説明

薄板ばね及びこれを用いた溶融塩電池

【課題】素材を薄くすることを必ずしも必要とせず、かつ、均一な弾発力の分布をも損なわずに、必要な変位量を確保することができる薄板ばねを提供し、また、この薄板ばねを用いた溶融塩電池を提供する。
【解決手段】電池容器に収容された積層構造の溶融塩電池本体と、その積層方向の一端面に当接する押さえ板と、電池容器の内面と押さえ板との間に溶融塩電池本体を挟み込んで積層方向へ圧迫するように押さえ板を付勢するばねとを含む溶融塩電池において、当該ばねとして、金属板を素材とする薄板ばね13を用いる。この薄板ばね13は、平面視した形状がリング状又は多角形枠状であり、周方向に蛇腹状の起伏が繰り返し形成されているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融塩(室温で溶融するイオン液体も含む。)を電解質とする電池の構造に関し、特に、電池容器内に装填されるばねに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素の排出を伴わずに電力を発生させる手段として、太陽光、風力等の自然エネルギーを利用した発電が促進されている。自然エネルギーによる発電では、発電量が気候、天候等の自然条件に左右されることが多いのに加えて、電力需要に合わせた発電量の調整が難しいため、負荷に対する電力供給の平準化が不可欠となる。発電された電気エネルギーを充電及び放電させて平準化するには、高エネルギー密度・高効率で大容量の蓄電池が必要とされ、このような条件を満たす蓄電池として、電解質に溶融塩を用いた溶融塩電池が注目されている。
【0003】
溶融塩電池の単電池は、例えば、ナトリウムの化合物からなる活物質を集電体に含ませてなる正極と、錫等の金属を集電体にメッキしてなる負極との間に、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のカチオンと、フッ素を含むアニオンとからなる溶融塩を含浸させたセパレータを介装させた発電要素を電池容器内に備える。正極及び負極はセパレータを介して交互に配置され、積層構造の溶融塩電池本体を成している。
【0004】
電池容器としては、軽量化・耐食性の観点からアルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属製容器が好ましいとされている(例えば、特許文献1参照。)。上記溶融塩電池本体は、正極・負極がセパレータと圧接した状態を保って、電池容器内に緊密に収容される。言い換えれば、溶融塩電池本体の積層方向への寸法と、電池容器の内寸法とを適切に設計することによって、上記圧接状態が保たれる。一定の圧接状態を保つことは、ナトリウムが正極及び負極にインターカレート若しくは析出する量を安定的に維持し、充放電のばらつきを防止する意義がある。
【0005】
ところが、実際には、充電時に正極・負極が積層方向へ膨張し、放電時には収縮する、という現象が発生する。そのため、単に溶融塩電池本体を電池容器に収容しただけでは、溶融塩電池本体において一定の圧接状態を維持することができない。そこで、本出願人は、電池容器内に、ばねと、その弾発力の分布を均一化するための平板状の押さえ板とを備えた溶融塩電池を提案している(特願2010−267261)。図8は、この溶融塩電池の横断面図である。
【0006】
図8において、この溶融塩電池は、金属の電池容器110内に、発電要素としての溶融塩電池本体部100の他、波板状の薄板ばね130と、押さえ板120とを収容している。図9は、薄板ばね130の全体形状を示す斜視図である。薄板ばね130は、正極・負極の膨張又は収縮を、吸収又は補填するように弾性変形して、溶融塩電池本体100における正極・負極−セパレータ間の圧接状態を、ほぼ一定に維持するものと期待される。なお、押さえ板120は、薄板ばね130の弾発力の平面分布を、均一化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−211936号公報(段落[0067]、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図10は、ばねの変位xと荷重Fとの関係を示すグラフである。図において、上記の薄板ばね130として、例えば厚さ0.3mmの素材を使用するとばね定数が比較的大きく、いわば固いばねとなる。これが、例えば図10におけるばねAである。一方、例えば厚さ0.1mmの素材を使用すると、ばね定数は相対的に小さくなり、いわば柔らかいばねとなる。これが、例えば図10におけるばねBである。
【0009】
ここで、薄板ばね130から溶融塩電池本体100の積層方向へ与えてもよい荷重(許容荷重)がF1〜F2の範囲であるとすると、これに対応する変位量は、ばねAではΔxA、ばねBではΔxBとなり、ΔxA<ΔxBの関係となる。充放電による溶融塩電池本体の変位量(最大値)がΔxoであるとすると、ばねBではΔxB>Δxoであり、溶融塩電池本体100の変位量に対して弾性変形しても許容荷重を逸脱することはない。しかし、ばねAではΔxA<Δxoとなって、溶融塩電池本体100の変位量に対する弾性変形によって許容荷重を逸脱する場合がある。
【0010】
また、一般に、電池容器110は誤差を非常に小さく作製することができるが、溶融塩電池本体100は積層構造であるため、積層した厚さにばらつきが生じやすい。ばね定数の大きいばねの場合、このばらつきに対応できる変位量を確保することが難しいため、溶融塩電池の個々の製品によって、許容荷重内に収まることもあれば、逸脱することもある、という製造上の信頼性が低い状態となる。
【0011】
許容荷重の下限を下回ると、加圧不足により正極/負極とセパレータとの間の抵抗が増加し、逆に、上限を上回ると、加圧過剰により短絡が生じる可能性がある。
従って、安定した充放電を行うためには、図8における薄板ばね130として、ばねBのようなばね定数の小さいものを採用する必要がある。
【0012】
ここで、図9に示すような薄板ばね130において、ばねBのようにばね定数を小さくするには、素材を薄くすることや、波の数を少なくすることが、考えられる。
ところが、素材を薄くすると、機械的な強度が弱くなり、塑性変形を生じ易く、耐久性が低下する。一方、波の数を少なくすると、ばねの弾発力の分布の均一性が損なわれ、押さえ板120によっても補償し得ない場合がある。
【0013】
このように、他の弊害をもたらさずに、薄板ばねに十分な変位量を確保することは容易でない。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、素材を薄くすることを必ずしも必要とせず、かつ、均一な弾発力の分布をも損なわずに、必要な変位量を確保することができる薄板ばねを提供すること、及び、この薄板ばねを用いた溶融塩電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)本発明は、金属板を素材とする薄板ばねであって、平面視した形状がリング状又は多角形枠状であり、周方向に蛇腹状の起伏が繰り返し形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
上記のような薄板ばねにおいては、起伏の高さ方向に作用する荷重に対して、同方向への弾性変形が、蛇腹状の起伏を周方向に伸縮(平面視した形状は拡縮)させるようにして実現される。また、リング状又は多角形枠状であることにより、幅が比較的狭くなって弾性変形し易く、しかも、全体的には均一に分布した弾発力を生じる。従って、このような薄板ばねは、素材を薄くすることを必ずしも必要とせず、かつ、高さ方向への必要な変位量を確保することができる。
【0016】
(2)また、上記薄板ばねにおいて、起伏は、平面視した形状の中心から放射状の線に沿って山折り・谷折りを繰り返して形成されていることが好ましい。
この場合、平面視した形状の拡縮が円滑に行われる。
【0017】
(3)一方、本発明の溶融塩電池は、電池容器と、前記電池容器内に収容され、電解質として溶融塩を含むセパレータを介して正極及び負極が交互に積層される溶融塩電池本体と、前記電池容器内に収容され、前記溶融塩電池本体の積層方向の一端面に当接する押さえ板と、前記電池容器内に収容され、前記溶融塩電池本体の積層方向の他端面側にある前記電池容器の内面と前記押さえ板との間に前記溶融塩電池本体を挟み込んで積層方向へ圧迫するように前記押さえ板を付勢するばねと、を備え、
前記ばねは、金属板を素材とする薄板ばねであって、平面視した形状がリング状又は多角形枠状であり、周方向に蛇腹状の起伏が繰り返し形成されている、という構成を有するものである。
【0018】
上記のような溶融塩電池における薄板ばねは、起伏の高さ方向に作用する荷重に対して、同方向への弾性変形が、蛇腹状の起伏を周方向に伸縮(平面視した形状は拡縮)させるようにして実現される。また、リング状又は多角形枠状であることにより、幅が比較的狭くなって弾性変形し易く、しかも、全体的には均一に分布した弾発力を生じる。この場合、比較的厚めの金属板でも弾性変形が容易であり、高さ方向への弾性変形の変位量を、容易に、必要量確保することができる。従って、このような薄板ばねは、素材を薄くすることを必ずしも必要とせず、かつ、高さ方向への必要な変位量を確保することができる。また、このような薄板ばねを用いた溶融塩電池は、正極・負極の膨張又は収縮に対する十分な変位量を確保することができる。
【0019】
(4)また、上記(3)の溶融塩電池において、薄板ばねの起伏は、平面視した形状の中心から放射状の線に沿って山折り・谷折りを繰り返して形成されていることが好ましい。
この場合、平面視した形状の拡縮が円滑に行われる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の薄板ばねによれば、素材を薄くすることを必ずしも必要とせず、かつ、均一な弾発力の分布をも損なわずに、ばね定数を低下させ、必要な変位量を確保することができる。また、このような薄板ばねを用いた溶融塩電池は、充放電時に安定した電流を流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】溶融塩電池における発電要素の基本構造を原理的に示す略図である。
【図2】溶融塩電池本体の積層構造を簡略に示す斜視図である。
【図3】図2と同様の構造についての横断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る薄板ばねを内蔵した溶融塩電池の横断面図である。
【図5】図4における薄板ばねの斜視図である。
【図6】(a)は、起伏を形成する前のリング状のばね素材を示す平面図であり、(b)は、折り曲げ加工を施した後の、薄板ばねの平面図である。
【図7】他の例として、素材(平面)の段階から多角形枠状である薄板の平面図である。
【図8】従来の薄板ばねを内蔵した溶融塩電池の横断面図である。
【図9】従来の薄板ばねの斜視図である。
【図10】薄板ばねの変位と荷重との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る溶融塩電池について、図面を参照して説明する。
図1は、溶融塩電池における発電要素の基本構造を原理的に示す略図である。図において、発電要素は、正極1、負極2及びそれらの間に介在するセパレータ3を備えている。正極1は、正極集電体1aと、正極材1bとによって構成されている。負極2は、負極集電体2aと、負極材2bとによって構成されている。
【0023】
正極集電体1aの素材は、例えば、アルミニウム不織布(線径100μm、気孔率80%)である。正極材1bは、正極活物質としての例えばNaCrOと、アセチレンブラックと、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)と、N−メチル−2−ピロリドンとを、質量比85:10:5:50の割合で混練したものである。そして、混練したものを、アルミニウム不織布の正極集電体1aに充填し、乾燥後に、1000kgf/cmにてプレスし、正極1の厚みが約1mmとなるように形成される。
一方、負極2においては、アルミニウム製の負極集電体2a上に、負極活物質としての例えば錫を含むSn−Na合金が、メッキにより形成される。
【0024】
正極1及び負極2の間に介在するセパレータ3は、ガラスの不織布(厚さ200μm)に電解質としての溶融塩を含浸させたものである。この溶融塩は、例えば、NaFSA(ナトリウム ビスフルオロスルフォニルアミド)0.45mol%と、KFSA(カリウム ビスフルオロスルフォニルアミド)0.55mol%との混合物であり、融点は57℃である。融点以上の温度では、溶融塩は溶融し、高濃度のイオンが溶解した電解液となって、正極1及び負極2に触れている。また、この溶融塩は不燃性である。
【0025】
なお、上述した各部の材質・成分や数値は好適な一例であるが、これらに限定されるものではない。
例えば、溶融塩としては、上記の他、LiFSA−KFSA−CsFSAの混合物も好適である。また、他の塩を混合する場合もあり(有機カチオン等)、一般には、溶融塩は、(a)NaFSA、又は、LiFSAを含む混合物、(b)NaTFSA、又は、LiTFSAを含む混合物、が適する。これらの場合、各混合物の溶融塩は、比較的低融点となるので、少ない加熱で溶融塩電池を作動させることができる。
【0026】
次に、より具体的な溶融塩電池の発電要素の構成について説明する。図2は、溶融塩電池本体(電池としての本体部分)10の積層構造を簡略に示す斜視図、図3は同様の構造についての横断面図である。
図2及び図3において、複数(図示しているのは6個)の矩形平板状の負極2と、袋状のセパレータ3に各々収容された複数(図示しているのは5個)の矩形平板状の正極1とが、互いに対向して図3における上下方向すなわち積層方向に重ね合わせられ、積層構造を成している。
【0027】
セパレータ3は、隣り合う正極1と負極2との間に介在しており、言い換えれば、セパレータ3を介して、正極1及び負極2が交互に積層されていることになる。実際に積層する数は、例えば、正極1が20個、負極2が21個、セパレータ3は「袋」としては20袋であるが、正極1・負極2間に介在する個数としては40個である。なお、セパレータ3は、袋状に限定されず、分離した40個であってもよい。
【0028】
なお、図3では、セパレータ3と負極2とが互いに離れているように描いているが、溶融塩電池の完成時には互いに密着する。正極1も、当然に、セパレータ3に密着している。また、正極1の縦方向及び横方向それぞれの寸法は、デンドライトの発生を防止するために、負極2の縦方向及び横方向の寸法より小さくしてあり、正極1の外縁が、セパレータ3を介して負極2の周縁部に対向するようになっている。
【0029】
図4は、本発明の一実施形態に係る薄板ばねを内蔵した溶融塩電池の横断面図である。図において、直方体状で、例えばアルミニウム合金製の電池容器11の内部には、上述の溶融塩電池本体10と、押さえ板12と、薄板ばね13とが収容されている。電池容器11の内面には、例えばフッ素樹脂コーティングによる絶縁処理が施されている。押さえ板12は、矩形状で、溶融塩電池本体10の積層方向の一方の端面10aに当接する。溶融塩電池本体10の積層方向の他方の端面10bは、電池容器11の内面に当接する。押さえ板12は、例えばアルミニウム合金等の金属の表面にフッ素樹脂コーティングによる絶縁処理が施されたものであるが、押さえつけるための面強度があれば、非金属でもよい。
【0030】
薄板ばね13は、高さ方向(図の上下方向)に弾発力を発揮するよう、若干圧縮して装着されており、電池容器11の内面と押さえ板12との間に溶融塩電池本体10を挟み込んで積層方向へ圧迫するように、押さえ板12を付勢する。これにより、溶融塩電池本体10は、正極1・負極2がセパレータ3と圧接した状態を保って、電池容器11内に緊密に収容されている。なお、正極1及び負極2のそれぞれからは、端子が引き出されるが、これらについては図示を省略している。
【0031】
上記のように構成された溶融塩電池は、外部の加熱手段を用いて全体を85℃〜95℃に加熱することにより、溶融塩が融解して、充電及び放電が可能な状態となる。また、この溶融塩電池を複数個、互いに直列又は並列に接続して所望の電圧・電流の定格で使用することができる。
【0032】
図5は、上記薄板ばね13の斜視図である。薄板ばね13は、金属板(例えばステンレス)を素材とするものであって、平面視した形状がリング状であり、周方向に蛇腹状の起伏が繰り返し形成されている。
図6の(a)は、起伏を形成する前のリング状のばね素材13xを示す平面図である。このばね素材13xに対して、リング中心Oから放射状の線に沿って、折り目が形成される。例えば一点鎖線の折り目Laが山折り、点線の折り目Lbが谷折りとなるように、折り曲げ加工が施される。なお、ここでの折り目の数は一例に過ぎない。
【0033】
図6の(b)は、折り曲げ加工を施した後の、薄板ばね13の平面図である。蛇腹状に多数の起伏を形成したことによって、二点鎖線で示すばね素材13xの形状より若干縮径し、起伏による高さが形成される。
【0034】
上記のように形成された薄板ばね13には、正極1・負極2の膨張又は収縮による積層方向への荷重すなわち、起伏の高さ方向に作用する荷重に対して、同方向への弾性変形が、蛇腹状の起伏を周方向に伸縮(平面視した形状は拡縮)させるようにして実現される。また、リング状であることにより、幅が比較的狭くなって弾性変形し易く、しかも、全体的には均一に分布した弾発力を生じる。この場合、比較的厚めの金属板(例えば0.3mm)でも弾性変形が容易であり、高さ方向への弾性変形の変位量を、容易に、必要量確保することができる。なお、押さえ板12は、薄板ばね13の弾発力をさらに均一に分散して分布させる。
【0035】
従って、このような薄板ばね13は、素材を薄くすることを必ずしも必要とせず、かつ、必要な変位量を確保することができる。
また、このような薄板ばねを用いた溶融塩電池は、正極1・負極2の膨張又は収縮に対する十分な変位量を確保し、充放電時に安定した電流を流すことができる。
また、起伏は、リング中心Oから放射状の線に沿って山折り・谷折りを繰り返して形成されているので、平面視した形状の拡縮が円滑に行われる。但し、折り目は、必ずしも「線」となっていなくてもよく、滑らかな波のように起伏を蛇腹状に形成していてもよい。
【0036】
なお、上記のような薄板ばね13は、変位量が確保しやすいので、素材を厚めにして起伏の高さをなるべく小さく(但し必要な変位量は確保)することも可能である。この場合には、溶融塩電池の全体的な厚さ(図4における電池容器11の上下最大寸法)を薄型化することが可能である。
【0037】
なお、上記実施形態では、薄板ばね13を平面視した形状がリング状であるとしたが、これは、実質的にリング状であるという意味である。厳密には、図6の(b)に示すように、蛇腹状に起伏が形成された薄板ばね13を平面視したときの内外周形状は円ではなく、多角形である。そのように考えれば、多角形枠状であるとも言える。
【0038】
図7は、上記の薄板ばね13とは異なり、素材(平面)の段階から多角形枠状である薄板の平面図であり、このような薄板を、折り目Laで山折り、折り目Lbで谷折りしても、同様な蛇腹状に起伏が形成された薄板ばねを作製することができる。多角形の辺の数は、理論的には少なくても可能であるが、角の部分で弾性変形しにくいので、なるべく辺数の多い(リングに近い)多角形が好ましい。
【0039】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0040】
1:正極
2:負極
3:セパレータ
10:溶融塩電池本体
11:電池容器
12:押さえ板
13:薄板ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板を素材とする薄板ばねであって、平面視した形状がリング状又は多角形枠状であり、周方向に蛇腹状の起伏が繰り返し形成されていることを特徴とする薄板ばね。
【請求項2】
前記起伏は、平面視した形状の中心から放射状の線に沿って山折り・谷折りを繰り返して形成されている請求項1記載の薄板ばね。
【請求項3】
電池容器と、
前記電池容器内に収容され、電解質として溶融塩を含むセパレータを介して正極及び負極が交互に積層される溶融塩電池本体と、
前記電池容器内に収容され、前記溶融塩電池本体の積層方向の一端面に当接する押さえ板と、
前記電池容器内に収容され、前記溶融塩電池本体の積層方向の他端面側にある前記電池容器の内面と前記押さえ板との間に前記溶融塩電池本体を挟み込んで積層方向へ圧迫するように前記押さえ板を付勢するばねと、を備え、
前記ばねは、金属板を素材とする薄板ばねであって、平面視した形状がリング状又は多角形枠状であり、周方向に蛇腹状の起伏が繰り返し形成されていることを特徴とする溶融塩電池。
【請求項4】
前記起伏は、平面視した形状の中心から放射状の線に沿って山折り・谷折りを繰り返して形成されている請求項3記載の溶融塩電池。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−197824(P2012−197824A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61025(P2011−61025)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】