説明

色検出/色出力装置、色検出/色出力プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに色検出/色出力方法

【課題】面状部材の表示面上に、色鉛筆などで描画するような自然な感覚で電子的に描画できるようにする。
【解決手段】複数の画素回路31及び光センサ6を含むセンサ内蔵液晶パネル301と、画素回路31を発色させる画像表示処理部18と、画像表示処理部18が、画素回路31を発色させた場合に、センサ内蔵液晶パネル301に接触するペンPの像を、各光センサ6を用いてスキャンするスキャン処理部12と、スキャン処理部12によってスキャンされた、ペンPの像のそれぞれに基づいて、ペンPのセンサ内蔵液晶パネル301上におけるペン先の色を検出する色判定処理部14Aと、センサ内蔵液晶パネル301上に、色判定処理部14Aによって検出した色を表示する色判定結果表示画像作成部182を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色検出/色出力装置、色検出/色出力プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに色検出/色出力方法に関するものであり、より詳細には、面状部材の表示面上に電子的な描画を行うことができる色検出/色出力装置、色検出/色出力プログラム及び該色検出/色出力プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに色検出/色出力方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)などの各種機器に、画像表示部として液晶ディスプレイを備えた画像表示装置が幅広く利用されていることは周知の通りである。
【0003】
特に、PDAでは、古くからタッチセンサ(アナログ抵抗膜方式、静電容量方式)を備えることにより、直接指などを液晶ディスプレイに接触させることによって情報を入力するタッチ入力が可能となっている。また、携帯電話やその他の機器においても、タッチセンサを備えるセンサ内蔵型液晶表示装置の普及が期待されている。
【0004】
一方、例えば、描画表示機能を有する電子黒板は、表示画面上に接触したペンなどの指示位置を認識し、その表示画面上の指示位置を含む所定領域において所定の色を発色させることで、表示画面上に描画できるようになっている。
【0005】
このような電子黒板の機能を液晶ディスプレイなどの画像表示機能と組合せれば、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0006】
表示画面上にペンなどを用いて電子的に描画する描画表示装置の従来例として、例えば、特許文献1には、電子黒板における入力色判定方法に関する技術が開示されている。
【0007】
この電子黒板における入力色判定方法では、電子黒板に設けられたペンホルダから赤、青及び黒のフェルトペンのうちいずれの色のフェルトペンが残っているのかをペンホルダ内の色検出器により判定することで、ペンホルダ内に存在しない現在使用中のフェルトペンの色を判定するようになっている。
【0008】
また、他の例として特許文献2には、CAD(computer-aided design)における表示方法に関する技術が開示されている。
【0009】
このCADにおける表示方法では、特定の色に対応したペン番号を入力できるようになっており、入力したペン番号に基づいて、当該ペン番号に対応する色で、表示画面上に描画できるようになっている。
【0010】
また、さらに他の例として、特許文献3には、メッセージプリント方法に関する技術が開示されている。
【0011】
このメッセージプリント方法では、写真データが表示された表示画面上にライトペンを用いてメッセージを書き込むことにより、写真データに手書きメッセージが書き込まれた状態でプリント写真がプリントアウトされるようになっている。なお、メッセージの色の選択は、表示画面に表示されたアイコン等をライトペンで選択することで行われるようになっている。
【0012】
また、さらに他の例として、特許文献4には、座標検出装置に関する技術が開示されている。
【0013】
この座標検出装置は、検出されたペンの太さでペンの動きに沿って描画を行うようになっている。
【0014】
また、さらに他の例として、特許文献5には、入力用ペンを用いた入力装置に関する技術が開示されている。
【0015】
この入力用ペンを用いた入力装置は、入力用のペン先に表示部を設け、該表示部に入力モードに応じた表示を行うようになっている。
【0016】
また、さらに他の例として、特許文献6には、超薄型入出力一体型情報処理装置に関する技術が開示されている。
【0017】
この超薄型入出力一体型情報処理装置では、イメージセンサと、TFT液晶と、R(Red)、G(Green)及びB(Blue)のカラーフィルタを組合せて画像の読み取りや、文字認識を行うことができるようになっている。
【0018】
また、さらに他の例として、特許文献7には、平面表示装置に関する技術が開示されている。
【0019】
この平面表示装置では、光ペン171は青色のLED601を用い、ペン先の光出射口602が表示パネル148と接触するか、もしくは一定距離以内に近づくと、LED601が点灯するようになっている。
【0020】
また、LED601から放射された光は、ペン軸603の内面で反射して出射口602に導かれるようになっており、LED601の電源スイッチSWは、ペン先611に取り付けられたオンオフ部、近接センサである赤外線センサの検出部で制御されている。
【特許文献1】特開昭61 −213918号公報(1986年 9月22日公開)
【特許文献2】特開平02 −121072号公報(1990年 5月 8日公開)
【特許文献3】特開平10 −268440号公報(1998年10月 9日公開)
【特許文献4】特開平 7 −200136号公報(1995年 8月 4日公開)
【特許文献5】特開平 9 − 54652号公報(1997年 2月25日公開)
【特許文献6】特開平 4 −282609号公報(1992年10月 7日公開)
【特許文献7】特開2006−243850号公報(2006年 9月14日公開)
【特許文献8】特開平 1 −188069号公報(1989年 7月27日公開)
【特許文献9】特開平 4 −313722号公報(1992年11月 5日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、前記従来のセンサ内蔵型液晶表示装置では、液晶ディスプレイ上に接触する接触物の色を直接検出することができなかったため、例えば、液晶ディスプレイ上にペンなどの入力装置を用いて描画を行っているペン先の色などの検出はできなかった。
【0022】
特許文献4に記載された座標検出装置では、検出されたペンの太さでペンの動きに沿って描画を行うようになっているものの、表示画面上で電子的に描画を行っているペン先の色などを直接検出する方法については、開示されていない。
【0023】
さらに、特許文献1〜3,5及び6のいずれにも、表示画面上で電子的に描画を行っているペン先の色を直接検出する方法については、開示されていない。
【0024】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、装置の小型化に有用な、入出力一体型ディスプレイ(面状部材)の表示面上に、色鉛筆で描画するような自然な感覚で電子的な描画を行うことができる色検出/色出力装置、色検出/色出力プログラム及び該色検出/色出力プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに色検出/色出力方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の色検出/色出力装置は、前記課題を解決するために、複数の単位画素と、該単位画素毎に少なくとも1つ設けられた複数の撮像センサとを含む面状部材と、前記単位画素のそれぞれを発色させる発色制御手段と、前記発色制御手段が、前記単位画素のそれぞれを発色させた場合の前記面状部材に接触する接触物の像を、前記各撮像センサを用いて撮像する撮像制御手段と、前記撮像制御手段によって撮像された前記接触物の像に基づいて、前記接触物の前記面状部材上における接触部分の色を検出する色検出手段と、前記面状部材上に、前記色検出手段によって検出した色を表示する検出色表示制御手段とを備えることを特徴としている。
【0026】
本発明の色検出/色出力方法は、前記課題を解決するために、複数の単位画素と、該単位画素毎に少なくとも1つ設けられた複数の撮像センサとを含む面状部材を用いた色検出/色出力方法であって、前記単位画素のそれぞれを発色させる発色制御ステップと、前記発色制御ステップで、前記単位画素のそれぞれを発色させた場合の前記面状部材に接触する接触物の像を、前記各撮像センサを用いて撮像する撮像制御ステップと、前記撮像制御ステップで、撮像された前記接触物の像に基づいて、前記接触物の前記面状部材上における接触部分の色を検出する色検出ステップと、前記面状部材上に、前記色検出ステップで検出した色を表示する検出色表示制御ステップとを含んでいることを特徴としている。
【0027】
前記構成又は方法によれば、面状部材は、複数の単位画素と、該単位画素毎に少なくとも1つ設けられた複数の撮像センサとを含んでいる。
【0028】
したがって、面状部材の複数の単位画素を動作させることにより画像を、面状部材上(例えば、「所定の表示面」に表示することが考えられるので、以下、便宜上「表示面」と称して説明する。)に表示することが可能である。
【0029】
また、面状部材の複数の単位画素が、発色(発光)するときの光を利用して、表示面上の接触物に光を当て、その反射光を面状部材の複数の撮像センサで検出することにより表示面上の接触物の像を撮像することが可能である。
【0030】
以上の構成によれば、画像表示部と、画像撮像部とを別々の装置で構成する必要がないので、入出力一体型装置の小型化が可能となる。
【0031】
また、前記構成又は方法によれば、発色制御手段(発色制御ステップで)は、前記単位画素のそれぞれを、発色させるようになっている。
【0032】
また、前記構成又は方法によれば、撮像制御手段(撮像制御ステップで)は、前記発色制御手段が(前記発色制御ステップで)、前記単位画素のそれぞれを発色させた場合に、前記面状部材に接触する接触物の像を、前記各撮像センサを用いて撮像するようになっている。
【0033】
また、前記構成又は方法によれば、色検出手段(色検出ステップで)は、前記撮像制御手段によって(撮像制御ステップで)撮像された、前記接触物の像に基づいて、前記接触物の前記面状部材上における接触部分の色を検出するようになっている。
【0034】
さらに、前記構成又は方法によれば、検出色表示制御手段は、前記面状部材上(の表示面)に、前記色検出手段によって検出した色を表示するようになっている。
【0035】
以上の構成又は方法によれば、面状部材(の表示面上)に接触した接触物の色を直接検出して、検出した色を表示面上に表示させることができる。
【0036】
よって、入出力一体型ディスプレイ(面状部材)の表示面上に、色鉛筆で描画するような自然な感覚で電子的な描画を行うことができる。
【0037】
ところで、毛筆などで描画する場合、厳密には、毛筆などの接触部分の太さは、リアルタイムに変化する。
【0038】
しかしながら、特許文献4に記載された座標検出装置では、ペンの太さの検出のために、タブレットの入力面上でペンが指示する位置の前回検出した座標と今回検出した座標とから両位置の距離を算出し、この操作をn回繰り返すという複雑な動作が必要なので、一度検出したペンの太さを固定した描画は可能であると考えられるが、その後のペンの太さの変化に追随させたリアルタイムな描画は困難であるという別の課題が生じる。
【0039】
このような課題を解決するために、本発明の色検出/色出力装置は、前記構成に加えて、前記接触物の像におけるエッジ部分に含まれる単位画素を特定すると共に、前記エッジ部分に含まれる単位画素に囲まれたエッジ領域を特定するエッジ領域特定手段を備えており、前記検出色表示制御手段は、前記エッジ領域特定手段によって特定された前記エッジ領域内を、前記色検出手段によって検出した色で表示することが好ましい。
【0040】
前記構成によれば、エッジ領域特定手段は、前記接触物の像におけるエッジ部分に含まれる単位画素(エッジ画素)を特定する。また、このように特定されたエッジ画素に囲まれたエッジ領域を特定するようになっている。
【0041】
なお、「エッジ画素」とは、接触物の像を構成する各単位画素のうち、明るさが急激に変化する部分(エッジ)における単位画素である。
【0042】
また、接触物の像における単位画素毎の画素値とは、接触物の像の画像データにおける各単位画素に対応するデータ位置における画素値のことを意味する場合も含む広い概念である。
【0043】
エッジ画素の特定は、例えば、画素値の勾配の大きさが所定の閾値以上である単位画素を特定すれば良い。
【0044】
ここで、「画素値」の例としては、画素毎の「階調値」などが例示できる。
【0045】
「画素値の勾配量」はベクトル量であり、大きさ(勾配の大きさ)と向き(勾配方向)とを持つ。
【0046】
ここで、各勾配方向の分布は、例えば、ペン先が丸いペンのように接触物の接触部分が円形になるような場合には、ペン(接触物)の像におけるエッジ部分に囲まれたエッジ領域(エッジ部分に含まれる単位画素に、囲まれた領域)の中心付近に向かうか、或いは、該中心付近から放射状にエッジ部分に向かうかのいずれかの傾向を示す。
【0047】
また、接触物の接触部分がその他の形状であっても、エッジ部分からエッジ部分に囲まれた領域の中に向かうか、或いは、エッジ部分に囲まれた領域の中からその領域の外側に向かうかのいずれかの傾向を示す。さらに、これらの傾向は、例えば、描画目的の接触物の種類に応じて、大きく変わることは無い。
【0048】
よって、エッジ領域を特定すれば、概ね接触物の接触部分の形状を特定したことになる。これにより、例えば、ペンの太さに応じた描画が可能となる。
【0049】
また、「画素値の勾配量」は、1フレームの撮像画像から得られる量である。よって、撮像制御手段によって撮像された、前記接触物の像毎にエッジ領域を特定することができる。よって、フレーム毎に、ペンの太さが変化しても、リアルタイムに表示を行うことができる。これにより、ペンの太さの変化に追随させたリアルタイムな描画を行うことが可能となる。
【0050】
また、本発明の色検出/色出力装置は、前記構成に加えて、前記エッジ領域特定手段により、第1エッジ領域が特定された後に、第2エッジ領域が特定された場合に、前記エッジ領域特定手段が特定した、前記第1エッジ領域及び前記第2エッジ領域間を補間するための補間領域を特定する補間領域特定手段とを備えており、前記検出色表示制御手段は、前記第1エッジ領域内、前記第2エッジ領域内、及び前記補間領域内を、前記色検出手段によって検出した色で表示することが好ましい。
【0051】
前記構成によれば、補間領域特定手段は、前記エッジ領域特定手段により、第1エッジ領域が特定された後に、第2エッジ領域が特定された場合に、前記エッジ領域特定手段が特定した、前記第1エッジ領域及び前記第2エッジ領域間を補間するための補間領域を特定するようになっている。
【0052】
また、前記検出色表示制御手段は、前記第1エッジ領域内、前記第2エッジ領域内、及び前記補間領域内を、前記色検出手段によって検出した色で表示するようになっている。
【0053】
よって、第1エッジ領域及び第2エッジ領域間をスムーズに繋いで色を表示できるので、例えば、赤く染められた毛筆状の接触物を用いた場合、赤い墨汁をつけた毛筆で描画するような自然な感覚で電子的な描画を行うことができる。
【0054】
ところで、液晶ディスプレイに接触するペンなどのペン先の色を検出する方法としては、従来のCCD(Charge-coupled device)カメラの技術分野で行なわれている方法と同様にイメージセンサの前に3原色のフィルタを設けることなどにより色を検出することが考えられる。
【0055】
このような従来の色検出/色出力方法に関する技術の一例として、特許文献7には、光源、イメージセンサ、カラーTFT液晶、及びカラーフィルタからなる超薄型入出力一体型情報処理装置に関する技術が開示されている。
【0056】
この超薄型入出力一体型情報処理装置では、R(Red)、G(Green)及びB(Blue)の画素に対応してイメージセンサをそれぞれ配列することにより、カラーTFT液晶による画像表示と、表示画面上に載置された画像読み取り対象物のカラー画像の読み取りが可能となっている。
【0057】
なお、この超薄型入出力一体型情報処理装置では、画像読み取り対象物のカラー画像の読み取りの際は、カラーTFT液晶のすべての画素を光が透過する状態とする点のみしか開示されていない。
【0058】
また、この超薄型入出力一体型情報処理装置では、R、G及びBの各画素に対応するサブピクセルごとにイメージセンサを設けている。
【0059】
ここで、図19(a)及び図19(b)に基づき、特許文献7に記載された超薄型入出力一体型情報処理装置の問題点について説明する。
【0060】
図19(a)及び図19(b)は、光源とイメージセンサとの間にカラーフィルタを設ける場合の、イメージセンサとカラーフィルタとの大きさの関係を説明するための概念図である。なお、イメージセンサはカラーフィルタの下に配置されているものとする。
【0061】
なお、以下では、1ピクセルの画素に3つのサブピクセルが存在している場合について説明する。
【0062】
図19(a)は、特許文献7に開示された超薄型入出力一体型情報処理装置におけるイメージセンサとカラーフィルタとの大きさの関係を概念的に示したものであり、イメージセンサ3つのサブピクセルにR、G及びBの3原色フィルタをそれぞれ設けた場合を示している。
【0063】
このように、サブピクセル毎に、イメージセンサを設ける方法では、精細な加工が必要となりコスト面に問題があると共に、R、G及びB、1色当たりのイメージセンサの面積が小さくなり感度が低下してしまうという課題がある。
【0064】
一方、例えば、図19(b)は、R、G及びBの3原色フィルタのそれぞれのサイズを1ピクセルのサイズと同じ大きさとし、ピクセル毎にイメージセンサを設けた場合を概念的に示している。
【0065】
この場合、3つのサブピクセル分の光を利用でき、イメージセンサのサイズも比較的大きくできるので、感度をおよそ3倍向上させることができるが、逆に解像度が1/3に低下してしまうという別の課題がある。
【0066】
このような課題を解決するため、本発明の色検出/色出力装置は、前記構成に加えて、前記発色制御手段は、前記単位画素のそれぞれを、等色の原理を満たす第1色、第2色及び第3色で、順次発色させ、前記撮像制御手段は、前記発色制御手段が、前記単位画素のそれぞれを、前記第1色、第2色及び第3色で発色させる毎に、前記面状部材に接触する接触物の像を、前記各撮像センサを用いて撮像し、前記色検出手段は、前記第1色、第2色及び第3色で発色させる毎に、前記撮像制御手段によって撮像された、前記接触物の像のそれぞれに基づいて、前記接触物の前記面状部材上における接触部分の色を検出することが好ましい。
【0067】
前記構成によれば、色検出手段は、前記発色制御手段が、前記第1色、第2色及び第3色で(順次)発色させる毎に、前記撮像制御手段によって撮像された、前記接触物の像のそれぞれに基づいて、前記接触物の前記面状部材上における接触部分の色を検出するようになっている。
【0068】
ここで、「等色の原理」とは、色彩学の学術用語であり、すべての色は3つの色で表現できるという原理のことである。
【0069】
また、対象物の色を検出するためには、等色の原理より、3つの異なる色を有する光を対象物に照射し、その反射光を検出すれば良い。
【0070】
以上のように、前記第1色、第2色及び第3色で発色させて、接触物の接触部分の色を検出するようにすれば、接触物の接触部分の色が仮に第1色と同じ色であるような場合でも、残りの第2色及び第3色を発色させて撮像した撮像データを基に、色の検出を行うことができる。
【0071】
また、「第1色、第2色及び第3色で発色させる」とは、まず、第1色を発色させ、次に第2色を発色させ、さらに第3色を発色させることを意味する。
【0072】
ここで、色検出の精度向上の観点からは、第1色、第2色及び第3色を1度に発色させて、これらの3色が混色した状態を撮像した1つの撮像データを解析して色検出を行うよりも、等色の原理を満たす3色を第1色、第2色及び第3色を、発色させて、前記第1色、第2色及び第3色で発色させる毎に各撮像センサを用いて撮像した、撮像データを3つ用意して、これらの3つの撮像データを解析する方が好ましい。
【0073】
なぜなら、等色の原理を満たす第1色、第2色及び第3色が混色した状態を撮像した撮像データ1つを解析して色検出を行うよりも、第1色、第2色及び第3色のそれぞれを分離した状態の3つの撮像データを解析して色検出を行う方が、分析が遥かに容易であり、検出精度も高いからである。
【0074】
以上の構成によれば、例えば、単位画素毎に撮像センサを設けた場合でも、各単位画素は、少なくとも1つの撮像センサで、第1色、第2色及び第3色の3色分の撮像データを別々に得ることができる。
【0075】
色検出の検出精度の観点からは、色画素毎に撮像センサを配置することが好ましいが、前記構成によれば、撮像センサの数が少なくても色検出の検出精度が比較的高いので、現状のセンサ面積(例えば、単位画素の数:撮像センサの数=1:1)及び色検出の検出精度を確保しつつ、検出感度の低下を防止することができる。
【0076】
また、前記構成によれば、検出感度を上げるために、単位画素中の3つの色画素から出射されるすべての光を用いて1つの色を発色させるようにしなくても良いので、解像度の劣化も防止することができる。
【0077】
以上より、装置の小型化に有用な、入出力一体型ディスプレイ(面状部材)の表示面上に接触した接触物の色を、感度の低下及び解像度の劣化を防止しつつ、検出することができる。
【0078】
また、本発明の色検出/色出力装置は、前記構成に加えて、前記発色制御手段は、前記色検出手段によって前記接触部分の色が検出された場合に、前記単位画素を前記第1色、第2色及び第3色で、順次発色させる動作を終了することが好ましい。
【0079】
前記構成によれば、色検出手段により接触物の接触部分の色が検出されるまで、前記単位画素を発色させる動作を続けるので、接触物の接触部分の色を、確実に検出することができる。
【0080】
また、一旦、色が検出された後は、発色動作を終了するので、重ねて色を検出するといった無駄な動作などを防止することができる。
【0081】
また、本発明の色検出/色出力装置は、前記構成に加えて、前記第1色は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)及び白色からなる4色のうちのいずれかであり、
前記第2色は、該4色のうち、前記第1色でない残りの3色のうちのいずれかであり、
前記第3色は、該3色のうち、前記第2色でない残りの2色のうちのいずれかであることが好ましい。
【0082】
前記構成によれば、画像表示装置に一般的に用いられているR画素、G画素及びB画素の集まりを単位画素とする画像表示装置に本願発明を適用することができる。
【0083】
なお、単位画素を白色に発色させるには、R画素、G画素及びB画素のすべてを発色させれば良い。
【0084】
本発明の色検出/色出力装置は、前記構成に加えて、前記接触物が前記面状部材に接触しているか否かを判定する接触判定手段を備えており、前記発色制御手段は、前記接触判定手段によって前記接触物が前記面状部材に接触していると判定された場合に、前記単位画素を、前記第1色、第2色及び第3色で、順次発色させることが好ましい。
【0085】
前記構成によれば、接触判定手段が、接触物が面状部材に接触していると判定している場合にしか単位画素を、前記第1色、第2色及び第3色で順次発色させる動作を行わないので、色検出ができない場合に、色検出を行ってしまうなどといった無駄な検出動作を防止することができる。
【0086】
ここで、図19(c)に基づき、前記第1色、第2色及び第3色を発色させる構成が有するさらに別の課題について説明する。
【0087】
図19(c)は、従来のカラースキャナで、カラー画像に対してR、G及びBの光を順次照射して、イメージセンサで画像の取り込みを行っているものを示す概念図である。
【0088】
例えば、特許文献8及び9には、前記従来のカラースキャナの変形例として光源と原稿との間に液晶を設け、液晶にて光源色を変化させ色を取り込むスキャナが開示されている。
【0089】
なお、特許文献8及び9に開示された技術では、いずれも画像表示用の画素を利用して色検出を行うという観点については、記載及び示唆されていない。また、レンズ等の別の光学系素子を用いており、装置の小型化の観点は考慮されていない。
【0090】
ここで、カラースキャナの場合は、スキャン画面上に、原稿等を載置した状態で、原稿の画像データを取り込むので、スキャン画面にR、G及びBの光が、順次照射されても、その光は、原稿等に隠れて、ユーザには、ほとんど見えない。
【0091】
しかしながら、入出力一体型ディスプレイ(面状部材)の表示面上に接触した接触物の色を検出する場合には、表示面上に画像表示が行なわれている状態をユーザが見ている状態で、接触物の色を検出する関係上、前記第1色、第2色及び第3色を順次発色させると表示にチラツキが生じてしまうという別の課題が生じる。
【0092】
このような問題点を解決するため、本発明の色検出/色出力装置は、前記構成に加えて、前記発色制御手段は、前記エッジ領域に含まれる前記単位画素のみを発色させることが好ましい。
【0093】
前記構成によれば、発色制御手段は、エッジ領域に含まれる単位画素のみを発色させる。
【0094】
すなわち、エッジ領域は、ほぼ接触物が接触している接触部分の形状を反映した形状となると考えられるので、このエッジ領域における表示のチラツキは、該接触物の接触部分に隠れてユーザには、ほぼ完全に見えないようにすることができる。
【0095】
以上より、装置の小型化に有用な、入出力一体型ディスプレイ(面状部材)の表示面上に接触した接触物の色を、感度の低下及び解像度の劣化を防止しつつ、表示のチラツキをユーザに認識させることなく検出することができる。
【0096】
また、本発明の色検出/色出力装置は、前記構成に加えて、前記色検出手段が検出した前記接触物の接触部分の色を示す色情報を保持する記憶部を備えていることが好ましい。
【0097】
前記構成によれば、前記色検出手段が検出した前記接触物の接触部分の色を示す色情報を保持するので、同じ接触物の色を再検出する必要がない。
【0098】
なお、色情報を保持するタイミングについては、色検出手段が接触物の色を検出した直後であることが好ましい。
【0099】
また、色情報を保持する期間としては、接触物が接触(例えば、接触判定手段が、接触物が接触していると判定)して、色検出されてから離れる(例えば、接触判定手段が、接触物が接触していないと判定する)までの期間などが例示できる。
【0100】
なお、前記色検出/色出力装置及び色検出/色出力方法における各手段、各機能、各ステップ及び各処理のそれぞれは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを各手段として動作させ、コンピュータに各機能を実現させ、若しくはコンピュータに各ステップ及び各処理を実行させることにより前記前記色検出/色出力装置及び色検出/色出力方法を、コンピュータにて実現させる色検出/色出力プログラム、並びにそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0101】
本発明の色検出/色出力装置は、以上のように、複数の単位画素と、該単位画素毎に少なくとも1つ設けられた複数の撮像センサとを含む面状部材と、前記単位画素のそれぞれを発色させる発色制御手段と、前記発色制御手段が、前記単位画素のそれぞれを発色させた場合の前記面状部材に接触する接触物の像を、前記各撮像センサを用いて撮像する撮像制御手段と、前記撮像制御手段によって撮像された前記接触物の像に基づいて、前記接触物の前記面状部材上における接触部分の色を検出する色検出手段と、前記面状部材上に、前記色検出手段によって検出した色を表示する検出色表示制御手段とを備えるものである。
【0102】
また、本発明の色検出/色出力方法は、以上のように、複数の単位画素と、該単位画素毎に少なくとも1つ設けられた複数の撮像センサとを含む面状部材を用いた色検出/色出力方法であって、前記単位画素のそれぞれを発色させる発色制御ステップと、前記発色制御ステップで、前記単位画素のそれぞれを発色させた場合の前記面状部材に接触する接触物の像を、前記各撮像センサを用いて撮像する撮像制御ステップと、前記撮像制御ステップで、撮像された前記接触物の像に基づいて、前記接触物の前記面状部材上における接触部分の色を検出する色検出ステップと、前記面状部材上に、前記色検出ステップで検出した色を表示する検出色表示制御ステップとを含んでいる方法である。
【0103】
それゆえ、入出力一体型ディスプレイ(面状部材)の表示面上に、色鉛筆で描画するような自然な感覚で電子的な描画を行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0104】
本発明の一実施形態について図1〜図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0105】
〔実施の形態1〕
(データ表示/センサ装置の概観構成及びその機能の概要)
まず、図1に基づき、本発明の一実施形態であるデータ表示/センサ装置(色検出/色出力装置)100の外観構成及びその機能の概要について説明する。
【0106】
図1は、本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置100の概観構成及びその機能の概要を示す模式図である。
【0107】
図1に示すように、本実施形態に係るデータ表示/センサ装置100の概観構成は、ヒンジHで結合された2つ折りに折り畳み可能な筐体300A及び筐体300Bを有し、筐体300A及び筐体300Bを折り畳んだ状態で対向する2つの内面のそれぞれに、センサ内蔵液晶パネル(面状部材)301A及びセンサ内蔵液晶パネル(面状部材)301B(以下、纏めてセンサ内蔵液晶パネル(面状部材)301と称する)が、互いに対向するようにそれぞれ配設されている構成である。
【0108】
また、その機能の概要としては、それぞれのセンサ内蔵液晶パネル301に含まれる複数の画素回路(単位画素)31(図8参照)と、画素回路31毎に少なくとも1つ設けられた複数の光センサ(撮像センサ)6(図2(a)・図2(b)参照)とを駆動させることにより、2つのセンサ内蔵液晶パネル301A及びセンサ内蔵液晶パネル301Bのいずれかに接触したペン(接触物)Pのペン先(接触部分)の色を検出することが可能となっている。
【0109】
なお、ここで、画素回路31の括弧書きの括弧内に単位画素と記載しているが、図2(a)に示すように、「単位画素」は、例えば、液晶ディスプレイの場合、厳密には、少なくともカラーフィルタ53r、カラーフィルタ53g、及びカラーフィルタ53b、液晶層52、バックライト307を含む1組のことであるが、以下の説明では、煩雑なので、画素回路31を便宜上「単位画素」と称して説明する。なお、画素回路31自体を説明している部分については、画素回路31そのものを意味しているものとする。R画素回路(色画素,R画素)31r、G画素回路(色画素,G画素)31g、B画素回路(色画素,B画素)31bのそれぞれの括弧内の表記についても同趣旨である。
【0110】
また、詳細は後ほど説明するが、図1に示すように、データ表示/センサ装置100は、ペンPのペン先がセンサ内蔵液晶パネル301(図1では、センサ内蔵液晶パネル301Bに接触している)に接触したことを検知(判定)すると、各画素回路31が発色したときの特定色の光が、ペンPに照射され、その反射光を複数の光センサ6で検出することにより、ペンPのペン先の色を検出するようになっている。
【0111】
また、データ表示/センサ装置100は、少なくともペンPがセンサ内蔵液晶パネル301に接触している間、検出した色を保持し、その色で、例えば、軌跡Lを描くことができるようになっている。
【0112】
以上のように、センサ内蔵液晶パネル301は、複数の画素回路31と、画素回路31毎に少なくとも1つ設けられた複数の光センサ6とを含んでいる。
【0113】
したがって、センサ内蔵液晶パネル301の複数の画素回路31を動作させることにより画像をセンサ内蔵液晶パネル301上の所定の表示面に表示することが可能である。また、センサ内蔵液晶パネル301の複数の画素回路31が、発色するときの光を利用して、表示面上のペンPに光を当て、その反射光をセンサ内蔵液晶パネル301の複数の光センサ6で検出することにより表示面上のペンPの像を撮像することが可能である。
【0114】
複数の光センサ6及び複数の画素回路31のそれぞれの個数は、画像表示機能、及び、以下で説明する色検出機能を確保できる数であれば、任意であって良いが、例えば、個々の光センサ6のセンサ面積の観点からは、1対1で同数であることが好ましい。これにより、従来の微細加工技術で簡単にセンサ内蔵液晶パネル301を作成することができ、従来のセンサ面積を維持できる。
【0115】
しかしながら、技術の進歩により、将来的にセンサ面積当たりの光センサ6の感度が向上し、微細加工技術が進歩することも予想されるので、色検出に必要なセンサ面積の大きさを確保可能であれば、複数の光センサ6及び複数の画素回路31のそれぞれの個数が、1対3で、後者が前者の3倍の数であっても良い。このような構成を採用すれば、画素回路31が、例えば、3つの色画素を有する場合に、個々の色画素が発色する光の光センサ6による検出の色ごとの独立性を確保できる。
【0116】
なお、複数の光センサ6及び複数の画素回路31のそれぞれの個数が、1対2で、後者が前者の2倍の数であっても良い。
【0117】
すなわち、光センサ6は、複数の画素回路31毎に、少なくとも1つ含んでいれば良い。
【0118】
なお、複数の光センサ6及び複数の画素回路31のそれぞれは、センサ内蔵液晶パネル301の面方向(表示画の面内方向)の所定範囲に面状に並設されていることが好ましい。例えば、マトリクス状の配列などが例示できる。
【0119】
また、複数の光センサ6及び複数の画素回路31の位置関係は、例えば、それぞれの数が1対1で同数の場合であり、かつ以下で説明するように、画素回路31が3つの色画素からなる場合、光センサ6の位置は、3つの色画素のいずれからも近い位置であることが好ましい(例えば、図2(b)参照)。
【0120】
以上の構成によれば、画像表示部と、画像撮像部とを別々の装置で構成する必要がないので、データ表示/センサ装置100の小型化が可能となる。
【0121】
センサ内蔵液晶パネル301のような面状部材としては、本実施形態のセンサ内蔵液晶パネルに限られない、例えば、ディスプレイの例としては、液晶ディスプレイの他、電気泳動型ディスプレイ、ツイストボール型ディスプレイ、微細なプリズムフィルムを用いた反射型ディスプレイ、デジタルミラーデバイス等の光変調素子を用いたディスプレイの他、発光素子として、有機EL(Light Emitting)発光素子、無機EL発光素子、LED(Light Emitting Diode)等の発光輝度が可変の素子を用いたディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイなどが例示できるが、これらのディスプレイと撮像センサ(イメージセンサ、光センサ)とを一体化した入出力一体型ディスプレイが将来的に開発された場合でも、これらの入出力一体型ディスプレイに本発明を適用できることは、以下の説明から明白であろう。
【0122】
まず、以下で、前記データ表示/センサ装置100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301の概要について説明する。
【0123】
(センサ内蔵液晶パネルの概要)
データ表示/センサ装置100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301は、データの表示に加え、対象物の画像検出が可能な液晶パネルである。ここで、対象物の画像検出とは、例えば、ユーザが指やペンなどでポインティング(タッチ)した位置の検出や、印刷物等の画像の読み取り(スキャン)である。なお、表示に用いるデバイスは、液晶パネルに限定されるものではなく、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどであってもよい。
【0124】
図2(a)及び図2(b)を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構造について説明する。図2(a)は、センサ内蔵液晶パネル301の断面を模式的に示す図である。なお、ここで説明するセンサ内蔵液晶パネル301は一例であり、表示面と読取面とが共用されているものであれば、任意の構造のものが利用できる。
【0125】
図示のとおり、センサ内蔵液晶パネル301は、背面側に配置されるアクティブマトリクス基板51Aと、表面側に配置される対向基板51Bとを備え、これら基板の間に液晶層52を挟持した構造を有している。アクティブマトリクス基板51Aには、画素電極56、データ信号線57、光センサ回路32(図示せず)、配向膜58、偏光板59などが設けられる。対向基板51Bには、カラーフィルタ53r(赤)、53g(緑)、53b(青)、遮光膜54、対向電極55、配向膜58、偏光板59などが設けられる。また、センサ内蔵液晶パネル301の背面には、バックライト307が設けられている。
【0126】
なお、光センサ回路32に含まれる光センサ6は、青のカラーフィルタ53bを設けた画素電極56の近傍に設けられているが、この構成に限定されるものではない。赤のカラーフィルタ53rを設けた画素電極56の近傍に設けてもよいし、緑のカラーフィルタ53gを設けた画素電極56の近傍に設けてもよい。
【0127】
次に、図2(b)を参照しながら、光センサ6の配置方法の他の例について説明する。
【0128】
図2(b)は、データ表示/センサ装置100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301の他の例の1画素を示す模式図である。
【0129】
図示のように、この例では、光センサ6が、カラーフィルタ53r、カラーフィルタ53g及びカラーフィルタ53bのいずれからも近くなるように、直線状に併設されたカラーフィルタ53r、カラーフィルタ53g及びカラーフィルタ53bの紙面に対して上側に配置されている。このような配置を採用することにより、光センサ6のサイズを大きくできるとともに、カラーフィルタ53r、カラーフィルタ53g及びカラーフィルタ53bからのいずれからも感度良く光を検出することができる。
【0130】
次に、図3(a)および図3(b)を参照しながら、ユーザが、指やペンで、センサ内蔵液晶パネル301上をタッチした位置を検出する2種類の方法について説明する。
【0131】
図3(a)は、反射像を検出することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。バックライト307から光63が出射されると、光センサ6を含む光センサ回路32は、指などの対象物64により反射された光63を検出する。これにより、対象物64の反射像を検出することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、反射像を検出することにより、タッチした位置を検出することができる。
【0132】
また、図3(b)は、影像を検出することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図3(b)に示すように、光センサ6を含む光センサ回路32は、対向基板51Bなどを透過した外光61を検出する。しかしながら、ペンなどの対象物62がある場合は、外光61の入射が妨げられるので、光センサ回路32が検出する光量が減る。これにより、対象物62の影像を検出することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、影像を検出することにより、タッチした位置を検出することもできる。
【0133】
上述のように、光センサ6は、バックライト307より出射された光の反射光(影像)を検出してもよいし、外光による影像を検出してもよい。また、前記2種類の検出方法を併用して、影像と反射像とを両方を同時に検出するようにしてもよい。
【0134】
(データ表示/センサ装置の要部構成)
次に、図4を参照しながら、前記データ表示/センサ装置100の要部構成について説明する。図4は、データ表示/センサ装置100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、データ表示/センサ装置100は、1または複数の表示/光センサ部300、回路制御部600、データ処理部700、主制御部800、記憶部901、一次記憶部902、操作部903、外部通信部907、音声出力部908、および音声入力部909を備えている。ここでは、データ表示/センサ装置100は、単一の表示/光センサ部300を備えているものとして説明するが、複数備えていてもかまわない。
【0135】
表示/光センサ部300は、いわゆる光センサ内蔵液晶表示装置である。表示/光センサ部300は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。
【0136】
センサ内蔵液晶パネル301は、マトリクス状に配置された複数の画素回路31および光センサ回路32を含んで構成される。センサ内蔵液晶パネル301の詳細な構成については後述する。
【0137】
周辺回路309は、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、信号変換回路306、バックライト駆動回路308を含む。
【0138】
液晶パネル駆動回路304は、回路制御部600の表示制御部601からのタイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)に従って、制御信号(G)およびデータ信号(S)を出力し、画素回路31を駆動する回路である。画素回路31の駆動方法の詳細については後述する。
【0139】
光センサ駆動回路305は、回路制御部600のセンサ制御部602からのタイミング制御信号(TC2)に従って、信号線(R)に電圧を印加して、光センサ回路32を駆動する回路である。光センサ回路32の駆動方法の詳細については後述する。
【0140】
信号変換回路306は、光センサ回路32から出力されるセンサ出力信号(SS)をデジタル信号(DS)に変換し、該変換後の信号をセンサ制御部602に送信する回路である。
【0141】
バックライト307は、複数の白色LED(Light Emitting Diode)を含んでおり、センサ内蔵液晶パネル301の背面に配置される。そして、バックライト駆動回路308から電源電圧が印加されると、バックライト307は点灯し、センサ内蔵液晶パネル301に光を照射する。なお、バックライト307は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト307は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を含むものであってもよい。
【0142】
バックライト駆動回路308は、回路制御部600のバックライト制御部603からの制御信号(BK)がハイレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加して、逆に、バックライト制御部603からの制御信号がローレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加しない。
【0143】
次に、回路制御部600について説明する。回路制御部600は、表示/光センサ部300の周辺回路309を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。回路制御部600は、表示制御部601、センサ制御部602、バックライト制御部603、および表示データ記憶部604を備えている。
【0144】
表示制御部601は、データ処理部700の表示データ処理部701から表示データを受信するとともに、表示データ処理部701からの指示に従って、表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304に、タイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)を送信し、前記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0145】
なお、表示制御部601は、表示データ処理部701から受信した表示データを、表示データ記憶部604に一次記憶させる。そして、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号(D)を生成する。表示データ記憶部604は、例えば、VRAM(video random access memory)などである。
【0146】
センサ制御部602は、データ処理部700のセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305に、タイミング制御信号(TC2)を送信し、センサ内蔵液晶パネル301にてスキャンを実行させる。
【0147】
また、センサ制御部602は、信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。そして、センサ内蔵液晶パネル301に含まれる全ての光センサ回路32から出力されたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)に基づいて、画像データを生成する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301の読み取り領域全体で読み取った画像データを生成する。そして、該生成した画像データをセンサデータ処理部703に送信する。
【0148】
バックライト制御部603は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300のバックライト駆動回路308に制御信号(BK)を送信し、バックライト307を駆動させる。
【0149】
なお、データ表示/センサ装置100が、複数の表示/光センサ部300を備える場合、表示制御部601は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示するかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304を制御する。また、センサ制御部602は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行うかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305を制御するとともに、当該指示に応じた表示/光センサ部300の信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。
【0150】
次に、データ処理部700について説明する。データ処理部700は、主制御部800から受信する「コマンド」に基づいて、回路制御部600に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。なお、コマンドの詳細については後述する。
【0151】
データ処理部700は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703を備えている。そして、データ処理部700が、主制御部800からコマンドを受信すると、該受信したコマンドに含まれる各フィールド(後述する)の値に応じて、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703の少なくとも一方が動作する。
【0152】
表示データ処理部701は、主制御部800から表示データを受信するとともに、データ処理部700が受信したコマンドに従って、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与え、前記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。なお、コマンドに応じた、表示データ処理部701の動作については、後述する。
【0153】
センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0154】
また、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から画像データを受信し、当該画像データをそのまま画像データバッファ704に格納する。そして、センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、画像データバッファ704に記憶されている画像データに基づいて、「全体画像データ」、「部分画像データ(部分画像の座標データを含む)」、および「座標データ」の少なくともいずれか1つを、主制御部800に送信する。なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについては、後述する。また、コマンドに応じた、センサデータ処理部703の動作については、後述する。
【0155】
次に、主制御部800は、アプリケーションプログラムを実行するものである。主制御部800は、記憶部901に格納されているプログラムを、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一次記憶部902に読み出して実行する。
【0156】
主制御部800で実行されるアプリケーションプログラムは、センサ内蔵液晶パネル301に表示データを表示させたり、センサ内蔵液晶パネル301にて対象物のスキャンを行わせたりするために、データ処理部700に対して、コマンドおよび表示データを送信する。また、コマンドに「データ種別」を指定した場合は、当該コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、データ処理部700から受信する。
【0157】
なお、回路制御部600、データ処理部700、および主制御部800は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等で構成することができる。また、データ処理部700は、ASIC(application specific integrate circuit)などの回路で構成されていてもよい。
【0158】
次に、記憶部901は、図示のように、主制御部800が実行するプログラムおよびデータを格納するものである。なお、主制御部800が実行するプログラムは、アプリケーション固有のプログラムと、各アプリケーションが共用可能な汎用プログラムとに分離されていてもよい。
【0159】
次に、操作部903は、データ表示/センサ装置100のユーザの入力操作を受けつけるものである。操作部903は、例えば、スイッチ、リモコン、マウス、キーボードなどの入力デバイスで構成される。そして、操作部903は、データ表示/センサ装置100のユーザの入力操作に応じた制御信号を生成し、該生成した制御信号を主制御部800へ送信する。
【0160】
なお、前記スイッチの例としては、電源のオンとオフとを切り換える電源スイッチ905、予め所定の機能が割り当てられているユーザスイッチ906などのハードウェアスイッチを想定している。
【0161】
その他、データ表示/センサ装置100は、無線/有線通信によって外部装置と通信を行うための外部通信部907、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力部908、音声信号を入力するためのマイク等の音声入力部909などを適宜備えていてもよい。
【0162】
(コマンドの詳細)
次に、図5および図6を参照しながら、主制御部800からデータ処理部700に送信されるコマンドの詳細について説明する。図5は、コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。また、図6は、コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【0163】
図5に示すように、コマンドは、「ヘッダ」、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、「スキャン解像度」、「スキャンパネル」、「表示パネル」、および「予備」の各フィールドを含んでいる。そして、各フィールドには、例えば、図6に示す値が指定可能である。
【0164】
「ヘッダ」フィールドは、フレームの開始を示すフィールドである。「ヘッダ」フィールドであることが識別可能であれば、「ヘッダ」フィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0165】
次に、「データ取得タイミング」フィールドは、データを主制御部800へ送信すべきタイミングを指定するフィールドである。「データ取得タイミング」フィールドには、例えば、“00”(センス)、“01”(イベント)、および“10”(オール)という値が指定可能である。
【0166】
ここで、“センス”は、最新のデータを直ちに送信すること指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“センス”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されている最新のデータを、直ちに、主制御部800に送信する。
【0167】
また、“イベント”は、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたタイミングで送信すること指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“イベント”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、センサ制御部602から受信する画像データに、所定の閾値より大きい変化が生じたタイミングで、主制御部800に送信する。
【0168】
また、“オール”は、所定周期でデータを送信すること指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、所定周期で、主制御部800に送信する。なお、前記所定周期は、光センサ回路32にてスキャンを行う周期と一致する。
【0169】
次に、「データ種別」フィールドは、センサデータ処理部703から取得するデータの種別を指定するフィールドである。なお、「データ種別」フィールドには、例えば、“001”(座標)、“010”(部分画像)、および“100”(全体画像)という値が指定可能である。さらに、これらの値を加算することによって、“座標”と、“部分画像”/“全体画像”とを、同時に指定可能である。例えば、“座標”と“部分画像”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0170】
センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“全体画像”であるコマンドを受信すると、画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを主制御部800に送信する。画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを、「全体画像データ」と称する。
【0171】
また、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信すると、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域を抽出し、該抽出した領域の画像データを主制御部800に送信する。ここで、当該画像データを、「部分画像データ」と称する。なお、前記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出されたそれぞれの部分画像データを主制御部800に送信する。
【0172】
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信したとき、対象物が接近する先の点の座標として、部分画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標の部分画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、前記代表座標とは、例えば、前記部分画像データの中心の座標、前記部分画像データの重心の座標などが挙げられる。
【0173】
次に、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“座標”であるコマンドを受信すると、前記代表座標の全体画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、前記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された、それぞれの部分画像データの、全体画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標を示す座標データのそれぞれを主制御部800に送信する(多点検出)。
【0174】
なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの具体例については、模式図を参照しながら後述する。
【0175】
次に、「スキャン方式」フィールドは、スキャン実行時に、バックライト307を点灯するか否かを指定するフィールドである。「スキャン方式」フィールドには、例えば、“00”(反射)、“01”(透過)、および“10”(反射/透過)という値が指定可能である。
【0176】
“反射”は、バックライト307を点灯した状態でスキャンを行うこと指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“反射”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305とバックライト駆動回路308とが同期して動作するように、センサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。
【0177】
また、“透過”は、バックライト307を消灯した状態でスキャンを行うことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“透過”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305を動作させ、バックライト駆動回路308と動作させないようにセンサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。なお、“反射/透過”は、“反射”と“透過”とを併用してスキャンを行うことを指定するものである。
【0178】
次に、「スキャン画像階調」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの階調を指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“00”(2値)、および“01”(多値)という値が指定可能である。
【0179】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“2値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データをモノクロデータとして、主制御部800に送信する。
【0180】
また、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“多値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを多階調データとして、主制御部800に送信する。
【0181】
次に、「スキャン解像度」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの解像度を指定するフィールドである。「解像度」フィールドには、例えば、“0”(高)および“1”(低)という値が指定可能である。
【0182】
ここで、“高”は、高解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“高”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを高解像度で主制御部800に送信する。例えば、画像認識などの画像処理を行う対象の画像データ(指紋などの画像データ)には、“高”を指定することが望ましい。
【0183】
また、“低”は、低解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“低”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを低解像度で主制御部800に送信する。例えば、タッチした位置等が分かる程度でよい画像データ(タッチした指や手の画像データなど)には、“低”を指定することが望ましい。
【0184】
次に、「スキャンパネル」フィールドは、データ表示/センサ装置100が、複数の表示/光センサ部300を備えているときに、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行うかを指定するフィールドである。「スキャンパネル」フィールドには、例えば、“001”(一番目の表示/光センサ部300)、“010”(二番目の表示/光センサ部300)という値が指定可能である。なお、これらの値を加算することによって、複数の表示/光センサ部300を同時に指定可能である。例えば、一番目と二番目の両方の表示/光センサ部300を同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0185】
ここで、センサデータ処理部703は、受信したコマンドの「スキャンパネル」フィールドの値に従って、指定された表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305およびバックライト駆動回路308を制御するように、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0186】
次に、「表示パネル」フィールドは、データ表示/センサ装置100が、複数の表示/光センサ部300を備えているときに、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示させるかを指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“001”(一番目の表示/光センサ部300)、“010” (二番目の表示/光センサ部300)という値が指定可能である。なお、これらの値を加算することによって、複数の表示/光センサ部300を同時に指定可能である。例えば、一番目と二番目の両方の表示/光センサ部300を同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0187】
ここで、表示データ処理部701は、例えば、「表示パネル」フィールドの値が表示/光センサ部300であるコマンドを受信すると、表示/光センサ部300に表示データを表示させるために、表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304およびバックライト駆動回路308を制御するように、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0188】
次に、「予備」フィールドは、上述したフィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0189】
なお、主制御部800にて実行されるアプリケーションは、コマンドを送信するにあたり、上述したフィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0190】
また、ユーザが指やペンなどでタッチした位置の座標データを取得したいときは、「データ種別」フィールドに“座標”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、指やペンなどは動きがあるため、さらに、当該コマンドの「データ取得タイミング」フィールドに“オール”を指定し、座標データを取得するようにすることが望ましい。また、タッチした位置の座標データが取得できればよいため、スキャンの精度は高くなくてもよい。したがって、前記コマンドの「解像度」フィールドの値は“低”を指定しておけばよい。
【0191】
また、コマンドの「データ種別」フィールドに“座標”を指定した場合において、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301を同時にタッチした場合は、該タッチした位置の座標データのそれぞれを取得することができる(多点検出)。
【0192】
また、原稿などの対象物の画像データを取得する場合、「データ種別」フィールドに“全体画像”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、原稿などの対象物は、通常、静止させた状態でスキャンを実行することが一般的であるため、周期的にスキャンを実行する必要はない。従って、この場合は、「データ取得タイミング」フィールドに“センス”または“イベント”を指定することが望ましい。なお、原稿などの対象物をスキャンするときは、ユーザが文字を読みやすいように、スキャン精度は高い方が望ましい。したがって、「解像度」フィールドには“高”を指定することが望ましい。
【0193】
(全体画像データ/部分画像データ/座標データ)
次に、図7(a)及び図7(b)を参照しながら、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについて、例を挙げて説明する。図7(a)に示す画像データは、対象物がセンサ内蔵液晶パネル301上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。また、図7(b)に示す画像データは、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
【0194】
ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしたとき、当該タッチした近傍の光センサ回路32が受光する光量が変化するため、当該光センサ回路32が出力する電圧に変化が生じ、その結果として、センサ制御部602が生成する画像データのうち、ユーザがタッチした部分の画素値の明度に変化が生じることとなる。
【0195】
図7(b)に示す画像データでは、図7(a)に示す画像データと比べると、ユーザの指に該当する部分の画素値の明度が高くなっている。そして、図7(b)に示す画像データにおいて、明度が所定の閾値より大きく変化している画素値を全て含む最小の矩形領域(領域PP)が、“部分画像データ”である。
【0196】
なお、領域APで示される画像データが、“全体画像データ”である。
【0197】
また、部分画像データ(領域PP)の代表座標Zの、全体画像データ(領域AP)における座標データは(Xa,Ya)であり、部分画像データ(領域PP)における座標データは(Xp,Yp)である。
【0198】
(センサ内蔵液晶パネルの構成)
次に、図8を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構成、および、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路309の構成について説明する。図8は、表示/光センサ部300の要部、特に、センサ内蔵液晶パネル301の構成および周辺回路309の構成を示すブロック図である。
【0199】
センサ内蔵液晶パネル301は、光透過率(輝度)を設定するための画素回路31、および、自身が受光した光の強度に応じた電圧を出力する光センサ回路32を備えている。なお、画素回路31は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタのそれぞれに対応するR画素回路31r、G画素回路31g、B画素回路31bの総称として用いる。
【0200】
画素回路31は、センサ内蔵液晶パネル301上の列方向(縦方向)にm個、行方向(横方向)に3n個配置される。そして、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bの組が、行方向(横方向)に連続して配置される。この組が1つの画素を形成する。
【0201】
画素回路31の光透過率を設定するには、まず、画素回路31に含まれるTFT(Thin Film Transistor)33のゲート端子に接続される走査信号線Giにハイレベル電圧(TFT33をオン状態にする電圧)を印加する。その後、R画素回路31rのTFT33のソース端子に接続されているデータ信号線SRjに、所定の電圧を印加する。同様に、G画素回路31gおよびB画素回路31bについても、光透過率を設定する。そして、これらの光透過率を設定することにより、センサ内蔵液晶パネル301上に画像が表示される。
【0202】
次に、光センサ回路32は、一画素毎に配置される。なお、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bのそれぞれの近傍に1つずつ配置されてもよい。
【0203】
光センサ回路32にて光の強度に応じた電圧を出力させるためには、まず、コンデンサ35の一方の電極に接続されているセンサ読み出し線RWiと、フォトダイオード36のアノード端子に接続されているセンサリセット線RSiとに所定の電圧を印加する。この状態において、フォトダイオード36に光が入射されると、入射した光量に応じた電流がフォトダイオード36に流れる。そして、当該電流に応じて、コンデンサ35の他方の電極とフォトダイオード36のカソード端子との接続点(以下、接続ノードV)の電圧が低下する。そして、センサプリアンプ37のドレイン端子に接続される電圧印加線SDjに電源電圧VDDを印加すると、接続ノードVの電圧は増幅され、センサプリアンプ37のソース端子からセンシングデータ出力線SPjに出力される。そして、当該出力された電圧に基づいて、光センサ回路32が受光した光量を算出することができる。
【0204】
次に、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路である、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、およびセンサ出力アンプ44について説明する。
【0205】
液晶パネル駆動回路304は、画素回路31を駆動するための回路であり、走査信号線駆動回路3041およびデータ信号線駆動回路3042を含んでいる。
【0206】
走査信号線駆動回路3041は、表示制御部601から受信したタイミング制御信号TC1に基づいて、1ライン時間毎に、走査信号線G1〜Gmの中から1本の走査信号線を順次選択し、該選択した走査信号線にハイレベル電圧を印加するとともに、その他の走査信号線にローレベル電圧を印加する。
【0207】
データ信号線駆動回路3042は、表示制御部601から受信した表示データD(DR、DG、およびDB)に基づいて、1ライン時間毎に、1行分の表示データに対応する所定の電圧を、データ信号線SR1〜SRn、SG1〜SGn、SB1〜SBnに印加する(線順次方式)。なお、データ信号線駆動回路3042は、点順次方式で駆動するものであってもよい。
【0208】
光センサ駆動回路305は、光センサ回路32を駆動するための回路である。光センサ駆動回路305は、センサ制御部602から受信したタイミング制御信号TC2に基づいて、センサ読み出し信号線RW1〜RWmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサ読み出し信号線に所定の読み出し用電圧を印加するとともに、その他のセンサ読み出し信号線には、所定の読み出し用電圧以外の電圧を印加する。また、同様に、タイミング制御信号TC2に基づいて、センサリセット信号線RS1〜RSmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサリセット信号線に所定のリセット用電圧を印加するとともに、その他のセンサリセット信号線には、所定のリセット用電圧以外の電圧を印加する。
【0209】
センシングデータ出力信号線SP1〜SPnはp個(pは1以上n以下の整数)のグループにまとめられ、各グループに属するセンシングデータ出力信号線は、時分割で順次オン状態になるスイッチ47を介して、センサ出力アンプ44に接続される。センサ出力アンプ44は、スイッチ47により接続されたセンシングデータ出力信号線のグループからの電圧を増幅し、センサ出力信号SS(SS1〜SSp)として、信号変換回路306へ出力する。
【0210】
(主制御部の構成及び記憶部に記憶されるデータ)
次に、図9に基づき、主制御部800の構成及び記憶部901に記憶される各種データについて説明する。
【0211】
図9は、データ表示/センサ装置100の要部構成のうち、主制御部800及び記憶部901の詳細を示すブロック図である。
【0212】
図示のように、主制御部800は、スキャン処理部(撮像制御手段)12、色判定処理部(色検出手段)14A及び画像表示処理部(発色制御手段,検出色表示制御手段)18を含んでいる。
【0213】
また、記憶部901は、スキャン属性情報記憶部22、画像データ記憶部23、及び原色画像データ記憶部24の3つの記憶領域を含んでいる。なお、スキャン属性情報記憶部22には、接触領域判定コマンド記憶部222、色検出コマンド記憶部223及び検出色表示コマンド記憶部224の3つの記憶領域を含んでおり、画像データ記憶部23は、接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231及び接触領域/エッジ領域特定結果記憶部232の2つの記憶領域を含んでおり、原色画像データ記憶部24は、色判定用データ記憶部241及び色判定結果記憶部(記憶部)242の2つの記録領域を含んでいる。
【0214】
上述したように、サブピクセル毎に、イメージセンサを設ける方法では、精細な加工が必要となりコスト面に問題があると共に、R、G及びB、1色当たりのイメージセンサの面積が小さくなり感度が低下してしまうという課題がある。
【0215】
また、R、G及びBの3原色フィルタのそれぞれのサイズを1ピクセルのサイズと同じ大きさとし、ピクセル毎にイメージセンサを設けた場合には、3つのサブピクセル分の光を利用でき、イメージセンサのサイズも比較的大きくできるので、感度をおよそ3倍向上させることができるが、逆に解像度が1/3に低下してしまうという別の課題がある。
【0216】
このような課題を解決するため、画像表示処理部18は、原色画像作成部(発色制御手段)181を備えており、原色画像作成部181が作成する原色画像データ(以下、例えば、R画素回路31r、G画素回路31g及びB画素回路31bを、順次発色させる場合には、それぞれ、R画像表示用データ、G画像表示用データ、B画像表示用データと称する)をデータ処理部700(及び回路制御部600)を介して表示/光センサ部300に送信してセンサ内蔵液晶パネル301に含まれる画素回路31のそれぞれを、等色の原理を満たす第1色、第2色及び第3色で、順次発色させるようになっている。
【0217】
具体的には、例えば、第1色で発色させる場合は、原色画像作成部181が作成する原色画像データ全体を、第1色のみのデータとすれば良い。また、第2色で発色させる場合は、原色画像データ全体を第2色のみのデータとし、第3色で発色させる場合は、原色画像データ全体を第3色のみのデータとすれば良い。
【0218】
ここで、「等色の原理」とは、色彩学の学術用語であり、すべての色は3つの色で表現できるという原理のことである。具体的には、色の3原色や、光の3原色、また、12色相環上で、環にそって4つおきに選択した3つの色(2次色など)などが好ましい。
【0219】
また、ペンPのペン先の色を検出するためには、等色の原理より、3つの異なる色を有する光をペンP(又はペン先)に照射し、その反射光を検出すれば良い。
【0220】
例えば、ペン先の色が赤色である場合には、ペン先は赤色の光を吸収する。したがって、ペン先に赤色、緑色、及び青色の光をそれぞれ照射したときには、緑色及び青色の光の反射光は検出されるが、赤色の光の反射光は全く検出されないか、あるいは検出される光の強度が他の2色と比べて小さくなる。これにより、ペン先が赤色であると判断することができる。
【0221】
また、「第1色、第2色及び第3色で発色させる」とは、まず、第1色を発色させ、次に第2色を発色させ、さらに第3色を発色させることを意味する。なお、第1色、第2色及び第3色のうちの特定の色から他の色への切り替えの速度は、検出感度の観点から可能な限り高速であることが好ましい。
【0222】
なお、画素回路31を、第1色、第2色及び第3色で発色させる構成としては、例えば、第1色、第2色及び第3色のそれぞれを発色可能な色画素の集まりを画素回路31とすれば良い。
【0223】
また、色画素としては、本実施形態のR画素回路31r、G画素回路31g、及びB画素回路31bのように、3原色フィルタ及び液晶を組合せ、バックライト307からの光を3原色フィルタへ透過させるか否かを該液晶で切り換える構成であっても良いし、例えば、LED素子を用いた色画素のように、バックライトを用いず、色画素自身が、その色を発光(発色)する構成であっても良い。
【0224】
なお、原色画像作成部181は、以下で説明するように、色判定部141によってペンPのペン先の色が判定(検出)された場合に、画素回路31を第1色、第2色及び第3色で順次発色(発色動作)させる一連の動作を終了するように構成する。
【0225】
これによれば、色判定部141によりペンPのペン先の色が検出されるまで、原色画像作成部181は、画素回路31を第1色、第2色及び第3色で発色させる動作を続けるので、ペンPのペン先の色を確実に検出することができる。
【0226】
また、一端、色が検出された後は、原色画像作成部181は、発色動作を終了するので、重ねて色を検出するといった無駄な動作などを防止することができる。
【0227】
また、画像表示処理部18は、色判定結果表示画像作成部182を備えており、ペンPのペン先が接触する領域PPに、以下で説明する色判定処理部(色検出手段)14Aによって検出されたペンPのペン先の色と同じ色で表示する(例えば、図1に示す軌跡Lを表示する)ための「色判定結果表示画像」を作成するものでもある。
【0228】
等色の原理を満たす第1色、第2色及び第3色の例としては、第1色を、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)からなる3色のうちのいずれかとし、第2色を、該3色のうち、第1色でない2色のうちのいずれかとし、第3色を、該2色のうち、第2色でない残りの1色とする場合が例示できる。
【0229】
また、等色の原理を満たす第1色、第2色及び第3色の他の例としては、第1色は、赤色、緑色及び青色のうちのいずれか2色、並びに白色からなる3色のうちのいずれかとし、第2色は、該3色のうち、第1色でない2色のうちのいずれかとし、第3色は、該2色のうち、第2色でない残りの1色とする場合が例示できる。
【0230】
これにより、画像表示装置に一般的に用いられているR画素(R画素回路31r)、G画素(G画素回路31g)及びB画素(B画素回路31b)の集まりを単位画素(画素回路31)とする画像表示装置に本願発明を適用することができる。
【0231】
なお、画素回路31を白色に発色させるには、R画素回路31r、G画素回路31g及びB画素回路31bのすべてを発色させれば良い。具体的には、原色画像作成部181が作成する原色画像データ全体を白色のみのデータとすれば良い。
【0232】
スキャン処理部12は、スキャン実行部131を備えており、スキャン実行部131がデータ処理部700(及び回路制御部600)を介して表示/光センサ部300の光センサ回路32を動作させて、画像表示処理部18が、領域PPに含まれる画素回路31を、第1色、第2色及び第3色で発色させる毎に、センサ内蔵液晶パネル301に接触するペンPの像を、各光センサ6を用いてスキャン(撮像)するものでもある。
【0233】
また、スキャン処理部12は、接触領域特定部(接触判定手段,接触領域特定手段,エッジ領域特定手段)136Aを備えており、ペンPのペン先がセンサ内蔵液晶パネル301(センサ内蔵液晶パネル301A及びセンサ内蔵液晶パネル301Bのいずれか)に接触しているか否かを判定するものでもある。
【0234】
ここで、ペンPのペン先がセンサ内蔵液晶パネル301に接触しているか否かの判定は、例えば、接触領域特定部136Aは、上述したコマンドの「データ取得タイミング」が“イベント”に設定されている場合に、「部分画像データ」等がデータ処理部700から主制御部800に送信されたことをトリガとして、ペンPがセンサ内蔵液晶パネル301に接触したことを判定するようにすれば良い。
【0235】
また、逆に、接触領域特定部136Aは、コマンドの「データ取得タイミング」が“イベント”に設定されている場合に、「部分画像データ」等が、所定時間、全く、データ処理部700から主制御部800に送信されないことをトリガとして、ペンPがセンサ内蔵液晶パネル301から離れたことを判定するようにすれば良い。
【0236】
これによれば、接触領域特定部136Aが、ペンPがセンサ内蔵液晶パネル301に接触していると判定した場合にしか画素回路31に発色動作を実行させないので、色検出ができない場合に、色検出のための動作を行ってしまうなどといった無駄な動作を防止することができる。
【0237】
なお、本実施形態では、接触領域特定部136Aが、上述した接触判定機能と、以下で説明する接触領域特定機能とを併有している場合について説明するが、これらの機能を別々の機能ブロックで構成しても良い。
【0238】
また、以下で説明する「検出色表示ステップ」では、ペンPのペン先の位置が接触位置から変化した場合も考慮して、コマンドの「データ取得タイミング」を“オール”に設定しているので、この場合にペン先の位置を特定するためには、エッジ領域特定部(エッジ領域特定手段,接触判定手段)1821がエッジ領域を特定できなかったことをトリガとしてペンPがセンサ内蔵液晶パネル301から離れたと判定するようにすれば良い。
【0239】
スキャンデータ格納部133は、スキャン(撮像)された、全体画像データ、部分画像データ及び代表座標(以下、単に「スキャンデータ」という)を、スキャンデータ/接触領域特定結果保持部134、画像データ記憶部23の接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231、原色画像データ記憶部24の色判定用データ記憶部241に格納する制御を行うものである。
【0240】
また、スキャン処理部12は、スキャン属性情報設定部135を備えており、スキャン属性情報設定部135は、スキャン属性情報記憶部22に記録されている各種コマンドデータを読み出して、データ表示/センサ装置100のスキャン属性の設定を行うものである。
【0241】
上述したように、センサ内蔵液晶パネル301(面状部材)の表示面上に接触したペンPのペン先の色を検出する場合には、表示面に画像表示が行なわれている状態をユーザが見ている状態で、ペンPのペン先の色を検出する関係上、前記第1色、第2色及び第3色を順次発色させると表示にチラツキが生じてしまうという別の課題が生じる。
【0242】
そこで、このような課題を解決するため、スキャン処理部12の接触領域特定部(接触判定手段,接触領域特定手段)136Aは、スキャンされたペンPの像に基づいて、センサ内蔵液晶パネル301上におけるペンPのペン先を含む所定の領域PPを特定するようにしている。
【0243】
また、接触領域特定部136Aは、領域PPを特定するとその結果をスキャンデータ/接触領域特定結果保持部134、又は、画像データ記憶部23の接触領域/エッジ領域特定結果記憶部232に記憶するようになっている。
【0244】
スキャンデータ/接触領域特定結果保持部134は、各データを一時記憶させる部分である。一方、画像データ記憶部23の接触領域/エッジ領域特定結果記憶部232は、各データを一時的に記憶させても良いし、常時記憶する構成であっても良い。
【0245】
また、画像表示処理部18は、接触領域特定部136Aによって特定された領域PPに含まれる画素回路31のみを発色させるようになっている。
【0246】
具体的には、例えば、領域PPを第1色で発色させる場合は、原色画像作成部181が作成する原色画像データの領域PPに対応する部分を、第1色のみのデータとし、それ以外を無色のデータとすれば良い(ただし、動画像などのアプリケーションデータを表示している場合には、画像表示処理部18は、アプリケーション画像データの領域PPに相当する部分を無色のデータとしたアプリケーション画像データを作成し、原色画像データと重ねて送信することが好ましい。以下同じ)。
【0247】
また、領域PPを第2色で発色させる場合は、原色画像データの領域PPに対応する部分を第2色のみのデータとし、それ以外を無色のデータとすれば良い。また、領域PPを第3色で発色させる場合は、原色画像データの領域PPに対応する部分を第3色のみのデータとし、それ以外を無色のデータとすれば良い。
【0248】
これによれば、画像表示処理部18は、センサ内蔵液晶パネル301上の表示面の領域PPに含まれる画素回路31のみを特定色で発色させる。
【0249】
よって、領域PPの大きさを色検出が可能な範囲で、できるだけ小さくすることにより、表示のチラツキがユーザに認識されないようにすることができる。
【0250】
すなわち、領域PPには、ペンPが接触しているので、この領域PPにおける表示のチラツキは、ペンPに隠れてユーザには、ほとんど見えないようにすることができる。
【0251】
なお、本実施形態では、以下で説明するエッジ領域特定部(エッジ領域特定手段,接触判定手段)1821と、接触領域特定部136Aとが、別々の構成であるとして説明するが、接触領域特定部136Aがエッジ領域特定部1821の機能を併有していても良い。
【0252】
また、原色画像作成部181は、センサ内蔵液晶パネル301上の表示面のエッジ領域に含まれる画素回路31のみを特定色で発色させても良い。
【0253】
すなわち、エッジ領域は、ほぼ接触物が接触している接触部分の形状を反映した形状となると考えられるので、このエッジ領域における表示のチラツキは、該接触物の接触部分に隠れてユーザには、ほぼ完全に見えないようにすることができる。
【0254】
次に、色判定処理部(色検出手段)14Aは、色判定部141、色判定結果保持部145を備えており、色判定部141は、原色画像データ記憶部24の色判定用データ記憶部241に記憶されている、前記第1色、第2色及び第3色で発色させる毎に、各光センサ6を用いてスキャン(撮像)したスキャンデータを読み出して、これを解析(分析)して、ペンPのペン先の色を判定(検出)するものである。
【0255】
また、色判定処理部14Aは、色判定部141を備えており、色判定部141の色判定用データ解析部142は、画像表示処理部18が、領域PPに含まれる画素回路31のそれぞれを、第1色、第2色及び第3色で、順次発色させる毎に、スキャン処理部12によってスキャンされた、ペンPの像のそれぞれのスキャンデータを解析することで、ペンPのセンサ内蔵液晶パネル301上におけるペンPのペン先の色を特定(検出)するものである。
【0256】
以上のように、第1色、第2色及び第3色で、順次発色させて、ペンPのペン先の色を検出するようにすれば、ペンPのペン先の色が仮に第1色と同じ色であるような場合でも、残りの第2色及び第3色を発色させてスキャンしたスキャンデータを基に、色の検出を行うことができる。
【0257】
ここで、色検出の精度向上の観点からは、第1色、第2色及び第3色を1度に発色させて、これらの3色が混色した状態をスキャンした1つのスキャンデータを解析して色検出を行うよりも、等色の原理を満たす3色を第1色、第2色及び第3色を順次、発色させて、第1色、第2色及び第3色で発色させる毎に各光センサ6を用いてスキャンした、スキャンデータを3つ用意して、これらの3つのスキャンデータを解析する方が好ましい。
【0258】
なぜなら、等色の原理を満たす第1色、第2色及び第3色が混色した状態をスキャンしたスキャンデータ1つを解析して色検出を行うよりも、第1色、第2色及び第3色のそれぞれを分離した状態の3つのスキャンデータを解析して色検出を行う方が遥かに容易であり、検出精度も高いからである。
【0259】
以上によれば、例えば、画素回路31毎に光センサ6を設けた場合でも、各画素回路31は、1つの光センサ6で、第1色、第2色及び第3色の3色分のスキャンデータを別々に得ることができる。
【0260】
色検出の検出精度の観点からは、R画素回路31r、G画素回路31g及びB画素回路31bの色画素毎に光センサ6を配置することが好ましいが、以上の構成を採用すれば、光センサ6の数が少なくても色検出の検出精度が比較的高いので、現状のセンサ面積(例えば、本実施形態の画素回路31の数:光センサ6の数=1:1)及び色検出の検出精度を確保しつつ、検出感度の低下を防止することができる。
【0261】
また、以上の構成を採用すれば、検出感度を上げるために、画素回路31中の3つの色画素から出射されるすべての光を用いて1つの色を発色させるようにしなくても良いので、解像度の劣化も防止することができる。
【0262】
色判定結果格納部143は、色判定部141の色判定結果を、色判定結果保持部(記憶部)145、又は、原色画像データ記憶部24の色判定結果記憶部(記憶部)242に記憶させるものである。
【0263】
色判定結果保持部145は、色判定部141の色判定結果を一時記憶するものである。又は、原色画像データ記憶部24の色判定結果記憶部242は、色判定部141の色判定結果を一時記憶させても良いし、常時記憶するようにしても良い。
【0264】
前記構成によれば、色判定処理部14Aが検出したペンPのペン先の色を示す色情報を保持するので、同じペンPの色を再検出する必要がない。
【0265】
なお、色情報を保持するタイミングについては、色判定処理部14AがペンPのペン先の色を検出した直後であることが好ましい。
【0266】
また、色情報を保持する期間としては、ペンPが接触(例えば、接触領域特定部136Aが、ペンPが接触していると判定)して、色検出されてから離れる(例えば、接触領域特定部136A又はエッジ領域特定部1821が、ペンPが接触していないと判定する)までの期間などが例示できる。
【0267】
また、保持した色を適宜必要な処理に利用することができる。例えば、検出したペンPのペン先の色で、センサ内蔵液晶パネル301に描画できるように構成すれば、画用紙に色鉛筆で描画するのと同じ感覚で、電子的な描画を行うことができる。
【0268】
以上より、センサ内蔵液晶パネル301の表示面上に接触したペンPのペン先の色を直接検出して、検出した色を表示面上の領域PPに表示させることができる。
【0269】
よって、センサ内蔵液晶パネル301の表示面上に、色鉛筆で描画するような自然な感覚で電子的な描画を行うことができるデータ表示/センサ装置100を提供することができる。
【0270】
(色判定結果表示画像作成部の詳細)
次に、図10に基づき、色判定結果表示画像作成部182の要部構成の詳細について説明する。図10は、主制御部800の要部構成のうち、色判定結果表示画像作成部182の詳細を示すブロック図である。
【0271】
ところで、毛筆などで描画する場合、厳密には、毛筆などの接触部分の太さは、リアルタイムに変化する。
【0272】
しかしながら、特許文献4に記載された座標検出装置では、ペンの太さの検出のために、タブレットの入力面上でペンが指示する位置の前回検出した座標と今回検出した座標とから両位置の距離を算出し、この操作をn回繰り返すという複雑な動作が必要なので、一度検出したペンの太さを固定した描画は可能であると考えられるが、その後のペンの太さの変化に追随させたリアルタイムな描画は困難であるという別の課題が生じる。
【0273】
このような課題を解決するため、図10に示すように、色判定結果表示画像作成部182は、エッジ領域特定部1821、補間領域特定部(補間領域特定手段)1822、及び表示画像作成部(検出色表示制御手段)1823から構成される。
【0274】
エッジ領域特定部1821は、ペンPの像における画素回路31毎の画素値(階調値)の勾配量から、ペンPの像における又はペンPの像によって形成されたエッジ部分に含まれる画素回路31を特定すると共に、このように特定されたエッジ部分に含まれる画素回路31に囲まれたエッジ領域を特定するものである。
【0275】
但し、「ペンPの像における画素回路31毎の画素値」とは、ペンPの像の画像データ(全体画像データ又は部分画像データ)における各画素回路31に対応するデータ位置における画素値(階調値)のことを意味する場合も含む広い概念である。
【0276】
また、「画素値の勾配量」はベクトル量であり、大きさ(勾配の大きさ)と向き(勾配方向)とを持つ。
【0277】
よって、エッジ部分に含まれる画素回路31の特定は、例えば、勾配の大きさが所定の閾値以上である画素回路31をエッジ画素として特定すれば良い。
【0278】
ここで、エッジ画素とは、ペンPの像を構成する各画素回路31のうち、明るさが急激に変化する部分(エッジ)における画素回路31である。また、エッジ画素とは、縦方向勾配量Sy及び横方向勾配量Sxのそれぞれ、又は勾配の大きさABS(S)が所定の閾値以上である画素回路31のことである。
【0279】
より、具体的には、画素回路31画素毎に、注目する画素回路31(以下、「注目画素と称する」の画素値と複数の隣接する画素回路31の画素値とから注目画素の画素値の縦方向勾配量Sy及び横方向勾配量Sxを算出する。例えば、Sobel(ソベル)オペレータ、Prewitt(プリウイット)オペレータなどのエッジ抽出オペレータを用いれば良い。
【0280】
例えば、Sobelオペレータについて説明すると、各画素の画素位置x(i,j)における局所的な縦方向勾配量Sy及び横方向勾配量Sxは、次式(1)のように求められる。
【0281】
Sx=xi+1j−1−xi―1j−1+2xi+1j−2xi―1j+xi+1j+1−xi―1j+1
Sy=xi−1j+1−xi−1j−1+2xij+1−2xij−1+xi+1j+1−xi+1j−1
・・・(1)
ここで、xijは画素位置x(i,j)における画素値を表し、iは水平方向に沿った画素の位置を、jは垂直方向に沿った画素の位置をそれぞれ表す。ここに、i及びjは正の整数である。
【0282】
ここで、式(1)は、次式(2)・(3)の3×3のSobelオペレータ(行列演算子Sx及びSy)を、画素位置x(i,j)を注目画素とする3×3画素に適用することと等価である。
【0283】
【数1】

【0284】
なお、縦方向勾配量Sy及び横方向勾配量Sxに基づけば、画素位置x(i,j)における勾配の大きさABS(S)及び勾配方向ANG(S)は、次のように与えられる。なお、以下では、演算子としての縦方向勾配量Sy及び横方向勾配量Sxを各画素に適用することによって得られた縦方向勾配量Sy及び横方向勾配量Sxをそれぞれ、便宜上縦方向勾配量Sy及び横方向勾配量Sxと記載する場合がある。
【0285】
ABS(S)=(Sx2+Sy21/2 ・・・(4)
ANG(S)=tan-1(Sy/Sx) ・・・(5)
ここで、各勾配方向の分布は、例えば、ペン先が丸いペンのように接触物の接触部分が円形になるような場合には、ペン先(接触物の接触部分)の像のエッジ部分に囲まれたエッジ領域(エッジ部分に含まれる画素回路31に、囲まれた領域)の中心付近に向かうか、或いは、該中心付近から放射状にエッジ部分に向かうかのいずれかの傾向を示す。
【0286】
また、接触物の接触部分がその他の形状であっても、エッジ部分からエッジ部分に囲まれた領域の中に向かうか、或いは、エッジ部分に囲まれた領域の中からその領域の外側に向かうかのいずれかの傾向を示す。さらに、これらの傾向は、例えば、描画目的の接触物の種類に応じて、大きく変わることは無い。
【0287】
よって、エッジ領域を特定すれば、概ね接触物の接触部分の形状を特定したことになる。これにより、例えば、ペンPの太さに応じた描画が可能となる。
【0288】
また、「画素値の勾配量」は、1フレームのペンPの像から得られる量である。よって、スキャン処理部12によってスキャンされた、ペンPの像毎にエッジ領域を特定することができる。よって、フレーム毎に、ペンPの太さが変化しても、リアルタイムに表示を行うことができる。これにより、ペンPの太さの変化に追随させたリアルタイムな描画を行うことが可能となる。
【0289】
次に、補間領域特定部1822は、エッジ領域特定部1821により、第1エッジ領域が特定された後に、第2エッジ領域が特定された場合に、エッジ領域特定部1821が特定した、前記第1エッジ領域及び前記第2エッジ領域間を補間するための補間領域を特定するものである。
【0290】
なお、補間領域の特定方法の例としては、例えば、エッジ画素の中から、Sx=0(Sxの絶対値が最小の場合でも良い。)かつSy≠0、及びSx≠0かつSy≠0(Syの絶対値が最小の場合でも良い。)の条件を満たすエッジ画素を特定する。
【0291】
なぜなら、ペンPの像によるエッジ領域は、上述のように、通常、複数のエッジ画素に囲まれた領域(閉じた領域)になるから、上記条件を満たす点を少なくとも4つ以上得ることができる。
【0292】
また、第2エッジ領域は、第1エッジ領域が特定された直後のものであるから、これらのエッジ領域の形状は、第1エッジ領域と第2エッジ領域とで大きく変化しないと仮定することができる。
【0293】
そうすると、第1エッジ領域の上記条件を満たす少なくとも4つの点のそれぞれと、第2エッジ領域の上記条件を満たす少なくとも4つの点のそれぞれとを対応付けることが可能となる。
【0294】
そこで、第1エッジ領域の上記条件を満たす少なくとも4つの点のぞれぞれと、対応付けた第2エッジ領域の上記条件を満たす少なくとも4つの点のそれぞれとを直線で結べば、第1エッジ領域及び第2エッジ領域の位置関係に関わらず、第1エッジ領域の2点のそれぞれ及びこれらの点に対応する第2エッジ領域の2点のそれぞれの合計4つの点で、最大の面積を持つ四辺形の領域が、必ず1つ特定される。よって、この最大の面積を持つ四辺形の領域を補間領域とすれば良い。
【0295】
また、表示画像作成部1823は、エッジ領域特定部1821によって特定された第1エッジ領域内、第2エッジ領域内、及び前記補間領域内を、を、色判定処理部14Aによって判定(検出)した色で表示するものである。
【0296】
よって、第1エッジ領域及び第2エッジ領域間をスムーズに繋いで色を表示できるので、例えば、赤い墨汁をつけた毛筆を選ぶような自然な感覚で電子的な描画を行うことができる。
【0297】
(各種コマンドとデータ表示/センサ装置の動作との関係)
ここで、データ表示/センサ装置100における各種コマンドと、データ表示/センサ装置100の動作との関係について説明する。
【0298】
本実施形態では、データ表示/センサ装置100の接触判定及び接触領域特定処理に関するコマンドの名称を「接触領域判定コマンド」と称し、予め接触領域判定コマンド記憶部222に記憶されているものとして説明する。
【0299】
また、データ表示/センサ装置100の色判定処理に関するコマンドの名称を「色検出コマンド」と称し、予め、色検出コマンド記憶部223に記憶されているものとする。
【0300】
さらに、データ表示/センサ装置100の検出色表示処理に関するコマンドの名称を「検出色表示コマンド」と称し、ここでは、検出色表示コマンド記憶部224に記憶されているものとする。
【0301】
なお、「接触領域判定コマンド」は、接触判定処理及び接触領域特定処理のため主としてスキャン処理部12のスキャン属性を設定するためのコマンドである。
【0302】
また、「色検出コマンド」は、色判定処理のため主としてスキャン処理部12のスキャン属性を設定するためのコマンドである。
【0303】
さらに、「検出色表示コマンド」は、検出色表示処理のため主としてスキャン処理部12のスキャン属性を設定するためのコマンドである。
【0304】
まず、「接触領域判定コマンド」では、図6に示す「データ取得タイミング」フィールドの値を“01”(イベント)と指定する。
【0305】
なぜなら、上述したように、“イベント”は、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたタイミングで、データ処理部700から主制御部800に画像データ等を送信することを指定するものであるから、これを利用することによって、接触判定処理及び接触領域特定処理を行うことが可能となるからである。
【0306】
具体的には、「データ取得タイミング」フィールドの値が“イベント”であれば、ペンPの接触により、センサ制御部602から受信する画像データに、所定の閾値より大きい変化が生じたタイミングで、主制御部800に送信される。
【0307】
次に、「接触判定コマンド」の「データ種別」フィールドの値は、“010”(部分画像)を指定することが好ましい。
【0308】
なぜなら、上述したように、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信すると、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域を抽出し、該抽出した領域の画像データ(部分画像データ及び代表座標)を主制御部800に送信するようにできるからである。
【0309】
なお、以下では、便宜上、“部分画像”が占める領域をそのまま領域PPとする場合について説明するが、上述した接触領域特定部136Aは、画像データ記憶部23の接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231に記憶されている代表座標を中心として“部分画像”の領域と大きさの異なる領域を領域PPとしても良い。
【0310】
また、接触領域特定部136Aが、エッジ領域特定部1821の機能を併有している構成を採用した場合には、接触領域特定部136Aが、直接、エッジ領域を特定し、このエッジ領域を領域PPとしても良い。
【0311】
なお、前記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出されたそれぞれの部分画像データを主制御部800に送信する。
【0312】
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信したとき、ペンPのペン先が接触する先の点の座標として、部分画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標の部分画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。
【0313】
スキャンデータ格納部133は、前記「部分画像データ」及び「代表座標」のそれぞれを画像データ記憶部23の接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231に記憶させる。
【0314】
なお、前記代表座標とは、例えば、前記部分画像データの中心の座標、前記部分画像データの重心の座標などが挙げられる。
【0315】
次に、「接触判定コマンド」の「スキャン方式」フィールドの値は、“00”(反射)を指定する。ペンPのペン先に画素回路31が発色する光を照射して、その反射光を検出するためである。
【0316】
次に、「接触判定コマンド」の「スキャン画像階調」フィールドの値は、“00”(2値)、および“01”(多値)のいずれを指定しても良い。また、「接触判定コマンド」の「スキャン解像度」フィールドの値は、“0”(高)若しくは“1”(低)のいずれを指定しても良い。なぜなら、領域PPの特定ができれば良く、2値階調でスキャンすれば充分だからである。なお、「スキャン解像度」フィールドの値は、領域PPの特定精度の観点からは、“0”(高)に設定することが好ましい。
【0317】
一方、「色検出コマンド」では、図6に示す「データ取得タイミング」フィールドの値を“00”(センス)を指定する。
【0318】
なぜなら、“センス”は、最新のデータを、データ処理部700から主制御部800に直ちに送信すること指定するものであるから、これにより、画像表示処理部18が、領域PPに含まれる画素回路31を、第1色、第2色及び第3色で、順次発色させる毎に、スキャン処理部12によってスキャンされたスキャンデータを主制御部800に送信されるようにできるからである。
【0319】
次に、「色検出コマンド」の「データ種別」フィールドの値は、“010”(部分画像)を指定することが好ましい。
【0320】
なぜなら、全体画像データ上の部分画像データが占める領域(若しくは領域PP)に含まれる部分のみを特定色で発色させることで、表示のチラツキを防止できるからである。
【0321】
なお、前記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出されたそれぞれの部分画像データを主制御部800に送信する。
【0322】
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信したとき、ペンPのペン先が接触する先の点の座標として、部分画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標の部分画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。
【0323】
なお、前記代表座標とは、例えば、前記部分画像データの中心の座標、前記部分画像データの重心の座標などが挙げられる。
【0324】
スキャンデータ格納部133は、前記「部分画像データ」及び「代表座標」のそれぞれを、色判定結果保持部145、又は原色画像データ記憶部24の色判定用データ記憶部241接触領域特定用データに記憶させる。
【0325】
次に、「色検出コマンド」の「スキャン方式」フィールドの値は、“00”(反射)を指定する。ペンPのペン先に画素回路31が発色する光を照射して、その反射光を検出するためである。
【0326】
次に、「色検出コマンド」の「スキャン画像階調」フィールドの値は、“01”(多値)を指定する。なぜなら、色検出を可能とするためには、多値階調でスキャンする必要があるからである。
【0327】
また、「色検出コマンド」の「スキャン解像度」フィールドの値は、“0”(高)若しくは“1”(低)のいずれを指定しても良いが、色検出の精度の観点からは、“0”(高)に設定することが好ましい。
【0328】
次に、「検出色表示コマンド」では、図6に示す「データ取得タイミング」フィールドの値を“10”(オール)に指定する。“オール”は、所定周期でデータを送信すること指定するものであるから、スキャンデータを所定周期で得ることができるからである。
【0329】
ここで、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、所定周期で、主制御部800に送信するようになっている。なお、前記所定周期は、光センサ回路32にてスキャンを行う周期と一致する。
【0330】
なお、「色検出コマンド」では、「データ取得タイミング」フィールドの値が、“センス”に設定されているので、「色検出コマンド」から「検出色表示コマンド」への切り替えは、スキャン属性情報設定部135が、「色検出コマンド」にて色検出処理が終了したことをトリガとして、「データ取得タイミング」フィールドの値を“オール”に切り換えることによって行えば良い。
【0331】
また、「接触領域特定コマンド」では、「データ取得タイミング」フィールドの値は“イベント”に設定されるので、「検出色表示コマンド」から「接触領域特定コマンド」への切り替えは、エッジ領域特定部1821(接触領域特定部136A)によってペンPがセンサ内蔵液晶パネル301に接触していないと判定されたことをトリガとして、「データ取得タイミング」フィールドの値を“イベント”に切り換えれば良い。
【0332】
次に、「検出色表示コマンド」の「データ種別」フィールドの値は、少なくとも“100”(全体画像)だけは、指定する。なお、“全体画像”さえ指定されていれば、併せて“部分画像”及び“座標”を指定することは構わない。
【0333】
なぜなら、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”及び“座標”のいずれかであった場合、ペンPの位置の変化は、ほぼ連続的であるから、ペンPの位置の変化の前後では、センサデータ処理部703が、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分であると認識しない可能性があるからである。
【0334】
センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“全体画像”であるコマンドを受信すると、画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを主制御部800に送信する。
【0335】
スキャンデータ格納部133は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”に設定されている場合には、「全体画像データ」を画像データ記憶部23の接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231に記憶するように構成する。
【0336】
次に、「検出色表示コマンド」の「スキャン方式」フィールドの値は、“00”(反射)を指定する。ペンPのペン先に画素回路31が発色する光を照射して、その反射光を検出するためである。
【0337】
次に、「検出色表示コマンド」の「スキャン画像階調」フィールドの値は、“00”(2値)を指定することが好ましい。なぜなら、エッジ領域の特定ができれば良く、2値階調でスキャンすれば充分だからである。なお、エッジ領域の特定精度の観点から「スキャン画像階調」フィールドの値を“01”(多値)に設定しても良い。
【0338】
また、「検出色表示コマンド」の「スキャン解像度」フィールドの値は、“0”(高)若しくは“1”(低)のいずれを指定しても良い。なお、「スキャン解像度」フィールドの値は、エッジ領域の特定精度の観点からは、“0”(高)に設定することが好ましい。
【0339】
次に、データ表示/センサ装置100の動作と「接触判定コマンド」、「色検出コマンド」及び「検出色表示コマンド」との関係の詳細について説明する。
【0340】
最初に、ペンPのペン先がセンサ内蔵液晶パネル301に接触していない状態では、スキャン属性情報設定部135は、接触領域判定コマンド記憶部222から予め記憶されている「接触領域判定コマンド」を読み出して「データ取得タイミング」のフィールド値を“イベント”に設定しているものとする。
【0341】
ここで、ペンPのペン先がセンサ内蔵液晶パネル301に接触すると、上述のように、「データ取得タイミング」が“イベント”に設定されているので、ペンPのペン先がセンサ内蔵液晶パネル301に接触したことにより、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたと認識して、主制御部800に得られたスキャンデータを送信する。
【0342】
なお、接触領域特定部(接触判定手段,接触領域特定手段)136Aは、主制御部800にスキャンデータが送信されたことをトリガとして、ペンPのペン先がセンサ内蔵液晶パネル301に接触したと判定する。
【0343】
スキャンデータ格納部133は、コマンドの「データ取得タイミング」のフィールド値が“イベント”に設定されているので、得られたスキャンデータを接触領域特定用データとして接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231に記憶する。
【0344】
また、その後、スキャンデータ格納部133は、スキャンデータを接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231に記憶させたことを、接触領域特定部136Aに通知し、接触領域特定部136Aは、接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231に記録されたスキャンデータに基づいて、領域PPを特定する。この場合、スキャンデータに含まれる部分画像データの全体画像データ上に占める領域をそのまま領域PPとしても良いし、スキャンデータに含まれる代表座標を中心とする所定の大きさを有する領域を領域PPとしても良い。
【0345】
なお、接触領域特定部136Aが、エッジ領域特定部1821の機能を併有している構成を採用した場合は、エッジ領域を特定し、該エッジ領域を領域PPとしても良い。
【0346】
その後、接触領域特定部136Aは、領域PPを特定したことを画像表示処理部18の原色画像作成部181に通知する。
【0347】
原色画像作成部181は、上記通知を受けて、スキャン属性情報設定部135を駆動し、スキャン属性情報設定部135は、色検出コマンド記憶部223から予め記憶されている「色検出コマンド」を読み出し、「データ取得タイミング」のフィールド値を“センス”に切り換える。
【0348】
原色画像作成部181は、第1色から第3色までの原色画像データを作成し、順次、データ処理部700(及び回路制御部600)を介して表示/光センサ部300に、原色画像データを送信する。
【0349】
その後、スキャンデータ格納部133は、「データ取得タイミング」のフィールド値が“センス”に設定されているので、第1色、第2色及び第3色で発色させる毎に、センサ内蔵液晶パネル301に接触するペンPの像が、各光センサ6を用いてスキャンされたスキャンデータを、データ処理部700から受信する。
【0350】
スキャンデータ格納部133は、コマンドの「データ取得タイミング」のフィールド値が“センス”に設定されているので、色判定用データとして、色判定用データ記憶部241に記憶する。
【0351】
次に、スキャンデータ格納部133は、第1色、第2色及び第3色で発色させる毎に、センサ内蔵液晶パネル301に接触するペンPの像が、各光センサ6を用いてスキャンされたスキャンデータのすべてを、色判定用データ記憶部241に記憶させると、その旨を色判定処理部14Aに通知する。
【0352】
色判定処理部14Aの色判定用データ解析部142は、色判定用データ記憶部241に記憶されている第1色、第2色及び第3色で発色させる毎に、センサ内蔵液晶パネル301に接触するペンPの像が、各光センサ6を用いてスキャンされたスキャンデータを解析して、ペンPのペン先の色を判定(検出)する。
【0353】
色判定用データ解析部142は、ペンPのペン先の色の判定が終わるとその結果を色判定結果格納部143に通知し、色判定結果格納部143は、ペンPのペン先の色の判定結果(色情報)を色判定結果保持部145及び色判定結果記憶部242に記憶させる。
【0354】
色判定結果格納部143は、色情報を色判定結果保持部145及び色判定結果記憶部242に記憶させると、その旨を、色判定結果表示画像作成部182に通知する。
【0355】
色判定結果表示画像作成部182は、上記通知を受けて、スキャン属性情報設定部135を駆動し、スキャン属性情報設定部135は、コマンドの「データ取得タイミング」のフィールド値を“オール”に切り換える。
【0356】
スキャンデータ格納部133は、コマンドの「データ取得タイミング」のフィールド値が“オール”に設定されているので、データ処理部700から主制御部800に周期的に得られる、少なくとも全体画像データを含むスキャンデータを接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231に記憶する。
【0357】
エッジ領域特定部1821は、スキャンデータ格納部133が、コマンドの「データ取得タイミング」のフィールド値が“オール”に設定されている状態でスキャンデータを接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231に記憶させたことをトリガとして、該スキャンデータを読み出し、スキャンデータに含まれる全体画像データに基づいて、エッジ領域を特定する。
【0358】
ここで、エッジ領域特定部1821が、第1エッジ領域が特定された後に、第2エッジ領域を特定した場合には、補間領域特定部1822が、前記第1エッジ領域及び前記第2エッジ領域間を補間するための補間領域を特定する。
【0359】
その後、表示画像作成部1823は、色判定結果保持部145に記憶されている検出された色情報に基づいて、第1エッジ領域内、第2エッジ領域内、及び補間領域内を、当該色で塗りつぶした画像(色検出結果表示画像)を作成し、データ処理部700に送信する。
【0360】
以下、エッジ領域特定部1821によるエッジ領域の特定、補間領域特定部1822による補間領域の特定及び表示画像作成部1823によるデータ処理部700への色検出結果表示画像の送信の動作を、接触領域特定部136Aが、ペンPが離れたと判定するまで繰り返す。
【0361】
エッジ領域特定部(接触判定手段)1821(又は接触領域特定部136A)が、ペンPが離れたと判定すると、スキャン属性情報設定部135は、コマンドの「データ取得タイミング」のフィールド値を“イベント”に切り換えて、「接触領域特定コマンド」に戻る。
【0362】
(データ表示/センサ装置の動作)
次に、図11〜図15に基づき、データ表示/センサ装置100の動作の詳細について説明する。
【0363】
図11は、データ表示/センサ装置100の色検出動作を概念的に示す模式図であり、図11の(a)は、色検出動作の時間経過を示し、図11の(b)は、色検出動作の際の画面表示の様子を示す。
【0364】
まず、図11の(a)に示すように、センサ内蔵液晶パネル301にペンPのペン先が接触(ペンタッチ)したと判定されると、白塗り矢印が示す位置から原色画像作成部181の原色画像データの作成動作が開始する。
【0365】
その後、R画像表示用データ、G画像表示用データ、及びB画像表示用データが、順次作成される。ここで、R画素点灯期間Tは、ペンタッチがあって、R画像表示用データが表示されてからその表示が終了するまでの時間、G画素点灯期間Tは、G画像表示用データが表示されてからその表示が終了するまでの時間、B画素点灯期間Tは、B画像表示用データが表示されてからその表示が終了するまでの時間である。
【0366】
ここで、発色動作の時間T=R画素点灯期間T+G画素点灯期間T+B画素点灯期間Tは、表示のチラツキ防止の観点からは、できるだけ短い方が好ましい。
【0367】
また、図11の(b)に示すように、スキャン処理部12において、全体画像データ、部分画像データ(領域PP)及び代表座標の取得は、周期的に常時行なわれている(接触領域判定用のスキャンデータでも、色検出用のスキャンデータでも部分画像データ及び代表座標を取得すれば、座標検出は可能である)が、ペンPのペン先の色を検出するための色検出処理(ペン先の色と座標を検出)におけるR画像表示用データ、G画像表示用データ、及びB画像表示用データの発色動作は、色判定部141によりペンPのペン先の色が判定されると、ただちに終了し、検出色表示処理(座標検出)又は接触判定処理(座標検出)に戻る。
【0368】
なお、図11では、1回の色検出処理終了後、ただちに座標検出に戻っているが、何らかの理由により、色検出ができなかった場合、再度、色検出処理を行う。
【0369】
次に、図12に基づき、データ表示/センサ装置100の検出色表示動作(検出色表示制御ステップ)について説明する。
【0370】
図12は、データ表示/センサ装置100の検出色表示動作を概念的に示す模式図である。
【0371】
データ表示/センサ装置100は、ペンの太さを検出する機能及びペンの太さの変化に追随する機能を有しているので、図12に示すように、細いペン、太いペン、及び筆の例のように、ペン書き、筆書き風での描画が可能である。
【0372】
また、データ表示/センサ装置100は、ペンのペン先の色を検出する機能を有しているので、赤ペン、緑ペン及び青ペンの例のように、画用紙に色鉛筆で描画するような感覚で、センサ内蔵液晶パネル301の表示面に描画することが可能である。
【0373】
次に、図13に示すフローチャートに基づき、接触領域特定ステップのフローについて説明する。図13は、データ表示/センサ装置100の動作(接触領域特定ステップ)を示すフローチャートである。
【0374】
図13に示すように、データ表示/センサ装置100の電源スイッチが入ってセンサ内蔵液晶パネル301の表示がONになると、スキャン属性情報設定部135が、スキャン属性情報記憶部22に予め記憶されている「接触領域判定コマンド」の各フィールドの値を読み出してそのスキャン属性情報を設定してスタートとなる。
【0375】
ステップS1(以下、「ステップ」は、省略する)では、スキャン実行部131から送られる「接触領域判定コマンド」により、センサ制御部602が、光センサ駆動回路305を介して光センサ6によりスキャンを行って、そのスキャンデータ(ここでは、全体画像データを含む)をデータ処理部700の画像データバッファ704に蓄積(保持)する動作を所定のタイミングTC2で繰り返している。なお、この時点では、「データ取得タイミング」のフィールド値は、既に“01”(イベント)に設定されている(コマンドは、「接触領域判定コマンド」に設定)ものとする。
【0376】
次に、S2で、ユーザが、特定色の色鉛筆であるペンPをセンサ内蔵液晶パネル301Bに接触させると、S3に進む。
【0377】
S3では、センサデータ処理部703は、スキャン実行部131から送られる「接触領域判定コマンド」の「データ取得タイミング」のフィールド値が“01”(イベント)に設定されているので、センサ制御部602から受信する画像データから、ペンPの接触により、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域が抽出された場合には、該抽出した領域の画像データ(部分画像データ及び代表座標)を主制御部800に送信し、「YES」となり、S4に進む。
【0378】
一方、S3で、ペンPの接触により、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域が抽出されなかった場合は、「NO」となり、センサデータ処理部703は、S1の動作に戻る。
【0379】
S4では、スキャンデータ格納部133は、「接触領域判定コマンド」の「データ取得タイミング」のフィールド値が“01”(イベント)に設定されているので、センサデータ処理部703から主制御部800に送られたスキャンデータ(部分画像データ及び代表座標)を接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231に記憶(保持)させてS5に進む。
【0380】
S5では、接触領域特定部136Aは、「接触領域判定コマンド」の「データ取得タイミング」のフィールド値が“01”(イベント)に設定されているので、センサデータ処理部703から主制御部800にスキャンデータ(部分画像データ及び代表座標)が送られることをトリガとして、「ペンPが、センサ内蔵液晶パネル301Bに接触した」と判定し、領域PPを特定(接触領域特定処理)して「結合子A」に進む。
【0381】
この接触領域特定処理では、接触領域特定部136Aは、スキャンデータに含まれる部分画像データの全体画像データに占める領域を領域PPとして特定しても良いし、スキャンデータに含まれる代表座標に基づいて、該代表座標を中心とする所定の大きさの領域を領域PPとして特定しても良い。
【0382】
なお、以下では、接触領域特定部136Aが、スキャンデータに含まれる部分画像データの全体画像データに占める領域を領域PPとして特定した場合について説明する。
【0383】
次に、図14は、データ表示/センサ装置100の動作(色検出ステップ)を示すフローチャートである。
【0384】
「結合子A」からS6に進み、S6では、接触領域特定部136Aは、領域PPを特定したことを画像表示処理部18に通知する。
【0385】
画像表示処理部18は、上記通知を受けて、原色画像作成部181を駆動し、原色画像作成部181は、接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231からスキャンデータを読み出して領域PPの全体画像データ上に占める領域のみを等色の原理を満たすR、G及びB表示としたR画像表示用データ、G画像表示用データ、B画像表示用データを作成し、順次、データ処理部700に送信する。これにより、センサ内蔵液晶パネル301の領域PPに含まれる画素回路31のそれぞれを、等色の原理を満たすR、G及びBで、順次発色(表示)させて、S7に進む。
【0386】
S7では、原色画像作成部181は、スキャン属性情報設定部135を駆動し、スキャン属性情報設定部135は、色検出コマンド記憶部223から予め記憶されている「色検出コマンド」を読み出し、「データ取得タイミング」のフィールド値を“センス”に切り換える。
【0387】
その後、スキャンデータ格納部133は、「データ取得タイミング」のフィールド値が“センス”に設定されているので、R、G及びBで発色させる毎に、センサ内蔵液晶パネル301に接触するペンPの像を、各光センサ6を用いてスキャンされたスキャンデータを、データ処理部700から受信する。
【0388】
スキャンデータ格納部133は、コマンドの「データ取得タイミング」のフィールド値が“センス”に設定されているので、色判定用データとして、色判定用データ記憶部241に記憶させる。このとき、スキャンデータ格納部133は、色判定用データ記憶部241に、R、G及びBで発色させる毎に、センサ内蔵液晶パネル301に接触するペンPの像が、各光センサ6を用いてスキャンされた3つのスキャンデータをすべて記憶させると、色判定処理部14Aにその旨を通知してS8に進む。
【0389】
S8では、色判定処理部14Aが、上記通知を受けて色判定部141を駆動し、色判定部141は、色判定用データ記憶部241に記憶されている3つのスキャンデータに基づいて、R、G及びBのそれぞれの光による反射光の強度を解析して、センサ内蔵液晶パネル301Bに接触したペンPのペン先の色を判定し、その色判定結果(色情報)を出力する。その後、色判定結果格納部143は、出力された色判定結果を色判定結果保持部145又は、色判定結果記憶部242に記憶させ、そのこと(記憶させたこと)をスキャン属性情報設定部135及びエッジ領域特定部1821に通知して「結合子B」に進む。
【0390】
次に、図15は、データ表示/センサ装置100の動作(検出色表示ステップ)を示すフローチャートである。
【0391】
「結合子B」からS9に進み、S9では、スキャン属性情報設定部135が、コマンドの「データ取得タイミング」のフィールド値を“オール”に切り換える。
【0392】
スキャン実行部131は、コマンドの「データ取得タイミング」のフィールド値が“オール”に設定されているので、所定の周期で、少なくとも全体画像を含むスキャンデータをスキャンし、スキャンデータ格納部133は、そのスキャンデータを接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231に記憶させてS10に進む。
【0393】
S10では、エッジ領域特定部1821は、色判定結果格納部143からの通知を受けて待機状態となっており、スキャンデータ格納部133が、上記スキャンデータを接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部231に記憶させたことをトリガとして、エッジ領域を特定する動作を開始し、S11に進む。
【0394】
S11では、エッジ領域特定部1821が、エッジ領域を特定できた場合は、ペンPがペンアップしていない(センサ内蔵液晶パネル301に接触している)と判定し、「NO」となり、S12に進む。
【0395】
一方、S11で、エッジ領域特定部1821が、エッジ領域を特定できなかった場合は、ペンPがペンアップした(センサ内蔵液晶パネル301に接触していない)と判定し、「YES」となり、「END」となる。
【0396】
S12では、エッジ領域特定部1821が、エッジ領域を2つ以上特定した場合には、「YES」となり、S13に進む。
【0397】
一方、S12で、エッジ領域特定部1821が、エッジ領域を1つしか特定しなかった場合には、「NO」となり、S15に進む。
【0398】
S13では、補間領域特定部1822が、エッジ領域が2つ以上特定されたことをトリガとして、順次特定されるエッジ領域間のそれぞれの補間領域を特定してS14に進む。
【0399】
S14では、表示画像作成部1823が、特定された2つ以上のエッジ領域と、順次特定されるエッジ領域間のそれぞれの補間領域のすべての領域内を、検出した色で塗りつぶした表示画像データを作成してS16に進む。
【0400】
また、S15では、特定された1つのエッジ領域の領域内を検出した色で塗りつぶした表示画像データを作成してS16に進む。
【0401】
S16では、表示画像作成部1823が、データ処理部700を介して表示/光センサ部300に、作成した表示画像データを送信し、センサ内蔵液晶パネル301に検出した色の描画像が表示されてS9に戻る。以上の動作は、S11でペンPがペンアップしたと判定されるまで繰り返される。
【0402】
以上より、センサ内蔵液晶パネル301の表示面上に、色鉛筆や毛筆で描画するような自然な感覚で電子的な描画を行うことができるデータ表示/センサ装置100を提供することができる。
【0403】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図16及び図17に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0404】
本実施形態では、図4の表示制御部601及びセンサ制御部602のそれぞれの機能をハードウェアロジックで構成した場合について説明する。
【0405】
図16は、データ表示/センサ装置100の要部構成をハードで実装した場合の一例を示すブロック図である。
【0406】
図16に示すように、本実施形態(データ表示/センサ装置Aという)の要部構成は、光センサ6、シフトレジスタ(発色制御手段)401、インバータ(発色制御手段)402r、XNOR回路(発色制御手段)402g、インバータ(発色制御手段)402b、AND回路(撮像制御手段)403、シフトクロック生成部(発色制御手段)404、トランジスタ(撮像制御手段)405r、トランジスタ(撮像制御手段)405g及びトランジスタ(撮像制御手段)405b、インバータ付きトランジスタ(撮像制御手段)406r、インバータ付きトランジスタ(撮像制御手段)406g及びインバータ付きトランジスタ(撮像制御手段)406b、R画素回路31r、G画素回路31g及びB画素回路31b、座標演算部136B、色演算部14B、並びに、色記憶(記憶部)407r、色記憶(記憶部)407g及び色記憶(記憶部)407bからなる構成である。
【0407】
図16は、R画素回路31r、G画素回路31g及びB画素回路31bがすべて点灯している場合(白表示)を示している。
【0408】
シフトレジスタ(発色制御手段)401は、シフトクロック生成部404の駆動により、「11000000000」の情報を順次、1つずつ、循環させて出力するものである。
【0409】
図16では、インバータ402r及びXNOR回路402gに対して「0」(LOWレベル)が出力され、XNOR回路402g及びインバータ402bに対して「1」(HIGHレベル)が出力されている様子を示している。
【0410】
インバータ402rは、「0」が入力されているので、「1」を出力する。これにより、R画素回路31rが点灯する。
【0411】
XNOR回路402gは、「00」が入力されているので、「1」を出力する。これにより、G画素回路31gが点灯する。
【0412】
インバータ402bは、「0」が入力されているので、「1」を出力する。これにより、B画素回路31bが点灯する。
【0413】
これにより、光センサ6は、R画素回路31r、G画素回路31g及びB画素回路31bが発色(発光)することによって生じた光がペンPに照射されることによって生じた反射光を受光する。
【0414】
ここで、AND回路403は、「111」が入力されているので「1」を出力するが、トランジスタ405r〜トランジスタ405bのゲートには、すべて「1」が入力されているので、トランジスタ405r〜トランジスタ405bのゲートは開放される。
【0415】
しかしながら、インバータ付きトランジスタ406r〜インバータ付きトランジスタ406bは、AND回路403からの「1」がインバータによって反転して「0」がトランジスタのゲートに入力されるので、光センサ6の検出信号は、色記憶407r〜色記憶407bには流れない。
【0416】
すなわち、図16の状態では、色検出処理が行なわれていない状態を示している。
【0417】
ここで、ペンPのペン先が接触すると、座標演算部136Bは、光センサ6の検出信号に基づいて、座標演算を行い「座標情報」が出力される。
【0418】
座標演算部136Bは、このとき、シフトクロック生成部404を駆動する。そして、シフトクロック生成部404は、シフトレジスタ401を駆動して図17(a)に示す状態が実現される。
【0419】
図17(a)は、データ表示/センサ装置Aの要部構成をハードで実装した場合においてR画素が点灯している様子を示す図であり、図17(b)は、G画素が点灯している様子を示す図であり、図17(c)は、B画素が点灯している様子を示す図である。
【0420】
まず、図17(a)に示すように、シフトレジスタ401が駆動されて、インバータ402rには、「0」が入力されるので、インバータ402rは、「1」を出力する。これにより、R画素回路31rが点灯する。
【0421】
また、XNOR回路402gには、「01」が入力されるので、XNOR回路402gは、「0」を出力する。これにより、G画素回路31gは、点灯しない。
【0422】
また、インバータ402bは、「1」が入力されるので、インバータ402bは、「0」を出力する。これにより、B画素回路31bは、点灯しない。
【0423】
このとき、光センサ6は、R画素回路31rが発色(発光)することによって生じた光がペンPに照射されることによって生じた反射光を受光する。
【0424】
ここで、AND回路403には、「100」が入力されるので、AND回路403は、「0」を出力する。
【0425】
ここで、インバータ402r〜インバータ402bには、AND回路403より「0」が入力されるので、インバータ付きトランジスタ406r〜インバータ付きトランジスタ406bのゲートには、すべて「1」が入力されて、インバータ付きトランジスタ406r〜インバータ付きトランジスタ406bのゲートは開放される。
【0426】
一方、トランジスタ405r〜トランジスタ405bでは、トランジスタ405rのみゲートに「1」が入力されるので、トランジスタ405rのみゲートが開放される。
【0427】
これにより、色記憶407rに光センサ6の検出信号による検出情報が記憶される。その後、シフトクロック生成部404がシフトレジスタ401を駆動して、図17(b)の状態に進む。
【0428】
図17(b)では、シフトレジスタ401が駆動されて、インバータ402rには、「1」が入力されるので、インバータ402rは、「0」を出力する。これにより、R画素回路31rが点灯しない。
【0429】
また、XNOR回路402gには、「11」が入力されるので、XNOR回路402gは、「1」を出力する。これにより、G画素回路31gは、点灯する。
【0430】
また、インバータ402bは、「1」が入力されるので、インバータ402bは、「0」を出力する。これにより、B画素回路31bは、点灯しない。
【0431】
このとき、光センサ6は、G画素回路31gが発色(発光)することによって生じた光がペンPに照射されることによって生じた反射光を受光する。
【0432】
ここで、AND回路403には、「010」が入力されるので、AND回路403は、「0」を出力する。
【0433】
ここで、インバータ402r〜インバータ402bには、AND回路403より「0」が入力されるので、インバータ付きトランジスタ406r〜インバータ付きトランジスタ406bのゲートには、すべて「1」が入力されて、インバータ付きトランジスタ406r〜インバータ付きトランジスタ406bのゲートは開放される。
【0434】
一方、トランジスタ405r〜トランジスタ405bでは、トランジスタ405gのみゲートに「1」が入力されるので、トランジスタ405gのみゲートが開放される。
【0435】
これにより、色記憶407gに光センサ6の検出信号による検出情報が記憶される。
【0436】
同様に、図17(c)では、シフトレジスタ401が駆動されて、インバータ402rには、「1」が入力されるので、インバータ402rは、「0」を出力する。これにより、R画素回路31rが点灯しない。
【0437】
また、XNOR回路402gには、「10」が入力されるので、XNOR回路402gは、「0」を出力する。これにより、G画素回路31gは、点灯しない。
【0438】
また、インバータ402bには、「0」が入力されるので、インバータ402bは、「1」を出力する。これにより、B画素回路31bは、点灯する。
【0439】
このとき、光センサ6は、B画素回路31bが発色(発光)することによって生じた光がペンPに照射されることによって生じた反射光を受光する。
【0440】
ここで、AND回路403には、「001」が入力されるので、AND回路403は、「0」を出力する。
【0441】
ここで、インバータ402r〜インバータ402bには、AND回路403より「0」が入力されるので、インバータ付きトランジスタ406r〜インバータ付きトランジスタ406bのゲートには、すべて「1」が入力されて、インバータ付きトランジスタ406r〜インバータ付きトランジスタ406bのゲートは開放される。
【0442】
一方、トランジスタ405r〜トランジスタ405bでは、トランジスタ405bのみゲートに「1」が入力されるので、トランジスタ405bのみゲートが開放される。
【0443】
これにより、色記憶407bに光センサ6の検出信号による検出情報が記憶される。
【0444】
以上説明した、図17(a)〜図17(c)までの一連の動作により、色記憶407r〜色記憶407bのすべてに検出情報が記録されることをトリガとして、色演算部14Bは、ペンPのペン先の色を解析し、色情報を出力する。
【0445】
以上より、装置の小型化に有用な、入出力一体型ディスプレイ(センサ内蔵液晶パネル301)の表示面上に接触したペンPのペン先の色を、感度の低下及び解像度の劣化を防止しつつ、検出することができるデータ表示/センサ装置Aを提供することができる。
【0446】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について図18に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1及び2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1及び2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0447】
図18は、本実施形態のデータ表示/センサ装置(データ表示/センサ装置Bと呼ぶ)の要部構成をハードで実装した場合の他の例を示すブロック図である。
【0448】
本実施形態が実施の形態2と異なる点は、まず、トランジスタ405bが無いことと、インバータ付きトランジスタ406bに替えて、トランジスタ(撮像制御手段)406wが設けられている点のみであり、それ以外の構成は、実施の形態2と同じである。なお、動作については、実施の形態2と同様なので、ここでは、説明を省略し、実施の形態2と本実施形態との作用の違いについて説明する。
【0449】
実施の形態2のデータ表示/センサ装置Aでは、R、G及びBのそれぞれの光が順次、発光し、R、G及びBのそれぞれの光が、光センサ6によって検出された検出情報として色記憶407r〜色記憶407bに記録される。
【0450】
一方、実施の形態3では、R、G及び白(R〜Gのすべて点灯)のそれぞれの光が順次、発光し、R、G及白のそれぞれの光が、光センサ6によって検出された検出情報として色記憶407r〜色記憶(記憶部)407wに記録される。
【0451】
以上より、装置の小型化に有用な、入出力一体型ディスプレイ(センサ内蔵液晶パネル301)の表示面上に接触したペンPのペン先の色を、感度の低下及び解像度の劣化を防止しつつ、検出することができるデータ表示/センサ装置Bを提供することができる。
【0452】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0453】
最後に、データ表示/センサ装置100の各ブロック、特に主制御部800は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0454】
すなわち、データ表示/センサ装置100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデータ表示/センサ装置100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、前記データ表示/センサ装置100に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0455】
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0456】
また、データ表示/センサ装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0457】
以上より、入出力一体型ディスプレイ(面状部材)の表示面上に、色鉛筆や毛筆で描画するような自然な感覚で電子的な描画を行うことができるデータ表示/センサ装置100、色検出/色出力プログラム及び該色検出/色出力プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに色検出/色出力方法を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0458】
本発明は、複数の単位画素及び複数の撮像センサを備えた表示装置に適用できる。具体的には、表示装置として、例えば、アクティブマトリクス型の液晶表示装置に用いることができると共に、電気泳動型ディスプレイ、ツイストボール型ディスプレイ、微細なプリズムフィルムを用いた反射型ディスプレイ、デジタルミラーデバイス等の光変調素子を用いたディスプレイの他、発光素子として、有機EL発光素子、無機EL発光素子、LED(Light Emitting Diode)等の発光輝度が可変の素子を用いたディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0459】
【図1】本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置の概観構成及びその機能の概要を示す模式図である。
【図2】(a)は、前記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの断面の一例を示す模式図であり、(b)は、前記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの他の例の1画素を示す模式図である。
【図3】(a)は、前記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図であり、(b)は、前記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。
【図4】前記データ表示/センサ装置の要部構成を示すブロック図である。
【図5】前記データ表示/センサ装置で用いられるコマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。
【図6】図5に示したコマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【図7】(a)は、前記データ表示/センサ装置にて、対象物がセンサ内蔵液晶パネル上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像データであり、(b)は、前記データ表示/センサ装置にて、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネルをタッチしているときに、スキャンした結果として得られる画像データである。
【図8】前記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの構成およびその周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図9】前記データ表示/センサ装置の要部構成のうち、主制御部及び記憶部の詳細を示すブロック図である。
【図10】前記主制御部の要部構成のうち、色判定結果表示画像作成部の詳細を示すブロック図である。
【図11】前記データ表示/センサ装置の色検出動作を概念的に示す模式図であり、(a)は、前記色検出動作の時間経過を示し、(b)は、前記色検出動作の際の画面表示の様子を示す。
【図12】前記データ表示/センサ装置の検出色表示動作を概念的に示す模式図である。
【図13】前記データ表示/センサ装置の動作(接触領域特定ステップ)を示すフローチャートである。
【図14】前記データ表示/センサ装置の動作(色検出ステップ)を示すフローチャートである。
【図15】前記データ表示/センサ装置の動作(検出色表示ステップ)を示すフローチャートである。
【図16】前記データ表示/センサ装置の要部構成をハードで実装した場合の一例を示すブロック図である。
【図17】(a)は、前記データ表示/センサ装置の要部構成をハードで実装した場合においてR画素が点灯している様子を示す図であり、(b)は、G画素が点灯している様子を示す図であり、(c)は、B画素が点灯している様子を示す図である。
【図18】前記データ表示/センサ装置の要部構成をハードで実装した場合の他の例を示すブロック図である。
【図19】(a)及び(b)は、従来のカラースキャナにおいて、光源とイメージセンサとの間にカラーフィルタを設ける場合の、イメージセンサとカラーフィルタとの大きさの関係を説明するための概念図であり、(c)は、従来のカラースキャナにおいて、赤、緑及び青のLED(light-emitting diode)を順次点灯させて、それぞれの光をスキャンする様子を示す図である。
【符号の説明】
【0460】
6 光センサ(撮像センサ)
12 スキャン処理部(撮像制御手段)
14A 色判定処理部(色検出手段)
14B 色演算部(色検出手段)
18 画像表示処理部(発色制御手段,検出色表示制御手段)
22 スキャン属性情報記憶部
23 画像データ記憶部
24 原色画像データ記憶部
31 画素回路(単位画素)
31r R画素回路(色画素,R画素)
31g G画素回路(色画素,G画素)
31b B画素回路(色画素,B画素)
53r,53g,53b カラーフィルタ(3原色カラーフィルタ)
100 データ表示/センサ装置(色検出/色出力装置)
131 スキャン実行部
132 スキャン実行指示部
133 スキャンデータ格納部
134 スキャンデータ/接触領域特定結果保持部
135 スキャン属性情報設定部
136A 接触領域特定部(接触判定手段,接触領域特定手段,エッジ領域特定手段)
136B 座標演算部(接触判定手段,接触領域特定手段)
141 色判定部
142 色判定用データ解析部
143 色判定結果格納部
145 色判定結果保持部(記憶部)
181 原色画像作成部(発色制御手段)
182 色判定結果表示画像作成部
222 接触領域判定コマンド記憶部
223 色検出コマンド記憶部
224 検出色表示コマンド記憶部
231 接触領域/エッジ領域特定用データ記憶部
232 接触領域/エッジ領域特定結果記憶部
241 色判定用データ記憶部
242 色判定結果記憶部(記憶部)
300 表示/光センサ部
301 センサ内蔵液晶パネル(面状部材)
301A センサ内蔵液晶パネル(面状部材)
301B センサ内蔵液晶パネル(面状部材)
401 シフトレジスタ(発色制御手段)
402r インバータ(発色制御手段)
402g XNOR回路(発色制御手段)
402b インバータ(発色制御手段)
403 AND回路(撮像制御手段)
404 シフトクロック生成部(発色制御手段)
405r,405g,405b トランジスタ(撮像制御手段)
406r,406g,406b インバータ付きトランジスタ(撮像制御手段)
406w トランジスタ(撮像制御手段)
407r,407g,407b 色記憶(記録部)
407w 色記憶(記録部)
600 回路制御部
601 表示制御部
602 センサ制御部
603 バックライト制御部
700 データ処理部
701 表示データ処理部
703 センサデータ処理部
800 主制御部
901 記憶部
903 操作部
1821 エッジ領域特定部(エッジ領域特定手段,接触判定手段)
1822 補間領域特定部(補間領域特定手段)
1823 表示画像作成部(検出色表示制御手段)
P ペン(接触物)
PP 領域(接触領域)
L 軌跡
H ヒンジ
R画素点灯期間
G画素点灯期間
B画素点灯期間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位画素と、該単位画素毎に少なくとも1つ設けられた複数の撮像センサとを含む面状部材と、
前記単位画素のそれぞれを発色させる発色制御手段と、
前記発色制御手段が、前記単位画素のそれぞれを発色させた場合の前記面状部材に接触する接触物の像を、前記各撮像センサを用いて撮像する撮像制御手段と、
前記撮像制御手段によって撮像された前記接触物の像に基づいて、前記接触物の前記面状部材上における接触部分の色を検出する色検出手段と、
前記面状部材上に、前記色検出手段によって検出した色を表示する検出色表示制御手段とを備えることを特徴とする色検出/色出力装置。
【請求項2】
前記接触物の像におけるエッジ部分に含まれる単位画素を特定すると共に、前記エッジ部分に含まれる単位画素に囲まれたエッジ領域を特定するエッジ領域特定手段を備えており、
前記検出色表示制御手段は、前記エッジ領域特定手段によって特定された前記エッジ領域内を、前記色検出手段によって検出した色で表示することを特徴とする請求項1に記載の色検出/色出力装置。
【請求項3】
前記エッジ領域特定手段により、第1エッジ領域が特定された後に、第2エッジ領域が特定された場合に、
前記エッジ領域特定手段が特定した、前記第1エッジ領域及び前記第2エッジ領域間を補間するための補間領域を特定する補間領域特定手段を備えており、
前記検出色表示制御手段は、前記第1エッジ領域内、前記第2エッジ領域内、及び前記補間領域内を、前記色検出手段によって検出した色で表示することを特徴とする請求項2に記載の色検出/色出力装置。
【請求項4】
前記発色制御手段は、前記単位画素のそれぞれを、等色の原理を満たす第1色、第2色及び第3色で、順次発色させ、
前記撮像制御手段は、前記発色制御手段が、前記単位画素のそれぞれを、前記第1色、第2色及び第3色で発色させる毎に、前記面状部材に接触する接触物の像を、前記各撮像センサを用いて撮像し、
前記色検出手段は、前記第1色、第2色及び第3色で発色させる毎に、前記撮像制御手段によって撮像された、前記接触物の像のそれぞれに基づいて、前記接触物の前記面状部材上における接触部分の色を検出することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の色検出/色出力装置。
【請求項5】
前記発色制御手段は、前記色検出手段によって前記接触部分の色が検出された場合に、前記単位画素を前記第1色、第2色及び第3色で、順次発色させる動作を終了することを特徴とする請求項4に記載の色検出/色出力装置。
【請求項6】
前記第1色は、赤色、緑色、青色及び白色からなる4色のうちのいずれかであり、
前記第2色は、該4色のうち、前記第1色でない残りの3色のうちのいずれかであり、
前記第3色は、該3色のうち、前記第2色でない残りの2色のうちのいずれかであることを特徴とする請求項4又は5に記載の色検出/色出力装置。
【請求項7】
前記接触物が前記面状部材に接触しているか否かを判定する接触判定手段を備えており、
前記発色制御手段は、前記接触判定手段によって前記接触物が前記面状部材に接触していると判定された場合に、前記単位画素を、前記第1色、第2色及び第3色で、順次発色させることを特徴とする請求項4から6までのいずれか1項に記載の色検出/色出力装置。
【請求項8】
前記発色制御手段は、前記エッジ領域に含まれる前記単位画素のみを発色させることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の色検出/色出力装置。
【請求項9】
前記色検出手段が検出した前記接触物の接触部分の色を示す色情報を保持する記憶部を備えていることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の色検出/色出力装置。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の色検出/色出力装置における各手段としてコンピュータを動作させるための色検出/色出力プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の色検出/色出力プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
複数の単位画素と、該単位画素毎に少なくとも1つ設けられた複数の撮像センサとを含む面状部材を用いた色検出/色出力方法であって、
前記単位画素のそれぞれを発色させる発色制御ステップと、
前記発色制御ステップで前記単位画素のそれぞれを発色させた場合の前記面状部材に接触する接触物の像を、前記各撮像センサを用いて撮像する撮像制御ステップと、
前記撮像制御ステップで撮像された前記接触物の像に基づいて、前記接触物の前記面状部材上における接触部分の色を検出する色検出ステップと、
前記面状部材上に、前記色検出ステップで検出した色を表示する検出色表示制御ステップとを含んでいることを特徴とする色検出/色出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−117687(P2010−117687A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292714(P2008−292714)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】