説明

艦船模型用装飾パーツセット及び成形用金型

【課題】1/700スケール艦船模型用の装飾パーツを、リアルさを向上させたプラスチック成形品として流通可能にする。
【解決手段】艦船用連装機銃パーツセット10は、先端に連装機銃が形成され左右ほぼ対称に配置される枝状ランナー13を途中に備える直線状の中枠ランナー14と、中枠ランナー14の両端と連結され外側を取り囲む様に形成される外枠ランナー15とを備える。装飾用パーツ11,12の大きさ・形状はほぼ同一で、銃身が枝状ランナー13と同一方向に真っ直ぐ伸びている。外枠ランナー15は矩形状で、上端面が装飾パーツ11,12の上端面よりも高く、下端面が装飾パーツ11,12の下端面よりも低くなる十分な深さを備え、装飾パーツ11,12の横まで伸びる内向き枝状ランナー16をも備える。また、複数個を連結するための第1係合部18と第2係合部20が一体形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、艦船模型用の装飾パーツセットに係り、より詳しくは、1/700スケール等の縮尺率の大きいプラスチックモデル製艦船を装飾するための装備品をプラスチック成形品として提供するための艦船模型用装飾パーツセット及び成形用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、本願出願人は、図8に例示する様な金属板をエッチング加工してなる1/700スケール艦船模型用の装飾パーツを提供して好評を得た。しかし、プラモデルファンからは、よりリアルな立体的イメージが与えられ、塗装も自由にできる様なプラスチック製の微少かつ微細な艦船模型用の装飾パーツに対する要望は高い。
【0003】
ところで、プラスチックモデルの部品は、図9(A)〜(C)に例示する様に、射出成形によって製造される(特許文献1〜3)。
【特許文献1】特開昭62−50112号公報(図5)
【特許文献2】特開平10−100196号公報(図1,図2)
【特許文献3】特開2003−79967号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2は人形模型であり、各部品はそれほど微細なものではない。特許文献3は鉄道模型の愛称マークの部品であり、部品自体は小さいけれどもそれほど複雑な形状をしてはいない。しかしながら、1/700スケール艦船模型用の装飾パーツとなると、部品が微細でかつ形状は複雑になる。このため、よりリアルな部品を求める要望に応えようとすると、いくつかの問題が生じる。
【0005】
まず、「(1)微細かつ複雑な形状の部品を精度良く成形することの困難性」という問題に遭遇する。また、「(2)微細かつ複雑な形状の部品を流通・販売する際の損傷を防止する必要がある」という問題にも遭遇する。さらに、「(3)一隻の艦船模型に装備すべき連装機銃の数は相当数になることから、多数のパーツを一単位の商品パッケージに含ませる必要がある」という問題にも遭遇する。
【0006】
そこで、本願は、上記の様な問題点を解決し、1/700スケール等の縮尺率の大きい艦船模型用の装飾パーツを、リアルさを向上させたプラスチック成形品として流通可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の艦船模型用装飾パーツセットは、プラスチック射出成形によって製造され、以下の構成を備えたことを特徴とする。
(1)先端に個々の装飾パーツが形成され左右ほぼ対称に配置される枝状ランナーを途中に備え、該枝状ランナーより大きな断面積を有する直線状の中枠ランナーと、該中枠ランナーの両端と連結されると共に前記各装飾用パーツの外側を取り囲む様に形成される外枠ランナーとを備えていること。
(2)前記外枠ランナーは、前記中枠ランナーを中心として左右ほぼ対称な形状に形成され、その上端面が前記装飾パーツの上端面よりも高く、その下端面が前記装飾パーツの下端面よりも低くなる様に十分な深さを備えると共に、前記枝状ランナーの先端に形成された装飾パーツの横まで伸びる内向き枝状ランナーを備えていること。
(3)前記中枠ランナーは、前記外枠ランナーと上端面及び下端面の位置が同一となる十分な深さを備えていること。
【0008】
例えば、本発明の艦船模型用装飾パーツセットは、さらに、以下の構成をも備える。
(4)前記各装飾パーツが機銃であり、各装飾パーツは、機銃の銃身の中心がパーティングラインとされていること。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の艦船模型用装飾パーツセットは、中枠ランナーから左右ほぼ対称に配置される枝状ランナーの先端に個々の装飾パーツが成形される構造となっており、かつ、中枠ランナーの両端と連結された外枠ランナーを備えている。従って、外枠ランナー部分に侵入した溶融プラスチックは、中枠ランナーの両端から各枝状ランナーへと侵入する。外枠ランナー及び中枠ランナーを深さの十分なものとしたので、このときの湯の流れはスムーズになると共に、断面積の大小関係により、枝状ランナーへ侵入する際に絞られて圧力が上がり、その先端の装飾パーツを高い圧力で侵入するプラスチックによって良好に形成することができる。従って、溶融したプラスチックは、個々の装飾パーツの隅々まで流入する。外枠ランナーは、こうしたプラスチックの流入をスムーズにする作用に加えて、その深さが十分にあると共に内向き枝状ランナーを備えることによって、成形された後の個々の装飾パーツを保護し、流通過程における損傷等を防止する役割をも果たしている。機銃の場合の銃身の中心線が枝状ランナーの中心とほぼ同一の面内に伸びる
【0010】
また、本発明の艦船模型用装飾パーツセットは、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(5)前記外枠ランナーが矩形状で、対向する二辺の外側に上下方向に伸びる突出部を有する第1係合部と、該第1係合部の突出部を受け入れる凹部を有する第2係合部とが一体に形成されていること。
【0011】
かかる構成をも備えることにより、本発明の艦船模型用装飾パーツセットは、第1係合部と第2係合部とを係合させることにより、複数個連結した状態で商品パッケージに収納することができる。従って、図9に例示した様な多数の連装機銃をパーツとして提供する場合、これらを全て一体に成形するのではなく、例えば、各パーツセット毎には6個(あるいは8個)の連装機銃が成形品として備わる様にしておき、これらを3個連結して18個(あるいは24個)を1つのパッケージとして流通させることができる。従って、流通させたい個数の単位よりも少ない個数の装飾パーツを配置したパーツセットが成形できれば流通上の問題はなくなり、成形に当たっては、一つのパーツセットに備えるべき装飾パーツの個数を少なくすることにより成形不良の発生を防止する作用をより高めることもできる。この様に、構成(6)をも備えることにより、成形性を改善しつつ、流通という観点での受容者の要望にも応えることができ、かつ、流通におけるセット個数の変更を可能にするという作用も奏することができる。
【0012】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の艦船模型用装飾パーツセット成形用金型は、プラスチック射出成形によって艦船模型用装飾パーツを製造するための金型であって、以下の構成を備えたことを特徴とする。
(11)先端に個々の装飾パーツ形成用空所が形成され左右ほぼ対称に配置される枝状ランナー形成用空所を途中に備え、該枝状ランナー形成用空所よりも大きな断面積を有する直線状の中枠ランナー形成用空所と、該中枠ランナー形成用空所の両端と連結されると共に前記各装飾用パーツ形成用空所の外側を取り囲む様に形成される外枠ランナー形成用空所とを一体的に備えた成形用キャビティが形成されていること。
(12)前記成形用キャビティにおいて、前記各装飾パーツ形成用空所は、機銃形成用の空所であって、機銃の銃身の中心がパーティングラインとなる様に形成されていること。
(13)前記成形用キャビティにおいて、前記外枠ランナー形成用空所は、前記中枠ランナー形成用空所を中心として左右ほぼ対称な矩形状をなし、当該キャビティに向かって伸びる湯道と前記中枠ランナー形成用空所とが一直線状に位置し、該湯道との接続部の反対側に部品名等を表示するための表示用プレート形成用空所が一体形成されると共に、その上端面が前記装飾パーツ形成用空所の上端面よりも高く、その下端面が前記装飾パーツ形成用空所の下端面よりも低くなる様に十分な深さを備えると共に、前記装飾パーツ形成用空所の横まで伸びる内向き枝状ランナー形成用空所を備えていること。
(14)前記成形用キャビティにおいて、前記中枠ランナー形成用空所は、前記外枠ランナー形成用空所と上端面及び下端面の位置が同一となる十分な深さを備えていること。
(15)前記成形用キャビティにおいて、中枠ランナー形成用空所と平行な一辺の外側に第1係合部形成用空所が、該一辺と対向する辺に第2係合部形成用空所が前記外枠ランナー形成用空所と一体に形成されていること。
(16)前記可動型側には成形品の表面が食い込むアンダーカットを形成すると共に、押出ピンを、ランナー形成用空所内の成形品に対して平均的に押出力を加える様に適当数配置すると共に、前記各装飾パーツ形成用空所内の成形品の機銃の台座の中心部を押す押出ピンも備えていること。
【0013】
本発明の艦船模型用装飾パーツセット成形用金型によれば、湯道と中枠ランナー形成用空所が一直線状に位置しているので、溶融したプラスチックは、湯道から中枠ランナー形成用空所及び外枠ランナー形成用空所へと3方向に分岐して侵入する。外枠ランナー形成用空所へと分岐した溶融プラスチックは湯道の反対側で合流し、中枠ランナー形成用空所へと湯道の反対側から侵入する。このとき、湯道の反対側には表示用プレート形成用の厚さの小さい横長の空所が存在するから、溶融したプラスチックは湯道と反対側の外枠ランナー内では圧力が高くなる。そして、中枠ランナー形成用空所から枝状ランナー形成用空所へと侵入する際の断面積差による絞り効果も加わり、湯道から遠い位置にある装飾パーツ成形用空所へと親友する湯の圧力は相対的に高くなる。この結果、湯道から離れた側の枝状ランナー形成用空所及びその先の装飾パーツ成形用空所へもスムーズに溶融プラスチックが侵入する。そして、各装飾パーツ形成用空所において、機銃の銃身の中心をパーティングラインとしているから、機銃の銃身は枝状ランナー形成用空所の中心とほぼ一致しており、細い銃身の先端まで溶融プラスチックをスムーズに流入させることができる。また、可動型側に意図的にアンダーカットを形成しておくことで、型開きの際に成形品が固定型側から抜け易く、型開きにおいて損傷する等の問題をなくしている。そして、各装飾パーツ形成用空所の機銃の台座の中心部を押す押出ピンも配置したので、離型を確実に実行でき、この離型の際に機銃の銃身が千切れる等の問題も防止できている。さらに、第1係合部形成用空所と第2係合部形成用空所を備えたので、パーツセット単位で成形すべき装飾パーツの数を少なくしておき、パーツセット同士を連結して必要個数の装飾パーツが確保された流通形態とすることができる。従って、この成形用金型によれば、本発明が提供しようとする艦船模型用の装飾パーツセットを的確に製造することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の艦船模型用装飾パーツセットによれば、1/700スケール等の縮尺率の大きい艦船模型用の装飾パーツをプラスチック成形品として提供することができ、その場合の不良品の発生を抑制し、微細で精巧な形状のリアルな立体部品としてこれを提供することができる。ユーザーは、従来のエッチング加工による装飾パーツの様な折り曲げ作業を要することなく、艦船模型に対する連装機銃等の装備品を手際よく接着固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づき詳細に説明する。実施形態は1/700スケール艦船模型装飾用の艦船用連装機銃パーツセットである。
【0016】
艦船用連装機銃パーツセット10は、図1〜図5に示す様に、先端に三連装機銃11又は二連装機銃12が形成され左右ほぼ対称に配置される枝状ランナー13,13,…を途中に備える直線状の中枠ランナー14と、中枠ランナー14の両端と連結されると共に各装飾用パーツ11,12の外側を取り囲む様に形成される外枠ランナー15とを備えている。
【0017】
三連装機銃11と二連装機銃12は、銃身の数が異なるだけで、全体の大きさ形状はほぼ同一である。各装飾パーツ11,12は、機銃の銃身が枝状ランナー13との接続部から枝状ランナー13と同一方向に真っ直ぐ伸びる様に形成されている。また、外枠ランナー15は、中枠ランナー14を中心として左右ほぼ対称な矩形状の形状に形成され、その上端面が装飾パーツ11,12の上端面よりも高く、その下端面が装飾パーツ11,12の下端面よりも低くなる様に十分な深さを備えると共に、枝状ランナー13,13,…の先端に形成された装飾パーツ11,12の横まで伸びる内向き枝状ランナー16,16,…を備えている。なお、中枠ランナー14及び外枠ランナー15の断面形状は長円状で、大きな断面積を有し、枝状ランナー13は円形断面で相対的に断面積が小さくなるので、中枠ランナーから枝状ランナーへと侵入する湯は絞りによって圧力が高まった状態となる。
【0018】
また、外枠ランナー15の対向する二辺の外側に下方向に伸びる突出部17を有するL字状断面の第1係合部18と、第1係合部18の突出部17を受け入れる凹部19を有する第2係合部20とが一体に形成されている。なお、符号22はパーツ名称表示用プレート、符号23,24は部品番号表示プレートである。
【0019】
この艦船用連装機銃パーツセット10を射出成形で製造するための成形用金型30には、図6,図7に示す様に、先端に三連装機銃形成用空所41又は二連装機銃形成用空所42が形成され左右ほぼ対称に配置される枝状ランナー形成用空所43,43,…を途中に備える直線状の中枠ランナー形成用空所44と、中枠ランナー形成用空所44の両端と連結されると共に各装飾用パーツ形成用空所41,42の外側を取り囲む様に形成される外枠ランナー形成用空所45とを備えた成形用キャビティ40が形成されている。
【0020】
成形用キャビティ40の各装飾パーツ形成用空所41,42は、いずれも大きさ及び形状がほぼ同一で、機銃の銃身が枝状ランナー43,43,…と同一方向に真っ直ぐ伸びる様に形成されいる。この装飾パーツ形成用空所41,42は、機銃の銃身の上面が固定型31側となる様に、機銃の銃身中心線をパーティングラインとする型割りにされている。
【0021】
また、成形用キャビティ40において、外枠ランナー形成用空所45は、中枠ランナー形成用空所44を中心として左右ほぼ対称な矩形状をなし、キャビティに向かって伸びる湯道33と中枠ランナー形成用空所44とが一直線状に位置し、湯道33との接続部の反対側に部品名等を表示するための表示用プレート形成用空所46を一体に備えたものとして配置・構成されている。
【0022】
さらに、成形用キャビティ40において、外枠ランナー形成用空所45は、可動型32側に、中枠ランナー形成用空所44と平行な一辺の外側に突出部形成用空所51を有する第1係合部形成用空所52が一体形成されている。また、可動型32において、この一辺と対向する辺に第2係合部形成用空所53が一体形成されている。この第2係合部形成用空所53に対して第1係合部形成用空所52の突出部形成用空所51とほぼ同一形状の突起54が固定型31側に体形されている。
【0023】
ここで、可動型32側には成形品の表面が食い込むアンダーカットを形成すると共に、押出ピン61,61,…を、ランナーの部分に対して平均的に押出力を加える様に適当数配置すると共に、各装飾パーツ形成用空所41,42毎にも機銃の台座の中心部を押す様に押出ピン62,62,…を配置した。
【0024】
この艦船模型用装飾パーツセット成形用金型30によれば、湯道33と中枠ランナー形成用空所44が一直線状に位置しているので、溶融したプラスチックは、湯道33から中枠ランナー形成用空所44及び外枠ランナー形成用空所45へと3方向に分岐して侵入する。外枠ランナー形成用空所45へと分岐した溶融プラスチックは湯道33の反対側で合流し、中枠ランナー形成用空所44に対して湯道33の反対側から侵入する。このとき、湯道33の反対側には高さの狭い表示用プレート形成用空所46が存在するから、この部分で、表示用プレート形成用空所46の影響によって外枠ランナー15内の溶融プラスチックの圧力が高くなる。そして、中枠ランナー形成用空所44への侵入した溶融プラスチックは枝状ランナー形成用空所43の方が断面積が小さいことによって絞られて圧力を高めた状態で枝状ランナー形成用空所43へと侵入する。この結果、湯道33から離れた側の枝状ランナー形成用空所43へもスムーズに溶融プラスチックが侵入する。そして、各装飾パーツ形成用空所41,42は、ほぼ同一形状の連装機銃形成用空所であって、その銃身が枝状ランナー形成用空所43と同一方向に真っ直ぐ伸びているので、細い銃身の先端まで溶融プラスチックをスムーズに流入させることができる。また、機銃の銃身の中心線をパーティングラインとした機銃上面側を固定型31とする割型で構成し、可動型32側に意図的にアンダーカットを形成しておくことで、型開きの際に成形品が固定型31側から抜け易く、型開きにおいて損傷する等の問題をなくしている。そして、各装飾パーツ形成用空所41,42の機銃の台座の中心部を押す押出ピン62も配置したので、離型を確実に実行でき、この離型の際に機銃の銃身が千切れる等の問題も防止できている。さらに、第1係合部形成用空所52と第2係合部形成用空所53とによって第1係合部18と第2係合部20とを備えた製品として形成することができるので、パーツセット単位で成形すべき装飾パーツの数を少なくしておき、パーツセット同士を連結して必要個数の装飾パーツが確保された流通形態とすることができる。
【0025】
こうして成形された艦船模型用装飾パーツセット10は、第1係合部18と第2係合部20とを係合させることにより、複数個連結した状態で商品パッケージに収納することができる。
【0026】
以上、発明を実施するための最良の形態としての実施形態を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施形態の艦船用連装機銃パーツセットを示し、(A)は上方から見た斜視図、(B)は下方から見た斜視図である。
【図2】実施形態の艦船用連装機銃パーツセットを示し、(A)は上方から見た斜視図、(B)は下方から見た斜視図である。
【図3】実施形態の艦船用連装機銃パーツセットを示し、(A)は平面図、(B)は底面図である。
【図4】実施形態の艦船用連装機銃パーツセットを示し、(A)は正面図、(B)は背面図、(C)は右側面図、(D)は左側面図である。
【図5】実施形態の艦船用連装機銃パーツセットを示し、(A)はa−a端面図、(B)はb−b端面図、(C)はc−c端面図、(D)はd−d端面図、(E)はe−e端面図である。
【図6】実施形態の成形用金型を示し、(A)は固定型の平面図、(B)は可動型の底面図である。
【図7】実施形態の成形用金型のキャビティ部分を拡大して示す断面図である。
【図8】従来技術の説明図である。
【図9】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
【0028】
10・・・艦船用連装機銃パーツセット
11・・・三連装機銃
12・・・二連装機銃
13・・・枝状ランナー
14・・・中枠ランナー
15・・・外枠ランナー
16・・・内向き枝状ランナー
17・・・突出部
18・・・第1係合部
19・・・凹部
20・・・第2係合部
22・・・パーツ名称表示用プレート
23,24・・・部品番号表示プレート
30・・・成形用金型
31・・・固定型
32・・・可動型
33・・・湯道
40・・・成形用キャビティ
41・・・三連装機銃形成用空所
42・・・二連装機銃形成用空所
43・・・枝状ランナー形成用空所
44・・・中枠ランナー形成用空所
45・・・外枠ランナー形成用空所
46・・・表示用プレート形成用空所
51・・・突出部形成用空所
52・・・第1係合部形成用空所
53・・・第2係合部形成用空所
54・・・突起
61.62・・・押出ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック射出成形によって製造され、以下の構成を備えたことを特徴とする艦船模型用装飾パーツセット。
(1)先端に個々の装飾パーツが形成され左右ほぼ対称に配置される枝状ランナーを途中に備え、該枝状ランナーより大きな断面積を有する直線状の中枠ランナーと、該中枠ランナーの両端と連結されると共に前記各装飾用パーツの外側を取り囲む様に形成される外枠ランナーとを備えていること。
(2)前記外枠ランナーは、前記中枠ランナーを中心として左右ほぼ対称な形状に形成され、その上端面が前記装飾パーツの上端面よりも高く、その下端面が前記装飾パーツの下端面よりも低くなる様に十分な深さを備えると共に、前記枝状ランナーの先端に形成された装飾パーツの横まで伸びる内向き枝状ランナーを備えていること。
(3)前記中枠ランナーは、前記外枠ランナーと上端面及び下端面の位置が同一となる十分な深さを備えていること。
【請求項2】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1記載の艦船模型用装飾パーツセット。
(4)前記各装飾パーツが機銃であり、各装飾パーツは、機銃の銃身の中心がパーティングラインとされていること。
【請求項3】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の艦船模型用装飾パーツセット。
(5)前記外枠ランナーが矩形状で、対向する二辺の外側に上下方向に伸びる突出部を有する第1係合部と、該第1係合部の突出部を受け入れる凹部を有する第2係合部とが一体に形成されていること。
【請求項4】
プラスチック射出成形によって艦船模型用装飾パーツを製造するための金型であって、以下の構成を備えたことを特徴とする艦船模型用装飾パーツセット成形用金型。
(11)先端に個々の装飾パーツ形成用空所が形成され左右ほぼ対称に配置される枝状ランナー形成用空所を途中に備え、該枝状ランナー形成用空所よりも大きな断面積を有する直線状の中枠ランナー形成用空所と、該中枠ランナー形成用空所の両端と連結されると共に前記各装飾用パーツ形成用空所の外側を取り囲む様に形成される外枠ランナー形成用空所とを一体的に備えた成形用キャビティが形成されていること。
(12)前記成形用キャビティにおいて、前記各装飾パーツ形成用空所は、機銃形成用の空所であって、機銃の銃身の中心がパーティングラインとなる様に形成されていること。
(13)前記成形用キャビティにおいて、前記外枠ランナー形成用空所は、前記中枠ランナー形成用空所を中心として左右ほぼ対称な矩形状をなし、当該キャビティに向かって伸びる湯道と前記中枠ランナー形成用空所とが一直線状に位置し、該湯道との接続部の反対側に部品名等を表示するための表示用プレート形成用空所が一体形成されると共に、その上端面が前記装飾パーツ形成用空所の上端面よりも高く、その下端面が前記装飾パーツ形成用空所の下端面よりも低くなる様に十分な深さを備えると共に、前記装飾パーツ形成用空所の横まで伸びる内向き枝状ランナー形成用空所を備えていること。
(14)前記成形用キャビティにおいて、前記中枠ランナー形成用空所は、前記外枠ランナー形成用空所と上端面及び下端面の位置が同一となる十分な深さを備えていること。
(15)前記成形用キャビティにおいて、中枠ランナー形成用空所と平行な一辺の外側に第1係合部形成用空所が、該一辺と対向する辺に第2係合部形成用空所が前記外枠ランナー形成用空所と一体に形成されていること。
(16)前記可動型側には成形品の表面が食い込むアンダーカットを形成すると共に、押出ピンを、ランナー形成用空所内の成形品に対して平均的に押出力を加える様に適当数配置すると共に、前記各装飾パーツ形成用空所内の成形品の機銃の台座の中心部を押す押出ピンも備えていること。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−12114(P2010−12114A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176393(P2008−176393)
【出願日】平成20年7月5日(2008.7.5)
【出願人】(501047829)有限会社ファインモールド (1)
【Fターム(参考)】