説明

薄刃砥石およびダイシング方法

【課題】研磨・切削性、耐久性に優れ、剛性とタフネスとのバランスに優れた薄刃砥石を提供する。
【解決手段】平均粒径が0.1μm〜10μmのダイヤモンドおよびまたは立方晶窒化ホウ素(CBN)からなる砥粒を5質量%〜50質量%の範囲で含有するポリイミドフィルムであって、厚さが1μm〜30μmである薄刃砥石、中でもポリイミドフィルムが、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール構造を有するジアミンであるポリイミドフィルムであり、かつ面方向での線膨張係数が−10ppm/℃〜20ppm/℃である薄刃砥石。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚み寸法が小さな薄刃砥石に関し、特に切断加工の精度や効率化を高め得る新規の薄刃砥石およびその使用方法に関し、更には切れ味、研磨性の耐久性がよく、高温においても切れ味、研磨性の耐久性を保持する薄刃砥石に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンウエハ、水晶、石英などの硬質脆性材料、金属材料などを切断加工するために、厚み寸法が1mm以下の薄刃砥石が用いられている。例えば、半導体ウエハにおいては、マトリックス状に配列された半導体素子を結晶方位に拘らず垂直面でペレットに分割するためのダイシング工程において用いられる切断工具などである。薄刃砥石として、加熱により硬化させられる樹脂結合剤、或いはメッキ液中において析出させられる金属結合剤を用いて、砥粒を結合させることなどで得られた薄刃砥石(特許文献1参照)が提案されている。
薄刃砥石は、その樹脂結合剤の硬化或いは金属結合剤の生成などに時間がかかるために非能率であるだけでなく、数十〜数百μm厚みの平坦な形状が求められるにも関わらず、高い寸法精度で形成することが困難であった。
【0003】
これらの解決のために、成形型内に注入された流動性砥石材料に光透過性を有する成形型を通して光照射し、流動性砥石材料の光硬化性樹脂が短時間で硬化し、厚み、径、反りなどの高精度の薄刃砥石を得る方法(特許文献2参照)、砥粒を含む無機質充填材を樹脂結合材で保持した薄板状の砥粒保持部を有する薄刃砥石であって、樹脂結合材がアクリル樹脂とエポキシ樹脂の混合物の硬化部を含有する薄刃砥石(特許文献3参照)などが提案されている。
【特許文献1】特開平 02−053568号公報
【特許文献2】特開2001−088037号公報
【特許文献3】特開2003−048167号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来提案されている薄刃砥石においては、それぞれがこれより先行する薄刃砥石の性能を高めたり、製造を容易にしたりして、薄刃砥石の分野において貢献してきてはいるが、剛性とタフネスとのバランスの欠如、耐久性の不足、生産性の不充分さなどの課題を抱えていた。本発明はこれらの課題を解決するものであり、砥石としての性能は勿論、耐久性特に高温における耐久性に優れ、剛性とタフネスとのバランスに優れた、生産性においてもロスの少ない薄刃砥石を得ることができるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
1. 平均粒径が0.1μm〜10μmのダイヤモンドおよびまたは立方晶窒化ホウ素(CBN)の砥粒を5質量%〜50質量%の範囲で含有するポリイミドフィルムであって、厚さが1μm〜30μmで、かつ円環板状であることを特徴とする薄刃砥石。
2. ポリイミドフィルムが、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール構造を有するジアミンであるポリイミドフィルムであり、かつ面方向での線膨張係数が−10ppm/℃〜20ppm/℃である1.の薄刃砥石。
3.1.〜2.いずれかの薄刃砥石を用いるダイシング方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の平均粒径が0.1μm〜10μmのダイヤモンドおよびまたは立方晶窒化ホウ素(CBN)の砥粒を5質量%〜50質量%の範囲で含有するポリイミドフィルムであって、厚さが1〜30μmである薄刃砥石、特にポリイミドフィルムが、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール構造を有するジアミンであるポリイミドフィルムであり、かつ面方向での線膨張係数が−10ppm/℃〜20ppm/℃である薄刃砥石は、研磨・切削性に優れ、耐久性特に高温における耐久性に優れ、剛性とタフネスとのバランスに優れた、生産性においてもロスの少ない薄刃砥石であり、この薄刃砥石を用いてダイシングを行う半導体装置の製造などにおいて極めて有意義である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳述する。
本発明に用いるポリイミドフィルムは、芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを反応させて得られるポリイミドをフィルム化したものであり、このポリイミドフィルムは、例えば芳香族テトラカルボン酸類(無水物、酸、およびアミド結合性誘導体を総称して類という、以下同)と芳香族ジアミン類(アミン、およびアミド結合性誘導体を総称して類という、以下同)とを反応させて得られるポリアミド酸溶液を、成形して後イミド化して得られるものであり、例えばフィルムとなす場合には、流延、乾燥、熱処理(イミド化)してフィルムとなす方法で得られる。
【0008】
前記のポリイミドフィルムは、特に限定されるものではないが、下記の芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせが好ましい例として挙げられる。
A.ピロメリット酸残基を有する芳香族テトラカルボン酸類、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類との組み合わせ。
B.フェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類とビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
C.ジフェニルエーテル骨格を有する芳香族ジアミン類とピロメリット酸残基を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
中でも特にA.のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン残基を有するポリイミドフィルムが好ましい。
【0009】
前記のベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類の分子構造は特に限定されるものではなく、具体的には以下のものが挙げられる。これらのジアミンは全ジアミンの70モル%以上することが好ましく、より好ましくは80モル%以上である。
【0010】
【化1】

【0011】
【化2】

【0012】
【化3】

【0013】
【化4】

【0014】
【化5】

【0015】
【化6】

【0016】
【化7】

【0017】
【化8】

【0018】
【化9】

【0019】
【化10】

【0020】
【化11】

【0021】
【化12】

【0022】
【化13】

【0023】
これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましく、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールがより好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0024】
さらに、全ジアミンの30モル%以下であれば下記に例示されるジアミン類を一種または二種以上を併用しても構わない。そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
【0025】
前記の芳香族テトラカルボン酸無水物類の分子構造は特に限定されるものではなく、具体的には、以下のものが挙げられる。これらの酸無水物は全酸無水物の70モル%以上することが好ましく、より好ましくは80モル%以上である。
【0026】
【化14】

【0027】
【化15】

【0028】
【化16】

【0029】
【化17】

【0030】
【化18】

【0031】
【化19】

【0032】
これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
さらに、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%以下であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上を併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0033】
前記の芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを反応(重合)させてポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの重量が、通常5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%となるような量が挙げられる。
【0034】
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌および/または混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
【0035】
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸溶液を製造するのに有効である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、本発明の層の一であるポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥することによりグリーンフィルム(自己支持性の前駆体フィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
【0036】
支持体上に塗布したポリアミド酸を乾燥してグリーンシートを得る条件は特に限定はなく、温度としては70〜150℃が例示され、乾燥時間としては、5〜180分間が例示される。そのような条件を達する乾燥装置も従来公知のものを適用でき、熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱などを挙げることができる。次いで、得られたグリーンシートから目的のポリイミドフィルムを得るために、イミド化反応を行わせる。その具体的な方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、必要により延伸処理を施した後に、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)が挙げられる。この場合の加熱温度は100〜500℃が例示され、フィルム物性の点から、より好ましくは、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理が挙げられる。
【0037】
別のイミド化反応の例として、ポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることもできる。この方法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
【0038】
本発明に用いる砥粒としては、ダイヤモンド、CBNが好ましく、他にAl、SiO、ZrO、SiC、BC、Fe、Cr、CeO、ZrB、TiB、TiCなどの砥粒を加えても良い。
本発明で用いる砥粒の平均粒子径は0.1μm〜10μmであり、好ましくは0.1μm〜5μm、より好ましくは0.1μm〜3μmである。平均粒子径が10μmを超えると、薄刃砥石の機械強度が大幅に低下し、製膜を行うことが困難である。また、薄刃砥石自体が厚くなるため、切り溝によるロスが大きくなり、生産性が悪くなる恐れがある。一方、平均粒子径が0.1μmよりも小さいと、薄刃砥石の切断性が悪くなる恐れがある。ここで、本発明における平均粒径とは、レーザー散乱式粒度分布計(LB−500、堀場製作所社製)を用いて得られる粒子径分布より算出した、重量平均粒子径をさす。
また、本発明の薄刃砥石の厚さは1μm〜30μmであり、好ましくは2μm〜15μm、より好ましくは3μm〜12.5μmである。厚さが30μmを超えると、切り溝によるロスが大きくなり、生産性が悪くなる恐れがある。一方、1μmより薄い薄刃砥石を製膜することは、非常に困難であり、また1μmより薄いと切断性が悪化する。
【0039】
本発明の薄刃砥石における砥粒の含有比率は、好ましくは5質量%〜50質量%であり、より好ましくは5質量%〜40質量%、さらに好ましくは10質量%〜40質量%である。砥粒の含有量が50重量%を超えると、フィルムの機械強度が大幅に低下し、製膜を行うことが困難である。一方、5重量%より少ないと、薄刃砥石の切断性が悪くなる恐れがある。
ポリイミドフィルム中に砥粒を含有させる手段としては、例えば、ポリイミドフィルムの前駆体であるポリアミド酸の溶液中に砥粒を配合する手段などがある。具体的には、ポリアミド酸を合成する前に有機極性溶媒に砥粒を添加して分散させたのちに上述したように酸無水物類とジアミン類とを反応させたり、前記反応途中に砥粒を添加したり、ポリアミド酸溶液を得た後に砥粒を添加したりする手段などが挙げられる。好ましくは、上述の手段のうち、ポリアミド酸を合成する前に有機極性溶媒中に砥粒を添加して分散させる手段、またはポリアミド酸類とジアミン類との反応途中に砥粒を添加する手段が挙げられる。そのような手段であれば砥粒を凝集させ難く、効率的に均一に分散させ得る。
【0040】
なお、本発明のポリイミドフィルムから円環板状の薄刃砥石へ加工する方法としては特に限定されないが、トムソン刃を用いて打ち抜く、円形カッターで切り抜く、レーザーで切断する、等の方法を用いることができる。
【0041】
本発明の薄刃砥石は、面方向での線膨張係数が−10ppm/℃〜20ppm/℃であることが好ましく、より好ましくは−10ppm/℃〜15ppm/℃、さらに好ましくは−10ppm/℃〜10ppm/℃である。これらの範囲を超え、線膨張係数の値が0から著しく乖離すると、例えば、シリコンウエハダイシング中の温度上昇による寸法変化が起こり、薄刃砥石に変形が発生して、優れた品位のシリコンチップが得られない恐れがある。
【0042】
本発明の薄刃砥石の引張破断強度は特に限定されないが、150MPa以上が好ましく、より好ましくは200MPa以上、さらに好ましくは250MPa以上である。引張破断強度が150MPaより低いと、例えば、シリコンウエハダイシング中に切断性が悪くなり、優れた品位のシリコンチップが得られない恐れがある。
引張破断伸度も特に限定されないが、その使用目的から、5%〜80%が好ましく、より好ましくは10%〜75%、さらに好ましくは15%〜70%である。引張破断伸度がこれらの範囲を超えると、耐久性に劣るためライフが短くなる。
また、引張弾性率も特に限定されないが、3.0GPa以上が好ましく、より好ましくは4.0GPa以上、さらに好ましくは4.5GPa以上である。引張弾性率が3.0GPaより低いと、例えば、シリコンウエハダイシング中に切断性が悪くなり、優れた品位のシリコンチップが得られない恐れがある。
【0043】
本発明の薄刃砥石を用いて、半導体ウエハをダイシングすることができる。たとえば、半導体ウエハにおいてマトリックス状に配列された半導体素子を結晶方位に拘らず垂直面でペレットに分割するためのダイシング工程において、本願の薄刃砥石を切断工具として用いることができる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
【0045】
1.砥粒の平均粒子径
測定対象の砥粒を溶媒に分散し、レーザー散乱式粒度分布計(LB−500、堀場製作所社製)により粒子径分布を求め、重量平均粒子径を算出した。
2.薄刃砥石の厚さ
測定対象の薄刃砥石について、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
3.薄刃砥石の引張弾性率、引張破断強度、および引張破断伸度
測定対象の薄刃砥石について、下記条件で幅方向(TD方向)および長手方向(MD方向)の引張破壊試験を行い、TD方向とMD方向の平均値をそれぞれ引張弾性率、引張破断強度、および引張破断伸度とした。
装置名 : 島津製作所社製 オートグラフ
サンプル長さ : 100mm
サンプル幅 : 10mm
引張り速度 : 50mm/min
チャック間距離 : 40mm
【0046】
4.薄刃砥石の線膨張係数(CTE)
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件にてTD方向およびMD方向の伸縮率を測定し、90〜100℃、100〜110℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、100℃から350℃までの全測定値の平均値をCTE(ppm/℃)として算出した。
装置名 : MACサイエンス社製 TMA4000S
サンプル長さ : 10mm
サンプル幅 : 2mm
昇温開始温度 : 25℃
昇温終了温度 : 400℃
昇温速度 : 5℃/min
雰囲気 : アルゴン
【0047】
<薄刃砥石の評価> 切断性
外径:56mm、内径:19mmに加工した薄刃砥石を用いて、下記条件で6インチシリコンウェハーのダイシングを行った。
砥石回転数 : 30,000rpm
切り込み量 : 0.3mm
ダイシング方法 : ダウンカット
研削液 : 純水
切削ライン数 : 10,000回
得られたシリコンウエハが目標とするサイズに切断できたものを○、切断できなかったものを×とした。
【0048】
<薄刃砥石の評価> チッピング
外径:55.9mm、内径:19.05mmに加工した薄刃砥石を用いて、下記条件で6インチのシリコンウエハのダイシングを行った。
砥石回転数 : 30,000rpm
切り込み量 : 0.3mm
ダイシング方法 : ダウンカット
研削液 : 純水
切削ライン数 : 10,000回
得られたシリコンウエハを光学顕微鏡で観察し、チッピングがほとんど見られないものを○、チッピングが見られるものを×とした。ここで、チッピングとは、シリコンウエハ切断面の割れや欠けを意味する。
【0049】
〔製造例1〜8〕
(ポリアミド酸溶液A1〜A8の作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール223質量部、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部を加えて完全に溶解させた後、ピロメリット酸二無水物217質量部、ダイヤモンド砥粒及び/又はCBNが表1、表2記載量になるよう加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液A1〜A8が得られた。
【0050】
〔製造例9〕
(ポリアミド酸溶液Bの作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、フェニレンジアミン108質量部、N−メチル−2−ピロリドン4010質量部を加えて完全に溶解させた後、ジフェニルテトラカルボン酸二無水物292.5質量部、ダイヤモンド砥粒が表2記載量になるよう加え、25℃の反応温度で12時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Bが得られた。
【0051】
〔製造例10〕
(ポリアミド酸溶液Cの作成)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、ジアミノジフェニルエーテル200質量部、N−メチル−2−ピロリドン4170質量部を加えて完全に溶解させた後、ピロメリット酸二無水物217質量部、ダイヤモンド砥粒が表2記載量になるよう加え、25℃の反応温度で5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Cが得られた。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
(実施例1〜4)
ポリアミド酸溶液A3、A4、A6、A8をポリエチレンテレフタレート製フィルム(A−4100、東洋紡績社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥し、ポリアミド酸フィルムを得た。ポリアミド酸フィルムを支持体から剥がし、150℃×2分間、220℃×2分間、475℃×4分間の熱処理を行い、厚さ5μmのポリイミドフィルム1〜4を得た。得られたポリイミドフィルムを、外径:55.9mm、内径:19.05mmの円環板状にトムソン刃を用いて打ちぬき、薄刃砥石1〜4を作成した。
得られたポリイミドフィルム1〜4の物性値、薄刃砥石1〜4の評価結果を表3に示す。なお、表中の「不能」は、品位の良いフィルムを得ることができず、各種物性の測定が不能であることを示す。
【0055】
(実施例5)
ポリアミド酸溶液Bをポリエチレンテレフタレート製フィルム(A−4100、東洋紡績社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥し、ポリアミド酸フィルムを得た。ポリアミド酸フィルムを支持体から剥がし、150℃×2分間、220℃×2分間、460℃×4分間の熱処理を行い、厚さ5μmのポリイミドフィルム5を得た。また、実施例1と同様の方法で薄刃砥石5を作成した。
得られたポリイミドフィルム5の物性値、薄刃砥石5の評価結果を表3に示す。
【0056】
(実施例6)
ポリアミド酸溶液Cをポリエチレンテレフタレート製フィルム(A−4100、東洋紡績社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥し、ポリアミド酸フィルムを得た。ポリアミド酸フィルムを支持体から剥がし150℃×2分間、220℃×2分間、400℃×4分間の熱処理を行い、厚さ5μmのポリイミドフィルム6を得た。また、実施例1と同様の方法で薄刃砥石6を作成した。
得られたポリイミドフィルム6の物性値、薄刃砥石6の評価結果を表3に示す。
【0057】
(実施例7)
ポリイミドフィルムの厚さを10μmとする以外は実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム7、薄刃砥石7を得た。
得られたポリイミドフィルム7の物性値、薄刃砥石7の評価結果を表3に示す。
【0058】
(実施例8)
ポリイミドフィルムの厚さを12.5μmとする以外は実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム8、薄刃砥石8を得た。
得られたポリイミドフィルム8の物性値、薄刃砥石8の評価結果を表3に示す。
【0059】
【表3】

【0060】
(比較例1〜4)
ポリアミド酸溶液A3の代わりにポリアミド酸溶液A1、A2、A5、A7を用いる以外は実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム8〜11、薄刃砥石8〜11を得た。
得られたポリイミドフィルム8〜11の物性値、薄刃砥石8〜11の評価結果を表4に示す。なお、表中の「不能」は、品位の良いフィルムを得ることができず、各種物性の測定が不能であることを示す。
【0061】
(比較例5)
ポリイミドフィルムの厚さを0.5μmとする以外は実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム12、薄刃砥石12を得た。
得られたポリイミドフィルム12の物性値、薄刃砥石12の評価結果を表4に示す。
【0062】
(比較例6)
ポリイミドフィルムの厚さを50μmとする以外は実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム13、薄刃砥石13を得た。
得られたポリイミドフィルム13の物性値、薄刃砥石13の評価結果を表4に示す。
【0063】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の平均粒径が0.1μm〜10μmのダイヤモンドおよびまたは立方晶窒化ホウ素(CBN)からなる砥粒を5質量%〜50質量%の範囲で含有するポリイミドフィルムであって、厚さが1μm〜30μmである薄刃砥石、特にポリイミドフィルムが、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール構造を有するジアミンであるポリイミドフィルムであり、かつ面方向での線膨張係数が−10ppm/℃〜20ppm/℃である薄刃砥石は、研磨・切削性にすぐれ、耐久性特に高温における耐久性に優れ、剛性とタフネスとのバランスに優れた、生産性においてもロスの少ない薄刃砥石であり、この薄刃砥石を用いてダイシングを行う半導体装置の製造など、研磨・切削における薄刃砥石の使用される分野において極めて有意義である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒径が0.1μm〜10μmのダイヤモンドおよびまたは立方晶窒化ホウ素(CBN)の砥粒を5質量%〜50質量%の範囲で含有するポリイミドフィルムから構成されてなり、厚さが1μm〜30μmで、かつ円環板状であることを特徴とする薄刃砥石。
【請求項2】
ポリイミドフィルムが、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール構造を有するジアミンからなるポリイミドフィルムであり、かつ面方向での線膨張係数が−10ppm/℃〜20ppm/℃であることを特徴とする請求項1記載の薄刃砥石。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれかに記載の薄刃砥石を用いることを特徴とするダイシング方法。

【公開番号】特開2010−17826(P2010−17826A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182317(P2008−182317)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】