自動二輪車のハンドルロック装置
【課題】自動二輪車のハンドルロック装置における使い勝手を向上させる。
【解決手段】運転者が携帯する携帯キーと、この携帯キーとの間で自動二輪車30の起動に必要な情報を送・受信する送・受信部と、自動二輪車30の操舵に用いられるハンドル31を所定の位置にて固定又は固定解除するためのロック機構17と、送信機に必要な情報を送るとともに受信部からの情報に基づいて自動二輪車30の起動に必要な認証処理を行い、認証が成立した場合に、ロック機構17によるハンドルロックを解除させる制御部16とを備えた自動二輪車30のハンドルロック装置10において、制御部16における認証処理を開始させる近接センサ12L,12Rを、ハンドル31を構成する左グリップ61、右グリップ62に設けた。
【解決手段】運転者が携帯する携帯キーと、この携帯キーとの間で自動二輪車30の起動に必要な情報を送・受信する送・受信部と、自動二輪車30の操舵に用いられるハンドル31を所定の位置にて固定又は固定解除するためのロック機構17と、送信機に必要な情報を送るとともに受信部からの情報に基づいて自動二輪車30の起動に必要な認証処理を行い、認証が成立した場合に、ロック機構17によるハンドルロックを解除させる制御部16とを備えた自動二輪車30のハンドルロック装置10において、制御部16における認証処理を開始させる近接センサ12L,12Rを、ハンドル31を構成する左グリップ61、右グリップ62に設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車のハンドルロック装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動二輪車のハンドルロック装置として、運転者が携行するキーとして暗証カード発信機、いわゆる「スマートカードキー」でハンドルロック及びハンドルロック解除を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平3−21575号公報
【0003】
特許文献1の図2、図3及び図5を以下に説明する。
ハンドルロックを解除するステップは以下の通りである。
(1)車体側に取付けられている操作スイッチパネル1に設けられたオンスイッチ2を押す。
【0004】
(2)車体側に設けられた制御ユニット16と運転者が携行する暗証コード発信機18とが交信し、暗証コード発信機18から発信された暗証コード信号が基準コードと照合される。
【0005】
(3)暗証コード信号が基準コードと合致した場合には、オンスイッチ2が光るので、運転者が操作スイッチパネル1に設けられたハンドルロック解錠スイッチ5を押せば、ハンドルロックが解除される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1のハンドルロック装置では、ハンドルロックが解除されるまでに、上記の(1)〜(3)の手順を踏む必要があり、(1)及び(3)で運転者の操作が必要になる。運転者にとっては、この操作数が少ない方が使い勝手が良く、望ましい。
本発明の目的は、自動二輪車のハンドルロック装置における使い勝手を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、運転者が携帯する携帯キーと、この携帯キーとの間で自動二輪車の起動に必要な情報を送・受信する送・受信部と、自動二輪車の操舵に用いられるハンドルを所定の位置にて固定又は固定解除するためのロック機構と、送信機に必要な情報を送るとともに受信部からの情報に基づいて自動二輪車の起動に必要な認証処理を行い、認証が成立した場合に、ロック機構によるハンドルロックを解除させる制御部とを備えた自動二輪車のハンドルロック装置において、制御部における認証処理を開始させるスイッチ部を、ハンドルを構成するグリップに設けたことを特徴とする。
【0008】
作用として、(1)運転者がハンドルのグリップを握り、(2)制御部での認証処理が開始して認証処理が成立した場合にロック機構によってハンドルロックが解除される。即ち、携帯キーを携帯した運転者がグリップを握るだけでハンドルロックが解除される。
グリップは、運転者が走行前に必ず握る部分であり、グリップを握る行為は特別に増える操作ではないから、ハンドルロック解除のための操作数は増えない。
【0009】
請求項2に係る発明は、スイッチ部を、近接センサで構成し、グリップの内部に設けたことを特徴とする。
作用として、近接センサで構成されたスイッチ部がグリップの内部に設けられるため、従来と変わらない外観が保たれる。
【0010】
請求項3に係る発明は、グリップをスロットルグリップとしたことを特徴とする。
作用として、運転者は自動二輪車の走行を開始する前にスロットルグリップを必ず握るため、確実にハンドルロックが解除される。
【0011】
請求項4に係る発明は、自動二輪車が走行中であることを検出する車速センサを備え、制御部が、グリップが握られている又は自動二輪車が走行中である場合に、ハンドルロック解除状態を保つことを特徴とする。
【0012】
作用として、グリップが握られている場合、又は車速センサで自動二輪車が走行であることが検出されている場合には、ハンドルロック解除状態が保たれ、不意にハンドルロックされることがない。
【0013】
請求項5に係る発明は、スイッチ部による検出が無く、制御部での携帯キーとの間の情報の認証が不成立の場合には、ハンドルロック状態とすることを特徴とする。
作用として、携帯キーを携帯している運転者がグリップから手を離し、自動二輪車から離れた場合に制御部と携帯キーとの交信が出来なくなり、制御部での携帯キーとの間の情報の認証が不成立となる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、制御部における認証処理を開始させるスイッチ部を、ハンドルを構成するグリップに設けたので、走行前に必ず運転者が触れるグリップにスイッチ部を設けることでハンドルロック解除に必要な行為をより単純にすることができ、ハンドルロック解除に要する手間を省くことができて、自動二輪車の使い勝手を向上させることができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、スイッチ部を、近接センサで構成し、グリップの内部に設けたので、従来と変わらない外観を保ちつつ認証処理の開始のための検出を行うことができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、グリップをスロットルグリップとしたので、自動二輪車が走行を開始する前にスロットルグリップが必ず握られるため、走行前に確実にハンドルロックを解除することができる。
【0017】
請求項4に係る発明では、自動二輪車が走行中であることを検出する車速センサを備え、制御部が、グリップが握られている又は自動二輪車が走行中である場合に、ハンドルロック解除状態を保つので、ハンドル操作が必要な場合において、不意にハンドルロックされることを防止することができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、スイッチ部による検出が無く、制御部での携帯キーとの間の情報の認証が不成立の場合には、ハンドルロック状態とするので、携帯キーを携帯した運転者が自動二輪車から離れた場合に、自動的にハンドルロック状態とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る自動二輪車のハンドルロック装置を示すブロック図であり、ハンドルロック装置10は、運転者が携帯する携帯キー11と、この携帯キー11を携帯した運転者の手が所定距離に近づいたことを検出する近接センサ12と、携帯キー11へ送信信号STを送る送信部13と、携帯キー11からの携帯送信信号SPTを受ける受信部14と、近接センサ12からの検出信号SSに基づいて送信部13を介して必要送信情報JTを携帯キー11へ送るとともに携帯キー11から必要受信情報JRを受信部14を介して受ける制御部16と、ハンドルを所定の位置にて固定(ハンドルロック)する、又は制御部16からの駆動信号SDに基づいてハンドルの所定位置への固定を解除(ハンドルロック解除)するためのロック機構17とからなる。
【0020】
制御部16は、送信部13及び受信部14を介して携帯キー11と交信(これを、ここでは、「スマート通信」という。)して、携帯キー11がこの自動二輪車に対応したものかどうか認証処理を行うとともに、ECU(エンジンコントロールユニット)21へ、エンジン22に備える点火装置及び燃料噴射装置の作動を制御するための識別信号SIDを送り、また、ECU21から、エンジン回転数Ne、スロットル開度θth、吸気負圧Pin、車速センサ23によって検出される車速Vs等の情報を受ける。
【0021】
図2は本発明に係るハンドルロック装置を備えた自動二輪車の側面図であり、自動二輪車30は、ハンドル31でフロントフォーク32を介して前輪33を操舵する操舵機構に、防犯用としてハンドルロック装置10が付設された車両である。
【0022】
ここで、41はフロントカバー、42はレッグシールド、43はフロントフェンダ、44はタンデムシート、46はサイドカバー、47はフロアステップ、48はサイドスタンド、51はメインスタンド、52はパワーユニット、53,54はパワーユニット52を構成するエンジン及び無段変速機、57は後輪、58はリヤフェンダである。
【0023】
車体各部には、ハンドルロック装置10を構成する近接センサ12(不図示)、送信部13、受信部14、制御部16、ロック機構17が配置されている。
送信部13、制御部16及びロック機構17はレッグシールド42付近に配置され、受信部14はタンデムシート44前部の下方に配置されている。近接センサ12の配置については図3で説明する。
ECU21はサイドカバー46の内側に配置されている。
【0024】
図3は本発明に係るハンドルロック装置を備えた自動二輪車の平面図であり、バー状のハンドル31は、両端に左グリップ61及び右グリップ62を備え、これらの左グリップ61及び右グリップ62の内部に近接センサが設けられている。詳細構造については、図9及び図10で説明する。
右グリップ62は、エンジン53(図2参照)に備える吸気装置のスロットルバルブを開閉するめのスロットルグリップである。
【0025】
図4は本発明に係るハンドルロック装置のロック機構を示す説明図であり、ロック機構17は、ハンドル31を支持するステアリング軸65に取付けられてハンドル31の下方をハンドル31の長手方向に延びているロックアーム71と、ハンドル31を左に最大に切った位置でロックアーム71の先端に備えるロックピン72に結合可能とされたキャッチ機構73と、このキャッチ機構73に取付けられてロックピン72とキャッチ機構73との結合を解除するアクチュエータ74とからなる。なお、76はハンドル31を切ったときのロックピン72の旋回軌道である。
【0026】
図5は本発明に係るロック機構の取付状態を示す側面図(図中の矢印(FRONT)は車両前方を表す。)であり、自動二輪車の車体フレーム80の前端部を構成するヘッドパイプ81に回転自在にステアリング軸65が取付けられ、このステアリング軸65のヘッドパイプ81より下方の位置にロックアーム71が取付けられ、ヘッドパイプ81から後方斜め下方に延びるダウンチューブ82の下部にキャッチ機構73及びアクチュエータ74がブラケット84を介して取付けられている。
図中の86はヘッドパイプ81から後方斜め下方に延びるメインフレームであり、メインフレーム86及びダウンチューブ82は車体フレーム80の構成部品である。
【0027】
図6(a),(b)は本発明に係るキャッチ機構を示す正面図である。
(a)はキャッチ機構73とロックピン72とが結合前の状態を示している。
キャッチ機構73は、U字溝101を備えたハウジング102と、このハウジング102にピン103を介して回転自在に取付けられた施錠爪104と、この施錠爪104を施錠位置に保持するためにハウジング102にピン105を介して回転自在に取付けられたストッパ部材106と、これらの施錠爪104及びストッパ部材106のそれぞれに渡すことで施錠爪104を解錠する側へ引張り、ストッパ部材106を時計回りに回転する方向へ引張る引張コイルばね107とからなる。なお、102a,102bはそれぞれ施錠爪104及びストッパ部材106の回転を規制するためにハウジング102の一部が起こされた起立部である。
【0028】
施錠爪104は、上爪111と下爪112とにより逆「ヲ」字形に形成され、下部アーム部113に引張コイルばね107の一端が取付けられるばね止め部115を備えた部材である。
【0029】
ストッパ部材106は、山部116と、施錠爪104の下爪112に形成された下部突出部117に当たるように山部116に設けられた傾斜部116aと、引張コイルばね107の他端が取付けられるばね止め部119とを備える。
ロックアーム71(図4参照)に取付けられたロックピン72で施錠爪104の下爪112を押し下げることで、施錠爪104は施錠する側へ回転する。
【0030】
(b)はキャッチ機構73とロックピン72とが結合後の状態を示している。
即ち、施錠爪104の下方突出部117にストッパ部材106の傾斜部116aが当たっている。
【0031】
ストッパ部材106の傾斜部116aはストッパの役目をして、施錠爪104における反時計回りの回転が規制されている。即ち、キャッチ機構73において、施錠爪104がロックピン72に噛み合ったハンドルロック施錠状態である。
【0032】
この状態からアクチュエータ74を作動させてロッド74aをアクチュエータ74内に引き込めば、ストッパ部材106が回転してハンドルロックが解除される。
アクチュエータ74及びストッパ部材106は、ハンドルロックを解除する解除機構120を構成する部品である。
【0033】
図7(a),(b)は本発明に係る左グリップの断面図である。
(a)は左グリップ61の縦断面図であり、ゴム製の左グリップ61の内側に近接センサ12L(ここでは、近接センサ12を近接センサ12Lとした。)を配置したことを示している。
【0034】
近接センサ12Lは、静電容量型のセンサであり、ハンドル31を構成するパイプ部材126の端部内に挿入されたセンサ基板127と、このセンサ基板127の両端を支持するために一方はパイプ部材126内に配置され、他方はパイプ部材126と左グリップ61との間に配置された支持部材128,129と、左グリップ61に埋め込まれた電極131と、この電極131をセンサ基板127に接続する2本の導線132,133とからなる。
【0035】
センサ基板127は3本の導線135〜137で制御部16(図1参照)に接続されている。なお、141は導線135〜137をパイプ部材126内から外部に引き出すためにパイプ部材126に開けられた貫通穴、142は貫通穴141に嵌められたゴム製のグロメットである。
【0036】
(b)は(a)のb−b線断面図であり、電極131は管状の部材であり、パイプ部材126及び左グリップ61と同心状に配置されている。
運転者が手で左グリップ61を握ると、手と電極131とが所定距離に保たれ、左グリップ61を握る前と握った後で静電容量が変化し、この変化が検出信号として制御部16に送られる。
【0037】
図8(a),(b)は本発明に係る右グリップの断面図である。
(a)は右グリップ62の縦断面図であり、ゴム製の右グリップ62の内側に近接センサ12R(ここでは、近接センサ12を近接センサ12Rとした。)を配置したことを示している。
【0038】
右グリップ62は、パイプ部材126に回転自在に取付けられた管状のグリップ支持部材151に嵌められ、グリップ支持部材151に、一端がスロットルバルブ側に連結されたスロットルケーブル152の他端が連結されている。
【0039】
近接センサ12Rは、インダクタンス型のセンサであり、パイプ部材126の端部内に挿入されたセンサ基板157と、このセンサ基板157の両端を支持するために一方はパイプ部材126内に配置され、他方はパイプ部材126と右グリップ62との間に配置された支持部材158,159と、パイプ部材126の端部に嵌合された樹脂製の筒部材161に埋め込まれたコイル162と、このコイル162をセンサ基板157に接続する2本の導線163,164とからなり、センサ基板157は3本の導線166〜168で制御部16(図1参照)に接続されている。
【0040】
(b)は(a)のb−b線断面図であり、コイル162は、パイプ部材126及び右グリップ62と同心状に配置されている。
運転者が手で右グリップ62を握ると、握る前に対して、通電されているコイル162のインダクタンスが変化し、この変化が検出信号として制御部16に送られる。
【0041】
以上に述べたロック機構17の作用を次に説明する。
図9(a)〜(d)は本発明に係るロック機構の作用を示す第1作用図である。
(a)において、停車中の自動二輪車に、携帯キーを携帯している運転者が近づき、ハンドルロック装置をハンドルロック施錠状態とする前にグリップを握ったときには、キャッチ機構73の施錠爪104の下部アーム部113は起立部102aに当たった位置にあり、ストッパ部材106はアクチュエータ74(図6(a)参照)に引かれ、施錠爪104が時計回りに回転しても干渉しない位置にある。この状態がハンドルロック解錠状態である。
【0042】
この状態から、(b)において、ハンドル31を左に一杯切ると、ロック機構17のロックピン72は、キャッチ機構73の施錠爪104を押し下げた状態になる。
(c)は(b)のキャッチ機構73の拡大図であり、施錠爪104の下爪112はロックピン72に押し下げられ、ロックピン72がハウジング102のU字溝101の底に当たるまで施錠爪104が矢印の方向に回転する。即ち、ハンドル31((b)参照)を左に一杯切るということは、ロックピン72をU字溝101の底に当てるということである。
【0043】
ストッパ部材106は(a)の位置を維持して施錠爪104から離れた位置にあり、ロックピン72とキャッチ機構73とはまだ結合していない。この状態がハンドルロック施錠が可能な状態、即ち、ハンドルロック施錠準備状態である。
【0044】
この状態で、運転者が自動二輪車から所定距離離れると、携帯キーとロック機構の制御部との交信ができなくなって、携帯キーの認証が成立しなくなり、(d)に示すように、アクチュエータが作動してストッパ部材106がピン105を中心に矢印方向に回転して、起立部102b(図6(a)参照)に当たって止まり、ここで、ストッパ部材106の山部116の傾斜部116aが施錠爪104の下部突出部117に対向するため、ストッパ部材106が施錠爪104の回動を阻止するようになる。従って、施錠爪104の上爪11によってロックピン72はU字溝101から抜けなくなる。これがハンドルロック施錠状態である。
【0045】
また、携帯キーの認証が成立しなくなったときには、制御部とECUとの認証処理での認証も成立しなくなるから、エンジン22の点火装置及び燃料噴射装置が作動不可能な状態になる。
【0046】
上記した本発明のハンドルロック装置に対して従来のハンドルロック装置では、ハンドルを所定位置まで切った後、更にメインスイッチをロック位置に回すことでハンドルロック状態となるから、本発明のハンドルロック装置10の方がハンドルロックの手間が省ける。
【0047】
次に、図1〜図3において、携帯キーを携帯している運転者が自動二輪車に近づき、左グリップ61及び右グリップ62の少なくとも一方を握ったことを近接センサ12(12L,12R)で検出すると、制御部16が起動して、制御部16と携帯キー11とが交信を開始する(スマート通信)。
【0048】
即ち、制御部16からは送信部13を介して携帯キー11へ送信信号STとしてリクエスト信号を発信し、携帯キー11がリクエスト信号を受信すると、暗証コードを携帯送信信号SPTとして受信部14を介して制御部16に送信する。
【0049】
制御部16が携帯送信信号SPTを受信すると、暗証コードと制御部16に記憶されている基準コードとを照合する(認証処理)。
暗証コードと基準コードとが合致した場合は、制御部16はロック機構17にハンドルロック解除を行わせる。
【0050】
また、制御部16はエンジンコントロールユニット21に識別信号として暗証コード信号SIDを送り、エンジンコントロールユニット21はエンジン回転数Ne、スロットル開度θth、吸入負圧、車速センサ23で検出された車速等の情報を制御部16に送るとともに、エンジンコントロールユニット21の起動時に上記の識別信号と基準信号とを照合し、識別信号と基準信号とが合致した場合にエンジン22の点火装置及び燃料噴射装置が作動可能な状態にする。
【0051】
図10(a),(b)は本発明に係るロック機構の作用を示す第2作用図であり、ロック機構17でのハンドルロック解除動作を説明する。
図9(d)に示したハンドルロック施錠状態から、図10(a)において、ロックピン72とキャッチ機構73を解錠、即ち、ハンドルロックを解除にするには、アクチュエータを作動させ、アクチュエータのロッド74aを矢印jのように引くことで、ストッパ部材106が矢印kのように回転し、ストッパ部材106の山部116が下降して施錠爪104の下部突出部117を乗り越えるため、(b)に示すように、施錠爪104は引張コイルばね107の引張力で矢印mの方向に回転し、施錠爪104の上爪111からロックピン72が外れる。これで、ロックピン72とキャッチ機構73とは噛み合わなくなり、ハンドルロック解錠状態になる。
【0052】
ストッパ部材106は、メインスイッチのオフに伴って制御部への通電が行われなくなり、制御部が停止したときに、アクチュエータのロッド74aの引きが解除され、矢印nのように回転して起立部102b(図6(a)参照)に当たる位置まで戻る。
【0053】
図11は本発明に係るハンドルロック制御のフローチャートであり、ハンドルロック解錠及びハンドルロック施錠を含む制御の流れを示している。図中のSTXXはステップ番号を示す(以下同じ)。
ST01…ハンドルロック解錠判断処理を行う。(詳細は図12で詳述する。)
ST02…ハンドルロック施錠判断処理を行う。(詳細は図13で詳述する。)
【0054】
ST03…認証フラグFがF=0(ゼロ)か、あるいは、F=1か判断する。
F=0であれば、ST04に進む。
F=1であれば、ST05に進む。
ST04…ハンドルロック装置を施錠する。
ST05…ハンドルロック装置を解錠する。
【0055】
図12は本発明に係るハンドルロック解錠判断処理のフローチャートである。
ST11…ハンドルのグリップを握っているかどうか判断する。
グリップを握っている(YES)場合は、ST12に進む。
グリップを握っていない(NO)場合は、ST16に進む。
【0056】
ST12…タイマをオンにする(経過時間tは0(ゼロ)から開始される。)。
ST13…携帯キーと制御部との交信(スマート通信)を行い、認証処理を行う。
ST14…携帯キーの暗証コードが認証されたかどうか判断する。
認証されない(NO)場合は、ST15に進む。
認証された(YES)場合は、ST17に進む。
【0057】
ST15…経過時間tが20秒以上であるかどうか判断する。
経過時間tが20秒以上でない、即ちt<20sec(NO)の場合、ST13に進む。
経過時間tが20秒以上である、即ちt≧20sec(YES)の場合、ST16に進む。
ST16…0を認証フラグFとする。
ST17…1を認証フラグFとする。
【0058】
図13は本発明に係るハンドルロック施錠判断処理のフローチャートである。
ST21…認証フラグFがF=0(ゼロ)か、あるいはF=1か判断する。
F=0であれば、処理を終了する。
F=1であれば、ST22に進む。
【0059】
ST22…ハンドルのグリップを握っているかどうか判断する。
グリップを握っている(YES)場合は、ST23に進む。
グリップを握っていない(NO)場合は、ST24に進む。
【0060】
ST23…自動二輪車が走行中かどうか判断する。
走行中でない(NO)場合は、ST24に進む。
走行中である(YES)場合は、ST29に進む。
【0061】
ST24…タイマをオンにする(経過時間tは0(ゼロ)から開始される。)。
ST25…携帯キーと制御部との交信(スマート通信)を行い、認証処理を行う。
ST26…携帯キーの暗証コードが認証されたかどうか判断する。
認証されない(NO)場合は、ST27に進む。
認証された(YES)場合は、ST29に進む。
【0062】
ST27…経過時間tが10秒以上であるかどうか判断する。
経過時間tが10秒以上でない、即ちt<10sec(NO)の場合、ST25に進む。
経過時間tが10秒以上である、即ちt≧10sec(YES)の場合、ST28に進む。
ST28…0を認証フラグFとする。
ST29…1を認証フラグFとする。
【0063】
以上の図1〜図3に示したように、本発明は第1に、運転者が携帯する携帯キー11と、この携帯キー11との間で自動二輪車30の起動に必要な情報を送・受信する送・受信部13,14と、自動二輪車30の操舵に用いられるハンドル31を所定の位置にて固定又は固定解除するためのロック機構17と、送信機13に必要な情報を送るとともに受信部14からの情報に基づいて自動二輪車30の起動に必要な認証処理を行い、認証が成立した場合に、ロック機構17によるハンドルロックを解除させる制御部16とを備えた自動二輪車30のハンドルロック装置10において、制御部16における認証処理を開始させるスイッチ部としての近接センサ12L,12Rを、ハンドル31を構成するグリップとしての左グリップ61、右グリップ62に設けたことを特徴とする。
【0064】
これにより、走行前に必ず運転者が触れる左グリップ61、右グリップ62に近接センサ12L,12Rを設けることでハンドルロック解除に必要な行為をより単純にすることができ、ハンドルロック解除に要する手間を省くことができて、自動二輪車30の使い勝手を向上させることができる。
【0065】
本発明は第2に、図7及び図8に示したように、スイッチ部を、近接センサ12L,12Rで構成し、左グリップ61及び右グリップ62の内部に設けたことを特徴とする。
これにより、従来と変わらない外観を保ちつつ認証処理の開始のための検出を行うことができる。
【0066】
本発明は第3に、図1〜図3に示したように、右グリップ62をスロットルグリップとしたことを特徴とする。
これにより、自動二輪車30が走行を開始する前にスロットルグリップが必ず握られるため、走行前に確実にハンドルロックを解除することができる。
【0067】
本発明は第4に、自動二輪車30が走行中であることを検出する車速センサ23を備え、制御部16が、左グリップ61、右グリップ62の少なくとも一方が握られている又は自動二輪車30が走行中である場合に、ハンドルロック解除状態を保つことを特徴とする。
これにより、ハンドル操作が必要な場合において、不意にハンドルロックされることを防止することができる。
【0068】
本発明は第5に、近接スイッチ12L,12Rによる検出が無く、制御部16での携帯キー11との間の情報の認証が不成立の場合には、ハンドルロック施錠状態とすることを特徴とする。
これにより、携帯キー11を携帯した運転者が自動二輪車30から離れた場合に、自動的にハンドルロック施錠状態とすることができる。
【0069】
尚、本実施形態では、左グリップ61及び右グリップ62の少なくとも一方を握ったときにハンドルロック解錠状態になるようにしたが、これに限らず、左グリップ61及び右グリップ62の一方のみを握ったときにハンドルロック解錠状態としてもよい。
【0070】
この場合、図9(a)〜(d)において、左グリップ61及び右グリップ62の両方を握ったときには、ストッパ部材106をアクチュエータ74で引かず、キャッチ機構73のストッパ部材106を起立部102bに当てた状態にしてもよい。これにより、ハンドル31を左に一杯切ったときに、ハンドルロック施錠準備状態とはせずに、ハンドル施錠状態としてもよい。
また、図7で示したように、スイッチ部を近接センサ12L,12Rとしたが、これに限らず、タッチセンサや他のセンサ、スイッチとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明のハンドルロック装置は、自動二輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係る自動二輪車のハンドルロック装置を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るハンドルロック装置を備えた自動二輪車の側面図である。
【図3】本発明に係るハンドルロック装置を備えた自動二輪車の平面図である。
【図4】本発明に係るハンドルロック装置のロック機構を示す説明図である。
【図5】本発明に係るロック機構の取付状態を示す側面図である。
【図6】本発明に係るキャッチ機構を示す正面図である。
【図7】本発明に係る左グリップの断面図である。
【図8】本発明に係る右グリップの断面図である。
【図9】本発明に係るロック機構の作用を示す第1作用図である。
【図10】本発明に係るロック機構の作用を示す第2作用図である。
【図11】本発明に係るハンドルロック制御のフローチャートである。
【図12】本発明に係るハンドルロック解錠判断処理のフローチャートである。
【図13】本発明に係るハンドルロック施錠判断処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
10…ハンドルロック装置、11…携帯キー、12…スイッチ部(近接センサ)、13…送信部、14…受信部、16…制御部、17…ロック機構、23…車速センサ、30…自動二輪車、31…ハンドル、61…グリップ(左グリップ)、62…グリップ又はスロットルグリップ(右グリップ)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車のハンドルロック装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動二輪車のハンドルロック装置として、運転者が携行するキーとして暗証カード発信機、いわゆる「スマートカードキー」でハンドルロック及びハンドルロック解除を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平3−21575号公報
【0003】
特許文献1の図2、図3及び図5を以下に説明する。
ハンドルロックを解除するステップは以下の通りである。
(1)車体側に取付けられている操作スイッチパネル1に設けられたオンスイッチ2を押す。
【0004】
(2)車体側に設けられた制御ユニット16と運転者が携行する暗証コード発信機18とが交信し、暗証コード発信機18から発信された暗証コード信号が基準コードと照合される。
【0005】
(3)暗証コード信号が基準コードと合致した場合には、オンスイッチ2が光るので、運転者が操作スイッチパネル1に設けられたハンドルロック解錠スイッチ5を押せば、ハンドルロックが解除される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1のハンドルロック装置では、ハンドルロックが解除されるまでに、上記の(1)〜(3)の手順を踏む必要があり、(1)及び(3)で運転者の操作が必要になる。運転者にとっては、この操作数が少ない方が使い勝手が良く、望ましい。
本発明の目的は、自動二輪車のハンドルロック装置における使い勝手を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、運転者が携帯する携帯キーと、この携帯キーとの間で自動二輪車の起動に必要な情報を送・受信する送・受信部と、自動二輪車の操舵に用いられるハンドルを所定の位置にて固定又は固定解除するためのロック機構と、送信機に必要な情報を送るとともに受信部からの情報に基づいて自動二輪車の起動に必要な認証処理を行い、認証が成立した場合に、ロック機構によるハンドルロックを解除させる制御部とを備えた自動二輪車のハンドルロック装置において、制御部における認証処理を開始させるスイッチ部を、ハンドルを構成するグリップに設けたことを特徴とする。
【0008】
作用として、(1)運転者がハンドルのグリップを握り、(2)制御部での認証処理が開始して認証処理が成立した場合にロック機構によってハンドルロックが解除される。即ち、携帯キーを携帯した運転者がグリップを握るだけでハンドルロックが解除される。
グリップは、運転者が走行前に必ず握る部分であり、グリップを握る行為は特別に増える操作ではないから、ハンドルロック解除のための操作数は増えない。
【0009】
請求項2に係る発明は、スイッチ部を、近接センサで構成し、グリップの内部に設けたことを特徴とする。
作用として、近接センサで構成されたスイッチ部がグリップの内部に設けられるため、従来と変わらない外観が保たれる。
【0010】
請求項3に係る発明は、グリップをスロットルグリップとしたことを特徴とする。
作用として、運転者は自動二輪車の走行を開始する前にスロットルグリップを必ず握るため、確実にハンドルロックが解除される。
【0011】
請求項4に係る発明は、自動二輪車が走行中であることを検出する車速センサを備え、制御部が、グリップが握られている又は自動二輪車が走行中である場合に、ハンドルロック解除状態を保つことを特徴とする。
【0012】
作用として、グリップが握られている場合、又は車速センサで自動二輪車が走行であることが検出されている場合には、ハンドルロック解除状態が保たれ、不意にハンドルロックされることがない。
【0013】
請求項5に係る発明は、スイッチ部による検出が無く、制御部での携帯キーとの間の情報の認証が不成立の場合には、ハンドルロック状態とすることを特徴とする。
作用として、携帯キーを携帯している運転者がグリップから手を離し、自動二輪車から離れた場合に制御部と携帯キーとの交信が出来なくなり、制御部での携帯キーとの間の情報の認証が不成立となる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、制御部における認証処理を開始させるスイッチ部を、ハンドルを構成するグリップに設けたので、走行前に必ず運転者が触れるグリップにスイッチ部を設けることでハンドルロック解除に必要な行為をより単純にすることができ、ハンドルロック解除に要する手間を省くことができて、自動二輪車の使い勝手を向上させることができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、スイッチ部を、近接センサで構成し、グリップの内部に設けたので、従来と変わらない外観を保ちつつ認証処理の開始のための検出を行うことができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、グリップをスロットルグリップとしたので、自動二輪車が走行を開始する前にスロットルグリップが必ず握られるため、走行前に確実にハンドルロックを解除することができる。
【0017】
請求項4に係る発明では、自動二輪車が走行中であることを検出する車速センサを備え、制御部が、グリップが握られている又は自動二輪車が走行中である場合に、ハンドルロック解除状態を保つので、ハンドル操作が必要な場合において、不意にハンドルロックされることを防止することができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、スイッチ部による検出が無く、制御部での携帯キーとの間の情報の認証が不成立の場合には、ハンドルロック状態とするので、携帯キーを携帯した運転者が自動二輪車から離れた場合に、自動的にハンドルロック状態とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る自動二輪車のハンドルロック装置を示すブロック図であり、ハンドルロック装置10は、運転者が携帯する携帯キー11と、この携帯キー11を携帯した運転者の手が所定距離に近づいたことを検出する近接センサ12と、携帯キー11へ送信信号STを送る送信部13と、携帯キー11からの携帯送信信号SPTを受ける受信部14と、近接センサ12からの検出信号SSに基づいて送信部13を介して必要送信情報JTを携帯キー11へ送るとともに携帯キー11から必要受信情報JRを受信部14を介して受ける制御部16と、ハンドルを所定の位置にて固定(ハンドルロック)する、又は制御部16からの駆動信号SDに基づいてハンドルの所定位置への固定を解除(ハンドルロック解除)するためのロック機構17とからなる。
【0020】
制御部16は、送信部13及び受信部14を介して携帯キー11と交信(これを、ここでは、「スマート通信」という。)して、携帯キー11がこの自動二輪車に対応したものかどうか認証処理を行うとともに、ECU(エンジンコントロールユニット)21へ、エンジン22に備える点火装置及び燃料噴射装置の作動を制御するための識別信号SIDを送り、また、ECU21から、エンジン回転数Ne、スロットル開度θth、吸気負圧Pin、車速センサ23によって検出される車速Vs等の情報を受ける。
【0021】
図2は本発明に係るハンドルロック装置を備えた自動二輪車の側面図であり、自動二輪車30は、ハンドル31でフロントフォーク32を介して前輪33を操舵する操舵機構に、防犯用としてハンドルロック装置10が付設された車両である。
【0022】
ここで、41はフロントカバー、42はレッグシールド、43はフロントフェンダ、44はタンデムシート、46はサイドカバー、47はフロアステップ、48はサイドスタンド、51はメインスタンド、52はパワーユニット、53,54はパワーユニット52を構成するエンジン及び無段変速機、57は後輪、58はリヤフェンダである。
【0023】
車体各部には、ハンドルロック装置10を構成する近接センサ12(不図示)、送信部13、受信部14、制御部16、ロック機構17が配置されている。
送信部13、制御部16及びロック機構17はレッグシールド42付近に配置され、受信部14はタンデムシート44前部の下方に配置されている。近接センサ12の配置については図3で説明する。
ECU21はサイドカバー46の内側に配置されている。
【0024】
図3は本発明に係るハンドルロック装置を備えた自動二輪車の平面図であり、バー状のハンドル31は、両端に左グリップ61及び右グリップ62を備え、これらの左グリップ61及び右グリップ62の内部に近接センサが設けられている。詳細構造については、図9及び図10で説明する。
右グリップ62は、エンジン53(図2参照)に備える吸気装置のスロットルバルブを開閉するめのスロットルグリップである。
【0025】
図4は本発明に係るハンドルロック装置のロック機構を示す説明図であり、ロック機構17は、ハンドル31を支持するステアリング軸65に取付けられてハンドル31の下方をハンドル31の長手方向に延びているロックアーム71と、ハンドル31を左に最大に切った位置でロックアーム71の先端に備えるロックピン72に結合可能とされたキャッチ機構73と、このキャッチ機構73に取付けられてロックピン72とキャッチ機構73との結合を解除するアクチュエータ74とからなる。なお、76はハンドル31を切ったときのロックピン72の旋回軌道である。
【0026】
図5は本発明に係るロック機構の取付状態を示す側面図(図中の矢印(FRONT)は車両前方を表す。)であり、自動二輪車の車体フレーム80の前端部を構成するヘッドパイプ81に回転自在にステアリング軸65が取付けられ、このステアリング軸65のヘッドパイプ81より下方の位置にロックアーム71が取付けられ、ヘッドパイプ81から後方斜め下方に延びるダウンチューブ82の下部にキャッチ機構73及びアクチュエータ74がブラケット84を介して取付けられている。
図中の86はヘッドパイプ81から後方斜め下方に延びるメインフレームであり、メインフレーム86及びダウンチューブ82は車体フレーム80の構成部品である。
【0027】
図6(a),(b)は本発明に係るキャッチ機構を示す正面図である。
(a)はキャッチ機構73とロックピン72とが結合前の状態を示している。
キャッチ機構73は、U字溝101を備えたハウジング102と、このハウジング102にピン103を介して回転自在に取付けられた施錠爪104と、この施錠爪104を施錠位置に保持するためにハウジング102にピン105を介して回転自在に取付けられたストッパ部材106と、これらの施錠爪104及びストッパ部材106のそれぞれに渡すことで施錠爪104を解錠する側へ引張り、ストッパ部材106を時計回りに回転する方向へ引張る引張コイルばね107とからなる。なお、102a,102bはそれぞれ施錠爪104及びストッパ部材106の回転を規制するためにハウジング102の一部が起こされた起立部である。
【0028】
施錠爪104は、上爪111と下爪112とにより逆「ヲ」字形に形成され、下部アーム部113に引張コイルばね107の一端が取付けられるばね止め部115を備えた部材である。
【0029】
ストッパ部材106は、山部116と、施錠爪104の下爪112に形成された下部突出部117に当たるように山部116に設けられた傾斜部116aと、引張コイルばね107の他端が取付けられるばね止め部119とを備える。
ロックアーム71(図4参照)に取付けられたロックピン72で施錠爪104の下爪112を押し下げることで、施錠爪104は施錠する側へ回転する。
【0030】
(b)はキャッチ機構73とロックピン72とが結合後の状態を示している。
即ち、施錠爪104の下方突出部117にストッパ部材106の傾斜部116aが当たっている。
【0031】
ストッパ部材106の傾斜部116aはストッパの役目をして、施錠爪104における反時計回りの回転が規制されている。即ち、キャッチ機構73において、施錠爪104がロックピン72に噛み合ったハンドルロック施錠状態である。
【0032】
この状態からアクチュエータ74を作動させてロッド74aをアクチュエータ74内に引き込めば、ストッパ部材106が回転してハンドルロックが解除される。
アクチュエータ74及びストッパ部材106は、ハンドルロックを解除する解除機構120を構成する部品である。
【0033】
図7(a),(b)は本発明に係る左グリップの断面図である。
(a)は左グリップ61の縦断面図であり、ゴム製の左グリップ61の内側に近接センサ12L(ここでは、近接センサ12を近接センサ12Lとした。)を配置したことを示している。
【0034】
近接センサ12Lは、静電容量型のセンサであり、ハンドル31を構成するパイプ部材126の端部内に挿入されたセンサ基板127と、このセンサ基板127の両端を支持するために一方はパイプ部材126内に配置され、他方はパイプ部材126と左グリップ61との間に配置された支持部材128,129と、左グリップ61に埋め込まれた電極131と、この電極131をセンサ基板127に接続する2本の導線132,133とからなる。
【0035】
センサ基板127は3本の導線135〜137で制御部16(図1参照)に接続されている。なお、141は導線135〜137をパイプ部材126内から外部に引き出すためにパイプ部材126に開けられた貫通穴、142は貫通穴141に嵌められたゴム製のグロメットである。
【0036】
(b)は(a)のb−b線断面図であり、電極131は管状の部材であり、パイプ部材126及び左グリップ61と同心状に配置されている。
運転者が手で左グリップ61を握ると、手と電極131とが所定距離に保たれ、左グリップ61を握る前と握った後で静電容量が変化し、この変化が検出信号として制御部16に送られる。
【0037】
図8(a),(b)は本発明に係る右グリップの断面図である。
(a)は右グリップ62の縦断面図であり、ゴム製の右グリップ62の内側に近接センサ12R(ここでは、近接センサ12を近接センサ12Rとした。)を配置したことを示している。
【0038】
右グリップ62は、パイプ部材126に回転自在に取付けられた管状のグリップ支持部材151に嵌められ、グリップ支持部材151に、一端がスロットルバルブ側に連結されたスロットルケーブル152の他端が連結されている。
【0039】
近接センサ12Rは、インダクタンス型のセンサであり、パイプ部材126の端部内に挿入されたセンサ基板157と、このセンサ基板157の両端を支持するために一方はパイプ部材126内に配置され、他方はパイプ部材126と右グリップ62との間に配置された支持部材158,159と、パイプ部材126の端部に嵌合された樹脂製の筒部材161に埋め込まれたコイル162と、このコイル162をセンサ基板157に接続する2本の導線163,164とからなり、センサ基板157は3本の導線166〜168で制御部16(図1参照)に接続されている。
【0040】
(b)は(a)のb−b線断面図であり、コイル162は、パイプ部材126及び右グリップ62と同心状に配置されている。
運転者が手で右グリップ62を握ると、握る前に対して、通電されているコイル162のインダクタンスが変化し、この変化が検出信号として制御部16に送られる。
【0041】
以上に述べたロック機構17の作用を次に説明する。
図9(a)〜(d)は本発明に係るロック機構の作用を示す第1作用図である。
(a)において、停車中の自動二輪車に、携帯キーを携帯している運転者が近づき、ハンドルロック装置をハンドルロック施錠状態とする前にグリップを握ったときには、キャッチ機構73の施錠爪104の下部アーム部113は起立部102aに当たった位置にあり、ストッパ部材106はアクチュエータ74(図6(a)参照)に引かれ、施錠爪104が時計回りに回転しても干渉しない位置にある。この状態がハンドルロック解錠状態である。
【0042】
この状態から、(b)において、ハンドル31を左に一杯切ると、ロック機構17のロックピン72は、キャッチ機構73の施錠爪104を押し下げた状態になる。
(c)は(b)のキャッチ機構73の拡大図であり、施錠爪104の下爪112はロックピン72に押し下げられ、ロックピン72がハウジング102のU字溝101の底に当たるまで施錠爪104が矢印の方向に回転する。即ち、ハンドル31((b)参照)を左に一杯切るということは、ロックピン72をU字溝101の底に当てるということである。
【0043】
ストッパ部材106は(a)の位置を維持して施錠爪104から離れた位置にあり、ロックピン72とキャッチ機構73とはまだ結合していない。この状態がハンドルロック施錠が可能な状態、即ち、ハンドルロック施錠準備状態である。
【0044】
この状態で、運転者が自動二輪車から所定距離離れると、携帯キーとロック機構の制御部との交信ができなくなって、携帯キーの認証が成立しなくなり、(d)に示すように、アクチュエータが作動してストッパ部材106がピン105を中心に矢印方向に回転して、起立部102b(図6(a)参照)に当たって止まり、ここで、ストッパ部材106の山部116の傾斜部116aが施錠爪104の下部突出部117に対向するため、ストッパ部材106が施錠爪104の回動を阻止するようになる。従って、施錠爪104の上爪11によってロックピン72はU字溝101から抜けなくなる。これがハンドルロック施錠状態である。
【0045】
また、携帯キーの認証が成立しなくなったときには、制御部とECUとの認証処理での認証も成立しなくなるから、エンジン22の点火装置及び燃料噴射装置が作動不可能な状態になる。
【0046】
上記した本発明のハンドルロック装置に対して従来のハンドルロック装置では、ハンドルを所定位置まで切った後、更にメインスイッチをロック位置に回すことでハンドルロック状態となるから、本発明のハンドルロック装置10の方がハンドルロックの手間が省ける。
【0047】
次に、図1〜図3において、携帯キーを携帯している運転者が自動二輪車に近づき、左グリップ61及び右グリップ62の少なくとも一方を握ったことを近接センサ12(12L,12R)で検出すると、制御部16が起動して、制御部16と携帯キー11とが交信を開始する(スマート通信)。
【0048】
即ち、制御部16からは送信部13を介して携帯キー11へ送信信号STとしてリクエスト信号を発信し、携帯キー11がリクエスト信号を受信すると、暗証コードを携帯送信信号SPTとして受信部14を介して制御部16に送信する。
【0049】
制御部16が携帯送信信号SPTを受信すると、暗証コードと制御部16に記憶されている基準コードとを照合する(認証処理)。
暗証コードと基準コードとが合致した場合は、制御部16はロック機構17にハンドルロック解除を行わせる。
【0050】
また、制御部16はエンジンコントロールユニット21に識別信号として暗証コード信号SIDを送り、エンジンコントロールユニット21はエンジン回転数Ne、スロットル開度θth、吸入負圧、車速センサ23で検出された車速等の情報を制御部16に送るとともに、エンジンコントロールユニット21の起動時に上記の識別信号と基準信号とを照合し、識別信号と基準信号とが合致した場合にエンジン22の点火装置及び燃料噴射装置が作動可能な状態にする。
【0051】
図10(a),(b)は本発明に係るロック機構の作用を示す第2作用図であり、ロック機構17でのハンドルロック解除動作を説明する。
図9(d)に示したハンドルロック施錠状態から、図10(a)において、ロックピン72とキャッチ機構73を解錠、即ち、ハンドルロックを解除にするには、アクチュエータを作動させ、アクチュエータのロッド74aを矢印jのように引くことで、ストッパ部材106が矢印kのように回転し、ストッパ部材106の山部116が下降して施錠爪104の下部突出部117を乗り越えるため、(b)に示すように、施錠爪104は引張コイルばね107の引張力で矢印mの方向に回転し、施錠爪104の上爪111からロックピン72が外れる。これで、ロックピン72とキャッチ機構73とは噛み合わなくなり、ハンドルロック解錠状態になる。
【0052】
ストッパ部材106は、メインスイッチのオフに伴って制御部への通電が行われなくなり、制御部が停止したときに、アクチュエータのロッド74aの引きが解除され、矢印nのように回転して起立部102b(図6(a)参照)に当たる位置まで戻る。
【0053】
図11は本発明に係るハンドルロック制御のフローチャートであり、ハンドルロック解錠及びハンドルロック施錠を含む制御の流れを示している。図中のSTXXはステップ番号を示す(以下同じ)。
ST01…ハンドルロック解錠判断処理を行う。(詳細は図12で詳述する。)
ST02…ハンドルロック施錠判断処理を行う。(詳細は図13で詳述する。)
【0054】
ST03…認証フラグFがF=0(ゼロ)か、あるいは、F=1か判断する。
F=0であれば、ST04に進む。
F=1であれば、ST05に進む。
ST04…ハンドルロック装置を施錠する。
ST05…ハンドルロック装置を解錠する。
【0055】
図12は本発明に係るハンドルロック解錠判断処理のフローチャートである。
ST11…ハンドルのグリップを握っているかどうか判断する。
グリップを握っている(YES)場合は、ST12に進む。
グリップを握っていない(NO)場合は、ST16に進む。
【0056】
ST12…タイマをオンにする(経過時間tは0(ゼロ)から開始される。)。
ST13…携帯キーと制御部との交信(スマート通信)を行い、認証処理を行う。
ST14…携帯キーの暗証コードが認証されたかどうか判断する。
認証されない(NO)場合は、ST15に進む。
認証された(YES)場合は、ST17に進む。
【0057】
ST15…経過時間tが20秒以上であるかどうか判断する。
経過時間tが20秒以上でない、即ちt<20sec(NO)の場合、ST13に進む。
経過時間tが20秒以上である、即ちt≧20sec(YES)の場合、ST16に進む。
ST16…0を認証フラグFとする。
ST17…1を認証フラグFとする。
【0058】
図13は本発明に係るハンドルロック施錠判断処理のフローチャートである。
ST21…認証フラグFがF=0(ゼロ)か、あるいはF=1か判断する。
F=0であれば、処理を終了する。
F=1であれば、ST22に進む。
【0059】
ST22…ハンドルのグリップを握っているかどうか判断する。
グリップを握っている(YES)場合は、ST23に進む。
グリップを握っていない(NO)場合は、ST24に進む。
【0060】
ST23…自動二輪車が走行中かどうか判断する。
走行中でない(NO)場合は、ST24に進む。
走行中である(YES)場合は、ST29に進む。
【0061】
ST24…タイマをオンにする(経過時間tは0(ゼロ)から開始される。)。
ST25…携帯キーと制御部との交信(スマート通信)を行い、認証処理を行う。
ST26…携帯キーの暗証コードが認証されたかどうか判断する。
認証されない(NO)場合は、ST27に進む。
認証された(YES)場合は、ST29に進む。
【0062】
ST27…経過時間tが10秒以上であるかどうか判断する。
経過時間tが10秒以上でない、即ちt<10sec(NO)の場合、ST25に進む。
経過時間tが10秒以上である、即ちt≧10sec(YES)の場合、ST28に進む。
ST28…0を認証フラグFとする。
ST29…1を認証フラグFとする。
【0063】
以上の図1〜図3に示したように、本発明は第1に、運転者が携帯する携帯キー11と、この携帯キー11との間で自動二輪車30の起動に必要な情報を送・受信する送・受信部13,14と、自動二輪車30の操舵に用いられるハンドル31を所定の位置にて固定又は固定解除するためのロック機構17と、送信機13に必要な情報を送るとともに受信部14からの情報に基づいて自動二輪車30の起動に必要な認証処理を行い、認証が成立した場合に、ロック機構17によるハンドルロックを解除させる制御部16とを備えた自動二輪車30のハンドルロック装置10において、制御部16における認証処理を開始させるスイッチ部としての近接センサ12L,12Rを、ハンドル31を構成するグリップとしての左グリップ61、右グリップ62に設けたことを特徴とする。
【0064】
これにより、走行前に必ず運転者が触れる左グリップ61、右グリップ62に近接センサ12L,12Rを設けることでハンドルロック解除に必要な行為をより単純にすることができ、ハンドルロック解除に要する手間を省くことができて、自動二輪車30の使い勝手を向上させることができる。
【0065】
本発明は第2に、図7及び図8に示したように、スイッチ部を、近接センサ12L,12Rで構成し、左グリップ61及び右グリップ62の内部に設けたことを特徴とする。
これにより、従来と変わらない外観を保ちつつ認証処理の開始のための検出を行うことができる。
【0066】
本発明は第3に、図1〜図3に示したように、右グリップ62をスロットルグリップとしたことを特徴とする。
これにより、自動二輪車30が走行を開始する前にスロットルグリップが必ず握られるため、走行前に確実にハンドルロックを解除することができる。
【0067】
本発明は第4に、自動二輪車30が走行中であることを検出する車速センサ23を備え、制御部16が、左グリップ61、右グリップ62の少なくとも一方が握られている又は自動二輪車30が走行中である場合に、ハンドルロック解除状態を保つことを特徴とする。
これにより、ハンドル操作が必要な場合において、不意にハンドルロックされることを防止することができる。
【0068】
本発明は第5に、近接スイッチ12L,12Rによる検出が無く、制御部16での携帯キー11との間の情報の認証が不成立の場合には、ハンドルロック施錠状態とすることを特徴とする。
これにより、携帯キー11を携帯した運転者が自動二輪車30から離れた場合に、自動的にハンドルロック施錠状態とすることができる。
【0069】
尚、本実施形態では、左グリップ61及び右グリップ62の少なくとも一方を握ったときにハンドルロック解錠状態になるようにしたが、これに限らず、左グリップ61及び右グリップ62の一方のみを握ったときにハンドルロック解錠状態としてもよい。
【0070】
この場合、図9(a)〜(d)において、左グリップ61及び右グリップ62の両方を握ったときには、ストッパ部材106をアクチュエータ74で引かず、キャッチ機構73のストッパ部材106を起立部102bに当てた状態にしてもよい。これにより、ハンドル31を左に一杯切ったときに、ハンドルロック施錠準備状態とはせずに、ハンドル施錠状態としてもよい。
また、図7で示したように、スイッチ部を近接センサ12L,12Rとしたが、これに限らず、タッチセンサや他のセンサ、スイッチとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明のハンドルロック装置は、自動二輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係る自動二輪車のハンドルロック装置を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るハンドルロック装置を備えた自動二輪車の側面図である。
【図3】本発明に係るハンドルロック装置を備えた自動二輪車の平面図である。
【図4】本発明に係るハンドルロック装置のロック機構を示す説明図である。
【図5】本発明に係るロック機構の取付状態を示す側面図である。
【図6】本発明に係るキャッチ機構を示す正面図である。
【図7】本発明に係る左グリップの断面図である。
【図8】本発明に係る右グリップの断面図である。
【図9】本発明に係るロック機構の作用を示す第1作用図である。
【図10】本発明に係るロック機構の作用を示す第2作用図である。
【図11】本発明に係るハンドルロック制御のフローチャートである。
【図12】本発明に係るハンドルロック解錠判断処理のフローチャートである。
【図13】本発明に係るハンドルロック施錠判断処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
10…ハンドルロック装置、11…携帯キー、12…スイッチ部(近接センサ)、13…送信部、14…受信部、16…制御部、17…ロック機構、23…車速センサ、30…自動二輪車、31…ハンドル、61…グリップ(左グリップ)、62…グリップ又はスロットルグリップ(右グリップ)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者が携帯する携帯キーと、この携帯キーとの間で自動二輪車の起動に必要な情報を送・受信する送・受信部と、前記自動二輪車の操舵に用いられるハンドルを所定の位置にて固定又は固定解除するためのロック機構と、前記送信機に必要な情報を送るとともに前記受信部からの情報に基づいて前記自動二輪車の起動に必要な認証処理を行い、認証が成立した場合に、前記ロック機構によるハンドルロックを解除させる制御部とを備えた自動二輪車のハンドルロック装置において、
前記制御部における認証処理を開始させるスイッチ部は、前記ハンドルを構成するグリップに設けられていることを特徴とする自動二輪車のハンドルロック装置。
【請求項2】
前記スイッチ部は、近接センサで構成され、前記グリップの内部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のハンドルロック装置。
【請求項3】
前記グリップはスロットルグリップであることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車のハンドルロック装置。
【請求項4】
前記自動二輪車が走行中であることを検出する車速センサを備え、前記制御部は、前記グリップが握られている又は前記自動二輪車が走行中である場合に、ハンドルロック解除状態を保つことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の自動二輪車のハンドルロック装置。
【請求項5】
前記スイッチ部による検出が無く、前記制御部での前記携帯キーとの間の情報の認証が不成立の場合には、前記ハンドルロック状態とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の自動二輪車のハンドルロック装置。
【請求項1】
運転者が携帯する携帯キーと、この携帯キーとの間で自動二輪車の起動に必要な情報を送・受信する送・受信部と、前記自動二輪車の操舵に用いられるハンドルを所定の位置にて固定又は固定解除するためのロック機構と、前記送信機に必要な情報を送るとともに前記受信部からの情報に基づいて前記自動二輪車の起動に必要な認証処理を行い、認証が成立した場合に、前記ロック機構によるハンドルロックを解除させる制御部とを備えた自動二輪車のハンドルロック装置において、
前記制御部における認証処理を開始させるスイッチ部は、前記ハンドルを構成するグリップに設けられていることを特徴とする自動二輪車のハンドルロック装置。
【請求項2】
前記スイッチ部は、近接センサで構成され、前記グリップの内部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のハンドルロック装置。
【請求項3】
前記グリップはスロットルグリップであることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車のハンドルロック装置。
【請求項4】
前記自動二輪車が走行中であることを検出する車速センサを備え、前記制御部は、前記グリップが握られている又は前記自動二輪車が走行中である場合に、ハンドルロック解除状態を保つことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の自動二輪車のハンドルロック装置。
【請求項5】
前記スイッチ部による検出が無く、前記制御部での前記携帯キーとの間の情報の認証が不成立の場合には、前記ハンドルロック状態とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の自動二輪車のハンドルロック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−155824(P2008−155824A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348450(P2006−348450)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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