説明

衣料用液体洗浄剤組成物

【課題】洗濯後の被洗物に柔軟性を付与しながら、洗濯時の再汚染を防止することが可能な、保存安定性に優れた衣料用液体洗浄剤組成物を目的とする。
【解決手段】本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、下記一般式(1)で示される非イオン性界面活性剤(A)と、第3級アミン(B)と、水不溶性シリコーン化合物(C)と、SO基又はSO基を有する陰イオン性界面活性剤(D)とを含有することを特徴とする。
[化1]


[式中、Rは炭素数8〜22の疎水基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、−X−は連結基を示し、EOはエチレンオキサイド基を示し、POはプロピレンオキサイド基を示す。n及びmはこれらの基の平均付加モル数を表し、nは3〜20の整数であり、mは0〜6の整数である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟性と再汚染防止性が付与された、透明な液外観を有する保存安定性の良い衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭用の洗濯機として、環境対応への意識の高まりの観点や、デザイン性等より、節水型のドラム式洗濯機が普及してきている。しかし、一般家庭でのドラム式洗濯機を用いた洗濯では、ドラム式洗濯機の浴比(被洗物の量に対する洗濯液の量の割合)が小さいため、汚れの繊維への再汚染が起きやすく、特に綿の繊維への再汚染が起きやすいことが明らかになってきた。
【0003】
ところで、このような家庭用の洗濯に用いる衣料用洗浄剤としては、粉末型及び液体型の両方が存在する。これらのうち、溶け残りの懸念がないことや塗布使用が可能なことなどから、世界的に液体洗浄剤の使用割合が高まっている。更に、近年においては利便性向上の観点から、洗浄効果と柔軟効果を併せ持つ2イン1型の衣料用洗浄剤が求められている。
例えば、非イオン性界面活性剤/アミン化合物/シリコーン化合物からなる衣料用洗浄剤を用いて、洗浄後の衣類に対し柔軟性等の風合いを付与する方法がある(引用文献1、引用文献2参照)。また、水不溶性シリコーン化合物に種々の親水性官能基を導入して変性シリコーンオイルとしたものや、水不溶性シリコーン化合物をエマルジョン化させたものが衣料用液体洗浄剤に用いられている(引用文献3参照)。
【特許文献1】特開2006−225635号公報
【特許文献2】特開2005−187502号公報
【特許文献3】特開2002−180092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、引用文献1及び引用文献2に記載のようなアミン化合物を含む洗浄剤組成物では、再汚染防止性能が不充分である傾向が見られた。
また、引用文献3のように、ポリジメチルシロキサンのような水不溶性シリコーン化合物を衣料用液体洗浄剤に用いた場合、衣料用液体洗浄剤中で浮遊・分離が起こりやすく、経時による保存安定性の確保が難しいという問題があった。また、得られる衣料用液体洗浄剤の液外観が、水不溶性シリコーン化合物によって濁り、洗濯時に洗剤をキャップにとったときの見た目の印象が悪いという問題があった。更に、引用文献3における衣料用液体洗浄剤には、水不溶性シリコーン化合物が過剰に配合されており、ポリエステル素材からなる衣料等に対して充分な仕上がり感を付与しにくく、経済的にも不利であった。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、洗濯後の被洗物に柔軟性を付与し、且つ洗濯時の再汚染を防止することが可能な、透明な液外観を有する保存安定性に優れた衣料用液体洗浄剤組成物を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、下記一般式(1)で示される非イオン性界面活性剤(A)と、第3級アミン(B)と、水不溶性シリコーン化合物(C)と、陰イオン性界面活性剤(D)とを含有することを特徴とする。
【0007】
【化1】

[式中、Rは炭素数8〜22の疎水基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、−X−は連結基を示し、EOはエチレンオキサイド基を示し、POはプロピレンオキサイド基を示す。n及びmはこれらの基の平均付加モル数を表し、nは3〜20の整数であり、mは0〜6の整数である。]
【0008】
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物では、水不溶性シリコーン化合物(C)が、25℃の条件で水1Lに対して溶解する限度が10g以下であるポリエーテル変性シリコーンであることが好ましい。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物では、非イオン性界面活性剤(A)10〜50質量%と、第3級アミン(B)0.1〜10質量%と、水不溶性シリコーン化合物(C)0.01〜5質量%と、SO基又はSO基を有する陰イオン性界面活性剤(D)0.5〜20質量%とを含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物によれば、洗濯時の再汚染を防止し、且つ洗濯後の被洗物に柔軟性を付与できる。また、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、透明な液外観を有する保存安定性に優れたものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、非イオン性界面活性剤(A)(以下、「(A)成分」という。)と、第3級アミン(B)(以下、「(B)成分」という。)と、水不溶性シリコーン化合物(C)(以下、「(C)成分」という。)と、SO基又はSO基を有する陰イオン性界面活性剤(D)(以下、「(D)成分」という。)とを含有するものである。
【0011】
[(A)成分]
本発明において、(A)成分は非イオン性界面活性剤(A)である。(A)成分としては、下記一般式(1)で示される非イオン性界面活性剤が用いられる。
尚、(A)成分として、下記一般式(1)で示される単一種類の非イオン性界面活性剤が単独で用いられてもよく、下記一般式(1)で示される複数種類の非イオン性界面活性剤が組み合わせて用いられてもよい。
【0012】
【化2】

【0013】
前記一般式(1)中、Rは炭素数8〜22の疎水基であり、炭素数10〜18の疎水基であることが好ましい。またRは、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。尚、疎水基の炭素数が前記範囲内であれば、衣類に付着した汚れに対して高い洗浄力が得られる。
疎水基としては、1級もしくは2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等を原料とするものが具体的に挙げられる。
前記一般式(1)中、Rは水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、好ましくは水素原子又は1〜3のアルキル基もしくは炭素数2〜3のアルケニル基である。尚、アルキル基またはアルケニル基の炭素数が前記範囲内であれば、液体洗浄剤としての安定性に優れる。
前記一般式(1)中、−X−は連結基を示しており、具体的には−O−、−COO−、−CONH−等の官能基が挙げられる。
【0014】
前記一般式(1)中、EOはエチレンオキサイド基、POはプロピレンオキサイド基である。ここで、n及びmはいずれもこれらの基の平均付加モル数を表す。
エチレンオキサイド基の平均付加モル数nは3〜20、好ましくは5〜18の整数である。エチレンオキサイド基の平均付加モル数nが20以下であれば、HLBが高くなりすぎないため、皮脂洗浄に有利であり、洗浄機能が向上する傾向が見られる。EOの平均付加モル数nが3以上であれば、適度な親水性が得られ洗浄性能が向上し、また液体洗浄剤の保存安定性が向上する。
なお、前記の「HLB」とは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」,工業図書株式会社,1991年,第234頁参照)。
プロピレンオキサイド基の平均付加モル数mは0〜6、好ましくは0〜3の整数である。プロピレンオキサイド基の平均付加モル数mが6以下であれば、液体洗浄剤組成物の高温下での保存安定性が向上する傾向にあり好ましい。
【0015】
エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基の付加モル数分布は、(A)成分製造時の反応方法によって変動するもので、特に限定されない。
例えば、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基の付加モル数分布は、一般的な水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ触媒を用いて酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水性原料に付加させた際には、比較的広い分布となる。一方、特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水基原料に付加させた際には、比較的狭い分布となる傾向にある。
【0016】
前記一般式(1)における連結基―X―が―O―であるとき、(A)成分はアルコールエトキシレートである。この場合、直鎖状又は分岐鎖状の、アルキル基又はアルケニル基であるRの炭素数は、洗浄力の観点から、10〜22であることが好ましく、10〜20であることがより好ましく、10〜18であることが更に好ましい。更に、Rは不飽和結合を有していてもよい。
またこの場合においてRは、原料としての入手のしやすさの観点から、好ましくは水素原子である。
【0017】
前記一般式(1)において、連結基―X―が―COO―であるとき、(A)成分は脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤である。この場合、直鎖状又は分岐鎖状の、アルキル基又はアルケニル基であるRの炭素数は、洗浄力の観点から、9〜21であることが好ましく、11〜21であることがより好ましい。更に、Rは不飽和結合を有していてもよい。
またこの場合においてRは、製造性と保存安定性の観点から、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
【0018】
前記一般式(1)で表される(A)成分の具体例としては、以下に示す(i)〜(vii)等が挙げられる。
(i)Shell製、商品名:Neodol(C12/C13、Cは炭素数を示す。以下同様。)。
(ii)Sasol製、商品名:Safol23(C12/C13)等のアルコールに対して、12及び、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの。
(iii)P&G社製、商品名:CO−1214やCO−1270等の天然アルコールに12及び、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの。
(iv)ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに7モル相当の酸化エチレンを付加したもの(BASF社製、商品名:Lutensol TO7)
(v)ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに7モル相当の酸化エチレンを付加したもの(BASF社製、商品名:Lutensol XA70)
(vi) 炭素数12〜14の第2級アルコールに15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(日本触媒(株)製、商品名:ソフタノール150)
(vii)ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの。
【0019】
(A)成分は、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物へ洗浄力を付与することを主目的に配合される。(A)成分の配合量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して10〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。10質量%以上であると、衣料用液体洗浄剤組成物に高い洗浄力を与えることができる。50質量%以下であると、衣料用液体洗浄剤組成物に高い保存安定性を与えることができる。
【0020】
[(B)成分]
本発明において、(B)成分は第3級アミン(B)である。(B)成分としては、下記一般式(2)で示される化合物が用いられることが好ましい。
【0021】
【化3】

【0022】
前記一般式(2)中、Rは置換基及び/又は連結基を有していてもよい炭化水素基であることが好ましい。ここで、炭化水素基の炭素数(置換基及び/又は連結基を有する場合、置換基及び/又は連結基中の炭素数はここでの炭素数に含まれない)は、好ましくは7〜27であり、より好ましくは炭素数7〜25である。尚、炭化水素基の炭素数が前記範囲内であれば、洗浄後の衣類に対する柔軟付与効果に優れる。更に、Rは直鎖又は分岐鎖であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。また、Rは、アミド基、エステル基又はエーテル基等の連結基をその鎖中に有するものであってもよい。
及びRはそれぞれ独立して、炭素数1〜4の直鎖又は分岐したアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐したヒドロキシアルキル基、又はエチレンオキサイド基の平均付加モル数が1〜25のポリオキシエチレン基であることが好ましい。アルキル基の炭素数、ヒドロキシアルキル基の炭素数、及びエチレンオキサイド基の平均付加モル数が前記範囲内であれば、衣料用液体洗浄剤組成物は保存安定性に優れる。
前記一般式(2)で示される(B)成分としては、下記一般式(3)または下記一般式(4)で表される第3級アミン及び/又は第3級アミンの塩が、種々の繊維に対する柔軟性の付与効果と、衣料用液体洗浄剤組成物の保存安定性の観点から好ましい。
【0023】
【化4】

【0024】
前記一般式(3)中、Rは、好ましくは炭素数7〜23、より好ましくは7〜21の炭化水素基である。更にRは、直鎖又は分岐鎖であっても良く、飽和であっても不飽和であってもよい。
は、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐したアルキレン基である。
及びRはそれぞれ独立して、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐したヒドロキシアルキル基、又はエチレンオキサイド基の平均付加モル数が1〜25のポリオキシエチレン基であることが好ましい。
【0025】
【化5】

【0026】
前記一般式(4)中、R10は、好ましくは炭素数11〜23、より好ましくは12〜20の炭化水素基である。更にR10は直鎖又は分岐鎖であっても良く、飽和であっても不飽和であってもよい。
11は、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐したアルキレン基である。
12及びR13はそれぞれ独立して、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐したヒドロキシアルキル基、又はエチレンオキサイド基の平均付加モル数が1〜25のポリオキシエチレン基であることが好ましい。
【0027】
前記一般式(3)で示される(B)成分としては、具体的に、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどの長鎖脂肪族アミドジアルキル第3級アミン又はその塩、パルミチン酸ジエタノールアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエタノールアミノプロピルアミドが挙げられる。
前記一般式(4)で示される(B)成分としては、具体的に、パルミテートエステルプロピルジメチルアミン、ステアレートエステルプロピルジメチルアミン等の脂肪族エステルジアルキル第3級アミン又はその塩が挙げられる。
中でも、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド又はその塩が、種々の繊維に対する柔軟性の付与効果と衣料用液体洗浄剤組成物の保存安定性の観点から特に好ましい。
【0028】
また、前記一般式(3)と一般式(4)で示される以外の(B)成分としては、具体的に、ラウリルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、ヤシアルキルジメチルアミン、パルミチルジメチルアミン、牛脂アルキルジメチルアミン、硬化牛脂アルキルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、ステアリルジエタノールアミン、ポリオキシエチレン硬化牛脂アルキルアミン等が挙げられる。
【0029】
また、(B)成分は、これら第3級アミンがそのまま使用されてもよく、第3級アミンを酸で中和した酸塩の形で使用されてもよい。
(B)成分を中和して酸塩にする際に用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸、ポリアクリル酸、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸等が挙げられ、これらは1種が単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0030】
市販される第3級アミン(B)の具体例として、東邦化学(株)製、商品名:カチナールMPAS−R(ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド)等が挙げられる。また、市販されるポリオキシエチレン硬化牛脂アルキルアミンとしては、ライオンアクゾ(株)製、商品名:ETHOMEEN HT/14などが挙げられる。
【0031】
(B)成分は、綿等を原料とする洗濯後の衣類へ、柔軟性を付与することを主目的に、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物へ配合される。柔軟性は、(B)成分が、窒素原子を繊維側にアルキル鎖を外側に向けて吸着するために得られると予測される。
(B)成分の配合量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。0.1質量%以上であると洗浄後の衣料に柔軟効果が得られると同時に、(C)成分によるすべり性効果を充分に発現する。一方、10質量%以下であれば、配合量に見合う柔軟性の向上効果が得られ、経済的に有利となる。
【0032】
尚、以下に本発明で用いる。(B)成分の製造方法を、前記一般式(3)で示される第3級アミン(前記具体例中の「長鎖脂肪族アミドアルキル第3級アミン」)を用いて説明する。
例えば、脂肪酸若しくは脂肪酸低級アルキルエステル、又は動・植物性油脂等の脂肪酸誘導体と、ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンとを縮合反応させ、その後、未反応のジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンを減圧又は窒素ブローにて留去することにより得られる。
【0033】
ここで、脂肪酸又は脂肪酸誘導体としては、具体的にカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、とうもろこし油脂肪酸、牛脂脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸等の植物油又は動物油脂肪酸等、又は、これらのメチルエステル、エチルエステル、グリセライド等が具体的に挙げられる。中でも、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等が、原料の入手しやすさと柔軟性付与効果の観点から特に好ましい。
また、これら脂肪酸又は脂肪酸誘導体は、1種が単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。
【0034】
ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンとしては、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン等が具体的に挙げられ、中でも、ジメチルアミノプロピルアミンが柔軟性付与効果の観点から特に好ましい。
【0035】
なお、長鎖脂肪族アミドアルキル第3級アミンを製造する際のジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンの使用量は、脂肪酸又はその誘導体に対し、0.9〜2.0倍モルが好ましく、1.0〜1.5倍モルが特に好ましい。ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンの使用量が、脂肪酸又はその誘導体に対し、0.9倍モル以上であれば、長鎖脂肪族アミドアルキル第3級アミンの収率が良好であり、2.0倍モル以下であれば、副生成物の生成を抑えることが可能である。
反応温度は、通常100〜220℃であり、好ましくは150〜200℃である。反応温度が100℃以上であれば反応が遅くなることがなく、220℃以下であれば、得られる第3級アミンが着色し難い傾向にある。
【0036】
長鎖脂肪族アミドアルキル第3級アミンを製造する際の前記以外の製造条件は適宜変更可能であり、反応時の圧力は常圧でも減圧でも良く、反応時に窒素等の不活性ガスを吹き込むことにより導入することも可能である。
また、脂肪酸を用いる場合は、硫酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒、脂肪酸誘導体を用いる場合は、ナトリウムメチラート、苛性カリ、苛性ソーダ等のアルカリ触媒を用いることで、低い反応温度で短時間により効率良く反応を進行させることができる。
また、得られる第3級アミンが、融点が高い長鎖アミンの場合には、ハンドリング性を向上させるため、反応後、フレーク状又はペレット状に成形することが好ましく、又は、エタノール等の有機溶媒に溶解し液状にすることが好ましい。
【0037】
[(C)成分]
本発明において、(C)成分は水不溶性シリコーン化合物(C)である。(C)成分としては、水不溶性であれば、変性、未変性いずれのシリコーンも用いることができる。具体的には、未変性ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、アミノ・ポリエーテル変性シリコーン、アミド変性シリコーン、アミド・ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキル・ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。これらは1種が単独で用いられても、2種以上の混合物として用いられてもよい。
尚、本発明で用いられる(C)成分における「不水溶性」とは、25℃の条件で、水1Lに対して溶解する限度が10g以下であることを指す。
【0038】
中でも、特に好ましい(C)成分として、洗浄後の衣類に対する柔軟性・すべり性の付与に加え、衣料用液体洗浄剤組成物の外観を透明にし、且つ保存安定性に優れ、経時による水不溶性シリコーン化合物の分離・浮遊が認められないなどの観点から、下記一般式(5)で示されるポリエーテル変性シリコーンが用いられることが好ましい。
【0039】
【化6】

【0040】
前記一般式(5)中、R14は炭素数1〜4の直鎖あるいは分岐したアルキル基、炭素数2〜4の直鎖あるいは分岐したアルケニル基、又は水素原子のいずれかである。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が前記範囲内であれば、シリコーン化合物の流動性が良く取り扱いが容易である。
15は、水素原子または炭素数1〜4の直鎖あるいは分岐したアルキレン基である。アルキレン基の炭素数が前記範囲内であれば、工業的に製造しやすい。
Yは、ポリオキシアルキレン基を示す。
q、rが付された各構成単位の順序は異なっていても良く、qは10〜10000の整数、rは1〜1000の整数である。q及びrの整数が前記範囲内であれば、洗浄後の衣類に対する柔軟性とすべり性の付与に優れる。
【0041】
更に、これらポリエーテル変性シリコーンの比重は、25℃において、1.00〜1.09とされることが好ましく、1.04〜1.09とされることがより好ましい。25℃における比重が1.00〜1.09の範囲内の場合、衣料用液体洗浄剤組成物の保存安定性が優れる。
なお、比重は、日本薬局方一般試験法の比重測定法に従い、25℃で比重瓶を用いて測定した値とする。
また、前記「透明」とは、測定セルの光路長10mmのガラスセルを使用し、対照セルにイオン交換水を入れた場合に、700nmに波長の光透過率が98%以上であることを意味する。
【0042】
(C)成分は、例えば、商業的に入手できるものを使用することができる。
具体的には、東レ・ダウコーニング株式会社から、商品名:SF8417、SF8418、SH3772、SH3773、SH3775、DC2501、DC2502、DC2503、DC580、AMS−C30、SF8417、BY16−837、BY16−878で販売されているもの;日本ユニカー株式会社から、商品名:ABN SILWET FZ−F1−009−54、ABN SILWET FZ−2222で販売されているもの;信越化学株式会社から、商品名:KF−6011、KF−6012、F−6013、KF−6015で販売されているものなどが挙げられる。
中でも、ポリエーテル変性シリコーンである、東レ・ダウコーニング株式会社製の、商品名:SH3772M(比重:1.03)、SH3773M(比重:1.04)、SH3775M(比重:1.01)、信越化学工業株式会社製の、商品名:KF−6011(比重:1.06)、KF−6012(比重:1.03)、F−6013(比重:1.03)、KF−6015(比重1.00)などが用いられると好ましい。
なお、これらは1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が併用して用いられてもよい。
【0043】
(C)成分は、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物によって洗濯された、綿などよりなる衣類へ洗濯後の柔軟性と、ポリエステルなどの化繊よりなる衣類へ洗濯後のすべり性や仕上がり感を付与することを主目的に配合される。柔軟性は、(C)成分が衣類に吸着するために得られると予測される。
(C)成分の配合量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。
0.01質量%以上とすることによって、前記(C)成分の配合効果が充分に発現する。一方、(C)成分の配合量を5質量%以下であれば、配合量に見合った効果が得られ、経済的に有利である。
【0044】
更に、(C)成分は、(B)成分(第3級アミン(B))と共に配合されることにより、衣料に対して、優れたすべり性付与効果を発現できる傾向にある。
この効果発現の理由については定かではないが、おそらく(B)成分と(C)成分とが複合体を形成することによって、洗浄工程に関係なく、(C)成分が高い吸着性を示すようになったためと推察される。
特に、ポリエーテル変性シリコーンのすべり性付与効果はアミノ変性シリコーンなどの他の(C)成分に比べて良好な傾向が見られる。更に、ポリエステル素材の衣料に対して、より高い効果を発揮する傾向が見られる。
【0045】
以上、(B)成分と、(C)成分であるポリエーテル変性シリコーンとの配合比率は、質量比で(C)成分/(B)成分=0.001/1〜5/1が好ましく、0.05/1〜1/1が特に好ましい。
質量比、(C)成分/(B)成分が0.001/1よりも高い配合比率であれば、充分なすべり性付与効果が発現する。一方、5/1より低い配合比率であれば、配合量に見合った効果が得られ、経済的に有利である。
【0046】
[(D)成分]
本発明において、(D)成分は陰イオン性界面活性剤(D)である。(D)成分としては、SO基又は、SO基を有する陰イオン性界面活性剤あれば、いずれの陰イオン性界面活性剤も用いることができる。
(D)成分の具体例として、SO基を有する陰イオン性界面活性剤としては、スルホン酸又はその塩である、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩などが挙げられる。
また、SO基を有する陰イオン性界面活性剤としては、硫酸エステル又はその塩である、直鎖または分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。
また、これらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩などが挙げられる。
【0047】
更に、これらのSO基又はSO基を有する(D)成分としては、再汚染防止性と衣料用液体洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、具体的に以下に示す(i)〜(vi)のものが用いられることがより好ましい。
(i)直鎖アルキル基の炭素数が好ましくは8〜16、より好ましくは炭素数10〜14である、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩。
(ii)炭素数が好ましくは10〜20であるα−オレフィンスルホン酸塩。
(iii)炭素数が好ましくは10〜20である、アルキル硫酸エステル塩。
(iv)炭素数が好ましくは10〜20である直鎖または分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有し、好ましくは平均1〜10モルのエチレンオキサイドを付加した、アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩(すなわち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)。
(v)炭素数が好ましくは10〜20、より好ましくは14〜17であるアルカンスルホン酸塩であり、特に2級アルカンスルホン酸塩。
(vi)炭素数が好ましくは10〜20であるα−スルホ脂肪酸エステル塩。
また、これらの具体例の中では、界面活性剤としての入手のしやすさ(汎用性)の観点から、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩が用いられることが特に好ましい。
なお、これらは1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が併用して用いられてもよい。
【0048】
SO基又はSO基を有する(D)成分は、再汚染防止性能の付与と(C)成分の保存安定性の確保を主目的として配合される。SO基又はSO基を有する(D)成分の配合量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることが好ましい。配合量が0.5質量%以上であれば、(C)成分の保存安定性を確保し易い。一方、20質量%以下であると充分な再汚染防止効果を発現する。再汚染防止効果は、(D)成分が、被洗物の繊維からいったん脱離した汚れの洗濯液中で分散性が良好になるために得られると予測される。
また、本発明における(C)成分と(D)成分の質量比は、(C)成分/(D)成分=0.01/1〜1/1であることが好ましく、0.05/1〜1/1であることがより好ましい。(C)成分と(D)成分の質量比がこの範囲内であれば、保存安定性と柔軟効果がより良好となる。
【0049】
[その他の成分]
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物には更に、前記(A)成分〜(D)成分に加えて、衣料用液体洗浄剤組成物に通常用いられている以下に挙げるような成分を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて含有させることができる。
【0050】
(界面活性剤)
本発明の洗浄剤組成物には、更に(A)成分以外の非イオン性界面活性剤、(D)成分以外の陰イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が用途に応じて配合されてもよい。
(A)成分を除く非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルフェノール、高級脂肪酸又は高級アミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキサイド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
(D)成分を除く陰イオン性界面活性剤の例としては、高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0051】
(水混和性有機溶媒)
本発明の洗浄剤組成物には、水混和性有機溶媒が用途に応じて配合されてもよい。
水混和性有機溶媒としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量約200のポリエチレングリコール、平均分子量約400のポリエチレングリコール、平均分子量約1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのポリグリコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのアルキルエーテル類、等が挙げられる。これら水混和性有機溶剤は、衣料用液体洗浄剤組成物の均一溶解性や保存安定性の確保を目的として、例えば、0.1〜15質量%配合させることができる。
【0052】
(その他)
パラトルエンスルホン酸、安息香酸塩(防腐剤としての効果もある)、並びに尿素等の減粘剤及び可溶化剤を、例えば0.01〜30質量%配合させることができる。
マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等の金属イオン疎捕捉剤を、例えば0.1〜20質量%配合させることができる。
ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を、例えば0.01〜2質量%配合させることができる。
ローム・アンド・ハウス社製ケーソンCG(商品名)等の防腐剤を、例えば0.001〜1質量%配合させることができる。
更に、洗浄性能向上や保存安定性向上等を目的として、酵素(プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等)、風合い向上剤、アルカノールアミン等のアルカリビルダー、pH調整剤、ハイドロトロープ剤、蛍光剤、移染防止剤、再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤等を配合させることができる。
【0053】
また、商品の付加価値向上等を目的として、着香剤、着色剤や乳濁化剤、天然物などのエキス等を配合させることができる。
着香剤としては、代表的な例として、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A、B、C、Dや、特願2007−283650号の表1に記載の香料組成物a、b、c、dが挙げられる。これらの好ましい配合量は、0.1〜1質量%である。
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料を、例えば0.00005〜0.005質量%程度配合させることができる。
【0054】
乳濁化剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製、商品名:サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等を、0.01〜0.5質量%配合させることができる。
【0055】
天然物などのエキスとしては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウなどの植物が挙げられ、これらを例えば、0〜0.5質量%程度配合させることができる。
【0056】
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物のpHは、25℃でpHが4〜9であることが好ましく、pH4〜8であることがより好ましい。pHがこのような範囲にあると保存安定性に優れる傾向が見られる。
本発明において用いることのできるpH調整剤としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて随意であるが、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等が用いられると安定性の面から好ましい。
【0057】
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、好適には水を溶剤として、常法に基づいて製造することができる。
使用方法は、通常の使用方法、すなわち本発明の衣料用液体洗浄剤組成物(本発明品)を、洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、被洗物における泥汚れや皮脂汚れ部位に本発明品を直接塗布する方法、本発明品を予め水に溶かして被洗物を浸漬する方法等が挙げられる。また、本発明品を被洗物に塗布後、適宜放置し、その後、通常の洗濯液を用いて通常の洗濯を行う方法も好ましい。
【0058】
以上説明したように、本発明によれば、洗濯時の再汚染を防止しながら、被洗物に柔軟性を付与できる、保存安定性に優れた衣料用液体洗浄剤組成物を提供することができる。
また、本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、その外観を透明にすることが可能である。
更に、本発明の液体洗浄剤組成物は、ポリエステルなどの化繊よりなる衣類へ洗濯後のすべり性や仕上がり感を付与することも可能である。
【実施例】
【0059】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0060】
[衣料用液体洗浄剤組成物の製造]
表2の実施例1〜16に示す組成、及び表3の実施例17〜23及び比較例1〜3に示す組成の衣料用液体洗浄剤組成物を以下のようにして調製した。
尚、表2及び表3中の配合量の単位は質量%であり、いずれの成分も純分換算量を示す。また、各実施例、比較例の衣料用液体洗浄剤組成物は、表2及び表3に記載の各成分の合計が100質量%となるように製造した。
【0061】
(1)300mLビーカーに下記共通成分a中のエタノールに(C)成分を入れマグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.)で充分に撹拌した。
(2)(1)で得た溶液に、(A)成分、(D)成分、及び共通成分a中の脂肪酸を加えて、充分に撹拌した後、40℃にした共通成分a中の水を入れたあと、予め、エタノールに溶解させた(B)成分を入れて充分に溶解させた。
(3)(2)で得た溶液に、さらに残りの共通成分aを入れて充分に撹拌し、微量の水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調製して、衣料用液体洗浄剤組成物(25℃)とした。
【0062】
[表中に示す成分]
以下に、表2及び表3に示した成分について説明する。
<(A)成分>
(A)成分としては下記一般式(1)で示される化合物(非イオン性界面活性剤)を用いた。
【0063】
【化7】

【0064】
(a−1):P&G社製の天然アルコール、商品名:CO−1214に対して12モル相当の酸化エチレンを付加したもの(前記一般式(1)においてR=C1225/C1429、R=H、X=O、n=12、m=0)。これは以下の方法で合成した。
P&G社製天然アルコール(商品名:CO−1214)224.4g、30質量%NaOH水溶液2.0gを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。更に、アルコールを攪拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)610.7gを吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に温度を100℃まで冷却した後、反応物の1%水溶液のpHが約7(25℃)になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、(a―1)を得た。
【0065】
(a−2):P&G社製の天然アルコール、商品名:CO−1270に対して12モル相当の酸化エチレンを付加したもの(前記一般式(1)においてR=C1225/C1429、R=H、X=O、n=12、m=0)。
(a−3):P&G社製の天然アルコール、商品名:CO−1214に対して15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(前記一般式(1)においてR=C1225/C1429、R=H、X=O、n=15、m=0)。
(a−4):P&G社製の天然アルコール、商品名:CO−1270に対して15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(前記一般式(1)においてR=C1225/C1429、R=H、X=O、n=15、m=0)。
(a−5):Sasol社製の、商品名:Safol23アルコールに対して12モル相当の酸化エチレンを付加したもの(前記一般式(1)においてR=C1225/C1327、R=H、X=O、n=12、m=0)。
(a−6):Sasol社製の、商品名:Safol23アルコールに対して15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(前記一般式(1)においてR=C1225/C1327、R=H、X=O、n=15、m=0)。
【0066】
なお、前記(a−2)〜(a−6)の合成は、それぞれ、アルコールと付加する酸価エチレンのモル数を変えた以外は(a−1)の合成方法と同様にして行った。
【0067】
(a−7):日本触媒(株)製、商品名:ソフタノール150(前記一般式(1)においてR=C1225/C1429(2級)、R=H、X=O、n=15、m=0)
(a−8):ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(前記一般式(1)においてR=C1123/C1327、R=CH、X=COO、n=15、m=0)。これは以下の方法で合成した。
特開2000−144179号公報に記載の合成方法(サンプルDに対応するもの)に準じて合成した。すなわち、化学組成が2.5MgO・Al・nHOである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名:キョーワード330)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5規定の水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gおよびミリスチン酸メチルエステル70gとを4リットルオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を3atmに維持しつつ、エチレンオキサイド1052gを導入し、攪拌しながら反応させた。
さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾別助剤として活性白土および珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別し、(a−8)を得た。
【0068】
(a−9):BASF社製、商品名:Lutenzol TO7(前記一般式(1)においてR=C1327、R=H、X=O、n=7、m=0)
(a−10):BASF社製、商品名:Lutenzol XL70(前記一般式(1)においてR=C1021/(ガーベット型)、R=H、X=O、n=7、m=0)
(a−11):BASF社製、商品名:Lutenzol XA60(前記一般式(1)においてR=C1021/(ガーベット型)、R=H、X=O、n=6、m=0)
【0069】
<(B)成分>
(B)成分としては下記化合物(第3級アミン)を用いた。
(b−1):東邦化学(株)製、商品名:カチナールMPAS−R
(b−2):C1735CONH(CHN(CH、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミン。これは以下の方法で合成した。
1リットルの四つ口フラスコに、ステアリン酸370gを仕込み、80℃で窒素置換を2回行った。170℃に昇温し、副生する水を留去させながら、ジメチルアミノプロピルアミン173gを3時間かけて滴下した。滴下後、170〜180℃に保持し、7時間熟成した。熟成後、減圧して未反応アミンと水を除去し、(b−2)を得た。
【0070】
<(C)成分>
(C)成分としては下記化合物(シリコーン化合物)を用いた。
(c−1):アミノ変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:SF8417(水不溶性)
(c−2):カルボキシ変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:SF8418(水不溶性)
(c−3):ポリエーテル変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:SH3775M(水不溶性)
(c−4):ポリエーテル変性シリコーン、信越化学工業株式会社製、商品名:X−20−8010B(水不溶性)
【0071】
(c−5):ポリエーテル変性シリコーン、下記一般式(5)で示されるシリコーン化合物を用いた(q=210、r=9、R15=C、Y=−(OC10−、R14=CHとする)(水不溶性)。これは以下の方法で合成した。
【0072】
【化8】

【0073】
撹拌装置、凝縮機、温度計及び窒素挿入口を備えた1Lの4つ口フラスコに、下記一般式(6)で表される、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(α=210、β=9)100g、イソプロピルアルコール50g、下記一般式(7)で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=10、Z=CH)29g、付加反応用白金系触媒0.2g、2質量%酢酸ナトリウムのイソプロピルアルコール溶液0.3gを投入し、これらを窒素雰囲気下、90℃で3時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去することにより前記(c−5)を得た。
【0074】
【化9】

【0075】
【化10】

【0076】
(c−6):ポリエーテル変性シリコーン、前記一般式(5)で示されるシリコーン化合物を用いた(q=210、r=9、R15=C、Y=−(OC11−、R14=CHとする)(水不溶性)。これは以下の方法で合成した。
【0077】
前記一般式(7)で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=10、Z=CH)29gの代わりに、同式で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=11、Z=CH)31gを用いた以外は、(c−5)と同様の反応条件で合成し、(c−6)を得た。
【0078】
(c−7):ポリエーテル変性シリコーン、前記一般式(5)で示されるシリコーン化合物を用いた(q=210、r=9、R15=C、Y=−(OC−、R14=Hとする)(水不溶性)。これは以下の方法で合成した。
【0079】
前記一般式(7)で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=10、Z=CH)29gの代わりに、同式で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=9、Z=H)26gを用いた以外は、(c−5)と同様の反応条件で合成し、(c−7)を得た。
【0080】
(c−8):(c−7)とブチルカルビトールとの混合物(水不溶性)。混合割合は、質量比で(c−7)/ブチルカルビトール=9/1である。これは以下の方法で合成した。
【0081】
前記一般式(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(α=210、β=9)100gの代わりに、同式で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(α=70、β=3)100gを用い、また、前記一般式(7)で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=10、Z=CH)29gの代わりに、同式で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=11、Z=CH)31gを用いた以外は、(c−5)と同様の反応条件で合成し、(c−8)を得た。
【0082】
比較品(c−9):ポリエーテル変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:SH3741M(水可溶性シリコーン化合物)
【0083】
<(D)成分>
(D)成分としては下記化合物(陰イオン性界面活性剤)を用いた。
(d−1)LAS:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライオン社製、アルキル基炭素鎖長10〜14)
(d−2)SAS:セカンダリーアルカンスルホン酸ナトリウム(クラリアント・ジャパン社製、商品名:HOSTAPUR SAS30A)
(d−3)AES:C12−13アルキルエトキシ硫酸エステルナトリウム[平均EO鎖長2モル、原料アルコール:サフォール23(商品名)(サソール製、C12/C13=55質量%/45質量%、直鎖率50%)]
(d−4)AOS:C14−18アルファ−オレフィンスルホン酸ナトリウム(ライオン社製、商品名:リポランLB−840)
【0084】
<共通成分a>
共通成分aは以下の組成を示す(衣料用液体洗浄剤組成物100質量%あたり)。
ラウリン酸 0.8質量%
ミリスチン酸 0.2質量%
安息香酸ナトリウム 0.5質量%
クエン酸 0.2質量%
95質量%エタノール 6.0質量%((B)成分を溶解させるために使用する分も含めて)
パラトルエンスルホン酸 2.0質量%
ポリエチレングリコール 3.0質量%
イソチアゾロン液 0.01質量%
色素 0.0001質量%
香料 0.7質量%
水 バランス(洗浄剤組成物全体の量を100質量%とするための量)
【0085】
なお、共通成分aにおける、各成分の詳細は以下の通りとした。
ラウリン酸 :日本油脂(株)製、商品名:NAA−122。
ミリスチン酸 :日本油脂(株)製、商品名:NAA−142。
安息香酸ナトリウム :東亜合成製、商品名:安息香酸ナトリウム。
クエン酸3ナトリウム :マイルス社(米国)製、商品名:クエン酸ソーダ。
95質量%エタノール :日本アルコール販売(株)製、商品名;特定アルコール95度合成。
パラトルエンスルホン酸 :協和発酵工業(株)製、商品名:PTS酸。
ポリエチレングリコール :ライオン(株)製、商品名:PEG#1000。
イソチアゾロン液 :ローム・アンド・ハウス社製、商品名:ケーソンCG(5−クロロ− 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/マグネシウム塩/水混合液)。
色素 :癸巳化成製、商品名:緑色3号
香料 :表1に記載の組成である香料成分(表中の部は質量部を示す)
【0086】
【表1】

【0087】
[物性]
<水不溶性>
25℃の条件で、水1Lに対してシリコーン化合物10gを加えたときの液の外観を目視観察した。
すなわち、透明に溶解しているときを水可溶性とし、一部溶解し溶け残りが見られるもの、または全く溶解しないものを水不溶性とした。
<pH>
東亜ディーケーケー株式会社製のpHメーター(HM−30S)を用いて衣料用液体洗浄剤組成物(25℃)のpHを測定した。
<透明度>
測定セルとして光路長10mmのガラスセルを使用し、対照セルにイオン交換水を入れた場合に、700nmの波長の各衣料用液体洗浄剤組成物の光透過率を求めた。尚、光透過率が98%以上である場合を透明とした。結果を表2及び3に示す。
【0088】
[評価]
(1)綿タオル柔軟性
全自動電気洗濯機(Haier社製JW−Z23A)に、市販の綿タオル(綿100%)3枚、および浴比(洗濯水/被洗布総質量)を15倍に調整する為に、綿肌シャツ4枚(B.V.D.社製、全被洗布質量合計約800g)を投入し、表2及び表3に示す各実施例及び比較例で得た衣料用液体洗浄剤組成物10mLを添加し、標準コースで洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗浄操作を行った。尚、洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(低水位に設定、水量約12L)に関しては、一切調整せず、洗濯機の標準コース設定を使用した。
洗濯終了後、取り出したタオルを25℃、湿度65%RHの恒温恒湿室に放置して、これを試験布として、下記評価基準で評価を行った。
尚、対照布としては、非イオン性界面活性剤(a−3)の25%水溶液を組成物として、上記と同様の洗濯操作で処理した綿タオルを用いた。
(評価基準)
1点:対照布と同等
2点:対照布よりやや柔らかい
3点:対照布より柔らかい
4点:対照布よりかなり柔らかい
5点:対照布より非常に柔らかい
前記平均値が3点以上(○)の場合を合格とした。
◎:4点以上、○:3点以上4点未満、△:2点以上3点未満、×:2点未満
【0089】
(2)保存安定性
表2及び表3に示す各実施例及び比較例で得た衣料用液体洗浄剤組成物100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に取り、蓋を閉めて密封した。この状態で40℃の恒温槽中置いて1ヵ月保存後、液の外観を目視で観察し下記基準により評価した。
(評価基準)
○:液上層部(液面近傍)に、浮遊物質が認められなかった
×:液上層部(液面近傍)に、浮遊物質が認められた
【0090】
(3)再汚染防止性
Terg−O−Tometer(UNOTED STATED TESTING CO.INC.モデル243S)の洗浄浴中に、水道水900mL、表2及び表3に示す各実施例及び比較例で得た衣料用液体洗浄剤組成物0.75mLを入れ120rpmで3分間撹拌した後、赤土汚垢布(3×4cm)5枚、油汚垢布(5×5cm)5枚、白色肌シャツ片(綿100%、B.V.D.社製、5×5cmに切ったもの)2枚を入れ、10分間洗浄した(25℃)。洗浄終了後、ザルに洗浄液を除き、試験布を2槽式洗濯機(三菱電機製、CW−C30A1)の脱水槽で1分間脱水した。さらに、水道水900mLを入れたTerg−O−Tometer浴中で3分間すすぎ、試験布を2槽式洗濯機の脱水槽で1分間脱水し、これを2回繰り返した後、白色布の反射率を測定し、洗浄前の白色肌シャツ片の反射率との差の平均値を再汚染度(ΔZ)として算出した。
尚、反射率は、色差計SE2000(NIPPON DENSHOKU)を用いて測定し、ΔZ値5未満(○)を合格範囲とした。
(評価基準)
○:ΔZ値が5未満
△:ΔZ値が5以上15未満
×:ΔZ値が15以上
【0091】
【表2】

【0092】
【表3】

【0093】
以上の結果から明らかなように、本発明に係る実施例1〜23の衣料用液体洗浄剤組成物は、比較例1〜3の衣料用液体洗浄剤組成物に比べて、保存安定性に優れており、被洗物における柔軟性付与効果と再汚染防止効果に優れることが確認できた。
また、実施例4〜21の衣料用液体洗浄剤組成物は、実施例1〜3及び実施例22〜24の衣料用液体洗浄剤組成物より、被洗物への柔軟性付与効果がより優れていることが確認された。これは、実施例1、2のアミノ変性、及びカルボキシ変性に比べて、ポリエーテル変性シリコーンが与える柔軟付与効果が高いためと考えられる。また、実施例3が実施例4〜21に比べて柔軟性にやや劣る理由の詳細は不明であるが、繊維に対する吸着性が異なることによると考えられる。
一方、衣料用液体洗浄剤組成物が(C)成分を含有しない比較例1と、(B)成分を含有しない比較例3については、被洗物における柔軟性付与効果を得られないことが確認された。また、衣料用液体洗浄剤組成物が(D)成分を含有しない比較例2では、保存安定性が得られず、更に被洗物の再汚染防止効果も得られないことが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示される非イオン性界面活性剤(A)と、第3級アミン(B)と、水不溶性シリコーン化合物(C)と、SO基又はSO基を有する陰イオン性界面活性剤(D)とを含有する衣料用液体洗浄剤組成物。
【化1】

[式中、Rは炭素数8〜22の疎水基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、−X−は連結基を示し、EOはエチレンオキサイド基を示し、POはプロピレンオキサイド基を示す。nおよびmはこれらの基の平均付加モル数を表し、nは3〜20の整数であり、mは0〜6の整数である。]
【請求項2】
水不溶性シリコーン化合物(C)が、25℃の条件で水1Lに対して溶解する限度が10g以下であるポリエーテル変性シリコーンである請求項1に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
非イオン性界面活性剤(A)10〜50質量%と、第3級アミン(B)0.1〜10質量%と、水不溶性シリコーン化合物(C)0.01〜5質量%と、SO基又はSO基を有する陰イオン性界面活性剤(D)0.5〜20質量%とを含有する、請求項1又は2に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2010−59275(P2010−59275A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224902(P2008−224902)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】