説明

蓄電池充電計画支援システム

【課題】各施設のバックアップ用蓄電池毎に適切なタイミングで自動車による電力供給を実現し、非常時において継続したバックアップ機器の運転を行うことを可能とする。
【解決手段】バックアップ用蓄電池12を備えた施設10の施設制御装置11は停電が発生時、バックアップ用蓄電池からバックアップ機器に給電し、充電支援制御装置2には施設停電情報を送信すると共に、充電支援制御装置は、各施設制御装置から施設停電情報を受信した場合、各施設のバックアップ用蓄電池12を充電する優先順位を決定し、決定した優先順位に基づく要充電施設への誘導情報を車載蓄電池32を有した自動車30の自動車制御装置31に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の施設において停電が発生した場合に、各施設のバックアップ用蓄電池に、選択的に複数の電動自動車から電力を供給する蓄電池充電計画支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、病院、消防署、警察署等の施設、更には、店舗等の施設には、電力が供給されることで作動する医療用機器や、POS(販売管理システム)、照明装置、冷設機器等が多く設けられている。自然災害等により商用電源が停止した場合、各施設に設置されたバックアップ用蓄電池から電力が供給されることで、各種機器のバックアップ運転が可能とされる。通常、バックアップ用蓄電池は、施設の制御装置に接続され、常時充電が行われており、停電などが生じた場合に、当該バックアップ用蓄電池から非常時に作動させる各種機器に電力が供給される。
【0003】
この場合、バックアップ用蓄電池は、その蓄電容量が限られているため、バックアップ運転を実行できる時間が限られている。そこで、外部から任意に電力を供給できる電源として、PHV(プラグインハイブリッド自動車)やEV(電気自動車)等の電動自動車の駆動源である車載蓄電池が注目されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、病院等の施設において、商用電源が不足したときに、当該施設の不足電力量を、施設側から緊急配電装置に対して依頼することにより、その不足電力に対応した電気自動車が誘導されて、当該施設に対して電気自動車の蓄電池から電力が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−33808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1では、商用電源が停止した場合に、自動車に搭載された蓄電池を利用して施設へ電力を直接供給するものであるため、上述したように停電した施設にバックアップ用蓄電池が設けられた場合に、各施設の各バックアップ用蓄電池の放電状況に応じた自動車による電力供給を実現することができないという問題がある。
【0007】
特に、各施設の各バックアップ用蓄電池は、使用する機器の違いなどによって、バックアップ用蓄電池の消費電力(蓄電池に蓄積された電力量の減少速度)が大きく異なる。また、各蓄電池によって電力供給が行われるバックアップ機器は、緊急時における重要度合いが異なり、バックアップ用蓄電池の電池容量も異なる。各バックアップ用蓄電池毎に適切なタイミングで充電できないと、充電した電力が有効に利用されないばかりか、バックアップ機器が利用不可能となる場合も生じる。
【0008】
本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、各施設のバックアップ用蓄電池毎に適切なタイミングで自動車による電力供給を実現し、非常時において継続したバックアップ機器の運転を行うことを可能とする蓄電池充電計画支援システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の蓄電池充電計画支援システムは、バックアップ用蓄電池が設けられた複数の施設において各バックアップ用蓄電池の充放電をそれぞれ制御する施設制御装置と、車載蓄電池を有して外部に電力を供給可能な自動車において車載蓄電池の充放電を制御する自動車制御装置と、該自動車制御装置及び各施設制御装置とネットワークを介して情報の授受を行う充電支援制御装置とから構築され、施設制御装置は、停電が発生した場合、バックアップ用蓄電池から当該施設に設置されたバックアップ機器に給電し、充電支援制御装置には少なくとも停電発生に関する情報を含む施設停電情報を送信すると共に、該充電支援制御装置は、各施設制御装置から施設停電情報を受信した場合、各施設のバックアップ用蓄電池を充電する優先順位を決定し、決定した優先順位に基づく要充電施設への誘導情報を自動車制御装置に送信することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、上記発明において、自動車制御装置は複数台の自動車にそれぞれ設けられ、各自動車制御装置は、少なくとも当該自動車の自動車位置情報を含む自動車情報を充電支援制御装置に送信すると共に、充電支援制御装置は、決定した優先順位と自動車情報に基づき、複数の要充電施設と各要充電施設に誘導すべき自動車を決定して誘導情報を各自動車制御装置にそれぞれ送信することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、上記発明において、施設停電情報は、当該施設のバックアップ用蓄電池の電池残量に関する情報を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、上記各発明において、充電支援制御装置は、各施設のバックアップ機器の種類、定格電力、及び/又は、緊急時の運転スケジュールを含む機器情報を保有し、該機器情報に基づいてバックアップ用蓄電池の消費電力の変化を予測し、予測されたバックアップ用蓄電池の消費電力変化情報に基づいて優先順位を決定することを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、上記発明において、充電支援制御装置は、各施設に設けられた補助発電手段の有無に関する情報と、当該補助発電手段の能力情報とを保有しており、当該補助発電手段の能力情報に基づき、各施設の補助発電手段の発電量を予測し、当該発電量に基づきバックアップ用蓄電池の消費電力の変化の予測を修正することを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、上記発明において、補助発電手段は、自然エネルギーを用いて発電する発電手段であると共に、充電支援制御装置は、各施設の施設位置情報を保有しており、当該施設位置情報に対応するそのときの気象データを含む発電環境条件に基づき、各施設の補助発電手段の発電量を予測することを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、上記請求項4乃至請求項6の発明において、施設停電情報には当該施設のバックアップ用蓄電池の電池残量に関する情報が含まれており、充電支援制御装置は、各施設のバックアップ用蓄電池の電池容量情報を保有し、施設制御装置から受信した電池残量と、機器情報と、バックアップ用蓄電池の消費電力変化情報に基づいて、バックアップ用蓄電池の電池残量が無くなり、若しくは、実用に供せなくなるまでの残量零時間を予測し、予測された残量零時間情報に基づいて優先順位を決定することを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、上記請求項4乃至請求項7の発明において、充電支援制御装置は、各施設のバックアップ用蓄電池の重要度情報を保有し、当該重要度情報、又は、バックアップ用蓄電池の消費電力変化情報、又は、残量零時間情報のうちの何れか一つ、若しくは、それらの組み合わせから優先順位を決定することを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明は、上記各発明において、自動車制御装置は複数台の自動車にそれぞれ設けられ、各自動車制御装置は、少なくとも当該自動車の自動車位置情報を含む自動車情報を充電支援制御装置に送信すると共に、充電支援制御装置は、優先順位に基づき決定された要充電施設までの距離が近い、又は、当該要充電施設までの移動時間が短い自動車の自動車制御装置から順に、要充電施設への誘導情報を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の蓄電池充電計画支援システムによれば、バックアップ用蓄電池が設けられた複数の施設において各バックアップ用蓄電池の充放電をそれぞれ制御する施設制御装置と、車載蓄電池を有して外部に電力を供給可能な自動車において車載蓄電池の充放電を制御する自動車制御装置と、該自動車制御装置及び各施設制御装置とネットワークを介して情報の授受を行う充電支援制御装置とから構築され、施設制御装置は、停電が発生した場合、バックアップ用蓄電池から当該施設に設置されたバックアップ機器に給電し、充電支援制御装置には少なくとも停電発生に関する情報を含む施設停電情報を送信すると共に、該充電支援制御装置は、各施設制御装置から施設停電情報を受信した場合、各施設のバックアップ用蓄電池を充電する優先順位を決定し、決定した優先順位に基づく要充電施設への誘導情報を自動車制御装置に送信することにより、停電発生時において、優先順位の高いバックアップ用蓄電池が設けられた施設から順に、車載蓄電池を有する自動車を誘導することができる。
【0019】
これにより、一度に複数の施設において停電が発生した場合でも、優先順位に基づいた効率的、且つ、有効的な、バックアップ用蓄電池の充電を行うことが可能となり、施設の状況に応じて各機器の運転を行うことができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、上記発明に加えて、自動車制御装置は複数台の自動車にそれぞれ設けられ、各自動車制御装置は、少なくとも当該自動車の自動車位置情報を含む自動車情報を充電支援制御装置に送信すると共に、充電支援制御装置は、決定した優先順位と自動車情報に基づき、複数の要充電施設と各要充電施設に誘導すべき自動車を決定して誘導情報を各自動車制御装置にそれぞれ送信することにより、複数台の自動車によって、複数の要充電施設のバックアップ用蓄電池を優先順位に基づいて充電することができる。これにより、より効率的にバックアップ用蓄電池の充電を行うことが可能となる。
【0021】
請求項3の発明によれば、上記発明において、施設停電情報は、当該施設のバックアップ用蓄電池の電池残量に関する情報を含むことにより、各バックアップ用蓄電池の電池残量に基づいて優先順位を決定することができ、バックアップ用蓄電池毎に適切なタイミングで充電を行うことが可能となる。これにより、より有効に自動車の車載用蓄電池を用いた充電を実現することができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、上記各発明において、充電支援制御装置は、各施設のバックアップ機器の種類、定格電力、及び/又は、緊急時の運転スケジュールを含む機器情報を保有し、該機器情報に基づいてバックアップ用蓄電池の消費電力の変化を予測し、予測されたバックアップ用蓄電池の消費電力変化情報に基づいて優先順位を決定することにより、電力の消費状況の異なる機器を備えた各施設におけるバックアップ用蓄電池に関して、消費電力変化の大きいバックアップ用蓄電池はより高い優先順位で充電を行い、消費電力変化の小さいバックアップ用蓄電池はより低い優先順位で自動車の車載用蓄電池を用いた充電を行うことが可能となる。
【0023】
これにより、請求項7の発明の如く上記施設制御装置から受信したバックアップ用蓄電池の電池残量と、機器情報と、バックアップ用蓄電池の消費電力変化情報に基づいて、バックアップ用蓄電池の電池残量が無くなり、若しくは、実用に供せなくなるまでの残量零時間を予測し、予測された残量零時間情報に基づいて優先順位を決定することが可能となり、残量零時間情報が近いものほど高い優先順位とすることで、各施設の機器の継続した使用を可能とする充電を実現することが可能となる。
【0024】
また、請求項5の発明は、上記発明において、充電支援制御装置は、各施設に設けられた補助発電手段の有無に関する情報と、当該補助発電手段の能力情報を保有しており、当該補助発電手段の能力情報に基づき、各施設の補助発電手段の発電量を予測し、当該発電量に基づきバックアップ用蓄電池の消費電力の変化の予測を修正することにより、バックアップ用蓄電池の消費電力の変化予測の精度を向上させることができる。これにより、発電量に関する情報を考慮した優先順位の決定を行うことができ、より効率的に自動車の車載用蓄電池を用いた充電を行うことができる。
【0025】
また、請求項6の発明によれば、上記発明において、補助発電手段は、自然エネルギーを用いて発電する発電手段であると共に、充電支援制御装置は、各施設の施設位置情報を保有しており、当該施設位置情報に対応するそのときの気象データを含む発電環境条件に基づき、各施設の補助発電手段の発電量を予測することにより、より一層高い精度にて各施設の補助発電手段の発電量を予測することができる。従って、バックアップ用蓄電池の消費電力の変化予測の精度を向上させることができる。
【0026】
請求項8の発明によれば、上記請求項4乃至請求項7の発明において、充電支援制御装置は、各施設のバックアップ用蓄電池の重要度情報を保有し、当該重要度情報、又は、バックアップ用蓄電池の消費電力変化情報、又は、残量零時間情報のうちの何れか一つ、若しくは、それらの組み合わせから優先順位を決定することにより、各施設に設けられたバックアップ機器の利用目的に応じて、重要度の高いバックアップ用蓄電池は、高い優先順位とすることで、電池残量が無くなる、若しくは、実用に供せなくなるまで減少する前に、自動車の車載用蓄電池を用いた充電を行うことができるようになり、継続した機器の使用を可能とすることができる。他方、一時的に電池残量が零となることが許容されるような重要度の低いバックアップ用蓄電池は、より低い優先順位とすることで、他の施設における重要度の高いバックアップ用蓄電池の充電を優先させることが可能となる。
【0027】
請求項9の発明によれば、上記各発明において、自動車制御装置は複数台の自動車にそれぞれ設けられ、各自動車制御装置は、少なくとも当該自動車の自動車位置情報を含む自動車情報を充電支援制御装置に送信すると共に、充電支援制御装置は、優先順位に基づき決定された要充電施設までの距離が近い、又は、当該要充電施設までの移動時間が短い自動車の自動車制御装置から順に、要充電施設への誘導情報を送信することにより、優先順位に基づいてより効率的に車載用蓄電池を備えた自動車を要充電施設に誘導することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を適用する蓄電池充電計画支援システムの概略構成図である。
【図2】各制御装置の概略ブロック図である。
【図3】充電支援制御装置のデータベースの内部構成を示す図である。
【図4】各制御装置のシーケンス図である。
【図5】施設制御装置のフローチャートである。
【図6】優先順位決定動作のフローチャートである。
【図7】各機器の消費電力量及び補助発電装置の発電量の変化計算を示す図である。
【図8】優先順位を決定するための評価点テーブルを示す図である。
【図9】消費電力変化(面積)が小さい場合の消費電力量の変化を示す図である。
【図10】消費電力変化(面積)が大きい場合の消費電力量の変化を示す図である。
【図11】優先順位を決定するためのデータテーブルを示す図である。
【図12】自動車制御装置のフローチャートである。
【図13】自動車を決定するためのフローチャートである。
【図14】バックアップ用蓄電池の電池残量の変化の一例を示す図である。
【図15】バックアップ用蓄電池の電池残量の変化の一例を示す図である。
【図16】施設毎の充電計画決定結果を示す図である。
【図17】複数の施設毎の充電計画決定結果を示す図である。
【図18】施設と自動車との距離に関する評価点テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用する蓄電池充電計画支援システム1の概略構成図、図2は各制御装置の概略ブロック図を示す。蓄電池充電計画支援システム1は、商用系統からの電源供給が絶たれた停電時において、各施設10に設けられるバックアップ用蓄電池12の充放電状況を考慮し、緊急に電力の供給が必要とされる施設10の各機器に電動自動車30の車載蓄電池32からの電力を配備するシステムである。
【0030】
本実施例において、蓄電池充電計画支援システム1は、緊急センター等の緊急時に拠点とされる施設に設置される充電支援制御装置2と、複数の各施設10に設置される施設制御装置11・・と、複数の各電動自動車30に設置される自動車制御装置31・・・とから構築される。尚、各制御装置2、11、31には、詳細は後述する各制御装置2、11、31の制御部3、19、34にインストールされるソフトウエアのみから各制御装置を構成する場合も含まれる。
【0031】
施設10は、停電時であっても電源を要する施設として店舗を例に挙げて説明する。当該施設10は、これに限定されるものではなく、例えば、警察署、消防署、照明装置、更には冷設機器を備えた店舗や工場等であってもよい。施設10には、データ管理を行うPOSシステム13や、照明装置14、OA機器15等のバックアップ用運転を行う電力消費機器(以下、バックアップ機器とする。)と、充放電を同時(同時期を含む)に行うことを可能とするバックアップ用蓄電池12とが設けられている。尚、バックアップ機器は、これに限定されるものではなく、また、バックアップ用蓄電池12は、各施設10において、単一であっても、複数であってもよいものとする。
【0032】
そして、各バックアップ用蓄電池12には、商用系統から電力を当該バックアップ用蓄電池12に充電するための充電回路16が接続されていると共に、POSシステム13や、照明装置14、OA機器15等のバックアップ機器がインバータ回路17を介して接続されている。また、当該施設10に自然エネルギーを用いて発電する太陽光発電装置や風力発電装置等の補助発電装置18が設けられている場合には、当該補助発電装置18は、バックアップ用蓄電池12にも接続されている。尚、自然エネルギーを用いて発電する補助発電装置18は、太陽光発電装置や風力発電装置に限定されない。また、当該補助発電装置18は、これ以外にも、UPS(無停電電源装置)や自家発電設備等であってもよい。
【0033】
そして、各バックアップ用蓄電池12には、当該バックアップ用蓄電池12の充放電を制御する施設制御装置11が接続されている。この施設制御装置11は、汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、制御部19と、通信部20とを有している。この制御部19は、平常時には、商用系統から各電力消費機器に電力を供給すると共に、バックアップ用蓄電池12の電池残量を検出して充放電を監視し、電池残量が不足している場合には、充電を行う。そして、商用系統からの電力供給が停電等によって遮断された場合には、バックアップ用蓄電池12を放電させて、各バックアップ機器に電力を供給する。
【0034】
制御部19は、通信部20が接続され、該通信部20は、インターネット等のネットワーク21を介して充電支援制御装置2と相互に情報の授受を行う。これにより、当該施設10の停電が発生した場合に、制御部19は、バックアップ用蓄電池12から当該施設10に設置されたバックアップ機器に給電すると共に、充電支援制御装置2に停電発生に関する情報と、現在の施設10のバックアップ用蓄電池12の電池残量に関する情報を含む施設停電情報を送信する。また、充電支援制御装置2からのバックアップ用蓄電池12の電池残量情報の要求に応じて制御部19は、そのときの電池残量情報を送信する。
【0035】
電動自動車30は、大容量蓄電装置からなる車載蓄電池32を駆動源として有し、外部に当該車載蓄電池32からの電力を供給可能な自動車であり、一例としてPHV(プラグインハイブリッド自動車)やEV(電気自動車)等を採用する。PHVは、車載蓄電池32の直流電流をインバータにより交流に変換して、駆動モータやエンジン始動時の発電機に適切な電力を供給すると共に、回生ブレーキにより得られる電力を充電回路33を介して車載蓄電池32に充電するものである。EVは、車載蓄電池32の直流電流をインバータにより交流に変換して、駆動モータに適切な電力を供給すると共に、充電回路33を介して外部の充電器から車載蓄電池32に充電するものである。
【0036】
そして、この車載蓄電池32には、当該車載蓄電池32の充放電を制御する自動車制御装置31が接続されている。この自動車制御装置31は、汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、制御部34と、表示部35と、通信部36とを有している。制御部34及び表示部35は、一般的なナビゲーションシステムを構築するものである。そのため、制御部34は、当該自動車の現在位置を取得するためのGPSインターフェース、ナビゲーションのためのプログラム等を有し、表示部35は、自動車の現在位置から目的位置までの経路や、所要時間等を表示する。
【0037】
そして、この制御部34は、通信部36が接続され、該通信部36は、インターネット等のネットワーク21を介して充電支援制御装置2と相互に情報の授受を行う。これにより、詳細は後述するように何れかの施設10において停電が発生した際に、充電支援制御装置2からの要求に応じて、当該自動車30の自動車位置情報を含む自動車情報を充電支援制御装置2に送信する。
【0038】
そして、充電支援制御装置2は、汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、制御部3と、入力部4と、表示部5と、通信部6と、データベース7を有している。制御部3は、通信部6が接続され、該通信部6は、インターネット等のネットワーク21を介して各施設10に設けられた施設制御装置11と、各自動車30に設けられた自動車制御装置31と相互に情報の授受を行う。
【0039】
これにより、各施設制御装置11から施設停電情報を受信した場合、詳細は後述するように、制御部3は、データベース7に保有された各施設10に設けられた各バックアップ用蓄電池12に関する情報と、各施設10に設けられたバックアップ機器に関する情報と、補助発電装置18に関する情報と、各自動車制御装置31から受信した自動車情報に基づき、充電を行うバックアップ用蓄電池12の優先順位を決定して、当該優先順位に応じて対応する自動車30による充電計画を行い、当該自動車30の自動車制御装置31に当該充電を行うバックアップ用蓄電池12が設けられた要充電施設への誘導情報を送信する。
【0040】
入力部4は、データベース7への各種情報の入力を行うものであり、表示部5は係る入力部4による入力結果の表示、上記優先順位に基づく要充電施設、及び、対応する自動車30等の充電計画結果を表示する。
【0041】
データベース7は、事前に各施設10に設けられた各バックアップ用蓄電池12に関する情報と、各施設10に設けられたバックアップ機器に関する情報(機器情報)と、補助発電装置18に関する情報と、各自動車30に関する情報(自動車情報)が保有されている。例えば図3に示すように、データベース7には、複数の施設10にそれぞれ設けられるバックアップ用蓄電池12に関する情報が、各施設10毎に個別の識別情報としての施設IDが割り付けられて登録される。具体的には、それぞれの施設ID毎に、当該施設10の施設位置情報(所在地として住所又は緯度と経度)と、当該施設10のバックアップ用蓄電池12の電池容量情報と、当該施設10に設けられた自然エネルギーを用いて発電する補助発電装置18の有無に関する情報と、補助発電装置18がある場合には、当該補助発電装置18の能力情報(出力情報)が登録される。
【0042】
これ以外にも、データベース7には、重要度テーブルとして、施設ID毎に、各バックアップ用蓄電池1の使用目的と当該使用目的に応じて設定される重要度情報(重要度ランク)が作成されて登録される。図3に示すように、バックアップ用蓄電池12の使用目的が、医療用や、POSシステム13を有する店舗用である場合には重要度A、POSシステム13を有していない店舗用や、UPS(無停電電源装置)を有していない場合であってOA機器を有する建物用である場合には重要度B、UPSを有している場合であってOA機器を有する建物用、照明機器を有する建物用である場合には重要度Cとする。尚、当該重要度の判定はこれに限定されるものではなく、当該バックアップ用蓄電池12から電力供給が行われるバックアップ機器の種類や、UPSの有無等によりデータベース登録時に任意に設定してもよい。
【0043】
そして、データベース7には、複数の施設10にそれぞれ設けられるバックアップ機器に関する情報(機器情報)が、施設ID毎に、当該施設10のバックアップ機器の種類(一例として、POSシステム、照明機器、OA機器等)と、当該バックアップ機器の定格消費電力、及び、緊急時の運転スケジュールが登録される。運転スケジュールとしては、例えば当該バックアップ機器のONとOFFの時刻スケジュールがある。
【0044】
また、データベース7は、事前に当該蓄電池充電計画支援システム1を構築する各自動車制御装置31を備えた各自動車30に関する情報(自動車情報)が、各自動車30毎に個別の識別情報としての自動車IDが割り付けられて登録される。具体的には、それぞれの自動車ID毎に、当該自動車30の種類(一例として、PHV(プラグインハイブリッド自動車)やEV(電気自動車))と、当該自動車30が有する車載蓄電池32の電池容量情報と、当該自動車30の車載蓄電池32のバックアップ蓄電池12への充電出力情報が登録される。本実施例では、自動車制御装置31は、複数台の自動車30に設けられ、各自動車制御装置31が蓄電池充電計画支援システム1を構築するものとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、一台の自動車30に設けられる単一の自動車制御装置31としてもよい。
【0045】
次に、図4及び図5を参照して本実施例の蓄電池充電計画支援システム1の動作について説明する。図4は各制御装置のシーケンス図、図5は施設制御装置11のフローチャートを示す。何れかの施設10において停電が発生した場合、当該施設10に設けられた施設制御装置11の制御部19は、ステップS1において、当該施設10に設けられたバックアップ用蓄電池12から当該施設10に設置されたバックアップ機器に給電するバックアップ運転を開始する。
【0046】
そして、ステップS2において、制御部19は、通信部20によりネットワーク21を介して充電支援制御装置2に、当該施設10の施設IDと、停電開始時間を含む停電発生に関する情報を送信する。また、ステップS3において、制御部19は、通信部20によりネットワーク21を介して充電支援制御装置2に、当該施設10の施設IDと、現在時間と、現在の当該施設10のバックアップ用蓄電池12の電池残量に関する情報を送信する。
【0047】
これに対し、充電支援制御装置2は、停電が発生した各施設10から、施設IDと、停電開始時間を含む停電発生に関する情報と、現在時間と、当該時間における(現在の)バックアップ用蓄電池12の電池残量に関する情報とを含む施設停電情報を受信すると、ステップS11において、各施設10からの施設停電情報をデータベース7に登録する。尚、施設停電情報を受信した施設制御装置11に対して充電支援制御装置2から当該施設10のバックアップ用蓄電池12の電池残量情報の要求を行ってもよい。この場合、施設制御装置11の制御部19は、当該充電支援制御装置2からの要求に応じてそのときの電池残量情報を送信する。
【0048】
図5の(A)に、一例として、データベース7に作成された施設ID1〜3の停電開始時間(2011年6月15日0:00)に関する情報のデータテーブルを示す。図5の(B)に、一例として、データベース7に作成された施設ID毎に、電池残量に関する情報を受信した時刻と、その電池残量に関する情報のデータテーブルを示す。この場合、施設ID1では、2011年6月15日0:00時点で当該施設ID1のバックアップ用蓄電池12の電池残量が16kWh、2011年6月15日19:00時点で当該施設ID1のバックアップ用蓄電池12の電池残量が12kWh、施設ID2では、2011年6月15日0:00時点で当該施設ID2のバックアップ用蓄電池12の電池残量が17kWh、施設ID3では、2011年6月15日0:00時点で当該施設ID3のバックアップ用蓄電池12の電池残量が16kWhである情報が登録されている。
【0049】
そして、充電支援制御装置2は、ステップS12に進み、施設停電情報を送信した各施設10のバックアップ用蓄電池12を充電する優先順位を決定する。当該優先順位決定動作について図6乃至図11を参照して説明する。図6は優先順位の決定動作のフローチャート、図7の消費電力量及び発電量の変化計算を示す図、図8は優先順位を決定するための評価点テーブルを示す図、図9は消費電力変化(面積)が小さい場合の消費電力量の変化を示す図、図10は消費電力変化(面積)が大きい場合の消費電力量の変化を示す図、図11は優先順位を決定するためのデータテーブルを示す図である。
【0050】
先ずはじめに、充電支援制御装置2の制御部3は、ステップS21において、データベース7に作成された各施設IDと、それに対応する停電開始時間を含む停電発生に関する情報から成るデータテーブル(図5の(A))から、何れか一つの施設ID、この場合、施設ID1を選択する。
【0051】
そして、ステップS22に進み、充電支援制御装置2の制御部3は、データベース7に予め登録された各施設10の各バックアップ用蓄電池12に関する情報に基づいて、当該施設10のバックアップ用蓄電池12に接続されたバックアップ機器の消費電力の変化を計算し予測する。また、当該施設10に補助発電装置18が設けられている場合には、当該補助発電装置18の発電量を計算し、予測する。
【0052】
具体的には、制御部3は、データベース7から施設ID1について登録されている機器情報を読み出す。図3では、施設ID1についてのバックアップ機器は、POSシステム13と照明機器14である。POSシステム13は、定格消費電力が200Wであり、運転スケジュールは、一日中とされている。そのため、図7の最下段に示すように、POSシステム13の消費電力量の積算値の推移は、0時から24時まで1時間に200Whずつ増加する。照明装置14は、定格消費電力が1kWであり、運転スケジュールは、0時から7時までがON、7時から19時までがOFF、19時から翌日7時までがONのスケジュールとされる。そのため、図7の中段に示すように、照明装置14の消費電力量の積算値の推移は、0時から7時までが1時間に1kWhずつ増加し、7時から19時までが変化無しとなり、19時から翌7時までが1時間に1kWhずつ増加する。これら最下段に示すPOSシステム13の消費電力量の変化と、中段に示す照明装置14の消費電力量の変化を合算することで、施設ID1のバックアップ機器の消費電力の変化を予測することができる。
【0053】
また、制御部3は、データベース7から施設ID1について登録されているバックアップ用蓄電池12に関する情報を読み出す。図3では、施設ID1についてのバックアップ用蓄電池12は、補助発電装置18を有しており、当該補助発電装置18の能力(出力)は1kWである。また、制御部3は、データベース7から施設ID1の施設位置情報(所在地)を読み出すと共に、当該施設位置情報に対応するそのときの気象データ(晴れ、曇り、雨などの天気情報や日射量、風向風速)を含む発電環境条件をネットワーク21を介して外部の気象予報サーバから取得する。そして、当該発電環境条件から当日の日射量変化を予測し、補助発電装置18による日射量に対する発電量から、当日の発電量の推移を予測する。
【0054】
そして、制御部3は、ステップS23において、ステップS22において取得された係る補助発電装置18による発電量の推移予測から上記施設ID1のバックアップ機器の消費電力の変化の予測(消費電力変化情報)を修正する。
【0055】
その後、制御部3は、ステップS24において、データベース7に登録された施設ID1に対応する現在時刻と、当該時刻におけるバックアップ用蓄電池12の電池残量に関する情報を取得し、当該時刻の電池残量と、上述した如き発電量にて修正されたバックアップ機器の消費電力の変化予測に基づいて、当該バックアップ用蓄電池12の消費電力変化情報を予測し、これにより、バックアップ用蓄電池12の電池残量が無くなり、若しくは、実用に供せなくなるまでの残量零時間を予測する。図7の右側には、0:00においてバックアップ用蓄電池12の電池残量が16kWhであり、上述のように取得されたバックアップ用蓄電池12の消費電力の変化予測(消費電力変化情報)に基づいて、バックアップ用蓄電池12の消費電力変化(面積)と、当該バックアップ用蓄電池12の残量零時間が計算により予測される。この場合、残量零時間は29時間、消費電力変化(面積)は、300kWh・hとなる。
【0056】
尚、消費電力変化(面積)は、蓄電池の残電力量の曲線と時間軸とで囲まれた面積(蓄電池の残電力量の時間積分値)であり、蓄電池の消費電力速度の時間変化に関連した値である。つまり、この面積が小さい場合は、早い時間帯(蓄電池の電力消費の前半部分)に消費電力速度が大きく、遅い時間帯(蓄電池の電力消費の後半部分)には消費電力速度が小さくなるような消費電力パターンを意味している。また、この面積が大きい場合は、早い時間帯(蓄電池の電力消費の前半部分)に消費電力速度が小さく、遅い時間帯(蓄電池の電力消費の後半部分)には消費電力速度が大きくなるような消費電力パターンを意味している。
【0057】
また、当該施設ID1のバックアップ用蓄電池12の重要度は、データベース7の重要度テーブルに登録されているように、当該バックアップ用蓄電池12の使用目的がPOSシステムを有する店舗用であるため、重要度Aである。
【0058】
ここで、データベース7には、予め図8に示すような優先順位を決定するための評価点テーブルが、バックアップ用蓄電池12の残量零時間に関するものと、バックアップ用蓄電池12の消費電力変化(面積)に関するものと、重要度に関するものをそれぞれ保有している。
【0059】
図8では一例として、バックアップ用蓄電池12の残量零時間に関するものについては、残量零時間が24時間より長い場合1点、21時間より長く24時間以内である場合2点、18時間より長く21時間以内である場合3点、15時間より長く18時間以内である場合4点、・・・、1時間より長く3時間以内である場合9点、1時間以内である場合10点とされている。このように、残量零時間が短いほどより早く充電を行う必要があるため、評価点が高くなるように設定されている。
【0060】
また、バックアップ用蓄電池12の消費電力変化(面積)に関するものについては、900kWh・hより大きい場合1点、800より大きく900kWh・h以内の場合2点、700より大きく800kWh・h以内の場合3点、600より大きく700kWh・h以内の場合4点、・・・、100より大きく200kWh・h以内の場合9点、100kWh・h以内の場合10点とされている。
【0061】
消費電力変化(面積)が小さいバックアップ用蓄電池12は、図9に示すように、より早い時間に電力が消費されることが予測される。消費電力変化(面積)が大きいバックアップ用蓄電池12は、図10に示すように、より遅い時間に電力が消費されることが予測される。当該バックアップ用蓄電池12の消費電力の予測計算を行う場合には、予測誤差が発生して電池残量が無くなってしまう可能性を考慮して、より早い時間に電力を消費するバックアップ用蓄電池は、より早い段階で充電を行う必要があるため、評価点が高くなるように設定されている。
【0062】
また、バックアップ用蓄電池12の重要度に関するものについては、重要度Aの場合10点、重要度Bの場合8点、重要度Cの場合6点、重要度Dの場合4点、重要度Eの場合2点とされている。このように重要度が高いほど評価点が高くなるように設定されている。
【0063】
本実施例における施設ID1については、バックアップ用蓄電池12の残量零時間が29時間であるため、当該残量零時間に関する評価点は1点、消費電力変化(面積)は、300kWh・hであるため、当該消費電力変化(面積)に関する評価点は8点、重要度は、Aであるため、重要度に関する評価点は10点となる。そのため、充電の優先順位の決定に用いられる施設ID1のこれらの総合点は19点となる。尚、制御部3は、データテーブルに当該施設ID1についての残量零時間と、消費電力変化(面積)と、重要度と、これらに基づいて算出された総合点とを対応づけて登録されている。
【0064】
そして、制御部3は、ステップS25に進み、データベース7の各施設IDと、それに対応する停電開始時間を含む停電発生に関する情報から成るデータテーブル(図5の(A))に登録されたすべての施設10について行われた否かを判定し、以後、停電発生に関する情報を送信し、該データテーブルに登録されたすべての施設10について優先順位を決定する総合点を取得する。
【0065】
制御部3は、上述したように停電発生に関する情報を受信したすべての施設IDについて、図11に示すように、データベース7には、施設ID毎に、残量零時間と、消費電力変化(面積)と、重要度と、これらに基づいて算出された総合点が対応づけられたデータテーブルが登録されているため、これらを比較して、総合点が高い順に優先順位を決定する。これにより、優先順位に基づいて要充電施設が決定される。
【0066】
尚、本実施例では、制御部3は、データベース7に保有された、各施設10のバックアップ用蓄電池12の重要度情報と、消費電力変化情報と、残量零時間情報に基づいて充電を行う優先順位を決定しているが、これに限定されるものではなく、これら重要度情報と、消費電力変化情報と、残量零時間情報のうちの何れか一つ、若しくは、それらの組み合わせから優先順位を決定してもよい。
【0067】
次に、上記図4のフローチャートに戻り、ステップS12からステップS13に進む。係るステップS13では、充電支援制御装置2の制御部3は、データベース7に登録されている各自動車30の自動車制御装置31の自動車位置情報を含む自動車情報を要求する(運転情報収集リクエスト)。これに対し、自動車制御装置31は、図12のフローチャートに示すように、ステップS31において、自動車位置情報を含む自動車情報の要求を受信し、ステップS32において、制御部34は、GPSインターフェースから取得される当該自動車30の現在の走行位置を自動車位置情報として充電支援制御装置2に送信する。この場合、自動車位置情報は、経度と緯度からなるGPS位置情報であっても、当該GPS位置情報から内蔵されるナビゲーションシステムによって変換した位置情報(住所情報)であってもよい。これ以外にも、当該自動車30のドライバーが位置情報をデータとして他の機器、例えば携帯電話などによって充電支援制御装置2に送信してもよい。
【0068】
これにより、充電支援制御装置2には、各自動車制御装置31から送信される自動車位置情報により、割り付けられた自動車ID毎に現在の走行場所である自動車位置情報がデータベース7に登録される。図12の(C)に、一例としてデータベース7に作成された自動車ID1〜3の自動車位置情報のデータテーブルを示す。尚、本実施例では、係る施設10の停電時のみ各自動車30の自動車位置情報を収集しているが、これに限定されるものではなく、常に一定間隔で自動車位置情報を収集してもよい。
【0069】
また、上記自動車情報には、当該自動車30の車載蓄電池32の電池残量に関する情報を含むものとしてもよい。通常、自動車30の種類により、PHVである場合には、回生ブレーキによって得られる電力により、車載蓄電池32の電池残量は、ほぼ満充電量であると推定することができるが、EVの場合には、車載蓄電池32の電池残量が状況によって大きく異なるためである。そのため、充電支援制御装置2のデータベース7に基づき自動車ID毎に登録された自動車の種類がEVである場合等には、自動車位置情報に加えて、車載蓄電池の電池残量に関する情報を含む自動車情報を自動車制御装置31に要求してもよい。
【0070】
そして、図4のフローチャートに戻り、充電支援制御装置2は、ステップS14にて現在利用できる自動車があるか否かを判断する。即ち、いずれの自動車制御装置31から自動車位置情報が送信されなかった場合には、現在利用できる自動車30がないと判断し、ステップS13に戻る。ステップS14にて現在利用できる自動車30があると判断された場合には、ステップS15に進み、自動車30による各バックアップ用蓄電池12の充電計画動作(自動車スケジューリング決定動作)を実行する。
【0071】
当該充電計画動作について、図13のフローチャートを参照して説明する。まずはじめに、ステップS41において、充電支援制御装置2の制御部3は、上記ステップS12にて決定された優先順位に基づき、要充電施設を選択する。即ち、優先順位が高いものから順に充電計画を決定するため、優先順位が高い施設10から順に要充電施設として選択する。本実施例では図11に示すように優先順位が最も高い施設ID1をまずはじめに選択するが、以下の説明では、理解を容易とするため、施設ID3への充電計画について示す。
【0072】
そして、ステップS42に進み、制御部3は、優先順位に基づく要充電施設に誘導すべき自動車30を決定するため、当該優先順位に基づく要充電施設(施設ID3)に最も近い距離の自動車30がどの自動車IDであるかを、データベース7に登録された施設ID3の施設位置情報と、データベース7に作成された自動車IDに対する自動車位置情報のデータテーブルに基づいて選択する。尚、本実施例では、誘導すべき自動車30は、要充電施設に最も近い距離の自動車30に決定しているが、これに限定されるものではなく、例えば、要充電施設までの移動時間が短い自動車30に決定してもよい。
【0073】
自動車ID12が要充電施設である施設ID3に最も近い距離の自動車であると仮定する。制御部3は、ステップS43に進み、当該自動車ID12が要充電施設である施設ID3までの移動するために要する時間を計算する。この場合、施設ID3の施設位置情報と、自動車ID12の自動車位置情報とから施設ID3までの距離を算出し、当該自動車30の平均速度を走行が予定される道路の種類に応じて決定し、当該距離と、平均速度とから要充電施設への移動時間を算出する。
【0074】
例えば、要充電施設までの走行距離が20kmで、平均速度を20km/hとして算出すると、要充電施設までの移動時間は1時間と予測される。ここで、現在時刻が0:00で、移動時間が1時間とすると、要充電施設である施設ID3への自動車到着予定時刻は、1:00と予測される。
【0075】
そして、制御部3は、ステップS44に進み、当該自動車ID12の要充電施設である施設ID3に到着した時点での施設ID3のバックアップ用蓄電池12の電池残量を予測する。具体的には、上記において、施設ID3のバックアップ機器の機器情報と、補助発電装置18の発電量の推移予測情報と、バックアップ用蓄電池12の現在時刻と、そのときの電池残量情報とから予測される消費電力変化情報(図7の右側の図)に基づいて、自動車ID12の到着予定時刻におけるバックアップ用蓄電池12の電池残量を予測する。本実施例では、停電情報受信時刻(0:00)におけるバックアップ用蓄電池12の電池残量が5kWhであり、停電情報受信時刻から自動車到着予定時刻まで(0:00〜1:00)のバックアップ機器の消費電力量が1kWh(照明装置14が1日中毎時1kW)、補助発電装置18の発電量は、0(補助発電装置18なし)であるため、自動車到着予定時刻におけるバックアップ用蓄電池12は、4kWhと予測される。図14には、施設ID3のバックアップ用蓄電池12の電池残量の変化を示す。
【0076】
そして、制御部3は、ステップS45において要充電施設(施設ID3)に誘導すべき自動車(自動車ID12)の充電出力情報と、要充電施設(施設ID3)のバックアップ用蓄電池12の電池容量情報に基づき、自動車によるバックアップ用蓄電池12の充電量と充電時間を算出する。具体的には、データベース7に予め自動車ID毎に登録された充電出力情報と施設ID毎に登録されたバックアップ用蓄電池12の電池容量情報とを読み出す。この場合、自動車ID12の充電出力情報は3kWであり、車の蓄電池容量は、9kWhであり、施設ID3のバックアップ用蓄電池12の電池容量は、16kWである。
【0077】
ここで、施設ID3のバックアップ用蓄電池12の電池容量が16kWhに対し自動車到着予定時刻における電池残量は4kWhと予測される。そのため、当該バックアップ用蓄電池12による充電可能な充電量は、12kWhとなる。自動車ID12の充電出力は3kWであり、施設ID3のバックアップ用蓄電池12に接続されたバックアップ機器の消費電力の変化は1kWである。自動車30からバックアップ用蓄電池12への実質の充電量は、1時間あたり2kWhとなる。そのため、制御部3は、車30の蓄電池容量と充電出力から、自動車30からの充電時間を3時間と設定することで、施設ID3のバックアップ用蓄電池12には、充電開始から3時間後に6kWh充電されて、電池残量が10kWhとなる。
【0078】
この場合、図15に示すように、1台目の自動車30によるバックアップ用蓄電池12への充電が終了した時点で、当該バックアップ用蓄電池12の電池容量に基づく、充電可能量は、まだ6kWh残っている。そのため、制御部3は、ステップS46に進み、当該要充電施設のバックアップ用蓄電池12への充電が終了していないとして、ステップS42に戻り、2台目の自動車30による充電計画動作を実行する。
【0079】
2台目の自動車30による充電計画動作においても、1台目と同様に、誘導すべき自動車30を決定するため、当該優先順位に基づく要充電施設(施設ID3)に最も近い距離の自動車30がどの自動車IDであるかを判定する。この際、すでに自動車スケジューリングが決定されている自動車30(この場合自動車ID12)は除外される。
【0080】
そして、選択された2台目の自動車3(この場合自動車ID15)の到着予定時刻は、1台目の自動車到着予定時刻に充電時間を加算した時刻となる。尚、当該2台目の自動車の要充電施設までの移動時間が1台目の到着予定時刻に充電時間を加算した時刻を越える時間を要する場合には、当該2台目の自動車の移動時間に基づき算出される。但し、この場合、2台目の自動車3も要充電施設への距離が近いことが前提とされるため1台目の充電時間終了時刻までには、要充電施設まで移動可能であるものとする。
【0081】
本実施例では、1台目の自動車30の到着予定時刻が1:00であり、充電時間は3時間であるため、充電終了時刻は4:00となる。従って、2台目の自動車30の到着予定時刻は4:00となる。2台目の自動車30(自動車ID15)は、データベース7に予め自動車ID毎に登録された充電出力情報が3kWであり、車の蓄電池容量は9kWhである。1台目の場合と同様に、施設ID3のバックアップ用蓄電池12に接続されたバックアップ機器の消費電力の変化は1kWである。2台目の自動車30からバックアップ用蓄電池12への実質の充電量は、1時間あたり2kWhとなる。制御部3は、車30の蓄電池容量と充電出力から、自動車30からの充電時間を3時間と設定することで、施設ID3のバックアップ用蓄電池12には、充電開始から3時間後に6kWh充電されて、電池残量が16kWhとなる。
【0082】
当該バックアップ用蓄電池12の電池残量を、データベース7に予め施設ID毎に登録されたバックアップ用蓄電池12の電池容量情報と比較し、この場合電池残量が電池容量に達したため、充電可能量が0となり、3台目の自動車スケジューリングは、不要であるとして、制御部3は、ステップS46にて当該要充電施設(施設ID3)への自動車30による充電計画動作を終了する。
【0083】
この際、制御部3は、図16に示すように、データベース7に充電計画動作が終了した施設ID毎に、施設到着予定時刻情報と、充電する自動車30の自動車ID情報と、バックアップ用蓄電池12の充電可能量情報と、自動車30による当該施設における充電時間情報のデータテーブルを作成する。
【0084】
そして、上記図4のフローチャートに戻り、充電支援制御装置2の制御部3は、決定された自動車による充電計画(自動車スケジューリング)に基づき、充電計画動作が終了した施設10の施設制御装置11に充電計画動作が終了したことを通知すると共に、当該充電計画結果を送信する。これにより、施設側制御装置11の制御部19は、当該充電計画動作を終了したことを受信すると共に、図5の(D)に示すような充電計画結果を出力部35に表示する(ステップS4)。具体的には、充電計画結果には、自動車30の到着予定時刻と、当該自動車30の自動車ID、バックアップ用蓄電池12の充電可能量と、自動車30による充電時間が含まれる。
【0085】
他方、充電支援制御装置2の制御部3は、決定された自動車による充電計画(自動車スケジューリング)に基づき、誘導すべく自動車として選択された自動車30の各自動車制御装置31に、誘導情報を含む充電計画結果を送信する。具体的には、図12の(E)に示すような、具体的な誘導情報である要充電施設に関する情報と、到着予定時刻情報と、当該施設における充電時間情報とを送信する。自動車制御装置31の制御部34は、当該充電計画結果(誘導情報)を受信すると、表示部35に図12(F)に示すような、要充電施設に関する情報と、到着予定時刻情報と、当該施設における充電時間情報を表示する。尚、要充電施設に関する情報は、施設名であっても、経度と緯度からなるGPS位置情報であっても、施設の住所情報であってもよい。いずれの場合であっても、自動車制御装置31に内蔵されるナビゲーションシステムによって当該自動車制御装置31の制御部34は、要充電施設の位置情報を取得することが可能となる。
【0086】
そして、自動車制御装置31の制御部34は、要充電施設の位置情報に基づき、既存のナビゲーションシステムの目的地を当該要充電施設の位置情報とし、現在位置から当該要充電施設までの経路や所要時間等を表示部35に表示し、要充電施設に当該自動車30を誘導する。
【0087】
誘導情報を受信した当該自動車30のドライバーは、当該誘導情報に従って要充電施設に向かい、要充電施設の到着後、当該自動車30の車載用蓄電池32から要充電施設のバックアップ用蓄電池12に充電を開始する。この場合、指定された時間、充電を行う。
【0088】
他方、要充電施設では、誘導された自動車30が到着し、充電が所定時間実行されることで、充電を終了する。充電終了後、当該施設10の施設制御装置11は、ステップS5に進み、停電が継続しているか否か判断し、継続している場合には、ステップS3に進み、新たな充電要求を行うべく、施設IDと、現在時間、そのときのバックアップ用蓄電池12の電池残量情報を充電支援制御装置2に送信する。ステップS5において、停電が終了している場合には、制御を終了する。
【0089】
そして、図4のフローチャートのステップS15において、充電支援制御装置2は、施設制御装置11及び自動車制御装置31に充電計画結果を送信した後、ステップS16に進み、停電発生に関する情報が送信された全ての施設10についての充電計画が終了したか否かを判断し、終了していない場合には、ステップS14に進み、これまでと同様に、次の優先順位に相当する他の要充電施設について充電計画を行う。尚、複数の要充電施設において充電結果を行った場合、図17に示すように、制御部3は、各施設ID毎に、施設到着予定時刻情報と、充電する自動車30の自動車ID情報と、バックアップ用蓄電池12の充電可能量情報と、自動車30による当該施設における充電時間情報のデータテーブルを作成する。
【0090】
全ての要充電施設について充電計画を終了した後、充電支援制御装置2はステップS17に進み、何れかの施設において、停電が継続しているか否かを判断し、継続している場合には、ステップS11に進み、停電が解消した場合には、制御を終了する。
【0091】
このように、本実施例によれば、停電発生時において、優先順位の高いバックアップ用蓄電池12が設けられた施設10から順に、車載蓄電池32を有する自動車30を誘導することができる。そのため、自然災害の発生等により一度に複数の施設10において停電が発生した場合でも、優先順位に基づいた効率的、且つ、有効的な、バックアップ用蓄電池12の充電を行うことが可能となり、施設12の状況に応じて各バックアップ機器の運転を行うことができる。
【0092】
また、本実施例では、複数の要充電施設に対し、複数台の自動車30を、各要充電施設のバックアップ用蓄電池12の優先順位に基づいて充電計画を行い、決定されたそれぞれの施設制御装置11及び自動車制御装置31に充電計画の結果が送信されるため、優先順に基づいてより効率的な、バックアップ用蓄電池12の充電を可能とすることができる。特に、誘導される自動車30は、優先順位が高い要充電施設に近いものから順に、要充電施設への誘導情報が送信されるため、より効率的に車載用蓄電池32を備えた自動車30を要充電施設に誘導することが可能となる。
【0093】
更に、優先順位を決定する際に、施設停電情報に、当該施設のバックアップ用蓄電池12の電池残量に関する情報が含まれているため、上述したように、各バックアップ用蓄電池12の電池残量に基づいた優先順位を決定でき、バックアップ用蓄電池12毎に適切なタイミングで充電を行うことが可能となる。これにより、より有効に自動車30の車載用蓄電池32を用いた充電を実現することができる。
【0094】
同様に、機器情報に基づいてバックアップ用蓄電池12の消費電力の変化を予測し、予測されたバックアップ用蓄電池12の消費電力変化情報に基づいて優先順位を決定しているため、電力の消費状況の異なるバックアップ機器を備えた各施設10におけるバックアップ用蓄電池12に関して、消費電力変化の大きいバックアップ用蓄電池12はより高い優先順位で充電を行い、消費電力変化の小さいバックアップ用蓄電池12はより低い優先順位で自動車30の車載用蓄電池32を用いた充電を行うことが可能となる。
【0095】
そのため、バックアップ用蓄電池12の電池残量と、機器情報と、バックアップ用蓄電池12の消費電力変化情報に基づいて、バックアップ用蓄電池12の電池残量が無くなり、若しくは、実用に供せなくなるまでの残量零時間を予測し、予測された残量零時間情報に基づいて優先順位を決定することが可能となり、残量零時間情報が近いものほど高い優先順位とすることで、各施設の機器の継続した使用を可能とする充電を実現することが可能となる。
【0096】
尚、上記実施例では、制御部3は、データベース7に保有された、各施設10のバックアップ用蓄電池12の重要度情報、消費電力変化情報、残量零時間情報の全て、又は、これらのうちの何れか一つ、若しくは、それらの組み合わせから充電を行う優先順位を決定しているので、各施設10に設けられたバックアップ機器の利用目的に応じて、重要度の高いバックアップ用蓄電池12は、高い優先順位とすることで、電池残量が無くなる、若しくは、実用に供せなくなるまで減少する前に、自動車30の車載用蓄電池32を用いた充電を行うことができるようになり、継続したバックアップ機器の使用を可能とすることができる。他方、一時的に電池残量が零となることが許容されるような重要度の低いバックアップ用蓄電池12は、より低い優先順位とすることで、他の施設における重要度の高いバックアップ用蓄電池12の充電を優先させることが可能となる。
【0097】
また、優先順位を決定する条件は、上記に加えて、当該施設の位置情報と誘導すべき自動車30の位置情報に基づくこれらの距離を採用してもよい。この場合、図18に示すように、データベース7には、施設と誘導すべき自動車の距離に関する評価点テーブルを保有しており、当該距離が90kmより長いの場合10点、80kmより長く90km以下の場合9点、70kmより長く80km以下の場合8点、60kmより長く70km以下の場合7点、・・・、10kmより長く20km以下の場合2点、10km以下の場合1点とされている。このように、施設と誘導しべき自動車との距離が長いほど早く対応する必要があるため、評価点が高くなるように設定されている。但し、この場合、施設の優先順位を決定する以前に、各自動車30の自動車位置情報を取得する必要がある。
【0098】
尚、上記実施例では、各施設のバックアップ用蓄電池12への充電手段として自動車を採用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、所定の場所で待機している移動電源車を利用してもよい。この場合も各施設10における優先順位に基づき、順次充電を行う。また、移動電源車が複数箇所に待機している場合には、自動車と同様に、移動電源車位置情報に基づいて、充電計画を決定することが有効である。
【0099】
また、移動電源車に限らず、非常用発電機(ディーゼルエンジンやガスタービンエンジン)を運搬用車両に搭載し、各施設の優先順位に基づき順次充電を行ってもよい。この場合においても、複数箇所に待機している場合には、当該運搬用車両の位置情報に基づいて、充電計画を決定することが有効となる。
【符号の説明】
【0100】
1 蓄電池充電計画支援システム
2 充電支援制御装置
3 制御部
4 入力部
5 表示部
6 通信部
7 データベース
10 施設
11 施設制御装置
12 バックアップ用蓄電池
13 POSシステム(電力消費機器)
14 照明装置(電力消費機器)
15 OA機器(電力消費機器)
16 充電回路
17 インバータ回路
18 補助発電装置
19 制御部
20 通信部
21 ネットワーク
30 電動自動車
31 自動車制御装置
32 車載蓄電池
33 充電回路
34 制御部
35 表示部
36 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックアップ用蓄電池が設けられた複数の施設において各バックアップ用蓄電池の充放電をそれぞれ制御する施設制御装置と、
車載蓄電池を有して外部に電力を供給可能な自動車において前記車載蓄電池の充放電を制御する自動車制御装置と、
該自動車制御装置及び前記各施設制御装置とネットワークを介して情報の授受を行う充電支援制御装置とから構築され、
前記施設制御装置は、停電が発生した場合、前記バックアップ用蓄電池から当該施設に設置されたバックアップ機器に給電し、前記充電支援制御装置には少なくとも停電発生に関する情報を含む施設停電情報を送信すると共に、
該充電支援制御装置は、前記各施設制御装置から前記施設停電情報を受信した場合、各施設の前記バックアップ用蓄電池を充電する優先順位を決定し、決定した優先順位に基づく要充電施設への誘導情報を前記自動車制御装置に送信することを特徴とする蓄電池充電計画支援システム。
【請求項2】
前記自動車制御装置は複数台の前記自動車にそれぞれ設けられ、各自動車制御装置は、少なくとも当該自動車の自動車位置情報を含む自動車情報を前記充電支援制御装置に送信すると共に、
前記充電支援制御装置は、決定した前記優先順位と前記自動車情報に基づき、複数の前記要充電施設と各要充電施設に誘導すべき前記自動車を決定して前記誘導情報を前記各自動車制御装置にそれぞれ送信することを特徴とする請求項1に記載の蓄電池充電計画支援システム。
【請求項3】
前記施設停電情報は、当該施設のバックアップ用蓄電池の電池残量に関する情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の蓄電池充電計画支援システム。
【請求項4】
前記充電支援制御装置は、前記各施設のバックアップ機器の種類、定格電力、及び/又は、緊急時の運転スケジュールを含む機器情報を保有し、該機器情報に基づいて前記バックアップ用蓄電池の消費電力の変化を予測し、予測された当該バックアップ用蓄電池の消費電力変化情報に基づいて前記優先順位を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の蓄電池充電計画支援システム。
【請求項5】
前記充電支援制御装置は、前記各施設に設けられた補助発電手段の有無に関する情報と、当該補助発電手段の能力情報とを保有しており、当該補助発電手段の能力情報に基づき、前記各施設の補助発電手段の発電量を予測し、当該発電量に基づき前記バックアップ用蓄電池の消費電力の変化の予測を修正することを特徴とする請求項4に記載の蓄電池充電計画支援システム。
【請求項6】
前記補助発電手段は、自然エネルギーを用いて発電する発電手段であると共に、
前記充電支援制御装置は、前記各施設の施設位置情報を保有しており、当該施設位置情報に対応するそのときの気象データを含む発電環境条件に基づき、前記各施設の補助発電手段の発電量を予測することを特徴とする請求項5に記載の蓄電池充電計画支援システム。
【請求項7】
前記施設停電情報には当該施設のバックアップ用蓄電池の電池残量に関する情報が含まれており、
前記充電支援制御装置は、前記各施設のバックアップ用蓄電池の電池容量情報を保有し、前記施設制御装置から受信した前記電池残量と、前記機器情報と、前記バックアップ用蓄電池の消費電力変化情報に基づいて、前記バックアップ用蓄電池の電池残量が無くなり、若しくは、実用に供せなくなるまでの残量零時間を予測し、予測された残量零時間情報に基づいて前記優先順位を決定することを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れかに記載の蓄電池充電計画支援システム。
【請求項8】
前記充電支援制御装置は、前記各施設のバックアップ用蓄電池の重要度情報を保有し、当該重要度情報、又は、前記バックアップ用蓄電池の消費電力変化情報、又は、前記残量零時間情報のうちの何れか一つ、若しくは、それらの組み合わせから前記優先順位を決定することを特徴とする請求項4乃至請求項7のうちの何れかに記載の蓄電池充電計画支援システム。
【請求項9】
前記自動車制御装置は複数台の前記自動車にそれぞれ設けられ、各自動車制御装置は、少なくとも当該自動車の自動車位置情報を含む自動車情報を前記充電支援制御装置に送信すると共に、
前記充電支援制御装置は、前記優先順位に基づき決定された前記要充電施設までの距離が近い、又は、当該要充電施設までの移動時間が短い前記自動車の自動車制御装置から順に、前記要充電施設への誘導情報を送信することを特徴とする請求項1乃至請求項8のうちの何れかに記載の蓄電池充電計画支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−27163(P2013−27163A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160082(P2011−160082)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】