説明

自動分析装置

【課題】種類の異なる検体収容部を必要に応じて選択することができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】分析機1の反応部3に分注する検体を入れた検体容器42の収容形態が異なる各種検体収容部4A〜4Eと、分析機1とを接続し、当該分析機1および検体収容部4A〜4Eの相互間で制御信号の入出力を行う入出力手段12,47を備える。すなわち、種類の異なる検体収容部4A〜4Eを必要に応じて選択することが可能になる。この結果、使用目的や設置スペースに合わせて検体収容部4A〜4Eが選択できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置では、採取した血液や尿などの検体と、検査項目に従った試薬とを反応容器にそれぞれ分注し、検体と試薬とからなる反応液の反応を測定する。分析に必要な検体は、検体容器に入れられた状態で検体収容部に収容してある。自動分析装置は、検体収容部から検体を分取して分析を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−46844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の自動分析装置は、分析を行う分析機に検体収容部が一体とされた構成であるため、分析に用いる検体数が決められている。しかし、自動分析装置を使用するユーザーには、検体収容部に多数の検体を収容して分析を行うユーザーや、検体収容部に小数の検体を収容して分析を行うユーザーなどがある。このため、前者では検体収容部にさらに多数の検体を収容したいので大型の検体収容部が望まれ、一方後者では検体収容部に常に使用しない収容領域があって検体収容部自体が邪魔になるので小型の検体収容部が望まれている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、種類の異なる検体収容部を必要に応じて選択することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動分析装置は、検体と試薬とを反応させる反応部を有する分析機を備えた自動分析装置であって、前記反応部に分注する検体を入れた検体容器の収容形態が異なる各種検体収容部と、前記分析機とを接続し、当該分析機および検体収容部の相互間で制御信号の入出力を行う入出力手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る自動分析装置は、上記請求項1において、前記検体収容部は検体容器を複数載置して保管するテーブルを有していることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る自動分析装置は、上記請求項1において、前記検体収容部は検体容器を検査項目ごとに保持するラックを移送可能に載置する移送部を有していることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係る自動分析装置は、上記請求項1において、前記検体収容部は検体容器を検査項目ごとに保持するラックを移送可能に載置し、かつ前記ラックを検査項目に応じて仕分ける仕分部を有していることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項5に係る自動分析装置は、上記請求項1〜4のいずれか一つにおいて、前記分析機には、検体容器を複数載置して保管するテーブルを有した検体収容部が予め設けてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る自動分析装置は、分析機の反応部に分注する検体を入れた検体容器の収容形態が異なる各種検体収容部と、分析機とを接続し、当該分析機および検体収容部の相互間で制御信号の入出力を行う入出力手段を備えた。すなわち、種類の異なる検体収容部を必要に応じて選択することができる。この結果、使用目的や設置スペースに合わせて検体収容部が選択できる。また、検体容器を複数載置して保管する形態の検体収容部を予め分析機に設けたことで、シンプルで信頼性の高い自動分析装置を安価で提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動分析装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
図1は本発明に係る自動分析装置の一例を示す平面図である。本発明における自動分析装置は、例えば血液の不要物質を沈殿させた上澄み液(血清)である検体と試薬とからなる反応液の光学的変化を測定することによって検体中に含まれる各種成分量を測定する分析機1を有している。図1に示すように分析機1は、試薬格納部2および反応部3を備えている。
【0014】
試薬格納部2は、円形状のテーブル21を有している。テーブル21は、中心21aの周りに回転可能に設けてあり、駆動手段(図示せず)によって回転される。このテーブル21には、試薬を収容された試薬容器22が周方向に複数保持してある。試薬容器22は、テーブル21の回転に伴って中心21aの周りに移動する。また、試薬格納部2は、テーブル21の周囲を覆うケース(図示せず)を有し、当該ケース内を所定の温度に冷却することで試薬容器22内の試薬を冷却保存する。この試薬格納部2は、第一試薬と第二試薬とをそれぞれ格納するため、水平方向に並ぶ第一試薬格納部2Aと第二試薬格納部2Bとを有している。なお、試薬容器22には、収納してある試薬の種類,量,ロット番号などの諸情報を有する識別ラベル(図示ぜず)が貼付してある。一方、試薬格納部2(1A,2B)には、試薬容器22の識別ラベルを読み取る読み取り手段(図示せず)が設けてある。
【0015】
ここで、試薬容器22は、平面視で扇形状の外形を呈し、この扇形状を上下方向に連ねた合成樹脂製の容器であり、その上面に開口を有している。試薬容器22の開口は、未使用時に栓で封止してあり、試薬格納部2に収容する際には栓が外される。
【0016】
反応部3は、筒状の容器保持部31を有している。容器保持部31は、中心31aの周りに回転可能に設けてあり、駆動手段(図示せず)によって回転される。容器保持部31は、その周方向に沿って複数の凹部(図示せず)を有している。各凹部には、試薬と検体とを混合する反応容器32がそれぞれ保持されている。容器保持部31は、周方向で隣接する各凹部の間に遮光部材(図示せず)を有し、隣接する反応容器32の間を遮光してある。さらに、容器保持部31は、径方向に貫通する開口(図示せず)が各凹部に設けられており、当該開口を介して反応容器32を表出している。この反応部3は、容器保持部31の周囲を覆うケース(図示せず)を有し、当該ケース内を恒温槽として所定の温度(例えば37℃)に保温することで反応容器32内の試薬と検体とが反応した反応液を保温する。
【0017】
ここで、反応容器32は、上部が開口した有底の四角筒状の容器であり、後述する分析光に含まれる光の80%以上を透過する素材(例えば耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレンなどの合成樹脂)で形成してある。そして、反応容器32は、その周壁下部が分析光を透過させる測光領域として用いられる。この測光領域は、周壁間によって反応液の光学的特性を測定する光が透過する方向における反応液の厚みを規定している。
【0018】
また、反応部3には、分析光学系33が設けてある。分析光学系33は、発光部331と分光部332と受光部333とで構成してある。発光部331は、反応容器32内の反応液を分析するための分析光(例えば340〜800nm)を出射する。この分析光は、反応部3において容器保持部31の開口を通過し、反応容器32の測光領域にある反応液を透過する。分光部332は、反応液を透過した分析光を受光部333に向けて分光する。受光部333は、分光部332で分光された分析光を受光する。
【0019】
なお、図には明示しないが、反応部3には、攪拌機構および洗浄機構が設けられている。攪拌機構は、反応容器32内の試薬と検体とを均一に混合させるためのものであり、例として反応容器32に攪拌棒を挿入する接触式のものや、超音波を用いた非接触のものが挙げられる。攪拌棒を用いる場合には、反応部3の外部に当該攪拌棒を洗浄する洗浄部を要する。洗浄機構は、反応容器32内を洗浄するためのものであり、例えば反応容器32内の反応液を吸引して排出し、その後当該反応容器32に洗浄液を繰り返し注入して排出し、さらにその後当該反応容器32内を乾燥させて拭き取るものである。
【0020】
ところで、試薬格納部2と反応部3との間には、試薬分注機構5が設けてある。ここでの試薬分注機構5は、第一試薬格納部2Aと反応部3との間に設けた第一試薬分注機構5Aと、第二試薬格納部2Bと反応部3との間に設けた第二試薬分注機構5Bとがある。この試薬分注機構5は、アーム51とプローブ52とを有している。アーム51は、垂直方向に立設した中心軸51aの上端に基端部が取り付けてあって水平方向に延在して設けてある。このアーム51は、駆動手段53の駆動による中心軸51aの回転によって当該中心軸51aの周りに回転する。アーム51は、回転によって先端部が試薬格納部2の所定位置や、反応部3の所定位置に移動する。また、アーム51は、駆動手段53の駆動による中心軸51aの上下移動によって上下方向に移動する。プローブ52は、試薬を分注するものであり、先端を下方に向けてアーム51の先端部に取り付けてある。すなわち、試薬分注機構5は、アーム51の先端部の位置移動および上下移動によってプローブ52を移動させ、当該プローブ52によって試薬格納部2にある試薬容器22から試薬を吸引し、当該試薬を反応部3の反応容器32に注入する。
【0021】
なお、試薬格納部2の所定位置とは、図には明示しないが試薬格納部2のケースの上面に設けた開口孔の位置である。この試薬格納部2のケースの開口孔には、試薬格納部2のテーブル21の回転を止めた状態において試薬容器22の開口の位置が一致する。よって、アーム51の先端部が試薬格納部2の所定位置に移動した場合には、試薬格納部2のケースの開口孔を通して試薬容器22の開口の位置にプローブ52があり、当該プローブ52によって試薬容器22から試薬を吸引できる。また、反応部3の所定位置とは、図には明示しないが反応部3のケースの上面に設けた開口孔の位置である。この反応部3のケースの開口孔には、反応部3の容器保持部31の回転を止めた状態において反応容器32の開口の位置が一致する。よって、アーム51の先端部が反応部3の所定位置に移動した場合には、反応部3のケースの開口孔を通して反応容器32の開口の位置にプローブ52があり、当該プローブ52によって反応容器32に試薬を注入できる。さらに、試薬分注機構5によってプローブ52が移動する別の所定位置として、洗浄位置がある。この洗浄位置には、図には明示しないがプローブ52を洗浄するために洗浄液の吸引と排出とを行う洗浄部が設けてある。
【0022】
また、反応部3と後述する検体収容部4との間には、検体分注機構6が設けてある。この検体分注機構6は、アーム61とプローブ62とを有している。アーム61は、垂直方向に立設した中心軸61aの上端に基端部が取り付けてあって水平方向に延在して設けてある。このアーム61は、駆動手段63の駆動による中心軸61aの回転によって当該中心軸61aの周りに回転する。アーム61は、回転によって先端部が反応部3の所定位置や、検体収容部4の所定位置に移動する。また、アーム61は、駆動手段63の駆動による中心軸61aの上下移動によって上下方向に移動する。プローブ62は、検体を分注するものであり、先端を下方に向けてアーム61の先端部に取り付けてある。すなわち、検体分注機構6は、アーム61の先端部の位置移動および上下移動によってプローブ62を移動させ、当該プローブ62によって検体収容部4にある検体容器42から検体を吸引し、当該検体を反応部3の反応容器32に注入する。
【0023】
なお、検体収容部4の所定位置とは、後述する検体収容部4(4A〜4F)において収容した所定の検体容器42の開口の位置である。よって、アーム61の先端部が検体収容部4の所定位置に移動した場合には、所定の検体容器42の開口の位置にプローブ62があり、当該プローブ62によって検体容器42から検体を吸引できる。また、反応部3の所定位置とは、上記と同様であって、アーム61の先端部が反応部3の所定位置に移動した場合に、反応部3のケースの開口孔を通して反応容器32の開口の位置にプローブ62があり、当該プローブ62によって反応容器32に検体を注入できる。さらに、検体分注機構6によってプローブ62が移動する別の所定位置として、洗浄位置がある。この洗浄位置には、図には明示しないがプローブ62を洗浄するために洗浄液の吸引と排出とを行う洗浄部が設けてある。
【0024】
また、図1に示すように上記自動分析装置は、分析機1にて使用する検体を収容するための検体収容部4A(4)を備えることが可能である。検体収容部4Aは、円形状のテーブル41を有している。テーブル41は、中心41aの周りに回転可能に設けてあり、駆動手段(図示せず)によって回転される。このテーブル41には、検体を入れた検体容器42が周方向に複数保持してある。検体容器42は、例えば試験管などの上部が開口した容器であり、テーブル41の回転に伴って中心41aの周りに移動する。また、検体収容部4は、テーブル41の周囲を覆うケース(図示せず)を有し、当該ケース内を所定の温度に冷却することで検体容器42内の検体を冷却して保管する。なお、図には明示しないが検体容器42には、そこに入れた検体に関する諸情報を有する識別ラベルが貼付してある。一方、検体収容部4Aには、検体容器42の識別ラベルを読み取る読み取り手段が設けてある。このように、検体収容部4Aは、検体容器42を複数載置して保管する形態としてある。
【0025】
また、図2に示すように上記自動分析装置は、他の検体収容部4B(4)を備えることが可能である。検体収容部4Bは、検体容器42を保持したラック43を収容し移送するものである。ラック43には、検体を入れた検体容器42が複数並べて保持してある。検体収容部4Bは、例えばベルトコンベアなどの移送部44を有し、ベルト上に載置したラック43を所定方向に移送する。なお、本実施の形態では、移送部44を2つ並列して設けてあり、共働してラック43を循環させる。なお、図には明示しないがラック43には、保持した検体容器42に入れた検体に関する検査項目ごとの種別情報(例えば彩色や磁気など)が付与してある。一方、検体収容部4Bには、検体容器42の種別情報を認識する認識手段が設けてある。このように、検体収容部4Bは、検体容器42を複数保持するラック43を移送可能に載置する形態としてある。
【0026】
また、図3に示すように上記自動分析装置は、他の検体収容部4C(4)を備えることが可能である。検体収容部4Cは、検体収容部4Aと同様の構成であり、ここでは検体収容部4Aよりも検体容器42の収容数が少ない小型のものである。なお、図3において検体収容部4Cは、検体収容部4Bと共に設けてあるが検体収容部4C単体で設けてもよい。
【0027】
また、図4に示すように上記自動分析装置は、他の検体収容部4D(4)を備えることが可能である。検体収容部4Dは、検体容器42を保持したラック43を収容し移送するものである。検体収容部4Dは、例えばベルトコンベアなどの仕分部45(図7参照)を有し、ベルト上に載置したラック43を図4に示す矢印x方向および矢印y方向に移送する。この検体収容部4Dは、ラック43を図4に示す矢印x方向および矢印y方向に移送することによって、当該ラック43に保持した検体容器42に入れた検体の検査項目に応じて仕分けを行う。なお、図には明示しないがラック43には、保持した検体容器42に入れた検体に関する検査項目ごとの種別情報(例えば彩色や磁気など)が付与してある。一方、検体収容部4Bには、検体容器42の種別情報を認識する認識手段が設けてある。このように、検体収容部4Dは、検体容器42を複数保持するラック43を仕分け可能に載置する形態としてある。なお、図4において検体収容部4Dは、検体収容部4Bと共に設けてあるが検体収容部4D単体で設けてもよい。
【0028】
また、図5に示すように上記自動分析装置は、他の検体収容部4E(4)を備えることが可能である。検体収容部4Eは、検体収容部4Dと同様の構成であり、ここでは検体収容部4Dよりもラック43の収容数が多い大型のものである。なお、図5において検体収容部4Eは、検体収容部4Bと共に設けてあるが検体収容部4E単体で設けてもよい。
【0029】
なお、図には明示しないが、検体収容部4A〜4Eにおいては、必要に応じて各々組み合わせて共に分析機1に設けてもよい。
【0030】
また、図6に示すように上記自動分析装置は、分析機1に予め検体収容部4F(4)を備えていてもよい。検体収容部4Fは、検体収容部4A,4Cと同様の構成であり、ここでは検体収容部4A,4Cよりも検体容器42の収容数が少ない極小型のものである。また、予め検体収容部4Fを備えた分析機1に対し、上述した検体収容部4A〜4Eを接続してもよい。なお、図6では、検体収容部4Dを接続した形態を例示している。
【0031】
図7は自動分析装置の制御系を示すブロック図である。図7に示すように自動分析装置は、上述した分析機1において、試薬格納部2,反応部3,検体収容部4F,試薬分注機構5および検体分注機構6が分析制御部11に接続してあり、それぞれ分析制御部11によって統括的に制御される。また、試薬格納部2(2A,2B)に設けた読み取り手段(図示せず)で読み取った試薬容器22の諸情報は、分析制御部11内のメモリ(図示せず)に記憶される。さらに、検体収容部4Fに設けた読み取り手段(図示せず)で読み取った検体容器42の情報は、分析制御部11内のメモリ(図示せず)に記憶される。
【0032】
一方、検体収容部4A〜4Eは、上述したテーブル41,移送部44,認識手段(図示せず)などが検体制御部46に接続してあり、検体制御部46によって統括的に制御される。各検体収容部4A〜4Eの検体制御部46は、分析制御部11に対して各々接続/切り離しが可能に構成してある。具体的に、検体制御部46および分析制御部11には、それぞれ入出力手段(インターフェース)12,47が接続してある。検体制御部46と分析制御部11とは、入出力手段12,47を介して接続され、接続時に相互間で制御信号の入出力を行う。分析制御部11には、複数の入出力手段12A〜12Eが設けてあり、これらが各検体収容部4A〜4Eに設けた入出力手段47に各々接続される。そして、分析制御部11では、接続された各検体収容部4A〜4Eを各々認識して、その検体制御部46と相互に制御信号の入出力を行う。なお、図7においては、各検体収容部4A〜4Eを分析機1に接続してある形態で示してあるが、検体収容部4A〜4Eは必要に応じて選択されて分析機1に対して接続される。
【0033】
上述した自動分析装置の動作を説明する。先ず、第一試薬分注機構5Aによって第一試薬格納部2Aに格納した所定の試薬容器22の試薬を吸引し、反応部3にある所定の反応容器32に注入する。次いで、検体分注機構6によって検体収容部4にある所定の検体容器42の検体を吸引し、上記反応容器32に注入する。次いで、第二試薬分注機構5Bによって第二試薬格納部2Bに格納した所定の試薬容器22の試薬を吸引し、上記反応容器32に注入する。ここで、攪拌機構によって上記反応容器32内の試薬と検体とを攪拌混合する。なお、試薬分注機構5および検体分注機構6のプローブ52,62、攪拌機構の攪拌棒は、分注や攪拌の後に各洗浄部で洗浄される。
【0034】
上記動作は、一定の周期で繰り返される。反応部3の容器保持部31は、1周期で反時計方向に(1周−1反応容器)/4分回転し、4周期で時計方向に1反応容器分回転する。そして、容器保持部31の回転に際して、攪拌混合された反応液がある上記反応容器32が分析光学系33における分析光を横切る時、当該反応液の吸光度を測定する。吸光度は、測定を終了した反応容器32が洗浄・乾燥されるまでの間(例えば18秒間)で測定される。洗浄・乾燥された反応容器32は、再び分析に使用される。
【0035】
このように、上述した自動分析装置では、分析機1の反応部3に分注する検体を入れた検体容器42の収容形態が異なる各種検体収容部4A〜4Eと、分析機1とを接続し、当該分析機1および検体収容部4A〜4Eの相互間で制御信号の入出力を行う入出力手段12,47を備えている。すなわち、種類の異なる検体収容部4A〜4Eを必要に応じて選択することが可能になる。この結果、使用目的や設置スペースに合わせて検体収容部4A〜4Eが選択できる。また、検体容器42を複数載置して保管する形態の検体収容部4Fを予め分析機1に設けたことで、シンプルで信頼性の高い自動分析装置を安価で提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る自動分析装置の一例を示す平面図である。
【図2】他の検体収容部を設けた自動分析装置を示す平面図である。
【図3】他の検体収容部を設けた自動分析装置を示す平面図である。
【図4】他の検体収容部を設けた自動分析装置を示す平面図である。
【図5】他の検体収容部を設けた自動分析装置を示す平面図である。
【図6】予め検体収容部を設けた自動分析装置を示す平面図である。
【図7】自動分析装置の制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0037】
1 分析機
11 分析制御部
12(12A,12B,12C,12D,12E) 入出力手段
2 試薬格納部
2A 第一試薬格納部
2B 第二試薬格納部
21 テーブル
21a 中心
22 試薬容器
3 反応部
31 容器保持部
31a 中心
32 反応容器
33 分析光学系
331 発光部
332 分光部
333 受光部
4(4A,4B,4C,4D,4E,4F) 検体収容部
41 テーブル
41a 中心
42 検体容器
43 ラック
44 移送部
45 仕分部
46 検体制御部
47 入出力手段
5 試薬分注機構
5A 第一試薬分注機構
5B 第二試薬分注機構
51 アーム
51a 中心軸
52 プローブ
53 駆動手段
6 検体分注機構
61 アーム
61a 中心軸
62 プローブ
63 駆動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬とを反応させる反応部を有する分析機を備えた自動分析装置であって、
前記反応部に分注する検体を入れた検体容器の収容形態が異なる各種検体収容部と、前記分析機とを接続し、当該分析機および検体収容部の相互間で制御信号の入出力を行う入出力手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記検体収容部は検体容器を複数載置して保管するテーブルを有していることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記検体収容部は検体容器を検査項目ごとに保持するラックを移送可能に載置する移送部を有していることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記検体収容部は検体容器を検査項目ごとに保持するラックを移送可能に載置し、かつ前記ラックを検査項目に応じて仕分ける仕分部を有していることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記分析機には、検体容器を複数載置して保管するテーブルを有した検体収容部が予め設けてあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−180638(P2008−180638A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15186(P2007−15186)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】