説明

自然換気装置

【課題】簡単な操作により開口を確実に閉鎖することができる自然換気装置を提供すること。
【解決手段】自然換気装置1は、建物に装着される枠体としての窓枠2と、窓枠2に画成された開口3に配されていると共に開口3を開閉する障子4と、気流に基づいて障子4に開口3を開閉させる開閉手段6と、障子4が図4及び図5に示すように開口閉鎖位置に配された際に開閉手段6による障子4の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段9とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気流に基づく障子の開閉移動により建物の開口を開閉させる自然換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2003−247371号公報
【0003】
例えば特許文献1においては、障子の竪框上部に一端が枢着され他端が前記一端よりも低い位置において窓枠の竪枠に枢着されたメインアームと、竪框中間部に一端が枢着され他端が竪枠下部に枢着されており、メインアームよりも長いサブアームとを有しており、サブアームの一端及び窓を閉じた状態にある障子の重心が、鉛直方向に伸びる同一線上に位置するように夫々配されている自然換気装置が提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、斯かる自然換気装置では、手動操作により障子を開口閉鎖位置まで移動させ、その後、障子を枠体等に係止する係止部材の手動操作により係止させることによって、開口を閉鎖するようになっているが、斯かる操作を開口を閉鎖する毎に行うのは煩わしい。
【0005】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な操作により開口を確実に閉鎖することができる自然換気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自然換気装置は、建物に装着される枠体と、枠体に画成された開口に配されていると共に当該開口を開閉する障子と、気流に基づいて障子に開口を開閉させる開閉手段と、障子が開口閉鎖位置に配された際に開閉手段による障子の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段とを具備しており、禁止手段は、端部で互いに回動自在に連結されていると共に障子を枠体に対して接近及び離反自在に連結した一対のアーム部材と、一対のアーム部材のうちの枠体に連結された一方のアーム部材を、障子を枠体に対して接近させるための一対のアーム部材の相互の回動を強制的に生じさせるように、押圧する押圧手段と、押圧手段による押圧に連動して、障子が開口閉鎖位置に配される際に一対のアーム部材のうちの他方のアーム部材又は障子を解除自在に係止する係止手段とを具備しており、係止手段による係止によって障子の開口開閉移動を禁止する一方、係止手段による係止の解除によって障子の開口開閉移動を許容するようになっている。
【0007】
本発明の自然換気装置によれば、特に、押圧手段による押圧に連動して、障子が開口閉鎖位置に配される際に一対のアーム部材のうちの他方のアーム部材又は障子を解除自在に係止する係止手段を具備しているために、簡単な操作により開口を確実に閉鎖することができる。
【0008】
本発明の自然換気装置の好ましい例では、押圧手段は、一方のアーム部材を押圧する突起が形成されていると共に横方向に移動自在なスライダと、枠体に取り付けられていると共にスライダを横方向に移動自在に案内する案内溝を有した案内部材と、案内部材に装着されている電動モータと、この電動モータの出力回転軸に装着された横方向に伸びたねじ軸と、スライダに固着されていると共にねじ軸に螺合した螺合部と、障子が開口開放位置に配される際に螺合部に接触するリミットスイッチと、障子が開口閉鎖位置に配される際に螺合部に接触するリミットスイッチと、前記リミットスイッチの夫々の螺合部に対する接触に基づいて電動モータの作動を停止させる電動モータ制御部とを具備している。
【0009】
本発明の自然換気装置の好ましい例では、押圧手段は、一方のアーム部材を押圧する突起が形成されていると共に横方向に移動自在なスライダと、枠体に取り付けられていると共にスライダを横方向に移動自在に案内する案内溝を有した案内部材と、スライダに回転自在に取り付けられたプーリと、一端が枠体に固着されていると共にプーリに掛け回された紐状体と、スライダに形成された掛け部と、枠体に回動自在に取り付けられていると共にスライダの横方向の移動を禁止するように掛け部に掛けられる突起を有した回動部材とを具備しており、回動部材の回動によりスライダの横方向の移動の前記禁止が解除されるようになっている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡単な操作により開口を確実に閉鎖することができる自然換気装置を提供し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明は、これら例に何等限定されないのである。
【0012】
図1から図13において、本例の自然換気装置1は、建物(図示せず)に装着される枠体としての窓枠2と、窓枠2に画成された開口3に配されていると共に開口3を開閉する障子4と、気流に基づいて障子4に開口3を開閉させる開閉手段6と、障子4が図4及び図5に示すように開口閉鎖位置に配された際に開閉手段6による障子4の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段9とを具備している。
【0013】
自然換気装置1は、建物外7側に向かう障子4の開口開放移動により図1に示すように開口3を開き、建物内8側に向かう障子4の開口閉鎖移動により図4に示すように開口3を閉じるようになっている。
【0014】
窓枠2は、上枠12、下枠13並びに一対の縦枠14及び15を有している。上枠12、下枠13並びに縦枠14及び15が障子4に当接する部位には、障子4に当接するシール部材が装着されている。
【0015】
障子4は、開口3を開閉自在となるように開閉手段6を介して窓枠2に装着される。障子4は、ガラス板等からなる矩形状の障子本体21、上框22、下框23並びに一対の縦框24及び25を有している。障子本体21の周囲は、上框22、下框23並びに一対の縦框24及び25に覆われている。後述の被支持部材としての軸体51が装着される縦框24及び25の部位は、本例では障子本体21に対して建物外7側に突出している。障子4は、開口開放位置において静止した状態となり、気流に基づく開口閉鎖移動により図3に示すように開口3を狭めたり、気流に基づく開口開放移動により図2に示すように開口3を拡げたりするようになっている。
【0016】
開閉手段6は、障子4の上框22側の部位31を鉛直方向Vにおいて昇降自在に且つ水平軸S1の回りでR1方向に回動自在に支持する支持機構32と、部位31に対して下方に位置する障子4の他の部位33を、建物内外方向Xに移動自在に且つ水平軸S2の回りでR2方向に回動自在に支持する支持機構34とを具備している。
【0017】
部位31及び33は、縦框24及び25に夫々設けられている。水平軸S1及びS2は、鉛直方向V及び建物内外方向Xに対して直交する横方向Yに伸びている。建物内外方向Xは、本例では水平方向に対して平行であって横方向Yに対して直交する方向であるが、例えば建物内8側から建物外7側に向かって水平方向(水平面内の方向)に対して上向きに又は下向きに傾斜する方向であってもよい。部位33は、障子4が開口閉鎖位置にある場合に障子4の重心Gに対して上方に位置すると共に当該重心Gに対して建物外7側に位置するように配されている。
【0018】
支持機構32は、縦框24の部位31及び縦框25の部位31の夫々に装着された軸体41と、軸体41を鉛直方向Vに直動案内するように縦枠14及び15の夫々に装着された鉛直方向Vに伸びた案内部材42と、障子4に開口開放方向の移動力を与えるべく、部位31を窓枠2に対して下方に向かって弾性的に付勢する付勢部材としてのばね44とを具備している。尚、支持機構32は、本例ではばね44を具備しているが、当該ばね44を省いてもよい。
【0019】
案内部材42は、鉛直方向Vに伸びた条溝43を形成するように断面コ字状となっている。条溝43には、軸体41が鉛直方向Vに直動自在に且つ水平軸S1を中心として回転自在に配置される。案内部材42は、障子4の開閉移動に伴って軸体41が鉛直方向Vに直動する距離に対して同一であるか又は当該距離よりも長くなるように形成されている。条溝43に配される軸体41の部位には、転動ローラが装着されていてもよい。尚、支持機構32は、図1に示す開口開放状態における軸体41の案内部材42に対する位置よりも当該軸体41が下降することを防止すべく、当該位置にある軸体41に当接するストッパを更に具備していてもよい。軸体41は、障子4の開口開放移動及び開口閉鎖移動に伴い、案内部材42に対して鉛直方向Vにおいて昇降すると共に当該案内部材42に対して水平軸S1を軸心として回転するようになっている。
【0020】
水平軸S1を中心とする部位31は、図4に示すように、開口閉鎖位置にある障子4の重心Gに対して上方に位置する。部位31は、本例では、建物内外方向Xにおいて前記重心Gに対して若干建物内8側に位置する。斯かる支持機構32は、部位31を鉛直方向Vに直動自在に且つ水平軸S1の回りで回動自在に支持するようになっている。
【0021】
支持機構34は、縦框24の部位33及び縦框25の部位33の夫々に形成された横方向Yに伸びた被支持部材としての軸体51と、軸体51を建物内外方向Xに直動自在に且つ水平軸S2の回りで回動自在に支持する支持部材52と、建物内外方向Xに直動自在に支持部材52に支持された状態の軸体51に対して下方に且つ建物内8側に位置すると共に、支持部材52を窓枠2に水平軸S3の回りでR3方向に回動自在に連結している回動軸45と、窓枠2に装着されていると共に、当該軸体51の建物内方向X2に向かう直動に基づいて軸体51を上方に案内する一方、軸体51の建物外方向X1に向かう直動に基づいて軸体51を下方に案内するように、建物内8側に寄って位置する軸体51に当接する案内部材46と、図1及び図7に示すように軸体51を建物内外方向Xに直動自在に支持した状態における支持部材52の回動角を保持する保持機構47とを具備している。
【0022】
水平軸S2を中心とする軸体51及び部位33は、図4に示すように障子4が開口閉鎖位置にある場合に障子4の重心Gに対して上方に位置すると共に当該重心Gに対して建物外7側に位置する。図1に示すように障子4が開口開放位置にある場合に部位33及び軸体51と障子4の重心Gとは、鉛直方向Vに伸びる同一直線上に夫々位置する。
【0023】
支持部材52は、例えば図7及び図8に示すように、軸体51を建物内外方向Xに直動自在に且つ水平軸S2の回りでR2方向に回動自在に支持する直動支持部53と、直動支持部53の建物外7側寄りの端部56に連接されており、建物内方向X2に向かう障子4の部位33の移動に際して当該部位33を鉛直方向Vに関して下方に変位させる一方、建物外方向X1に向かう障子4の部位33の移動に際して当該部位33を鉛直方向Vに関して上方に変位させるように、軸体51を建物内外方向Xに交差する方向に移動自在に且つ水平軸S2の回りでR2方向に回動自在に支持する建物外7側寄りの端側支持部57とを具備している。
【0024】
直動支持部53及び端側支持部57は、互いに協働して、軸体51を建物内外方向X及び建物内外方向Xに交差する方向に案内する一つの長孔又はスリット、本例では長孔61を形成している。長孔61には、軸体51が建物内外方向Xに直動自在に且つ水平軸S2を中心としてR2方向に回転自在に配置される。長孔61の建物内8側の端面62は、障子4が図1に示す開口開放位置にある場合に回動軸45に対して上方に且つ建物外7側に位置すると共に、障子4が図4に示す開口閉鎖位置にある場合に回動軸45に対して上方に且つ建物内8側に位置するように配されている。端面62は、障子4の部位33の所定量以上の開口閉鎖移動を抑止するように軸体51に当接するようになっている。長孔61の建物外7側の端面63は、障子4の部位33の所定量以上の開口開放移動を抑止するように軸体51に当接するようになっている。長孔61に配される軸体51の部位には、転動ローラが装着されていてもよい。
【0025】
直動支持部53に形成される長孔61の部位71は、建物内外方向Xに伸びている。直動支持部53に配された状態の軸体51は、建物内方向X2に向かう気流に基づいて直動支持部53の建物内8側に向かって移動する一方、建物外方向X1に向かう気流に基づいて建物外7側に向かって移動するように、建物内外方向Xに直動自在となっている。障子4の部位33が図1に示すように直動支持部53の端部56に位置した状態においては、障子4はその自重によりバランスを保って静止する。斯かる静止状態にある障子4は、気流に基づいて開口開放移動及び開口閉鎖移動が自在な状態にある。図1に示すように障子4が静止する位置を本例においては開口開放位置としている。
【0026】
端側支持部57に形成される長孔61の部位73に沿って伸びる図7に示す線77は、部位73を移動する軸体51の軸心の軌跡であり、斯かる線77は、直線であっても曲線であってもよく、曲線の場合は上に向かって凹状又は凸状であってもよい。線77は、建物内外方向Xに伸びる線(直線)76に対して、建物内8側から建物外7側に向かって上向きに傾斜している。部位73の建物外7側の一端は、部位71に連接する部位73の他端よりも上方に位置している。例えば線77が上に向かって凹状の曲線である場合には、端側支持部57に位置する障子4の部位33に付与される気流に基づく開口開放移動力に抗する障子4の自重に基づく抗開口開放移動力は、軸体51の位置が端側支持部57の他端側から一端側に移行するに従って漸増する。端側支持部57は、上述のように、障子4の部位33に抗開口開放移動力を付与するようになっており、これにより、障子4が図2に示す開口全開位置に到達する直前において当該障子4の開口開放移動を減速させ得て、軸体51の端面63への衝突を防止し得る。また、端側支持部57は、線77が線76に対して建物内8側から建物外7側に向かって上向きに傾斜しているので、当該端側支持部57に位置する障子4の部位33に対して、当該障子4の自重に基づく開口閉鎖移動力を障子4を開口開放位置に復帰させるために付与するようにもなっている。
【0027】
尚、支持部材52は、例えば図16に示すように、直動支持部53の建物内8側寄りの端部54に連接されており、直動支持部53に形成される長孔61の部位71よりも拡げられた長孔61の拡部72を有すると共に当該拡部72において軸体51を支持する建物内8側寄りの端側支持部55を更に具備していてもよい。また、支持機構34は、支持部材52に代えて、回動軸45を介さずに窓枠2に固着されていると共に、軸体51を建物内外方向Xに直動自在に且つ水平軸S2の回りで回動自在に支持する支持部材(図示せず)を具備していてもよい。
【0028】
案内部材46は、建物内方向X2に向かう軸体51の直動に基づくR3方向の回動が支持部材52に生じる前又は同時に、軸体51に当接するように縦枠14及び15に装着されている。案内部材46は、軸体51に当接する円弧状の案内面48を有している。
【0029】
回動軸45は、支持部材52の回動軸心となっており、図3に示すように端面62に当接した状態の軸体51に対して偏心して配されている。端面62に当接した状態の軸体51の回動軸45を回動軸心とする図7に線を用いて示す回動軌跡75は、建物外7側から建物内8側に向かって円弧を描きながら上方に向かっている。障子4が開口閉鎖位置に配された状態においては、軸体51は案内部材46に持ち上げられて、最も上方に位置する。軸体51と回動軸45とを結ぶ線88が鉛直方向Vに伸びる線(直線)82に対して建物外7側に傾斜した際には、支持部材52には障子4の自重に基づく建物外7側に向かうR3方向の回動力を生じるので、障子4の初期の開口開放移動を勢い付けることができ、また、当該建物外7側に向かうR3方向の回動力を生じるので、障子4により開口3が閉鎖される直前において当該障子4の開口閉鎖移動力を減速させ得て、開口閉鎖時の衝撃を弱めることができる。線88が線82に対して建物内8側に傾斜した際には、支持部材52には障子4の自重に基づく建物内8側に向かうR3方向の回動力を生じ、この回動力により障子4にいわゆるセルフロックを行わせる。支持部材52は、障子4の開口開放移動及び開口閉鎖移動に伴って回動軸45の回りで回動されて、開口開放時には建物外7側に突出して位置する一方、開口閉鎖時には鉛直方向V又は上に向かって建物内8側に傾斜した方向に伸びて位置するようになっており、而して、特に開口閉鎖時において支持部材52を建物外7側及び建物内8側のいずれにも突出させることなく収容することができる。
【0030】
回動軸45を通る線82よりも建物外7側に位置する回動軌跡75の部分は、例えば図7に示すように、建物内8側から建物外7側に向かうに従って線76に対して次第に急勾配となっている。回動軸45を通る線82よりも建物内8側に位置する軸体51の軌跡は、軸体51が案内部材46の水平面に案内されるので、水平方向に伸びる。
【0031】
保持機構47は、支持部材52の建物内8側の端部に一体的に形成された被係止凸部91と、縦框24及び25の夫々に形成されていると共に被係止凸部91を係止する係止凸部92とを具備している。被係止凸部91は、回動軸45を中心とする支持部材52のR3方向の回動によって回動され、支持部材52が図1及び図7に示す位置に配された際に係止凸部92に当接し、この当接により支持部材52の建物外7側に向かう所定量以上のR3方向の回動を禁止するように当該被係止凸部91を係止するようになっており、斯かる係止により支持部材52の回動が禁止されると、支持部材52は、部位71が建物内外方向Xに沿って伸びた状態となる図1及び図7に示す回動角を保持することとなる。
【0032】
障子4が開口閉鎖位置にある場合に部位33と重心Gとを結んだ図4に示す線81は、鉛直方向Vに伸びる線82に対して、下方に向かって建物内8側向きに傾斜しており、この傾斜角θ3は、障子4が開口開放移動によって開口開放位置に近づくに連れて漸減し、障子4が開口開放位置に配された際に0度となる。障子4が開口開放位置にある場合に障子4の部位33と障子4の重心Gとを結ぶ図1に示す線83は、鉛直方向Vに伸びる線82に対して平行となる。線81が線82に対して下方に向かって建物内8側向きに傾斜している場合には、障子4にはその自重に基づく開口開放移動力が付与され、傾斜角θ3が0度となった場合には、部位33の位置と重心Gの位置との関係における開口開放移動力は生じなくなる。また、障子4が図2に示す開口全開位置にある場合に障子4の部位33と障子4の重心Gとを結ぶ図2に示す線84は、鉛直方向Vに伸びる線82に対して、下方に向かって建物外7側向きに傾斜しており、この傾斜角θ4は、障子4が開口閉鎖移動によって図1に示す開口開放位置に近づくに連れて漸減し、障子4が開口開放位置に配された際に上記同様に0度となる。線84が線82に対して下方に向かった建物外7側向きに傾斜している場合には、障子4にはその自重に基づく開口閉鎖移動力が付与され、傾斜角θ4が0度となった場合には、部位33の位置と重心Gの位置との関係における開口閉鎖移動力は生じなくなる。
【0033】
開閉手段6は、支持機構34に代えて、例えば図17から図19に示す支持機構234を具備していてもよい。斯かる支持機構234は、軸体51を建物内外方向Xに移動自在に支持面253で支持する支持部材252と、窓枠2に装着されていると共に、部位33を建物内外方向Xに移動自在に他の支持面263で支持する他の支持部材262と、建物内外方向Xに移動自在に支持部材252に支持された状態の軸体51に対して下方に且つ建物内8側に位置するように、支持部材252を窓枠2にR3方向に回動自在に連結している回動軸254と、図17に示すように支持部材252が軸体51を建物内外方向Xに移動自在に支持した状態において当該支持部材252を保持する保持機構255とを具備している。
【0034】
支持面253は、水平線に対して建物外7側から建物内8側に向かって上方に傾斜しており、支持面253の水平線に対する傾斜角は、建物外7側から建物内8側に向かって漸増している。他の支持面263は、部位33の支持が支持面253から他の支持面263に移行されるように、水平線に対して建物外7側から建物内8側に向かって上方に傾斜しており、他の支持面263の水平線に対する傾斜角は、建物外7側から建物内8側に向かって漸増している。他の支持面263の水平線に対する傾斜角は、支持面253の水平線に対する最大傾斜角に対して大きくてもよい。保持機構255は、支持部材252の建物内8側の端部に一体的に形成された被係止突部291と、縦框24及び25の夫々に形成されていると共に被係止突部291を係止する係止突部292とを具備している。被係止突部91は、回動軸254を中心とする支持部材252のR3方向の回動によって回動され、支持部材252が図19に示す位置から図18に示す位置を経て、図17に示す位置に配された際に係止突部292に当接し、この当接により支持部材252の建物外7側に向かう所定量以上のR3方向の回動を禁止するように当該被係止突部291を係止するようになっており、斯かる係止により支持部材252の回動が禁止されると、支持部材252は、建物内外方向Xにおいて建物外7側に突出した状態となる。
【0035】
斯かる支持機構234によれば、障子4が開口開放位置又はその近傍に位置する場合に気流に基づく小さな力によって障子4に開口開閉移動させると共に、障子4が開口閉鎖位置の近傍にある場合には気流に基づく力によっては障子4に開口閉鎖移動を生じさせないようにすることができ、而して、開口開放位置又はその近傍にある障子4の気流に基づく開閉移動によって好適に換気することができ、支持部材252が建物内8側に向かう回動を生じることにより、障子4が開口閉鎖位置にある場合において建物内8側及び建物外7側のいずれにも支持部材252を突出させることをなくし得、障子4が開口閉鎖位置又はその近傍にある場合においても、気流に基づく開口閉鎖移動力に抗する抗移動力として開口開放移動力を障子4に与えることができ、また、開口閉鎖位置又はその近傍における障子4の開口開放移動を円滑にし得、開口閉鎖を急速に行わせることなく、障子4が窓枠2に叩きつけられる等の事態の発生を防ぐことができ、開口閉鎖位置又はその近傍における障子4の開口開放移動をより円滑にし得る。
【0036】
禁止手段9は、端部101で互いに回動自在に連結されていると共に障子4を窓枠2に対して接近及び離反自在に連結した一対のアーム部材102及び103と、アーム部材102及び103のうちの窓枠2に連結された一方のアーム部材103を、障子4を窓枠2に対して接近させるためのアーム部材102及び103の相互のR4方向の回動を強制的に生じさせるように、押圧する押圧手段104と、押圧手段104による押圧に連動して、障子4が開口閉鎖位置に配される際にアーム部材102及び103のうちの他方のアーム部材102又は障子4、本例では障子4を解除自在に係止する係止手段105とを具備している。斯かる禁止手段9は、係止手段105による係止によって図5に示すように障子4の開口開閉移動を禁止する一方、係止手段105による係止の解除によって図13に示すように障子の開口開閉移動を許容するようになっている。
【0037】
アーム部材102は、一方の端部101でアーム部材103の端部101に回動自在に連結されており、他方の端部111で障子4の下框23に取り付けられた取付具112に回動自在に連結されている。アーム部材102は、棒状のアーム本体113と、アーム本体113に対して障子4側に位置していると共にネジ部材114を介してアーム本体113に連結されたボールエンド等からなる連結部材115と、アーム本体113に対して窓枠2側に位置していると共にネジ部材116を介してアーム本体113に連結されたボールエンド等からなる連結部材117とを具備している。
【0038】
連結部材115は、取付具112に固着されたピロボールに装着されることによってアーム部材102を障子4に連結しており、連結部材117は、アーム部材103の端部101に固着されたピロボールに装着されることによってアーム部材102をアーム部材103に連結している。ネジ部材114及び116のうちの一方には正ネジが施されており、ネジ部材114及び116のうちの他方には逆ネジが施されている。アーム部材102は、その端部101を中心としてR4方向に回動自在であると共に鉛直方向Vに関して多少の揺動を許容するようになっている。アーム部材102の長さは、アーム本体113を連結部材115及び117に対して回転させることによって調節可能である。
【0039】
アーム部材103は、一方の端部101でアーム部材102の端部101に回動自在に連結されており、他方の端部121で下枠13に回動自在に連結されている。板状のアーム部材103には、押圧手段104によって押圧される押圧面122が形成されている。アーム部材103の端部121には、カム部123が形成されている。カム部123は、障子4が開口閉鎖移動される際のアーム部材103の回動に伴ってスイッチ140に接触する一方、障子4が開口開放移動される際のアーム部材103の回動に伴ってスイッチ140から離反する。
【0040】
押圧手段104は、例えば図10から図13に示すように、アーム部材103の押圧面122を押圧する突起130が形成されていると共に横方向Yに移動自在なスライダ131と、下枠13に取り付けられていると共にスライダ131を横方向Yに移動自在に案内する案内溝132を有した案内部材133と、案内部材133に装着されているブレーキ付きの電動モータ134と、電動モータ134の出力回転軸に装着された横方向Yに伸びたねじ軸135と、スライダ131に固着されていると共にねじ軸135に螺合した螺合部136と、障子4が開口開放位置に配される際に螺合部136に接触するリミットスイッチ137と、障子4が開口閉鎖位置に配される際に螺合部136に接触するリミットスイッチ138と、リミットスイッチ137又は138螺合部136に対する接触に基づいて電動モータ134の作動を停止させる電動モータ制御部(図示せず)とを具備している。
【0041】
斯かる押圧手段104は、操作に基づく電動モータ134の作動によりねじ軸135が回転されると、螺合部136が縦枠15に向かって横方向Yに移動し、これと共にスライダ131も縦枠15に向かって横方向Yに移動し、この移動により突起130が押圧面122を押圧し、而して、障子4を開口閉鎖位置に向かわせるようにアーム部材103を図13に示す位置から図5に示す位置に向かって回動させるようになっている。押圧手段104によるアーム部材103の押圧は、リミットスイッチ138の螺合部136に対する接触に基づく電動モータ制御部による電動モータ134の作動の停止によって停止される。また、押圧手段104は、操作に基づく電動モータ134の作動によりねじ軸135が逆回転されると、螺合部136が縦枠14に向かって横方向Yに移動し、これと共にスライダ131も縦枠14に向かって横方向Yに移動し、この移動により突起130が押圧面から離れる方向(縦枠14に向かって横方向Y)に移動し、而して、アーム部材103の図5に示す位置から図5に示す位置に向かう回動を許容するようになっている。押圧手段104によるアーム部材103の押圧は、リミットスイッチ137の螺合部136に対する接触に基づく電動モータ制御部による電動モータ134の作動の停止によって停止される。尚、押圧手段104は、図13に示す位置のアーム部材103のカム部123に対しては接触される一方、図5に示す位置のアーム部材103のカム部123に対しては離反されるスイッチ140を更に具備していてもよく、斯かる場合には、電動モータ制御部は、スイッチ140のカム部123に対する接触に基づいて電動モータ134の作動を停止させるようになっていてもよい。電動モータ134の作動の停止時においては、スライダ131の横方向Yの移動は、ブレーキによる制動が電動モータ134に付加されるために禁止されるが、仮に電動モータ134の代わりにブレーキが付されてない電動モータを用いた場合においても、スライダ131の横方向Yの移動は、ねじ軸135と螺合部136とにおける抵抗力に基づいて禁止される。
【0042】
係止手段105は、スライダ131に設けられた凸部からなる係止部141と、係止部141に係止されるように取付具112に形成された凹部からなる被係止部142とを具備している。係止部141は、スライダ131の縦枠15に向かう横方向Yの移動によって同方向に移動され、被係止部142に接近し、図5に示すように被係止部142を建物内外方向Xに関して係止するようになっている。また、係止部141は、スライダ131の縦枠14に向かう横方向Yの移動によって同方向に移動され、被係止部142から離反し、図13に示すように被係止部142を建物内外方向Xに関しての係止を解除するようになっている。
【0043】
突起130及び係止部141は、スライダ131の横方向Yの移動によって夫々同方向に移動されるようになっており、これにより、禁止手段9は、押圧手段104によるアーム部材103の押圧と係止手段105による係止を連動させることができ、また、押圧手段104によるアーム部材103の押圧と係止手段105による係止の解除をも連動させることができる。
【0044】
禁止手段9は、押圧手段104に代えて、例えば図14及び図15に示すように、突起130が形成されているスライダ131と、案内溝132を有した案内部材133と、スライダ131に回転自在に取り付けられたプーリ145と、一端が下枠13又は縦枠15に固着されていると共にプーリ145に掛け回された紐状体146と、スライダ131に形成された掛け部147と、下枠13に回動自在に取り付けられていると共にスライダ131の縦枠14に向かう横方向Yの移動を禁止するように掛け部147に掛けられる突起148を有した回動部材149とを具備している押圧手段150を具備していてもよく、回動部材149は、軸100を介して下枠13に回動自在に取り付けられていると共に図示しないばねによってA方向に付勢されている。紐状体146の他端は、回動部材149に固着されている。回動部材149は、紐状体の146の他端側が引っ張られることによりA方向に対して逆方向に回動されるようになっている。斯かる押圧手段150を具備する場合には、係止部141は前記スライダ131に設けられ、被係止部142は取付具112に形成される。
【0045】
斯かる押圧手段150は、紐状体146の操作によりプーリ145に縦枠15に向かう横方向Yの移動力が与えられると、スライダ131が同方向に移動し、突起130がアーム部材103を押圧し、当該押圧により障子4を開口閉鎖移動させるようにアーム部材103を図15に示す位置から図14に示す位置に向かって回動させ、障子4が開口閉鎖位置に配される際に上述と同様に係止部141が被係止部142を係止し、当該係止と同時に、突起148が掛け部147に掛けられてスライダ131の縦枠14に向かう横方向Yの移動を禁止するようになっている。また、押圧手段150は、紐状体146の操作により回動部材149がA方向の付勢に抗して逆方向に回動されると、突起148が掛け部147から離脱してスライダ131の縦枠14に向かう横方向Yの移動の禁止が解除されるようになっている。スライダ131の縦枠14に向かう横方向Yの移動力は支持機構32及び34に支持される障子4の自重に基づいて付与されるが、例えばスライダ131に縦枠14に向かう横方向Yの移動力を付勢する図示しないばねを設けてもよい。縦枠14に向かう横方向Yの移動の禁止が解除されたスライダ131は、障子4の自重又は前記ばねの付勢力に基づいて縦枠14に向かって横方向Yに移動し、この移動により係止手段105による係止は解除される。
【0046】
以上の自然換気装置1による窓開閉動作について以下説明する。まず、図4に示す開口閉鎖位置にある障子4の開口開放移動を、禁止手段9による禁止を上述のように解除する。禁止手段9による禁止が解除されると、障子4の部位33には、建物内外方向Xにおいて部位33が重心Gに対して建物外7側に位置しているために開口開放位置に向かうR2方向の回動モーメントが付与され、しかも、自重に基づく障子4の下降に伴い、軸体51が案内部材46に当接して回動軌跡75上を建物外7側に向かって移動するために、障子4は案内部材46による案内によって勢いづけられながら開口開放移動を開始する。当該開口開放移動に伴い、支持部材52もまた建物外7側に向かってR3方向に回動される。軸体41は部位33のR2方向の回動に伴い、R1方向の回動を生じながら条溝43に沿って下降する。障子4に付与される開口開放位置に向かうR2方向の回動モーメントは、障子4が開口開放位置に近づくに連れて傾斜角θ3が次第に小さくなるために、漸減する。図1及び図3に示すように、軸体51が部位71において建物外方向X1に向かって直動する際にも、障子4にはその自重に基づく開口開放移動力が付与され、障子4は開口開放位置に到達するまで開口開放移動し続ける。障子4が開口開放移動により開口開放位置に到達すると、部位33と重心Gとが鉛直方向Vに伸びる同一直線上に位置し、これにより障子4の自重に基づく開口開放移動力が生じなくなり、而して、障子4は開口開放位置で静止する。このようにR2方向の回動モーメントが漸減するために障子4による急速な開口開放を防止することができ、また逆に、障子4が開口開放位置から開口閉鎖位置に向かって漸次移動される場合には、障子4に付与される開口開放位置に向かうR2方向の回動モーメントであって障子4の開口閉鎖移動に抗する回動モーメントは漸増するために、急速な開口閉鎖を防止することができ、しかも、特に回動軸45、支持部材52及び案内部材46を具備するために、部位33が開口閉鎖位置及びその近傍に位置する場合に障子4の開口開放移動の開始を円滑に行わせ得、また、急速な開口閉鎖を防止することができる。
【0047】
障子4が開口開放位置に配された場合に、気流により障子4に対して建物外7側が正圧に且つ建物内8側が負圧になると、障子4には気流に基づく開口閉鎖移動力が付与され、当該障子4は、気流に基づいて開口閉鎖移動され、而して、建物外7から建物内8への気体流量を減少させる。逆に、気流により障子4に対して建物外7側が負圧に且つ建物内8側が正圧になると、障子4には気流に基づく開口開放移動力が付与され、当該障子4は、気流に基づいて開口開放移動され、而して、建物内8から建物外7への気体流量を増大させる。気流に基づく開口開放移動力又は開口閉鎖移動力が生じなくなると、障子4は、上述のように開口開放位置に復帰し、静止する。
【0048】
軸体51が部位73に位置する場合には、障子4には開口開放移動力に抗する抗開口開放移動力が付与されるので、障子4の図2に示す開口全開位置に向かう開口開放移動は減速される。軸体51が端面63に当接すると、開口開放位置から開口全開位置に向かう開口開放移動は停止される。気流に基づく開口開放移動力が生じなくなると、部位33が端側支持部57にある障子4は開口開放位置に復帰し、静止する。
【0049】
開口開放位置にある障子4は、傾斜角θ3及びθ4が0度となっていることから、気流に基づく小さな開口開放移動力及び開口閉鎖移動力が付与されることで開口開放移動及び開口閉鎖移動を生じ、また、障子4が開口開放位置から次第に離れるに連れて、障子4の自重に基づく抗開口開放移動力及び抗開口閉鎖移動力が生じるので、気流に基づく小さな開口開放移動力及び開口閉鎖移動力によっては、障子4には開口開放移動及び開口閉鎖移動が生じ得なくなる。而して、小さな気流であっても、当該気流に基づいて障子4の開閉移動を生じさせることができ、しかも、障子4による急速な開口開放及び開口閉鎖をも防止することができる。斯かる自然換気装置1では、禁止手段9により上述の通りにアーム部材103の回動を生じさせ、これによりアーム部材102及び103を折り畳みながら障子4を開口閉鎖移動させ、当該開口閉鎖移動に連動して、障子4が開口閉鎖位置に配された際に係止手段105による係止によって開口3を閉鎖した状態を維持する。
【0050】
本例の自然換気装置1によれば、建物に装着される窓枠2と、窓枠2に画成された開口3に配されていると共に当該開口3を開閉する障子4と、気流に基づいて障子4に開口3を開閉させる開閉手段6と、障子4が開口閉鎖位置に配された際に開閉手段6による障子4の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段9とを具備しており、禁止手段9は、端部101で互いに回動自在に連結されていると共に障子4を窓枠2に対して接近及び離反自在に連結した一対のアーム部材102及び103と、一対のアーム部材102及び103のうちの窓枠2に連結された一方のアーム部材103を、障子4を窓枠2に対して接近させるための一対のアーム部材102及び103の相互の回動を強制的に生じさせるように、押圧する押圧手段104と、押圧手段104による押圧に連動して、障子4が開口閉鎖位置に配される際に一対のアーム部材102及び103のうちの他方のアーム部材102又は障子4、本例では障子4を解除自在に係止する係止手段105とを具備しており、係止手段105による係止によって障子4の開口開閉移動を禁止する一方、係止手段105による係止の解除によって障子4の開口開閉移動を許容するようになっているために、簡単な操作により開口を確実に閉鎖することができる。
【0051】
自然換気装置1によれば、開閉手段6は、障子4の上框22側の部位31を昇降自在に且つ水平軸S1の回りでR1方向に回動自在に支持する支持機構32と、前記部位31に対して下方に位置する障子4の部位33を、建物内外方向Xに移動自在に且つ水平軸S2の回りでR2方向に回動自在に支持する支持機構34とを具備しており、障子4の部位33は、障子4が開口閉鎖位置にある場合に障子4の重心Gに対して上方に位置すると共に当該重心Gに対して建物外7側に位置するように配されており、支持機構34は、障子4の部位33に形成された軸体51と、軸体51を建物内外方向Xに直動自在に且つ水平軸S2の回りでR2方向に回動自在に支持する支持部材52と、建物内外方向Xに直動自在に支持部材52に支持された状態の軸体51に対して下方に且つ建物内8側に位置すると共に、支持部材52を窓枠2に水平軸S3の回りでR3方向に回動自在に連結している回動軸45と、窓枠2に装着されていると共に、軸体51の建物内方向X2に向かう直動に基づいて軸体51を上方に案内する一方、軸体51の建物外方向X1に向かう直動に基づいて軸体51を下方に案内するように、建物内8側に寄って位置する軸体51に当接する案内部材46と、軸体51を建物内外方向Xに直動自在に支持した状態における支持部材52の回動角を保持する保持機構47とを具備しているために、開口開放位置側にある障子4の気流に基づく開口閉鎖移動を軽くすると共に開口閉鎖位置側にある障子4の気流に基づく開口閉鎖移動を重くすることができ、而して、開口開放位置側にある障子4の気流に基づく開閉移動により好適に換気することができ、案内部材46による軸体51の案内によって障子4の開口閉鎖移動に抗する抗開口閉鎖移動力を生じさせることで、開口閉鎖位置側にある障子4の急速な開口閉鎖移動を防止することができ、しかも、支持部材52が軸体51の建物内方向X2の直動に基づく建物内8側に向かう回動を生じることにより障子4が開口閉鎖位置にある場合において建物内8側及び建物外7側のいずれにも何も突出させることがなくなる。
【0052】
自然換気装置1によれば、支持部材52は、軸体51を建物内外方向Xに直動自在に且つ水平軸S2の回りでR2方向に回動自在に支持する直動支持部53と、直動支持部53の建物外7側寄りの端部56に連接されており、建物内方向X2に向かう障子4の部位33の移動に際して当該部位33を下方に変位させる一方、建物外方向X1に向かう障子4の部位33の移動に際して当該部位33を上方に変位させるように、軸体51を建物内外方向Xに交差する方向に移動自在に且つ水平軸S2の回りでR2方向に回動自在に支持する建物外7側寄りの端側支持部57とを具備しているために、建物外7側寄りの端側支持部57において開口開放位置側にある障子4の急速な開口開放移動を防止することができる。
【0053】
自然換気装置1によれば、案内部材46は、建物内方向X2に向かう軸体51の直動に基づく回動が支持部材52に生じる前又は同時に、軸体51に当接するように窓枠2に装着されているために、支持部材52の建物内8側寄りの部位において障子4の開口閉鎖移動力に抗する抗開口閉鎖移動力が瞬間的に過大になることを阻止し得る。
【0054】
自然換気装置1によれば、開口開放位置にある障子4の部位33及び当該障子4の重心Gは、鉛直方向Vに伸びる同一直線上に夫々位置するために、障子4に重錘等を装着することなく、開口開放位置において障子4を釣り合わせることができて、ストッパ等を用いずとも障子4の開口開放方向に向かう移動を停止させることができ、しかも、開口開放位置又はその近傍にある障子4の気流に基づく開閉移動を軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態の例の開口開放状態における側面説明図である。
【図2】図1に示す例の開口全開状態における側面説明図である。
【図3】図1に示す例の動作説明図である。
【図4】図1に示す例の開口閉鎖状態における側面説明図である。
【図5】図4に示す例の平面説明図である。
【図6】図1に示す例の開口閉鎖状態における障子を省いた側面説明図である。
【図7】図1に示す例の開口開放状態における主に第二の支持機構の拡大説明図である。
【図8】図1に示す例の開口閉鎖状態における主に第二の支持機構の拡大説明図である。
【図9】図1に示す例の主に第二の支持機構の案内部材の拡大説明図である。
【図10】図1に示す例の主に禁止手段の拡大説明図である。
【図11】図1に示す例の主に禁止手段の一部省略説明図である。
【図12】図1に示す例の主に禁止手段の一部省略説明図である。
【図13】図1に示す例の主に禁止手段の動作説明図である。
【図14】図1に示す例の主に他の禁止手段の説明図である。
【図15】図1に示す例の主に他の禁止手段の動作説明図である。
【図16】図1に示す例の他の第二の支持機構の説明図である。
【図17】図1に示す例の主に他の第二の支持機構の説明図である。
【図18】図1に示す例の主に他の第二の支持機構の説明図である。
【図19】図1に示す例の主に他の第二の支持機構の説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1 自然換気装置
2 窓枠
3 開口
4 障子
6 開閉手段
32 支持機構
34 支持機構
102、103 アーム部材
104 押圧手段
105 係止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に装着される枠体と、枠体に画成された開口に配されていると共に当該開口を開閉する障子と、気流に基づいて障子に開口を開閉させる開閉手段と、障子が開口閉鎖位置に配された際に開閉手段による障子の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段とを具備しており、禁止手段は、端部で互いに回動自在に連結されていると共に障子を枠体に対して接近及び離反自在に連結した一対のアーム部材と、一対のアーム部材のうちの枠体に連結された一方のアーム部材を、障子を枠体に対して接近させるための一対のアーム部材の相互の回動を強制的に生じさせるように、押圧する押圧手段と、押圧手段による押圧に連動して、障子が開口閉鎖位置に配される際に一対のアーム部材のうちの他方のアーム部材又は障子を解除自在に係止する係止手段とを具備しており、係止手段による係止によって障子の開口開閉移動を禁止する一方、係止手段による係止の解除によって障子の開口開閉移動を許容するようになっている自然換気装置。
【請求項2】
押圧手段は、一方のアーム部材を押圧する突起が形成されていると共に横方向に移動自在なスライダと、枠体に取り付けられていると共にスライダを横方向に移動自在に案内する案内溝を有した案内部材と、案内部材に装着されている電動モータと、この電動モータの出力回転軸に装着された横方向に伸びたねじ軸と、スライダに固着されていると共にねじ軸に螺合した螺合部と、障子が開口開放位置に配される際に螺合部に接触するリミットスイッチと、障子が開口閉鎖位置に配される際に螺合部に接触するリミットスイッチと、前記リミットスイッチの夫々の螺合部に対する接触に基づいて電動モータの作動を停止させる電動モータ制御部とを具備している請求項1に記載の自然換気装置。
【請求項3】
押圧手段は、一方のアーム部材を押圧する突起が形成されていると共に横方向に移動自在なスライダと、枠体に取り付けられていると共にスライダを横方向に移動自在に案内する案内溝を有した案内部材と、スライダに回転自在に取り付けられたプーリと、一端が枠体に固着されていると共にプーリに掛け回された紐状体と、スライダに形成された掛け部と、枠体に回動自在に取り付けられていると共にスライダの横方向の移動を禁止するように掛け部に掛けられる突起を有した回動部材とを具備しており、回動部材の回動によりスライダの横方向の移動の前記禁止が解除されるようになっている請求項1に記載の自然換気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−62742(P2009−62742A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231885(P2007−231885)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(503428703)オイレスECO株式会社 (69)
【Fターム(参考)】