説明

自動車の側部車体構造

【課題】車両の側突時の安全性と前後方向衝突時の安全性とを低コストで両立させる。
【解決手段】車体の側面部に形成された乗降用開口部1を開閉するサイドドア3と、このサイドドア3よりも後方側の車体側壁を構成するとともに、車幅方向に膨出するホイールハウス部13が下部周縁に形成されたリアサイドパネル9と、車体の側辺部において前後方向に延びるとともに、後端部が上記リアサイドパネル9の下端部に接続されるサイドシル8とを備えた自動車の側部車体構造において、上記サイドシル8の後端部に、このサイドシル8との間で車体の前後方向に延びる閉断面を構成する補強部材31を、上記ホイールハウス部13の前端部に近接する状態で設けるとともに、上記サイドドアの閉止時にその前後移動を規制する規制手段(34,47)を、上記補強部材31とサイドドア3との間に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体側方から衝撃力を受けたサイドドアが車室内側に侵入するのを防止する機能を備えた自動車の側部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、後輪用ホイールハウスの前端部近傍にサイドドア(リアドア)が設けられた自動車の側部車体構造において、上記サイドドアの後端部に設けられた係合ピンを、上記ホイールハウスの前端部近傍の車体側部材に形成された係合孔に係合させることにより、車両の側突時に加わる衝撃力に応じて上記サイドドアが車室内側に折れ曲がるように変形するのを防止することが行われている。このように、サイドドアの車室内側への侵入を防止する機能を備えた自動車の側部車体構造によれば、車両の側突時の衝撃から乗員を適正に保護することができる。
【特許文献1】特開平6−40259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、自動車においては、上記のような側突時の安全性だけでなく、前後方向衝突時の安全性についても確実に確保する必要がある。しかしながら、そのための措置として部品点数をむやみに増やしたり構造を複雑化させたりすれば、多大なコストアップを招くことが避けられなくなる。
【0004】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、車両の側突時の安全性と前後方向衝突時の安全性とを低コストで両立させることのできる自動車の側部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのものとして、本発明の自動車の側部車体構造は、車体の側面部に形成された乗降用開口部を開閉するサイドドアと、このサイドドアよりも後方側の車体側壁を構成するとともに、車幅方向に膨出するホイールハウス部が下部周縁に形成されたリアサイドパネルと、車体の側辺部において前後方向に延びるとともに、後端部が上記リアサイドパネルの下端部に接続されるサイドシルとを備え、上記サイドシルの後端部には、このサイドシルとの間で車体の前後方向に延びる閉断面を構成する補強部材が、上記ホイールハウス部の前端部に近接する状態で設けられており、上記サイドドアの閉止時にその後端部が前後移動するのを規制する規制手段が、上記補強部材とサイドドアとの間に設けられていることを特徴とするものである(請求項1)。
【0006】
本発明によれば、ホイールハウス部が下部周縁に形成されたリアサイドパネルの下端部にサイドシルの後端部を接続し、このサイドシルの後端部における上記ホイールハウス部と近接する位置に、上記サイドシルとの間で閉断面を構成する補強部材を設けたため、上記リアサイドパネルとサイドシルとの接続部の剛性を効果的に補強することができ、車両の前後方向衝突時に加わる衝撃荷重を上記接続部を介して効率よく分散させてその衝撃を効果的に緩和することができる。さらに、剛性補強用に設けられた上記補強部材とサイドドアとの間に、サイドドアの閉止時にその後端部が前後移動するのを規制する規制手段を設けたため、車両の側突時にサイドドアが車室内側に侵入するのを効果的に防止することができ、これに応じて車室内の乗員を適正に保護することができる。そして、このように同一の補強部材によって車両の側突時および前後方向衝突時の両方の衝突性能を向上させるようにしたことで、車両の側突時の安全性と前後方向衝突時の安全性とを低コストで両立させることができるという利点がある。
【0007】
上記サイドシルは、車体の前後方向に亘って略同一断面形状に形成された高張力鋼板からなるサイドシルアウタと、このサイドシルアウタに対して車幅方向内側に配設されるとともに、車体の後方側に至るほど上下幅が拡大する後ろ拡がりの拡大部が後端部に形成されたサイドシルインナとを有し、上記補強部材は、側面視で上記サイドシルインナの拡大部に沿った形状を有して上記サイドシルアウタ後端の上方側に設置されていることが好ましい(請求項2)。
【0008】
このように、サイドシルアウタとして強度の高い高張力鋼板を用いるとともに、サイドシルインナの後端部に後ろ拡がりの拡大部を形成してその部分の断面係数を増大させるようにした場合には、サイドシル全体の剛性(特にその後端部の剛性)を高めて衝突性能をより効果的に向上させることができる。しかも、サイドシルアウタを前後方向に亘って同一断面形状に形成するとともに、その後端部の上方側に、側面視で上記インナパネルの拡大部に沿った形状を有する補強部材を設置したことにより、高張力鋼板製であるために成形上急激な断面変化をさせにくいサイドシルアウタの成形性を良好に確保しつつ、このサイドシルアウタの後端部の上方側に生じるスペース(サイドシルインナの拡大部に対応する部分)に上記補強部材を配置して当該部を効率よく補強することができ、車両の前後方向衝突時および側突時の衝突性能を効果的かつ効率よく向上させることができるという利点がある。
【0009】
上記補強部材は、その後端部が上記ホイールハウス部の前端部に連結固定されていることが好ましい(請求項3)。
【0010】
このように、比較的高剛性なホイールハウス部と上記補強部材とを直接連結するようにした場合には、この補強部材による剛性補強効果をより高めることができ、車両の側突時および前後方向衝突時の衝突性能をより効果的に向上させることができるという利点がある。
【0011】
以上のような構成においては、上記補強部材と側面視で重複するサイドシルインナの拡大部の車幅方向内側面に、車両の側突を検知する衝突センサが設けられていることが好ましい(請求項4)。
【0012】
このように、剛性が補強されてより変形しにくいサイドシルインナの拡大部に衝突センサを設けた場合には、衝突時の衝撃が効率よく衝突センサに伝達されるため、この衝突センサによる衝突検知精度を効果的に向上させることができるという利点がある。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明の自動車の側部車体構造によれば、車両の側突時の安全性と前後方向衝突時の安全性とを低コストで両立させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1および図2は本発明の一実施形態にかかる自動車の側部車体構造を示している。この自動車には、車体の側面部に乗降用開口部1が形成されるとともに、この乗降用開口部1を開閉するサイドドア3が設置されている。なお、図例では4ドアセダンタイプの自動車が示されており、センターピラー5を挟んだ車体の前後2箇所に乗降用開口部1が設けられ、この前後の開口部1,1がそれぞれサイドドア3によって開閉されるようになっている。ただし図1では前側のサイドドアを省略して示しており、図示されたサイドドア3は後側の乗降用開口部1を開閉するリアドアである。また、図2では、車体の表面を覆う外板意匠パネル7と、上記サイドドア3とがそれぞれ取り外された状態における車体側面部を示している。
【0015】
上記後側のサイドドア3(リアドア)よりも後方側には、その部分の車体側壁を構成するリアサイドパネル9が設置されている。また、車体の側辺部には、その下端部において前後方向に延びるサイドシル8が設置されており、このサイドシル8の後端部が、上記リアサイドパネル9の下端部に接続されている。そして、このリアサイドパネル9との接続部であるサイドシル8の後端部上に、当該部の剛性を補強するための補強部材31が設置されている。
【0016】
上記リアサイドパネル9の下部周縁には、側面視でアーチ型に形成されたホイールハウス部13が設けられている。このホイールハウス部13は、リアサイドパネル本体11と一体に形成されて車幅方向外側に膨出するホイールハウスアウタ15と、その裏側に接合されて車幅方向内側に膨出するホイールハウスインナ17とからなり、これらホイールハウスアウタ15およびホイールハウスインナ17の内壁に囲まれた空間に図略のホイール(タイヤ)の上側部が収容されるようになっている。また、上記ホイールハウス部13よりも前方側には、リアサイドパネル本体11の前縁部11a(以下、パネル前縁部11aと言う)が後ろ上がりの傾斜状態で上下方向に延びるように設置され、このパネル前縁部11aにより上記乗降用開口部1の後方側の周縁部が形成されている。
【0017】
図3〜図5に示すように、上記サイドシル8は、車幅方向外側に設置された断面視ハット状体からなるサイドシルアウタ19と、車幅方向内側に設置された断面視逆ハット状体からなるサイドシルインナ21とを有しており、これらサイドシルアウタ19およびサイドシルインナ21の上下縁部にそれぞれ形成されたフランジ部どうしが互いに接合されることにより構成されている。このうちサイドシルアウタ19は、相対的に強度が高い高張力鋼板から構成され、車体の前後方向に亘って略同一断面形状に形成されている。一方、サイドシルインナ21は、その後端部の断面積(断面係数)が他の部分よりも大きくなるように形成されている。具体的に、このサイドシルインナ21は、上記サイドシルアウタ19の側面形状に対応して略一定の上下幅を有する前側部分25と、その後端部から連続して延び、後方側に至るほど上下幅が拡大するように形成された拡大部23とから構成されている。なお図5では、補強部材31により隠れる部分の構成を明示するため、補強部材31を想像線で示している。
【0018】
図5および図6に示すように、上記リアサイドパネル9の下端部には、上記サイドシル8との接続片としての延長部12が形成されている。すなわち、このリアサイドパネル9の延長部12が、上記サイドシルアウタ19とサイドシルインナ21との間に挟まれた状態でこれらと接合されることにより、上記サイドシル8とリアサイドパネル9とが相互に固定されるようになっている。また、上記延長部12は、このようにサイドシルアウタ19とサイドシルインナ21との間に介在することにより、サイドシル8の後端部の剛性を補強する役割も果たしている。
【0019】
また、上記リアサイドパネル9のパネル前縁部11aには、のこ刃状に切り欠かれた複数の切欠き部27が形成されており、この切欠き部27により、上記サイドシルインナ21における拡大部23の車幅方向内側面が部分的に露出するようになっている。詳細は後述するが、この露出した部分によって上記補強部材31との接合面が形成されるようになっている。
【0020】
上記補強部材31は、上記サイドシルインナ21の拡大部23に沿った形状を有してサイドシルアウタ19後端の上方側に設置されている(例えば図3〜図5参照)。具体的に、この補強部材31は、図2、図3、図5および図6に示すように、上記拡大部23の形状に沿うように後ろ拡がりに形成された側板33と、この側板33の上辺部から車幅方向内側に延びる水平板35とを有した断面視で逆L字状の部材から構成されており、その後端部が上記ホイールハウスアウタ15の前端部に近接する状態でサイドシルアウタ19上に設置されている。そして、サイドシルアウタ19後端の車幅方向外側面に上記側板33の下辺部が接合されるとともに、サイドシルインナ21の拡大部23のうち上記切欠き部27により露出された部分に上記水平板35の車幅方向内側の側辺部が接合されることにより、上記補強部材31がサイドシル8の後端部に固定され、この補強部材31とサイドシル8との間で車体の前後方向に延びる閉断面が形成されるようになっている。なお、上記補強部材31の水平板35は、車幅方向内側の側辺部に上向きに突出する複数の接合用突片36を有しており、この接合用突片36を介して上記サイドシルインナ21の拡大部23に接合されるようになっている。なお、図6において符号53,54は防水用のウェザーストリップ、55はドアトリム、56はサイドシルインナ21の上面部を覆うトリム部材、57はフロアパネルである。
【0021】
図6および図7に示すように、上記サイドドア3は、アウタパネル41およびインナパネル43と、これら両パネル41,43の間において車体の前後方向に延びるように設置されたインパクトバー45とを有している。このサイドドア3には、その後端部下方であって上記インナパネル43とインパクトバー45とが互いに接合される位置に、車幅方向内側に突出する係合ピン47が設けられている。一方、図2、図3、図5および図6に示すように、上記補強部材31の側板33には、上記サイドドア3の閉止状態においてこのサイドドア3に設けられた上記係合ピン47の先端部が挿入される係合孔34が形成されている。そして、このようにサイドドア3の係合ピン47が上記補強部材31の係合孔34に挿入されることにより、サイドドア3の後端部が車体の前後方向に移動することが規制され、これに応じて車両の側突時にサイドドア3が車室内側に折れ曲がるように変形することが防止されるようになっている。すなわち、サイドドア3の閉止時にその後端部が前後移動するのを規制することによりサイドドア3の車室内側への侵入を防止する規制手段が、上記係合ピン47と係合孔34とによって構成されている。
【0022】
また、図4、図5および図6に示すように、上記補強部材31と側面視で重複するサイドシルインナ21の拡大部23の車幅方向内側面には、車両の側突を検知する衝突センサとしてのGセンサ50が取り付けられている。具体的に、このGセンサ50は、ボルト48およびナット49との間に挟持された状態でブラケット51に固定され、このブラケット51を介して上記拡大部23に取り付けられている。そして、このGセンサ50により車両の側突が検知されるのに応じて、例えば車室内に設置される図外のカーテンエアバッグを展開させる等の、側突時の衝撃から乗員を保護するための制御動作が実行されるようになっている。
【0023】
以上のように車体の側面部に形成された乗降用開口部1を開閉するサイドドア3と、このサイドドア3よりも後方側の車体側壁を構成するとともに、車幅方向に膨出するホイールハウス部13が下部周縁に形成されたリアサイドパネル9と、車体の側辺部において前後方向に延びるとともに、後端部が上記リアサイドパネル9の下端部に接続されるサイドシル8とを備えた自動車の側部車体構造において、上記サイドシル8の後端部に、このサイドシル8との間で車体の前後方向に延びる閉断面を構成する補強部材31を、上記ホイールハウス部13(のホイールハウスアウタ15)の前端部に近接する状態で設けるとともに、サイドドア3の閉止時にその後端部が前後移動するのを係合ピン47および係合孔34からなる規制手段により規制するようにしたため、車両の側突時の安全性と前後方向衝突時の安全性とを低コストで両立させることができるという利点がある。
【0024】
すなわち、ホイールハウス部13が下部周縁に形成されたリアサイドパネル9の下端部にサイドシル8の後端部を接続し、このサイドシル8の後端部における上記ホイールハウス部13と近接する位置に、上記サイドシル8との間で閉断面を構成する補強部材31を設けたため、上記リアサイドパネル9とサイドシル8との接続部の剛性を効果的に補強することができ、車両の前後方向衝突時に加わる衝撃荷重を上記接続部を介して効率よく分散させてその衝撃を効果的に緩和することができる。例えば、車両の後突時には、車体後方からの衝撃荷重に応じて後部フロア(左右のホイールハウス部13の間において他のフロアよりも高い位置に設置されたフロアパネル)が上記サイドシル8の後端部を基点に前方にめくれ上がるように変形することがあるが、上記構成によれば、そのような変形力を上記ホイールハウス部13からサイドシル8に効率よく分散させて上記後部フロアの変形等を効果的に抑制することができる。同様に、車両の前突時には、車体前方からサイドシル8を通じて伝達される衝撃荷重をリアサイドパネル9(特に、そのうちでも比較的剛性の高いホイールハウス部13)に効率よく分散させて上記衝撃荷重を効果的に緩和することができる。さらに、上記構成によれば、剛性補強用に設けられた上記補強部材31とサイドドア3との間に、係合ピン47および係合孔34からなる規制手段を設け、この規制手段によってサイドドア3の閉止時にその後端部が前後移動するのを規制するようにしたため、車両の側突時にサイドドア3が車室内側に侵入するのを効果的に防止することができ、これに応じて車室内の乗員を適正に保護することができる。そして、このように同一の補強部材31によって車両の側突時および前後方向衝突時の両方の衝突性能を向上させるようにしたことで、車両の側突時の安全性と前後方向衝突時の安全性とを低コストで両立させることができる。
【0025】
また、上記実施形態のように、サイドシルアウタ19として強度の高い高張力鋼板を用いるとともに、サイドシルインナ21の後端部に後ろ拡がりの拡大部23を形成してその部分の断面係数を増大させるようにした場合には、サイドシル8全体の剛性(特にその後端部の剛性)を高めて衝突性能をより効果的に向上させることができる。しかも、サイドシルアウタ19を前後方向に亘って同一断面形状に形成するとともに、その後端部の上方側に、側面視で上記インナパネル21の拡大部23に沿った形状を有する補強部材31を設置したことにより、高張力鋼板製であるために成形上急激な断面変化をさせにくいサイドシルアウタ19の成形性を良好に確保しつつ、このサイドシルアウタ19の後端部の上方側に生じるスペース(サイドシルインナ21の拡大部23に対応する部分)に上記補強部材31を配置して当該部を効率よく補強することができ、車両の前後方向衝突時および側突時の衝突性能を効果的かつ効率よく向上させることができるという利点がある。
【0026】
また、上記実施形態のように、上記補強部材31と側面視で重複する高剛性で変形しにくいサイドシルインナ21の拡大部23に、車両の側突を検知する衝突センサとしてのGセンサ50を設けた場合には、衝突時の衝撃が効率よくGセンサ50に伝達されるため、このGセンサ50による衝突検知精度を効果的に向上させることができるという利点がある。
【0027】
なお、上記実施形態では、例えば図3に示したように、サイドシル8とリアサイドパネル9との接続部の剛性を補強する補強部材31を、その後端部がホイールハウスアウタ15の前端部から僅かに離間する状態で設置した例について説明したが、例えば図8に示すように、補強部材131の後端部132をホイールハウスアウタ15の前端部に直接接合(連結)するようにしてもよい。このようにすれば、補強部材131による剛性補強効果をより高めることができ、車両の側突時および前後方向衝突時の衝突性能をより効果的に向上させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態にかかる自動車の側部車体構造を示す側面図である。
【図2】サイドドアと外板意匠パネルとを取り外した状態における車体側部を示す斜視図である。
【図3】サイドシルとリアサイドパネルとの接続部を車室外側から見た側面図である。
【図4】サイドシルとリアサイドパネルとの接続部を車室内側から見た斜視図である。
【図5】上記接続部の詳細を説明するための拡大図である。
【図6】図3のIV−IV線に沿った断面図である。
【図7】サイドドアを車室内側から見た平面図である。
【図8】本発明の自動車の側部車体構造の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0029】
1 乗降用開口部
3 サイドドア
8 サイドシル
9 リアサイドパネル
13 ホイールハウス部
19 サイドシルアウタ
21 サイドシルインナ
23 拡大部
31 補強部材
34 係合孔(規制手段)
47 係合ピン(規制手段)
50 Gセンサ(衝突センサ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の側面部に形成された乗降用開口部を開閉するサイドドアと、
このサイドドアよりも後方側の車体側壁を構成するとともに、車幅方向に膨出するホイールハウス部が下部周縁に形成されたリアサイドパネルと、
車体の側辺部において前後方向に延びるとともに、後端部が上記リアサイドパネルの下端部に接続されるサイドシルとを備え、
上記サイドシルの後端部には、このサイドシルとの間で車体の前後方向に延びる閉断面を構成する補強部材が、上記ホイールハウス部の前端部に近接する状態で設けられており、
上記サイドドアの閉止時にその後端部が前後移動するのを規制する規制手段が、上記補強部材とサイドドアとの間に設けられていることを特徴とする自動車の側部車体構造。
【請求項2】
請求項1記載の自動車の側部車体構造において、
上記サイドシルは、車体の前後方向に亘って略同一断面形状に形成された高張力鋼板からなるサイドシルアウタと、このサイドシルアウタに対して車幅方向内側に配設されるとともに、車体の後方側に至るほど上下幅が拡大する後ろ拡がりの拡大部が後端部に形成されたサイドシルインナとを有し、
上記補強部材は、側面視で上記サイドシルインナの拡大部に沿った形状を有して上記サイドシルアウタ後端の上方側に設置されていることを特徴とする自動車の側部車体構造。
【請求項3】
請求項1または2記載の自動車の側部車体構造において、
上記補強部材の後端部が、上記ホイールハウス部の前端部に連結固定されていることを特徴とする自動車の側部車体構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車の側部車体構造において、
上記補強部材と側面視で重複するサイドシルインナの拡大部の車幅方向内側面に、車両の側突を検知する衝突センサが設けられていることを特徴とする自動車の側部車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−81035(P2008−81035A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265479(P2006−265479)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】