蒸発差によって増強される消毒薬システム
メタノール、エタノール、及びイソプロパノールなどのアルコール並びにアセトンなどのケトンの使用に関連した問題は、生存可能微生物集団に適用したときに、蒸発速度によって生存可能微生物集団がアルコール又はケトンに曝される時間が限られ得ることであり得る。水性混合物としてさえも、アルコール及びケトンは、混合物中のアルコール又はケトン濃度が経時的に減少するに従い混合物の効力を変化させる速度で水性混合物から蒸発し得る。本発明は、抗菌組成物を与える、蒸発差によって増強される消毒薬システム、及びかかる抗菌組成物を使用して、生存可能微生物集団を減少させる方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
蒸発差によって増強される抗菌組成物、及びかかる蒸発差によって増強される抗菌組成物を使用して生存可能微生物集団を減少させる方法。
【背景技術】
【0002】
アルコールは、生存可能微生物集団を減少させるために抗菌製剤に広範に利用されてきた。メタノール、エタノール及びN−ブタノールは発酵によって各々製造することができ、2−プロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノールなどのアルコールは石油化学製品から合成することができる。
【0003】
(イソプロパノールとも称される)2−プロパノールは、生存可能微生物集団を減少させるのにエタノール及びメタノールよりも有効であることが判明したので、その使用は従来の抗菌製剤において普及した。メタノール及びエタノールよりも優れたイソプロパノールの効力は、表1に要約した物性を考慮することによってある程度理解することができる。
【0004】
【表1】
抗菌材料としてのアルコールの効果は、濃度にある程度関連し、標的微生物との接触時間にある程度関連し得る。さらに、微生物集団を減少させるアルコール又は他の抗菌材料の有効性は、Log POWとも称されるそのlog Pにも基づき得る。Log POWは、水で飽和した1−オクタノール(COi)と1−オクタノールで飽和した水(CWi)におけるアルコール又は他の抗菌材料の平衡濃度の比のlog10である。Log POW=log10(COi/CWi)。Log POWの負の値は、水により可溶性である物質を表し、Log POWの正の値はn−オクタノールにより可溶性である物質を表す。一般に、抗菌材料がn−オクタノールに可溶性であるほど、抗菌材料は水溶液中の微生物集団を減少させるのに有効であり得る。イソプロパノールは、Log POWに基づいてメタノール、エタノール及びアセトンよりも有効な抗菌剤であると予測することができる。
【0005】
メタノール、エタノール、及びイソプロパノールなどのアルコール並びにアセトンなどのケトンは、生存可能微生物集団を減少させるのに有効であることが判明したが、その使用に関連したある本質的な問題が未対処のままである。
【0006】
生存可能微生物集団の減少のための組成物における、又は組成物としての、メタノールなどのある種のアルコール及びアセトンなどのある種のケトンの使用に関連した第1の本質的な問題は、その比較的高い蒸気圧及び比較的低い引火点(FP)であり得る。この点に関して、抗菌組成物に従来含まれるアルコール及びケトンは、発火源に直接接触しなくても発火可能であって作業場の危険要因として規制され得る蒸気圧及び引火点を有することがある。さらに、抗菌組成物として、又は抗菌組成物において、従来使用されているアルコール及びケトンは、United States Department of Transportation(「DOT」)指針の下で可燃性材料として輸送されなければならないことがある。可燃性材料は、DOT指針の下で可燃性とみなされない材料よりも輸送に費用がかかり得る。
【0007】
メタノール、エタノール、及びイソプロパノールなどのアルコール並びにアセトンなどのケトンの使用に関連した別の本質的な問題は、生存可能微生物集団に適用したときに、蒸発速度によって生存可能微生物集団がアルコール又はケトンに曝される時間が限られ得ることであり得る。水性混合物としてさえも、アルコール及びケトンは、混合物中のアルコール又はケトン濃度が経時的に減少するに従い混合物の効力を変化させる速度で水性混合物から蒸発し得る。
【0008】
本発明は、抗菌組成物を与える、蒸発差によって増強される消毒薬システム、及びかかる抗菌組成物を使用して、該組成物の有効成分を増強し、表面の調整(conditioning)、清浄化又は消毒において生存可能微生物集団を減少させる方法を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の大まかな目的は、蒸発差によって増強される抗菌組成物を含む蒸発差によって増強される消毒薬システム、及びかかる蒸発差によって増強される抗菌組成物を使用して生存可能微生物集団を減少させる方法を提供することであり得る。
【0010】
「消毒薬」という用語は、生存可能微生物集団に接触すると、生存可能微生物集団において2−log10を超える桁の減少(99%を超える減少)をもたらす(本明細書では「抗菌組成物」とも称する)組成物を意味する。「消毒」という用語は、生存可能微生物集団における2−log10を超える桁の減少(99%を超える減少)を意味する。「生存可能微生物」という用語は、生殖能力のある微生物を意味する。「生存可能微生物集団の減少」という用語は、微生物集団の全部又は一部を死滅させることによって達成されようと、微生物集団の全部又は一部の生殖能力を奪うことによって達成されようと、微生物集団の全部又は一部を生殖不能にすることを意味する。「蒸発差によって増強される」という用語は、生存可能微生物集団に適用するのとほぼ同時であろうと、適用後に一定期間経過した後であろうと、2−log10を超える桁の生存可能微生物集団の減少をもたらす組成物に含まれる不活性剤(単数又は複数)の蒸発速度の増加に起因する、組成物に含まれる抗菌活性剤(単数又は複数)の濃度の維持又は増加を意味する。
【0011】
本発明の第2の大まかな目的は、各々他方に可溶性であり、抗菌活性剤濃度の維持又は増加をある期間にわたってもたらすラウールの法則に従う液相と気相の平衡を各々確立した、ある量の抗菌活性剤とある量の不活性剤の混合物を含む、蒸発差によって増強される抗菌組成物を提供することであり得る。蒸発差によって増強される抗菌組成物のある実施形態はある量の1種類の抗菌活性剤及びある量の1種類の不活性剤を含み得るが、本発明はそのように限定されず、蒸発差によって増強される抗菌組成物を与える種々の順列及び組合せで確立された濃度で、ある量の抗菌剤は少なくとも1種類の抗菌活性剤又は複数の抗菌活性剤を含むことができ、ある量の不活性剤は少なくとも1種類の不活性剤又は複数の不活性剤を含むことができる。図1によって示されるように、ラウールの法則に従って平衡化した、混合物中の1つの構成要素の液相濃度と気相濃度の関係は、線Aで表される。
【0012】
本発明の第3の大まかな目的は、各々他方に可溶性であり、抗菌活性剤濃度の維持又は増加をある期間にわたってもたらす共沸混合物として液相と気相の平衡を各々確立した、ある量の抗菌活性剤とある量の不活性剤の混合物を含む、蒸発差によって増強される抗菌組成物を提供することであり得る。この場合もまた、蒸発差によって増強される抗菌組成物のある実施形態はある量の1種類の抗菌活性剤及びある量の1種類の不活性剤を含み得るが、本発明はそのように限定されず、共沸混合物として蒸発差によって増強される抗菌組成物を与える種々の順列及び組合せで確立された濃度で、ある量の抗菌剤は少なくとも1種類の抗菌活性剤又は複数の抗菌活性剤を含むことができ、ある量の不活性剤は少なくとも1種類の不活性剤又は複数の不活性剤を含むことができる。図1によって示されるように、共沸組成から平衡化した、混合物中の1つの構成要素の液相濃度と気相濃度の関係は、線B及びGで示される。
【0013】
非限定的一例として、線Gは、非限定的一例としてある量の水と組み合わせられたある量のジアセトンアルコールを含めて、二成分共沸混合組成物の液相と気相の平衡を表す。線G上の点Hは共沸点であり、ジアセトンアルコールの特定の例では、ジアセトンアルコールと水の組合せ100グラム当たりジアセトンアルコール約12.7グラム、又は約13.4%ジアセトンアルコール体積対体積(「v/v」)の濃度に対応し得る。蒸発するときに共沸混合物において確立された組成物は、液体としての組成物の最初の濃度と同じ構成要素比を有する蒸気を生成する。しかし、水中20%(v/v)などの初濃度(線G上の点J)のジアセトンアルコールでは、蒸気平衡が線G上の点K及び点Lに向かって右方にシフトし、気相への水の損失差が増加する。逆に、10%(v/v)などの初濃度のジアセトンアルコールでは、蒸気平衡が線G上で左方にシフトし、気相へのジアセトンアルコールの損失差が増加する。
【0014】
図1に示す13.4%(v/v)(H)の共沸点に基づくと、例えば、水中10%(v/v)などの初濃度のジアセトンアルコールは抗菌組成を規定せず、次いで微生物集団と流体的に接触するジアセトンアルコールと水の組成物の量の全部又は一部が蒸発しても、組成物中のジアセトンアルコールの濃度は増加せず、むしろ水中のジアセトンアルコール濃度はある期間にわたって減少する。したがって、水中の初濃度10%(v/v)のジアセトンアルコールは、生存可能微生物集団を減少させる抗菌活性組成に向かって、標準大気圧で増強されないかもしれない。
【0015】
逆に、水中の共沸点を超える初濃度のジアセトンアルコールが抗菌組成を規定しないが、より高濃度のジアセトンアルコールが抗菌組成を規定する場合、微生物集団と流体的に接触するジアセトンアルコールと水の組成物の量の全部又は一部の蒸発によって、組成物中のジアセトンアルコールの濃度がある期間にわたって増加し、組成物が増強されて、生存可能微生物集団を減少させることができる抗菌活性組成物を与えることができる。
【0016】
さらに、水中の共沸点を超える初濃度のジアセトンアルコールが抗菌組成を規定する場合、ジアセトンと水の組成物の量の全部又は一部の蒸発によって、抗菌組成物中のジアセトンアルコールの濃度がある期間にわたって増加し得る。したがって、ある量の抗菌組成物の蒸発が抗菌活性を失わずに起こることができ、抗菌組成物が増強されて、初濃度の抗菌組成物よりも高レベルの抗菌活性を与えることができる。
【0017】
本発明の第4の大まかな目的は、微生物集団を減少させるのに従来の抗菌組成物と同等に有効である、又は従来の抗菌組成物よりも有効である、蒸発差によって増強される抗菌組成物を提供することであり得る。ここで主に表2及び図1を参照すると、70%イソプロパノール水溶液の従来の抗菌組成は、約87.40%(w/w)又は89.83%(v/v)の共沸点(線B、点C参照)をかなり下回ると理解することができる。したがって、従来のイソプロパノール水溶液抗菌組成物の量の全部又は一部の蒸発によって、液体−蒸気平衡は線B上の点D、E及びFに向かって左方にシフトし、液相のイソプロパノール濃度はある期間にわたって減少し得る。その結果、かかる量のイソプロパノール水溶液の抗菌効力レベルは、蒸発によってある期間にわたって低下し、又は失われ得る。逆に、15%(v/v又はw/w)ジアセトンアルコールの本発明の蒸発差によって増強される抗菌組成は、約12.70(w/w)又は13.43%(v/v)の共沸点をかなり上回る。さらに、15%(v/v)ジアセトンアルコール水溶液の本発明の蒸発差によって増強される抗菌組成物のこの特定の実施形態を調製するための組成物体積当たりの抗菌活性剤の割合は、70%(v/v)イソプロパノール水溶液の従来の抗菌組成物を調製するよりも少ない。
【0018】
【表2】
ここで主に図2を参照すると、線Aは、蒸発に起因する70%(v/v)イソプロパノール水溶液(従来の抗菌組成物)の液量変化を示し、線Bは、同じ液量変化中に生じる同じ70%(v/v)イソプロパノール水溶液の液相濃度変化を表す。この特定の例に関して、ある量の70%(v/v)イソプロパノール水溶液の完全な蒸発は、約15時間単位(time unit)にわたって起こり得る。線Cは、蒸発に起因する20%(v/v)ジアセトンアルコール水溶液(本発明の蒸発差抗菌組成物の特定の実施形態)の液量変化を表し、線Dは、同じ液量変化中に生じる同じ20%(v/v)ジアセトンアルコール水溶液の液相濃度変化を表す。この場合、完全な蒸発は、約75時間単位内に起こり得る。比較してみると、20%(v/v)ジアセトンアルコール水溶液は、表3に示すように蒸発がより低速で起こるので、追加の量の再塗布なしで、従来の抗菌組成物よりも長期間微生物集団と接触することができる。
【0019】
【表3】
主に図2、線Bを再度参照すると、10%(v/v)イソプロパノールが生存可能微生物集団の任意の減少をもたらす最小有効濃度である場合、最後の2〜5時間単位中に残るイソプロパノールの濃度は、組成物中のイソプロパノールの濃度が蒸発によって10%(v/v)未満に低下するので、生存可能微生物集団の更なる減少をもたらさないかもしれない。それに対して、線Cは20%(v/v)ジアセトンアルコール水溶液の液量変化を表し、線Dはジアセトンアルコール水溶液の濃度変化を表す。この非限定的例に関して、10%ジアセトンアルコール(v/v)が抗菌組成物を与える最小濃度である場合、蒸発差によって増強される抗菌組成物の実施形態に従ってジアセトンアルコール濃度は75時間単位にわたって増加するので、75時間単位全体が抗菌組成物を与える。
【0020】
本発明の第5の大まかな目的は、約−1.0から+1.0の、又は約−0.30から約+1.0の好ましい範囲の、Log Pを有する1種類以上の抗菌活性剤を使用する、蒸発差によって増強される抗菌組成物を提供することであり得る。Log P値が約1.0又は1.5を超える溶媒は、通常、水と混和性ではなく、ある種の微生物によって許容され得る。糖、アミノ酸、及び他の高水溶性材料など、大きい負のLog P値を有する物質も、典型的には、大部分の微生物によって許容される。本発明の蒸発差によって増強される抗菌組成物の実施形態の非限定的一例は、約−0.14のLog Pを有する20%(v/v)ジアセトンアルコール(CAS123−42−2)を提供する。比較として、約+0.05のイソプロパノールのLog Pは、20%(v/v)ジアセトンアルコール水溶液に比べてまさるとも劣らないが、イソプロパノール水溶液の混合物は上で考察した欠点のすべてを有する。
【0021】
本発明の第6の大まかな目的は、蒸発差によって増強される抗菌組成物を多種多様な物質群から特定することができる方法を提供することであり得る。
【0022】
当然のことながら、本発明の更なる目的は、本明細書の他の部分、図面及び特許請求の範囲全体を通して開示される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】一構成要素の液相濃度と気相濃度の関係を示した気相−液相平衡図である。
【図2】特定の従来及び本発明の混合物(mixure)に対する構成要素の液相濃度変化と液相体積変化の関係を示したグラフである。
【図3】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態において利用することができる物質を選択する特定の方法のステップを示したブロック図である。
【図4】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のアルファヒドロキシケトンの化学構造を示す。
【図5】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のベータヒドロキシケトンの化学構造を示す。
【図6】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のエチレングリコールモノエーテルの化学構造を示す。
【図7】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のエチレングリコールジエーテルの化学構造を示す。
【図8】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のエチレングリコールエーテルエステルの化学構造を示す。
【図9】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のプロピレングリコールモノエーテルの化学構造を示す。
【図10】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のプロピレングリコールジエーテルの化学構造を示す。
【図11】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のプロピレングリコールエーテルエステルの化学構造を示す。
【図12】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のブチレングリコールモノエーテルの化学構造を示す。
【図13】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のブチレングリコールジエーテルの化学構造を示す。
【図14】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のブチレングリコールモノエーテルエステルの化学構造を示す。
【図15】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のエチレングリコールモノエステルの化学構造を示す。
【図16】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のエチレングリコールジエステルの化学構造を示す。
【図17】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のプロピレングリコールモノエステルの化学構造を示す。
【図18】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のプロピレングリコールジエステルの化学構造を示す。
【図19】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のプロピレングリコールジエステルの化学構造を示す。
【図20】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のブチレングリコールエステルの化学構造を示す。
【図21】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のオキシムの化学構造を示す。
【図22】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のジメチルアミノアルコールの化学構造を示す。
【図23】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のピリジンの化学構造を示す。
【図24】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定の脂肪族アルコールの化学構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
一般に、蒸発差によって増強される抗菌組成物、及びかかる蒸発差によって増強される抗菌組成物を使用して生存可能微生物集団を減少させる方法。具体的には、不活性剤に可溶な抗菌活性剤を含む抗菌組成物であって、該抗菌活性剤は蒸発差によって増強されて生存可能微生物集団を減少させる。
【0025】
ここで主に図3を参照すると、ブロック図は、蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態において利用することができる物質を選択する特定の方法のステップを示す。第1の選択ステップ(1)においては、ある量の物質(2)がある量の水(3)に約5℃から約90℃の温度で約760mmHgで十分に混和性又は高度に可溶性であるかどうかに関して判定することができる。ある量の物質(2)とある量の水(3)の混和性は、標準温度・圧力条件下で水中に可溶化したある量の物質の分配係数を測定することによって評価することができる。
【0026】
上述したように、ある量の物質(2)がある量の水(3)に十分に混和性又は高度に可溶性であることを示すことができる場合、第2の選択ステップ(4)において、ある量の物質(2)が標準大気圧で約0℃未満、より好ましくは約−20℃未満の融点を有するかどうかに関して判定することができる。ある量の物質の融点は、参照により本明細書に援用するProduct Properties Test Guidelines,OPPTS 830.7200,Melting Point/Melting Point Range,United States Environmental Protection Agency(1996)に記載のように融点測定を実施することによって測定することができる。
【0027】
ある量の物質(2)が約0℃未満の融点を有することを示すことができる場合、第3の選択ステップ(5)において、ある量の物質が標準大気圧で約110℃を超える、好ましくは約140℃を超える沸点を有するかどうかに関して判定することができる。ある量の物質の沸点は、参照により本明細書に援用するProduct Properties Test Guidelines,OPPTS 830.7220,Boiling Point/Boiling Point Range,United States Environmental Protection Agency(1996)に記載のように沸点測定を実施することによって測定することができる。
【0028】
ある量の物質(2)が標準大気圧で約110℃を超える沸点を有する場合、第4の選択ステップ(6)において、水の非存在下で、ある量の物質(2)が標準大気圧で約40℃を超える引火点を有するかどうかに関して判定することができる。ある量の物質の引火点は、参照により本明細書に援用するASTM D7094−04 Standard Test Method for Flash Point by Modified Continuously Closed Cup(MCCCFP) Tester,ASTM International(2007)に記載のように引火点測定を実施することによって測定することができる。
【0029】
水の非存在下で、ある量の物質(2)が標準大気圧で約40℃を超える引火点を有する場合、第5の選択ステップ(7)において、ある量の物質(2)がある量の水(3)と組み合わせたときに標準大気圧で約70℃を超える引火点を有するかどうかに関して判定することができる。この引火点評価は、上述したように実施することができる。
【0030】
ある量の物質(2)がある量の水(3)と組み合わせたときに標準大気圧で約70℃を超える引火点を有する場合、第6の選択(8)において、ある量の物質(2)が約−0.20から約+0.8のLog P値を有するかどうかに関して判定することができる。ある量の物質(2)のLog Pは、「Slow−stirred Method for Determining the n−Octanol/Water Partition Coefficient(POW) for Highly Hydrophobic Chemicals:Performance Evaluation in a Ring Test,Environmental Toxicology and Chemistry,Vol.22,Issue 5(May 2003)に記載のようにLog P測定を実施することによって評価することができる。
【0031】
ある量の物質(2)が約−0.20から約+0.8のLog P値を有する場合、第7の選択ステップ(9)において、蒸発差によって増強される組成物(10)を生成することができる、ある量の水(3)と組み合わせたある量の物質(2)の濃度範囲に関して決定することができる。この範囲は、図1に示すように、さらに上述したように、気相−液相平衡の生成によって評価することができる。
【0032】
ある濃度範囲のある量の物質(2)が蒸発差によって増強される組成物(10)を生成する場合、第8の選択ステップ(11)において、特定された蒸発差によって増強される組成物(10)が、流体接触によって生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすかどうかに関して判定して、蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を特定し、単離することができる。蒸発差によって増強される組成物(10)が、蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を更にもたらすかどうかを判定する特定の非限定的アッセイは、Mueller Hinton Broth(MHB)中で調製され、約0.5 McFarland濁度基準まで懸濁されたStaphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI PS 10、Salmonella Choleraesuis(ATCC13312、MRI SC 1又は他の選択されたSC)などの微生物の培養物を提供することである。これらの細菌培養物は、希釈して、濃度約107から約103CFU/mlを得ることができ、各希釈物10μlをカバーガラスに無菌白金耳を用いて塗り広げ、乾燥させることができる。その後、105から102CFUを含むカバーガラスをペトリ皿の内側に置くことができる。Germicidal Spray Products as Disinfectants,Method 961.02,AOAC International(2004)に記載のように、異なる濃度のある量の物質をネブライザーを用いてカバーガラスに塗布することができる。
【0033】
非限定的一例として、イソプロピルアルコール(IPA)及びジアセトンアルコール(DAA)は、IPAの水性混合物を濃度55%w/w、20%w/w及び5%w/wで得ることによって、上述したように評価することができる。DAAは、水中60%w/w、10%w/w及び6%w/wの濃度にすることによって評価することができる。ある量の各濃度のIPA及びDAAを対応するカバーガラスに塗布し、蒸発乾固させることができる。カバーガラスに対して軽く押し付けられた栄養寒天によって、カバーガラス上の微生物と栄養寒天を接触させることができる。栄養寒天をカバーガラスに接触した状態で37℃で48時間インキュベートし、次いでカバーガラスが栄養寒天に接触した領域における微生物の生殖を観察することができる。未処理のカバーガラスを正の対照として使用することができる。この方法を利用する特定の例を下に示す。
【0034】
追加の第9の選択ステップ(13)は、完全蒸発後に処理表面に残留するある量の蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を検出することができないという理由であろうと、完全蒸発後に処理表面に残留するある量の蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)が残渣を残さずに蒸発して産業界に受け入れられた指針を満たすという理由であろうと、ステップ8(11)で特定された蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)が残渣(14)を残さずに蒸発乾固するかどうかに関する判定を含むことができる。
【0035】
やはり追加の第10の選択ステップ(15)として、単離された蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)の各々が、単離された蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)が生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもらすのに利用されるのを排除するのに十分大きな環境、作業場又は健康上の有害な問題(16)を招くかどうかに関して判定することができる。
【0036】
やはり追加の第11の選択ステップ(17)においては、単位当たりのコストが、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすのに利用されることから、単離された蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を利用することに対して経済的障壁(18)を招くかどうかに関して判定することができる。
【0037】
主に図3を再度参照すると、蒸発差によって増強される組成物を選択する方法を多種多様な物質(2)に適用することによって、不活性剤(21)に可溶な抗菌活性剤(20)として利用して多種多様な蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を生成することができる、幾つかのグループの蒸発差によって増強される組成物(10)が特定された。しかしながら、特定された蒸発差によって増強される組成物(10)は、更なる蒸発差によって増強される組成物(10)を特定する方法の使用に関して限定的であることを意図するものではなく、本発明によって包含される蒸発差によって増強される組成物(10)及び蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)の範囲に関して限定的であることを意図するものでもない。そうではなく、記述する特定の方法は、本明細書に記載され、代替方法によって特定及び単離することができる、多種多様な蒸発差によって増強される組成物(10)及び蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を特定し、製造し、使用する方法の実際的な例を当業者に提供することを意図するものである。
【0038】
ここで主に図4を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、2−ヒドロキシ−3−ペンタノン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンタノン、3−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンタノン、3−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−5−オクタノンからなる群から選択されるアルファヒドロキシケトンを含むことができる。
【0039】
アルファヒドロキシケトンは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とアルファヒドロキシケトンの混合物からアルファヒドロキシケトンよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の前記不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0040】
ここで主に図5を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、1−ヒドロキシ−3−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(DAA)、4−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、5−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘプタノン、3−ヒドロキシ−3−メチル−5−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−ヘキサノンからなる群から選択されるベータヒドロキシケトンを含むことができる。
【0041】
ベータヒドロキシケトンは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とベータヒドロキシケトンの混合物からベータヒドロキシケトンよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の前記不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0042】
本発明の蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)の特定の実施形態の単なる非限定的一例として、ある量の(「ジアセトンアルコール」又は「DAA」とも称される)4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンを水と組み合わせて、約10%から約95%4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)、又は約20%から約95%4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)、又は約20%から約40%4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)、又は10%以上の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)、又は水が4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンよりも高速で混合物から蒸発できるようにする共沸点を超えるある濃度の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)を提供することができる。
【0043】
ここで主に表4及び図5を参照すると、DAAを種々の濃度で水中に含む本発明の蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)の実施形態を上述したように試験し、上述したように試験した種々の濃度のIPA水溶液と比較した。表4に示す結果から理解することができるように、水中の濃度6%及び25%のIPAは、生存可能微生物集団を減少させなかった。IPAとDAAが混合物から水よりも高速で蒸発する濃度のIPAとDAAは、同様に機能して、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%未満に微生物集団を減少させた。水がDAAよりも高速で混合物から蒸発する濃度のDAAは、70%IPA(v/v)よりも微生物集団の減少が大きく、水よりも高速で混合物から蒸発する濃度のDAAよりも微生物集団の減少が大きかった。
【0044】
【表4】
「XXX」は、コロニーが存在しなかったプレートを示し、微生物数の完全な減少(>5Log10の減少)を表す。
【0045】
「XXx」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の1%未満であったプレートを示し、微生物数のほぼ完全な減少(>4Log10の減少)を表す。
【0046】
「XX」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の10%未満であったプレートを示し、微生物数のかなりの減少(>3Log10の減少)を表す。
【0047】
「X」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%未満であったプレートを示し、微生物数の減少(<2Log10の減少)を表す。
【0048】
「−−−0−−−」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%を超えたプレートを示し、生存可能微生物集団の大きな減少がないこと(0から1Log10の減少)を表す。
【0049】
ここで主に表5及び図5を参照すると、水中約3%から15%(v/v)の濃度のDAAを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について比較試験して、DAAの蒸発による増強の非限定的一例とした。非蒸発手順と蒸発手順は、円錐形の底部を備えた各2mL無菌プラスチックバイアルに添加され、キャップなしで30分間遠心分離乾燥させた終夜Staphylococcus aureus(ATCC6538、約109CFU/mL)培養物50μLを含んだ。試験溶液100マイクロリットルを(3つ組バイアルとして)各バイアルに添加し、60分間放置(非蒸発)又は60分間遠心分離蒸発(蒸発)させた。蒸発時間は、各DAA混合物特有の蒸発特性によって決定された。非蒸発バイアルに、Mueller Hinton Broth(MHB)400μLをバイアルに添加し、100μLを栄養寒天(NA)上に蒔いた。蒸発バイアルにMHB 500μLを添加し、100μLをNA上に蒔いた。プレートを約37℃で終夜インキュベートし、数えた(「増強アッセイ」)。
【0050】
表5に示す結果から理解することができるように、全試験濃度におけるDAAは蒸発によって増強することができる。対照的に、IPAは、蒸発が起こるにつれて抗菌組成物としてより有効でなくなり、増強することができない。
【0051】
【表5】
「XXX」は、コロニーが存在しなかったプレートを示し、微生物数の完全な減少(>5 Log10の減少)を表す。
【0052】
「XXx」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の1%未満であったプレートを示し、微生物数のほぼ完全な減少(>4Log10の減少)を表す。
【0053】
「XX」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の10%未満であったプレートを示し、微生物数のかなりの減少(>3Log10の減少)を表す。
【0054】
「X」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%未満であったプレートを示し、微生物数の減少(<2Log10の減少)を表す。
【0055】
「−−−0−−−」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%を超えたプレートを示し、生存可能微生物集団の大きな減少がないこと(0から1Log10の減少)を表す。
【0056】
ここで主に図6を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(EGMBE)、エチレングリコールモノペンチルエーテル及びエチレングリコールモノヘキシルエーテルからなる群から選択されるエチレングリコールモノエーテルを含むことができる。
【0057】
エチレングリコールモノエーテルは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(20)が不活性剤(20)とエチレングリコールモノエーテルの混合物からエチレングリコールモノエーテルよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤(20)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0058】
ここで主に表6及び図6を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約15%から約30%(v/v)の濃度のEGMBEを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、EGMBEの蒸発による増強の非限定的一例とした。
【0059】
表6に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のEGMBEは、蒸発によって増強することができる。
【0060】
【表6】
ここで主に図7を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル及びエチレングリコールジプロピルエーテルからなる群から選択されるエチレングリコールジエーテルを含むことができる。
【0061】
エチレングリコールジエーテルは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とエチレングリコールジエーテルの混合物からエチレングリコールジエーテルよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0062】
ここで主に図8を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート(EGMEA)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチラート及びエチレングリコールモノエチルエーテルブチラートからなる群から選択されるエチレングリコールエーテルエステルを含むことができる。
【0063】
ここで主に表7及び図8を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約15%から約30%(v/v)の濃度のEGMEAを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、EGMEAの蒸発による増強の非限定的一例とした。
【0064】
表6に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のEGMEAは、蒸発によって増強することができる。
【0065】
【表7】
ここで主に図9を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールモノペンチルエーテルからなる群から選択されるプロピレングリコールモノエーテルを含むことができる。
【0066】
ここで主に図10を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールジメチルエーテル及びプロピレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択されるプロピレングリコールジエーテルを含むことができる。
【0067】
ここで主に図11を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチラートからなる群から選択されるプロピレングリコールエーテルエステルを含むことができる。
【0068】
ここで主に図12を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノプロピルエーテル及びブチレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択されるブチレングリコールモノエーテルを含むことができる。
【0069】
ここで主に図13を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールジメチルエーテル及びブチレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択されるブチレングリコールジエーテルを含むことができる。
【0070】
ここで主に図14を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールモノメチルエーテルホルマートエステル及びブチレングリコールモノエチルエーテルアセタートからなる群から選択されるブチレングリコールモノエーテルエステルを含むことができる。
【0071】
ここで主に図15を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノプロピルエステル、エチレングリコールモノブチルエステル、エチレングリコールモノペンチルエステル及びエチレングリコールモノヘキシルエステルからなる群から選択されるエチレングリコールモノエステルを含むことができる。
【0072】
プロピレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、プロピレングリコールエーテルエステル、ブチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、ブチレングリコールモノエーテルエステル又はエチレングリコールモノエステルを含めて、図9〜15に示す蒸発差によって増強される組成物(10)に関して、各々は、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とプロピレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、プロピレングリコールエーテルエステル、ブチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、ブチレングリコールモノエーテルエステル又はエチレングリコールモノエステルとの混合物から抗菌活性剤(20)の対応する1種類よりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0073】
ここで主に図16を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールジメチルエステル、エチレングリコールジエチルエステル(EGDA)及びエチレングリコールジプロピルエステルからなる群から選択されるエチレングリコールジエステルを含むことができる。
【0074】
ここで主に表8及び図16を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約10%から約30%(v/v)の濃度のEGDAを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、EGDAの蒸発による増強の非限定的一例とした。
【0075】
表8に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のEGDAは、蒸発によって増強することができる。
【0076】
【表8】
ここで主に図17を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールモノメチルエステル、プロピレングリコールモノエチルエステル、プロピレングリコールモノプロピルエステル、プロピレングリコールモノブチルエステル及びプロピレングリコールモノペンチルエステルからなる群から選択されるプロピレングリコールモノエステルを含むことができる。
【0077】
ここで主に図18を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールジメチルエステル、プロピレングリコールジエチルエステル、プロピレングリコールジプロピルエステル、プロピレングリコールジブチルエステル及びプロピレングリコールジペンチルエステルからなる群から選択されるプロピレングリコールジエステルを含むことができる。
【0078】
ここで主に図19を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールジメチルエステル、ブチレングリコールジエチルエステル、ブチレングリコールジプロピルエステル又はブチレンプロピレングリコールジブチルエステルからなる群から選択されるブチレングリコールジエステルを含むことができる。
【0079】
ここで主に図20を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールメチルエステル又はブチレングリコールエチルエステルからなる群から選択されるブチレングリコールエステルを含むことができる。
【0080】
上記群から選択されるグリコールエステル、プロピレングリコールモノエステル、プロピレングリコールジエステル、ブチレングリコールジエステル、ブチレングリコールエステルは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とグリコールエステル、プロピレングリコールモノエステル、プロピレングリコールジエステル、ブチレングリコールジエステル又はブチレングリコールエステルとの混合物から抗菌活性剤(20)の対応する1種類よりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0081】
ここで主に図21を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、2−ブタノンオキシム(MEKO)、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム(MEKO)、2−ペンタノンオキシム、3−ペンタノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、2−ヘキサノンオキシム、3−ヘキサノンオキシム及びシクロヘキサノンオキシムからなる群から選択されるオキシムを含むことができる。
【0082】
ここで主に表9及び図21を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約10%から約30%(v/v)の濃度のMEKOを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、EGDAの蒸発による増強の非限定的一例とした。
【0083】
表9に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のMEKOは、蒸発によって増強することができる。
【0084】
【表9】
ここで主に図21を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、2−ジメチルアミノエタノール(DMEA)、2−ジメチルアミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−ブタノール及び3−ジメチルアミノ−2−ブタノールからなる群から選択されるジメチルアミノアルコールを含むことができる。
【0085】
ここで主に表10及び図22を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約10%から約30%(v/v)の濃度のDMEAを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、DMEAの蒸発による増強の非限定的一例とした。
【0086】
表10に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のMEKOは、蒸発によって増強することができる。
【0087】
【表10】
ここで主に図23を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ピリジン、2−メチルピラジン、3−メチルピラジン、4−メチルピラジンからなる群から選択されるピリジンを含むことができる。
【0088】
上記群から選択されるピリジンは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とピリジンの混合物からピリジンよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0089】
ここで主に図24を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、1−ブタノール及び2−ブタノールからなる群から選択される脂肪族アルコールを含むことができる。
【0090】
上記群から選択される脂肪族アルコールは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とブタノールの混合物からブタノールよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0091】
上記から容易に理解することができるように、本発明の基本概念は、種々の方法で具体的に表現することができる。本発明は、蒸発差によって増強される消毒薬システム、並びにかかる蒸発差によって増強される消毒薬システムを製造及び使用する方法の多種多様な実施形態を含む。
【0092】
したがって、上記記述によって開示される、又は本願に添付された図に示される、本発明の特定の実施形態又は要素は、限定的であることを意図するものではなく、本発明によって包括的に含まれる多種多様な実施形態、又はその任意の特定の要素に関して包含される等価物の例示である。さらに、本発明の単一の実施形態又は要素の具体的記述は、可能なすべての実施形態又は要素を明示的には記述しないことがあり、多数の代替物が上記記述及び図によって暗黙的に開示される。
【0093】
装置の各要素、又は方法の各ステップは、装置用語又は方法用語によって記述され得ることを理解すべきである。かかる用語は、所望であれば、本発明が権利を与えられる暗黙的に広範な適用範囲を明確にするために代えることができる。単なる一例として、方法の全ステップは、作用、該作用を行う手段、又は該作用を引き起こす要素として開示し得ることを理解すべきである。同様に、装置の各要素は、物理的要素、又は該物理的要素が促進する作用として開示することができる。単なる一例として、「消毒薬」の開示は、明示的に考察してもしなくても「消毒」行為の開示を包含すると理解すべきである。逆に、「消毒」行為が有効に開示された場合、かかる開示は、「消毒薬」、さらには「消毒手段」の開示を包含すると理解すべきである。各要素又はステップのかかる代替用語は、上記記述に明示的に含まれると理解すべきである。
【0094】
さらに、使用する各用語に関して、本願におけるその利用がかかる解釈と矛盾しない限り、一般的な辞書の定義は、各定義が参照により本明細書に援用されるRandom House Webster’s Unabridged Dictionary,second editionに収録された各用語の記述に含まれると理解すべきであることを理解すべきである。
【0095】
したがって、本出願人(単数又は複数)は、少なくとも、i)本明細書に開示され、記述された、蒸発差によって増強される組成物、及び蒸発差によって増強される抗菌組成物の各々、ii)開示され、記述された関連方法、iii)これらの装置及び方法の各々の類似の、等価な、さらには暗黙の変形物、iv)示され、開示され、又は記述された機能の各々を達成する代替実施形態、v)開示され、記述されたものを達成するために、示された機能の各々を達成する代替の設計及び方法が内在される、vi)別々の独立した発明として示される各特徴、成分及びステップ、vii)開示される種々のシステム又は成分によって増強される適用例(applications)、viii)かかるシステム又は成分によって製造される生成物、ix)添付の例のいずれかに関連して、上でおおむね記述された方法及び装置、x)開示された従前の要素の各々の種々の組合せ及び順列を請求することを理解されるべきである。
【0096】
本特許出願の背景の項は、本発明が属する事業分野を記載したものである。この項は、技術状況についての情報、問題又は懸念を本発明が導かれるものに関係づけるのに有用である、ある米国特許、特許出願、刊行物又は本発明の主題の言い換え(paraphrasing)を組み入れ、又は含むこともできる。本明細書に引用又は援用される任意の米国特許、特許出願、刊行物、記載又は他の情報を本発明に関する従来技術として認めるものと読み取り、解釈し、又は考えることは意図されない。
【0097】
本明細書に記載の特許請求の範囲は、該当するならば、本発明のこの記述の一部として参照により本明細書に援用され、本出願人は、かかる特許請求の範囲のかかる援用された内容の全部又は一部を、特許請求の範囲又はその任意の要素若しくは成分のいずれか又は全部を裏づける追加の記述として使用する権利を明確に保有し、本出願人は、さらに、かかる特許請求の範囲又はその任意の要素若しくは成分の援用された内容の任意の部分又は全部を必要に応じて上記記述から特許請求の範囲に移動して、又は特許請求の範囲から上記記述に移動して、本願によって、又はその任意の後続の出願、継続、分割若しくは一部継続出願によって保護が求められる事項を規定する権利、又は任意の国若しくは条約の特許法、規則若しくは規制の任意の利益、該特許法、規則若しくは規制に準ずる料金の減額を得る権利、又は該特許法、規則若しくは規制に従う権利を明確に保有する。参照により援用されるかかる内容は、その任意の後続の継続、分割若しくは一部継続出願又はそれについての任意の再発行若しくは延長を含めて、本願の係属中全体を通して存続するものとする。
【0098】
さらに、添付の特許請求の範囲は、本発明の限定された数の好ましい実施形態の境界線を記述することを意図し、本発明の最も広い実施形態、又は特許請求することができる本発明の実施形態の完全なリストと解釈すべきではない。本出願人は、上に示した記述に基づいて更なる特許請求の範囲を任意の継続、分割若しくは一部継続出願又は類似の出願の一部として展開するいかなる権利も放棄しない。
【技術分野】
【0001】
蒸発差によって増強される抗菌組成物、及びかかる蒸発差によって増強される抗菌組成物を使用して生存可能微生物集団を減少させる方法。
【背景技術】
【0002】
アルコールは、生存可能微生物集団を減少させるために抗菌製剤に広範に利用されてきた。メタノール、エタノール及びN−ブタノールは発酵によって各々製造することができ、2−プロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノールなどのアルコールは石油化学製品から合成することができる。
【0003】
(イソプロパノールとも称される)2−プロパノールは、生存可能微生物集団を減少させるのにエタノール及びメタノールよりも有効であることが判明したので、その使用は従来の抗菌製剤において普及した。メタノール及びエタノールよりも優れたイソプロパノールの効力は、表1に要約した物性を考慮することによってある程度理解することができる。
【0004】
【表1】
抗菌材料としてのアルコールの効果は、濃度にある程度関連し、標的微生物との接触時間にある程度関連し得る。さらに、微生物集団を減少させるアルコール又は他の抗菌材料の有効性は、Log POWとも称されるそのlog Pにも基づき得る。Log POWは、水で飽和した1−オクタノール(COi)と1−オクタノールで飽和した水(CWi)におけるアルコール又は他の抗菌材料の平衡濃度の比のlog10である。Log POW=log10(COi/CWi)。Log POWの負の値は、水により可溶性である物質を表し、Log POWの正の値はn−オクタノールにより可溶性である物質を表す。一般に、抗菌材料がn−オクタノールに可溶性であるほど、抗菌材料は水溶液中の微生物集団を減少させるのに有効であり得る。イソプロパノールは、Log POWに基づいてメタノール、エタノール及びアセトンよりも有効な抗菌剤であると予測することができる。
【0005】
メタノール、エタノール、及びイソプロパノールなどのアルコール並びにアセトンなどのケトンは、生存可能微生物集団を減少させるのに有効であることが判明したが、その使用に関連したある本質的な問題が未対処のままである。
【0006】
生存可能微生物集団の減少のための組成物における、又は組成物としての、メタノールなどのある種のアルコール及びアセトンなどのある種のケトンの使用に関連した第1の本質的な問題は、その比較的高い蒸気圧及び比較的低い引火点(FP)であり得る。この点に関して、抗菌組成物に従来含まれるアルコール及びケトンは、発火源に直接接触しなくても発火可能であって作業場の危険要因として規制され得る蒸気圧及び引火点を有することがある。さらに、抗菌組成物として、又は抗菌組成物において、従来使用されているアルコール及びケトンは、United States Department of Transportation(「DOT」)指針の下で可燃性材料として輸送されなければならないことがある。可燃性材料は、DOT指針の下で可燃性とみなされない材料よりも輸送に費用がかかり得る。
【0007】
メタノール、エタノール、及びイソプロパノールなどのアルコール並びにアセトンなどのケトンの使用に関連した別の本質的な問題は、生存可能微生物集団に適用したときに、蒸発速度によって生存可能微生物集団がアルコール又はケトンに曝される時間が限られ得ることであり得る。水性混合物としてさえも、アルコール及びケトンは、混合物中のアルコール又はケトン濃度が経時的に減少するに従い混合物の効力を変化させる速度で水性混合物から蒸発し得る。
【0008】
本発明は、抗菌組成物を与える、蒸発差によって増強される消毒薬システム、及びかかる抗菌組成物を使用して、該組成物の有効成分を増強し、表面の調整(conditioning)、清浄化又は消毒において生存可能微生物集団を減少させる方法を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の大まかな目的は、蒸発差によって増強される抗菌組成物を含む蒸発差によって増強される消毒薬システム、及びかかる蒸発差によって増強される抗菌組成物を使用して生存可能微生物集団を減少させる方法を提供することであり得る。
【0010】
「消毒薬」という用語は、生存可能微生物集団に接触すると、生存可能微生物集団において2−log10を超える桁の減少(99%を超える減少)をもたらす(本明細書では「抗菌組成物」とも称する)組成物を意味する。「消毒」という用語は、生存可能微生物集団における2−log10を超える桁の減少(99%を超える減少)を意味する。「生存可能微生物」という用語は、生殖能力のある微生物を意味する。「生存可能微生物集団の減少」という用語は、微生物集団の全部又は一部を死滅させることによって達成されようと、微生物集団の全部又は一部の生殖能力を奪うことによって達成されようと、微生物集団の全部又は一部を生殖不能にすることを意味する。「蒸発差によって増強される」という用語は、生存可能微生物集団に適用するのとほぼ同時であろうと、適用後に一定期間経過した後であろうと、2−log10を超える桁の生存可能微生物集団の減少をもたらす組成物に含まれる不活性剤(単数又は複数)の蒸発速度の増加に起因する、組成物に含まれる抗菌活性剤(単数又は複数)の濃度の維持又は増加を意味する。
【0011】
本発明の第2の大まかな目的は、各々他方に可溶性であり、抗菌活性剤濃度の維持又は増加をある期間にわたってもたらすラウールの法則に従う液相と気相の平衡を各々確立した、ある量の抗菌活性剤とある量の不活性剤の混合物を含む、蒸発差によって増強される抗菌組成物を提供することであり得る。蒸発差によって増強される抗菌組成物のある実施形態はある量の1種類の抗菌活性剤及びある量の1種類の不活性剤を含み得るが、本発明はそのように限定されず、蒸発差によって増強される抗菌組成物を与える種々の順列及び組合せで確立された濃度で、ある量の抗菌剤は少なくとも1種類の抗菌活性剤又は複数の抗菌活性剤を含むことができ、ある量の不活性剤は少なくとも1種類の不活性剤又は複数の不活性剤を含むことができる。図1によって示されるように、ラウールの法則に従って平衡化した、混合物中の1つの構成要素の液相濃度と気相濃度の関係は、線Aで表される。
【0012】
本発明の第3の大まかな目的は、各々他方に可溶性であり、抗菌活性剤濃度の維持又は増加をある期間にわたってもたらす共沸混合物として液相と気相の平衡を各々確立した、ある量の抗菌活性剤とある量の不活性剤の混合物を含む、蒸発差によって増強される抗菌組成物を提供することであり得る。この場合もまた、蒸発差によって増強される抗菌組成物のある実施形態はある量の1種類の抗菌活性剤及びある量の1種類の不活性剤を含み得るが、本発明はそのように限定されず、共沸混合物として蒸発差によって増強される抗菌組成物を与える種々の順列及び組合せで確立された濃度で、ある量の抗菌剤は少なくとも1種類の抗菌活性剤又は複数の抗菌活性剤を含むことができ、ある量の不活性剤は少なくとも1種類の不活性剤又は複数の不活性剤を含むことができる。図1によって示されるように、共沸組成から平衡化した、混合物中の1つの構成要素の液相濃度と気相濃度の関係は、線B及びGで示される。
【0013】
非限定的一例として、線Gは、非限定的一例としてある量の水と組み合わせられたある量のジアセトンアルコールを含めて、二成分共沸混合組成物の液相と気相の平衡を表す。線G上の点Hは共沸点であり、ジアセトンアルコールの特定の例では、ジアセトンアルコールと水の組合せ100グラム当たりジアセトンアルコール約12.7グラム、又は約13.4%ジアセトンアルコール体積対体積(「v/v」)の濃度に対応し得る。蒸発するときに共沸混合物において確立された組成物は、液体としての組成物の最初の濃度と同じ構成要素比を有する蒸気を生成する。しかし、水中20%(v/v)などの初濃度(線G上の点J)のジアセトンアルコールでは、蒸気平衡が線G上の点K及び点Lに向かって右方にシフトし、気相への水の損失差が増加する。逆に、10%(v/v)などの初濃度のジアセトンアルコールでは、蒸気平衡が線G上で左方にシフトし、気相へのジアセトンアルコールの損失差が増加する。
【0014】
図1に示す13.4%(v/v)(H)の共沸点に基づくと、例えば、水中10%(v/v)などの初濃度のジアセトンアルコールは抗菌組成を規定せず、次いで微生物集団と流体的に接触するジアセトンアルコールと水の組成物の量の全部又は一部が蒸発しても、組成物中のジアセトンアルコールの濃度は増加せず、むしろ水中のジアセトンアルコール濃度はある期間にわたって減少する。したがって、水中の初濃度10%(v/v)のジアセトンアルコールは、生存可能微生物集団を減少させる抗菌活性組成に向かって、標準大気圧で増強されないかもしれない。
【0015】
逆に、水中の共沸点を超える初濃度のジアセトンアルコールが抗菌組成を規定しないが、より高濃度のジアセトンアルコールが抗菌組成を規定する場合、微生物集団と流体的に接触するジアセトンアルコールと水の組成物の量の全部又は一部の蒸発によって、組成物中のジアセトンアルコールの濃度がある期間にわたって増加し、組成物が増強されて、生存可能微生物集団を減少させることができる抗菌活性組成物を与えることができる。
【0016】
さらに、水中の共沸点を超える初濃度のジアセトンアルコールが抗菌組成を規定する場合、ジアセトンと水の組成物の量の全部又は一部の蒸発によって、抗菌組成物中のジアセトンアルコールの濃度がある期間にわたって増加し得る。したがって、ある量の抗菌組成物の蒸発が抗菌活性を失わずに起こることができ、抗菌組成物が増強されて、初濃度の抗菌組成物よりも高レベルの抗菌活性を与えることができる。
【0017】
本発明の第4の大まかな目的は、微生物集団を減少させるのに従来の抗菌組成物と同等に有効である、又は従来の抗菌組成物よりも有効である、蒸発差によって増強される抗菌組成物を提供することであり得る。ここで主に表2及び図1を参照すると、70%イソプロパノール水溶液の従来の抗菌組成は、約87.40%(w/w)又は89.83%(v/v)の共沸点(線B、点C参照)をかなり下回ると理解することができる。したがって、従来のイソプロパノール水溶液抗菌組成物の量の全部又は一部の蒸発によって、液体−蒸気平衡は線B上の点D、E及びFに向かって左方にシフトし、液相のイソプロパノール濃度はある期間にわたって減少し得る。その結果、かかる量のイソプロパノール水溶液の抗菌効力レベルは、蒸発によってある期間にわたって低下し、又は失われ得る。逆に、15%(v/v又はw/w)ジアセトンアルコールの本発明の蒸発差によって増強される抗菌組成は、約12.70(w/w)又は13.43%(v/v)の共沸点をかなり上回る。さらに、15%(v/v)ジアセトンアルコール水溶液の本発明の蒸発差によって増強される抗菌組成物のこの特定の実施形態を調製するための組成物体積当たりの抗菌活性剤の割合は、70%(v/v)イソプロパノール水溶液の従来の抗菌組成物を調製するよりも少ない。
【0018】
【表2】
ここで主に図2を参照すると、線Aは、蒸発に起因する70%(v/v)イソプロパノール水溶液(従来の抗菌組成物)の液量変化を示し、線Bは、同じ液量変化中に生じる同じ70%(v/v)イソプロパノール水溶液の液相濃度変化を表す。この特定の例に関して、ある量の70%(v/v)イソプロパノール水溶液の完全な蒸発は、約15時間単位(time unit)にわたって起こり得る。線Cは、蒸発に起因する20%(v/v)ジアセトンアルコール水溶液(本発明の蒸発差抗菌組成物の特定の実施形態)の液量変化を表し、線Dは、同じ液量変化中に生じる同じ20%(v/v)ジアセトンアルコール水溶液の液相濃度変化を表す。この場合、完全な蒸発は、約75時間単位内に起こり得る。比較してみると、20%(v/v)ジアセトンアルコール水溶液は、表3に示すように蒸発がより低速で起こるので、追加の量の再塗布なしで、従来の抗菌組成物よりも長期間微生物集団と接触することができる。
【0019】
【表3】
主に図2、線Bを再度参照すると、10%(v/v)イソプロパノールが生存可能微生物集団の任意の減少をもたらす最小有効濃度である場合、最後の2〜5時間単位中に残るイソプロパノールの濃度は、組成物中のイソプロパノールの濃度が蒸発によって10%(v/v)未満に低下するので、生存可能微生物集団の更なる減少をもたらさないかもしれない。それに対して、線Cは20%(v/v)ジアセトンアルコール水溶液の液量変化を表し、線Dはジアセトンアルコール水溶液の濃度変化を表す。この非限定的例に関して、10%ジアセトンアルコール(v/v)が抗菌組成物を与える最小濃度である場合、蒸発差によって増強される抗菌組成物の実施形態に従ってジアセトンアルコール濃度は75時間単位にわたって増加するので、75時間単位全体が抗菌組成物を与える。
【0020】
本発明の第5の大まかな目的は、約−1.0から+1.0の、又は約−0.30から約+1.0の好ましい範囲の、Log Pを有する1種類以上の抗菌活性剤を使用する、蒸発差によって増強される抗菌組成物を提供することであり得る。Log P値が約1.0又は1.5を超える溶媒は、通常、水と混和性ではなく、ある種の微生物によって許容され得る。糖、アミノ酸、及び他の高水溶性材料など、大きい負のLog P値を有する物質も、典型的には、大部分の微生物によって許容される。本発明の蒸発差によって増強される抗菌組成物の実施形態の非限定的一例は、約−0.14のLog Pを有する20%(v/v)ジアセトンアルコール(CAS123−42−2)を提供する。比較として、約+0.05のイソプロパノールのLog Pは、20%(v/v)ジアセトンアルコール水溶液に比べてまさるとも劣らないが、イソプロパノール水溶液の混合物は上で考察した欠点のすべてを有する。
【0021】
本発明の第6の大まかな目的は、蒸発差によって増強される抗菌組成物を多種多様な物質群から特定することができる方法を提供することであり得る。
【0022】
当然のことながら、本発明の更なる目的は、本明細書の他の部分、図面及び特許請求の範囲全体を通して開示される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】一構成要素の液相濃度と気相濃度の関係を示した気相−液相平衡図である。
【図2】特定の従来及び本発明の混合物(mixure)に対する構成要素の液相濃度変化と液相体積変化の関係を示したグラフである。
【図3】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態において利用することができる物質を選択する特定の方法のステップを示したブロック図である。
【図4】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のアルファヒドロキシケトンの化学構造を示す。
【図5】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のベータヒドロキシケトンの化学構造を示す。
【図6】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のエチレングリコールモノエーテルの化学構造を示す。
【図7】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のエチレングリコールジエーテルの化学構造を示す。
【図8】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のエチレングリコールエーテルエステルの化学構造を示す。
【図9】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のプロピレングリコールモノエーテルの化学構造を示す。
【図10】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のプロピレングリコールジエーテルの化学構造を示す。
【図11】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のプロピレングリコールエーテルエステルの化学構造を示す。
【図12】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のブチレングリコールモノエーテルの化学構造を示す。
【図13】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のブチレングリコールジエーテルの化学構造を示す。
【図14】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のブチレングリコールモノエーテルエステルの化学構造を示す。
【図15】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のエチレングリコールモノエステルの化学構造を示す。
【図16】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のエチレングリコールジエステルの化学構造を示す。
【図17】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のプロピレングリコールモノエステルの化学構造を示す。
【図18】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のプロピレングリコールジエステルの化学構造を示す。
【図19】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のプロピレングリコールジエステルの化学構造を示す。
【図20】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のブチレングリコールエステルの化学構造を示す。
【図21】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のオキシムの化学構造を示す。
【図22】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のジメチルアミノアルコールの化学構造を示す。
【図23】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定のピリジンの化学構造を示す。
【図24】本発明の蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態の生成に利用することができる特定の脂肪族アルコールの化学構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
一般に、蒸発差によって増強される抗菌組成物、及びかかる蒸発差によって増強される抗菌組成物を使用して生存可能微生物集団を減少させる方法。具体的には、不活性剤に可溶な抗菌活性剤を含む抗菌組成物であって、該抗菌活性剤は蒸発差によって増強されて生存可能微生物集団を減少させる。
【0025】
ここで主に図3を参照すると、ブロック図は、蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態において利用することができる物質を選択する特定の方法のステップを示す。第1の選択ステップ(1)においては、ある量の物質(2)がある量の水(3)に約5℃から約90℃の温度で約760mmHgで十分に混和性又は高度に可溶性であるかどうかに関して判定することができる。ある量の物質(2)とある量の水(3)の混和性は、標準温度・圧力条件下で水中に可溶化したある量の物質の分配係数を測定することによって評価することができる。
【0026】
上述したように、ある量の物質(2)がある量の水(3)に十分に混和性又は高度に可溶性であることを示すことができる場合、第2の選択ステップ(4)において、ある量の物質(2)が標準大気圧で約0℃未満、より好ましくは約−20℃未満の融点を有するかどうかに関して判定することができる。ある量の物質の融点は、参照により本明細書に援用するProduct Properties Test Guidelines,OPPTS 830.7200,Melting Point/Melting Point Range,United States Environmental Protection Agency(1996)に記載のように融点測定を実施することによって測定することができる。
【0027】
ある量の物質(2)が約0℃未満の融点を有することを示すことができる場合、第3の選択ステップ(5)において、ある量の物質が標準大気圧で約110℃を超える、好ましくは約140℃を超える沸点を有するかどうかに関して判定することができる。ある量の物質の沸点は、参照により本明細書に援用するProduct Properties Test Guidelines,OPPTS 830.7220,Boiling Point/Boiling Point Range,United States Environmental Protection Agency(1996)に記載のように沸点測定を実施することによって測定することができる。
【0028】
ある量の物質(2)が標準大気圧で約110℃を超える沸点を有する場合、第4の選択ステップ(6)において、水の非存在下で、ある量の物質(2)が標準大気圧で約40℃を超える引火点を有するかどうかに関して判定することができる。ある量の物質の引火点は、参照により本明細書に援用するASTM D7094−04 Standard Test Method for Flash Point by Modified Continuously Closed Cup(MCCCFP) Tester,ASTM International(2007)に記載のように引火点測定を実施することによって測定することができる。
【0029】
水の非存在下で、ある量の物質(2)が標準大気圧で約40℃を超える引火点を有する場合、第5の選択ステップ(7)において、ある量の物質(2)がある量の水(3)と組み合わせたときに標準大気圧で約70℃を超える引火点を有するかどうかに関して判定することができる。この引火点評価は、上述したように実施することができる。
【0030】
ある量の物質(2)がある量の水(3)と組み合わせたときに標準大気圧で約70℃を超える引火点を有する場合、第6の選択(8)において、ある量の物質(2)が約−0.20から約+0.8のLog P値を有するかどうかに関して判定することができる。ある量の物質(2)のLog Pは、「Slow−stirred Method for Determining the n−Octanol/Water Partition Coefficient(POW) for Highly Hydrophobic Chemicals:Performance Evaluation in a Ring Test,Environmental Toxicology and Chemistry,Vol.22,Issue 5(May 2003)に記載のようにLog P測定を実施することによって評価することができる。
【0031】
ある量の物質(2)が約−0.20から約+0.8のLog P値を有する場合、第7の選択ステップ(9)において、蒸発差によって増強される組成物(10)を生成することができる、ある量の水(3)と組み合わせたある量の物質(2)の濃度範囲に関して決定することができる。この範囲は、図1に示すように、さらに上述したように、気相−液相平衡の生成によって評価することができる。
【0032】
ある濃度範囲のある量の物質(2)が蒸発差によって増強される組成物(10)を生成する場合、第8の選択ステップ(11)において、特定された蒸発差によって増強される組成物(10)が、流体接触によって生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすかどうかに関して判定して、蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を特定し、単離することができる。蒸発差によって増強される組成物(10)が、蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を更にもたらすかどうかを判定する特定の非限定的アッセイは、Mueller Hinton Broth(MHB)中で調製され、約0.5 McFarland濁度基準まで懸濁されたStaphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI PS 10、Salmonella Choleraesuis(ATCC13312、MRI SC 1又は他の選択されたSC)などの微生物の培養物を提供することである。これらの細菌培養物は、希釈して、濃度約107から約103CFU/mlを得ることができ、各希釈物10μlをカバーガラスに無菌白金耳を用いて塗り広げ、乾燥させることができる。その後、105から102CFUを含むカバーガラスをペトリ皿の内側に置くことができる。Germicidal Spray Products as Disinfectants,Method 961.02,AOAC International(2004)に記載のように、異なる濃度のある量の物質をネブライザーを用いてカバーガラスに塗布することができる。
【0033】
非限定的一例として、イソプロピルアルコール(IPA)及びジアセトンアルコール(DAA)は、IPAの水性混合物を濃度55%w/w、20%w/w及び5%w/wで得ることによって、上述したように評価することができる。DAAは、水中60%w/w、10%w/w及び6%w/wの濃度にすることによって評価することができる。ある量の各濃度のIPA及びDAAを対応するカバーガラスに塗布し、蒸発乾固させることができる。カバーガラスに対して軽く押し付けられた栄養寒天によって、カバーガラス上の微生物と栄養寒天を接触させることができる。栄養寒天をカバーガラスに接触した状態で37℃で48時間インキュベートし、次いでカバーガラスが栄養寒天に接触した領域における微生物の生殖を観察することができる。未処理のカバーガラスを正の対照として使用することができる。この方法を利用する特定の例を下に示す。
【0034】
追加の第9の選択ステップ(13)は、完全蒸発後に処理表面に残留するある量の蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を検出することができないという理由であろうと、完全蒸発後に処理表面に残留するある量の蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)が残渣を残さずに蒸発して産業界に受け入れられた指針を満たすという理由であろうと、ステップ8(11)で特定された蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)が残渣(14)を残さずに蒸発乾固するかどうかに関する判定を含むことができる。
【0035】
やはり追加の第10の選択ステップ(15)として、単離された蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)の各々が、単離された蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)が生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもらすのに利用されるのを排除するのに十分大きな環境、作業場又は健康上の有害な問題(16)を招くかどうかに関して判定することができる。
【0036】
やはり追加の第11の選択ステップ(17)においては、単位当たりのコストが、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすのに利用されることから、単離された蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を利用することに対して経済的障壁(18)を招くかどうかに関して判定することができる。
【0037】
主に図3を再度参照すると、蒸発差によって増強される組成物を選択する方法を多種多様な物質(2)に適用することによって、不活性剤(21)に可溶な抗菌活性剤(20)として利用して多種多様な蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を生成することができる、幾つかのグループの蒸発差によって増強される組成物(10)が特定された。しかしながら、特定された蒸発差によって増強される組成物(10)は、更なる蒸発差によって増強される組成物(10)を特定する方法の使用に関して限定的であることを意図するものではなく、本発明によって包含される蒸発差によって増強される組成物(10)及び蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)の範囲に関して限定的であることを意図するものでもない。そうではなく、記述する特定の方法は、本明細書に記載され、代替方法によって特定及び単離することができる、多種多様な蒸発差によって増強される組成物(10)及び蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を特定し、製造し、使用する方法の実際的な例を当業者に提供することを意図するものである。
【0038】
ここで主に図4を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、2−ヒドロキシ−3−ペンタノン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンタノン、3−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンタノン、3−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−5−オクタノンからなる群から選択されるアルファヒドロキシケトンを含むことができる。
【0039】
アルファヒドロキシケトンは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とアルファヒドロキシケトンの混合物からアルファヒドロキシケトンよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の前記不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0040】
ここで主に図5を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、1−ヒドロキシ−3−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(DAA)、4−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、5−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘプタノン、3−ヒドロキシ−3−メチル−5−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−ヘキサノンからなる群から選択されるベータヒドロキシケトンを含むことができる。
【0041】
ベータヒドロキシケトンは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とベータヒドロキシケトンの混合物からベータヒドロキシケトンよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の前記不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0042】
本発明の蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)の特定の実施形態の単なる非限定的一例として、ある量の(「ジアセトンアルコール」又は「DAA」とも称される)4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンを水と組み合わせて、約10%から約95%4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)、又は約20%から約95%4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)、又は約20%から約40%4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)、又は10%以上の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)、又は水が4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンよりも高速で混合物から蒸発できるようにする共沸点を超えるある濃度の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)を提供することができる。
【0043】
ここで主に表4及び図5を参照すると、DAAを種々の濃度で水中に含む本発明の蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)の実施形態を上述したように試験し、上述したように試験した種々の濃度のIPA水溶液と比較した。表4に示す結果から理解することができるように、水中の濃度6%及び25%のIPAは、生存可能微生物集団を減少させなかった。IPAとDAAが混合物から水よりも高速で蒸発する濃度のIPAとDAAは、同様に機能して、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%未満に微生物集団を減少させた。水がDAAよりも高速で混合物から蒸発する濃度のDAAは、70%IPA(v/v)よりも微生物集団の減少が大きく、水よりも高速で混合物から蒸発する濃度のDAAよりも微生物集団の減少が大きかった。
【0044】
【表4】
「XXX」は、コロニーが存在しなかったプレートを示し、微生物数の完全な減少(>5Log10の減少)を表す。
【0045】
「XXx」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の1%未満であったプレートを示し、微生物数のほぼ完全な減少(>4Log10の減少)を表す。
【0046】
「XX」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の10%未満であったプレートを示し、微生物数のかなりの減少(>3Log10の減少)を表す。
【0047】
「X」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%未満であったプレートを示し、微生物数の減少(<2Log10の減少)を表す。
【0048】
「−−−0−−−」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%を超えたプレートを示し、生存可能微生物集団の大きな減少がないこと(0から1Log10の減少)を表す。
【0049】
ここで主に表5及び図5を参照すると、水中約3%から15%(v/v)の濃度のDAAを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について比較試験して、DAAの蒸発による増強の非限定的一例とした。非蒸発手順と蒸発手順は、円錐形の底部を備えた各2mL無菌プラスチックバイアルに添加され、キャップなしで30分間遠心分離乾燥させた終夜Staphylococcus aureus(ATCC6538、約109CFU/mL)培養物50μLを含んだ。試験溶液100マイクロリットルを(3つ組バイアルとして)各バイアルに添加し、60分間放置(非蒸発)又は60分間遠心分離蒸発(蒸発)させた。蒸発時間は、各DAA混合物特有の蒸発特性によって決定された。非蒸発バイアルに、Mueller Hinton Broth(MHB)400μLをバイアルに添加し、100μLを栄養寒天(NA)上に蒔いた。蒸発バイアルにMHB 500μLを添加し、100μLをNA上に蒔いた。プレートを約37℃で終夜インキュベートし、数えた(「増強アッセイ」)。
【0050】
表5に示す結果から理解することができるように、全試験濃度におけるDAAは蒸発によって増強することができる。対照的に、IPAは、蒸発が起こるにつれて抗菌組成物としてより有効でなくなり、増強することができない。
【0051】
【表5】
「XXX」は、コロニーが存在しなかったプレートを示し、微生物数の完全な減少(>5 Log10の減少)を表す。
【0052】
「XXx」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の1%未満であったプレートを示し、微生物数のほぼ完全な減少(>4Log10の減少)を表す。
【0053】
「XX」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の10%未満であったプレートを示し、微生物数のかなりの減少(>3Log10の減少)を表す。
【0054】
「X」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%未満であったプレートを示し、微生物数の減少(<2Log10の減少)を表す。
【0055】
「−−−0−−−」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%を超えたプレートを示し、生存可能微生物集団の大きな減少がないこと(0から1Log10の減少)を表す。
【0056】
ここで主に図6を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(EGMBE)、エチレングリコールモノペンチルエーテル及びエチレングリコールモノヘキシルエーテルからなる群から選択されるエチレングリコールモノエーテルを含むことができる。
【0057】
エチレングリコールモノエーテルは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(20)が不活性剤(20)とエチレングリコールモノエーテルの混合物からエチレングリコールモノエーテルよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤(20)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0058】
ここで主に表6及び図6を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約15%から約30%(v/v)の濃度のEGMBEを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、EGMBEの蒸発による増強の非限定的一例とした。
【0059】
表6に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のEGMBEは、蒸発によって増強することができる。
【0060】
【表6】
ここで主に図7を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル及びエチレングリコールジプロピルエーテルからなる群から選択されるエチレングリコールジエーテルを含むことができる。
【0061】
エチレングリコールジエーテルは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とエチレングリコールジエーテルの混合物からエチレングリコールジエーテルよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0062】
ここで主に図8を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート(EGMEA)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチラート及びエチレングリコールモノエチルエーテルブチラートからなる群から選択されるエチレングリコールエーテルエステルを含むことができる。
【0063】
ここで主に表7及び図8を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約15%から約30%(v/v)の濃度のEGMEAを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、EGMEAの蒸発による増強の非限定的一例とした。
【0064】
表6に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のEGMEAは、蒸発によって増強することができる。
【0065】
【表7】
ここで主に図9を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールモノペンチルエーテルからなる群から選択されるプロピレングリコールモノエーテルを含むことができる。
【0066】
ここで主に図10を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールジメチルエーテル及びプロピレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択されるプロピレングリコールジエーテルを含むことができる。
【0067】
ここで主に図11を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチラートからなる群から選択されるプロピレングリコールエーテルエステルを含むことができる。
【0068】
ここで主に図12を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノプロピルエーテル及びブチレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択されるブチレングリコールモノエーテルを含むことができる。
【0069】
ここで主に図13を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールジメチルエーテル及びブチレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択されるブチレングリコールジエーテルを含むことができる。
【0070】
ここで主に図14を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールモノメチルエーテルホルマートエステル及びブチレングリコールモノエチルエーテルアセタートからなる群から選択されるブチレングリコールモノエーテルエステルを含むことができる。
【0071】
ここで主に図15を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノプロピルエステル、エチレングリコールモノブチルエステル、エチレングリコールモノペンチルエステル及びエチレングリコールモノヘキシルエステルからなる群から選択されるエチレングリコールモノエステルを含むことができる。
【0072】
プロピレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、プロピレングリコールエーテルエステル、ブチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、ブチレングリコールモノエーテルエステル又はエチレングリコールモノエステルを含めて、図9〜15に示す蒸発差によって増強される組成物(10)に関して、各々は、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とプロピレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、プロピレングリコールエーテルエステル、ブチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、ブチレングリコールモノエーテルエステル又はエチレングリコールモノエステルとの混合物から抗菌活性剤(20)の対応する1種類よりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0073】
ここで主に図16を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールジメチルエステル、エチレングリコールジエチルエステル(EGDA)及びエチレングリコールジプロピルエステルからなる群から選択されるエチレングリコールジエステルを含むことができる。
【0074】
ここで主に表8及び図16を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約10%から約30%(v/v)の濃度のEGDAを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、EGDAの蒸発による増強の非限定的一例とした。
【0075】
表8に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のEGDAは、蒸発によって増強することができる。
【0076】
【表8】
ここで主に図17を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールモノメチルエステル、プロピレングリコールモノエチルエステル、プロピレングリコールモノプロピルエステル、プロピレングリコールモノブチルエステル及びプロピレングリコールモノペンチルエステルからなる群から選択されるプロピレングリコールモノエステルを含むことができる。
【0077】
ここで主に図18を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールジメチルエステル、プロピレングリコールジエチルエステル、プロピレングリコールジプロピルエステル、プロピレングリコールジブチルエステル及びプロピレングリコールジペンチルエステルからなる群から選択されるプロピレングリコールジエステルを含むことができる。
【0078】
ここで主に図19を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールジメチルエステル、ブチレングリコールジエチルエステル、ブチレングリコールジプロピルエステル又はブチレンプロピレングリコールジブチルエステルからなる群から選択されるブチレングリコールジエステルを含むことができる。
【0079】
ここで主に図20を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールメチルエステル又はブチレングリコールエチルエステルからなる群から選択されるブチレングリコールエステルを含むことができる。
【0080】
上記群から選択されるグリコールエステル、プロピレングリコールモノエステル、プロピレングリコールジエステル、ブチレングリコールジエステル、ブチレングリコールエステルは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とグリコールエステル、プロピレングリコールモノエステル、プロピレングリコールジエステル、ブチレングリコールジエステル又はブチレングリコールエステルとの混合物から抗菌活性剤(20)の対応する1種類よりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0081】
ここで主に図21を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、2−ブタノンオキシム(MEKO)、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム(MEKO)、2−ペンタノンオキシム、3−ペンタノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、2−ヘキサノンオキシム、3−ヘキサノンオキシム及びシクロヘキサノンオキシムからなる群から選択されるオキシムを含むことができる。
【0082】
ここで主に表9及び図21を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約10%から約30%(v/v)の濃度のMEKOを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、EGDAの蒸発による増強の非限定的一例とした。
【0083】
表9に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のMEKOは、蒸発によって増強することができる。
【0084】
【表9】
ここで主に図21を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、2−ジメチルアミノエタノール(DMEA)、2−ジメチルアミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−ブタノール及び3−ジメチルアミノ−2−ブタノールからなる群から選択されるジメチルアミノアルコールを含むことができる。
【0085】
ここで主に表10及び図22を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約10%から約30%(v/v)の濃度のDMEAを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、DMEAの蒸発による増強の非限定的一例とした。
【0086】
表10に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のMEKOは、蒸発によって増強することができる。
【0087】
【表10】
ここで主に図23を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ピリジン、2−メチルピラジン、3−メチルピラジン、4−メチルピラジンからなる群から選択されるピリジンを含むことができる。
【0088】
上記群から選択されるピリジンは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とピリジンの混合物からピリジンよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0089】
ここで主に図24を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、1−ブタノール及び2−ブタノールからなる群から選択される脂肪族アルコールを含むことができる。
【0090】
上記群から選択される脂肪族アルコールは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とブタノールの混合物からブタノールよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
【0091】
上記から容易に理解することができるように、本発明の基本概念は、種々の方法で具体的に表現することができる。本発明は、蒸発差によって増強される消毒薬システム、並びにかかる蒸発差によって増強される消毒薬システムを製造及び使用する方法の多種多様な実施形態を含む。
【0092】
したがって、上記記述によって開示される、又は本願に添付された図に示される、本発明の特定の実施形態又は要素は、限定的であることを意図するものではなく、本発明によって包括的に含まれる多種多様な実施形態、又はその任意の特定の要素に関して包含される等価物の例示である。さらに、本発明の単一の実施形態又は要素の具体的記述は、可能なすべての実施形態又は要素を明示的には記述しないことがあり、多数の代替物が上記記述及び図によって暗黙的に開示される。
【0093】
装置の各要素、又は方法の各ステップは、装置用語又は方法用語によって記述され得ることを理解すべきである。かかる用語は、所望であれば、本発明が権利を与えられる暗黙的に広範な適用範囲を明確にするために代えることができる。単なる一例として、方法の全ステップは、作用、該作用を行う手段、又は該作用を引き起こす要素として開示し得ることを理解すべきである。同様に、装置の各要素は、物理的要素、又は該物理的要素が促進する作用として開示することができる。単なる一例として、「消毒薬」の開示は、明示的に考察してもしなくても「消毒」行為の開示を包含すると理解すべきである。逆に、「消毒」行為が有効に開示された場合、かかる開示は、「消毒薬」、さらには「消毒手段」の開示を包含すると理解すべきである。各要素又はステップのかかる代替用語は、上記記述に明示的に含まれると理解すべきである。
【0094】
さらに、使用する各用語に関して、本願におけるその利用がかかる解釈と矛盾しない限り、一般的な辞書の定義は、各定義が参照により本明細書に援用されるRandom House Webster’s Unabridged Dictionary,second editionに収録された各用語の記述に含まれると理解すべきであることを理解すべきである。
【0095】
したがって、本出願人(単数又は複数)は、少なくとも、i)本明細書に開示され、記述された、蒸発差によって増強される組成物、及び蒸発差によって増強される抗菌組成物の各々、ii)開示され、記述された関連方法、iii)これらの装置及び方法の各々の類似の、等価な、さらには暗黙の変形物、iv)示され、開示され、又は記述された機能の各々を達成する代替実施形態、v)開示され、記述されたものを達成するために、示された機能の各々を達成する代替の設計及び方法が内在される、vi)別々の独立した発明として示される各特徴、成分及びステップ、vii)開示される種々のシステム又は成分によって増強される適用例(applications)、viii)かかるシステム又は成分によって製造される生成物、ix)添付の例のいずれかに関連して、上でおおむね記述された方法及び装置、x)開示された従前の要素の各々の種々の組合せ及び順列を請求することを理解されるべきである。
【0096】
本特許出願の背景の項は、本発明が属する事業分野を記載したものである。この項は、技術状況についての情報、問題又は懸念を本発明が導かれるものに関係づけるのに有用である、ある米国特許、特許出願、刊行物又は本発明の主題の言い換え(paraphrasing)を組み入れ、又は含むこともできる。本明細書に引用又は援用される任意の米国特許、特許出願、刊行物、記載又は他の情報を本発明に関する従来技術として認めるものと読み取り、解釈し、又は考えることは意図されない。
【0097】
本明細書に記載の特許請求の範囲は、該当するならば、本発明のこの記述の一部として参照により本明細書に援用され、本出願人は、かかる特許請求の範囲のかかる援用された内容の全部又は一部を、特許請求の範囲又はその任意の要素若しくは成分のいずれか又は全部を裏づける追加の記述として使用する権利を明確に保有し、本出願人は、さらに、かかる特許請求の範囲又はその任意の要素若しくは成分の援用された内容の任意の部分又は全部を必要に応じて上記記述から特許請求の範囲に移動して、又は特許請求の範囲から上記記述に移動して、本願によって、又はその任意の後続の出願、継続、分割若しくは一部継続出願によって保護が求められる事項を規定する権利、又は任意の国若しくは条約の特許法、規則若しくは規制の任意の利益、該特許法、規則若しくは規制に準ずる料金の減額を得る権利、又は該特許法、規則若しくは規制に従う権利を明確に保有する。参照により援用されるかかる内容は、その任意の後続の継続、分割若しくは一部継続出願又はそれについての任意の再発行若しくは延長を含めて、本願の係属中全体を通して存続するものとする。
【0098】
さらに、添付の特許請求の範囲は、本発明の限定された数の好ましい実施形態の境界線を記述することを意図し、本発明の最も広い実施形態、又は特許請求することができる本発明の実施形態の完全なリストと解釈すべきではない。本出願人は、上に示した記述に基づいて更なる特許請求の範囲を任意の継続、分割若しくは一部継続出願又は類似の出願の一部として展開するいかなる権利も放棄しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ある量の水と、
b.前記量の水と混合されたある体積量のジアセトンアルコールとを含み、前記混合物中の前記ジアセトンアルコールの量は、前記量の水が前記量のジアセトンアルコールよりも高速で前記混合物から蒸発することを可能にするのに十分な体積であり、前記混合物が、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少を30分間以下の時間にわたってもたらす、
抗菌組成物。
【請求項2】
前記混合物中のジアセトンアルコールの前記量が約10体積パーセントから約95体積パーセントである、請求項1に記載の抗菌組成物。
【請求項3】
前記量のジアセトンアルコールが約20体積パーセントから約40体積パーセントの前記混合物中の濃度を有する、請求項1に記載の抗菌組成物。
【請求項4】
前記量の水及び前記量のジアセトンアルコールと混合されたある量の希釈剤を更に含み、前記混合物が10体積パーセント以上のジアセトンアルコールを含む、請求項1に記載の抗菌組成物。
【請求項5】
前記量の希釈剤が前記生存可能微生物集団を含む、請求項4に記載の抗菌組成物。
【請求項6】
前記生存可能微生物が、Escherichia coli(ATCC25922、MRI EC 13)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI Ps 10)、Staphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Aspergillus niger(ATCC16404、MRI AN 2)及びClostridium sporogenes(ATCC19404、MRI Cl 12)からなる群から選択される、請求項5に記載の抗菌組成物。
【請求項7】
a.ある量の水と、
b.前記量の水と混合されたある体積量の2−ジメチルアミノエタノールとを含み、前記混合物中の前記量の2−ジメチルアミノエタノールの量は、前記量の水が前記量の2−ジメチルアミノエタノールよりも高速で前記混合物から蒸発することを可能にするのに十分な体積であり、記混合物が、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少を30分間以下の時間にわたってもたらす、
抗菌組成物。
【請求項8】
前記混合物中の2−ジメチルアミノエタノールの前記量が約5体積パーセントから約95体積パーセントである、請求項7に記載の抗菌組成物。
【請求項9】
前記量の2−ジメチルアミノエタノールが約5体積パーセントから約30体積パーセントの前記混合物中の濃度を有する、請求項7に記載の抗菌組成物。
【請求項10】
前記量の水及び前記量の2−ジメチルアミノエタノールと混合されたある量の希釈剤を更に含み、前記混合物が5体積パーセント以上の2−ジメチルアミノエタノールを含む、請求項7に記載の抗菌組成物。
【請求項11】
前記量の希釈剤が前記生存可能微生物集団を含む、請求項10に記載の抗菌組成物。
【請求項12】
前記生存可能微生物が、Escherichia coli(ATCC25922、MRI EC 13)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI Ps 10)、Staphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Aspergillus niger(ATCC16404、MRI AN 2)及びClostridium sporogenes(ATCC19404、MRI Cl 12)からなる群から選択される、請求項11に記載の抗菌組成物。
【請求項13】
a.ある量の水と、
b.前記量の水と混合されたある体積量のエチレングリコールモノブチルエーテルとを含み、前記混合物中の前記量のエチレングリコールモノブチルエーテルの量は、前記量の水が前記量のエチレングリコールモノブチルエーテルよりも高速で前記混合物から蒸発することを可能にするのに十分な体積であり、前記混合物が、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少を30分間以下の時間にわたってもたらす、
抗菌組成物。
【請求項14】
前記混合物中のエチレングリコールモノブチルエーテルの前記量が約5体積パーセントから約95体積パーセントである、請求項13に記載の抗菌組成物。
【請求項15】
前記量の2エチレングリコールモノブチルエーテルが約5体積パーセントから約30体積パーセントの前記混合物中の濃度を有する、請求項13に記載の抗菌組成物。
【請求項16】
前記量の水及び前記量のエチレングリコールモノブチルエーテルと混合されたある量の希釈剤を更に含み、前記混合物が5体積パーセント以上のエチレングリコールモノブチルエーテルを含む、請求項13に記載の抗菌組成物。
【請求項17】
前記量の希釈剤が前記生存可能微生物集団を含む、請求項13に記載の抗菌組成物。
【請求項18】
前記生存可能微生物が、Escherichia coli(ATCC25922、MRI EC 13)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI Ps 10)、Staphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Aspergillus niger(ATCC16404、MRI AN 2)及びClostridium sporogenes(ATCC19404、MRI Cl 12)からなる群から選択される、請求項17に記載の抗菌組成物。
【請求項19】
a.ある量の水と、
b.前記量の水と混合されたある体積量のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートとを含み、前記混合物中の前記量のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートの量は、前記量の水が前記量のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートよりも高速で前記混合物から蒸発することを可能にするのに十分な体積であり、前記混合物が、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少を30分間以下の時間にわたってもたらす、
抗菌組成物。
【請求項20】
前記混合物中のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートの前記量が約15体積パーセントから約95体積パーセントである、請求項19に記載の抗菌組成物。
【請求項21】
前記量のエチレングリコールモノブチルエーテルが約15体積パーセントから約30体積パーセントの前記混合物中の濃度を有する、請求項19に記載の抗菌組成物。
【請求項22】
前記量の水及び前記量のエチレングリコールモノブチルエーテルと混合されたある量の希釈剤を更に含み、前記混合物が15体積パーセント以上のエチレングリコールモノブチルエーテルを含む、請求項19に記載の抗菌組成物。
【請求項23】
前記量の希釈剤が前記生存可能微生物集団を含む、請求項22に記載の抗菌組成物。
【請求項24】
前記生存可能微生物が、Escherichia coli(ATCC25922、MRI EC 13)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI Ps 10)、Staphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Aspergillus niger(ATCC16404、MRI AN 2)及びClostridium sporogenes(ATCC19404、MRI Cl 12)からなる群から選択される、請求項23に記載の抗菌組成物。
【請求項25】
a.ある量の水と、
b.前記量の水と混合されたある体積量のエチレングリコールジエチルエステルとを含み、前記混合物中の前記量のエチレングリコールジエチルエステルの量は、前記量の水が前記量のエチレングリコールジエチルエステルよりも高速で前記混合物から蒸発することを可能にするのに十分な体積であり、前記混合物が、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少を30分間以下の時間にわたってもたらす、
抗菌組成物。
【請求項26】
前記混合物中のエチレングリコールジエチルエステルの前記量が約10体積パーセントから約95体積パーセントである、請求項25に記載の抗菌組成物。
【請求項27】
前記量のエチレングリコールジエチルエステルが約10体積パーセントから約30体積パーセントの前記混合物中の濃度を有する、請求項25に記載の抗菌組成物。
【請求項28】
前記量の水及び前記量のエチレングリコールジエチルエステルと混合されたある量の希釈剤を更に含み、前記混合物が10体積パーセント以上のエチレングリコールジエチルエステルを含む、請求項25に記載の抗菌組成物。
【請求項29】
前記量の希釈剤が前記生存可能微生物集団を含む、請求項28に記載の抗菌組成物。
【請求項30】
前記生存可能微生物が、Escherichia coli(ATCC25922、MRI EC 13)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI Ps 10)、Staphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Aspergillus niger(ATCC16404、MRI AN 2)及びClostridium sporogenes(ATCC19404、MRI Cl 12)からなる群から選択される、請求項29に記載の抗菌組成物。
【請求項31】
a.不活性剤と、
b.約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで前記不活性剤中に混和性の抗菌活性剤とを含み、前記抗菌活性剤が、約10℃から約80℃の前記不活性剤よりも高い沸点を有し、前記不活性剤が、約5℃から約90℃の前記温度範囲内で約760mmHgで前記不活性剤と前記抗菌活性剤の混合物から前記抗菌活性剤よりも高速で蒸発し、前記混合物が、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少をもたらす、
抗菌組成物。
【請求項32】
前記混合物が、前記不活性剤が前記混合物から蒸発する期間、前記生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少をもたらす、請求項31に記載の抗菌組成物。
【請求項33】
前記不活性剤の蒸発によって、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少をもたらす前記混合物が生成する、請求項31に記載の抗菌組成物。
【請求項34】
前記混合物からの前記不活性剤の蒸発速度が、前記混合物からの前記抗菌活性剤の蒸発速度よりも大きく、前記混合物における前記抗菌活性剤の体積の増加をある期間にわたって生じる、請求項31に記載の抗菌組成物。
【請求項35】
前記混合物中の前記抗菌活性剤が、前記混合物の共沸混合物を生じる前記抗菌活性剤の量よりも多い、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項36】
前記混合物の蒸発が残渣を残さない、請求項31に記載の抗菌組成物。
【請求項37】
前記抗菌活性剤が、約110℃から約180℃の沸点及び−20℃以下の融点を有する有機物質を含む、請求項31に記載の抗菌組成物。
【請求項38】
前記抗菌活性剤が約−0.3から約1.0のlog POWを有する、請求項37に記載の抗菌組成物。
【請求項39】
前記抗菌活性剤が、4から8個の炭素原子及び2から4個の酸素原子を含む非イオン化分子構造を与える、請求項38に記載の抗菌組成物。
【請求項40】
前記抗菌活性剤の前記非イオン化分子構造が、1個の窒素原子を更に含む、請求項39に記載の抗菌組成物。
【請求項41】
前記抗菌活性剤がヒドロキシケトンを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項42】
前記ヒドロキシケトンが、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、2−ヒドロキシ−3−ペンタノン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンタノン、3−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンタノン、3−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−5−オクタノンからなる群から選択されるアルファヒドロキシケトンを含む、請求項41に記載の抗菌組成物。
【請求項43】
前記ヒドロキシケトンが、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、1−ヒドロキシ−3−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、5−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘプタノン、3−ヒドロキシ−3−メチル−5−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−ヘキサノンからなる群から選択されるベータヒドロキシケトンを含む、請求項41に記載の抗菌組成物。
【請求項44】
前記ベータヒドロキシケトンが、ある量の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンを含む、請求項43に記載の抗菌組成物。
【請求項45】
前記混合物中の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンの前記量が約10体積パーセントから約95体積パーセントを含む、請求項43に記載の抗菌組成物。
【請求項46】
前記混合物中の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンの前記量が約20体積パーセントから約95体積パーセントを含む、請求項43に記載の抗菌組成物。
【請求項47】
前記抗菌活性剤がグリコールエーテルを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項48】
前記グリコールエーテルがエチレングリコールモノエーテルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項49】
前記エチレングリコールモノエーテルが、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル及びエチレングリコールモノヘキシルエーテルからなる群から選択される、請求項48に記載の抗菌組成物。
【請求項50】
前記グリコールエーテルが、ある量のエチレングリコールモノブチルエーテルを含む、請求項49に記載の抗菌組成物。
【請求項51】
前記混合物中のエチレングリコールモノブチルエーテルの前記量が約5体積パーセントから約95体積パーセントを含む、請求項50に記載の抗菌組成物。
【請求項52】
前記混合物中のエチレングリコールモノブチルエーテルの前記量が約5体積パーセントから約30体積パーセントを含む、請求項51に記載の抗菌組成物。
【請求項53】
前記グリコールエーテルがエチレングリコールジエーテルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項54】
前記エチレングリコールジエーテルが、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル及びエチレングリコールジプロピルエーテルからなる群から選択される、請求項53に記載の抗菌組成物。
【請求項55】
前記グリコールエーテルがエチレングリコールエーテルエステルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項56】
前記エチレングリコールエーテルエステルが、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチラート及びエチレングリコールモノエチルエーテルブチラートからなる群から選択される、請求項55に記載の抗菌組成物。
【請求項57】
前記グリコールエーテルが、ある量のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートを含む、請求項55に記載の抗菌組成物。
【請求項58】
前記混合物中のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートの前記量が約15体積パーセントから約95体積パーセントを含む、請求項57に記載の抗菌組成物。
【請求項59】
前記混合物中のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートの前記量が約15パーセントから約30パーセント体積対体積を含む、請求項58に記載の抗菌組成物。
【請求項60】
前記グリコールエーテルがプロピレングリコールモノエーテルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項61】
前記プロピレングリコールモノエーテルが、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールモノペンチルエーテルからなる群から選択される、請求項60に記載の抗菌組成物。
【請求項62】
前記グリコールエーテルがプロピレングリコールジエーテルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項63】
前記プロピレングリコールジエーテルが、プロピレングリコールジメチルエーテル及びプロピレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択される、請求項62に記載の抗菌組成物。
【請求項64】
前記グリコールエーテルがプロピレングリコールエーテルエステルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項65】
前記プロピレングリコールエーテルエステルが、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチラートからなる群から選択される、請求項64に記載の抗菌組成物。
【請求項66】
前記グリコールエーテルがブチレングリコールエーテルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項67】
前記ブチレングリコールエーテルエステルがブチレングリコールモノエーテルを含む、請求項66に記載の抗菌組成物。
【請求項68】
前記ブチレングリコールモノエーテルが、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノプロピルエーテル及びブチレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択される、請求項67に記載の抗菌組成物。
【請求項69】
前記グリコールエーテルがブチレングリコールジエーテルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項70】
前記ブチレングリコールジエーテルが、ブチレングリコールジメチルエーテル及びブチレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択される、請求項68に記載の抗菌組成物。
【請求項71】
前記グリコールエーテルがブチレングリコールエーテルエステルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項72】
前記ブチレングリコールエーテルエステルが、ブチレングリコールモノメチルエーテルホルマートエステル及びブチレングリコールモノエチルエーテルアセタートからなる群から選択される、請求項70に記載の抗菌組成物。
【請求項73】
前記抗菌活性剤がグリコールエステルを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項74】
前記グリコールエステルがエチレングリコールモノエステルを含む、請求項72に記載の抗菌組成物。
【請求項75】
前記エチレングリコールモノエステルが、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノプロピルエステル、エチレングリコールモノブチルエステル、エチレングリコールモノペンチルエステル及びエチレングリコールモノヘキシルエステルからなる群から選択される、請求項73に記載の抗菌組成物。
【請求項76】
前記グリコールエステルがエチレングリコールジエステルを含む、請求項72に記載の抗菌組成物。
【請求項77】
前記エチレングリコールジエステルが、エチレングリコールジメチルエステル、エチレングリコールジエチルエステル及びエチレングリコールジプロピルエステルからなる群から選択される、請求項75に記載の抗菌組成物。
【請求項78】
前記グリコールエーテルが、ある量のエチレングリコールジエチルエステルを含む、請求項76に記載の抗菌組成物。
【請求項79】
前記混合物中のエチレングリコールジエチルエステルの前記量が約10体積パーセントから約95体積パーセントを含む、請求項77に記載の抗菌組成物。
【請求項80】
前記混合物中のエチレングリコールジエチルエステルの前記量が約10パーセントから約30パーセント体積対体積を含む、請求項78に記載の抗菌組成物。
【請求項81】
前記グリコールエステルがプロピレングリコールモノエステルを含む、請求項72に記載の抗菌組成物。
【請求項82】
前記プロピレングリコールモノエステルが、プロピレングリコールモノメチルエステル、プロピレングリコールモノエチルエステル、プロピレングリコールモノプロピルエステル、プロピレングリコールモノブチルエステル及びプロピレングリコールモノペンチルエステルからなる群から選択される、請求項80に記載の抗菌組成物。
【請求項83】
前記グリコールエステルがプロピレングリコールジエステルを含む、請求項72に記載の抗菌組成物。
【請求項84】
前記プロピレングリコールジエステルが、プロピレングリコールジメチルエステル、プロピレングリコールジエチルエステル、プロピレングリコールジプロピルエステル、プロピレングリコールジブチルエステル及びプロピレングリコールジペンチルエステルからなる群から選択される、請求項82に記載の抗菌組成物。
【請求項85】
前記グリコールエステルがブチレングリコールジエステルを含む、請求項72に記載の抗菌組成物。
【請求項86】
前記ブチレングリコールジエステルが、ブチレングリコールジメチルエステル、ブチレングリコールジエチルエステル、ブチレングリコールジプロピルエステル、ブチレングリコールジブチルエステルからなる群から選択される、請求項84に記載の抗菌組成物。
【請求項87】
前記グリコールエステルがブチレングリコールエステルを含む、請求項72に記載の抗菌組成物。
【請求項88】
前記ブチレングリコールジエステルが、ブチレングリコールメチルエステル及びブチレングリコールエチルエステルからなる群から選択される、請求項86に記載の抗菌組成物。
【請求項89】
前記抗菌活性剤がオキシムを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項90】
前記オキシムが、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、2−ペンタノンオキシム、3−ペンタノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、2−ヘキサノンオキシム、3−ヘキサノンオキシム及びシクロヘキサノンオキシムからなる群から選択される、請求項88に記載の抗菌組成物。
【請求項91】
前記オキシムが、ある量の2−ブタノンオキシムを含む、請求項89に記載の抗菌組成物。
【請求項92】
前記量の2−ブタノンオキシムが約10体積パーセントから約95体積パーセントの前記混合物中の濃度を有する、請求項90に記載の抗菌組成物。
【請求項93】
前記混合物中の2−ブタノンオキシムの前記量が約10体積パーセントから約30体積パーセントを含む、請求項91に記載の抗菌組成物。
【請求項94】
前記抗菌活性剤がジメチルアミノアルコールを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項95】
前記ジメチルアミノアルコールが、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−ブタノール及び3−ジメチルアミノ−2−ブタノールからなる群から選択される、請求項93に記載の抗菌組成物。
【請求項96】
前記ジメチルアミノアルコールが、ある量の2−ジメチルアミノエタノールを含む、請求項94に記載の抗菌組成物。
【請求項97】
前記混合物中の2−ジメチルアミノエタノールの前記量が約5体積パーセントから約95体積パーセントを含む、請求項95に記載の抗菌組成物。
【請求項98】
前記混合物中の2−ジメチルアミノエタノールの前記量が約5パーセントから約30パーセント体積対体積を含む、請求項96に記載の抗菌組成物。
【請求項99】
前記抗菌活性剤が脂肪族アルコールを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項100】
前記脂肪族アルコールが、1−ブタノール及び2−ブタノールからなる群から選択される、請求項98に記載の抗菌組成物。
【請求項101】
前記抗菌活性剤がピリジンを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項102】
前記ピリジンが、ピリジン、2−メチルピラジン、3−メチルピラジン、4−メチルピラジンからなる群から選択される、請求項100に記載の抗菌組成物。
【請求項1】
a.ある量の水と、
b.前記量の水と混合されたある体積量のジアセトンアルコールとを含み、前記混合物中の前記ジアセトンアルコールの量は、前記量の水が前記量のジアセトンアルコールよりも高速で前記混合物から蒸発することを可能にするのに十分な体積であり、前記混合物が、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少を30分間以下の時間にわたってもたらす、
抗菌組成物。
【請求項2】
前記混合物中のジアセトンアルコールの前記量が約10体積パーセントから約95体積パーセントである、請求項1に記載の抗菌組成物。
【請求項3】
前記量のジアセトンアルコールが約20体積パーセントから約40体積パーセントの前記混合物中の濃度を有する、請求項1に記載の抗菌組成物。
【請求項4】
前記量の水及び前記量のジアセトンアルコールと混合されたある量の希釈剤を更に含み、前記混合物が10体積パーセント以上のジアセトンアルコールを含む、請求項1に記載の抗菌組成物。
【請求項5】
前記量の希釈剤が前記生存可能微生物集団を含む、請求項4に記載の抗菌組成物。
【請求項6】
前記生存可能微生物が、Escherichia coli(ATCC25922、MRI EC 13)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI Ps 10)、Staphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Aspergillus niger(ATCC16404、MRI AN 2)及びClostridium sporogenes(ATCC19404、MRI Cl 12)からなる群から選択される、請求項5に記載の抗菌組成物。
【請求項7】
a.ある量の水と、
b.前記量の水と混合されたある体積量の2−ジメチルアミノエタノールとを含み、前記混合物中の前記量の2−ジメチルアミノエタノールの量は、前記量の水が前記量の2−ジメチルアミノエタノールよりも高速で前記混合物から蒸発することを可能にするのに十分な体積であり、記混合物が、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少を30分間以下の時間にわたってもたらす、
抗菌組成物。
【請求項8】
前記混合物中の2−ジメチルアミノエタノールの前記量が約5体積パーセントから約95体積パーセントである、請求項7に記載の抗菌組成物。
【請求項9】
前記量の2−ジメチルアミノエタノールが約5体積パーセントから約30体積パーセントの前記混合物中の濃度を有する、請求項7に記載の抗菌組成物。
【請求項10】
前記量の水及び前記量の2−ジメチルアミノエタノールと混合されたある量の希釈剤を更に含み、前記混合物が5体積パーセント以上の2−ジメチルアミノエタノールを含む、請求項7に記載の抗菌組成物。
【請求項11】
前記量の希釈剤が前記生存可能微生物集団を含む、請求項10に記載の抗菌組成物。
【請求項12】
前記生存可能微生物が、Escherichia coli(ATCC25922、MRI EC 13)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI Ps 10)、Staphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Aspergillus niger(ATCC16404、MRI AN 2)及びClostridium sporogenes(ATCC19404、MRI Cl 12)からなる群から選択される、請求項11に記載の抗菌組成物。
【請求項13】
a.ある量の水と、
b.前記量の水と混合されたある体積量のエチレングリコールモノブチルエーテルとを含み、前記混合物中の前記量のエチレングリコールモノブチルエーテルの量は、前記量の水が前記量のエチレングリコールモノブチルエーテルよりも高速で前記混合物から蒸発することを可能にするのに十分な体積であり、前記混合物が、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少を30分間以下の時間にわたってもたらす、
抗菌組成物。
【請求項14】
前記混合物中のエチレングリコールモノブチルエーテルの前記量が約5体積パーセントから約95体積パーセントである、請求項13に記載の抗菌組成物。
【請求項15】
前記量の2エチレングリコールモノブチルエーテルが約5体積パーセントから約30体積パーセントの前記混合物中の濃度を有する、請求項13に記載の抗菌組成物。
【請求項16】
前記量の水及び前記量のエチレングリコールモノブチルエーテルと混合されたある量の希釈剤を更に含み、前記混合物が5体積パーセント以上のエチレングリコールモノブチルエーテルを含む、請求項13に記載の抗菌組成物。
【請求項17】
前記量の希釈剤が前記生存可能微生物集団を含む、請求項13に記載の抗菌組成物。
【請求項18】
前記生存可能微生物が、Escherichia coli(ATCC25922、MRI EC 13)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI Ps 10)、Staphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Aspergillus niger(ATCC16404、MRI AN 2)及びClostridium sporogenes(ATCC19404、MRI Cl 12)からなる群から選択される、請求項17に記載の抗菌組成物。
【請求項19】
a.ある量の水と、
b.前記量の水と混合されたある体積量のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートとを含み、前記混合物中の前記量のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートの量は、前記量の水が前記量のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートよりも高速で前記混合物から蒸発することを可能にするのに十分な体積であり、前記混合物が、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少を30分間以下の時間にわたってもたらす、
抗菌組成物。
【請求項20】
前記混合物中のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートの前記量が約15体積パーセントから約95体積パーセントである、請求項19に記載の抗菌組成物。
【請求項21】
前記量のエチレングリコールモノブチルエーテルが約15体積パーセントから約30体積パーセントの前記混合物中の濃度を有する、請求項19に記載の抗菌組成物。
【請求項22】
前記量の水及び前記量のエチレングリコールモノブチルエーテルと混合されたある量の希釈剤を更に含み、前記混合物が15体積パーセント以上のエチレングリコールモノブチルエーテルを含む、請求項19に記載の抗菌組成物。
【請求項23】
前記量の希釈剤が前記生存可能微生物集団を含む、請求項22に記載の抗菌組成物。
【請求項24】
前記生存可能微生物が、Escherichia coli(ATCC25922、MRI EC 13)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI Ps 10)、Staphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Aspergillus niger(ATCC16404、MRI AN 2)及びClostridium sporogenes(ATCC19404、MRI Cl 12)からなる群から選択される、請求項23に記載の抗菌組成物。
【請求項25】
a.ある量の水と、
b.前記量の水と混合されたある体積量のエチレングリコールジエチルエステルとを含み、前記混合物中の前記量のエチレングリコールジエチルエステルの量は、前記量の水が前記量のエチレングリコールジエチルエステルよりも高速で前記混合物から蒸発することを可能にするのに十分な体積であり、前記混合物が、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少を30分間以下の時間にわたってもたらす、
抗菌組成物。
【請求項26】
前記混合物中のエチレングリコールジエチルエステルの前記量が約10体積パーセントから約95体積パーセントである、請求項25に記載の抗菌組成物。
【請求項27】
前記量のエチレングリコールジエチルエステルが約10体積パーセントから約30体積パーセントの前記混合物中の濃度を有する、請求項25に記載の抗菌組成物。
【請求項28】
前記量の水及び前記量のエチレングリコールジエチルエステルと混合されたある量の希釈剤を更に含み、前記混合物が10体積パーセント以上のエチレングリコールジエチルエステルを含む、請求項25に記載の抗菌組成物。
【請求項29】
前記量の希釈剤が前記生存可能微生物集団を含む、請求項28に記載の抗菌組成物。
【請求項30】
前記生存可能微生物が、Escherichia coli(ATCC25922、MRI EC 13)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI Ps 10)、Staphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Aspergillus niger(ATCC16404、MRI AN 2)及びClostridium sporogenes(ATCC19404、MRI Cl 12)からなる群から選択される、請求項29に記載の抗菌組成物。
【請求項31】
a.不活性剤と、
b.約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで前記不活性剤中に混和性の抗菌活性剤とを含み、前記抗菌活性剤が、約10℃から約80℃の前記不活性剤よりも高い沸点を有し、前記不活性剤が、約5℃から約90℃の前記温度範囲内で約760mmHgで前記不活性剤と前記抗菌活性剤の混合物から前記抗菌活性剤よりも高速で蒸発し、前記混合物が、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少をもたらす、
抗菌組成物。
【請求項32】
前記混合物が、前記不活性剤が前記混合物から蒸発する期間、前記生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少をもたらす、請求項31に記載の抗菌組成物。
【請求項33】
前記不活性剤の蒸発によって、生存可能微生物集団の2−log10を超える桁の減少をもたらす前記混合物が生成する、請求項31に記載の抗菌組成物。
【請求項34】
前記混合物からの前記不活性剤の蒸発速度が、前記混合物からの前記抗菌活性剤の蒸発速度よりも大きく、前記混合物における前記抗菌活性剤の体積の増加をある期間にわたって生じる、請求項31に記載の抗菌組成物。
【請求項35】
前記混合物中の前記抗菌活性剤が、前記混合物の共沸混合物を生じる前記抗菌活性剤の量よりも多い、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項36】
前記混合物の蒸発が残渣を残さない、請求項31に記載の抗菌組成物。
【請求項37】
前記抗菌活性剤が、約110℃から約180℃の沸点及び−20℃以下の融点を有する有機物質を含む、請求項31に記載の抗菌組成物。
【請求項38】
前記抗菌活性剤が約−0.3から約1.0のlog POWを有する、請求項37に記載の抗菌組成物。
【請求項39】
前記抗菌活性剤が、4から8個の炭素原子及び2から4個の酸素原子を含む非イオン化分子構造を与える、請求項38に記載の抗菌組成物。
【請求項40】
前記抗菌活性剤の前記非イオン化分子構造が、1個の窒素原子を更に含む、請求項39に記載の抗菌組成物。
【請求項41】
前記抗菌活性剤がヒドロキシケトンを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項42】
前記ヒドロキシケトンが、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、2−ヒドロキシ−3−ペンタノン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンタノン、3−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンタノン、3−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−5−オクタノンからなる群から選択されるアルファヒドロキシケトンを含む、請求項41に記載の抗菌組成物。
【請求項43】
前記ヒドロキシケトンが、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、1−ヒドロキシ−3−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、5−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘプタノン、3−ヒドロキシ−3−メチル−5−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−ヘキサノンからなる群から選択されるベータヒドロキシケトンを含む、請求項41に記載の抗菌組成物。
【請求項44】
前記ベータヒドロキシケトンが、ある量の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンを含む、請求項43に記載の抗菌組成物。
【請求項45】
前記混合物中の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンの前記量が約10体積パーセントから約95体積パーセントを含む、請求項43に記載の抗菌組成物。
【請求項46】
前記混合物中の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンの前記量が約20体積パーセントから約95体積パーセントを含む、請求項43に記載の抗菌組成物。
【請求項47】
前記抗菌活性剤がグリコールエーテルを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項48】
前記グリコールエーテルがエチレングリコールモノエーテルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項49】
前記エチレングリコールモノエーテルが、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル及びエチレングリコールモノヘキシルエーテルからなる群から選択される、請求項48に記載の抗菌組成物。
【請求項50】
前記グリコールエーテルが、ある量のエチレングリコールモノブチルエーテルを含む、請求項49に記載の抗菌組成物。
【請求項51】
前記混合物中のエチレングリコールモノブチルエーテルの前記量が約5体積パーセントから約95体積パーセントを含む、請求項50に記載の抗菌組成物。
【請求項52】
前記混合物中のエチレングリコールモノブチルエーテルの前記量が約5体積パーセントから約30体積パーセントを含む、請求項51に記載の抗菌組成物。
【請求項53】
前記グリコールエーテルがエチレングリコールジエーテルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項54】
前記エチレングリコールジエーテルが、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル及びエチレングリコールジプロピルエーテルからなる群から選択される、請求項53に記載の抗菌組成物。
【請求項55】
前記グリコールエーテルがエチレングリコールエーテルエステルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項56】
前記エチレングリコールエーテルエステルが、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチラート及びエチレングリコールモノエチルエーテルブチラートからなる群から選択される、請求項55に記載の抗菌組成物。
【請求項57】
前記グリコールエーテルが、ある量のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートを含む、請求項55に記載の抗菌組成物。
【請求項58】
前記混合物中のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートの前記量が約15体積パーセントから約95体積パーセントを含む、請求項57に記載の抗菌組成物。
【請求項59】
前記混合物中のエチレングリコールモノメチルエーテルアセタートの前記量が約15パーセントから約30パーセント体積対体積を含む、請求項58に記載の抗菌組成物。
【請求項60】
前記グリコールエーテルがプロピレングリコールモノエーテルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項61】
前記プロピレングリコールモノエーテルが、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールモノペンチルエーテルからなる群から選択される、請求項60に記載の抗菌組成物。
【請求項62】
前記グリコールエーテルがプロピレングリコールジエーテルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項63】
前記プロピレングリコールジエーテルが、プロピレングリコールジメチルエーテル及びプロピレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択される、請求項62に記載の抗菌組成物。
【請求項64】
前記グリコールエーテルがプロピレングリコールエーテルエステルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項65】
前記プロピレングリコールエーテルエステルが、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチラートからなる群から選択される、請求項64に記載の抗菌組成物。
【請求項66】
前記グリコールエーテルがブチレングリコールエーテルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項67】
前記ブチレングリコールエーテルエステルがブチレングリコールモノエーテルを含む、請求項66に記載の抗菌組成物。
【請求項68】
前記ブチレングリコールモノエーテルが、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノプロピルエーテル及びブチレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択される、請求項67に記載の抗菌組成物。
【請求項69】
前記グリコールエーテルがブチレングリコールジエーテルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項70】
前記ブチレングリコールジエーテルが、ブチレングリコールジメチルエーテル及びブチレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択される、請求項68に記載の抗菌組成物。
【請求項71】
前記グリコールエーテルがブチレングリコールエーテルエステルを含む、請求項47に記載の抗菌組成物。
【請求項72】
前記ブチレングリコールエーテルエステルが、ブチレングリコールモノメチルエーテルホルマートエステル及びブチレングリコールモノエチルエーテルアセタートからなる群から選択される、請求項70に記載の抗菌組成物。
【請求項73】
前記抗菌活性剤がグリコールエステルを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項74】
前記グリコールエステルがエチレングリコールモノエステルを含む、請求項72に記載の抗菌組成物。
【請求項75】
前記エチレングリコールモノエステルが、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノプロピルエステル、エチレングリコールモノブチルエステル、エチレングリコールモノペンチルエステル及びエチレングリコールモノヘキシルエステルからなる群から選択される、請求項73に記載の抗菌組成物。
【請求項76】
前記グリコールエステルがエチレングリコールジエステルを含む、請求項72に記載の抗菌組成物。
【請求項77】
前記エチレングリコールジエステルが、エチレングリコールジメチルエステル、エチレングリコールジエチルエステル及びエチレングリコールジプロピルエステルからなる群から選択される、請求項75に記載の抗菌組成物。
【請求項78】
前記グリコールエーテルが、ある量のエチレングリコールジエチルエステルを含む、請求項76に記載の抗菌組成物。
【請求項79】
前記混合物中のエチレングリコールジエチルエステルの前記量が約10体積パーセントから約95体積パーセントを含む、請求項77に記載の抗菌組成物。
【請求項80】
前記混合物中のエチレングリコールジエチルエステルの前記量が約10パーセントから約30パーセント体積対体積を含む、請求項78に記載の抗菌組成物。
【請求項81】
前記グリコールエステルがプロピレングリコールモノエステルを含む、請求項72に記載の抗菌組成物。
【請求項82】
前記プロピレングリコールモノエステルが、プロピレングリコールモノメチルエステル、プロピレングリコールモノエチルエステル、プロピレングリコールモノプロピルエステル、プロピレングリコールモノブチルエステル及びプロピレングリコールモノペンチルエステルからなる群から選択される、請求項80に記載の抗菌組成物。
【請求項83】
前記グリコールエステルがプロピレングリコールジエステルを含む、請求項72に記載の抗菌組成物。
【請求項84】
前記プロピレングリコールジエステルが、プロピレングリコールジメチルエステル、プロピレングリコールジエチルエステル、プロピレングリコールジプロピルエステル、プロピレングリコールジブチルエステル及びプロピレングリコールジペンチルエステルからなる群から選択される、請求項82に記載の抗菌組成物。
【請求項85】
前記グリコールエステルがブチレングリコールジエステルを含む、請求項72に記載の抗菌組成物。
【請求項86】
前記ブチレングリコールジエステルが、ブチレングリコールジメチルエステル、ブチレングリコールジエチルエステル、ブチレングリコールジプロピルエステル、ブチレングリコールジブチルエステルからなる群から選択される、請求項84に記載の抗菌組成物。
【請求項87】
前記グリコールエステルがブチレングリコールエステルを含む、請求項72に記載の抗菌組成物。
【請求項88】
前記ブチレングリコールジエステルが、ブチレングリコールメチルエステル及びブチレングリコールエチルエステルからなる群から選択される、請求項86に記載の抗菌組成物。
【請求項89】
前記抗菌活性剤がオキシムを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項90】
前記オキシムが、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、2−ペンタノンオキシム、3−ペンタノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、2−ヘキサノンオキシム、3−ヘキサノンオキシム及びシクロヘキサノンオキシムからなる群から選択される、請求項88に記載の抗菌組成物。
【請求項91】
前記オキシムが、ある量の2−ブタノンオキシムを含む、請求項89に記載の抗菌組成物。
【請求項92】
前記量の2−ブタノンオキシムが約10体積パーセントから約95体積パーセントの前記混合物中の濃度を有する、請求項90に記載の抗菌組成物。
【請求項93】
前記混合物中の2−ブタノンオキシムの前記量が約10体積パーセントから約30体積パーセントを含む、請求項91に記載の抗菌組成物。
【請求項94】
前記抗菌活性剤がジメチルアミノアルコールを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項95】
前記ジメチルアミノアルコールが、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−ブタノール及び3−ジメチルアミノ−2−ブタノールからなる群から選択される、請求項93に記載の抗菌組成物。
【請求項96】
前記ジメチルアミノアルコールが、ある量の2−ジメチルアミノエタノールを含む、請求項94に記載の抗菌組成物。
【請求項97】
前記混合物中の2−ジメチルアミノエタノールの前記量が約5体積パーセントから約95体積パーセントを含む、請求項95に記載の抗菌組成物。
【請求項98】
前記混合物中の2−ジメチルアミノエタノールの前記量が約5パーセントから約30パーセント体積対体積を含む、請求項96に記載の抗菌組成物。
【請求項99】
前記抗菌活性剤が脂肪族アルコールを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項100】
前記脂肪族アルコールが、1−ブタノール及び2−ブタノールからなる群から選択される、請求項98に記載の抗菌組成物。
【請求項101】
前記抗菌活性剤がピリジンを含む、請求項34に記載の抗菌組成物。
【請求項102】
前記ピリジンが、ピリジン、2−メチルピラジン、3−メチルピラジン、4−メチルピラジンからなる群から選択される、請求項100に記載の抗菌組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2010−539233(P2010−539233A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525810(P2010−525810)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/010684
【国際公開番号】WO2009/038672
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(500308473)エックスワイ,エルエルシー (17)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/010684
【国際公開番号】WO2009/038672
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(500308473)エックスワイ,エルエルシー (17)
【Fターム(参考)】
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