説明

自走式攪拌解砕装置

【課題】堆肥の醗酵処理工程等における被処理物の攪拌と解砕を効果的に行う事のできる装置を提供する。
【解決手段】本発明の自走式攪拌解砕装置は、被処理物(1)の受入れホッパー部(A)と、その下部に配置されたスクリュー式送給部(B)と、その一端下部に配置された解砕部(C)とからなり、前記スクリュー式送給部(B)は、少なくとも1本の第1回転軸(3)と、その外周面に沿って形成された被処理物を移送する正スクリュー部(4)と、前記第1回転軸(3)の他端部外周面に形成され且つ前記正スクリュー部(4)と逆向きの逆スクリュー部(5)と、前記正逆スクリュー部との間に形成され、スクリュー羽根を有しない落下部(7)とからなり、前記解砕部(C)は、前記落下部(7)の下方に配置され、複数の第2回転軸(11)と、その周方向に突出して配置された複数本の解砕バー(12)とからなり、前記ホッパー部(A)と前記スクリュー式送給部(B)と前記解砕部(C)とを自走式の架台(10)上に一体的に搭載したものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、牛,豚,鶏等の家畜糞尿排泄物や生ゴミに代表される有機性廃棄物或いは剪定枝,刈草,籾殻,廃木材等に代表される植物性廃棄物等々を利用して堆肥を製造するに当り、これらの混合物からなる被処理物を堆積させて醗酵処理する際に使用する攪拌解砕装置に関するもので、更に詳しくは、自走式の攪拌解砕装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
畜産施設から排出される糞尿排泄物や生ゴミ等の有機性廃棄物或いは選定枝,刈草,籾殻,廃木材等の植物性廃棄物等々を原料にして堆肥を製造する方法には多種多様な方法が各方面から提案されており、且つ実施されている事は周知の通りである。
【0003】
これらの各種方法において共通する事項として、前記有機性廃棄物と植物性廃棄物とを均一に混合した後、これを堆積して数ケ月から半年間程度の期間を掛けて行う醗酵,熟成処理工程がある。この工程は、前記均一に混合された被処理物を、図4に示す如く、屋内に設けられ且つ縦壁21と隔壁22a〜22dによって画成された醗酵区23a〜23cからなる醗酵処理場20において、通気しつつ醗酵処理を行う工程である。具体的には、前工程において混合攪拌等の前処理をされた前記被処理物を、先ず第1醗酵区23aに搬入して堆積させて1次醗酵処理を行い、所定の1次醗酵期間が経過すると隣接する第2醗酵区23bに移送し、更に、所定の2次醗酵期間が経過すると隣の第3醗酵区23c(熟成区)に移送し、所定の熟成を行った後に該第3醗酵区23cから製品堆肥として出荷する様になっている。
【0004】
上記各醗酵区23a〜23cにおける醗酵,熟成工程においては、適度に通気させておく必要があるので、前記各醗酵区23a〜23cの底部に通気パイプを配置して常時空気を該堆積物の中に噴出させたりする方法が採用されている。しかし乍ら、単に通気させただけでは、前記被処理物1は次第に凝集して塊状になるので、これを防止するため、適度に被処理物を攪拌する必要がある。そこで、小規模な醗酵処理場の場合には、作業員が定期的にスコップで各区の被処理物1を切り返して凝集化を防止すると共に通気性を維持する方法も取られているが、多くの場合には、ショベルカーを用いて前記堆積物の切り返しを定期的に行う方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。更に、前記被処理物1を、次の醗酵区に移送する方法としては、前記ショベルカーを用いて定期的に移送する方法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
又、前記醗酵区内に、スクリューコンベアとバケットエレベータとを有する醗酵促進装置を配置し、該醗酵区の底部に設けた前記スクリューコンベアによって底部堆積物をバケットエレベータの場所まで移送し、該バケットエレベータによって底部の被処理物を掬い上げて表面部に移動させる装置も提案されている(特許文献2参照)。この装置は、バケットエレベータによって底部の堆積物を上方に移動させる事により、通気と攪拌による凝集防止を行って好気性醗酵を促進させる様にしたものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−12070号公報(図1)
【特許文献2】
特表平9−502419号公報(図6)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記醗酵区における各攪拌,移送方法において、作業員がスコップを用いて堆積された被処理物を切り返したり、隣接する醗酵区に移送する方法は問題外として、先ず、特許文献1に代表される様な一般的な方法であるショベルカーを用いて前記被処理物の切り返しと隣接する醗酵区への移送を行う方法では、ショベルカーのショベルが届く範囲内の切り返しは容易であるが、各醗酵区23a〜23cの奥部の切り返しは困難であり、奥部の切り返しのためには被処理物1をショベルカーが踏みつけて入らなければならず、これでは却って該被処理物1を固めてしまう事になる。又、ショベルで掬い上げて落下させる操作の繰り返しによる攪拌作業であるので、その攪拌効果には限界がある事は否めない。
【0008】
次に、特許文献2に記載の方法では、攪拌装置を各醗酵区内に配置して、バケットエレベータで底部のものを掬い上げて攪拌するものであるので、前記ショベルカーを用いる方法に比して攪拌効果は期待できるが、凝集して固まってしまったものについての解砕機能は有しておらず、且つ、基本的には醗酵区内に配置して使用する装置であり、隣接する醗酵区や離れた場所に移送する装置としては不適である事は言うまでもない。
【0009】
本発明は、係る問題点に鑑みてなされたもので、醗酵処理中の被処理物の凝固防止のための攪拌を効果的に行うと共に、凝固したものについては効果的に解砕し、且つ、隣接した醗酵区や離れた場所にある醗酵区或いは梱包出荷場所まで容易に搬送可能な装置を提供する事を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、係る観点の元になされたものであって、その特徴とするところは、第1に自走式架台に攪拌解砕装置を搭載して任意の場所に被処理物を搬送可能にした点であり、第2に解砕機能を保持させて被処理物の凝固を防止して醗酵処理を容易にした点にある。
【0011】
具体的には、堆積して醗酵処理中の堆肥等の被処理物を攪拌及び解砕する自走式攪拌解砕装置であって、
前記被処理物の受入れホッパー部と、該ホッパー部の下部に配置されたスクリュー式送給部と、該スクリュー式送給部の一端下部に配置された解砕部とからなり、
前記スクリュー式送給部は、第1駆動部に連結された少なくとも1本の第1回転軸と、該第1回転軸の外周面に沿って形成され且つ該第1回転軸の一端側から他端側に被処理物を移送する正スクリュー部と、前記第1回転軸の他端部外周面に形成され且つ前記正スクリュー部と逆向きの移送力を有する様に形成された逆スクリュー部と、前記正スクリュー部と逆スクリュー部との間に形成され、スクリュー羽根を有しない落下部とからなり、
前記解砕部は、前記落下部の下方に配置され、複数の第2回転軸と、該第2回転軸の周方向に突出して配置された複数本の解砕バーと、前記第2回転軸に連結された第2駆動部とからなり、
前記ホッパー部、前記スクリュー式送給部及び前記解砕部が、自走式の架台上に一体的に搭載されている事を特徴とするものである。
これにより、被処理物の攪拌と解砕が容易に行える様になり、且つ、自走式架台に搭載しておく事により、任意の場所への移送も極めて容易になる。
【0012】
上記装置において、前記第1回転軸の周方向に複数本の落下促進バーを突出して配置する事により、前記落下部からの被処理物の落下を促進する様になすのが好ましい。又、前記第2回転軸の外周面に、前記解砕バーを螺旋状に複数条配置するのが好ましく、更に、前記解砕部の下部にベルトコンベアを配置し、且つ該ベルトコンベアも前記自走式架台上に搭載しておくのも好ましい態様である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について、図面の実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る自走式攪拌解砕装置の一部断面側面図であり、図2は、図1のスクリュー式送給部の平面図であり、図3は、図1の右側面図である。これらの図面において、本発明の自走式攪拌解砕装置は、被処理物を収容するホッパー部Aと、該ホッパー部Aの下部に配置され且つ内部に回転スクリューが配置されたスクリュー式移送部Bと、該スクリュー式移送部Bの一端の下部に配置された解砕部Cとからなっており、これらホッパー部Aとスクリュー式移送部Bと解砕部Cとが自走式架台10に搭載された構成となっている。
【0014】
具体的に図1に基づいて説明すると、先ず架台10は、運転室16からの操作により周知のシステムによって自走可能なキャタピラ15によって自走可能とされており、該架台10上には、前記スクリュー式送給部Bを駆動する電動モータ等の第1駆動部2と、前記解砕部Cを駆動させる電動モータ等の第2駆動部13と、前記ホッパー部A,スクリュー式送給部B及び解砕部Cを支持する複数のフレーム17と、これら各部の操作を行う操作盤18とが搭載されている。
【0015】
前記フレーム17の上部には、該フレーム17に支持されて前記ホッパー部Aが配置され、該ホッパー部Aの下部開口部に連通し且つ該ホッパー部Aに連結して前記スクリュー式送給部Bが配置されている。該スクリュー式送給部Bは、図2に示されている様に、前記フレーム17に保持されたケーシング19内に複数本の第1回転軸3が平行に配置され、その一端は前記第1駆動部2に減速機を介して回転可能に連結されており、前記第1回転軸3の外周面には、前記一端部からスクリュー羽根が形成されて、前記ホッパー部Aから落下してくる被処理物を図中右方向に移送する正スクリュー部4と、他端部(図中右端)から前記正スクリュー部4とは逆向きのスクリュー羽根が形成されている逆スクリュー部5と、両スクリュー部4,5間のスクリュー羽根を有しない落下部7とから構成されており、該落下部7の前記第1回転軸3には、外側に突出する落下促進バー6が複数箇所に複数本設けられている。この落下促進バー6は前記第1回転軸3の同一円周上に3本乃至4本(図2では4本)配置され且つ前記第1回転軸3の軸方向に所定間隔をおいて同様に複数列配置されている。
【0016】
又、前記解砕部Cは、前記落下部7の下方に連接して配置されており、その構造は、図3に示している様に、前記スクリュー式送給部Bの第1回転軸3と直交方向に配置された複数本(図2では2本)の第2回転軸11と、その外周面に多数突設された解砕バー12とからなっている。前記第2回転軸11は、図1に示した第2駆動部13によって回転駆動される様に構成されており、前記解砕バー12は、該第2回転軸11の外周面に螺旋状に複数条配置されている。具体的には、前記第2回転軸11の同一円周上に3乃至4本の解砕バー12が配置され且つ各解砕バー12は夫々軸方向に螺旋条に配置されて構成されている。
【0017】
係る本発明の自走式攪拌解砕装置を用いて前記被処理物を攪拌解砕する場合について説明すると、先ず該装置を被処理物を堆積させている前記醗酵区の被処理物の手前に自走させて移動させ、別途準備されているベルトコンベアの先端部を前記ホッパー部Aの上部に配置し、スコップ或いはショベルカーを用いて該ベルトコンベアを通してホッパー部A内に所定量の被処理物を搬入する。所定量の被処理物がホッパー部A内に搬入されると、前記解砕部Cの下部に前記ベルトコンベアを移設し、前記第1駆動部2及び第2駆動部13を駆動させて前記スクリュー式送給部B及び解砕部Cを稼働する。すると、ホッパー部A内の被処理物は前記スクリュー式送給部Bの正スクリュー部4によって落下部7に向けて送給されると共に、前記正スクリュー部の回転によって攪拌されて、被処理物中の醗酵が相対的に進んでいる部分と遅れている部分とが混合されて醗酵状態が均一化される。尚、前記第1回転軸3の端部に形成されている逆スクリュー部5は、前記正スクリュー部4の送給力によって該正スクリュー部4の先端部に形成されている前記落下部7を越えて該第1回転軸3の端部に移送される被処理物を逆方向の移送力によって前記落下部7に押し戻す作用を有しているものであって、前記第1回転軸3の端部に被処理物が押し付けられて堆積するのを防止する機能を有している。
【0018】
前記落下部7に送給されてきた被処理物は、前記第1回転軸3の外表面の同一円周上に突設された複数本の落下促進バー6によって下方に落下される。即ち、被処理物は、前記正スクリュー部4と逆スクリュー部5との移送力によって左右から該落下促進部7に送給されてくるので、その送給押圧力によって圧縮され圧密化されて、開放された下方への自然落下が妨げられる場合があるが、前記落下促進バー6の回転によって、前記圧密化が阻止されると共に、被処理物の堆積中に凝集した塊状物を部分的に解砕して強制的に下方の開口部から解砕部Cに落下する様になっている。
【0019】
尚、前記正スクリュー部4の先端部と前記逆スクリュー部5との間隔、即ち、前記落下部7の軸方向の長さが充分に長く設計され、前記両スクリュー部からの送給押圧力により圧密化が生じ難く、被処理物が自然に落下する様な場合には、該落下促進バー6を省略する事も可能である。
【0020】
次に、スクリュー送給部Bから落下してきた被処理物は、前記第1回転軸3と直交する方向に配置された複数の第2回転軸11と、その該表面に突出して形成された解砕バー12とからなる前記解砕部Cによって解砕され、その下方に配置されているベルトコンベア14上に落下する事になる。即ち、該解砕部Cでは、前記落下部7から落下してきた被処理物は、前記第2回転軸11から突出して配置された多数の解砕バー12によってバラバラの粒状に解砕されて、前記ベルトコンベア14上に落下し、該コンベア14によって元の醗酵区に戻される事になる。
【0021】
以上の説明は、所定の醗酵区に堆積されて自然醗酵中の被処理物を攪拌して醗酵の進み具合を均一化すると共に、その醗酵過程で生じた塊状物を解砕して元に戻し、更に醗酵を継続させる場合の説明であり、前記ホッパー部Aに所定量の被処理物を投入した後に前記スクリュー式送給部B及び解砕部Cを稼働させる所謂バッチ方式について説明したが、前記ホッパー部Aに被処理物を投入しつつ前記スクリュー式送給部Bと解砕部Cを稼働させる事により、ホッパー部に被処理物を投入しつつ攪拌解砕して元に戻す所謂連続方式も可能である。
【0022】
又、所定の醗酵区における醗酵が進行し、次の醗酵区に移送する場合には、所定の醗酵区の被処理物をベルトコンベア等を用いて前記ホッパー部Aに搬送し、その状態で自走式攪拌解砕装置を所定の他の醗酵区の前に移動させ、前述の要領で前記スクリュー式送給部B及び解砕部Cを稼働させて該被処理物の攪拌と解砕を行いつつ、所定の醗酵区内に堆積させる事になる。同様に、最終熟成区から堆肥の梱包,出荷場に移送する場合にも、該熟成区の被処理物を前記ホッパー部Aに搭載して該自走式攪拌解砕装置を所定の梱包,出荷場に移動させ、そこで、該梱包,出荷場に設けられているホッパー内に前記ベルトコンベア14によって移送する事になる。
【0023】
以上の説明において、解砕部Cの下方に設置されるベルトコンベア14は、本発明に係る自走式攪拌解砕装置とは別に設けられており、前記ホッパー部Aに投入するために使用したベルトコンベアを移設して使用する場合について説明したが、該ベルトコンベアを前記解砕部Cの下方に前記自走式架台10に搭載しておき、前記ホッパー部Aへの被処理物の投入はショベルカーによって行う様になす事も可能である。
【0024】
又、上記説明では、自走式攪拌解砕装置を屋内で使用する場合の例について説明したが、屋外に野積みした被処理物、例えば、剪定枝を粉砕して野積みしておく事によって自然醗酵させる様な場合においても、本発明の装置は使用可能であり、又、伐採林や製材廃材等を粉砕して堆肥化処理したものを、山林に戻してやる様な場合にも、山林に散布すべき堆肥を本装置のホッパー部に搭載して所定場所に搬送し、その場所で解砕放出する事も可能である。係る意味において、自走式架台10の走行部には、本例の如くキャタピラ15を採用しておくのが好ましい態様である。
【0025】
又、上記説明では、家畜糞尿や剪定枝から堆肥を製造する工程における被処理物の攪拌と解砕の場合の例であるが、放置しておくと堆積物が凝集して固化する様なもの、例えば、家畜糞尿と籾殻の混合物からなる堆肥化処理前の原料や汚泥の堆肥化処理前の堆積物等にも本発明の装置は使用可能であることはいうまでもない。
【0026】
又、上記説明では、ホッパー部Aに被処理物を投入し、しかる後に、前記スクリュー式送給部Bと解砕部Cとを駆動させる場合において、前記ホッパー部Aと前記スクリュー送給部B及び解砕部Cとは連通させた状態で行っているが、前記被処理物の投入過程において被処理物が前記スクリュー送給部B及び解砕部Cを素通りして下方に落下する様な場合には、前記スクリュー送給部Bと解砕部Cとの間にシャッターを配置しておき、前記スクリュー送給部Bと解砕部Cとを駆動させるときに該シャッターを開ける様になす事も可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の自走式攪拌解砕装置によれば、ホッパー部Aとスクリュー式送給部Bと解砕部Cとが自走式架台10に搭載されているので、被処理物を定期的に大量に攪拌解砕する事が可能となり、今後建設が計画されている大規模な家畜糞尿を堆肥化する設備において威力を発揮する事が期待される。
【0028】
又、スクリュー式送給部Bの構成として、端部に正スクリュー部4とは逆向きの逆スクリュー部5が形成されているので、スクリュー回転軸の一端部に被処理物が堆積するのが阻止され、又、正逆スクリュー部4,5の間に被処理物の落下部7を形成しているので、該スクリュー式送給部Bから解砕部Cへの被処理物の落下が確実となる。特に、落下部7に回転軸2の外周面に突出して複数の落下促進バー6を形成しておけば、確実に被処理物を下方に落下させる事が可能となると共に、該落下促進バー6によって、塊状化した被処理物を部分的に解砕する効果もある。
【0029】
又、解砕部Cの構成として、第2回転軸11の周囲に多数の解砕バー12を配置しているので、該第2回転軸11の回転によって上方から落下してきた被処理物を該解砕バー12の回転によって確実に解砕する事が可能となる。
【0030】
更に、本発明装置を堆肥化処理における攪拌解砕工程に使用すると、被処理物は、本装置を通って処理される事によって攪拌され、その結果、醗酵度合いが相対的に進行している部分と遅れている部分とが混合されて均一化されるので、全体として醗酵の進行度合いを均一化して均一な堆肥を製造する事が可能となると共に、解砕されて醗酵が進行し易くなるので、全体としての醗酵速度を速める効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自走式攪拌解砕装置の側面図である。
【図2】図1の装置のスクリュー式送給部を示す要部平面図である。
【図3】図1の装置の右側面図である。
【図4】堆肥化処理工程における醗酵場の概念図である。
【符号の説明】
1 被処理物
2 第1駆動部
3 第1回転軸
4 正スクリュー部
5 逆スクリュー部
6 落下促進バー
7 落下部
10 架台
11 第2回転軸
12 解砕バー
13 第2駆動部
14 ベルトコンベア
A ホッパー部
B スクリュー式送給部
C 解砕部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
堆積して醗酵処理中の堆肥等の被処理物(1)を攪拌及び解砕する攪拌解砕装置であって、
前記被処理物(1)の受入れホッパー部(A)と、該ホッパー部(A)の下部に配置されたスクリュー式送給部(B)と、該スクリュー式送給部(B)の一端下部に配置された解砕部(C)とからなり、
前記スクリュー式送給部(B)は、
第1駆動部(2)に連結された少なくとも1本の第1回転軸(3)と、
該第1回転軸(3)の外周面に沿って形成され且つ該第1回転軸(3)の一端側から他端側に被処理物を移送する正スクリュー部(4)と、
前記第1回転軸(3)の他端部外周面に形成され且つ前記正スクリュー部(4)と逆向きの送給力を有する様に形成された逆スクリュー部(5)と、
前記正スクリュー部(4)と逆スクリュー部(5)との間に形成され、スクリュー羽根を有しない落下部(7)とからなり、
前記解砕部(C)は、
前記落下部(7)の下方に配置され、
複数の第2回転軸(11)と、該第2回転軸(11)の周方向に突出して配置された複数本の解砕バー(12)と、前記第2回転軸(11)に連結された第2駆動部(13)とからなり、
前記ホッパー部(A)、前記スクリュー式送給部(B)及び前記解砕部(C)が、自走式の架台(10)上に一体的に搭載されている事を特徴とする自走式攪拌解砕装置
【請求項2】
前記第1回転軸(3)の落下部(7)には、該第1回転軸(3)の周方向に複数本の落下促進バー(6)が突出して配置されている請求項1に記載の自走式攪拌解砕装置
【請求項3】
前記解砕部(C)に設けられている解砕バー(12)が、前記第2回転軸(11)の外周面に螺旋状に複数条配置されている請求項1又は2に記載の自走式攪拌解砕装置
【請求項4】
前記解砕部(C)の下部に、ベルトコンベア(14)が配置され且つ該ベルトコンベア(14)も前記自走式の架台(10)に搭載されている請求項1乃至3のいずれかに記載の自走式攪拌解砕装置
【請求項5】
前記被処理物が、堆肥の醗酵,熟成工程における堆肥化処理物である請求項1乃至4のいずれかに記載の自走式攪拌解砕装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2004−224624(P2004−224624A)
【公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−13314(P2003−13314)
【出願日】平成15年1月22日(2003.1.22)
【出願人】(391037571)神鋼造機株式会社 (4)
【Fターム(参考)】