説明

肝細胞癌または結腸直腸癌に関連する遺伝子およびポリペプチド

本出願は、対応する非癌組織と比較して、それぞれHCCおよび結腸癌の大半でその発現が顕著に上昇している新規ヒト遺伝子WDRPUHおよびKRZFPUHならびにPPIL1、さらには、対応する非癌組織に比べ原発性結腸癌の大半でその発現が顕著に上昇しており、結腸癌細胞への野生型APC1の形質導入に応答して下方制御される新規ヒト遺伝子APCDD1も提供する。これらの遺伝子および遺伝子によってコードされるポリペプチドは、例えば、細胞増殖性疾患の診断に用いることができ、かつ疾患に対する薬剤を開発するための標的分子として用いることができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下からなる群より選択される、実質的に純粋なポリペプチド:
(a)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等な生物学的活性を有する、1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加された配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド;ならびに
(c)配列番号:2、4、6、または8のいずれか1つのアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物学的活性を有する、配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド。
【請求項2】
請求項1記載のポリペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項3】
請求項2記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項4】
請求項2記載のポリヌクレオチドまたは請求項3記載のベクターを保有する宿主細胞。
【請求項5】
以下の段階を含む、請求項1記載のポリペプチドを生産するための方法:
(a)請求項4記載の宿主細胞を培養する段階;
(b)宿主細胞にポリペプチドを発現させる段階;および
(c)発現されたポリペプチドを収集する段階。
を含む方法。
【請求項6】
請求項1記載のポリペプチドと結合する抗体。
【請求項7】
請求項2記載のポリヌクレオチドまたはその相補鎖に対して相補的であって、少なくとも15ヌクレオチドを含むポリヌクレオチド。
【請求項8】
請求項2記載のポリヌクレオチドに対するアンチセンスポリヌクレオチドまたは低分子干渉RNA。
【請求項9】
配列番号:16、37、44および89のヌクレオチド配列を含むヌクレオチドからなる群より選択される、請求項8記載のアンチセンスポリヌクレオチド。
【請求項10】
そのセンス鎖が、配列番号:93、94、95、96、97、98、99、100、101、102および103のヌクレオチド配列を含むヌクレオチドからなる群より選択される、請求項8記載の低分子干渉RNA。
【請求項11】
以下の段階を含む、細胞増殖性疾患の診断のための方法:
(a)標本の生物試料における、配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列をコードする遺伝子の発現レベルを検出する段階;および
(b)その発現レベルの上昇を疾患と関連づける段階。
【請求項12】
以下からなる群より選択される方法のいずれか1つによって発現レベルが検出される、請求項11記載の方法:
(a)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列をコードするmRNAを検出する段階;
(b)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むタンパク質を検出する段階;および
(c)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むタンパク質の生物学的活性を検出する段階。
【請求項13】
以下の段階を含む、細胞増殖性疾患を治療するための化合物に関するスクリーニングの方法:
(a)被験化合物を、
(1)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
(2)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等な生物学的活性を有する、1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加された配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド、および
(3)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物学的活性を有する、配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、
からなる群より選択されるポリペプチドと接触させる段階;
(b)ポリペプチドと被験化合物との結合活性を検出する段階;ならびに
(c)ポリペプチドと結合する化合物を選択する段階。
【請求項14】
以下の段階を含む、細胞増殖性疾患を治療するための化合物に関するスクリーニングの方法:
(a)候補化合物を、配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列を含む1つまたは複数のポリヌクレオチドを発現する細胞と接触させる段階;および
(b)配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列を含む1つまたは複数のポリヌクレオチドの発現レベルを、被験化合物の非存在下で検出される発現レベルと比較して低下させる化合物を選択する段階。
【請求項15】
以下の段階を含む、細胞増殖性疾患を治療するための化合物に関するスクリーニングの方法:
(a)被験化合物を、
(1)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
(2)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等な生物学的活性を有する、1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加された配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド、および
(3)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物学的活性を有する、配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、
からなる群より選択されるポリペプチドと接触させる段階;
(b)段階(a)のポリペプチドの生物学的活性を検出する段階;ならびに
(c)被験化合物の非存在下で検出される生物学的活性と比較してポリペプチドの生物学的活性を抑制する化合物を選択する段階。
【請求項16】
生物学的活性が細胞増殖活性である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
以下の段階を含む、細胞増殖性疾患を治療するための化合物に関するスクリーニングの方法:
a)1つまたは複数のマーカー遺伝子が配列番号:1、3、5、または7からなる群より選択されるヌクレオチド配列のいずれか1つを含み、この1つまたは複数のマーカー遺伝子の転写調節領域および転写調節領域の制御下で発現するレポーター遺伝子を含むベクターを導入した細胞に、候補化合物を接触させる段階;
b)該レポーター遺伝子の活性を測定する段階;および
c)該レポーター遺伝子の発現レベルを対照と比較して低下させる化合物を選択する段階。
【請求項18】
以下の段階を含む、細胞増殖性疾患を治療するための化合物に関するスクリーニングの方法:
(a)APCDD1の2つのTcf/LEF結合モチーフをレポーター遺伝子の上流に含むベクターを構築する段階;
(b)段階(a)のベクターによって細胞の形質転換を行う段階;
(c)βカテニン/Tcf 4複合体の存在下で被験化合物を段階(b)の細胞と接触させる段階;
(d)レポーター遺伝子の発現を検出する段階;および
(e)レポーター遺伝子の発現を被験化合物の非存在下と比較して抑制する被験化合物を選択する段階。
【請求項19】
以下の段階を含む、細胞増殖性疾患を治療するための化合物に関するスクリーニングの方法:
(a)被験化合物の存在下で
(1)配列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
(2)配列番号:6のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等な生物学的活性を有する、1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加された配列番号:6のアミノ酸配列を含むポリペプチド、および
(3)配列番号:6のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物学的活性を有する、配列番号:5のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、
からなる群より選択されるポリペプチドを、スタスミンまたはSNW1と接触させる段階;
(b)ポリペプチドとスタスミンまたはSNW1との結合を検出する段階;ならびに
(c)ポリペプチドとスタスミンまたはSNW1との結合を阻害する被験化合物を選択する段階。
【請求項20】
細胞増殖性疾患が癌である、請求項11〜19のいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
以下からなる群より選択されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対するアンチセンスポリヌクレオチドまたは低分子干渉RNAの薬学的有効量を含む、細胞増殖性疾患を治療するための組成物:
(a)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等な生物学的活性を有する、1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加された配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド;ならびに
(c)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物学的活性を有する、配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド。
【請求項22】
以下からなる群より選択されるポリペプチドに対する抗体の薬学的有効量を含む、細胞増殖性疾患を治療するための組成物:
(a)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等な生物学的活性を有する、1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加された配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド;ならびに
(c)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物学的活性を有する、配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド。
【請求項23】
請求項13〜19のいずれか一項記載の方法によって選択された化合物の薬学的有効量を含む、細胞増殖性疾患を治療するための組成物。
【請求項24】
細胞増殖性疾患が癌である、請求項21〜23のいずれか一項記載の組成物。
【請求項25】
以下からなる群より選択されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対するアンチセンスポリヌクレオチドまたは低分子干渉RNAの薬学的有効量を投与する段階を含む、細胞増殖性疾患を治療するための方法:
(a)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等な生物学的活性を有する、1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加された配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド;ならびに
(c)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物学的活性を有する、配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド。
【請求項26】
以下からなる群より選択されるポリペプチドに対する抗体の薬学的有効量を投与する段階を含む、細胞増殖性疾患を治療するための方法:
(a)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等な生物学的活性を有する、1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加された配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド;ならびに
(c)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物学的活性を有する、配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド。
【請求項27】
請求項13〜19のいずれか一項記載の方法によって選択された化合物の薬学的有効量を投与する段階を含む、細胞増殖性疾患を治療するための方法。
【請求項28】
細胞増殖性疾患が癌である、請求項25〜27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
以下の(a)〜(c)からなる群より選択されるポリペプチド、またはそのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの薬学的有効量を投与する段階を含む、癌の治療または予防のための方法:
(a)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその断片;
(b)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等な生物学的活性を有する、1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加された配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその断片;ならびに
(c)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物学的活性を有する、配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、またはその断片。
【請求項30】
以下の(a)〜(c)からなる群より選択されるポリペプチドを抗原提示細胞と接触させる段階、またはそのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもしくはそのポリヌクレオチドを含むベクターを抗原提示細胞に導入する段階を含む、抗腫瘍免疫を誘導するための方法:
(a)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその断片;
(b)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等な生物学的活性を有する、1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加された配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその断片;ならびに
(c)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物学的活性を有する、配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、またはその断片。
【請求項31】
対象に対して抗原提示細胞を投与する段階をさらに含む、請求項30記載の抗腫瘍免疫を誘導するための方法。
【請求項32】
以下の(a)〜(c)の群より選択されるポリペプチド、またはそのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの薬学的有効量を含む、癌の治療または予防のための薬学的組成物:
(a)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその断片;
(b)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等な生物学的活性を有する、1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加された配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその断片;ならびに
(c)配列番号:2、4、6、または8のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物学的活性を有する、配列番号:1、3、5、または7のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、またはその断片。
【請求項33】
ポリヌクレオチドが発現ベクター中に組み入れられている、請求項32記載の薬学的組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公表番号】特表2006−505247(P2006−505247A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−511344(P2004−511344)
【出願日】平成15年6月4日(2003.6.4)
【国際出願番号】PCT/JP2003/007070
【国際公開番号】WO2003/104276
【国際公開日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【出願人】(504445356)オンコセラピー・サイエンス株式会社 (22)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】