説明

血糖レベルの非侵入的測定

【課題】本発明は、一般に人体又は他の生物学的実体の一部である物質、例えば、血液中のグルコース・レベル、すなわち、血糖値、の非侵入的なテスト、評価、又は決定を行なうためのシステム及び装置を提供する。
【解決手段】本発明の非侵入的測定システムは、生物学的実体、例えば、人の血液、から反射された波データを受信して、受信された波データをその生物学的実体内の物質、例えば、グルコース分子と相関関係付ける。波は光波や赤外線波である。受信された波データはピクセルの行列を形成する。ピクセル行列は、マスキング、ストレッチング、又はホットスポット除去等の修正ができる。そして、ピクセルはグルコース・レベルと相関関係付けられる積分値値を得るために積分される。相関関係付けは、特定の生物学的実体について較正されたルックアップ・テーブルを使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に人体又は他の生物学的実体の一部である物質の非侵入的なテスト、評価、又は決定を行なうためのシステム及び装置に関する。本発明はより詳細には人体又及び他の生物学的実体に存在する血液などの有機物又は流体中の分子又は他の物質の濃度又は他の特徴を非侵入的にテストし、評価し、又は決定するソフトウェアで実行される装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連米国特許出願 本願は、1998年9月18日にウォルター・ケー・プロニエビックス及びデール・イー・ウインザーにより出願された米国特許仮出願番号60/100,804の「眼球を通じての血糖の測定」の優先権を主張して1999年9月17日にウォルター・ケー・プロニエビックス及びデール・イー・ウインザーにより出願された国際出願番号PCT/US99/21680「眼の光電子的観察に基づく血糖の非侵入的測定」の優先権を主張する。
【0003】
人体又は血液などの生物学的実体に存在する流体又は有機物中に含まれる分子又は他の物質の濃度又はその他の特徴をテスト、評価、又は決定することが必要、若しくは少なくとも望まれる場合がある。血液テストが、例示的に、糖尿病患者の血液中のグルコースのレベルをテストし、評価し、又は決定することを含むさまざまな科学的、医学的、及びその他の応用に使用されている。このようなテスト、評価又は決定は典型的に、糖尿病患者の血液内のグルコースのレベル(すなわち、普通は「血糖」と呼ばれる血液中のグルコースの濃度)を十分に監視するために、特に糖尿病患者の場合は毎日、数回、血液サンプルを抜取ることが必要であるという侵入的な手順により達成される。
【0004】
糖尿病患者の場合、侵入的手順は典型的には、指先又は耳たぶから適当な刺す道具を使用することにより血液を物理的に抜き取ること、又は、静脈から適当な皮下注射器を使用して血液を物理的に抜き取る。血液サンプルは、一旦、抜き取れられると、あるレベルの正確性と信頼性でもって血液グルコースのレベルを決定する適当な装置内に置かれる。このような装置は、最近、糖尿病患者が彼等のグルコースのレベルを自身でテストするために使用する手で持って運べるモニターの形式を有する。従来はこのように、糖尿病患者は刺す道具により彼又は彼女の血を抜取り、モニター内に挿入されるインデケータ小片上に抜取った血を置く。そして、置かれた血は解析されて、糖尿病患者の血液内のグルコースのレベルの表示を提供する。これに対応して、糖尿病の患者でなくとも血液グルコースを侵入的にテストし、評価し、又は決定することが必要なさまざまな科学的及び医学的応用が存在する。
【0005】
言うまでも無く、血液グルコースのレベルをテストし、評価し、又は決定するための侵入的な手順はしばしば痛く、不快であり、怖く、そして全体的に望ましいものではない。発明者の一人は糖尿病であり、従って、これらの不利益について詳しい。子供や、重病人や、虚弱な人や、つぶれた静脈を有する者又は他の障害を有する者などの糖尿病患者の場合は特にそうである。糖尿病患者及び他の者から侵入的に血液を抜取ることは、感染の危険、見苦しい傷跡、付随した感覚の損失、侵入的に血液を抜取る望ましくない経験の繰返しに起因した病気又は既存の慢性状態の悪化をもたらす。事実、これらの不利益によりしばしば多くの糖尿病患者が血液グルコースのレベルを十分にテストすることを完全に思いとどまらせて、これにより重篤な又は生命に危険な合併症を引き起こす顕著なリスクを生じて彼等の寿命まで縮める。上述の不利益は上記の従来の手で持って運べるモニターは相対的に大きなエラーを受け易いという事実により一層に悪化される。事実、2つの別個のモニターが15−30パーセント又はそれ以上の血液グルコースの異なるレベルを示すことは相対的に普通である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、人体中の血液グルコースのレベル(すなわち、血液グルコースの濃度)を非侵入的に且つ比較的に正確で信頼性のあるテスト、評価、及び決定し、これにより血液グルコースのレベルをテストし、評価し、又は決定するのに付随した痛み、不快、恐怖、及び全体の望ましくないことを除去し若しくは実質的に減少するシステム及び装置の明確な必要性が存在することが理解できる。また、人体中又は他の生物学的実体中に存在する血液などの有機物又は流体中の分子又は他の物質の濃度を非侵入的に且つ比較的に正確で信頼性をもってテストし、評価し、又は決定する装置及びシステムについて付随した必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこれらの必要性を解決する、生物学的実体の分子又は他の物質の1つ以上の特徴を非侵入的にテストし、測定し又はその他の評価し、又は決定するコンピュータ・ソフトウェアで実行されるシステム、方法、装置、及び製品である。
【0008】
本発明の1つの実施の形態によれば、波データが操作される。特に、生物学的実体から反射された波データは受信され、受信された波データは生物学的実体内の物質と相互に関係付けられる。波データは、光波を含み、生物学的実体は人体又は血液を含む。これに加えて、例えば、物質は分子又はイオン物質を含む。分子は、例えば、グルコース分子である。
【0009】
さらに、波データは受信された波データと共にピクセル行列を形成するのに使用される。ピクセル行列はホットスポットをマスクする、引延ばす、又は除去する技術により修正できる。
【0010】
そして、ピクセルはグルコース・レベルと相関関係のうる積分値を得るために積分できる。相関関係プロセスは、特定の生物学的実体に対して較正されたルック・アップ・テーブルを使用する。さらに、振幅及び位相角が反射された波データについて計算されて、生物学的実体内のグルコース・レベルを識別するのに使用される。これに加えて、反射された波データは緑内障圧力を決定するのに使用できる。
【0011】
グルコース・レベルがコンピュータに取付けられたモニター上に表示できる。コンピュータは可搬性で、データ処理システム及び波反射捕獲システムを有する自己含有ユニットである。一方、コンピュータは他のコンピュータのネットワークに接続されていて、反射された波データがコンピュータに受信されて処理のためにネットワーク内の別のコンピュータへ転送される。
【0012】
本発明の別の実施の形態によれば、グルコース濃度を非侵入的に測定する技術が提供される。特に、眼から反射された光波がピクセルとして受信される。ピクセルは積分値を形成するために積分される。そして、積分値がグルコース・レベルと相関関係付けられる。
【0013】
ピクセルは眼の中心を識別し、眼の瞳孔の回りの平均的明るさを計算し、基本線として瞳孔回りの明るさを使用して眼の虹彩をイコライゼーションし、眼の瞳孔をマスクし、及び/又はホットスポットを除去するために処理される。
【0014】
さらに本発明の別の実施の形態によれば、非侵入的にグルコース濃度を測定する技術が提供される。特に、生物学的実体から反射された光波が受信される。振幅及び位相角が反射された光波について計算される。振幅及び位相角を使用して、生物学的実体内のグルコース・レベルが識別される。生物学的実体は例えば、眼、皮膚、血液、又は爪ベッドを含む。
【0015】
受信された光はピクセルを含んだ行列を形成する。振幅が全てのピクセルを加算することにより計算される。位相角がxGRU値を得るために行列のピクセルの行を加算し、yGRU値を得るために行列のピクセルの列を加算し、そしてxGRU値とyGRU値の比を計算することにより計算される。真の振幅が、光波から形成されたピクセルの和から位相角を引算することにより計算される。
【0016】
ピクセルの行列が、行列の一部をマスクするために処理される、又は反射された光波にフィルターを適用することにより処理される。さらに、平均の所望の値を得るためにピクセル値を修正する自動レベル制御が実行される。また、自動精密同調が実行される。
【0017】
本発明の他の特徴及び利点が、対応する部分には同様の参照番号を付した添付の図面を参照して、本発明の原理を説明する例示としての好適な実施の形態の以下の説明からより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の1つの実施の形態を実行するのに使用されるハードウェア環境を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態のハードウエア環境を示す、より詳細には、典型的な分散コンピュータ・システムを示す概略図。
【図3】本発明の1つの実施の形態に使用される商業的ユニットに適合されることを考慮したCCDカメラ集合体の平面を示す概略図。
【図4】集中照射配置で図3のカメラ集合体を使用した、眼の光電子測定から得られるイメージ入力データ流れを示すブロック図。
【図5】拡散照射手法を説明する幾つかの変形の内の1つの代表的な照射幾何学的配置の等角投影図。
【図6】特にフォーム眼及び額レストを含んだ光学ベンチの斜視図。
【図7】図6のより詳細な図。
【図8】初期の眼追跡システムの斜視図。
【図9】カメラ・レンズの前に搭載されて眼の方向へ小さな光源を向けるための初期のべゼルの斜視図。
【図10】一般にシステムの中心線に沿って長手方向の正面を見た光源と目を示す図9のべゼルの拡大図。
【図11】システムが主題の眼をイメージングして偽の光イメージを示す時にコンピュータ・スクリーン上に見える代表的な制御パネルの一部を示す図。
【図12】プログラム内の異なる処理ステージの結果を表すヒストグラムを特に示す、同じ制御パネル・ディスプレイの別の部分のヒストグラムを示す図。
【図13】従来のユニット内の患者の血液グルコースの実際の濃度と典型値を相関関係付けるために使用される制御及び平均的なプログラムと関連した制御パネルのディスプレイを示す図。
【図14】ここに説明されるグルコース濃度測定システムのある形式と類似した装置により緑内障圧力を自動的に決定するために使用できる焦点距離測定を図式的に示す図。
【図15】本発明の1つの実施の形態の非侵入的測定システムにより実行されるステップを示すフロー・チャート。
【図16】本発明の1つの実施の形態の制御パネルを示す図。
【図17】本発明の1つの実施の形態の別の制御パネルを示す図。
【図18】異なる設定のために較正されたさまざまな位相/振幅ルックアップ・テーブルを示す図。
【図19】イメージA及びイメージBのヒストグラムほ示す図。
【図20A】本発明の1つの実施の形態の非侵入的測定システムにより実行されるステップを示すフローチャート。
【図20B】本発明の1つの実施の形態の非侵入的測定システムにより実行されるステップを示すフローチャート。
【図20C】本発明の1つの実施の形態の非侵入的測定システムにより実行されるステップを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、添付図面を参照して、本発明の特に好ましい実施の形態を説明のために示す。添付図面を参照した以下の好適な実施の形態の説明は例示として本発明の原理を説明する。本発明の範囲から逸脱することなく構造的な変更ができるため、別の実施の形態も使用できる。
【0020】
A.非侵入的測定システムの概観
本発明は、入力として電磁気スペクトルの波を有する非侵入的測定システム、方法、装置、及び製品(以下、非侵入的測定システムという)を含む。電磁気スペクトルは、可視光、赤外線及び紫外線放射、オーディオ送信及びX線を含む広いスペクトルの波長と周波数を含む。以下に説明する本発明の実施の形態では、光波(可視光及び赤外線)に焦点が置かれている。しかし、本発明は以下に説明する処理にふさわしい情報を提供する他の形式の波も包含することが理解できる。
【0021】
受信された波は、生物学的実体(例えば、人間又は他の動物又は生物学的実体からの物質)から反射されたものである。特に、波は眼、皮膚、爪、又は血液サンプルから反射される。波は波反射捕獲システム(例えば、カメラ)により受信される。非侵入的測定システムは受信された波を処理して、反射波を生物学的実体の物質と相互関係付ける。例えば、以下に説明される実施の形態では、反射波は人体の血液中に見られるグルコース(すなわち、普通、血糖と呼ばれる)の濃度を決定するために使用される。
【0022】
非侵入的測定システムは、数多くの利点と応用を有する。例えば、非侵入的測定システムは、患者が糖尿病であるかどうかを決定するために使用できる。非侵入的測定システムは、例えば、家族中に糖尿病の歴史を有する個人の血液グルコース・レベルを監視する予防的なステップとしても使用できる。また、非侵入的測定システムは、血液グルコースのレベルを1日に数回、又は1週間に数回等、検査する必要のある糖尿病患者を監視するためにも使用できる。非侵入的測定システムはまた、インシュリン注入システムと結合して、非侵入的測定システムがインシュリンが必要であると認識する時、それはインシュリン注入システムに信号を伝えて、インシュリンを注入することができる。さらに、非侵入的測定システムは緑内障圧力を得るために使用できる。
【0023】
非侵入的測定システムはまた、腫瘍を見付けるため及び血栓を見付けて直すためにも使用できる。例えば、非侵入的測定システムは肉を貫通して反射される光を処理することにより乳がんを検出するのに使用できる。
【0024】
非侵入的測定システムはまた、X線及び高エネルギー粒子を使用したさまざまな技術への応用(例えば、医学技術)と共に、光波の代わりに、X線又は他の高エネルギー粒子を処理できる。さらに、非侵入的測定システムは血液中のエタノールなどの他の物質又は異なるタイプのミネラルを検出し又は強調するために紫外光線を処理できる。非侵入的測定システムは物質をそれらの回転に基づいて識別することができる(例えば、グルコース分子はその密度が増加するとき時計方向に回転するが、フルクトース分子は反時計方向へ回転する)。
【0025】
利点については、非侵入的測定システムは身体を刺す必要性又はその他の方法で血液サンプルを得る必要性を効率的に除去し、従来の1つの接触グルコース・モニターを使用する不快、恐れ、その他の欠陥を取除く。これに加えて、非侵入的測定システムは、例えば、手のひらに乗るような小さなユニット又はモニターとして製造でき、従って、家庭で、事務所又は他のビジネスで、又は車内、レストラン等で使用できる。
【0026】
B.ハードウェア環境
1つ実施の形態では、波入力がコンピュータへ与えられて、入力の処理が実行されて、そしてコンピュータに取付けられたモニターに結果が表示される。図1は、本発明の1つの実施の形態を実現するために使用されるハードウェア環境を示す。本発明は典型的に、一般に1つ又はそれ以上のプロセッサ102、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)104、データ記憶装置106(例えば、ハード、フロッピイ、及び/又はCD−ROMディスク・ドライブ等)、データ通信装置108(例えば、モデム、ネットワーク・インターフェイス等)、ディスプレイ装置110(例えば、CRT、LCD装置、等)、及び入力装置112(例えば、カメラ、ビデオ・レコーダ、マウス・ポインティング装置及びキーボード)を含むコンピュータ100を使用して実現される。コンピュータ100に読出し専用メモリ(ROM)、ビデオ・カード、バス・インターフェイス、プリンターなどの他の装置が取付けられることが想像される。当業者には理解されるように、コンピュータ100と共に、上記部品のどんな組合せ、どんな数の異なる部品、周辺機器、及び他の装置が使用できる。
【0027】
コンピュータ100は、オペレーティング・システム(OS)114の制御下で動作する。コンピュータ100の電源が投入された又はリセットされた時、オペレーティング・システム114は制御の実行のためにコンピュータ100のメモリ104内にブートされる。次に、オペレーティング・システム114は、非侵入的測定システム118及びカウンタ120などのコンピュータ100による1つ以上のコンピュータ・プログラム116の実行を制御する。本発明は一般的に、オペレーティング・システム114の制御下で実行されて、そしてコンピュータ100に以下に説明するような所望の機能をさせるこれらコンピュータ・プログラム116で実現される。非侵入的測定システム118から分離して示されるけれど、当業者にはカウンタ120は非侵入的測定システムの一部として認識できる。
【0028】
オペレーティング・システム114及びコンピュータ・プログラム116ぱ、コンピュータ100により読み出されて実行される時、コンピュータ100に本発明を使用及び/又は実現するのに必要なステップを実行させる命令を含む。一般に、オペレーティング・システム114及び/又はコンピュータ・プログラム116は、メモリ104、データ記憶装置106、及び/又はデータ通信装置108などの装置、媒体、キャリアから読出し可能に及び/又は有形的に具現化されている。オペレーティング・システム114の制御下で、コンピュータ・プログラム116は、実際の動作の際の使用のためにコンピュータ100のメモリ104内にメモリ104、データ記憶装置106、及び/又はデータ通信装置108からロードされる。
【0029】
このように、本発明は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらのどんな組合せも作成する標準のプログラミング及び/又はエンジニアリング技術を使用した方法、装置、システム、又は製品として実現できる。ここで使用される「製品」(代替的に、「コンピュータ・プログラム製品」)という言葉は、インターネットを含むどんなコンピュータ読取り可能装置、キャリア、又は媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムを含むことを意図している。もちろん、当業者は本発明の範囲を逸脱することなくこの構成に多くの修正を行なうことができることを理解する。
【0030】
当業者には理解できるように、図1に示される環境は本発明を限定する意図はない。実際、当業者は本発明の範囲から逸脱することなく別の代替的なハードウェア環境を使用できることを理解できる。例えば、コンピュータ100は、データ処理システム及び波反射捕獲システム(例えば、カメラ)を含んだ可搬性、自己含有ユニットである。コンピュータ100はほぼ平均的な人の手のひらのサイズである。さらに、非侵入的測定システム118はここに説明されるのとは異なる装置に組み込まれても良い。さらに、カウンタ120は、非侵入的測定システムの使用を特定の時間の期間(例えば、1年)又は特定の使用回数(例えば、1000回の使用)に限定する構成されたソフトウェアを含む。
【0031】
本発明の別の実施の形態において、波入力がクライアント・コンピュータヘ与えられ、そして解析のためにサーバー・コンピュータへデータを送信する。図2は、本発明の実施の形態のハードウェア環境を示し、より詳細には、クライアント・アプリケーションを実行するクライアント・コンピュータ202をソフトウェア及び他のコンピュータ・プログラムを実行するサーバ・コンピュータ204へ接続し、そしてサーバ・システム204をデータ・ソース206へ接続するためのネットワーク200を使用した典型的な分散コンピユータ・システムを示す。資源の典型的な組合せは、パーソナル・コンピュータ又はワークステーションであるクライアント・コンピュータ202及びパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、ミニコンピュータ、又はメインフレームであるサーバ・コンピュータ204を含む。これらのシステムは、LAN、WAN、SNAネットワーク及びインターネットを含むさまざまなネットワークにより互いに結合される。クライアント・コンピュータ202及びサーバ・コンピュータ204の各々は、追加的に、オペレーティング・システム及び1つ以上のコンピュータめプログラムを含む。
【0032】
クライアント・コンピュータ202は典型的にクライアント・アプリケーションを実行し、そして1つ以上のサーバ・ソフトウェアを実行するサーバ・コンピュータ204に結合される。サーバ・ソフトウェアは、非侵入的測定システム210を含む。サーバ・コンピュータ204はまた、データ・ソース206に接続するためにデータ・ソース・インターフェイス及びおそらく他のコンピュータ・プログラムを使用する。クライアント・コンピュータ202は、有線又は無線システムを介してサーバ・コンピュータ204へ双方向的に結合されている。次に、サーバ・コンピュータ204はデータ・ソース206へ双方向的に結合されている。データ・ソース206は地理的に分散されていてよい。
【0033】
オペレーティング・システム及びコンピュータ・プログラムは、クライアント及びサーバ・コンピュータ202及び204により読み出されて実行される時、クライアント及びサーバ・コンピュータ202及び204に本発明を実現及び/又は使用するのに必要なステップを実行させる命令を含む。一般に、オペレーティング・システム及びコンピュータ・プログラムは、メモリ、他のデータ記憶装置、及び/又はデータ通信装置などの装置、キャリア、又は媒体から読出し可能に有形的に具現化される。オペレーティング・システムの制御下で、コンピュータ・プログラムは実際の動作の際の使用のためにコンピュータのメモリ内に、メモリ、他のデータ記憶装置及び/又はデータ通信装置からロードされる。
【0034】
このように、本発明は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらのどんな組合せをも作成する標準のプログラミング及び/又はエンジニアリング技術を使用した方法、装置、システム、又は製品として実現できる。ここで使用される「製品」(代替的に、「コンピュータ・プログラム製品」)という言葉は、インターネットを含むどんなコンピュータ読取り可能装置、キャリア、又は媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムを含むことを意図している。もちろん、当業者は本発明の範囲を逸脱することなくこの構成に多くの修正を行なうことができることを理解できる。
【0035】
1つの実施の形態では、ネットワーク環境において、非侵入的測定システムの全部又は一部がサーバ・コンピュータに存在する。個人はクライアント・コンピュータで、例えば、彼等の目のイメージをサーバ・コンピュータへ送信する。非侵入的測定システムはイメージ・データを処理して、その個人の使用のためにクライアント・コンピュータへ血液グルコース・レベル(普通、「血糖」と呼ばれている)を戻す。
【0036】
当業者は図2に示された例示的な環境が本発明を限定する意図でないことを理解する。実際、当業者は本発明の範囲を逸脱することなく他の代替的なハードウェア環境を使用できることを理解する。
【0037】
C.眼の中のグルコース濃度の非侵入的測定
非侵入的測定システムは、侵入的手順の必要性無しに、血液中のグルコースの濃度を決定する。非侵入的測定システムは、眼から反射された光を解析することによりグルコースのレベルを決定できる。
【0038】
手で持つことのできる照明及びイメージング・システムが血液グルコース測定を行なうために使用できる。このシステムは、網膜からではなく、眼の虹彩部分からの反射光を積分することにより有利に動作する。数多くの前部の血管が外部の光学技術により血流内容を直接に観察する手段を提供する。
【0039】
この領域のグルコースの蓄積は反射光の強度に変化を与える。より多くのグルコースが存在すると、反射光のレベルがより高くなる。この領域のグルコースの濃度は潜在的に秒単位で変化できる。
【0040】
この光反射の変化は、通常の観察技術により見るには小さすぎる。血液グルコース変化を検出するためには10,000内の1部ほど小さい光強度変化を測定する能力が必要とされる。
【0041】
CCDカメラが眼球のイメージを取り、そのイメージはデジタル化される。これらのデータは、瞳孔のピクセルを取除くために処理される。虹彩ピクセルのみがグルコース・レベルの表示として使用される。しかし、別途説明するように、瞳孔ピクセルは基本線及び照射レベルを展開するのに使用される。
【0042】
虹彩ピクセルは単一の強度数を作るために積分(加算)される。これは時々、「積分データ数」又は短くIDNと呼ばれる。交換的に、グルコース値に対するGLUと指示される。
【0043】
IDN(又はGLU)値は、イメージ光景及び照明相違を取除くことにより較正される。さらに、非常に正確なIDN対血液グルコース(GL又はグルコース・レベル)相関関係を作成するために個別の患者について較正される。繰返される光景幾何学が正確な測定のために大変望ましい。
【0044】
上記したように、主要なIDN較正技術は瞳孔反射と幾何学的データを使用する。入力光レベルの変化は、瞳孔の明るさを検知することにより検出される。
【0045】
瞳孔の平均反射強度レベルは、IDN処理のための暗レベル基本線として使用される。瞳孔のそれよりもより高い強度のみがIDNに積分される。
【0046】
これは光景対光景自動光レベル較正である。もし、光景光レベルが上昇すると、瞳孔と虹彩のレベルも上昇する。瞳孔レベルがより高い虹彩レベルをオフセットし、光景対光景相対明るさを保存する。これはグルコース・レベルの増加のみが測定された強度の増加を発生することを保証する。
【0047】
以下の擬似コードは非侵入的測定システムにより実行される処理を反映する。以下に、さらに詳細にこれらの処理ステップの各々について説明する。
【0048】
1.眼のイメージを得る 2.瞳孔の中心を見つける 3.瞳孔の中心回りの平均の明るさを計算する 4.眼の瞳孔領域をマスクする 5.レベル基本線として瞳孔の明るさを使用して虹彩のイメージをイコライズする 6.もしあれば、ホットスポットを除去する 7.処理された虹彩ピクセルの全てを積分する 8.最も近いIDN対GL相関関係を見つけるためにルックアップ・テーブルを探す 9.該当するグルコース数をGLで表示する C.1眼のイメージを取る 眼のイメージを取ることは、眼の写真を取ることをいう。特に、非侵入的測定システムは、眼に可視光及び近赤外線の広いスペクトルを送信される。送信される光は、タングステン灯、光放射ダイオード(LED)及び白色又は色付き電灯などの異なるソースから来ることができる。
【0049】
非侵入的測定システムは、波の一部の戻るのを受取る(すなわち、波のある部分は吸収される)。1つの実施の形態では、戻ってきて受取られて使用される部分は赤外線波を含む。血液グルコースが変化する時、反射光の量が変化する。これはグルコースは光を反射する物質でそれが増加する事実に起因すると信じられる。一方、血液は光を吸収する。従って、血液内のグルコースが増加する時、グルコース物質からより多くの光が反射され、より少なく血液により吸収される。
【0050】
非侵入的測定システムは、カメラ・レンズの直接前に光源を保持する装置を含む。光源は、カメラ・レンズの幾何学的中心から眼を照射するように作られている。これは均一に眼を照射し、反射及びホットスポットを除去する。
【0051】
2つの追加的な効果がこの中心照射幾何学から得られる。
【0052】
1.光源が患者に対して視覚的な中心目標となる。そして、 2.光源がイメージ中心を見付けるためのピーク振幅点となる。
【0053】
眼の方向へ光を送信した後、非侵入的測定システムは眼の写真を取る。これは眼から反射された光波をレンズ・システムを通過させる。レンズは波をCCD検出器の表面上に収束する。波は、異なる量のエネルギー及び異なる角度で入射する。これがCCD検出器のピクセルにより表される写真を作る。8ビットCCD検出器により、各ピクセル値は0−255の範囲に入り、この範囲の各値はグレイの異なる影に対応する。
【0054】
CCDは、半導体の1つの出力が別の入力になるように接続された電荷結合素子である。CCDカメラはCCDセンサーと呼ばれる電子チップに基づいている。これらの部品は光に敏感で、写真をデジタル化してコンピュータに記憶するのを可能にする。CCDチップは光敏感キャパシターの配列である。このキャパシターは光により発生された電子により荷電される。CCD配列に届いた各光要素はいくつかの電子を動かして電流源を作る。電流源はピクセルと呼ばれる小さな限定された面積に局所化される。ピクセルがCCD行列を形成する。
【0055】
特に、このチップの表面層は、格子を含み、格子の各セルはそこに入る光の強度と時間に比例した電荷を発生するシリコン・ダイオードである。全てのセルに放電回路が接続されている。これらのセルの後に対となるピクセルの格子がある(すなわち、CCD行列)。各セルはオン・オフ(2進)値ではなくアナログ電圧を記憶する。ピクセルの記憶容量はまた井戸(ウェル)とも呼ばれ、典型的なピクセルの電荷記憶容量は数十万電子である。
【0056】
一般に、電荷はアナログ−デジタル(A/D)変換器を通じて電圧に変換される。A/D変換器において、ピクセルの電荷は0−255の範囲の8ビット数に変換される。この8ビット数はピクセル・データ数と呼ばれる。ピクセル・データ数は各ピクセルの変換された振幅を表す。非侵入的測定システムは、白黒CCDテレビジョン(TV)カメラ及びパーソナル・コンピュータを使用する。人の手のひらに入る非侵入的測定システムの完全な可搬性バージョンが現在、可能である。CCDカメラはCCD表面に入る光エネルギーの量を表すために8ビットを使用する。8ビットが光エネルギーの量を表すために使用されるため、明るさを256(0−255)レベルで表現できる。
【0057】
代替的な実施の形態では、フィルターが使用される。特に、バンドパス・フィルターがカメラ・レンズの前と光の後ろに置かれる。これは可視光スペクトルの大部分を除去するために光をフィルターする。フィルターが使用されるさらに別の実施の形態では、光波は特定の波長値の直前又は直後で遮断される。
【0058】
別の実施の形態では、デジタル・カメラが使用される。デジタル・カメラによると、CCD表面に入る光のエネルギーの量を表すために312ビットが使用される。312ビットは、0から4096の範囲(0から255ではなく)の光のエネルギー量を表すために使用される。これは光エネルギーのより良い解像度を与える。
【0059】
C.2瞳孔の中心を見つける
次の処理ステップは、瞳孔の中心を見付けることである。非侵入的測定システムは、イメージ上に瞳孔を中心付ける。特に、写真を取る時、写真のイメージがカメラからモニターを有するコンピュータへ送信される。血液グルコース値(すなわち、濃度)を計算するのに使用するために写真を「スナップ」する前に、非侵入的測定システムは、眼を写真の中心に物理的に置くためにカメラ・レンズに対して目を調節することを可能にする。これに加えて、一旦、写真が取られると、CCD行列のピクセルは配列内に行順序により順次に記憶される。配列の中心は写真の中心ピクセルを識別する。すなわち、非侵入的測定システムはエネルギー中心を見付ける。
【0060】
瞳孔の中心を見つけると、非侵入的測定システムはまた次の処理を実行する。瞳孔イメージから光源を除去するために光源内の領域をゼロ・アウトし、カメラ・フレーム内の眼のレジストレーションを決定して、使用できるイメージ面積を計算し、光源中心位置から瞳孔マスクを成長させてそしてそれをイメージ内の瞳孔領域を覆うために使用し、そして暗レベル較正のために整列された瞳孔マスク下の領域を獲得する。これらは以下により詳細に説明する。
【0061】
C.3瞳孔中心回りの平均の明るさを計算する
次に、非侵入的測定システムは瞳孔中心回りの平均明るさを計算する。非侵入的測定システムは瞳孔を黒点として取扱う。瞳孔の中心を見つけた後、非侵入的測定システムは、瞳孔の中心から水平方向及び垂直方向に150ピクセルを取り、そして平均明るさを計算する(すなわち、加算されたピクセル数によりピクセル値の和を割算する)。この平均が瞳孔の中心の平均明るさである。これがさらなる計算のための基本線値として使用される。
【0062】
C.4瞳孔領域をマスクする
非侵入的測定システムは、眼の瞳孔領域をマスクする。非侵入的測定システムは瞳孔を覆うのに十分な中心領域をマスクする。人により異なる大きさの瞳孔を有する。マスクされるべき面積は大部分の個人の瞳孔を覆うのに「十分に大きい」量であった。1つの実施の形態では、この「十分に大きい」値は実験的に約90,000平方ピクセルであることがわかった。非侵入的測定システムは瞳孔の周りに十分に大きいボックスを形成してボックス内のピクセルをゼロに設定する。そして、瞳孔が暗レベル基準である。マスキングは瞳孔をさらなる処理から除外する。このように、非侵入的測定システムは処理されるべき虹彩内のいくつかのピクセルを定義する。
【0063】
人により異なる大きさの瞳孔を有するが、人に対してマスクの大きさを同じに保つことにより、非侵入的測定システムは異なる人に対してほぼ同じ数の虹彩のピクセルを処理する。もし、個人間の瞳孔直径及び瞳孔中心の変化が一定に維持されないと、積分について利用できる虹彩ピクセルの全数が変化する。これらの効果を制御するために、ソフトウェア瞳孔マスクが使用される。これは瞳孔の周りの固定された領域をゼロ・アウトする。
【0064】
ソフトウェア瞳孔マスクは、最大の瞳孔直径よりも大きく、瞳孔中心誤りをカバーする。いくつかの虹彩ピクセルがこの処理中にゼロにされるが、しかし、全てのイメージ・フレームが同様に処理される。瞳孔マスクは好ましくは常に同じ大きさであり、従って、全てのイメージ・フレームは同じ数の虹彩ピクセルを含む。瞳孔の変化による幾何学的変形が取除かれる。
【0065】
代替的な実施の形態では、マスクの大きさは個人詩人の瞳孔の大きさに基づいて決定される。
【0066】
C.5レベル基準線として瞳孔明るさを使用して虹彩イメージをイコライズする
非侵入的測定システムはまた、イメージ・コントラスト・イコライゼーションを適用する。これは、ストレッチとも呼ばれる。これはピクセルをピクセル・データの完全なダイナミック範囲に満たす。瞳孔基本線データがこの処理のために適用され、瞳孔よりも明るいピクセルのみが再マップされる。この結果、以降の処理が光景レベル・バイアスされて完全な振幅範囲へイコライズされたデータを使用して行なわれる。
【0067】
ストレッチはピクセル・データを表す8ビット数(すなわち、ピクセル・データ数)を取り、ピクセル・データ数を0−255の完全なダイナミック範囲に再マップする。マスクされている瞳孔は、全てゼロを含む。例えば、もし、最も明るいピクセルが95ならば、非侵入的測定システムは、0−95の値を、0−5をゼロにマップしそして90−95を255へマップすることにより、0−255にマップする。このように、いくつかの値(例えば、12、13、及び14)は、同じ数(例えば、56)にマップできる。これは眼の光景内の小さな変化を解決する(例えば、涙)。
【0068】
イメージ処理領域で良く知られている自動ストレッチと呼ばれる技術が使用される。これは照明の小さな変化を補償する(例えば、もし光源がドリフトしたり若しくはもし室内灯が非侵入的測定システムにより送信された光と同じく到達したりする)。これはまた、順次の写真について目に光が同じく入らない問題を処理する。一貫性が結果のより良い正確性のために必要である。光源の変化などの変化を取除くことにより、非侵入的測定システムは他の変化ではなく血液内のグルコースのレベルの変化を表すピクセルの変化を検出できる。
【0069】
さらに、非侵入的測定システムは、非線形ストレッチであるガンマ・ストレッチを使用できる。ガンマ・ストレッチは明るい太陽光を処理する。特に、ガンマ・ストレッチは暗いときにより多く増幅し、明るい光がある時により少なく増幅する。大部分のカメラはガンマ回路を有する。非侵入的システムに対して、ハードウェア・ガンマ・ストレッチは切られている。しかし、1つの実施の形態では、制御されたソフトウェア・ガンマ・ストレッチは戻りレベルの特定領域を増強するのに使用される(例えば、写真の底及び頂上レベル)。
【0070】
C.6もし存在すればホットスポットを取除く
ホットスポットは、外部の光の照射(例えば、外界光)又は眼の不均一な照射(例えば、光源が眼の中心上にないか又は光の反射が存在する)である。一旦、非侵入的測定システムにより照射が設定されると、照射は変化しない。従って、ホットスポットの位置は光による実験により見付けられる(例えば、眼に反射された光源を見ることができる)。これは、特定の照射システムに基づいたカスタマイズされたマスキングを導く。
【0071】
既知のホットスポットを取除くために、非侵入的測定システムはホットスポットの周りにボックスを描き、ボックス内のピクセルをゼロにする。ボックスの大きさは実験的に見つけられ、使用される照射システムに基づいて異なる。
【0072】
すなわち、良い光源拡散がホットスポットを防止するために必要である。さらに、非侵入的測定システムはソフトウェア・マスクによりホット・スポット除去を実行する。このように、ピーク信号振幅が積分プロセス前に除去される。
【0073】
非侵入的測定システムは光源(瞳孔の中心のホットスポットとして見える)を見つけて、その位置に基づいて位置合わせが実行される。
【0074】
C.7処理された虹彩ピクセルの全てを積分する
非侵入的測定システムは、眼の写真を形成するピクセルを加算する。瞳孔がマスクされるているため(すなわち、ゼロにセットされている)、加算されるピクセルは虹彩のピクセルである。ピクセルの合計は「積分データ数」又はIDNと呼ばれる。IDN値は交換的にグルコース値に対する「GLU」と示される。
【0075】
C.8最近のIDN対GL一致を見つけるためにルックアップ・テーブルを探す
ピクセルの合計は、積分データ数(IDN)を与える。非侵入的測定システムは、IDN対GLルックアップ・テーブルを使用してIDNをグルコース・レベル(GL)へマップする。ルックアップ・テーブルが効果的にグルコース濃度の相関関係を与えることが理解される。すなわち、それは異なるグルコース濃度に相関関係付けられた値の範囲を与える。
【0076】
IDNを真のグルコース測定に変換するプロセスは、結果が所定の誤りバンド内にあることを確証するために単純なルックアップ操作を必要とする。IDNからデシリットル当りミリグラム(mg/dl)への相関関係は、以下の公式により表される。「平均」という名付けられたプログラム(以下のC.12節で説明される)が、連続して取られた同じ眼のイメージの一連に対してIDN値を比較することにより最小及び最大IDN値を決定する。同様に、プログラムはイメージの同じ一連に対してGL値を比較することにより最小及び最大GL値を決定する。プログラムはまた、ルックアップ・テーブルを使用して実際のグルコース・レベルを決定する。
【0077】
【数1】

これらの項は以下の通り定義される。
【0078】
IGN =実質的グルコース数 IDNmax =最高可能IDN(積分データ数)
IDNmin =最低可能IDN GLmax =最高可能グルコース値(mg/dl)
GLmin =最低可能グルコース値(mg/dl)
GL =実際グルコース値(mg/dl)
GLでのミリグラム/デシリットル値を挿入するとIGNでの等価IDN値を生ずる。
【0079】
IDNからGLへ行くことはルックアップ・テーブルを捜索又はハッシングすることにより達成される。IDN値が結合されたIDNテーブル値に等しい又はほとんど等しい時、GLがテーブルから取り出されて、グルコース読取りとして出力される。
【0080】
IDNルックアップ・テーブルは、既知のグルコース値に対して複数の較正されたIDNサンプルを平均化することにより作られる。固定誤り範囲は平均IDNからのプラス又はマイナス変位パーセンテイジに基づいている。これは好ましくは全ての利用可能なグルコース数について行なわれる。全てのグルコース数に対する値を得ることが困難なため、完全なテーブルを作るために既知のサンプルの間の値が補間できる。1つの実施の形態では、測定の限られた範囲は上に示された小さな例の変換テーブルを作るために使用された。当業者はより広い範囲のグルコース測定のためのIDN対GLルックアップ・テーブルを作成するために使用できる、イメージ及び実験データのより大きいデータベースを理解できる。
【0081】
IDN対GLルックアップ・テーブルはIDN数の最大及び最小範囲の列を有する。各最小から最大範囲はGL数をマップする。IDN対GLテーブルは個人、ウォルター・ケー・プロウニエビック、の実験により較正された。各実験は、その個人の目のイメージを得るためにカメラを使用し、IDN値を計算し、そして非侵入的測定システムを使用してその個人のGL値を得ることを含む。従来の(ワンタッチ)グルコース・モニターがこの発明の技術により見付けられたグルコース濃度の有効性を確認するために使用された。
【0082】
IDN対GLルックアップ・テーブルがこの実験によりIDN値の範囲と相関関係を有するGL値を識別することにより作成された。
【0083】
以下に、非侵入的測定システムのために構成されたIDN対GLルックアップ・テーブルを示す。
【表1】

【0084】
実験は20人以上の他人で実行された。実験について、各人は非侵入的測定システムによりテストされた、確認のために、血液のサンプルを取る従来(ワンタッチ)のグルコース・モニターでテストされた。各人はその後に血液のグルコース・レベルを増加させた(例えば、ドーナッツを食べることにより)。そして、各人は再び非侵入的測定システムによりテストされた。そして、確認のために、血液のサンプルを取る従来(ワンタッチ)のグルコース・モニターでテストされた。
【0085】
20人は全て大人であり、一人の知られた糖尿病患者が加えられていた。18人は男性で、2人は女性である。全てが白色人種である。瞳孔の大きさの大きな変化が記録された。眼の色は記録されなかった。
【0086】
追加のシステム感度と正確性が複数のフレームを獲得してこれらのIDNを一緒に加算することにより得ることができる。これにより眼の小さな動きに起因する変化は平均化される。デジタル的に加算されたIDNはまた有効積分時間を増加して、大きなダイナミック範囲を生ずる。
【0087】
C.9該当するグルコース数をGLで表示
非侵入的測定システムはGL値をコンピュータ・モニターなどのコンピュータに接続された表示装置上に表示する。カメラ/コンピュータ構成の結合された結果は、コンピュータ・スクリーン又は小さいLCDディスプレイ上にミリグラム/デシリットル単位で血液グルコース・レベルを表す数値出力である。
【0088】
C.10装置の詳細
高解像度白黒デジタル・ビデオ・カメラ集合体(図3)はセンサーとして電荷結合検出器(CCD)配列を使用する。カメラはCCD配列を収納する本体310と、取付けネジ329を有する搭載部分311と、カメラ同期コネクタ312と、ビデオ出力コネクタ313とを含む。
【0089】
ここに説明される詳細の全てはテストのために作られた実験的プロトタイプに関するものである。集合体の代表的な大きさは次の通りである。
【表2】

【0090】
エクステンション・チューブ314が、約2.5センチ(1インチ)の焦点距離を形成する1:1.4レンズ315を保持する。エクステンション・チューブの目的は、眼340の虹彩432(図4)からのデータ量を最大化して眼の白の量をゼロに限定するものである。
【0091】
テストの始まりに「スナッピイ(Snappy)(登録商標)」ショットが選択される。プレイ社により製造されたスナッピイ装置はパーソナル・コンピュータ(PC)用のイメージ・キャプチャー・カードである。それは動くイメージから30分の1秒のフレームを獲得して将来の解析のためにそれを記憶する。全フレームの約40パーセントは、眼の動き、反射、及び眼の白目の露出のため失われる。使用されるフレームは有利的に類似していて、全デジタル数はできるだけ互いに接近していることが好ましい。
【0092】
カメラに対して光学データを作成するため、小さな光源433(図2)が眼430の中心方向へ光434を向け、そして瞳孔431及び虹彩432からの反射435がレンズ315を横断してCCDカメラ310へ送られる。光分散又は波長選択装置が含まれていないことに注意する。
【0093】
このように、CCDカメラ310は眼からの反射光435を見る。生ビデオ・データ437がデジタル・インターフェイス438へ行く。そして、対応するデジタル・データ439を発生してコンピュータ440へ送る。コンピュータは可搬性で、データ処理システム(例えば、コンピュータ440又はマイクロプロセッサ)及び波データを受取る波反射捕獲システム又は受信機(例えば、カメラ310)を含む自己含有ユニットである。
【0094】
図3及び図4の中心照明構成は、眼からのデータ収集及び拡散照明に代わる初期のいろいろな努力の後継者である。これらの最初の成功的で繰返し可能なものにおいて(図5)、40ワット白熱パーティ電球543からの光が、本質的に大きな統合的球面コンセプトである部屋自体の壁の平らな白ペンキにより積分される。
【0095】
光は、影と反射の形成を最小にするためにレンズと眼の間の光学軸541に対して直角に眼430に接近するように構成されている。裸の露出した電球により大部分が発生するホットスポットの問題及び発生する高データ・カウントを最小にするために、照明は光源の周りに置かれた白色の紙の筒から作成された拡散器542を通る。
【0096】
フレームの繰返しの困難さを減少し、CCDカメラをしっかりと保持し、そして反射を除去してシールドするために、フォームの眼当て645(図6)を有する光学ベンチが作られた。これに加えて、頭レスト(図7)が眼を安定するのを助ける。
【0097】
3フィート長の光学ベンチは、水平に置かれた矩形の板及び斜めに回転されて1つの角が頭レストのベース648及びカメラ・サポートのベースの対応した切り欠き溝に嵌った正方形のバーとを含む、2つのアルミニウム・レール647(図6)から作られている。バーはz軸(すなわち、長手方向へ)に沿った移動のみを許す。この幾何学構成はカメラと頭レスト(すなわち、眼の位置)との間の距離設定を可能にする。
【0098】
支持スタンドは、調節ノブを持つ垂直棒手段により上下(y軸)調節が可能である。2つのレールはマシニスト・ジャッキねじから作られた3つの脚を持つ2つの8インチ・クロスバー上に搭載されることにより平行に保持される。1つの脚はクロスバーの中心に取り付けられ、他の2つの脚は他のクロスバーの対向する端に取り付けられていて、古典的な方法で水平を維持する。
【0099】
頭レストは、曲げられたアルミニウム額ピース646を保持する2つの1フィート長のネジが切られた垂直ロッドを支持するためにスライディング・アルミニウム・ベース648に搭載される。全機構は中心の垂直支持ロッド753上に搭載される。クロスバー752はソフト・パッド(図示しない)上のテスト者のあごを支持し、額は頭を安定にするために頭ヘッド・ピース646に対して支持される。調節と固定は調節スクリュー752により容易に行なわれる。
【0100】
CCDカメラは商業的支持スタンドに設定された支持ロッド上に搭載される。ロッドは筒状ボール紙の光遮蔽体649(ボール紙の郵送用筒から作られる)内のカメラに取り付けられる。トラップドアが遮蔽体内でカメラを中心位置に置く2つのカメラ支持スクリューによる筒状遮蔽体を介してのカメラの調節を可能にする。
【0101】
筒は4インチの直径と14インチの長さを有する。トラップドアは8インチ長で前から1インチ後から始まって筒の半分を区切る。カメラ・レンズの表面は筒の端と同一面にある。筒の内部は平らで白く塗られている。
【0102】
2つの筒、各眼に対して1つ、を持ち、サンプルされていない眼の前に眼トラックー・ディスクが置かれた、いくつかの幾何学的構成をさまざまな他の実験的設定が含む。1つの実施の形態では、接眼レンズを有さず、データを取らない眼が露出されたシステムが使用される。
【0103】
1つの実験的な設定では、光放射ダイオード(LED)863を運ぶブロック862がスライドして上昇及び下降する864垂直ロッド861に筒状遮蔽体649の上と下で支持された一対の滑り筒スイング腕869(図8)がカメラマウントを固定する。LEDは中央照射のための光源として機能する。滑り筒は水平調節866を可能にする。LEDブロックは垂直移動864を可能にする。
【0104】
実験的な進行における次の発展は機械的眼トラッカーの使用の廃止である。ビデオ・モニターがデータ収集のために見られている眼の実時間ビデオヲ見せるのに使用される。
【0105】
被試験者は、モニター上で彼又は彼女の眼を見て、眼の位置を即座に修正できる。これにより、眼の白目の量を見せることを最小にし、そして不要な反射の検出を可能にする。実時間のビデオを見ることは機械的なトラッキング・システムを使用して眼のトラッキングをするよりも早く簡単である。
【0106】
選択された単一のフレームはフレーム獲得器又はスナッピー(登録商標)イメージ獲得カードを使用して記憶される。この処理において、普通、取られたフレームの半分を破棄しなければならない高データ・エラーのために、データ収集に長い時間がかかる。
【0107】
次にビデオ・レコーダが使用された。実験目的のために、開始時刻、ランプ位色、フィルタ、血液のグルコース値、注釈及び終了時間が音で聞こえるように記録された。
【0108】
4ないし5分間のビデオ・データが連続して取られた。最終結果は後でそこから選ばれる何千のフレーム(1秒当り30のフレームのレートのため)を生ずる。
【0109】
良いフレームが時間を大幅に節約して選択できた。これはまた、正確性と信頼性が大変高くて、市場にある現在の血液グルコース・メータよりもずっと良いことが確かめた。
【0110】
実験的作業はまた、さまざまな幾何学配置において異なる色のLED配列を含む、複数の光源を有するさまざまな照明構成を試験した。現在、好ましい照明幾何学配置は上記したようにLED433(図10)のような単一の光源を与えるものである。
【0111】
これらの構成で最良のものは、LEDがアルミニウム・ベゼル971内のLEDのために中空な中心ハブ973を持つ半径ベーン又はウェブ972(図9及び図10)により中心に保持されるものである。LEDがカメラ・レンズの前に保持されて、眼に向けられる。
【0112】
LEDの後は黒テープ1081で覆われてレンズ(表面)315を遮蔽して、カメラによりLEDの直接光が受取られないようしている。瞳孔431及び虹彩432により反射された光のみがカメラにより受取られる。この構成は被試験者が直接LED、又は、白熱電球の小麦サイズの粒子、を見ることにより被試験者の眼を中心付けることを可能にする。
【0113】
べゼルは2つの大きさのLED、いわゆる、「T1」3mm及び「T−13/4」(5mm)、を収容するように作られている。より大きいLEDは瞳孔全体をマスクし、これにより瞳孔較正のために集められるデータを否定する。収集されたデータはそれにもかかわらず全体システムの線形性を確立するために修正ファクターを得るのに大変に有用である。
【0114】
レンズ・シェードを越えるべゼル部分は1.39インチの内径を有し、0.005インチ壁と0.3インチ深さを有する。LEDを保持するウェブは0.04インチの厚さ(虹彩からCCDカメラへのデータのマスクを最小にするため)と0.125インチの深さを有する。
【0115】
データ収集の目標は、虹彩を少なくとも可能な全デジタル数(D/N)について完全井戸の1/2、又は代替的にCCDカメラの完全井戸の点まで照射することである。経験的なデータ収集及び処理は、完全井戸の1/4が、実験的システムについて較正、引算、及び平均の全ての操作に必要なデータ量を与えるのに必要な最小であることを示唆する。
【0116】
上述した実施の形態はグルコース値を得るためのデータ操作のためにパーソナル・コンピュータ(PC)を使用しているが、本発明は、第1ステップとして可搬性のために、PCを置換えるためのハイブリッド集積回路を作成することを考慮している。糖尿病患者のインシュリン・ポンプに直接に血液グルコース値を送信し、インシュリンの量と使用時間を計算するためにコードされた「フールプルーフ」送信機を開発することにも価値がある。最終的には、例えば、眼鏡に搭載されたセンサーなどの、便利な手段を介して連続的な読取りを行なうことにより糖尿病患者又はその他の人をより普通な生活に戻すことができるだろう。
【0117】
C.11波長効果
グルコース応答が光スペクトルの可視光部分及び近赤外線部分で観察された。ピーク応答は、上述したアルゴリズムついては、スペクトルの黄色、及び黄色/緑、及び近赤外線の部分にあると思われる。
【0118】
上記の観察を一般化して、両波長領域について共通なもの、すなわち、応答レベルは実質的に単調的である、すなわち、異なる波長領域に対してそれぞれ増加関数又は減少関数のいずれかであることに注意することは合理的である。
【0119】
1つの実施の形態では、黒白CCD配列は、血液グルコースの決定のために十分な情報を収集することができる。反射光レベルはグルコース濃度と明確に相関関係を有する。
【0120】
これはデータのさらなるソフトウェア操作にかなり依存することにより達成される。このような操作は、基本的スペクトル差異化を実行するために回転フィルタを使用した初期のプロトタイプの装置により使用された測定モードとは識別され、そして機械的に且つ光学的により単純である。1998年9月18日にウォルター・ケー・プロニイエビックズとデール・イー・ウインザーにより出願された米国仮特許出願60/100,804の「眼球による血糖測定」を参照のこと。
【0121】
C.12イメージ処理ソフトウェア
2つのプログラム、「グルコン(Glucon)(登録商標)」及び「平均」、が本発明を実現するために書かれて、実験を実行して実験から相当な結果を得る道具であった。両プログラムは、「G(登録商標)」として知られている、及び、LabView(登録商標)5.0と知られているナショナル・インスツルメント・コーポレイションからのグラフィカル・プログラミング言語をIMAQ(登録商標)のイメージング・ツールと共に使用して開発された。擬似コードを含む上記の説明はこれらのプログラムの処理を説明する。
【0122】
最初のプログラム、グルコンは光波から情報を抽出する。これはIDN又はGLU値を得るために必要な全ての技術を具現している。2番目のプログラム、「平均」は、イメージが取られた目から得られるIDN又はGLU値を患者の血液グルコースの実際の濃度と相関関係付けるのに使用される。これは全てが特定のグルコース・レベルで取られた、すなわち、素早く連続的に取られた被試験者の眼ののユーザが選択可能な数のイメージを処理する。動作において、「平均」は統計的ボックスを作成し、そして平均及び絶対IDN又はGLU限界を得る。これらの値はIDN対血液グルコース変換テーブルを作成するため使用される。
【0123】
図11は、制御パネル1100を示す。非侵入的測定システムがカメラで被試験者の眼をイメージングしている間、非侵入的測定システムは2つのイメージ(イメージA1102とイメージB1104)と一緒にさまざまなボタンと他の制御含む制御パネルをコンピュータ・スクリーン上に表示する。イメージAとイメージBは、比較のために一緒に表示できる異なる時間に取られた同じ眼の2つの別個のイメージである。しかし、非侵入的測定システムは1つのイメージのみを表示できる。イメージAとイメージBは非侵入的測定システムにより偽カラー強度マップとして表示される。しかし、これらのイメージは添付図面においては白黒形式である。イメージの中心は瞳孔でマスクされる(すなわち、ゼロ・アウトされていて、黒色に対応する)。瞳孔の周りの暗い色は実際は赤であり、眼の中の血液グルコースの濃度が高いことを示している。GLU又はIDN値がデシリットル当りミリグラム(mg/dl)でイメージから計算される。イメージAとイメージBは本発明を理解することを容易にするが、本発明を実施するのには必要ない。
【0124】
制御パネル1100は、フィルタ・ファクターの設定を可能にするX制御を含む。Filter制御はフィルタをオン又はオフする。MeanA制御はイメージAの平均を表示する。DEVA制御はイメージAに対する標準偏差を表示する。MeanB制御はイメージBの平均を表示する。DEVB制御はイメージBに対する標準偏差を表示する。GRUA制御はイメージAに対するGRU値を表示する。そして、GRUB制御はイメージBに対するGRU値を表示する。BLKA&Bはそれぞれ、A&Bイメージ内の暗ピクセル(0DN)の数を表示する。LO制御は最小ストレッチ限界を設定する。HI制御は最大ストレッチ限界を設定する。THRESH制御はしきい値を設定し、IDNが加算される時、もし、しきい値が設定されると、加算はそのレベルで開始して、そのレベル以下のどんなピクセルを含まない。GLIM制御はIDN加算がこれよりも上の値を含まないことを指示する。BIASA制御はイメージAに対する瞳孔の明るさ平均レベルに加える。BIASB制御はイメージBに対する瞳孔の明るさ平均レベルに加える。LEVELA&B制御は各イメージの瞳孔の平均明るさを示す。PATHAとFILENAMEAは、イメージAの記憶場所を見付けるために使用されるパスとファイル名を与える。PATHBとFILENAMEBは、イメージBの記憶場所を見付けるために使用されるパスとファイル名を与える。GAMA制御は、ガンマ・ストレッチ制御である。FMODEは異なるフィルタ形状モードを選択する。
【0125】
XPOS制御はイメージ上のマウスのX位置の読取りを与え、YPOS制御はイメージ上のカーソルのY位置の読取りを与える。XPOSとYPOSは一緒に特定のピクセルの選択を可能にする。DN制御はカーソル下に位置するピクセルのデータ数を表示する。DELTA制御は、AとBフレーム間の線又は行イメージ部分の和の差を示す。これらは図11に示される2つの波形図に示されるピクセルの累積値である。SUMX/SUMYと印が付けられたスイッチは、イメージ内の行と列の間を選択し、そしてこれらのデータが加算される。和はDELTA制御により比較されて表示される。CENTA&B制御はそれぞれのイメージの中心のX及びY位置を示す。A&BLINES制御はユーザが図11のSUMチャートを操作することを可能にする。SUGARA制御は、イメージAと相関関係のあるグルコース・レベルを表示する。ERRORA制御はエラーが検出された時に光る。ERRORAに光がついた時、SUGAR表示は消される。NEG制御は、第2フレーム(すなわち、イメージB)が第1フレーム(すなわち、イメージA)よりも小さいGRUを有する時に赤となる。それは第2フレームが第1フレームよりも大きいGRUを有する時は緑である。STR制御は、主線形ストレッチをオンにする。COL制御は偽カラー又は白黒を選択可能にする。SUMX及びSUMY制御は、2つのイメージのグラフ中のXの和又はYの和の表示を可能にする。A+B制御は、2つのチャンネル(すなわち、2つのイメージ)が処理されていることを示す。BW制御はグラフの背景を白又は黒に設定することを可能にする。CLONE制御は第2フレームを第1フレーム内にクローンすることを可能にする。その時、もし所望ならば、新しいフレームが第2フレーム内に持って来られて異なるフレーム間の比較を続けることができる。3D制御はイメージが擬似3Dとして表示されるべきかを示す。PCUT制御は瞳孔カッターをオン又はオフする。ICUT制御は、IRISカッター(瞳孔のみを残す)をオン又はオフする。CAL制御は線形ストレッチのために瞳孔の較正をオンに設定する。STOP制御は、プログラムを停止する。この時、写真は操作できる(例えば、水平方向および垂直方向に移動され、マウスが個々のピクセル値を識別するためにカーソルを移動するのに使用できる)。SNAP制御は、スクリーンの写真をスナップしてビットマップとして記憶するためにプログラムを呼出す。SAVEボタンは直接に写真をビットマップとして記憶する。SUGARB制御は、イメージBと相関関係にあるグルコース・レベルを表示する。エラーB制御はエラーが検出された時に光る。
【0126】
図12は、プログラム内の異なる処理段階の結果を表すヒストグラムを特に示す、同じ制御パネル表示の別の部分である代表的なヒストグラムを示す。ヒストグラムA11200は最初のイメージA(図11から)を表す。ヒストグラムA21202は、データが規格化されてストレッチされた後のイメージAを表す。同様に、ヒストグラムB11204は最初のイメージB(図11から)を表す。ヒストグラムB2は、データが規格化されてストレッチされた後のイメージBを表す。
【0127】
図13は、平均プログラムと関連した制御パネルの表示であり、典型的な値を従来ユニットの患者の血液グルコースの実際の濃度と相関関係付けるために使用される制御を有する。平均プログラムは、IDN値から較正されたIDN対GLデータを得るために非侵入的測定システムにより使用される。COUNT制御は、較正平均中で処理されるべきイメージ・フレームの数を選択する。AVNUM制御は、GRU平均内の全ての入力イメージについての平均ピクセル明るさである。PATH及びFILENAME制御は最後に処理されているパスとファイル名を表示する。AVMIN制御は、全ての処理されたイメージからの最小平均GRUである。AVMAX制御は、全ての処理されたイメージからの最大平均GRUである。+DELTA制御は、正方向の平均GRUからのGRUエラー・デルタを示す。−DELTA制御は、負方向の平均GRUからのGRUエラー・デルタを示す。+PRCNT制御は、平均よりも上の最大GRUエラー・パーセンテイジを示す。−PRCNT制御は、平均よりも下の最小GRUエラー・パーセンテイジを示す。CAL制御は瞳孔較正が自動ストレッチ・アルゴリズムに適用されることを可能にする。PCUT制御は、瞳孔カッターのオンまたはオフをする。GLIM制御は、IDN加算がこれよりも上の値を含まないことを示す。LEVEL制御は、平均瞳孔明るさを示す。
【0128】
C.13緑内障測定
非侵入的測定システムはまた、焦点長に近いところの緑内障圧力を得るために虹彩の湾曲を使用する。眼マシンは圧力の指針として内側虹彩対外側虹彩の比較の焦点長の差を自動的に与えるために使用できる。
【0129】
図14は、緑内障圧力を識別するための非侵入的測定システムの使用を説明する。距離FirisIDは、CCDカメラ・レンズ315の頂点(バーテックス)面から虹彩の内側直径(ID)、換言すれば、虹彩432と瞳孔431の間の円形遷移までの距離を表す。類似的に、距離FirisODは、CCDカメラ・レンズ315の頂点(バーテックス)面から虹彩の外側直径(OD)、すなわち、虹彩432と眼430の白眼1400の間の円形遷移までの距離を表す。
【0130】
上側の「A」の図において、これら2つの距離FirisID及びFirisODは実質的に等しい。FirisID=FirisOD これは、眼の中の平衡したまたは正常な圧力状態を示す。下側の「B」の図においては、2つの距離は等しくない。特に、ID距離がOD距離よりを越えている。FirisID>FirisOD これは、異常で、過剰な圧力を示している。
【0131】
増加的距離1402、すなわち、2つの距離の間の差FirisID−FirisOD (又は比)は、圧力に関係する。焦点の決定はこのように眼内圧力の測定を生じ、大きい距離は高圧力に対応し、そして小さい距離は低圧力に対応する。フィールドの深さ、例えば、0.3mm(0.012インチ)、がこの技術の限界を形成するであろう。
【0132】
C.14フロー・チャート及び代替的な実施の形態
非侵入的測定システムは血液中のグルコース濃度を非侵入的に測定するためのソフトウェアと装置を含む。イメージ入力システムの複雑さを減少するために、ソフトウェアがカメラの位置付けと照明の一貫性を最適化するために開発されている。
【0133】
図15は、本発明の1つの実施の形態の非進入的測定システムにより実行されるステップを示す。ブロック1500において、非侵入的測定システムは眼のイメージを取る。ブロック1502において、非侵入的測定システムは瞳孔の中心を見つける。ブロック1504において、非侵入的測定システムは瞳孔の回りの平均的明るさを計算する。ブロック1506で、非侵入的測定システムは眼の瞳孔領域をマスクする。ブロック1508で、非侵入的測定システムは瞳孔の明るさをレベル基本線として使用して虹彩イメージをイコライズする。ブロック1510で、非侵入的測定システムはもし存在すればホットスポットを取除く。ブロック1512で、非侵入的測定システムは全ての処理された虹彩ピクセルを積分する。ブロック1514で、非侵入的測定システムは最も近いIDN対GL一致を見つけるためにIDN対GLルックアップ・テーブルを探す。ブロック1516で、非侵入的測定システムは該当するグルコース数を表示する。
【0134】
非侵入的測定システムは、この利点を最大に使用するには好ましくは一緒に使用されるが、独立に使用できる幾つかの観点又は切口を有する。なお、これらの幾つかは共通にいくつかの要素を有する。
【0135】
第1の独立の観点の実施の形態では、非侵入的測定システムは、身体からの光反射率を測定することにより生物学的実体内の血液グルコース濃度を測定する。非侵入的測定システムは、このような身体に光を当てる技術を含む(例えば、電球)。さらに、非侵入的測定システムは、反射された光のスペクトル解析無しにこのような身体から実質的に反射された光を受け取り(例えば、カメラにより)、処理する(例えば、コンピュータにより)技術を含む。前述は、本発明の第1の観点又は切口を最も広い又は最も一般的な形式で定義又は説明したものを表している。これらの広い用語に説明されていも、本発明のこの切口は技術水準から重要に進歩している。
【0136】
特に、本発明のこの切口は身体を刺す又はその他の方法で血液のサンプルを得るという必要性を完全に除去しており、上述した不快、恐れ、その他の欠点を無くしている。さらに、本発明のこの観点は、スペクトル解析を実行するのに必要な、精巧なスペクトル変調、異なる波長領域に対する複数の検出器、又は拡散要素を必要としない利点を有する。
【0137】
スペクトル解析の必要性が無いことは、虹彩からの反射光が血液中のグルコースに対して単調な関係(異なる波長領域では異なるけれども)を有する発見の直接の結果である。
【0138】
本発明の第1の主な観点はこのように技術水準から顕著に進歩しているけれど、本発明の利益を好ましく最適に実行するには、ある追加の特徴又は特性と一緒に使用する。特に、好ましくは、光を身体の眼に当てる技術、及び眼から反射された光を受取って測定する技術を含む受取りと測定技術である。
【0139】
さらに、受信及び測定技術は好ましくは単色検出器配列を含む。そして、より好ましくは、この場合、単色検出器配列は白黒電荷結合検出器(CCD)カメラ又は装置を含む。別の関連した好みは、受信及び測定技術はCCDカメラからの信号を解析するためのデジタル・プロセッサを含む。
【0140】
より一般的に、このようなプロセッサは望ましくは反射光の量を表す信号を解析するためのものである。この場合の好みは、デジタル・プロセッサはパーソナル・コンピュータの一部であって、血液グルコース・レベルがコンピュータのモニター・スクリーン上に報告される。
【0141】
しかし、代替的な好みは非侵入的測定システムは手に持つことができる可搬性ユニットであり、このユニットは血液グルコース・レベルの指示を報告する技術を含み、そしてデジタル・プロセッサがこの手に持つことが出きる可搬性ユニットの一部である。この場合、好ましくは、報告する技術は血液グルコース・レベルの指示を視認できるLCDユニットを含む。
【0142】
別の基本的な好みは、受信及び測定技術が反射光のレベルの変化を検出する技術を含み、前記変化が血液グルコース濃度に関係している。別な好みは、受信及び測定技術が反射光のレベルの変化を検出するためのある技術を含み、そしてある技術は反射光レベルと共に実質的に単調に変化するグルコース濃度を報告するものである。別の一般的な好みは、検出技術が反射光、この場合、特に、スペクトルの黄色、黄−緑色、及び赤外線部分の光に応答するある技術を含む。
【0143】
非侵入的測定システムが実質的にスペクトル解析無しに動作するものとして説明されたが、これは非侵入的測定システムが必ずしも全くスペクトル領域間を差異化できないということを示唆するものではない。例えば、好ましくは、非侵入的測定システムは、ある特定の光バンド、例えば、赤又は赤外線、又は両方に対する応答を除去する技術を含む。同様に、実質的にスペクトル解析無しに受信及び測定する技術は、好ましくは、スペクトルの黄色/黄緑色部分に対して赤又は赤外線について異なる信号応答を考慮する。
【0144】
第2の主な独立の切口または観点の実施の形態において、非侵入的測定システムは身体からの光の反射率を測定することにより生物学的実体内の血液グルコース濃度を測定する。非侵入的測定システムは自己含有ケースを含む。それはまた光を身体に当てる。また、身体から反射された光を受信して測定する技術を含む。前述は本発明の第2の観点の最も広い又は最も一般的な形式の定義又は説明を表す。広い用語で説明されているが、本発明のこの切口は技術水準に比べて顕著に進歩していることが理解できる。
【0145】
特に、本発明全体が自己含有ケース内で運ぶことができるように実現できることがテストと実験により確立されたため、非侵入的測定の多くの利点が医療施設内での使用にのみの機械の形式をとる必要がないユニットで享受できる。むしろ、本発明は患者の家、普通のオフィス、又は他のビジネス、又は車やレストラン内等に適した機械として実現できる。
【0146】
本発明の第2の主要な観点は顕著に有利な特徴を与えるけれども、その利点を好ましくは最適に享受するため、本発明はある追加の特徴又は特性、特に、好ましくは、ケースが完全に可搬性である、と一緒に実現される。また、この例においては、好ましくは、ケースは普通の大きさの大人の手のひらに適合している。
【0147】
第3の主な独立の切口又は観点の実施の形態において、非侵入的測定システムは身体の眼からの光の反射率を測定することにより生物学的実体内の血液グルコース濃度を測定する。非侵入的測定システムは、このような眼の虹彩に光を当てる技術を含む。また、このような虹彩から反射された光を受信して測定するための技術を含む。また、反射され測定された放射を解析してそこから血液グルコース濃度を計算する、そして、特に、イメージ整列のためにピーク振幅点として眼からの光源の反射を使用する、プログラム化されたデジタル・プロセッサを含む。前述は本発明の第2の観点又は切口の最も広い又は最も一般的な形式の定義又は説明を表す。広い用語で説明されているが、本発明のこの切口は顕著に有利な特徴を与えることが理解できる。
【0148】
特に、眼は被試験者の服を脱がすことなく又は他の不都合なく光電子的測定に対して一般的に利用可能である。さらに、眼の中の血液の状態はその応答が一般に速く、又は特に脳などの体の他の重要な部分の血液の状態の追跡をする。
【0149】
本発明の第3の主要な観点は顕著に有利な特徴を与えるけれども、その利点を好ましくは最適に享受するため、本発明はある追加の特徴又は特性と一緒に実現される。特に、好ましくは、受信及び測定技術は眼の虹彩からの光を受信して測定する技術を含む。この好みは、基本線暗レベルの決定、又は光照射技術により与えられる照射レベルの決定、又は両方を容易にする。
【0150】
第4の主な独立の切口又は観点の実施の形態では、非侵入的測定システムは血液グルコース測定技術である。技術は電子カメラ上に人の目の前表面のイメージ(映像)を取るステップを含む。また、カメラから得られたイメージ信号をデジタル化することを含む。さらに、この技術は血液グルコース・レベルを決定するために、眼の他の部分を表すピクセル信号から分離された虹彩を表すピクセル信号を処理することを含む。前述は本発明の第4の観点の最も広い又は最も一般的な形式の定義又は説明を表す。広い用語で説明されているが、本発明のこの切口は技術水準に比べて顕著に進歩していることが理解できる。
【0151】
特に、虹彩の状態の解析は虹彩がグルコース濃度と反射された光のレベルとの間に単調な関係(異なる波長領域で特有)を示す有利性を持ち、上述したスペクトル解析無しに測定できる利点を享受できる。
【0152】
さらに、処理のために瞳孔と虹彩の信号を分離することは幾何学に基づいた簡単な実現を容易にし、上述したように変化する照射レベルの容易な補償を得ることができる。
【0153】
本発明の第4の主要な観点は顕著に有利な特徴を与えるけれども、その利点を好ましくは最適に享受するため、本発明はある追加の特徴又は特性と一緒に実現される。特に、好ましくは、この技術は基本線暗レベル又は照射レベル又は両方を得るために瞳孔を表すピクセル信号を処理し、そして、虹彩を表すピクセル信号を洗練するために暗レベル又は照射レベルを適用するステップを含む。この場合、処理ステップは有利的に暗レベル基本線を表すために瞳孔の平均反射強度レベルを適用することを含む。
【0154】
別の一般的な好みは、虹彩ピクセル信号処理は単一の強度指示を作るために全ての使用可能な虹彩ピクセル信号を積分することを含む。この場合、好ましくは、適用ステップは瞳孔の強度よりも高い強度のみを指示の中に積分することを含む。
【0155】
さらに別の基本的な好みは、イメージ光景と照明変化を実質的に除去するステップを含む。また別の好みは、個人の患者に対して読取りを較正するステップを含む。
【0156】
別の一般的な好みは、虹彩領域から瞳孔のピクセルをマスクすることを含む。この場合、マスクするステップは好ましくは使用のために利用可能な虹彩ピクセルの数を実質的に安定し、そしてこの虹彩イメージ内に瞳孔中心付けを実質的に安定するソフトウェア瞳孔マスクを適用することを含む。さらに、もしこれが好ましくなされるならば、瞳孔マスクは測定状態で発生する最大の瞳孔直径よりも大きい。
【0157】
本発明の技術に関連した他の一般的な好みはこれらのステップを含み、個別に考察する: ・虹彩領域すら瞳孔ピクセルをマスクする。
【0158】
・ホットスポットを最小にするために光源を拡散する。
【0159】
・ホットスポット照射効果を最小にするためピーク信号振幅を除去する。
【0160】
・前記処理ステップにおいて5つのホットスポット領域を無視するために照射ホットスポットをマップする。
【0161】
・ピクセル・データ・ワードの完全なダイナミック範囲を実質的に充填するためにイメージ。コントラストを調節する。
【0162】
・単位血液体積当りのグルコース量の対応した数値血液グルコース濃度指示を得るためにルックアップ・テーブル内の測定レベルを見る。
【0163】
・前記デジタル化ステップは大変低い光強度変化を識別することを含む」
本発明の第4の観点に関する別の好みは次の順序のステップである。
【0164】
・眼の瞳孔の中心を見付け、瞳孔の中心周りの平均明るさを計算し、
・眼の瞳孔領域をマスクし、
・瞳孔明るさを基本線レベルとして使用して虹彩イメージをイコライジングし、
・もし存在すれば、ホットスポットを取除き、
・虹彩の明るさレベルの数値表現を得るために処理された虹彩ピクセルを全て積分し、 ・前に形成された較正を適用し、それにより単位体積当りのグルコース量とし該当するグルコース濃度を決定するためにルックアップ・テーブルを探し、
・該当するグルコース濃度を表示する。
【0165】
第5の主な独立の切口又は観点の実施の形態では、非侵入的測定システムは小さな光源を使用した血液グルコース測定技術である。この技術は、患者の瞳孔からの光の反射を自動的に見つけるステップを含む。この技術はまた、光の反射位置に基づいて位置整列を自動的に実行するステップを含む。前述は本発明の第5の観点又は切口の最も広い又は最も一般的な形式の定義又は説明を表す。広い用語で説明されているが、本発明のこの切口は技術水準に比べて顕著に進歩していることが理解できる。
【0166】
特に、この動作モードは他ならば困難であり、処理が瞳孔及び眼の白目からの戻る信号及び整列に対して敏感であるため、全体の測定のプロセスの整合性を他ならば危うくする、整列の問題を大変に簡単に解決する。
【0167】
本発明の第5の主要な観点は顕著に有利な特徴を与えるけれども、その利点を好ましくは最適に享受するため、本発明はある追加の特徴又は特性と一緒に実現される。特に、好ましくは、技術は眼の前表面の光源が無いイメージを形成するため、光源内の領域をゼロ・アウトすることを含む。
【0168】
別の好みでは、特に技術が中心に置かれた光源を使用するものである時、イメージ内の瞳孔領域を覆うために中心として光源から始まる瞳孔マスクを成長させるステップを含む。この場合、好ましくはこの技術は、暗レベル較正に使用するために整列された瞳孔マスク下の領域の明るさレベルを獲得する。
【0169】
第6の主な独立の切口又は観点の実施の形態では、非侵入的測定システムは身体の眼からの光反射率を測定することにより、生物学的実体内の血液グルコース濃度を測定する。この非侵入的測定システムは検出器配列を含む。また、光を眼に当てるために検出器配列の直前に保持された小さな光源を含む。さらに、非侵入的測定システムは、眼から反射された光を受信し測定する技術を有する。前述は本発明の第6の観点又は切口の最も広い又は最も一般的な形式の定義又は説明を表す。広い用語で説明されているが、本発明のこの切口は技術水準に比べて顕著に進歩していることが理解できる。特に、上記の位置の光源の使用は多くの方法で光学システムから得られたデータを処理することを非常に簡単にする。
【0170】
本発明の第6の主要な観点は技術水準に対して顕著に進歩しているけれども、その利点を好ましくは最適に享受するため、本発明はある追加の特徴又は特性と一緒に実現される。特に、好ましくは、非侵入的測定システムは検出器配列と光源の間にレンズを含む。
【0171】
この場合、光源はレンズ又は代替的に検出器配列の実質的に幾何学的中心から眼に向けて発光する。この場合、非侵入的測定システムはさらにイメージ中心を見付けるためにピーク振幅点として眼からの電磁気放射源の反射を使用する技術をさらに含む。
【0172】
より一般的な好みは、この本発明の第6の主な観点に関して、特に非侵入的測定システムが人間の身体の血液グルコース濃度の測定に使用される時、光源は人間のための視覚中心目標として機能する。このようなシステムにおいて、人間は光学フィールドにおいて瞳孔を実質的に自動的に中心付けるか又は整列させる(少なくとも、おおよそ)ため、人は光源の方向を実質的に真っ直ぐと見る。
【0173】
第7の主な独立の切口又は観点の実施の形態では、非侵入的測定システムは身体の血液からの光反射率を測定することにより、生物学的実体内の血液グルコース濃度を測定する。非侵入的測定システムは血液に光を当てるための技術を有する。それはまた実質的に反射光の特別な解析をすることなく、血液から反射された光を受信して測定する技術を含む。
【0174】
明細書中の本発明の全ての観点の説明から、当業者は虹彩又は身体内のどこかにある血液の存在に基づいて、1つの方法又は他の方法で動作し、これにより、光電子測定のために血液を利用可能にすることが理解できる。従って、本発明は明示的に説明された実現に限定されない。
【0175】
D.位相角及び振幅を使用した眼の中のグルコース濃度の非侵入的測定
光は電磁波である。波は平衡点からの正又は負に変位である振幅を有する。グルコース分子はその密度が増加するときに時計方向に回転する。(一方、フルクトース分子は反時計方向に回転する。非侵入測定システムはこれらの分子をそれらの回転に基づいて識別できる。)この時計方向の回転は偏光に影響を与える。1つの実施の形態では、本発明は偏光に影響する回転を考慮する。より多くのグルコースが血液内にあれば、より多くの光が反射される。特に、偏光により、反射光のフラッシュが存在する(グルコースの反射部分が光に当る時)、そして反射が無い(グルコースが回転して光が例えば光を吸収する血液に当る時)、反射光の別のフラッシュ、等がある。異なる角度で反射する光は回転しているように見え、従って、振幅が変化する。
【0176】
CCDは電荷結合装置であり、その半導体は1つの出力が別の入力になるように接続されている。CCDカメラは、CCDセンサーと呼ばれる電子チップに基づいている。これらの部品は光に敏感で、コンピュータ内に写真を記憶することを可能にする。CCDチップは、井戸(ウェル)と呼ばれる光に敏感な領域の配列である。井戸(ウェル)は光により発生された電子により荷電される。CCD配列に到達する各光要素は幾つかの電子を変位して電流源を与える。電流源はピクセルと呼ばれる小さな限定された面積に局所化される。ピクセルがCCD行列を形成する。
【0177】
特に、このチップの表面層は格子を含み、格子の各セルはシリコン・ダイオードであり、そこに当る光の時間と強度に比例した電荷を作る。全てのセルに放電回路が接続されている。これらのセルの後は対応するピクセルの格子である(すなわち、CCD行列)。各セルはオン・オフ(2進)値ではなくアナログ電圧を記憶する。ピクセルの記憶容量はまた井戸(ウェル)とも呼ばれ、そして典型的なピクセルの電荷記憶容量は何十万個の電子である。
【0178】
電荷はアナログ−デジタル(A/D)変換器により解釈される電圧に変換される。A/D変換器において、ピクセルの電荷は、0−255の範囲の8ビット数に変換される。8ビット数は、ピクセル・データ数と呼ばれる。ピクセル・データ数は、各ピクセルの変換された振幅を表す。代替的な実施の形態では、ピクセル・データ数は「ストレッチ」できる。すなわち、もし、ピクセル・データ数が16であるとすると、数0−16が、ストレッチされたピクセル・データ数が255になるように0−255へマップされる(すなわち、16が255へマップされる)。もちろん、当業者は、他のマッピング機構を使用することができることを理解する(例えば、16を127へマッピングする0−31から0−255へのマッピング)。
【0179】
眼のイメージがCCD配列を形成するために使用され、これはCCD行列とも呼ばれる。CCD行列は行列内に1つのエントリイを有する各ピクセルを表す。各エントリイは0−255の範囲の値を有する。位相角がCCD行列から決定される。CCD行列の行が加算され、そしてこれらの値が合計されてXGRU値を形成する。CCD行列の列が加算され、そしてこれらの値が合計されてYGRU値を形成する。XGRU値とYGRU値との比が、位相角を生ずる。例えば、もし、光が対称的に当れば、XGRU値とYGRU値は同じである。しかし、実質的に非対称的であると、XGRU値とYGRU値は同じでない。さらに、XGRUとYGRUの和が振幅である。
【0180】
次のサンプルCCD行列は説明の目的だけに与えられる。当業者はもっと大きな行列が実際には使用されることを理解する。また、説明を簡単にするために、各ピクセルは3つの状態、0、1、2の1つに設定される。もちろん、ピクセルは8ビット・システムに対しては0−255であることができ、そしてピクセルはより大きなビット・システムではより大きな解像度を有することができる。次は、サンプルCCD行列である。
【表3】

【0181】
非侵入的測定システムは、行情報YPA(行の和)と列情報YPB(列の和)とを得て真の位相角と真のGRU/真の振幅を次の様に計算する。
【0182】
真の位相角=YPA−(YPA−YPB) X 1千万
YPB−(YPB−YPA)
真のGRU/真の振幅=GRU−(YPA+YPB)
例えば、上の行列を使用して、行の和が、(3+5+5+1)=14=YPAとなる。列の和が、(4+5+4+2)=15=YPBとなる。真の位相角は約10714285に等しい。真の振幅がGRU−(YPA+YPB)に等しく、振幅は位相角を取除くことにより計算される。真の振幅GRUは、行列が680X480である時に全てのピクセルを加算することにより計算され、一方、YPA及びYPBは縮小した大きさの行列、例えば、380X380、に対して計算される。
【0183】
非侵入的測定システムは、位相/振幅ルックアップ・テーブルを使用する。位相/振幅ルックアップ・テーブルは、フレーム・カズン数(FRC)、グルコース・レベル(GL)、振幅(AMPL)、及び位相角(PHASE)のための列を有する。位相/振幅ルックアップ・テーブルが実験的に作成された。特に、位相/振幅テーブルが個人、ウォルター・ケー・プロニイエビックズの実験により作成された。各実験はその個人の眼のイメージを得るためにカメラを使用し、その個人のためにGL値を計算し、そして位相角及び振幅を計算することを含む。従来(ワンタッチ)のグルコース・モニターが本発明の技術により見つけられたグルコース濃度の有効性を確認するために使用された。位相/振幅ルックアップ・テーブルがこの実験により位相角と振幅の対に相関関係付けられたGL値を識別することにより作成された。
【0184】
さらに、非侵入的測定システムはカズン・テーブルを使用する。カズン・テーブルは、FRC数(フレーム・カズン)、グルコース・レベル(MG/GL)、振幅(AMPL)、位相角(PHASE)のための列及び8つのカズンのための列を有する。当業者には理解できるように、テーブルは他の列、例えば、8カズンよりも大きい追加の列を有することができる。カズンは同様な位相角と振幅値とを有するノードを表す。NODETABLEDATAグラフは、位相角対振幅のグラフである。グラフ中の最上線は、振幅に対する位相角の比をプロットする。カズン・テーブルのカズン・ノードは比のプロット上のほぼ同じ水平軸にあるノードである。例えば、FRC10に対して、カズンはFRC25、FRC28、FRC23、FRC29、及びFRC18である。これらフレーム・カズンの各々は同様な振幅に対する位相角の比を有する。
【0185】
D1.処理の概観
本発明の1つの実施の形態は、血液グルコース・レベルを識別するために位相角と振幅を使用する。この節は擬似コードと共に本発明のこの実施の形態の処理ステップの概観を与える。擬似コードを与える前に読者がこれらのステップを良く理解できるようにここで処理ステップのいくつかのみが説明される。一般に、位相/振幅ルックアップ・テーブルを使用する時、非侵入的測定システムは次のステップを実行する。
【0186】
1.中心明るさにより眼のイメージを取り
2.空間フィルタを適用し
3.自動レベル制御を実行し
4.真のGRU見つけ
5.自動精密同調し
6.識別されたグルコース数を表示する
写真は、白黒ビデオ又は電子静止フレーム・カメラにより取ることができる。代替的な実施の形態では、カラー・カメラ又はカスタムCCDが使用できる。さらに別の実施の形態では、量子井戸赤外線配列又はメルカド・テルル(mercad telluride)配列などの他の検出器、又は専用の無線受信器を使用できる。
【0187】
1つの実施の形態では、較正マスクが使用される。較正マスクがカメラのレンズと眼の間に置かれる。例えば、1つの較正マスクは、円形のガラス片である。角が円に触れる正方形を円上に描くと想像する。そして、解析されるべき材料(例えば、グルコース)の反射性小片が正方形の片と円の周の間の垂直線上に置かれて、小片の一端が正方形に触り、小片の他端が円に触る。解析されるべき材料はマスク上に置かれて、そして密封される。マスクはレンズ・システム及びCCDがマスクを見ることができ、そしてマスクが光源により照射されるように置かれる。
【0188】
反射性小片は既知の位相角と振幅値を有する。各小片は異なる位相角と振幅値を有する。例えば、各小片は35mg/dlから始まり5mg/dl増分を表す。小片は例えば、50ピクセルの大きさである。使用される小片の数はカバーされるべきピクセル数により小片の大きさを割ったものである。比較はグルコース・レベルの計算の正確性の増加を助ける。眼の写真が取られる時、計算された位相角と振幅値がこれらの小片と比較される。特に、小片は大変低いグルコース値に対する振幅と位相角とを与え、これにより大変低いグルコース読取りを正確にする。小片上にはグルコース量が眼で確認でき、それが虹彩反射と比較できる。振幅と位相角の両方が実際であり(導出されたものではない)、これによりエラーを除去して、そして品質制御を与え、そして自己検査を可能にする。
【0189】
当業者には理解されるように、グルコース検出のためにスペクトル応答を増強した最適品質を有するカスタム・シリコン配列(例えば、CCD)を製造できる。CCDとカスタム・シリコン配列は、x線及び他の高エネルギー粒子に対して感受性を高めるために特別に処理され、修正され、又は増強できる。この場合、非侵入的測定システムは光波の代わりに、x線又は他の高エネルギー粒子を処理する。さらに、CCDとカスタム・シリコン配列は異なるタイプのミネラルを検出又は強調するために紫外線に対して感受性を有するように特別に処理、修正、又は増強できる。
【0190】
当業者には理解されるように、非侵入的測定システムはまた腫瘍を見付けそして血栓を見付けて直すためにも使用できる。特に、CCDの前にその感受性を増強するために増倍型光電管を置くことができる。そして、CCDの積分時間と同期された高強度光が個人を通じて光を送るために使用できる。高強度光源の光の量は肉を貫通できる。例えば、非侵入的測定システムは乳がんを検出するために使用できる。
【0191】
次に、非侵入的測定システムは写真を取った後に空間フィルタを適用することができる。空間フィルタが低パス・モードで使用される時、高周波数成分として出現されやすい望ましくないイメージ特徴を減少する。すなわち、空間フィルタは非グルコース情報から「雑音」を生成するイメージの部分を取り出す。使用されたフィルタ・パラメータは、3X3ピクセル領域で動作する。フィルタはピクセルのグループ(例えば、9ピクセル)を取り、ピクセルの値を平均し、そしてグループ内の各ピクセルの値をその値に設定する。例えば、もし、9ピクセル中2つが明るく(すなわち、1に設定)、残りの7ピクセルが明るくない(すなわち、0に設定)場合、平均はゼロである。そして9ピクセルの全てがゼロに設定される。例えば、眼の組織は高周波数で出現し、低パス・フィルタはこれらの成分をイメージ配列から取除く。高パス・フィルタはイメージ配列内のこれらの成分を強調する。「高パス」されたデータは、個人を独特に識別するのに処理できる。これは個人を彼らの虹彩の独特の性質により識別するために「虹彩指紋」として使用できる。このように、個々の眼のイメージは特定の患者に自動的に相関関係付けることができる。
【0192】
非侵入的測定システムは自動レベル制御を実行できる。自動レベル制御は全ピクセルの平均が較正された平均(すなわち、較正されたデータに相関関係付けられた平均又は所望の平均)の平均に等しいことを保証する試みである。1つの実施の形態では、値35が、実験により最良の値であると見出された。
【0193】
カメラとA/D変換器がこの平均付近でグルコース検出について適当な振幅を戻す。他のカメラと変換器に対してはこの数は異なるであろう。例えば、もし、データ数が35であれば、自動レベル制御はピクセルの平均を見つける。もし、平均が平均データ数(例えば、35)よりも低ければ、自動レベル制御は各ピクセルに1を加える。もし、平均がデータ数(例えば、35)よりも高ければ、自動レベル制御は各ピクセルから1を引く。加算又は引算処理後、自動レベル制御は新しい平均を見つける。もし、新しい平均が35又はその付近であれば、自動レベル制御は完了する。そうでなければ、自動レベル制御は、新しい平均が35又はその付近になるまで、各ピクセルに1を加え又は引いて新しい平均を計算し続ける。
【0194】
非侵入的測定システムは真のGRU又は真の振幅を計算する。真のGRUは、位相角部分を除去した振幅である。特に、非侵入的測定システムは、真のGRUをGRU値、位相角値として計算する。以下に説明するように、この振幅は最も近い振幅を得るために位相/振幅ルックアップ・テーブルとつり合わせられる。
【0195】
1つの実施の形態では、もし、位相角(すなわち、XGRUとYGRUの比)が、位相/振幅ルックアップ・テーブル内の位相角と正確に一致することがわかれば、本発明は自動精密同調を実行せずに、位相角と振幅と対応するGLU値を選択する。もし、正確な一致がなければ、自動精密同調が実行される。
【0196】
別の実施の形態では、正確な一致が見つかることはまれなので、最初の検査なしに常に自動精密同調が実行される。自動精密同調はイメージ行列を調整することを含む。本発明は、イメージ行列と共に見つけられた位相角と位相/振幅ルックアップ・テーブル内の比較のために利用可能な位相角との間に近い一致を得るように試みる。例えば、もし、XGRUとYGRUの比により見つけられた位相角が14020000であれば、本発明は、14017754(すなわち、位相/振幅ルックアップ・テーブル内のノード13)又は14047686(すなわち、位相/振幅ルックアップ・テーブル内のノード14)のいすれかに値が到達する予に微調整を試みる。
【0197】
自動精密同調は、3進法技術を使用する。3進法技術により、もし、1/4がイメージ行列に加えられる場合、1が各第4ピクセルに加えられる。そして、新位相角が計算される。この位相角が記録される。これが18パス行なわれ、18回の各々で量が加えられる(例えば、第1パスで0.1が加えられ、第2パスで別の0.1が加えられる、等)。18パスの各々において、値がイメージ行列中のピクセルに追加される。そして、位相角が計算される。そして、位相/振幅ルックアップ・テーブル内で近い一致が探される。これは位相/振幅ルックアップ・テーブル内の選ばれたエントリイに対応するFRC値を生ずる。次に、FRC値がカズン・テーブルへの索引として使用される。そして、パスで計算された位相角とびカズン及び選択されたFRCの各々についての位相角の間で比較が行われる。計算された位相角に近い位相角を持つFRCが、位相角エラー(MNP)及び振幅エラー(MNA)と一緒に、配列内に記憶される。この配列は18パスに対応した18の値を生ずる。平均位相角が18の記憶された値から計算される。そして、これが一致した位相角、振幅、及び対応したGLUを見付けるたろに位相/振幅ルックアップ・テーブルと比較される。GLU値はまた、カズン・テーブルの索引として使用される。18パスが4つのフレーム・カズン(FRC)に対して実行される。この結果は4つの最終値であり、これら4つから1つが選択される。
【0198】
18ステップの各々について、136のGLU値を有するフレーム・カズン(FRC)13から開始する。GLU値136が範囲の真中に近いから、FRC13が使用される。FRC13はまた、8つのカズンを有する(カズン・テーブル中に可能な最大のカズン)。そして、各カズンについて、位相角と位相/振幅ルックアップ・テーブル内の位相角との間の比較が行なわれる。処理の間に、カズンの1つが位相角により136に最も近いものとして識別される。これはFRC内の各カズンについて18の値を生ずる。そして、イメージ位相角に最もしばしば近いFRCが選択される。1つの実施の形態では、4つの繰返しが存在する。1つはFRC13と共に開始され、次はFRC14と共に、次はFRC15と共に、最後はFRC16と共に開始される。これらのフレーム・カズンはそれらが有するカズンの数のため多くの比較をカバーする。4つの結果の内、位相/振幅ルックアップ・テーブルに最も一致したものが選ばれる答えである。この答えが、例えば、コンピュータに接続されたモニター上に表示される。
【0199】
焦点は位相角に置かれて振幅には置かれない。何故ならば、振幅は環境要素の影響を受け易いからである。そして、位相角と振幅が位相/振幅ルックアップ・テーブルのエントリイと最も近く一致したGLUが最終結果である。
【0200】
次の擬似コードは、非侵入測定システムにより実行される処理を反映する。幾つかのステップは特定の制御が制御パネル上で設定される時に生ずる。これらの制御は以下に説明される。
【0201】
1.中心明るさを持つ眼球のイメージを取る
2.パーソナル・コンピュータ(PC)のスクリーン大きさと一致した640X480ピクセルにイメージの幾何学を調節する
3.もし、プログラム可能レベル・バイアスが設定されれば(0−255の範囲内で)、イメージについてレベル・バイアスを実行する
4.もし、ガンマ・ストレッチが設定されれば、ガンマ・ストレッチを実行する(すなわち、非線形ストレッチを生成する)(普通、眼の測定に対して設定される。そして皮膚測定に対して設定される)
5.もし、前ストレッチが設定されれば、第1線形ストレッチを実行する
6.識別された形状の瞳孔マスクを作成する(すなわち、「L」形状又は矩形形状)
7.角タブ・カッター(外来の光等を除去するためにボックスの角をゼロ・アウトする)
8.もし、フィルタが設定されれば、選択されたプログラム可能低又は高パス・フィルタを使用する
9.もし、設定されれば、中心を見付ける
10.もし、第2フィルタが設定されれば、選択されたプログラム可能低又は高パス・フィルタを使用する
11.もし、ストレッチが設定されれば、フロント・パネル(すなわち、ユーザ・インターフェイス)からストレッチを選択する
12.もし、イメージ回転器が設定されれば(すなわち、3進法技術の代わりに使用できる)、イメージを回転する
13.もし、自動レベル制御が設定されれば、自動レベル制御を実行し
14.もし、手動精密同調が設定されれば、手動精密同調を実行する(すなわち、イメージをバイアスするための3進法技術)
15.もし、自動精密同調が設定されれば、自動精密同調を実行する(すなわち、3進法重みがここで加えられる)
16.もし、ビットマップ・イメージ・フォーマットが設定されれば、フォーマットをビットマップ・ヘッダー等を取除くx−yイメージ・フォーマット(すなわち、x−y配列)に変える。
【0202】
17.GRUを計算する(すなわち、CCD配列内の全てのx行及びy列を加算する)
18.イメージを680x480から480x480へ変換する
19.380ピクセル(端の使用はデータに影響を与えるので避ける。端に黒余白を残して、各軸の端から50ピクセルだけオフセットした内側)を使用して、x軸及びy軸を加算し、そして1よりも大きい値を得るために最大を最小で割る
20.以下を計算することにより、行情報YPA(行の和)、列YPB(列の和)を得る 真の位相角=YPA−(YPA−YPB) X 1千万
YPB−(YPB−YPA)
真のGRU/振幅=GRU−(YPA+YPB)
21.4つのFRC値の各々について18パスにより、自動精密同調を実行する
22.最良の真の位相角及び真の振幅の一致を選択する
23.結果を表示する D.2制御及びテーブル 図16は、本発明の1つの実施の形態の制御パネル1600を示す。位相/振幅ルックアップ・テーブル1602及び1604は異なるオプションのために較正されている。位相/振幅ルックアップ・テーブル1602は、自動レベル制御(ALC)及び高パス・フィルタ(HP)を使用して低い明るさ(LOWNODES)に対して較正されていることを意味するLOWNODESALCHPである。位相/振幅ルックアップ・テーブル1604は低い明るさ(LOWNODES)に対して較正されていることを意味するLOWNODESである。RESTOREL制御は大きいベース・テーブルにより位相/振幅ルックアップ・テーブルを回復する。ベース・テーブルは、位相/振幅ルックアップ・テーブルであり、大きい場合はそれはグルコース・レベルの全範囲を有することを意味し、そして小さい場合はそれはグルコース・レベルの全範囲を有さないことを意味する。RESTORES制御は、小さいベース・テーブルにより位相/振幅ルックアップ・テーブルの回復を可能にする。AMPLTBL制御は索引(例えば、15)及びその索引に対応する値を表示する。PHASETBL制御は、その索引に対応する索引と値を表示する。
【0203】
TAPAヒストグラム1606は、入力するソースの全エネルギーを表示する。バー1608、FRC値の処理を示す。MXDATAヒストグラム1610は、1−450ミリグラムの範囲のx軸を有し、1−18ステップで見つかった統計的分布を表示する。MXHD制御は、FRC値を保持する配列のデータを表示する。PEAK制御は、ヒストグラム1610からのピーク値を表示する。RESD制御は、自動精密同調により選択された4つのFRCに対応する4つのグルコース・レベルを表示する。RES制御は、最後にFRC処理されたグルコース・レベルを表示する。AVD制御は、4FRCステップの各々の対する平均mg/dl値を表示する。AVX制御は平均振幅を表示する。MNX制御は最小振幅を表示する。MAX制御は最大振幅を表示する。2CYL/1CYL制御は、1又は2サイクルの間の切換えを可能にする。PAUSE制御は、処理の一時停止を可能にする。PHASEATMACH制御は、一致により選択された位相角を表示する。
【0204】
エラー制御T1−T5は、あるエラー状態発生時に光る。T1制御は、位相コードが低すぎる時に光る。T2制御は、AVXとMNXが同じ時に光る(すなわち、これらが平均及び最小振幅である)。T3制御は、MX及びMNが同じ時に光る(すなわち、これらは見つけられた最小及び最大グルコース・レベルである)。T4制御は、MXAMP及びMNAMPが同じ時に光る。T5は、位相コードが領域外の時に光る。
【0205】
制御パネルの上に戻ると、PTWEEK制御は、位相角値を特定の値に強制的にすることができる位相ツイークである。ARWEEK制御は、振幅値を強制的に特定の値にすることができる振幅ツイークである。第1フィルタに対して、FILTER1制御はフィルタ無し、低パス・フィルタ、又は高パス・フィルタを可能にする。第2フィルタに対して、FILTER2制御はフィルタ無し、低パス・フィルタ、又は高パス・フィルタを可能にする。FULL/PART制御は、ルックアップ処理において使用されるべき位相/振幅テーブルの一部を選択する。FULLはFRC0−37からのルックアップを可能にし、そしてPARTはFRC10−18からのルックアップを可能にする。
【0206】
XPOS制御は、イメージ上のマウスのX位置の読取りを与える。そして、YPOS制御は、イメージ上のカーソルのY位置の読取りを与える。XPOSとYPOSは一緒に、特定ピクセルの選択を可能にする。DN制御はカーソル下に位置するピクセルのデータ数を表示する。DELTA制御は、A及びBフレーム間の線又は行イメージ・セグメント和の間の差を示す。図11に示される2つのは系図内に示されるピクセルの累積値が存在する。
【0207】
PUPL/NORM制御は使用されない。A−B/NORM制御は、2つのイメージを引算する(例えば、フレームA−フレームB)。SIG制御は、高パス・フィルタの1バージョンである、端検出フィルタである。FLIP/PHASE制御は、位相角の反転を可能にする。ITER制御は18パスの繰返しを表示する。PHASEA及びPHASEBは、それぞれ2つのイメージ、イメージA及びイメージBの比である。SUGAR制御は、グルコース・レベルを表示する。ERRORA制御は、エラーが発生した時に光る。ERRORA制御が光る時、SUGAR表示は消される。
【0208】
グラフの右側に移動すると、ALINESグラフ1612は、イメージAに対してSMX/SMY制御によりどちらかが選択されたかに依存してCCD行列からのY値の和又はX値の和のいずれかを表示する。
【0209】
NEG制御は、第2フレーム(例えば、イメージBに対して)が第1フレーム(例えば、イメージAに対して)のGRUよりも小さいGRUを有する時に光る。STR制御は、主線形ストレッチをオンにする。COL制御は、表示されているイメージに対して偽カラー又は黒/白を表示する。BAL制御は、もし、処理するべき虹彩ピクセルが少なければ(例えば、瞳孔が大きすぎる)、瞳孔の幾何学に基づいて平衡する。A/B制御は、2つのチャンネル(すなわち、2つのイメージ)を1度に処理できる。B/W制御は、全てのチャートに対して、黒い背景又は白い背景のいずれかを可能にする。
【0210】
CLN制御は、手動操作を早くするためにイメージBファイル名をイメージAファイル名にクローンすることを可能にする。これは手で情報をタイプすることを回避する。ALC制御は、自動レベル制御を設定する。INP制御は、処理されたイメージではなく、入力されたイメージを表示する。3D制御は、偽光強度マップのために3D表示フォーマットを選択するのに使用される。PS制御は前ストレッチである(どんな他の処理が起こる前)。PCUT制御は、瞳孔カッターを設定する。CAL制御は、線形ストレッチのために瞳孔較正をオンにする。
【0211】
TABS制御は、4角タブ・マスクを設定する。LPAT制御は、瞳孔のために正方形又はL形状マスクを選択できる。BOX制御は、イメージの一部をボックスするために使用される。AMP/PHS制御は、最良の可能な一致を求める時に、位相/振幅テーブル内を索引する振幅又は位相角のいずれかを選択するのに使用できる。STOP制御はプログラムを停止する。SNAP制御は、スクリーンの写真をスナップしてそれをビットマップとして記憶するために別のプログラムを呼出す。SAVE制御は、ビットマップとして表示されたイメージを直接に記憶する。NODESDBL制御は、2つの他のテーブルを選択するために、高輝度又は低輝度位相/振幅ルックアップ・テーブルを選択するHI/LOW制御を変更できる。DLTA制御は、最終結果が同じ比較偏光に基づいて選択される場合、比較を行なわせる。もし、入力する位相角が最も近いテーブル・エントリイよりも高く、そして振幅がそのテーブル・エントリイよりも低ければ、比較は拒絶される。POL制御は偏光のためである。特に、位相/振幅ルックアップ・テーブルの値の比較の際、もし、BIがセットされると、答えは実際値の上又は下である。もし、MONがセットされると、値は見つけられたより低い値である。BLINESグラフ1614は、イメージBに対して、SMX/SMY制御によりどちらが選択されたかに依存して、イメージ行列からY値の和又はX値の和のいずれかを表示する。
【0212】
PATHA及びFILENAMEAは、イメージAの記憶位置を見つけるために使用されるパスとフアイル名を与える。PATHB及びFILENAMEBは、イメージBの記憶位置を見つけるために使用されるパスとフアイル名を与える。GAMA制御はガンマ・ストレッチ制御である。FMODE制御は、フィルタ範囲モードを操作することを可能にする。
【0213】
制御パネルの中心に戻ると、いくつかのPHASEDIF制御が存在する。B−A制御は、A及びBイメージ・チャンネルの間の位相角の差である。T−A制御は、現在の振幅の一致により索引付けされたテーブル位相角と入力された位相角との間の差を示す。PPSN制御は、カズン・テーブル走査の際に見つかった最良の位相角の一致に基づく最良のFRC一致を示す。APSN制御は、カズン・テーブル走査の際に見つかった最良の振幅一致に基づく最良のFRC一致を示す。AMPL制御は、現在の振幅の一致により索引付けされたテーブル振幅と入力振幅との間の差を示す。MNP制御は位相角エラーを表示する。MNA制御は、振幅エラーを表示する。
【0214】
TGRUA制御は、イメージAについて真のGRUを表示する。TGRUB制御は、イメージBについて真のGRUを表示する。TB−A制御は、AとBイメージ・チャンネル間の真のGRUの差を示す。MXAMP制御は最大振幅を表示し、MNAMP制御は最小振幅を表示する。MX制御は、最大GLU値を表示する。MN制御は、最小GLU値を示す。UFM制御はフィルタが適用される前の平均を表示する。ERD制御は、もし、どんなエラー指示子T1−T15がオンになれば、セットされて、ERRORA制御を設定する。PUFM1制御は、ALCが適用される前の平均を表示する。AV制御は、MX及びMNの平均を表示する。CSN制御は、比較のためにCSNテーブル(すなわち、カズン・テーブル)が使用されるべきか又は主FRC値が使用されるべきかを示す。10X制御は、18パスの各々において、CCD配列にどれだけ追加されるかを示す。AUTOTUNE制御は、前行列(すなわち、位相角及び振幅をデコードする前の振幅の掃引)又は後行列(すなわち、位相角及び振幅をデコードした後の振幅の掃引)のいずれかを選択することを可能にする。MNPD制御はMNP値を保持する。MNAD制御はMNA値を保持する。
【0215】
上に戻ると、IMAGE制御は、入力写真を正確にそのまま使用するか又は写真を480X680に規格化することが利用できる。LINE/FRAME制御は、ライン又はフレームを獲得できる。YPA制御はXGRUを表示する。YPB制御はYGRUを表示する。SEQ制御は、18パスにより処理するFRC値の数を選択を可能にし、これを0−37の範囲にすることができる。FRC制御は開始するためのFRC値の選択を可能にする。FINEGAIN制御は3進法ゲインからのオフセットを強制する手動精密同調である。PUPILBIAS制御は、瞳孔大きさ補償器である。WINDOWLO及びWINDOWHI制御は、それぞれ、0−255の間の低い及び高い値の選択を可能にし、この結果により範囲内の特定のピクセルが処理のために選択される。
【0216】
LOS制御は、2次ストレッチについて低限界を設定し、HIS制御は2次ストレッチについて高限界を設定する。LOP制御は一次ストレッチについて低限界を設定し、HIP制御は一次ストレッチについて高限界を設定する。OFFSETA制御は、全体イメージAに数値オフセットを置き、OFFSETB制御は、全体イメージBに数値オフセットを置く。BIASA制御はイメージAの計算された瞳孔平均への追加を可能にし、BIASB制御はイメージBの瞳孔平均への追加を可能にする。
【0217】
ROT制御はイメージを回転するために使用される。MEANA制御はイメージAの平均を表示し、DEVA制御は標準偏差を示す。MEANB制御はイメージBの平均を表示し、DEVB制御は標準偏差を示す。GRUA制御はイメージAのGRUを表示し、GRUB制御はイメージBのGRUを表示する。B−Aは、イメージAとイメージBの間の生GRU差を制御する。PUPILAは、イメージAの瞳孔の明るさ(平均前)を表示する。PUPILBは、イメージBの瞳孔の明るさ(平均前)を表示する。しきい値制御は、どの値からGRUが加算されるべきかを示す。GLIM制御は、どの値の後でシステムは加算をしないかを示す。LEVELA制御はイメージAの平均の瞳孔の明るさであり、LEVELB制御はイメージBの平均の瞳孔の明るさである。
【0218】
図17は、本発明の1つの実施の形態のための別の制御パネルを示す。この制御パネルはカズン・テーブル1702を表示する。カズン・テーブルは、FRC数(フレーム・カズン)、グルコース・レベル(MG/DL)、振幅(AMPL)、位相角(PHASE)についての列、及び8つのカズンについての列を有する。カズンは、NODETABLEDATAグラフ1704を使用して導出される。NODETABLEDATAグラフは、位相角対振幅のグラフである。グラフの上線1706は、振幅に対する位相角の比をプロットする。真中の線1708は振幅をプロットし、底線1710は位相角をプロットする。カズン・テーブル1702内のカズン・ノードは、比のプロットのほぼ水平な軸のノードである。例えば、FRC10に対しては、カズンはFRC25、FRC28、FRC23、FRC29、及びFRC18である。これらフレーム・カズンの各々は同様な振幅に対する位相角の比を有する。
【0219】
図18は、異なる設定に対して較正されたさまざま位相/振幅ルックアップ・テーブルを示す。例えば、LOWNODESALCテーブル中、LOWNODESは低輝度を言う。そしてALCは自動レベル制御が使用されたことを示す。HIGHNODESは、高輝度が存在することを示す。BASEは、値のSMALL範囲又は値のLARGE(又は全て)範囲のいずれかにより較正されたベース線テーブルを言う。DOUBLEFILTERは、2つのフィルタが設定されたことを示す。COUSINSは、カズン・テーブルが使用されたことを示す。
【0220】
図19は、イメージAとイメージBのヒストグラムを示す。A1ヒストグラム1900は低パス・フィルタが適用された後のイメージAを反映する。A2ヒストグラム1902は低パス・フィルタ前のイメージAを反映する。A3ヒストグラム1904はガンマ・ストレッチ(もし、可能化されたら)後のイメージAを反映する。B1ヒストグラム1906は低パス・フィルタが適用された後のイメージBを反映する。B2ヒストグラム1908は低パス・フィルタ前のイメージBを反映する。B3ヒストグラム1910はガンマ・ストレッチ(もし、可能化されたら)後のイメージBを反映する。
【0221】
D.3フロー・チャート及び代替的な実施の形態
図20A−20Cは、本発明の1つの実施の形態による非侵入的測定システムで実行されるステップを説明する。ブロック2000で、非侵入的測定システムは中心明るさにより眼のイメージを取る。ブロック2002で、非侵入的測定システムは、パーソナル・コンピュータ(PC)のスクリーン大きさと一致するようにイメージの幾何学的形状を640X480に調節する。ブロック2004で、プログラム可能レベル・バイアスが設定されると(0−255の範囲内で)、非侵入的測定システムはイメージについてレベル・バイアスを実行する。ブロック2006で、ガンマ・ストレッチが設定されれば、非侵入的測定システムがガンマ・ストレッチを実行する(すなわち、非線形ストレッチを作る)。ガンマ・ストレッチは普通、眼の測定には設定されず、皮膚の測定には設定される。
【0222】
ブロック2008で、もし、前ストレッチが設定されれば、非侵入的測定システムは第1線形ストレッチを実行する。ブロック2010で、非侵入的測定システムは指定された形状の瞳孔マスクを生成する。1つの実施の形態では、ユーザは、「L」形状又は正方形形状のいずれかを選択する。他の実施の形態では、楕円又は円形が与えられるが、それは別途の処理資源を必要とするだろう。ブロック2012で、角タブ・カッター(外部光等を取除くためにボックスの角をゼロ・アウトする)。ブロック2014で、もし、第1フィルタが設定されれば、非侵入的測定システムは選択されたプログラム可能低又は高パス・フィルタのいずれかを使用する。ブロック2016で、もし、中心決めが設定されれば、非侵入的測定システムは中心を見つける。ブロック2018で、もし、第2フィルタが設定されれば、非侵入的測定システムは選択されたプログラム可能低又は高パス・フィルタのいずれかを使用する。ブロック2020で、もし、ストレッチが設定されれば、非侵入的測定システムは制御パネルからの入力からのストレッチを制御する。ブロック2022で、もし、イメージ回転が設定されれば、非侵入的測定システムはイメージを回転する(すなわち、これは3進法技術の代わりに使用できる)。
【0223】
ブロック2024で、もし、自動レベル制御が設定されれば、非侵入的測定システムは自動レベル制御を実行する。ブロック2026で、もし、手動精密同調が設定されれば、非侵入的測定システムは手動精密同調を実行する(すなわち、イメージをバイアスするための3進法技術)。ブロック2028で、もし、自動精密同調が設定されれば、非侵入的測定システムは自動精密同調を実行する(すなわち、ここで3進法重みが追加される)。ブロック2030で、もし、ビットマップ・イメージ・フォーマットが設定されれば、非侵入的測定システムはビットマップ・ヘッダー等を取除く、x−yイメージ・フォーマット(すなわち、x−y配列)へフォーマットを変換する。
【0224】
ブロック2032で、非侵入的測定システムはGRUを計算する(すなわち、イメージ配列内の全てのx行及びy列を加算することにより)。ブロック2034で、非侵入的測定システムはイメージを680X480から480X480ピクセルへ変換する。ブロック2036で、380ピクセルを使用して(すなわち、非侵入的測定システムはデータに影響を与えるため、端に黒い余白を残して各軸の端から50ピクセルをオフセットすることにより、端の使用さける)、非侵入的測定システムはx行及びy列を加算して、1よりも大きい値を得るために最大を最小により割る。ブロック2038で、次式を計算することにより、行情報YPA(行の和)及び列情報YPB(列の和)を得る。
【0225】
真の位相角=YPA−(YPA−YPB) X 1千万
YPB−(YPB−YPA)
真のGRU/振幅=GRU−(YPA+YPB)
ブロック2040で、非侵入的測定システムは、各4FRC値に対して18パスにより自動精密同調実行する。ブロック2042で、非侵入的測定システムは最良の真の位相角及び真の振幅の一致を選択する。ブロック2046で、非侵入的測定システムは結果を表示する。
【0226】
節Dで説明した本発明の実施の形態は本発明の範囲を逸脱することなく修正できる。例えば、本発明の技術は図2に関して説明されたようなネットワーク環境で実施できる。
【0227】
E.皮膚、血液及び爪床のグルコース濃度の非侵入的測定
非侵入的測定システムは、皮膚(例えば、手首又は胃)、血液(例えば、組織上の血液の一滴)、又は爪床からのグルコース濃度を測定することができる。これらの場合の各々について、非侵入的測定システムは一般に節Dに説明された、位相角と振幅がグルコース・レベルに相関関係付けられる技術を使用する。
【0228】
皮膚と共に使用される時、より低い光レベルが使用される(すなわち、眼はより光を吸収する)。特に、非侵入的測定システムを使用して光波を手首の部分に送信する実験が成功的に実行された。手首は、光波を反射するグルコース分子を含む多くの血管を含む。CCDカメラが手首からの反射光波を受信して、受信光波を表すピクセルの行列を形成するために使用された。次に、非侵入的測定システムは、ピクセルの行列にガンマ1ストレッチを適用した。これは対数的再マッピング技術と呼ばれ、低い端でのより良い解像度を生ずる、より低いレベルのピクセル(小ピクセル値)により多くのコントラストを与え、より高いレベルのピクセル(大ピクセル値)により少ないコントラストを与える。非侵入的測定システムは、位相角と振幅を得るためにピクセルの「ストレッチされた」行列を処理する。位相角と振幅から、非侵入的測定システムはグルコース・レベルを見つける。本発明の範囲を逸脱することなくこの処理は修正できることが理解される。例えば、図16の制御は瞳孔カッターが位相角及び振幅を計算する前に適用されるように設定できる。
【0229】
胃の部分の写真を撮るために非侵入的測定装置が実験的に使用されて成功した。特に、胃の部分に光波を送信するために非侵入的測定装置が使用される実験が成功した。胃は光波を反射するグルコース分子を含む多くの血管を含む。CCDカメラが胃からの反射光波を受信して、受信光波を表すピクセルの行列を形成するために使用された。次に、ガンマ3ストレッチが適用された。これはより緩やかな効果を持つガンマ・ストレッチと呼ばれ、低い端でのより良い解像度を生ずる、より低いレベルのピクセル(小ピクセル値)により多くのコントラストを与え、より高いレベルのピクセル(大ピクセル値)により少ないコントラストを与える。非侵入的測定システムは、位相角と振幅を得るためにピクセルの「ストレッチされた」行列を処理する。位相角と振幅から、非侵入的測定システムはグルコース・レベルを見つける。本発明の範囲を逸脱することなくこの処理は修正できることが理解される。例えば、図16の制御は瞳孔カッターが位相角及び振幅を計算する前に適用されるように設定できる。
【0230】
さらに、血液の小滴について非侵入的測定装置が実験的に使用されて成功した。血液の小滴は組織上又は従来(ワン・タッチ)のグルコース・モニターでテストを実行するために使用されたテスト小片上のいずれかに置かれた。テスト小片では、血液の小滴は中心から広げられて端から引込めた。そして、周縁には血液の2層が存在する。テスト小片では、より良い値が周縁からテストから得られた。血液の小滴は皮膚でのようにより少ない光でテストされた。特に、非侵入的測定システムを使用して光波を反射するグルコース分子を含む血液上に光波を送信する実験が成功的に行なわれた。CCDカメラが血液の小滴からの反射光波を受信して、受信光波を表すピクセルの行列を形成するために使用された。次に、非侵入的測定システムは、位相角と振幅を得るためにピクセルの行列を処理する。位相角と振幅から、非侵入的測定システムはグルコース・レベルを見つける。本発明の範囲を逸脱することなくこの処理は修正できることが理解される。例えば、図16の制御は瞳孔カッターが位相角及び振幅を計算する前に適用されるように設定できる。
【0231】
さらなる実験が爪床を使用して実行された。特に、非侵入的測定システムを使用して光波を反射するグルコース分子を含む血液上に光波を送信する実験が成功的に行なわれた。CCDカメラが血液の小滴からの反射光波を受信して、受信光波を表すピクセルの行列を形成するために使用された。実験的なマスクが、指の爪の端の組織端を見るようにプログラムすることが可能なように実現された。次に、非侵入的測定システムは、位相角と振幅を得るためにピクセルの行列を処理する。すなわち、マスクされていないイメージの部分がGRU値に処理されて、増加する血液グルコースと共に単調な明るさゲインが観察された。本発明の範囲を逸脱することなくこの処理は修正できることが理解される。例えば、図16の制御は瞳孔カッターが位相角及び振幅を計算する前に適用されるように設定できる。
【0232】
非侵入的測定装置の使用の上記オプションは説明の目的のために与えられた。非侵入的測定システムは身体の他の部分(例えば、足)にも使用できる。さらに、説明は人間を用いたが、本発明の技術は他の生物学的実体に適用可能である。
【0233】
F.結論
本発明の実施の形態の説明が完了した。次に、本発明を実施するためのいくつかの代替的な実施の形態を説明する。例えば、メインフレーム、ミニコンピュータ、又はパーソナル・コンピュータなどのどんなコンピュータのタイプ、時間分割メインフレーム、ローカルエリア・ネットワーク、又はスタンドアロン・パーソナル・コンピュータなどのどんなタイプのコンピュータ構成が本発明に使用できる。
【0234】
以上の本発明の実施の形態の説明は説明の目的のためになされた。網羅的又は本発明を説明された正確な形に限定する意図はない。上記の説明から数多くの修正及び変形が可能である。本発明の範囲はこの詳細な説明から限定されるのではなく、特許請求の範囲の記載からのみ限定されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波データを操作する方法において、生物学的実体から反射された波データを受信し、
前記反射された波データを前記生物学的実体内の物質と相関関係付ける、
各段階を含み、
前記相関付け段階が、
前記反射された波データについて振幅を計算する段階と、
前記反射された波データについて位相角を計算する段階と、
前記振幅及び位相角を使用して前記生物学的実体内のグルコース・レベルを識別する
段階と、
を含み、
前記受信された波データによりピクセルの行列を形成する段階をさらに含み、
振幅を計算する段階が、ピクセルを積分して、積分値を獲得する段階を含み、
グルコース・レベルを識別する段階が、前記積分値を、グルコース・レベルに一致させる段階を含む、
方法。
【請求項2】
データ記憶装置に接続されたコンピュータと、
コンピュータにより読取り可能なコンピュータ・プログラムキャリアと、
を含み、
前記コンピュータ内で波データを操作するための方法段階を実行するために前記コンピ
ュータによって実行可能な1つ又はそれよりも多い命令を具現化する波データを操作する
ための装置において、
前記方法が、
生物学的実体から反射された波データを受信する段階であって、当該波データは光波を含むものと、
前記反射された波データを前記生物学的実体内の物質と相関関係付ける段階と、
を含み、前記相関関係付け段階が、
前記反射された波データについて振幅を計算する段階と、
前記反射された波データについて位相角を計算する段階と、
前記振幅及び位相角を使用して前記生物学的実体内のグルコース・レベルを識別する
段階と、
を含み、
前記生物学的実体が眼であり、
コンピュータ内で波データを操作する前記段階が、更に、
反射された波データに基づいて、複数のピクセルを形成する段階を含み、
振幅を計算する段階が、ピクセルを積分して、積分値を形成する段階を含み、
グルコース・レベルを識別する段階が、前記積分値をグルコース・レベルと相関関係付ける段階を含む、
装置。
【請求項3】
波データを操作するための装置であって、
生物学的実体から反射された波データを受信する受信機と、
前記受信された波データを処理して、前記反射された波データを、生物学的実体内の物質と相関対応させるデータ・プロセッサと、
を備え、
前記データ・プロセッサが、
前記反射された波に対する振幅を計算し、前記反射された波に対する位相角を計算する計算機と、
前記振幅及び前記位相角を使用して、前記生物学的実体内のグルコース・レベルを識別する評価器と、
を備え、
前記波が、光波であり、
前記受信機が、眼から反射された光波を受信し、前記受信された光波に基づいて、ピクセルを含む行列を形成する光波受信機を備え、
前記データ・プロセッサが、前記ピクセルを積分して、積分値を獲得し、
前記評価器が、前記積分値を前記グルコース・レベルと相関対応付ける、
装置。
【請求項4】
データ記憶装置に接続されたコンピュータと、
コンピュータにより読取り可能なコンピュータ・プログラムキャリアと、
を含み、
前記コンピュータ内で波データを操作するための方法段階を実行するために前記コンピ
ュータによって実行可能な1つ又はそれよりも多い命令を具現化する波データを操作する
ための装置において、
前記方法が、
生物学的実体から反射された波データを受信する段階と、
前記受信された波データからピクセルの行列を形成する段階と、
前記ピクセルを積分して、積分値を獲得する段階と、
前記積分値を、前記生物学的実体の物質レベルと相関対応付ける段階と、
を含み、
前記波データが、光波を備える、
装置。
【請求項5】
波データを操作するための装置であって、
眼を有する生物学的実体から反射される光波を受信し、受信された光波に基づいて、ピクセルの行列を形成する受信機と、
受信された光波を処理し、受信された光波を、生物学的実体内のグルコース・レベルと相関対応付けする、データ・プロセッサと、
を備え、
前記データ・プロセッサが、
ピクセルを積分して、積分値を獲得する加算器と、
前記積分値を、前記グルコース・レベルと相関対応付ける、評価器と、
を備える、
装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【公開番号】特開2010−276616(P2010−276616A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189026(P2010−189026)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【分割の表示】特願2001−525185(P2001−525185)の分割
【原出願日】平成12年1月21日(2000.1.21)
【出願人】(509050236)エスティーアイ・メディカル・システムズ・エルエルシー (9)
【Fターム(参考)】