説明

薄膜製造装置及び薄膜製造方法

【課題】帯状の基板を搬送しつつ連続的に基板表面の酸化処理と薄膜形成を行なうにあたって、差圧構造を設けることなく、単一の真空容器内で両処理を安定して実施できる生産性に優れた薄膜製造装置及び薄膜製造方法を提供する。
【解決手段】真空中で、帯状の基板の表面上に、薄膜を形成する薄膜製造装置が、基板4を搬送する搬送機構と、搬送機構によって保持されている基板の表面上に、第一薄膜形成領域15a内で薄膜を形成するための薄膜形成手段であって、第一薄膜形成領域と対向して配置され蒸着原料を収容する蒸着源3aを含む薄膜形成手段と、基板の搬送経路において第一薄膜形成領域15aより前に配置され、基板の表面に向けてオゾン含有ガスを供給する第一ガスノズル17aと、搬送機構と、薄膜形成手段と、第一ガスノズルとを収容する真空容器と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜原料を蒸発させることで、帯状の基板上に薄膜を形成するための薄膜製造装置及び薄膜製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の薄膜形成技術は、半導体産業をはじめとした幅広い産業分野に貢献し、デバイスの高性能化および小型化に広く利用されている。例えば、リチウム二次電池においては、銅等の金属から構成される集電体上に、電極活物質層としてSi薄膜を形成することで電池の高容量化を図る検討が行なわれている。
【0003】
しかし、銅からなる集電体上にSi薄膜を直接形成すると、活物質層と集電体との界面で反応及び拡散が進行し、活物質層の充放電特性が低下するという問題があった。
【0004】
特許文献1では、この問題を解決するために、銅からなる集電体表面を酸化処理して酸化膜を形成した後に、当該酸化膜上に、薄膜形成技術を用いて活物質層を形成する方法が開示されている。当該文献では、集電体表面の酸化処理に、一定圧力の酸素ガスの存在下でECR源を用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3754374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ECR源を用いた酸化方法では、酸化処理時の酸素ガス圧は、薄膜形成時のガス圧よりも高いことが求められる。そのため、特許文献1では、同一室内で酸化処理と薄膜形成を行なうに際して、高圧下で酸化処理を行なった後に、室内のガス圧を下げてから薄膜形成を実施することが記載されている。このような方法では薄膜形成の生産性が低下し、また、帯状の集電体を搬送しながら連続的に薄膜を形成することは不可能である。
【0007】
融点の高い材料からなる薄膜を集電体表面に形成する場合、当該材料を蒸発させる手段として電子ビーム等の加熱手段を用いるが、この際ガス圧が高いと異常放電が発生して、薄膜を形成できないという不都合が発生する。さらに、薄膜形成中にガス圧が変動すると、形成される薄膜の組成が変化するという問題も発生する。
【0008】
そのため、帯状の集電体を搬送しながら連続的に薄膜を形成する場合には、同一の真空容器内で、集電体表面に対し酸化処理を行なって酸化膜を形成するための区画と、集電体表面に薄膜を形成するための区画とを分離し、両区画間に差圧構造を設けることで、両区画でのガス圧を、それぞれの処理に適したガス圧に維持することが考えられる。
【0009】
しかし、差圧構造を設けると、装置の構成が複雑となり装置が大型化するという欠点がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、帯状の基板を搬送しつつ連続的に基板表面の酸化処理と薄膜形成を行なうにあたって、差圧構造を設けることなく、単一の真空容器内で両処理を安定して実施できる生産性に優れた薄膜製造装置及び薄膜製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の薄膜製造装置は、真空中で、表面と裏面を有する帯状の基板の前記表面上に、薄膜を形成する薄膜製造装置であって、前記基板を搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって保持されている前記基板の前記表面上に、第一薄膜形成領域内で薄膜を形成するための薄膜形成手段であって、前記第一薄膜形成領域と対向して配置され蒸着原料を収容する蒸着源を含む薄膜形成手段と、前記基板の搬送経路において前記第一薄膜形成領域より前に配置され、前記基板の前記表面に向けてオゾン含有ガスを供給する第一ガスノズルと、前記搬送機構と、前記薄膜形成手段と、前記第一ガスノズルとを収容する真空容器と、を有する。
【0012】
本発明の薄膜製造装置は、真空中で蒸着原料を蒸着源から蒸発させ、基板表面に付着させることで薄膜を形成するものである。さらに、帯状の基板を搬送しつつ、その基板上に連続的に薄膜を形成するものであり、薄膜形成の前処理として基板表面の酸化処理を行なう。これにより、単一の真空容器内で、基板表面の酸化処理と、これにより酸化された基板上への薄膜形成とを、連続的に実施することができる。
【0013】
基板表面の酸化にはオゾンを利用する。オゾンによる酸化は酸素による酸化と比較して反応効率がよいため、導入するガス量が少なくて済み、低いガス圧下で基板表面の酸化が可能になる。そのため、基板表面の酸化を特許文献1のように高ガス圧下で実施する必要がなく、薄膜形成と同じ低ガス圧下で実施することができる。
【0014】
そのため、本発明の薄膜製造装置では差圧構造を設ける必要がない。すなわち、本発明の薄膜製造装置には、第一薄膜形成領域と第一ガスノズルとの間に差圧構造は設けられておらず、オゾン含有ガスによる基板酸化と、第一薄膜形成領域における薄膜形成を、同じガス圧下で実施することができる。
【0015】
しかも、基板酸化及び薄膜形成を実施している最中に真空容器内のガス圧を変える必要がなく、同じガス圧を維持できるため、安定して両処理を実施することができる。
【0016】
本発明において形成する薄膜は、非酸化物からなる薄膜であってもよいし、酸化物からなる薄膜であってよい。
【0017】
酸化物からなる薄膜を形成する場合には、別途、酸素ガス又はオゾン含有ガスを第一薄膜形成領域近傍に供給するか、又は、基板表面の酸化に用いたオゾン含有ガスを利用してもよい。後者の場合、第一ガスノズルからオゾン含有ガスを供給することで、基板表面の酸化と蒸着原料の酸化の双方を達成できるため、装置の構成を簡易にすることができ好ましい。オゾンは、蒸着原料との反応効率が高く、効率的に蒸着原料を酸化できるので好ましい。
【0018】
本発明の薄膜製造装置は、前記第一ガスノズルによりオゾン含有ガスが供給される領域にある前記基板の前記表面近傍に配置され、オゾン含有ガスによる前記表面の酸化を促進する基板酸化促進部、をさらに有することが好ましい。これにより、オゾンによる基板表面の酸化を促進し、より確実に目的の酸化を達成することができる。基板酸化促進部としては、第一ガスノズルよりオゾン含有ガスが供給される領域にある基板表面に向けて光を照射する光照射部、または、第一ガスノズルよりオゾン含有ガスが供給される領域にある基板表面を加熱する加熱部を用いることができる。
【0019】
光照射部としては、前記第一ガスノズルによりオゾン含有ガスが供給される領域にある前記基板の前記表面に紫外線を照射する紫外線照射部が好ましい。基板の温度が上昇すると基板に熱変形が生じる恐れがあるが、紫外線照射部を用いると、基板の温度をあまり上げることなくオゾンによる基板表面の酸化を促進することができる。
【0020】
本発明の薄膜製造装置は、基板の表面だけではなく、基板の裏面にも薄膜を形成できるように構成されてもよい。この場合、本発明の薄膜製造装置は、前記基板の搬送経路において前記第一薄膜形成領域より後に配置され、前記基板を裏返して前記裏面を蒸着源と対向させるための反転構造と、前記基板の搬送経路において前記反転構造より後に配置され、前記基板の前記裏面に向けてオゾン含有ガスを供給する第二ガスノズルと、をさらに有し、前記基板の搬送経路において前記第二ガスノズルより後に設定された第二薄膜形成領域内で、前記基板の前記裏面上に薄膜を形成する。以上の構成により、単一の真空容器内で、基板両面の酸化と、酸化された基板両面に対する薄膜形成とを、連続的に実施することができる。裏面への酸化処理及び薄膜形成は、上述した表面への酸化処理及び薄膜形成と同様であってもよい。裏面と対向する蒸着源は、表面と対向する蒸着源と異なるものを配置してもよいし、同じものを共用してもよい。
【0021】
また、本発明の薄膜製造方法は、前記薄膜製造装置を用いた薄膜製造方法であって、前記第一ガスノズルから前記基板の前記表面に向けて、前記オゾン含有ガスを供給し、かつ紫外線を照射することで前記表面を酸化する工程と、酸化された前記表面上に、蒸発させた前記蒸着原料を入射させて、前記第一薄膜形成領域内で薄膜を形成する工程と、を含む。以上により、単一の真空容器内で、基板表面の酸化と、これにより酸化された基板表面上への薄膜形成とを、差圧構造を設けることなく、連続的に実施することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、基板表面の酸化にあたってオゾンを利用するため、基板表面の酸化と薄膜形成を同じ低ガス圧下で実施することができる。そのため、基板表面の酸化と薄膜形成を同一の真空容器内で連続的に実施することができる。しかも、差圧構造を設けて酸化処理を行なうための区画と薄膜を形成するための区画とを分離する必要がない。そのため、排気ポンプの使用台数を減らすことができ、真空容器を小型化することができる。以上により、基板表面の酸化処理を伴う薄膜形成の生産性を向上し、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一実施形態である薄膜製造装置を模式的に示す断面図
【図2】図1で示した酸化可能領域14a近傍を拡大して示す要部拡大斜視図
【図3】本発明の第二実施形態である薄膜製造装置101を模式的に示す断面図
【図4】本発明の第三実施形態である薄膜製造装置102を模式的に示す断面図
【図5】図4中の酸化可能領域14a近傍を拡大して示す要部拡大斜視図
【図6】本発明の第四実施形態である薄膜製造装置103を模式的に示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明による薄膜製造装置及びこれを用いた薄膜製造方法の実施形態を説明する。
【0025】
(第一実施形態)
<薄膜製造装置の構成>
図1は、本発明の第一実施形態である薄膜製造装置を模式的に示す断面図である。薄膜製造装置100は、真空容器1と、真空容器1の外部に設けられ、真空容器1を排気するための排気ポンプ2と、真空容器1の外部から真空容器1にオゾン含有ガスや酸素ガス等のガスを導入するガス導入管(図示せず)とを備える。
【0026】
真空容器1の内部には、蒸着原料を収容して蒸発させる蒸着源3a、3bと、シート状の基板4を搬送するための搬送部と、基板4を冷却し、かつ支持する冷却キャンロール6a、6bと、蒸着源3a、3bから蒸発した蒸着原料が到達しない遮蔽領域を形成する遮蔽板10と、冷却キャンロール6の一部領域を蒸着原料から遮蔽して蒸着膜の堆積量を制御するマスク11a、11bと、蒸着源3a、3bから蒸発した蒸着原料を適時遮断する移動可能なシャッター13とが設けられている。
【0027】
さらに、前記ガス導入管に接続され、蒸着源3a、3bから蒸発した蒸着原料を酸化するためのガス(原料酸化用ガス)を供給する原料酸化用ガスノズル12a、12bと、前記ガス導入管に接続され、基板表面を酸化するためのガス(基板酸化用ガスであるオゾン含有ガス)を供給する基板酸化用ガスノズル17a、17bと、ガスノズル17a、17b近傍に配置され、供給された基板酸化用ガスを照射するランプ5a、5bとが設けられている。本実施形態では、ガスノズル12a、12bから原料酸化用ガスが供給されるため、蒸着膜は酸化され、酸化物からなる薄膜が形成される。しかし本発明では、ガスノズル12a、12bを設置することなく、すなわち原料酸化用ガスを供給せずに、非酸化物からなる薄膜を形成してもよい。
【0028】
帯状の基板4は、ガスノズル17aから基板酸化用ガスが供給されると共にランプ5aより光が照射されて基板表面が酸化される酸化可能領域14a、蒸着源3aから蒸発した蒸着原料が堆積して蒸着膜が形成される蒸着可能領域15a、ガスノズル17bから基板酸化用ガスが供給されると共にランプ5bより光が出射されて基板裏面が酸化される酸化可能領域14b、蒸着源3bから蒸発した蒸着原料が堆積して蒸着膜が形成される蒸着可能領域15bをこの順序で通過するように、搬送部及び冷却キャンロールによって保持され、搬送される。ランプ5aとガスノズル17aを含む酸化可能領域14aは、基板の搬送経路において蒸着可能領域15aおよびマスク11aの前に設けられている。ランプ5bとガスノズル17bを含む酸化可能領域14bは、基板の搬送経路において蒸着可能領域15aおよびマスク11aの後で、マスク11bおよび蒸着可能領域15bの前に設けられている。
【0029】
ランプ5a、5bは、基板表面に対し光を照射することで、ガスノズル17a、17bから供給された基板酸化用ガスに含まれるオゾンを分解して基板表面の酸化を促進する。ランプ5a、5bは、ハロゲンランプであってもよいし、紫外線ランプであってもよいが、好ましくは紫外線ランプである。ハロゲンランプは、例えば400Wといった高出力のパワーを投入してオゾンによる基板の酸化反応を促進するため、基板温度が上昇する。その結果、基板が軟化し変形しやすくなる。紫外線ランプは、例えば40Wといった低出力のパワーで酸化反応を促進できることから、基板温度を上げずに酸化効率を高くすることができ、基板へのダメージを低減することができる。
【0030】
本発明では、ランプの代わりに、ヒーターを使用することもできる。この場合、基板への損傷を回避するため、ヒーターが基板に接触しないよう設置することが好ましい。この際、ヒーターから基板への熱の伝達を確保するために、ヒーターと基板との間の空間に熱伝達用のガスを導入することが好ましい。
【0031】
冷却キャンロール6a、6bは、内部に冷温媒を通過させることで温度が制御されている。その温度は−10〜30℃程度である。冷却キャンロール6a、6bの下方には蒸着源3a、3bが配置されており、基板4が冷却キャンロールに沿って搬送されている間に蒸着膜が基板4上に形成される。これにより、基板4が冷却キャンロールによって冷却されることになるので、蒸着原料の熱を受けることで基板4の温度が上昇するのを低減し、基板の熱変形を抑制することができる。
【0032】
図1では、マスク11a、11bの開口部はそれぞれ冷却キャンロール6a、6bの最下部に配置されており、蒸着原料の蒸気が基板4の面にできるだけ垂直に入射するように構成されている。基板表面での蒸着粒子の成長方向は蒸着原料の蒸気の入射方向により支配されるため、上述した垂直入射では、蒸着粒子は基板上に垂直に成長し、これにより、緻密な膜を形成することができる。加えて、垂直入射では、蒸着源3a、3bと基板までの距離が短いため成膜速度を高くすることができ、生産性が向上する。
【0033】
別の形態として、マスク11a、11bの開口部を、冷却キャンロール6a、6bに沿って、水平方向に対し斜めに配置してもよい(例えば図6)。この場合、蒸着原料の蒸気は基板4の法線方向に対して斜めに入射する。この斜方入射では、蒸着粒子が基板上に斜めに成長するため、隣接する蒸着粒子間に隙間を設けることができる。
【0034】
いずれの形態においても、マスク11a又はマスク11bにより規定される開口部の長さ、および、基板の搬送速度を変えることによって、形成される蒸着膜の膜厚を制御することができる。
【0035】
本発明では、冷却キャンロール6a、6bを設けることなく、2つの搬送ロール8の間に基板4を直線的に保持し、その直線的な領域(蒸着可能領域)で、基板上に蒸着膜を形成することもできる。直線的な蒸着可能領域は水平に設定することもできるが、斜めに設定してもよい。
【0036】
蒸着源3a、3bは、蒸着原料を収容する耐熱性のある坩堝(例えば、カーボン製の坩堝)と、蒸着原料を蒸発させるための電子ビーム加熱装置(図示せず)とを含み、蒸着原料および坩堝は適宜着脱可能に構成されている。蒸着を行う際には、坩堝内に収容された蒸着原料が電子ビーム加熱装置によって加熱されて、坩堝の上面から蒸発し、基板4の表面に堆積する。
【0037】
搬送部は、基板4を巻き付けて保持し得る第1のロール7および第2のロール9と、基板4を案内して搬送する複数の搬送ロール8とを含む。基板の搬送経路は、第1のロール7と第2のロール9の間に、2つの酸化可能領域14a、14bと2つの蒸着可能領域15a、15bが配置されるように規定されている。搬送ロール8によって、蒸着源3aと対向した後の基板を裏返して基板の裏面が蒸着源3bに対向するように搬送経路は規定されている。この搬送経路では、まず、酸化可能領域14aと蒸着可能領域15aで基板4の表面に対して酸化処理と蒸着膜の形成が行われ、次いで、基板が裏返された後、酸化可能領域14bと蒸着可能領域15bでは基板4の裏面に対して酸化処理と蒸着膜の形成が行われる。酸化可能領域14aと蒸着可能領域15aとの間、および、酸化可能領域14bと蒸着可能領域15bとの間には差圧構造は設けられていない。
【0038】
しかし本発明では、基板の反転は必須ではなく、基板の表面のみに対し酸化処理と蒸着膜の形成を行う薄膜製造装置であってもよい。
【0039】
本発明で用いる基板4は帯状の基板であれば、その材質は特に限定されない。リチウム二次電池の電極を作製する場合、集電が可能な金属箔(例えばアルミ箔、銅箔、ニッケル箔など)が用いられる。銅箔としては、例えば、圧延銅箔または電解銅箔が用いられる。
【0040】
<ランプ5a、5bの構成>
図2は、図1で示したランプ5aを含む酸化可能領域14a近傍を拡大して示す要部拡大斜視図である。
【0041】
酸化可能領域14aは、基板の搬送経路において蒸着可能領域15aの前に配置されている。ここでは、基板4の幅方向に対して平行になるように、かつ基板4の全幅に対し光を照射できるようランプ5aが設置されている。ランプ5aと基板4との間の空間に、ガスノズル17aからオゾン含有ガスが供給される。ガスノズル17aは、ノズル部にオゾン含有ガスを噴出する複数の穴を等間隔で有し、これにより基板4の幅方向にオゾン含有ガスを均一に噴射させる。ランプ5aから照射される光によってオゾンが分解されることで、基板4の表面が効率よく酸化され酸化膜が形成される。
【0042】
<薄膜製造装置の動作>
次に、以上で説明した薄膜製造装置を用いて基板表面の酸化と蒸着膜の形成を実施する手順を説明する。
【0043】
基板表面の酸化及び蒸着膜の形成時において、真空容器1は、排気ポンプ2により排気されている。同時に、原料酸化用ガスノズル12a、12b及び基板酸化用ガスノズル17a、17bからオゾン含有ガスが導入されている。これにより、真空容器1の内部は、例えば圧力10−2Pa程度のオゾン含有雰囲気下に置かれる。
【0044】
オゾンは活性が非常に高い酸化剤である。高い酸化力を達成するため、オゾン含有ガスにおけるオゾン濃度は高いほうが好ましいが、安全性の観点から、15%程度以下が好ましいが、特に限定されない。オゾン含有ガスとしては、オゾンと酸素の混合ガスを使用できる。オゾン含有ガスの具体例としては、オゾン濃度15%、酸素濃度85%の混合ガスが挙げられる。
【0045】
蒸着原料の酸化は、原料酸化用ガスノズル12a、12bからオゾンを含有しない酸素ガスを導入することで達成してもよい。酸素ガスによっても蒸着原料の酸化を達成することができる。しかしオゾンは酸素より活性が高く蒸着原料の酸化効率がよいため、原料酸化用ガスノズル12a、12bからもオゾン含有ガスを導入することが好ましい。
【0046】
原料酸化用ガスノズル12a、12bからオゾン含有ガスを導入する場合において、蒸着可能領域では基板は蒸着原料からの熱を受けており基板温度が高いため、オゾンによる酸化は極めて効率よく進行し、紫外線ランプ等の基板酸化促進部を別途設ける必要はない。
【0047】
次に具体的な処理過程を説明する。基板4の搬送は、基板4を巻き付けて保持する第1ロール7から基板4を繰り出して、第2のロール9に基板4を巻き取ることで行なう。第1ロール7から繰り出された基板4は、まず、酸化可能領域14aで、基板酸化用ガスノズル17aからオゾン含有ガスが吹き付けられるとともに、ランプ5aにより光が照射されることで、導入されたオゾンが分解され、基板4の表面が効率よく酸化され、酸化膜が形成される。
【0048】
基板4はさらに搬送され、次に到達した蒸着可能領域15aでは、基板表面の酸化膜上に蒸着膜が形成される。具体的には、まず、電子ビーム加熱装置により発生させた電子ビームを偏向ヨークにより偏向させ、坩堝内に収容された蒸着原料に照射し、加熱する。蒸着原料には、例えばSiを用いることができ、具体的には、半導体ウェハを形成する際に生じるSiの端材(スクラップシリコン:純度99.9999%)を用いることができる。加熱された蒸着原料は、坩堝の上面から基板表面に向けて蒸発する。この蒸着原料が、原料酸化用ガスノズル12aから導入されているオゾン含有ガス又は酸素ガスと反応することで、蒸着原料が酸化され、基板表面の酸化膜上に、蒸着原料の酸化物からなる蒸着膜が形成される。蒸着原料がSiの場合、形成される蒸着膜はSiOx(式中、0<x≦2)からなる。このように、蒸着可能領域15aでは、オゾン含有雰囲気中で、気相法により基板4の表面に酸化物薄膜が形成される。
【0049】
表面に酸化物薄膜が形成された基板4はさらに搬送され、反転構造を通過して、裏面が酸化可能領域14bに到達する。酸化可能領域14bでは、基板酸化用ガスノズル17bからオゾン含有ガスが吹き付けられるとともに、ランプ5bにより光が照射されることで、導入されたオゾンガスが分解され、基板4の裏面が効率よく酸化され、酸化膜が形成される。
【0050】
基板4はさらに搬送され、次に到達した蒸着可能領域15bでは、基板裏面の酸化膜上に蒸着膜が形成される。具体的には、蒸着可能領域15aにおける蒸着膜の形成と同様であり、蒸発した蒸着原料が、原料酸化用ガスノズル12bから導入されているオゾン含有ガス又は酸素ガスと反応することで、蒸着原料が酸化され、基板裏面の酸化膜上に、蒸着原料の酸化物からなる蒸着膜が形成される。
【0051】
以上の過程により、帯状の基板両面に対する酸化膜形成と蒸着膜形成を、連続して、単一の真空容器内で、該容器内の圧力を変動させることなく実施することができる。
【0052】
この後、基板の搬送方向を逆転して第2ロール9から基板4を繰り出し、第1ロール7に基板4を巻き付けつつ、上記と同様の蒸着膜形成を実施することによって、すでに形成されている蒸着膜の上に2層目の蒸着膜を形成することができる。このように基板の搬送方向を逆転して基板を往復運動させつつ蒸着膜形成を実施することで、任意の積層数の蒸着膜を形成することができ、これによって蒸着膜全体の膜厚を制御することができる。
【0053】
この場合、2層目以降の蒸着膜を形成する際には、酸化膜形成工程を省略することができるが、酸化膜形成工程を実施して、すでに形成されている蒸着膜の酸化を促進することもできる。この手法によると、原料酸化用ガスノズル12a、12bから導入されるガス量を低減しつつ、酸化度の高い蒸着膜を形成することが可能となる。また、ガス導入量を制御することで、各層の蒸着膜における酸化度を制御することができ、厚み方向に酸化度の異なる蒸着膜を形成することもできる。
【0054】
以上のように、薄膜製造装置100では、真空容器1内で酸化可能領域14aまたは14bと蒸着可能領域15aまたは15bとが差圧分離することなく配置され、同じ圧力下で基板表面の酸化処理と蒸着による薄膜形成が可能である。これにより、排気ポンプの使用台数の削減および真空容器の小型化が可能になり、生産性を向上することができる。
【0055】
さらに、電子ビーム蒸着は高い成膜レートで蒸着原料の堆積が可能であるものの、真空容器内の圧力が高くなると、蒸着可能領域15a、15bで異常放電が発生するという不都合がある。そのため、ガス導入量を低減して真空容器内の圧力を低くする必要がある。薄膜製造装置100では、オゾン酸化を利用することで、少ないガス導入量で基板表面の酸化処理を行なうことができるので、安定した膜形成を実現することができる。また、酸化物からなる薄膜を形成する際には、蒸着原料の酸化にもオゾンを利用することで、より安定した膜形成を実現することができる。
【0056】
(第二実施形態)
図3は、本発明の第二実施形態である薄膜製造装置101を模式的に示す断面図である。以下では薄膜製造装置100と異なる点を説明する。
【0057】
酸化可能領域14aは、基板の搬送経路において蒸着可能領域15aより前に設けられているが、蒸着可能領域15aと近接又は一部重複するように設けられている。酸化可能領域14aにおけるランプ5a及び基板酸化用ガスノズル17aはマスク11aと冷却キャンロール6aとの間に配置されている。酸化可能領域14bは、基板の搬送経路において蒸着可能領域15bより前に設けられているが、蒸着可能領域15bと近接又は一部重複するように設けられている。酸化可能領域14bにおけるランプ5b及び基板酸化用ガスノズル17bはマスク11bと冷却キャンロール6bとの間に配置されている。
【0058】
薄膜製造装置101は、薄膜製造装置100と同様の動作により、帯状の基板両面に対する酸化膜形成と蒸着膜形成を、連続して、単一の真空容器内で、該容器内の圧力を変動させることなく実施することができる。
【0059】
薄膜製造装置101は、薄膜製造装置100と同様の利点を有し、さらに以下の利点も有する。酸化可能領域14a、14bがそれぞれ、蒸着可能領域15a、15bと近接又は一部重複するように設けられている。このため、基板表面が酸化された直後に蒸着膜が形成されることになるので、基板の酸化処理と蒸着膜形成との間で基板が搬送されている時に、基板の酸化膜上に有機物等の夾雑物が付着するのを回避することができる。夾雑物の介在がないので、基板と蒸着膜との密着力を向上させることができる。
【0060】
さらに、蒸着可能領域15aまたは15bの近傍に基板酸化用ガスノズル17aまたは17bが配置されているので、ガスノズル17a、17bから導入されるガスも蒸着原料の酸化に貢献することができ、全体として少ないガス導入量で効率よく、酸化物からなる蒸着膜を形成することができる。その結果、真空容器内の圧力を低くすることができ、より安定した膜形成を実現することができる。また、ガスノズル17a、17bからオゾン含有ガスが導入されるため、ガスノズル12a、12bから導入されるガスがオゾンを含有しない酸素ガスであっても、オゾンによる効率のよい蒸着原料の酸化を実現することができる。
【0061】
(第三実施形態)
図4は、本発明の第三実施形態である薄膜製造装置102を模式的に示す断面図である。以下では薄膜製造装置100と異なる点を説明する。
【0062】
酸化可能領域14aは、基板の搬送経路において蒸着可能領域15aより前に設けられているが、蒸着可能領域15aと一部重複するように設けられている。酸化可能領域14aでは、基板の搬送経路において、有機物分解ランプ30a、基板酸化および原料酸化用ガスノズル31a、ランプ5aがこの順序で配置され、いずれも、マスク11aと冷却キャンロール6aとの間に配置されている。酸化可能領域14bは、基板の搬送経路において蒸着可能領域15bより前に設けられているが、蒸着可能領域15bと一部重複するように設けられている。酸化可能領域14bでは、基板の搬送経路において、有機物分解ランプ30b、基板酸化および原料酸化用ガスノズル31b、ランプ5bがこの順序で配置され、いずれも、マスク11bと冷却キャンロール6bとの間に配置されている。
【0063】
有機物分解ランプ30a、30bは基板表面に対し光を照射することで、基板表面に付着している有機物を分解し除去する。有機物分解ランプとしては、上述した例えば40Wの紫外線ランプを利用することができる。
【0064】
基板酸化および原料酸化用ガスノズル31a、31bは、基板酸化用ガスノズル17a、17bと同様であってよいが、ここから導入されるオゾン含有ガスは、基板表面の酸化に加え、蒸着原料の酸化にも貢献する。
【0065】
図5は、図4中の酸化可能領域14a近傍を冷却キャンロール6aと共に拡大して示す要部拡大斜視図である。ここでは、基板4の幅方向に対して平行になるように、かつ基板4の全幅に対し光を照射できるよう有機物分解ランプ30aおよびランプ5aが設置されている。ランプ5aと基板4との間の空間に、ガスノズル31aからオゾン含有ガスが供給される。ガスノズル31aは、ノズル部にオゾン含有ガスを噴出する複数の穴を等間隔で有し、これにより基板4の幅方向にオゾン含有ガスを均一に噴射させる。ランプ5aから照射される光によってオゾンが分解されることで、基板4の表面が酸化され酸化膜が形成される。
【0066】
第三実施形態では、酸化可能領域14aまたは酸化可能領域14bでは基板表面が酸化される前に、有機物分解ランプ30aまたは30bから基板表面に光が照射されることで、基板表面に付着している有機物が分解され除去される。その後、ガスノズル31aまたはガスノズル31bからオゾン含有ガスが導入されると共に、ランプ5a、5bにより光が照射されることで、導入されたオゾンが分解され、基板4の表面が効率よく酸化され、幅方向に均一な酸化膜が形成される。酸化可能領域14aまたは酸化可能領域14bと一部重複する蒸着可能領域15aまたは蒸着可能領域15bでは、蒸発した蒸着原料が、ガスノズル31aまたはガスノズル31bから導入されているオゾン含有ガスと反応することで、蒸着原料が酸化され、基板表面の酸化膜上に、蒸着原料の酸化物からなる蒸着膜が形成される。
【0067】
薄膜製造装置102は、薄膜製造装置100および薄膜製造装置101と同様の利点を有し、さらに以下の利点も有する。ガスノズルの前に有機物分解ランプ30aまたは30bを配置することで、基板表面の有機物を除去してから基板表面の酸化処理を行なうので、有機物が付着していない基板表面に酸化膜を形成することができ、酸化膜と蒸着膜との密着性を向上させることができる。さらに、基板酸化用ガスと原料酸化用ガスを一本のガスノズルから噴出するように構成したことで、ガスノズルの本数を半分にすることができ、コストの低減を図ることができる。また、ガス導入量が少なくて済むので、真空容器内の圧力を低くすることができ、より安定した膜形成を実現することができる。
【0068】
(第四実施形態)
図6は、本発明の第四実施形態である薄膜製造装置103を模式的に示す断面図である。以下では薄膜製造装置100と異なる点を説明する。
【0069】
薄膜製造装置103では、蒸着源は1つのみであり、符号3で表される。蒸着源3及び冷却キャンロール6a、6bは、蒸着源3から蒸発した蒸着原料が2つの冷却キャンロールの表面に到達するように配置されている。2つの冷却キャンロールはより短い間隔をあけて配置され、その間に、ランプ40及び基板酸化および原料酸化用ガスノズル41が基板の搬送経路においてこの順で配置されている。ガスノズル41は、2つの冷却キャンロール双方にガスを噴出するように構成されている以外は基板酸化および原料酸化用ガスノズル31a、31bと同様である。ランプ40は2つの冷却キャンロール双方に光を照射できるように構成されている以外はランプ5a、5bと同様である。ランプ40及びガスノズル41と蒸着源3との間には、遮蔽板10が配置され、遮蔽板10とマスク11aまたは11bによって2つの開口部が設けられる。その開口部を蒸着源3から蒸発した蒸着原料が通過し、冷却キャンロールに保持された基板表面に堆積することで蒸着膜を形成する。これら開口部は、冷却キャンロール6a、6bに沿って、水平方向に対し斜めに配置されている。
【0070】
第四実施形態では、第三実施形態と同様、一方のガスノズルが基板表面の酸化と蒸着原料の酸化双方に使用されるオゾン含有ガスを供給するが、さらに2つの冷却キャンロールに対して1本のガスノズルからガスを供給することで、1本のガスノズルで、基板の両面において基板酸化及び蒸着膜の酸化を達成する。加えて、1本のランプが2つの冷却キャンロールを照射するように構成したことで、1本のランプで、基板の両面における基板酸化を達成する。また、1台の蒸着源で基板の両面において蒸着膜の形成を達成する。以上により、真空容器の小型化が可能となり、コスト低減を実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の薄膜製造装置は、蒸着法、スパッタリング法またはCVD法など、真空中で蒸着原料を蒸着源から蒸発させ、基板表面に付着させることで薄膜を形成する方法において好適に使用することができる。特に真空容器内のガス圧を低く維持することができるので、電子ビームを用いた薄膜形成方法において好適に使用できる。これにより、蒸着膜を含む種々のデバイス、例えば電池などの電気化学デバイス、フォトニック素子または光回路部品などの光学デバイス、センサーなどのデバイス素子等を製造できる。本発明によれば基板表面を酸化してから蒸着膜を形成するので、特に、銅からなる集電体上にSi薄膜を形成する場合において、集電体とSi薄膜との界面での反応及び拡散を抑制し、活物質層の充放電特性の低下を回避することができる。
【符号の説明】
【0072】
100、101、102、103 薄膜製造装置
1 真空容器
2 排気ポンプ
3a、3b 蒸着源
4 基板
5a、5b ランプ
6a、6b 冷却キャンロール
7、9 ロール
8 搬送ロール
10 遮蔽板
11a、11b マスク
12a、12b 原料酸化用ガスノズル
13 シャッター
14a、14b 酸化可能領域
15a、15b 蒸着可能領域
17a、17b 基板酸化用ガスノズル
30a、30b 有機物分解ランプ
31a、31b、41 基板酸化および原料酸化用ガスノズル
40 ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空中で、表面と裏面を有する帯状の基板の前記表面上に、薄膜を形成する薄膜製造装置であって、
前記基板を搬送する搬送機構と、
前記搬送機構によって保持されている前記基板の前記表面上に、第一薄膜形成領域内で薄膜を形成するための薄膜形成手段であって、前記第一薄膜形成領域と対向して配置され蒸着原料を収容する蒸着源を含む薄膜形成手段と、
前記基板の搬送経路において前記第一薄膜形成領域より前に配置され、前記基板の前記表面に向けてオゾン含有ガスを供給する第一ガスノズルと、
前記搬送機構と、前記薄膜形成手段と、前記第一ガスノズルとを収容する真空容器と、を有する薄膜製造装置。
【請求項2】
前記薄膜は、酸化物からなる薄膜である、請求項1記載の薄膜製造装置。
【請求項3】
前記第一ガスノズルによりオゾン含有ガスが供給される領域にある前記基板の前記表面近傍に配置され、オゾン含有ガスによる前記表面の酸化を促進する基板酸化促進部、をさらに有する、請求項1又は2記載の薄膜製造装置。
【請求項4】
前記基板酸化促進部が、前記第一ガスノズルによりオゾン含有ガスが供給される領域にある前記基板の前記表面に紫外線を照射する紫外線照射部である、請求項3記載の薄膜製造装置。
【請求項5】
前記基板の搬送経路において前記第一薄膜形成領域より後に配置され、前記基板を裏返して前記裏面を蒸着源と対向させるための反転構造と、
前記基板の搬送経路において前記反転構造より後に配置され、前記基板の前記裏面に向けてオゾン含有ガスを供給する第二ガスノズルと、をさらに有し、
前記基板の搬送経路において前記第二ガスノズルより後に設定された第二薄膜形成領域内で、前記基板の前記裏面上に薄膜を形成する、請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜製造装置。
【請求項6】
真空中で、表面と裏面を有する帯状の基板の前記表面上に、薄膜を形成する薄膜製造装置を用いた薄膜製造方法であって、前記薄膜製造装置は、
前記基板を搬送する搬送機構と、
前記搬送機構によって保持されている前記基板の前記表面上に、第一薄膜形成領域内で薄膜を形成するための薄膜形成手段であって、前記第一薄膜形成領域と対向して配置され蒸着原料を収容する蒸着源を含む薄膜形成手段と、
前記基板の搬送経路において前記第一薄膜形成領域より前に配置され、前記基板の前記表面に向けてオゾン含有ガスを供給する第一ガスノズルと、
前記搬送機構と、前記薄膜形成手段と、前記第一ガスノズルとを収容する真空容器と、を備え、
前記方法は、前記第一ガスノズルから前記基板の前記表面に向けて、前記オゾン含有ガスを供給し、かつ紫外線を照射することで前記表面を酸化する工程と、
酸化された前記表面上に、蒸発させた前記蒸着原料を入射させて、前記第一薄膜形成領域内で薄膜を形成する工程と、
を含む、薄膜製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−144783(P2012−144783A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4903(P2011−4903)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】