説明

自己清掃噴霧ノズル

本発明は、自己清掃噴霧ノズルに関し、特に、制御された凝集方法、すなわち、制御された粒子サイズの成長方法による粒状材料の製造のための装置で使用される自己清掃噴霧ノズルに関する。この装置は、特に、比較的低い水溶性を有し、及び/又は化学分解しやすく、治療的及び/又は予防的に活性な物質を含む医薬組成物の製造での使用に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己清掃噴霧ノズルに関し、特に、制御された凝集方法、すなわち、制御された粒子サイズの成長方法による粒状材料の製造のための装置で使用される自己清掃噴霧ノズルに関する。この装置は、特に、比較的低い水溶性を有し、及び/又は化学分解しやすく、治療的及び/又は予防的に活性な物質を含む医薬組成物の製造での使用に適している。
【背景技術】
【0002】
制御された凝集方法は、本出願人に譲渡された国際特許出願番号PCT/DK02/00472に開示されている。この方法は、医薬組成物から適切に活性物質を放出し、循環系への活性物質の吸収を可能にする経口使用のための医薬組成物の製造を可能にする。
【0003】
制御された凝集方法は、例えば高せん断又は低せん断ミキサー又は流動床内で実行される。この方法によれば、担体又は担体組成物は、ミキサー又は流動床に載せられた第二組成物上に噴霧される。一般に、担体又は担体組成物は、担体及び/又は担体組成物の融点を超える温度に加熱される。一方、第二組成物は、加熱されず、周囲温度に留まる。担体と第二組成物間の温度差により、担体は急速に凝固し、粒子サイズの成長が制御される。従って、発明者らは、このような条件を採用することにより、凝集過程を制御し、それによって、粒子サイズの成長を制御することが可能であることを見出した。
【0004】
本説明を通して、「担体」という用語は、「担体組成物」の略語として用いられる。担体組成物は、1つ以上の担体を含み、1つ以上の他の成分を含んでもよい。従って、担体組成物は、親水性及び/又は疎水性担体及び/又は界面活性剤の混合物を含んでもよい。担体組成物は、1つ以上の治療的及び/又は予防的活性物質及び/又は1つ以上の医薬的に受容可能な賦形剤を含んでもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、制御された凝集方法に従って動作する装置において、例えばせん断ミキサー又は流動床と確実に協働可能な自己清掃噴霧ノズルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この噴霧ノズルでは、流動化された粒子、担体の液滴、凝固した担体粒子の何れの付着も生じないはずである。
【0007】
本発明によれば、上述した目的及びその他の目的は、液体を供給するための中央通路を有する中央管を備え、前記通路は、液体を放出するためのオリフィスで終わり、中央管を囲む第二管を備え、それによって中央管と第二管の間に一次空気を供給するための第一通路が形成され、第二管の端に配置され、第一通路の第一放出間隙の外側の周囲を形成し、かつ第一通路を通って供給された空気を前記液体と混合して液体/基体噴霧を提供するノズル錐体と、第二管を囲む第三管を備え、それによって第二及び第三管の間に二次空気を供給するための第二通路が形成され、第三管の端に配置され、第二通路の第二放出間隙の外側の周囲を形成する外装を備える噴霧ノズルによって達成される。
【0008】
さらに、本発明による噴霧ノズルと第二組成物の流動化のための流動床を備える、制御された凝集用装置が提供される。
【0009】
噴霧ノズルは、当該技術分野で周知なように、流動床の上部、流動床の側部、又は流動床の下部に取り付けることができる。
【0010】
流動床は、例えば回転(roto)流動床、ウルスター(Wurster)流動床、クーゲルコーター(Kugel coater)、ファーマスチールファスト(Pharma Steel Phast)流動床などにすることができる。
【0011】
さらに、噴霧ノズルと第二組成物の混合のためのインテンシブミキサーを備える装置が提供される。
【0012】
インテンシブミキサーは、高せん断ミキサー、低せん断ミキサー、水平ミキサー、垂直ミキサーなどにすることができる。
【0013】
さらに、噴霧乾燥機に取り付けられた、例えば、噴霧乾燥機の上部に取り付けられた、又は噴霧乾燥機の下部に取り付けられた噴霧ノズルを備える装置が提供される。
【0014】
第二組成物は、最も高くても担体の融点に対応する温度、例えば担体の融点よりも少なくても約2℃、少なくても約5℃、少なくても約10℃低い温度を有することができる。この装置では、噴霧ノズルは、液状の担体を含む第一組成物を流動床で流動化された、又はインテンシブミキサーで混合された第二組成物上に噴霧するために取り付けられる。又は、噴霧ノズルは、噴霧乾燥機において、第一組成物を噴霧乾燥するために取り付けられる。
【0015】
第一組成物を含む温度及ぶ圧力制御されたタンクは、中央通路を有する中央管に連結されており、担体の融点を超える温度で第一組成物を供給する。さらに、温度制御された第一加圧空気供給部は、第一通路に連結され、温度制御された一次空気を噴霧ノズルに供給し、温度制御された第二加圧空気供給部は、第二通路に連結され、温度制御された二次空気を噴霧ノズルに供給する。
【0016】
流動床、インテンシブミキサー、噴霧乾燥機と協働中に、本発明の噴霧ノズルは、第一組成物の粒子又は液滴及び第二組成物の粒子を噴霧ノズル表面に輸送する複雑な空気流中に配置される。噴霧ノズルの第二放出間隙から供給される、温度制御された二次空気は、このような粒子が噴霧ノズル表面に付着するのを抑制し、実質的に防止する。従って、噴霧ノズルは、必要とされるプロセス時間中を通して、噴霧を持続する
【0017】
噴霧角度は、二次空気流を適切に調節することによって、さらに制御することができる。二次空気流は、オリフィスでの圧力を増大させ、それによって噴霧錐体の噴霧角度を減少させるために利用可能である。噴霧角度は、20°未満、好ましくは15°未満、さらに好ましくは10°未満、さらに好ましくは5°未満に設定することができる。噴霧錐体の小さな値は、噴霧された材料が容器の壁に衝突する量を最小限にし、好ましい。
【0018】
本噴霧ノズルは、高温溶融物をどんな環境中に噴霧するのにも非常に適している。二次空気の有益な清掃効果は、二次空気による表面加熱と組み合わさって、二次空気流自体によってもたらされていると思われる。二次空気には最適な温度範囲がある。二次空気の温度が高すぎると、粒子又は液滴は、表面に付着する傾向があり、温度が低すぎると、液滴は、表面で固化する傾向がある。
【0019】
最適な温度範囲は、担体の融点に関連している。
【0020】
担体は、約5℃以上、例えば約10℃以上、約20℃以上又は約25℃以上の融点を有することができる。
【0021】
二次空気の温度は、ノズル先の表面を担体の融点範囲の下端に冷却するのに十分に低くなければならない。それよりも温度が高いと、液滴の付着により、固体の第二組成物材料が付着する結果になるであろう。それより温度が低いと、液滴は、固化し、付着蓄積のための種として働くであろう。
【0022】
後述するが、第一組成物の適切な霧化には、ノズルオリフィスでの一次空気温度が担体の融点を超えるか、少なくともこれと一致することが必要である。ノズルオリフィスに対する距離で温度が急速に降下するため、一次空気は、高温であることが好ましい。温度の上限は、担体の沸点によって定められる。しかし、一次空気は、ノズルを加熱し、それによってノズル外表面を加熱する。従って、ノズルの断熱特性は、使用可能な(obtainable)一次空気の最大温度に影響を与える。
【0023】
ノズルオリフィス、第一及び第二放出間隙、及びその相互配置は、噴霧形成及び自己清掃が最適になるように選択される。例えば、形成された噴霧錐体の噴霧角度は、噴霧が容器の壁に衝突しないように、低い値が選択される。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、第一放出間隙は、オリフィスとほぼ同心にすることができ、オリフィスに対して、ある距離をおいて上流に配置することができる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、第二放出間隙は、第一放出間隙とほぼ同心にすることができ、第一放出間隙に対して、ある距離をおいて上流に配置することができる。
【0026】
ノズルオリフィスの直径は、0.1mm〜0.3mm、好ましくは、0.5mm〜2mmにすることができる。
【0027】
第一放出間隙の幅は、3mm未満、好ましくは、0.1mm〜0.4mmにすることができる。
【0028】
第二放出間隙の幅は、3mm未満、好ましくは、0.1mm〜0.4mmにすることができる。
【0029】
好ましくは、噴霧ノズルは、オリフィスと中央通路の一部を含むノズル先を備える。ノズル先は、噴霧ノズルに取り外し可能に配置することができる。これによって、メンテナンス、例えば清掃及び殺菌が容易になる。
【0030】
好ましくは、噴霧ノズルは、内側に中央通路が形成される中央管を備える。中央管は、ステンレス鋼、例えば耐酸鋼,例えばAISI 316、又は二段溶解鋼(duplex steel)、例えばSAF 2205などで形成することができる。
【0031】
好ましい実施形態では、中央管は、噴霧ノズル内への設置を容易にするために、柔軟なホースである。ホースは、耐熱性プラスチック、例えばPTFE,シリコーン,PVC,ポリエチレン,テフロン(登録商標),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、fluorerscentなどで形成することができ、ホースの一端には、ホースをノズル先に固定するためのネジ山を設けることができる。好ましい実施形態では、中央管には、テフロン(登録商標)の裏地を設け、この裏地を、保護カバー、例えばステンレス鋼カバー又は柔軟なカバー、例えばステンレス鋼の編組カバー又はプラスチックカバーで補強する。
【0032】
好ましくは、中央管は、噴霧ノズルに取り外し可能に配置され、使用後に廃棄することができる。これによって、噴霧ノズルの清掃及び殺菌が容易になる。好ましくは、中央管及びノズル先は、取り外し可能に噴霧ノズル内に配置されるユニットを形成し、使用後に廃棄することができる。これによって、噴霧ノズルの清掃及び殺菌が容易になる。これによって、バッチ生産の合間の面倒で時間のかかる中央管及びノズル先の清掃は、完全になくなる。
【0033】
さらに、噴霧ノズルは、中央管を囲む第二管を備えることができる。第一通路は、中央管と第二管の間に形成される。好ましくは、第二管は、ステンレス鋼、例えばAISI 316又はSAF 2205で形成される。
【0034】
噴霧ノズルは、第二管を囲む第三管を備えることができる。第二通路は、第二管と第三管の間に形成される。好ましくは、第三管は、ステンレス鋼、例えばAISI 316又はSAF 2205で形成される。
【0035】
第二管の端に配置され、かつ第一放出間隙の周囲を形成するノズル錐体を設けることができる。好ましくは、ノズル錐体は、プラスチック、例えばポリカーボネート又はナイロンなどで形成される。さらに好ましくは、ノズル錐体は、ステンレス鋼、例えばAISI 316又はSAF 2205で形成される。ノズル錐体は、最適な噴霧形成のための第一放出間隙のサイズ調節のために、第二管の端に調節可能に配置することができる。さらに、ノズル錐体は、噴霧ノズルのメンテナンスと修理を容易にするために、第二管に取り外し可能に取り付けることができる。例えば、ノズル錐体は、第二管に設けられる対応するネジ山に係合するネジ山を備えることができる。ノズルオリフィスに対する第一放出間隙の位置は、第二管に対するノズル錐体の回転によって調節することができる。ネジ山のピッチが、回転角の関数として位置調節を決定する。ノズル錐体がオリフィスに向かって先細りであるとき、第一放出間隙の位置変化は、第一放出間隙の幅も変化させる。第二管に目盛りを設け、ノズル錐体にマークを設けることもできるし、その逆も可能である。これにより、ノズル錐体の対応する回転により目盛りに対してマーカーを適切に配置することによって、所望の第一放出間隙幅にセットすることができる。
【0036】
第三管の端に配置され、かつ第二放出間隙の周囲を形成する外装を設けることができる。さらに、外装は、最適な自己清掃性能のための第二放出間隙のサイズ調節のために、第三管の端に調節可能に配置することができる。外装は、噴霧ノズルのメンテナンスと修理を容易にするために、第三管に取り外し可能に取り付けることができる。
【0037】
例えば、ノズル外装は、第三管に設けられる対応するネジ山に係合するネジ山を備えることができる。第一放出間隙に対する第二放出間隙の位置は、第三管に対するノズル外装の回転によって調節することができる。ネジ山のピッチが、回転角の関数として位置調節を決定する。ノズル錐体が第一放出間隙に向かって先細りであるとき、第二放出間隙の位置変化は、第二放出間隙の幅も変化させる。第三管に目盛りを設け、ノズル外装にマークを設けることもできるし、その逆も可能である。これにより、ノズル外装の対応する回転により目盛りに対してマーカーを適切に配置することによって、所望の第二放出間隙幅にセットすることができる。
【0038】
好ましくは、外装は、第二放出間隙に向かって先細りである。これによって、噴霧の間、外装には水平面が実質的に存在せず、噴霧ノズルへの物質の付着がさらに少なくなる。
【0039】
外装は、ステンレス鋼、例えばAISI 316又はSAF 2205で形成することができる。好ましくは、外装は、強化プラスチック材料、例えばPeekなどで形成される。これによって、熱に安定でべたつきがなく、湿気を吸収しない外装が得られる。
【0040】
好ましくは、例えばノズル錐体と第二管のようにネジ山係合で互いに移動可能に取り付けられた噴霧ノズルの異なる部品は、互いに対する部品の移動による材料の穴の拡大を避けるために、異なるタイプのステンレス鋼、例えばそれぞれAISI 316及びSAF 2205で形成する。
【0041】
噴霧ノズルにはテフロン(登録商標) コーティングの表面を設けることができる。例えば、外装をテフロン(登録商標)コーティングし、ノズル錐体をテフロン(登録商標) コーティングし、それぞれの表面への粒子の付着をさらに抑制することができる。
【0042】
噴霧ノズルは、角度をつけることができ、又は曲げることができる。この場合、噴霧ノズルは、第一軸に沿って延びる第一部品と、第一軸と角度αをなす第二軸に沿って延びる第二部品とを備える。角度αは、90°にほぼ等しいか、それより小さく、例えば60°にほぼ等しくすることができる。これによって、せん断ミキサー又は流動床などにおいて噴霧ノズルの配置が容易になる。
【0043】
噴霧錐体の噴霧角度をさらに制御するために、一次空気の通路用アパーチャー又はチャネルを備える部材をノズル錐体に設けることができる。アパーチャー又はチャネルの縦軸は、第二管の縦軸とある角度をなすことができる。これによって、一次空気流に渦流が誘起される。流れの渦巻き運動は、渦巻きと比較的圧力の低い領域を形成し、それによって、噴霧角度が増大する。
【0044】
本装置は、多くの量の担体を固体材料に取り込むことを可能にする。この担体は、例えばその溶解特性により、比較的低い水溶性を有し、治療的及び/又は予防的に活性な物質を多く取り込むことができるタイプである。担体は、通常、固体又は半固体であり、通常、粘着性、油性又は蝋質の特性を有している。しかし、担体は、室温や5℃以下の温度で流動性を有するものであってもよい。このような場合、本装置は、第二組成物を冷却して、動かされると思われる。新規な制御された凝集用装置を用いることによって、多くの量の担体を含む粒状材料を製造することができ、その結果得られる粒状材料は、固体の粒状粉体となる。新規な装置によって得られる粒状材料は、流動性、充填密度、密集性に関して優れた特性を有しており、例えば錠剤の製造での使用に適している。粒状材料は実質的に粘着性の性質を持った担体を多く含むことがあるが、製造される粒状材料は、錠剤の製造の際の錠剤パンチ及び/又は鋳型への付着は、あったとしても最小限である。
【0045】
担体
担体は、例えば低くても約30℃、低くても約35℃又は低くても約40℃のような低くても約25℃の融点を有するタイプである。実用的な理由から、融点は高すぎず、したがって、担体は、通常、例えば高くても約250℃、高くても約200℃、高くても約150℃又は高くても約100℃のような高くても約300℃の融点を有する。融点がより高いと、溶融した担体を噴霧剤の形態で提供することが必要な噴霧装置に担体を送達する間、充分に高い温度を保つことを確実にすることが非常に困難になる。さらに、例えば治療的及び/又は予防的活性物質が担体に含まれる場合、比較的高い温度は、該物質の例えば酸化又は他の種類の分解を促進するであろう。
【0046】
本発明との関係において、融点はDSC(示差走査熱量測定)により測定される。融点は、DSCカーブの直線的な増加が温度軸と交わる温度として測定される(更なる詳細は図6を参照)。
【0047】
好適な担体は、いわゆる溶融結合剤もしくは固体溶剤(固体投与形態の形態にある)のような、又は局所使用の薬剤における共溶剤もしくは処方成分のような薬剤の製造において用いられる一般的な物質である。
【0048】
担体は、親水性、疎水性であってもよく、及び/又は表面活性特性を有していてもよい。一般的に、親水性及び/又は疎水性の担体は、比較的低い水溶解性を有する治療的及び/又は予防的活性物質を含む医薬組成物の製造における使用において、及び/又は医薬組成物からの活性物質の放出を即時もしくは非修飾となるように設計するときに好適である。一方、疎水性の担体は、修飾放出(modified release)医薬組成物の製造において通常用いられる。上述の考察は、一般的な原則を説明するのに単純化されているが、他の担体の組み合わせ、及び他の目的が適切な場合が多くあり、したがって、上記の例示は本発明を限定するものではない。
【0049】
好適な担体の例は、親水性担体、疎水性担体、界面活性剤又はこれらの混合物である。
【0050】
典型的には、好適な親水性担体は:例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのようなポリエーテルグリコール;ポリオキシエチレン;ポリオキシプロピレン;ポロキサマー及びこれらの混合物からなる群より選択されるか、又は:キシリトール、ソルビトール、酒石酸ナトリウムカリウム、スクローストリベヘネート、グルコース、ラムノース、ラクチトール、ベヘン酸、ヒドロキノンモノメチルエーテル、酢酸ナトリウム、フマル酸エチル、ミリスチン酸、クエン酸、Gelucire 50/13、例えばGelucire 44/14などのほかのGelucireタイプ、Gelucire 50/10、Gelucire 62/05、Sucro-ester 7、Sucro-ester 11、Sucro-ester 15、マルトース、マンニトール及びこれらの混合物からなる群より選択することができる。
【0051】
本発明の装置において用いる疎水性担体は:直鎖状飽和炭化水素、ソルビタンエステル、パラフィン;例えばカカオバター、牛脂、ラード、ポリエーテルグリコールエステルのような油脂;例えばステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸のような高級脂肪酸、例えばセタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、例えばグリセリルモノステアレート、硬化獣脂のような低融点ワックス、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、置換及び/又は非置換のモノグリセリド、置換及び/又は非置換のジグリセリド、置換及び/又は非置換のトリグリセリド、蜜ろう、さらし蜜ろう、カルナウバワックス、カストールワックス、木ろう、アセチレートモノグリセリド;NVPポリマー、PVPポリマー、アクリルポリマー、又はこれらの混合物からなる群より選択することができる。
【0052】
興味のある実施形態では、担体は、例えば約800〜約35,000、約1,000〜約35,000のような約400〜約35,000の範囲の平均分子量を有するポリエチレングリコール、例えばポリエチレングリコール1,000、ポリエチレングリコール2,000、ポリエチレングリコール3,000、ポリエチレングリコール4,000、ポリエチレングリコール5,000、ポリエチレングリコール6,000、ポリエチレングリコール7,000、ポリエチレングリコール8,000、ポリエチレングリコール9,000、ポリエチレングリコール10,000、ポリエチレングリコール15,000、ポリエチレングリコール20,000、又はポリエチレングリコール35,000である。ある状況では、ポリエチレングリコールは約35,000〜約100,000の分子量のものを用いてもよい。
【0053】
他の興味のある実施形態においては、担体は、例えば約2,000〜約100,000、約5,000〜約75,000、約10,000〜約60,000、約15,000〜約50,000、約20,000〜約40,000のような約2,000〜約7,000,000、例えば約100,000〜約1,000,000、約100,000〜約600,000、約100,000〜約400,000、又は約100,000〜約300,000のような約100,000〜約7,000,000の分子量を有するポリエチレンオキサイドである。
【0054】
他の実施形態においては、担体は、例えばポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338もしくはポロキサマー407のようなポロキサマー、又はPluronic(登録商標)及び/又はTetronic(登録商標)シリーズのようなエチレンオキサイドならびにプロピレンオキサイドのその他のブロックコポリマーである。Pluronic(登録商標)シリーズの好適なブロックコポリマーは、例えば約4,000〜約20,000のような約3,000以上の分子量、及び/又は例えば約250〜約3,000 cpsのような約200〜約4,000 cpsの粘度(Brookfield)を有するポリマーを含む。好適な例は、Pluronic(登録商標)F38、P65、P68LF、P75、F77、P84、P85、F87、F88、F98、P103、P104、P105、F108、P123、F123、F127、10R8、17R8、25R5、25R8などを含む。Tetronic(登録商標)シリーズの好適なブロックコポリマーは、例えば約9,000〜約35,000のような約8,000以上の分子量、及び/又は例えば約600〜約40,000 cpsのような約500〜約45,000 cpsの粘度(Brookfield)を有するポリマーを含む。上記の粘度は、室温でペーストである物質については60℃で、室温で固体である物質については77℃で測定する。
【0055】
担体は、例えばソルビタンジ−イソステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキ−イソステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタントリ−イソステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、又はこれらの混合物のようなソルビタンエステルであってもよい。
【0056】
担体組成物は、当然、例えば親水性及び/又は疎水性の担体の混合物のような異なる担体の混合物を含むことができる。
【0057】
他の興味のある実施形態においては、担体は、界面活性剤又は界面活性特性を有する物質である。このような物質は、例えば溶けにくい活性物質の湿潤に関与し、したがって活性物質の溶解特性の向上に貢献すると考えられる。
【0058】
界面活性剤の例を次に示す。担体としての使用に適するためには、本明細書で論じる融点及び/又は粘度に関する基準を満たさなければならない。しかしながら、界面活性剤は医薬的に許容される賦形剤として担体組成物に添加することもできるので、以下のリストは一般的な界面活性剤を包含している。
【0059】
担体組成物としての使用(及び、上述したように、担体自体としての使用)に好適な賦形剤は、例えばLipocine, Incの名義でWO 00/50007の中に記載されたもののような疎水性及び/又は親水性の界面活性剤などの界面活性剤である。好適な界面活性剤の例は、
【0060】
i) 例えばラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、リシノール酸とポリエチレングリコールとのモノ−又はジエステルのような、ポリエチレングリコールの脂肪酸モノ−もしくはジエステル、又はこれらの混合物などのポリエトキシル化脂肪酸であって、ポリエチレングリコールは、PEG 4、PEG 5、PEG 6、PEG 7、PEG 8、PEG 9、PEG 10、PEG 12、PEG 15、PEG 20、PEG 25、PEG 30、PEG 32、PEG 40、PEG 45、PEG 50、PEG 55、PEG 100、PEG 200、PEG 400、PEG 600、PEG 800、PEG 1000、PEG 2000、PEG 3000、PEG 4000、PEG 5000、PEG 6000、PEG 7000、PEG 8000、PEG 9000、PEG 1000、PEG 10,000、PEG 15,000、PEG 20,000、PEG 35,000から選択することができる、
【0061】
ii) ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、すなわち上述したようなエステルであるが、各脂肪酸のグリセリルエステルの形態にあるもの;
【0062】
iii) 例えば硬化ひまし油、アーモンド油、パーム核油、ひまし油、杏仁油、オリーブ油、ピーナッツ油、硬化パーム核油などのような植物油とのグリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、PEG、又はソルビトールエステル、
【0063】
iv) 例えばポリグリセロールステアレート、ポリグリセロールオレエート、ポリグリセロールリシノレート、ポリグリセロールリノレートのようなポリグリセリン化脂肪酸、
【0064】
v) 例えばプロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールリシノレートなどのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル、
【0065】
vi) 例えばグリセリルモノオレエート、グリセリルジオレエート、グリセリルモノ−及び/又はジオレエート、グリセリルカプリレート、グリセリルカプレートなどのようなモノ−及びジグリセリド;
【0066】
vii) ステロール及びステロール誘導体;
【0067】
viii) 上記の種々の分子量を有するPEGのエステル、及び種々のTween(登録商標)シリーズのようなポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル(PEG-ソルビタン脂肪酸エステル);
【0068】
ix) 例えばPEGオレイルエーテル及びPEGラウリルエーテルのようなポリエチレングリコールアルキルエーテル;
【0069】
x) 例えばスクロースモノパルミテート及びスクロースモノラウレートのような糖エステル;
【0070】
xi) 例えばTriton (登録商標) X又はNシリーズなどのポリエチレングリコールアルキルフェノール;
【0071】
xii) 例えばPluronic (登録商標)シリーズ、Synperonic (登録商標)シリーズ、Emkalyx (登録商標)、Lutrol (登録商標)、 Supronic (登録商標)などのようなポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー。これらのポリマーの一般名は、「ポロキサマー」であり、本発明との関係における適切な例は、ポロキサマー105、108、122、123、124、181、182、183、184、185、188、212、215、217、231、234、235、237、238、282、284、288、331、333、334、335、338、401、402、403及び407である;
【0072】
xiii) 例えばソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレートなどのようなSpan (登録商標)シリーズ又はAriacel (登録商標)シリーズのようなソルビタン脂肪酸エステル;
【0073】
xiv) 例えばオレエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテートなどのような低級アルコール脂肪酸エステル;
【0074】
xv) 例えば脂肪酸塩、胆汁酸塩、リン脂質、リン酸エステル、カルボキシレート、サルフェート及びスルホネートなどのような、カチオン、アニオン及び両性界面活性剤を含むイオン性界面活性剤。
【0075】
担体組成物中に界面活性剤もしくは界面活性剤の混合物が存在する場合、界面活性剤の濃度は、通常、例えば約0.1〜約20% w/w、約0.1〜約15% w/w、約0.5〜約10% w/wのような約0.1〜75% w/wの範囲であるか、又は代わりに、担体もしくは担体組成物の部分として適用できる場合に、例えば約25〜約70% w/w、約30〜約60% w/wのような約20〜約75% w/wである。
【0076】
担体組成物中の他の好適な賦形剤は、例えばプロピレングリコール、Gelucire 44/14を含むポリグリコール化グリセリド、カカオ脂、カルナウバワックス、例えばアーモンド油、ココナツ油、コーン油、綿実油、ごま油、大豆油、オリーブ油、ひまし油、パーム核油、ピーナツ油、なたね油、グレープシード油などのような植物油、例えば硬化ピーナツ油、硬化パーム核油、硬化綿実油、硬化大豆油、硬化ひまし油、硬化ココナツ油のような硬化植物油を含む植物起源の複合脂肪性物質;蜜ろう、ラノリン、セチル、ステアリル、ラウリック、ミリスチック、パルミチック、ステアリック脂肪性アルコールを含む脂肪性アルコールを含む動物起源の天然脂肪性物質;グリセロールステアレート、グリコールステアレート、エチルオレエート、イソプロピルミリステートを含むエステル;Miglycol 810/812を含む液体エステル交換化半合成グリセリド;ステアラミドエタノール、ココナツ脂肪酸のジエタノールアミドなどを含むアミド又は脂肪酸アルコールアミドのような、溶剤又は半固体の賦形剤である。
【0077】
担体組成物中の他の添加剤は、例えばアスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、ソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロールへミスクシネート、TPGS又はその他のトコフェロール誘導体などのような抗酸化剤であってもよい。担体組成物は、例えば安定化剤を含んでいてもよい。担体組成物中の抗酸化剤及び/又は安定化剤の濃度は、通常、約0.1% w/w〜約5% w/wである。
【0078】
担体組成物を用いる場合、上述した融点に関する要件は、通常、担体組成物にも適用され、特に担体組成物中に少量の水が含まれる場合である。しかしながら、担体組成物が加熱されると、担体組成物は2以上の相の形態になる(例えば明らかな2つの液相、又は例えばそこに分散した活性物質を含む液相)。このような場合、融点は本来の融点ではなく、単に担体組成物が噴霧装置において用いるのに適した液体形状になる加熱点である。このような加熱点は、しばしば実用的な目的のために、担体自体の融点に相当する。
【0079】
担体組成物中の担体の全濃度は、通常、例えば約10〜99.5% w/w、約15〜99% w/w、約15〜98% w/w、約15〜97% w/w、約20〜95% w/w、例えば少なくとも約25% w/w、少なくとも約30% w/w、少なくとも約35% w/w、少なくとも約40% w/w、少なくとも約45% w/w、少なくとも約50% w/w、少なくとも約55% w/w、少なくとも約60% w/w、少なくとも約65% w/w、少なくとも約70% w/w、少なくとも約75% w/w、少なくとも約80% w/w、少なくとも約85% w/w、少なくとも約90% w/w、少なくとも約95% w/w又は少なくとも約98% w/wのような約5〜100% w/wの範囲である。
【0080】
上述したように、本発明による方法においては、担体及び/又は担体組成物を溶融させる温度に担体及び/又は担体組成物を加熱することにより、担体又は担体組成物を液状の形態にし、液状形態にある担体(又は溶液又は分散液)を第二組成物上に噴霧する。
【0081】
上述したように、溶融又は液状の形態にある担体組成物を第二組成物上に噴霧する。したがって、担体又は担体組成物は適切な粘度を有するべきである。もし粘度が高すぎると、担体又は担体組成物は非常に「濃厚」になり、ノズルに付着する傾向になり、ノズルからの送達が停止することになる。本発明の目的について、担体及び/又は担体組成物の粘度は、最高100℃の温度で、例えば最大で700、最大で600、最大で500 mPasのような最大で約800 mPasの粘度(Brookfield DV-III)であれば適切である。担体及び/又は担体組成物の融点が約80℃を超える場合、上記の粘度の値は、融点より約40℃高い温度におけるものである。
【0082】
本発明による装置により得られる粒状材料において、担体の濃度は、例えば約5〜約90% w/w、約5〜約85% w/w、約5〜約80% w/w、約10〜約75% w/w、約15〜約75% w/w、約20〜約75% w/w、約25%〜約75% w/w、約30%〜約75% w/w、約35%〜約75% w/w、約25%〜約70% w/w約30%〜約70% w/w、約35%〜約70 % w/w、約40%〜約70% w/w、約45%〜約65% w/w又は約45%〜約60% w/wのような約5〜約95% w/wである。
【0083】
第二組成物が比較的高い粒子密度を有する医薬的に許容される賦形剤を含む場合、本発明の装置により得られる粒状材料中の担体の濃度は、例えば約5〜約90% v/v、約5〜約85% v/v、約5〜約80% v/v、約10〜約75% v/v、約15〜約75% v/v、約20〜約75% v/v、約25%〜約75% v/v、約30%〜約75% v/v、約35%〜約75% v/v、約25%〜約70% v/v、約30%〜約70% v/v、約35%〜約70 % v/v、約40%〜約70% v/v、約45%〜約65% v/v又は約45%〜約60% v/vのような約5〜約95% v/vである。
【0084】
次に、計算例を示す:
% w/wから% v/v(全組成物の)への再計算:
ラクトースの粒子密度:1.56 g/cm3
無水リン酸水素カルシウムの粒子密度:2.89 g/cm3
PEG 6000の粒子密度:1.17 g/cm3
ラクトースについて: w/w比50%のPEG 6000/ (ラクトース+ PEG 6000)= % v/v が56%
無水リン酸水素カルシウムについて: w/w比50%のPEG 6000 / (無水リン酸水素カルシウム+ PEG 6000)= % v/vが 71%
【0085】
多くの場合、担体又は担体組成物中に、治療的及び/又は予防的活性物質を溶解又は分散することが好適である。好適な治療的及び/又は予防的活性物質は、以下に論じる。
【0086】
本発明による装置においては、適切なサイズの凝集物をつくるために、例えば結合剤とともに、水又は水性溶媒を用いることは必要でない。凝集は、水のない、又は実質的に水のない条件で好適に起こる。よって、本装置は、水に影響されやすい(例えば水性条件下で分解する)活性物質又はその他の処方成分を用いる場合にも非常に有用である。しかしながら、もちろん、所望により担体組成物に水又は水性溶媒を添加してもよい。担体組成物は、通常、本質的に非水性であるが、水はある程度まで存在してもよく、担体組成物中の水の濃度は、例えば最大で約15% w/w、最大で約10% w/w、最大で約5% w/w、又は最大で約2.5% w/wのような最大で約20% w/wの水である。
【0087】
治療的及び/又は予防的活性物質
本発明の好ましい実施形態においては、本発明の装置により得られる粒状材料は治療的及び/又は予防的活性物質を含む。粒状材料は、ともに、又は代わりに化粧品用の活性物質(又は、化粧品組成物に用いられる物質)を含むことができる。本発明による装置においては、活性物質は担体組成物及び/又は第二組成物に含まれ得る。
【0088】
本発明の関係において、治療的及び/又は予防的活性物質は、ヒトのような哺乳類などの動物に対して機能を有する、いずれの生物学的及び/又は生理学的活性物質をも含む。この語は、薬剤物質、ホルモン、遺伝子又は遺伝子配列、抗体含有物質、タンパク質、ペプチド、例えばビタミン、ミネラル、脂質及び炭水化物などの栄養分、ならびにこれらの混合物を含む。したがって、この語は、動物もしくはヒトに影響する疾患もしくは異常の治療及び/又は予防において、又はいずれの動物もしくはヒトの生理学的状態の制御において有用性を有する物質を含む。この語は、有効量で投与された場合に生存細胞又は生物に効果を有する、いずれの生物学的活性物質をも含む。
【0089】
多くの活性物質及び多くの将来の薬剤物質が、特に水溶解性及び経口の生物学的利用能に関する望まれない特性を有しているか、有すると予想される。したがって、比較的簡単な手段で特に治療的及び/又は予防的活性物質を体に送達することを可能にし、同時に所望の治療的及び/又は予防的応答を可能にする新規の技術が高く望まれている。
【0090】
本発明による装置を用いることにより、特に発明者らがビーグル犬の研究で得た見込みのある結果の観点において、この目的は多くのこのような物質について達成されると考えられる。よって、本発明者らは、水溶解性が非常に低い活性物質を含む粒状材料の製造に本発明の装置を用いた場合に、生物学的利用能に関して非常に見込みのある結果を見出した。よって、本発明の装置は、25℃及びpH 7.4で、例えば最大で約2 mg/ml、最大で約1 mg/ml、最大で約750 μg/ml、最大で約500 ML/ml、最大で約250 ML/ml、最大で約100 ML/ml、最大で約50 ML/ml、最大で約25 ML/ml、最大で約20 ML/ml、又は最大で約10 ML/mlのような最大で約3 mg/mlの水溶解性を有する活性物質を含む粒状材料の製造のための使用に特に適している。特定の実施形態では、活性物質の溶解性は、例えば最大で約1 ML/ml、最大で約100 ng/ml、最大で約75 ng/ml、例えば最大で約50 ng/mlのように、さらにより低くてもよい。
【0091】
上述したように、本発明の装置は、水又は水性溶媒を用いることなく有利に行うことができる。したがって、本装置は、水により品質が落ちるか、分解されるか、さもなければ影響を受ける活性物質の使用に特に適している。
【0092】
本発明による粒状材料の使用に適した活性物質の例は、原則として、例えば溶けやすい、及び溶けにくい又は溶けない活性物質のようないずれの活性物質でもある。したがって、使用に適した活性物質の例は、例えば抗菌性物質、抗ヒスタミン剤、及びうっ血除去薬、抗炎症薬、駆虫薬、抗ウイルス剤、局所麻酔薬、抗真菌薬、抗アメーバ薬又は殺トリコモナス薬、鎮痛薬、抗不安薬、抗凝固薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗関節炎薬、凝固阻止薬、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗緑内障薬、抗マラリア薬、抗菌薬、抗腫瘍薬、抗肥満薬、抗精神病薬、抗高血圧薬、鎮咳薬、抗免疫不全薬、抗不能剤、抗パーキンソン病薬、抗アルツハイマー病薬、解熱薬、抗コリン作用薬、抗潰瘍薬、食欲低下薬(anorexic)、ベータ受容体遮断薬、ベータ−2アゴニスト、ベータアゴニスト、血糖低下薬、気管支拡張薬、中枢神経系に効果がある剤、心血管薬、認知エンハンサー、避妊薬、コレステロール減少剤、細胞増殖抑制剤、利尿薬、殺菌剤、H-2遮断薬、ホルモン剤、催眠薬、強心薬、筋弛緩薬、筋収縮剤、賦活薬、鎮静薬、交神経作用薬、血管拡張剤、血管収縮薬、トランキライザー、電解質サプリメント、ビタミン、反対刺激薬、興奮薬、抗ホルモン、薬物拮抗剤、脂質調整剤、尿酸排泄薬、強心配糖体、去痰薬、下剤、造影剤(contrast materials)、放射性医薬品、造影剤(imaging agents)、ペプチド、酵素、成長因子などである。
【0093】
特定の例は、例えば
【0094】
例えばイブプロフェン、インドメタシン、ナプロキセン、ナロルフィン(nalophine)のような抗炎症薬;
【0095】
例えばブロモクリプチン、ビペリデン(biperidin)、トリヘキシフェニジル、ベンズトロピンなどのような抗パーキンソン病薬、
【0096】
例えばイミプラミン、ノルトリプチリン、プリチプチリン(pritiptyline)などのような抗うつ薬、
【0097】
例えばクリンダマイシン、エリトロマイシン、フシジン酸、ゲンタマイシン、ムピロシン(mupirocine)、アンフォマイシン(amfomycin)、ネオマイシン、メトロニダゾール、スルファメチゾール、バシトラシン、フラマイセチン、ポリミキシンB、アシトロマイシン(acitromycin)などのような抗生物質、
【0098】
例えばミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、 アンフォテリシンB、ナイスタチン、ピリラミン、エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、ビフォナゾール、アモロフィン(amorofine)、マイコスタチン、イトコナゾール(itrconazole)、テルベナフィン(terbenafine)、テルコナゾール(terconazole)、トルナフテートなどのような抗真菌剤、
【0099】
例えばメトロニダゾール、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ペニシリンなどのような抗菌薬、
【0100】
例えばメトクロプラミド、ドロペリドール、ハロペリドール、プロメタジンなどのような鎮吐剤、
【0101】
例えばクロルフェニラミン、テルフェナジン(terfenadine)、トリプロリジンなどのような抗ヒスタミン剤、
【0102】
例えばジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、ピゾフィリン(pizofylline)などのような抗偏頭痛薬、
【0103】
例えばニフェジピン、ジルチアゼムなどのような冠血管、脳血管又は末梢血管の拡張薬、
【0104】
例えばグリセリルニトレート、イソソルビドジニトレート、モルシドミン、ベラパミルなどのような抗狭心症薬、
【0105】
例えばベラパミル、ニフェジピン、ジルチアゼム、ニカルジピンなどのようなカルシウムチャネル遮断薬、
【0106】
例えばエストラジオール、エストロン、エストリオール、ポリエストラジオール、ポリエストリオール、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、プロゲステロン、ジヒドロプロゲステロン、シプロステロン(cyprosterone)、ダナゾール、テストステロンなどのようなホルモン剤、
【0107】
例えばエチニルエストラジオール、リネストレノール、エチノジオール、ノルエチステロン、メストラノール、ノルゲストレル、レボノルゲストレル(levonorgestrel)、デソデストレル(desodestrel)、メドロキシプロゲステロンなどのような避妊薬、
【0108】
例えばヘパリン、ワルファリンなどのような抗血栓薬、
【0109】
例えばヒドロクロロチアジン、フルナリジン、ミノキシジルなどのような利尿薬、
【0110】
例えばプロパノロール、メトプロロール、クロニジン、ピンドロールなどのような抗高血圧薬、
【0111】
例えばベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾン-17-バレレート、ベタメタゾン-ジプロピオネート、クロベタゾール、クロベタゾール-17-ブチレート、クロベタゾール-プロピオネート、デソニド、デゾキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルコルトロン、フルメタゾン、フルメタゾン-ピバレート、フルオシノロン アセトニド、フルオシノニド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン-17-ブチレート、ヒドロコルチゾンブテプレート(hydrocortisonebuteprate)、メチルプレドニソロン、トリアムシノロン アセトニド、ハルシノニド、フルプレドニド アセテート、アルクロメタゾン-ジプロピオネート(alklometasone-dipropionate)、フルオコルトロン、フルチカゾン-プロピオネート(fluticason-propionte)、モメタゾン-フレート(mometasone-furate)、デゾキシメタゾン、ジフロラゾン-ジアセテート、ハルキノール、クリオキノール、クロルキナルドール、フルオシノロン-アセトニドなどのようなコルチコステロイド、
【0112】
例えばニトロフラントイン、ジトラノール、クリオキノール、ヒドロキシキノリン、イソトレチノイン、メトキサレン、メトトレキサート、トレチノイン、トリオキサレン、サリチル酸、ペニシラミンなどのような外皮用薬、
【0113】
例えばエストラジオール、プロゲステロン、ノルエチンドロン、レボノルゲストレル、エチノジオール、レボノルゲストロール(levonorgestrol)、ノルゲスチメート(norgestimate)、ゲスタニン(gestanin)、デソゲストレル(desogestrel)、3-ケトン-デソゲステレル(3-keton-desogesterel)、デメゲストン(demegestone)、プロメトエストロール(promethoestrol)、テストステロン、スピロノラクトン、及びこれらのエステルなどのようなステロイド、
【0114】
例えばアミルニトレート、ニトログリセリン及びイソソルビドニトレートなどのようなニトロ化合物、
【0115】
例えばモルヒネ、ブプレノルフィン、オキシモルフォン、ヒドロモルフォン、コデイン、トラマドールなどのようなオピオイド、
【0116】
例えばミノプロストール(minoprostol)、ジノプロストン、カルボプロスト、エネプロスチル(eneprostil)などのような、例えばPGA、PGB、PGE又はPGFシリーズの一員のようなプロスタグランジン、
【0117】
例えば成長ホルモン放出因子、成長因子(例えば上皮成長因子(EGF)、神経成長因子(NGF)、TGF、PDGF、インシュリン成長因子(IGF)、線維芽細胞成長因子(aFGF、bFGFなど))、ソマトスタチン、カルシトニン、インシュリン、バソプレシン、インターフェロン、IL-2など、ウロキナーゼ、セラチオペプチダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、チロトロピン放出ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(GHRH)、オキシトシン、エリスロポエチン(EPO)、コロニー刺激因子(CSF)などのようなペプチド。
【0118】
水に溶けにくい、やや溶けにくい又は溶けない活性物質の興味のある例を、次の表に示す:
【0119】
【表1−1】

【0120】
【表1−2】

【0121】
【表1−3】

【0122】
【表2】

【0123】
粒状材料中(及び/又は医薬品、化粧品もしくは食品組成物中)に組込まれる活性物質の量は、公知の医薬処方の原理に従って選択することができる。一般的には、本発明の粒状材料中に存在する活性物質の投与量は、とりわけ特定の薬剤物質、治療される患者ならびに疾患の年齢及び症状に依存する。
【0124】
本発明の粒状材料は、化粧品用の活性成分及び/又は食品成分を含むことができる。特定の例としては、ビタミン、ミネラル、植物油、硬化植物油などを含む。
【0125】
第二組成物
上記のように、担体又は担体組成物は、第二組成物上に噴霧される。最終の粒状材料中における高い担体の量を達成し、第二組成物中に含まれる粒子の制御された凝集を可能にするために、本発明者らは、驚くべきことに、特定の実施形態においては、第二組成物が、担体又は担体組成物の融点(又は、上述したように、担体組成物の加熱点)より、例えば少なくとも約15℃、少なくとも約20℃、少なくとも約25℃、又は少なくとも約30℃のような少なくとも約10℃低い温度を最初に有するべきであることを見出した。しかしながら、上述したように、少なくとも約10℃の温度差は常に必要なわけではない。したがって、第二組成物は、例えば少なくとも約2℃、少なくとも約5℃の温度のような、最大で担体及び/又は担体組成物の融点と相当する温度を有すればよい。本発明の装置において、第二組成物の外部からの加熱は通常行わないが、入口空気を通して冷却を行うことが有利な場合がある。しかしながら、第二組成物の温度は、組成物の作業により少し上昇することがある。しかしながら、温度は、例えば担体又は担体組成物の融点より最大で約5℃、例えば最大で約10℃、最大で約15℃、最大で約20℃低いような、高くても担体又は担体組成物の融点より高くてはならない(又は、高くならない)。よって、本発明の装置は、第二組成物の加熱なしに行うことができ、すなわち周囲温度又は室温(すなわち通常、約20℃〜約25℃の範囲)で行うことができる。
【0126】
これに対して、公知の溶融造粒方法は、溶融結合剤とともに、顆粒化される(又は凝集される)材料の外部からの加熱を含む。
【0127】
第二組成物は医薬的及び/又は化粧品用に許容される賦形剤を含み、第二組成物中には、さらに治療的及び/又は予防的活性物質が存在することができる。
【0128】
本発明の関係において、「医薬的に許容される賦形剤」及び「化粧品用に許容される賦形剤」の語は、それ自体が治療的及び/又は予防的効果を本質的に有さない意味において不活性な、いずれの材料をも意味することを意図する。このような賦形剤は、許容される技術的特性を有する医薬品及び/又は化粧品組成物を得ることを可能にする目的で添加することができる。
【0129】
第二組成物中での使用に好適な賦形剤の例は、充填剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤など、又はこれらの混合物である。本発明の装置により得られる粒状材料は異なる目的に用いることができるので、賦形剤の選択は、このような異なる使用を考慮に入れて通常行われる。第二組成物中(及び/又は担体組成物中)における使用のための、他の医薬的に許容される賦形剤は、例えば酸性化剤、アルカリ化剤、防腐剤、抗酸化剤、緩衝剤、キレート剤、着色剤、錯化剤、乳化及び/又は可溶化剤、矯味矯臭剤及び香料、湿潤剤、甘味剤、加湿剤などである。
【0130】
好適な充填剤、希釈剤及び/又は結合剤の例は、ラクトース(例えば噴霧乾燥タガトース、ラクトース、α−ラクトース、β−ラクトース、Tabletose(登録商標)、種々のグレードのPharmatose(登録商標)、Microtose(登録商標)又はFast-Floc(登録商標))、微結晶性セルロース(種々のグレードのAvicel(登録商標)、Elcema(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)又はSolka-Floc(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース、L-ヒドロキシプロピルセルロース(低置換)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(例えば4,000 cpsグレードのメトセル(Methocel) E及びメトロース(Metolose) 60 SH、4,000 cpsグレードのメトセルF及びメトロース65 SH、4,000、15,000及び100,000 cpsグレードのメトセルK;4,000、15,000、39,000及び100,000グレードのメトロース90 SHなどの、信越化学工業株式会社のメトセルE、FならびにK、メトロースSH)、メチルセルロースポリマー(例えばメトセルA、メトセルA4C、メトセルA15C、メトセルA4M)、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチレン、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ならびに他のセルロース誘導体、スクロース、アガロース、ソルビトール、マンニトール、デキストリン、モルトデキストリン、デンプンもしくは化工デンプン(バレイショデンプン、トウモロコシデンプン及びコメデンプンを含む)、リン酸カルシウム(例えば塩基性リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二カルシウム水和物)、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、コラーゲンなどを含む。
【0131】
希釈剤の特定の例は、例えば炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストラン、デキストリン、デキストロース、フラクトース、カオリン、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、スクロース、砂糖などである。
【0132】
崩壊剤の特定の例は、例えばアルギン酸又はアルジネート、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び他のセルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム(polacrillin potassium)、ソディウムスターチグリコレート、デンプン、α化デンプン、カルボキシルメチルデンプン(例えばPrimogel (登録商標)及びExplotab (登録商標))などである。
【0133】
結合剤の特定の例は、例えばアカシア、アルギン酸、アガー、カルシウムカラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶性セルロース、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、液状グルコース、グアーガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ペクチン、PEG、ポビドン、α化デンプンなどである。
【0134】
第二組成物は、滑剤(glidants)及び滑沢剤を含むことができる。例としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、又は他のステアリン酸金属塩、タルク、ワックス及びグリセリド、軽油、PEG、グリセリルベヘネート、コロイドシリカ、硬化植物油、コーンスターチ、ソディウムステアリルフマレート、ポリエチレングリコール、アルキルサルフェート、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどを含む。
【0135】
第二組成物中(及び/又は担体組成物中)に含むことができる他の賦形剤としては、例えば着色剤、呈味隠ぺい剤、pH調整剤、可溶化剤、安定化剤、加湿剤、界面活性剤、抗酸化剤、修飾放出のための剤などである。
【0136】
粒状材料中にマグネシウムアルミノメタシリケートを組込むことが有利な場合がある。これは、第二組成物の部分であってもよく、粒状材料のさらなる加工(例えばカプセル又は錠剤のような固体投与形態を製造する)を促進するために、後から添加してもよい。マグネシウムアルミノメタシリケートは、ノイシリンの名の下で販売されており、富士化学工業から入手可能である。ノイシリンは、添加したときの粉末及び顆粒の充填能ならびに打錠特性を向上させるために、通常用いられる。ノイシリンは、重量変動を減少させ、錠剤の硬度と崩壊性を向上させると考えられている。最後に、ノイシリンは吸着能を有し、油抽出物及びワックスのようなワックス様材料を医薬組成物に加工する場合の使用に適したものにする。特にノイシリンUFL2及びUS2は、このような使用に適すると言われている。
【0137】
したがって一つの観点において、本発明は、第二組成物がノイシリンS1、ノイシリンFH2、ノイシリンUS2、ノイシリンUFL2などのマグネシウムアルミノシリケート及び/又はマグネシウムアルミノメタシリケートを含む方法に関する。他の好適な物質は、ベントナイト、カオリン、マグネシウムトリシリケート、モンモリロナイト及び/又はサポナイトが考えられる。更なる実施形態においては、第二組成物は、例えばノイシリンなどのマグネシウムアルミノシリケート及び/又はマグネシウムアルミノメタシリケートを含み、得られた粒状材料は、例えば少なくとも約40% v/v、少なくとも約50% v/v、少なくとも約60% v/v、少なくとも約70% v/v、少なくとも約75% v/v、少なくとも約80% v/v、少なくとも約85% v/v、又は少なくとも約90% v/vのような少なくとも約30% v/vの担体の含量を有する。
【0138】
ノイシリンの公知の使用のほかにも、本発明者らは、マグネシウムアルミノメタシリケート(ノイシリン)が、おそらくはノイシリンの多孔性の構造により、滑剤又は抗付着剤として優れた特性を有することを見出している。したがって、特に製錠機において粒状材料の製造装置へのいずれの付着をも減少させるために、ノイシリンを添加することが有利である。本明細書における実施例は、公知の滑沢剤と比較したノイシリンの抗付着特性の比較を示し、ノイシリンは非常に有望であり、滑沢剤として新規の候補であると思われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0139】
本発明の装置は、高又は低せん断ミキサー又は流動床を備えることができる。担体を含む第一組成物は、噴霧ノズルで、前記ミキサー又は流動床上に載せられた第二組成物上に噴霧される。一般に、担体は、担体及び/又は担体組成物の融点を超える温度に加熱される。第二組成物は、加熱されず、その温度は、通常の周囲温度である。担体と第二組成物の間の温度差により、担体は、急速に固化し、粒子サイズの成長が制御される。
【0140】
本発明の関係において、「制御された凝集」という用語は、材料の平均幾何直径の増大が、担体組成物中の担体濃度の線形又はほぼ線形の関数である(図2を参照)ことを意味することを意図している。制御された凝集は、20%の担体を含む担体組成物が第二組成物に加えられたときに、500μm以下の幾何学的重量平均径dgwが得られる場合にも、存在している。
【0141】
幾何学的重量平均径は、得られた粒状材料(又は出発材料)を空気中に分散させたレーザー回折法を用いて決定することができる。測定は、等価球形の分布を記録するSympatec Helosの装置で、1バールの分散圧力で行った。この分布は、容量−サイズlog正規分布に適合させる。
【0142】
ここで使用されるときは、「幾何学的重量平均径」は、容量−サイズlog正規分布の平均径を意味する。
【0143】
図1は、本発明による制御された凝集用装置の好ましい実施形態を概略的に示す。図示された装置40は、本発明による噴霧ノズル10を備える。
【0144】
装置40は、第二組成物の流動化のための流動床42をさらに備える。噴霧ノズル10は、流動床42上方に取り付けられ、液状の担体48を含む第一組成物46を流動床42内で流動化された第二組成物44上に噴霧する。
【0145】
装置40の、温度及び圧力制御されたタンク50は、第一組成物46を含み、中央通路12を有する中央管26に連結されており、担体48の融点を超える温度で第一組成物46を供給する。
【0146】
温度制御された一次空気は、第二管28に連結され、かつ温度制御された第一加圧空気供給部52から噴霧ノズル10に供給される。
【0147】
温度制御された二次空気は、第三管30に連結され、かつ温度制御された第二加圧空気供給部54から噴霧ノズル10に供給される。
【0148】
凝集を制御することの可能性は、例えば溶融造粒のような従来の方法を用いたときに記載されたものよりもはるかに多い、非常に多くの量の担体を有する粒状材料を得ることを可能にする。上述したように、担体の量を多くすることは、粒状材料が水に溶けにくいか、水にやや溶けにくいか、又は溶けない活性物質を含んで製造される場合に特に重要であることが示されている。図2は、全組成物重量を500 mgと想定して、粒状材料中の異なる担体濃度における、得ることができる投与量と担体組成物中の薬剤溶解性との関係を示す、理論的に算出されたカーブである。担体の濃度を20%から70%に増加することにより、投与量を約3.5倍増加させることができることがわかる。従来の溶融造粒、すなわち溶融結合剤及び賦形剤の加熱を行うことによる方法によると、通常、溶融結合剤の量は、最大で約15% w/w(最終組成物について計算)になる。結合剤と造粒される材料とを同じ温度で用いる他の造粒方法は、従来の造粒法であり、湿潤又は乾燥の造粒法のいずれかにより行われる。
【0149】
図4のSEM顕微鏡写真は、本発明の装置により製造された粒状材料を示す。担体としてPEG 6000を用い、第二の組成物としてラクトースを用いている。図4は、ラクトースの一次粒子がPEG 6000の小滴中への浸漬により、又はより大きい凝集物の間での合体(coalescence)により凝集していることを示す。凝集物は、PEG 6000で部分的に被覆されている。生成物の温度をPEGの融点より少なくとも10℃低い温度に維持することによるPEGの迅速な固化により、合体による凝集物の成長の蓋然性は減少する。
【0150】
これに対して、図5のSEM顕微鏡写真に、制御されていない凝集を示す。粒状材料は、本明細書中の実施例2 (制御されていない凝集)に従って、担体としてPEG 6000、賦形剤としてラクトースを用いて製造する。図5は、粒状材料が凝集物の表面において過剰の液状化PEGとともにより大きい凝集物を有し、上昇した生成物の温度において合体による凝集物の成長の蓋然性が増加することを示す。
【0151】
本発明の装置により得られる粒状材料は、例えば≧20μm、約20〜約2000、約30〜約2000、約50〜約2000、約60〜約2000のような≧10μm、例えば約100〜約1500μm、約100〜約1000μm、又は約100〜約700μmのような約75〜約2000の幾何学的重量平均径dgwを有する。特定の実施形態では、幾何学的重量平均径dgwは、例えば約50〜約400μm、例えば約50〜約350μm、約50〜約300μm、約50〜約250μm、もしくは約100〜約300μmのような、最大で約400μm又は最大で300μmである。
【0152】
本発明の装置により得られた粒状材料の多くの特性については、すでに論じた。まとめとして、粒状材料は良好な流動性及び圧縮性を含む、良好な製錠特性を有する。それ自体が、もしくは通常量の滑沢剤の添加後に、製錠装置に対してほとんど又は全く付着性を有さない。非常に低い溶解性、及び/又は非常に低い生物学的利用能をもつ活性物質、又は水の存在下における分解の対象である活性物質の添加について優れた代案である(本発明は、いずれの水も存在することなく行うことができる)。
【0153】
したがって、本発明の粒状材料は、例えば錠剤へのさらなる加工のために優れている。カプセルに比べて錠剤は、通常、製造するのがより容易で、より安価であり、錠剤はしばしば患者に好まれる。さらに、錠剤製剤は、例えば活性物質の放出、サイズなどに関する特定の要件を調整するのが比較的容易である。
【0154】
本発明による装置により得られる医薬組成物は、そのまま用いることができるか、又は1つ以上の適切な医薬的及び/又は化粧品用に許容される賦形剤を添加することにより、医薬品及び/又は化粧品組成物の製造にさらに加工することができる。さらに、得られた粒状材料は、コーティングを供給して、被覆された粒子、顆粒又はペレットを得ることができる。活性物質の即時又は修飾放出のための組成物を得るために、適切なコーティングを用いることができ、用いるコーティングは、通常、フィルムコーティング(即時又は修飾された放出)及び腸溶コーティングもしくはその他の修飾放出コーティング、保護コーティング又は抗付着性コーティングからなる群より選択される。
【0155】
本発明の装置により得られる粒状材料は、さらに錠剤に加工するために特に好適である。この材料は、製錠の目的に適した特性を有する(以下参照)が、錠剤の製造前に、さらに治療的及び/又は予防的活性物質及び/又は賦形剤を粒状材料に添加するのが好適な場合もある。例えば、i) 修飾放出被覆された顆粒又は修飾放出マトリクスの形態にある顆粒に含まれた活性物質と、ii) 自由に利用できる形態にある活性物質との混合物を用いることにより、活性物質の比較的速い放出に続いて、同じ又は異なる活性物質の修飾された(すなわち、しばしば遅延された)放出を行うために好適な放出パターンを設計することができる。
【0156】
上記からわかるように、本発明の方法により得られた粒状材料は、直接打錠により得られる錠剤の製造における使用に適している。さらに、粒状材料は、乾燥造粒方法において用いる結合剤としてそれ自体に用いることができる。
【0157】
本発明による方法により得られる粒状材料は、固体粒状材料の使用が適用できる、いずれ種類の医薬組成物にも用いることができる。したがって、適切な医薬組成物は、例えば固体、半固体、流体もしくは液体の組成物、又は噴霧剤の形態にある組成物である。粒状材料は、例えば経皮膏薬、膣への使用のための装置、又はインプラントのような適切な薬剤送達装置に組込むこともできる。
【0158】
固体組成物は、粉末、及び例えば錠剤、カプセル、サッシェ、膏薬、注入のための粉末などの投与量単位の形態にある組成物を含む。
【0159】
半固体組成物は、軟膏、クリーム、ローション、坐薬、膣坐薬(vagitories)、ゲル、ヒドロゲル、石鹸剤などの組成物を含む。
【0160】
流体又は液体組成物は、溶液、例えばエマルジョン、懸濁液、混合液、シロップなどの分散液を含む。
【0161】
本発明による噴霧ノズル10の好ましい実施形態を図7aに示す。噴霧ノズル10は、液体をノズル先13に供給するための中央通路12を有する中央管26を備える。中央管26は、保護プラスチックカバーで補強されたテフロン(登録商標)の裏地を備える柔軟なホースである。ホース26は、ノズル先13に取り付けられている。ホース26及びノズル先13は、噴霧ノズル10に取り外し可能に取り付けられたユニットを形成する。このユニットは、バッチ処理の間に、取り外し、廃棄し、新しいユニットに交換することができる。従って、噴霧ノズルの清掃及び殺菌を簡単に行うことができる。ノズル先13は、中央通路12の一部を含む。中央通路12は、液体を放出するためのノズルオリフィス14で終わる。中央管26は、第二管28によって囲まれる。これによって、中央管26と第二管28の間に、中央通路12をほぼ囲み、これとほぼ同心である一次空気の供給のための第一通路16が、形成される。
【0162】
第二管28は、第二管28の端にあるノズル錐体32で終わる。これによって、第一通路16の一部が、ノズル先13とノズル錐体32の間に形成される。第一放出間隙18は、オリフィス14に近位のノズル錐体32の端において、ノズル錐体32とノズル先13の間に形成される。第二管28の端に、ノズル錐体32内部に設けられた対応するネジ山に係合するネジ山19が設けられる。ノズル錐体32は、ネジ山係合で、取り外し可能に第二管28に取り付けられる。第一放出間隙18のサイズは、ノズル錐体32の回転によって調節することができる。
【0163】
第二管28は、第三管30によって囲まれる。これによって、第二管28と第三管30の間に、第一通路16を囲み、これと同心である二次空気の供給のための第二通路22が形成される。外装34は、第三管30の端に設けられる。これによって、第二通路22の一部が、ノズル錐体32と外装34の間に形成される。第一放出間隙18とほぼ同心である第二放出間隙24は、第一放出間隙18に対してある距離をおいて上流であって、かつ外装34とノズル錐体32の間に形成される。第三管30の端に、ノズル外装34にある対応するネジ山に係合するネジ山31が設けられる。外装34は、ネジ山係合で、第三管30に取り付けられる。第二放出間隙24のサイズは、外装の回転によって調節することができる。
【0164】
第二通路22を通って供給される温度制御された空気は、オリフィス14に隣接した噴霧ノズルの外表面への材料の付着を防止する。
【0165】
管28,30、ノズル先13及びノズル錐体32は、異なるタイプのステンレス鋼、例えばAISI 316及びSAF 2205で形成される。穴の拡大を防止するために、互いに可動に係合する部品、例えば第一管28とノズル錐体32、を異なるタイプのステンレス鋼で形成することは重要である。
【0166】
外装34は、第二放出間隙に向かって先細りである。これによって、噴霧の間、外装34には水平面が実質的に存在せず、噴霧ノズルへの物質の付着がさらに少なくなる。
【0167】
さらに、噴霧ノズルの表面の、特にオリフィス14の近傍を、例えばテフロン(登録商標)でコーティングすることができる。これにより、噴霧ノズルを詰まらせて清掃無しでのさらなる実施を妨げる噴霧ノズル10での材料の付着がさらに抑制される。
【0168】
一次空気の通路のためのアパーチャー又はチャネル17を有する部材15を備えた、ノズル先13の2つの実施形態を図7bに示す。上側の実施形態では、チャネル17は、一次空気流の方向を変えずに、部材15を通って一次空気を真っ直ぐ導く。下側の実施形態では、アパーチャー又はチャネル17の縦軸が、中央管の縦軸とある角度をなしている。これによって、一次空気流に渦流が誘起される。流れの渦巻き運動は、渦巻きと比較的圧力の低い領域を形成し、それによって、噴霧角度が増大する。
【0169】
図8−16は、一次空気及び二次空気の種々の実施温度での制御された凝集用装置での実施後の噴霧ノズル10への付着の写真である。
【0170】
図8−16の全てに対して、次のパラメータ値が妥当である。
・噴霧器空気流:1.9m3/h
・二次空気流:2.4m3/h
・担体タンク50の温度設定:90℃
・供給管温度:85℃
・第一組成物流れ:10−20g/min
・第二組成物:300gラクトース 200メッシュ
・流動化空気流:周囲温度(20−23℃)で20−40m3/h
・使用した担体の量:250g
【0171】
図8−12では、48−54℃の範囲の融点を有するPEG3000を第二組成物に噴霧した。図8及び9は、噴霧器空気温度を100℃に設定し、二次空気温度を60℃に設定して実施した後の噴霧ノズルを示す。図8及び9で分かるように、材料が噴霧ノズルに付着していて、霧化が妨げられていた。これらの条件では、第一及び第二組成物は無しであるが、噴霧ノズルでの温度の測定値は48℃、すなわち、PEG3000の融点の下端であった。これは、ノズルの先端で、溶融担体の固化を生じさせると思われる。
【0172】
図10は、噴霧器空気温度を140℃に設定し、二次空気温度を80℃に設定して実施した後の噴霧ノズルを示す。図10で分かるように、材料が噴霧ノズルに付着していたが、霧化は妨げられていなかった。これらの条件では、第一及び第二組成物は無しであるが、噴霧ノズルでの温度の測定値は59℃、すなわち、PEG3000の融点を超えていた。ノズル表面温度が高すぎるので、ノズルの先端に溶融担体の付着が生じると思われる。
【0173】
図11及び12は、噴霧器空気温度を140℃に設定し、二次空気温度を60℃に設定して実施した後の噴霧ノズルを示す。図11及び12で分かるように、材料が噴霧ノズルに付着しているが、霧化は妨げられていなかった。これらの条件では、第一及び第二組成物は無しであるが、噴霧ノズルでの温度の測定値は58℃、すなわち、PEG3000の融点を超えていた。ノズル表面温度が高すぎるので、ノズルの先端に溶融担体の付着が生じると思われる。
【0174】
図13−16では、55−63℃の範囲の融点を有するPEG6000を第二組成物に噴霧した。
【0175】
図13は、噴霧器空気温度を140℃に設定し、二次空気温度を100℃に設定して実施した後の噴霧ノズルを示す。図13で分かるように、材料が噴霧ノズルに付着していたが、霧化は妨げられていなかった。これらの条件では、第一及び第二組成物は無しであるが、噴霧ノズルでの温度の測定値は59℃であった。付着は、おそらく、固体粒子がさらに付着するための種として働く液滴によって引き起こされている。
【0176】
図14は、噴霧器空気温度を140℃に設定し、二次空気温度を70℃に設定して実施した後の噴霧ノズルを示す。図10で分かるように、材料が噴霧ノズルに付着していて、霧化は非常に乏しかった。これらの条件では、第一及び第二組成物は無しであるが、噴霧ノズルでの温度の測定値は52℃、すなわち、PEG6000の融点範囲以下であった。固化した液滴と第二組成物の固体粒子の付着が材料の付着を引き起こすと考えられる。
【0177】
図15は、噴霧器空気温度を140℃に設定し、二次空気温度を40℃に設定して実施した後の噴霧ノズルを示す。図15で分かるように、多量の材料が噴霧ノズルに付着していて、霧化は起こらなかった。
【0178】
図16は、噴霧器空気温度を140℃に設定し、二次空気温度を80℃に設定して実施した後の噴霧ノズルを示す。図16で分かるように、ほんの少しの材料が噴霧ノズルに付着していて、信頼できる霧化が達成された。これらの条件では、第一及び第二組成物は無しであるが、噴霧ノズルでの温度の測定値は54℃、すなわち、PEG6000の融点範囲の下端に近かった。
【0179】
このように、第一組成物の適切な霧化には、ノズルオリフィスでの霧化温度が担体の融点を超えるか、少なくともこれと一致することが必要である。さらに、噴霧器空気流は、第一組成物の霧化に十分でなければならない。
【0180】
二次空気の温度は、ノズル先の表面を担体の融点範囲の下端に冷却するのに十分に低くなければならない。それよりも温度が高いと、液滴の付着により、固体の第二組成物材料が付着する結果になるであろう。それより温度が低いと、液滴は、固化し、付着蓄積のための種として働くであろう。
【0181】
二次空気流は、ノズル周りに加熱ゾーンを形成し、流動床の逆方向の空気流において、オリフィスの周りの固体粒子の付着を減少させるのに十分であるべきである。
【0182】
本発明による装置で粒状材料の製造を行った実施例をいくつか示す。
【0183】
材料
使用した全ての材料は、薬剤グレードであった。
リン酸水素カルシウム(Di-cafos A): Budenheim
クロスカルメロース・ナトリウム Ac-Di-Sol: FMC
ステアリン酸マグネシウム:Magnesia株式会社
ポリエチレングリコール:Hoechst
ラクトース:DMV
使用した他の材料は、以下の実施例から現れる。
【実施例1】
【0184】
本発明による装置での粒状材料の製造
この実施例は、比較的多くの量の担体を含む粒状材料の製造を示す。得られた粒状材料は、良好な流動性、良好な密集性を示し、優れた錠剤化特性を有している。従って、粒状材料は、例えば錠剤の製造を可能にし、その錠剤は、担体の量が比較的多いにも関わらず、圧縮の際に、錠剤パンチ又は鋳型への付着が、あるとしても最小限になる。さらに、得られた錠剤は、崩壊性、重量変動、及び硬度の点からも受容できる特性を有している。
【0185】
出発材料
ラクトース一水和物(DMV) 125メッシュ
無水リン酸水素カルシウム(Di-Ca-Fos P)
融点約60℃のポリエチレングリコール6000(PEG6000)
【0186】
装置
0.8mmのオリフィスを有する本発明の噴霧ノズルを取り付けた流動床Strea-1 (Aeromatic-Fielderから)
【0187】
顆粒状の組成物
組成物1.1
ラクトース 500 g
PEG 6000 420 g (ラクトース上に噴霧)
組成物は担体濃度が45.6% w/wである。
組成物1.2
無水リン酸水素カルシウム 500 g
PEG 6000 210 g (リン酸水素カルシウム上に噴霧)
組成物は担体濃度が29.6% w/wである。
【0188】
処理条件−説明
ラクトース(又は組成物1.2については無水リン酸水素カルシウム)を適切な入口空気流にて流動化した。入口空気は加熱しなかった。PEG 6000を電気的に加熱した圧力タンクを用いて溶融した。温度を約85℃、すなわちPEG 6000の融点より高い温度に維持した。溶融物を加熱された管を通してタンクからノズルにポンプで運んだ。管では温度を80℃に維持した。タンク中の圧力が溶融物の流速を決定した。上部噴霧ノズルを通して運ばれた噴霧器空気を加熱することによりノズルを加熱して、小滴を液化された段階に保った。
【0189】
設定
入口空気流:1時間当たり30〜50 m3
入口空気温度:周囲温度(20〜25℃)
タンク温度:85℃
タンク圧力:流速14〜15 g/分に相当する1.5 Bar
管温度:80℃
一次空気温度:100℃
プロセス時間:28分
平衡での生成物温度:40℃ (15分後)
【0190】
生成物の特性
生成物(組成物1.1及び1.2)は、平均顆粒サイズがおよそ300〜500μmの、自由に流動する顆粒物質である。
【実施例2】
【0191】
制御された凝縮−概念の証明
【0192】
方法
制御された凝集は、担体の融点よりも少なくとも10℃低く生成物温度を保つことにより得られ、合体による凝集の蓋然性を低下させる。制御された凝集は、担体の使用量の関数としての平均顆粒サイズ(幾何学的重量平均径dgw)の漸増を特徴とする。これに比べて、制御されていない凝集は、顆粒サイズの迅速な増加を示す。概念の証明として、顆粒成長パターンを、次の条件に対応して比較する:
・ 周囲温度の入口流動空気温度:20〜25℃
・ 生成物の温度を約50〜60℃に導く、入口流動空気温度85℃
【0193】
出発材料
ラクトース一水和物125メッシュ
ポリエチレングリコール6000
【0194】
装置
上部噴霧バイナリーノズルを備えた流動床Strea-1
【0195】
顆粒組成物
ラクトース 400 g
PEG 6000 別個の実験において逐次的に増加させる(最終組成物中に0%〜約60%)
【0196】
プロセス条件
条件は、実施例1において記載したのと同じであった。
【0197】
設定(制御された凝集)
入口空気流:1時間当たり30〜50 m3
入口空気温度:周囲温度(20〜25℃)
タンク温度:90℃
タンク圧力:流速14〜15 g/分に相当する1.5 Bar
管温度:85℃
噴霧器空気温度:100℃
平衡での生成物温度:40℃
【0198】
設定(制御されていない凝集)
入口空気流:1時間当たり30〜50 m3
入口空気温度:85℃
タンク温度:90℃
タンク圧力:流速14〜15 g/分に相当する1.5 Bar
管温度:85℃
噴霧器空気温度:100℃
平衡での生成物温度:55〜65℃
【0199】
生成物の特徴
流動化したラクトース粒子上にPEGを量を増加させて噴霧し、生成物の粒子サイズの分布を、凝集物を空気中に分散させてレーザー回折法により分析した。平均顆粒サイズ(幾何学的重量平均径dgw)と用いた担体量との間の関係は、図2及び表3に示すように、制御された凝集と制御されていない凝集との間の差異を示す。表3は、サイズ分布の幅に関する幾何学的標準偏差Sgを含む。
【0200】
【表3】

【0201】
表3。PEG 6000濃度の異なる使用量で、加熱又は非加熱の入口空気条件における流動床での溶融噴霧による凝集により製造した顆粒生成物の粒子サイズの特徴。Dgw:幾何学的重量平均径。Sg:幾何学的標準偏差。
【0202】
図17は、約5°という小さな噴霧角度で実施中の、本発明による噴霧ノズルの好ましい実施形態の写真を示す。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1】本発明による制御された凝集用装置の好ましい実施形態を概略的に示す。
【図2】生成物温度がそれぞれ40−45℃,50−60℃の場合の、125メッシュのラクトース上に噴霧されたPEG6000の量と、平均顆粒サイズ(幾何学的重量平均径)の相関関係を示す。点線は、生成物温度が50−60℃でPEG濃度が約25%での制御されていない凝集を示す。
【図3】処方単位重量が500mgであると想定したときの種々の担体濃度での、得られる投与量と担体中の薬剤溶解性との関係を示す。
【図4】125メッシュのラクトース上に噴霧されたPEGのSEM顕微鏡写真であり、PEG濃度は、48% w/w、拡大率45倍である。
【図5】125メッシュのラクトース上に噴霧されたPEGのSEM顕微鏡写真であり、PEG濃度は、25% w/w、拡大率45倍である。実施例4からの結果を示す。
【図6】DSCカーブによる融点の決定を示す。
【図7】本発明による噴霧ノズルの好ましい実施形態を示す。
【図8】本発明によるノズル先と部材を示す。
【図9】種々の実施温度での制御された凝集用装置での実施後の噴霧ノズルへの付着の写真を示す。
【図10】種々の実施温度での制御された凝集用装置での実施後の噴霧ノズルへの付着の写真を示す。
【図11】種々の実施温度での制御された凝集用装置での実施後の噴霧ノズルへの付着の写真を示す。
【図12】種々の実施温度での制御された凝集用装置での実施後の噴霧ノズルへの付着の写真を示す。
【図13】種々の実施温度での制御された凝集用装置での実施後の噴霧ノズルへの付着の写真を示す。
【図14】種々の実施温度での制御された凝集用装置での実施後の噴霧ノズルへの付着の写真を示す。
【図15】種々の実施温度での制御された凝集用装置での実施後の噴霧ノズルへの付着の写真を示す。
【図16】種々の実施温度での制御された凝集用装置での実施後の噴霧ノズルへの付着の写真を示す。
【図17】種々の実施温度での制御された凝集用装置での実施後の噴霧ノズルへの付着の写真を示す。
【図18】小さな噴霧角度で実施中の噴霧ノズルの写真を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を供給するための中央通路(12)を有する中央管(26)を備え、
前記通路は、液体を放出するためのオリフィス(14)で終わり、
中央管(26)を囲む第二管(28)を備え、それによって中央管(26)と第二管(28)の間に一次空気を供給するための第一通路(16)が形成され、
第二管(28)の端に配置され、第一通路(16)の第一放出間隙(18)の外側の周囲を形成し、かつ第一通路(16)を通って供給された空気を前記液体と混合して液体/基体噴霧を提供するノズル錐体(32)と、
第二管(28)を囲む第三管(30)を備え、それによって第二及び第三管(30)の間に二次空気を供給するための第二通路(22)が形成され、
第三管(30)の端に配置され、第二通路(22)の第二放出間隙(24)の外側の周囲を形成する外装(34)を備え、
ノズル錐体(32)は、第一放出間隙(18)のサイズ調節のために、第二管(28)の端に調節可能に配置されることを特徴とする噴霧ノズル(10)。
【請求項2】
ノズル錐体(32)は、第二管(28)に取り外し可能に取り付けられる請求項1に記載の噴霧ノズル(10)。
【請求項3】
外装(34)は、第二放出間隙(24)のサイズ調節のために、第三管(30)の端に調節可能に配置される請求項1又は2に記載の噴霧ノズル(10)。
【請求項4】
外装(34)は、第三管(30)に取り外し可能に取り付けられる請求項1〜3の何れか1つに記載の噴霧ノズル(10)。
【請求項5】
第一放出間隙(18)は、オリフィス(14)に対して、ある距離をおいて上流に配置される請求項1〜4の何れか1つに記載の噴霧ノズル(10)。
【請求項6】
第二放出間隙(24)は、第一放出間隙(18)に対して、ある距離をおいて上流に配置される請求項1〜5の何れか1つに記載の噴霧ノズル(10)。
【請求項7】
中央管(26)は、取り外し可能である請求項1〜6の何れか1つに記載の噴霧ノズル(10)。
【請求項8】
中央管(26)の端に配置され、かつオリフィス(14)を備える取り外し可能なノズル先(13)をさらに備える請求項1〜7の何れか1つに記載の噴霧ノズル(10)。
【請求項9】
中央管(26)及びノズル先(13)は、噴霧ノズル(10)の取り外し可能なユニットを構成する請求項7に記載の噴霧ノズル(10)。
【請求項10】
中央管(26)は、例えばテフロン(登録商標)の裏地を備える柔軟なホースである請求項1〜9の何れか1つに記載の噴霧ノズル(10)。
【請求項11】
ノズル錐体(32)は、ステンレス鋼からなる請求項1〜10の何れか1つに記載の噴霧ノズル(10)。
【請求項12】
第二管(28)は、異なるタイプのステンレス鋼からなり、そのために、穴の拡大が抑制される請求項11に記載の噴霧ノズル(10)。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか1つに記載の噴霧ノズル(10)と、
最も高くても担体(48)の融点に対応する温度、例えば担体(48)の融点よりも少なくとも約2℃、少なくても約5℃、少なくても約10℃低い温度を有する第二組成物(44)の流動化のための流動床(42)を備え、噴霧ノズル(10)は、液状の担体(48)を含む第一組成物(46)を流動床(42)で流動化された第二組成物(44)上に噴霧するために流動床(42)に取り付けられ、
第一組成物(46)を含み、かつ中央通路(12)に連結され、担体(48)の融点を超える温度で第一組成物(46)を供給するための、温度及び圧力制御されたタンク(50)と、
第一通路(16)に連結され、温度制御された一次空気を噴霧ノズル(10)に供給する温度制御された第一加圧空気供給部(52)と、
第二通路(22)に連結され、温度制御された二次空気を噴霧ノズル(10)に供給する温度制御された第二加圧空気供給部(54)とを備える、制御された凝集用装置(40)。
【請求項14】
担体48は、融点が約5℃以上、例えば約10℃以上、約20℃以上又は約25℃以上である請求項13に記載の装置(40)。
【請求項15】
供給される一次空気の温度は、担体の融点を超える請求項13又は14に記載の装置(40)。
【請求項16】
供給される二次空気の温度は、担体の融点範囲の下端である請求項13〜15の何れか1つに記載の装置(40)。
【請求項17】
流動床は、回転流動床である請求項13〜16の何れか1つに記載の装置(40)。
【請求項18】
流動床は、ウルスター流動床である請求項13〜16の何れか1つに記載の装置(40)。
【請求項19】
流動床は、クーゲルコーターである請求項13〜16の何れか1つに記載の装置(40)。
【請求項20】
噴霧ノズル(10)は、流動床(42)の上部に取り付けられる請求項13〜16の何れか1つに記載の装置(40)。
【請求項21】
噴霧ノズル(10)は、流動床(42)の下部に取り付けられる請求項13〜16の何れか1つに記載の装置(40)。
【請求項22】
請求項1〜12の何れか1つに記載の噴霧ノズル(10)と、
最も高くても担体(48)の融点に対応する温度、例えば担体(48)の融点よりも少なくても約2℃、少なくても約5℃、少なくても約10℃低い温度を有する第二組成物(44)の混合のためのインテンシブミキサーを備え、噴霧ノズル(10)は、液状の担体(48)を含む第一組成物(46)をインテンシブミキサーで混合中の第二組成物(44)上に噴霧するために前記ミキサーに取り付けられ、
第一組成物(46)を含み、かつ中央通路(12)に連結され、担体(48)の融点を超える温度で第一組成物(46)を供給するための、温度及び圧力が制御されたタンク(50)と、
第一通路(16)に連結され、温度制御された一次空気を噴霧ノズル(10)に供給する温度制御された第一加圧空気供給部(52)と、
第二通路(22)に連結され、温度制御された二次空気を噴霧ノズル(10)に供給する温度制御された第二加圧空気供給部(54)とを備える、制御された凝集用装置(40)。
【請求項23】
インテンシブミキサーは、高せん断ミキサーである請求項22に記載の装置。
【請求項24】
インテンシブミキサーは、低せん断ミキサーである請求項23に記載の装置。
【請求項25】
インテンシブミキサーは、水平ミキサーである請求項22〜24の何れか1つに記載の装置。
【請求項26】
インテンシブミキサーは、垂直ミキサーである請求項22〜25の何れか1つに記載の装置。
【請求項27】
請求項1〜12の何れか1つに記載の噴霧ノズルを備える噴霧乾燥機。
【請求項28】
噴霧ノズル(10)は、噴霧乾燥機の上部に取り付けられる請求項27に記載の噴霧乾燥機。
【請求項29】
噴霧ノズル(10)は、噴霧乾燥機の下部に取り付けられる請求項27に記載の噴霧乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2006−510476(P2006−510476A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561101(P2004−561101)
【出願日】平成15年12月22日(2003.12.22)
【国際出願番号】PCT/DK2003/000932
【国際公開番号】WO2004/056487
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(504004315)ライフサイクル ファーマ エー/エス (5)
【氏名又は名称原語表記】LIFECYCLE PHARMA A/S
【Fターム(参考)】