説明

臭素系難燃剤含有樹脂の選別装置および選別方法

【課題】選別樹脂片の厚さによらず試料を高精度に選別することが可能な選別装置および選別方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の臭素系難燃剤含有樹脂の選別装置は、X線を発生させるX線源と、分離対象物を透過した透過X線を検出するX線検出器と、データ処理部と、分離部とを含み、この選別装置は、さらに変位測定計を備え、変位測定計は、分離対象物の厚さを測定し、この測定した分離対象物の厚さのデータをデータ処理部に送り、X線検出器は、分離対象物を透過した透過X線を検出し、検出した透過X線の強度データをデータ処理部に送り、データ処理部は、透過X線の強度データおよび分離対象物の厚さのデータに基づく補正データを分離部に送り、分離部は、補正データに基づき、分離対象物から臭素系難燃剤含有樹脂を選別することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、樹脂のリサイクルにおいて、臭素系難燃剤を含有する樹脂を選別する選別装置および選別方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家電製品などに使用されているプラスチックなどの樹脂の一部には、難燃剤を含有する難燃性樹脂が使用されている。その難燃剤含有量は通常樹脂全体の1〜30質量%であり、その難燃剤としては主に臭素系難燃剤が利用されている。
【0003】
このような難燃性樹脂に関して、家電リサイクル法を遵守するためには、廃プラスチックなどの樹脂のリサイクル技術が必要であり、リサイクルされた樹脂(リサイクル樹脂)の性能を確保したり、管理したりするためには、難燃剤含有樹脂と非含有樹脂との分離技術が重要技術となっている。また、リサイクル樹脂の家電製品への有効活用を進めるなかで、欧州連合のRoHS指令(電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する指令)に代表される有害物質規制における臭素系難燃剤の含有量規制を遵守するためにも、廃プラスチックなどの樹脂のリサイクルにおいて臭素系難燃剤が残存し、リサイクル樹脂にこのように残存した臭素系難燃剤が混入するのを防止する必要がある。
【0004】
プラスチックなどの樹脂や金属の分離装置としては、一般に、分離対象物をコンベアなど運搬手段により搬送し、分離対象物にX線を照射して、X線の吸収率の差異を利用して、分離対象成分の存否を識別し、異なる区分収納箱に排出する分離方法をもつ分離装置がある(たとえば、特許文献1)。このようなX線を利用した分離装置では、分離対象成分が重い元素であるほどX線吸収率が高く、また、分離対象成分の含有量が多いほどX線吸収率が高いことを利用して対象成分の存否を識別する。
【特許文献1】特開平5−131176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
臭素系難燃剤を含有する樹脂には、臭素系難燃剤由来の臭素が含まれるため、臭素系難燃剤を含有しない樹脂、すなわち、炭素主成分の樹脂よりもX線吸収率が高く、また、これらの樹脂の厚みが均一な場合は、測定したX線吸収率の値により臭素系難燃剤の存否を識別して分離することが可能である。
【0006】
上記特許文献1の分離対象物は、粉砕したプラスチック片ではなく、平坦化したプラスチック収納容器であり、X線の吸収が最も低いところで塩素の存否を判定している。塩化ビニル樹脂中の塩素濃度のように分離対象成分の濃度が高い場合はX線の吸収率が高く、また、平坦化により分離対象物の厚さの影響は少なくなり、塩素の存否の正しい判定が可能である。
【0007】
しかし、分離対象物が粉砕したプラスチックなどの樹脂片である場合は、大きさや厚さが一定ではない。そのため、たとえば、臭素系難燃剤の含有率が樹脂片全体の10%(質量比)より少ない場合は、樹脂片の厚さが異なるとX線の吸収が臭素によるものか樹脂中の炭素等によるものかの判定が困難である。
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、分離対象物であるプラスチックなどの樹脂片の厚さによらず、高い選別精度をもった臭素系難燃剤の選別装置および選別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明に係る臭素系難燃剤含有樹脂の選別装置は、X線を発生させるX線源と、分離対象物を透過した透過X線を検出するX線検出器と、データ処理部と、分離部とを含み、この選別装置は、さらに変位測定計を備え、変位測定計は、分離対象物の厚さを測定し、この測定した分離対象物の厚さのデータをデータ処理部に送り、X線検出器は、分離対象物を透過した透過X線を検出し、検出した透過X線の強度データをデータ処理部に送り、データ処理部は、透過X線の強度データおよび分離対象物の厚さのデータに基づく補正データを分離部に送り、分離部は、補正データに基づき、分離対象物から臭素系難燃剤含有樹脂を選別することを特徴とする。
【0010】
本発明の上記選別装置は、上記データ処理部において、補正データとして、透過X線の強度データを分離対象物の厚さのデータに基づき補正した透過X線の強度データを分離部に送る態様をとる。
【0011】
また、上記データ処理部は、予め測定した厚さと透過X線の強度閾値のデータを備え、補正データとして、透過X線の強度データと、測定した分離対象物の厚さにおける強度閾値とを比較したデータを分離部に送る態様をとる。
【0012】
上記課題を解決するための本発明に係る臭素系難燃剤含有樹脂の選別方法は、分離対象物の厚さを測定する第1工程と、分離対象物の透過X線を検出する第2工程と、分離対象物を選別する第3工程とを含み、第3工程は、第2工程において検出する透過X線の強度を第1工程において測定した分離対象物の厚さに基づき補正した補正データにより分離対象物から臭素系難燃剤含有樹脂を選別することを特徴とする。
【0013】
上記第3工程は、補正データとして、透過X線の強度データを分離対象物の厚さのデータに基づき補正した透過X線の強度データを分離部に送る態様や、補正データとして、予め測定した厚さと透過X線の強度閾値のデータと、透過X線の強度データと、測定した分離対象物の厚さにおける強度閾値とを比較したデータを分離部に送る態様が挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、分離対象物のX線吸収のうち、分離対象物の厚さによる影響を取り除くことができ、厚さの異なる分離対象物であっても、分離対象成分による高精度な選別が可能となる。これにより、リサイクルの材料に用いる臭素系難燃剤非含有樹脂の回収率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明では、図面を用いて説明しているが、本願の図面において同一の参照符号を付したものは、同一部分または相当部分を示している。
【0016】
(実施の形態1)
図1は本発明に係る臭素系難燃剤含有樹脂の選別装置のX線吸収検出器の構成の典型例を示す側面図である。
【0017】
図1において、X線源1から発生したX線は、コンベア3上に保持されX線照射領域2に運搬された分離対象物である樹脂片4(臭素含有樹脂片4a、臭素非含有樹脂片4b)に照射され、その透過X線PがX線検出器5で検出される。なお、本発明において臭素非含有樹脂片とは、所望の濃度未満の臭素を含有する樹脂片をいう。
【0018】
図1のX線検出装置において、X線検出器5としては、ライン内や面内のX強度分布の測定が可能な、例えば、X線ラインセンサ、X線イメージングインテンシファイア、X線CCDカメラ、X線シンチレータ、位置感度型比例計数管などのX線検出器5を用いる。これらのX線検出器を用いる場合、臭素含有樹脂片4aの箇所は透過X線吸収強度が弱くなるので臭素含有樹脂片4a位置を特定できる。また、これらのX線検出器を用いるとライン内や面内のX強度分布を可視画像化することが可能である。可視化された画像では臭素含有樹脂片4aが臭素非含有樹脂片4bよりも輝度が小さく表示される。特に、樹脂片4の厚みが厚いほどX線が吸収され、輝度が小さく表示される。このようにX線検出器5を備えることにより、樹脂片4によるX線の吸収の差異をデータ化することができる。
【0019】
図2は本発明に係る臭素系難燃剤含有樹脂の選別装置の模式図である。図2に示す選別装置において、まず、選別樹脂片供給器6から樹脂片4をコンベア3上に供給する。コンベア3により運搬された分離対象物である樹脂片4は図2の左側から右側に移動するものとする。コンベア3上に供給され運搬された樹脂片4は、変位測定計7で厚さが計測され、その測定された厚さデータはデータ処理部8に送られる。更に樹脂片4はコンベア3でX線照射領域2に運搬され、上記のようにX線検出器5で透過X線の強度が検出され、検出された透過X線の強度データはデータ処理部8に送られる。データ処理部8において、変位測定計7から送られた厚さのデータを用いて、後述のように透過X線の強度データを補正する。補正した透過X線の強度データが任意の閾値以下か、閾値を超えるかのデータを分離部9に送られる。閾値以下の樹脂片4は臭素含有樹脂片と判別され、分離部9において臭素系難燃剤含有樹脂片収納箱10に収納するように分離される。また、補正した透過X線の強度データが閾値を超えるの樹脂片4は、臭素非含有樹脂片と判別され、分離部9において臭素系難燃剤非含有樹脂片収納箱11に収納するように分離される。
【0020】
図3(a)は本発明に係る分離対象物である樹脂片4の厚さの測定部の側面図である。図3(a)に示されるように、測定部においては、コンベア3上に保持され、運搬された樹脂片4(選別樹脂片)の厚さを変位測定計7によりレーザ12等で測定し、データ処理部8(図3(a)中は省略)にデータを送る。
【0021】
変位測定計7として、レーザ変位計センサ、超音波変位センサ、PSD(Position Sensitive Device)変位センサ、光ファイバセンサ、光電センサなどを用いることができる。光電センサで用いる光源素子として、発光ダイオードを用い、受光素子として、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトICなどを用いる。レーザ変位計センサのように、分離対象物の色や透明度によって正しい反射量が得られない場合は、厚さ測定の前に光電センサで予め樹脂片4の色や透明度のデータを取り、変位測定計7にデータを送り、任意の方法で正しい反射量に補正する必要がある。
【0022】
樹脂の厚さを測定するためには、コンベア3の端部の表面もしくは樹脂片4近傍のコンベア3表面の位置を基準面とし、図3(b)のような変位デ−タより樹脂片4の厚さを求める。また、コンベア3の厚さが既知の場合は、コンベア3の裏面に変位測定計を設け、裏面を基準に樹脂の厚さを測定してもよい。本発明において樹脂片4の厚さは、変位データから得られた樹脂の厚さのうち、最も厚い部分の値をいう。
【0023】
上記樹脂片4の厚さによる補正の方法を説明する。厚さtの物質に強度I0のX線を入射したとき、透過X線の強度をIとすれば、I0とIの関係は、Lambert−Beerの法則により、下式(1)
I=I0・exp(−μt)…(1)
で表わされる。式(1)中、μは線吸収係数であり、測定対象物の密度と質量吸収係数の積に比例する。
【0024】
図4は、臭素含有量が質量比で0%、1%、10%の樹脂について、それぞれ厚さが1mm、2mm、3mmの3種の樹脂片を用意し、これらの樹脂片にX線を照射した場合の透過率(I/I0×100(%))を示すグラフである。横軸は樹脂片の厚さ(mm)を示し、縦軸は規格化透過X線吸収強度を示す。ここで、規格化透過X線吸収強度とは、樹脂片がない場合の透過X線吸収強度を1として規格化した値をいう。規格化透過X線吸収強度は、上述の法則(式(1))の通り、樹脂片の厚さが厚くなるに従い、また、臭素濃度が大きくなるに従い減少する傾向がある。臭素含有量が質量比で0%の樹脂片においても、規格化透過X線吸収強度が厚さの増加に従い減少するのは、樹脂片中の炭素等によりX線が吸収されるからである。図4中に示す破線は、厚さを補正しない場合の臭素含有樹脂片と臭素非含有樹脂片の判別をする透過X線吸収強度の閾値である。たとえば、図4に示すように、臭素含有量が1%で、厚さ1mmの樹脂片の透過X線吸収強度を選別のための閾値と設定した場合、閾値以下を臭素含有樹脂と判別すると、臭素含有量が0%で厚さ2mmおよび3mmの樹脂片は閾値以下となるため、臭素を含有しないにもかかわらず、臭素含有樹脂片と誤判断されることになる。
【0025】
図5は、上述の法則(式(1))を用い、厚さ2mmおよび3mmの樹脂片の透過X線吸収強度を、厚さ1mmの樹脂片として透過X線吸収強度を補正した規格化透過X線吸収強度を示すグラフである。具体的には、厚さ2mmおよび3mmの透過X線吸収強度を基準として、単位厚さあたりの透過X線吸収強度を算出し、厚さ1mmの樹脂片として補正した。なお、このような厚さによる補正は、不均一な厚みの樹脂の場合、変位測定データによる値が、樹脂の厚みのうち最も厚いところを樹脂の厚さとなるように補正するように設定しておくこことで達成される。図5中に示す一点破線は、厚さ2mmおよび3mm樹脂片を厚さ1mmとして補正した場合の臭素含有樹脂片と臭素非含有樹脂片の判別をする透過X線吸収強度の閾値である。補正前では臭素含有量が0%で厚さ2mmおよび3mmの樹脂片は臭素含有樹脂片と判別されているが(図4参照)、補正により臭素含有量が0%で厚さ2mmおよび3mmの樹脂片の規格化透過X線吸収強度は閾値以上であるため、臭素含有樹脂片と誤判別されることはない。
【0026】
このように本発明の選別装置を用いて樹脂片4の厚さを測定し、この厚さのデータに基づき透過X線吸収強度を補正することにより、臭素含有樹脂と臭素非含有樹脂とを誤判断することなく、高精度に選別することができる。その結果、臭素非含有樹脂における臭素系難燃剤の混在を抑制することができ、リサイクルの材料に用いる臭素非含有樹脂の回収率が飛躍的に向上する。また、上記のように誤判断がないので、分離対象物の廃棄時にその廃棄方法を別段検討する必要がない。その他、本発明の選別装置によれば、臭素含有樹脂と臭素非含有樹脂とを高精度に選別することができるので、更なる選別工程等を設ける必要がなく、回収にかかるエネルギーを抑制することができる。
【0027】
また、本発明は、上記のような構成の選別装置を用いることによって、分離対象物の厚さを測定する第1工程と、分離対象物の透過X線を検出する第2工程と、分離対象物を選別する第3工程とを含み、第3工程は、第2工程において検出する透過X線の強度を第1工程において測定した分離対象物の厚さに基づき補正した強度により選別する臭素系難燃剤含有樹脂の選別方法を提供することができる。
【0028】
上記第1工程は、図2に示すような上記変位測定計7を用いて行なうことができる。また、第2工程は、上記X線検出器5を用いればよい。分離対象物の厚さに基づく補正は、上記図5の説明のように、分離対象物毎に単位厚さあたりの透過X線吸収強度を算出し、ある特定の厚さの樹脂片となるように透過X線吸収強度を補正することにより行なうことができる。なお、上記第3工程における選別は、たとえば、風圧による分離などの分離器9により達成することができる。
【0029】
図2および図3(a)においては、選別装置の側面を示したが、コンベア上にランダムに樹脂片が積載されるような場合であっても、X線検出器において、x軸とy軸の二次元座標を考慮することにより、各選別対象物である樹脂片4の厚さおよび透過X線吸収強度のデータを得ることができるので、上記と同様の理論により臭素の含有量による選別が可能である。
【0030】
(実施の形態2)
図6は、臭素含有樹脂と臭素非含有樹脂臭素を判別する閾値濃度の臭素を含む樹脂で測定した検量線を示すグラフである。上記データ処理部において、図6に示す予め測定した厚さと透過X線の強度閾値のデータを検量線として備えることにより、X線検出器5において検出した透過X線の強度データと、変位測定計7で測定した分離対象物である樹脂片4の厚さにおける上記強度閾値とに基づくデータにより分離部における選別を行なうことで高精度な選別が可能となる。すなわち、変位測定計7で得られた樹脂片4の厚さにより、図6の検量線から樹脂片4が臭素含有か臭素非含有かを判定する規格化透過X線吸収強度の閾値が定まる。そして、X線検出器5で検出した透過X線吸収強度が閾値以下の場合は、臭素含有樹脂片と判別され、分離部9で臭素系難燃剤含有樹脂片収納箱10に収納するよう選別される。一方、透過X線吸収強度が閾値を超える場合は、臭素非含有樹脂と判別され、分離部9で臭素系難燃剤非含有樹脂片収納箱11に収納するよう選別される。
【0031】
上記のように、データ処理部に予め測定した厚さと透過X線の強度閾値のデータを備えた選別装置を用いることにより、分離対象物の厚さを測定する第1工程と、分離対象物の透過X線を検出する第2工程と、分離対象物を選別する第3工程とを含み、第3工程は、予め測定した厚さと透過X線の強度閾値のデータと、透過X線の強度データと、測定した分離対象物の厚さにおける強度閾値とを比較したデータを分離部に送ることにより臭素含有樹脂と臭素非含有樹脂とを選別する方法を提供することができる。
【0032】
このように予め作成した検量線と変位測定計により測定した樹脂片4の厚さを用いることより、臭素含有樹脂と臭素非含有樹脂を高精度に選別することができる。その結果、臭素非含有樹脂における臭素系難燃剤の混在を抑制することができ、リサイクルの材料に用いる臭素非含有樹脂の回収率が飛躍的に向上する。また、上記のように誤判断がないので、分離対象物の廃棄時にその廃棄方法を別段検討する必要がない。その他、本発明の選別装置によれば、臭素含有樹脂と臭素非含有樹脂とを高精度に選別することができるので、更なる選別工程等を設ける必要がなく、回収にかかるエネルギーを抑制することができる。
【0033】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
【0034】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の選別装置および選別方法によれば、選別対象の厚みによらず、正確な選別を行なうことが可能となる。また、臭素に限らず種々の不純物の濃度を特定するこができるので、選別対象とを換えて、かつ物質を換えても本発明の選別装置を適用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態1に係るX線検出器の構成の典型例を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る選別装置の構成を示す模式図である。
【図3】(a)本発明の実施の形態1に係る測定部の構成を示す側面図であり、(b)選別樹脂片と変位の関係を示す図である。
【図4】本発明に係る規格化X線強度と樹脂片の厚さの関係を示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態1に係る厚さにより補正した規格化X線強度と樹脂片の元の厚さとの関係を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態2に係る臭素含有樹脂片と臭素非含有樹脂片の判別をするための検量線を示すグラフである。
【符号の説明】
【0037】
1 X線源、2 X線照射領域、3 コンベア、4 樹脂片、4a 臭素含有樹脂片、4b 臭素非含有樹脂片、5 X線検出器、6 選別樹脂片供給器、7 変位測定計、8 データ処理部、9 分離部、10 臭素含有樹脂片収納箱、11 臭素非含有樹脂片収納箱、12 レーザ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を発生させるX線源と、分離対象物を透過した透過X線を検出するX線検出器と、データ処理部と、分離部とを含む臭素系難燃剤含有樹脂の選別装置であって、
前記選別装置は、さらに変位測定計を備え、
前記変位測定計は、前記分離対象物の厚さを測定し、この測定した分離対象物の厚さのデータを前記データ処理部に送り、
前記X線検出器は、前記分離対象物を透過した透過X線を検出し、検出した透過X線の強度データを前記データ処理部に送り、
前記データ処理部は、前記透過X線の強度データおよび前記分離対象物の厚さのデータに基づく補正データを前記分離部に送り、
前記分離部は、前記補正データに基づき、分離対象物から臭素系難燃剤含有樹脂を選別する臭素系難燃剤含有樹脂の選別装置。
【請求項2】
前記データ処理部は、前記補正データとして、前記透過X線の強度データを前記分離対象物の厚さのデータに基づき補正した透過X線の強度データを前記分離部に送る、請求項1に記載の臭素系難燃剤含有樹脂の選別装置。
【請求項3】
前記データ処理部は、予め測定した厚さと透過X線の強度閾値のデータを備え、前記補正データとして、前記透過X線の強度データと、測定した分離対象物の厚さにおける前記強度閾値とを比較したデータを前記分離部に送る、請求項1に記載の臭素系難燃剤含有樹脂の選別装置。
【請求項4】
分離対象物の厚さを測定する第1工程と、
前記分離対象物の透過X線を検出する第2工程と、
前記分離対象物を選別する第3工程とを含み、
前記第3工程は、前記第2工程において検出する透過X線の強度を前記第1工程において測定した分離対象物の厚さに基づき補正した補正データにより分離対象物から臭素系難燃剤含有樹脂を選別する臭素系難燃剤含有樹脂の選別方法。
【請求項5】
前記第3工程は、前記補正データとして、前記透過X線の強度データを前記分離対象物の厚さのデータに基づき補正した透過X線の強度データを前記分離部に送る、請求項4に記載の臭素系難燃剤含有樹脂の選別方法。
【請求項6】
前記第3工程は、前記補正データとして、予め測定した厚さと透過X線の強度閾値のデータと、前記透過X線の強度データと、測定した分離対象物の厚さにおける前記強度閾値とを比較したデータを前記分離部に送る、請求項4に記載の臭素系難燃剤含有樹脂の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−279541(P2009−279541A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−135726(P2008−135726)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】