説明

薄板の射出成形方法及びその金型

【課題】縦横の寸法が大きく、肉厚の寸法公差が厳しい薄板を、そりや曲がりが発生することなく成形することができる薄板の射出成形方法及びその金型を提供する。
【解決手段】金型分割面27が若干開いた状態で、射出成形機のノズルから加熱溶融された樹脂を射出する。遊動キャビティブロック43は圧縮コイルバネ433の付勢力によって、金型分割面27側に向かって移動している。その結果、遊動キャビティブロック43のテーパー面432と固定キャビティブロック41のテーパー面412との間には、隙間βができている。溶融樹脂から発生したガスは、隙間β、ガス抜き溝435、ガス抜き孔232を介して外部に排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄板の射出成形方法及びその金型、特に、成形品にそりや曲がりがでない薄板の射出成形方法及びその金型に関する。
【背景技術】
【0002】
下廃水を処理する膜分離装置の支持板(特許文献1)は、例えば、縦横の寸法が約1600mm×600mmと大きく、肉厚が約6mmと薄いABS樹脂製である。また、肉厚が±0.05mmの厳しい寸法公差を要求される。このような薄板は、通常の射出成形方法では、溶融した樹脂が流れにくく、そりや曲がりが発生して不良品になるため、射出圧力を大きくして、樹脂が流れやすくするのが一般的だが、これでも不十分なときは、射出圧縮成形法(特許文献2)で成形している。
【0003】
しかし、射出圧縮成形法を採用しても、膜分離装置の支持板は縦横の寸法が大きく、肉厚が薄いため、そりや曲がりが発生して不良品になる。そりや曲がりが発生する主な原因は、射出成形時に発生する溶融樹脂から発生するガス抜きが十分でないことが挙げられる。ガス抜きを行う射出成形方法として、特許文献3、特許文献4、特許文献5等の射出成形方法が提案されているが、縦横の寸法が大きく、肉厚の寸法公差が厳しい薄板の射出成形方法としては不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−237960号公報
【特許文献2】特開2008−184597号公報
【特許文献3】特開2001−30309号公報
【特許文献4】特開2004−299084号公報
【特許文献5】特開2005−74633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、縦横の寸法が大きく、肉厚の寸法公差が厳しい薄板を、そりや曲がりが発生することなく成形することができる薄板の射出成形方法及びその金型を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題は、以下の手段によって解決される。即ち、第1番目の発明の薄板の射出成形方法は、射出成形金型に固定された固定キャビティブロックのキャビティに、加熱された溶融樹脂を射出して薄板を製造する射出成形方法において、前記射出成形金型の金型分割面を若干開いて溶融樹脂をキャビティに射出し、前記固定キャビティブロックの周縁部近傍に配置され、固定キャビティブロックに対して前記射出成形金型の開閉方向に平行に移動可能で、金型分割面側に向かって先太りのテーパー面で固定キャビティブロックに接触して摺動し、前記薄板の周縁部近傍を成形するためのキャビティを有する遊動キャビティブロックと固定キャビティブロックとの間のテーパー面の隙間に連通するガス抜き孔から、キャビティ内のガスを外部に排出した後、前記射出成形金型の金型分割面を閉じて、前記テーパー面の隙間を無くし、溶融樹脂を圧縮することを特徴とする。
【0007】
第2番目の発明の薄板の射出成形方法は、第1番目の発明の薄板の射出成形方法において、前記遊動キャビティブロックは、付勢部材で前記金型分割面側に向かって常時付勢されていることを特徴とする。
第3番目の発明の薄板は、第1番目または第2番目の発明の薄板の射出成形方法によって成形したことを特徴とする。
【0008】
第4番目の発明の薄板の射出成形金型は、加熱された溶融樹脂を射出成形金型に射出して薄板を製造する射出成形金型において、前記射出成形金型に固定され、前記溶融樹脂が充填されて前記薄板を成形するためのキャビティを有する固定キャビティブロックと、前記固定キャビティブロックの周縁部近傍に配置され、固定キャビティブロックに対して前記射出成形金型の開閉方向に平行に移動可能で、金型分割面側に向かって先太りのテーパー面で固定キャビティブロックに接触して摺動し、前記薄板の周縁部近傍を成形するためのキャビティを有する遊動キャビティブロックと、前記遊動キャビティブロックを金型分割面側に向かって常時付勢する付勢部材と、前記遊動キャビティブロックと固定キャビティブロックとの間のテーパー面の隙間に連通し、前記射出成形金型の金型分割面を若干開いて溶融樹脂をキャビティに射出した時に、前記キャビティ内のガスを外部に排出するガス抜き孔とからなることを特徴とする。
【0009】
第5番目の発明の薄板の射出成形金型は、第4番目の発明の薄板の射出成形金型において、前記固定キャビティブロックは、前記射出成形金型の固定側型板または可動側型板のいずれか一方に固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の薄板の射出成形方法は、射出成形金型の金型分割面を若干開いて溶融樹脂をキャビティに射出し、固定キャビティブロックの周縁部近傍に配置され、固定キャビティブロックに対して射出成形金型の開閉方向に平行に移動可能で、金型分割面側に向かって先太りのテーパー面で固定キャビティブロックに接触して摺動し、薄板の周縁部近傍を成形するためのキャビティを有する遊動キャビティブロックと固定キャビティブロックとの間のテーパー面の隙間に連通するガス抜き孔から、キャビティ内のガスを外部に排出した後、射出成形金型の金型分割面を閉じて、テーパー面の隙間を無くし、溶融樹脂を圧縮する。ガスを排出するテーパー面の隙間は、薄板の周縁部全体に形成されているため、ガス抜きが十分に行われ、縦横の寸法が大きく、肉厚の寸法公差が厳しい薄板を、そりや曲がりが発生することなく成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施の形態の射出成形方法で成形される膜分離装置の支持板を示し、図1(a)は支持板の正面図、図1(b)は図1(a)の平面図、図1(c)は図1(a)の右側面図である。
【図2】図2は、図1(a)〜図1(c)に示した支持板を射出成形するための本発明の実施の形態の射出成形金型の縦断面図である。
【図3】図3は、図2のA−A断面図である。
【図4】図4は、図2のP部拡大縦断面図である。
【図5】図5は、射出成形動作の途中の状態を示し、射出成形金型の金型分割面を若干開いて溶融樹脂をキャビティに射出した状態を示す図4に相当する図である。
【図6】図6は、図5のQ部拡大縦断面図である。
【図7】図7は、射出成形動作が完了した状態を示し、射出成形金型の金型分割面を閉じた状態を示す図6相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態の射出成形方法で成形される膜分離装置の支持板を示し、図1(a)は支持板の正面図、図1(b)は図1(a)の平面図、図1(c)は図1(a)の右側面図である。図1(a)〜図1(c)に示す膜分離装置の支持板1は、本例ではABS樹脂製で、縦寸法Hが約1600mm、横寸法Wが約600mmの矩形形状で、矩形の分離膜貼り付け面11を有している。分離膜貼り付け面11は、肉厚Tが約6mmである。分離膜貼り付け面11には、図示しない分離膜を、表裏両面(図1(a)で紙面の表面と裏面)から張り合わせた後、膜分離装置に装着する。
【0013】
図2は、図1の支持板1を射出成形するための本発明の実施の形態の射出成形金型の縦断面図である。図3は、図2のA−A断面図である。図4は、図2のP部拡大縦断面図である。この射出成形金型2は、ツー・プレート金型と呼ばれているものである。射出成形金型2は、固定側取付板21、スペーサブロック22、固定側型板23、可動側型板24、スペーサブロック25、可動側取付板26等からなる。以下、この射出成形金型2の詳細な構造を説明する。
【0014】
固定側取付板21は、射出成形機の固定盤(図示せず)に取付けられて使用される。固定側取付板21には、スペーサブロック22、固定側型板23がボルト、ピン等で固定されている。固定側型板23の略中央部上面には、矩形ブロック状のマニホールド31が固定され、マニホールド31の略中央部上面には、円柱状のスプルーブッシュ32が固定されている。固定側取付板21の略中央部には、貫通孔211が形成され、スプルーブッシュ32の上端がこの貫通孔211に挿入されている。スプルーブッシュ32の軸心には、スプルー33が形成されている。
【0015】
固定側型板23の下面の矩形凹部231には、矩形ブロック状の固定キャビティブロック41が固定されている。固定側型板23と固定キャビティブロック41の略中央部(図2の左右方向の略中央部)に、同心状に形成された4個の貫通孔に、円柱状のバルブボディ34が各々挿入され、固定されている。バルブボディ34の軸心に形成されたランナ35の下端(図示上)のゲート36が、固定キャビティブロック41のキャビティ411につながっている。スプルー33の下端は、マニホールド31を介してランナ35に連通している。
【0016】
可動側取付板26には、スペーサブロック25、可動側型板24がボルト、ピン等で位置決めされ、固定されている。可動側型板24の上面の矩形凹部241には、キャビティ421を有する矩形ブロック状の固定キャビティブロック(可動側)42が固定されている。キャビティ411、キャビティ421は、図1の支持板1を成形するものである。固定キャビティブロック42の縦横の寸法(図2の左右方向の寸法と図2の紙面に直交する方向の寸法)は、固定キャビティブロック41の縦横の寸法(図2の左右方向の寸法と図2の紙面に直交する方向の寸法)よりも大きく形成されている。
【0017】
バルブボディ34の軸心には、バルブピン341が上下方向(図2の図示上)に移動可能に挿入され、空気圧によって駆動されるピストン(図示せず)の移動で上下方向に移動し、ゲート36を開閉する。射出成形機のノズル(図示せず)からスプルー33、ランナ35に射出された樹脂は、図示しないヒータで加熱されて、常時流動可能な溶融状態に維持されるため、樹脂材料を効率的に使用することを可能にしている。また、ゲート36の少量の樹脂は固化するが、成形した支持板1を取り出した後、次の射出開始直前に、ゲート35近傍に装着したヒータで瞬時に溶融し、樹脂の射出を可能にしている。
【0018】
固定側型板23の下面の矩形凹部231には、固定キャビティブロック41の周縁部を包囲して、額縁状の遊動キャビティブロック43が配置されている。遊動キャビティブロック43は、固定キャビティブロック41に対して射出成形金型2の開閉方向(図2、図4の上下方向)に平行に移動可能である。図4に詳細に示すように、遊動キャビティブロック43は、金型分割面27側に向かって先太りのテーパー面432、432が形成されている。このテーパー面432、432で、固定キャビティブロック41のテーパー面412と固定側型板23のテーパー面233に接触して摺動する。
【0019】
遊動キャビティブロック43のテーパー面432、432は、遊動キャビティブロック43の周縁全周(全外周)に形成されている。固定キャビティブロック41のテーパー面412は、固定キャビティブロック41の周縁全周(全外周)に形成されている。固定側型板23のテーパー面233は、固定側型板23の矩形凹部231の周縁の全内周に形成されている。射出成形金型2が閉じている時は、固定キャビティブロック42と可動側型板24によって、遊動キャビティブロック43は、図2、図4に示したように、上方向(図示上)に押されて、テーパー面432、432は、テーパー面412及びテーパー面233に密着する。従って、キャビティ411、421内の溶融樹脂が、テーパー面432、432とテーパー面412、233との隙間に侵入することはない。
【0020】
遊動キャビティブロック43の下面には、図1の支持板1の周縁部を成形するためのキャビティ431が形成されている(図5,6参照)。固定側型板23には、図2、図4に示す下方向から、遊動キャビティブロック43を貫通して、複数(本発明の実施の形態では10個)のボルト434がねじ込まれている。ボルト434の頭部は、射出成形金型2が開いている時に、遊動キャビティブロック43が固定側型板23から所定距離以上離れて、図2、図4の下方向に移動しないように規制している。
【0021】
また、固定側型板23には、遊動キャビティブロック43の上面との間に、遊動キャビティブロック43を金型分割面27側(図2、図4の下方向)に向かって、常時付勢する圧縮コイルバネ(付勢部材)433が複数(本発明の実施の形態では10個)装着されている。圧縮コイルバネ433は、ボルト434の外周に配置されている。遊動キャビティブロック43には、固定キャビティブロック41のテーパー面412に接触するテーパー面432に、遊動キャビティブロック43の上面に連通するガス抜き溝435が形成されている。固定側型板23には、ガス抜き溝435の上端に連通するガス抜き孔232が4個形成されている。なお、ガス抜き溝435は省略することができる。
【0022】
図2に示すように、上下2枚の平板を重ね合わせて固定して構成されるエジェクタプレート51は、図示しないにシリンダによって、図2の上下方向に駆動される。可動側取付板26には、円柱状の案内ロッド52の下端がボルトによって固定されている。中空円筒状の案内ブッシュ53は案内ロッド52に案内され、案内ロッド52の軸線方向に摺動自在である。エジェクタプレート51は、図示しないシリンダにより駆動され、案内ロッド52に案内されて、可動側取付板26との間で相対移動する。
【0023】
エジェクタープレート51には円柱状のエジェクタピン54の下端が固定されている。型開きストロークの終りにエジェクタプレート51を図2の上方に駆動して、エジェクタピン54により成形品を突出す。エジェクタープレート51には円柱状のリターンピン55の下端が固定されている。リターンピン55の上端は、遊動キャビティブロック43の下面に接している。リターンピン55は、型開きのとき、遊動キャビティブロック43の下面を押して、型開きを容易にする。固定側型板23の下面に固定された4個の位置決めブロック56は、可動側型板24の上面に形成された4個の位置決め溝242に嵌合して、型締め時に固定側型板23と可動側型板24を正確に位置決めする。
【0024】
次に、射出成形時の動作を説明する。図5は射出成形動作の途中の状態を示し、射出成形金型の金型分割面を若干開いて、溶融樹脂をキャビティに射出した状態を示す図4相当図である。図6は、図5のQ部拡大縦断面図である。図7は、射出成形動作が完了した状態を示し、射出成形金型の金型分割面を閉じた状態を示す図6相当図である。
【0025】
射出成形を開始するには、最初に射出成形金型2を型締めするが、図5、図6に示すように、金型分割面27を密着させず、金型分割面27が若干開いた状態(図5、図6に示す金型分割面27の隙間αが0.2mm程度)で、射出成形機のノズルから加熱溶融された樹脂を射出する。溶融樹脂は、4個のゲート36(図2)からキャビティ411、421に充填される。遊動キャビティブロック43は、圧縮コイルバネ433の付勢力によって、金型分割面27側(図5、図6の下方向)に向かって移動している。その結果、図6に詳細に示すように、遊動キャビティブロック43のテーパー面432と固定キャビティブロック41のテーパー面412との間には、僅かな隙間βができている。
【0026】
溶融樹脂から発生したガスは、隙間β、ガス抜き溝435、ガス抜き孔232を介して外部に排出される。溶融樹脂が遊動キャビティブロック43のキャビティ431に到達したタイミングで、図7に示すように、金型分割面27を完全に閉じ(密着させる)、溶融樹脂を圧縮する。金型分割面27を完全に閉じると、可動側型板24と可動側型板24側の固定キャビティブロック42によって、遊動キャビティブロック43は図7の上方向に押されて、テーパー面432、432は、テーパー面412及びテーパー面233に密着する。従って、キャビティ411、421、431内の溶融樹脂が、テーパー面432とテーパー面412との隙間に侵入することはない。
【0027】
遊動キャビティブロック43のテーパー面432と固定キャビティブロック41のテーパー面412との間の隙間βは、成形される支持板1の周縁部全体に形成されているため、ガス抜きは支持板1の周縁部全体から十分に行われる。従って、縦横の寸法が大きく、肉厚の寸法公差が厳しい支持板1を、そりや曲がりが発生することなく成形することができる。金型分割面27を完全に閉じるタイミングは、射出成形機のスクリュウの位置、または、溶融樹脂の射出動作を行う時間で管理すればよい。
【0028】
本発明の実施の形態では、遊動キャビティブロック43は固定側型板23側の固定キャビティブロック41の周縁部に配置されているが、可動側型板24側の固定キャビティブロック42の周縁部に配置してもよい。また、本発明の実施の形態では、平坦な薄板の射出成形に適用した例を説明したが、薄板を有して外周に枠体を有するもの、表面にリブ凹凸を有するもの、貫通孔が成形された成形品等の射出成形品の成形に適用してもよい。従って、本発明でいう薄板とは、単純な板状の部材のみを意味しない。
【符号の説明】
【0029】
1…支持板
11…分離膜貼り付け面
2…射出成形金型
21…固定側取付板
211…貫通孔
22…スペーサブロック
23…固定側型板
231…矩形凹部
232…ガス抜き孔
233…テーパー面
24…可動側型板
241…矩形凹部
242…位置決め溝
25…スペーサブロック
26…可動側取付板26
27…金型分割面
31…マニホールド
32…スプルーブッシュ
33…スプルー
34…バルブボディ
341…バルブピン
35…ランナ
36…ゲート
41…固定キャビティブロック
411…キャビティ
412…テーパー面
42…固定キャビティブロック
421…キャビティ
43…遊動キャビティブロック
431…キャビティ
432…テーパー面
433…圧縮コイルバネ(付勢部材)
434…ボルト
435…ガス抜き溝
51…エジェクタプレート
52…案内ロッド
53…案内ブッシュ
54…エジェクタピン
55…リターンピン
56…位置決めブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形金型に固定された固定キャビティブロックのキャビティに、加熱された溶融樹脂を射出して薄板を製造する射出成形方法において、
前記射出成形金型の金型分割面を若干開いて溶融樹脂をキャビティに射出し、
前記固定キャビティブロックの周縁部近傍に配置され、固定キャビティブロックに対して前記射出成形金型の開閉方向に平行に移動可能で、金型分割面側に向かって先太りのテーパー面で固定キャビティブロックに接触して摺動し、前記薄板の周縁部近傍を成形するためのキャビティを有する遊動キャビティブロックと固定キャビティブロックとの間のテーパー面の隙間に連通するガス抜き孔から、キャビティ内のガスを外部に排出した後、前記射出成形金型の金型分割面を閉じて、前記テーパー面の隙間を無くし、溶融樹脂を圧縮する
ことを特徴とする薄板の射出成形方法。
【請求項2】
請求項1に記載された薄板の射出成形方法において、
前記遊動キャビティブロックは、付勢部材で前記金型分割面側に向かって常時付勢されている
ことを特徴とする薄板の射出成形方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載された薄板の射出成形方法によって成形した薄板。
【請求項4】
加熱された溶融樹脂を射出成形金型に射出して薄板を製造する射出成形金型において、
前記射出成形金型に固定され、前記溶融樹脂が充填されて前記薄板を成形するためのキャビティを有する固定キャビティブロックと、
前記固定キャビティブロックの周縁部近傍に配置され、固定キャビティブロックに対して前記射出成形金型の開閉方向に平行に移動可能で、金型分割面側に向かって先太りのテーパー面で固定キャビティブロックに接触して摺動し、前記薄板の周縁部近傍を成形するためのキャビティを有する遊動キャビティブロックと、
前記遊動キャビティブロックを金型分割面側に向かって常時付勢する付勢部材と、
前記遊動キャビティブロックと固定キャビティブロックとの間のテーパー面の隙間に連通し、前記射出成形金型の金型分割面を若干開いて溶融樹脂をキャビティに射出した時に、前記キャビティ内のガスを外部に排出するガス抜き孔と
からなることを特徴とする薄板の射出成形金型。
【請求項5】
請求項4に記載された薄板の射出成形金型において、
前記固定キャビティブロックは、
前記射出成形金型の固定側型板または可動側型板のいずれか一方に固定されている
ことを特徴とする薄板の射出成形金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−16228(P2011−16228A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160325(P2009−160325)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(591239726)共和成型 株式会社 (6)
【Fターム(参考)】