説明

自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の治療におけるGlepp−1阻害剤

本発明は、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の治療用薬剤の製造のためのGlepp−1阻害剤の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の治療用薬剤の製造のためのGlepp−1阻害剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)は、タンパク質のリン酸化の制御において重要な役割を果たす、キナーゼの同等物である。古典的PTPには、(i)非受容体又は細胞内PTPと、(ii)受容体様PTPという、2つのタイプがある。細胞内PTPの多くは触媒ドメインを1つしか有さないのに対して、受容体様酵素の多くは2つ含有する。触媒ドメインは、約250のアミノ酸からなる(Niels Peter Hundahl Moller et al. Protein tyrosine phosphatases (PTPs) as drug targets: Inhibitors of PTP-IB for the treatment of diabetes; Current Opinion in Drug Discovery & Development 3(5), 527-540 (2000))。
【0003】
タンパク質チロシンホスファターゼは、種々の疾患に関与していることが証明されている。例えばPTP1Bは一般に、インスリンシグナル伝達に関連していると考えられており、従って糖尿病II型のような疾患に関与していると考えられている。
【0004】
Nature, Vol. 5, January 2005 において、Tomas Mustelinらは、タンパク質チロシンホスファターゼと免疫応答に関する現在の知見を要約している。SHP1に変異を有するマウスは、PTPの欠陥により引き起こされる自己免疫疾患の最初の例となった。CD45変異体及びPEP(LYPのマウスオーソログ)についても同じことが言える。
【0005】
GLEPP−1(別名、糸球体上皮タンパク質1、PTP−U2、PTPRO、PTP−oc、PTP−BK、PTP−Φ;GenBank受託番号U20489)は、白血球細胞株U937においてホルボールエステルにより過剰発現される遺伝子として発見された。この遺伝子は、マクロファージ、腎臓、脳(Seimiya and Tsuruo, 1993)及びB細胞(Aguiar, Yakushijin et al, 1999)において発現される。
【0006】
糸球体上皮タンパク質1(Glomerular epithelial protein 1:Glepp−1)は、糸球体足細胞の頂端細胞表面上に存在する受容体チロシンホスファターゼである。足細胞(内臓糸球体上皮細胞)は、糸球体フィルターの構造及び機能の維持を担当する主要な細胞型の1つである。血液からの水、イオン、及び小分子はこのフィルターを容易に通過するが、より大きな血液タンパク質(例えばアルブミン)の通過は抑制される。Glepp−1は、単一の膜貫通ドメイン、単一の細胞内ホスファターゼドメイン、及び、大型の細胞外ドメイン(フィブロネクチンIII型様反復配列を含む)を有する。
【0007】
Glepp1変異マウスは健常であり、生存能力を有する。これらの動物の研究は、腎臓の形態及び機能に関するものしか行なわれていない。僅かな形態的変化が観察されるものの、変異マウスの腎機能は正常である(Wharram, Goyal et al. 2000)。
【0008】
マクロファージでの研究は、Glepp1の発現が、CDF−1(コロニー刺激因子)により制御されることを示している。Glepp1はパキシリン(paxillin)を脱リン酸化し、細胞の運動性に必要である(chemotaxis and extravasation; Pixley, Lee et al. 1995; Pixley, Lee et al. 2001)。
【0009】
最近の研究では、肺癌及び結腸癌において、Glepp1遺伝子がしばしば過メチル化され、発現停止されていることが示されている(Mori, Yin et al. 2004; Motiwala, Kutay et al. 2004)。しかし、Glepp1ノックアウトマウスでの腫瘍発生率の増加については、何ら言及されていない(Wharram, Goyal et al. 2000)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の治療用薬剤の製造のためのGlepp−1阻害剤の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下の段落は、本発明の化合物を構成する種々の化学成分の定義を与え、本明細書と請求の範囲を通して均一に適用されるものであり、特に明記しない場合は広い定義を与えるものである。
【0012】
「Glepp−1」は、糸球体上皮タンパク質1を意味し、以下の同義語がある:PTP−oc(ウサギ)、PTPRO、PTP−U2、PTP−U2L、PTP−U2S、PTP−phi。
【0013】
「C1〜C6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。この用語の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの基が挙げられる。
【0014】
「C1〜C8アルキル」は、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。この用語の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−オクチル、3−オクチル、イソオクチルなどの基が挙げられる。
【0015】
「C1〜C12アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。この用語の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−オクチル、3−オクチル、イソオクチル、n−ノニル、2−ノニル、3−ノニル、4−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、2−デシル、3−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルなどの基が挙げられる。
【0016】
「C6〜C15アルキル」は、6〜12個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。この用語の例としては、n−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−オクチル、3−オクチル、イソオクチル、n−ノニル、2−ノニル、3−ノニル、4−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、2−デシル、3−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルなどの基が挙げられる。
【0017】
「C7〜C15アルキル」は、7〜12個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。この用語の例としては、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−オクチル、3−オクチル、イソオクチル、n−ノニル、2−ノニル、3−ノニル、4−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、2−デシル、3−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルなどの基が挙げられる。
【0018】
「C8〜C12アルキル」は、8〜12個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。この用語の例としては、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−オクチル、3−オクチル、イソオクチル、n−ノニル、2−ノニル、3−ノニル、4−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、2−デシル、3−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルなどの基が挙げられる。
【0019】
「アリール」は、単一の環(例えばフェニル)又は複数の縮合環(例えばナフチル)を有する、6〜14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環基を意味する。好適なアリールとしては、フェニル、ナフチル、フェナントレニルなどが挙げられる。
【0020】
「C1〜C6アルキルアリール」は、アリール置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、ベンジル、フェネチルなどが挙げられる。
【0021】
「ヘテロアリール」は、単環式複素芳香族基、又は二環式又は三環式縮合環複素芳香族基を意味する。複素環式芳香族基の具体的な例としては、置換されていてもよい、ピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジゾリル、1,3,4−トリアジニル、1,2,3−トリアジニル、ベンゾフリル、[2,3−ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサ−ゾリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シノリニル、ナフチリジニル、ピリド[3,4−b]ピリジル、ピリド[3,2−b]ピリジル、ピリド[4,3−b]ピリジル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、キサンテニル又はベンゾキノリルが挙げられる。
【0022】
「C1〜C6アルキルヘテロアリール」は、ヘテロアリール置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−フリルメチル、2−チエニルメチル、2−(1H−インドール−3−イル)エチルなどが挙げられる。
【0023】
「C2〜C6アルケニル」は、好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、少なくとも1つ又は2つのアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を意味する。好適なアルケニル基としては、エテニル(−CH=CH2)、n−2−プロペニル(アリル、−CH2CH=CH2)などが挙げられる。
【0024】
「C2〜C6アルケニルアリール」は、アリール置換基を有するC2〜C6アルケニル基を意味し、2−フェニルビニルなどが挙げられる。
【0025】
「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」は、ヘテロアリール置換基を有するC2〜C6アルケニル基を意味し、2−(3−ピリジニル)ビニルなどが挙げられる。
【0026】
「C2〜C12アルケニル」は、好ましくは2〜12個の炭素原子を有し、少なくとも1つ又は2つのアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を意味する。好適なアルケニル基としては、エテニル(−CH=CH2)、n−2−プロペニル(アリル、−CH2CH=CH2)、種々のブテニル異性体、クロトニル、イソペンテニルなどが挙げられる。
【0027】
「C2〜C15アルケニル」は、好ましくは2〜15個の炭素原子を有し、少なくとも1つ又は2つのアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を意味する。好適なアルケニル基としては、エテニル(−CH=CH2)、n−2−プロペニル(アリル、−CH2CH=CH2)、種々のブテニル異性体、クロトニル、イソペンテニルなどが挙げられる。
【0028】
「C2〜C6アルキニルアリール」は、アリール置換基を有するC2〜C6アルキニル基を意味し、フェニルエチニルなどが挙げられる。
【0029】
「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」は、ヘテロアリール置換基を有するC2〜C6アルキニル基を意味し、2−チエニルエチニルなどが挙げられる。
【0030】
「C2〜C12アルキニル」は、好ましくは2〜12個の炭素原子を有し、少なくとも1つ又は2つのアルキニル不飽和部位を有するアルキニル基を意味し、好適なアルキニル基としては、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CH2C≡CH)、6−ヘプチニル、7−オクチニル、8−ノニニルなどが挙げられる。
【0031】
「C2〜C15アルキニル」は、好ましくは2〜15個の炭素原子を有し、少なくとも1つ又は2つのアルキニル不飽和部位を有するアルキニル基を意味し、好適なアルキニル基としては、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CH2C≡CH)、6−ヘプチニル、7−オクチニル、8−ノニニルなどが挙げられる。
【0032】
「C3〜C8シクロアルキル」は、単一の環(例えばシクロヘキシル)又は複数の縮合環(例えばノルボルニル)を有する3〜8個の炭素原子を有する飽和炭素環基を意味する。好適なシクロアルキルとしては、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニルなどが挙げられる。
【0033】
「C1〜C6アルキルシクロアルキル」は、シクロアルキル置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルプロピルなどが挙げられる。
【0034】
「ヘテロシクロアルキル」は、上記定義に従うC3〜C8シクロアルキル基において、1〜3個の炭素原子が、O、S、NR(ここでRは水素又はC1〜C6アルキルとして定義される)からなる群より選択されるヘテロ原子により置換された基を表わす。好適なヘテロシクロアルキルとしては、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、1−メチルピペラジン、モルホリンなどが挙げられる。
【0035】
「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキル置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(1−ピロリジニル)エチル、4−モルホリニルメチル、(1−メチル−4−ピペリジニル)メチルなどが挙げられる。
【0036】
「カルボン酸」は、基−C(O)OHを意味する。
【0037】
「C1〜C6アルキルカルボキシ」は、カルボキシ置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−カルボキシエチルなどが挙げられる。
【0038】
「アシル」は、基−C(O)Rを意味し、ここでRとしては、H、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」が挙げられる。
【0039】
「C1〜C6アルキルアシル」は、アシル置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−アセチルエチルなどが挙げられる。
【0040】
「アリールアシル」は、アシル置換基を有するアリール基を意味し、2−アセチルフェニルなどが挙げられる。
【0041】
「ヘテロアリールアシル」は、アシル置換基を有するヘテロアリール基を意味し、2−アセチルピリジルなどが挙げられる。
【0042】
「C3〜C8−(ヘテロ)シクロアルキルアシル」は、アシル置換基を有する3〜8員のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基を意味する。
【0043】
「アシルオキシ」は、基−OC(O)Rを意味し、ここでRとしては、H、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」が挙げられる。
【0044】
「C1〜C6アルキルアシルオキシ」は、アシルオキシ置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(アセチルオキシ)エチルなどが挙げられる。
【0045】
「アルコキシ」は、基−O−Rを意味し、ここでRとしては、H、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」が挙げられる。
【0046】
「C1〜C6アルキルアルコキシ」は、アルコキシ置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−エトキシエチルなどが挙げられる。
【0047】
「アルコキシカルボニル」は、基−C(O)ORを意味し、ここでRとしては、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」が挙げられる。
【0048】
「C1〜C6アルキルアルコキシカルボニル」は、アルコキシカルボニル置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(ベンジルオキシカルボニル)エチルなどが挙げられる。
【0049】
「アミノカルボニル」は、基−C(O)NRR’を意味し、ここでR、R’としては各々独立に、水素、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」が挙げられる。
【0050】
「C1〜C6アルキルアミノカルボニル」は、アミノカルボニル置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(ジメチルアミノカルボニル)エチルなどが挙げられる。
【0051】
「アシルアミノ」は、基−NRC(O)R’を意味し、ここでR、R’は各々独立に、水素、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」である。
【0052】
「C1〜C6アルキルアシルアミノ」は、アシルアミノ置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(プロピオニアミノ)エチルなどが挙げられる。
【0053】
「ウレイド」は、基−NRC(O)NR’R”を意味し、ここでR、R’、R”は各々独立に、水素、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」である。また、R’及びR”は、これらが結合している窒素原子とともに、3〜8員ヘテロシクロアルキル環を形成していてもよい。
【0054】
「C1〜C6アルキルウレイド」は、ウレイド置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(N’−メチルウレイド)エチルなどが挙げられる。
【0055】
「カルバメート」は、基−NRC(O)OR’を意味し、ここでR、R’は各々独立に、水素、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」である。
【0056】
「C1〜C6アルキルカルバメート」は、カルバメート置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味する。
【0057】
「アミノ」は、基−NRR’を意味し、ここでR、R’は各々独立に、水素、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」である。また、R’及びR”は、これらが結合している窒素原子とともに、3〜8員ヘテロシクロアルキル環を形成していてもよい。
【0058】
「C1〜C6アルキルアミノ」は、アミノ置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(1−ピロリジニル)エチルなどが挙げられる。
【0059】
「アンモニウム」は、陽性荷電した基−N+RR’R”を意味し、ここでR、R’、R”は各々独立に、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」である。また、R’及びR”は、これらが結合している窒素原子とともに、3〜8員ヘテロシクロアルキル環を形成していてもよい。
【0060】
「C1〜C6アルキルアンモニウム」は、アンモニウム置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(1−ピロリジニル)エチルなどが挙げられる。
【0061】
「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨード原子を意味する。
【0062】
「スルホニルオキシ」は、基−OSO2−Rを意味し、ここでRは、水素、「C1〜C6アルキル」、ハロゲンで置換された「C1〜C6アルキル」、例えば−OSO2−CF3基、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」から選択される。
【0063】
「C1〜C6アルキルスルホニルオキシ」は、スルホニル置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(メチルスルホニルオキシ)エチルなどが挙げられる。
【0064】
「スルホニル」は、基「−SO2−R」を意味し、ここでRは、H、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキル」、ハロゲンで置換された「C1〜C6アルキル」、例えば−SO2−CF3基、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」から選択される。
【0065】
「C1〜C6アルキルスルホニル」は、スルホニル置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(メチルスルホニル)エチルなどが挙げられる。
【0066】
「スルフィニル」は、基「−S(O)−R−」を意味し、ここでRは、H、「C1〜C6アルキル」、ハロゲンで置換された「C1〜C6アルキル」、例えば−SO2−CF3基、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」から選択される。
【0067】
「C1〜C6アルキルスルフィニル」は、スルフィニル置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(メチルスルフィニル)エチルなどが挙げられる。
【0068】
「スルファニル」は、基−S−Rを意味し、ここでRとしては、H、「C1〜C6アルキル」、ハロゲンで置換されていてもよい「C1〜C6アルキル」、例えば−S−CF3基、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」が挙げられる。好適なスルファニル基としては、メチルスルファニル、エチルスルファニルなどが挙げられる。
【0069】
「C1〜C6アルキルスルファニル」は、スルファニル置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(エチルスルファニル)エチルなどが挙げられる。
【0070】
「スルフォニルアミノ」は、基−NRSO2−R’を意味し、ここでR、R’としては各々独立に、水素、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」が挙げられる。
【0071】
「C1〜C6アルキルスルホニルアミノ」は、スルホニルアミノ置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(エチルスルホニルアミノ)エチルなどが挙げられる。
【0072】
「アミノスルホニル」は、基−SO2−NRR’を意味し、ここでR、R’としては各々独立に、水素、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」が挙げられる。
【0073】
「C1〜C6アルキルアミノスルホニル」はアミノスルホニル置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、2−(シクロヘキシルアミノスルホニル)エチルなどが挙げられる。
【0074】
「置換又は非置換」:個々の置換基の定義によって限定されない限り、上記の基、例えば「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アリール」、及び「ヘテロアリール」などは、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルアリール」、「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」、「アミノ」、「アンモニウム」、「アシル」、「アシルオキシ」、「アシルアミノ」、「アミノカルボニル」、「アルコキシカルボニル」、「ウレイド」、「カルバメート」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「スルフィニル」、「スルホニル」、「アルコキシ」、「スルファニル」、「ハロゲン」、「カルボン酸」、トリハロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロなどからなる群より選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい。あるいは当該置換はまた、隣接置換基が閉環を受けて(特にビシナル官能置換基が関与する場合)、ラクタム、ラクトン、環状無水物を生成する場合も含み、また保護基を得るための閉環により生成されたアセタール、チオアセタール、アミナールの場合も含む。
【0075】
「医薬的に許容され得る塩又は複合体(Pharmaceutically acceptable salts or complexes)」は、以下で特定する式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物の塩又は複合体を意味する。かかる塩の例としては、これらに限定される訳ではないが、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物と、有機塩基又は無機塩基(例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、又はリチウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム又はマグネシウム)からなる群より選択されるような金属陽イオンの水酸化物、炭酸塩、又は重炭酸塩、アンモニア等)、又は有機1級、2級、又は3級アルキルアミンとの反応により生成される塩基付加塩が挙げられる。メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、N−Me−D−グルカミン、N,N’−ビス(フェニルメチル)−1,2−エタンジアミン、トロメタミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチルモルホリン、プロカイン、ピペリジン、ピペラジン、アルギニン、コリン、リジンなどから得られるアミン塩は、本発明の範囲内であると企図される。
【0076】
また、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)と形成される酸付加塩、並びに有機酸(酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パルミチン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、及びポリガラクツロン酸)と形成される酸付加塩も含まれる。
【0077】
「医薬活性誘導体(Pharmaceutically active derivative)」は、受容者に投与された場合に、直接又は間接的に、本明細書に開示された活性を提供し得る化合物を意味する。「間接に(indirectly)」という語は、内因性酵素又は代謝により薬物の活性型に変換されるプロドラッグをも包含する。当該プロドラッグは、それ自体が活性薬剤化合物であり、化学マスキング基である。かかるマスキング基はエステル部分(例えば式(I)の化合物のカーボネート又はヒドロキシ成分をマスキングすることにより得られる)でもよい。
【0078】
「エナンチオマー過剰」(Enantiomeric excess:ee)は、不斉合成(即ち、非ラセミ出発物質及び/又は試薬を含む合成、又は、少なくとも1つのエナンチオ選択工程を含む合成)により得られる生成物であって、それにより少なくとも一方のエナンチオマーが約52%eeのオーダーで過剰に得られる生成物を意味する。
【0079】
本明細書において「インターフェロン」又は「IFN」は、文献で定義されるような任意の分子を含む意であり、例えば上記「発明の背景」の欄に記載の任意のタイプのIFNを含んでなる。特にIFN−α、IFN−β、及びIFN−γがこの定義に含まれる。IFN−βが、本発明において好適なIFNである。本発明に係るIFN−βは、例えばRebif(登録商標)(Serono)、Avonex(登録商標)(Biogen)、又はBetaferon(登録商標)(Schering)として市販されている。
【0080】
本明細書において「インターフェロン−ベータ(IFN−ベータ又はIFN−β)」という後は、生体液から単離することにより得られるか、又は、DNA組換え技術により原核生物又は真核生物宿主細胞から得られる、繊維芽細胞インターフェロン(特にヒト起源)、並びにその塩、機能性誘導体、変種、類似体、及び活性断片を含む意である。好ましくは、IFN−ベータとはインターフェロンベータ−1aを意味している。
【0081】
本発明に適したIFN−βは、Rebif(登録商標)(Serono)、Avonex(登録商標)(Biogen)又はBetaferon(登録商標)(Schering)として市販されている。本発明ではヒト由来のインターフェロンの使用が好ましい。本明細書においてインターフェロンという語は、その塩、機能性誘導体、変種、類似体、及び活性断片を含む。
【0082】
本発明で使用される化合物は、その互変異性体、これらの幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体をも含んでなる。本発明で使用される化合物の医薬的に許容され得る塩の好適な例としては、化合物と、医薬的に許容され得る塩基(例えば、N−メチル−D−グルカミン、トロメタミン、リジン、アルギニン、コリン、ナトリウム、カリウム、又はカルシウムの炭酸塩、重炭酸塩、又は水酸化物塩等)との反応により形成される塩基付加塩である。
【0083】
本発明は、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の治療のための、Glepp−1阻害剤の使用であって、単独、又は、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の治療に活性を有する、さらなる薬剤との組合せにおける使用に関する。
【0084】
任意の自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患が本発明に含まれる。具体的な疾患としては:炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、膠原性大腸炎、リンパ球性大腸炎、便流変更性大腸炎、過敏性腸症候群、神経炎症(多発性硬化症、ギランバレー症候群、慢性炎症性多発性神経障害(CIPN)を含む)、急性呼吸窮迫症候群を含む肺疾患;骨関節炎及び慢性関節リウマチを含む関節と骨の疾患;肝繊維症、肝硬変、及び慢性肝疾患を含む肝臓疾患;ループス、糸球体硬化症、全身性硬化症、照射後繊維症、及び嚢胞性線維症を含む繊維性疾患;アテローム性動脈硬化症、心筋症、及び心筋梗塞を含む血管疾患;再狭窄;及び、筋萎縮性側策硬化症を含む中枢神経系の変性疾患、又は強皮症や乾癬を含む皮膚の炎症性疾患が挙げられる。
【0085】
一実施形態によれば、本発明の化合物は、単独で、又は自己免疫疾患の治療に有用な共薬剤と組合せて、炎症性疾患及び/又は自己免疫疾患(例えば多発性硬化症のような脱髄疾患)の治療に使用することができる。
【0086】
脱髄疾患の治療のための適切な共薬剤は、以下の化合物から選択される。
【0087】
(a)インターフェロン、例えばPEG化又は非PEG化インターフェロン、例えば皮下、筋肉内、又は経口経路により投与、好ましくはインターフェロンベータ。
【0088】
(b)グラチラマー(Glatiramer)、例えば酢酸塩型。
【0089】
(c)抗増殖性/抗新生物性を有していてもよい免疫抑制剤、例えばミトキサントロン、メソトレキセート、アザチオプリン、シクロホスファミド、又はステロイド、例えばメチルプレドニソロン、プレドニソン、又はデキサメタゾン、又はステロイド分泌物質、例えばACTH。
【0090】
(d)アデノシンデアミナーゼ阻害剤、例えばクラドリビン(Cladribine)。
VCAM−1発現の阻害剤、又はそのリガンドのアンタゴニスト、例えばα4/β1インテグリンVLA−4及び/又はアルファ−4−ベータ−7インテグリンのアンタゴニスト、例えばナタリズマブ(ANTEGREN)。
【0091】
Rebif(登録商標)(組換えインターフェロン−β)は、多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)のインターフェロン療法における最新の成果であり、治療上の大きな進歩である。Rebif(登録商標)は、哺乳動物細胞株から産生されるインターフェロン(IFN)−ベータ1aである。インターフェロンベータ−1を週に3回皮下投与すると、再発性−寛解性多発性硬化症(Relapsing-Remitting Multiple Sclerosis:RRMS)の治療に有効なことが確認された。インターフェロンベータ−1aは、再発の回数及び重症度を低減させ、疾患の苦痛及びMRIにより測定される疾患活動性を低減させることにより、MSの長期経過に対し有益な効果を発揮する。本発明の再発性−寛解性MSの治療におけるIFN−ベータの投与は、使用されるIFN−ベータのタイプに依存する。
【0092】
更なる抗炎症剤(特に多発性硬化症等の脱髄疾患用)を以下に記載する。
【0093】
更なる抗炎症剤の例として、テリフルノミド(Teriflunomide)が挙げられる。これはWO02/080897に記載されている。
【0094】
【化1】

【0095】
更に別の抗炎症剤として、EP−727,406及びWO2004/028251に記載されたフィンゴリモド(Fingolimod)が挙げられる。
【0096】
【化2】

【0097】
更に別の抗炎症剤として、WO99/55678に記載されたラキニモド(Laquinimod)が挙げられる。
【0098】
【化3】

【0099】
更に別の抗炎症剤として、WO02/28866に記載されたテンシロリマス(Tensirolimus)が挙げられる。
【0100】
【化4】

【0101】
更に別の抗炎症剤として、WO98/48802に記載されたキサリプロデン(Xaliprodene)が挙げられる。
【0102】
【化5】

【0103】
更に別の抗炎症剤として、WO03/068230に記載されたデスカル・ピルフェニドン(Deskar Pirfenidone)が挙げられる。
【0104】
【化6】

【0105】
更に別の抗炎症剤として、WO01/47920に記載された以下のベンゾチアゾール誘導体が挙げられる。
【0106】
【化7】

【0107】
更に別の抗炎症剤として、WO03/070711に記載された以下のヒドロキサム酸誘導体が挙げられる。
【0108】
【化8】

【0109】
更に別の抗炎症剤として、WO2004/043965に記載されたMLN3897が挙げられる。
【0110】
【化9】

【0111】
更に別の抗炎症剤として、WO99/67230に記載されたCDP323が挙げられる。
【0112】
【化10】

【0113】
更に別の抗炎症剤として、WO01/45698に記載されたシンバスタチン(Simvastatin)が挙げられる。
【0114】
【化11】

【0115】
更に別の抗炎症剤として、US−5540938に記載されたファンプリジン(Fampridine)が挙げられる。
【0116】
【化12】

【0117】
第1の実施形態によれば、使用されるGlepp−1阻害剤としては、式(I):
【化13】

のカルボン酸、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体である。
【0118】
式(I)の化合物及びその調製法については、WO2005/097773に記載されている。
【0119】
式(I)中の置換基A、B、D、及びR1は以下のように定義される。
【0120】
Aは、置換又は非置換C1〜C12アルキル又はC1〜C8アルキル、置換又は非置換C2〜C6アルケニル、置換又は非置換C2〜C6アルキニル、置換又は非置換C1〜C6アルキルアミン、置換又は非置換C1〜C6アルキルアルコキシ、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換C3〜C8シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換C1〜C6アルキルアリール、置換又は非置換C1〜C6アルキルヘテロアリール、置換又は非置換C2〜C6アルケニルアリール、置換又は非置換C2〜C6アルケニルヘテロアリール、置換又は非置換C2〜C6アルキニルアリール、置換又は非置換C2〜C6アルキニルヘテロアリール、置換又は非置換C1〜C6アルキルシクロアルキル、置換又は非置換C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルケニルシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルケニルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルキニルシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルキニルヘテロシクロアルキルからなる群より選択される。好適な実施形態によれば、AはC4〜C6アルキルアリール、特にn−ブチルフェニルである。
【0121】
1は、H、置換又は非置換C1〜C6アルキル、置換又は非置換C1〜C6アルコキシ、ハロゲンからなる群より選択される。具体的な実施形態によれば、R1はHである。
【0122】
Bは、以下からなる群より選択されるアミン:
【化14】

又は下記式のエーテル:
【化15】

又は以下からなる群より選択されるカルボキサミド:
【化16】

又は以下からなる群より選択されるスルホンアミド:
【化17】

又は以下からなる群より選択される尿素成分:
【化18】

である。
【0123】
ここでDは、以下のD1、D2、D3:
【化19】

(ここで、mは0、1、2から選択される整数であり、nは1又は2から選択される整数であり、R3はH又はC1〜C6アルキルである);
又はD4
【化20】

(nは0又は1から選択される整数である)
からなる群より選択される。
【0124】
但し、Rは、置換又は非置換C1〜C12アルキル又はC1〜C8アルキル、置換又は非置換C2〜C6アルケニル、置換又は非置換C2〜C6アルキニル、置換又は非置換C1〜C6アルコキシ(エーテル又はポリエーテルを含む)、置換又は非置換C1〜C6アルキルアミン、置換又は非置換C1〜C6アルキルアルコキシ、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換C3〜C8シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換C1〜C6アルキルアリール(例えば、ベンジル基)、置換又は非置換C1〜C6アルキルヘテロアリール、置換又は非置換C2〜C6アルケニルアリール、置換又は非置換C2〜C6アルケニルヘテロアリール、置換又は非置換C2〜C6アルキニルアリール、置換又は非置換C2〜C6アルキニルヘテロアリール、置換又は非置換C1〜C6アルキルシクロアルキル、置換又は非置換C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルケニルシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルケニルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルキニルシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルキニルヘテロシクロアルキルからなる群より選択される。
【0125】
R及びA中のアリール又はヘテロアリール部分は、フェニル、ナフチル、フェナントレニル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、ベンゾ(1,2,5)オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジゾリル、テトラゾリル、1,3,4−トリアジニル、1,2,3−トリアジニル、ベンゾピリミジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフリル、[2,3−ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シノリニル、ナフチリジニル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリル、プリニル、プテリジニル、キサンテニル、ベンゾキノリル、オキソラニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、2H−ベンゾ[d]1,3−ジオキソレニル、インダニル、イミダゾリジニル、1,2,4−オキサジアゾリジニル、1,2,5−オキサジアゾリジニル、1,3,4−オキサジアゾリジニル、又はイソキサゾリジニルである。
【0126】
具体的な実施形態によれば、アリール又はヘテロアリール部分は、フェニル、ピリジル、ピラゾリル、バンゾジオキソリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インダゾリルである。
【0127】
R及びA中のシクロアルキル部分としては、特にシクロペンチル又はシクロヘキシル基が挙げられる。
【0128】
更に具体的な実施形態が存するのは、式(I)のカルボン酸であって、Bが
【化21】

であるカルボン酸であり、好適な実施形態によれば、BはB1又はB2又はB3である。
【0129】
式(I)の別の具体的な実施形態によれば、Bは、B12、B16、B17、B20、又はB22である。
【0130】
更に具体的な実施形態によれば、Dは:
【化22】

の何れかである。
【0131】
更に具体的な実施形態によれば、Dは
【化23】

である。
【0132】
更に別の具体的な実施形態によればRはC4〜C6アルキル、例えばヘキシル基である。
【0133】
本発明の好適な化合物としては、式(I)の化合物であって、AがC1〜C4アルキル又はハロゲンで置換されたフェニル基であり;BがB1、B2、B3、又はB12であり;Rが置換又は非置換C4〜C6アルキル、置換又は非置換C3〜C8シクロアルキル、置換又は非置換C1〜C6アルキルシクロアルキル、例えばC3〜C8シクロアルキル(例えばシクロペンチル又はシクロプロピル部分)で置換されたメチルであり;Dが:
【化24】

である化合物が挙げられる。
【0134】
更なる具体的な実施形態は、置換基エチニル−Aが以下に示すようにパラ配置である、式(Ia)の化合物に関する。
【化25】

【0135】
具体的な一実施形態は、Aがアリール部分であり、特に置換又は非置換フェニル基である、式(Ia)のカルボン酸に存する。具体的なフェニルとしては、C1〜C8アルキル(更に好ましくはC1〜C4アルキル)、ハロゲン、又はアルコキシ基(例えばブチル、トリフルオロメチル基、又は塩素)で置換されたフェニルが挙げられる。
【0136】
更に具体的な実施形態は、置換基エチニル−Aが以下に示すようにパラ配置又はオルト配置である、式(Ib)及び(Ic)の化合物に関する。
【化26】

【0137】
式中、AはC1〜C6アルキルアリール、チアゾリルであり;Bは、B1、B3、B4、B5、B11、B14、B18であり;R及びDは上記で定義したものである。
【0138】
式(I)の具体的なGlepp−1阻害剤としては、以下からなる群より選択されるものが挙げられる。
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
4−({{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}[2−(4−クロロフェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−フェニルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(1−ナフチルメチル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−((4−tert−ブチルベンジル){4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
4−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
2−フルオロ−5−{ヘキシル[4−(フェニルエチニル)ベンジル]アミノ}安息香酸
5−[{4−[(4−クロロフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−(ヘキシル{4−[(4−メトキシフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[ヘキシル(4−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル]ベンジル}アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(シクロペンチルメチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3,3−ジメチルブチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−((シクロペンチルメチル){4−[(4−メトキシフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(エチル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−(ヘキシル{4−[(4−プロピルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ペンチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(メチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(シクロプロピルメチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−{ブチル[4−(フェニルエチニル)ベンジル]アミノ]−2−フルオロ安息香酸
2−フルオロ−5−[[4−(フェニルエチニル)ベンジル](プロピル)アミノ]安息香酸
2−フルオロ−5−[{4−[(4−フルオロフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]安息香酸
2−フルオロ−5−(ヘキシル{4−[(4−プロピルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ]安息香酸
5−{{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}[(2−カルボキシシクロプロピル)メチル]アミノ}−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−エチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−{{4−[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]フェニル}(ヘキシル)アミノ]メチル}−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(イソブチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−[(1−{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]フェニル}ペンチル)オキシ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]カルボニル}−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[(4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンゾイル}(ヘキシル)アミノ]メチル}−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{2−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル](ヘキシル)アミノ]カルボニル}−2−ヒドロキシ安息香酸
4−((3−シクロペンチルプロピル){4−[(4−フルオロフェニル)エチニル]ベンゾイル}アミノ]メチル}−2−ヒドロキシ安息香酸
4−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンゾイル}(3−シクロペンチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−フルオロフェニル)エチニル]ベンゾイル}(ヘキシル)アミノ]メチル}−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−クロロフェニル)エチニル]ベンゾイル}(ヘキシル)アミノ]メチル}−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]カルボニル}−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンゾイル}(ヘキシル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンゾイル}(ヘキシル)アミノ]メチル}−2−フルオロ安息香酸
4−[{4−[(4−クロロフェニル)エチニル]ベンゾイル}(3−シクロペンチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸。
【0139】
更に別の具体的な実施形態によれば、Glepp−1阻害剤は、式(II)のアルキニルアリールカルボキサミド(ここで式(II)は、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、又は(IId):
【化27】

の何れかである)、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体から選択される。
【0140】
式(IIa)、(IIb)、(IIc)及び(IId)の化合物、並びにその調製法については、WO2005/012280に記載されている。
【0141】
当該式において、Aは、置換又は非置換C2〜C15アルキニル、置換又は非置換C2〜C6アルキニルアリール、置換又は非置換C2〜C6アルキニルヘテロアリールである。
【0142】
Cyは、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換C3〜C8シクロアルキル、又は置換又は非置換ヘテロシクリル基である。
【0143】
Cy中の当該アリール又はヘテロアリール部分は、フェニル、ナフチル、フェナントレニル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、ベンゾ(1,2,5)オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジゾリル、テトラゾリル、1,3,4−トリアジニル、1,2,3−トリアジニル、ベンゾピリミジニル、ベンゾフリル、[2,3−ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シノリニル、ナフチリジニル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、キサンテニル、ベンゾキノリル、オキソラニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、2H−ベンゾ[d]1,3−ジオキソレニル、インダニル、イミダゾリジニル、1,2,4−オキサジアゾリジニル、1,2,5−オキサジアゾリジニル、1,3,4−オキサジアゾリジニル、又はイソキサゾリジニルである。
【0144】
一実施形態によれば、Cyは置換又は非置換フェニルである。また、ジアリール(例えば、ビフェニル)、又はジヘテロアリール、又はアリール−ヘテロアリール(例えば、フェニル−チアゾリル)、又はヘテロアリール−アリール(例えばチオゾリル−フェニル)部分も含まれる。
【0145】
nは0又は1である。
【0146】
1及びR2はそれぞれ独立に、水素、又は置換又は非置換C1〜C6アルキルからなる群より選択される。一実施形態によれば、R1及びR2は何れも水素である。
【0147】
3は、置換又は非置換C1〜C6アルキル、置換又は非置換C2〜C6アルケニル、置換又は非置換C2〜C6アルキニル、置換又は非置換C1〜C6アルコキシ、置換又は非置換C1〜C6アルキルアミン、置換又は非置換C1〜C6アルキルアルコキシ、置換又は非置換C1〜C6アルキルカルボキシ、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換C3〜C8シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、アシル部分、置換又は非置換C1〜C6アルキルアリール、置換又は非置換C1〜C6アルキルヘテロアリール、置換又は非置換C2〜C6アルケニルアリール、置換又は非置換C2〜C6アルケニルヘテロアリール、置換又は非置換C2〜C6アルキニルアリール、置換又は非置換C2〜C6アルキニルヘテロアリール、置換又は非置換C1〜C6アルキルシクロアルキル、置換又は非置換C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルケニルシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルケニルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルキニルシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルキニルヘテロシクロアルキルからなる群より選択される。
【0148】
具体的な一実施形態によれば、R1及びR2はそれぞれHであり、Cyはフェニル基であり、Aは式−C≡C−R6(ここでR6は、フェニル、C1〜C12アルキルフェニル、C2〜C6アルケニルフェニル、C2〜C6アルキニルフェニルである)である。
【0149】
具体的なGlepp−1阻害剤としては、以下からなる群より選択されるものが挙げられる。
4−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]−2−ヒドロキシ−安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(シクロヘキシルカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキサノイル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−((4−tert−ブチルベンゾイル){4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−((ビフェニル−4−イルカルボニル){4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3,3−ジメチルブタノイル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−((1,3−ベンゾジオキソール−5−イルカルボニル){4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−([(ベンジルオキシ)アセチル]{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(4−ヘキシルベンゾイル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−((l−ベンゾチエン−2−イルカルボニル){4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキサノイル)アミノ]メチル}−2−ヒドロキシ安息香酸
(4−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキサノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
8−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸
4−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]メチル}−安息香酸
5−[{4−[(4−クロロフェニル)エチニル]ベンジル}(2−チエニルアセチル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−クロロフェニル)エチニル]ベンジル}(2−チエニルアセチル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3,3−ジメチルブタノイル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
4−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(シクロヘキシルカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
4−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキサノイル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
4−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
4−[{4−[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
4−((3−シクロペンチルプロパノイル){4−[(4−プロポキシフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
4−((3−シクロペンチルプロパノイル){4−[(4−プロピルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]メチル}−2−ヒドロキシ安息香酸。
【0150】
別の実施形態によれば、Glepp−1阻害剤は式(III)のアルキニルアリールカルボキサミド(ここで式(III)は、式(IIIa)、(IIIb)、又は(IIIc):
【化28】

の何れかである)、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体から選択される。
【0151】
式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)の化合物、並びにその調製法については、WO2005/011685に記載されている。
【0152】
当該式において、Aは、式−C−NHR6であり、ここでR6は、C6〜C15アルキル、C2〜C15アルケニル、C2〜C15アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C6アルキル−C3〜C8シクロアルキル、フェニル、C1〜C12アルキルフェニル、C2〜C6アルケニルフェニル、C2〜C6アルキニルフェニルである。
【0153】
Cyは、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換アリール−ヘテロアリール、置換又は非置換ヘテロアリール−アリール、置換又は非置換アリール−アリール、置換又は非置換シクロアルキル、又は、置換又は非置換複素環基である。
【0154】
かかるアリール又はヘテロアリールとしては、フェニル、ナフチル、フェナントレニル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、ベンゾ(1,2,5)オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、テトラゾリル、1,3,4−トリアジニル、1,2,3−トリアジニル、ベンゾピリミジニル、ベンゾフリル、[2,3−ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ピラダジニル、ピリミジニル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シノリニル、ナフチリジニル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、キサンテニル、ベンゾキノリル、オキソラニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、2H−ベンゾ[d]1,3−ジオキソレニル、インダニル、イミダゾリジニル、1,2,4−オキサジアゾリジニル、1,2,5−オキサジアゾリジニル、1,3,4−オキサジアゾリジニル、又はイソキサゾリジニルが挙げられる。
【0155】
一実施形態によれば、Cyは、置換又は非置換フェニル、置換又は非置換チアゾリル、置換又は非置換フェニル−チアゾリル、置換又は非置換チアゾリル−フェニルである。
【0156】
nは0又は1である。
【0157】
1及びR2は、それぞれ独立に、水素、又は置換又は非置換C1〜C6アルキルである。一実施形態によれば、R1及びR2は何れも水素である。
【0158】
3は、置換又は非置換C1〜C6アルキル、置換又は非置換C2〜C6アルケニル、置換又は非置換C2〜C6アルキニル、置換又は非置換C1〜C6アルコキシ、置換又は非置換C1〜C6アルキルアミン、置換又は非置換C1〜C6アルキルアルコキシ、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換の飽和又は不飽和のC3〜C8シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、アシル部分、置換又は非置換C1〜C6アルキルアリール、置換又は非置換C1〜C6アルキルヘテロアリール、置換又は非置換C2〜C6アルケニルアリール、置換又は非置換C2〜C6アルケニルヘテロアリール、置換又は非置換C2〜C6アルキニルアリール、置換又は非置換C2〜C6アルキニルヘテロアリール、置換又は非置換C1〜C6アルキルシクロアルキル、置換又は非置換C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルケニルシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルケニルヘテロシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルキニルシクロアルキル、置換又は非置換C2〜C6アルキニルヘテロシクロアルキルからなる群より選択される。
【0159】
具体的な実施形態によれば、R1及びR2はそれぞれHであり、Cyは、フェニル、チアゾリル、フェニル−チアゾリル、チアゾリル−フェニルからなる群より選択され、R6は、C8〜C12アルキル、C1〜C4アルキルフェニル(これはC1〜C8アルキル又はフェノキシで置換されてよい)からなる群より選択される。
【0160】
具体的なGlepp−1阻害剤としては、以下からなる群より選択されるものが挙げられる。
5−[(3−シクロペンチルプロパノイル)(4−{[(4−フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}−ベンジル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−((4−シアノベンゾイル){[2−(4−{[(4−ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)−1,3−チアゾール−4−イル]メチル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
(4−{[{[2−(4−{[(4−ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)−1,3−チアゾール−イル]メチル}(3−フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
(4−{[[(2−{4−[(オクチルアミノ)カルボニル]フェニル}−1,3−チアゾール−4−イル)メチル](3−フェニルプロパノイル)−アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸。
【0161】
更に別の実施形態によれば、Glepp−1阻害剤は、式(IV):
【化29】

の置換メチレンアミド、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体である。
【0162】
式(IV)の化合物、及びその調製法については、WO03/064376に記載されている。
【0163】
当該式において、R1は、置換又は非置換C1〜C12アルキル、置換又は非置換C2〜C12アルケニル、置換又は非置換C1〜C12アルキニル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換C3〜C8シクロアルキル又はヘテロ−シクロアルキル、置換又は非置換C1〜C12アルキル−アリール、又は置換又は非置換C1〜C12アルキル−ヘテロアリール、置換又は非置換C2〜C12アルケニル−アリール又はヘテロアリール、置換又は非置換C2〜C12アルキニル−アリール又は−ヘテロアリールからなる群より選択される。
【0164】
2a及びR2bは、それぞれ独立に、H又は置換又は非置換C1〜C12アルキルからなる群より選択される。
【0165】
Cyは、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換シクロアルキル、又は置換又は非置換複素環基である。
【0166】
具体的な実施形態によれば、R2a及びR2bはそれぞれHであり;R1は−CA123であり(ここでA1、A2、A3は、水素、メチル、エチル、プロピル、フェニル又はチエニルであり、シアノ、ハロゲン、メトキシ、ヒドロキシ、フェノキシ、−NO2、トリフルオロメチルで置換されていてもよい);Cyは、チエニル、フェニル又はビフェニルであり、−SO23、−CO−NR33’(ここでR3’はHであり、R3はC7〜C15アルキル、特にC8〜C15アルキル、更に好ましくはドデシル基であり、これはハロゲンで置換されてよい)である。但し、A1、A2、A3のうち少なくとも2つは、水素又はメチル、エチル、プロピルではない。
【0167】
別の具体的な実施形態によれば、Glepp−1阻害剤は、式(V):
【化30】

を有する化合物、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体である。
【0168】
式(V)の化合物、及びその調製法については、WO03/064376に記載されている。
【0169】
当該式において、
1は、フェニル、ベンジル、フェネチル、1−メチルベンジル(これはC1〜C6アルキル基又はシクロアルキル基で置換されてよい)からなる群より選択され;
Cyは、NH−CO−R3、−CO−NH−R3、R3で置換されたオキサジアゾール基(ここでR3は、C7〜C15アルキル、特にC8〜C15アルキル、更に好ましくはドデシル基である)からなる群より選択される部分で置換されたフェニル又はビフェニル基である。
【0170】
式(IV)及び(V)のGlepp−阻害剤の具体例としては、以下からなる群より選択されるものが挙げられる。
{{4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}−(オキソ)酢酸
(ベンジル{4−[(ペンタデシルアミノ)カルボニル]ベンジル}アミノ)(オキソ)酢酸
({[1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジニル]メチル}{4−[(ドデシルアミノ)カルボニル]ベンジル}−アミノ)(オキソ)酢酸
オキソ{{4−[(9E)−9−テトラデセノイルアミノ]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}酢酸
オキソ{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル][4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
オキソ{(4−テトラデシ−1−ニルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}酢酸
{(4−ドデシ−1−ニルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ{{1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}[4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
([(2−ブチル−1−ベンゾフラン−3−イル)メチル]{4−[(ドデシルアミノ)カルボニル]ベンジル}アミノ)−(オキソ)酢酸
{(4−{[(4−オクチルフェニル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)−酢酸
{{シクロペンチル[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}[4−(トリデカノイルアミノ)ベンジル]アミノ}−(オキソ)酢酸
オキソ([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]{[4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−ナフチル]メチル}−アミノ)酢酸
{{シクロペンチル[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}[4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
([2−(3−クロロフェニル)エチル]{4−[(1Z)−デセ−1−ニル]ベンジル}アミノ)(オキソ)酢酸
{[2−(3−クロロフェニル)エチル][4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ{{(1R)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}[4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
オキソ{[4−(トリフルオロメチル)フェニル][4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
オキソ{{(1S)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}[4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
((4−デシ−1−ニルベンジル){1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}アミノ)(オキソ)酢酸
{{1−メチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}[4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{[4−(ドデシルオキシ)−1−ナフチル]メチル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
((4−デシ−1−ニルベンジル){1−メチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}アミノ)(オキソ)酢酸
{(4−デシ−1−ニルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル][3−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
{(4−ドデシルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{(3,5−ジクロロベンジル)[4−(トリデカノイルアミノ)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{4−[(4−オクチルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル][4−(5−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
{{4−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{(4−{[4−(ヘプチルオキシ)フェニル]エチニル}ベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
[[2−(3−クロロフェニル)エチル](4−ドデシ−1−ニルベンジル)アミノ](オキソ)酢酸
{(4−{[4−(ベンジルオキシ)フェニル]エチニル}ベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{4−[2−(4−ヘキシルフェニル)エチル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{4−[2−(4−ヘキシルフェニル)エチル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{[4−(11−ヒドロキシウンデシル)ベンジル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{(4−ドデシ−1−ニルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{4−[(4−オクチルベンゾイル)アミノ]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{[(3−デシ−1−ニル−1−ベンゾフラン−5−イル)メチル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{[(3−ドデシ−1−ニル−1−ベンゾフラン−5−イル)メチル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ{({3−[(4−プロピルフェニル)エチニル]−1−ベンゾフラン−5−イル}メチル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}酢酸
[(4−ドデシ−1−ニルベンジル)(4−フルオロベンジル)アミノ](オキソ)酢酸
[ビス(4−オクチ−1−ニルベンジル)アミノ](オキソ)酢酸
{[(6−ドデシ−1−ニルピリジン−3−イル)メチル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{[(4−ドデシ−1−ニル−1−ナフチル)メチル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
([1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル]{4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)(オキソ)酢酸
オキソ{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル][4−(4−ウンデシル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
({4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}{1−メチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}アミノ)−(オキソ)酢酸
{[4−(5−シクロヘキシルペンチ−1−ニル)ベンジル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{3−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{(4−デシ−1−ニルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸。
【0171】
WO03/064376に特に開示されていない、更なるGlepp−1阻害剤としては、以下のものが挙げられる。
{(4−ドデ−1−シ−1−ニルフェニル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
((3−クロロベンジル){4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)(オキソ)酢酸
{{4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
((4−クロロベンジル){4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)(オキソ)酢酸
{{2−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{[4−(11−フルオロウンデ−1−シ−1−ニル)ベンジル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{(4−ノ−1−ニ−1−ニルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
({4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}{1−メチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−エチル}アミノ)(オキソ)酢酸
[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ジフェニルメチル)アミノ](オキソ)酢酸
{{4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]フェニル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ{{4−[(4−ペンチルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}酢酸
{{4−[(4−ヘプチルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
5−[(カルボキシカルボニル)(4−デ−1−シ−1−ニルベンジル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸。
【0172】
更に別のGlepp−1阻害剤としては、式(VI):
【化31】

の化合物、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体から選択される。
【0173】
式(VI)の化合物、及びその調製法については、WO02/102359に記載されている。
【0174】
当該式(VI)において:R2は、非置換又は置換フェニル(これはアリール又はヘテロアリールと縮合している)であるか、又はR2は、非置換又は置換チエニル又は非置換又は置換フラニルであり、R3は、ヨード又は非置換又は置換フェニルであり、nは0〜4の整数、好ましくは1である。
【0175】
更に別のGlepp−1阻害剤としては、式(VII):
【化32】

の化合物、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体から選択される。
【0176】
式(VII)の化合物、及びその調製法については、WO03/037328に記載されている。
【0177】
当該式(VII)において、m’は0、1、又は2であり、pは1〜3の整数である。
【0178】
Aは、O又は結合であり、Bは、置換又は非置換アリーレン、置換又は非置換ヘテロアリーレン、置換又は非置換ヘテロシクロアルキレン、又は置換又は非置換シクロアルキレンからなる群より選択され、更にBは置換又は非置換フェニル基である。
【0179】
8は、H、ハロゲン、ヒドロキシ、アシル、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、非置換又は置換C1〜C6アルキル、非置換又は置換C2〜C6アルケニル、非置換又は置換C2〜C6アルキニル、非置換又は置換C1〜C6アルキルカルボキシ、非置換又は置換C1〜C6アルキルアシル、非置換又は置換C1〜C6アルキルアルコキシカルボニル、非置換又は置換C1〜C6アルキルアミノカルボニル、非置換又は置換C1〜C6アルキルアシルオキシ、アシルアミノ、非置換又は置換C1〜C6アルキルアシルアミノ、ウレイド、非置換又は置換C1〜C6アルキルウレイド、非置換又は置換C1〜C6アルキルカルバメート、非置換又は置換C1〜C6アルキルアミノ、C1〜C6アルコキシ、非置換又は置換C1〜C6アルキルアルコキシ、スルファニル、非置換又は置換C1〜C6アルキルスルファニル、スルフィニル、非置換又は置換C1〜C6アルキルスルフィニル、スルホニル、スルホニルアミノ、非置換又は置換C1〜C6アルキルスルホニル、非置換又は置換C1〜C6アルキルスルホニルアミノアリール、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、非置換又は置換C3〜C8シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、非置換又は置換C1〜C6アルキルアリール、非置換又は置換C1〜C6アルキルヘテロアリール、非置換又は置換C2〜C6アルケニル−アリール又は−ヘテロアリール、非置換又は置換C2〜C6アルキニルアリール又は−ヘテロアリールからなる群より選択される。
【0180】
本発明の更なる態様は、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の治療のためのGlepp−1阻害剤の使用である。
【0181】
本発明の更に別の態様は、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の治療のためのGlepp−1阻害剤に存する。
【0182】
Glepp阻害剤は、後述の方法(Glepp−1結合アッセイ(インビトロアッセイ))により同定することができる。
【0183】
本発明のGlepp−1阻害剤は、医薬として使用される場合、一般的には医薬組成物の形で投与される。よって、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、及び(VII)の化合物と、医薬的に許容され得る担体、希釈剤、又は賦形剤とを含んでなる医薬組成物も、本発明の範囲内である。当業者であれば、医薬組成物を調製するのに適したこのような担体、希釈剤、又は賦形剤として、多種多様なものを知っているであろう。
【0184】
かかる組成物は、医薬分野で公知の方法により調製することができ、少なくとも1つの活性化合物を含んでなる。一般的に、本発明の化合物は、医薬的に有効な量で投与される。実際に投与される化合物の量は、通常は医師により、関連する状況(治療される症状、選択される投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、及び応答、患者の症状の重症度など)を考慮して決定されるであろう。
【0185】
本発明の化合物は、一般に使用される補助剤、担体、希釈剤、又は賦形剤とともに、医薬組成物及びその単位用量の形態とした上で、かかる形態のまま固体として(例えば錠剤又は充填カプセルとして)、或いは液体として(例えば液剤、懸濁剤、エマルジョン、エリキシル剤、又はこれを充填されたカプセルとして)、何れも経口投与することができ、或いは無菌注射溶液の形態として、非経口投与(皮下使用を含む)することもできる。かかる医薬組成物及びその単位用量剤型は、成分を従来の比率で含有していればよく、追加の活性化合物や主成分を含んでいてもいなくてもよい。また、かかる単位用量剤型は、使用される1日の用量範囲に応じて、適切な有効量の活性成分を任意に含有し得る。
【0186】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、及び鼻内等、種々の経路により投与することができる。経口投与用の組成物は、バルクの液剤又は懸濁剤、又はバルク粉末の形態としてもよい。しかし、正確な投与が容易に実施できるように、組成物は単位用量剤型で提供するのがより一般的である。「単位用量剤型(unit dosage form)」という語は、ヒト被験者や他の哺乳動物への単位投与に適した、物理的に分離した単位を意味し、各単位は所望の治療効果を示すように計算された所定量の活性物質を含有する。一般的な単位用量剤型としては、液体組成物を充填及び計量済みのアンプル又はシリンジや、固体組成物の場合には丸剤、錠剤、カプセル剤などが挙げられる。そのような組成物中において、本発明のカルボン酸は通常は少量の成分(約0.1〜約50重量%、又は好ましくは約1〜約40重量%)であり、残りはビヒクル又は担体、及び所望の投与剤型の形成を補助する処理補助剤である。
【0187】
経口投与に適した液体剤型としては、適切な緩衝液を含む水性又は非水性のビヒクル、懸濁剤及び調剤剤、着色剤、香味剤などが挙げられる。固体剤型には、例えば以下の任意の成分、又は同様の性質の化合物;結合剤、例えば微結晶セルロース、トラガカントゴム又はゼラチン;賦形剤、例えばデンプン又は乳糖、崩壊剤、例えばアルギン酸、プリモデル(Primogel)、又はコーンスターチ;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム;流動促進剤、例えばコロイド二酸化ケイ素;甘味剤、例えばショ糖又はサッカリン;又は香味剤、例えばペパーミント、サリチル酸メチル、又はオレンジ色風味がある。
【0188】
注射組成物は通常、注射用無菌食塩水又はリン酸緩衝化生理食塩水、又は当該分野で公知の他の注射用担体を主成分とする。上述したように、そのような組成物中の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物は、通常は少量成分であり、多くの場合は0.05〜10重量%の範囲であって、残りは注射用担体などである。
【0189】
上述の経口投与用又は注射用組成物の成分は、代表的なものに過ぎない。別の物質や加工法については、Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th Edition, 2000, Marck Publishing Company, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。本文献は援用により本明細書に組み込まれる。
【0190】
また、本発明の化合物は持続放出剤型として、或いは持続放出薬剤送達システムから投与することもできる。代表的な持続放出物質についても、Remington's Pharmaceutical Sciences の援用内容に記載されている。
【実施例】
【0191】
実施例1:生物学的アッセイ
Glepp−1阻害剤の同定を可能にするアッセイを以下に示す。また、Glepp−1阻害剤の抗炎症作用を示すアッセイの例も示す。
【0192】
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)の化合物を、以下のアッセイに供すればよい。
【0193】
(1)Glepp−1結合アッセイ(インビトロ)
(2)インビトロアッセイ:細胞機能的効果。THP−1細胞に対するMCP−1誘導化学走化性の作用。
(3)チオグリコール酸によるリンパ球動員(炎症のインビボモデル)
(4)マウスのコラーゲン誘導性関節炎(Collagen induced arthritis:CIA)(炎症のインビボモデル)
(5)接触過敏症(Contact hypersensitivity:CHSは皮膚炎症のT細胞性モデルである)
(6)EAE(MSのインビボモデル)
(7)潰瘍性大腸炎
【0194】
(1)Glepp−1結合アッセイ(インビトロ)
試験化合物のPTP阻害活性の測定のためのアッセイは、当業者に公知である。かかるアッセイの例を以下に記載する。
【0195】
PTP酵素アッセイは、試験化合物の存在下におけるGlepp−1の阻害の程度を測定することを目的とする。この阻害はIC50値で示され、これは以下の濃度のGlepp−1基質DiFMUPを使用してGlepp−1の50%阻害を達成するのに必要な試験化合物の濃度を示す。
− Glepp−1用30μM DiFMUP
【0196】
a)PTPクローニング
Glepp−1の触媒ドメインのクローニング及び発現は、S. Waechli et al.: J. Biol. Chem. 2000, 275(13), pp 9792-9796 の記載に従って行なえばよい。
【0197】
b)材料と方法
DiFMUPアッセイは、Glepp−1により仲介される、DiFMUP(6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリルリン酸)(これはGlepp−1の基質である)から、その安定な加水分解生成物、すなわちDiFMU(6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリン)への脱リン酸化を追跡することを可能にする。DiFMUPは若干pKaが低く、且つ量子収率が高いので、DiFMUPによって酸性及びアルカリ性の双方のホスファターゼ活性を高感度に測定することが可能となる。
【0198】
測定は96ウェルプレートフォーマット中で、酵素としてヒト組換えGlepp−1を用い、基質として6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリルリン酸(DiFMUP、分子プローブ、D−6567)を用いて行なった。試験対象となる化合物を、2mMの濃度となるように100%DMSOに溶解した。次に60%DMSOを用いて、試験化合物の段階希釈(濃度100、30、10、3、1、0.3、0.1、0.03、0.01、0.001μMを得る)を手作業で行なった。8μlの希釈化合物又はビヒクル(60%DMSO=対照)をブラックCostar96ウェルプレートに入れた。アッセイ緩衝液(20mM トリス塩酸、pH7.5、0.01% IGEPAL CA−630、0.1mM エチレンジアミン四酢酸、1mM ジチオスレイトール)で希釈した42μlのヒト組換えGlepp−1酵素を、任意により化合物又はビヒクルの希釈物に加え(ブラックCostar96ウェルプレートに入れた)、次にアッセイ緩衝液で希釈した50μlのDiFMUPを入れた。室温で30分間反応させた後、蛍光強度(積分又は強度)をPerkin-Elmer Victor2 分光蛍光光度計(6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシクマリンの励起は355nmで、460nmの発光は0.1秒)で読んだ。阻害パーセントは、試験化合物(PTP阻害剤)の不在下の、すなわち溶媒単独(5%DMSO)での相対的蛍光を測定することにより求められる。阻害のIC50は三重の実験で決定した。
【0199】
式(I)の試験化合物はGlepp−1に関して、好ましくは20μM未満、更に好ましくは5μM未満の阻害(IC50値で示す)を示す。
【0200】
【表1】

【0201】
(2)インビトロアッセイ:細胞機能作用、インビトロ化学走化性
本測定は以下のように行なった。無血清培地中でTHP1細胞を3時間飢餓状態にした後、0.5%BSA含有培地中、107細胞/mlと、表記の阻害剤とを含む液を調製した。上方チャンバー(5μm孔径トランスウェルプレート、COSTAR、ニューヨーク)には100μlの細胞を入れ、下側チャンバーには、600μlのMCP−1/CCL2を含有し、且つ試験化合物が不在又は存在する培地を入れた。5%CO2下、37℃で3時間インキュベートした後、膜を通過した細胞を集め、Beckman Coulter(登録商標)AcT 5diffTMで計測した。
【0202】
試験化合物({{4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)−ベンジル]アミノ}−(オキソ)酢酸、5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸、5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]カルボニル}−2−ヒドロキシ安息香酸)は、EC50が1〜15μMでリンパ球の化学走化性を阻止する。
【0203】
ヒト単球を用いたインビトロ化学走化性:
【0204】
測定は以下のように行なった。
材料:
・培地(フェノールレッド非含有RPMI1640)、L−グルタミン、0.3%DMSO、及び2%胎児牛血清を含有。
・96ウェルフィルタープレート(Neuro Probe Inc., ChemoTX #101-5)、孔径5ミクロン。
・96ウェルフィルタープレート(Neuro Probe Inc., FP1)。
・ブラック96ウェルリーダープレート(Costar#3915)。
・ケモカイン(MCP-1, R & D Systems)、1マイクロモルで使用。
・CyQUANT細胞増殖アッセイキット(CyQUANT Cell Proliferation Assay Kit, Molecular Probe Inc. #C7026)。
・MACSソーティングによる単球調製用バッファーコート。
・autoMACS(登録商標)精製キット(MiltenyiBiotec #130-091-153)。
【0205】
方法:
・「無傷(untouched)」単球調製用autoMACS(登録商標)磁気細胞ソーティングを用い、単一のバッファーコートから陰性枯渇(negative depletion)により単球を調製。
・単球(1×106細胞/ml)を、選択した最終濃度の試験化合物とともに37℃で20分間インキュベート。
・化学走化性プレートを調製:化学走化性ウェルの下側チャンバーにケモカインを添加(この際、プレートカバー内で片側にフィルターを置いて、フィルターへの接触を避けることが好ましい)。
【0206】
・ケモカインを有する化学走化性ウェルの下側チャンバーに適宜、試験化合物を添加(注意:化学走化の間は上方チャンバーと下側チャンバーの両方に化合物が存在する)。
・気泡を発生させないように注意しながら、プレートフィルター上に単球を配置(総量20μlで20,000細胞/ウェル)。フタを戻す。
・37℃で2時間インキュベート。
・インキュベーターから注意深くプレートを取り出し、フタを取る。フィルターを10mlのPBSで洗浄して、遊走しなかった細胞を除去。これは10mlのピペットを使用し、プレートを45°傾斜させて行なう。フィルター自体に接触させることなく、金属の境界にピペットチップを軽くタップし、PBSをフィルター上に流す。
【0207】
・漏斗アセンブリーを用い、更には2000rpmで2分間遠心分離して、遊走細胞を移動プレートからブラックリーダープレートに移送。
・プレート上に接着プレートを置いて、−80℃で一晩放置。
・翌日、プレートの霜を除去し、CyQUANTを添加。
・プレートをWallac Victor Fluorescent Counter(480nmで励起、520nmで発光)で読み取る。
【0208】
(3)チオグリコール酸によるリンパ球動員(炎症のインビボモデル)
以下のアッセイは、マウスのチオグリコール酸(即ち抗炎症剤)刺激によるリンパ球動員モデルにおける、Glepp−1阻害剤の抗炎症作用を測定することを目的とする。
【0209】
このアッセイは以下のように行なった:
全部で6匹のC*Hマウス(約8〜9週齢のBreeding Janvier;IFFACREDO, l'Abreste, フランスから入手)を使用した。それぞれ6匹の動物からなる2群を作製した:
【0210】
・第1群:動物に30mg/kg用量のデキサメタゾンを(経口)投与(陽性対照)。
・第2群:動物にビヒクル中可溶化Glepp−1阻害剤30mg/kg用量を(経口)投与。
・第3群:陰性対照(ビヒクル)。
・第4群:シャム又はベースライン:動物にGLEPPのビヒクル及び食塩水を投与(チオグリコールの「ビヒクル」)。
【0211】
実験プロトコール:
8〜9週齢のメスのC3Hマウスを18時間絶食させた。チオグリコール酸(1.5%、40ml/kg)の腹腔内注射の15分前に、マウスにGlepp−1阻害剤を経口投与した。対照マウスにはCMC/ツイーン(Tween)をビヒクル(10mg/kg)として投与した。その後マウスをCO2吸入により屠殺し、腹腔を5mlの氷冷PBS/1mM EDTAで2回洗浄した。それぞれ好中球又はマクロファージ動員を評価するために、チオグリコール酸抗原刺激後4時間又は48時間に胃洗浄を行なった。白血球(好中球、リンパ球、又はマクロファージ)をBeckman Coulter(登録商標)AC5diff(登録商標)を用いて計測した。基準薬剤としてはデキサメタゾンを使用した。
【0212】
【表2】

【0213】
(4)マウスのコラーゲン誘導性関節炎(CIA)(炎症のインビボモデル)
以下のアッセイは、マウスのコラーゲン誘導性関節炎モデルにおけるGlepp−1阻害剤のインビボの抗炎症作用を測定することを目的とする。
このアッセイは以下のように行なった。
【0214】
ある特定のげっ歯動物系統においては、同種又は異種(ウシ、ニワトリ)II型コラーゲン(CII)をアジュバント油状物と混合して二回注射することにより、慢性多発関節炎の誘導を誘発することができる(1−3)。コラーゲン誘導性関節炎(CIA)は、慢性関節リウマチの有効な動物モデルであると考えられている。このモデルでは、ラット又はマウスへのアジュバント中の同種又は異種II型コラーゲン(CII)の皮内注射により、慢性末梢関節炎が誘発される。げっ歯動物では、CIAに対する感受性は、主にMHC遺伝子により制御されることが証明されている。CIAはT細胞活性化に依存することを示す証拠が蓄積している。例えば、免疫マウスでのマウスCIIに対するT細胞増殖応答、免疫脾臓細胞による疾患の養子導入の成功、病態の誘導に対する無胸腺ヌードマウスの耐性等が挙げられる(1−2)。
【0215】
動物:マウス;系統:DBA/1j(Charles River, Calco, イタリア);性:オス;年齢:8〜9週。
馴化:実験が行なわれる実験室動物舎で少なくとも5日間。
収容と食餌:マウスは標準的実験室条件(非特定病原体未感染)に置かれ、食物と水は自由に与える。
【0216】
CIAの誘導:
マウスII型CIAの誘導は、別の箇所に記載の方法で行なえばよい(4−5)。デキサメタゾンや特異的TNF−アルファ阻害剤のような陽性対照薬剤は、ニワトリ及びウシII型C誘導性関節炎に同等に有効である。簡単に説明すると、ニワトリCIIを0.01M酢酸に2mg/mlの濃度となるよう、4℃で一晩攪拌して溶解させる。結核菌(Mycobacterium tuberculosis)H37Ra(Difco, Detroit, MI)を5mg/mlの濃度で加えてCFAを調製する。注射の前に、CIIを等量のCFAで乳化する。
【0217】
CIAを誘導するために、マウスの尾の基部に100μgのCIIを含有する100μlのエマルジョンを皮内注射する。21日目に、CFA中のCIIの2回目の注射を行う。
【0218】
治療法
試験の治療部としては、≧1の臨床スコアを示す動物からなる、5群のマウスを作製し、これを以下のように10日間処置する。
第1群:試験化合物15mg/kgを経口で1日2回。
第2群:試験化合物30mg/kgを経口で1日2回。
第3群:試験化合物45mg/kgを経口で1日2回。
第4群:ビヒクル(0.5%MethocelA4M/0.25%tween-20水溶液)。
第5群:デキサメタゾン、陽性対照群として0.3mg/kg。
各群は10匹のマウスからなる。処置の最終日に動物を屠殺する。
【0219】
CIAの臨床評価:肉眼によるスコア化システムにより、マウスを関節炎について毎日評価する(3−4):0=関節炎の兆候無し;1=足又は単指の腫脹及び/又は発赤;2=2つの関節が関与;3=3つ以上の関節が関与;4=足及び指全体の重篤な関節炎。個々の足のスコアを合計して、関節炎指数が計算される。
【0220】
臨床的重症度は、足の容積の変化を定量することにより測定される。プレチスモメトリを使用して両後肢の容積を定量する。
【0221】
関節炎傷害の評価:免疫の28日後にマウスを屠殺する。心臓穿刺により血液を採取し、足と膝を取り出し、10%ホルマリンに固定し、マウスの治療処方を知らない観察者が組織学的検査を行なう。組織学的変化の検査は、ホルマリン固定した足と膝の顕微鏡観察により行なう。足は毛を刈って脱灰溶液に24時間漬け、パラフィン包埋し、5ミクロン切片とし、ヘマトキシリンとエオシンで染色し、光学顕微鏡を用いて調べる(4−5)。
【0222】
関節軟骨の侵食の組織学的評価は、後述のサフラニン染色による評価と同じ基準を使用して、エオシンヘマトキシリン染色により行なう。
【0223】
関節軟骨の侵食:この評価は数値スコアに基づき、病変の重症度及び範囲に応じて大きくなる。これらの数値は切片全体の全体評価を意味する。
【0224】
0=侵食無し;関節軟骨は無傷。
1〜2=関節軟骨の侵食が局所的に存在。
3=関節軟骨の侵食がより拡大。
4=関節軟骨の広範且つ大規模な破壊。
【0225】
組織学的パラメータは、予防処置マウスの全ての群で測定される。
【0226】
血液サンプリング
臨床観察期間中に改善の所見が見られた場合は、最後の処置の2時間後に、処置群の各動物から(屠殺前に)血液試料を採取する。
【0227】
(5)接触過敏症(CHSは皮膚炎症のT細胞性モデルである)
以下のアッセイは、マウスの皮膚炎症モデルにおけるGlepp−1阻害剤のインビボの抗炎症作用を測定することを目的とする。
【0228】
このアッセイは以下のように行なった:
材料:
・8週齢〜12週齢のメスBalb/Cマウス。
・溶媒:アセトン/オリーブ油混合物(4:1)。
・ハプテン:DNFB(ジニトロフルオロベンゼン、Sigma #D1529)。
・感作溶液:溶媒中0.5%DNFB、新たに調製。
・抗原刺激溶液:溶媒中0.2%DNFB、新たに調製。
・ノギス(Mitutoyo, Urdorf, Switzerland)。
・イソフルラン
【0229】
方法
0日目:CHSの感作:
CHSを誘導するために、72匹のマウスの群の毛を剃った背中に35μlのアセトニトリル/オリーブ油(4:1)中の0.5%DNFBを塗布した。6匹のマウスを陰性対照(未感作動物)とした。
【0230】
5日目:CHSの誘発:
感作動物及び未感作対照動物に対して+5日目に、10μlのアセトニトリル/オリーブ油(4:1)中の0.2%DNFBを右耳の両側に塗布して抗原刺激(CH)した。対照として左耳に、同量のハプテンビヒクルを塗布した。
1.n=12、蒸留水中0.5%Methocel A4M/0.25%Tween-20を経口投与し、1時間後にCH。
2.n=12、1mg/kgの試験化合物を経口投与し、1時間後にCH。
3.n=12、3mg/kgの試験化合物を経口投与し、1時間後にCH。
4.n=12、10mg/kgの試験化合物を経口投与し、1時間後にCH。
5.n=12、30g/kgの試験化合物を経口投与し、1時間後にCH。
6.n=12、1mg/kgのメソトレキセートを皮下投与し、1時間後にCH。
右耳の一部を切除し、ホルマリン固定し、一部を液体窒素で固定した(サイトカイン測定用)。
【0231】
6日目:耳の腫脹の評価(基準読み取り:basic read out)
両耳の厚さを各3つの点で測定し、耳の腫脹を以下の式により評価した:
[(Tn−T5)右耳]−[(Tn−T5)左耳]
(式中、Tn及びT5はそれぞれ、試験n日目及び抗原刺激前5日目における耳の平均厚さの値である)。
【0232】
(6)EAE(MSのインビボモデル)
以下のアッセイは、EAEモデルにおけるGlepp−1阻害剤のインビボの抗炎症作用を測定することを目的とする。
このアッセイは以下のように行なった:
【0233】
慢性EAE(実験的自己免疫脳脊髄炎)に対するGlepp阻害剤の予防的処置の効果
材料
マウス:C57BL/6NコロニーはCharles River Italia(Calco, Lecco, Italy)から提供された。
馴化有り:試験を開始する前少なくとも5日間。この期間に毎日、動物の試験に対する適合性を観察する。
約8週齢;18〜22g。
【0234】
収容:
− 空調された部屋で10匹の動物/ケージ。
− 温度:22℃±2。
− 相対湿度:55%±10。
− 空気の交換:HEPA99.99%で約15〜20回/時間の濾過。
− 光:12時間サイクル(7a.m.〜7p.m.)。
− ケージ:Makrolon(登録商標)ケージ、42.5×26.6×15h、それぞれステンレス鋼のカバーの付いたラックを有する。ケージの底にグリルを挿入する。グリルを通してケージの底に落ちる廃棄物を定期的に廃棄する。
【0235】
実験計画
試験には各13匹の動物からなる5群を使用する。すべての群を以下の処理に割り当てる。
【0236】
【表3】

【0237】
ビヒクル:Methocel4C/Tween(0.25%)水溶液を用いて、試験化合物(Glepp阻害剤)を希釈し、適切な濃度にする。
投与経路:3、10、及び30mg/kgの用量の試験化合物(Glepp阻害剤)を、10mL/kgの量で経口投与する。第1群には、ビヒクル(Methocel4C/Tween(0.25%))を10mL/kgの量で経口投与する。
治療的処置は免疫の7日後に開始し、21日間継続する。
【0238】
臨床観察:
免疫の7日後から開始して、個々のマウスにおける麻痺の存在を、以下の臨床スコアに基づいて評価する。
0=疾患の兆候無し。
0.5=部分的な尾の麻痺。
1=尾の麻痺。
1.5=尾の麻痺+片後肢の部分的麻痺。
2=尾の麻痺+後肢の衰弱又は後肢の部分的麻痺。
2.5=尾の麻痺+後肢の部分的麻痺(骨盤低下)。
3=尾の麻痺+後肢の完全な麻痺。
3.5=尾の麻痺+後肢の完全な麻痺+失禁。
4=尾の麻痺+後肢の麻痺+前肢の衰弱又は部分的麻痺。
5=瀕死又は死亡。
【0239】
(7)マウスのデキストラン硫酸ナトリウム誘導性潰瘍性大腸炎
この測定は以下のように行なった:
飲料水を通じてデキストラン硫酸ナトリウム(DSS、4%)によりメスのマウス(Balb/c、20〜22g、Elevage Janvier)を投与し、潰瘍性大腸炎(UC)を誘導した。7日間に亘って、マウスにDSSを自由摂取させた。体重を毎日測定した。UCの重症度は、便の粘度(0=硬い、1=緩い、2=下痢)と血液の存在(0=血液無し、1=潜血、2=著しい直腸の出血)を推定する臨床スコア(範囲0〜4)により評価した。疾患誘導の7日後に、動物を屠殺した。大腸の長さと重量を測定し、重量/長さ/100g体重の比率を計算した。脾臓重量も測定した。
【0240】
本発明の化合物(10、30、及び100mg/kg、経口)を、0.5%メトセル/0.25%Tween-20に懸濁し、UC誘導の3、4、5、及び6日後に1日2回投与した。基準化合物としてはスフファサラジン(200mg/kg、経口)を使用した。
【0241】
結果
体重/長さ比による推定では、5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸(10,30及び100mg/kg、経口)によって、大腸の縮小が有意に防止された(それぞれ、−22%*,−28%**、及び−35%***)。
【0242】
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸をそれぞれ30及び100mg/kgの用量で経口投与すると、脾腫が有意に低下(−31%*と−65%***)し、臨床スコアが改善した(−29%〜−54%、及び−21%〜−54%)。
【0243】
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]−ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸(10、30及び100mg/kg、経口)によっても、体重の減少が防止された。
【0244】
体重/長さ比による推定では、5−{[{2−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]カルボニル}−2−ヒドロキシ安息香酸(10及び30mg/kg、経口)によって、大腸の縮小が有意に防止された(それぞれ−47%***及び−50%***)。
【0245】
5−{[{2−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]カルボニル}−2−ヒドロキシ安息香酸を、それぞれ10及び30mg/kgの用量で経口投与すると、脾腫が有意に低下(−25%*と−45%**)し、臨床スコアが改善した(−9%〜−29%、及び−14%〜−29%)。
【0246】
5−{[{2−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]カルボニル}−2−ヒドロキシ安息香酸(10及び30mg/kg、経口)によっても、体重減少が防止された。
【0247】
*:p<0.05,**:p<0.01,***:p<0.001(薬剤処理群対ビヒクル処理群)。
【0248】
文献リスト
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− WO02/102359
− WO03/037328
− WO2005/011685
− WO2005/012280
− WO2005/09773
− WO03/064376

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の治療用薬剤の製造のためのGlepp−1阻害剤の使用。
【請求項2】
疾患が、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、膠原性大腸炎、リンパ球性大腸炎、便流変更性大腸炎、過敏性腸症候群、神経炎症(多発性硬化症、ギランバレー症候群、慢性炎症性多発性神経障害(CIPN)を含む)、急性呼吸窮迫症候群を含む肺疾患;骨関節炎及び慢性関節リウマチを含む関節と骨の疾患;肝繊維症、肝硬変、及び慢性肝疾患を含む肝臓疾患;ループス、糸球体硬化症、全身性硬化症、照射後繊維症、及び嚢胞性線維症を含む繊維性疾患;アテローム性動脈硬化症、心筋症、及び心筋梗塞を含む血管疾患;再狭窄;並びに、筋萎縮性側策硬化症を含む中枢神経系の変性疾患、又は強皮症や乾癬を含む皮膚の炎症性疾患からなる群より選択される、請求項1記載の使用。
【請求項3】
Glepp−1阻害剤が、式(I):
【化1】

のカルボン酸、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体であり、ここで
Aは、C1〜C12アルキル又はC1〜C8アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6 アルキニル、C1〜C6アルキルアミン、C1〜C6アルキルアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和C3〜C8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜C6アルキルアリール、C1〜C6アルキルヘテロアリール、C2〜C6アルケニルアリール、C2〜C6アルケニル ヘテロアリール、C2〜C6アルキニルアリール、C2〜C6アルキニルヘテロアリール、C1〜C6アルキルシクロアルキル、C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル、C2〜C6アルケニルシクロアルキル、C2〜C6アルケニルヘテロシクロアルキル、C2〜C6アルキニルシクロアルキル、C2〜C6アルキニルヘテロシクロアルキルからなる群より選択され;
1はH、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲンからなる群より選択され;
Bは:
【化2】

からなる群より選択され、
Dは、D1、D2、D3:
【化3】

(ここで、mは0、1、又は2から選択される整数であり、nは1又は2から選択される整数であり、R3はH又はC1〜C6アルキルである);又はD4:
【化4】

からなる群より選択され、
Rは、C1〜C12アルキル又はC1〜C8アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルアミン、C1〜C6アルキルアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和C3〜C8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜C6アルキルアリール、C1〜C6アルキルヘテロアリール、C2〜C6アルケニルアリール、C2〜C6アルケニルヘテロアリール、C2〜C6アルキニルアリール、C2〜C6アルキニルヘテロアリール、C1〜C6アルキルシクロアルキル、C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル、C2〜C6アルケニルシクロアルキル、C2〜C6アルケニルヘテロシクロアルキル、C2〜C6アルキニルシクロアルキル、C2〜C6アルキニルヘテロシクロアルキルからなる群より選択される、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
Glepp−1阻害剤が、式(Ia):
【化5】

(式中、A、B、及びDは請求項3で定義したものである)のカルボン酸である、請求項3記載の使用:
【請求項5】
AがC1〜C6アルキルアリール、特にn−ブチルフェニルである、請求項3又は4に記載の使用。
【請求項6】
Bが、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B12、B16、B17、B20、又はB22であり、特にB1、B2、又はB3である、請求項3〜5の何れか一項に記載の使用。
【請求項7】
RがC4〜C6アルキルである、請求項3〜6の何れか一項に記載の使用。
【請求項8】
Aが、C1〜C4アルキル又はハロゲンで置換されたフェニル基であり;Bが、B1、B2、B3、又はB12であり;Rが、C4〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル、又はC1〜C6アルキルシクロアルキルであり;Dが:
【化6】

から選択される、請求項3〜6の何れか一項に記載の使用。
【請求項9】
Glepp−1阻害剤が、式(Ib)又は式(Ic):
【化7】

(式中、Aは、C1〜C6アルキルアリール、チアゾリルであり;Bは、B1、B3、B4、B5、B11、B14、又はB18であり;Dは、請求項3で定義したものである)のカルボン酸である、請求項3記載の使用。
【請求項10】
Glepp−1阻害剤が、
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
4−({{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}[2−(4−クロロフェニル)エチル]アミノ}−メチル)安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−フェニルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(l−ナフチルメチル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−((4−tert−ブチルベンジル){4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
4−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
2−フルオロ−5−{ヘキシル[4−(フェニルエチニル)ベンジル]アミノ}安息香酸
5−[{4−[(4−クロロフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−(ヘキシル{4−[(4−メトキシフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[ヘキシル(4−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチニル}ベンジル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(シクロペンチルメチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3,3−ジメチルブチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−((シクロペンチルメチル){4−[(4−メトキシフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(エチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−(ヘキシル{4−[(4−プロピルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ペンチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(メチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(シクロプロピルメチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−{ブチル[4−(フェニルエチニル)ベンジル]アミノ}−2−フルオロ安息香酸
2−フルオロ−5−[[4−(フェニルエチニル)ベンジル](プロピル)アミノ]安息香酸
2−フルオロ−5−[{4−[(4−フルオロフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]安息香酸
2−フルオロ−5−(ヘキシル{4−[(4−プロピルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)安息香酸
5−{{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}[(2−カルボキシシクロプロピル)メチル]アミノ}−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−エチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]フェニル}(ヘキシル)アミノ]メチル}−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(isoブチル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−[(l−{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]フェニル}ペンチル)オキシ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]カルボニル}−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンゾイル}(ヘキシル)アミノ]メチル}−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{2−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]カルボニル}−2−ヒドロキシ安息香酸
4−((3−シクロペンチルプロピル){4−[(4−フルオロフェニル)エチニル]ベンゾイル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
4−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンゾイル}(3−シクロペンチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−フルオロフェニル)エチニル]ベンゾイル}(ヘキシル)アミノ]メチル}−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−クロロフェニル)エチニル]ベンゾイル}(ヘキシル)アミノ]メチル}−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキシル)アミノ]カルボニル}−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンゾイル}(ヘキシル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンゾイル}(ヘキシル)アミノ]メチル}−2−フルオロ安息香酸
4−[{4−[(4−クロロフェニル)エチニル]ベンゾイル}(3−シクロペンチルプロピル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
からなる群より選択される、請求項8記載の使用。
【請求項11】
Glepp−1阻害剤が、式(II)のアルキニルアリールカルボキサミド(ここで式(II)は、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、又は(IId):
【化8】

の何れかである)、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体から選択され、
Aは、C2〜C15アルキニル、C2〜C6アルキニルアリール、C2〜C6アルキニルヘテロアリールであり;
Cyは、アリール、ヘテロアリール、C3〜C8シクロアルキル、又はヘテロシクリル基であり;
nは0又は1であり;
1及びR2はそれぞれ独立に、水素、又はC1〜C6アルキルからなる群より選択され;
3は、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルアミン、C1〜C6アルキルアルコキシ、C1〜C6アルキルカルボキシ、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和C3〜C8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アシル部分、C1〜C6アルキルアリール、C1〜C6アルキルヘテロアリール、C2〜C6アルケニルアリール、C2〜C6アルケニルヘテロアリール、C2〜C6アルキニルアリール、C2〜C6アルキニルヘテロアリール、C1〜C6アルキルシクロアルキル、C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル、C2〜C6アルケニルシクロアルキル、C2〜C6アルケニルヘテロシクロアルキル、C2〜C6アルキニルシクロアルキル、C2〜C6アルキニルヘテロシクロアルキルからなる群より選択される、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項12】
1及びR2がそれぞれHであり、Cyがフェニル基であり、Aが式−C≡C−R6(ここでR6は、フェニル、C1〜C12アルキルフェニル、C2〜C6アルケニルフェニル、C2〜C6アルキニルフェニルである)の部分である、請求項11記載の使用。
【請求項13】
Glepp阻害剤が:
4−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]−2−ヒドロキシ−安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(シクロヘキシルカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキサノイル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−((4−tert−ブチルベンゾイル){4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−((ビフェニル−4−イルカルボニル){4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3,3−ジメチルブタノイル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−((l,3−ベンゾジオキソール−5−イルカルボニル){4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−([(ベンジルオキシ)アセチル]{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(4−ヘキシルベンゾイル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−((l−ベンゾチエ−2−イルカルボニル){4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキサノイル)アミノ]メチル}−2−ヒドロキシ安息香酸
(4−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキサノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
8−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]−5,6,7,8−テトラhydroナフタレン−2−カルボン酸
4−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]メチル}−安息香酸
5−[{4−[(4−クロロフェニル)エチニル]ベンジル}(2−チエニルアセチル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−クロロフェニル)エチニル]ベンジル}(2−チエニルアセチル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
5−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3,3−ジメチルブタノイル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
4−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(シクロヘキシルカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
4−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ヘキサノイル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
4−[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]−2−フルオロ安息香酸
4−[{4−[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
4−((3−シクロペンチルプロパノイル){4−[(4−プロポキシフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
4−((3−シクロペンチルプロパノイル){4−[(4−プロピルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
5−{[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(3−シクロペンチルプロパノイル)アミノ]メチル}−2−ヒドロキシ安息香酸
からなる群より選択される、請求項12記載の使用。
【請求項14】
Glepp−1阻害剤が式(III)のアルキニルアリールカルボキサミド(ここで式(III)は、式(IIIa)、(IIIb)、又は(IIIc):
【化9】

の何れかである)、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体から選択され、
Aは、式−C−NHR6であり、ここでR6は、C6〜C15アルキル、C2〜C15アルケニル、C2〜C15アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C6アルキル−C3〜C8シクロアルキル、フェニル、C1〜C12アルキルフェニル、C2〜C6アルケニルフェニル、C2〜C6アルキニルフェニルであり;
Cyは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル基であり;
nは0又は1であり;
1及びR2はそれぞれ独立に、水素、又はC1〜C6アルキルからなる群より選択され;
3は、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルアミン、C1〜C6アルキルアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和C3〜C8シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アシル部分、C1〜C6アルキルアリール、C1〜C6アルキルヘテロアリール、C2〜C6アルケニルアリール、C2〜C6アルケニルヘテロアリール、C2〜C6アルキニルアリール、C2〜C6アルキニルヘテロアリール、C1〜C6アルキルシクロアルキル、C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル、C2〜C6アルケニルシクロアルキル、C2〜C6アルケニルヘテロシクロアルキル、C2〜C6アルキニルシクロアルキル、C2〜C6アルキニルヘテロシクロアルキルからなる群より選択される、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項15】
1及びR2がそれぞれHであり、Cyが、フェニル、チアゾリル、フェニル−チアゾリル、チアゾリル−フェニルからなる群より選択され、R6が、C8〜C12アルキル、C1〜C4アルキルフェニル(これはC1〜C8アルキルで置換されてよい)、又はフェノキシからなる群より選択される、請求項14記載の使用。
【請求項16】
Glepp阻害剤が:
5−[(3−シクロペンチルプロパノイル)(4−{[(4−フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}−ベンジル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
5−((4−シアノベンゾイル){[2−(4−{[(4−ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)−l,3−チアゾール−4−イル}メチル}アミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
(4−{[{[2−(4−{[(4−ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)−l,3−チアゾール−4−イル]メチル}(3−フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
(4−{[[(2−{4−[(オクチルアミノ)カルボニル]フェニル}−1,3−チアゾール−イル)メチル](3−フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
からなる群より選択される、請求項15記載の使用。
【請求項17】
Glepp−1阻害剤が、式(IV):
【化10】

の置換メチレンアミド、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体から選択され、
1は、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C1〜C12アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C3〜C8シクロアルキル又はヘテロ−シクロアルキル、C1〜C12アルキル−アリール、又はC1〜C12アルキル−ヘテロアリール、C2〜C12アルケニル−アリール又はヘテロアリール、C2〜C12アルキニル−アリール又は−ヘテロアリールからなる群より選択され;
2a及びR2bは、それぞれ独立にH又はC1〜C12アルキルからなる群より選択され;
Cyは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル基である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項18】
2a及びR2bはそれぞれHであり;
1は−CA123であり(ここでA1、A2、A3は各々、水素、メチル、エチル、プロピル、フェニル又はチエニルからなる群より独立に選択され、これらはシアノ、ハロゲン、メトキシ、ヒドロキシ、フェノキシ、−NO2、トリフルオロメチルで置換されてよい);
Cyは、−SO23、−CO−NR33’(ここでR3’はHであり、R3はC7〜C15アルキル、特にC8〜C15アルキル、更に好ましくはドデシル基であり、これはハロゲンで置換されてよい)で置換される、チエニル、フェニル又はビフェニルであり、
但し、A1、A2、A3のうち少なくとも2つは、水素、又はメチル、エチル、プロピルではない、請求項17記載の使用。
【請求項19】
Glepp−1阻害剤が、式(V):
【化11】

を有する化合物、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体であり、ここで
1は、フェニル、ベンジル、フェネチル、1−メチルベンジル(これはC1〜C6アルキル基又はシクロアルキル基で置換されてよい)からなる群より選択され;
Cyは、NH−CO−R3、−CO−NH−R3、R3で置換されたオキサジアゾール基(ここでR3は、C7〜C15アルキル、特にC8〜C15アルキル、更に好ましくはドデシル基である)からなる群より選択される成分で置換されたフェニル又はビフェニル基である、請求項18記載の使用。
【請求項20】
Glepp阻害剤が:
{{4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}−(オキソ)酢酸
(ベンジル{4−[(ペンタデシルアミノ)カルボニル]ベンジル}アミノ)(オキソ)酢酸
({[1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジニル]メチル}{4−[(ドデシルアミノ)カルボニル]ベンジル}−アミノ)(オキソ)酢酸
オキソ{{4−[(9E)−9−テトラデセノイルアミノ]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}酢酸
オキソ{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル][4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
オキソ{(4−テトラデシ−1−ニルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}酢酸
{(4−ドデシ−1−ニルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ{{1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}[4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
([(2−ブチル−1−ベンゾフラン−3−イル)メチル]{4−[(ドデシルアミノ)カルボニル]ベンジル}アミノ)−(オキソ)酢酸
{(4−{[(4−オクチルフェニル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)−酢酸
{{シクロペンチル[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}[4−(トリデカノイルアミノ)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ([4−(トリフルオロメチル)ベンジル]{[4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−ナフチル]メチル}アミノ)酢酸
{{シクロペンチル[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}[4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
([2−(3−クロロフェニル)エチル]{4−[(1Z)−デセ−1−ニル]ベンジル}アミノ)(オキソ)酢酸
{[2−(3−クロロフェニル)エチル][4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ{{(1R)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}[4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
オキソ{[4−(トリフルオロメチル)フェニル][4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
オキソ{{(1S)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}[4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
((4−デシ−1−ニルベンジル){1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}アミノ)(オキソ)酢酸
{{1−メチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}[4−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{[4−(ドデシルオキシ)−1−ナフチル]メチル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
((4−デシ−1−ニルベンジル){1−メチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}アミノ)(オキソ)酢酸
{(4−デシ−1−ニルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル][3−(3−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
{(4−ドデシルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{(3,5−ジクロロベンジル)[4−(トリデカノイルアミノ)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{4−[(4−オクチルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル][4−(5−ウンデシル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
{{4−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{(4−{[4−(ヘプチルオキシ)フェニル]エチニル}ベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
[[2−(3−クロロフェニル)エチル](4−ドデシ−1−ニルベンジル)アミノ](オキソ)酢酸
{(4−{[4−(ベンジルオキシ)フェニル]エチニル}ベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{4−[2−(4−ヘキシルフェニル)エチル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{4−[2−(4−ヘキシルフェニル)エチル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{[4−(11−ヒドロキシウンデシル)ベンジル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{(4−ドデシ−1−ニルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{4−[(4−オクチルベンゾイル)アミノ]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{[(3−デシ−1−ニル−1−ベンゾフラン−5−イル)メチル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{[(3−ドデシ−1−ニル−1−ベンゾフラン−5−イル)メチル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ{({3−[(4−プロピルフェニル)エチニル]−1−ベンゾフラン−5−イル}メチル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}酢酸
[(4−ドデシ−1−ニルベンジル)(4−フルオロベンジル)アミノ](オキソ)酢酸
[ビス(4−オクチ−1−ニルベンジル)アミノ](オキソ)酢酸
{[(6−ドデシ−1−ニルピリジン−3−イル)メチル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{[(4−ドデシ−1−ニル−1−ナフチル)メチル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
([1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル]{4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)(オキソ)酢酸
オキソ{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル][4−(4−ウンデシル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンジル]アミノ}酢酸
({4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}{1−メチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}アミノ)−(オキソ)酢酸
{[4−(5−シクロヘキシルペンチ−1−ニル)ベンジル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{{3−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{(4−デシ−1−ニルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{(4−ドデ−1−シ−1−ニルフェニル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
((3−クロロベンジル){4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)(オキソ)酢酸
{{4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
((4−クロロベンジル){4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}アミノ)(オキソ)酢酸
{{2−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{[4−(11−フルオロウンデ−1−シ−1−ニル)ベンジル][4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
{(4−ノ−1−ニ−1−ニルベンジル)[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
({4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}{1−メチル−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−エチル}アミノ)(オキソ)酢酸
[{4−[(4−ブチルフェニル)エチニル]ベンジル}(ジフェニルメチル)アミノ](オキソ)酢酸
{{4−[(4−ヘキシルフェニル)エチニル]フェニル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
オキソ{{4−[(4−ペンチルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}酢酸
{{4−[(4−ヘプチルフェニル)エチニル]ベンジル}[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}(オキソ)酢酸
5−[(カルボキシカルボニル)(4−デ−1−シ−1−ニルベンジル)アミノ]−2−ヒドロキシ安息香酸
からなる群より選択される、請求項18又は19に記載の使用。
【請求項21】
Glepp−1阻害剤が、式(VI):
【化12】

の化合物、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体であり、ここで
2は、フェニル(これはアリール又はヘテロアリールと縮合している)であるか、又はR2は、チエニル又はフラニルであり、R3は、ヨード又はフェニルであり、nは0〜4の整数である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項22】
nが1である、請求項21記載の使用。
【請求項23】
Glepp−1阻害剤が、式(VII):
【化13】

の化合物、その幾何異性体、そのエナンチオマーとしての光学活性型、ジアステレオ異性体、及びそのラセミ型、並びにこれらの医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る誘導体であり、ここで
m’は0、1、又は2であり、pは1〜3の整数であり;
AはO又は結合であり、Bは、アリーレン、ヘテロアリーレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアルキレン、又はフェニルであり;
8は、H、ハロゲン、ヒドロキシ、アシル、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルキルカルボキシ、C1〜C6アルキルアシル、C1〜C6アルキルアルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルアミノカルボニル、C1〜C6アルキルアシルオキシ、アシルアミノ、C1〜C6アルキルアシルアミノ、ウレイド、C1〜C6アルキルウレイド、C1〜C6アルキルカルバメート、C1〜C6アルキルアミノ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルアルコキシ、スルファニル、C1〜C6アルキルスルファニル、スルフィニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、スルホニル、スルホニルアミノ、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6アルキルスルホニルアミノアリール、アリール、ヘテロアリール、C3〜C8シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、C1〜C6アルキルアリール、C1〜C6アルキルヘテロアリール、C2〜C6アルケニル−アリール又は−ヘテロアリール、C2〜C6アルキニルアリール又は−ヘテロアリールからなる群より選択される、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項24】
Glepp−1阻害剤が、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の治療に有用な共薬剤(co-agent)と組合せて投与される、請求項1から23の何れか1項に記載の使用。
【請求項25】
Glepp−1阻害剤と、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の治療に有用な共薬剤と、医薬的に許容され得る賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項26】
共薬剤がインターフェロンベータである、請求項25記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2009−501197(P2009−501197A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520891(P2008−520891)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064288
【国際公開番号】WO2007/009959
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(507348713)ラボラトワール セローノ ソシエテ アノニム (29)
【Fターム(参考)】