説明

薬品類払出システム

【課題】良好な作業性を損なうことなく設置空間の利用効率を更に向上させる。
【解決手段】前面から補充された薬品類40を後ろ下がりの傾斜状態で整列収納して後方へ逐次排出しうる多数の収納排出部11,21とその後方に設けられて右向き搬送または左向き搬送を行う後部搬送機構13,23とを具備した薬品類払出装置10,20を左右に設け、前面の開放されている多段の搬器棚34を具備した搬器並置装置30を前記薬品類払出装置10,20の間に設け、前向き搬送を行う中部搬送機構33を搬器棚34それぞれの後方に設けて、収納排出部11,21から排出された薬品類40が後部搬送機構13,23によって左右から中部搬送機構33上に集められ更に中部搬送機構33によって搬器棚34上の搬器50に投入されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、病院薬局等における調剤業務を支援する薬品類払出システムに関し、詳しくは、各種の薬品類を自動で払い出す薬品類払出装置を二台と、払い出した薬品類を持ち運び用の搬器に投入する搬器並置装置とを連ねた薬品類払出システムに関する。
薬品類払出装置は何れも前方から補充した各種の薬品類を整列収納しておき処方に応じて必要なものを後方へ逐次排出する自動調剤機であり、搬器並置装置は多段の搬器棚に前方から搬器を出し入れできるようになっている。
【0002】
薬品類は、整列収納と自動排出とが可能であれば、容器に収容されていてもいなくても良く、転がり易いものでも転がり難いものでも良い。例えば、箱状の薬剤や,アンプル・バイアル・造影剤等の容器入り注射薬,ボトル等に収容された錠剤・散剤・軟膏・目薬等の医薬品などが薬品類の典型例であるが、箱入り包帯や瓶入り消毒液などの医療用品・補助薬品も薬品類に該当する。
【背景技術】
【0003】
各種の薬品類を整列収納しておき処方に応じて必要なものを逐次排出する薬品類払出装置が幾つか開発されている(例えば特許文献1〜9参照)。
何れの装置も多数の収納排出部を装備していて各々の収納排出部に薬品類を直線状一列に整列させて収納するが、収納排出部が相互分離可能なカセットからなるものもあれば(例えば特許文献1〜9参照)、収納排出部が棚を仕切って列設されるものもある(例えば特許文献4,5,7,8参照)。収納排出部が水平に設置されるものもあれば(例えば特許文献1〜3参照)、収納排出部が傾斜状態で設置されるものもある(例えば特許文献4〜9参照)。この傾斜設置タイプでは、薬品類が重力で傾斜を滑り落ちるのを利用することにより付勢用動力源が無くても整列収納や逐次排出が行えるので、薬品類の補充を高位の端部から行い薬品類の排出を低位の端部から行うようになっている。
【0004】
薬品類払出装置には搬送機構も付設されており、多数の収納排出部から排出された薬品類が搬送機構にて収集されてから払い出されるようになっている(例えば特許文献1〜8参照)。縦横に列設された収納排出部から排出された薬品類を収集するため、搬送機構には、上下左右に移動する小形搬送機構や(例えば特許文献1,2参照)、上下移動する横長の水平搬送機構(例えば特許文献3参照)、装置筐体内底に横たわる横長の水平搬送機構(例えば特許文献4〜8参照)などが組み込まれている。収集した薬品類を後続装置等へ自動搬出する場合は装置筐体側面等に搬出口が設けられるが(例えば特許文献4〜8参照)、作業者が搬器等で持ち運ぶ場合、収納排出部から前方へ薬品類が排出されるものでは搬送機構要部が収納排出部より前方に設けられ(例えば特許文献2,3参照)、収納排出部から後方へ薬品類が排出されるものでは搬送機構要部が収納排出部より後方に設けられ更に後方から前方へ薬品類を移送する機構も付加される(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−024083号公報
【特許文献2】特開2000−024085号公報
【特許文献3】特開2005−125013号公報
【特許文献4】特開2006−288573号公報
【特許文献5】特開2007−007099号公報
【特許文献6】特開2007−007101号公報
【特許文献7】特開2007−020897号公報
【特許文献8】特願2006−303460号
【特許文献9】特願2007−119357号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような薬品類払出装置を異種であれ同種であれ複数台設置する場合、良好な作業性の確保と設置空間の有効利用との両立を図るには、薬品類を前面から補充するものを各装置に採用したうえで、それらの装置を壁や仕切り等に沿って並べるのが良かろうと考えられる。しかも、そのような薬品類払出システムの運用に際して、薬品類払出装置から自動で払い出された薬品類を搬器で作業者が持ち運ぶ場合、仕分け収納を可能とするうえ自動払出と人手運搬とのタイミングずれによる無駄な待合いを減らすこともできる搬器並置装置を併設すれば、作業性が一層向上する。
【0007】
しかしながら、薬品類払出装置に対する搬器並置装置の併設を、従来のように薬品類払出装置と搬器並置装置とを一対一で設けて左右に並べて行うのでは(例えば特許文献3参照)、搬器並置装置もそれなりに空間を占有して、その分だけ設置空間における薬品類払出装置の台数ひいては収納排出部の個数が抑えられるため、設置空間の利用効率が十分に高いとは言えない。
そこで、良好な作業性を損なうことなく設置空間の利用効率を更に向上させるべく、薬品類払出装置と搬器並置装置との組み合わせ方に工夫を凝らすことが、技術的な課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の薬品類払出システムは(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、前面から補充された薬品類を後ろ下がりの傾斜状態で整列収納して後方へ逐次排出しうる多数の収納排出部とその後方に設けられて右向き搬送または左向き搬送を行う後部搬送機構とを具備した薬品類払出装置が左右に設けられ、前面の開放されている多段の搬器棚を具備した搬器並置装置が前記薬品類払出装置の間に設けられた薬品類払出システムであって、前向き搬送を行う中部搬送機構が前記搬器棚それぞれの後方に設けられ、前記収納排出部から排出された薬品類が前記後部搬送機構によって左右から前記中部搬送機構上に集められ更に前記中部搬送機構によって前記搬器棚上の搬器に投入されるようになっていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の薬品類払出システムは(解決手段2)、上記解決手段1の薬品類払出システムであって、前記搬器並置装置において前記搬器棚それぞれの上方に下向きの照明具が設けられ、前記搬器棚上で薬品類投入の済んだ搬器の中が前記照明具にて照明されるようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このような本発明の薬品類払出システムにあっては(解決手段1)、前面から補充された薬品類を後ろ下がりの傾斜状態で整列収納して後方へ逐次排出しうる多数の収納排出部とその後方に設けられて右向き搬送または左向き搬送を行う後部搬送機構とを具備した薬品類払出装置と、前面の開放されている多段の搬器棚を具備した搬器並置装置とを併設したことにより、設置空間が有効に利用されるとともに、薬品類の補充や搬器での払い出しといった人手による作業も容易かつ迅速に行えることとなる。
【0011】
また、薬品類払出装置と搬器並置装置とを併設するに際し、薬品類払出装置と搬器並置装置とを一対一でなく二対一で設けるとともに、搬器並置装置を薬品類払出装置で左右から挟むかのように配置して、二台の薬品類払出装置から排出された薬品類の収集に一台の搬器並置装置が共用されるようにもしたことにより、搬器並置装置による空間の占有割合が減少するので、設置空間の利用効率が更に高まる。しかも、搬器並置装置には搬器棚が多段に設けられていて、搬器並置装置を共用化しても、搬器棚の不足することはほとんどないので、作業性は良好に維持される。さらに、そのような三台一組を複数組設置する際に左右へ密に連ねた場合でも作業性が良好に維持される。
したがって、この発明によれば、良好な作業性を損なうことなく設置空間の利用効率を更に向上させることができる。
【0012】
また、本発明の薬品類払出システムにあっては(解決手段2)、搬器並置装置の各搬器棚の上方に照明具を設けて、搬器棚上で薬品類投入の済んだ搬器の中が照明具にて照明されるようにもしたことにより、搬器並置装置において搬器棚が多段になっているため室内照明などの一般照明では搬器棚上の搬器の中味が視認しにくい状況下でも、搬器棚上から搬器を取り出す前に搬器内の投入済み薬品類を容易に目視確認することができる。
したがって、この発明によれば、設置空間の利用効率ばかりか作業性をも更に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
このような本発明の薬品類払出システムについて、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1により説明する。
図1〜4に示した実施例1は、上述した解決手段1〜2(出願当初の請求項1〜2)を総て具現化したものである。なお、その図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具や,ヒンジ等の連結具,電動モータ等の駆動源,タイミングベルト等の伝動部材,モータドライバ等の電気回路,コントローラ等の電子回路の詳細などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
【実施例1】
【0014】
本発明の薬品類払出システムの実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、薬品類払出システムの立面構造を示し、(a)が正面図、(b)が背板透視の背面図である。また、図2は、薬品類40や搬器50を載せた状態を示し、(a)が正面図、(b)が背板透視の背面図である。さらに、図3は、薬品類払出システムの平面構造を示し、(a)が天板等透視の平面図、(b)が薬品類40や搬器50を載せたところの平面図、(c)が薬品類40を払い出しているところの平面図である。また、図4は、片側の薬品類払出装置10の要部を示し、(a)が装置要部の右側面図、(b)が装置要部の背面図、(c)が収納排出部11の斜視図、(d)が薬品類40を整列収納した収納排出部11の斜視図である。
【0015】
この薬品類払出システムは(図1〜図3参照)、設置空間の利用効率を向上させるために、左側に薬品類払出装置10を配置し、右側に薬品類払出装置20を配置し、両装置10,20の間に搬器並置装置30を配置して、左右一列に連ねたものである。さらに、それらを協動させるために、隣り合う側面同士を密着させて相互連結するとともに、適宜箇所を連通させたり、必要な電気配線等の接続を行っている。
薬品類払出装置10は(図4及び特許文献8を参照)、例えば箱物セット薬剤のような薬品類40の自動払出に適したものであり、筐体内のうち前面寄り部分には多数の収納排出部11が設けられ、その後方に後部搬送機構13が設けられている。筐体の内底など適宜なところには装置コントローラ14も格納されている。
【0016】
収納排出部11は、薬品類40を直線状に並べて整列収納するための整列収納体11aと、先頭の薬品類40から順に排出するための逐次排出機構11bと、図示しない駆動源とを具備している。収納排出部11は多段の傾斜棚12それぞれに区画形成されて縦横に設けられており、傾斜棚12が前上がり・後ろ下がりの傾斜状態で設置されているので、それを利用して良好な作業性を維持するために、収納排出部11は、前面から補充された薬品類を後ろ下がりの傾斜状態で整列収納して後方へ逐次排出するものとなっている。収納排出部11は、棚を仕切って形成する例を図示したが、カセット方式でも良く、4行3列のマトリクス配置例を図示したが、不等ピッチなど他の配置で搭載しても良い。
【0017】
後部搬送機構13は、例えば横置きのベルトコンベアにガイドを付けたものをエレベータで昇降させるようにしたものであり(特許文献3参照)、収納排出部11から排出された薬品類40を受けて搬器並置装置30へ送り込むための右向き搬送を行う言わば中向き水平搬送機構となっている。
装置コントローラ14は、マイクロプロセッサシステム等からなり、処方箋の電子データから一部抽出等にて作成された調剤指示データを搬器並置装置30から受けて、それに応じて収納排出部11と後部搬送機構13の動作制御を行うようになっている。
【0018】
薬品類払出装置20は、薬品類払出装置10と同様に箱状の薬品類40を自動払出するものを図示したが、例えば輸液ボトルや他の形状の薬品類40の自動払出を行うものでも良く(特許文献1〜9参照)、要するに、前面から補充された薬品類を後ろ下がりの傾斜状態で整列収納して後方へ逐次排出しうる多数の収納排出部21と、その後方に設けられて左向き搬送を行う後部搬送機構23とを具備したものであれば良い。薬品類払出装置10と同様の薬品類払出装置20では、収納排出部21を支持する傾斜棚22や、収納排出部21と後部搬送機構23の動作制御を行う装置コントローラ24も設けられるが、これら22,24は他の部材の流用や兼用などで済ますことも可能である。
【0019】
搬器並置装置30は(図1〜図3参照)、マイクロプロセッサシステム等からなる主コントローラ35と、前面の開放されている多段の搬器棚34と、搬器棚34それぞれの後方に設けられていて前向き搬送を行う中部搬送機構33と、搬器棚34それぞれの上方に設けられた下向きの照明具32と、例えばCRTやタッチパネルからなる画面表示器31とを具えている。搬器棚34は、それぞれ平板を水平に固定したものであるが、薬品類持ち運び用の搬器50を一時には一個だけ載せて置く場所なので、搬器50を前方から出し入れしやすいよう搬器50より一回り以上大きい棚上空間を確保したうえで、搬器50の有無を検出する図示しない搬器センサが付設されている。同じく図示は割愛したが、搬器50への薬品類投入の完了を点灯等にて明示するため、例えば小形LEDからなる完了表示部材も搬器棚34毎に棚自体か近傍に前向きで付設されている。
【0020】
中部搬送機構33は、例えば横置きのベルトコンベアにガイドを付けたものであり、前方に位置している搬器棚34に載せられた搬器50の上端より少し高くなるところに設置されているので、薬品類払出装置10の後部搬送機構13や薬品類払出装置20の後部搬送機構23から薬品類40が送り込まれると、それらの薬品類40を受け取るとともに、前向き搬送にて薬品類40を搬器棚34上の搬器50に投入するものとなっている。
照明具32は、例えば大形のLED(発光ダイオード)や三原色混在のLED群からなり、点灯時には下向き照明を行って、対応する搬器棚34の上面を照らすものであり、ひいては搬器棚34上の搬器50の中を照らすものとなっている。
【0021】
主コントローラ35は、図示しない操作卓や処方箋オーダーエントリシステム等から処方箋の電子データを入力や受信して、その処方箋データから該当部分を抽出するとともに、空の搬器50の置かれた搬器棚34及び中部搬送機構33を選定して、その情報を付加することにより、薬品類払出装置10向け調剤指示データと薬品類払出装置20向け調剤指示データを作成し、これらの調剤指示データを装置コントローラ14,24に送信して自動払出を指示するようになっている。また、主コントローラ35は、中部搬送機構33の動作を制御して搬器棚34上の搬器50に薬品類40を投入させるようになっている。
【0022】
さらに、主コントローラ35は、処方で求められた薬品類のうち薬品類払出装置10,20で払出可能な薬品類40の搬器50への投入・収集が完了すると、投入先の搬器50を保持している搬器棚34の完了表示部材とその上方の照明具32とを点灯させるとともに、調剤完了通知と調剤内容を画面表示器31に表示するようになっている。搬器50が搬器棚34から取り去られると、該当箇所の消灯と表示消去を行うようにもなっている。
図示した搬器並置装置30においては、搬器棚34が搬器50を出し入れし易い中段部に配置され、画面表示器31が比較的見易い上段部に配置され、主コントローラ35が残った下段部に配置されているが、他の配置でも良い。
【0023】
なお、搬器50は、皿状のトレーや上面解放の箱状ボックスからなり、鍔付きでも鍔無しでも良く、透明でも不透明でも良く、一部の面や全面が格子状になっていても良い。また、二次元コードや電子タグなどからなる識別情報担体が搬器50に付設されている場合には、それに適合した読取装置を搬器棚34等に装備すると、搬器の確認が的確に行えて使い易くなる。さらに、非接触での読取に加えて書き換えや追加書込なども可能なデータ記憶体が搬器50に付設されている場合には、それに適合したデータアクセス装置を搬器棚34等に装備すると、払出結果の確認や他のデータ管理まで工程単位で行えるので一層使い易いシステムになる。
【0024】
この実施例1の薬品類払出システムについて、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図1(a)の正面図,図1(b)の背板透視の背面図,図3(a)の天板等透視の平面図は、空の状態を示している。また、図2(a)の正面図,図2(b)の背板透視の背面図,図3(b)の天板等透視の平面図は、薬品類40や搬器50を載せた状態を示している。さらに、図3(c)の天板等透視の平面図は、薬品類40を払い出しているところを示している。
【0025】
使用に先立って、各種の薬品類40を薬品類払出装置10の収納排出部11や薬品類払出装置20の収納排出部21に補充しておくが、その補充作業は装置の前面から行えるので、作業空間が装置前方だけで足りるうえ、作業者の負担が軽い。
使用時には、搬器並置装置30の搬器棚34に空の搬器50を載せて置く。そこまでは作業者が行うが、その後は、処方箋データの入力や受信に応じて自動で、必要な薬品類40が排出されて搬器50に投入されるとともに、作業者向けの完了通知が出される。
【0026】
すなわち、処方に基づく調剤指示データにて指定された薬品類40を整列収納している収納排出部11,21から薬品類40が指定個数だけ逐次排出され、その排出された薬品類40が後部搬送機構13によって左から右へ移送されるとともに後部搬送機構23によって右から左へ移送されて中間の搬器並置装置30の中部搬送機構33の上へ送り込まれる。その際、後部搬送機構13,23が適宜昇降するので、薬品類40は、損傷することなく、適切な位置の中部搬送機構33上に集められる。それから、その中部搬送機構33によって薬品類40が前送りされるので、前方の搬器50に薬品類40が投入される。
【0027】
そして、空だった搬器50に所望の薬品類40が総て収集されて投入が完了すると、該当箇所の完了表示部材と照明具32が点灯するとともに、調剤完了通知と調剤内容とが画面表示器31の該当部分に表示される。
その完了表示部材の点灯や画面表示器31の調剤完了通知の表示は目立つので、近くに作業者がいれば直ぐに気づく。そして、薬品類40を収容した搬器50を持ち出すために作業者が搬器50に手を掛けようとしたとき、搬器棚34上で薬品類投入の済んだ搬器50の中が照明具32に照らされて明るくなっているので、搬器50を搬器棚34から取り出す前であっても、搬器50に投入された薬品類40を目視確認することができる。
【0028】
画面表示器31には調剤内容も表示されているので、突き合わせ確認も搬器50を取り出す前に行うことができる。
そのため、薬品類投入の済んだ搬器50が一つの場合はもちろんのこと、薬品類投入の済んだ搬器50が複数になった場合でも、搬器50を誤って取り出すということがほとんどなくなるので、監査等の次処理へ迅速かつ的確に移行することができる。
搬器50が取り出された後、該当する搬器棚34では完了表示部材や照明具32が消灯し、画面表示器31では該当部分の表示が消去されるので、他の処方に応じた次の払出が可能となる。
【0029】
[その他]
上記実施例で、収納排出部11はサイズが総て同じになっていたが、収納排出部11のサイズは、整列収納する薬品類のサイズに適合させて種々のものを混在させても良い。
また、収納排出部11に、整列収納薬品類を総て排出して空になったことを検出する薬品切れセンサを付設するのも良く、傾斜棚12への取り付けが適切な位置になされたか否かを検出する取付位置センサを付設するのも良い。更にLED等の表示部材を収納排出部11に付設して、例えば薬品切れや,取付不良,他の異常を点灯や,点滅,早い点滅で表示するようにすると良い。
異常発生時にシステムを緊急停止させるには、搬器並置装置30の前面などに非常停止ボタンを設けると良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例1について、薬品類払出システムの立面構造を示し、(a)が正面図、(b)が背板透視の背面図である。
【図2】薬品類や搬器を載せた状態を示し、(a)が正面図、(b)が背板透視の背面図である。
【図3】薬品類払出システムの平面構造を示し、(a)が天板等透視の平面図、(b)が薬品類や搬器を載せたところの平面図、(c)が薬品類を払い出しているところの平面図である。
【図4】片側の薬品類払出装置の要部を示し、(a)が装置要部の右側面図、(b)が装置要部の背面図、(c)が収納排出部の斜視図、(d)が薬品類を整列収納した収納排出部の斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
10…薬品類払出装置、11…収納排出部、11a…整列収納体、
11b…逐次排出機構、12…傾斜棚(支持部)、
13…後部搬送機構、14…装置コントローラ、
20…薬品類払出装置、21…収納排出部、22…傾斜棚(支持部)、
23…後部搬送機構、24…装置コントローラ、
30…搬器並置装置、31…画面表示器、32…照明具、
33…中部搬送機構、34…搬器棚、35…主コントローラ、
40…薬品類、50…搬器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面から補充された薬品類を後ろ下がりの傾斜状態で整列収納して後方へ逐次排出しうる多数の収納排出部とその後方に設けられて右向き搬送または左向き搬送を行う後部搬送機構とを具備した薬品類払出装置が左右に設けられ、前面の開放されている多段の搬器棚を具備した搬器並置装置が前記薬品類払出装置の間に設けられた薬品類払出システムであって、前向き搬送を行う中部搬送機構が前記搬器棚それぞれの後方に設けられ、前記収納排出部から排出された薬品類が前記後部搬送機構によって左右から前記中部搬送機構上に集められ更に前記中部搬送機構によって前記搬器棚上の搬器に投入されるようになっていることを特徴とする薬品類払出システム。
【請求項2】
前記搬器並置装置において前記搬器棚それぞれの上方に下向きの照明具が設けられ、前記搬器棚上で薬品類投入の済んだ搬器の中が前記照明具にて照明されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の薬品類払出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−112391(P2009−112391A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286213(P2007−286213)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(000151472)株式会社トーショー (156)
【Fターム(参考)】