説明

蛍光X線分析装置および方法

【課題】結晶構造が回転対称の試料だけでなく、回転対称でない試料であっても、簡単に精度のよい分析をすることができるコンパクトな蛍光X線分析装置を提供する。
【解決手段】本発明の蛍光X線分析装置は、結晶構造を有する試料Sが載置される試料台8と、試料Sに1次X線2を照射するX線源1と、試料Sからの2次X線4を検出する検出手段7と、試料台8を回転させる回転手段11と、試料台8を平行移動させる平行移動手段12と、試料Sの回転角度とその角度で発生する2次X線4の強度とを対応させて取得した回折パターンに基づいて、隣り合う間隔が180°未満であって、回折X線を回避できる回避角度を少なくとも3つ選択するための選択手段17とを備え、制御手段15が、試料台8、回転手段11および平行移動手段12が当該装置の他の構造物と干渉しない回避角度に試料Sを設定するように回転手段11を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体電子回路素子に用いられる単結晶ウエーハ(単結晶シリコンウエーハ、単結晶ガリウム砒素ウエーハ等)や、単結晶シリコンウエーハの測定面全域に電極膜等を付着してなるモニターウエーハのような、結晶構造を有する試料の蛍光X線分析において、検出器に入射する特定波長の回折X線の強度を容易に最小限に抑えて、正確な分析のできる装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、シリコンウエーハの表面層の分析には、試料表面に1次X線を照射して、試料表面から発生する2次X線の強度を検出して分析している。単結晶シリコンウエーハの測定面に、アルミ(Al)、ケイ素(Si)および銅(Cu)からなる配線膜を局部的に形成してなる半導体基板について、その配線膜の膜厚、成分濃度などの品質のチェックを行う場合、一般に、その半導体基板と同一の工程を経て、単結晶シリコンウエーハの測定面全域に配線膜を付着してなるモニターウエーハを用い、その試料に1次X線を照射し、試料から発生する2次X線を検出して分析する蛍光X線分析装置が使用されている。
【0003】
試料の蛍光X線分析に先立って、試料を試料上の所定点まわりに180°(度)以上回転させながら、この試料に1次X線を照射して、試料から発生する蛍光X線および回折X線を含む2次X線を検出し、得られた2次X線強度が最小値を示す回転方向位置に試料を位置決めし、この状態で、試料を、その測定面に平行な面内で互いに直交するXY方向に移動させて、試料の測定面全域の分析を行なう蛍光X線分析方法がある(特許文献1)。また、結晶構造を有する試料が固定される試料台と、試料に1次X線を照射するX線源と、試料から発生する2次X線が入射される検出器と、試料表面の任意の位置に1次X線を照射させるように試料台を移動させる平行移動手段と、試料表面に垂直な軸を中心に試料台を回転させる回転手段と、試料で回折されて検出器に入射する回折X線の強度の総和が所定値以下となるような、理論計算により求められた最適の試料の回転角度範囲内に、試料が設定されるように回転手段を制御する制御手段とを備える全反射蛍光X線分析装置がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−126768号公報
【特許文献2】特開平10−282022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の蛍光X線分析方法では、結晶構造が180°回転対称の試料を測定しているので、2次X線強度が最小値を示す回転角度に試料を位置決めし、試料の右側半分の領域を測定した後、試料を180°回転させて試料の左側半分の領域を右側半分の領域に設定して試料の全領域を測定している。しかし、この方法では、2次X線強度が最小値を示す試料の回転角度と、その角度と180°対称な角度の2方向に設定されており、それ以外の回転角度に設定することはできない。そのため、図7に示すような結晶構造が回転対称でない試料の場合、試料の右側半分の領域を測定した後、試料を180°回転させて左側半分の領域を右側半分の領域に設定して試料を測定すると、回折X線を回避することができないため、精度のよい分析をすることができなかった。また、回折X線を回避する回避角度として、必ずしも2次X線強度が最小値を示す角度が最適な角度ではないことによっても、精度のよい分析をすることができなかった。
【0006】
特許文献2に記載の全反射蛍光X線分析装置では、理論計算により回折X線の強度の総和が所定値以下となるような最適の回転角度範囲に試料を設定している。しかし、1次X線が照射されたときに試料から発生する2次X線の回折パターンに関して、装置で実際に検出される回折パターンと理論計算された回折パターンとは必ずしも一致せず、精度のよい分析をすることができなかった。ここで、試料の回転角度と、その回転角度において試料から発生する2次X線の強度とを対応させた図を回折パターンと称している。
【0007】
そこで、本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、大きな設置スペースを必要としないコンパクトな装置によって、結晶構造が回転対称の試料だけでなく、結晶構造が回転対称でない試料であっても、簡単に精度のよい分析をすることができる蛍光X線分析装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の蛍光X線分析装置は、結晶構造を有する試料が載置される試料台と、試料に1次X線を照射するX線源と、試料から発生する2次X線を検出する検出手段と、試料測定面に垂直な軸を中心に試料台を回転させる回転手段と、前記回転手段が停止した状態で試料測定面の半分の任意の位置に1次X線を照射させるように試料台を平行移動させる平行移動手段と、試料を試料の所定点のまわりに前記回転手段によって360°回転させながら前記X線源から1次X線を照射させ、試料から発生して前記検出手段に入射する2次X線の強度を試料の回転角度と対応させた回折パターンとして表示手段に表示させ、その回折パターンを記憶する制御手段と、測定者が、前記表示手段に表示された回折パターンに基づいて、隣り合う間隔が180°未満の角度であって、回折X線を回避できる回避角度を少なくとも3つ選択するための選択手段とを備え、前記制御手段が、前記選択手段によって選択された回避角度を記憶し、試料の測定点に応じて、その記憶した回避角度の中から、前記試料台、回転手段および平行移動手段が当該装置の他の構造物と干渉しない回避角度を読み出して、その回避角度に試料を設定するように前記回転手段を制御する。
【0009】
本発明の蛍光X線分析装置によれば、測定者が、隣り合う間隔が180°未満の角度であって、回折X線を回避できる回避角度を少なくとも3つ容易に選択でき、選択された回避角度の中から、試料台、回転手段および平行移動手段が当該装置の他の構造物と干渉しない回避角度に、試料が設定されるので、大きな設置スペースを必要としないコンパクトな装置によって、結晶構造が回転対称の試料だけでなく、結晶構造が回転対称でない試料であっても、簡単に精度のよい分析をすることができる。
【0010】
本発明の蛍光X線分析装置は、前記表示手段が、前記選択手段によって選択された回避角度の位置を示す回避角度マークを、前記制御手段に記憶された回折パターンおよび/または試料の測定面画像とともに表示するのが好ましい。この場合には、選択された試料の回避角度マークが回折パターンおよび/または試料の測定面画像とともに表示されるので、選択した回避角度位置、および隣り合う間隔が180°未満であるか否かを測定者が容易に視認することができる。
【0011】
本発明の蛍光X線分析方法は、本発明の蛍光X線分析装置を用い、隣り合う間隔が180°未満の角度であって、回折X線を回避できる回避角度を少なくとも3つ選択し、制御手段により回避角度を設定された試料について、その測定面に平行な面内で移動させて試料の測定面全域を分析する。
【0012】
本発明の蛍光X線分析方法によれば、コンパクトな装置を用いて、結晶構造が回転対称の試料だけでなく、結晶構造が回転対称でない試料であっても、簡単に精度のよい分析をすることができる。
【0013】
本発明の蛍光X線分析方法は、前記表示手段に、前記選択手段を用いて選択した回避角度の位置を示す回避角度マークを、前記制御手段に記憶された回折パターンおよび/または試料の測定面画像とともに表示させるのが好ましい。この場合には、選択された試料の回避角度マークが回折パターンおよび/または試料の測定面画像とともに表示されるので、選択した回避角度位置、および隣り合う間隔が180°未満であるか否かを測定者が容易に視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の蛍光X線分析装置を示す概略図である。
【図2】同装置による試料の平行移動可能な領域を示す図である。
【図3】同装置によって測定した試料の回折パターンを示す図である。
【図4】同装置の回避角度の設定画面を示す図である。
【図5】同装置で測定する試料の測定点を示す図である。
【図6A】同装置において、試料が回避角度の方向1に設定されている図である。
【図6B】同装置において、試料が回避角度の方向2に設定されている図である。
【図6C】同装置において、試料が回避角度の方向3に設定されている図である。
【図7】結晶構造が回転対称でない試料の回折パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態の蛍光X線分析装置について説明する。まず、蛍光X線分析装置の構成について、図面にしたがって説明する。図1に示すように、この分析装置は、モニターウエーハなどの試料Sに向けて1次X線2を照射するX線管などのX線源1と、1次X線2の照射によって試料Sから発生する蛍光X線および回折X線を含んだ2次X線4を、たとえばLiF分光結晶などの分光素子によって分光し、その2次X線4の強度を検出する検出手段7と、試料Sを載置する試料台8と、この試料台8を試料Sの測定面に垂直な軸を中心に回転させる、この実施形態では試料Sの中心点O(図2)周りに回転させる回転手段11と、この回転手段11を回転可能に支持した状態で、試料Sの測定面の任意の位置に1次X線2を照射させるように測定面に平行な面内で互いに直交するXY方向(図2)に移動させる平行移動手段12とを備えている。検出手段7は測定元素毎に設けられた固定型のゴニオメータである。
【0016】
平行移動手段12のストロークは、X方向またはY方向の一方については、試料Sの直径分ではなく、半径分のストロークで移動できるようにしている。例えば、1次X線2の照射点が図2に示した試料Sの中心点Oにある場合、平行移動手段12によって試料Sを+X方向および±Y方向に移動させることにより、試料Sの右側半分21(ハッチングした領域)の所望の測定点を1次X線2の照射点へ移動することができる。次に、平行移動手段12によって試料Sの中心点Oを1次X線2の照射点に移動させ、回転手段11によって試料Sを180°回転させ、平行移動手段12によって同様に試料Sを移動させることによって試料Sの左側半分22(ハッチングのない領域)の所望の測定点を1次X線2の照射点へ移動することができる。このように、本実施形態の装置では、試料SのX方向の移動を試料Sの半径分の移動に制限することによって装置を小型化している。
【0017】
本実施形態の蛍光X線分析装置は、さらに、図1の制御手段15、表示手段16および選択手段17を備えている。制御手段15は、試料Sを試料Sの中心点Oのまわりに回転手段11によって上から見て時計方向に360°回転させながらX線源1から1次X線2を照射させ、試料Sから発生して検出手段7に入射する2次X線(回折X線)4の強度を試料Sの回転角度と対応させた回折パターンを表示手段16に表示させ、その回折パターンを記憶する。なお、試料Sの回転方向は上から見て反時計方向であってもよい。
【0018】
測定者は、選択手段17によって表示手段16に表示された回折パターンに基づいて、隣り合う間隔が180°未満の角度であって、回折X線を回避できる回避角度を少なくとも3つ選択する。試料SのX方向の移動は当該装置の小型化のために構造的に試料Sの半径分に制限されているので、制御手段は、試料Sの測定点の位置に応じて回転手段11を制御して、選択された少なくとも3つの回避角度の中から、試料台8、回転手段11および平行移動手段12が当該装置の他の構造物と干渉しない回避角度に試料Sを設定する。表示手段16は、さらに、選択手段17によって選択された試料Sの回避角度を示す回避角度マークを、制御手段15に記憶されている回折パターンおよび/または試料Sの測定面画像とともに表示することができる。
【0019】
次に、本実施形態の蛍光X線分析装置の動作とともに、本発明の実施形態の蛍光X線分析方法について説明する。試料Sの蛍光X線分析に先立って、試料Sの360°の回折パターンを取得する。
【0020】
すなわち、図1に示す試料台8に試料Sを載置し、回転手段11によって試料台8および試料Sを、試料Sの中心点Oの周りに360°回転させながら、試料SにX線源1から1次X線2を照射し、試料Sから発生する蛍光X線および回折X線を含んだ2次X線4を検出手段7により検出する。これによって、回折パターンが制御手段15に記憶されるとともに、図3に示すように表示手段16に表示される。タングステン測定用の固定ゴニオメータによって測定されたW−Lα線とチタン測定用の固定ゴニオメータによって測定されたTi−Kα線の回折パターンを図3に示している。
【0021】
次に、測定者が、表示手段11に表示された回避角度の設定画面である図4に示された回折パターンの中から、回折X線の強度が低く、近接する角度位置において急激な強度増加を示さない、回折X線を回避できる回避角度を、選択手段17によって例えば3つ選択する。このとき、選択された回避角度の隣り合う間隔が180°未満になるように、例えば、70°、180°、290°を選択し、選択手段17によって選択した回避角度を、方向1(θ1)、方向2(θ2)、方向3(θ3)として登録する。登録されると制御手段15がその回避角度を測定条件として記憶する。また、登録されると、図4の下欄に示すように、表示手段16に表示された回折パターン上の回避角度70°、180°、290°のそれぞれの位置に赤色縦線、青色縦線、緑色縦線の回避角度マークが表示され、測定面画像の回避角度70°、180°、290°のそれぞれの位置に赤色半径、青色半径、緑色半径の回避角度マークが表示される。回避角度マークは回折パターンと測定面画像の両方に表示されてもよいし、どちらか一方であってもよい。
【0022】
このように、選択された回避角度マークが回折パターン上や試料Sの測定面画像に表示されるので、選択した回避角度の隣り合う間隔が180°未満になっているか、否かを容易に視認することができる。さらに、隣り合う間隔が180°を超えている場合には、登録することができない。このように、隣り合う間隔が180°未満の回避角度に確実に設定できるようになっている。選択される回避角度は、少なくとも3つ必要で4つ以上であってもよい。なお、隣り合う間隔が180°に設定された場合には、試料Sが180°回転対称であると見なし、特許文献1に記載されている方法で測定することができる。
【0023】
次に、図5に示す試料Sの測定点A、B、C、Dの測定を開始すると、制御手段15が測定条件に記憶されている回避角度の中から方向1に登録されている回避角度θ1(70°)を読み出して、回転手段11を制御して試料Sを回転させて図6Aに示す回避角度θ1に設定する。これにより、試料Sは回折X線を回避できる回避角度θ1に設定される。次に、制御手段15によって平行移動手段12が制御され、試料SがXY方向に移動されて、測定点Aは1次X線2の照射点に設定される。試料Sの測定点AにX線源1から1次X線2が照射され、試料Sから発生する2次X線4を検出手段7により検出する。このようにXY方向に移動させれば、試料Sの回転方向位置は変化しないで、回避角度位置に保たれるから、回折X線によるノイズの影響が排除され、S/N比が改善される。したがって、低含有量の元素であっても、精度のよい分析を行なうことができる。
【0024】
図6Aに示す回避角度θ1では、次の測定点Bは試料Sの左側半分にあるため、平行移動手段12によって移動できない。そのため、制御手段15は試料台8、回転手段11および平行移動手段12が本装置の他の構造物と干渉しないように、平行移動手段12によって試料Sの中心点Oを1次X線2の照射点に移動させ、方向2の回避角度θ2(180°)に試料Sを回転手段11によって回転させて、図6Bに示す回避角度θ2に設定させる。次に、制御手段15によって平行移動手段12が制御され、試料SがXY方向に移動されて、測定点Bは1次X線2の照射点に設定される。試料Sの測定点BにX線源1から1次X線2が照射され、試料Sから発生する2次X線4を検出手段7により検出する。次の測定点Cは試料Sの右側半分にあるので、測定点Bと同様に平行移動手段12によってXY方向に移動させて測定する。
【0025】
図6Bに示す回避角度θ2では、次の測定点Dは試料Sの左側半分にあるため、平行移動手段12によって移動できない。そのため、制御手段15は試料台8、回転手段11および平行移動手段12が本装置の他の構造物と干渉しないように、平行移動手段12によって試料Sの中心点Oを1次X線2の照射点に移動させ、方向3の回避角度θ3(290°)に試料Sを回転手段11によって回転させて、図6Cに示す回避角度θ3に設定させる。次に、制御手段15によって平行移動手段12が制御され、試料SがXY方向に移動されて、測定点Dは1次X線2の照射点に設定される。試料Sの測定点DにX線源1から1次X線2が照射され、試料Sから発生する2次X線4を検出手段7により検出する。
【0026】
このように、回折X線を回避できる回避角度が測定条件として記憶されているので、同様の結晶構造を有する試料Sを分析する場合には、記憶されている測定条件を読み出して測定することができ、試料S毎に回折X線を回避できる回避角度を選択することなく、簡単、迅速に測定することができる。また、従来技術のように1つの方向とその回転対称の方向のみで測定する場合に比べて、測定する分析線(例えば、W−Lα線、Ti−Kα線など)毎に回避角度を選択できるので、適切に回折X線を回避できる回避角度で測定することができる。測定する分析線のすべてにおいて同じ回避角度を選択した場合には、同じ回避角度ですべての測定元素を同時に測定することができるので、回折X線を回避した多元素同時測定を容易にすることができる。
【0027】
本発明の実施形態の蛍光X線分析装置または方法によれば、大きな設置スペースを必要としないコンパクトな装置によって、結晶構造が回転対称の試料だけでなく、結晶構造が回転対称でない試料であっても、簡単に精度のよい分析をすることができる。
【0028】
本実施形態の装置では、固定型のゴニオメータを配して同時に多元素を分析する多元素同時型の波長分散型蛍光X線分析装置について説明したが、走査型のゴニオメータを配した波長分散型蛍光X線分析装置でもよく、エネルギー分散型の蛍光X線分析装置であってもよい。また、上面照射型の蛍光X線分析装置であっても、下面照射型の蛍光X線分析装置であってもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 X線源
2 1次X線
4 2次X線
7 検出手段
8 試料台
11 回転手段
12 平行移動手段
15 制御手段
16 表示手段
17 表示手段
S 試料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶構造を有する試料が載置される試料台と、
試料に1次X線を照射するX線源と、
試料から発生する2次X線を検出する検出手段と、
試料測定面に垂直な軸を中心に試料台を回転させる回転手段と、
前記回転手段が停止した状態で試料測定面の半分の任意の位置に1次X線を照射させるように試料台を平行移動させる平行移動手段と、
試料を試料の所定点のまわりに前記回転手段によって360°回転させながら前記X線源から1次X線を照射させ、試料から発生して前記検出手段に入射する2次X線の強度を試料の回転角度と対応させた回折パターンとして表示手段に表示させ、その回折パターンを記憶する制御手段と、
測定者が、前記表示手段に表示された回折パターンに基づいて、隣り合う間隔が180°未満の角度であって、回折X線を回避できる回避角度を少なくとも3つ選択するための選択手段とを備え、
前記制御手段が、前記選択手段によって選択された回避角度を記憶し、試料の測定点に応じて、その記憶した回避角度の中から、前記試料台、回転手段および平行移動手段が当該装置の他の構造物と干渉しない回避角度を読み出して、その回避角度に試料を設定するように前記回転手段を制御する蛍光X線分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蛍光X線分析装置において、
前記表示手段が、前記選択手段によって選択された回避角度の位置を示す回避角度マークを、前記制御手段に記憶された回折パターンおよび/または試料の測定面画像とともに表示する蛍光X線分析装置。
【請求項3】
請求項1に記載の蛍光X線分析装置を用い、
隣り合う間隔が180°未満の角度であって、回折X線を回避できる回避角度を少なくとも3つ選択し、
前記制御手段により回避角度を設定された試料について、その測定面に平行な面内で移動させて試料の測定面全域を分析する蛍光X線分析方法。
【請求項4】
請求項3に記載の蛍光X線分析方法において、
前記表示手段に、前記選択手段を用いて選択した回避角度の位置を示す回避角度マークを、前記制御手段に記憶された回折パターンおよび/または試料の測定面画像とともに表示させる蛍光X線分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−13606(P2012−13606A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151828(P2010−151828)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000250339)株式会社リガク (206)
【Fターム(参考)】