫黄原子、カルボニル原子、スルホニル基、または、メチレン基、または、類似した結合を含む。nは、約10〜約1000の整数である。xは、0.01〜1.0である。そして、yは0〜0.5である。
【0106】
用語「主に、ヒドロカルビレン(predominantly hydrocarbylene)」は、主に、炭化水素である二価のラジカルを意味しているが、任意で、例えば、酸素、硫黄、イミノ基、スルホニル基、スルホキシル基などのような、少量のヘテロ原子部分を含む。
【0107】
化学式Iによって表されるヒドロキシ基によって官能化された、ポリ(アミドエーテル)(hydroxy−functional poly(amide ethers))は、アメリカ特許番号第5,089,588号、および、5,143,998号に記述されているように、好ましくは、N,N’−ビス(ヒドロキシフェニルアミド)アルカン(N,N’−bis(hydroxyphenylamido)alkane)、または、アレーン(arene)を、ジグリシジルエーテルにコンタクトすることによって、準備される。
【0108】
化学式IIによって表される、ポリ(ヒドロキシアミドエーテル)(poly(hydroxy amide ethers))は、アメリカ特許番号第5,134,218号に記述されているように、例えば、N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)アジプアミド(N,N’−bis(3−hydroxyphenyl) adipamide)、または、N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)グルタミド(N,N’−bis(3−hydroxyphenyl)glutaramide)などのビス(ヒドロキシフェニルアミド)アルカン、または、アレーン、または、これらの化合物の2以上の組み合わせを、エピハロヒドリン(epihalohydrin)とコンタクトすることによって準備される。
【0109】
化学式IIIによって表される、アミドおよびヒドロキシメチルによって官能化されたポリエーテルは、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルのようなジグリシジルエーテルを、ペンダントアミド、N−置換アミド、および/または、ヒドロキシルアルキル部分を有する二価フェノール、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドおよび3,5−ヒドロキシベンズアミドと反応させることによって、準備される。これらのポリエーテル、および、それらの生成物は、アメリカ特許番号5,115,075号、および、5,218,075号に記述されている。
【0110】
化学式IVによって表されるヒドロキシ基によって官能化されたポリエーテルは、アメリカ特許番号5,164,472号に記述されるプロセスを使用して、例えば、ジグリシジルエーテル、または、ジグリシジルエーテルの組み合わせを、二価フェノール、または、二価フェノールの化合物を反応させることによって準備される。それに代わって、ヒドロキシ基で官能化されたポリエーテルは、二価フェノール、または、二価フェノールの組み合わせを、Reinking,Barnabeo and Hale in the Journal of Applied Polymer Science,Vol.7,p.2135(1963)に記述されるプロセスによって、エピハロヒドリンと反応させることによって、得られる。
【0111】
化学式Vによって表される、ヒドロキシ基で官能化されたポリ(エーテルスルホンアミド)は、アメリカ特許番号5,149,768号に記述されているように、例えば、N,N’−ジアルキル、または、N,N’−ジアリルジスルホンアミドをジグリシジルエーテルと重合させることによって準備される。
【0112】
化学式VIによって表されるポリ(ヒドロキシエステルエーテル)は、ジグリシジルテレフタレートまたは二価フェノールのジグリシジルエーテルのような、脂肪族、または、芳香族の二酸のジグリシジルエーテルを、アジピン酸またはイソフタル酸のような、脂肪族、または、芳香族の二酸と、反応させることによって準備される。これらのポリエステル類は、アメリカ特許番号5,171,820号に記述されている。
【0113】
化学式VIIに示したヒドロキシ−フェノキシ・エーテルポリマーは、たとえば、少なくとも1つの複核モノマーを、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、フェノールフタレイン、または、フェノールフタリミジン、または、置換されたビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン、置換されたフェノールフタレイン、または、置換されたフェノールフタリミジンのような、置換されたカルド・ビスフェノールのような、カルド・ビスフェノールの少なくとも一つのジグリシジルエーテルと、その複核モノマーの求核部をエポキシ部と反応させ、吊下ったヒドロキシ部、そして、エーテル、イミノ、アミノ、スルフォン・アミド、または、エステル鎖を含むポリマーの基幹を形成するのに十分な状態の下で、コンタクトすることによって、準備する。これらのヒドロキシ−フェノキシエーテルポリマーは、米国特許番号5,184,373において開示されている。
【0114】
化学式VIIIに示されるポリ(ヒドロキシアミノエーテル)(「PHAE」、または、ポリエーテルアミン)は、アミン鎖、エーテル鎖、そして、吊下ったヒドロキシ部を有するポリマー基幹を形成するようにエポキシ部と反応するアミノ部を十分にもたらすのに十分な状態の下で、2つの水酸基を含むフェノール(dihydric phenol)のジグリシジルエーテルの1以上を、2つのアミン水素を有するアミンに接触することによって、準備される。これらの化合物は、米国特許番号5,275,853において開示されている。たとえば、ポリヒドロキシアミノエーテルコポリマーは、ジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、または、それらの組合せから形成される。ヒドロキシ−フェノキシエーテルポリマーは、ビスフェノールA、そして、エピハロヒドリンのような、分子中に2個の水酸基を有する多核なフェノール(dihydric polynuclear phenol)の縮合反応性生物であって、そして、式IVによって示す繰り返し単位を有し、ここでは、Arは、イソプロピリデン・ジフェニレン(isopropylidene diphenylene)部である。これらを準備するプロセスは、米国特許番号3,305,528において開示されており、それの全てにおける言及によって組み込まれている。
【0115】
一般的に、好ましいフェノキシ−タイプ材料は、安定した水ベースの溶液、または、分散液を形成する。好ましくは、その溶液/分散液の特性は、水との接触によって逆行して作用されない。好ましい材料は、略10%固形分から、略50%固形分に分布しており、略15%、20%、25%、30%、35%、40%、および、45%を含んでおり、そして、そのようなパーセンテージを包含して分布するが、これらの値以上および以下の値が意図する。好ましくは、その使用される材料は、極性溶媒において、溶解、または、分散される。これらの極性溶媒は、限定されないが、水、アルコール、および、グリコールエーテルを含む。たとえば、米国特許番号6,455,116、6,180,715、および、5,834,078を参照すれば、そこでは、いくつかの好ましいフェノキシ−タイプ溶液、および/または、分散液を記載している。
【0116】
一の好適なフェノキシタイプ材料は、ポリヒドロキシアミノエーテルコポリマー(PHAE)である。分散液、または、溶液は、容器、または、プリフォームに適用するときに、予測され、よく知られた方法において、容器の壁を介した、さまざまなガスの浸透速度(permeation rate)を大きく減らす。それにより作られた、一つの分散液、または、ラテックスは、10〜30パーセントの固形を具備する。PHAE溶液/分散液は、PHAEを、水の溶液において有機酸、好ましくは、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、または、グリコールの酸、および/または、それらの組合せを含むもの以外である、酢酸、または、リン酸と共に、かき混ぜ、または、さもなければ撹拌することによって、準備される。これらのPHAE溶液/分散液は、また、これらの酸と、ポリヒドロキシアミノエーテルとの反応によって生成された有機酸塩を含む。
【0117】
いくつかの実施形態においては、フェノキシタイプ熱可塑性プラスチックは、当業者に知られている技術を使用して、他の材料と、混合、または、ブレンドされる。いくつかの実施形態においては、相溶化剤(compatibilizer)は、混合物に加えられる。相溶化剤が使用されるとき、限定されないが、色、ヘイズ、および、混合物と他の層とを具備する層の間の接着を含む、その混合物の1以上の特性が、好適に、改善される。一の好ましい混合物は、一以上のフェノキシタイプ熱可塑性プラスチック、および、一以上のポリオレフィンを具備する。好ましいポリオレフィンは、ポリプロピレンを具備する。一実施形態においては、ポリプロピレン、または、他のポリオレフィンは、限定されないが、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート、アクリルメタクリレート、および/または、相溶性を増す、類似した化合物を含む、極性分子、基、または、モノマーで、グラフト、または、変性される。
【0118】
以下のPHAEの溶液、または、分散液は、適切なフェノキシタイプ溶液、または、分散液の例であって、WO04/004929およびアメリカ特許番号6,676,883号に記述されているように、樹脂の一つ以上の層が、例えば、ディップ、フロー、または、スプレーコーティングによる液体として適用されるときに、使用される。
【0119】
ポリヒドロキシアミノエーテルの例は、アメリカ特許番号5,275,853において、Silvesらによって、開示されている。一の適切なポリヒドロキシアミノエーテルは、BLOX(商標)の試験的なバリア樹脂であって、例えば、Dow Chemical社によって製造されたリン酸で製造されるXU−19061.00である。この特定のPHAEの分散液は、以下の代表的な特徴を有すると言われている。固形分30%、比重1.30、pH4、24センチポイズの粘性(ブルックフィールド、60rpm、LVI、22°C。)、および、粒径1,400〜1,800オングストローム。他の適切な材料は、レゾルシノールに基づいたBLOX(商標)588−29樹脂を含み、レゾルシノールは、バリア材料として優れた結果も提供する。この特定の分散液は、以下の代表的特徴を有すると言われている:固形分30%、比重1.2、pH4.0、20センチポイズの粘性(ブルックフィールド、60rpm、LVI、22°C。)および粒径1,500〜2,000オングストローム。他の適当な材料は、BLOX(商標)5000樹脂分散液の中間体、BLOX(商標)XUR588−29、BLOX(商標)0000および4000シリーズの樹脂を含む。これらの材料を溶解するために使われる溶媒は、限定されないが、極性溶剤、例えば、アルコール類、水、グリコールエーテル類、または、それらの混合物を含む。他の適切な材料は、限定されないが、BLOX(商標)R1を含む。
【0120】
好ましいガスバリア層は、少なくとも1つのポリヒドロキシアミノエーテルと、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーとの混合物を具備する。いくつかの実施形態においては、PHAEは、 EVOHとブレンドされ、物体の基材にガスバリア層を与える。これらの実施形態においては、EVOH/PHAE混合物は、ここで示す水性溶液、分散液、または、エマルジョンを、ディップ、スプレー、または、フローコーティングすることによって、物体の基材に適用される。
【0121】
ビニルアルコールポリマー、または、コポリマー、および、フェノキシタイプ熱可塑性物質の混合物は、安定な水性の溶液、分散液、または、エマルジョンを形成する。いくつかの実施形態においては、混合物は、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマー、および、フェノキシタイプ熱可塑性物質の全重量を基準にして、少なくとも1つのビニルアルコールポリマー、または、コポリマーの5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,および、約95wt%を具備する。好ましい実施形態においては、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、ここで更に示すように、EVOH、または、PVOHである。好ましい実施形態においては、フェノキシタイプ熱可塑性物質は、PHAEである。
【0122】
ポリヒドロキシアミノエーテルの化学的性質の他のバリエーションは、ヒドロキノンジグリシジルエーテルに基づく結晶バージョンのように有用であると分かる。他の適切な材料は、Imperial Chemical Industries(「ICI」、オハイオ、USA)によって、名前「OXYBLOK」の下で利用可能な、ポリヒドロキシアミノエーテルの溶液/分散液を含む。一実施形態においては、PHAEの溶液、または、分散液は、適切な架橋剤材料を加えることによって、部分的に(半架橋(semi−cross linked))、完全に、または、アプリケーションに適するような正確な要求される程度に、架橋される。架橋の利点は、限定されないが、以下の一つ以上を含む:向上される耐化学性、向上される耐摩耗性、低いブラッシング、低い表面張力。架橋剤材料の例は、限定されないが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、または、材料のアルデヒド族の他のもの含む。適切な架橋剤は、また、材料のTgを変化させ、特定の容器の形成を容易にする。一実施形態においては、好ましいフェノキシタイプ熱可塑性プラスチックは、水溶性の酸に溶解する。ポリマー溶液/分散液は、熱可塑性エポキシを、水の溶液中において、好ましくは、酢酸、または、リン酸であって、また、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、および/または、それらの混合物も含む有機酸と共に、撹拌、さもなければ、かき混ざることによって、準備される。好ましい実施形態においては、ポリマー溶液中の酸濃度は、総重量に基づく重量で、好ましくは、約5%〜20%の範囲であり、約5%〜10%を含む。他の好ましい実施形態においては、酸濃度は、約5%以下、または、約20%以上でもよく、そして、ポリマーのタイプ、および、その分子量のような因子に依存して変えてもよい。他の好ましい実施形態においては、酸濃度は、重量で約2.5から約5%で分布する。好ましい実施形態における、溶解されたポリマーの量は、約0.1%〜約40%まで分布する。均一で、自由に流動するポリマー溶液が、好ましい。一実施形態においては、10%のポリマー溶液は、90℃でポリマーを10%の酢酸溶液に溶解することによって準備される。そして、まだ熱い間に、その溶液は、20%の蒸留水で希釈され、8%のポリマー溶液を与える。ポリマーの濃度がより高いと、ポリマー溶液は、より高い粘性になる傾向がある。一つの好ましい、限定されない、ヒドロキシ−フェノキシエーテルポリマー、PAPHEN 25068−38−6は、フェノキシ・アソシエートInc(Phenoxy Associates,Inc)から、商業的に入手できる。別の好ましいフェノキシ樹脂は、イン・ケム(InChem(商標)(Rock Hill,South Carolina))から入手可能であり、これらの材料は、限定されないが、INCHEMREZ(商標)のPKHH、および、PKHW、製品ラインを含む。
【0123】
アメリカ特許番号4,578,295号においてJabarinに記述されているように、他の適切なコーティング材料は、好ましい、コポリエステル(copolyester)材料を含む。それらは、一般的に、イソフタル酸、テレフタル酸、および、それらのC1からC4のアルキルエステルから選択される、少なくとも1つの反応体の混合物を、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシル)ベンゼンおよびエチレングリコールと共に加熱することによって準備される。任意で、その混合物は、一つ以上のエステル形成ジヒドロキシ炭化水素、および/または、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンを、さらに、具備してもよい。特に、好ましいコポリエステル材料は、B−010、B−030、および、このファミリーの他のものとして、Mitsui Petrochemical Ind. Ltd.(Japan)から入手可能である。
【0124】
好ましいポリアミド材料の例は、Mitsubishi Gas Chemical (Japan)からのMXD−6を含む。他の好ましいポリアミド材料は、ナイロン6、そして、ナイロン66を含む。他の好ましいポリアミド材料は、ポリアミドとポリエステルとの混合物であって、重量で約1〜20%のポリエステルを具備するものを含み、より好ましくは、重量で約1〜10%のポリエステルを具備するものを含み、そこでは、そのポリエステルが、好ましくは、PET、または、PETアイオニマーを含む変性PETである。他の実施形態においては、好ましいポリアミド材料は、ポリアミドとポリエステルとの混合物であって、重量で約1〜20%のポリアミドを具備するものを含み、より好ましくは、重量で約1〜10%のポリアミドを具備するものを含み、そこでは、そのポリエステルは、好ましくは、PET、または、PETアイオニマーを含む変性PETである。その混合物は、普通の混合物であり、または、それらは酸化防止剤、または、他の材料で相溶化される。そのような材料の例は、2003年3月21日に出願された、アメリカ特許公報番号2004/0013833号に記述されるものを含み、それを完全に参照することによって、ここに取り入れられる。他の好ましいポリエステルは、限定されないが、PEN、および、PET/PENコポリマーを含むが、これらに限定されない。
【0125】
一の適切な水溶性ベースのポリエステル樹脂は、アメリカ特許番号4,977,191号(Salsman)に記述され、参照することによって、ここに取り入れられる。更に具体的には、アメリカ特許番号4,977,191号は、不用なテレフタレートポリマーの重量による20〜50%、少なくとも1つのグリコールの重量の10〜40%、少なくとも1つのオキシアルキレート化されたポリオールの重量の5〜25%の反応性生物を具備する水溶性ベースのポリエステル樹脂を記述している。
【0126】
他の好ましい水性ベースのポリマーは、スルホン化された水溶性ベースのポリエステル樹脂組成物であり、アメリカ特許番号5,281,630号(Salsman)に記述され、ここでは、参照することによって取り入れられる。具体的には、アメリカ特許番号5,281,630は、スルホン化された水溶液の水性懸濁液、または、テレフタレートポリマーの重量の20〜50%、少なくとも1つのグリコールの重量の10〜40%、少なくとも1つのオキシアルキレート化されたポリオールの重量の5〜25%の反応性生物を具備し、ヒドロキシアルキル機能を有するプレポリマーを生成する水和性ポリエステル樹脂であって、そのプレポリマー樹脂が、さらに、略0.10molで、プレポリマー樹脂の100g当たりで略0.50molのα,β−エチレン不飽和ジカルボン酸に反応され、そして、樹脂が生産され、α、β−エチレン不飽和ジカルボニル酸の残留物によって、終了され、略0.5モルで、α、βエチレン不飽和ジカルボニル酸残余物の1モルあたりの亜硫酸塩剤の略1.5モルに反応され、スルホン末端化された樹脂を生成することを記述している。
【0127】
さらに他の好ましい水溶性ベースのポリマーは、アメリカ特許番号5,726,277号(Salsman)に記述されたコーティングであって、ここでは、参照により、取り入れられる。具体的には、アメリカ特許番号5,726,277号は、不用なテレフタレートポリマー、および、解糖触媒の存在するオキシアルキレートポリオールを含むグリコールの混合物の重量で少なくとも50%の反応生成物を具備するコーティング組成であって、その反応生成物が、さらに、二官能基、有機酸と反応され、グリコール中の酸の重量割合が、6:1〜2:1の範囲であることを記述している。
【0128】
上記の例が、好ましい水溶性ベースのポリマーコーティング組成物として提供される一方、他の水溶性ベースのポリマーは、その生成物、および、ここに記述される方法で使用するのに適している。限定されないが、一例として、さらに、適切な水溶性ベースの組成物は、アメリカ特許番号4,104,222号(Dateほか)に記述されており、ここでは、参照することによって取り入れられる。アメリカ特許番号4,104,222は、直鎖状ポリエステル樹脂を高級アルコール/エチレン酸化物添加タイプの界面活性剤と共に混合することによって得られる直鎖状ポリエステル樹脂の分散液であって、その混合物を溶融し、特に、撹拌の下、アルカリの水溶液中に融解物を注入することによって得られる溶解物を分散することを記述している。具体的には、この分散液は、直鎖状ポリエステルを、高級アルコール/エチレン酸化物添加タイプの界面活性剤と共に混合することによって得られ、混合物を融解し、70〜95℃の温度で撹拌の下、アルカノールアミンの水溶液中へ注入することによって、結果として得る溶融物を分散するものであって、前記のアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチレンエタノールアミン、モノエチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、および、グリセリンノアルカノールアミンから成る群から選択され、そのアルカノールアミンが、水溶液中に0.2〜0.5重量%の量で存在し、高級アルコール/エチレン酸化物添加剤タイプの前記の界面活性剤が、少なくとも8個の炭素原子のアルキル基を有するエチレン酸化物添加剤の高級アルコールの生産物、アルキル置換フェノール、または、ソルビタンモノアクリレートであり、前記の界面活性剤は、少なくとも12価のHLBを有する。
【0129】
同様に、例えば、アメリカ特許番号4,528,321号(アレン)は、水溶な、または、水膨張可能なポリマー粒子の、水に不混和な液体における分散を開示しており、水に不混和な液体中で、逆層重合によって作られ、C4〜12アルキレングリコールモノエーテル、それらのC1〜4アルカノアート、C6〜12ポリアルキレングリコールモノエーテル、そして、それらのC1〜4アルカノアートから選択される非イオン化合物を含む。
【0130】
付加的なガスバリア層は、エチレンビニルアセテート(EVA)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリエチレン−2,6−および1,5−ナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリ乳酸(PLA)、ポリカーボネート、ポリグリコール酸(polyglycolic acid(PGA))、ポリヒドロキシアミノエーテル、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、ウレタン、アクリレート 、ポリスチレン、シクロオレフィン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル、ポリビニルクロライド(polyvinyl chloride)、ポリビニリデンクロライド(polyvinylidine chloride)(PVDC)、スチレンアクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリ汗タール、ポリブチレンテレフタレート、PETのスルフォン酸塩などのポリメリック・アイオノマー(polymeric ionomers)、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラメチレン1,2−ジオキシベンゾエート、ポリウレタン、およびエチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートのコポリマー、および前述の1つ、または、複数のコポリマーおよび/またはブレンドの一以上を、付加的に具備する。
【0131】
実施形態においては、そのガスバリア耐性コーティング(gas−barrier resistant coating)は、水溶性ポリマーの溶液、水ベースのポリマー(water−based polymer)分散液、または、そのポリマーの水性エマルジョンとして適用される。
[耐水性コーティング材料]
【0132】
特定のコーティング材料は、好ましくは、トップコートの一部、または、トップコートの下における1以上の層、または、物体の基材と比較して、熱水、スチーム、腐食性(caustic)、または、酸性材料のような化学的耐性が改良された層として適用される。特定の実施形態においては、これらのトップコートまたは層は、水性ベース、または、非水性ベースのポリエステル、アクリル(acrylic)、EAAのようなアクリル酸コポリマー、ポリプロピレン、または、ポリエチレンのようなポリオレフィンポリマー、または、コポリマー、および、任意に部分的または完全に架橋された、それらのブレンドである。一の好ましい水性ベースのポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートであるが、他のポリエステルも使用可能である。
【0133】
耐水性コーティング層は、水の存在にて劣化(degrade)する、材料、または、材料の層を具備する物体の基材に適用することにおいて、特に有用である。PVOHおよびEVOHのような、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、水へさらされるときに、劣化する傾向にある。それゆえ、水への曝露(exposure)は、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマー、または、他の水に敏感なガスバリア材料を具備する、ガスバリア層のパフォーマンスを劣化させる。加えて、いくつかの添加剤、および、UV保護バリア材料のような他のバリア材料は、また、水への曝露に敏感である。
【0134】
いくつかの実施形態においては、外側の層(outer layer)における材料の間の架橋は、内側の層(inner layer)、および、物体の基材の耐水特性を、実質的に増加する。いくつかの実施形態においては、その架橋度は、架橋密度および度合い(cross linking density and degree)によって調整される。
[重合体の耐水性コーティング材料]
【0135】
いくつかの実施形態においては、そのコートされていない表面、または、1以上の層でコートされた表面を具備する基材物体は、さらに、耐水性コーティング材料でコートされる。好ましい実施形態においては、耐水性コーティング層において使用されている材料は、アクリル系のポリマーまたはコポリマーである。いくつかの実施形態においては、アクリル系のポリマーまたはコポリマーは、アクリル酸ポリマー、または、コポリマー、メタクリル酸ポリマー、または、コポリマー、または、メタクリル酸、または、アクリル酸ポリマー、または、コポリマーのアルキルエステルの1以上を具備する。いくつかの実施形態においては、アクリル酸コポリマーは、エチレンアクリル酸(EAA)コポリマーを具備する。EAAは、エチレンとアクリル酸との高圧(high pressure)共重合によって製造される。実施形態においては、EAAは、約75から約95wt%のエチレンと、約5から約25wt%のアクリル酸とを具備するコポリマーである。共重合は、コポリマーの主鎖と側鎖に沿って、大きなカルボキシル基をもたらす。これたのカルボキシル基は、結合を形成することがフリーであって、水のような、極性の基材と相互に作用する。加えて、カルボキシル基の水素結合が、バリア層の増加された堅牢性をもたらす。EAA材料は、また、そのコポリマーの透明度、低い融点、および、軟化点を強める。
【0136】
EAAのアンモニウム塩のような、アクリル酸ポリマー、または、コポリマーの塩は、ここで示すディップ、スプレー、およびフローコーティングにおけるアプリケーションのそれぞれを許容するアクリル酸の水性分散液の形成を可能にする。しかしながら、アクリレートポリマー、または、コポリマーを具備する組成物のいくつかの実施形態は、また、エマルジョンおよび溶液として適用される。
【0137】
商業的に利用可能なEAA水性分散液の例は、DOW PLASTICSから入手可能なPRIMACORを含み、25%固形分を有する水性分散液として、80wt%エチレンと20wt%アクリル酸の共重合から得られる。Michem(商標) Prime 4983,Prime 4990R,Prime 4422R、および、Prime 48525Rは、約20%から約40%の範囲の固形分のEAAの水性分散液として、Michelmanから入手可能である。いくつかの実施形態においては、EAAは、水ベース、または、ワックスエマルジョンとして、適用される。いくつかの実施形態においては、EAA分散液、または、エマルジョンは、低いVOC量を有し、一般に、約0.25wt%未満のVOCである。しかしながら、いくつかのEAA分散液、または、エマルジョンは、部分的、または、完全に、VOCがない。
【0138】
いくつかの実施形態においては、ポリオレフィンポリマー、または、コポリマーは、耐水性コーティング材料として使用される。たとえば、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを有するガスバリア層を具備する物体は、さらに、耐水性コーティング層として、ポリプロピレンのような、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーと共にコートされる。いくつかの実施形態においては、ポリオレフィンと、アクリル系ポリマーおよびコポリマーとの混合物は、耐水性コーティング材料として使用される。たとえば、ポリプロピレン(PP)とEAAとが、耐水性コーティング層として使用される。EAAとPPとの混合物は、その耐水性コーティング層におけるPPとEAAとの総重量を基準にして、約5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,76,80,85,90,および、95wt%のEAAを具備する。
【0139】
ポリエチレン、または、プロピレンのような、ポリオレフィンポリマー、または、コポリマーの1以上の層は、EVOH、または、PVOHのような、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する、乾燥されたコーティング層上にコートされて、水の感受性を減少させ、その物体の基材の水蒸気の透過性を減少させる。いくつかの実施形態においては、EVOHのような、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備するガスバリア層と、PHAEのようなフェノキシタイプ熱可塑性物質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、または、それらの組合せのような、ポリオレフィンポリマー、または、コポリマーの層でオーバーコートされる。いくつかの実施形態においては、EVOHのようなビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備するガスバリア層と、PHAEのようなフェノキシタイプ熱可塑性物質とは、EAAを具備する層でオーバーコートされる。
【0140】
他の実施形態においては、EVOHのような、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備するバリア層は、また、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーの水への感受性を減少させる、および/または、バリア層の耐水性を増加させる、付加的な添加物を具備する。たとえば、EVOHを具備するガスバリア層は、PHAEのような、フェノキシタイプ熱可塑性物質を加えることによって、その層の耐水性を、実質的に増加させる。EVOHがポリヒドロキシアミノエーテルとブレンドされた、これらの実施形態においては、付加的なトップの耐水性コーティング層は、さらに、下にある層の水への感受性を減少させるため、および、その物体の基材の水の透過の割合を減少させるために使用される。この上記の例のいずれにおいても、EVOHは、PVOH、または、EVOH/PVOHのブレンドで置換される。
[ワックス]
【0141】
いくつかの実施形態においては、耐水性コーティング層は、ワックスを具備する。いくつかの実施形態においては、そのワックスは、カルナウバ、または、パラフィンのような、天然ワックスである。他の実施形態においては、そのワックスは、ポリエチレン、ポリプロピレン、および、Fischer−Tropschワックスのような、合成ワックスである。ワックス分散液は、水中において微粉化されたワックスである。溶剤分散液は、溶剤と結合されたワックスからなる。いくつかの実施形態においては、ワックス分散液の粒子サイズは、典型的には、1ミクロン(lμ)を超える。しかしながら、いくつかの分散液の粒子サイズは、所望なコーティング層および/またはワックス材料に応じて変わる。
【0142】
一の好ましい実施形態においては、耐水性コーティング層は、カルナウバを具備する。カルナウバワックスは、ブラジリアン・パーム・ツリー(Brazilian palm tree)の葉から抽出される天然ワックスである(Copernica cerifera)。その供給源のために、カルナウバは、FDA規格になる利益を与える。加えて、カルナウバおよびカルナウバ・ブレンドのエマルジョンは、付加的なスリップ、マー・レジスタンス(mar resistance)、および、ブロック・レジスタンス(block resistance)が必要とされるところで、性能の優位性(performance advantage)を与える。
【0143】
いくつかのカルナウバは、高固形エマルジョンとして入手可能であって、ここで示すように、物体の基材に適用可能である。いくつかのエマルジョンは、約10から約80%の固形分を具備する。
【0144】
他の実施形態においては、耐水性コーティング層は、パラフィンを具備する。いくつかの実施形態においては、パラフィンは、融点が48℃から74℃の範囲にある、低分子量ワックスである。それらは、高度に精製され、低い油分を有している、直鎖状炭化水素である。好ましい実施形態においては、パラフィンを具備する耐水性コーティング層は、アンチ・ブロッキング(anti−blocking),スリップ(slip),耐水性(water resistance)、または、水蒸気の透過の抵抗力(moisture vapor transmission resistance)を与える。耐水性コーティング層のいくつかの実施形態は、カルナウバとパラフィンとのブレンドを具備する。さらなる実施形態においては、耐水性コーティング層は、ポリオレフィンとワックスとのブレンドを具備する。耐水性コーティング材料のいくつかの実施形態は、天然ワックス、および/または、合成ワックスのブレンドを具備する。たとえば、カルナウバワックスとパラフィンとのブレンドは、いくつかの実施形態の耐水性コーティング層において使用される。
【0145】
水ベースのワックスエマルジョンは、Michelsonから商業的に入手可能である。好ましい実施形態においては、水に浮かぶワックスエマルジョン(waterborne wax emulsion)は、低いVOC量を有する。低いVOC量の水ベースのカルナウバワックスエマルジョンの例は、Michem Lube 156およびMichem Lube 160である。低いVOC量を有する、カルナウバとパラフィンとがブレンドされた水ベースのワックスエマルジョンの例は、Michem Lube 180とMichem Lube 182とである。耐水性コーティング層のためにブレンドされたポリオレフィン/ワックス材料の一例は、Michem Lube 110であり、ポリエチレンとパラフィンとを含む。
[発泡材料(Foaming Materials)]
【0146】
いくつかの実施形態においては、フォーム(foam)材料は、基材(ベース物体、または、プリフォーム)、または、コーティング層において使用される。ここで用いられるように、用語「フォーム材料(foam material)」は、広義の用語であって、そのものの通常の意味に従って使用され、そして、限定されないが、発泡剤、発泡剤の混合物、および、バインダー、または、キャリア材、エキスパンダブルな気泡材料(expandable cellular material)、および/または、ボイドを有する材料を含む。用語「フォーム材料」と「エキスパンダブルな材料」とは、ここでは、同義的に使用される。好ましいフォーム材料は、物体(例えば、容器)の、熱的な、および/、または、構造的な特性を改良する一つ以上の物理的特性を示し、そして、容器によって典型的に経験される、プロセス、および、物理的ストレスに耐えられるように、好ましい実施形態を可能にする。一実施形態においては、フォーム材料は、容器に対する、構造的なサポートを提供する。他の実施形態においては、フォーム材料は、プロセスの間に容器に対するダメージを減らす保護層を形成する。例えば、フォーム材料は、輸送の間、容器に対するダメージを減らす耐摩耗性を提供する。一実施形態においては、発泡体の保護層は、容器のショック、または、耐衝撃性を増し、それ故、容器の破損を防止、または、減らす。さらに、他の実施形態においては、発泡体は、容易にグリップする表面、および/または、容器の美観、または、魅力を強化することができる。
【0147】
一実施形態においては、フォーム材料は、発泡剤(foaming agent)、または、ブローイング剤(blowing agent)、および、キャリア材料(carrier material)を具備する。1つの好ましい実施形態においては、発泡剤は、膨張され、発泡体を生成するためにキャリア材料と協働する、エキスパンダブルな構造体(例えば、微小球体(microsphere))を具備する。例えば、発泡剤は、Akzo Nobelによって販売される、EXPANCEL(商標)微小球体のような、熱可塑性微小球体である。一実施形態においては、微小球体は、ガスをカプセル化する熱可塑性シェルを具備する熱可塑性の中空球体である。好ましくは、微小球体が加熱されるとき、熱可塑性シェルは、柔らかくなり、そして、ガスは、最初の位置から膨張された位置に微小球体の膨張をもたらす圧力を増加させる。その膨張された微小球体、および、キャリア材の少なくとも一部は、ここに記述される物体の発泡体の部分を形成する。フォーム材料は、単一材料(例えば、発泡剤とキャリア材の一般的に同質の混合物)、材料のミックス、または、ブレンド、2つ以上の材料により形成された基材、2つ以上の層、複数のマイクロ層(薄板)を具備し、好ましくは、少なくとも二つの異なる材料を含む層を形成する。あるいは、微小球体は、他のコントロール可能な、エキスパンダブルな材料に適している。例えば、微小球体は、構造内、または、構造からガスを生成する材料を具備する構造である。一実施形態においては、その微小球体は、ガスを生成、または、含んでおり、ガス圧力の増加が、膨張、および/または、破裂する構造をもたらす、化学薬品を含む中空構造である。他の実施形態においては、その微小球体は、ガスを生成するために、分解、または、反応し、微小球体を膨張、および/または、破裂させる、一つ以上の材料から製造される、および/または、含む構造である。任意で、その微小球体は、一般的に、硬い構造である。任意で、その微小球体は、固体、液体、および/または、気体で満たされたシェルである。微小球体は、発泡体を形成するのに適した任意の構成および形状を有する。例えば、その微小球体は、一般的に球形である。任意で、その微小球体は、細長く、または、斜位回転楕円体である。任意で、その微小球体は、微小球体を膨張するのに適している任意のガス、または、ガスの混合ガスを具備できる。一実施形態においては、ガスは、不活性ガス、例えば、窒素などを具備できる。一実施形態においては、ガスは、一般的に不燃性である。しかしながら、特定の実施形態においては、非不活性ガス、および/または、可燃性ガスは、微小球体のシェルを満たすことができる。いくつかの実施形態においては、公知技術として、フォーム材料は、発泡(foaming)剤、または、ブローイング(blowing)剤を具備してもよい。その上、フォーム材料は、ほぼ、または、完全に発泡剤であってもよい。
【0148】
いくつかの好ましい実施形態は、一般的に、壊れない、または、破裂しない微小球体を具備するが、他の実施形態は、壊れ、破裂し、裂ける、および/または、そのようなことになる微小球体を具備する。任意で、その微小球体の部分は、壊れてもよいが、一方、微小球体の残りの部分は、壊れない。いくつかの実施形態においては、微小球体の重量にて、約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、および、これらの量を含む範囲で、壊れる。一実施形態においては、例えば、微小球体の相当な部分は、微小球体が膨張されるとき、破裂、および/または、裂ける。加えて、微小球体の、様々な混合物および混合体は、フォーム材料を形成するために用いられる。
【0149】
微小球体は、膨張を引き起こすのに適している任意の材料によって形成される。一実施形態においては、ここに記述されるように、微小球体は、ポリマー、樹脂、熱可塑性プラスチック、熱硬化性樹脂などを具備するシェルを有する。その微小球体シェルは、1つの材料、または、2つ以上の異なる材料の混合物を具備してもよい。例えば、その微小球体は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン6およびナイロン66)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、PEN、PETコポリマーおよびそれらの組み合わせを具備する、外殻(outer shell)を有する。一実施形態においては、PETコポリマーは、PETGとして一般的に呼ばれているものと、PETとの間のレベルで、CHDMコモノマーを具備する。他の実施形態においては、DEGおよびIPAのようなコモノマーは、PETに加えられ、微小球体シェルを形成する。材料のタイプ、サイズ、および、不活性ガスの特定の組み合わせは、微小球体の要求される膨張を達成するように、選択される。一実施形態においては、その微小球体は、好ましくは、微小球体が破裂を引き起こさずに、高温を条件のときに膨張可能な高温材料(例えば、PETG、または、類似した材料)によって形成されるシェルを具備する。その微小球体が低温材料(例えば、EVAとして)によって作成されたシェルを有するならば、その微小球体は、特定のキャリア材(例えば、高い融点を有するPET、または、ポリプロピレン)を処理することに適した高温を条件として壊れる。いくつかの状況においては、例えば、EXPANCEL(商標)の微小球体は、相対的に高い温度で処理されるときに、壊れる。有利には、中間、または、高温な微小球体は、相対的に高い融点を有するキャリア材とともに使用され、その微小球体を壊すことなしに、コントロール可能に、エキスパンダブルなフォーム材料を生成する。例えば、微小球体は、中間な温度の材料(例えば、PETG)、または、高温な材料(例えば、アクリロニトリル)を具備でき、相対的に高い温度のアプリケーションに適している。それ故、ポリマーを発泡するためのブローイング剤は、使用される処理温度に基づいて選択される。
【0150】
フォーム材料は、キャリア材を具備するマトリクスであり、好ましくは、エキスパンダブルな材料を形成するブローイング剤(例えば、微小球体)と混合可能な材料である。そのキャリア材料は、熱可塑性プラスチック、熱硬化性樹脂、または、ポリマー化された材料であり、エチレンアクリル酸(EAA)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリ(ヒドロキシアミノエーテル)(PHAE)、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン(PS)、パルプ(例えば、木、または、繊維の製紙用パルプ、または、一つ以上のポリマーとともに混合されたパルプ)、それらの混合物、などである。しかしながら、発泡剤を運ぶのに適した他の材料は、発泡体の要求される熱、構造、光学、および/または、他の特徴の一つ以上を達成するために、用いられる。いくつかの実施形態においては、キャリア材は、微小球体の容易で迅速な膨張のための、特性(例えば、高メルトインデックス)を有し、それ故に、サイクル時間を減らし、それにより、生産量を増やす結果となる。
【0151】
他の実施形態においては、発泡剤(Foaming agent)は、コーティング層を発泡するために、コーティング材料に加えられる。さらなる実施形態においては、発泡剤の反応生成物が使用される。有用な発泡剤は、限定されないが、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N−ジメチル−N,N−ジニトロソテレフタルアミド、N,N−ジニトロソペンタメチレン−テトラミン、ベンゼンスルホニル−ヒドラジド、ベンゼン−1,3−ジスルホニルヒドラジン、ジフェニルスルホン−3−3、ジスルホニルヒドラジン、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、バリウムアゾジカルボキシレート、ブチルアミン二トリル、ニトロ尿素、トリヒドラジノトリアジン、フェニル−メチル−ウレタン、p−スルホンヒドラジン、過酸化物、重炭酸アンモニウム、および、重炭酸ナトリウムを含む。現在考えられているものとしては、商業的に利用可能なフォーム材料は、限定されないが、EXPANCEL(商標)、CELOGEN(商標)、HYDROCEROL(商標)、MIKROFINE(商標)、CEL SPAN(商標)およびPLASTRON FOAM(商標)を含む。発泡剤と、発泡された層は、以下に、より詳細に述べる。
【0152】
発泡剤は、コーティング層の重量に基づいて(すなわち、溶媒が排除されて)、重量で約1〜約20%、より好ましくは、重量で約1〜約10%、そして、最も好ましくは、重量で約1〜約5%の量において、コーティング材料に存在する。圧縮ガスを用いた、当業者に知られている新しい発泡技術は、また、上記に列記した従来のブローイング剤に代わって、泡を発生するための代替の手段として使用される。
【0153】
好ましい実施形態においては、成型可能な材料(formable material)は、異なるプロセスウィンドウ、および/または、物理的特性を有する各々の複数の成分を含む、2つ以上の成分を具備する。その成分は、その成型可能な材料が一つ以上の要求される特質を有するように、組み合わせられる。その成分の割合は、要求されるプロセスウィンドウ、および/または、物理的特性をもたらすように変更される。例えば、第1の材料は、第2の材料のプロセスウィンドウと類似、または、異なるプロセスウィンドウを有する。そのプロセスウィンドウは、例えば、圧力、温度、粘性などに基づく。それ故、成型可能な材料の成分は、その材料を形作るのに望ましい、圧力、または、温度範囲を実現するように、混合される。
【0154】
一実施形態においては、第1の材料と第2の材料との組合せは、第2の材料のプロセスウィンドウよりも望ましいプロセスウィンドウを有する材料を結果として得る。例えば、その第1の材料は、広い温度範囲にわたって処理することに適しており、そして、第2の材料は、狭い温度範囲にわたって処理することに適している。第1の材料により形成される部分、および、第2の材料により形成される他の部分を有する材料は、第2の材料の処理温度の狭い範囲より広い温度範囲にわたって処理することに適している。一実施形態においては、マルチコンポーネント材料のプロセスウィンドウは、第1の材料のプロセスウィンドウと類似している。一実施形態においては、成型可能な材料は、多層シート、または、PETを具備する層とポリプロピレンを具備するチューブを具備する。PETおよびポリプロピレンの両方から形成される材料は、PETに適している処理温度範囲に類似した広い温度範囲で、処理される(例えば、押出される)。そのプロセスウィンドウは、一つ以上のパラメータ、例えば、圧力、温度、粘性などのためのものである。
【0155】
任意で、その材料の各々の成分の量は、望ましいプロセスウィンドウを達成するために変更される。任意で、その材料は、組み合わされ、圧力、温度、粘性などの望ましい範囲にわたって処理することに適した、成型可能な材料を生成する。例えば、より望ましいプロセスウィンドウを有する材料の割合は、増やされ、より望ましくないプロセスウィンドウを有する材料の割合は、減らされて、第1の材料のプロセスウィンドウと実質的に同様なプロセスウィンドウを有する材料を結果として得る。もちろん、より望ましいプロセスウィンドウが、第1の材料の第1のプロセスウィンドウと第2の材料の第2のプロセスウィンドウとの間にあれば、第1および第2の材料の割合は、成型可能な材料の要求されるプロセスウィンドウを達成するように選択される。
【0156】
任意で、同様な、または、異なるプロセスウィンドウを有する複数の材料の各々は、組み合わされて、結果として得る材料にとって望ましいプロセスウィンドウを得る。
【0157】
一実施形態においては、成型可能な材料の流動学的特性は、異なる流動学的特性を有する一つ以上の成分を変更することによって、変えられる。例えば、基材(例えば、PP)は、高い溶融強度を有しており、押出し成形に敏感である。PPは、その押出しプロセスに適している材料を形成するために、押出し成形を困難にさせる低い溶融強度を有する、例えば、PETなどの他の材料と組み合わされて、押出し成形処理に適した材料を形成する。例えば、PP、または、他の強い材料の層は、共押出成形(例えば、水平な、または、垂直な共押出成形)の間、PET層をサポートする。それ故、PETおよびポリプロピレンにより形成された成型可能な材料は、一般的に、PPに適し、一般的に、PETに適さない温度範囲において、処理、例えば、押出し成形される。
【0158】
いくつかの実施形態においては、成型可能な材料の組成は、物体の一つ以上の特性に影響を及ぼすように選択されてもよい。例えば、熱特性、構造特性、バリア特性、光学特性、流動特性、好ましい風味特性、および/または、他の特性、または、ここに開示される特性は、ここに記述される成型可能な材料を用いて得られる。
[接着材料(Adhesion Materials)]
【0159】
いくつかの実施形態においては、特定の接着材料は、物体の基材の1以上の層に加えられる。他の実施形態においては、1以上の層は、接着材料を具備する。それゆえ、ここで示されているように、実施形態は、接着材料を具備するバリア層を含む。他の実施形態においては、結合層は、接着材料を具備する。
【0160】
いくつかの好ましい実施形態においては、ポリオレフィン層は、接着層、および/または、バリア層として使用される。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、変性ポリオレフィン組成を具備する。実施形態においては、エチレン、または、プロピレンホモポリマー、または、コポリマーは、接着層のための材料として使用される。一実施形態においては、ポリプロピレン、または、他のポリマーは、グラフト化、または、限定されないが、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート、アクリルメタクリレート、および/または、接着性を改良する類似化合物を含む、極性基で変性されている。好ましい実施形態においては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン・ホモポリマー、または、無水マレイン酸変性ポリプロピレン・コポリマーは、また、使用される。ここで使用されているように、「PPMA」は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン・ホモポリマーおよびコポリマーの両者のための頭文字である。ここで使用されているように、「PEMA」は、無水マレイン酸変性ポリエチレン・ホモポリマーおよびコポリマーの両者の頭文字である。これらの材料は、また、他のガスバリアおよび耐水性コーティング材料と混合され、これらの層、または、物体の基材の互いの接着を補助する。あるいは、その材料は、基材またはコーティング層を他のコーティング層に接着する結合層として適用される。
【0161】
いくつかの実施形態においては、ポリプロピレンとPPMAとのブレンドが使用される。いくつかの実施形態においては、PPMAは、ポリプロピレンとPPMAとの総重量を基準として約20から約80wt%である。
【0162】
他の実施形態においては、ポリプロピレンは、また、澄んだ(clarified)ポリプロピレンを指す。ここで用いられるように、用語「澄んだポリプロピレン」は、広義の用語であって、そのものの通常の意味に従って使われ、限定されないが、核生成抑制剤(nucleation inhibitor)、および/または、澄んだ添加物を含むポリプロピレンを含む。澄んだポリプロピレンは、一般的に、ホモポリマー、または、ポリプロピレンのブロックコポリマーと比較して、透明な材料である。核生成抑制剤の含有物は、結晶化度、または、結晶化度の影響を防止、および/または、減らすのに役立ち、それは、ポリプロピレン、または、それに加えられる他の材料内で、ポリプロピレンのかすみ(haziness)に寄与する。いくつかの浄化剤(clarifier)は、結晶性ドメインの大きさを減らすことよりも減らす合計の結晶化度を減らすことにより働き、および/または、浄化剤の不足により形成されうる大きいドメインの大きさに対抗するように多くの小さいドメインの形成を含む。澄んだポリプロピレンは、ダウケミカル社(Dow Chemical Co.)のような様々な販売源から購入できる。また、核生成抑制剤は、ポリプロピレンまたは他の材料に加えられてもよい。核生成抑制剤添加物の1つの適切な源は、シュルマン(Schulman)である。
【0163】
いくつかの実施形態においては、フェノキシタイプ熱可塑性物質は、結合層、または、バリア層の、他の層と共に使用される。たとえば、PHAEは、1以上の層に加えられて、物体の基材材料、および/または、他のバリア層の間の接着性を増加する。他のヒドロキシで官能化されたエポキシ樹脂は、また、ガスバリア材料、および/または、接着材料として使用される。
【0164】
いくつかの実施形態においては、接着材料は、1以上のコーティング層において使用されるポリエチレンイミン(PEI)である。これらのポリマーは、多数の利用可能な1級、2級、または、3級アミン基を有し、バリア層の接着の増加において効果的である。いくつかの実施形態においては、PEIは、約25%の1級アミン基、50%の2級アミン基、25%の3級アミン基を有する高度な分岐ポリマーである。
【0165】
PEIは、接着を促進し、フィラーと顔料とを分散し、そして、濡れ特性(wetting characteristics)を強調する。いくつかの実施形態においては、PEIは、さらに、炭素、窒素、硫黄、揮発性アルデヒド、塩素、臭素、および、有機ハロゲン化物の酸化物を捕捉する。いくつかの実施形態においては、PEIは、水性のエマルジョン、または、分散液中において存在する。いくつかの実施形態においては、PEIの分子量は、約5,000−1,000,000である。いくつかの実施形態においては、ガスバリアコーティング層、または、耐水性コーティング層へのポリエチレンアミンの付加は、バリア層および物体の基材を介したCO2の透過の割合の減少をもたらす。いくつかの実施形態においては、PEIは、アクリルアミドおよびエチレンイミンのコポリマーのような、エチレンイミンのコポリマーを具備する。いくつかの実施形態においては、1以上のPEIは、層の全重量を基準にして、約10wt%未満の量で使用される。いくつかの実施形態においては、PEIは、約10から約20wt%である。他の実施形態においては、PEIは、約0.01から約5wt%である。
【0166】
好ましい実施形態においては、PEIは、コーティングの前に、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーと共にブレンドされる。たとえば、PEIは、物体の基材上にコーティング層として適用される前に、EVOH、および/または、PVOHとブレンドされる。いくつかの実施形態においては、組成物の混合は、液体PEIを、EVOHを含む押出し機(extruder)中に注入すること、または、押出し機のスクリューで混合する前に、液体PEIとEVOHとを供給ホッパ(feed hopper)に置くことによって、得られる。他の実施形態においては、PEIは、1以上の他のガスバリア、または、PHAEのようなフェノキシタイプ熱可塑性物質を含む耐水性コーティング材料と共に、ブレンドされる。
【0167】
いくつかの実施形態においては、1以上のジルコニウム塩は、また、物体の基材上にコートされた1以上の層のために、接着強化剤(adhesion enhancer)として使用される。いくつかの実施形態においては、ジルコニウム塩は、チタン酸塩(titanate)、または、ジルコン酸塩(zirconate)の1以上である。チタン酸塩およびジルコン酸塩は、接着促進剤として使用される。いくつかの実施形態においては、有機ジルコン酸塩(organozirconates)は、接着促進剤として使用される。いくつかの実施形態においては、配位ジルコニウム(coordinate zirconium),ネオアルコキシジルコネート(neoalkoxyzirconate),ジルコニウムプロピオネート(zirconium propionate),ジルコアルミナート(zircoaluminates),ジルコニウムアセチルアセトネート(zirconium acetylacetonate)、および、ジルコニウムメタクリレート(zirconium methacrylate)から選択される1以上のものは、接着促進剤として使用される。いくつかの実施形態においては、そのジルコニウム塩は、溶媒中にて溶解される。ジルコニウム塩の例は、ジルコニウムオキシクロライド(zirconium oxychloride),ヒドロキシジルコニウムクロライド(hydroxy zirconium chloride),ジルコニウムテトラクロライド(zirconium tetrachloride)、および、ジルコニウムブロマイド(zirconium bromide)のような、ハロゲン化したジルコニウム塩と、ジルコニウムスルフェート(zirconium sulfate),塩基性ジルコニウムスルフェート(basic zirconium sulfate)、および、ジルコニウムナイトレート(zirconium nitrate)のような、鉱酸(mineral acid)のジルコニウム塩と、ジルコニウムフォルメート(zirconium formate),ジルコニウムアセテート(zirconium acetate),ジルコニウムプロピオネート(zirconium propionate),ジルコニウムキャプリレート(zirconium caprylate),および,ジルコニウムステアレート(zirconium stearate)のような、有機酸(organic acid)のジルコニウム塩と、ジルコニウムアンモニウムカルボネート(zirconium ammonium carbonate),ジルコニウムソディウムサルフェート(zirconium sodium sulfate),ジルコニウムアンモニウムアセテート(zirconium ammonium acetate),ジルコニウムソディウムオキシレート(zirconium sodium oxalate),ジルコニウムソディウムシトレート(zirconium sodium citrate),ジルコニウムアンモニウムシトレート(zirconium ammonium citrate)のような、ジルコニウム錯塩(zirconium complex salt)などを含む。いくつかの実施形態においては、ジルコニウム塩は、水素結合基(hydrogen−bonding group)(水酸基のようなもの)に対する架橋剤(crosslinking agent)として作用する。加えて、ジルコニウム塩は、また、PVOHおよびEVOHのようなビニルアルコール・コポリマー若しくはポリマー、または、ポリヒドロキシアミノエーテルのようなフェノキシタイプ熱可塑性物質、および、それらの組合せなどの高度な水素結合樹脂(highly hydrogen− bonding resin)の耐水性を改善する。これたの実施形態のいくつかにおいて、1以上のジルコニウム塩化合物は、ジルコニウム塩を加えた層の全重量を基準にして、約0.1から約30重量パーセントである。他の実施形態においては、1以上のジルコニウム塩化合物は、 約0.05から約3wt%である。他の実施形態においては、1以上のジルコニウム塩化合物は、約5から約15wt%である。いくつかの実施形態においては、接着剤(adhesion agent)の重量は、10wt%未満である。いくつかの実施形態においては、その重量は、30wt%を超え、約50wt%を含む。ジルコニウム塩、または、ジルコニウム塩の分散液は、他のバリア材料の溶液、分散液、または、エマルジョンに加えられる。
【0168】
いくつかの実施形態においては、1以上の有機アルデヒドは、1以上のコーティング層のために、接着強化剤として使用される。適した有機アルデヒドの例は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、重合されたアルデヒド、および、プロピオンアルデヒドを含み、これらに限定されない。いくつかの実施形態においては、その有機アルデヒドは、その物体が、ディップ、スプレー、または、フローコートされ、1以上の層が形成される溶液中に存在する。他の実施形態においては、その有機アルデヒドは、コーティング層が物体の基材に適用される後に、コーティング層に加えられる。実施形態においては、その有機アルデヒドは、付加された層の全重量を基準にて、約0.1から約50重量%である。いくつかの実施形態においては、その有機アルデヒドは、約10から約30重量%である。さらなる実施形態においては。その有機アルデヒドは、約0.5から約5重量%である。他の実施形態においては、その有機アルデヒドは、約10wt%未満である。
[コーティング層の添加剤]
【0169】
1以上のコーティング層は、また、ナノ粒子バリア材料、酸素捕捉剤、UV吸収剤、着色剤、染料、顔料、耐摩擦性添加剤、フィラー(filler)などのような、添加剤を具備する。
【0170】
ここに開示される好ましい方法の利点は、さまざまな組合せ、および/または、1以上の層において、複数の官能化された添加物の使用を可能にする、それらの柔軟性である。強化されたCO2バリア、O2バリア、UV保護、こすり抵抗、ブラッシュ抵抗力、耐衝撃性、および/または、耐化学性を提供するそれらの能力のために、当業者に知られている添加物が、用いられる。ここでリストされた添加物にて、その与えられたパーセンテージは、溶媒を除いたコーティング溶液中における、その材料の重量によるパーセントであって、全ての溶媒でない材料(non−solvent material)が固体ではないが、しばしば、「固体」として言及される。
【0171】
好ましい添加物は、当業者に知られている方法によって準備される。例えば、その添加物は、直接、特定の材料と混合されて、それらは、別々に、溶解/分散され、それから、特定の材料に加えられ、または、それらは、溶媒の追加に特定の材料を組み合わされ、材料の溶液/分散液を形成する。それに加えて、いくつかの実施形態においては、好ましい添加物が、一つの層として単独で使用される。
【0172】
好ましい実施形態においては、層のバリア特性は、異なる添加物の追加によって強化される。添加物は、好ましくは、その材料の約40%の量まで存在し、また、材料の重量の約30%、20%、10%、5%、2%、および、1%も含む。他の実施形態においては、添加物は、好ましくは、1%未満の量で存在し、材料の好ましい範囲は、限定されないが、重量で、約0.01%〜約1%、約0.01%〜約0.1%および約0.1%〜約1%である。さらに、いくつかの実施形態においては、添加物は、好ましくは、水性の状態において安定している。
【0173】
レゾルシノール(m−ジヒドロキシベンゼン)の誘導体は、混合物として、または、材料の形成で添加物、または、モノマーとして、様々な好ましい材料とともに使用される。より高いレゾルシノールは、より優れた材料のバリア特性を含む。例えば、レゾルシノール・ジグリシジルエーテルは、PHAEにおいて使用され、ヒドロキシエチルエーテルレゾルシノールは、PETおよび他のポリエステルおよびコポリエステルバリア材料において使用される。
【0174】
使用される他の添加物は、「ナノ粒子(nanoparticle)」、または、「ナノ粒子材料(nanoparticulate material)」である。便宜のために、ここで使用されるナノ粒子の語句は、ナノ粒子およびナノ粒子材料の両方に言及するように使われる。これらのナノ粒子は、小さく、ミクロン、あるいは、サブミクロン以下のサイズ(直径)であり、クレイ(clay)、セラミック(ceramic)、塩ライト(zeolites)、エレメント(elements)、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、および、シリカなどの金属(metals)、および、金属化合物(metal compounds)のような無機材料を含む材料の粒子の材料であって、それは、移動するガス分子、例えば、酸素、または、二酸化炭素のために、それらが材料に浸透するように、より捩れた経路をつくることによって、材料のバリア特性を強化する。好ましい実施形態においては、ナノ粒子材料は、重量で、0.05〜1%まで変動する量で存在し、重量で、0.1%、0.5%を含み、および、これらの量を包含する範囲である。
【0175】
ナノ粒子材料の一の好ましいタイプは、Southern Clay Productsからの入手可能な製品に基づく、マイクロ粒子クレイである。Southern Clay Productsから入手可能な製品の一の好ましいラインは、Cloisite(商標)ナノ粒子である。一実施形態においては、好ましいナノ粒子は、第4アンモニウム塩で変性される、モンモリロナイトを具備する。他の実施形態においては、ナノ粒子は、第3アンモニウム塩で変性されるモンモリロナイトを具備する。他の実施形態においては、ナノ粒子は、天然のモンモリロナイトを具備する。さらなる実施形態においては、ナノ粒子は、アメリカ特許番号5,780,376号に記述されているように、有機粘土を具備し、ここでの全体の開示は、言及によって受け入れられて、そして、本明細書の開示の一部を形成する。製品に基づいた、他の適切な、有機、および、無機のマイクロ粒子クレイは、また、使用される。人工、および、天然な製品が、また、適切である。
【0176】
好ましいナノ粒子材料の他のタイプは、金属の複合材料を具備する。例えば、一の適切な複合物は、BYK Chemie(Germany)から入手可能なナノ粒子形状における酸化アルミニウムの、水をベースとした分散液である。このタイプのナノ粒子材料は、以下の利点の一つ以上を提供すると考えられている。増加された耐摩耗性、スクラッチ抵抗性、増加されたTg、および、熱的安定性。
【0177】
他のタイプの好ましいナノ粒子材料は、ポリマー−ケイ酸塩複合物を具備する。好ましい実施形態においては、ケイ酸塩は、モンモリロナイトを具備する。適切なポリマー−ケイ酸塩ナノ粒子材料は、Nanocor、および、RTP Companyから入手可能である。他の好ましいナノ粒子材料は、蒸したシリカ(fumed silica)を含み、たとえば、Cab−O−Silである。
【0178】
好ましい実施形態においては、材料のUV保護特性は、異なる添加物の添加によって強化される。好ましい実施形態においては、その使用されるUV保護材料は、約350nm以下、好ましくは、約370nm以下、より好ましくは、約400nm以下までUV保護を提供する。そのUV保護材料は、付加的な機能を与え、または、単一の層として別々に適用される層と共に、添加物として使用される。好ましくは、強化されたUV保護を提供する添加物は、重量で約0.05〜20%まで材料で存在し、また、重量の約0.1%、0.5%、1%、2%、3%、5%、10%および15%、および、それらの量の包含する範囲である。好ましくは、UV保護材料は、他の材料と適合する形で加えられる。例えば、好ましいUV保護材料は、Milliken,Ciba and Clariantである。UV390Aは、最初に、それの混合が、好ましくは、体積で略同じな、液体を水と混合させることによって補助される、油性液体である。それから、この混合物は、その材料溶液、例えば、BLOX(商標)599−29に加えられて、撹拌される。その結果として得た溶液は、約10%のUV390Aを含み、そして、PETプリフォームに適用されるとき、390nmまでUV保護を提供する。前述のとおり、他の実施形態においては、UV390A溶液は、単一な層として適用される。他の実施形態においては、好ましいUV保護材料は、濃縮物として加えられるUV吸収材で、グラフト、または、変性されたポリマーを具備する。他の好ましいUV保護材料は、限定されないが、ベンゾトリアゾール、フェノチアジン、および、アザフェノチアジンを含む。UV保護材料は、使用の前、例えば、射出成形、または、押出し成形の前に、溶解段階プロセスの間に、加えられ、または、溶液、または、分散液の形成において、直接、コーティング材料に加えられる。適切なUV保護材料は、Milliken,Ciba and Clariantから入手可能である。
【0179】
二酸化炭素(CO2)捕捉特性が、1以上の材料および/または層に加えられる。一の好ましい実施形態においては、そのような特性は、CO2と反応して、高いガスバリア塩を形成する活性アミンのような、1以上の捕捉剤を含むことによって実現される。この塩は、それから、受動的なCO2バリアとして作用する。その活性アミンは、添加物、または、一以上の層の熱可塑性樹脂材料における一以上の部分でもよい。アミン以外の適する二酸化炭素捕捉材料もまた、使用される。
【0180】
酸素(O2)捕捉特性は、例えば、アンスロクイノン(anthroquinone)、および、他の公知な技術のもののような、1以上のO2捕捉剤を含むことによって、好ましい材料に加えられる。他の実施形態においては、1つの適切なO2捕捉剤は、BP Amoco Corporation、および、Color Matrix Corporationから入手可能なAMOSORB(商標)の脱酸素剤であり、それらは、Cahillその他のアメリカ特許番号6,083,585号で開示され、その開示は、完全にここに取り入れられる。一実施形態においては、O2捕捉特性は、異なる活性化メカニズムで、O2捕捉剤をフェノキシタイプ材料中に含むことによって、好ましいフェノキシタイプ材料、または、他の材料に加えられる。好ましいO2捕捉剤は、また、徐々に、または、特定のトリガーによって活性化されるまで、遅延作用で、各々自発的に作用できる。いくつかの実施形態においては、O2捕捉剤は、UV、または、水溶液(例えば、容器の内容物に存在する)、O2捕捉剤は、コーティング層の総重量に基づいて、好ましくは、重量で約0.1%〜約20パーセントまでの量にて、より好ましくは、約0.5〜約10%の量にて、最も好ましくは、約1%〜約5パーセントの量にて存在する。
【0181】
特定の実施形態の材料は、様々なアプリケーション、例えば、高温充填アプリケーションのための熱的安定性を強化するために、架橋される。一実施形態においては、インナー層は、低い架橋性の材料を具備し、一方、アウター層は、高い架橋性の材料、または、他の適切な組合せを具備してもよい。例えば、PET面上における内側のコーティングは、非架橋性、または、低い架橋性な材料、例えば、BLOX(商標)588−29などを利用し、外側のコーティングは、他の材料、例えば、ICIからのEXP 12468−4Bなどを利用し、PETまたはPP層のような底部の層に対して、より強力に接着するような架橋を可能にする。架橋が可能な適切な添加物は、一つ以上の層に加えられてもよい。適切な架橋剤は、それらが加えられる、樹脂、または、材料の化学的性質および機能性に依存して選択される。例えば、アミン架橋剤は、エポキシド・グループを具備する架橋剤樹脂に有用である。好ましくは、架橋添加物は、存在するならば、コーティング溶液/分散液の重量で、約1%〜10%の量で存在し、好ましくは、重量で約1%〜5%、より好ましくは、重量で約0.01%〜0.1%であり、また、重量で2%、3%、4%、6%、7%、8%、および、9%を含む。任意で、熱可塑性プラスチック・エポキシ(TPE)は、一つ以上の架橋剤と共に使用される。いくつかの実施形態においては、薬剤(例えば、カーボンブラック)は、TPE材料でコートされ、そのTPE材料に組み込まれる。そのTPE材料は、ここに開示される物体の一部を形成可能である。カーボンブラック、または、類似した添加物が、材料特性を強化するために他のポリマーにおいて使用されることが、意図されている。
【0182】
特定の実施形態の材料は、任意に、キュアリング・エンハンサーを具備してもよい。ここで使用されているように、用語「キュアリング・エンハンサー(curing enhancer)」は、広義語であって、その通常の意味で使われ、限定されないが、化学的に架橋する触媒、熱エンハンサーなどを含む。ここで使用されているように、用語「熱エンハンサー(thermal enhabcer)」は、広義語であって、そのものの通常の意味で使われ、限定されないが、ポリマー層において含まれるときに、そのポリマー層が熱エネルギーを吸収する割合を増加、および/または、熱エンハンサーなしに層に比較して温度が増加する材料を含む。好ましい熱エンハンサーは、限定されないが、遷移金属、遷移金属化合物、放射線吸収添加物(例えば、カーボンブラック)を含む。適切な遷移金属は、限定されないが、コバルト、ロジウム、および、銅を含む。適切な遷移金属化合物は、限定されないが、金属カルボキル酸塩を含む。好ましいカルボン酸塩は、限定されないが、ネオデカン酸塩、オクチル酸塩、お
熱エンハンサーは、単独で、または、一つ以上の他の熱エンハンサーとの組み合わせにおいて、使用される。
【0183】
その熱エンハンサーは、材料に加えられて、熱エンハンサーが無い材料と比較して、キュアリング・プロセス(curing process)の間、材料の温度を、著しく上げる。例えば、いくつかの実施形態においては、熱エンハンサー(例えば、カーボンブラック)は、ポリマーに加えられて、加熱、または、キュアリング・プロセス(たとえば、IR放射)を条件とした、加熱の速度、または、ポリマーの最終温度が、同じまたは類似のプロセスの条件のときに熱エンハンサーが無いポリマーよりも、著しく、大きくなる。熱エンハンサーによってもたらされた、その増加された、ポリマーの加熱速度は、キュア、または、乾燥の速度を増加させ、そして、そのために、生産率を増加可能である。
【0184】
いくつかの実施形態においては、熱エンハンサーは、約5〜800ppmの量で存在し、好ましくは、約20〜約150ppm、好ましくは、約50〜125ppm、好ましくは、約75〜100ppmであって、約10、20、30、40、50、75、100、125、150、175、200、300、400、500、600、および、700ppm、そして、これらの量を包む範囲を含む。その熱エンハンサーの量は、その熱エンハンサー、または、その物体を具備する全層の総重量を具備する層の重量に基づいて計算される。
【0185】
いくつかの実施形態においては、好ましい熱エンハンサーは、カーボンブラックを具備する。一実施形態においては、カーボンブラックは、コーティング材料のキュアを強化するために、コーティング材料の成分として適用される。コーティング材料の成分として使われるとき、カーボンブラックは、そのコーティング材料が物体へ適用(例えば、浸透、コート、など)される前、間、および/または、後に、1つ以上のコーティング材料に加えられる。好ましくは、カーボンブラックは、コーティング材料に加えられて、完全な混合を確実にするように撹拌される。その熱エンハンサーは、物体の要求される材料特性を実現するように、付加的な材料を具備する。カーボンブラックが射出成形プロセスにおいて使われる、他の実施形態においては、そのカーボンブラックは、溶解段階プロセスにおいて、ポリマーブレンドに加えられる。
【0186】
いくつかの実施形態においては、そのポリマーは、約5〜800ppmを具備し、好ましくは、約20〜約150ppm、好ましくは、約50〜125ppm、好ましくは、約75〜100ppmであり、約10、20、30、40、50、75、100、125、150、175、200、300、400、500、600および700ppmの熱エンハンサーを含み、これらの総量を包む範囲である。さらなる実施形態においては、そのコーティング材料は、放射線、例えば、赤外線(IR)加熱を用いて、キュアされる。好ましい実施形態においては、IR加熱は、他の方法を用いてキュアするよりも、効果的なコーティングを提供する。他の、熱、および、キュアリング・エンハンサー、そして、それらを使用する方法は、2004年11月5日に出願されたアメリカ特許出願番号第10/983,150号、表題「the disclosure of which is hereby incorporated by reference it its entirety」で開示され、そこでの開示は、参照によって、ここで取り込まれる。
【0187】
いくつかの実施形態においては、アンチ・フォーム/バブル剤(anti−foam/bubble agent)の添加が望まれる。溶液、または、分散液を利用する、いくつかの実施形態においては、その溶液、または、分散液は、好ましいプロセスを妨害する、発泡体、および/または、バブルを形成する。この妨害を避ける一の方法は、アンチ・フォーム/バブル剤を、溶液/分散液へ加えることである。適切なアンチ・フォーム剤は、限定されないが、ノニオン界面活性剤、酸化アルキレンをベースにする材料、シロキサンをベースにする材料、そして、イオン界面活性剤を含む。好ましくは、アンチ・フォーム剤は、存在するならば、溶液/分散液の約0.01%〜約0.3%の量で存在し、好ましくは、約0.01%〜約0.2%であって、約0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.25%、および、これらの量を包含する範囲も含む。
[好ましい溶液、分散液、および、エマルジョン]
【0188】
コーティング層組成は、特定の材料に応じた、水ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンとして適用され、基材上にコートされる。しかしながら、他の実施形態は、溶媒および他の材料を利用して、ディップ、スプレー、および、フローコーティングによって材料に適用される適切なシステムを作り出す。好ましくは、その溶液、分散液、および、エマルジョンは、揮発性有機化合物(volatile organic compounds)の量を最小化し(low VOC)、実質的、または、完全なVOCが無い(free of VOC)、コーティング層を得る。また、ここで示す水ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンを、ディップ、スプレー、または、フローコーティングをするプロセスは、環境への実質的なVOCの発生をもたらすことがない。いくつかの実施形態においては、その溶液、分散液、または、エマルジョンは、水を含まず、そして、その代わりに、別の溶媒、分散(dispersant)、または、乳化システム(emulsifier システム)を具備する。いくつかの実施形態においては、その溶液、分散液、または、エマルジョンは、また、実質的に、ハロゲン化合物が無い。多層(multiple layer)を使用するときには、それに続く層の前に、部分的、または、完全に乾燥された各層(すなわち、揮発性溶媒が除去された)が適用されることが好ましい。
[C.好ましい物体の説明]
【0189】
一般的に、好ましい物体は、ここでは、1以上のコーティング層を有する、プリフォームまたは容器を含む。そのコーティング層は、好ましくは、バリア・プロテクション(barrier protection)、UVプロテクション(UV protection)、インパクト・レジスタンス(impact resistance)、スカッフ・レジスタンス(scuff resistance)、ブラッシュ・レジスタンス(blush resistance)、ケミカル・レジスタンス(chemical resistance)、アンチミクロビアル特性(antimicrobial propertie)などの機能を与える。その層は、多層(multiple layers)として適用され、それぞれの層が、1以上の機能的な特性を有するか、または、1以上の機能的なコンポーネントを含む単一層として適用される。その層は、次のコーティング層が適用される前に、部分的または完全に、乾燥/キュアされた、それぞれのコーティング層として順次適用される。
【0190】
好ましい基材は、上述したように、PETプリフォームまたは容器である。しかしながら、他の基材材料も、また、利用可能である。他の適する基材材料は、特に限定されないが、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリルを含む。
【0191】
特定の好ましい実施形態においては、その完成された物体は、ベース物体上に順次適用された2以上のコーティング層を具備し、プリフォーム、または、ボトル、または、容器の他のタイプの形成におけるプロセスから形成される。そのベース物体は、続いて適用された、1以上のコーティング層よりも小さな、ガスバリア能力(gas barrier performance)および水蒸気バリア能力(water vapor barrier performance)を有する熱可塑性プラスチック材料から製造され、PETを具備し、しかし、他の実施形態においては、また、PEN、PLA、PP、ポリカーボネート、または、上記で示された他の材料である。他の実施形態においては、そのベースプリフォーム、または、物体は、酸素捕捉剤、好ましくは、その完成された物体が廃棄された後に、その後に続くリサイクル・ストリーム(recycling stream)に良性なものを内蔵する。
【0192】
たとえば、一の多層物体において、そのインナー層(inner layer)は、PET(すなわち、ベースコート上に適用された他の付加的なコーティング層のための結合層),O2捕捉、UVレジスタンス、そして、パッシブ・バリア(passive barrier)に対する強固な接着のための機能特性を有する、下塗り層、または、ベースコートであり、そして、その1以上のアウターコーティング(outer coating)は、パッシブ・バリア(passive barrier)と、スカッフ・レジスタンス(scuff resistance)とを備える。ここでコーティング層について述べたように、インナーは、その基材へ近づくようにされ、そして、アウター(outer)は、その容器の外側表面へ近づくようにされる。インナーとアウター層との間の層は、一般的に、中間(intermediate)または、中間(middle)として記載されている。他の実施形態においては、複数のコートされた物体は、O2捕捉剤を具備するインナーのコーティング層、中間の活性UVプロテクション層を具備し、部分的な、または、高度な、架橋材料のアウター層によって追随される。他の実施形態においては、多層にコートされたプリフォームは、O2捕捉剤を具備するインナーコーティング層、中間CO2捕捉層、中間活性UVプロテクション層を具備し、部分的な、または、高度な架橋性材料によって追随される。これらの組合せは、ビールのような炭酸飲料に対して適するように、ハードな増加された架橋のコーティングを与える。別の実施形態においては、炭酸のソフトドリンクに利用され、そのインナーコーティング層は、架橋材料のアウター層により追随されるUVプロテクション層である。上記の実施形態は、特定の飲料との関係において言及したが、それらは、別の目的のために使用でき、そして、別の層の配置は、そのリフレッシュされた飲料のために使用してもよい。
【0193】
一実施形態においては、ベース物体上に適用されたコーティング層は、ベース基板に比較して、より小さな厚みを有する層において適用されるときに、ベース物体単独よりも改良されたガス、および/または、アロマバリア特性を与える熱可塑性プラスチック材料を、好ましくは、具備する。バリアコーティング層において使用される適切な材料は、熱可塑性プラスチックエポキシ、PHAE、フェノキシタイプ熱可塑性物質、フェノキシタイプ熱可塑性物質を含むブレンド、EVOH、PVOH、MXD6 ナイロン、ナノ粒子、または、ナノ化合物、そして、それらのブレンド、および、PGA、PVDC、および/または、ここで示された他の材料を含む。その材料は、好ましくは、水ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンの形成において適用されるが、しかし、また、溶媒ベースの溶液、分散液、または、エマルジョン、好ましくは、低いVOCを示すもの、または、溶融物として適用される。材料は、好ましくは、直接的な食物の接触のためにFDAによって認可されたものであるが、そのような認可は、必要ではない。バリア、または、他のコーティング層への添加剤は、UV吸収剤(UV absorbers)、着色剤(coloring agents)、および、その基材、または、それが被覆する他の層へのコーティングの接着を強化する接着促進剤を含む。望ましい特性を実現するために、適切な材料は、部分的に加熱キュアされ、および/または、アプリケーションに依存した様々な程度に架橋される。コーティング層の材料は、好ましくは、ここで示すように、ディップ、スプレー、または、フローコーティングによって適用され、乾燥、および/または、必要ならば、キュア、好ましくは、IRで、または、他の適切な手段によって、続けられる。そのコーティング材料が、溶液、分散液、または、そのようなものの形成において適用されるならば、そのコートされた基材は、その後のコーティング層が適用される前に好ましくは、完全に、乾燥する。
【0194】
一実施形態においては、3層、または、それを超える層の物体、または、プリフォームのための2層コーティングプロセスにおける第2のコート、または、少なくとも2層を有するプリフォーム、または、容器を形成する1層コーティングプロセスにおける第1のコーティング層のような、最も外側(outermost)、または、トップのコーティング層は、好ましくは、耐水性コーティング材料を具備し、それは、水蒸気へのバリアを与え、撥水性(water repellency)を示し、および/または、熱い水への化学的な耐性を示す熱可塑性プラスチック材料である。好ましい実施形態においては、その材料は、速くキュアされ、および/または、安定に加熱される。任意に、そのベース物体自身を超えて潤滑性および耐摩擦性(abrasion resistance)を増加するもののような、添加剤は、また、含まれる。所望な特性を実現するために、適切な材料は、部分的に加熱してキュアされ、および/または、アプリケーションに依存して様々な適度で架橋される。
【0195】
耐水性コーティング層にて適切な材料は、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリエチレン/ポリプロピレン/他のポリオレフィンと、EAAとのブレンド、ウレタンポリマー、エポキシポリマー、および、パラフィンを含む。他の適切な材料は、アメリカ特許番号6,429,240において示されたものを含み、その全体における参照によって、併合される。ポリオレフィンの中で、一の好ましいクラスは、低分子量ポリオレフィンであり、好ましくは、公知なように、所望な特性に材料を調整することを容易にするメタロセン(metallocene)技術を用いたものである。たとえば、メタロセン技術は、材料を調整するために使用され、 to ハンドリングの改善、所望な融点、または、他の溶融挙動の実現、所望な粘度の実現、特定の分子量、または、分子量分布(たとえば、Mw,Mn)の実現、および/または、他のポリマーとの互換性の改善がされる。適切な材料の例は、Clariantによって製造されたポリマーのLICOCENE範囲である。その範囲は、ポリエチレン、ポリプロピレン、および、トレードネーム(tradename)LICOWAX、LICOLUB、および、LICOMONTの下で、Clariantから入手可能なPE/PPワックスのような、オレフィンワックスを含む。さらなる情報は、www.clariant.comにて入手できる。他の材料は、グラフト化、または、変性ポリマーを含み、ポリプロピレンのようなポリオレフィンを含むものであり、そのグラフト化、または、変性されたものは、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート、アクリルメタクリレート、および/または、類似の化合物のような極性化合物を含む。そのようなグラフト化、または、変性されたポリマーは、その材料の特性を変えて、たとえば、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、および/または、PET、または、他のポリエステルの両者への接着をより可能にする。材料は、好ましくは、直接的な食物の接触のためにFDAによる認可されているものであるが、そのような認可は、必要がない。
【0196】
ポリエチレン/EAAブレンドにおいて、一般的に、言われているのは、より高い(higher)ポリエチレン量は、より好適な耐水性を有するが、より低い(lower)EAA量は、接着性がより乏しくなる。類似するトレードオフ(trade−off)は、上記にて列記した材料の1以上を具備する他のブレンドと共に生ずる。したがって、ブレンドにおける各コンポーネントのパーセンテージは、与えられたアプリケーション、および、その物体において使用される他の材料において、特性が、より重要と思われるものを最大にするように、選択される。
【0197】
一実施形態においては、プリフォーム、または、適切なベース材料で製造されたコンテナは、限定されないが、PET、または、PLAを含み、与えられる。そのプリフォームは、さらに、ポリプロピレン(PP)、EAA、PP/EAAブレンド、または、他の耐水性コーティング材料のように、ポリオレフィンの耐水性コーティング層を具備する。いくつかの実施形態においては、そのプリフォームは、また、PHAE、または、熱可塑性エポキシのようなフェノキシタイプ熱可塑性物質、または、EVOHのようなビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーなどの、1以上のガスバリア材料の層を具備する。いくつかの実施形態においては、フェノキシタイプ熱可塑性物質とビニルアルコールポリマー、または、コポリマーとのブレンドが使用される。好ましい実施形態においては、ガスバリア層は、EVOHとPHAEとのブレンドを具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、ベースコートであって、その耐水性コーティング層は、外側(outer)コーティング層である。
【0198】
一の好ましい実施形態においては、物体の基材は、表面を具備し、その表面および耐水性コーティング層上にガスバリア層が配置されている。この実施形態においては、材料の特定の組合せは、1以上のバリア層と、その物体の基材の表面とを横切る、ガスと水の透過性の十分な減少を許容する。
【0199】
一実施形態においては、その物体の基材の表面は、PETを具備する。これらの実施形態において、そのガスバリア層は、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーを具備する。いくつかの実施形態においては、そのビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、EVOHである。いくつかの実施形態においては、EVOHは、約75wt%から約95wt%のエチレン量を有する。他の実施形態においては、EVOHは、約65wt%から約85wt%のエチレン量を有する。他の実施形態においては、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、PVOHである。これらの実施形態のいくつかにおいては、接着剤(adhesion agent)は、アプリケーションの前、または、キュアの前にその化合物に加えられる。いくつかの好ましい実施形態においては、ガスバリア層は、EVOH、または、PVOH,、または、それらのブレンド、および、ポリエチレンイミンのような、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する。そのガスバリア層のトップ上においては、他のコーティング層が配置されている。いくつかの実施形態においては、コーティング層は、耐水性コーティング層である。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーを具備する。いくつかのケースにおいては、ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、または、それらのコポリマーである。他の実施形態においては、そのトップの耐水性コーティング層は、EAAのような、アクリル系のポリマーまたはコポリマーを具備する。加えて、これらの実施形態のいくつかは、ポリエチレンイミンを含む1以上の層を具備する。一の特定な実施形態においては、インナー層は、過剰なポリエチレンイミンを具備する。いくつかのケースにおいては、CO2が過剰なポリエチレンイミンを具備する層に到達し、塩が、形成され、PEIを具備する層と同様に、その物体の基材全体のもののガスバリア特性において、付加的に補助する。
【0200】
他の実施形態においては、そのガスバリア層は、EVOHおよびPVOHのような、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーのブレンドを具備する。いくつかの実施形態においては、そのブレンドは、EVOHおよびPVOHのブレンドの全重量を基準にして約5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,および,95wt%のEVOHを具備する。これらの実施形態のいくつかにおいては、付加的な耐水性コーティング層は、それらの上にコートされる。これらの実施形態において、その耐水性コーティング層は、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーを具備する。いくつかのケースにおいては、ポリオレフィンポリマー、または、コポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、または、それらのコポリマーである。他の実施形態においては、耐水性コーティング層は、EAAを具備する。
【0201】
いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーと、ポリヒドロキシアンモエーテル(polyhydroxyammoether)のようなフェノキシタイプ熱可塑性物質とのブレンドを具備する。これらの実施形態において、そのビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、PVOHである。他の実施形態においては、そのビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、EVOHである。いくつかの実施形態においては、そのブレンドは、約5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,および,約95wt%のポリヒドロキシアミノエーテルを具備する。耐水性コーティング層は、そのガスバリア層上のトップの層としてコートされる。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーを具備する。いくつかの実施形態においては、そのポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、または、それらのコポリマーを具備する。他の実施形態においては、その耐水性コーティング層は、EAAを具備する。
【0202】
いくつかの実施形態は、EVOHと、他の熱可塑性反応性材料とのブレンドを具備する。いくつかの実施形態においては、EVOHは、PHAEのような、エポキシベースの熱可塑性プラスチック材料とブレンドされる。他の実施形態においては、EVOHは、ポリエステル高分子材料とブレンドされる。他の実施形態においては、EVOHは、いくつかのケースにおいてポリウレタンである熱可塑性プラスチックをベースとしたポリマーエーテルとブレンドされる。
【0203】
いくつかの物体は、表面を具備し、そこでは、その表面は、PLAを具備する。これらの実施形態のいくつかにおいては、そのPLAを具備する物体は、生体分解性(biodegradable)である。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、そのPLA物体の基材表面上にコートされる。いくつかの実施形態においては、PP/PPMAブレンドは、そのPLA表面上に配置される。いくつかの実施形態においては、結合層は、PLA表面と、ガスバリア層、および/または、耐水性コーティング層との間に配置される。いくつかの実施形態においては、耐水性コーティング層は、そのガスバリア層、または、ポリオレフィンポリマー、または、コポリマーを具備する結合層上に配置される。これらの実施形態においては、そのガスバリア層は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する。他の実施形態においては、そのガスバリア層は、ポリヒドロキシアミノエーテルのような、フェノキシタイプ熱可塑性物質を具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーと、ポリヒドロキシアミノエーテルとのブレンドを具備する。ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーと、ポリヒドロキシアミノエーテルとのブレンドは、1以上のビニルアルコールと1以上のポリヒドロキシアミノエーテルとの全重量を基準にして、約5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,および,95%の1以上のビニルアルコールポリマー、または、コポリマーを具備する。実施形態においては、ガスバリア層は、ポリヒドロキシアミノエーテルとポリエチレンイミンとを具備する。
【0204】
他の実施形態においては、その基材がPLAで形成されたおり、ポリプロピレンとPPMAとのブレンドを具備する層は、その基材表面にコートされている。他の実施形態においては、ポリエチレンは、PLA表面においてコートされている。いくつかの実施形態においては、その基材がポリエステルのような熱可塑性プラスチック材料で形成されており、それは、そのいくつかのケースにおいてPETであり、ポリプロピレンとPPMAとのブレンドを具備する層は、その基材表面上にコートされている。いくつかの実施形態においては、ポリプロピレンとPPMAとのブレンドを具備する層は、1以上のビニルアルコールポリマー、または、EVOH、および/または、PVOHのようなコポリマーを具備するガスバリアコーティング材料で、コートされる。いくつかの実施形態においては、EVOHとPVOHとを具備する層は、EAAとPPとの1以上を具備する耐水性コーティング材料でコートされる。
【0205】
いくつかの実施形態においては、その物体の基材がポリエステルのような熱可塑性プラスチック材料で形成されるとき、EVOHを具備するガスバリア層は、第1のコーティング層を形成するように適用される。この層は、PPMA、または、PEMAのような、変性ポリオレフィンを具備する他のコーティング層に適用され、第1のインナーコーティング層を形成する。変性ポリオレフィンポリマー、または、コポリマー層のトップにおいては、EAA,EVA,PPから選択される1以上が配置される。いくつかの実施形態においては、そのトップの層は、ナイロンを具備する。先に述べた層の全ては、ここで示すようにディップ、スプレー、または、フローコーティング法による、水性の溶液、分散液、または、エマルジョンとして適用される。
【0206】
いくつかの実施形態においては、その物体の基材は、熱可塑性プラスチック材料で形成されている。いくつかの実施形態においては、ポリアミドフィルムは、その物体の基材の表面上に配置され、第1のポリアミドコーティング層を形成する。一実施形態においては、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備するガスバリア層は、第1のポリアミドコーティング層上に配置される。これらの実施形態のいくつかにおいては、付加的な耐水性コーティング層は、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーを具備する層の上に、配置される。他の実施形態においては、第2のポリアミド層は、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーを具備するガスバリア層上に配置される。付加的には、その第2のポリアミド層は、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーを具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層、そのポリアミド層、または、その耐水性コーティング層は、付加的に、過剰なポリエチレンイミンを具備する。これらの実施形態の全てにおいては、その層は、ここで示すように、ディップ、スプレー、または、フローコーティングによって水性の溶液、分散液、または、エマルジョンとして適用される。
【0207】
いくつかの実施形態においては、熱可塑性プラスチック材料を具備する物体の基材は、第1の結合層、ガスバリア層、第2の結合層、および、耐水性コーティング層でコートされる。これらの実施形態においては、その第1および第2の結合層は、一、または、ここで示すような接着材料を具備する。いくつかの実施形態においては、その第1および第2の結合層は、PPMAおよび、または、PPMA/PPブレンドを具備する。いくつかの実施形態においては、ワックスを具備する耐水性層は、1以上の結合層上に配置される。いくつかの実施形態においては、そのワックスは、カルナウバワックス、または、パラフィンのような天然ワックスである。他の実施形態においては、そのワックスは合成ワックスである。これらの実施形態のいくつかにおいては、そのガスバリア層は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する。他の実施形態においては、そのガスバリア層は、PHAEのようなフェノキシタイプ材料を具備する。他の実施形態においては、そのガスバリア層は、PHAEとEVOHとのブレンドを具備する。
【0208】
そのコーティングは、好ましくは、液体形状において適用される。その液体は、溶液、分散液、または、エマルジョン、または、溶融物である。いくつかの実施形態においては、その液体は、水であり、水ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンを形成する。一実施形態においては、その材料は、溶融物として適用される。その溶融物は、上記、および、他の部分にて示すように、1以上の材料を具備し、また、1以上の添加剤を具備するものであり、上記、および、他の部分にて示すように、機能性添加剤を含む。アプリケーションの間の溶融物の温度は、1以上の化合物の溶融温度に依存し、そして、また、粘度、添加剤、アプリケーションのモード、などのような他の特性の1以上に依存する。また、溶融温度と、その基材のTgとを考慮して、溶融コーティングのためにアプリケーション温度を選択する前に、コーティング材料を基礎とする。一実施形態においては、ホットメルト材料は、約120−150°Cに加熱され、ディップ、または、フローコーティング、または、スプレーコーティングによって、プリフォーム、または、容器に適用され、その後、冷却によってそのコーティングが固化される。溶融コーティングによる一の利点は、撥水性、または、コーティングの耐性のために、許容されて、基材、または、他のコーティング層を水へ曝露すること無しに適用される。ホットメルトディップ、または、フローコーティングにて一の好ましい材料は、ポリプロピレンのような、低分子量ポリエステルである。
【0209】
他の実施形態においては、水、および/または、水蒸気耐性材料は、溶融、または、水性、または、溶媒ベースの溶液、または、分散液の形成において適用され、好ましくは、低いVOCを示す。コーティング層への添加剤は、シリコンベースの潤滑油、ワックス、パラフィン、熱エンハンサー(thermal enhancer)、UV吸収剤(UV absorber)、および、接着促進剤を含む。アプリケーションは、好ましくは、ディップ、スプレー、または、フローコーティングによって、プリフォーム、または、容器のような物体上にもたらされ、その後、乾燥、および、キュアが好ましくは、IR、他の放射線、吹かれた空気、または、他の適切な手段で行われる。一実施形態においては、その物体の外側の表面は、食物および飲料のパッケージ分野における使用に適したものを含む、インクと顔料の使用など、所望なグラッフィックデザイン上に直接的にプリントするのに適している。
【0210】
その得られた容器は、コールドフィル(cold fill),ホットフィル(hot fill)および低温殺菌(pasteurization)プロセスにおける使用にとって適切である。他の実施形態において、ガスバリア特性が必要とされないところ、または、高い水蒸気バリアが重要だが層にとって望ましくないところでは、コーティング層は、高度なガスバリア材料のコーティングを適用する必要がないベース物体上に直接的に適用される。
【0211】
関連する実施形態においては、そのプリフォームの最終的なコーティングと乾燥とは、その溶液または分散液において、希釈またはサスペンド(suspended)されたパラフィンまたはワックス、スリップ剤(slipping agent)、ポリシラン(polysilane)、または、低分子量ポリエチレンを含む、そのプリフォームおよび完成された容器の表面に、スカッフ・レジスタンス(scuff resistance)を与えて、その容器の摩擦係数を減少する。
[D.コートされた物体の準備のための方法および装置]
【0212】
適したコーティング材料が選択されたときに、そのプリフォームは、2つの材料の間の接着を促進する方法において、好適にコートされる。下記の議論はプリフォームに関しているが、そのような議論は限定ではなく、ここに記載された方法および装置は、容器および他の物体にも適用され、あるいは採用される。一般的に、コーティング材料とプリフォーム基材の間の接着は、プリフォームの表面温度の増加に伴って、増強する。このため、好ましいコーティング材料は、室温でプリフォームに接着するが、加熱されたプリフォームにコートすることが好ましい。
【0213】
一般的なプラスチック、および、特定的なPETプリフォームは、静電気を有しており、その結果、プリフォームが、ダストを引き付けて、すぐに汚れてしまう。好ましい実施形態においては、プリフォームは、射出成形装置から直接的に取り出され、まだ温かい間を含むように、コートされる。プリフォームが射出成形装置から取り出された後、すぐに、コートされることによって、ダストの問題が避けられるだけでなく、温かいプリフォームがコーティング形成工程を強化すると考えられる。しかしながら、その方法は、また、コーティングの前に貯蔵されるプリフォームのコーティングを可能にする。好ましくは、クリーニングが不要であるが、そのプリフォームは、実質的に、クリーンである。
【0214】
好ましい実施形態においては、自動化されたシステムが用いられる。好ましい方法は、プリフォームのシステムへのエントリー、プリフォームのディップ、スプレー、または、フローコーティング、任意の余剰な材料の除去、乾燥/キュア、冷却、システムからのエジェクション、を包む。そのシステムは、また、任意に、リサイクルステップを含む。一実施形態においては、その装置は、単一の一体化した工程ラインであって、2以上のディップ、フロー、または、スプレーコーティングユニット、および、2以上のキュアリング(curing)/乾燥ユニットを含み、多層コーティングでプリフォームを製造する。他の実施形態においては、そのシステムは、1以上のコーティングモジュールを具備する。各コーティングモジュールは、1以上のディップ、フロー、または、スプレーコーティングユニット、および、1以上の キュアリング/乾燥ユニットを伴う内蔵型工程ラインを具備する。モジュールの構成に応じて、プリフォームは、1以上のコーティングを受ける。たとえば、一の構成は、3つのコーティングモジュールを具備し、そこでは、そのプリフォームは、一のモジュールから次へと移動され、別の構成においては、同様な3つのモジュールが、所定の位置にあるが、プリフォームが第2をスキップして第1から第3のモジュールへ移動される。この異なるモジュール構成の間においてスイッチする能力は、柔軟性(flexibility)を許容する。さらに好適な実施形態においては、そのモジュラー、または、その一体化されたシステムのいずれもが、プリフォーム射出成形マシン、および/または、ブロー成形マシンへ直接的に接続される。射出成形マシンは、本発明における使用のために、プリフォームを製造する。
【0215】
以下には、完全に自動化されたコーティングシステムの好ましい実施形態を示している。このシステムは、好ましい材料に関して示されているが、当業者によって理解されるように、特定のパラメータが、その使用される材料、および、所望な最終製品のプリフォームの特定な物理的な構造に依存して変えられる。この方法は、24グラムがコートされたプリフォームの製造に関して示されており、全体で約0.05から約0.75グラムの、そこに堆積されたコーティング材料を有し、約0.07,0.09,0.10,0.15,0.20,0.25,0.30,0.35,0.40,0.45,0.50,0.55,0.60,0.65,および、0.70グラムを含む。以下に示す方法においては、コーティング溶液/分散液は、好ましくは、適切な温度および粘度で、コーティング層について、約0.07,0.08,0.09,0.1,0.11,0.12,0.13,0.14,0.15,0.16.0.17,0.18,および,0.19グラムを含む、約0.06から約0.20グラムのコーティング材料を24グラムのプリフォーム上に、堆積する。サイズの異なる物体に対する好ましい堆積量は、24グラムのプリフォームと比較したときの表面積の増加、または、減少に応じて見積られる。したがって、24グラムプロフォーム以外の物体は、上記の範囲外となってもよい。さらに、いくつかの実施形態においては、単一の層、または、上記の範囲外となる24グラムプリフォーム上の総コーティング量を、有することが好適である。
【0216】
いくつかの特定な実施形態においては、ここで示される方法は、ガスバリア層と耐水性コーティング層とを具備する、塗布された物体を形成するために使用される。ガスバリア組成物を具備する水性の溶液、エマルジョン、または、分散液は、物体に適用される。いくつかの好ましい実施形態においては、そのガスバリア組成物は、EVOH,PVOH,および,ポリヒドロキシアミノエーテルの1以上を具備する。いくつかの特定な実施形態においては、ガスバリア組成物は、EVOHとポリヒドロキシアミノエーテルとの混合物を具備する。これらの実施形態のいくつかにおいては、その組成物は、EVOHとポリヒドロキシアミノエーテルとの全重量を基準にして、約20から約80wt%のEVOHと、約20から約80wt%のポリヒドロキシアミノエーテルとを具備する。付加的には、そのガスバリア組成物は、そのガスバリア層を介したガスの透過性を更に減少させるポリエチレンイミンを具備する。その層が、その物体の基材上に配置された後には、乾燥されて、第1のコーティング層を形成する。この層には、ガスバリア層、耐水性層、または、結合層の1以上が堆積される。いくつかの実施形態においては、結合層は、そのガスバリア層のアプリケーションの前にその基材へ適用されるか、または、そのガスバリア層のトップへ適用される。結合層は、1以上のPPMAを具備し、PEMAは、そのガスバリア層に適用される。PEMAおよびPPMAは、また、乾燥の前に、そのガスバリア層に直接的に加えられる。そのインナー層が、部分的に、または、完全に乾燥された後に、耐水性コーティング材料を具備する1以上の耐水性コーティング層は、水性の溶液、分散液、または、エマルジョンとして適用されて形成される。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング材料は、ワックスである。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング材料は、PE、または、PPのようなポリオレフィンである。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング材料は、EAAである。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング材料は、EAA/PPブレンドを具備し、ここでは、そのブレンドは、そのブレンドの全重量を基準にして、約5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,および、95wt%のEAAを具備する。耐水性コーティング層は、乾燥され、耐水性コーティング層を形成する。
【0217】
たとえば、ここで示す方法のいくつかの実施形態においては、24グラムのプリフォームは、その上に堆積された全体が約0.05から約0.75グラムのコーティング材料を有し、約0.07,0.09,0.10,0.15,0.20,0.25,0.30,0.35,0.40,0.45,0.50,0.55,0.60,0.65,および,0.70グラムを含む。以下に示す方法においては、水性の溶液、分散液、または、エマルジョンコーティングは、好ましくは、適切な温度および粘度でなされ、ガスバリアコーティング層について約0.06から約0.20グラムのガスバリア材料を、24グラムのプリフォーム上に堆積し、また、24グラムのプリフォーム上において、コーティング層について、約0.07,0.08,0.09,0.1,0.11,0.12,0.13,0.14,0.15,0.16.0.17,0.18,および、0.19グラムを含む。このガスバリアコーティング層は、EVOH,PVOH,および、ポリヒドロキシアミノエーテルの1以上を具備する。その材料は、また、PEIを含む。以下に示す方法においては、その水性の溶液、分散液、または、エマルジョンコーティングは、好ましくは、適切な温度および粘度でなされ、耐水性コーティング層について約0.06から約0.20グラムの耐水性コーティング材料を24グラムのプリフォーム上に堆積し、また、24グラムのプリフォーム上においてコーティング層について約0.07,0.08,0.09,0.1,0.11,0.12,0.13,0.14,0.15,0.16.0.17,0.18,および、0.19グラムを含む。この耐水性コーティング層は、ワックス、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、およびEAAの1以上を具備できる。加えて、結合層は、ガスバリアコーティング層と耐水性コーティング層との間に配置される。好ましくは、水性の溶液、分散液、または、エマルジョンは、結合層について約0.01から約0.15グラムの接着材料を24グラムのプリフォーム上に堆積するために使用される。サイズが異なる物体にて好適な堆積量は、24グラムのプリフォームと比較して、表面の面積の増加または減少に従って見積もられる。したがって、24グラムのプリフォーム以外の物体は、上記の範囲外にしてもよい。さらに、いくつかの実施形態においては、単一の層、または、24グラムのプリフォーム上において、上記の範囲外であるトータルのコーティング量を有していても好適である。
【0218】
その装置および方法は、また、他の同様なサイズのプリフォームおよび容器に使用され、または、以下にて当業者において明白となるように、他のサイズの物体に適応する。現在、好ましいコーティング材料は、TPEを含み、好ましくは、フェノキシタイプの樹脂、より好ましくは、上述のBLOX樹脂を含むPHAEを含む。これらの材料および方法は、例示のみによって与えられ、いずれの方法においても発明の範囲を限定するものではない
[1.システム中へのエントリー(ENTRY)]
【0219】
プリフォームは、最初に、そのシステム中へ移動される。一の好ましい方法の利点は、当業者によって通常使用されるもののような、通常のプリフォームが、使用されることである。たとえば、16オンスのボトルを形成するために、一般に使用されるタイプの24グラムの単層プリフォームは、そのシステム中へエントリーする前に、変質されることなく、使用される。一実施形態においては、そのシステムは、温かいプリフォームを、システムへ与えるプリフォーム射出成形マシン(injection molding machine)へ直接的に接続される。他の実施形態においては、保管されたプリフォームが、付加的な処理のために、プリフォームを装置へ搭載(load)するものを含むシステムへ、当業者が公知の方法によって、加えられる。好ましくは、その保管されたプリフォームは、そのシステムへエントリーする前に、約120°Fを含む、約100°Fから約130°Fへ予め温められる。その保管されたプリフォームは、好ましくは、クリーン(clean)であるが、クリーニング(cleaning)は、必要ではない。PETプリフォームが、好ましいが、他のプリフォームおよび容器の基材は、使用可能である。他の適切な物体の基材は、限定されないが、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンを含むポリオレフィン、ポリカーボネート、ナイロンを含むポリアミド、または、アクリルのような、さまざまなポリマーを含む。
[2.ディップ、スプレー、または、フローコーティング]
【0220】
適したコーティング材料が選択されたとき、それは、調製され、ディップ、スプレーあるいはフローコーティングのいずれかに使用される。その材料の調整は、本質的に、ディップ、スプレーおよびフローコーティングにて、同様である。そのコーティング材料は、1以上の溶媒から形成された溶液/分散物を具備する。そのコーティング材料は、コーティング材料の樹脂が、溶解、および/または、懸濁された、1以上の溶媒から形成された溶液/分散液を具備する。
【0221】
コーティング溶液/分散液の温度は、溶液/分散液の粘度に、ドラスチック(drastic)な効果を有する。温度の増加に伴い、粘度は、減少し、そして、その逆も成立する。加えて、粘度が増加すると、材料の堆積物(deposition)の割合が、また、増加する。それゆえ、温度は、堆積物をコントロールするメカニズムとして使用される。一実施形態においては、フローコーティングを用いて、溶液/分散液の温度は、そのコーティング材料のキュアを最小にするのに十分に冷却するが、適切な粘度を保持するのに十分に温かい範囲に、保持される。一実施形態においては、その温度は、約60°F−80°Fであり、約70°Fを含む。いくつかのケースにおいては、スプレー、または、フローコーティングにおいて使用するのに十分な粘土である溶液/分散液は、ディップコーティングにおいて使用される。同様に、そのコーティング材料は、スプレーコーティングにおいて、昇温された温度で時間を消費しないので、キュアの問題のためにディップ、または、フローコーティングにて推奨されるよりも高い温度が、スプレーコーティングにおいては、利用される。いかなるケースにおいても、溶液、または、分散液は、アプリケーションにとって適切な特性を示す、いかなる温度にて使用される。好ましい実施形態においては、温度コントロールシステムは、アプリケーションプロセスの間に、コーティング溶液/分散液の一定な温度を確保するために使用される。特定の実施形態においては、粘度が増加するに伴い、水の添加が、溶液/分散物の粘度を減少させる。他の実施形態は、また、水含有量モニター、および/または、粘度モニターを含み、それは、粘度が、望ましい範囲を外れたときに信号を出し、および/または、水あるいは他の溶媒を自動的に添加して望ましい範囲の粘度を達成する。
【0222】
好ましい実施形態においては、その溶液/分散液は、適切な温度と粘度であって、24グラムのプリフォーム上にコート当たりで約0.06から約0.2グラムを堆積し、また、24グラムプリフォーム上にコーティング層当たりで約0.07,0.08,0.09,0.1,0.11,0.12,0.13,0.14,0.15,0.16.0.17,0.18,および、0.19グラムを含む。さまざまなサイズの物体のために好ましい堆積量は、24グラムのプリフォームと比較して表面のエリアにおいて増加、または、減少することに応じて見積もられる。したがって、24グラムのプリフォーム以外の物体は、上記に示した範囲以外になるかもしれない。それゆえ、いくつかの実施形態においては、24グラムのプリフォーム上に上記の範囲外である単層を有することが好ましい。
【0223】
一実施形態において、ディップ、スプレー、または、フローコーティングから製造された、コートされたプリフォームは、図3において示すようなタイプである。コーティング22は、プリフォームのボディ部(body portion)4上に配置され、そして、ネック部(neck portion)2をコートしない。そのコートされたプリフォーム16の内部は、好ましくは、コートされない。好ましい実施形態においては、これは、拡張可能なコレット(expandable collet)を具備するホールディング機構(holding mechanism)、または、プリフォームのネック部の外側に周囲にあるハウジング(housing)に結合されたプリフォーム中へ挿入されるグリップ機構(grip mechanism)の使用を介して、完成される。そのコレットは、拡張され、それによって、そのコレットと、そのハウジングとの間の位置に、そのプリフォームを保持する。そのハウジングは、ネジ山を含む、そのネックの外側を覆い、それによって、ネック部と共にプリフォームの内側をコーティングから保護する。
【0224】
好ましい実施形態においては、ディップ、スプレー、または、フローコーティングから製造された、コートされたプリフォームは、実質的に層間の区別なしに最終製品を製造する。さらに、 ディップおよびフローコーティングの手順では、プリフォーム上に堆積された、コーティング材料の量が、連続する各層と共に、わずかに減少することが見出されている。
[A.ディップコーティング]
【0225】
好適な実施形態において、そのコーティングは、ディップコーティングプロセスを介して適用される。そのプリフォームは、タンク(tank)、または、そのコーティング材料を収容する他の適切な容器中へディップされる。そのコーティング材料へのプリフォームの浸漬(dipping)は、保持するラック(rack)、または、そのようなものの使用によって手動で実施され、または、それは、完全に自動化されたプロセスによって実施される。好適な実施形態においては、そのプリフォームは、そのコーティング材料中へディップされる間、回転する。そのプリフォームは、好ましくは、約30−80RPMのスピードで、より好ましくは、約40RPMで回転し、また、50、60、および、70RPMを含む。これは、プリフォームの完全なコーティングを許容する。他のスピードは、好ましくは、遠心分離によるコーティング材料のロス(loss)をもたらす程に高くならないように、使用される。
【0226】
プリフォームは、好ましくは、プリフォームの完全な被覆(coverage)を許容するために十分な時間の期間、ディップされる。一般的には、これは、約0.25から約5秒の範囲であるが、この範囲より上および下も、また、含む。理論に束縛されることを望むことなしに、長い滞在時間は、加えられたコーティングの利益を与えない。
【0227】
浸漬(dipping)時間と、スピードを決定するのに、コーティング材料の不透明性が、また、考慮される。もしスピードが速すぎると、コーティング材料は、波打ち、そして、飛び跳ねて、コーティングの欠損を引き起こす。他の考慮は、多くのコーティング材料溶液、または、分散物が、コーティングプロセスを妨げる、泡(foam)、および/または、気泡(bubble)を形成することである。この妨げ(interference)を避けるために、浸漬速度は、好ましくは、コーティング材料の余剰な撹拌を避けるように選択される。必要であれば、消泡/気泡(anti−foam/bubble)剤が、コーティング溶液/分散物に添加される。
[B.スプレーコーティング]
【0228】
好適な実施形態において、そのコーティングは、スプレーコーティングプロセスを介して適用される。そのプリフォームは、タンク、または、そのコーティング材料を収容する他の適切な容器と流体で接続された、コーティング材料でスプレーされる。そのコーティング材料でのそのプリフォームのスプレーは、保持するラック、または、そのようなものの使用で手動で実施され、または、それは、完全に自動化されたプロセスによって実施される。好適な実施形態においては、そのプリフォームは、そのコーティング材料でスプレーされる間、回転する。そのプリフォームは、好ましくは、約30−80RPM、より好ましくは、約40RPMのスピードで回転するが、また、約50,60,および,70RPMを含む。好ましくは、そのプリフォームは、コーティングスプレーを介して処理する間、少なくとも、約360°回転する。これは、そのプリフォームのコーティングを許容する。プリフォームは、しかしながら、スプレーが、そのプリフォームに方向付ける間、静止を保つ。
【0229】
そのプリフォームは、好ましくは、プリフォームの完全な被覆(coverage)を許容するために十分な時間の期間、スプレーされる。プリフォームは、好ましくはプリフォームの完全なコーティングを可能にするのに十分な時間の間スプレーされる。スプレーに必要とされる時間の長さは、スプレー速度(単位時間あたりのスプレーの堆積)、スプレーにより取り囲まれる領域などを含む、いくつかの要因に依存する。
【0230】
そのコーティング材料は、タンク、または、生産ラインとの流体での伝達にて適切な他の容器に収容される。好ましくは、クローズされたシステムは、未使用なコーティング材料がリサイクルされるところで使用される。一実施形態においては、これは、そのコーティング材料タンクとの流体での伝達をする、コーティング材料コレクターにおいて、未使用なコーティング材料を収集することによって、実現される。多くのコーティング材料溶液、または、分散液は、コーティングプロセスを妨げる、泡(foam)、および/または、気泡(bubble)を形成する。この妨げを避けるために、コーティング材料は、好ましくは、タンクの底、または、中間から取り出される。付加的には、それは、泡(foam)、および/または、気泡(bubble)をさらに減少するために、コーティングタンクへ戻る前にその材料のフローを減速するのに好適である。これは当業者に知られた手段によって、実施される。必要であれば、消泡/気泡剤が、コーティング溶液/分散物に添加される。
【0231】
スプレー時間、そして、ノズルの大きさ、および、形状などの関連するパラメータの決定において、コーティング材料の特性が、また、考慮される。もし、スピードが速すぎる、および/または、ノズルの大きさが正しくない場合には、コーティング材料は、飛び跳ねて、コーティングの欠損をもたらす。もし、スピードが遅すぎる、または、ノズルの大きさが正しくない場合、コーティング材料は、所望なものよりも、厚く塗布される。適切なスプレー装置は、Nordson社(ウエストレイク、オハイオ州)によって販売されているものを含む。他の考慮は、多くのコーティング材料溶液、または、分散物が、泡または気泡を生成し、コーティングプロセスを妨げることである。この妨げを避けるため、スプレー速度、使用されるノズル、および、流体結合(fluid connection)が、好ましくは、選択され、コーティング材料の過剰な撹拌を避ける。必要であれば、消泡/気泡剤が、コーティング溶液/分散物に添加される。
[C.フローコーティング]
【0232】
好ましい実施形態においては、そのコーティングは、フローコーティングプロセスを介して適用される。フローコーティングの目的は、フォーリングシャワーカーテン(falling shower curtain)、または、ウォーターフォール(waterfall)に類似する、材料のシートを与えることであり、そのプリフォームは、完全なコーティングのために通過する。有利には、フローコーティングの好適な方法は、そのコーティング材料において、プリフォームの滞留時間(residence time)の短縮を許容する。そのプリフォームは、プリフォームの表面にコートするのに十分な時間の間、シートを通過することのみを必要とする。理論に束縛されることを望むことなく、長い滞在時間は、加えられたコーティングの利益を、もたらさない。
【0233】
均一なコーティングを与えるために、そのプリフォームは、コーティング材料のシートを介して進行する間、好ましくは、回転する。そのプリフォームは、好ましくは、約30−80RPM、より好ましくは、約40RPM、しかし、また、50,60,および、70RPMを含むスピードで回転する。好ましくは、そのプリフォームは、コーティング材料のシートを介して処理する間に、少なくとも、約2回の完全な回転、または、720°回転する。一の好適な実施形態においては、そのプリフォームは、回転し、そして、そのコーティング材料シートを介して進行する間の角度で配置される。そのプリフォームの角度は、好ましくは、そのコーティング材料シートの面に対して鋭角である。これは、有利には、ネック部、または、プリフォームの内側をコートすること無く、プリフォームの完全なコーティングを許容する。他の好適な実施形態においては、図16に示すように、そのプリフォーム1は、そのコーティング材料シートを介して進行する間、そのフロアに対して、垂直(vertical)、または、直立(perpendicular)である。コーティング材料のシートがプリフォームと接触するとき、シートは、接触の初期の位置からプリフォームの壁をクリープ・アップ(Creep up)する傾向であることが見出された。当業者は、フロー速度、コーティング材料の粘度、および、プリフォームに対する相対的なコーティングシート材料の物理的位置取りなどのパラメータを調節することで、クリープ効果(creep effect)を制御することができる。たとえば、フローが増加するとき、そのクリープ効果も増加して、そのコーティング材料に、所望なものを超えて、コートする。他の例として、そのコーティング材料シートと比べて、そのプリフォームの角度を減少することによって、そのコーティング厚は、重力によってプリフォームの底部へ移動または置換された材料の量を、その角度調整が減少するように、中心、または、プリフォームのボディで、より材料を保持して調整される。このクリープ効果を処理する能力は、有利には、ネック部あるいはプリフォームの内側をコーティングすることなく、プリフォームの完全なコーティングを可能にする。
【0234】
そのコーティング材料は、タンク、または、閉鎖された(closed)システムにおける生産ラインでの流体伝達において適切な他の容器にて、収容される。未使用なコーティング材料をリサイクルすることが好適である。一実施形態においては、これは、そのコーティング材料タンクでの流体の伝達におけるコーティング材料コレクターにおいて、落水する流体の流れを収集することによって実現される。多くのコーティング材料の溶液、または、分散液は、泡(foam)、および/または、気泡(bubble)を形成し、コーティングプロセスでの妨げになる。この妨げを避けるために、そのコーティング材料は、好ましくは、タンクの底部または中間部から除去される。付加的には、それは、泡、および/または、気泡を更に減少するために、コーティングタンクへ戻る前に、材料フローを減速することが好適である。これは、当業者において知られた手段によって実施可能である。必要であれば、消泡/気泡剤(anti−foam/bubble agent)がコーティング溶液/分散液へ加えられる。
【0235】
コーティング材料の適切(proper)なフロー速度の選択においては、いくつかの変数が考慮され、コーティング材料の粘度を含む適切なシート化、フロー速度、プリフォームの長さ、および、直径を提供する。
【0236】
フロー速度は、材料のシートの正確性(accuracy)を決定する。もしフロー速度が速すぎ、あるいは、遅すぎると、材料は、プリフォームを正確にコートしない。フロー速度が速すぎると、材料が、飛び散り、製造ラインに無理を強いるかもしれず、それは、プリフォームの不完全なコーティング、コーティング材料のむだ使い、および、増加した泡および/または気泡の問題をもたらす。もしフロー速度が遅すぎたら、コーティング材料は、プリフォームを部分的にコートするだけかもしれない。
【0237】
コートされるプリフォームの長さ、および直径は、また、フロー速度を選択する際に考慮されるべきである。材料のシートは、プリフォーム全体を完全にコートするべきであり、それゆえに、プリフォームの長さや直径が変わったときに、フロー速度調整が必要とされる。
【0238】
他の考慮すべき要因は、ライン上におけるプリフォームの間隔(spacing)である。プリフォームが材料のシートを通過して進むとき、いわゆるウェイク(wake)効果が観察される。もし、次のプリフォームが先のプリフォームの通った位置においてシートを通過すると、それは、適切なコーティングがなされない。それゆえ、プリフォームのスピードとセンターラインをモニターすることが重要である。プリフォームのスピードは、使用される特定の装備の処理量に依存する。
[3.過剰な材料の除去]
【0239】
有利には、好適な方法は、事実上プリフォーム上の全てのコーティングが利用されるように、十分な堆積を与える(すなわち、事実上、除去すべき余剰な材料がない)。しかしながら、ディップ、スプレーあるいはフロー法によって、プリフォームにコーティングされた後、余剰なコーティング材料を除去することが必要な状況がある。好ましくは、回転速度と重力とは、共に、プリフォーム上のシートを標準化(normalize)して余剰な材料を除去するように作用する。好ましくは、プリフォームは約5〜約15秒間、さらに好ましくは約10秒間、標準化される。コーティングの後にプリフォームがタンクの上を通過することを可能にするように、コーティング材料を保持するタンクが配置されていれば、プリフォームの回転と重力は、プリフォームからコーティング材料タンクへと余剰な材料が戻って、滴下することをもたらす。これは、付加的な努力なしに、余剰な材料がリサイクルされるのを可能にする。もし、余剰な材料がタンクに戻って滴下しないような状況に、タンクがあるのであれば、コーティングタンクまたはバットとの流体伝達において、コーティング材料コレクタあるいはリザーバなどのように、余剰な材料を捕らえて、再利用のために戻す、他の適した手段が、採用される。
【0240】
製造環境、あるいは、不適切であることに起因して、上記の方法が非実用的である場合、当業者に知られた、さまざまな方法、および、ドリップリムーバ(drip remover)88などの装置が、余剰な材料の除去のために用いらる。たとえば、適切なドリップリムーバは、以下に示す、ワイパー、ブラシ、スポンジローラー、エアナイフ、あるいは、エアフロー空気の気流(air flow)の1以上のを含み、それは、単独あるいは互いに組み合わせて用いられる。さらに、これらの方法のいずれも、上述の回転および重力の方法と組み合わせてよい。好ましくは、これらの方法で除去された余剰な材料は、さらなる使用のためにリサイクルされる。
[4.乾燥およびキュアリング(Curing)]
【0241】
プリフォーム1がコートされ、余剰な材料が除去された後、そのコートされたプリフォームは、それから、乾燥されて、キュアされる。その乾燥およびキュアリングプロセスは、好ましくは、赤外線(infrared)(IR)ヒーティングによって実施される。そのようなヒーティングは、PCT/US2005/024726において「Coating Process and Apparatus for Forming Coated Articles」と表題が付され、現在、WO 2006/010141 A2として発行されているものにおいて示されており、言及によって組み込まれている。一実施形態においては、1000Wクオーツ(quartz)IRランプ200が、供給源として使用されている。好ましい供給源は、ゼネラルエレクトリックQ1500 T3/CLクオーツライン タングステン−ハロゲンランプである。この特定の供給源および等価な供給源は、ゼネラルエレクトリックおよびフィリップスを含む、いくつかの供給源から商業的に購入できる。その供給源は、全容量で用いてもよく、あるいは、約50%、約60%、約75%など、部分的な容量で用いられてもよい。好ましい実施形態は、1個のランプまたは多数個のランプの組み合わせを使用してよい。例えば、6個のIRランプが70%の容量で使用されてよい。
【0242】
好ましい実施形態は、また、プリフォームに対する物理的な配向が調節できるランプを使用する。ランプ位置は、プリフォームに近づく、あるいは、遠ざかる位置に、調節される。たとえば、多数個のランプを有する一実施形態においては、プリフォームの底部の下方に配置されていた、1以上のランプを、プリフォームに近づけて動かすことが好適である。これは、好都合に、プリフォームの底部の完全なキュアリングを可能にする。調節可能なランプを有する実施形態は、また、種々の幅のプリフォームで使用される。たとえば、プレフォームが頂部において底部より幅が広い場合には、キュアリングをいっそう確実にするために、ランプは、プリフォームの底部において、プリフォームに、より近づければよい。そのランプは、好ましくは、コーティングの全表面に相対的に均一な照明を提供するように配向されている。
【0243】
他の実施形態では、リフレクタは、IRランプと組み合わされて使用され、完全なキュアリングをもたらす。好ましい実施形態では、ランプは、工程ラインの一方のサイドに配置されるが、1以上のリフレクタが工程ラインの反対側あるいは下方に配置される。これは、好都合に、ランプの出力をプリフォーム上に反射して戻し、より完全なキュアリングを可能にする。より好ましくは、付加的なリフレクタは、プリフォームの下方に配置され、そのランプからの熱を、プリフォームの底部の上方へ反射する。これは、好都合に、プリフォームの底部の完全なキュアリングを可能にする。他の好ましい実施形態では、様々なリフレクタの組み合わせは、物体、および、使用されるIRランプの特性に応じて用いられる。より好ましくは、リフレクタは、上述の調節可能な赤外ランプとの組み合わせで用いられる。
【0244】
加えて、赤外線ヒーティングの使用は、PET基材を余剰に加熱することなく、熱可塑性エポキシ(例えば、PHAE)コーティングが乾燥するのを可能にし、ブロー成形前のプリフォームの加熱の間に使用でき、それゆえに、エネルギー効率がよい装置に役立つ。また、IRヒーティングの使用は、ブラッシングを減らし、化学耐性を向上させることが見出された。
【0245】
この工程は、付加的な空気無しに、実施できるが、IRヒーティングは、強制された空気と組み合わされることが好ましい。その使用される空気は、熱くても、冷たくても、あるいは周囲のものでもよい。IRと空気のキュアリングの組み合わせは、好ましい実施形態の優れた化学的、ブラシ、および、スカフ耐性という独特の特性をもたらす。さらに、理論に束縛されることを望むことなしに、コーティングの化学耐性は、架橋とキュアリングの機能であると思われる。キュアリングがより完全なほど、化学耐性がより大きい。
【0246】
コーティングを完全に乾燥およびキュアリングさせるために必要な時間の長さを決定するには、コーティング材料、堆積の厚み、および、基材の材料などのいくつかの要因が、考慮される。異なるコーティング材料は、他よりも、早く、あるいは、遅くキュアする。付加的には、固形分の度合いが、高くなるに伴い、キュア速度は、減少する。一般的には、約0.05〜約0.75グラムのコーティング材料が形成された24グラムのプリフォームの赤外線キュアリングに対して、そのキュアリング時間は、約5〜60秒であるが、この範囲よりも長い、および、短い時間も使用してよい。いくつかの実施形態においては、その物体は、長い期間の時間による低強度のIRキュアによってキュアされる。いくつかの実施形態においては、低強度のIRキュアは、その物体の完全な架橋を可能にする。他の実施形態においては、その物体は、低強度のIRキュアで必要とされるものよりも短い期間の時間で、高強度のIRキュアによってキュアされる。いくつかの実施形態においては、材料、または、層のより低い堆積重量は、低強度のIRキュアと組み合わされてキュアされる。いくつかの実施形態においては、そのキュアされた、材料、または、層(その層を形成するのに使用される一以上の材料がある場合)の堆積重量は、24グラムのプリフォーム上において、約0.01から約0.75gである。他の実施形態においては、そのキュアされた、材料、または、層の堆積重量は、24グラムのプリフォーム上において、約0.1から約0.5グラムである。他の実施形態においては、その堆積重量は、0.6グラム未満であり、材料、または、層の約0.55,0.5,0.45,0.4,0.35,0.3,0.25,0.2,0.15、または、約0.1グラムを含む。
【0247】
考慮すべき他の要因は、プリフォームの表面温度であり、それは、基材およびコーティング材料のガラス転移温度(Tg)に関連するからである。好ましくは、コーティングの表面温度は、乾燥/キュアリングプロセスにおいて、基材のTgを超えて基材を加熱することなく、そのコーティング材料のTgを超える。これは、基材を余計に加熱すること起因するプリフォーム形状の変形なしに、望ましい膜形成、および/または、架橋をもたらす。例えば、コーティング材料がプリフォームの基材材料よりも高いTgを有する場合、プリフォームの表面は、好ましくは、基材の温度が基材のTgまたはそれより下に保った間に、コーティングのTgを超えた温度に加熱される。このバランスを達成する乾燥/キュアリング工程を調節する1つの方法は、他の方法も使用してよいが、IRヒーティングと空気冷却を組み合わせることである。
【0248】
IRヒーティングに加えて空気を使用することの利点は、空気がプリフォームの表面温度を調節し、それによって、輻射熱の浸透の制御における柔軟性を可能にすることである。特定の実施形態が、より遅いキュアリング速度、または、より深いIRの浸透を必要とする場合、これは、空気単独で、IRユニットに留まる時間、あるいは、IRランプの周波数で制御可能である。これらは、単独であるいは組み合わせて使用できる。
【0249】
好ましくは、プリフォームは、IRヒーターを介して進行する間に、回転する。そのプリフォームは、好ましくは、約30〜80RPMの速度で回転し、より好ましくは、約40RPMである。回転速度が速すぎると、コーティングは、飛び散って、プリフォームの不均一なコーティングの原因となる。回転速度が遅すぎると、プリフォームは、不均一に乾燥する。より好ましくは、プリフォームは、IRヒーターを介して進行する間に、少なくとも約360°回転する。これは、好都合に、完全なキュアリングおよび乾燥を可能にする。
【0250】
他の好ましい実施形態では、IRヒーティングまたはその他の方法の代わりに、電子ビーム加工(Electron Beam Processing)が採用される。電子ビーム加工(EBP)は、主に、その大きなサイズと高いコストに起因して、射出成形されたプリフォームおよび容器に用いられ、これに関連したポリマーのキュアリングのために用いられてはこなかった。しかし、この技術における最近の進歩は、より小さくて、安価な装置になることが期待されている。EBP加速器は、そのエネルギーとパワーによって、特徴的に示される。例えば、食品の膜のコーティングのキュアリングおよび架橋に対して、150〜500keVのエネルギーの加速器が、通常、使用される。
【0251】
EBPポリマー化は、分子のいくつかの個々のグループが、結合して、1つの大きなグループ(ポリマー)を形成するプロセスである。基材、または、コーティングが、高速に加速された電子に曝露されると、材料中の化学結合が、破壊して、新しい変性された分子構造が、形成される反応が起こる。このポリマー化は、生成物に重大な物理的変化を起こし、高い光沢と摩擦耐性などの望ましい特性をもたらす。EBPは、多くの材料において、ポリマー化プロセスを開始する、大変効率的な方法となる。
【0252】
EBPポリマー化と同様に、EBP架橋は、化学反応であり、処理される材料の物理特性を変化あるいは強化する。それは、化学結合(chemical bond)、または、結合(link)の内部結合のネットワークが、大きなポリマー鎖の間で発展し、より強い分子構造を形成する工程である。EBPは、熱的、化学的、バリア、衝撃、摩滅、および、安価な物品の熱可塑性物質の他の特性を改善させるために使用される。架橋可能なプラスチックのEBPは、改善された寸法安定性、低減された応力による亀裂、より高いセット温度、低減された溶媒および水の透過率、および、改善された熱機械的特性を有する材料を形成できる。
【0253】
高分子材料についてのイオン化反応の効果は、3つの方法の一において明示される:(1)自然に分子量が増加する(架橋)(crosslinking);(2)自然に分子量が減少する(切断)(scissioning);(3)放射耐性のあるポリマーの場合、分子量に重大な変化が観測されない。あるポリマーは、(1)と(2)の組み合わせを経験しうる。照射の間に、鎖の切断は、架橋と同時にかつ競争的に発生し、その最終結果は、これらの反応の収率の比によって決定される。各炭素原子にハロゲン原子を含むポリマーは、主に架橋を受け、一方で、4級の炭素原子を含むポリマー、および、−CX2−CX2−型(Xはハロゲン)のポリマーの場合は、鎖の切断が支配的である。芳香族のポリスチレンおよびポリカーボネートは、相対的に、EBPに耐性がある。
【0254】
ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride)、ポリプロピレン、および、PETに対して、両方向の変質が可能である。;ある条件は、それぞれの優勢のために存在する。架橋と切断の比は、全放射ドーズ量、ドーズ速度、酸素、安定剤、ラジカル捕捉体の存在、および/または構造上の結晶の力から導かれる妨害(hindrance)を含む、いくつかの要因による。
【0255】
架橋の全体の特性の効果は、特に共重合体と混合物において、矛盾して反対となりうる。例えば、EBPの後、HDPEのような高度に結晶化したポリマーは、結晶構造から導かれる特性である、張力に重大な変化を示さないかもしれないが、衝撃および応力亀裂耐性(impact and stress crack resistance)のような、アモルファス構造の挙動に関連した特性について、十分な改善を明示する。
【0256】
芳香族ポリアミド(ナイロン)は、イオン化放射(ionizing radiation)に対して、かなり反応性が高い。露光後、その芳香族ポリアミドの引張り強度(tensile strength)は、改善されないが、芳香族ポリアミドと線形脂肪族ポリアミドの混合物に対しては、実質的な長さの減少と共に、引張り強度の増加が導かれる。
【0257】
EBPは、プリフォームおよび容器に塗布されたTPEコーティングの、より正確で早いキュアリングのために、IRに代わって使用される。
【0258】
ディップ、スプレー、または、フローコーティングとともに用いられたときには、EBPは、IRキュアリングと比較して、より安いコスト、改善された速度、および/または、改善された架橋の制御を提供するポテンシャルがある。EBPは、また、溶解したポリマーに施された、代わりの化学、および、熱反応とは反対に、それがもたらす変化が、固相で発生するという点で有益である。
【0259】
他の好ましい実施形態では、ガスヒーター、UV放射(UV radiation)、および、フレーム(flame)は、IRまたはEBPキュアリングに加えて、あるいは、これに代えて、採用される。好ましくは、乾燥/キュアリングユニットは、未使用のコーティング材料の望まないキュアリングを避けるために、コーティング材料タンクおよび/またはフローコーティングシートから十分な距離であるいは分離されて配置される。
[5.冷却]
【0260】
そのプリフォームは、それから冷却される。冷却プロセスは、キュアリング工程と組み合わされ、強化された化学、ブラシ、スカフ耐性をもたらす。それは、1層のコーティングの後、あるいは、連続的なコーティングの間に、溶媒と揮発性物質の除去に起因すると考えられる。
【0261】
一実施形態においては、冷却プロセスは、周囲の温度で行われる。他の実施形態では、冷却プロセスは、強制された周囲の、あるいは、冷たい空気の使用により加速される。
【0262】
冷却プロセスの間には、いくつかの考慮すべき要因がある。プリフォームの表面温度は、プリフォーム基材、または、コーティングのTgのより低いTg方よりも低いことが好ましい。たとえば、あるコーティング材料は、プリフォーム基材材料よりも低いTgを持ち、この例では、プリフォームは、コーティングのTgより低い温度に冷却すべきである。プリフォーム基材が、より低いTgを持つ場合は、プリフォームは、プリフォーム基材のTgよりも、低く冷却すべきである。
【0263】
冷却時間は、また、プロセス中のどこで冷却が行われるかによって影響を受ける。好ましい実施形態では、多層のコーティングは、各プリフォームに塗布される。冷却ステップが、続いて行われるコーティングの前であるときは、冷却時間は、上昇されたプリフォームの温度がコーティングプロセスを強化すると思われるので、減少してもよい。その冷却時間は、変わるが、それらは、約0.05〜約0.75グラムのコーティング材料を有する24グラムのプリフォームに対して、一般的には、約5〜40秒である。
[6.システムからのイジェクション(Ejection)]
【0264】
一実施形態においては、プリフォームが冷却されたら、それは、システムから取り出されて、パッケージの準備がなされる。他の実施形態においては、プリフォームは、コーティングシステムから取り出され、さらなるプロセスのために、ブロー成形マシンへと送られる。さらに、他の実施形態では、そのコートされたプリフォームは、別のコーティングモジュールへと渡され、さらに、単数、または、複数のコートが形成される。このさらなるシステムは、さらなるコーティングモジュールまたはブロー成形装置に接続されてもよく、されなくてもよい。
[7.リサイクル]
【0265】
好都合なことに、上記の好適なプロセスによって形成され、または、その結果として得られたボトルは、容易に、リサイクルされる。現在のリサイクルプロセスを用いて、そのコーティングは、その回収されたPETから、容易に除去される。たとえば、ディップコーティングによって塗布され、IRヒーティングによってキュアされたポリヒドロキシアミノエーテル系のコーティングは、pH12の80℃の水溶液に曝されると、30秒で除去される。付加的には、4と等しいか、それより低いpHの水溶液は、コーティングを除去するために使用される。ポリヒドロキシアミノエーテルから形成された酸の塩におけるバリエーションは、コーティングの除去に必要とされる条件を変える。たとえば、ポリヒドロキシアミノエーテル樹脂の酢酸溶液から得られる酸の塩は、中性なpHの80℃の水溶液の使用で、除去される。代わりに、「Recycling of Articles Comprising Hydroxy−phenoxyether Polymers」と表題が付された米国特許番号6,528,546において記述されているリサイクル方法が、また、使用される。このアプリケーションにおいて開示された方法は、参照により、ここに組み込まれる。
【0266】
ここで述べた全ての特許と公報は、全てが参照によって以下に組み込まれている。ここで、さらに記載するものを除き、ここで示された、所定の実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および、技術は、いくつかの実施形態においては、米国特許番号6,109,006;6,808,820;6,528,546;6,312,641;6,391,408;6,352,426;6,676,883;米国特許出願番号09/745,013(公開番号2002−0100566);10/168,496(公開番号2003−0220036);09/844,820(2003−0031814);10/090,471(公開番号2003−0012904);10/395,899(公開番号2004−0013833);10/614,731(公開番号2004−0071885),11/108,342(公開番号2006−0065992),11/108,345(公開番号2006−0073294),11/108,607(公開番号2006−0073298)において示される、実施形態、特徴、、システム、デバイス、材料、方法、および、技術の1以上に類似しており、それらは、これによって、それらの全体における参照によって組み込まれる。加えて、実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および、ここで示した技術は、特定の実施形態において、適用され、または、実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および、上記の特許およびアプリケーションにおける技術の1以上に関連して使用される。
【0267】
上述した様々な方法や技術は、本発明を実施するための多数の方法を提供する。もちろん、ここに記載した、ある特定の実施の形態によっては、記載した、すべての目的や利点が必ずしも達成されるわけではないことがわかる。
【0268】
さらに、当業者ならば異なる実施の形態から様々な特徴の変形例を見つけることができる。同様に、上述した様々な特徴や工程は、この技術の方法を実施する当業者は、ここに記述された手法に従って、他の既知の特徴や工程の同等なものとともに、組み合わせ、適合させることができる。
【0269】
本発明は、所定の実施の形態および例の文脈において開示されているが、特に記載された実施の形態を超えて他の実施の形態とし、および/または、使用し、および、変形し、それに均等なものに広げた発明であると、当業者によって理解される。したがって、本発明は、ここでの好適な実施の形態で、特に開示されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0270】
【図1】図1は、好適な実施形態の開始材料として使用される、コートされていないプリフォームである。
【図2】図2は、コートされていない好適なプリフォームの断面図であり、好適な実施形態に基づいてコートされるタイプを示している。
【図3】図3は、コートされたプリフォームの好適な実施形態の断面図である。
【図4】図4は、コートされたプリフォームの壁部分の一部の拡大図である。
【図5】図5は、コートされたプリフォームの別の実施形態の断面図である。
【図6】図6は、本発明にて好適にコートされた容器を製造するために使用されるタイプのブロー成形装置のキャビティ内において、好ましいプリフォームの断面図である。
【図7】図7は、ブロー成形プロセスに従って準備された、コートされた容器である。
【図8】図8は、本発明に従う特徴を有する、コートされた容器について、好ましい一実施形態の断面図である。
【図9】図9は、3層の実施の形態のプリフォームである。
【図10】図10は、好適なプロセスについて示す、限定がないフロー図である。
【図11】図11は、非限定的な一実施形態のフロー図であり、ここでは、そのシステムが、単一のコーティング・ユニットを具備している。
【図12】図12は、好適なプロセスの非限定的なフロー図であり、ここでは、システムが、1つに一体化されたシステムにおいて、多数のコーティング・ユニットを具備する。
【図13】図13は、好適なプロセスの非限定的なフロー図であり、ここでは、システムは、モジュラー(modular)システム内において、多数のコーティング・ユニットを具備する。 図は、測って描いていない。
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、ここに全体を関連づけて一体化した、2005年4月18日に出願された仮出願60/672,321号、2005年7月29日に出願された仮出願60/695,023号、2005年10月14日に出願された仮出願60/726,973号、2005年11月17日に出願された仮出願60/737,536号、および、2006年1月26日に出願された仮出願60/761,667号について、第35米国法典119条(e)の下に優先権を主張する。
【0002】
本発明は、塗布物(coated article)に関連しており、耐水性コーティング(water residtant coating)を有するものを含んでいる。また、その塗布物を製造する方法に関連しており、ディップ(dip)、スプレー(spray)、または、フロー(flow)による耐水性コーティングを有するものを含んでいる。
【背景技術】
【0003】
[関連技術の記述]
プリフォーム(preform)は、ブロー成形(blow molding)によって作られる、容器(container)のような物体(article)から製造される製品である。種々のプラスチックまたは他の材料は、容器のために使用されており、多くのものが、極めて適切である。炭酸飲料および食料品などの製品は、容器を必要としており、それは、炭酸ガスまたは酸素などのガスの透過に対して耐性がある。そのような容器のコーティングは、何年にもわたって、提案されている。現在、容器産業において広く使用されている樹脂は、ポリエチレンテレフタテレート(PET)であり、その用語によれば、β−ヒドロキシエチルテレフタレートの重縮合によって形成されたホモポリマーばかりではなく、他のグリコールまたは二酸(diacid)、たとえば、イソフタレートコポリマーから誘導された少量単位を含む共重合ホリエステルを含む。
【0004】
二軸方向に配向されたPETの製造は、技術的に良く知られている。二軸方向に配向されたPETの容器は、強く、そして、クリープ(creep)に対して良好な耐性を有する。比較的薄くて軽量の容器は、所望の保管寿命(shelf life)を越えて過度に歪むことなく、炭酸液体、特に、コーラ、ビールを含むソフトドリンクなどの飲料から受ける圧力に耐えるように、製造される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
薄い壁のPET容器は、炭酸ガスおよび酸素ガスなどのガスに対して、ある程度、透過可能(permeable)であり、それゆえに、炭酸ガスの圧力低下、および、ボトル収容物の香りおよび品質に影響を及ぼす酸素ガスの侵入が生ずる。商業的な操作の一の方法においては、プリフォームは、射出成形(injection molding)で製造され、それから、ボトルにブローされる。市販の2リットルのサイズにおいては、12〜16週間の保管寿命が期待できるが、0.5リットルのような、より小さなボトルにとっては、大きな表面対容積比(surface−to−volume ratio)が、保管寿命を制限する。炭酸飲料は、4.5ガス容積(体積)に加圧されるが、もし、この圧力が、許容可能な製品の仕様レベル以下に低下した場合、その製品は、満足されていないと考えられる。
【0006】
プラスチック容器を製造するために使用される多くの材料は、また、水蒸気に影響を受ける。その容器中への水蒸気の伝達は、その容器中にパッケージされた食物の早期の劣化をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[発明の要約]
ここでは、塗布物および塗布物の製造方法を開示している。いくつかの実施形態においては、物体は、コーティング材料の1以上の層がコートされている。好ましくは、その物体は、1以上の機能性コーティング材料でコートされている。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、2以上の機能性コーティング材料の混合物を具備する。いくつかの実施形態においては、物体は、第1の層と第2の層とを具備し、ここでは、その第1の層と第2の層とは、異なる機能性コーティング材料を具備する。
【0008】
いくつかの実施形態においては、そのコーティング材料は、バリア(barrier)材料である。いくつかの好ましい実施形態においては、そのバリア材料は、ガスバリア材料である。物体は、1以上のガスバリア材料を具備するガスバリア層を具備する。ガスバリア材料は、その物体の基材、および/または、その物体の基材上に配置された他の層を介して、入口と出口とを透過するガスの割合を減らすために用いられる。いくつかの実施形態においては、1以上のガスバリア材料は、その物体の基材を横切って透過する酸素の割合を減らす。他の実施形態においては、1以上のガスバリア材料は、物体の基材を介して透過する二酸化炭素の割合を減らす。
【0009】
いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、その物体の基材上にコートされた1以上の層の内側の層である。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、その物体の基材上にコートされた1以上の層の最も内側の層である。
【0010】
いくつかの実施形態においては、機能性コーティング材料は、耐水性コーティング材料である。物体は、1以上の耐水性材料を具備する、1以上の耐水性コーティング層を具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の耐水性コーティング材料は、その物体の基材を介して透過する水蒸気の割合を減らすために用いられる。いくつかの実施形態においては、耐水性コーティング層は、その物体の基材上に、ベース層として配置される。いくつかの好ましい実施形態においては、その耐水性コーティング層は、その物体の基材上にて、トップ、または、最も外側の層として配置される。
【0011】
いくつかの実施形態においては、物体は、1以上のガスバリア層と、1以上の耐水性コーティング層とを具備する。いくつかの実施形態においては、耐水性コーティング層は、ガスバリア層の外側に配置される。他の実施形態においては、耐水性コーティング層は、最も外側、または、トップのコーティング層である。
【0012】
いくつかの実施形態においては、その物体の基材は、1以上の結合(tie)層を具備する。いくつかの実施形態においては、その結合層は、機能性の接着材料を具備する。いくつかの実施形態においては、結合層は、その物体の基材の表面と、コーティング層との間に配置される。これらの実施形態のいくつかにおいては、その結合層は、最も内側の層である。他の実施形態においては、結合層は、2以上のコーティング層の間に配置されている。
【0013】
物体上に配置された1以上の機能を有する様々な層がある。いくつかの実施形態においては、物体は、少なくとも1つのガスバリア層、少なくとも1つの耐水性コーティング層、および、少なくとも1つの結合(tie)層から選択される1以上を具備する。これらの層のいずれもが、それぞれの上、または、物体の基材上に配置される。たとえば、結合層は、物体の基材の表面上に配置される。ガスバリア層は、結合層上に配置される。いくつかの実施形態においては、耐水性コーティング層は、ガスバリア層上に配置される。他の実施形態においては、第2の結合層は、ガスバリア層上に配置される。これらの実施形態においては、耐水性コーティング層は、第2の結合層上に配置される。
【0014】
いくつかの実施形態においては、物体は、1以上のビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する1以上のガスバリア層、そして、フェノキシタイプの熱可塑性物質、および、1以上の耐水性材料を具備する1以上の耐水性コーティング層を具備し、ここでは、その耐水性材料は、アクリル系のポリマーまたはコポリマー、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エポキシ系ポリマー、および、ワックスからなるグループから選択される1以上を具備する。
【0015】
いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、酸素と二酸化炭素とに対する透過性がその物体の基材を形成する材料よりも小さいバリア材料を具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、酸素と二酸化炭素とに対する透過性がポリエチレンテレフタレートよりも小さいバリア材料を具備する。
【0016】
いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、EVOHを具備する。他の実施形態においては、そのガスバリア層は、PVOHを具備する。他の実施形態においては、そのガスバリア層は、フェノキシタイプ熱可塑性物質を具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、PHAEを具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマー、および、フェノキシタイプ熱可塑性物質の混合物を具備する。他の実施形態においては、そのガスバリア層は、EVOH,PVOH,および,PHAEから選択される1以上の混合物を具備する。いくつかの実施形態においては、EVOHは、約60から約80wt%のエチレン量を有する。
【0017】
いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層が、EVOHとPHAEとの混合物を具備する。これらの実施形態のいくつかにおいては、その混合物は、EVOHとPHAEとの全重量を基準にして、約5から約95wt%のPHAEを具備する。他の実施形態においては、その混合物が、EVOHとPHAEとの全重量を基準にして、約30から約70wt%のPHAEを具備する。いくつかの他の実施形態においては、その混合物が、EVOHとPHAEとの全重量を基準にして、約40から約60wt%のPHAEを具備する。
【0018】
いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、1以上の耐水性材料を具備し、ここでは、その耐水性材料は、アクリル系のポリマーまたはコポリマー、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エポキシ系ポリマー、および、ワックスからなるグループから選択される1以上を具備する。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、ポリエチレンまたはポリプロピレンを具備する。他の実施形態においては、その耐水性コーティング層は、カルナウバおよびパラフィンから選択される1以上のワックスを具備する。いくつかの実施形態においては、そのワックスは、1以上の他の耐水性コーティング材料と混合される。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、アクリル系のポリマーまたはコポリマーを具備する。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーと、アクリル系のポリマーまたはコポリマーの混合物を具備する。これらの実施形態のいくつかにおいては、その耐水性コーティング層は、EAAを具備する。
【0019】
いくつかの耐水性コーティング層は、ポリプロピレンとEAAとの混合物を具備する。いくつかのケースにおいては、その混合物が、EAAとポリプロピレンとの全重量を基準にして、30から約50wt%のEAAを具備する。他のケースにおいては、その混合物が、EAAとポリプロピレンとの全重量を基準にして、50から約70wt%のEAAを具備する。
【0020】
いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、水蒸気の透過性が物体の基材またはガスバリア層よりも小さい。
【0021】
ここで示されている1以上の層は、接着を強化する化合物を具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、PPMAまたはPEMAを具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、PPMAとポリプロピレンとの混合物を具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、ポリエチレンイミン(PEI)を具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、1以上のジルコニウム塩を具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、1以上の有機アルデヒドを具備する。
【0022】
そのコーティング層は、好ましい実施形態において、以下に示す、ガスバリア保護(gas−barrier protection)、UV保護、耐摩擦性(scuff resistance)、耐ブラシ性(blush resistance),化学的耐性(chemical resistance),耐水性(water−resistance),および、撥水性(water repellency)の特性の1以上を含む。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、O2捕捉剤、CO2捕捉剤、および、UV保護添加物からなるグループの1以上を具備する。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、実質的に、VOCフリー(free of VOC)である。いくつかの好ましい実施形態においては、その物体の基材上にコートされた層の全てが、実質的に、VOCフリーである。
【0023】
いくつかの実施形態においては、ここで示す1以上の層は、物体の基材の表面に塗布される。いくつかの実施形態においては、ここで示す1以上の層は、物体の基材の全体にコートされる。他の実施形態においては、ここで示す1以上の層は、物体の基材の一部に塗布される。いくつかの実施形態においては、その1以上の層は、その物体の基材の表面に塗布される。いくつかの実施形態においては、その表面は、1以上の層が塗布される前に加熱される。
【0024】
1以上の層は、ディップ、スプレー、フローコーティング方法によって、塗布されるのが好ましい。いくつかの実施形態においては、その層は、水溶液、水性の分散液、水性の懸濁液、または、そのコーティング材料の溶融物として塗布される。他の実施形態においては、溶液、エマルジョン、分散液、懸濁液は、溶媒を具備する。
【0025】
いくつかの実施形態においては、コートされたその物体は、容器、または、プリフォームであり、実施形態においては、その物体は、プリフォームであって、その方法は、さらに、ブロー成形オペレーションを具備し、好ましくは、その乾燥され、コートされたプリフォームを、ブロー成形プロセスにおいて、配向性にとって適する温度にて、軸方向および放射状に、ボトル容器へ伸縮することを含む。
【0026】
一の観点は、物体の基材の水およびガスの透過性を減少する方法を含む。いくつかの実施形態においては、その方法は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマー、および、フェノキシタイプ熱可塑性物質から選択される1以上を具備するガスバリア材料の第1の水ベースの溶液,分散液,エマルジョンを、ディップ,スプレー,または,フローコーティングによって、物体の基材の表面に塗布して、第1のインナーコーティング層を形成すること、その第1のインナーコーティング層を乾燥すること、アクリル系のポリマーまたはコポリマー、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エポキシ系ポリマー、および、ワックスからなるグループから選択される1以上を具備する耐水性コーティング材料の第2の水ベースの溶液,分散液,エマルジョンを、ディップ,スプレー,または,フローコーティングによって、その物体の外側表面に塗布して、第2のコーティング層を形成すること、その第2のコーティング層を乾燥することを具備する。
【0027】
いくつかの実施形態においては、そのコーティングは、そのコーティング特性が、各コーティング層で増加されるように、1以上のパスにおいて塗布される。コーティング堆積物の体積は、その物体の温度、その物体の角度、その溶液/分散液/エマルジョン/懸濁液/溶融温度または粘度によって変えられる。好ましいプロセスの多層コーティングは、多層において、実質的に層間にて差異がなく、改善されたコーティング・パフォーマンス、および/または、表面ボイド、そして、塗り残し(coating holiday)の減少をもたらす。
【0028】
いくつかの実施形態においては、その物体の基材の表面は、ポリエステル、PLA、または、ポリプロピレンから選択される1以上を具備し、好ましい実施形態においては、その表面は、PETを具備する。いくつかの実施形態においては、その表面は、アモルファスおよび/またはセミクリスタリン(semicrystalline)PETを具備する。いくつかの実施形態においては、その物体は、容器(container)であり、他の実施形態においては、物体は、プリフォームである。
【0029】
いくつかの実施形態においては、1以上の層の乾燥は、水に触れるときに、実質的にブラッシングがない物体を形成するように、実行される。
【0030】
これらの実施形態の全ては、ここに開示されている本発明の範囲内にあることが意図されている。これら及び他の本発明の実施形態は、添付した図面に関連づけた、好適な実施形態の下記の詳細な記述から、当業者にとって容易に明白になり、本発明は、その開示した任意の特定の好適な実施形態に限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
[A.好適な実施系形態の概要]
1以上のコーティング層を有する物体、および、1以上の層を具備する、コートされた物体の製造方法は、ここに示されている。他に示したことを除いて、用語「物体(article)」は、広義の用語であって、その通常の意味において使用され、制限されず、その文脈が、プレート(plate)、成形または中空のボディ(body)、パイプ(pipe)、シリンダ(cylinder)、容器(container)、ブランク(blanks)、パリソン(parison)、そして、プリフォーム(perform)を容認する。他に示したことを除いて、用語「容器(container)」は、広義の用語であって、その通常の意味において使用され、制限されず、プリフォームとボトル容器の両者を含む。ここで示されるコーティング・プロセスは、一般的には、プリフォーム上に使用される。いくつかの実施形態においては、そのコーティング・プロセスは、ボトル、または、他の物体に使用される。
【0032】
そのような物体上に配置された層は、UV保護、スカフ(scuff)耐性、ブラッシュ(blush)耐性、化学的耐性、および/または、O2および/またはCO2捕捉などのアクティブ特性をもたらす層、または、添加剤だけでなく、良好なガス・バリア特性を持つ熱可塑性の材料を具備する。好ましくは、その物体の少なくとも1つの層は、また、耐水性がある。
【0033】
ここで考慮されるように、コートされた物体の一実施形態は、飲料容器として用いられるタイプのプリフォームである。あるいは、好適な実施形態に従った、コートされた物体の実施形態は、液体の食物、医療製品、または、他の製品を保管するためのジャー(jar)、チューブ、トレイ、ボトルの形状を取り、その容器を介してガスに曝されることに敏感なものを含む。しかしながら、単純化する目的のため、これらの実施形態は、ここでは、最初に、物体またはプリフォームとして記載される。
【0034】
さらに、ここで述べられる物体は、特定の基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)に関して特定的に記載されるが、好適な方法は、多くの他の熱可塑性のポリエステルのタイプに適用できる。ここで用いられるように、「基材(substrate)」という用語は、通常の意味で用いられる広義の用語であり、コートされたベースの物体を形成するために用いられる材料を「基材」が言及する実施形態を含む。他の適切な物体の基材は、限定されないが、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンを含むポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ乳酸(polylactic acid(PLA))、ナイロンを含むポリアミド、あるいは、アクリル樹脂などの種々のポリマーを含む。これらの基材の材料は、単独で、あるいは、互いに組み合わされて使用される。より特定的な基材の例は、限定されないが、ポリエチレン2,6−および1,5−ナフタレート(PEN)、PETG、ポリテトラメチレン1,2−ジオキシベンゾエートおよびエチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートの共重合体を含む。
【0035】
一実施形態においては、PETは、コートされるポリエステル基材として用いられる。ここで用いられるように、「PET」は、限定されないが、他の材料とブレンドされたPETだけでなく、変性PET(modified PET)も含む。変性PETの一例は、「high IPA PET」、または、「IPA変性PET」である。「high IPA PET」の用語は、IPA含有量が好適には、重量の約2%よりも多く、重量の約2〜10%のIPAを含有しているPETを指す。
【0036】
コーティング材料の一以上の層は、好適な方法およびプロセスにおいて使用される。その層は、1以上のバリア層、1以上のUV保護層、1以上のガスバリア層、1以上の酸素捕捉層、1以上の二酸化炭素捕捉層、1以上の耐水層、および/または、特定の応用のために必要とされる他の層を具備する。他の実施形態においては、コートされた物体(塗布物)は、1以上の耐水コーティング層と、1以上のガスバリア層を具備し、ここでは、そのガスは、酸素または二酸化炭素である。
【0037】
ここで用いられるように、「バリア材料」、「バリア樹脂」などの用語は、広義の用語であり、通常の意味で用いられ、限定されないが、好適には、物体をコートするのに用いられたときに、物体の基材に、よく接着し、物体の基材よりも、酸素および二酸化炭素に対する透過性が低い材料を指す。ここで用いられるように、「UV保護」などの用語は、広義の用語であり、通常の意味で用いられ、限定されないが、好適には、物体をコートするのに用いられたときに、物体の基材に、よく接着し、物体の基材よりもUV吸収率が高い材料を指す。ここで用いられるように、「酸素捕捉(oxygen scavenging)」などの用語は、広義の用語であり、通常の意味で用いられ、限定されないが、好適には、物体をコートするのに用いられたときに、物体の基材に、よく接着し、物体の基材よりも酸素の吸収率が高い材料を指す。ここで用いられるように、「二酸化炭素捕捉(carbon dioxide scavenging)」などの用語は、広義の用語であり、通常の意味で用いられ、限定されないが、好適には、物体をコートするのに用いられたときに、物体の基材に、よく接着し、物体の基材よりも二酸化炭素の吸収率が高い材料を指す。ここで用いられるように、「架橋(crosslink)」、「架橋した(crosslinked)」などの用語は、広義の用語であり、通常の意味で用いられ、限定されないが、非常に小さな架橋度から、熱硬化性エポキシなどのように完全に架橋された材料までの間にて変化する材料およびコーティングを指す。特定の環境において化学的または機械的酷使の耐性の適切な程度を得るために、架橋度は、調整される。
【0038】
ここで使用されているように、用語「耐水性(water−resistant)」、「撥水性(water−repellant)」などは、広義の用語であって、通常の意味で用いられ、限定されないが、好適には、その材料を介して水が透過する割合の減少をもたらす特定の材料の特性に言及する。いくつかのケースにおいては、それは、また、さまざまな温度における、固体、液体、気体の状態において、水へ曝露されて、実質的に化学的に変化されずに残る材料の能力を言及する。また、水に敏感または水への曝露にて低下する材料への、水のアクセスを更に妨げる特定の材料の能力を含む。ここで使用されているように、用語「化学的耐性(chemical resistance)」などは、広義の用語であって、通常の意味で用いられ、限定されないが、気体、液体状態であっても固体状態であっても、水を含む化学物質への露出にて、実質的に化学的に変化せずに残る、特定の材料の特性を言及しており、限定されないが、水を含む。
【0039】
いくつかの実施形態においては、各層は、異なる機能を与える多層膜(multi−layered film)である。たとえば、EVOHとナイロン膜は、酸素バリア層において酸素バリア材料として使用可能である。これらのバリア材料は、水と湿度とに敏感であるので、それらは、水が、その物体の基材に入ること、または、酸素バリア層を分解することを妨げるために、ポリオレフィンバリア層と共に使用される。加えて、ガスバリア材料、耐水性層材料、または、UV保護材料を具備する1以上の付加的な層は、別のバリア層と共に使用される。いくつかの実施形態においては、結合層は、1以上の層、および/または、その物体の基材の表面の間の十分な結合のために必要とされる。
【0040】
適当なコーティング材料が選択されたときには、コートされた物体を、商業的に生産する装置および方法が、必要である。ディップ、スプレー、フローコーティングの方法、および、ディップ、スプレー、または、フローコーティングの装置は、「Dip, Spray and Flow Coating Process for Forming Coated Articles」を表題とする米国特許出願シリアル・ナンバー10/614,731において示されており、現在、2004/0071885 Alとして発行されており、そして、「Coating Process and Apparatus for Forming Coated Articles」を表題とするPCT/US2005/024726が、現在、WO2006/010141 A2として発行され、その両者は、ここでは、それらの全体における言及によって組み込まれている。
【0041】
好適な方法は、物体、特に、プリフォーム上に配されるコーティングを提供し、後にボトルへブロー成形される。そのような方法は、多くの例において、ボトル自体の上にコーティングを設けるのに好ましい。プリフォームは、その後にブローされた容器よりも、サイズが小さく、形状が規則的であって、均一で規則的なコーティングを得ることを、より容易にしている。さらに、形状とサイズが異なるボトルと容器は、同様なサイズと形状のプリフォームから形成される。すなわち、同じ装置および処理は、いくつかの異なるタイプの容器を形成するためのプリフォームをコートするのに使用される。そのブロー成形は、成形およびコーティングの後に、直ちに実施してもよく、または、プリフォームは、後のブロー成形のために形成され、保管される。プリフォームがブロー成形の前に保管された際には、それらの小さなサイズが、保管におけるスペースを減らすことができる。さらに、コートされたプリフォームから容器を形成することが、好ましいが、容器は、また、コートされる。
【0042】
ブロー成形プロセスは、いくつかの課題が存在する。最大の困難が生じる一のステップは、ブロー成形プロセスの間であって、そこでは、その容器がプリフォームから形成される。このプロセスの間には、層の剥がれ、コーティングの亀裂(cracking)やクレージング(crazing)、不均一なコーティングの膜厚、および、不連続なコーティング、または、空隙(void)が生じる。これらの困難は、適切なコーティング材料を用いて、層間に良好な接着を与える方法でプリフォームをコートすることによって克服できる。
【0043】
このように、好適な実施形態は、適切なコーティング材料を含む。適切なコーティング材料が用いられたとき、そのコーティングは、重大な剥がれもなく、プリフォームに直接的に接着し、プリフォームがブロー成形されて容器になった後に至るまで、接着し続ける。適切なコーティング材料の使用は、また、上述したように容器のブロー成形で生ずる、表面的および構造的な欠損を減らすのに、役立つ。
【0044】
所定のコーティング溶液または分散物を用いたコーティングによって形成された物体において生じる一の共通の問題は、物体が、直接的に、水、スチーム、または、高湿(相対湿度約70%以上を含む)中に、浸漬(部分的な浸漬(immersion)を含む)、あるいは、曝されたときの、「ブラッシング(blushing)」、または、ホワイトニング(whitening)である。好適な実施形態においては、ここで開示された物体、および、ここで開示された方法によって製造された物体は、直接的に、水または高湿中に、浸漬あるいは曝されたときに、最小の、または、実質的にゼロのブラッシングまたはホワイトニングを示す。そのような曝露は、約6時間、12時間、24時間、48時間、および、それ以上を含んでいる数時間、あるいは、それ以上生じるかもしれなく、および/または、室温、および、氷、または、氷水を入れたクーラー中に物体を置いたときに見られるように、下げられた温度付近で生じる。曝露は、また、昇温された温度にて生じ、そのような昇温された温度は、通常、容器あるいはコーティングを形成する材料の相当な軟化をもたらすのに十分に高い温度を含まずに、材料のTgに近づく温度を含む。一実施形態においては、そのコートされた物体は、5℃、10℃、15℃、20℃、22℃および25℃を含む、0℃から30℃までの温度にて、24時間の間、直接的に、水に浸漬あるいは曝されたときに、実質的に、ブラッシングまたはホワイトニングを示さない。コーティング層をキュアあるいは乾燥するために用いられるプロセスは、物体のブラッシュ耐性に効果を有する。
【0045】
バリア特性、ガスバリア特性、酸素バリア特性、二酸化炭素バリア特性、耐水特性、または、接着特性を有する化合物の、水ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンで、バリアおよびコーティングを実現することが望ましい。好ましい実施形態においては、ここで示すように、その水ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンは、実質的に、または、完全に、VOCフリー(free of VOC)、および/または、ハロゲン化合物である。
[B.図面の詳細な説明]
【0046】
図1を参照すると、好適に、コートされていないプリフォーム1が描写されている。プリフォームは、好適には、未使用PET(virgin PET)などのように、FDAが認可した材料から形成され、さまざまな形状、および、サイズのいずれでもよい。図1に示されたプリフォームは、16オンスの炭酸飲料ボトルを形成するタイプの24グラムのプリフォームであるが、当業者に理解されるように、望まれる形状、特性、および、最終物体の用途に応じて、他のプリフォーム形状も用いることができる。コートされていないプリフォーム1は、従来技術で知られた射出成形(injection molding)、または、他の適切な方法で形成される。
【0047】
図2を参照すると、図1の好適にコーティングが形成されていないプリフォーム1の断面図が描写されている。そのコートされていないプリフォーム1は、ネック部2とボディ部4とを有する。ネック部2は、ネック・フィニッシュ(neck finish)とも称され、開口部18にてプリフォーム1の内側へ始まり、支持リング6まで延伸して、これを含む。ネック2は、さらに、ねじ山8の存在で特徴付けられており、それは、プリフォーム1から形成されたボトルにキャップを閉める手段を提供する。ボディ部4は、ネック2から延伸して丸められた端部キャップ10に達する細長い円筒形状の構造である。プリフォームの厚み12は、プリフォーム1の全体の長さと得られる容器の壁の厚みと全体の大きさに依存する。ここでは、用語「ネック」および「ボディ」の用語が用いられており、口語で「ロングネック」容器と呼ばれる容器では、支持リングの直下の細長いところ、ねじ山、および/または、キャップが閉められる注ぎ口は、「ネック」の一部ではなく、容器の「ボディ」の一部と考えられることに注意されたい。図示していない別の実施形態においては、ネック部2は、ネック・フィニッシュ(たとえば、ねじ山8を有さない)を含まないが、支持リングを含む。別の図解していない実施形態においては、ネック部2は、ネック・フィニッシュ、または、支持リングを含まない。
【0048】
図3を参照すると、好適な実施形態に従った特徴を有するコーティングされた、あるタイプのプリフォーム20の断面図が描写されている。コートされたプリフォーム20は、図1および図2において、コートされていないプリフォームのように、ネック部2とボディ部4とを有する。コーティング層22は、ボディ部4のほぼ全表面に配置されており、支持リング6の底部で末端をなしている。図面に示された実施形態において、コーティング層22は、ネック部2まで伸びてはおらず、好適には、PETなどのように、FDAが認可した材料から形成されたプリフォームの内側の表面16上にも存在していない。コーティング層22は、単一の材料の1層、組み合わされた、いくつかの材料の1層、あるいは、少なくとも2つの材料のいくつかの層を含む。プリフォームの全体の厚み26は、初期のプリフォームの厚みと、コーティング層または複数のコーティング層との厚みの和に等しく、結果として生じる容器の全体のサイズと、望まれるコーティングの厚みに依存する。
【0049】
いくつかの好ましい実施形態においては、コーティング層22は、バリア層である。いくつかの実施形態においては、コーティング層22は、ガスバリア層である。他の実施形態においては、コーティング層22は、耐水性コーティング層である。
【0050】
図4は、プリフォームの一実施形態におけるコーティング層の構成を示すプリフォームの壁部断面の拡大図である。層110は、プリフォームの基材層であり、一方で、112は、プリフォームのコーティング層を含む。外側(outer)のコーティング層116は、材料の1以上の層を具備し、一方、114は、内側(inner)のコーティング層を含む。好適な実施形態においては、1層以上の外側のコーティング層があってもよい。ここに示されるように、コートされたプリフォームは、1層の内側のコーティング層と2層の外側のコーティング層を有する。図4の全てのプリフォームがこのタイプということではない。
【0051】
いくつかの実施形態においては、内側のコーティング層114は、ガスバリア層であり、そして、外側のコーティング層116は、耐水性コーティング層である。しかしながら、いくつかの実施形態においては、内側のコーティング層114は、耐水性コーティング層であり、そして、外側のコーティング層は、酸素、二酸化炭素、または、UV耐性層である。
【0052】
図5を参照すると、コートされたプリフォーム25の他の実施形態が断面で示されている。そのコートされたプリフォーム25と、図3において、コートされたプリフォーム20の主要な差は、コーティング層22が、ボディ部4だけでなく、ネック部2の支持リング6上にも配されていることである。好適には、特に上層表面上、または、支持リング6より上に配置された、いずれのコーティングも、PETなどのFDAが認可した材料から形成されている。
【0053】
そのコートされたプリフォームおよび容器は、広い範囲の相対的な厚みの層を有することができる。本開示の観点において、その与えられた層の厚みと、プリフォームまたは容器全体の厚みは、与えられた点において、または、容器全体にわたって、コーティングプロセス、または、特に容器の最終用途に合うように選択することができる。さらに、図3におけるコーティング層に関して、上記で議論したように、ここに開示されるプリフォームと、容器の実施形態におけるコーティング層は、1つの材料、いくつかの材料の1層、少なくとも2つ以上の材料のいくつかの層を含み得る。
【0054】
図3において描写されたような、コートされたプリフォームが、以下に詳細に記載されるような方法および装置により準備された後、それは、引き伸ばすブロー成形プロセスが施される。図6を参照すると、このプロセスにおいて、そのコートされたプリフォーム20は、所望な容器形状に対応するキャビティ(cavity)を有するモールド28に配置される。そのコートされたプリフォームは、その後、加熱され、引き伸ばしによって拡張され、モールド28のキャビティを満たすように、プリフォーム20の内側に、空気によって力で押し込められ、コートされた容器30を形成する。Theブロー成形オペレーションは、通常、プリフォームのボディ部4に限定され、ねじ山、ピルファ(pilfer)リングおよび支持リングを含むネック部2は、元のプリフォームの形状を保つ。
【0055】
図7を参照すると、図3にてコートされたプリフォーム20を、ブロー成形して形成することができるような、好適な実施形態に従って、コートされた容器40の実施形態が開示されている。その容器40は、図?のコートされたプリフォームのネックとボディ部に対応する、ネック部2とボディ部4とを有する。ネック部2は、その容器に、キャップを閉める手段を提供するねじ山8の存在で、さらに特徴付けられる。
【0056】
コートされた容器40が、図8において示すように、断面で観察されると、その構成を見ることができる。そのコーティング42は、容器40のボディ部4の全体の外側を、カバーし、支持リング6の直下で止まる。FDAが認可した材料、好適には、PETで形成された容器の内側の表面50は、コートされていないままであるので、内側の表面50のみが、飲料、食品あるいは薬品などの詰められた製品と接触する。炭酸飲料容器として用いられる好適な一実施形態は、24グラムのプリフォームが、約0.1〜約0.2グラムを含み、約0.05〜約0.75グラムの範囲のコーティングを有する16オンスのボトルへとブロー成形される。
【0057】
図9を参照すると、好適な3層のプリフォーム76が示されている。このコートされたプリフォームの実施形態は、好適には、図1に示されたように、プリフォーム1上に、2層のコーティング層80および82を配することで形成される。好ましい実施形態においては、コーティング層80ガスバリア材料を具備し、コーティング層82は、耐水性コーティング材料を具備する。
【0058】
図10を参照すると、好適なプロセスおよび装置を図解する、非限定的なフロー図が示されている。好適なプロセスおよび装置は、物体のシステムへの導入(entry)84、物体のディップ、スプレーまたはフローコーティング86、過剰な材料の除去88、乾燥/固化90、冷却92、システムからの取り出し94を包含する。
【0059】
図11を参照すると、好適なプロセスの一実施形態の非限定的なフロー図が示されており、ここでは、システムが、単一の塗布物(coat article)を製造する図10におけるタイプの単一なコーティング部(coating unit)Aを具備する。その物体は、コーティングユニットよりも先にシステム84に入れられ、コーティングユニットを除いた後に、システム94から取り出される。
【0060】
図12を参照すると、好適な実施形態の非限定的なフロー図が示されており、ここでは、そのシステムは、多数のステーション100,101,102を含む、1つの一体化した処理ライン(processing line)を具備し、各ステーションは、物体をコートし、乾燥またはキュアし、それによって、多重のコーティングを有する物体を製造する。その物体は、第1のステーション100よりも先にシステム84に入れられ、最後のステーション102の後に、システム94から取り出される。ここで示した実施形態は、3つのコーティングユニットを有する、1つの一体化された処理ラインを図解しており、上記および下記のコーティングユニットの数も含まれていることが理解される。
【0061】
図13を参照すると、好適なプロセスの一実施形態の非限定的なフロー図が示されており、この実施形態においては、そのシステムは、モジュラー(modular)であり、ここで、各処理ライン107,108,109は、他のライン103にハンドオフ(handoff)する能力で、自己包含され(self−contained)、それによって、いくつのモジュールが接続されているかに依存して、一層または多層のコーティングを可能にし、それによって最大の柔軟性を可能にする。その物体は、まず、システム84または120において、いくつかの点の1つにて、システムに入る。その物体は、84に入り、第1のモジュール107を介して進行でき、そのとき、その物体は、118においてシステムから出るか、あるいは、当業者によって知られている、ハンドオフ(hand off)機構103を介して、次のモジュール108へと続ける。その物体は、120において、次のモジュール108に入る。その物体は、次のモジュール109へ続けるか、あるいは、そのシステムから出る。モジュールの数は、必要とされる製造環境に応じて変えてもよい。さらに、個々のコーティングユニット104,105,106は、特定の製造ラインの必要性に応じて、異なるコーティング材料を具備する。異なるモジュールとコーティングユニットの互換性は、最大の柔軟性を与える。
[C.好適な材料の概要]
[物体の基材の材料]
【0062】
ここで開示されている物体は、ここで開示されているような広い範囲の材料のいずれかから、製造される。いくつかの実施形態においては、その物体の基材は、ガラス、プラスチック、または、金属、ポリマーから選択される1以上で形成され、熱可塑性物質材料が好ましい。適切な熱可塑性物質の例は、限定されないが、ポリエステル(たとえば、PET、PEN)、ポリオレフィン(PP,HDPE),ポリ乳酸(polylactic acid)、ポリカーボネート(polycarbonate)、および、ポリアミド(polyamide)を含む。
【0063】
いくつかの物体は、特定のベースプリフォーム材料、および/または、コーティング材料に関係して、具体的に、示されているが、その物体を形成するために用いる、これらのいくつかの物体および方法は、熱可塑性および熱硬化性ポリマーを含む、多くの高分子材料を適用できる。いくつかの実施形態においては、基材材料は、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンを含むポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ乳酸(PLA)、ナイロン(たとえば、ナイロン6、ナイロン66)およびMXD6を含むポリアミド、ポリスチレン、エポキシ、アクリル、コポリマー、混合物(blend)、グラフトポリマー(grafted polymer)、および/または、変性ポリマー(モノマー、または、たとえば、オレフィン変性ポリエステルのように、側鎖基として別の基を有する部分)のように、熱可塑性材料を具備する。これらの基材材料は、単一で、または、別の基材材料と共に使用される。より特有な基材の例は、限定されないが、ポリエチレン−2,6−および1,5−naphthalate(PEN)、PETG、ポリテトラメチレン−1,2−ジオキシベンゾエート(polytetramethylene 1,2−dioxybenzoate)および、エチレンテレフタレート(ethylene terephthalate)とエチレンイソフタレート(ethylene isophthalate)のコポリマーを含む。加えて、ハイIPA PET(high IPA PET)、または、IPA変性PET(IPA−modified PET)のような、変性PETも、また、いくつかの実施形態において使用される。
【0064】
その物体の基材材料は、物体の基材を形成するバリア層材料の材料を含む。たとえば、その物体の基材は、PETと共に、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する。その物体の基材材料は、また、ナノ粒子バリア材料(nanoparticle barrier material)、酸素捕捉剤(oxygen scavenger)、UV吸収材(UV absorber)、発泡剤(foaming agent)などのような、異なる添加物と組み合わされる。
【0065】
特定の実施形態において、好ましい基材材料は、未使用な(virgin)、消費前(pre−consumer)、消費後(post−consumer)、粉砕(regrind)、リサイクル(recycled)、および/または、それらの組合せである。たとえば、PETは、未使用、消費前後、リサイクル、または、粉砕PET、PETコポリマー、および、それらの組合せである。好ましい実施形態においては、その完成された容器、および/または、そこで使用された材料は、その後のプラスチック容器のリサイクルの流れにおいて、良性である。これは、物体の基材、および/または、その物体の基材上にコートされたバリア層を形成するのに使用される材料を含む。
【0066】
ここで使用されているように、用語「ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)」は、PETのコポリマーを言及しており、ここでは、付加的なコモノマー、シクロヘキサン・ジメタノール(CHDM)が、有効な量(たとえば、重量にて約40%以上)、PETの混合物に、加えられる。一実施形態においては、好ましいPETG材料は、本質的に、アモルファス(amorphous)である。適切なPETG材料は、適切なPETG材料は、様々な販売源から購入できる。1つの適切な販売源は、ボリディアン(Voridian)、イーストマンケミカル株式会社(Eastman Chemical Company)の事業部である。他のPETコポリマーは、結果として得られる材料が、結晶化可能な、または、半結晶質のままである下位レベルにて、CHDMを含む。CHDMの下位レベルを含む、PETコポリマーの1つの例は、ボリディアン(Voridian)9921樹脂である。変性PETの他の例は、「ハイIPA PET」、または、IPA変性PETであり、IPA含有量が、好適には、重量の2%よりも大きく、重量の約2〜20%のIPAを含み、また、重量の約5〜10%のIPAを含む。本明細書においては、式(formulations)および組成における全てのパーセンテージは、他に規定されていない限り、重量に対してである。
【0067】
いくつかの実施形態においては、重合体の基材材料およびバリア材料は、ポリマー、又は、グラフト化、または、他の有機化合物、ポリマー、または、コポリマーで変性されたコポリマーを具備する。
【0068】
好ましい実施形態においては、容器、ジャー(jar)、ボトル(bottle)、または、プリフォーム(ときどき、ベースプリフォームとして言及されている)のような、物体である基材は、装置、方法、および、ここで示す材料を用いてコートされる。そのベースプリフォームまたは基材は、限定されないが、その後のブロー成形(blow molding)の有無を伴う、単層射出成形(monolayer injection molding)、インジェクト・オーバー・インジェクト成形(inject−over−inject molding)、コ・インジェクション成形(coinjection molding)、を含む射出成形(injection molding)、押出し成形(extrusion molding)、圧縮成形(compression molding)のような公知なものを含む、いかなる適正な方法にて製造される。
[コーティング層の材料]
[一般]
【0069】
基材をコートする1以上の層は、ここで開示された方法に従う、コーティング層組成を適用することによって形成される。好ましいコーティング層組成は、溶液、懸濁液、エマルジョン、分散液、および/または、少なくとも1つの高分子材料(好ましくは、熱可塑性物質材料)と、任意な1以上の添加物を具備する溶融物を含む。固体、または、液体のいずれかの添加剤は、好ましくは、その乾燥された、または、キュアされた、コーティング層(たとえば、耐UV性、バリア、耐スクラッチ性)、および/または、その物体の基材の形成、その完成された容器の形成、または、コーティング層の塗布をするプロセス(たとえば、サーマル・エンハンサー(thermal enhancer)、非発泡剤(anti−foaming agent))の間のコーティング組成物へ機能を与える。そうの組成において使用される高分子材料は、それ自身に、バリア、耐水性などのような機能的特性を与える。
【0070】
好ましい方法およびプロセスにおいて、1以上の層は、バリア層、UV保護層、酸素捕捉層(oxygen scavenging layer)、酸素バリア層、二酸化炭素捕捉層(carbon dioxide scavenging layer)、二酸化炭素バリア層、耐水性コーティング層、および、特定のアプリケーションにて必要とされる他の層を具備する。ここで使用されているように、用語「バリア材料(barrier material)」、「バリア樹脂(barrier resin)」などは、広義の用語であって、それらの通常の意味で使用され、限定されないが、好適な方法およびプロセスにおいて使われるときに、酸素および二酸化炭素に対して低い、および/または、その完成された物体(基材を含む)の1以上の他の層よりも低い透過性を有する材料に言及する。ここに使用されるように、「UV保護(UV protection)」などの用語は、広義の用語であって、それらの通常の意味で使われ、限定されないが、物体の1以上の層よりも高いUV吸収率を有する材料を言及する。ここで使用されているように、用語「酸素捕捉(oxygen scavenging)」などは、広義の用語であって、それらの通常の意味で使われ、限定されないが、物体の1以上の他の層よりも高い酸素吸収率を有する材料を言及する。ここで使用されているように、用語「酸素バリア」などは、広義の用語であって、それらの通常の意味で使われ、限定されないが、事実上、不活性または活性であって、物体の中、および/または、外への酸素の透過を遅らせる材料を言及する。ここで使用されているように、用語「二酸化炭素捕捉(carbon dioxide scavenging)」などは、広義の用語であって、それらの通常の意味で使われ、限定されないが、物体の1以上の他の層よりも高い二酸化炭素吸収率を有する材料を言及する。ここで使用されているうように、用語「二酸化炭素バリア(carbon dioxide barrier)」などは、限定されないが、事実上、不活性または活性であって、物体の中、および/または、外への酸素の透過を遅らせる材料を言及する。任意の理論に束縛されることを望むことなく、出願人は、物体に含まれる炭酸ガス製品、例えば、清涼飲料のように、過度に炭酸ガスがある用途において、物体の一つ以上の層での二酸化炭素捕捉剤の包含が、過剰な炭酸化作用を許容し、二酸化炭素捕捉を含む層を飽和させる。それゆえに、二酸化炭素が物体から大気へ抜けるとき、それは、まず、その中に含まれる製品よりも、むしろ、物体層から出る。ここで使用されているように、用語「架橋」、「架橋され」などは、広義の用語であって、それらの通常に意味で使われ、限定されないが、材料およびコーティングを指し、非常にわずかの架橋から、熱硬化性エポキシのように完全に架橋された材料を含む。架橋の程度は、調整可能であって、特定な状況のための耐化学的特性または耐機械的特性の程度などのように、所望な、または、適切な物理的特性を提供する。
【0071】
ここで使用されているように、用語「耐水性コーティング」,「撥水性(water repellant)」などは、広義の用語であって、それらの通常の意味で使用され、限定されないが、その材料を介する水の透過性の減少をもたらす特定の材料の特性に言及する。いくつかのケースにおいては、それは、また、さまざまな温度にて固体、液体、または、気体状態において水に露出して、実質的に化学的に変化せずに残存する材料の能力を言及する。ここで使用されているように、用語「化学的耐性(chemical resistance)」などは、広義の用語であって、それらの通常の意味で使用され、限定されないが、気体、液体、または、固体状態において、水を含む化学物質に露出し、実質的に化学的に変化せずに残存する特定の材料の特性に言及する。
[ガスバリア材料]
【0072】
物体の基材は、1以上のガスバリア層を具備する。これらの実施形態において、ガスバリア材料は、物体の基材材料、または、その物体の基材上にコートされた別の層を透過するガスの透過性を減少させる、1以上の材料を具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、物体の基材材料、または、他のコーティング層を介するガスの透過性の十分な減少をもたらす材料を具備する。このために、ガスバリア材料は、少なくとも、物体の基材の一部の外側の上、または、その物体の基材上にすでに堆積された層のトップの上の層として、堆積される。
【0073】
コーティング層、または、物体の基材を介した、酸素、および、二酸化炭素を含む、特定のガスの透過性を減少する、多くの材料がある。ここで示すように、ガスバリア層において使用される材料は、特に限定されない。いくつかの実施形態においては、材料の選択は、物体の基材の材料と他のコーティング層の材料とを考慮において、最も相性がよい(compatible)材料に基づく。たとえば、いくつかの特定の材料は、組み合わされて、特定の層、および/または、物体の基材との間の接着性を強調すると共に、物体の基材の壁を介した、ガスの透過性の割合を、実質的に減少させる。
【0074】
一の好ましい実施形態においては、コーティング材料は、熱可塑性プラスチック材料を具備する。ビニルアルコールポリマーおよびコポリマーは、ガス、特に酸素による浸透に対して、優れた耐性を有する。一般的に、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーを具備するガスバリア層は、酸素の減少された透過性、良好な耐油性、および、物体の基材に対する剛性(stiffness)などの利点を与える。ビニルアルコールポリマーおよびコポリマーは、ポリビニルアルコール(PVOH)およびエチレンビニルアルコール(EVOH)コポリマーを含む。それゆえ、いくつかの実施形態においては、ガスバリア層は、PVOHおよびEVOHの1以上を具備する。いくつかの実施形態においては、EVOHは、加水分解されたエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーである。いくつかの実施形態においては、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、EVAを含む。
【0075】
一の好ましいガスバリア材料は、EVOHコポリマーである。EVOHで準備された層は、エチレン量、ケン化度(saponification degree)、および、EVOHの分子量に応じて、特性が異なる。好適なEVOH材料の一例は、限定されないが、約35から約90wt%のエチレン量を有するものを含む。いくつかの実施形態においては、そのエチレン量は、約50から約70wt%である。他の実施形態においては、そのエチレン量は、約65から約80wt%である。いくつかの実施形態においては、そのエチレン量は、約25から約55wt%である。いくつかの実施形態においては、エチレンとビニルアルコールとの全重量を基準にして、そのエチレン量が約27から約40wt%であることが好適である。いくつかの実施形態においては、より低いエチレン量が好適である。いくつかの実施形態においては、より低いエチレン量は、そのガスバリア層の、より高いバリア性に相互に関係する。いくつかの実施形態においては、そのケン化度は、約20から約95%である。他の実施形態においては、そのケン化度は、約70から約90%である。しかしながら、そのケン化度は、アプリケーションに応じて列記される値よりも、小さく、または、大きくすることができる。
【0076】
一般的には、好ましいビニルアルコールポリマーおよびコポリマー材料は、比較的に安定な水性ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンを形成する。実施形態においては、溶液/分散液の特性は、水との接触によって、不利には、影響を及ぼさない。好適な材料は、約15%,20%,25%,30%,35%,40%および45%を含む、約10%固体から約50%固体に分布し、そして、これらの値は、また、考慮されて、上および下の値になるが、そのようなパーセンテージを囲うように分布する。好ましくは、その使用される材料は、極性溶媒において、溶解、または、分散される。これらの極性溶媒は、限定されないが、水、アルコール、および、グリコールエーテルを含む。いくつかの分散液は、EVOHコポリマーの約20から約50mol%を具備する。他の分散液は、EVOHコポリマーの約25から約45mol%を具備する。
【0077】
いくつかの実施形態においては、イオン変性ビニルアルコールポリマー、または、コポリマー材料が、アメリカ特許番号5,272,200およびアメリカ特許番号5,302,417にてヤマウチ(Yamauchi)らによって示されているように、安定な水性分散液の形成において使用される。水性EVOHコポリマー組成物を製造するための他の方法は、アメリカ特許番号6,613,833および6,838,029においてカワハラ(Kawahara)らによって示されている。
【0078】
いくつかの実施形態においては、商業的に利用可能なEVOH溶液および分散液が、使用される。たとえば、適したEVOH分散液は、限定されないが、Evalca of Kuraray Groupによって製造されているように、EV AL(商標)製品ラインを含む。
【0079】
ポリビニルアルコール(PVOH)は、また、ガスバリア層において使用される。PVOHは、ガス、酸素、および、二酸化炭素、そして、アロマ(aromas)に対して高い不浸透性がある。いくつかの実施形態においては、PVOHを具備するガスバリア層は、また、耐水コーティングである。いくつかの好ましい実施形態においては、PVOHは、部分的な加水分解されるか、または、完全に加水分解される。PVOH材料の例は、限定されないが、デュポンElvanol(商標)の製品ラインを含む。
【0080】
好ましくは、いくつかの実施形態において使用されるフェノキシタイプ熱可塑性プラスチックは、以下のタイプのうちの1つを具備する:
【0081】
(1)化学式Ia、Ib、または、Icのいずれか一つによって代表される、繰り返し単位を有するヒドロキシ基で官能化されたポリ(アミドエーテル):
【0082】
【化1】
【0083】
【化2】
または
【0084】
【化3】
【0085】
(2)化学式IIa、IIb、または、IIcのいずれか一つによって、個々に代表される繰り返し単位を有するポリ(ヒドロキシアミドエーテル)
【0086】
【化4】
【0087】
【化5】
または
【0088】
【化6】
【0089】
(3)化学式IIIによって代表される繰り返し単位を有する、アミドおよびヒドロキシメチル基で官能化されたポリエーテル
【0090】
【化7】
【0091】
(4)化学式IVによって代表される繰り返し単位を有するヒドロキシ基によって官能化されたポリエーテル
【0092】
【化8】
【0093】
(5)化学式Va、または、Vbによって代表される繰り返し単位を有するヒドロキシ基によって官能化されたポリ(エーテルスルホンアミド)
【0094】
【化9】
【0095】
【化10】
【0096】
(6)化学式VIによって代表される繰り返し単位を有するポリ(ヒドロキシエステルエーテル)
【0097】
【化11】
【0098】
(7)化学式VIIによって代表される繰り返し単位を有するヒドロキシ−フェノキシエーテルポリマー
【0099】
【化12】
そして
【0100】
(8)化学式VIIIによって代表される繰り返し単位を有するポリ(ヒドロキシアミノエーテル)
【0101】
【化13】
【0102】
ここでは、各々のArは、個々に、二価芳香族部分、置換二価芳香族部分、または、ヘテロ芳香族部分、または、異なる二価芳香族部分、置換芳香族部分、または、ヘテロ芳香族部分の組み合わせを表す。Rは、個々に、水素、または、一価のヒドロカルビル基部分である。各々のAr1は、二価芳香族部分、または、アミド、または、ヒドロキシメチル基を有する二価芳香族部分の組合せである。各々のAr2は、Arと同じ、または、異なり、個々に、二価芳香族部分、置換芳香族部分、または、ヘテロ芳香族部分、または、異なる二価芳香族部分、置換芳香族部分、または、ヘテロ芳香族部分の組合せである。R1は、個々に、主に、ヒドロカルビレン基部分、例えば、二価芳香族部分、置換二価芳香族部分、二価ヘテロ芳香族部分、二価アルキレン部分、置換二価アルキレン部分、または、二価へテロアルキレン部分、または、そのような部分の組合せである。R2は、個々に、一価のヒドロカルビル基部分である。Aは、アミン部分、または、異なるアミン部分の組合せである。Xは、アミン、アリーレンジオキシ、アリーレンジスルホンアミド、または、アリーレンジカルボキシ部分、または、そのような部分の組合せである。そして、Ar3は、式のいずれかによって代表される、カルド(cardo)部分である。
【0103】
【化14】
【0104】
【化15】
【0105】
ここでは、Yは、無し(nil)、共有結合、または、リンク群(linking group)であり、ここでは、適切なリンク群は、例えば、酸素原子、硫黄原子、カルボニル原子、スルホニル基、または、メチレン基、または、類似した結合を含む。nは、約10〜約1000の整数である。xは、0.01〜1.0である。そして、yは0〜0.5である。
【0106】
用語「主に、ヒドロカルビレン(predominantly hydrocarbylene)」は、主に、炭化水素である二価のラジカルを意味しているが、任意で、例えば、酸素、硫黄、イミノ基、スルホニル基、スルホキシル基などのような、少量のヘテロ原子部分を含む。
【0107】
化学式Iによって表されるヒドロキシ基によって官能化された、ポリ(アミドエーテル)(hydroxy−functional poly(amide ethers))は、アメリカ特許番号第5,089,588号、および、5,143,998号に記述されているように、好ましくは、N,N’−ビス(ヒドロキシフェニルアミド)アルカン(N,N’−bis(hydroxyphenylamido)alkane)、または、アレーン(arene)を、ジグリシジルエーテルにコンタクトすることによって、準備される。
【0108】
化学式IIによって表される、ポリ(ヒドロキシアミドエーテル)(poly(hydroxy amide ethers))は、アメリカ特許番号第5,134,218号に記述されているように、例えば、N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)アジプアミド(N,N’−bis(3−hydroxyphenyl) adipamide)、または、N,N’−ビス(3−ヒドロキシフェニル)グルタミド(N,N’−bis(3−hydroxyphenyl)glutaramide)などのビス(ヒドロキシフェニルアミド)アルカン、または、アレーン、または、これらの化合物の2以上の組み合わせを、エピハロヒドリン(epihalohydrin)とコンタクトすることによって準備される。
【0109】
化学式IIIによって表される、アミドおよびヒドロキシメチルによって官能化されたポリエーテルは、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルのようなジグリシジルエーテルを、ペンダントアミド、N−置換アミド、および/または、ヒドロキシルアルキル部分を有する二価フェノール、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドおよび3,5−ヒドロキシベンズアミドと反応させることによって、準備される。これらのポリエーテル、および、それらの生成物は、アメリカ特許番号5,115,075号、および、5,218,075号に記述されている。
【0110】
化学式IVによって表されるヒドロキシ基によって官能化されたポリエーテルは、アメリカ特許番号5,164,472号に記述されるプロセスを使用して、例えば、ジグリシジルエーテル、または、ジグリシジルエーテルの組み合わせを、二価フェノール、または、二価フェノールの化合物を反応させることによって準備される。それに代わって、ヒドロキシ基で官能化されたポリエーテルは、二価フェノール、または、二価フェノールの組み合わせを、Reinking,Barnabeo and Hale in the Journal of Applied Polymer Science,Vol.7,p.2135(1963)に記述されるプロセスによって、エピハロヒドリンと反応させることによって、得られる。
【0111】
化学式Vによって表される、ヒドロキシ基で官能化されたポリ(エーテルスルホンアミド)は、アメリカ特許番号5,149,768号に記述されているように、例えば、N,N’−ジアルキル、または、N,N’−ジアリルジスルホンアミドをジグリシジルエーテルと重合させることによって準備される。
【0112】
化学式VIによって表されるポリ(ヒドロキシエステルエーテル)は、ジグリシジルテレフタレートまたは二価フェノールのジグリシジルエーテルのような、脂肪族、または、芳香族の二酸のジグリシジルエーテルを、アジピン酸またはイソフタル酸のような、脂肪族、または、芳香族の二酸と、反応させることによって準備される。これらのポリエステル類は、アメリカ特許番号5,171,820号に記述されている。
【0113】
化学式VIIに示したヒドロキシ−フェノキシ・エーテルポリマーは、たとえば、少なくとも1つの複核モノマーを、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、フェノールフタレイン、または、フェノールフタリミジン、または、置換されたビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン、置換されたフェノールフタレイン、または、置換されたフェノールフタリミジンのような、置換されたカルド・ビスフェノールのような、カルド・ビスフェノールの少なくとも一つのジグリシジルエーテルと、その複核モノマーの求核部をエポキシ部と反応させ、吊下ったヒドロキシ部、そして、エーテル、イミノ、アミノ、スルフォン・アミド、または、エステル鎖を含むポリマーの基幹を形成するのに十分な状態の下で、コンタクトすることによって、準備する。これらのヒドロキシ−フェノキシエーテルポリマーは、米国特許番号5,184,373において開示されている。
【0114】
化学式VIIIに示されるポリ(ヒドロキシアミノエーテル)(「PHAE」、または、ポリエーテルアミン)は、アミン鎖、エーテル鎖、そして、吊下ったヒドロキシ部を有するポリマー基幹を形成するようにエポキシ部と反応するアミノ部を十分にもたらすのに十分な状態の下で、2つの水酸基を含むフェノール(dihydric phenol)のジグリシジルエーテルの1以上を、2つのアミン水素を有するアミンに接触することによって、準備される。これらの化合物は、米国特許番号5,275,853において開示されている。たとえば、ポリヒドロキシアミノエーテルコポリマーは、ジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、または、それらの組合せから形成される。ヒドロキシ−フェノキシエーテルポリマーは、ビスフェノールA、そして、エピハロヒドリンのような、分子中に2個の水酸基を有する多核なフェノール(dihydric polynuclear phenol)の縮合反応性生物であって、そして、式IVによって示す繰り返し単位を有し、ここでは、Arは、イソプロピリデン・ジフェニレン(isopropylidene diphenylene)部である。これらを準備するプロセスは、米国特許番号3,305,528において開示されており、それの全てにおける言及によって組み込まれている。
【0115】
一般的に、好ましいフェノキシ−タイプ材料は、安定した水ベースの溶液、または、分散液を形成する。好ましくは、その溶液/分散液の特性は、水との接触によって逆行して作用されない。好ましい材料は、略10%固形分から、略50%固形分に分布しており、略15%、20%、25%、30%、35%、40%、および、45%を含んでおり、そして、そのようなパーセンテージを包含して分布するが、これらの値以上および以下の値が意図する。好ましくは、その使用される材料は、極性溶媒において、溶解、または、分散される。これらの極性溶媒は、限定されないが、水、アルコール、および、グリコールエーテルを含む。たとえば、米国特許番号6,455,116、6,180,715、および、5,834,078を参照すれば、そこでは、いくつかの好ましいフェノキシ−タイプ溶液、および/または、分散液を記載している。
【0116】
一の好適なフェノキシタイプ材料は、ポリヒドロキシアミノエーテルコポリマー(PHAE)である。分散液、または、溶液は、容器、または、プリフォームに適用するときに、予測され、よく知られた方法において、容器の壁を介した、さまざまなガスの浸透速度(permeation rate)を大きく減らす。それにより作られた、一つの分散液、または、ラテックスは、10〜30パーセントの固形を具備する。PHAE溶液/分散液は、PHAEを、水の溶液において有機酸、好ましくは、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、または、グリコールの酸、および/または、それらの組合せを含むもの以外である、酢酸、または、リン酸と共に、かき混ぜ、または、さもなければ撹拌することによって、準備される。これらのPHAE溶液/分散液は、また、これらの酸と、ポリヒドロキシアミノエーテルとの反応によって生成された有機酸塩を含む。
【0117】
いくつかの実施形態においては、フェノキシタイプ熱可塑性プラスチックは、当業者に知られている技術を使用して、他の材料と、混合、または、ブレンドされる。いくつかの実施形態においては、相溶化剤(compatibilizer)は、混合物に加えられる。相溶化剤が使用されるとき、限定されないが、色、ヘイズ、および、混合物と他の層とを具備する層の間の接着を含む、その混合物の1以上の特性が、好適に、改善される。一の好ましい混合物は、一以上のフェノキシタイプ熱可塑性プラスチック、および、一以上のポリオレフィンを具備する。好ましいポリオレフィンは、ポリプロピレンを具備する。一実施形態においては、ポリプロピレン、または、他のポリオレフィンは、限定されないが、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート、アクリルメタクリレート、および/または、相溶性を増す、類似した化合物を含む、極性分子、基、または、モノマーで、グラフト、または、変性される。
【0118】
以下のPHAEの溶液、または、分散液は、適切なフェノキシタイプ溶液、または、分散液の例であって、WO04/004929およびアメリカ特許番号6,676,883号に記述されているように、樹脂の一つ以上の層が、例えば、ディップ、フロー、または、スプレーコーティングによる液体として適用されるときに、使用される。
【0119】
ポリヒドロキシアミノエーテルの例は、アメリカ特許番号5,275,853において、Silvesらによって、開示されている。一の適切なポリヒドロキシアミノエーテルは、BLOX(商標)の試験的なバリア樹脂であって、例えば、Dow Chemical社によって製造されたリン酸で製造されるXU−19061.00である。この特定のPHAEの分散液は、以下の代表的な特徴を有すると言われている。固形分30%、比重1.30、pH4、24センチポイズの粘性(ブルックフィールド、60rpm、LVI、22°C。)、および、粒径1,400〜1,800オングストローム。他の適切な材料は、レゾルシノールに基づいたBLOX(商標)588−29樹脂を含み、レゾルシノールは、バリア材料として優れた結果も提供する。この特定の分散液は、以下の代表的特徴を有すると言われている:固形分30%、比重1.2、pH4.0、20センチポイズの粘性(ブルックフィールド、60rpm、LVI、22°C。)および粒径1,500〜2,000オングストローム。他の適当な材料は、BLOX(商標)5000樹脂分散液の中間体、BLOX(商標)XUR588−29、BLOX(商標)0000および4000シリーズの樹脂を含む。これらの材料を溶解するために使われる溶媒は、限定されないが、極性溶剤、例えば、アルコール類、水、グリコールエーテル類、または、それらの混合物を含む。他の適切な材料は、限定されないが、BLOX(商標)R1を含む。
【0120】
好ましいガスバリア層は、少なくとも1つのポリヒドロキシアミノエーテルと、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーとの混合物を具備する。いくつかの実施形態においては、PHAEは、 EVOHとブレンドされ、物体の基材にガスバリア層を与える。これらの実施形態においては、EVOH/PHAE混合物は、ここで示す水性溶液、分散液、または、エマルジョンを、ディップ、スプレー、または、フローコーティングすることによって、物体の基材に適用される。
【0121】
ビニルアルコールポリマー、または、コポリマー、および、フェノキシタイプ熱可塑性物質の混合物は、安定な水性の溶液、分散液、または、エマルジョンを形成する。いくつかの実施形態においては、混合物は、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマー、および、フェノキシタイプ熱可塑性物質の全重量を基準にして、少なくとも1つのビニルアルコールポリマー、または、コポリマーの5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,および、約95wt%を具備する。好ましい実施形態においては、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、ここで更に示すように、EVOH、または、PVOHである。好ましい実施形態においては、フェノキシタイプ熱可塑性物質は、PHAEである。
【0122】
ポリヒドロキシアミノエーテルの化学的性質の他のバリエーションは、ヒドロキノンジグリシジルエーテルに基づく結晶バージョンのように有用であると分かる。他の適切な材料は、Imperial Chemical Industries(「ICI」、オハイオ、USA)によって、名前「OXYBLOK」の下で利用可能な、ポリヒドロキシアミノエーテルの溶液/分散液を含む。一実施形態においては、PHAEの溶液、または、分散液は、適切な架橋剤材料を加えることによって、部分的に(半架橋(semi−cross linked))、完全に、または、アプリケーションに適するような正確な要求される程度に、架橋される。架橋の利点は、限定されないが、以下の一つ以上を含む:向上される耐化学性、向上される耐摩耗性、低いブラッシング、低い表面張力。架橋剤材料の例は、限定されないが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、または、材料のアルデヒド族の他のもの含む。適切な架橋剤は、また、材料のTgを変化させ、特定の容器の形成を容易にする。一実施形態においては、好ましいフェノキシタイプ熱可塑性プラスチックは、水溶性の酸に溶解する。ポリマー溶液/分散液は、熱可塑性エポキシを、水の溶液中において、好ましくは、酢酸、または、リン酸であって、また、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、および/または、それらの混合物も含む有機酸と共に、撹拌、さもなければ、かき混ざることによって、準備される。好ましい実施形態においては、ポリマー溶液中の酸濃度は、総重量に基づく重量で、好ましくは、約5%〜20%の範囲であり、約5%〜10%を含む。他の好ましい実施形態においては、酸濃度は、約5%以下、または、約20%以上でもよく、そして、ポリマーのタイプ、および、その分子量のような因子に依存して変えてもよい。他の好ましい実施形態においては、酸濃度は、重量で約2.5から約5%で分布する。好ましい実施形態における、溶解されたポリマーの量は、約0.1%〜約40%まで分布する。均一で、自由に流動するポリマー溶液が、好ましい。一実施形態においては、10%のポリマー溶液は、90℃でポリマーを10%の酢酸溶液に溶解することによって準備される。そして、まだ熱い間に、その溶液は、20%の蒸留水で希釈され、8%のポリマー溶液を与える。ポリマーの濃度がより高いと、ポリマー溶液は、より高い粘性になる傾向がある。一つの好ましい、限定されない、ヒドロキシ−フェノキシエーテルポリマー、PAPHEN 25068−38−6は、フェノキシ・アソシエートInc(Phenoxy Associates,Inc)から、商業的に入手できる。別の好ましいフェノキシ樹脂は、イン・ケム(InChem(商標)(Rock Hill,South Carolina))から入手可能であり、これらの材料は、限定されないが、INCHEMREZ(商標)のPKHH、および、PKHW、製品ラインを含む。
【0123】
アメリカ特許番号4,578,295号においてJabarinに記述されているように、他の適切なコーティング材料は、好ましい、コポリエステル(copolyester)材料を含む。それらは、一般的に、イソフタル酸、テレフタル酸、および、それらのC1からC4のアルキルエステルから選択される、少なくとも1つの反応体の混合物を、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシル)ベンゼンおよびエチレングリコールと共に加熱することによって準備される。任意で、その混合物は、一つ以上のエステル形成ジヒドロキシ炭化水素、および/または、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンを、さらに、具備してもよい。特に、好ましいコポリエステル材料は、B−010、B−030、および、このファミリーの他のものとして、Mitsui Petrochemical Ind. Ltd.(Japan)から入手可能である。
【0124】
好ましいポリアミド材料の例は、Mitsubishi Gas Chemical (Japan)からのMXD−6を含む。他の好ましいポリアミド材料は、ナイロン6、そして、ナイロン66を含む。他の好ましいポリアミド材料は、ポリアミドとポリエステルとの混合物であって、重量で約1〜20%のポリエステルを具備するものを含み、より好ましくは、重量で約1〜10%のポリエステルを具備するものを含み、そこでは、そのポリエステルが、好ましくは、PET、または、PETアイオニマーを含む変性PETである。他の実施形態においては、好ましいポリアミド材料は、ポリアミドとポリエステルとの混合物であって、重量で約1〜20%のポリアミドを具備するものを含み、より好ましくは、重量で約1〜10%のポリアミドを具備するものを含み、そこでは、そのポリエステルは、好ましくは、PET、または、PETアイオニマーを含む変性PETである。その混合物は、普通の混合物であり、または、それらは酸化防止剤、または、他の材料で相溶化される。そのような材料の例は、2003年3月21日に出願された、アメリカ特許公報番号2004/0013833号に記述されるものを含み、それを完全に参照することによって、ここに取り入れられる。他の好ましいポリエステルは、限定されないが、PEN、および、PET/PENコポリマーを含むが、これらに限定されない。
【0125】
一の適切な水溶性ベースのポリエステル樹脂は、アメリカ特許番号4,977,191号(Salsman)に記述され、参照することによって、ここに取り入れられる。更に具体的には、アメリカ特許番号4,977,191号は、不用なテレフタレートポリマーの重量による20〜50%、少なくとも1つのグリコールの重量の10〜40%、少なくとも1つのオキシアルキレート化されたポリオールの重量の5〜25%の反応性生物を具備する水溶性ベースのポリエステル樹脂を記述している。
【0126】
他の好ましい水性ベースのポリマーは、スルホン化された水溶性ベースのポリエステル樹脂組成物であり、アメリカ特許番号5,281,630号(Salsman)に記述され、ここでは、参照することによって取り入れられる。具体的には、アメリカ特許番号5,281,630は、スルホン化された水溶液の水性懸濁液、または、テレフタレートポリマーの重量の20〜50%、少なくとも1つのグリコールの重量の10〜40%、少なくとも1つのオキシアルキレート化されたポリオールの重量の5〜25%の反応性生物を具備し、ヒドロキシアルキル機能を有するプレポリマーを生成する水和性ポリエステル樹脂であって、そのプレポリマー樹脂が、さらに、略0.10molで、プレポリマー樹脂の100g当たりで略0.50molのα,β−エチレン不飽和ジカルボン酸に反応され、そして、樹脂が生産され、α、β−エチレン不飽和ジカルボニル酸の残留物によって、終了され、略0.5モルで、α、βエチレン不飽和ジカルボニル酸残余物の1モルあたりの亜硫酸塩剤の略1.5モルに反応され、スルホン末端化された樹脂を生成することを記述している。
【0127】
さらに他の好ましい水溶性ベースのポリマーは、アメリカ特許番号5,726,277号(Salsman)に記述されたコーティングであって、ここでは、参照により、取り入れられる。具体的には、アメリカ特許番号5,726,277号は、不用なテレフタレートポリマー、および、解糖触媒の存在するオキシアルキレートポリオールを含むグリコールの混合物の重量で少なくとも50%の反応生成物を具備するコーティング組成であって、その反応生成物が、さらに、二官能基、有機酸と反応され、グリコール中の酸の重量割合が、6:1〜2:1の範囲であることを記述している。
【0128】
上記の例が、好ましい水溶性ベースのポリマーコーティング組成物として提供される一方、他の水溶性ベースのポリマーは、その生成物、および、ここに記述される方法で使用するのに適している。限定されないが、一例として、さらに、適切な水溶性ベースの組成物は、アメリカ特許番号4,104,222号(Dateほか)に記述されており、ここでは、参照することによって取り入れられる。アメリカ特許番号4,104,222は、直鎖状ポリエステル樹脂を高級アルコール/エチレン酸化物添加タイプの界面活性剤と共に混合することによって得られる直鎖状ポリエステル樹脂の分散液であって、その混合物を溶融し、特に、撹拌の下、アルカリの水溶液中に融解物を注入することによって得られる溶解物を分散することを記述している。具体的には、この分散液は、直鎖状ポリエステルを、高級アルコール/エチレン酸化物添加タイプの界面活性剤と共に混合することによって得られ、混合物を融解し、70〜95℃の温度で撹拌の下、アルカノールアミンの水溶液中へ注入することによって、結果として得る溶融物を分散するものであって、前記のアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチレンエタノールアミン、モノエチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、および、グリセリンノアルカノールアミンから成る群から選択され、そのアルカノールアミンが、水溶液中に0.2〜0.5重量%の量で存在し、高級アルコール/エチレン酸化物添加剤タイプの前記の界面活性剤が、少なくとも8個の炭素原子のアルキル基を有するエチレン酸化物添加剤の高級アルコールの生産物、アルキル置換フェノール、または、ソルビタンモノアクリレートであり、前記の界面活性剤は、少なくとも12価のHLBを有する。
【0129】
同様に、例えば、アメリカ特許番号4,528,321号(アレン)は、水溶な、または、水膨張可能なポリマー粒子の、水に不混和な液体における分散を開示しており、水に不混和な液体中で、逆層重合によって作られ、C4〜12アルキレングリコールモノエーテル、それらのC1〜4アルカノアート、C6〜12ポリアルキレングリコールモノエーテル、そして、それらのC1〜4アルカノアートから選択される非イオン化合物を含む。
【0130】
付加的なガスバリア層は、エチレンビニルアセテート(EVA)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリエチレン−2,6−および1,5−ナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリ乳酸(PLA)、ポリカーボネート、ポリグリコール酸(polyglycolic acid(PGA))、ポリヒドロキシアミノエーテル、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、ウレタン、アクリレート 、ポリスチレン、シクロオレフィン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル、ポリビニルクロライド(polyvinyl chloride)、ポリビニリデンクロライド(polyvinylidine chloride)(PVDC)、スチレンアクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリ汗タール、ポリブチレンテレフタレート、PETのスルフォン酸塩などのポリメリック・アイオノマー(polymeric ionomers)、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラメチレン1,2−ジオキシベンゾエート、ポリウレタン、およびエチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートのコポリマー、および前述の1つ、または、複数のコポリマーおよび/またはブレンドの一以上を、付加的に具備する。
【0131】
実施形態においては、そのガスバリア耐性コーティング(gas−barrier resistant coating)は、水溶性ポリマーの溶液、水ベースのポリマー(water−based polymer)分散液、または、そのポリマーの水性エマルジョンとして適用される。
[耐水性コーティング材料]
【0132】
特定のコーティング材料は、好ましくは、トップコートの一部、または、トップコートの下における1以上の層、または、物体の基材と比較して、熱水、スチーム、腐食性(caustic)、または、酸性材料のような化学的耐性が改良された層として適用される。特定の実施形態においては、これらのトップコートまたは層は、水性ベース、または、非水性ベースのポリエステル、アクリル(acrylic)、EAAのようなアクリル酸コポリマー、ポリプロピレン、または、ポリエチレンのようなポリオレフィンポリマー、または、コポリマー、および、任意に部分的または完全に架橋された、それらのブレンドである。一の好ましい水性ベースのポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートであるが、他のポリエステルも使用可能である。
【0133】
耐水性コーティング層は、水の存在にて劣化(degrade)する、材料、または、材料の層を具備する物体の基材に適用することにおいて、特に有用である。PVOHおよびEVOHのような、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、水へさらされるときに、劣化する傾向にある。それゆえ、水への曝露(exposure)は、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマー、または、他の水に敏感なガスバリア材料を具備する、ガスバリア層のパフォーマンスを劣化させる。加えて、いくつかの添加剤、および、UV保護バリア材料のような他のバリア材料は、また、水への曝露に敏感である。
【0134】
いくつかの実施形態においては、外側の層(outer layer)における材料の間の架橋は、内側の層(inner layer)、および、物体の基材の耐水特性を、実質的に増加する。いくつかの実施形態においては、その架橋度は、架橋密度および度合い(cross linking density and degree)によって調整される。
[重合体の耐水性コーティング材料]
【0135】
いくつかの実施形態においては、そのコートされていない表面、または、1以上の層でコートされた表面を具備する基材物体は、さらに、耐水性コーティング材料でコートされる。好ましい実施形態においては、耐水性コーティング層において使用されている材料は、アクリル系のポリマーまたはコポリマーである。いくつかの実施形態においては、アクリル系のポリマーまたはコポリマーは、アクリル酸ポリマー、または、コポリマー、メタクリル酸ポリマー、または、コポリマー、または、メタクリル酸、または、アクリル酸ポリマー、または、コポリマーのアルキルエステルの1以上を具備する。いくつかの実施形態においては、アクリル酸コポリマーは、エチレンアクリル酸(EAA)コポリマーを具備する。EAAは、エチレンとアクリル酸との高圧(high pressure)共重合によって製造される。実施形態においては、EAAは、約75から約95wt%のエチレンと、約5から約25wt%のアクリル酸とを具備するコポリマーである。共重合は、コポリマーの主鎖と側鎖に沿って、大きなカルボキシル基をもたらす。これたのカルボキシル基は、結合を形成することがフリーであって、水のような、極性の基材と相互に作用する。加えて、カルボキシル基の水素結合が、バリア層の増加された堅牢性をもたらす。EAA材料は、また、そのコポリマーの透明度、低い融点、および、軟化点を強める。
【0136】
EAAのアンモニウム塩のような、アクリル酸ポリマー、または、コポリマーの塩は、ここで示すディップ、スプレー、およびフローコーティングにおけるアプリケーションのそれぞれを許容するアクリル酸の水性分散液の形成を可能にする。しかしながら、アクリレートポリマー、または、コポリマーを具備する組成物のいくつかの実施形態は、また、エマルジョンおよび溶液として適用される。
【0137】
商業的に利用可能なEAA水性分散液の例は、DOW PLASTICSから入手可能なPRIMACORを含み、25%固形分を有する水性分散液として、80wt%エチレンと20wt%アクリル酸の共重合から得られる。Michem(商標) Prime 4983,Prime 4990R,Prime 4422R、および、Prime 48525Rは、約20%から約40%の範囲の固形分のEAAの水性分散液として、Michelmanから入手可能である。いくつかの実施形態においては、EAAは、水ベース、または、ワックスエマルジョンとして、適用される。いくつかの実施形態においては、EAA分散液、または、エマルジョンは、低いVOC量を有し、一般に、約0.25wt%未満のVOCである。しかしながら、いくつかのEAA分散液、または、エマルジョンは、部分的、または、完全に、VOCがない。
【0138】
いくつかの実施形態においては、ポリオレフィンポリマー、または、コポリマーは、耐水性コーティング材料として使用される。たとえば、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを有するガスバリア層を具備する物体は、さらに、耐水性コーティング層として、ポリプロピレンのような、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーと共にコートされる。いくつかの実施形態においては、ポリオレフィンと、アクリル系ポリマーおよびコポリマーとの混合物は、耐水性コーティング材料として使用される。たとえば、ポリプロピレン(PP)とEAAとが、耐水性コーティング層として使用される。EAAとPPとの混合物は、その耐水性コーティング層におけるPPとEAAとの総重量を基準にして、約5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,76,80,85,90,および、95wt%のEAAを具備する。
【0139】
ポリエチレン、または、プロピレンのような、ポリオレフィンポリマー、または、コポリマーの1以上の層は、EVOH、または、PVOHのような、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する、乾燥されたコーティング層上にコートされて、水の感受性を減少させ、その物体の基材の水蒸気の透過性を減少させる。いくつかの実施形態においては、EVOHのような、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備するガスバリア層と、PHAEのようなフェノキシタイプ熱可塑性物質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、または、それらの組合せのような、ポリオレフィンポリマー、または、コポリマーの層でオーバーコートされる。いくつかの実施形態においては、EVOHのようなビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備するガスバリア層と、PHAEのようなフェノキシタイプ熱可塑性物質とは、EAAを具備する層でオーバーコートされる。
【0140】
他の実施形態においては、EVOHのような、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備するバリア層は、また、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーの水への感受性を減少させる、および/または、バリア層の耐水性を増加させる、付加的な添加物を具備する。たとえば、EVOHを具備するガスバリア層は、PHAEのような、フェノキシタイプ熱可塑性物質を加えることによって、その層の耐水性を、実質的に増加させる。EVOHがポリヒドロキシアミノエーテルとブレンドされた、これらの実施形態においては、付加的なトップの耐水性コーティング層は、さらに、下にある層の水への感受性を減少させるため、および、その物体の基材の水の透過の割合を減少させるために使用される。この上記の例のいずれにおいても、EVOHは、PVOH、または、EVOH/PVOHのブレンドで置換される。
[ワックス]
【0141】
いくつかの実施形態においては、耐水性コーティング層は、ワックスを具備する。いくつかの実施形態においては、そのワックスは、カルナウバ、または、パラフィンのような、天然ワックスである。他の実施形態においては、そのワックスは、ポリエチレン、ポリプロピレン、および、Fischer−Tropschワックスのような、合成ワックスである。ワックス分散液は、水中において微粉化されたワックスである。溶剤分散液は、溶剤と結合されたワックスからなる。いくつかの実施形態においては、ワックス分散液の粒子サイズは、典型的には、1ミクロン(lμ)を超える。しかしながら、いくつかの分散液の粒子サイズは、所望なコーティング層および/またはワックス材料に応じて変わる。
【0142】
一の好ましい実施形態においては、耐水性コーティング層は、カルナウバを具備する。カルナウバワックスは、ブラジリアン・パーム・ツリー(Brazilian palm tree)の葉から抽出される天然ワックスである(Copernica cerifera)。その供給源のために、カルナウバは、FDA規格になる利益を与える。加えて、カルナウバおよびカルナウバ・ブレンドのエマルジョンは、付加的なスリップ、マー・レジスタンス(mar resistance)、および、ブロック・レジスタンス(block resistance)が必要とされるところで、性能の優位性(performance advantage)を与える。
【0143】
いくつかのカルナウバは、高固形エマルジョンとして入手可能であって、ここで示すように、物体の基材に適用可能である。いくつかのエマルジョンは、約10から約80%の固形分を具備する。
【0144】
他の実施形態においては、耐水性コーティング層は、パラフィンを具備する。いくつかの実施形態においては、パラフィンは、融点が48℃から74℃の範囲にある、低分子量ワックスである。それらは、高度に精製され、低い油分を有している、直鎖状炭化水素である。好ましい実施形態においては、パラフィンを具備する耐水性コーティング層は、アンチ・ブロッキング(anti−blocking),スリップ(slip),耐水性(water resistance)、または、水蒸気の透過の抵抗力(moisture vapor transmission resistance)を与える。耐水性コーティング層のいくつかの実施形態は、カルナウバとパラフィンとのブレンドを具備する。さらなる実施形態においては、耐水性コーティング層は、ポリオレフィンとワックスとのブレンドを具備する。耐水性コーティング材料のいくつかの実施形態は、天然ワックス、および/または、合成ワックスのブレンドを具備する。たとえば、カルナウバワックスとパラフィンとのブレンドは、いくつかの実施形態の耐水性コーティング層において使用される。
【0145】
水ベースのワックスエマルジョンは、Michelsonから商業的に入手可能である。好ましい実施形態においては、水に浮かぶワックスエマルジョン(waterborne wax emulsion)は、低いVOC量を有する。低いVOC量の水ベースのカルナウバワックスエマルジョンの例は、Michem Lube 156およびMichem Lube 160である。低いVOC量を有する、カルナウバとパラフィンとがブレンドされた水ベースのワックスエマルジョンの例は、Michem Lube 180とMichem Lube 182とである。耐水性コーティング層のためにブレンドされたポリオレフィン/ワックス材料の一例は、Michem Lube 110であり、ポリエチレンとパラフィンとを含む。
[発泡材料(Foaming Materials)]
【0146】
いくつかの実施形態においては、フォーム(foam)材料は、基材(ベース物体、または、プリフォーム)、または、コーティング層において使用される。ここで用いられるように、用語「フォーム材料(foam material)」は、広義の用語であって、そのものの通常の意味に従って使用され、そして、限定されないが、発泡剤、発泡剤の混合物、および、バインダー、または、キャリア材、エキスパンダブルな気泡材料(expandable cellular material)、および/または、ボイドを有する材料を含む。用語「フォーム材料」と「エキスパンダブルな材料」とは、ここでは、同義的に使用される。好ましいフォーム材料は、物体(例えば、容器)の、熱的な、および/、または、構造的な特性を改良する一つ以上の物理的特性を示し、そして、容器によって典型的に経験される、プロセス、および、物理的ストレスに耐えられるように、好ましい実施形態を可能にする。一実施形態においては、フォーム材料は、容器に対する、構造的なサポートを提供する。他の実施形態においては、フォーム材料は、プロセスの間に容器に対するダメージを減らす保護層を形成する。例えば、フォーム材料は、輸送の間、容器に対するダメージを減らす耐摩耗性を提供する。一実施形態においては、発泡体の保護層は、容器のショック、または、耐衝撃性を増し、それ故、容器の破損を防止、または、減らす。さらに、他の実施形態においては、発泡体は、容易にグリップする表面、および/または、容器の美観、または、魅力を強化することができる。
【0147】
一実施形態においては、フォーム材料は、発泡剤(foaming agent)、または、ブローイング剤(blowing agent)、および、キャリア材料(carrier material)を具備する。1つの好ましい実施形態においては、発泡剤は、膨張され、発泡体を生成するためにキャリア材料と協働する、エキスパンダブルな構造体(例えば、微小球体(microsphere))を具備する。例えば、発泡剤は、Akzo Nobelによって販売される、EXPANCEL(商標)微小球体のような、熱可塑性微小球体である。一実施形態においては、微小球体は、ガスをカプセル化する熱可塑性シェルを具備する熱可塑性の中空球体である。好ましくは、微小球体が加熱されるとき、熱可塑性シェルは、柔らかくなり、そして、ガスは、最初の位置から膨張された位置に微小球体の膨張をもたらす圧力を増加させる。その膨張された微小球体、および、キャリア材の少なくとも一部は、ここに記述される物体の発泡体の部分を形成する。フォーム材料は、単一材料(例えば、発泡剤とキャリア材の一般的に同質の混合物)、材料のミックス、または、ブレンド、2つ以上の材料により形成された基材、2つ以上の層、複数のマイクロ層(薄板)を具備し、好ましくは、少なくとも二つの異なる材料を含む層を形成する。あるいは、微小球体は、他のコントロール可能な、エキスパンダブルな材料に適している。例えば、微小球体は、構造内、または、構造からガスを生成する材料を具備する構造である。一実施形態においては、その微小球体は、ガスを生成、または、含んでおり、ガス圧力の増加が、膨張、および/または、破裂する構造をもたらす、化学薬品を含む中空構造である。他の実施形態においては、その微小球体は、ガスを生成するために、分解、または、反応し、微小球体を膨張、および/または、破裂させる、一つ以上の材料から製造される、および/または、含む構造である。任意で、その微小球体は、一般的に、硬い構造である。任意で、その微小球体は、固体、液体、および/または、気体で満たされたシェルである。微小球体は、発泡体を形成するのに適した任意の構成および形状を有する。例えば、その微小球体は、一般的に球形である。任意で、その微小球体は、細長く、または、斜位回転楕円体である。任意で、その微小球体は、微小球体を膨張するのに適している任意のガス、または、ガスの混合ガスを具備できる。一実施形態においては、ガスは、不活性ガス、例えば、窒素などを具備できる。一実施形態においては、ガスは、一般的に不燃性である。しかしながら、特定の実施形態においては、非不活性ガス、および/または、可燃性ガスは、微小球体のシェルを満たすことができる。いくつかの実施形態においては、公知技術として、フォーム材料は、発泡(foaming)剤、または、ブローイング(blowing)剤を具備してもよい。その上、フォーム材料は、ほぼ、または、完全に発泡剤であってもよい。
【0148】
いくつかの好ましい実施形態は、一般的に、壊れない、または、破裂しない微小球体を具備するが、他の実施形態は、壊れ、破裂し、裂ける、および/または、そのようなことになる微小球体を具備する。任意で、その微小球体の部分は、壊れてもよいが、一方、微小球体の残りの部分は、壊れない。いくつかの実施形態においては、微小球体の重量にて、約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、および、これらの量を含む範囲で、壊れる。一実施形態においては、例えば、微小球体の相当な部分は、微小球体が膨張されるとき、破裂、および/または、裂ける。加えて、微小球体の、様々な混合物および混合体は、フォーム材料を形成するために用いられる。
【0149】
微小球体は、膨張を引き起こすのに適している任意の材料によって形成される。一実施形態においては、ここに記述されるように、微小球体は、ポリマー、樹脂、熱可塑性プラスチック、熱硬化性樹脂などを具備するシェルを有する。その微小球体シェルは、1つの材料、または、2つ以上の異なる材料の混合物を具備してもよい。例えば、その微小球体は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン6およびナイロン66)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、PEN、PETコポリマーおよびそれらの組み合わせを具備する、外殻(outer shell)を有する。一実施形態においては、PETコポリマーは、PETGとして一般的に呼ばれているものと、PETとの間のレベルで、CHDMコモノマーを具備する。他の実施形態においては、DEGおよびIPAのようなコモノマーは、PETに加えられ、微小球体シェルを形成する。材料のタイプ、サイズ、および、不活性ガスの特定の組み合わせは、微小球体の要求される膨張を達成するように、選択される。一実施形態においては、その微小球体は、好ましくは、微小球体が破裂を引き起こさずに、高温を条件のときに膨張可能な高温材料(例えば、PETG、または、類似した材料)によって形成されるシェルを具備する。その微小球体が低温材料(例えば、EVAとして)によって作成されたシェルを有するならば、その微小球体は、特定のキャリア材(例えば、高い融点を有するPET、または、ポリプロピレン)を処理することに適した高温を条件として壊れる。いくつかの状況においては、例えば、EXPANCEL(商標)の微小球体は、相対的に高い温度で処理されるときに、壊れる。有利には、中間、または、高温な微小球体は、相対的に高い融点を有するキャリア材とともに使用され、その微小球体を壊すことなしに、コントロール可能に、エキスパンダブルなフォーム材料を生成する。例えば、微小球体は、中間な温度の材料(例えば、PETG)、または、高温な材料(例えば、アクリロニトリル)を具備でき、相対的に高い温度のアプリケーションに適している。それ故、ポリマーを発泡するためのブローイング剤は、使用される処理温度に基づいて選択される。
【0150】
フォーム材料は、キャリア材を具備するマトリクスであり、好ましくは、エキスパンダブルな材料を形成するブローイング剤(例えば、微小球体)と混合可能な材料である。そのキャリア材料は、熱可塑性プラスチック、熱硬化性樹脂、または、ポリマー化された材料であり、エチレンアクリル酸(EAA)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリ(ヒドロキシアミノエーテル)(PHAE)、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン(PS)、パルプ(例えば、木、または、繊維の製紙用パルプ、または、一つ以上のポリマーとともに混合されたパルプ)、それらの混合物、などである。しかしながら、発泡剤を運ぶのに適した他の材料は、発泡体の要求される熱、構造、光学、および/または、他の特徴の一つ以上を達成するために、用いられる。いくつかの実施形態においては、キャリア材は、微小球体の容易で迅速な膨張のための、特性(例えば、高メルトインデックス)を有し、それ故に、サイクル時間を減らし、それにより、生産量を増やす結果となる。
【0151】
他の実施形態においては、発泡剤(Foaming agent)は、コーティング層を発泡するために、コーティング材料に加えられる。さらなる実施形態においては、発泡剤の反応生成物が使用される。有用な発泡剤は、限定されないが、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N−ジメチル−N,N−ジニトロソテレフタルアミド、N,N−ジニトロソペンタメチレン−テトラミン、ベンゼンスルホニル−ヒドラジド、ベンゼン−1,3−ジスルホニルヒドラジン、ジフェニルスルホン−3−3、ジスルホニルヒドラジン、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、バリウムアゾジカルボキシレート、ブチルアミン二トリル、ニトロ尿素、トリヒドラジノトリアジン、フェニル−メチル−ウレタン、p−スルホンヒドラジン、過酸化物、重炭酸アンモニウム、および、重炭酸ナトリウムを含む。現在考えられているものとしては、商業的に利用可能なフォーム材料は、限定されないが、EXPANCEL(商標)、CELOGEN(商標)、HYDROCEROL(商標)、MIKROFINE(商標)、CEL SPAN(商標)およびPLASTRON FOAM(商標)を含む。発泡剤と、発泡された層は、以下に、より詳細に述べる。
【0152】
発泡剤は、コーティング層の重量に基づいて(すなわち、溶媒が排除されて)、重量で約1〜約20%、より好ましくは、重量で約1〜約10%、そして、最も好ましくは、重量で約1〜約5%の量において、コーティング材料に存在する。圧縮ガスを用いた、当業者に知られている新しい発泡技術は、また、上記に列記した従来のブローイング剤に代わって、泡を発生するための代替の手段として使用される。
【0153】
好ましい実施形態においては、成型可能な材料(formable material)は、異なるプロセスウィンドウ、および/または、物理的特性を有する各々の複数の成分を含む、2つ以上の成分を具備する。その成分は、その成型可能な材料が一つ以上の要求される特質を有するように、組み合わせられる。その成分の割合は、要求されるプロセスウィンドウ、および/または、物理的特性をもたらすように変更される。例えば、第1の材料は、第2の材料のプロセスウィンドウと類似、または、異なるプロセスウィンドウを有する。そのプロセスウィンドウは、例えば、圧力、温度、粘性などに基づく。それ故、成型可能な材料の成分は、その材料を形作るのに望ましい、圧力、または、温度範囲を実現するように、混合される。
【0154】
一実施形態においては、第1の材料と第2の材料との組合せは、第2の材料のプロセスウィンドウよりも望ましいプロセスウィンドウを有する材料を結果として得る。例えば、その第1の材料は、広い温度範囲にわたって処理することに適しており、そして、第2の材料は、狭い温度範囲にわたって処理することに適している。第1の材料により形成される部分、および、第2の材料により形成される他の部分を有する材料は、第2の材料の処理温度の狭い範囲より広い温度範囲にわたって処理することに適している。一実施形態においては、マルチコンポーネント材料のプロセスウィンドウは、第1の材料のプロセスウィンドウと類似している。一実施形態においては、成型可能な材料は、多層シート、または、PETを具備する層とポリプロピレンを具備するチューブを具備する。PETおよびポリプロピレンの両方から形成される材料は、PETに適している処理温度範囲に類似した広い温度範囲で、処理される(例えば、押出される)。そのプロセスウィンドウは、一つ以上のパラメータ、例えば、圧力、温度、粘性などのためのものである。
【0155】
任意で、その材料の各々の成分の量は、望ましいプロセスウィンドウを達成するために変更される。任意で、その材料は、組み合わされ、圧力、温度、粘性などの望ましい範囲にわたって処理することに適した、成型可能な材料を生成する。例えば、より望ましいプロセスウィンドウを有する材料の割合は、増やされ、より望ましくないプロセスウィンドウを有する材料の割合は、減らされて、第1の材料のプロセスウィンドウと実質的に同様なプロセスウィンドウを有する材料を結果として得る。もちろん、より望ましいプロセスウィンドウが、第1の材料の第1のプロセスウィンドウと第2の材料の第2のプロセスウィンドウとの間にあれば、第1および第2の材料の割合は、成型可能な材料の要求されるプロセスウィンドウを達成するように選択される。
【0156】
任意で、同様な、または、異なるプロセスウィンドウを有する複数の材料の各々は、組み合わされて、結果として得る材料にとって望ましいプロセスウィンドウを得る。
【0157】
一実施形態においては、成型可能な材料の流動学的特性は、異なる流動学的特性を有する一つ以上の成分を変更することによって、変えられる。例えば、基材(例えば、PP)は、高い溶融強度を有しており、押出し成形に敏感である。PPは、その押出しプロセスに適している材料を形成するために、押出し成形を困難にさせる低い溶融強度を有する、例えば、PETなどの他の材料と組み合わされて、押出し成形処理に適した材料を形成する。例えば、PP、または、他の強い材料の層は、共押出成形(例えば、水平な、または、垂直な共押出成形)の間、PET層をサポートする。それ故、PETおよびポリプロピレンにより形成された成型可能な材料は、一般的に、PPに適し、一般的に、PETに適さない温度範囲において、処理、例えば、押出し成形される。
【0158】
いくつかの実施形態においては、成型可能な材料の組成は、物体の一つ以上の特性に影響を及ぼすように選択されてもよい。例えば、熱特性、構造特性、バリア特性、光学特性、流動特性、好ましい風味特性、および/または、他の特性、または、ここに開示される特性は、ここに記述される成型可能な材料を用いて得られる。
[接着材料(Adhesion Materials)]
【0159】
いくつかの実施形態においては、特定の接着材料は、物体の基材の1以上の層に加えられる。他の実施形態においては、1以上の層は、接着材料を具備する。それゆえ、ここで示されているように、実施形態は、接着材料を具備するバリア層を含む。他の実施形態においては、結合層は、接着材料を具備する。
【0160】
いくつかの好ましい実施形態においては、ポリオレフィン層は、接着層、および/または、バリア層として使用される。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、変性ポリオレフィン組成を具備する。実施形態においては、エチレン、または、プロピレンホモポリマー、または、コポリマーは、接着層のための材料として使用される。一実施形態においては、ポリプロピレン、または、他のポリマーは、グラフト化、または、限定されないが、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート、アクリルメタクリレート、および/または、接着性を改良する類似化合物を含む、極性基で変性されている。好ましい実施形態においては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン・ホモポリマー、または、無水マレイン酸変性ポリプロピレン・コポリマーは、また、使用される。ここで使用されているように、「PPMA」は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン・ホモポリマーおよびコポリマーの両者のための頭文字である。ここで使用されているように、「PEMA」は、無水マレイン酸変性ポリエチレン・ホモポリマーおよびコポリマーの両者の頭文字である。これらの材料は、また、他のガスバリアおよび耐水性コーティング材料と混合され、これらの層、または、物体の基材の互いの接着を補助する。あるいは、その材料は、基材またはコーティング層を他のコーティング層に接着する結合層として適用される。
【0161】
いくつかの実施形態においては、ポリプロピレンとPPMAとのブレンドが使用される。いくつかの実施形態においては、PPMAは、ポリプロピレンとPPMAとの総重量を基準として約20から約80wt%である。
【0162】
他の実施形態においては、ポリプロピレンは、また、澄んだ(clarified)ポリプロピレンを指す。ここで用いられるように、用語「澄んだポリプロピレン」は、広義の用語であって、そのものの通常の意味に従って使われ、限定されないが、核生成抑制剤(nucleation inhibitor)、および/または、澄んだ添加物を含むポリプロピレンを含む。澄んだポリプロピレンは、一般的に、ホモポリマー、または、ポリプロピレンのブロックコポリマーと比較して、透明な材料である。核生成抑制剤の含有物は、結晶化度、または、結晶化度の影響を防止、および/または、減らすのに役立ち、それは、ポリプロピレン、または、それに加えられる他の材料内で、ポリプロピレンのかすみ(haziness)に寄与する。いくつかの浄化剤(clarifier)は、結晶性ドメインの大きさを減らすことよりも減らす合計の結晶化度を減らすことにより働き、および/または、浄化剤の不足により形成されうる大きいドメインの大きさに対抗するように多くの小さいドメインの形成を含む。澄んだポリプロピレンは、ダウケミカル社(Dow Chemical Co.)のような様々な販売源から購入できる。また、核生成抑制剤は、ポリプロピレンまたは他の材料に加えられてもよい。核生成抑制剤添加物の1つの適切な源は、シュルマン(Schulman)である。
【0163】
いくつかの実施形態においては、フェノキシタイプ熱可塑性物質は、結合層、または、バリア層の、他の層と共に使用される。たとえば、PHAEは、1以上の層に加えられて、物体の基材材料、および/または、他のバリア層の間の接着性を増加する。他のヒドロキシで官能化されたエポキシ樹脂は、また、ガスバリア材料、および/または、接着材料として使用される。
【0164】
いくつかの実施形態においては、接着材料は、1以上のコーティング層において使用されるポリエチレンイミン(PEI)である。これらのポリマーは、多数の利用可能な1級、2級、または、3級アミン基を有し、バリア層の接着の増加において効果的である。いくつかの実施形態においては、PEIは、約25%の1級アミン基、50%の2級アミン基、25%の3級アミン基を有する高度な分岐ポリマーである。
【0165】
PEIは、接着を促進し、フィラーと顔料とを分散し、そして、濡れ特性(wetting characteristics)を強調する。いくつかの実施形態においては、PEIは、さらに、炭素、窒素、硫黄、揮発性アルデヒド、塩素、臭素、および、有機ハロゲン化物の酸化物を捕捉する。いくつかの実施形態においては、PEIは、水性のエマルジョン、または、分散液中において存在する。いくつかの実施形態においては、PEIの分子量は、約5,000−1,000,000である。いくつかの実施形態においては、ガスバリアコーティング層、または、耐水性コーティング層へのポリエチレンアミンの付加は、バリア層および物体の基材を介したCO2の透過の割合の減少をもたらす。いくつかの実施形態においては、PEIは、アクリルアミドおよびエチレンイミンのコポリマーのような、エチレンイミンのコポリマーを具備する。いくつかの実施形態においては、1以上のPEIは、層の全重量を基準にして、約10wt%未満の量で使用される。いくつかの実施形態においては、PEIは、約10から約20wt%である。他の実施形態においては、PEIは、約0.01から約5wt%である。
【0166】
好ましい実施形態においては、PEIは、コーティングの前に、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーと共にブレンドされる。たとえば、PEIは、物体の基材上にコーティング層として適用される前に、EVOH、および/または、PVOHとブレンドされる。いくつかの実施形態においては、組成物の混合は、液体PEIを、EVOHを含む押出し機(extruder)中に注入すること、または、押出し機のスクリューで混合する前に、液体PEIとEVOHとを供給ホッパ(feed hopper)に置くことによって、得られる。他の実施形態においては、PEIは、1以上の他のガスバリア、または、PHAEのようなフェノキシタイプ熱可塑性物質を含む耐水性コーティング材料と共に、ブレンドされる。
【0167】
いくつかの実施形態においては、1以上のジルコニウム塩は、また、物体の基材上にコートされた1以上の層のために、接着強化剤(adhesion enhancer)として使用される。いくつかの実施形態においては、ジルコニウム塩は、チタン酸塩(titanate)、または、ジルコン酸塩(zirconate)の1以上である。チタン酸塩およびジルコン酸塩は、接着促進剤として使用される。いくつかの実施形態においては、有機ジルコン酸塩(organozirconates)は、接着促進剤として使用される。いくつかの実施形態においては、配位ジルコニウム(coordinate zirconium),ネオアルコキシジルコネート(neoalkoxyzirconate),ジルコニウムプロピオネート(zirconium propionate),ジルコアルミナート(zircoaluminates),ジルコニウムアセチルアセトネート(zirconium acetylacetonate)、および、ジルコニウムメタクリレート(zirconium methacrylate)から選択される1以上のものは、接着促進剤として使用される。いくつかの実施形態においては、そのジルコニウム塩は、溶媒中にて溶解される。ジルコニウム塩の例は、ジルコニウムオキシクロライド(zirconium oxychloride),ヒドロキシジルコニウムクロライド(hydroxy zirconium chloride),ジルコニウムテトラクロライド(zirconium tetrachloride)、および、ジルコニウムブロマイド(zirconium bromide)のような、ハロゲン化したジルコニウム塩と、ジルコニウムスルフェート(zirconium sulfate),塩基性ジルコニウムスルフェート(basic zirconium sulfate)、および、ジルコニウムナイトレート(zirconium nitrate)のような、鉱酸(mineral acid)のジルコニウム塩と、ジルコニウムフォルメート(zirconium formate),ジルコニウムアセテート(zirconium acetate),ジルコニウムプロピオネート(zirconium propionate),ジルコニウムキャプリレート(zirconium caprylate),および,ジルコニウムステアレート(zirconium stearate)のような、有機酸(organic acid)のジルコニウム塩と、ジルコニウムアンモニウムカルボネート(zirconium ammonium carbonate),ジルコニウムソディウムサルフェート(zirconium sodium sulfate),ジルコニウムアンモニウムアセテート(zirconium ammonium acetate),ジルコニウムソディウムオキシレート(zirconium sodium oxalate),ジルコニウムソディウムシトレート(zirconium sodium citrate),ジルコニウムアンモニウムシトレート(zirconium ammonium citrate)のような、ジルコニウム錯塩(zirconium complex salt)などを含む。いくつかの実施形態においては、ジルコニウム塩は、水素結合基(hydrogen−bonding group)(水酸基のようなもの)に対する架橋剤(crosslinking agent)として作用する。加えて、ジルコニウム塩は、また、PVOHおよびEVOHのようなビニルアルコール・コポリマー若しくはポリマー、または、ポリヒドロキシアミノエーテルのようなフェノキシタイプ熱可塑性物質、および、それらの組合せなどの高度な水素結合樹脂(highly hydrogen− bonding resin)の耐水性を改善する。これたの実施形態のいくつかにおいて、1以上のジルコニウム塩化合物は、ジルコニウム塩を加えた層の全重量を基準にして、約0.1から約30重量パーセントである。他の実施形態においては、1以上のジルコニウム塩化合物は、 約0.05から約3wt%である。他の実施形態においては、1以上のジルコニウム塩化合物は、約5から約15wt%である。いくつかの実施形態においては、接着剤(adhesion agent)の重量は、10wt%未満である。いくつかの実施形態においては、その重量は、30wt%を超え、約50wt%を含む。ジルコニウム塩、または、ジルコニウム塩の分散液は、他のバリア材料の溶液、分散液、または、エマルジョンに加えられる。
【0168】
いくつかの実施形態においては、1以上の有機アルデヒドは、1以上のコーティング層のために、接着強化剤として使用される。適した有機アルデヒドの例は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、重合されたアルデヒド、および、プロピオンアルデヒドを含み、これらに限定されない。いくつかの実施形態においては、その有機アルデヒドは、その物体が、ディップ、スプレー、または、フローコートされ、1以上の層が形成される溶液中に存在する。他の実施形態においては、その有機アルデヒドは、コーティング層が物体の基材に適用される後に、コーティング層に加えられる。実施形態においては、その有機アルデヒドは、付加された層の全重量を基準にて、約0.1から約50重量%である。いくつかの実施形態においては、その有機アルデヒドは、約10から約30重量%である。さらなる実施形態においては。その有機アルデヒドは、約0.5から約5重量%である。他の実施形態においては、その有機アルデヒドは、約10wt%未満である。
[コーティング層の添加剤]
【0169】
1以上のコーティング層は、また、ナノ粒子バリア材料、酸素捕捉剤、UV吸収剤、着色剤、染料、顔料、耐摩擦性添加剤、フィラー(filler)などのような、添加剤を具備する。
【0170】
ここに開示される好ましい方法の利点は、さまざまな組合せ、および/または、1以上の層において、複数の官能化された添加物の使用を可能にする、それらの柔軟性である。強化されたCO2バリア、O2バリア、UV保護、こすり抵抗、ブラッシュ抵抗力、耐衝撃性、および/または、耐化学性を提供するそれらの能力のために、当業者に知られている添加物が、用いられる。ここでリストされた添加物にて、その与えられたパーセンテージは、溶媒を除いたコーティング溶液中における、その材料の重量によるパーセントであって、全ての溶媒でない材料(non−solvent material)が固体ではないが、しばしば、「固体」として言及される。
【0171】
好ましい添加物は、当業者に知られている方法によって準備される。例えば、その添加物は、直接、特定の材料と混合されて、それらは、別々に、溶解/分散され、それから、特定の材料に加えられ、または、それらは、溶媒の追加に特定の材料を組み合わされ、材料の溶液/分散液を形成する。それに加えて、いくつかの実施形態においては、好ましい添加物が、一つの層として単独で使用される。
【0172】
好ましい実施形態においては、層のバリア特性は、異なる添加物の追加によって強化される。添加物は、好ましくは、その材料の約40%の量まで存在し、また、材料の重量の約30%、20%、10%、5%、2%、および、1%も含む。他の実施形態においては、添加物は、好ましくは、1%未満の量で存在し、材料の好ましい範囲は、限定されないが、重量で、約0.01%〜約1%、約0.01%〜約0.1%および約0.1%〜約1%である。さらに、いくつかの実施形態においては、添加物は、好ましくは、水性の状態において安定している。
【0173】
レゾルシノール(m−ジヒドロキシベンゼン)の誘導体は、混合物として、または、材料の形成で添加物、または、モノマーとして、様々な好ましい材料とともに使用される。より高いレゾルシノールは、より優れた材料のバリア特性を含む。例えば、レゾルシノール・ジグリシジルエーテルは、PHAEにおいて使用され、ヒドロキシエチルエーテルレゾルシノールは、PETおよび他のポリエステルおよびコポリエステルバリア材料において使用される。
【0174】
使用される他の添加物は、「ナノ粒子(nanoparticle)」、または、「ナノ粒子材料(nanoparticulate material)」である。便宜のために、ここで使用されるナノ粒子の語句は、ナノ粒子およびナノ粒子材料の両方に言及するように使われる。これらのナノ粒子は、小さく、ミクロン、あるいは、サブミクロン以下のサイズ(直径)であり、クレイ(clay)、セラミック(ceramic)、塩ライト(zeolites)、エレメント(elements)、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、および、シリカなどの金属(metals)、および、金属化合物(metal compounds)のような無機材料を含む材料の粒子の材料であって、それは、移動するガス分子、例えば、酸素、または、二酸化炭素のために、それらが材料に浸透するように、より捩れた経路をつくることによって、材料のバリア特性を強化する。好ましい実施形態においては、ナノ粒子材料は、重量で、0.05〜1%まで変動する量で存在し、重量で、0.1%、0.5%を含み、および、これらの量を包含する範囲である。
【0175】
ナノ粒子材料の一の好ましいタイプは、Southern Clay Productsからの入手可能な製品に基づく、マイクロ粒子クレイである。Southern Clay Productsから入手可能な製品の一の好ましいラインは、Cloisite(商標)ナノ粒子である。一実施形態においては、好ましいナノ粒子は、第4アンモニウム塩で変性される、モンモリロナイトを具備する。他の実施形態においては、ナノ粒子は、第3アンモニウム塩で変性されるモンモリロナイトを具備する。他の実施形態においては、ナノ粒子は、天然のモンモリロナイトを具備する。さらなる実施形態においては、ナノ粒子は、アメリカ特許番号5,780,376号に記述されているように、有機粘土を具備し、ここでの全体の開示は、言及によって受け入れられて、そして、本明細書の開示の一部を形成する。製品に基づいた、他の適切な、有機、および、無機のマイクロ粒子クレイは、また、使用される。人工、および、天然な製品が、また、適切である。
【0176】
好ましいナノ粒子材料の他のタイプは、金属の複合材料を具備する。例えば、一の適切な複合物は、BYK Chemie(Germany)から入手可能なナノ粒子形状における酸化アルミニウムの、水をベースとした分散液である。このタイプのナノ粒子材料は、以下の利点の一つ以上を提供すると考えられている。増加された耐摩耗性、スクラッチ抵抗性、増加されたTg、および、熱的安定性。
【0177】
他のタイプの好ましいナノ粒子材料は、ポリマー−ケイ酸塩複合物を具備する。好ましい実施形態においては、ケイ酸塩は、モンモリロナイトを具備する。適切なポリマー−ケイ酸塩ナノ粒子材料は、Nanocor、および、RTP Companyから入手可能である。他の好ましいナノ粒子材料は、蒸したシリカ(fumed silica)を含み、たとえば、Cab−O−Silである。
【0178】
好ましい実施形態においては、材料のUV保護特性は、異なる添加物の添加によって強化される。好ましい実施形態においては、その使用されるUV保護材料は、約350nm以下、好ましくは、約370nm以下、より好ましくは、約400nm以下までUV保護を提供する。そのUV保護材料は、付加的な機能を与え、または、単一の層として別々に適用される層と共に、添加物として使用される。好ましくは、強化されたUV保護を提供する添加物は、重量で約0.05〜20%まで材料で存在し、また、重量の約0.1%、0.5%、1%、2%、3%、5%、10%および15%、および、それらの量の包含する範囲である。好ましくは、UV保護材料は、他の材料と適合する形で加えられる。例えば、好ましいUV保護材料は、Milliken,Ciba and Clariantである。UV390Aは、最初に、それの混合が、好ましくは、体積で略同じな、液体を水と混合させることによって補助される、油性液体である。それから、この混合物は、その材料溶液、例えば、BLOX(商標)599−29に加えられて、撹拌される。その結果として得た溶液は、約10%のUV390Aを含み、そして、PETプリフォームに適用されるとき、390nmまでUV保護を提供する。前述のとおり、他の実施形態においては、UV390A溶液は、単一な層として適用される。他の実施形態においては、好ましいUV保護材料は、濃縮物として加えられるUV吸収材で、グラフト、または、変性されたポリマーを具備する。他の好ましいUV保護材料は、限定されないが、ベンゾトリアゾール、フェノチアジン、および、アザフェノチアジンを含む。UV保護材料は、使用の前、例えば、射出成形、または、押出し成形の前に、溶解段階プロセスの間に、加えられ、または、溶液、または、分散液の形成において、直接、コーティング材料に加えられる。適切なUV保護材料は、Milliken,Ciba and Clariantから入手可能である。
【0179】
二酸化炭素(CO2)捕捉特性が、1以上の材料および/または層に加えられる。一の好ましい実施形態においては、そのような特性は、CO2と反応して、高いガスバリア塩を形成する活性アミンのような、1以上の捕捉剤を含むことによって実現される。この塩は、それから、受動的なCO2バリアとして作用する。その活性アミンは、添加物、または、一以上の層の熱可塑性樹脂材料における一以上の部分でもよい。アミン以外の適する二酸化炭素捕捉材料もまた、使用される。
【0180】
酸素(O2)捕捉特性は、例えば、アンスロクイノン(anthroquinone)、および、他の公知な技術のもののような、1以上のO2捕捉剤を含むことによって、好ましい材料に加えられる。他の実施形態においては、1つの適切なO2捕捉剤は、BP Amoco Corporation、および、Color Matrix Corporationから入手可能なAMOSORB(商標)の脱酸素剤であり、それらは、Cahillその他のアメリカ特許番号6,083,585号で開示され、その開示は、完全にここに取り入れられる。一実施形態においては、O2捕捉特性は、異なる活性化メカニズムで、O2捕捉剤をフェノキシタイプ材料中に含むことによって、好ましいフェノキシタイプ材料、または、他の材料に加えられる。好ましいO2捕捉剤は、また、徐々に、または、特定のトリガーによって活性化されるまで、遅延作用で、各々自発的に作用できる。いくつかの実施形態においては、O2捕捉剤は、UV、または、水溶液(例えば、容器の内容物に存在する)、O2捕捉剤は、コーティング層の総重量に基づいて、好ましくは、重量で約0.1%〜約20パーセントまでの量にて、より好ましくは、約0.5〜約10%の量にて、最も好ましくは、約1%〜約5パーセントの量にて存在する。
【0181】
特定の実施形態の材料は、様々なアプリケーション、例えば、高温充填アプリケーションのための熱的安定性を強化するために、架橋される。一実施形態においては、インナー層は、低い架橋性の材料を具備し、一方、アウター層は、高い架橋性の材料、または、他の適切な組合せを具備してもよい。例えば、PET面上における内側のコーティングは、非架橋性、または、低い架橋性な材料、例えば、BLOX(商標)588−29などを利用し、外側のコーティングは、他の材料、例えば、ICIからのEXP 12468−4Bなどを利用し、PETまたはPP層のような底部の層に対して、より強力に接着するような架橋を可能にする。架橋が可能な適切な添加物は、一つ以上の層に加えられてもよい。適切な架橋剤は、それらが加えられる、樹脂、または、材料の化学的性質および機能性に依存して選択される。例えば、アミン架橋剤は、エポキシド・グループを具備する架橋剤樹脂に有用である。好ましくは、架橋添加物は、存在するならば、コーティング溶液/分散液の重量で、約1%〜10%の量で存在し、好ましくは、重量で約1%〜5%、より好ましくは、重量で約0.01%〜0.1%であり、また、重量で2%、3%、4%、6%、7%、8%、および、9%を含む。任意で、熱可塑性プラスチック・エポキシ(TPE)は、一つ以上の架橋剤と共に使用される。いくつかの実施形態においては、薬剤(例えば、カーボンブラック)は、TPE材料でコートされ、そのTPE材料に組み込まれる。そのTPE材料は、ここに開示される物体の一部を形成可能である。カーボンブラック、または、類似した添加物が、材料特性を強化するために他のポリマーにおいて使用されることが、意図されている。
【0182】
特定の実施形態の材料は、任意に、キュアリング・エンハンサーを具備してもよい。ここで使用されているように、用語「キュアリング・エンハンサー(curing enhancer)」は、広義語であって、その通常の意味で使われ、限定されないが、化学的に架橋する触媒、熱エンハンサーなどを含む。ここで使用されているように、用語「熱エンハンサー(thermal enhabcer)」は、広義語であって、そのものの通常の意味で使われ、限定されないが、ポリマー層において含まれるときに、そのポリマー層が熱エネルギーを吸収する割合を増加、および/または、熱エンハンサーなしに層に比較して温度が増加する材料を含む。好ましい熱エンハンサーは、限定されないが、遷移金属、遷移金属化合物、放射線吸収添加物(例えば、カーボンブラック)を含む。適切な遷移金属は、限定されないが、コバルト、ロジウム、および、銅を含む。適切な遷移金属化合物は、限定されないが、金属カルボキル酸塩を含む。好ましいカルボン酸塩は、限定されないが、ネオデカン酸塩、オクチル酸塩、お
熱エンハンサーは、単独で、または、一つ以上の他の熱エンハンサーとの組み合わせにおいて、使用される。
【0183】
その熱エンハンサーは、材料に加えられて、熱エンハンサーが無い材料と比較して、キュアリング・プロセス(curing process)の間、材料の温度を、著しく上げる。例えば、いくつかの実施形態においては、熱エンハンサー(例えば、カーボンブラック)は、ポリマーに加えられて、加熱、または、キュアリング・プロセス(たとえば、IR放射)を条件とした、加熱の速度、または、ポリマーの最終温度が、同じまたは類似のプロセスの条件のときに熱エンハンサーが無いポリマーよりも、著しく、大きくなる。熱エンハンサーによってもたらされた、その増加された、ポリマーの加熱速度は、キュア、または、乾燥の速度を増加させ、そして、そのために、生産率を増加可能である。
【0184】
いくつかの実施形態においては、熱エンハンサーは、約5〜800ppmの量で存在し、好ましくは、約20〜約150ppm、好ましくは、約50〜125ppm、好ましくは、約75〜100ppmであって、約10、20、30、40、50、75、100、125、150、175、200、300、400、500、600、および、700ppm、そして、これらの量を包む範囲を含む。その熱エンハンサーの量は、その熱エンハンサー、または、その物体を具備する全層の総重量を具備する層の重量に基づいて計算される。
【0185】
いくつかの実施形態においては、好ましい熱エンハンサーは、カーボンブラックを具備する。一実施形態においては、カーボンブラックは、コーティング材料のキュアを強化するために、コーティング材料の成分として適用される。コーティング材料の成分として使われるとき、カーボンブラックは、そのコーティング材料が物体へ適用(例えば、浸透、コート、など)される前、間、および/または、後に、1つ以上のコーティング材料に加えられる。好ましくは、カーボンブラックは、コーティング材料に加えられて、完全な混合を確実にするように撹拌される。その熱エンハンサーは、物体の要求される材料特性を実現するように、付加的な材料を具備する。カーボンブラックが射出成形プロセスにおいて使われる、他の実施形態においては、そのカーボンブラックは、溶解段階プロセスにおいて、ポリマーブレンドに加えられる。
【0186】
いくつかの実施形態においては、そのポリマーは、約5〜800ppmを具備し、好ましくは、約20〜約150ppm、好ましくは、約50〜125ppm、好ましくは、約75〜100ppmであり、約10、20、30、40、50、75、100、125、150、175、200、300、400、500、600および700ppmの熱エンハンサーを含み、これらの総量を包む範囲である。さらなる実施形態においては、そのコーティング材料は、放射線、例えば、赤外線(IR)加熱を用いて、キュアされる。好ましい実施形態においては、IR加熱は、他の方法を用いてキュアするよりも、効果的なコーティングを提供する。他の、熱、および、キュアリング・エンハンサー、そして、それらを使用する方法は、2004年11月5日に出願されたアメリカ特許出願番号第10/983,150号、表題「the disclosure of which is hereby incorporated by reference it its entirety」で開示され、そこでの開示は、参照によって、ここで取り込まれる。
【0187】
いくつかの実施形態においては、アンチ・フォーム/バブル剤(anti−foam/bubble agent)の添加が望まれる。溶液、または、分散液を利用する、いくつかの実施形態においては、その溶液、または、分散液は、好ましいプロセスを妨害する、発泡体、および/または、バブルを形成する。この妨害を避ける一の方法は、アンチ・フォーム/バブル剤を、溶液/分散液へ加えることである。適切なアンチ・フォーム剤は、限定されないが、ノニオン界面活性剤、酸化アルキレンをベースにする材料、シロキサンをベースにする材料、そして、イオン界面活性剤を含む。好ましくは、アンチ・フォーム剤は、存在するならば、溶液/分散液の約0.01%〜約0.3%の量で存在し、好ましくは、約0.01%〜約0.2%であって、約0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.25%、および、これらの量を包含する範囲も含む。
[好ましい溶液、分散液、および、エマルジョン]
【0188】
コーティング層組成は、特定の材料に応じた、水ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンとして適用され、基材上にコートされる。しかしながら、他の実施形態は、溶媒および他の材料を利用して、ディップ、スプレー、および、フローコーティングによって材料に適用される適切なシステムを作り出す。好ましくは、その溶液、分散液、および、エマルジョンは、揮発性有機化合物(volatile organic compounds)の量を最小化し(low VOC)、実質的、または、完全なVOCが無い(free of VOC)、コーティング層を得る。また、ここで示す水ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンを、ディップ、スプレー、または、フローコーティングをするプロセスは、環境への実質的なVOCの発生をもたらすことがない。いくつかの実施形態においては、その溶液、分散液、または、エマルジョンは、水を含まず、そして、その代わりに、別の溶媒、分散(dispersant)、または、乳化システム(emulsifier システム)を具備する。いくつかの実施形態においては、その溶液、分散液、または、エマルジョンは、また、実質的に、ハロゲン化合物が無い。多層(multiple layer)を使用するときには、それに続く層の前に、部分的、または、完全に乾燥された各層(すなわち、揮発性溶媒が除去された)が適用されることが好ましい。
[C.好ましい物体の説明]
【0189】
一般的に、好ましい物体は、ここでは、1以上のコーティング層を有する、プリフォームまたは容器を含む。そのコーティング層は、好ましくは、バリア・プロテクション(barrier protection)、UVプロテクション(UV protection)、インパクト・レジスタンス(impact resistance)、スカッフ・レジスタンス(scuff resistance)、ブラッシュ・レジスタンス(blush resistance)、ケミカル・レジスタンス(chemical resistance)、アンチミクロビアル特性(antimicrobial propertie)などの機能を与える。その層は、多層(multiple layers)として適用され、それぞれの層が、1以上の機能的な特性を有するか、または、1以上の機能的なコンポーネントを含む単一層として適用される。その層は、次のコーティング層が適用される前に、部分的または完全に、乾燥/キュアされた、それぞれのコーティング層として順次適用される。
【0190】
好ましい基材は、上述したように、PETプリフォームまたは容器である。しかしながら、他の基材材料も、また、利用可能である。他の適する基材材料は、特に限定されないが、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリルを含む。
【0191】
特定の好ましい実施形態においては、その完成された物体は、ベース物体上に順次適用された2以上のコーティング層を具備し、プリフォーム、または、ボトル、または、容器の他のタイプの形成におけるプロセスから形成される。そのベース物体は、続いて適用された、1以上のコーティング層よりも小さな、ガスバリア能力(gas barrier performance)および水蒸気バリア能力(water vapor barrier performance)を有する熱可塑性プラスチック材料から製造され、PETを具備し、しかし、他の実施形態においては、また、PEN、PLA、PP、ポリカーボネート、または、上記で示された他の材料である。他の実施形態においては、そのベースプリフォーム、または、物体は、酸素捕捉剤、好ましくは、その完成された物体が廃棄された後に、その後に続くリサイクル・ストリーム(recycling stream)に良性なものを内蔵する。
【0192】
たとえば、一の多層物体において、そのインナー層(inner layer)は、PET(すなわち、ベースコート上に適用された他の付加的なコーティング層のための結合層),O2捕捉、UVレジスタンス、そして、パッシブ・バリア(passive barrier)に対する強固な接着のための機能特性を有する、下塗り層、または、ベースコートであり、そして、その1以上のアウターコーティング(outer coating)は、パッシブ・バリア(passive barrier)と、スカッフ・レジスタンス(scuff resistance)とを備える。ここでコーティング層について述べたように、インナーは、その基材へ近づくようにされ、そして、アウター(outer)は、その容器の外側表面へ近づくようにされる。インナーとアウター層との間の層は、一般的に、中間(intermediate)または、中間(middle)として記載されている。他の実施形態においては、複数のコートされた物体は、O2捕捉剤を具備するインナーのコーティング層、中間の活性UVプロテクション層を具備し、部分的な、または、高度な、架橋材料のアウター層によって追随される。他の実施形態においては、多層にコートされたプリフォームは、O2捕捉剤を具備するインナーコーティング層、中間CO2捕捉層、中間活性UVプロテクション層を具備し、部分的な、または、高度な架橋性材料によって追随される。これらの組合せは、ビールのような炭酸飲料に対して適するように、ハードな増加された架橋のコーティングを与える。別の実施形態においては、炭酸のソフトドリンクに利用され、そのインナーコーティング層は、架橋材料のアウター層により追随されるUVプロテクション層である。上記の実施形態は、特定の飲料との関係において言及したが、それらは、別の目的のために使用でき、そして、別の層の配置は、そのリフレッシュされた飲料のために使用してもよい。
【0193】
一実施形態においては、ベース物体上に適用されたコーティング層は、ベース基板に比較して、より小さな厚みを有する層において適用されるときに、ベース物体単独よりも改良されたガス、および/または、アロマバリア特性を与える熱可塑性プラスチック材料を、好ましくは、具備する。バリアコーティング層において使用される適切な材料は、熱可塑性プラスチックエポキシ、PHAE、フェノキシタイプ熱可塑性物質、フェノキシタイプ熱可塑性物質を含むブレンド、EVOH、PVOH、MXD6 ナイロン、ナノ粒子、または、ナノ化合物、そして、それらのブレンド、および、PGA、PVDC、および/または、ここで示された他の材料を含む。その材料は、好ましくは、水ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンの形成において適用されるが、しかし、また、溶媒ベースの溶液、分散液、または、エマルジョン、好ましくは、低いVOCを示すもの、または、溶融物として適用される。材料は、好ましくは、直接的な食物の接触のためにFDAによって認可されたものであるが、そのような認可は、必要ではない。バリア、または、他のコーティング層への添加剤は、UV吸収剤(UV absorbers)、着色剤(coloring agents)、および、その基材、または、それが被覆する他の層へのコーティングの接着を強化する接着促進剤を含む。望ましい特性を実現するために、適切な材料は、部分的に加熱キュアされ、および/または、アプリケーションに依存した様々な程度に架橋される。コーティング層の材料は、好ましくは、ここで示すように、ディップ、スプレー、または、フローコーティングによって適用され、乾燥、および/または、必要ならば、キュア、好ましくは、IRで、または、他の適切な手段によって、続けられる。そのコーティング材料が、溶液、分散液、または、そのようなものの形成において適用されるならば、そのコートされた基材は、その後のコーティング層が適用される前に好ましくは、完全に、乾燥する。
【0194】
一実施形態においては、3層、または、それを超える層の物体、または、プリフォームのための2層コーティングプロセスにおける第2のコート、または、少なくとも2層を有するプリフォーム、または、容器を形成する1層コーティングプロセスにおける第1のコーティング層のような、最も外側(outermost)、または、トップのコーティング層は、好ましくは、耐水性コーティング材料を具備し、それは、水蒸気へのバリアを与え、撥水性(water repellency)を示し、および/または、熱い水への化学的な耐性を示す熱可塑性プラスチック材料である。好ましい実施形態においては、その材料は、速くキュアされ、および/または、安定に加熱される。任意に、そのベース物体自身を超えて潤滑性および耐摩擦性(abrasion resistance)を増加するもののような、添加剤は、また、含まれる。所望な特性を実現するために、適切な材料は、部分的に加熱してキュアされ、および/または、アプリケーションに依存して様々な適度で架橋される。
【0195】
耐水性コーティング層にて適切な材料は、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリエチレン/ポリプロピレン/他のポリオレフィンと、EAAとのブレンド、ウレタンポリマー、エポキシポリマー、および、パラフィンを含む。他の適切な材料は、アメリカ特許番号6,429,240において示されたものを含み、その全体における参照によって、併合される。ポリオレフィンの中で、一の好ましいクラスは、低分子量ポリオレフィンであり、好ましくは、公知なように、所望な特性に材料を調整することを容易にするメタロセン(metallocene)技術を用いたものである。たとえば、メタロセン技術は、材料を調整するために使用され、 to ハンドリングの改善、所望な融点、または、他の溶融挙動の実現、所望な粘度の実現、特定の分子量、または、分子量分布(たとえば、Mw,Mn)の実現、および/または、他のポリマーとの互換性の改善がされる。適切な材料の例は、Clariantによって製造されたポリマーのLICOCENE範囲である。その範囲は、ポリエチレン、ポリプロピレン、および、トレードネーム(tradename)LICOWAX、LICOLUB、および、LICOMONTの下で、Clariantから入手可能なPE/PPワックスのような、オレフィンワックスを含む。さらなる情報は、www.clariant.comにて入手できる。他の材料は、グラフト化、または、変性ポリマーを含み、ポリプロピレンのようなポリオレフィンを含むものであり、そのグラフト化、または、変性されたものは、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート、アクリルメタクリレート、および/または、類似の化合物のような極性化合物を含む。そのようなグラフト化、または、変性されたポリマーは、その材料の特性を変えて、たとえば、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、および/または、PET、または、他のポリエステルの両者への接着をより可能にする。材料は、好ましくは、直接的な食物の接触のためにFDAによる認可されているものであるが、そのような認可は、必要がない。
【0196】
ポリエチレン/EAAブレンドにおいて、一般的に、言われているのは、より高い(higher)ポリエチレン量は、より好適な耐水性を有するが、より低い(lower)EAA量は、接着性がより乏しくなる。類似するトレードオフ(trade−off)は、上記にて列記した材料の1以上を具備する他のブレンドと共に生ずる。したがって、ブレンドにおける各コンポーネントのパーセンテージは、与えられたアプリケーション、および、その物体において使用される他の材料において、特性が、より重要と思われるものを最大にするように、選択される。
【0197】
一実施形態においては、プリフォーム、または、適切なベース材料で製造されたコンテナは、限定されないが、PET、または、PLAを含み、与えられる。そのプリフォームは、さらに、ポリプロピレン(PP)、EAA、PP/EAAブレンド、または、他の耐水性コーティング材料のように、ポリオレフィンの耐水性コーティング層を具備する。いくつかの実施形態においては、そのプリフォームは、また、PHAE、または、熱可塑性エポキシのようなフェノキシタイプ熱可塑性物質、または、EVOHのようなビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーなどの、1以上のガスバリア材料の層を具備する。いくつかの実施形態においては、フェノキシタイプ熱可塑性物質とビニルアルコールポリマー、または、コポリマーとのブレンドが使用される。好ましい実施形態においては、ガスバリア層は、EVOHとPHAEとのブレンドを具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、ベースコートであって、その耐水性コーティング層は、外側(outer)コーティング層である。
【0198】
一の好ましい実施形態においては、物体の基材は、表面を具備し、その表面および耐水性コーティング層上にガスバリア層が配置されている。この実施形態においては、材料の特定の組合せは、1以上のバリア層と、その物体の基材の表面とを横切る、ガスと水の透過性の十分な減少を許容する。
【0199】
一実施形態においては、その物体の基材の表面は、PETを具備する。これらの実施形態において、そのガスバリア層は、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーを具備する。いくつかの実施形態においては、そのビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、EVOHである。いくつかの実施形態においては、EVOHは、約75wt%から約95wt%のエチレン量を有する。他の実施形態においては、EVOHは、約65wt%から約85wt%のエチレン量を有する。他の実施形態においては、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、PVOHである。これらの実施形態のいくつかにおいては、接着剤(adhesion agent)は、アプリケーションの前、または、キュアの前にその化合物に加えられる。いくつかの好ましい実施形態においては、ガスバリア層は、EVOH、または、PVOH,、または、それらのブレンド、および、ポリエチレンイミンのような、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する。そのガスバリア層のトップ上においては、他のコーティング層が配置されている。いくつかの実施形態においては、コーティング層は、耐水性コーティング層である。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーを具備する。いくつかのケースにおいては、ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、または、それらのコポリマーである。他の実施形態においては、そのトップの耐水性コーティング層は、EAAのような、アクリル系のポリマーまたはコポリマーを具備する。加えて、これらの実施形態のいくつかは、ポリエチレンイミンを含む1以上の層を具備する。一の特定な実施形態においては、インナー層は、過剰なポリエチレンイミンを具備する。いくつかのケースにおいては、CO2が過剰なポリエチレンイミンを具備する層に到達し、塩が、形成され、PEIを具備する層と同様に、その物体の基材全体のもののガスバリア特性において、付加的に補助する。
【0200】
他の実施形態においては、そのガスバリア層は、EVOHおよびPVOHのような、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーのブレンドを具備する。いくつかの実施形態においては、そのブレンドは、EVOHおよびPVOHのブレンドの全重量を基準にして約5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,および,95wt%のEVOHを具備する。これらの実施形態のいくつかにおいては、付加的な耐水性コーティング層は、それらの上にコートされる。これらの実施形態において、その耐水性コーティング層は、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーを具備する。いくつかのケースにおいては、ポリオレフィンポリマー、または、コポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、または、それらのコポリマーである。他の実施形態においては、耐水性コーティング層は、EAAを具備する。
【0201】
いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーと、ポリヒドロキシアンモエーテル(polyhydroxyammoether)のようなフェノキシタイプ熱可塑性物質とのブレンドを具備する。これらの実施形態において、そのビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、PVOHである。他の実施形態においては、そのビニルアルコールポリマー、または、コポリマーは、EVOHである。いくつかの実施形態においては、そのブレンドは、約5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,および,約95wt%のポリヒドロキシアミノエーテルを具備する。耐水性コーティング層は、そのガスバリア層上のトップの層としてコートされる。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング層は、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーを具備する。いくつかの実施形態においては、そのポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、または、それらのコポリマーを具備する。他の実施形態においては、その耐水性コーティング層は、EAAを具備する。
【0202】
いくつかの実施形態は、EVOHと、他の熱可塑性反応性材料とのブレンドを具備する。いくつかの実施形態においては、EVOHは、PHAEのような、エポキシベースの熱可塑性プラスチック材料とブレンドされる。他の実施形態においては、EVOHは、ポリエステル高分子材料とブレンドされる。他の実施形態においては、EVOHは、いくつかのケースにおいてポリウレタンである熱可塑性プラスチックをベースとしたポリマーエーテルとブレンドされる。
【0203】
いくつかの物体は、表面を具備し、そこでは、その表面は、PLAを具備する。これらの実施形態のいくつかにおいては、そのPLAを具備する物体は、生体分解性(biodegradable)である。いくつかの実施形態においては、1以上の層は、そのPLA物体の基材表面上にコートされる。いくつかの実施形態においては、PP/PPMAブレンドは、そのPLA表面上に配置される。いくつかの実施形態においては、結合層は、PLA表面と、ガスバリア層、および/または、耐水性コーティング層との間に配置される。いくつかの実施形態においては、耐水性コーティング層は、そのガスバリア層、または、ポリオレフィンポリマー、または、コポリマーを具備する結合層上に配置される。これらの実施形態においては、そのガスバリア層は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する。他の実施形態においては、そのガスバリア層は、ポリヒドロキシアミノエーテルのような、フェノキシタイプ熱可塑性物質を具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーと、ポリヒドロキシアミノエーテルとのブレンドを具備する。ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーと、ポリヒドロキシアミノエーテルとのブレンドは、1以上のビニルアルコールと1以上のポリヒドロキシアミノエーテルとの全重量を基準にして、約5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,および,95%の1以上のビニルアルコールポリマー、または、コポリマーを具備する。実施形態においては、ガスバリア層は、ポリヒドロキシアミノエーテルとポリエチレンイミンとを具備する。
【0204】
他の実施形態においては、その基材がPLAで形成されたおり、ポリプロピレンとPPMAとのブレンドを具備する層は、その基材表面にコートされている。他の実施形態においては、ポリエチレンは、PLA表面においてコートされている。いくつかの実施形態においては、その基材がポリエステルのような熱可塑性プラスチック材料で形成されており、それは、そのいくつかのケースにおいてPETであり、ポリプロピレンとPPMAとのブレンドを具備する層は、その基材表面上にコートされている。いくつかの実施形態においては、ポリプロピレンとPPMAとのブレンドを具備する層は、1以上のビニルアルコールポリマー、または、EVOH、および/または、PVOHのようなコポリマーを具備するガスバリアコーティング材料で、コートされる。いくつかの実施形態においては、EVOHとPVOHとを具備する層は、EAAとPPとの1以上を具備する耐水性コーティング材料でコートされる。
【0205】
いくつかの実施形態においては、その物体の基材がポリエステルのような熱可塑性プラスチック材料で形成されるとき、EVOHを具備するガスバリア層は、第1のコーティング層を形成するように適用される。この層は、PPMA、または、PEMAのような、変性ポリオレフィンを具備する他のコーティング層に適用され、第1のインナーコーティング層を形成する。変性ポリオレフィンポリマー、または、コポリマー層のトップにおいては、EAA,EVA,PPから選択される1以上が配置される。いくつかの実施形態においては、そのトップの層は、ナイロンを具備する。先に述べた層の全ては、ここで示すようにディップ、スプレー、または、フローコーティング法による、水性の溶液、分散液、または、エマルジョンとして適用される。
【0206】
いくつかの実施形態においては、その物体の基材は、熱可塑性プラスチック材料で形成されている。いくつかの実施形態においては、ポリアミドフィルムは、その物体の基材の表面上に配置され、第1のポリアミドコーティング層を形成する。一実施形態においては、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備するガスバリア層は、第1のポリアミドコーティング層上に配置される。これらの実施形態のいくつかにおいては、付加的な耐水性コーティング層は、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーを具備する層の上に、配置される。他の実施形態においては、第2のポリアミド層は、ビニルアルコールポリマー、または、コポリマーを具備するガスバリア層上に配置される。付加的には、その第2のポリアミド層は、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーを具備する。いくつかの実施形態においては、そのガスバリア層、そのポリアミド層、または、その耐水性コーティング層は、付加的に、過剰なポリエチレンイミンを具備する。これらの実施形態の全てにおいては、その層は、ここで示すように、ディップ、スプレー、または、フローコーティングによって水性の溶液、分散液、または、エマルジョンとして適用される。
【0207】
いくつかの実施形態においては、熱可塑性プラスチック材料を具備する物体の基材は、第1の結合層、ガスバリア層、第2の結合層、および、耐水性コーティング層でコートされる。これらの実施形態においては、その第1および第2の結合層は、一、または、ここで示すような接着材料を具備する。いくつかの実施形態においては、その第1および第2の結合層は、PPMAおよび、または、PPMA/PPブレンドを具備する。いくつかの実施形態においては、ワックスを具備する耐水性層は、1以上の結合層上に配置される。いくつかの実施形態においては、そのワックスは、カルナウバワックス、または、パラフィンのような天然ワックスである。他の実施形態においては、そのワックスは合成ワックスである。これらの実施形態のいくつかにおいては、そのガスバリア層は、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する。他の実施形態においては、そのガスバリア層は、PHAEのようなフェノキシタイプ材料を具備する。他の実施形態においては、そのガスバリア層は、PHAEとEVOHとのブレンドを具備する。
【0208】
そのコーティングは、好ましくは、液体形状において適用される。その液体は、溶液、分散液、または、エマルジョン、または、溶融物である。いくつかの実施形態においては、その液体は、水であり、水ベースの溶液、分散液、または、エマルジョンを形成する。一実施形態においては、その材料は、溶融物として適用される。その溶融物は、上記、および、他の部分にて示すように、1以上の材料を具備し、また、1以上の添加剤を具備するものであり、上記、および、他の部分にて示すように、機能性添加剤を含む。アプリケーションの間の溶融物の温度は、1以上の化合物の溶融温度に依存し、そして、また、粘度、添加剤、アプリケーションのモード、などのような他の特性の1以上に依存する。また、溶融温度と、その基材のTgとを考慮して、溶融コーティングのためにアプリケーション温度を選択する前に、コーティング材料を基礎とする。一実施形態においては、ホットメルト材料は、約120−150°Cに加熱され、ディップ、または、フローコーティング、または、スプレーコーティングによって、プリフォーム、または、容器に適用され、その後、冷却によってそのコーティングが固化される。溶融コーティングによる一の利点は、撥水性、または、コーティングの耐性のために、許容されて、基材、または、他のコーティング層を水へ曝露すること無しに適用される。ホットメルトディップ、または、フローコーティングにて一の好ましい材料は、ポリプロピレンのような、低分子量ポリエステルである。
【0209】
他の実施形態においては、水、および/または、水蒸気耐性材料は、溶融、または、水性、または、溶媒ベースの溶液、または、分散液の形成において適用され、好ましくは、低いVOCを示す。コーティング層への添加剤は、シリコンベースの潤滑油、ワックス、パラフィン、熱エンハンサー(thermal enhancer)、UV吸収剤(UV absorber)、および、接着促進剤を含む。アプリケーションは、好ましくは、ディップ、スプレー、または、フローコーティングによって、プリフォーム、または、容器のような物体上にもたらされ、その後、乾燥、および、キュアが好ましくは、IR、他の放射線、吹かれた空気、または、他の適切な手段で行われる。一実施形態においては、その物体の外側の表面は、食物および飲料のパッケージ分野における使用に適したものを含む、インクと顔料の使用など、所望なグラッフィックデザイン上に直接的にプリントするのに適している。
【0210】
その得られた容器は、コールドフィル(cold fill),ホットフィル(hot fill)および低温殺菌(pasteurization)プロセスにおける使用にとって適切である。他の実施形態において、ガスバリア特性が必要とされないところ、または、高い水蒸気バリアが重要だが層にとって望ましくないところでは、コーティング層は、高度なガスバリア材料のコーティングを適用する必要がないベース物体上に直接的に適用される。
【0211】
関連する実施形態においては、そのプリフォームの最終的なコーティングと乾燥とは、その溶液または分散液において、希釈またはサスペンド(suspended)されたパラフィンまたはワックス、スリップ剤(slipping agent)、ポリシラン(polysilane)、または、低分子量ポリエチレンを含む、そのプリフォームおよび完成された容器の表面に、スカッフ・レジスタンス(scuff resistance)を与えて、その容器の摩擦係数を減少する。
[D.コートされた物体の準備のための方法および装置]
【0212】
適したコーティング材料が選択されたときに、そのプリフォームは、2つの材料の間の接着を促進する方法において、好適にコートされる。下記の議論はプリフォームに関しているが、そのような議論は限定ではなく、ここに記載された方法および装置は、容器および他の物体にも適用され、あるいは採用される。一般的に、コーティング材料とプリフォーム基材の間の接着は、プリフォームの表面温度の増加に伴って、増強する。このため、好ましいコーティング材料は、室温でプリフォームに接着するが、加熱されたプリフォームにコートすることが好ましい。
【0213】
一般的なプラスチック、および、特定的なPETプリフォームは、静電気を有しており、その結果、プリフォームが、ダストを引き付けて、すぐに汚れてしまう。好ましい実施形態においては、プリフォームは、射出成形装置から直接的に取り出され、まだ温かい間を含むように、コートされる。プリフォームが射出成形装置から取り出された後、すぐに、コートされることによって、ダストの問題が避けられるだけでなく、温かいプリフォームがコーティング形成工程を強化すると考えられる。しかしながら、その方法は、また、コーティングの前に貯蔵されるプリフォームのコーティングを可能にする。好ましくは、クリーニングが不要であるが、そのプリフォームは、実質的に、クリーンである。
【0214】
好ましい実施形態においては、自動化されたシステムが用いられる。好ましい方法は、プリフォームのシステムへのエントリー、プリフォームのディップ、スプレー、または、フローコーティング、任意の余剰な材料の除去、乾燥/キュア、冷却、システムからのエジェクション、を包む。そのシステムは、また、任意に、リサイクルステップを含む。一実施形態においては、その装置は、単一の一体化した工程ラインであって、2以上のディップ、フロー、または、スプレーコーティングユニット、および、2以上のキュアリング(curing)/乾燥ユニットを含み、多層コーティングでプリフォームを製造する。他の実施形態においては、そのシステムは、1以上のコーティングモジュールを具備する。各コーティングモジュールは、1以上のディップ、フロー、または、スプレーコーティングユニット、および、1以上の キュアリング/乾燥ユニットを伴う内蔵型工程ラインを具備する。モジュールの構成に応じて、プリフォームは、1以上のコーティングを受ける。たとえば、一の構成は、3つのコーティングモジュールを具備し、そこでは、そのプリフォームは、一のモジュールから次へと移動され、別の構成においては、同様な3つのモジュールが、所定の位置にあるが、プリフォームが第2をスキップして第1から第3のモジュールへ移動される。この異なるモジュール構成の間においてスイッチする能力は、柔軟性(flexibility)を許容する。さらに好適な実施形態においては、そのモジュラー、または、その一体化されたシステムのいずれもが、プリフォーム射出成形マシン、および/または、ブロー成形マシンへ直接的に接続される。射出成形マシンは、本発明における使用のために、プリフォームを製造する。
【0215】
以下には、完全に自動化されたコーティングシステムの好ましい実施形態を示している。このシステムは、好ましい材料に関して示されているが、当業者によって理解されるように、特定のパラメータが、その使用される材料、および、所望な最終製品のプリフォームの特定な物理的な構造に依存して変えられる。この方法は、24グラムがコートされたプリフォームの製造に関して示されており、全体で約0.05から約0.75グラムの、そこに堆積されたコーティング材料を有し、約0.07,0.09,0.10,0.15,0.20,0.25,0.30,0.35,0.40,0.45,0.50,0.55,0.60,0.65,および、0.70グラムを含む。以下に示す方法においては、コーティング溶液/分散液は、好ましくは、適切な温度および粘度で、コーティング層について、約0.07,0.08,0.09,0.1,0.11,0.12,0.13,0.14,0.15,0.16.0.17,0.18,および,0.19グラムを含む、約0.06から約0.20グラムのコーティング材料を24グラムのプリフォーム上に、堆積する。サイズの異なる物体に対する好ましい堆積量は、24グラムのプリフォームと比較したときの表面積の増加、または、減少に応じて見積られる。したがって、24グラムプロフォーム以外の物体は、上記の範囲外となってもよい。さらに、いくつかの実施形態においては、単一の層、または、上記の範囲外となる24グラムプリフォーム上の総コーティング量を、有することが好適である。
【0216】
いくつかの特定な実施形態においては、ここで示される方法は、ガスバリア層と耐水性コーティング層とを具備する、塗布された物体を形成するために使用される。ガスバリア組成物を具備する水性の溶液、エマルジョン、または、分散液は、物体に適用される。いくつかの好ましい実施形態においては、そのガスバリア組成物は、EVOH,PVOH,および,ポリヒドロキシアミノエーテルの1以上を具備する。いくつかの特定な実施形態においては、ガスバリア組成物は、EVOHとポリヒドロキシアミノエーテルとの混合物を具備する。これらの実施形態のいくつかにおいては、その組成物は、EVOHとポリヒドロキシアミノエーテルとの全重量を基準にして、約20から約80wt%のEVOHと、約20から約80wt%のポリヒドロキシアミノエーテルとを具備する。付加的には、そのガスバリア組成物は、そのガスバリア層を介したガスの透過性を更に減少させるポリエチレンイミンを具備する。その層が、その物体の基材上に配置された後には、乾燥されて、第1のコーティング層を形成する。この層には、ガスバリア層、耐水性層、または、結合層の1以上が堆積される。いくつかの実施形態においては、結合層は、そのガスバリア層のアプリケーションの前にその基材へ適用されるか、または、そのガスバリア層のトップへ適用される。結合層は、1以上のPPMAを具備し、PEMAは、そのガスバリア層に適用される。PEMAおよびPPMAは、また、乾燥の前に、そのガスバリア層に直接的に加えられる。そのインナー層が、部分的に、または、完全に乾燥された後に、耐水性コーティング材料を具備する1以上の耐水性コーティング層は、水性の溶液、分散液、または、エマルジョンとして適用されて形成される。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング材料は、ワックスである。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング材料は、PE、または、PPのようなポリオレフィンである。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング材料は、EAAである。いくつかの実施形態においては、その耐水性コーティング材料は、EAA/PPブレンドを具備し、ここでは、そのブレンドは、そのブレンドの全重量を基準にして、約5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,および、95wt%のEAAを具備する。耐水性コーティング層は、乾燥され、耐水性コーティング層を形成する。
【0217】
たとえば、ここで示す方法のいくつかの実施形態においては、24グラムのプリフォームは、その上に堆積された全体が約0.05から約0.75グラムのコーティング材料を有し、約0.07,0.09,0.10,0.15,0.20,0.25,0.30,0.35,0.40,0.45,0.50,0.55,0.60,0.65,および,0.70グラムを含む。以下に示す方法においては、水性の溶液、分散液、または、エマルジョンコーティングは、好ましくは、適切な温度および粘度でなされ、ガスバリアコーティング層について約0.06から約0.20グラムのガスバリア材料を、24グラムのプリフォーム上に堆積し、また、24グラムのプリフォーム上において、コーティング層について、約0.07,0.08,0.09,0.1,0.11,0.12,0.13,0.14,0.15,0.16.0.17,0.18,および、0.19グラムを含む。このガスバリアコーティング層は、EVOH,PVOH,および、ポリヒドロキシアミノエーテルの1以上を具備する。その材料は、また、PEIを含む。以下に示す方法においては、その水性の溶液、分散液、または、エマルジョンコーティングは、好ましくは、適切な温度および粘度でなされ、耐水性コーティング層について約0.06から約0.20グラムの耐水性コーティング材料を24グラムのプリフォーム上に堆積し、また、24グラムのプリフォーム上においてコーティング層について約0.07,0.08,0.09,0.1,0.11,0.12,0.13,0.14,0.15,0.16.0.17,0.18,および、0.19グラムを含む。この耐水性コーティング層は、ワックス、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、およびEAAの1以上を具備できる。加えて、結合層は、ガスバリアコーティング層と耐水性コーティング層との間に配置される。好ましくは、水性の溶液、分散液、または、エマルジョンは、結合層について約0.01から約0.15グラムの接着材料を24グラムのプリフォーム上に堆積するために使用される。サイズが異なる物体にて好適な堆積量は、24グラムのプリフォームと比較して、表面の面積の増加または減少に従って見積もられる。したがって、24グラムのプリフォーム以外の物体は、上記の範囲外にしてもよい。さらに、いくつかの実施形態においては、単一の層、または、24グラムのプリフォーム上において、上記の範囲外であるトータルのコーティング量を有していても好適である。
【0218】
その装置および方法は、また、他の同様なサイズのプリフォームおよび容器に使用され、または、以下にて当業者において明白となるように、他のサイズの物体に適応する。現在、好ましいコーティング材料は、TPEを含み、好ましくは、フェノキシタイプの樹脂、より好ましくは、上述のBLOX樹脂を含むPHAEを含む。これらの材料および方法は、例示のみによって与えられ、いずれの方法においても発明の範囲を限定するものではない
[1.システム中へのエントリー(ENTRY)]
【0219】
プリフォームは、最初に、そのシステム中へ移動される。一の好ましい方法の利点は、当業者によって通常使用されるもののような、通常のプリフォームが、使用されることである。たとえば、16オンスのボトルを形成するために、一般に使用されるタイプの24グラムの単層プリフォームは、そのシステム中へエントリーする前に、変質されることなく、使用される。一実施形態においては、そのシステムは、温かいプリフォームを、システムへ与えるプリフォーム射出成形マシン(injection molding machine)へ直接的に接続される。他の実施形態においては、保管されたプリフォームが、付加的な処理のために、プリフォームを装置へ搭載(load)するものを含むシステムへ、当業者が公知の方法によって、加えられる。好ましくは、その保管されたプリフォームは、そのシステムへエントリーする前に、約120°Fを含む、約100°Fから約130°Fへ予め温められる。その保管されたプリフォームは、好ましくは、クリーン(clean)であるが、クリーニング(cleaning)は、必要ではない。PETプリフォームが、好ましいが、他のプリフォームおよび容器の基材は、使用可能である。他の適切な物体の基材は、限定されないが、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンを含むポリオレフィン、ポリカーボネート、ナイロンを含むポリアミド、または、アクリルのような、さまざまなポリマーを含む。
[2.ディップ、スプレー、または、フローコーティング]
【0220】
適したコーティング材料が選択されたとき、それは、調製され、ディップ、スプレーあるいはフローコーティングのいずれかに使用される。その材料の調整は、本質的に、ディップ、スプレーおよびフローコーティングにて、同様である。そのコーティング材料は、1以上の溶媒から形成された溶液/分散物を具備する。そのコーティング材料は、コーティング材料の樹脂が、溶解、および/または、懸濁された、1以上の溶媒から形成された溶液/分散液を具備する。
【0221】
コーティング溶液/分散液の温度は、溶液/分散液の粘度に、ドラスチック(drastic)な効果を有する。温度の増加に伴い、粘度は、減少し、そして、その逆も成立する。加えて、粘度が増加すると、材料の堆積物(deposition)の割合が、また、増加する。それゆえ、温度は、堆積物をコントロールするメカニズムとして使用される。一実施形態においては、フローコーティングを用いて、溶液/分散液の温度は、そのコーティング材料のキュアを最小にするのに十分に冷却するが、適切な粘度を保持するのに十分に温かい範囲に、保持される。一実施形態においては、その温度は、約60°F−80°Fであり、約70°Fを含む。いくつかのケースにおいては、スプレー、または、フローコーティングにおいて使用するのに十分な粘土である溶液/分散液は、ディップコーティングにおいて使用される。同様に、そのコーティング材料は、スプレーコーティングにおいて、昇温された温度で時間を消費しないので、キュアの問題のためにディップ、または、フローコーティングにて推奨されるよりも高い温度が、スプレーコーティングにおいては、利用される。いかなるケースにおいても、溶液、または、分散液は、アプリケーションにとって適切な特性を示す、いかなる温度にて使用される。好ましい実施形態においては、温度コントロールシステムは、アプリケーションプロセスの間に、コーティング溶液/分散液の一定な温度を確保するために使用される。特定の実施形態においては、粘度が増加するに伴い、水の添加が、溶液/分散物の粘度を減少させる。他の実施形態は、また、水含有量モニター、および/または、粘度モニターを含み、それは、粘度が、望ましい範囲を外れたときに信号を出し、および/または、水あるいは他の溶媒を自動的に添加して望ましい範囲の粘度を達成する。
【0222】
好ましい実施形態においては、その溶液/分散液は、適切な温度と粘度であって、24グラムのプリフォーム上にコート当たりで約0.06から約0.2グラムを堆積し、また、24グラムプリフォーム上にコーティング層当たりで約0.07,0.08,0.09,0.1,0.11,0.12,0.13,0.14,0.15,0.16.0.17,0.18,および、0.19グラムを含む。さまざまなサイズの物体のために好ましい堆積量は、24グラムのプリフォームと比較して表面のエリアにおいて増加、または、減少することに応じて見積もられる。したがって、24グラムのプリフォーム以外の物体は、上記に示した範囲以外になるかもしれない。それゆえ、いくつかの実施形態においては、24グラムのプリフォーム上に上記の範囲外である単層を有することが好ましい。
【0223】
一実施形態において、ディップ、スプレー、または、フローコーティングから製造された、コートされたプリフォームは、図3において示すようなタイプである。コーティング22は、プリフォームのボディ部(body portion)4上に配置され、そして、ネック部(neck portion)2をコートしない。そのコートされたプリフォーム16の内部は、好ましくは、コートされない。好ましい実施形態においては、これは、拡張可能なコレット(expandable collet)を具備するホールディング機構(holding mechanism)、または、プリフォームのネック部の外側に周囲にあるハウジング(housing)に結合されたプリフォーム中へ挿入されるグリップ機構(grip mechanism)の使用を介して、完成される。そのコレットは、拡張され、それによって、そのコレットと、そのハウジングとの間の位置に、そのプリフォームを保持する。そのハウジングは、ネジ山を含む、そのネックの外側を覆い、それによって、ネック部と共にプリフォームの内側をコーティングから保護する。
【0224】
好ましい実施形態においては、ディップ、スプレー、または、フローコーティングから製造された、コートされたプリフォームは、実質的に層間の区別なしに最終製品を製造する。さらに、 ディップおよびフローコーティングの手順では、プリフォーム上に堆積された、コーティング材料の量が、連続する各層と共に、わずかに減少することが見出されている。
[A.ディップコーティング]
【0225】
好適な実施形態において、そのコーティングは、ディップコーティングプロセスを介して適用される。そのプリフォームは、タンク(tank)、または、そのコーティング材料を収容する他の適切な容器中へディップされる。そのコーティング材料へのプリフォームの浸漬(dipping)は、保持するラック(rack)、または、そのようなものの使用によって手動で実施され、または、それは、完全に自動化されたプロセスによって実施される。好適な実施形態においては、そのプリフォームは、そのコーティング材料中へディップされる間、回転する。そのプリフォームは、好ましくは、約30−80RPMのスピードで、より好ましくは、約40RPMで回転し、また、50、60、および、70RPMを含む。これは、プリフォームの完全なコーティングを許容する。他のスピードは、好ましくは、遠心分離によるコーティング材料のロス(loss)をもたらす程に高くならないように、使用される。
【0226】
プリフォームは、好ましくは、プリフォームの完全な被覆(coverage)を許容するために十分な時間の期間、ディップされる。一般的には、これは、約0.25から約5秒の範囲であるが、この範囲より上および下も、また、含む。理論に束縛されることを望むことなしに、長い滞在時間は、加えられたコーティングの利益を与えない。
【0227】
浸漬(dipping)時間と、スピードを決定するのに、コーティング材料の不透明性が、また、考慮される。もしスピードが速すぎると、コーティング材料は、波打ち、そして、飛び跳ねて、コーティングの欠損を引き起こす。他の考慮は、多くのコーティング材料溶液、または、分散物が、コーティングプロセスを妨げる、泡(foam)、および/または、気泡(bubble)を形成することである。この妨げ(interference)を避けるために、浸漬速度は、好ましくは、コーティング材料の余剰な撹拌を避けるように選択される。必要であれば、消泡/気泡(anti−foam/bubble)剤が、コーティング溶液/分散物に添加される。
[B.スプレーコーティング]
【0228】
好適な実施形態において、そのコーティングは、スプレーコーティングプロセスを介して適用される。そのプリフォームは、タンク、または、そのコーティング材料を収容する他の適切な容器と流体で接続された、コーティング材料でスプレーされる。そのコーティング材料でのそのプリフォームのスプレーは、保持するラック、または、そのようなものの使用で手動で実施され、または、それは、完全に自動化されたプロセスによって実施される。好適な実施形態においては、そのプリフォームは、そのコーティング材料でスプレーされる間、回転する。そのプリフォームは、好ましくは、約30−80RPM、より好ましくは、約40RPMのスピードで回転するが、また、約50,60,および,70RPMを含む。好ましくは、そのプリフォームは、コーティングスプレーを介して処理する間、少なくとも、約360°回転する。これは、そのプリフォームのコーティングを許容する。プリフォームは、しかしながら、スプレーが、そのプリフォームに方向付ける間、静止を保つ。
【0229】
そのプリフォームは、好ましくは、プリフォームの完全な被覆(coverage)を許容するために十分な時間の期間、スプレーされる。プリフォームは、好ましくはプリフォームの完全なコーティングを可能にするのに十分な時間の間スプレーされる。スプレーに必要とされる時間の長さは、スプレー速度(単位時間あたりのスプレーの堆積)、スプレーにより取り囲まれる領域などを含む、いくつかの要因に依存する。
【0230】
そのコーティング材料は、タンク、または、生産ラインとの流体での伝達にて適切な他の容器に収容される。好ましくは、クローズされたシステムは、未使用なコーティング材料がリサイクルされるところで使用される。一実施形態においては、これは、そのコーティング材料タンクとの流体での伝達をする、コーティング材料コレクターにおいて、未使用なコーティング材料を収集することによって、実現される。多くのコーティング材料溶液、または、分散液は、コーティングプロセスを妨げる、泡(foam)、および/または、気泡(bubble)を形成する。この妨げを避けるために、コーティング材料は、好ましくは、タンクの底、または、中間から取り出される。付加的には、それは、泡(foam)、および/または、気泡(bubble)をさらに減少するために、コーティングタンクへ戻る前にその材料のフローを減速するのに好適である。これは当業者に知られた手段によって、実施される。必要であれば、消泡/気泡剤が、コーティング溶液/分散物に添加される。
【0231】
スプレー時間、そして、ノズルの大きさ、および、形状などの関連するパラメータの決定において、コーティング材料の特性が、また、考慮される。もし、スピードが速すぎる、および/または、ノズルの大きさが正しくない場合には、コーティング材料は、飛び跳ねて、コーティングの欠損をもたらす。もし、スピードが遅すぎる、または、ノズルの大きさが正しくない場合、コーティング材料は、所望なものよりも、厚く塗布される。適切なスプレー装置は、Nordson社(ウエストレイク、オハイオ州)によって販売されているものを含む。他の考慮は、多くのコーティング材料溶液、または、分散物が、泡または気泡を生成し、コーティングプロセスを妨げることである。この妨げを避けるため、スプレー速度、使用されるノズル、および、流体結合(fluid connection)が、好ましくは、選択され、コーティング材料の過剰な撹拌を避ける。必要であれば、消泡/気泡剤が、コーティング溶液/分散物に添加される。
[C.フローコーティング]
【0232】
好ましい実施形態においては、そのコーティングは、フローコーティングプロセスを介して適用される。フローコーティングの目的は、フォーリングシャワーカーテン(falling shower curtain)、または、ウォーターフォール(waterfall)に類似する、材料のシートを与えることであり、そのプリフォームは、完全なコーティングのために通過する。有利には、フローコーティングの好適な方法は、そのコーティング材料において、プリフォームの滞留時間(residence time)の短縮を許容する。そのプリフォームは、プリフォームの表面にコートするのに十分な時間の間、シートを通過することのみを必要とする。理論に束縛されることを望むことなく、長い滞在時間は、加えられたコーティングの利益を、もたらさない。
【0233】
均一なコーティングを与えるために、そのプリフォームは、コーティング材料のシートを介して進行する間、好ましくは、回転する。そのプリフォームは、好ましくは、約30−80RPM、より好ましくは、約40RPM、しかし、また、50,60,および、70RPMを含むスピードで回転する。好ましくは、そのプリフォームは、コーティング材料のシートを介して処理する間に、少なくとも、約2回の完全な回転、または、720°回転する。一の好適な実施形態においては、そのプリフォームは、回転し、そして、そのコーティング材料シートを介して進行する間の角度で配置される。そのプリフォームの角度は、好ましくは、そのコーティング材料シートの面に対して鋭角である。これは、有利には、ネック部、または、プリフォームの内側をコートすること無く、プリフォームの完全なコーティングを許容する。他の好適な実施形態においては、図16に示すように、そのプリフォーム1は、そのコーティング材料シートを介して進行する間、そのフロアに対して、垂直(vertical)、または、直立(perpendicular)である。コーティング材料のシートがプリフォームと接触するとき、シートは、接触の初期の位置からプリフォームの壁をクリープ・アップ(Creep up)する傾向であることが見出された。当業者は、フロー速度、コーティング材料の粘度、および、プリフォームに対する相対的なコーティングシート材料の物理的位置取りなどのパラメータを調節することで、クリープ効果(creep effect)を制御することができる。たとえば、フローが増加するとき、そのクリープ効果も増加して、そのコーティング材料に、所望なものを超えて、コートする。他の例として、そのコーティング材料シートと比べて、そのプリフォームの角度を減少することによって、そのコーティング厚は、重力によってプリフォームの底部へ移動または置換された材料の量を、その角度調整が減少するように、中心、または、プリフォームのボディで、より材料を保持して調整される。このクリープ効果を処理する能力は、有利には、ネック部あるいはプリフォームの内側をコーティングすることなく、プリフォームの完全なコーティングを可能にする。
【0234】
そのコーティング材料は、タンク、または、閉鎖された(closed)システムにおける生産ラインでの流体伝達において適切な他の容器にて、収容される。未使用なコーティング材料をリサイクルすることが好適である。一実施形態においては、これは、そのコーティング材料タンクでの流体の伝達におけるコーティング材料コレクターにおいて、落水する流体の流れを収集することによって実現される。多くのコーティング材料の溶液、または、分散液は、泡(foam)、および/または、気泡(bubble)を形成し、コーティングプロセスでの妨げになる。この妨げを避けるために、そのコーティング材料は、好ましくは、タンクの底部または中間部から除去される。付加的には、それは、泡、および/または、気泡を更に減少するために、コーティングタンクへ戻る前に、材料フローを減速することが好適である。これは、当業者において知られた手段によって実施可能である。必要であれば、消泡/気泡剤(anti−foam/bubble agent)がコーティング溶液/分散液へ加えられる。
【0235】
コーティング材料の適切(proper)なフロー速度の選択においては、いくつかの変数が考慮され、コーティング材料の粘度を含む適切なシート化、フロー速度、プリフォームの長さ、および、直径を提供する。
【0236】
フロー速度は、材料のシートの正確性(accuracy)を決定する。もしフロー速度が速すぎ、あるいは、遅すぎると、材料は、プリフォームを正確にコートしない。フロー速度が速すぎると、材料が、飛び散り、製造ラインに無理を強いるかもしれず、それは、プリフォームの不完全なコーティング、コーティング材料のむだ使い、および、増加した泡および/または気泡の問題をもたらす。もしフロー速度が遅すぎたら、コーティング材料は、プリフォームを部分的にコートするだけかもしれない。
【0237】
コートされるプリフォームの長さ、および直径は、また、フロー速度を選択する際に考慮されるべきである。材料のシートは、プリフォーム全体を完全にコートするべきであり、それゆえに、プリフォームの長さや直径が変わったときに、フロー速度調整が必要とされる。
【0238】
他の考慮すべき要因は、ライン上におけるプリフォームの間隔(spacing)である。プリフォームが材料のシートを通過して進むとき、いわゆるウェイク(wake)効果が観察される。もし、次のプリフォームが先のプリフォームの通った位置においてシートを通過すると、それは、適切なコーティングがなされない。それゆえ、プリフォームのスピードとセンターラインをモニターすることが重要である。プリフォームのスピードは、使用される特定の装備の処理量に依存する。
[3.過剰な材料の除去]
【0239】
有利には、好適な方法は、事実上プリフォーム上の全てのコーティングが利用されるように、十分な堆積を与える(すなわち、事実上、除去すべき余剰な材料がない)。しかしながら、ディップ、スプレーあるいはフロー法によって、プリフォームにコーティングされた後、余剰なコーティング材料を除去することが必要な状況がある。好ましくは、回転速度と重力とは、共に、プリフォーム上のシートを標準化(normalize)して余剰な材料を除去するように作用する。好ましくは、プリフォームは約5〜約15秒間、さらに好ましくは約10秒間、標準化される。コーティングの後にプリフォームがタンクの上を通過することを可能にするように、コーティング材料を保持するタンクが配置されていれば、プリフォームの回転と重力は、プリフォームからコーティング材料タンクへと余剰な材料が戻って、滴下することをもたらす。これは、付加的な努力なしに、余剰な材料がリサイクルされるのを可能にする。もし、余剰な材料がタンクに戻って滴下しないような状況に、タンクがあるのであれば、コーティングタンクまたはバットとの流体伝達において、コーティング材料コレクタあるいはリザーバなどのように、余剰な材料を捕らえて、再利用のために戻す、他の適した手段が、採用される。
【0240】
製造環境、あるいは、不適切であることに起因して、上記の方法が非実用的である場合、当業者に知られた、さまざまな方法、および、ドリップリムーバ(drip remover)88などの装置が、余剰な材料の除去のために用いらる。たとえば、適切なドリップリムーバは、以下に示す、ワイパー、ブラシ、スポンジローラー、エアナイフ、あるいは、エアフロー空気の気流(air flow)の1以上のを含み、それは、単独あるいは互いに組み合わせて用いられる。さらに、これらの方法のいずれも、上述の回転および重力の方法と組み合わせてよい。好ましくは、これらの方法で除去された余剰な材料は、さらなる使用のためにリサイクルされる。
[4.乾燥およびキュアリング(Curing)]
【0241】
プリフォーム1がコートされ、余剰な材料が除去された後、そのコートされたプリフォームは、それから、乾燥されて、キュアされる。その乾燥およびキュアリングプロセスは、好ましくは、赤外線(infrared)(IR)ヒーティングによって実施される。そのようなヒーティングは、PCT/US2005/024726において「Coating Process and Apparatus for Forming Coated Articles」と表題が付され、現在、WO 2006/010141 A2として発行されているものにおいて示されており、言及によって組み込まれている。一実施形態においては、1000Wクオーツ(quartz)IRランプ200が、供給源として使用されている。好ましい供給源は、ゼネラルエレクトリックQ1500 T3/CLクオーツライン タングステン−ハロゲンランプである。この特定の供給源および等価な供給源は、ゼネラルエレクトリックおよびフィリップスを含む、いくつかの供給源から商業的に購入できる。その供給源は、全容量で用いてもよく、あるいは、約50%、約60%、約75%など、部分的な容量で用いられてもよい。好ましい実施形態は、1個のランプまたは多数個のランプの組み合わせを使用してよい。例えば、6個のIRランプが70%の容量で使用されてよい。
【0242】
好ましい実施形態は、また、プリフォームに対する物理的な配向が調節できるランプを使用する。ランプ位置は、プリフォームに近づく、あるいは、遠ざかる位置に、調節される。たとえば、多数個のランプを有する一実施形態においては、プリフォームの底部の下方に配置されていた、1以上のランプを、プリフォームに近づけて動かすことが好適である。これは、好都合に、プリフォームの底部の完全なキュアリングを可能にする。調節可能なランプを有する実施形態は、また、種々の幅のプリフォームで使用される。たとえば、プレフォームが頂部において底部より幅が広い場合には、キュアリングをいっそう確実にするために、ランプは、プリフォームの底部において、プリフォームに、より近づければよい。そのランプは、好ましくは、コーティングの全表面に相対的に均一な照明を提供するように配向されている。
【0243】
他の実施形態では、リフレクタは、IRランプと組み合わされて使用され、完全なキュアリングをもたらす。好ましい実施形態では、ランプは、工程ラインの一方のサイドに配置されるが、1以上のリフレクタが工程ラインの反対側あるいは下方に配置される。これは、好都合に、ランプの出力をプリフォーム上に反射して戻し、より完全なキュアリングを可能にする。より好ましくは、付加的なリフレクタは、プリフォームの下方に配置され、そのランプからの熱を、プリフォームの底部の上方へ反射する。これは、好都合に、プリフォームの底部の完全なキュアリングを可能にする。他の好ましい実施形態では、様々なリフレクタの組み合わせは、物体、および、使用されるIRランプの特性に応じて用いられる。より好ましくは、リフレクタは、上述の調節可能な赤外ランプとの組み合わせで用いられる。
【0244】
加えて、赤外線ヒーティングの使用は、PET基材を余剰に加熱することなく、熱可塑性エポキシ(例えば、PHAE)コーティングが乾燥するのを可能にし、ブロー成形前のプリフォームの加熱の間に使用でき、それゆえに、エネルギー効率がよい装置に役立つ。また、IRヒーティングの使用は、ブラッシングを減らし、化学耐性を向上させることが見出された。
【0245】
この工程は、付加的な空気無しに、実施できるが、IRヒーティングは、強制された空気と組み合わされることが好ましい。その使用される空気は、熱くても、冷たくても、あるいは周囲のものでもよい。IRと空気のキュアリングの組み合わせは、好ましい実施形態の優れた化学的、ブラシ、および、スカフ耐性という独特の特性をもたらす。さらに、理論に束縛されることを望むことなしに、コーティングの化学耐性は、架橋とキュアリングの機能であると思われる。キュアリングがより完全なほど、化学耐性がより大きい。
【0246】
コーティングを完全に乾燥およびキュアリングさせるために必要な時間の長さを決定するには、コーティング材料、堆積の厚み、および、基材の材料などのいくつかの要因が、考慮される。異なるコーティング材料は、他よりも、早く、あるいは、遅くキュアする。付加的には、固形分の度合いが、高くなるに伴い、キュア速度は、減少する。一般的には、約0.05〜約0.75グラムのコーティング材料が形成された24グラムのプリフォームの赤外線キュアリングに対して、そのキュアリング時間は、約5〜60秒であるが、この範囲よりも長い、および、短い時間も使用してよい。いくつかの実施形態においては、その物体は、長い期間の時間による低強度のIRキュアによってキュアされる。いくつかの実施形態においては、低強度のIRキュアは、その物体の完全な架橋を可能にする。他の実施形態においては、その物体は、低強度のIRキュアで必要とされるものよりも短い期間の時間で、高強度のIRキュアによってキュアされる。いくつかの実施形態においては、材料、または、層のより低い堆積重量は、低強度のIRキュアと組み合わされてキュアされる。いくつかの実施形態においては、そのキュアされた、材料、または、層(その層を形成するのに使用される一以上の材料がある場合)の堆積重量は、24グラムのプリフォーム上において、約0.01から約0.75gである。他の実施形態においては、そのキュアされた、材料、または、層の堆積重量は、24グラムのプリフォーム上において、約0.1から約0.5グラムである。他の実施形態においては、その堆積重量は、0.6グラム未満であり、材料、または、層の約0.55,0.5,0.45,0.4,0.35,0.3,0.25,0.2,0.15、または、約0.1グラムを含む。
【0247】
考慮すべき他の要因は、プリフォームの表面温度であり、それは、基材およびコーティング材料のガラス転移温度(Tg)に関連するからである。好ましくは、コーティングの表面温度は、乾燥/キュアリングプロセスにおいて、基材のTgを超えて基材を加熱することなく、そのコーティング材料のTgを超える。これは、基材を余計に加熱すること起因するプリフォーム形状の変形なしに、望ましい膜形成、および/または、架橋をもたらす。例えば、コーティング材料がプリフォームの基材材料よりも高いTgを有する場合、プリフォームの表面は、好ましくは、基材の温度が基材のTgまたはそれより下に保った間に、コーティングのTgを超えた温度に加熱される。このバランスを達成する乾燥/キュアリング工程を調節する1つの方法は、他の方法も使用してよいが、IRヒーティングと空気冷却を組み合わせることである。
【0248】
IRヒーティングに加えて空気を使用することの利点は、空気がプリフォームの表面温度を調節し、それによって、輻射熱の浸透の制御における柔軟性を可能にすることである。特定の実施形態が、より遅いキュアリング速度、または、より深いIRの浸透を必要とする場合、これは、空気単独で、IRユニットに留まる時間、あるいは、IRランプの周波数で制御可能である。これらは、単独であるいは組み合わせて使用できる。
【0249】
好ましくは、プリフォームは、IRヒーターを介して進行する間に、回転する。そのプリフォームは、好ましくは、約30〜80RPMの速度で回転し、より好ましくは、約40RPMである。回転速度が速すぎると、コーティングは、飛び散って、プリフォームの不均一なコーティングの原因となる。回転速度が遅すぎると、プリフォームは、不均一に乾燥する。より好ましくは、プリフォームは、IRヒーターを介して進行する間に、少なくとも約360°回転する。これは、好都合に、完全なキュアリングおよび乾燥を可能にする。
【0250】
他の好ましい実施形態では、IRヒーティングまたはその他の方法の代わりに、電子ビーム加工(Electron Beam Processing)が採用される。電子ビーム加工(EBP)は、主に、その大きなサイズと高いコストに起因して、射出成形されたプリフォームおよび容器に用いられ、これに関連したポリマーのキュアリングのために用いられてはこなかった。しかし、この技術における最近の進歩は、より小さくて、安価な装置になることが期待されている。EBP加速器は、そのエネルギーとパワーによって、特徴的に示される。例えば、食品の膜のコーティングのキュアリングおよび架橋に対して、150〜500keVのエネルギーの加速器が、通常、使用される。
【0251】
EBPポリマー化は、分子のいくつかの個々のグループが、結合して、1つの大きなグループ(ポリマー)を形成するプロセスである。基材、または、コーティングが、高速に加速された電子に曝露されると、材料中の化学結合が、破壊して、新しい変性された分子構造が、形成される反応が起こる。このポリマー化は、生成物に重大な物理的変化を起こし、高い光沢と摩擦耐性などの望ましい特性をもたらす。EBPは、多くの材料において、ポリマー化プロセスを開始する、大変効率的な方法となる。
【0252】
EBPポリマー化と同様に、EBP架橋は、化学反応であり、処理される材料の物理特性を変化あるいは強化する。それは、化学結合(chemical bond)、または、結合(link)の内部結合のネットワークが、大きなポリマー鎖の間で発展し、より強い分子構造を形成する工程である。EBPは、熱的、化学的、バリア、衝撃、摩滅、および、安価な物品の熱可塑性物質の他の特性を改善させるために使用される。架橋可能なプラスチックのEBPは、改善された寸法安定性、低減された応力による亀裂、より高いセット温度、低減された溶媒および水の透過率、および、改善された熱機械的特性を有する材料を形成できる。
【0253】
高分子材料についてのイオン化反応の効果は、3つの方法の一において明示される:(1)自然に分子量が増加する(架橋)(crosslinking);(2)自然に分子量が減少する(切断)(scissioning);(3)放射耐性のあるポリマーの場合、分子量に重大な変化が観測されない。あるポリマーは、(1)と(2)の組み合わせを経験しうる。照射の間に、鎖の切断は、架橋と同時にかつ競争的に発生し、その最終結果は、これらの反応の収率の比によって決定される。各炭素原子にハロゲン原子を含むポリマーは、主に架橋を受け、一方で、4級の炭素原子を含むポリマー、および、−CX2−CX2−型(Xはハロゲン)のポリマーの場合は、鎖の切断が支配的である。芳香族のポリスチレンおよびポリカーボネートは、相対的に、EBPに耐性がある。
【0254】
ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride)、ポリプロピレン、および、PETに対して、両方向の変質が可能である。;ある条件は、それぞれの優勢のために存在する。架橋と切断の比は、全放射ドーズ量、ドーズ速度、酸素、安定剤、ラジカル捕捉体の存在、および/または構造上の結晶の力から導かれる妨害(hindrance)を含む、いくつかの要因による。
【0255】
架橋の全体の特性の効果は、特に共重合体と混合物において、矛盾して反対となりうる。例えば、EBPの後、HDPEのような高度に結晶化したポリマーは、結晶構造から導かれる特性である、張力に重大な変化を示さないかもしれないが、衝撃および応力亀裂耐性(impact and stress crack resistance)のような、アモルファス構造の挙動に関連した特性について、十分な改善を明示する。
【0256】
芳香族ポリアミド(ナイロン)は、イオン化放射(ionizing radiation)に対して、かなり反応性が高い。露光後、その芳香族ポリアミドの引張り強度(tensile strength)は、改善されないが、芳香族ポリアミドと線形脂肪族ポリアミドの混合物に対しては、実質的な長さの減少と共に、引張り強度の増加が導かれる。
【0257】
EBPは、プリフォームおよび容器に塗布されたTPEコーティングの、より正確で早いキュアリングのために、IRに代わって使用される。
【0258】
ディップ、スプレー、または、フローコーティングとともに用いられたときには、EBPは、IRキュアリングと比較して、より安いコスト、改善された速度、および/または、改善された架橋の制御を提供するポテンシャルがある。EBPは、また、溶解したポリマーに施された、代わりの化学、および、熱反応とは反対に、それがもたらす変化が、固相で発生するという点で有益である。
【0259】
他の好ましい実施形態では、ガスヒーター、UV放射(UV radiation)、および、フレーム(flame)は、IRまたはEBPキュアリングに加えて、あるいは、これに代えて、採用される。好ましくは、乾燥/キュアリングユニットは、未使用のコーティング材料の望まないキュアリングを避けるために、コーティング材料タンクおよび/またはフローコーティングシートから十分な距離であるいは分離されて配置される。
[5.冷却]
【0260】
そのプリフォームは、それから冷却される。冷却プロセスは、キュアリング工程と組み合わされ、強化された化学、ブラシ、スカフ耐性をもたらす。それは、1層のコーティングの後、あるいは、連続的なコーティングの間に、溶媒と揮発性物質の除去に起因すると考えられる。
【0261】
一実施形態においては、冷却プロセスは、周囲の温度で行われる。他の実施形態では、冷却プロセスは、強制された周囲の、あるいは、冷たい空気の使用により加速される。
【0262】
冷却プロセスの間には、いくつかの考慮すべき要因がある。プリフォームの表面温度は、プリフォーム基材、または、コーティングのTgのより低いTg方よりも低いことが好ましい。たとえば、あるコーティング材料は、プリフォーム基材材料よりも低いTgを持ち、この例では、プリフォームは、コーティングのTgより低い温度に冷却すべきである。プリフォーム基材が、より低いTgを持つ場合は、プリフォームは、プリフォーム基材のTgよりも、低く冷却すべきである。
【0263】
冷却時間は、また、プロセス中のどこで冷却が行われるかによって影響を受ける。好ましい実施形態では、多層のコーティングは、各プリフォームに塗布される。冷却ステップが、続いて行われるコーティングの前であるときは、冷却時間は、上昇されたプリフォームの温度がコーティングプロセスを強化すると思われるので、減少してもよい。その冷却時間は、変わるが、それらは、約0.05〜約0.75グラムのコーティング材料を有する24グラムのプリフォームに対して、一般的には、約5〜40秒である。
[6.システムからのイジェクション(Ejection)]
【0264】
一実施形態においては、プリフォームが冷却されたら、それは、システムから取り出されて、パッケージの準備がなされる。他の実施形態においては、プリフォームは、コーティングシステムから取り出され、さらなるプロセスのために、ブロー成形マシンへと送られる。さらに、他の実施形態では、そのコートされたプリフォームは、別のコーティングモジュールへと渡され、さらに、単数、または、複数のコートが形成される。このさらなるシステムは、さらなるコーティングモジュールまたはブロー成形装置に接続されてもよく、されなくてもよい。
[7.リサイクル]
【0265】
好都合なことに、上記の好適なプロセスによって形成され、または、その結果として得られたボトルは、容易に、リサイクルされる。現在のリサイクルプロセスを用いて、そのコーティングは、その回収されたPETから、容易に除去される。たとえば、ディップコーティングによって塗布され、IRヒーティングによってキュアされたポリヒドロキシアミノエーテル系のコーティングは、pH12の80℃の水溶液に曝されると、30秒で除去される。付加的には、4と等しいか、それより低いpHの水溶液は、コーティングを除去するために使用される。ポリヒドロキシアミノエーテルから形成された酸の塩におけるバリエーションは、コーティングの除去に必要とされる条件を変える。たとえば、ポリヒドロキシアミノエーテル樹脂の酢酸溶液から得られる酸の塩は、中性なpHの80℃の水溶液の使用で、除去される。代わりに、「Recycling of Articles Comprising Hydroxy−phenoxyether Polymers」と表題が付された米国特許番号6,528,546において記述されているリサイクル方法が、また、使用される。このアプリケーションにおいて開示された方法は、参照により、ここに組み込まれる。
【0266】
ここで述べた全ての特許と公報は、全てが参照によって以下に組み込まれている。ここで、さらに記載するものを除き、ここで示された、所定の実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および、技術は、いくつかの実施形態においては、米国特許番号6,109,006;6,808,820;6,528,546;6,312,641;6,391,408;6,352,426;6,676,883;米国特許出願番号09/745,013(公開番号2002−0100566);10/168,496(公開番号2003−0220036);09/844,820(2003−0031814);10/090,471(公開番号2003−0012904);10/395,899(公開番号2004−0013833);10/614,731(公開番号2004−0071885),11/108,342(公開番号2006−0065992),11/108,345(公開番号2006−0073294),11/108,607(公開番号2006−0073298)において示される、実施形態、特徴、、システム、デバイス、材料、方法、および、技術の1以上に類似しており、それらは、これによって、それらの全体における参照によって組み込まれる。加えて、実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および、ここで示した技術は、特定の実施形態において、適用され、または、実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および、上記の特許およびアプリケーションにおける技術の1以上に関連して使用される。
【0267】
上述した様々な方法や技術は、本発明を実施するための多数の方法を提供する。もちろん、ここに記載した、ある特定の実施の形態によっては、記載した、すべての目的や利点が必ずしも達成されるわけではないことがわかる。
【0268】
さらに、当業者ならば異なる実施の形態から様々な特徴の変形例を見つけることができる。同様に、上述した様々な特徴や工程は、この技術の方法を実施する当業者は、ここに記述された手法に従って、他の既知の特徴や工程の同等なものとともに、組み合わせ、適合させることができる。
【0269】
本発明は、所定の実施の形態および例の文脈において開示されているが、特に記載された実施の形態を超えて他の実施の形態とし、および/または、使用し、および、変形し、それに均等なものに広げた発明であると、当業者によって理解される。したがって、本発明は、ここでの好適な実施の形態で、特に開示されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0270】
【図1】図1は、好適な実施形態の開始材料として使用される、コートされていないプリフォームである。
【図2】図2は、コートされていない好適なプリフォームの断面図であり、好適な実施形態に基づいてコートされるタイプを示している。
【図3】図3は、コートされたプリフォームの好適な実施形態の断面図である。
【図4】図4は、コートされたプリフォームの壁部分の一部の拡大図である。
【図5】図5は、コートされたプリフォームの別の実施形態の断面図である。
【図6】図6は、本発明にて好適にコートされた容器を製造するために使用されるタイプのブロー成形装置のキャビティ内において、好ましいプリフォームの断面図である。
【図7】図7は、ブロー成形プロセスに従って準備された、コートされた容器である。
【図8】図8は、本発明に従う特徴を有する、コートされた容器について、好ましい一実施形態の断面図である。
【図9】図9は、3層の実施の形態のプリフォームである。
【図10】図10は、好適なプロセスについて示す、限定がないフロー図である。
【図11】図11は、非限定的な一実施形態のフロー図であり、ここでは、そのシステムが、単一のコーティング・ユニットを具備している。
【図12】図12は、好適なプロセスの非限定的なフロー図であり、ここでは、システムが、1つに一体化されたシステムにおいて、多数のコーティング・ユニットを具備する。
【図13】図13は、好適なプロセスの非限定的なフロー図であり、ここでは、システムは、モジュラー(modular)システム内において、多数のコーティング・ユニットを具備する。 図は、測って描いていない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーと、フェノキシタイプ熱可塑性物質の1以上を具備するガスバリア層と、
耐水性材料を具備する耐水性コーティング層と
を具備する塗布物であって、
その耐水性材料は、アクリル系のポリマーまたはコポリマー、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エポキシ系ポリマー、および、ワックスからなるグループから選択される1以上を具備する
塗布物。
【請求項2】
請求項1の塗布物であって、そのガスバリア層が、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する塗布物。
【請求項3】
請求項2の塗布物であって、そのガスバリア層が、EVOHを具備する塗布物。
【請求項4】
請求項2の塗布物であって、そのガスバリア層がPVOHを具備する塗布物。
【請求項5】
請求項1の塗布物であって、そのガスバリア層が、フェノキシタイプ熱可塑性物質を具備する塗布物。
【請求項6】
請求項5の塗布物であって、そのガスバリア層が、PHAEを具備する塗布物。
【請求項7】
請求項1の塗布物であって、そのガスバリア層が、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマー、および、フェノキシタイプ熱可塑性物質の混合物を具備する塗布物。
【請求項8】
請求項7の塗布物であって、そのガスバリア層が、EVOH,PVOH,および,PHAEから選択される1以上の混合物を具備する塗布物。
【請求項9】
請求項8の塗布物であって、そのガスバリア層が、EVOHとPHAEとの混合物を具備する塗布物。
【請求項10】
請求項9の塗布物であって、EVOHは、約60から約80wt%のエチレン量を有する塗布物。
【請求項11】
請求項9の塗布物であって、その混合物は、EVOHとPHAEとの全重量を基準にして、約5から約95wt%のPHAEを具備する塗布物。
【請求項12】
請求項9の塗布物であって、その混合物が、EVOHとPHAEとの全重量を基準にして、約30から約70wt%のPHAEを具備する塗布物。
【請求項13】
請求項9の塗布物であって、その混合物が、EVOHとPHAEとの全重量を基準にして、約40から約60wt%のPHAEを具備する塗布物。
【請求項14】
請求項1の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーを具備する塗布物。
【請求項15】
請求項14の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、ポリエチレンまたはポリプロピレンを具備する塗布物。
【請求項16】
請求項1の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、カルナウバおよびパラフィンから選択される1以上のワックスを具備する塗布物。
【請求項17】
請求項1の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、アクリル系のポリマーまたはコポリマーを具備する塗布物。
【請求項18】
請求項18の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、EAAを具備する塗布物。
【請求項19】
請求項1の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマー、および、アクリル系のポリマーまたはコポリマーの混合物を具備する塗布物。
【請求項20】
請求項19の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、ポリプロピレンおよびEAAの混合物を具備する塗布物。
【請求項21】
請求項20の塗布物であって、その混合物が、EAAとポリプロピレンとの全重量を基準にして、30から約50wt%のEAAを具備する塗布物。
【請求項22】
請求項20の塗布物であって、その混合物が、EAAとポリプロピレンとの全重量を基準にして、50から約70wt%のEAAを具備する塗布物。
【請求項23】
請求項1の塗布物であって、そのガスバリア層が、最も内側のバリア層である塗布物。
【請求項24】
請求項1の塗布物であって、そのガスバリア層が、ベース層である塗布物。
【請求項25】
請求項1の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、最も外側の層である塗布物。
【請求項26】
請求項1の塗布物であって、結合層は、ガスバリア層と耐水性コーティング層との間の中間層である塗布物。
【請求項27】
請求項1の塗布物であって、結合層は、ガスバリア層と、酸素および二酸化炭素の捕捉するものを具備する層との間の中間層である塗布物。
【請求項28】
請求項26または27の塗布物であって、その結合層は、PPMAを具備する塗布物。
【請求項29】
請求項1の塗布物であって、ガスバリア層と耐水性コーティング層との1以上が、ポリエチレンイミンを具備する塗布物。
【請求項30】
請求項1の塗布物であって、ガスバリア層と耐水性コーティング層との1以上が、ジルコニウム塩を具備する塗布物。
【請求項31】
請求項1の塗布物であって、ガスバリア層と耐水性コーティング層との1以上が、有機アルデヒドを具備する塗布物。
【請求項32】
請求項1の塗布物であって、そのガスバリア層が、酸素と二酸化炭素とに対する透過性がポリエチレンテレフタレートよりも小さいバリア材料を具備する塗布物。
【請求項33】
請求項1の塗布物であって、耐水性コーティング層は、水蒸気の透過性が物体の基材またはガスバリア層よりも小さい塗布物。
【請求項34】
請求項1の塗布物であって、ガスバリア、および、耐水性コーティング層の1以上が、O2捕捉剤、CO2捕捉剤、および、UV保護添加物からなるグループの1以上を具備する塗布物。
【請求項35】
請求項1の塗布物であって、各バリア層は、実質的に、VOCフリーである塗布物。
【請求項36】
物体の基材の水およびガスの透過性を減少する方法であって、
ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマー、および、フェノキシタイプ熱可塑性物質から選択される1以上を具備するガスバリア材料の第1の水ベースの溶液,分散液,エマルジョンを、ディップ,スプレー,または,フローコーティングによって、物体の基材の表面に塗布して、第1のインナーコーティング層を形成すること、
その第1のインナーコーティング層を乾燥すること、
アクリル系のポリマーまたはコポリマー、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エポキシ系ポリマー、および、ワックスからなるグループから選択される1以上を具備する耐水性コーティング材料の第2の水ベースの溶液,分散液,エマルジョンを、ディップ,スプレー,または,フローコーティングによって、その物体の外側表面に塗布して、第2のコーティング層を形成すること、
その第2のコーティング層を乾燥すること
を具備する方法。
【請求項37】
請求項36の方法であって、その第1の水ベースの溶液,分散液,エマルジョンは、ジルコニウム塩、ポリエチレンイミン、および、物体の基材への第1のインナーコーティング層の接着を強化する有機アルデヒドの1以上をさらに具備する方法。
【請求項38】
請求項36の方法であって、そのガスバリア材料が、PVOH,EVOH,および,ポリヒドロキシアミノエーテルから選択される1以上を具備する方法。
【請求項39】
請求項36の方法であって、その耐水性コーティング材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンのコポリマー、および、EAAから選択される1以上を具備する方法。
【請求項40】
請求項36の方法であって、その表面は、ポリエステル,PLA,または,ポリプロピレンから選択される1以上を具備する方法。
【請求項41】
請求項36の方法であって、その表面が、PETを具備する方法。
【請求項42】
請求項36の方法であって、その物体が、容器である方法。
【請求項43】
請求項36の方法であって、その第1のインナー層は、酸素および二酸化炭素に対する透過性が、その物体の基材の表面を形成する材料よりも小さいバリア材料を具備する方法。
【請求項44】
請求項36の方法であって、その第2の層は、水蒸気に対する透過性が、その物体の基材の表面を形成する材料、または、第1のインナー層よりも小さい方法。
【請求項45】
請求項36の方法であって、その第1および第2のコーティング層から選択される1以上は、部分的または完全に架橋されている方法。
【請求項46】
請求項36の方法であって、その物体の基材の表面は、アモルファスおよび/またはセミクリスタリンのポリエチレンテレフタレートを具備する方法。
【請求項47】
請求項36の方法であって、その第1および第2のコーティング層の乾燥は、水に触れるときに、実質的にブラッシングがない物体を形成するように、実行される方法。
【請求項1】
ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーと、フェノキシタイプ熱可塑性物質の1以上を具備するガスバリア層と、
耐水性材料を具備する耐水性コーティング層と
を具備する塗布物であって、
その耐水性材料は、アクリル系のポリマーまたはコポリマー、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エポキシ系ポリマー、および、ワックスからなるグループから選択される1以上を具備する
塗布物。
【請求項2】
請求項1の塗布物であって、そのガスバリア層が、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマーを具備する塗布物。
【請求項3】
請求項2の塗布物であって、そのガスバリア層が、EVOHを具備する塗布物。
【請求項4】
請求項2の塗布物であって、そのガスバリア層がPVOHを具備する塗布物。
【請求項5】
請求項1の塗布物であって、そのガスバリア層が、フェノキシタイプ熱可塑性物質を具備する塗布物。
【請求項6】
請求項5の塗布物であって、そのガスバリア層が、PHAEを具備する塗布物。
【請求項7】
請求項1の塗布物であって、そのガスバリア層が、ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマー、および、フェノキシタイプ熱可塑性物質の混合物を具備する塗布物。
【請求項8】
請求項7の塗布物であって、そのガスバリア層が、EVOH,PVOH,および,PHAEから選択される1以上の混合物を具備する塗布物。
【請求項9】
請求項8の塗布物であって、そのガスバリア層が、EVOHとPHAEとの混合物を具備する塗布物。
【請求項10】
請求項9の塗布物であって、EVOHは、約60から約80wt%のエチレン量を有する塗布物。
【請求項11】
請求項9の塗布物であって、その混合物は、EVOHとPHAEとの全重量を基準にして、約5から約95wt%のPHAEを具備する塗布物。
【請求項12】
請求項9の塗布物であって、その混合物が、EVOHとPHAEとの全重量を基準にして、約30から約70wt%のPHAEを具備する塗布物。
【請求項13】
請求項9の塗布物であって、その混合物が、EVOHとPHAEとの全重量を基準にして、約40から約60wt%のPHAEを具備する塗布物。
【請求項14】
請求項1の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマーを具備する塗布物。
【請求項15】
請求項14の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、ポリエチレンまたはポリプロピレンを具備する塗布物。
【請求項16】
請求項1の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、カルナウバおよびパラフィンから選択される1以上のワックスを具備する塗布物。
【請求項17】
請求項1の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、アクリル系のポリマーまたはコポリマーを具備する塗布物。
【請求項18】
請求項18の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、EAAを具備する塗布物。
【請求項19】
請求項1の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマー、および、アクリル系のポリマーまたはコポリマーの混合物を具備する塗布物。
【請求項20】
請求項19の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、ポリプロピレンおよびEAAの混合物を具備する塗布物。
【請求項21】
請求項20の塗布物であって、その混合物が、EAAとポリプロピレンとの全重量を基準にして、30から約50wt%のEAAを具備する塗布物。
【請求項22】
請求項20の塗布物であって、その混合物が、EAAとポリプロピレンとの全重量を基準にして、50から約70wt%のEAAを具備する塗布物。
【請求項23】
請求項1の塗布物であって、そのガスバリア層が、最も内側のバリア層である塗布物。
【請求項24】
請求項1の塗布物であって、そのガスバリア層が、ベース層である塗布物。
【請求項25】
請求項1の塗布物であって、その耐水性コーティング層が、最も外側の層である塗布物。
【請求項26】
請求項1の塗布物であって、結合層は、ガスバリア層と耐水性コーティング層との間の中間層である塗布物。
【請求項27】
請求項1の塗布物であって、結合層は、ガスバリア層と、酸素および二酸化炭素の捕捉するものを具備する層との間の中間層である塗布物。
【請求項28】
請求項26または27の塗布物であって、その結合層は、PPMAを具備する塗布物。
【請求項29】
請求項1の塗布物であって、ガスバリア層と耐水性コーティング層との1以上が、ポリエチレンイミンを具備する塗布物。
【請求項30】
請求項1の塗布物であって、ガスバリア層と耐水性コーティング層との1以上が、ジルコニウム塩を具備する塗布物。
【請求項31】
請求項1の塗布物であって、ガスバリア層と耐水性コーティング層との1以上が、有機アルデヒドを具備する塗布物。
【請求項32】
請求項1の塗布物であって、そのガスバリア層が、酸素と二酸化炭素とに対する透過性がポリエチレンテレフタレートよりも小さいバリア材料を具備する塗布物。
【請求項33】
請求項1の塗布物であって、耐水性コーティング層は、水蒸気の透過性が物体の基材またはガスバリア層よりも小さい塗布物。
【請求項34】
請求項1の塗布物であって、ガスバリア、および、耐水性コーティング層の1以上が、O2捕捉剤、CO2捕捉剤、および、UV保護添加物からなるグループの1以上を具備する塗布物。
【請求項35】
請求項1の塗布物であって、各バリア層は、実質的に、VOCフリーである塗布物。
【請求項36】
物体の基材の水およびガスの透過性を減少する方法であって、
ビニルアルコール・コポリマーまたはポリマー、および、フェノキシタイプ熱可塑性物質から選択される1以上を具備するガスバリア材料の第1の水ベースの溶液,分散液,エマルジョンを、ディップ,スプレー,または,フローコーティングによって、物体の基材の表面に塗布して、第1のインナーコーティング層を形成すること、
その第1のインナーコーティング層を乾燥すること、
アクリル系のポリマーまたはコポリマー、ポリオレフィン系のポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エポキシ系ポリマー、および、ワックスからなるグループから選択される1以上を具備する耐水性コーティング材料の第2の水ベースの溶液,分散液,エマルジョンを、ディップ,スプレー,または,フローコーティングによって、その物体の外側表面に塗布して、第2のコーティング層を形成すること、
その第2のコーティング層を乾燥すること
を具備する方法。
【請求項37】
請求項36の方法であって、その第1の水ベースの溶液,分散液,エマルジョンは、ジルコニウム塩、ポリエチレンイミン、および、物体の基材への第1のインナーコーティング層の接着を強化する有機アルデヒドの1以上をさらに具備する方法。
【請求項38】
請求項36の方法であって、そのガスバリア材料が、PVOH,EVOH,および,ポリヒドロキシアミノエーテルから選択される1以上を具備する方法。
【請求項39】
請求項36の方法であって、その耐水性コーティング材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンのコポリマー、および、EAAから選択される1以上を具備する方法。
【請求項40】
請求項36の方法であって、その表面は、ポリエステル,PLA,または,ポリプロピレンから選択される1以上を具備する方法。
【請求項41】
請求項36の方法であって、その表面が、PETを具備する方法。
【請求項42】
請求項36の方法であって、その物体が、容器である方法。
【請求項43】
請求項36の方法であって、その第1のインナー層は、酸素および二酸化炭素に対する透過性が、その物体の基材の表面を形成する材料よりも小さいバリア材料を具備する方法。
【請求項44】
請求項36の方法であって、その第2の層は、水蒸気に対する透過性が、その物体の基材の表面を形成する材料、または、第1のインナー層よりも小さい方法。
【請求項45】
請求項36の方法であって、その第1および第2のコーティング層から選択される1以上は、部分的または完全に架橋されている方法。
【請求項46】
請求項36の方法であって、その物体の基材の表面は、アモルファスおよび/またはセミクリスタリンのポリエチレンテレフタレートを具備する方法。
【請求項47】
請求項36の方法であって、その第1および第2のコーティング層の乾燥は、水に触れるときに、実質的にブラッシングがない物体を形成するように、実行される方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−536731(P2008−536731A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507764(P2008−507764)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/014300
【国際公開番号】WO2006/113561
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(506346990)アドバンスド プラスティックス テクノロジーズ ルクセンブルク エスアー (8)
【氏名又は名称原語表記】Advanced Plastics Technologies Luxembourg S.A.
【住所又は居所原語表記】82 Route d’Arlon, L−1150 Luxembourg, Grand−Duchy of Luxembourg
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/014300
【国際公開番号】WO2006/113561
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(506346990)アドバンスド プラスティックス テクノロジーズ ルクセンブルク エスアー (8)
【氏名又は名称原語表記】Advanced Plastics Technologies Luxembourg S.A.
【住所又は居所原語表記】82 Route d’Arlon, L−1150 Luxembourg, Grand−Duchy of Luxembourg
【Fターム(参考)】
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