説明

自動車用ステアリングナックル

本発明は、車体に接続され、かつ車両の車輪(5)に接続できるほぼ回転対称な軸受ジャーナル(3)を備えるステアリングナックル(1)に関する。本発明は、ステアリングナックル(1)の製造方法にも関する。本発明によれば、ステアリングナックルは分割して供され、ステアリングナックル本体(7)と、ステアリングナックル本体(7)の対応するアパーチャ(9)を貫く軸受ジャーナル(3)とを備えて、高い構成部品応力の要件を満たしかつ経済的にステアリングナックル(1)を製造するようにする。軸受ジャーナル(3)は、ジャーナル部品(11)及び対応部品(13)を備え、それらはアパーチャ(9)の内部で圧接法により接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段によるステアリングナックル及び請求項12によるステアリングナックルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車において、ステアリングナックルは車輪を支持し、車体に接続される。操舵車輪の場合には、ステアリングナックルは、ステアリングアームによって車体に取り付けられ、操舵軸の周りで旋回可能である。さらにステアリングナックルは、軸受によって車輪が回転可能に固定される軸受ジャーナルを含む。車輪接触力が大きいために、軸受ジャーナルの高い機械的応力負荷が、軸受接触肩部への移行部におけるステアリングナックルに生じるので、構成部品を高品質の材料で製造する必要があるか、或いは応力負荷の軸受能力を改善するために、結晶粒組織を局所的に変更させる必要がある。
【0003】
この種の公知のステアリングナックルは、一体的に形成された構成部品として製造され、それらは例えば鋼材から鍛造加工によって製造される。しかしながら、これらには生産技術の点において欠点がある。なぜなら、このような複雑な構成部品の鍛造には高い金型費と製造費とがかかるためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、作動中に発生する高い応力負荷に対する耐性があり、製造の費用効率の高いステアリングナックル及びこの製造方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は請求項1及び12の特徴によって達成される。
【0006】
本発明によれば、ステアリングナックルは、ステアリングナックル本体と、ステアリングナックル本体の対応するシリンダー状のアパーチャを貫く軸受ジャーナルとを備える、分割された設計構成であり、軸受ジャーナルは、ジャーナル部品及び対応部品を備え、それらはアパーチャの内部で圧接法により接合される。それゆえ、複雑なステアリングナックル構成部品は、2つの個別の構成部品から構成され、そのそれぞれが単純な形状を有し、組み立て前に個別に製造、機械加工できる。それゆえ、全体的な構成部品の製造が簡単で費用効率の高いものとなる。
【0007】
圧接法として摩擦溶接加工が選択されることが有利である。この場合、これは特に回転対称な構成部品の接合に好適である(請求項2)。
【0008】
有利な実施形態においては、ステアリングナックル本体のアパーチャは、ジャーナル部品に面する側に溶接ビードを収容するための拡張部を有する。このようにして、摩擦溶接において生じる溶接ビードの拡散を意図的に制限することができ、溶接ビードを、ステアリングナックル本体の車軸ジャーナルへ機械的にクランプするためにさらに使用できる(請求項3)。
【0009】
ジャーナル部品は、ステアリングナックル本体のアパーチャに対して圧入嵌めされていることが有利である。それゆえ、ステアリングナックルにもたらされる作動応力負荷がより吸収されて、アパーチャ長にわたって分散される(請求項4)。
【0010】
ステアリングナックル本体は鋳造材から構成されるか、又はその代わりにアルミニウム展伸用合金から鍛造物として製造されることが有利である。軸受ジャーナルは、鋼材から構成されることがさらに有利である。それゆえ、溶接の必要のない本体を軽材料から製造することによって、一体的に形成されたステアリングナックルに比べて軽量化を達成できる一方で、激しく応力を受けるジャーナルを、特に応力を受ける領域において局所的に強度を高めるように設計された追加的な処置に好適な高品質の材料から構成する(請求項5〜7)。
【0011】
一実施形態では、対応部品は、そのアパーチャから離れた端面にアセンブリリセスを有する。これは、ステアリングナックルの形状を利用可能な全スペースに最適に適合させる単純な手段である(請求項8)。
【0012】
摩擦溶接においてジャーナル部品及び/又は対応部品の軟化した材料と確実なかみ合い(positive interlock)を形成する少なくとも1つの突起が、アパーチャの内部に設けられることが有利である。これにより、個別の構成部品を機械的にクランプする追加的な手段をもたらし、ステアリングナックルに非常に強度を与える(請求項9)。
【0013】
ジャーナル部品は肩部を有し、その肩部でジャーナル部品が、アパーチャに近接するステアリングナックル本体の軸受接触面に当接することが有利である。この処置は、構成部品の機械的なクランプを強化する働きもする(請求項10)。
【0014】
対応部品及び/又はジャーナル部品は、接合領域に向かって直径が減少する円錐台形の形状を少なくとも部分的に有することが有利である。これは、部品の接合後に生じる機械的なクランプをさらに高める働きをする(請求項11)。
【0015】
本発明はさらに、ほぼ回転対称なアパーチャを有するステアリングナックル本体と、軸受ジャーナルとからステアリングナックルを製造する方法に関する。軸受ジャーナルは、ジャーナル部品及び対応部品を備える。まずジャーナル部品をアパーチャへ片側から挿入する。次に他方の側から対応部品を、その端面が軸受ジャーナルの端面に少なくとも部分的に接触するまでアパーチャに差込む。この方法の最終的なステップでは、対応部品及び軸受部品は、アパーチャの内部において圧接法により永久的に接合される(請求項12)。
【0016】
有利な実施形態では、対応部品を摩擦溶接中に回転させ、その長手方向軸の方向に移動させる一方で、ジャーナル部品はアパーチャの内部に固定されたままである。これはまず、方法を実施する単純な方策をもたらす。なぜなら、単純な形状を有する1つの構成部品を回転させる必要があるだけであるからである。第2に、ジャーナル部品を摩擦溶接前に前もって開口部へ押込むことができる(請求項14)。
【0017】
摩擦溶接を、まず対応部品及びジャーナル部品の面領域を回転により軟化させ、次に対応部品及び/又はジャーナル部品をその長手方向軸の方向に、いかなる回転運動も伴わずに移動させて、その端部軸受肩部をホイールキャリア本体の軸受接触面に当接させることよってさらに行うことができる。これにより、接合領域における応力負荷の軸受能力の高いジャーナル部品と対応部品の正確な接合ができる(請求項15)。
【0018】
本発明のさらなる実施形態及び利点を他の従属請求項及び明細書において説明する。
【0019】
図面では、本発明をいくつかの例示された実施形態を参照して詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明によるステアリングナックル1の概略図を示す。
【0021】
自動車のステアリングナックル1は、ここでは単に示される車両の車輪5を支持するものであり、それを軸受ジャーナル3に回転可能に支持する。さらにステアリングナックル1は車体に接続される。図1は、組み立て前の状態にある、分割されたステアリングナックル1を示す。この状態にあるステアリングナックル1は、3つの個別の構成部品を備える。第1に、車体に接続され、ほぼ回転対称なアパーチャ9を有するステアリングナックル本体7である。組み立てられた状態では、軸受ジャーナル3はこのアパーチャ9にある。車輪5から離れた側部15において、ステアリングナックル本体7のアパーチャ9は、拡張部17を有する。その機能を以下説明する。
【0022】
次に軸受ジャーナル3は、2つの構成部品で構成される。実際に車輪の取り付け部である回転対称なジャーナル部品11、及び対応部品13である。ステアリングナックル1の組み立て前は、両構成部品11、13は、対向する2つの端面31及び33を有する。この実施形態では、ジャーナル部品11は、外周面に配置された環状肩部27をさらに備える。対応部品13も環状肩部41を備えるので、車輪5から離れた側の対応部品13の直径は、アパーチャ9の直径よりも大きい。
【0023】
ステアリングナックル本体7、ジャーナル部品11及び対応部品13の3つの構成部品は、異なる材料から構成されてもよい。
【0024】
この例示された実施形態では、ステアリングナックル本体7を、ねずみ鋳鉄や球状黒鉛鋳鉄(GJS)などの鋳造材又はアルミニウム材から製造するが、鋼材からいずれかの方法によって製造することもできる。さらにステアリングナックル本体7をアルミニウム展伸用合金から鍛造物として製造してもよい。
【0025】
軸受ジャーナル3は好ましくは鋼材から構成され、それは、摩擦溶接加工に好適である必要がある。例えば熱処理鋼材又は肌焼鋼材が好適である。
【0026】
ここでは軸受ジャーナル3の2つの部品は、2つの異なる材料から同等に適切に構成されてもよい。ジャーナル部品11を、作業中のジャーナル領域に対する多大な要求を満たす熱処理鋼から製造する。特に応力がかかる点においては、例えば局所的な高周波焼入れなどの追加的な処理に既にかけられた材料が、ここでは有利である。他方で対応部品は、容易に溶接可能な鋼材から構成されてもよい。軸受ジャーナル3の材料の一般に有利な組み合わせは、例えば、42CrMo4のジャーナル部品11とSt52の対応部品13である。
【0027】
ステアリングナックル1の製造方法はこの場合以下のステップを含む。例えば、
まずジャーナル部品11をアパーチャ9に片側から挿入して、そこで固定する。この固定は、アパーチャ9とジャーナル部品11との圧入嵌めによって達成できる。その代わりに、ジャーナル部品11を、肩部27がステアリングナックル本体7の対応する軸受接触面29に接触するまでアパーチャ9に押込むこともできる。
【0028】
この例示された実施形態では、次にステアリングナックル本体7及びジャーナル部品11は回転式にロックされる。
【0029】
他方の側から今度は対応部品13を、その端面33がジャーナル部品11の端面31に接触するまでアパーチャ9に差込む。ここで、対応部品13を回転させて、同時にその長手方向軸35の方向に圧力をかけることによって、摩擦溶接加工が行われる。対応部品13とジャーナル部品11の対向面領域39、37にある材料は、それにより軟化して、2つの構成部品11、13が接合し始める。
【0030】
摩擦溶接機において摩擦溶接を行うために、回転する対応部品13には、例えば取付台が設けられ、それにより摩擦溶接機にクランプできる。
【0031】
ジャーナル部品11と対応部品13の面領域37、39の材料が、回転と圧力によって十分に軟化され、かつペースト状態にある場合には、回転運動を停止し、単にアプセットしながらの並進運動が対応部品13の長手方向軸35の方向において行われる。この運動は、対応部品13の肩部41がステアリングナックル本体7の対応する軸受接触面43に接触する時点で終わる。それゆえ構成部品11、13は接合領域26において所定の限界に達成するまでアプセットされる。
【0032】
図2は、摩擦溶接加工が完了した完成品のステアリングナックル1を示す。冷却によって、ジャーナル部品11及び対応部品13の、摩擦溶接によって軟化された材料25の接合領域26が縮小する。この材料収縮によって、アパーチャ9を画成するステアリングナックル本体7の材料を、それを包囲する2つの肩部27及び41によってクランプさせる。これにより、所望の高い強度を有する完成品したステアリングナックル1をもたらす。それゆえ、溶接シームの収縮を故意に使用して、ステアリングナックル1に張力を与える。
【0033】
溶接部におけるいかなる望ましくない硬化も低減するために、対応部品13を介して溶接部の高周波焼戻しを行うことができる。その代わりに、完成品のステアリングナックルを炉アニールにかけることができる。
【0034】
図2からはさらに、摩擦溶接において生じた溶接ビード19がどのように拡張部17に収容されるかが分かる。この例示された実施形態において追加的に拡張部17に設けられた突起24が、接合領域26における軟化した材料25との確実なかみ合いを通して構成部品7、11、13の機械的なクランプに寄与し、回転に対して接続を固定する働きをする。
【0035】
図2に示す個別の突起24の他に、クランプ効果をさらに高める多数の突起を設けてもよい。一連の突起によって生じた、きざみ付き輪郭などの輪郭を提供することも実現可能である。
【0036】
図3は、摩擦溶接によって製造されたステアリングナックル1のさらなる例示された実施形態の詳細な側面図を示す。この例は主に、アパーチャ9とこれに隣接する軸受接触面29及び43の特別な形態と併せて、ジャーナル部品の肩部27の設計が異なる。
【0037】
この例示された実施形態では、ジャーナル部品11と対応部品13との摩擦溶接接続については詳細ではなく、端面31及び33の環状縁部領域49に限定される。この環状縁部領域49は、対応するリセス48、48’によって生じた。
【0038】
この実施形態はさらに、摩擦溶接において角度がつけられた配置をもたらす。この場合、対応部品13は回転運動の後に所定の角度位置に保持される。このように、アセンブリリセス23などを、アパーチャ9から離れた対応部品13の端面21に意図的に位置決めすることが可能であり、次に前記リセスを、近接する構成部品の組み立ての補助として使用することが可能である。
【0039】
図4にさらなる例示された実施形態として、リジッドアクスルへの分割されたステアリングナックル1の使用を示す。これは、例えばトラックのリジッドアクスルでもよい。ここではステアリングナックル1は、アイ47に据付けられた車軸ボルト(ここでは図示せず)によって車体に接続される。
【0040】
対照的に図5は、独立懸架装置の操舵車軸の分割されたステアリングナックル1を示す。ここでは、ステアリングナックル1をステアリングアーム(図示せず)によって車体に取付けて、操舵軸45の周りに旋回可能であるように支持する。ステアリングナックル1にある車輪5(ここでは図示せず)は、中空シャフトとして供された軸受ジャーナル3へ導かれるドライブシャフト46によってさらに駆動される。
【0041】
図6は、ステアリングナックル1のさらなる実施形態を示す。同一部品には同一の参照符号を与える。上述した例とは対照的に、ここでは対応部品13は円錐台形の形状を有する。この場合対応部品13の直径は、接合領域26に向かって減少する。同時に、ステアリングナックル本体7のアパーチャ9は、対応部品13の形状に適合する。ここでは、溶接ビード19は、対応部品13から離れたアパーチャ9の側部に配置された拡張部17に収容される。図1及び2のように、ジャーナル部品11は肩部27を有し、肩部は溶接処理後に、対応する軸受接触面29に当接する。このようにして、構成部品11、13とステアリングナックル本体7との間に非常に強力な機械的なクランプを得ることができる。対応部品13の肩部41を省略できる。
【0042】
図7は、類似の実施形態を示す。ここでは、ジャーナル部品11が円錐台形の形状を有する。溶接ビード19用の拡張部17はここでも、ジャーナル部品11から離れたアパーチャ9の側部15にあるので、アパーチャも円錐台形状の領域を有する。それゆえ、ジャーナル部品11の肩部27を省略しても、接続における同等に強力なクランプを維持することができる。
【0043】
図8は、2つの例の組み合わせを示す。ここでは、ジャーナル部品11及び対応部品13は双方とも円錐台形状の領域を有し、その断面はそれぞれ接合領域26に向かって先細になる。拡張部17は、アパーチャの中心にずれ、ジャーナル部品11及び対応部品13の肩部27、41を省略できる。
【0044】
それゆえ、摩擦溶接によって接合された分割されたステアリングナックル1のこの概念を、独立懸架装置の操舵車輪と非操舵車輪の双方及び駆動車輪と非駆動車輪の双方、又はトラック及び乗用車のリジッドアクスルに同等に上手く適応することができる。さらに概念を、リヤアクスル概念及びフロントアクスルの双方に使用できる。
【0045】
ステアリングナックル1を、種々の材料から構成された個別の構成部品7、11、13を有する複合構成部品として設計できるので、まず第1に重量的な利点をもたらす。ステアリングナックル本体7の材料を、軽量構成の観点から最適化できる。なぜなら、いかなる接合要件も満たす必要が無いからである。この複合概念では、ステアリングナックル本体7の材料と軸受ジャーナル3の材料との間の直接的な接続が必要ない。
【0046】
一体的に形成された構成部品として供されたステアリングナックル1よりもはるかに単純な形状を有するので、個別の構成部品7、11、13をそれらの製造に関してさらに最適化できる。例えば、軸受ジャーナル3を単純な棒材から製造できる。
【0047】
さらに、概念は、全体的なスペースの点でも利点をもたらす。なぜなら、個別の構成部品7、11、13を、必要とされる全体的なスペースに関して個別に設計できるからである。
【0048】
個別の構成部品7、11、13の材料を構成部品の要件に特に適合できる。それゆえ、例えば、熱応力に影響されにくい鋳造材を、ステアリングナックル本体7に選択してもよく、一方で軸受ジャーナル3を溶接可能かつ熱処理可能な材料から製造できる。
【0049】
この点において、複合構成部品としてのステアリングナックル1の設計は、応力負荷及びコストの点で最適となる。
【0050】
ステアリングナックル1及びその製造方法は、図示の例示された実施形態に限定されない。
【0051】
まず第1に、ジャーナル部品11のステアリングナックル本体7への当接方法を異なる設計にもできる。例えば、2つの構成部品7と11との間を嵌合すること、又はジャーナル11の肩部27の設計形状を環状形状以外のものにすることが実行可能である。
【0052】
一般論として、接合領域の形態は、例示された実施形態に示した形状と異なってもよい。
【0053】
上述の方法の実施とは対照的に、摩擦溶接において、対応部品13を固定して、ジャーナル部品11を回転させることも可能である。そこで、対応部品13をまずアパーチャ9に押込み、次のステップにおいてジャーナル部品を溶接することができる。
【0054】
例示された実施形態に示した摩擦溶接加工に加えて、構成部品を、いくつかの他の適切な圧接法によって、例えば抵抗圧接法又は超音波溶接法によって接合できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】組み立て及び続く摩擦溶接の前のステアリングナックルの概略図を示す。
【図2】摩擦溶接後のステアリングナックルの概略図を示す。
【図3】完成品のステアリングナックルの断面図を示す。
【図4】自動車のリジッドアクスルのステアリングナックルを示す。
【図5】自動車の独立懸架装置のステアリングナックルを示す。
【図6】ジャーナル部品が円錐台形状であるステアリングナックルの例示された実施形態を示す。
【図7】対応部品が円錐台形状であるステアリングナックルの例示された実施形態を示す。
【図8】対応部品及びジャーナル部品が円錐台形状であるステアリングナックルの例示された実施形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に接合され、かつ車両の車輪(5)を接続できるほぼ回転対称な軸受ジャーナル(3)を備えるステアリングナックル(1)において、
前記ステアリングナックル(1)が、ステアリングナックル本体(7)と、前記ステアリングナックル本体(7)の対応するアパーチャ(9)を貫く前記軸受ジャーナル(3)とを備える、分割された設計構成であり、前記軸受ジャーナル(3)は、ジャーナル部品(11)及び対応部品(13)を備え、それらは前記アパーチャ(9)の内部で圧接法により接合されることを特徴とするステアリングナックル(1)。
【請求項2】
圧接法として摩擦溶接加工を使用することを特徴とする請求項1に記載のステアリングナックル。
【請求項3】
前記ステアリングナックル本体(11)の前記アパーチャ(9)が、溶接ビード(19)を収容するために前記ジャーナル部品(11)から離れた側部(15)に拡張部(17)を有することを特徴とする請求項2に記載のステアリングナックル。
【請求項4】
前記ジャーナル部品(11)が、前記ステアリングナックル本体(7)の前記アパーチャ(9)に対して圧入嵌めされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリングナックル。
【請求項5】
前記ステアリングナックル本体(7)が鋳造材から構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のステアリングナックル。
【請求項6】
前記ステアリングナックル本体(7)が、アルミニウム展伸用合金から鍛造物として製造されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のステアリングナックル。
【請求項7】
前記軸受ジャーナル(3)が鋼材から構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のステアリングナックル。
【請求項8】
前記対応部品(13)が、その前記アパーチャ(9)から離れた端面(21)にアセンブリリセス(23)を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のステアリングナックル。
【請求項9】
前記摩擦溶接において前記ジャーナル部品(11)及び/又は前記対応部品(13)の軟化した材料(25)と確実なかみ合いを形成する少なくとも1つの突起(24)が、前記アパーチャ(9)の内部に設けられることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載のステアリングナックル。
【請求項10】
前記ジャーナル部品(11)が、前記アパーチャ(9)に近接する前記ステアリングナックル本体(7)の軸受接触面(29)に当接する肩部(27)を有することを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載のステアリングナックル。
【請求項11】
前記対応部品(13)及び/又は前記ジャーナル部品(11)が、接合領域(26)に向かって直径が減少する円錐台形の形状を少なくとも部分的に有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のステアリングナックル。
【請求項12】
ほぼ回転対称なアパーチャ(9)を有するステアリングナックル本体(7)と、ジャーナル部品(11)及び対応部品(13)を備える軸受ジャーナル(3)とからステアリングナックル(1)を製造する方法であって、
−前記ジャーナル部品(11)を前記アパーチャ(9)へ片側から挿入するステップ、
−他方の側から前記対応部品(13)を、その端面(33)が前記軸受ジャーナル(3)の端面(31)と少なくとも部分的に接触するまで前記アパーチャ(9)に差込むステップ、及び
−前記対応部品(13)及び前記軸受部分(11)が、前記アパーチャ(9)の内部において圧接法によって永久的に接合されるステップ、
を含む方法。
【請求項13】
圧接法として摩擦溶接加工を使用することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記対応部品(13)を前記摩擦溶接中に回転させ、その長手方向軸(35)の方向に移動させる一方で、前記ジャーナル部品(11)は前記アパーチャ(9)の内部に固定されたままであることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記摩擦溶接を、まず前記ジャーナル部品(11)及び前記対応部品(13)の前記面領域(37、39)を回転により軟化させ、次に前記対応部品(13)及び/又は前記ジャーナル部品(11)をその長手方向軸(35)の方向に、いかなる回転運動も伴わずに移動させて、その端部軸受肩部(41)又は(27)を前記ステアリングナックル本体(7)の軸受接触面(43)又は(29)に当接させることによって行うことができることを特徴とする請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記ジャーナル部品(11)又は前記対応部品(13)が、前記摩擦溶接の前に前記アパーチャ(9)に押込まれることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−546584(P2008−546584A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517393(P2008−517393)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005884
【国際公開番号】WO2007/000264
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】