説明

血管形成インヒビターとしてのピペリジニル−チアゾールカルボン酸誘導体

本発明の実施形態に従って、式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に受容可能な誘導体が提供される。本発明は、血管内皮成長因子(VEGF)媒介性障害(特に子宮内膜症および急性黄斑変性障害)の処置において有用な式(I)および式(II)の化合物に関する。本発明はまた、これらの化合物の使用およびこれらの化合物を含有する薬学的組成物に関する。本発明はまた、VEGFインヒビターを含む、急性黄斑変性障害の処置のための局所系に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管内皮成長因子(VEGF)媒介性障害の処置において有用である化合物に関する。特に、本発明は、子宮内膜症を処置することにおいて有用な化合物に関する。特に、本発明はまた、これらの化合物の使用およびこれらの化合物を含有する薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
脈管形成および血管形成は、種々の生理学的プロセス(例えば、胚発生、創傷治癒、器官再生および女性生殖プロセス)において重要な役割を果たす。非調節性の血管形成は、多くの疾患状態において生じる。これらは、良性の状態(例えば、子宮内膜症)を含むが、しかし命を脅かす状態(例えば、悪性腫瘍)もまた含む。非調節性の血管形成が存在する多様な疾患状態は、血管形成依存性疾患または血管形成関連疾患として一緒にグループ化されている(KlagsburnおよびSoker,1993,Current Biology 3(10):699−702;Folkman,1991,J.Natl.,Cancer Inst.82:4−6;Weidnerら,1991,New Engl.J.Med.324:1−5.FolkmanおよびShing,1992,J.Biological Chem.267(16):10931−34)。
【0003】
インビトロでの内皮細胞成長促進活性を有するいくつかのポリペプチドが、同定されているが、しかしVEGFは、内皮細胞特異的マイトジェンであると報告されている(FerraraおよびHenzel,1989,Biochem.Biophys.Res.Comm.161:851−858;Vaismanら,1990,J.Biol.Chem.265:19461−19566)。
【0004】
VEGFは、成長因子の中で血小板由来成長因子(PDGF)スーパーファミリーに属する二量体糖タンパク質のファミリーである。VEGF−A、VEGF−B、VEGF−CおよびVEGF−Dに加えて、いわゆる胎盤成長因子(PlGF)が存在する。これらの成長因子についてのいくつかの遺伝子は、異なるアイソフォームとして発現され得る。例えば、VEGF−A遺伝子は、多くのアイソフォーム(最も一般的なメッセンジャーRNAがコードする、121アミノ酸、165アミノ酸および189アミノ酸)に差次的にスプライシングされる。本発明に記載される化合物は、VEGFファミリーに対して、およびおそらく、より高いかまたはより低い程度で他の関連するファミリーに対して阻害活性を有する可能性がある。
【0005】
従って、VEGFの活性およびその新しい血管の形成の刺激を阻害する能力は、多くの臨床状態のための選択的薬学的アプローチを意味する。
【0006】
上記のように、VEGFが役割を果たす1つの疾患は、子宮内膜症である。子宮内膜症は、子宮腔の外側の子宮内膜細胞の存在から生じる疾患に名付けられた名称である。この疾患は、女性をその出産可能な年月の間に冒し、有害な社会的結果、性的結果および生殖的結果を伴う。子宮内膜症は、最も一般に遭遇する婦人科の疾患の1つとして提唱されており、一般人口における子宮内膜症の発症率は約5%であると見積もられているが、30代および40代の女性の少なくとも25%が、この疾患による子宮内膜の病変を有する。
【0007】
子宮内膜症の発症および維持は、逆行性月経後の異所性部位(最も一般的には、骨盤腹膜および卵巣)での子宮内膜細胞の確立およびその後の持続的成長を含む(ThomasおよびPrentice(1992)Repro.Med.Rev.(1):21−36を参照のこと)。自家の非悪性異所性組織の着床は、独特の現象であり、異常な宿主応答がこの疾患を発症する女性において存在し得ることを示唆する。この理論は、子宮内膜組織の供給源としての逆行性月経はよくある出来事にもかかわらず、少数の女性のみが、この疾患を発現するという事実によって支持される。
【0008】
子宮内膜症の原因について提唱される多くの理論があり、そして腹水の種々の細胞性成分および生化学的成分が、この疾患の病原性について重要な役割を果たすと報告されている。液性免疫および細胞媒介性免疫の両方の複数の局面における変化もまた、罹患する個体において報告されている。
【0009】
子宮内膜症の遺伝的局面が、いくつかの研究において研究されている(MoenおよびMagnus(1993)Acta Obstet.Gynecol.Scand.,72:560−564;Kennedyら(1995)J.Assist.Repro.Gen.,12(1):32−35;Malinakら(1986)Am.J.Obstet.Gynecol.,137(3):332−337;Treloarら,(1999)Fertility Sterility 71(4)701−710)。これらの研究に基づいて、子宮内膜症は部分的に遺伝的な根拠を有すると仮説立てられている。しかしながら、この疾患の正確な病因は、未だ不明のままである。
【0010】
子宮内膜組織の増殖および発達は、エストロゲンの存在に依存するようである。従って、異所性部位での子宮内膜移植物の成長を減じるために体のエストロゲン量を減ずる薬物が開発されている。戦略は、妊娠の擬態、避妊薬を用いた排卵の阻止、プロゲステロンの作用のブロックおよび閉経期の擬態を含む。これらの薬物のいくつかは、成功を証明しているが、これらの薬物の多くは、閉経後様副作用および不妊症を含む不快な副作用を引き起こし、このことは、副作用が永久化することを回避するために処置は中断されなければならないことを意味する。さらに、現在までに記述される全ての薬物は、この疾患の症状を軽減することによって作用し、いかなる意味においても治療的でない。疾患の症状が窮地におかれている場合、これは、患者を永久的に薬物に依存させる。
【0011】
現在、長期にわたり有効である子宮内膜症の唯一の処置としては、手術が挙げられる。従って、子宮内膜症に対する有効な予防価値、治療価値および診断価値を有する薬剤の発見についての大きな必要性が残っている。
【0012】
血管透過性因子としてもまた公知であるVEGFは、腫瘍によって分泌され(Dvorak,H.ら,(1979)J.Immunol.,122,166−174);これは、血管の形成(血管形成)を促進する多機能性サイトカインである。ほとんどの腫瘍の成長は、適切な血液供給の発達に依存し、従って、VEGFの阻害による血管形成の阻止は、抗癌薬の開発のための可能性のある戦略を提供する。
【0013】
VEGFの発現は、予後不良と相関があり(Tabone,M.D.ら,(2001)Clin.Cancer Res.,7,538−543)、そして腎細胞癌(Slaton,J.W.ら,(2001)Am.J.Path.,158,735−743)、乳癌(Adams,J.ら,(2000)Cancer Res.,60,2898−2905)、頭部および首の扁平上皮細胞癌(Minet,H.ら,(2000)Br.J.Cancer,83,775−781)、膀胱癌(Inoue,K.ら,(2000)Clin.Cancer Res.,6,4866−4873)、食道癌(Shih,C.H.ら,(2000)Clin.Cancer Res.,6,1161−1168)、骨肉腫(Kaya,M.ら,(2000)Clin.Cancer Res.,6,572−577)、結腸癌(Cascinu,S.ら,(2000)Clin.Cancer Res.,6,2803−2807)、卵巣癌(Shen,G.H.ら,(2000)Br.J.Cancer,83,196−203)、子宮頚癌(Loncaster,J.A.ら,(2000)Br.J.Cancer,83,620−625)、軟部組織肉腫(Yudoh,K.ら,(2001)Br.J.Cancer,84,1610−1615),星状細胞腫(Abdulrauf,S.I.ら,(1998)J.Neurosurg.,88,513−520)および前立腺癌(Borre,M.ら,(2000)Clin.Cancer Res.,6,1882−1890)において検出されている。ゆえに、VEGFの阻害およびそれによる腫瘍の血管新生化される能力の低下は、単独または他の処置(例えば、化学療法または放射線治療)との併用のいずれかでこれらの腫瘍および他のヒトおよび動物の腫瘍において臨床的有用性を有し得る。
【0014】
多くの非腫瘍性臨床的徴候は、血管形成の異常な増加を含み、本明細書中に記載される発明は、治療的介入のための基盤となり得る。黄斑変性症および網膜症は、老化プロセスの結果として起こり得るか、または他の疾患(特に、糖尿病)の結果として起こり得る。高レベルのVEGFが、これらの状態に関与している(Funatsu,H.ら,(2002)J.Cataract Refract.Surg.28,1355;Noma,H.ら,(2002)Arch.Ophthalmol.120,1075−80)。VEGFの阻害は有用であり得(Aiello,L.P.(1997)Ophthalmic Res.,29,354−62)、そして特に、糖尿病性網膜症の初期段階で起きる浮腫を防止し得る(Lu,M.ら,(2002)Ophthalmol.Clin.North Am.,15,69−79)ことが、示唆されている。糖尿病性腎症および糖尿病性神経障害は、網膜症と共通する一般的な生化学的機能障害を有し得(Tilton,R.G.(2002)Microsc.Res.Tech.,57,390−407)、そして抗VEGF薬学的アプローチが、適切であり得る。
【0015】
VEGFの阻害はまた、アテローム(Blann,A.D.,(2002)Clin.Sci.102,187−94)ならびに慢性関節リウマチ(Afuwape,A.O.,(2002)Histol.Histopathol.,17,961−72)および乾癬(Creamer,D.ら,(2002)Arch.Dermatol.,138,791−6)における適切な治療的戦略であり得;VEGFは、いずれの状態の病原にも関与している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
VEGF関連障害の処置において有用である化合物を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(発明の要旨)
本発明の第1の実施形態に従って、式(I)または式(II)の化合物またはその薬学的に受容可能な誘導体が提供される:
【0018】
【化4】

ここで:
Qは、必要に応じて、置換されたアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、カルボキシルアルキル基、エステル化カルボキシル基、アルキルスルホキシル基、アルキルスルホニル基、ニトロ基、カルボニトリル基、カルボ−アルコキシ基、カルボ−アリールオキシ基、または複素環式基であり;
Aは、単結合またはアルキレンであり;
Xは、OまたはSであり;
Zは、O、SまたはNRであり;
pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
nは、0〜10の整数であり;
mは、0〜10の整数であり;
Wは、必要に応じて、置換されたアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、カルボキシルアルキル基、エステル化カルボキシル基、アルキルスルホキシル基、アルキルスルホニル基、ニトロ基、カルボニトリル基、カルボ−アルコキシ基、カルボ−アリールオキシ基、または複素環式基であり;
は、Hまたはアルキルであり;
は、独立にHまたはアルキルであり;そして
は、Hまたはアルキルである。
【0019】
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な誘導体」は、任意の薬学的に受容可能な塩、さらなる化合物、またはレシピエントへ投与する際に、直接的または非直接的であろうと、本発明の化合物または薬学的に受容可能な代謝産物を提供可能な任意の他の化合物を意味する。
【0020】
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な代謝産物」は、本発明の化合物によって示される生物学的活性をもたらす本発明の化合物の代謝産物または残留物を意味する。
【0021】
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な塩」は、無機酸および無機塩基または有機酸および有機塩基を含む薬学的に受容可能な無毒性の酸および塩基から調製される塩を言う。
【0022】
このような無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、およびリン酸である。適切な有機酸は、例えば、有機酸の脂肪族、芳香族、カルボキシルおよびスルホンのクラスより選択され得、これらの例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フロ酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ベンゼンスルホン酸、ステアリン酸、スルファニル酸、アルゲン酸、およびガラクツロン酸である。このような無機塩基の例としては、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、および亜鉛から作られる金属塩が挙げられる。適切な有機塩基は、例えば、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、およびプロカインより選択され得る。
【0023】
本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」は、分枝状または非分枝状の、環式または非環式の、飽和または不飽和の(例えば、アルケニルまたはアルキニル)ヒドロカルビルラジカルを意味する。環式である場合、アルキル基は、好ましくは、C〜C12であり、より好ましくは、C〜C10であり、より好ましくは、C、CまたはCである。非環式である場合、アルキル基は、好ましくは、C〜C10であり、より好ましくは、C〜Cであり、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル(n−プロピルまたはイソプロピル)、ブチル(n−ブチル、イソブチルまたは三級ブチル)またはペンチル(n−ペンチルおよびイソプロピルを含む)であり、より好ましくはメチルである。従って、本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」は、アルキル(分枝状または非分枝状)、アルケニル(分枝状または非分枝状)、アルキニル(分枝状または非分枝状)、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびシクロアルキニルを含むことが、理解される。
【0024】
一般的に、飽和ヒドロカルビルラジカルが、好ましい。
【0025】
本明細書中で使用される場合、用語「低級アルキル」は、分枝状または非分枝状の、環式または非環式の、飽和または不飽和の(例えば、アルケニルまたはアルキニル)ヒドロカルビルラジカルを意味し、環式低級アルキル基は、C、CまたはCであり、そして非環式低級アルキル基は、C〜Cであり、すなわち、メチル、エチル、プロピル(n−プロピルまたはイソプロピル)またはブチル(n−ブチル、イソブチルまたは三級ブチル)であり、より好ましくは、メチルである。
【0026】
アルキル基は、置換されていても非置換であってもよい。置換されている場合、一般的に、1〜3個の置換基が存在し、好ましくは、1〜2個の置換基が存在する。置換基としては、以下が挙げられ得る:ハロゲン原子およびハロメチル基(例えば、CFおよびCCl);酸素を含む基(例えば、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルコキシ、アルコキシ、アルコイル、アルコイルオキシ、アリールオキシ、アリールオイルおよびアリールオイルオキシ);窒素を含む基(例えば、アミノ、アミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ、アジド、ニトラトおよびニトロ);イオウを含む基(例えば、チオール、アルキルチオール、スルホニルおよびスルホキシド);複素環式基を含む1個以上のヘテロ原子(例えば、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、インドリル、オキシインドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、7−アザインドリル、イソインダゾリル、ベンゾピラニル、クマリニル、イソクマリニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、ピリドピリジル、ベンゾオキサジニル、キノキサジニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、カルボリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびピリミジニル);アルキル基(これは、置換された基であり得る);およびアリール基(これは、例えば、フェニルおよび置換されたフェニルのように置換された基であり得る)。
【0027】
本明細書中で使用される場合、用語「アルキレン」は、分枝状または非分枝状の、環式または非環式の、飽和または不飽和の(例えば、アルケニレンまたはアルキニレン)ヒドロカルビレン(hydrocarbylene)ラジカルを意味する。環式である場合、アルキレン基は、好ましくは、C〜C12であり、より好ましくは、C〜C10であり、より好ましくは、C〜Cである。非環式である場合、アルキレン基は、好ましくは、C〜C16であり、より好ましくは、C〜Cであり、より好ましくは、メチレンである。
【0028】
アルキレン基は、置換されていてもまたは非置換でもよく、好ましくは、非置換であり得る。置換されている場合、一般的に、1〜3個の置換基が存在し、好ましくは、1個の置換基が存在する。置換基としては、以下が挙げられ得る:ハロゲン原子およびハロメチル基(例えば、CFおよびCCl);酸素を含む基(例えば、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルコキシ、アルコキシ、アルコイル、アルコイルオキシ、アリールオキシ、アリールオイルおよびアリールオイルオキシ);窒素を含む基(例えば、アミノ、アミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ、アジド、ニトラトおよびニトロ);イオウを含む基(例えば、チオール、アルキルチオール、スルホニルおよびスルホキシド);複素環式基を含む1個以上(好ましくは、1個)のヘテロ原子(例えば、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、インドリル、オキシインドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、7−アザインドリル、イソインダゾリル、ベンゾピラニル、クマリニル、イソクマリニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、ピリドピリジル、ベンゾオキサジニル、キノキサジニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニルおよびカルボリニル);アルキル基(これは、置換された基であり得る);およびアリール基(これは、例えば、フェニルおよび置換されたフェニルのように置換された基であり得る)。
【0029】
本明細書中で使用される場合、用語「アリール」は、環式または二環式の芳香族基(例えば、フェニルまたはナフチル)を意味する。C6−12(例えば、C6−10)アリール基が、好ましい。アリール基は、置換されていても非置換であってもよく、好ましくは、非置換であり得る。置換されている場合、一般的に、1〜3個の置換基が存在し、好ましくは、1個の置換基が存在する。置換基としては、以下が挙げられ得る:ハロゲン原子およびハロメチル基(例えば、CFおよびCCl);酸素を含む基(例えば、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルコキシ、アルコキシ、アルコイル、アルコイルオキシ、アリールオキシ、アリールオイルおよびアリールオイルオキシ);窒素を含む基(例えば、アミノ、アミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ、アジド、ニトラトおよびニトロ);イオウを含む基(例えば、チオール、アルキルチオール、スルホニルおよびスルホキシド);複素環式基を含む1個以上(好ましくは、1個)のヘテロ原子(例えば、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、インドリル、オキシインドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、7−アザインドリル、イソインダゾリル、ベンゾピラニル、クマリニル、イソクマリニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、ピリドピリジル、ベンゾオキサジニル、キノキサジニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニルおよびカルボリニル);アルキル基(これは、置換された基であり得る);およびアリール基(これは、例えば、フェニルおよび置換されたフェニルのように置換された基であり得る)。
【0030】
本明細書中で使用される場合、用語「複素環式」は、飽和もしくは不飽和の環式基または二環式基を含む1個以上のヘテロ原子(例えば、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、インドリル、オキシインドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、7−アザインドリル、イソインダゾリル、ベンゾピラニル、クマリニル、イソクマリニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、ピリドピリジル、ベンゾオキサジニル、キノキサジニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、カルボリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびピリミジニル)を意味する。
【0031】
用語「複素環式基」はまた、以下:
【0032】
【化5】

に由来する基を含む。5〜12(例えば、5〜10)個の原子を含む複素環式基が、好ましい。複素環式基は、好ましくは、1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含む。好ましいヘテロ原子は、N、OおよびSである。
【0033】
複素環式基は、置換されていても非置換でもよく、好ましくは、非置換であり得る。置換されている場合、一般的に、1〜3個の置換基が存在し、好ましくは、1個の置換基が存在する。置換基としては、以下が挙げられ得る:ハロゲン原子およびハロメチル基(例えば、CFおよびCCl);酸素を含む基(例えば、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルコキシ、アルコキシ、アルコイル、アルコイルオキシ、アリールオキシ、アリールオイルおよびアリールオイルオキシ);窒素を含む基(例えば、アミノ、アミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ、アジド、ニトラトおよびニトロ);イオウを含む基(例えば、チオール、アルキルチオール、スルホニルおよびスルホキシド);複素環式基を含む1個以上(好ましくは、1個)のヘテロ原子(例えば、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、インドリル、オキシインドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、7−アザインドリル、イソインダゾリル、ベンゾピラニル、クマリニル、イソクマリニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、ピリドピリジル、ベンゾオキサジニル、キノキサジニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニルおよびカルボリニル);アルキル基(これは、置換された基であり得る);およびアリール基(これは、例えば、フェニルおよび置換されたフェニルのようにそれ自体が置換された基であり得る)。
【0034】
複素環式基(これは、それ自体が置換基である)が、置換されている場合、それは、好ましくは、低級アルキルで置換され、より好ましくは、メチルで置換される。
【0035】
本明細書中で使用される場合、用語「アラルキル」は、アリール−アルキル−(例えば、ベンジル)を意味する。
【0036】
本明細書中で使用される場合、用語「アルコキシ」は、アルキル−O−を意味する。本明細書中で使用される場合、「低級アルコキシ」は、低級アルキル−O−を意味する。本明細書中で使用される場合、用語「アリールオキシ」は、アリール−O−を意味する。本明細書中で使用される場合、用語「アラルコキシ」は、アラルキル−O−を意味する。
【0037】
本明細書中で使用される場合、窒素を含む基である置換基は、−C(O)−NH、−C(O)−NHRおよび−C(O)−NRを含み、ここでRは、必要に応じて、独立に置換されたアルキルまたは置換されたアリール(好ましくは、アルキル)である。
【0038】
本明細書中で使用される場合、イオウを含む基である置換基は、−S(O)−H、−S(O)−R、−S(O)−Hおよび−S(O)−Rを含み、ここでRは、必要に応じて、置換されたアルキルまたは置換されたアリール(好ましくは、アルキル)である。
【0039】
本明細書中で使用される場合、用語「ハロゲン」は、フッ素ラジカル、塩素ラジカル、臭素ラジカルまたはヨウ素ラジカルを意味し、好ましくは、フッ素ラジカルまたは塩素ラジカルを意味する。
【0040】
式(II)の本発明の化合物が、好ましい。
【0041】
好ましくは、Aは、単結合である。
【0042】
好ましくは、Xは、Oである。あるいは、XはSであり、かつZはNであることが、好ましい。
【0043】
好ましくは、Xは、Oである。あるいは、XはSであり、かつZはNRであることが、好ましい。
【0044】
好ましくは、Rは、Hである。
【0045】
好ましくは、p=1である。
【0046】
好ましくは、q=0である。
【0047】
好ましくは、n+mの合計は、2〜10の整数であり、より好ましくは、2〜6の整数であり、より好ましくは、2〜4の整数であり、より好ましくは、3または4であり、最も好ましくは、4である。
【0048】
好ましくは、nは、0〜3であり、好ましくは、2である。
【0049】
好ましくは、mは、0〜3であり、好ましくは、2である。
【0050】
好ましくは、n=2であり、m=2である。
【0051】
好ましくは、Rは、Hである。
【0052】
好ましくは、各Rは、Hである。
【0053】
置換基Qおよび置換基Wは、置換されていても非置換でもよい。置換されている場合、一般的に、1〜3個の置換基が存在し、好ましくは、1〜2個の置換基が存在する。置換基としては、以下が挙げられ得る:ハロゲン原子およびハロメチル基(例えば、CFおよびCCl);酸素を含む基(例えば、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルコキシ、アルコキシ、アルコイル、アルコイルオキシ、アリールオキシ、アリールオイルおよびアリールオイルオキシ);窒素を含む基(例えば、アミノ、アミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ、アジド、ニトラトおよびニトロ);イオウを含む基(例えば、チオール、アルキルチオール、スルホニルおよびスルホキシド);複素環式基を含む1個以上のヘテロ原子(例えば、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフリル、インドリル、オキシインドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、7−アザインドリル、イソインダゾリル、ベンゾピラニル、クマリニル、イソクマリニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、ピリドピリジル、ベンゾオキサジニル、キノキサジニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、カルボリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびピリミジニル);アルキル基(これは、置換された基であり得る);およびアリール基(これは、例えば、フェニルおよび置換されたフェニルのように置換された基であり得る)。
【0054】
好ましくは、Qは、必要に応じて、置換されたアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、カルボキシルアルキル基、エステル化カルボキシル基、アルキルスルホニル基または複素環式基である。
【0055】
より好ましくは、Qは、必要に応じて、置換されたアリール基または複素環式基を含む。さらにより好ましくは、Qは、必要に応じて、置換されたアリール基または複素環式基である。好ましいアリール基は、フェニルである。好ましい複素環式基は、不飽和複素環式基であり、より好ましくは、単環式の不飽和複素環式基である。
【0056】
置換されている場合、Qは、好ましくは、以下のうちの1個以上(例えば、1個、2個または3個)によって、独立に置換される:ハロゲン;トリハロメチル;
【0057】
【化6−1】

またはハロゲン、トリハロメチル、
【0058】
【化6−2】

のうちの1個以上(例えば、1個、2個または3個、好ましくは、1個)で置換されたアルキル(好ましくは、メチル)。Yは、独立に、O、SまたはNRであり、そしてRは、独立に、Hであるか、または必要に応じて、置換されたアルキル基、アリール基または複素環式基(好ましくは、Hまたはアルキル基)である。より好ましくは、置換基は、以下である:ハロゲン;トリハロメチル;
【0059】
【化7】

またはハロゲン、トリハロメチル、
【0060】
【化8】

のうちの1個以上(例えば、1個、2個または3個、好ましくは、1個)で置換されたアルキル(好ましくは、メチル)。さらにより好ましい置換基は、以下である:ハロゲン;
【0061】
【化9】

または−C(=O)NRで置換されたアルキル(好ましくは、メチル)。さらにより好ましい置換基は、−Cl、−OMe、−C(=O)NHおよび−CH−C(=O)NHである。
【0062】
Qが−Rにより置換される場合、Rが、必要に応じて、置換された複素環式基であり、好ましくは、不飽和複素環式基であり、好ましくは、単環式不飽和複素環式基(例えば、オキサゾリル、テトラゾリルまたは低級アルキル(例えば、メチル)で置換されたオキサゾリル)であることが、好ましい。
【0063】
好ましくは、Qは、必要に応じて、1個、2個または3個の置換基(好ましくは、2個の置換基)で置換された複素環式基である。Qが複素環式基である場合、それは、好ましくは、チエニル(例えば、2−チエニル)またはフラニル(例えば、2−フラニル)である。
【0064】
好ましくは、Qは、必要に応じて、1個、2個または3個の置換基(好ましくは、2個の置換基)で置換されたフェニル基である。好ましくは、Qは、アルコキシ基、アミド基、カルボキシ基、カルボキシルアルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲンおよび複素環式基より選択される少なくとも1個の置換基を有するフェニル基である。
【0065】
好ましくは、Qは、メトキシ、シアノ、塩素、フッ素、オキサゾリル、テトラゾリル、低級アルキルで置換されたオキサゾリル、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−C(S)NHおよび−NHC(O)Rより選択される少なくとも1個の基で置換されたフェニル基であり、ここでRは、低級アルキルであり、好ましくはメチルである。
【0066】
Qは、チオフェニルであり得る。好ましくは、Qは、メトキシ基、シアノ基、塩素、−C(O)NH基、−C(O)NHR基、−C(O)NR基、−C(S)NH基または−NHC(O)R基で置換されたチオフェニルであり、ここでRは、低級アルキルであり、好ましくはメチルである。
【0067】
Qは、フラニルであり得る。好ましくは、Qは、メトキシ基、シアノ基、塩素、−C(O)NH基、−C(O)NHR基、−C(O)NR基、−C(S)NH基または−NHC(O)R基で置換されたフラニルであり、ここでRは、低級アルキルであり、好ましくはメチルである。
【0068】
Qは、チエニルであり得る。好ましくは、Qは、必要に応じて、メトキシ基、シアノ基、塩素、−C(O)NH基、−C(O)NHR基、−C(O)NR基、−C(S)NH基または−NHC(O)R基で置換されたチエニルであり、ここでRは、低級アルキルであり、好ましくはメチルである。
【0069】
好ましくは、Qは、表1に示されるラジカルより選択されるラジカルである。(−NH−−−)で示される連結する窒素原子は、ラジカルQの一部を形成しないことが、理解される。
【表A−1】

【0070】
【表A−2】

【0071】
【表A−3】

【0072】
【表A−4】

【0073】
【表A−5】

【0074】
好ましいQは、Q、QおよびQ10である。
【0075】
好ましいQは、5−カルバモイル−2−メトキシ−フェニルである。
【0076】
好ましくは、Wは、必要に応じて、置換されたアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、カルボキシル基、カルボキシルアルキル基、エステル化カルボキシル基、アルキルスルホニル基、カルボ−アルコキシ基、カルボ−アリールオキシ基または複素環式基である。より好ましくは、Wは、必要に応じて、置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環式基である。好ましいアリール基は、フェニルである。好ましい複素環式基は、不飽和複素環式基であり、より好ましくは、単環式の不飽和複素環式基である。
【0077】
Wが、置換されたアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基である場合、それは、好ましくは、必要に応じて、置換されたアルキル基、アリール基、複素環式基、−Y−アルキル、−Y−アリールまたは−Y−(複素環式)基で置換され、ここでYは、O、SまたはNR(好ましくは、OまたはS)であり、Rは、独立に、Hまたはアルキルである。Wが置換されたアルキル基である場合、それは、より好ましくは、必要に応じて、置換されたアリール基(例えば、フェニル)、複素環式基または−Y−(複素環式)基で置換される。
【0078】
一実施形態において、Wは、好ましくは、必要に応じて、フェニル環において置換されたベンジル基である。
【0079】
あるいは、Wが置換されたアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基である場合、それは、−(O−アルキレン)−O−アルキル(好ましくは、−(O−エチレン)−O−アルキルまたは−(O−プロピレン)−O−アルキル)で置換され得、ここでaは、1〜20(好ましくは、1〜10、好ましくは、1〜5、より好ましくは、2)である。
【0080】
置換されている場合、Wは、好ましくは、以下のうちの1個以上(例えば、1個、2個または3個)により独立に置換される:ハロゲン;トリハロメチル;
【0081】
【化10】

またはハロゲン、トリハロメチル、
【0082】
【化11】

のうちの1個以上(例えば、1個、2個または3個、好ましくは、1個)で置換されたアルキル(好ましくは、メチル)。Yは、独立に、O、SまたはNRであり、そしてRは、独立に、Hであるか、または必要に応じて、置換されたアルキル基、アリール基または複素環式基である(好ましくは、Hまたはアルキル)。より好ましい置換基は、ハロゲン、トリハロメチル、
【0083】
【化12】

である。さらにより好ましい置換基は、ハロゲン、
【0084】
【化13】

である。
【0085】
Wが、置換されたアルキル基、アルケニル基または必要に応じて置換されたアルキル基(好ましくは、シクロアルキル基)、アリール基、複素環式、−Y−アルキル基、−Y−アリール基または−Y−(複素環式)基で置換されたアルキニル基(好ましくは、アルキル基、好ましくは、メチル基)である場合、アルキル置換基、アリール置換基、複素環式置換基、−Y−アルキル置換基、−Y−アリール置換基または−Y−(複素環式)置換基は、必要に応じて、以下のうちの1個以上(例えば、1個、2個または3個)によって置換され得る:ハロゲン;トリハロメチル;
【0086】
【化14】

またはハロゲン、トリハロメチル、
【0087】
【化15】

のうちの1個以上(例えば、1個、2個または3個、好ましくは、1個)で置換されるアルキル(好ましくは、メチル)。Yは、独立に、O、SまたはNRであり、そしてRは、独立に、Hであるか、または必要に応じて、置換されたアルキル基、アリール基または複素環式基(好ましくは、Hまたはアルキル基)である。アルキル置換基、アリール置換基、複素環式置換基、−Y−アルキル置換基、−Y−アリール置換基または−Y−(複素環式)置換基におけるより好ましい置換基は、ハロゲン、トリハロメチル、
【0088】
【化16】

である。さらにより好ましい置換基は、ハロゲン、
【0089】
【化17】

である。
【0090】
好ましくは、Wは、必要に応じて、置換されたアリール基または複素環式基を含む。より好ましくは、Wは、必要に応じて、置換されたアリール基または複素環式基である。好ましいアリール基は、フェニルである。好ましい複素環式基は、不飽和複素環式基であり、より好ましくは、単環式不飽和複素環式基である。
【0091】
好ましくは、Wは、必要に応じて、1個、2個または3個の置換基(好ましくは、2個の置換基)で置換された複素環式基である。好ましくは、Wは、必要に応じて、置換されたフェニル、オキサゾリル、ジアゾリル、キノリニル、ベンゾフラニルまたはピリンジニル(pyrindiniyl)である。好ましくは、この置換基は、アルコキシ基、アミド基、カルボキシ基、カルボキシルアルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲンおよび複素環式基(より好ましくは、メトキシ、シアノ、塩素、オキサゾリル、テトラゾリル、低級アルキルで置換されたオキサゾリル、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−C(S)NHおよび−NHC(O)Rより独立に選択され、ここでRは、低級アルキルであり、好ましくは、メチルである。
【0092】
あるいは、Wは、必要に応じて、複素環式基で置換されたアルキル、アルキレン、アルキリン(alkylyne)、アルキオキシ(alkyoxy)またはアミン、カルボキシアルキルである。好ましくは、この複素環式は、アルコキシ基、アミド基、カルボキシ基、カルボキシルアルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲンおよび複素環式基より独立に選択される1個、2個または3個の置換基で置換される。より好ましくは、この置換基は、メトキシ、シアノ、塩素、オキサゾリル、テトラゾリル、低級アルキルで置換されたオキサゾリル、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−C(S)NHおよび−NHC(O)Rであり、ここでRは、低級アルキルであり、好ましくは、メチルである。
【0093】
好ましくは、本発明の化合物は、式(III):
【0094】
【化18】

を有し、ここで、Q、R、R、X、Z、W、pおよびqは、上で規定したとおりである。
【0095】
本発明の一実施形態において、式(I)の化合物は、好ましくは、以下である:
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−{1−[(4,7−ジメチルピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−3−イル)カルボニル]−4−ピペリジニル}−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−[1−(1−ベンゾフラン−2−イルカルボニル)−4−ピペリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−[1−(3−フェニル−2−プロピノイル)−4−ピペリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
2−(1−{[2−(アリルスルファニル)−3−ピリジニル]カルボニル}−4−ピペリジニル)−N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−{1−[(2−クロロフェニル)アセチル]−4−ピペリジニル}−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−{1−[(3,4−ジメチルフェノキシ)アセチル]−4−ピペリジニル}−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−[1−({[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アミノ}カルボノチオイル)−4−ピペリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
または
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−(1−{[4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニル]カルボニル}−4−ピペリジニル)−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド。
【0096】
さらに好ましい本発明の化合物は、以下である:
【0097】
【化19】


【0098】
本発明のさらなる局面によると、疾患の処置方法における使用ための本発明の化合物が、提供される。
【0099】
本発明の化合物は、好ましくは、VEGF媒介性障害(例えば、子宮内膜症、種々の悪性腫瘍および非悪性腫瘍、乾癬および他の皮膚の状態、アテローム性疾患、関節リウマチ、黄斑変性ならびに網膜症、腎症および神経障害を含む糖尿病の合併症)の処置において使用され得る。
【0100】
本発明のさらなる局面によると、治療または診断における使用のための本発明の化合部が提供される。
【0101】
本発明のさらなる局面によると、VEGF媒介性障害、好ましくは、子宮内膜症または悪性腫瘍を処置するための医薬の製造における使用のため、本発明の化合物の使用が提供される。
【0102】
本発明のさらなる局面によると、VEGFによって媒介される疾患(例えば、子宮内膜症)を処置する方法が提供され、この方法は、このような処置を必要とする患者に、有効量の本発明の化合物を患者に投与する工程を包含する。
【0103】
本発明のさらなる局面によると、急性黄斑変性障害を処置するための医薬の製造のため、VEGFインヒビターの使用が提供される。好ましくは、このVEGFインヒビターは、本発明の化合物である。
【0104】
本発明のさらなる局面によると、急性黄斑変性障害を処置する方法が提供され、この方法は、このような処置を必要とする患者に、有効量のVEGFインヒビターを投与する工程を包含する。好ましくは、このVEGFインヒビターは、本発明の化合物である。
【0105】
本発明のさらなる局面によると、薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせて本発明の化合物を含有する薬学的組成物が、提供される。
【0106】
本発明のさらなる局面によると、急性黄斑変性障害を処置するための局所投与のため、VEGFインヒビターが提供される。好ましくは、このVEGFインヒビターは、本発明の化合物である。
【0107】
本発明のさらなる局面によると、VEGFインヒビターを含む、急性黄斑変性障害を処置するための局所系が提供される。好ましくは、このVEGFインヒビターは、本発明の化合物である。
【0108】
記載される薬剤は、単独で使用され得るか、または処置(例えば、抗ホルモン治療、手術、放射線治療または化学療法)と組み合わせて使用され得る。
【0109】
本発明の化合物は、経口使用に適切な形態(例えば、錠剤、カプセル剤、水溶液、油性溶液、懸濁液またはエマルジョン);局所使用(経粘膜使用および経皮使用を含む)に適切な形態(例えば、クリーム、軟膏(ointment)、ゲル、水溶液もしくは油性溶液または水性懸濁液もしくは油性懸濁液、軟膏(salve)、パッチ、硬膏(plaster)またはコンドーム用の潤滑性成分として);経鼻使用に適切な形態(例えば、嗅剤(snuff)、スプレー式点鼻剤または点鼻剤);膣または直腸での使用に適切な形態(例えば、坐薬);吸入による投与に適切な形態(例えば、細粉散剤または液体エアロゾル剤);眼内、舌下、口腔内の使用に適切な形態(例えば、錠剤またはカプセル剤);または非経口的使用(静脈内、皮下、筋肉内、血管内または注入を含む)に適切な形態(例えば、滅菌水溶液あるいは滅菌油性溶液もしくは滅菌水性懸濁液あるいは滅菌油性懸濁液、または生分解性ポリマーに組み込まれた形態)で、投与され得る。一般的に、上記の組成物は、製薬学の分野の当業者に周知の標準技術を使用して、慣用賦形剤を使用した慣用的な様式において調製され得る。化合物の投与の好ましい様態は、経口または腟内である。経口投与が、特に好ましい。
【0110】
経口投与については、本発明の化合物は、一般的に、錠剤もしくはカプセル剤の形態でか、または水溶液もしくは水性懸濁液として提供される。
【0111】
経口使用のための錠剤は、薬学的に受容可能な賦形剤(不活性希釈剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、甘味剤、香味剤、着色剤および防腐剤)と混合した活性成分を含有し得る。適切な不活性希釈剤としては、炭酸ナトリウムおよび炭酸カルシウム、リン酸ナトリウムおよびリン酸カルシウム、ならびにラクトースが挙げられ、一方コーンスターチおよびアルギン酸は、適切な崩壊剤である。結合剤としては、デンプンおよびゼラチンが挙げられ得、一方存在する場合、潤滑剤は、一般的に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸または滑石である。所望される場合、錠剤は、胃腸管での吸収を遅延するため、例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンのような材料でコーティングされ得る。
【0112】
経口使用のためのカプセル剤としては、硬ゼラチンカプセル(この中で、活性成分は固形希釈剤と混合される)、および軟ゼラチンカプセル(この中で、活性成分は、水または油(例えば、ピーナッツ油、液体パラフィンまたはオリーブ油)と混合される)が挙げられる。
【0113】
筋肉内、腹腔内、皮下および静脈内の使用については、本発明の化合物は、一般的に、適切なpHおよび等張性に緩衝化された滅菌水溶液または滅菌水性懸濁液中に提供される。適切な水性ビヒクルとしては、リンガー溶液および等張塩化ナトリウムが挙げられる。本発明に従う水性懸濁液としては、懸濁剤(例えば、セルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドンおよびゴムトラガカント)、および湿潤剤(例えば、レシチン)が挙げられ得る。水性懸濁液のための適切な防腐剤としては、p−ヒドロキシ安息香酸エチルおよびp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピルが挙げられる。本発明の化合物はまた、例えば、手術におけるステントと同時に使用するために、生分解性ポリマー中に提供され得る(例えば、活性剤の持続放出のため、ステント上に吸着されるか、手術処置部位に直接適用される)。
【0114】
局所投与もまた、好ましい投与である。局所投与(経粘膜および経皮使用を含む)としては、例えば、クリーム、軟膏(ointment)、ゲル、水溶液もしくは油性溶液または水性懸濁液もしくは油性懸濁液、軟膏(salve)、パッチ、硬膏(plaster)、タンポン、サニタリーナプキン、あるいはコンドーム用の潤滑剤の成分による投与が挙げられる。局所系としては、以下が挙げられる:局所投与のための薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせたVEGFインヒビターを含有する組成物;および局所投与のための薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせたVEGFインヒビターを含有する組成物を含む投与デバイス。局所的に受容可能な賦形剤と組み合わせたVEGFインヒビターを含有する組成物の例は、クリーム、軟膏(ointment)、ゲル、水溶液もしくは油性溶液または水性懸濁液もしくは油性懸濁液、あるいは軟膏(salve)である。局所的に受容可能な賦形剤と組み合わせたVEGFインヒビターを含有する組成物を含む投与デバイスの例は、パッチ、硬膏、この組成物を含むタンポンもしくはサニタリーナプキン、またはこの組成物を含む潤滑剤を含むコンドームが挙げられる。
【0115】
使用される投薬量レベルは、使用される化合物、患者が示す症状の重症度および患者の体重に依存して、かなり広範囲にわたって変化し得ることが、理解される。本発明を限定することなく、子宮内膜症の処置のための代表的な投与量は、例えば、1μg/kg/日〜1mg/kg/日のオーダーであり、より好ましくは、経口的に10μg/kg/日〜0.25mg/kg/日であり得る。眼内投与については、代表的な投与量は、10ng/kg/日〜1μg/kg/日のオーダーである。腫瘍の処置については、5mg/kg/日までが好ましい。腟内投与については、代表的な投与量は、10μg/kg/日〜0.25mg/kg/日である。
【0116】
本発明の化合物は、一般的な反応スキーム(反応スキーム1)により調製され得、ここで「コア」とは、ラジカル:
【0117】
【化20】

を意味する。
【0118】
【化21】

本発明は、以下の実施例によって、ここでさらに例示される。
【実施例】
【0119】
(本発明の特定の化合物の合成)
(実施例1〜6)
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−{1−[(4,7−ジメチルピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−3−イル)カルボニル]−4−ピペリジニル}−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−[1−(1−ベンゾフラン−2−イルカルボニル)−4−ピペリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;N[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−[1−(3−フェニル−2−プロピノイル)−4−ピペリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;2−(1−{[2−(アリルスルファニル)−3−ピリジニル]カルボニル}−4−ピペリジニル)−N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−{1−[(2−クロロフェニル)アセチル]−4−ピペリジニル}−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;およびN−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−{1−[(3,4−ジメチルフェノキシ)アセチル]−4−ピペリジニル}−1,3−チアゾール−4−カルボキサミドの調製。
【0120】
上述の化合物を、以下の反応スキーム2により合成した。
【0121】
【化22】

(4−カルバモイル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2))
イソニペコタミド(1)(28.8g、0.22mol)をクロロホルム(288mL)に懸濁した。これに、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(23mg、触媒作用的)を添加し、続いてクロロホルム(57mL)中BOC−無水物(56g、0.26mol、1.14当量)の溶液を滴下した。この溶液を、室温で1時間撹拌し、次いで、クロロホルムと10%クエン酸溶液との間で分配した。この有機相をクエン酸溶液で洗浄し、クロロホルムで逆抽出した。この合わせた有機抽出物を水、10%ブラインで洗浄し、乾燥させた(MgSO)。濾過に続いて濾液のエバポレーションにより、ピンクの固体として粗生成物を得た。酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化により、4つのクロップ(crop)(45.5g、0.20mol、89%)、m.p.159〜161℃(lit.154〜156℃)で、無色の固体として表題の化合物(2)を得た。
【0122】
(4−チオカルバモイル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3))
4−カルバモイル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2)(45.4g、0.199mol)、Lawesson試薬(40.2g、0.099mol、0.5当量)、1,2−ジメトキシエタン(DME)(500mL)およびクロロホルム(200mL)を、合わせ、そして室温で撹拌した。反応過程を、tlc分析(30%酢酸エチル/ヘキサン)で追い、完了時に、この反応混合物を、乾燥する(ガラス状固体)までエバポレートした。この固体を酢酸エチル中に溶解し、半飽和炭酸カリウム溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして濃縮して無色の固体として表題の化合物を得た。この粗生成物を、酢酸エチルおよびヘキサンから結晶化して表題化合物(3)(35g、0.14mol、72%)を得た。
【0123】
(4−(4−エトキシカルボニル−チアゾール−2−イル)−ピペリジン−カルボン酸tert−ブチルエステル(4))
4−チオカルバモイル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3)(25g、102mmol)を、無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(125mL)中に溶解し、氷浴で0℃に冷却した。無水DMF(125mL)中臭化ピルビン酸エチル(22.2g、14.3mL、114mmol、1.1当量)の溶液を、撹拌しながら滴下した。この反応混合物を室温までゆっくりと温め、一晩撹拌した。トリエチルアミン(25mL)を、撹拌しながら、使用されるチオアミドが1mL/gの速度で、滴下した。DMFを、60℃未満の温度を維持しながら減圧下で除去した。生じた残留物を、酢酸エチル(75mL)とブライン(100mL)との間で分配した。十分な水を添加し、水相中に沈殿した塩の完全溶解を確実にした。この水相を酢酸エチルで2度抽出し、合わせた有機抽出物を、ブライン(×2)、水(×2)およびブライン(×2)で首尾よく洗浄した。有機相を、MgSOを用いて同時に乾燥させ、細粉の木炭を用いて脱色した。この混合物をセライトを介して濾過し、減圧下で濃縮し、黄色の油を得た。ヘキサンでの倍散により、黄色の固体を得た。これを、過剰のヘキサンで希釈し、一晩冷却して生成物を完全に結晶化した。この生成物を濾過により収集し、ヘキサンで洗浄し、そして室温で減圧下で乾燥させた。IPA/水からの再結晶化により、表題の化合物(4)(28.33g、83mmol、82%)を得た。
【0124】
(2−ピペリジン−4−イル−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(5))
0℃のジクロロメタン(20mL)中4−(4−エトキシカルボニル−チアゾール−2−イル)−ピペリジン−カルボン酸tert−ブチルエステル(4)(5g、14.7mmol)の溶液に、純粋な(neat)トリフルオロ酢酸(TFA)(17mL、221mmol、15当量)を、不活性雰囲気下で、撹拌しながら滴下した。添加完了時に、反応混合物を室温まで温め、脱保護が完了するまで撹拌を続けた(代表的には、3時間tlc、1:1ヘキサン/酢酸エチルによりモニタリングした)。反応完了時に、この混合物を減圧下で濃縮し、TFAを除去した。次いでトルエン((6f)についてジオキサン)を添加し、再濃縮してさらにTFAを除去した。これを、TFAの最大限の除去を確実にするために、2〜3回繰り返した。この生成物を、減圧下で一晩さらに乾燥させて最後の微量のTFAを除去した。遊離のアミンのTFA塩を、ジクロロメタン(10mL)中に溶解し、氷浴で0℃まで冷却し、そしてトリエチルアミン(6.15mL、3当量)で処理した。それをBOC−保護(4)の遊離のアミン(5)への定量的転換に供した。
【0125】
(化合物(6a−e))
0℃のジクロロメタン(10mL)中2−ピペリジン−4−イル−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(5)(14.7mmol)の溶液に、アセトニトリル(40mL)を添加した。この溶液に、反応させる酸(R1COOH−表2を参照のこと)(14.7mmol、1当量)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)(14.7mmol、5.57g、1当量)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(7.7mL、3当量)を順次添加した。この反応混合物を室温で48時間撹拌して、反応を完了させた。この後に、この反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去し、そして残留物をジクロロメタン(80mL)に懸濁し、ブライン(2×50mL)、水(50mL)、10%クエン酸(50mL)、ブライン、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)および最後にブラインで洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、脱色木炭で処理し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。
【0126】
【表2】

(化合物(7a〜e))
化合物(6a〜e)(13mmol)をTHF(35mL)および水(23mL)中に溶解し、そして0℃に冷却した。水(20mL)中の水酸化ナトリウム(1.04g、26mmol、2当量)溶液を、撹拌しながら滴下した。反応を、tlc分析によりモニタリングし、完了したときに(代表的には、2時間)、この反応混合物をブライン(30mL)で希釈し、エーテル(100mL)で洗浄した。この反応混合物を、20%クエン酸溶液を使用して酸性化した。次いで、この酸性混合物を、適切な有機溶媒(ジクロロメタンまたは酢酸エチル)を用いて抽出し、完全に抽出したときに、この有機抽出物を合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して本質的に純粋な生成物を得た。
【0127】
【表3】

*生成物を、酢酸エチルから繰り返しの結晶化により単離した。
【0128】
(化合物(8a〜e))
化合物(7a〜e)を、無水DMF(0.58M溶液)中に溶解した。3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを、10%DIPEAおよび無水DMF(0.58M溶液)中に溶解した。HBTUを無水DMF(0.64M溶液)中に溶解した。アミン溶液(0.3ml、0.175mmol)を、Packard MPIIロボットを使用して、2.2mLの深いウェルプレート内の個々のウェルに分配した。Eppendorfマルチディスペンサー(multi−dispenser)を使用して、酸溶液(0.3mL、0.175mmol、1当量)を分配し、次いで、HBTU溶液(0.3mL、0.19mmol、1.1当量)を分配した。さらに一部のDIPEA(0.05mL)をこのウェルに添加し、このウェルをキャップし、そしてオービタルシェーカーで一晩振盪した。この反応混合物を減圧下(Genevac)で濃縮した。残留物をジクロロメタン(1mL)中に溶解し、そしてMPIIロボット:0.5N HCl(0.7mL)、10%炭酸カリウム溶液(0.7mL)、次いで水(0.7mL)を使用して、一連の水性の洗浄をした。最終的に、生成物を含有するジクロロメタン抽出物(0.7mL)を、濃縮し、そして恒量まで乾燥させた(Genevac)。
【0129】
【表4】

(実施例7)
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−[1−({[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アミノ}カルボノチオイル)−4−ピペリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−[1−({[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アミノ}カルボノチオイル)−4−ピペリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミドの調製を、以下の反応スキーム3において示される合成経路によって調製した。
【0130】
【化23】

(2−[1−(4−ジメチルアミノ−フェニルチオカルバモイル)−ピペリジン−4−イル]−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(9))
0℃のジクロロメタン(10mL)中2−ピペリジン−4−イル−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(5)(14.7mmol)の溶液に、ジクロロメタン(80mL)を添加した。これに、4−(ジメチルアミノ)フェニルイソチオシアナート(14.7mmol、1当量)を添加した。この反応混合物を、室温で48時間撹拌し、反応を完了させた。この後に、この反応混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、そして水(2×100mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して、クロマトグラフィー後に83%の収率でチオ尿素を産生した。
【0131】
(2−[1−(4−ジメチルアミノ−フェニルチオカルバモイル)−ピペリジン−4−イル]−チアゾール−4−カルボン酸(10))
2−[1−(4−ジメチルアミノ−フェニルチオカルバモイル)−ピペリジン−4−イル]−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(9)(13mmol)を、THF(35mL)および水(23mL)中に溶解し、そして0℃に冷却した。水(20mL)中水酸化ナトリウム(1.04g、26mmol、2当量)の溶液を、撹拌しながら滴下した。この混合物を2時間室温で撹拌した。この混合物を、ブライン(30mL)で希釈し、そしてエーテル(100mL)で洗浄した。この反応混合物を、20%クエン酸溶液を使用して酸性化した。この酸性混合物を、酢酸エチルで抽出し、そして完全に抽出したときに、この有機抽出物を合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して定量的な収率で表題の化合物(10)を産生した。
【0132】
(N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−[1−({[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アミノ}カルボノチオイル)−4−ピペリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド)
2−[1−(4−ジメチルアミノ−フェニルチオカルバモイル)−ピペリジン−4−イル]−チアゾール−4−カルボン酸(10)を、無水DMF(0.58M溶液)中に溶解した。3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを、10% DIPEAおよび無水DMF(0.58M溶液)中に溶解した。HBTUを、無水DMF(0.64M溶液)中に溶解した。アミン溶液(0.3ml、0.175mmol)を、Packard MPIIロボットを使用して、2.2mLの深いウェルプレート内の個々のウェルに分配した。Eppendorfマルチディスペンサーを使用して、酸溶液(0.3mL、0.175mmol、1当量)を分配し、次いで、HBTU溶液(0.3mL、0.19mmol、1.1当量)を分配した。さらに一部のDIPEA(0.05mL)をこのウェルに添加し、このウェルをキャップし、そしてオービタルシェーカーで一晩振盪した。この反応混合物を減圧下(Genevac)で濃縮した。残留物をジクロロメタン(1mL)中に溶解し、そしてMPIIロボット:0.5N HCl(0.7mL)、10%炭酸カリウム溶液(0.7mL)次いで水(0.7mL)を使用して、一連の水性の洗浄をした。最終的に、生成物を含有するジクロロメタン抽出物(0.7mL)を、濃縮し、そして恒量まで乾燥させて(Genevac)、N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−[1−({[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アミノ}カルボノチオイル)−4−ピペリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド(DAD 75%(254nm)、ES+ 539)を得た。
【0133】
(実施例8)
(N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−(1−{[4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニル]カルボニル}−4−ピペリジニル)−1,3−チアゾール−4−カルボキサミドの調製)
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−(1−{[4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニル]カルボニル}−4−ピペリジニル)−1,3−チアゾール−4−カルボキサミドを、以下の反応スキーム4に示される合成経路によって調製した。
【0134】
【化24】

(3−[4−(4−エトキシカルボニル−チアゾール−2−イル)−ピペリジン−1−カルボニル]−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム(11))
ジクロロメタン(15mL)中2−ピペリジン(piperdine)−4−イル−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(5)(14.7mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(15mL)中カルボニルジイミダゾールの懸濁液に、滴下した。この混合物を、還流で一晩加熱し、次いで室温まで冷却した。溶媒を、減圧下で除去し、残留物を、ジクロロメタン(80mL)中に溶解し、水で洗浄し、そしてMgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、アセトニトリル中に溶解し、そしてヨウ化メチル(59mmol)を添加した。この混合物を一晩撹拌し、そして濃縮して精製なしで使用される表題の化合物を得た。
【0135】
(2−[1−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(12))
3−[4−(4−エトキシカルボニル−チアゾール−2−イル)−ピペリジン−1−カルボニル]−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム(11)を、ジクロロメタン(75mL)中に溶解し、そして1−(2−ピリジル)ピペラジン(14.7mmol、1当量)およびトリエチルアミン(14.7mmol、1当量)を添加した。この混合物を一晩撹拌し、そしてジクロロメタンで希釈した。この混合物を水、およびブラインで洗浄し、乾燥させ、そして減圧下で濃縮して、精製なしで使用される表題の化合物を産生した。
【0136】
(2−[1−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(13))
エチルエステル(12)を、テトラヒドロフラン(40mL)/水(20mL)中に溶解し、そして水(20mL)中水酸化ナトリウム(29.4mmol)を添加した。この混合物を、室温で2時間撹拌した。次いで、この混合物を、エーテルで抽出し、そして水相を10%クエン酸溶液で酸性化した。この水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物を、ブラインで洗浄し、乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。水層に残存した沈殿生成物を濾過し、乾燥させ、この残留物に添加した。表題の化合物(13)を、無色の固体として得た[全収率59%(3工程)]。
【0137】
(N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−(1−{[4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニル]カルボニル}−4−ピペリジニル)−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド)
2−[1−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(13)を、無水DMF(0.58M溶液)中に溶解した。3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを、10% DIPEAおよび無水DMF(0.58M溶液)中に溶解した。HBTUを、無水DMF(0.64M溶液)中に溶解した。このアミン溶液(0.3ml、0.175mmol)を、Packard MPIIロボットを使用して、2.2mLの深いウェルプレート内の個々のウェルに分配した。Eppendorfマルチディスペンサーを使用して、酸溶液(0.3mL、0.175mmol、1当量)を分配し、次いで、HBTU溶液(0.3mL、0.19mmol、1.1当量)を分配した。さらに一部のDIPEA(0.05mL)をこのウェルに添加し、このウェルをキャップし、そしてオービタルシェーカーで一晩振盪した。この反応混合物を減圧下(Genevac)で濃縮した。残留物をDCM(1mL)中に溶解し、そしてMPIIロボット:0.5N HCl(0.7mL)、10%炭酸カリウム溶液(0.7mL)、次いで水(0.7mL)を使用して、一連の水性の洗浄をした。最終的に、生成物を含有するDCM抽出物(0.7mL)を、濃縮し、そして恒量まで乾燥させて(Genevac)N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−(1−{[4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニル]カルボニル}−4−ピペリジニル)−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド(DAD 100%(254nm)、ES+ 550)を得た。
【0138】
(活性アッセイ)
本発明の化合物の活性を、以下のアッセイを使用して試験した。このアッセイの結果を、以下の表5および表6に示す。いくつかの化合物については、このアッセイを繰り返して、表に示される複数の結果を得た。
【0139】
実施例9および実施例10におけるHUVEC結合アッセイおよびVEGF結合アッセイにおける詳細な評価の前に、初めに化合物を、培地スループットELISAアッセイにおいてVEGFの阻害についてアッセイした。この初めの評価についてのデータを、表5の「阻害%」と名付けた列に示す。
【0140】
(実施例9−ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)増殖アッセイ)
HUVECアッセイは、組換えヒト血管内皮増殖因子(rhVEGF)で同時刺激した場合、試験物質がヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)のインビトロでの増殖を阻害する効力を測定する。
【0141】
HUVECを、規定条件(EGM−2培地、37℃、5% COおよび湿度95%)下で増殖させる。これらのHUVECを、1%だけの血清を含むEBM培地を使用して48ウェルプレートに播種し、24時間インキュベートする。これにより、細胞が、VEGFおよび試験化合物で処理される前に、刺激されないことが保証される。
【0142】
試験化合物を、0.05μMと50μMとの間の濃度に、培地中に希釈し、そして12ng/mlでVEGF165と一緒に添加(dose)した。このVEGF濃度を、最大細胞増殖にちょうど最適以下になるように、VEGF用量反応曲線において決定した。細胞を、上記の条件で48時間インキュベートし、生細胞密度を、テトラゾリウム化合物(MTS)を使用して測定する。生細胞は、MTSを可溶性ホルマザン産物に還元し、この可溶性ホルマザン産物は、490nmで最大吸収を有する。この吸収は、細胞密度に正比例する。
コントロール値は以下である:
EBM+1%血清(VEGFなし)⇒最小またはブランク
EBM+1%血清(12ng/ml)⇒最大
(実施例10−VEGF結合ELISA)
VEGF中和部分としての試験物質の効力を、ELISA形式において測定する。このアッセイは、rhVEGF165−ビオチンと試験サンプルとの間の溶液相の相互作用を測定する。次いで、非結合のVEGF165−ビオチンを、固相の抗hVEGF抗体(R&D systems MAB293)上に固定化する。ビオチンシグナルを、ストレプトアビジン−アルカリホスファターゼを用いて検出し、p−ニトロフェニルホスフェートとともにインキュベートする場合、このストレプトアビジン−アルカリホスファターゼにより、比色定量のシグナルが得られる。プレートを、405nmで分光光度計において、読み取る。
【0143】
VEGF165−ビオチンに結合し、そしてVEGF165−ビオチンの抗体への結合を抑制する任意の試験化合物は、色のシグナルを低下させ、「ヒット」として認識される。ヒットを、>60%阻害を示す化合物として規定した。
コントロール値は以下である:
VEGF165−ビオチン+アッセイ緩衝液⇒0%阻害
可溶性VEGFレセプター(sflt@4nM)⇒70%阻害
全ライブラリー化合物の一次スクリーニングを、50μMの化合物濃度で行い、次いで、IC50値を計算するために0.05μMと500μMとの間で「ヒット」の用量反応効果を測定した。
【0144】
この化合物をDMSO中に溶解し、そしてこの溶媒が、この濃度でのアッセイに対し全く効果を有さないことを示した。
【0145】
(実施例11−さらなるアッセイ)
化合物1633−00382および化合物1633−02177を、以下のアッセイに対するそれらの効果を決定することによって、選択性について試験した。
【0146】
・基本線維芽細胞成長因子(FGF)−誘導性細胞増殖(Gospodarowicz D,Brown KD,Birdwell CRおよびZetter BR(1978)J.Cell.Biol.77:774−788);
・上皮細胞成長因子(EGF)放射性リガンド結合アッセイ(Dittadi R,Gion M,Brazzale A.,Bruscagnin G.(1990)Clin.Chem.36:849−854;Massague J(1983)J.Biol.Chem.258:13614−13620);および
・血小板由来成長因子(PDGF)放射性リガンド結合アッセイ(Williams LT,Tremble PM,Lavin MFおよびSunday ME(1984)J.Biol.Chem.259 5287−5294)
化合物1633−00382および化合物1633−02177は、それぞれ、ヒトA431細胞およびマウス3T3細胞へのEGFおよびPDGFの結合を阻害しなかった。
【0147】
さらに、化合物1633−02177は、推定値0.406μMで、基本FGFに対して有意な抗増殖活性を実証した。この活性は、中程度で、10μMで有意な細胞傷害性もなく、生じた。
【0148】
本明細書中に引用される全ての文献は、その全体が参考として援用される。
【0149】
【表5−1】

【0150】
【表5−2】

【0151】
【表5−3】

【0152】
【表5−4】

【0153】
【表5−5】

【0154】
【表5−6】

【0155】
【表5−7】

【0156】
【表5−8】

【0157】
【表5−9】

【0158】
【表5−10】

【0159】
【表6−1】

【0160】
【表6−2】

【0161】
【表6−3】

【0162】
【表6−4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)または式(II)の化合物であって:
【化1】

ここで:
Qは、必要に応じて置換された、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、カルボキシルアルキル基、エステル化カルボキシル基、アルキルスルホキシル基、アルキルスルホニル基、ニトロ基、カルボニトリル基、カルボ−アルコキシ基、カルボ−アリールオキシ基、または複素環式基であり;
Aは、単結合またはアルキレンであり;
Xは、OまたはSであり;
Zは、O、SまたはNRであり;
pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
nは、0〜10の整数であり;
mは、0〜10の整数であり;
Wは、必要に応じて置換された、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、カルボキシルアルキル基、エステル化カルボキシル基、アルキルスルホキシル基、アルキルスルホニル基、ニトロ基、カルボニトリル基、カルボ−アルコキシ基、カルボ−アリールオキシ基、または複素環式基であり;
は、Hまたはアルキルであり;
は、独立にHまたはアルキルであり;そして
は、Hまたはアルキルである;
化合物であるか、またはこれらの薬学的に受容可能な誘導体。
【請求項2】
式(II)の請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、単結合である、請求項1または2のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項4】
Xが、Oである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
Xが、Sであり、そしてZが、NRである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
が、Hである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
p=1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
q=0である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
n+mの合計が、2〜10の整数である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
n+mの合計が、4である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
n=2でありかつm=2である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
が、Hである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
が、Hである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
Qが、必要に応じて置換された、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、カルボキシルアルキル基、エステル化カルボキシル基、アルキルスルホニル基または複素環式基である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
Qが、必要に応じて置換された、アリール基または複素環式基を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
Qが、必要に応じて置換された、アリール基または複素環式基である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
Qが、必要に応じて置換されたフェニルを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
Qが、必要に応じて置換されたフェニルである、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
Qが、必要に応じて置換されたフラニルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
Qが、必要に応じて置換されたチエニルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
Qが、表1に示されるラジカルより選択されるラジカルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【請求項22】
Qが、Q、QまたはQ10である、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
Wが、必要に応じて置換された、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、カルボキシル基、カルボキシルアルキル基、エステル化カルボキシル基、アルキルスルホニル基、カルボ−アルコキシ基、カルボ−アリールオキシ基または複素環式基である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
Wが、必要に応じて置換された、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環式基である、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
Wが、必要に応じて置換された、アリール基または複素環式基を含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
Wが、必要に応じて置換された、アリール基または複素環式基である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
Wが、必要に応じて置換されたフェニルを含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
Wが、必要に応じて置換されたフェニルである、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
Wが、必要に応じてフェニル環において置換されたベンジル基である、請求項1〜25または27のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
式(III);
【化2】

を有する、請求項1〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
請求項1に記載の化合物であって、以下:
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−{1−[(4,7−ジメチルピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−3−イル)カルボニル]−4−ピペリジニル}−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−[1−(1−ベンゾフラン−2−イルカルボニル)−4−ピペリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−[1−(3−フェニル−2−プロピノイル)−4−ピペリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
2−(1−{[2−(アリルスルファニル)−3−ピリジニル]カルボニル}−4−ピペリジニル)−N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−{1−[(2−クロロフェニル)アセチル]−4−ピペリジニル}−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−{1−[(3,4−ジメチルフェノキシ)アセチル]−4−ピペリジニル}−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−[1−({[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アミノ}カルボノチオイル)−4−ピペリジニル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド;
または
N−[5−(アミノカルボニル)−2−メトキシフェニル]−2−(1−{[4−(2−ピリジニル)−1−ピペラジニル]カルボニル}−4−ピペリジニル)−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド
から選択される、化合物。
【請求項32】
請求項1に記載の化合物であって、以下:
【化3】

から選択される、化合物。
【請求項33】
疾患の処置方法における使用のための、請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項34】
治療または診断における使用のための、請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項35】
VEGF媒介性障害を処置するための医薬の製造に対する請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項36】
状態が、子宮内膜症または癌である、請求項35に記載の使用。
【請求項37】
VEGF媒介性障害を処置する方法であって、このような処置を必要とする患者に、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物の有効用量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項38】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物を、薬学的に受容可能な希釈剤と組み合わせて含有する薬学的組成物。
【請求項39】
急性黄斑変性障害を処置するための医薬の製造に対するVEGFインヒビターの使用。
【請求項40】
前記VEGFインヒビターが、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物である、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
急性黄斑変性障害を処置する方法であって、このような処置を必要とする患者に有効用量のVEGFインヒビターを投与する工程を包含する、方法。
【請求項42】
前記VEGFインヒビターが、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
急性黄斑変性障害の処置のための局所投与のためのVEGFインヒビター。
【請求項44】
請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物である、請求項43に記載のVEGFインヒビター。
【請求項45】
VEGFインヒビターを含む、急性黄斑変性障害の処置のための局所系。
【請求項46】
前記VEGFインヒビターが、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物である、請求項45に記載の局所系。

【公表番号】特表2006−513202(P2006−513202A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563361(P2004−563361)
【出願日】平成15年12月24日(2003.12.24)
【国際出願番号】PCT/GB2003/005651
【国際公開番号】WO2004/058750
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(505238762)メトリス セラピューティクス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】