表示システム及び表示入力装置
【課題】親機から子機への無駄な映像信号送信を停止して省電力を達成するとともに、子機が省電力モードである場合、子機の液晶パネルへの電力供給を停止して、液晶パネルへの負担を少なくする。
【解決手段】表示入力装置である親機と子機を含む表示システムでは、親機は、親機の動作を制御する処理を行うとともに、親機と子機の省電力モードへの移行を判断する処理を行う処理部と、少なくとも子機に向けて映像信号を送信する第1通信部を備え、子機は、液晶パネルとバックライトを含み、映像信号に基づき表示を行う表示部と、第1通信部と接続され、少なくとも親機から映像信号を受信する第2通信部を備え、子機が省電力モードに移行する場合、親機は、子機への映像信号の送信を停止し、子機の処理部は、親機からの映像信号がなくなった際、子機の表示部の液晶パネル及びバックライトへの電力供給を停止する。
【解決手段】表示入力装置である親機と子機を含む表示システムでは、親機は、親機の動作を制御する処理を行うとともに、親機と子機の省電力モードへの移行を判断する処理を行う処理部と、少なくとも子機に向けて映像信号を送信する第1通信部を備え、子機は、液晶パネルとバックライトを含み、映像信号に基づき表示を行う表示部と、第1通信部と接続され、少なくとも親機から映像信号を受信する第2通信部を備え、子機が省電力モードに移行する場合、親機は、子機への映像信号の送信を停止し、子機の処理部は、親機からの映像信号がなくなった際、子機の表示部の液晶パネル及びバックライトへの電力供給を停止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親子接続された2台以上の表示入力装置からなる表示システムに関する。また、表示システムで用いられる子機としての表示入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、工場内の製造装置、医療機器、銀行のATM、鉄道等の発券装置など、多方面にわたり、各種装置、機器の操作用に、操作用画像等の表示画面(例えば、液晶表示画面)と、タッチパネル等の入力装置を備える表示入力装置がある。表示入力装置は、旧来の表示部のない操作盤による入力に比べ、操作用画像を入力に応じて切り替えることで入力を容易に行える点や、各種装置、機器の設定状況や稼働状況を目視で確認できる点などの利点を有する。そのため、各技術分野での採用、導入が進められている。
【0003】
そして、表示入力装置は、同様の操作用画像等を表示する2台以上の表示入力装置を親子接続したシステムとして設置されることがある。例えば、大型の医療機器(例えば、放射線による撮影装置)では、被曝回避等の観点から、医療機器の設置場所と、技師等の操作者が操作する場所が位置的に離されるように(例えば、別室)、医療機器の近傍に表示入力装置を設け、操作者の操作部屋にも表示入力装置を設け、両方の表示入力装置で医療機器を操作可能とすることがある。又、大型の製造装置(例えば、半導体製造装置や多機能製造装置など)では、操作しやすくするため、2台以上の表示入力装置を親子接続しつつ、位置的に離して製造装置の周囲に設けることがある。
【0004】
例えば、親子接続された2以上の表示装置に同様の表示を行わせる画像表示システムの一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1には、主表示装置と、副表示装置と、主、副表示装置を接続するシリアル式のデータ通信路とを備え、主、副表示装置の表示デバイスは、データが並列的に入力されるデジタル式であり、主表示装置でのパラレル状の表示データをシリアル状の表示データに変換し、シリアル式のデータ通信路を介して副表示装置側に送出する一方、副表示装置では、入力されたシリアル状の表示データをパラレル状の表示データに戻して表示デバイスに入力する画像表示システムが記載されている。これにより、主、副表示装置で略同一の画面表示を可能とし、副表示装置の構成を可及的に簡略化し、データ通信路の長さの自由度が増す。(特許文献1:請求項1、段落[0006]、[0007]、[0011]等参照)。
【特許文献1】特開平11−134164号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、環境保護、省エネ等の観点から、表示入力装置は、所定時間使用されないと装置内の一部の駆動を停止させ、消費電力を低減させる省電力モードを有することがある(例えば、表示入力装置内のバックライトの消灯)。そして、所定時間の計時(カウント)を親機が行い、親機が省電力モードへの移行を決定し、子機に省電力モードへの移行を指示することがある。具体的に、従来、親機は、省電力モードへの移行時、自己のバックライトの消灯を行うとともに、子機に対しバックライトの消灯指示信号を発していた。
【0006】
従来、省電力モードでは、親機、子機ともに、バックライトは消灯されるが、液晶パネルへの電力供給を遮断していない(特に子機)。又、親機は、モードを問わず、子機に向けて映像信号を流し続けていた。そのため、親機、子機の液晶パネルの駆動が続き、省電力モードでも液晶パネルに負担がかかっているという問題がある。更に、親機は子機に映像信号を流し続けるため、省電力モードでも映像信号の処理を行っており、無駄な電力が消費されているという問題もある。
【0007】
尚、特許文献1記載の発明は、主表示装置と副表示装置間のデータ伝送を、シリアル通信で行い、確かに、副表示装置の構成簡略化によるコストダウンや、主表示装置と副表示装置間のケーブル長の延長化に対応可能な点で大きな利点がある。しかし、省電力モード時にも液晶パネルが駆動していて負担がかかっている問題や、子機への映像信号を流し続けることによる無駄な電力消費という問題に対応するための記載はない。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、子機が省電力モードである場合、親機から子機への無駄な映像信号送信を停止して省電力を達成するとともに、省電力モードの親機や子機の液晶パネルへの電力供給を停止して、液晶パネルへの負担を少なくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため請求項1に係る表示システムは、表示入力装置である親機と、表示入力装置である子機を含む表示システムであって、前記親機は、液晶パネルとバックライトを含む第1表示部と、前記親機に対する入力を受け付ける第1入力部と、前記親機の動作を制御する処理を行うとともに、前記親機と前記子機の省電力モードへの移行を判断する処理を行う第1処理部と、少なくとも、前記子機に向けて映像信号を送信するとともに、前記子機の入力信号を前記子機から受信する第1通信部と、を備え、前記子機は、液晶パネルとバックライトを含み、前記映像信号に基づく表示を行う第2表示部と、前記子機に対する入力を受け付ける第2入力部と、前記子機の動作を制御する処理を行う第2処理部と、前記第1通信部と接続され、少なくとも、前記親機から前記映像信号を受信するとともに、前記親機に向けて入力信号を送信する第2通信部と、を備え、前記子機が省電力モードに移行する場合、前記親機は、前記子機への映像信号の送信を停止し、前記第2処理部は、前記親機からの前記映像信号がなくなった際、前記第2表示部の液晶パネル及びバックライトへの電力供給を停止することとした。
【0010】
この構成によれば、親機に設けられ、例えば、タイマ等を有する第1処理部による判断のもと、子機が省電力モード移行する場合、親機は、子機への映像信号の送信を停止するので、親機における映像信号送信のための無駄な電力の消費をなくすことができる。従って、表示システムでの消費電力を減らすことができる。又、省電力モードでは、子機は映像信号がなくなったことをトリガとして、子機の液晶パネルへの電力供給を停止して、子機の液晶パネルの駆動を停止させるので、子機の液晶パネルの負担を少なくし、子機の液晶パネルでの無駄な電力の消費もなくすことができる。
【0011】
又、請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記第2表示部への電力供給停止状態で前記第2入力部への入力があった場合、前記子機は、前記親機に向けて前記映像信号の送信再開を要求する要求信号を前記第2通信部から前記第1通信部へ送信し、前記第2処理部は、前記映像信号の送信が再開されてから前記第2表示部への電力供給を再開させることとした。
【0012】
子機の第2入力部への操作者による入力があった場合、省電力モードを解除して子機が再び表示を行う必要があるところ、本発明の表示システムでは、省電力モード中、親機から子機への映像信号の送信が停止するので、子機が親機から映像信号を受信する前に表示を再開した場合、子機で白一色の表示がなされる場合がある。このような白一色の表示は、操作者に故障、誤動作といった誤認や、システムの不安定感を与えかねないところ、この構成によれば、第2処理部は、親機から子機への映像信号の送信が再開されてから第2表示部への電力供給を再開させるので、省電力モードからの復帰時に子機で白一色の表示がなされることを防ぐことができる。
【0013】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記親機と制御対象とに通信可能に接続され、前記制御対象を制御するためになされた前記第1入力部又は前記第2入力部への入力に基づき、前記制御対象の制御を行う制御装置を有し、前記親機は、前記子機に送信する前記映像信号と異なる形式の映像信号の供給を前記制御装置から受け、前記親機の第1表示部で表示を行うため、及び/又は、映像信号を前記子機に送信するために前記異なる形式の映像信号の形式を変換する1又は複数のデータ変換器を有し、前記親機の第1処理部は、前記親機及び前記子機がいずれも省電力モードである場合、前記データ変換器への電力供給を停止することとした。この構成によれば、親機は、省電力モード中、データ変換器も停止させるので、表示システムにおける無駄な電力の消費をより一層なくすことができる。
【0014】
又、請求項4に係る表示入力装置は、他の表示入力装置と接続され、少なくとも、前記他の表示入力装置からの映像信号を受信するとともに、前記他の表示入力装置に向けて入力信号を送信する通信部と、液晶パネルとバックライトを含み、前記映像信号に基づく表示を行う表示部と、入力を受け付ける入力部と、前記他の表示入力装置からの映像信号がない状態では、前記表示部の液晶パネルとバックライトへの電力供給を停止する処理部を有することとした。
【0015】
この構成は、上記の表示システムの子機を1つの発明として捉えたものであり、この構成によれば、請求項1記載の発明と同様、省電力モードでは、他の表示入力装置から映像信号を受信する表示入力装置の液晶パネルへの電力供給を停止して、液晶パネルの駆動を停止させるので、液晶パネルの負担が少なく、無駄な電力の消費もない、例えば、子機としての表示入力装置を提供することができる。
【0016】
又、請求項5に係る発明は、請求項4の発明において、前記表示部への電力供給停止状態で前記入力部への入力があった場合、前記通信部は、前記他の表示入力装置に向けて、前記他の表示入力装置からの映像信号の送信再開を要求する要求信号を送信し、前記処理部は、前記他の表示入力装置からの映像信号の送信が再開されてから前記表示部への電力供給を再開させることとした。
【0017】
この構成は、上記の表示システム5の子機2を1つの発明として捉えたものであり、この構成によれば、請求項2記載の発明と同様、処理部は他の表示入力装置からの映像信号の送信が再開されてから表示部への電力供給を再開させるので、省電力モードからの復帰時に白一色の表示がなされない表示入力装置を提供することができる。
【0018】
又、上記表示システムにおいて、前記親機の第1処理部は、前記親機が前記省電力モードである場合、前記第1表示部の液晶パネルとバックライトへの電力供給を停止してもよい。この構成によれば、親機が省電力モードへの移行を判断する場合、省電力モードで液晶パネルへの電力供給が停止されるから、省電力モード中、親機の液晶パネルの駆動は停止され、親機の液晶パネルの負担を少なくすることができ、親機での無駄な電力の消費もなくすことができる。
【0019】
又、上記表示システムにおいて、前記第1処理部は、前記第1入力部と前記第2入力部のいずれかの入力部に対し、直前になされた入力から所定時間が経過したことを計時し、所定時間が経過した際に、前記親機及び前記子機をともに、省電力モードに移行させると判断し、前記親機の前記第1入力部若しくは前記子機の前記第2入力部のうち、いずれかに入力があった際に、前記親機及び前記子機をともに省電力モードから復帰させると判断し、前記第1処理部の判断に基づき、省電力モードへの移行と復帰が同時に前記親機及び前記子機でなされるようにしてもよい。この構成によれば、親機と子機の省電力モードへの移行と、省電力モードからの復帰を同期させることができる。
【0020】
又、上記表示システムにおいて、前記第1処理部は、前記第1入力部と前記第2入力部のそれぞれについて、直前になされた入力から所定時間が経過したことを計時し、所定時間が経過した際に、それぞれ前記親機及び前記子機を別個に省電力モードに移行に移行させると判断し、前記第1入力部に入力があれば前記親機だけを省電力モードから復帰させると判断し、前記第2入力部に入力があれば前記子機だけを省電力モードから復帰させると判断し、前第1処理部の判断に基づき、省電力モードへの移行と復帰が別個に前記親機及び前記子機でなされるようにしてもよい。この構成によれば、親機と子機は、独立して省電力モードに移行し、又、省電力モードから復帰するので、入力部に入力のない親機又は子機のいずれか一方を、省電力モードのままとすることができる。従って、使用しない表示入力装置は、省電力モードのままとされ、表示システム全体として高い省電力効果が得られる。
【0021】
ここで、上記所定時間は、各入力部への入力がなくなってから省電力モード移行までの時間であり、例えば、30秒〜数十分の範囲で適宜設定できる。又、所定時間は、親機又は子機の各入力部への入力により、操作者が自由に定めても良いし、製造者が出荷時の設定値として親機に記憶させておいても良い。
【0022】
又、表示システムにおいて、前記親機に対し、複数の前記子機が通信可能に接続されることにより、及び/又は、前記子機に対し更に別の前記子機が通信可能に接続されることにより、複数の前記子機を備えるようにしてもよい。この構成によれば、複数の子機が接続される表示システムでも、親機や各子機の液晶パネルの負担が軽いので、液晶パネルの故障が少ないため耐久性が高く、低消費電力のために低ランニングコストの表示システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
上述したように、本発明によれば、表示システムにおける親子接続された表示入力装置での液晶パネルへの負担を少なくして、メンテナンスの頻度の少なくし、製品の寿命を延ばすことができる。又、無駄な電力消費をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施形態に係る表示システムの一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る表示システムでの映像信号の流れの一例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係るタッチパネル入力信号の流れの一例を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態に係る親機の表示モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る親機の省電力モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係る子機での表示モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態に係る子機での省電力モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態に係る親機での子機のモードの認定制御の一例を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に係る親機での表示モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係る親機での省電力モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の第1の実施形態を、図1〜8を参照しつつ、本発明を説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0026】
(表示システム5の概要)
まず、図1に基づき、本発明の第1の実施形態に係る表示システム5の概要説明を行う。図1は本発明の第1の実施形態に係る表示システム5の一例を示す図である。
【0027】
まず、本実施形態の表示システム5には、図1に示すように、表示入力装置である親機1と、親機1と通信可能に接続され、親機1から映像信号を受け表示を行うとともに入力内容を親機1に送信する表示入力装置である子機2が含まれる。又、表示システム5には、制御装置3を含むことができる。制御装置3は、親機1と制御対象4とに通信可能に接続され、制御対象4を制御するためになされた、親機1のタッチパネル120(第1入力部12)や子機2のタッチパネル220(第2入力部22)への入力に基づき、制御対象4の制御を行う。
【0028】
そのため、制御装置3には、表示システム5にて動作の制御を行おうとする制御対象4が接続される。このように、本実施形態の表示システム5では、制御装置3に対し親機1が通信可能に接続され、親機1に対し子機2が通信可能に接続され、子機2と制御装置3間の通信においては、親機1が中継を行う。
【0029】
尚、図1では破線で示すように、親機1に対し複数の子機2を通信可能に接続することも可能であるし、子機2に対し子機2を更に通信可能に接続することも可能である。即ち、又、表示システム5において、親機1に対し、複数の子機2が通信可能に接続されることにより、及び/又は、子機2に対し更に別の子機2が通信可能に接続されることにより、複数の子機2を備えるようにして表示システム5が構成されても良い。複数の子機2を接続する場合でも、親機1と子機2の1対1の関係として捉えれば良く、以下の本実施形態の説明では、記載の複雑化を避けるため、親機1と子機2がそれぞれ1台である場合について述べる。
【0030】
本システムにおける親機1と子機2は、制御対象4の動作を制御(操作)し、指示するための画像(操作用画像)を表示できる。又、制御装置3は、エラー発生や動作速度等、制御対象4の動作状況に関する情報を制御対象4から取得可能であり、親機1と子機2は、制御装置3から動作状況に関する情報を受信し、制御対象4の動作状態を示す画像(状況表示画像)等を表示できる。そして、詳細は後述するが、操作者は親機1、又は、子機2に表示された操作用画像に配されたキーやボタンを押下して指定するため、タッチパネル等により入力を行うことができる。例えば、子機2のタッチパネル220への入力により生ずるタッチパネル入力信号は、親機1を経て制御装置3に到達する。
【0031】
そして、例えば、大型の医療機器(例えば、放射線による撮影装置や治療装置、MRI、CTスキャナ等)や、大型の製造装置(例えば、半導体製造装置や大型液晶パネル製造装置や各種プラント等、特に限定はない)を制御対象4の例として挙げることができる。上記のような大型の制御対象4は、放射線の被曝回避等の各種の理由で、操作者が操作を行う場所と、制御対象4の設置場所が異なる場合がある。例えば、制御装置3や親機1を操作者が通常、操作を行う場所(部屋)に設置し、大型の制御対象4の設置場所の近くに子機2を設置しておけば、操作者は子機2により制御対象4の動作を目視しながら制御の指示を与えることができる。
【0032】
又、親機1、子機2を位置的に離しつつ、親機1と子機2を制御対象4の周辺に配すれば、複数人が同時に制御の指示を与えられる(尚、同時に制御の指示を与えることが禁止される場合、一方の操作中は他方を操作できないようにロックしてもよい)。又、制御対象4を動かし続けるうえで、制御対象4に複数の確認箇所がある場合、確認箇所の近くに親機1又は子機2を配しておけば、操作者はほとんど移動せずに制御の指示を与えることもできる。このように、顧客ごとの事情に応じ、制御対象4の制御を行うため、親機1と子機2を含む表示システム5を様々な態様で、設置することができる。
【0033】
(表示システム5のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、本発明の第1の実施形態に係る表示システム5のハードウェア構成の一例を説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る表示システム5のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
まず、制御装置3の構成を説明する。制御装置3は、演算処理装置としての処理部31、制御対象4の制御用プログラムや制御用データや、親機1及び子機2に表示させる操作用画像等の画像データを記憶する記憶部32や、親機1と通信可能に接続するためのI/F部33を有する。尚、詳細は後述するが、本実施形態では、親機1は、子機に送信する映像信号と異なる形式の操作用画像等の映像信号を、制御装置3からを受け、映像信号に応じた表示を行う。例えば、制御装置3には、産業用コンピュータのほか、パーソナルコンピュータを用いることができる。
【0035】
次に、表示入力装置としての親機1の構成を説明する。親機1は、I/F部10、表示部11(第1表示部に相当)、入力部12(第1入力部に相当)、記憶部13、処理部14(第1処理部に相当)、I/F部15(第1通信部に相当)、電源部16等を有する。
【0036】
I/F部10は、親機1と制御装置3を通信可能に接続するためのインターフェイスであり、複数の規格に対応するため、複数のコネクタ、ソケットや通信制御用のチップ等を有する(他のI/F部も同様)。これにより、親機1は制御装置3と各種のデータ、信号のやり取りを行うことができる。又、親機1、子機2で操作用画像等を表示させるための映像信号を制御装置3から受信することができる。
【0037】
表示部11は、液晶パネル110(第1表示部の一部に相当)、バックライト111(第1表示部の一部に相当)等を含み、制御対象4の操作用画像や状況表示画像等を表示する。液晶パネル110は、バックライト111と組み合わせて用いられ、後述の液晶コントローラ141からの制御信号に基づき動作し、操作用画像等の表示を行うためのものであり、カラーフィルタ等を含むことができる。バックライト111は、液晶パネル110の背面に接して設けられ、液晶パネル110を親機1の背面側から照らす。バックライト111に用いられる光源としては、例えば、冷陰極管を用いることができる。尚、光源には、アレイ状のLEDなど、他の光源を用いることもでき、バックライト111として機能すればよい。
【0038】
入力部12は(第1入力部に相当)、タッチパネル120等で構成され、制御対象4や親機1の動作を指示、設定するため、操作者が親機1に対して行う入力等を受け付ける部分である。タッチパネル120は、親機1に対する入力を受け付け、操作者の入力用のもので、親機1の液晶パネルを利用して表示された操作用画像に配された各種キー、ボタンの操作者の押下による入力を受け付けるため、液晶パネル110の表面に設けられる。このタッチパネル120と後述のタッチパネルコントローラ143を経て、タッチパネルの出力電圧値が制御装置3にまで送られ、制御装置3で操作者の押下位置、座標が特定され、押下された各種キー、ボタン等が判別される。本実施形態の親機1のタッチパネル120は、透明抵抗膜方式のものであるが、例えば、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等、他の方式のタッチパネルを用いてもよい。尚、入力部12としては、タッチパネル120のほか、数字や矢印等のキー(ボタン)(不図示)が筐体に設けられてもよい。
【0039】
記憶部13は、親機1での表示や制御に必要となる各種データや各種プログラムを記憶、展開する部分であり、データメモリ130、ワークメモリ131等で構成される。データメモリ130は、操作用画像等の画像データや、省電力モードへの移行用プログラムや、省電力モードからの復帰用プログラムなど、制御プログラムなどを不揮発的に格納しておけるメモリであり、書換、読出可能なFEPROM(Flash Erasable and Programmable ROM)等を用いることができる。ワークメモリ131は、例えば、DRAMによって構成され、制御装置3から送信された映像信号に基づく画像データや各種プログラムの展開に用いられ、作業用の記憶領域として機能する。
【0040】
処理部14は、例えば、基板上に構成され、親機1の動作を制御する処理を行うとともに、親機1と子機2の省電力モードへの移行を判断する処理を行う。例えば、処理部14は、CPU140、液晶コントローラ141、バックライトコントローラ142、タッチパネルコントローラ143、タイマ144等を有する。CPU140は、演算処理装置であって、親機1での表示等、親機1の制御を司り、データメモリ130、ワークメモリ131に記憶されるプログラム、データに基づき、プログラムの実行や各種演算を行う。そして、CPU140は、処理部14内の各部と接続され、制御信号を発する。尚、本実施形態では、CPU140は、親機1の制御のみを担当し、制御装置3とCPU140間では、データのやり取りが行われない(言い換えると、制御装置3からCPU140は指示を受けず、CPU140は独立して動作する)。
【0041】
液晶コントローラ141は、液晶パネル110と接続され、映像信号に基づき液晶パネル110に表示を行わせるコントローラである。バックライトコントローラ142は、バックライト111と接続されバックライト111を点灯させるための回路を含むコントローラである。バックライト111に例えば、冷陰極管を用いる場合、冷陰極管の点灯用電圧を発生させるインバータがバックライトコントローラ142に含まれる。タッチパネルコントローラ143は、タッチパネル120と接続され、タッチパネル120の出力電圧(タッチパネル入力信号)をスキャンする。
【0042】
そして、タッチパネル入力信号は、制御装置3に送られ、制御装置3の処理部31は、親機1の液晶パネル110の押下位置の座標を特定し、特定された座標と、液晶パネル110に表示されたキーやボタンなどの配置を比較し、操作者の入力を認識する。指示内容により、操作用画像の切り替えが必要であれば、制御装置3は、新たな映像信号を親機1に送信し、その結果、親機1での操作用画像が切り替えられる。又、制御対象4の制御が指示されれば、制御装置3は、指示通りに制御対象4を制御する。
【0043】
タイマ144は、例えば、親機1と子機2の省電力モードへの移行を判断する処理を行うため親機1と子機2が省電力モードに移行するまでの計時を行う等、時間のカウントを行う部分である。尚、CPU140に計時機能があれば、タイマ144を設けなくても良い。タイマ144は、制御上、各種時間の計時が可能であるが、例えば、親機1と子機2の省電力モードへの移行を判断するうえで、親機1又は子機2に対する入力(各タッチパネルへの入力)がなくなってからの時間を計時する。そして、親機1又は子機2に対する入力がなくなってから所定時間(例えば、30秒〜数十分)経過した段階で、処理部14は、省電力モードに移行すると判断する(詳細は後述)。
【0044】
I/F部15は、子機2と通信可能に接続するためのインターフェイスである。このI/F部15から、例えば、子機2に表示させる操作用画像等の映像信号が子機2に向けて送信される。又、子機2のタッチパネル220への入力内容を示すデータ(タッチパネル入力信号)を受信し、I/F部10から制御装置3に向けて転送する。即ち、I/F部15は、少なくとも、子機2に向けて映像信号を送信するとともに、子機2の入力信号を子機2から受信する。電源部16は、例えば、商用電源に接続され、親機1内の各部、各部品用の電圧を生成し供給する。
【0045】
次に、表示入力装置としての子機2の構成を説明する。子機2は、親機1とほぼ同様の構成で、I/F部20(第2通信部に相当)、表示部21(第2表示部に相当)、入力部22(第2入力部に相当)、記憶部23、処理部24(第2処理部に相当)、I/F部25、電源部26等を有する。
【0046】
I/F部20は、親機1のI/F部15とケーブル等で接続される。これにより、子機2は、映像信号を受けられる。そして、子機2は、親機1と同様の操作用画像等を表示できる。又、子機2のタッチパネル220への入力内容を示すタッチパネル入力信号を親機1に送信することもできる。即ち、I/F部20は、I/F部15と接続され、少なくとも、親機1から映像信号を受信するとともに、親機1に向けて入力信号を送信する。尚、子機2は、I/F部25を有し、更に子機2を接続することもできる(孫機ともいえるが、ここでは子機2で統一する)。即ち、子機2は複数段連ねて接続可能である(図1参照)。
【0047】
尚、子機2では、液晶パネル210(第2表示部の一部)、バックライト211(第2表示部の一部)を含ませて表示部21(第2表示部に相当)を構成し、表示部21が子機2に入力された映像信号に基づく表示を行う点や、入力部22(第2入力部に相当)は、タッチタッチパネル220等で構成され、制御対象4や子機2の動作を指示、設定するため、操作者が子機2に対して行う入力等を受け付ける点は、親機1と同じである。従って、表示部21(液晶パネル210、バックライト211)、入力部22(タッチパネル220等)は、親機1の表示部11(液晶パネル110、バックライト111)、入力部12(タッチパネル120)と同様のものでよく、表示部21と入力部22については、親機1の表示部11と入力部12の説明を準用するものとして説明を省略する。
【0048】
記憶部23は、子機2での表示や制御に必要となる各種データや各種プログラムを記憶、展開する部分であり、データメモリ230、ワークメモリ231等で構成される。データメモリ230は、親機1のデータメモリ130と同様に、各種画像データ、プログラム等を不揮発的に格納するメモリである。ワークメモリ231は、親機1のワークメモリ131と同様、親機1から受信した映像信号に基づく画像データや、各種プログラムを展開する記憶領域である。尚、電源部26は、親機の電源部16と同様のものでよく、親機1での電源部16の説明を準用するものとして説明を省略する。
【0049】
又、処理部24は、例えば、基板上に構成され、子機2の動作を制御する処理を行い、CPU240、液晶コントローラ241、バックライトコントローラ242、タッチパネルコントローラ243等を有する。子機2の処理部24は、親機の処理部14とタイマ144の有無が異なるが処理部24内の構成は、処理部14と基本的に同様の構成である。
【0050】
処理部24は、親機1の処理部14の説明を準用できるが、構成の説明を簡易に行っておく。まず、CPU240は、子機2の制御を司り、データメモリ230、ワークメモリ231内のプログラム等に基づき、プログラム等を実行し、制御信号を発する。尚、本実施形態では、CPU240は、子機2の制御のみを担当し、制御装置3とCPU240間では、データのやり取りが行われない(言い換えると、制御装置3からCPU240は指示を受けず、CPU240は独立して動作する)。液晶コントローラ241は、映像信号に基づき液晶パネル210に表示を行わせるコントローラである。バックライトコントローラ242は、バックライト211を点灯させるための回路である。タッチパネルコントローラ243は、タッチパネル220と接続され、タッチパネル220の出力電圧(タッチパネル入力信号)をスキャンする。
【0051】
そして、タッチパネル入力信号は、親機1を経て、制御装置3に送られ、制御装置3の処理部31は、子機2の液晶パネル210への押下位置の座標を特定し、特定された座標と、液晶パネル210に表示されたキーやボタンなどの配置を比較し、操作者の指示を認識する。指示内容により、操作用画像の切り替えが必要であれば、制御装置3は、新たな映像信号を親機1に送信し、親機1を経て、映像信号が子機2で受信され、その結果、子機2での操作用画像が切り替えられる。又、制御対象4の制御が指示されれば、制御装置3は、指示通りに制御対象4を制御する。
【0052】
(映像信号の流れ)
次に、図3に基づき、本発明の第1の実施形態に係る表示システム5での映像信号の流れを説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る表示システム5での映像信号の流れの一例を示すブロック図である。
【0053】
図3に示すように、本実施形態の表示システム5では、親機1から子機2に映像信号が供給される。親機1から子機2に供給する映像信号は、親機1が、例えば、制御装置3からI/F部10で受け取った映像信号に基づいたものでも良いし、親機1のデータメモリ130やワークメモリ131に記憶される映像信号でもよい。
【0054】
制御装置3から受け取った映像信号の処理の流れを説明すると、親機1のI/F部10は、制御装置3から操作用画像等を表示するための映像信号を受信する。制御装置3からI/F部10への映像信号の送信方式は、シリアル方式でも良いしパラレル方式でも良い。又、アナログ信号でも良いし、ディジタル信号でも良い。
【0055】
もし、I/F部10が制御装置3から受け取った映像信号がアナログ信号(例えば、アナログRGB信号)であれば、アナログの映像信号は、I/F部10からA/D変換器145にわたされる。A/D変換器145は、例えば、R、G、Bの各色についてサンプリングと量子化を行い映像信号をディジタル値に変換する。従って、A/D変換器145もデータ変換器の一種といえる。一方、制御装置3からI/F部10にディジタルの映像信号を送信してもよく、ディジタルの映像信号(例えば、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)等)であれば、A/D変換は不要なのでデータ変換器146にそのままわたせばよい。
【0056】
データ変換器146は、制御装置3から親機1に送信された映像信号に基づき、液晶パネルを駆動できるように、A/D変換後のディジタル信号(例えば、LVDS(Low voltage differential signaling))やI/F部10で受信されたディジタル信号の変換を行う。例えば、ディジタル信号がシリアル方式のものであれば、パラレル方式に変換する。そして、液晶コントローラ141は、パラレル方式に変換された映像信号に基づき液晶パネル110を駆動させる。又、例えば、A/D変換後やI/F部10から送信された信号がパラレル方式であれば、データ変換器146は、信号の波形の整形等を行っても良い。
【0057】
そして、データ変換器146の後段に位置するデータ変換器147は、データ変換器146からデータを受け取り、子機2への映像信号の伝送に適した形式に映像信号の変換を行う。通常、親機1と子機2は、位置的に離されて設置されるので、本実施形態では長距離の信号伝送に適したディジタルでシリアル差動形式の映像信号(例えば、TMDS)を親機1から子機2に送信するものとして説明する。尚、ノイズや信号遅延や伝送距離に問題がなければ、親機1から子機2にパラレル形式やアナログの映像信号(例えば、アナログRGB)を送信してもよい。このように、親機1は、子機2に送信する映像信号と異なる形式の映像信号の供給を制御装置3から受け、親機1の液晶パネル110等で表示を行うため、及び/又は、子機2に送信するために異なる形式の映像信号の形式を変換するデータ変換器146、147等を有する。
【0058】
データ変換器147により変換された映像信号は、親機1のI/F部15から送信され、子機2のI/F部20で受信される。そして、受信された映像信号に基づいて子機2の液晶パネル210を駆動させるため、子機2内にもデータ変換器244が設けられる。ここで、上述したように、親機1と子機2の構成は同様であるので、データ変換器244は、親機1から受信した、例えば、ディジタルでシリアル差動形式の映像信号をパラレル方式に変換し、液晶コントローラ241に与える。
【0059】
尚、液晶コントローラ141、A/D変換器145、データ変換器146、データ変換器147等は、親機1のCPU140と、制御のため接続される。そして、例えば、CPU140は、省電力のため、液晶コントローラ141やA/D変換器145やデータ変換器146、データ変換器147に、映像信号に対する処理を行わない省電力モードへの移行を指示できる。あるいは、CPU140は、液晶コントローラ141やA/D変換器145やデータ変換器146、データ変換器147への電力供給をOFFして、映像信号への処理が行われないようにしてもよい。又、CPU140は、液晶コントローラ141に指示を与えることや、液晶パネル110への電力供給用スイッチ(不図示)をOFFすることにより、液晶パネル110への電力供給を停止させることができる。
【0060】
又、液晶コントローラ241等は、子機2のCPU240と、制御のため信号線等で接続される。そして、例えば、CPU240は、省電力のため、液晶コントローラ241等に映像信号に対する処理を行わない省電力モードへの移行を指示できる。あるいは、CPU240は、液晶コントローラ241等への電力供給OFFにより、映像信号への処理が行われないようにしてもよい。又、CPU240は、液晶コントローラ241に指示を与えることや、液晶パネル210への電力供給用スイッチ(不図示)をOFFすることにより、液晶パネル210への電力供給を停止させることができる。更に、子機2のCPU240は、データ変換器244、液晶コントローラ241と通信可能に接続されるので、I/F部15、I/F部20を経て、データ変換器244が受け取る映像信号の有無を確認できる。言い換えると、処理部24は、親機1から子機2に映像信号が送信されているかを確認できる。
【0061】
(タッチパネル入力信号の流れ)
次に、図4に基づき、本発明の第1の実施形態に係る表示システム5でのタッチパネル入力信号の流れを説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル入力信号の流れの一例を示すブロック図である。
【0062】
まず、タッチパネル入力信号とは、操作者が親機1のタッチパネル120や子機2のタッチパネル220を押下することにより生じた信号である。各タッチパネルコントローラは、接続されたタッチパネルの出力電圧をスキャン(監視)しており、タッチパネルの押下を検出し、タッチパネルの出力電圧を把握する。そして、図4に示すように、本実施形態の表示システム5では、親機1で生じたタッチパネル入力信号は、親機1から制御装置3に送信される。又、子機2で生じたタッチパネル入力信号は、子機2から親機1へ送信され、親機1を経由した後、親機1から制御装置3に送信される。
【0063】
具体的には、子機2から発せられたタッチパネル入力信号は、I/F部20→I/F部15→I/F部10と親機1を経由して子機2から制御装置3へ送られる。親機1から発せられたタッチパネル入力信号は、I/F部10から制御装置3へと送られる。
【0064】
子機2でのタッチパネル押下時の動作の一例を説明すると、子機2で操作者がタッチパネル220に入力を行うと、タッチパネルコントローラ243がタッチパネル220の出力電圧値を把握し、タッチパネルの出力電圧を示すデータ(タッチパネル入力信号)が、タッチパネルコントローラ243からデータ変換器245にわたされる。データ変換器245は、タッチパネル入力信号の形式を変更する。例えば、データ変換器245は、長距離伝送に対応し、シリアル差動形式の信号(例えば、RS−485)に、タッチパネル入力信号を変換する。尚、この時、タッチパネル入力信号には、子機2になされた入力であることを示す符号が付加されてもよい。
【0065】
そして、子機2からのタッチパネル入力信号は、例えば、親機1内のデータ変換器148に入力される。データ変換器148は制御装置3のI/F部33と親機1のI/F部10間の通信方式(例えば、RS−232C)に合わせて、子機2からのタッチパネル入力信号の変換を行う。タッチパネル入力信号伝送において、制御装置3−親機1間と親機1−子機2間の通信方式が同じであれば、データ変換器148は、変換を行う必要はなく中継のみ行えばよい。
【0066】
一方、親機1でのタッチパネル押下時の動作の一例を説明すると、親機1で操作者がタッチパネル120に入力を行うと、タッチパネルコントローラ143がタッチパネル120の出力電圧値を把握し、タッチパネルの出力電圧を示すデータ(タッチパネル入力信号)が、タッチパネルコントローラ143からデータ変換器148に送られる。データ変換器148は、制御装置3−親機1間の通信方式に合わせ、タッチパネル入力信号の形式を変更する。尚、この時、タッチパネル入力信号には、親機1になされた入力であることを示す符号が付加されてもよい。
【0067】
尚、タッチパネル入力信号の伝送における親機1−子機2間、親機1−制御装置3間の通信規格は、上記のものに限られず、シリアル形式でもパラレル形式でも良く、又、アナログ信号でもディジタル信号でも良く、正確にタッチパネル入力信号の伝送を行うことができればよい。このように、タッチパネル入力信号は、子機2、親機1から制御装置3に送信され、タッチパネル入力信号に基づき、制御装置3は制御対象4を制御する。
【0068】
更に、親機1のタッチパネル120への入力に伴い、親機1の操作用画像や状況表示画像の切り替えを行う必要があれば、制御装置3は、操作用画像等の映像信号を親機1に向けて送信する。これにより、親機1の表示が切り替えられる。尚、親機1は、子機2に同じ操作用画像等を表示させるため、映像信号を子機2に送信(転送)しても良い。これにより、親機1と子機2で同じ画面を表示させることができる。
【0069】
又、子機2のタッチパネル220への入力に伴い、子機2の操作用画像や状況表示画像の切り替えを行う必要があれば、制御装置3は、操作用画像の映像信号を親機1に向け、これを親機1は子機2に転送することができる。これにより、子機2の表示が切り替えられる。尚、親機1は、子機2に向けて制御装置3から送信された映像信号に基づき、表示を行って、親機1と子機2で同じ画面を表示させてもよい。一方で、親機1は、子機2向けの映像信号であれば、子機2向けの映像信号に基づき表示を行わないようにしても良い。この場合、親機1と子機2で別々の操作用画像や状況表示画像が表示される。
【0070】
ここで、親機1のCPU140は、データ変換器148と信号線等で接続される。これにより、処理部14は、子機2で生じたタッチパネル入力信号が親機1に送信されたことや親機1のタッチパネル120への入力がなされたことを確認できる。又、親機1の処理部14は、タッチパネルコントローラ143等と制御のため接続される。これによっても処理部14は、タッチパネル120への入力があったか等を確認できる。又、子機2のCPU240は、タッチパネルコントローラ243やデータ変換器245等と信号線等で接続される。これにより、処理部24は、タッチパネル220への入力があったかを確認できる。
【0071】
(親機1の表示モードと省電力モード)
次に、図5及び図6に基づき、本発明の第1の実施形態に係る親機1の表示モードと省電力モードの遷移制御の一例を説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る親機1の表示モードでの制御の一例を示すフローチャートである。図6は、本発明の第1の実施形態に係る親機1の省電力モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【0072】
尚、本実施形態では、親機1と子機2で表示モードと省電力モードの切り替えがほぼ同時に行われる例を説明する。即ち、表示システム5において、処理部14は、入力部12と入力部22のいずれかの入力部に対し、直前になされた入力から所定時間が経過したことを計時し、所定時間が経過した際に、親機1及び子機2をともに、省電力モードに移行させると判断し、親機1の入力部12若しくは子機2の入力部22のうち、いずれかに入力があった際に、親機1及び子機2をともに省電力モードから復帰させると判断し、処理部14の判断に基づき、省電力モードへの移行と復帰が同時に親機1及び子機2でなされる例の説明を行う。又、制御装置3は、親機1、子機2のモードを問わず、映像信号の親機1への送信を継続し、表示モードでは、親機1は、制御装置3から映像信号の供給を受け、子機2は親機1から映像信号の供給を受け表示を行うことを前提として説明を行う。
【0073】
まず、本実施形態の表示システム5における親機1と子機2は、それぞれ、制御対象4の操作用画像や状況表示画像等の表示を行う表示モードを有する。そして、親機1のタッチパネル120と子機2のタッチパネル220のいずれに対しても操作者の入力が無くなってから所定時間を経過した際、親機1と子機2は、省電力モードに移行する。
【0074】
〈表示モード〉
そこで、まず、親機1の表示モードでの制御を図5に基づき説明する。図5に示すように、親機1の電源投入時や省電力モードからの復帰時、親機1の処理部14(CPU140)は、液晶パネル110への電力供給を再開させる(ステップ♯1、図3参照)。次に、処理部14は、A/D変換器145、データ変換器146、液晶コントローラ141を省電力モードや電源OFF状態から復帰させ、液晶コントローラ141への映像信号の供給を開始させる(ステップ♯2)。その後、処理部14は、バックライトコントローラ142を制御して、バックライト111を点灯させる(ステップ♯3)。映像信号に基づく液晶パネル110の駆動が再開されてからバックライト111を点灯させるので、親機1の表示が白一色の状態にならない。
【0075】
次に、親機1の処理部14(CPU140)は、データ変換器147を省電力モードや電源OFF状態から復帰させ、子機2への映像信号が送信を行われる(ステップ♯4)。次に、処理部14は、タッチパネル120の出力電圧をタッチパネルコントローラ243にスキャンさせ(ステップ♯5)、又、データ変換器148に送られてくる子機2からのタッチパネル入力信号の有無を確認して(ステップ♯6)、子機2のタッチパネル220に入力があったか否かを確認する。以上の確認のもと、処理部14は、親機1のタッチパネル120と子機2のタッチパネル220のいずれかに対し、入力があったか否かを確認する(ステップ♯7)。
【0076】
もし、処理部14は、入力があれば(ステップ♯7のYes)、処理部14は、省電力モード移行までのタイマ144による計時をリセットさせる(ステップ♯8)。一方、入力がなければ(ステップ♯7のNo)、計時はリセットされずステップ♯9に移行する。そして、ステップ♯9では、処理部14は、タイマ144による計時時間が所定時間に到ったか、言い換えると、タイマ144が、省電力モードに移行するまでの所定時間のカウントダウンを開始して、各タッチパネルへの入力がないまま、タイムアップとなったかを処理部14は、確認する(ステップ♯9)。もし、タイムアップであれば(ステップ♯9のYes)、親機1は省電力モードに移行する。一方、タイムアップでなければ(ステップ♯9のNo)、例えば、ステップ♯4に戻る。
【0077】
〈省電力モード〉
次に、図6に基づき、親機1の省電力モードを説明する。図6に示すように、親機1が省電力モードに移行した際、処理部14は、まず、バックライトコントローラ142を停止させる等により、バックライト111をOFFする(ステップ♯11)。次に、処理部14は、液晶コントローラ141やA/D変換器145やデータ変換器146に省電力モードへの移行の指示や電力供給遮断により停止させて、液晶コントローラ141への映像信号の供給を停止する(ステップ♯12)。又、処理部14は、液晶パネル110への電力供給を停止させる(ステップ♯13)。即ち、親機1の処理部14は、親機1が省電力モードである場合、バックライト111や液晶パネル110への電力供給を停止する。
【0078】
更に、処理部14は、例えば、データ変換器147に対しての省電力モードへの移行指示や電力供給を遮断により停止させることや、親機1のデータメモリ130やワークメモリ131内の映像信号の送信を停止し、子機2への映像信号の送信を停止させる(ステップ♯14)。このように、親機1の処理部14は、親機1及び子機2がいずれも省電力モードである場合、データ変換器146、147等への電力供給を停止する。
【0079】
更に、処理部14は、省電力モードでも、タッチパネル120の出力電圧をタッチパネルコントローラ143等にスキャンさせ(ステップ♯15)、タッチパネル120への入力の有無を確認する(ステップ♯16)。もし、入力が無ければ(ステップ♯16のNo)、処理部14は、子機2からの要求信号があったかを確認する(ステップ♯17)。要求信号の詳細は後述するが、要求信号は、省電力モードで子機2のタッチパネル220に入力があった場合、子機2から親機1に向けて映像信号の子機2への送信の再開を要求する信号である。もし、要求信号が子機2から無ければ(ステップ♯18のNo)、ステップ♯15に戻る。一方、親機1のタッチパネル120に対し入力があった場合(ステップ♯16のYes)、及び、子機2からの要求信号があった場合(ステップ♯18のYes)、処理部14は、タイマ144に計時のリセットを行わせ(ステップ♯19)、表示モードに移行する。
【0080】
(子機2の表示モードと省電力モード)
次に、図7及び図8に基づき、本発明の第1の実施形態に係る子機2の表示モードと省電力モードの遷移制御の一例を説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る子機2での表示モードでの制御の一例を示すフローチャートである。図8は、本発明の第1の実施形態に係る子機2での省電力モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【0081】
〈表示モード〉
まず、子機2の表示モードでの制御を図7に基づき説明する。図7に示すように、子機2の電源投入時や省電力モードからの復帰時、子機2の処理部24(CPU240)は、I/F部20を介してデータ変換器244が受信する親機1からの映像信号の有無をデータ変換器244や液晶コントローラ241との通信によりスキャンし(ステップ♯21)、親機1から子機2への映像信号の送信があるかを確認する(ステップ♯22)。ここで、本実施形態の子機2では、親機1からの映像信号が無いことが確認された時点で(ステップ♯22のNo)、表示モードから省電力モードに移行する。これは、親機1が省電力モードになった場合、親機1は子機2への映像信号の送信を停止させることに対応する(図6のステップ♯14に対応)。言い換えると、親機1からの映像信号の送信が無くなったことをトリガとして子機2は省電力モードに移行する。
【0082】
親機1からの映像信号の送信が確認できれば(ステップ♯22のYes)、処理部24は、子機2のバックライト211が点灯しているか確認する(ステップ♯23)。もし、バックライト211が消灯していれば(ステップ♯23のNo)、子機2は無表示状態なので、液晶パネル210への電力供給を再開させる(ステップ♯28、図3参照)。更に、処理部24は、バックライトコントローラ242を制御して、バックライト211を点灯させる(ステップ♯29)。その後、例えば、ステップ♯21に戻る。
【0083】
一方、バックライト211が点灯していれば(ステップ♯23のYes)、その結果、子機2の表示部21で、親機1からの映像信号に基づく操作用画像等の表示が行われていることになる(ステップ♯24)。そして、処理部24は、タッチパネル220の出力電圧をタッチパネルコントローラ243等にスキャンさせ(ステップ♯25)、子機2のタッチパネル220に対し、入力があったか否かを確認する(ステップ♯26)。そして、タッチパネル220への入力があった場合(ステップ♯26のYes)、タッチパネルコントローラ243やI/F部20を利用し、子機2から親機1に向け、タッチパネル入力信号を送信した後(ステップ♯27)、例えば、ステップ♯21に戻る。又、タッチパネル220への入力がない場合も(ステップ♯27のNo)、例えば、ステップ♯21に戻る。
【0084】
〈省電力モード〉
次に、図8に基づき、子機2の省電力モードを説明する。図8に示すように、子機2が省電力モードに移行した際、子機2の処理部24は、まず、バックライトコントローラ242を停止させる等により、バックライト211をOFFし、電力供給を停止する(ステップ♯31)。次に、処理部24は、液晶パネル210への電力供給を停止させる(ステップ♯32)。即ち、子機2が省電力モードに移行する場合、親機1は、子機2への映像信号の送信を停止し、処理部24は、親機1からの映像信号がなくなった際、表示部21の液晶パネル210及びバックライト211への電力供給を停止する。尚、子機2は後述するように、親機1の映像信号の送信再開により表示モードに移行するので、親機1と異なり、処理部24はデータ変換器244等を停止させない。
【0085】
次に、処理部24(CPU240)は、I/F部20を介してデータ変換器244が受信する親機1からの映像信号の有無をデータ変換器244や液晶コントローラ241との通信によりスキャンし(ステップ♯33)、親機1から子機2への映像信号の送信があるかを確認する(ステップ♯34)。もし、親機1からの映像信号の送信があれば(ステップ♯34のYes)、処理部24は子機2を表示モードに移行させる。言い換えると、省電力モードでは、子機2は、親機1からの映像信号の送信再開をトリガとして表示モードに復帰する。
【0086】
一方、親機1からの映像信号の送信がなければ(ステップ♯34のNo)、処理部24は、省電力モードでも、タッチパネル220の出力電圧をタッチパネルコントローラ243等にスキャンさせ(ステップ♯35)、子機2のタッチパネル220に対し、入力があったか否かを確認する(ステップ♯36)。もし、入力が無ければ(ステップ♯36のNo)、例えば、ステップ♯33に戻る。一方、入力があれば、子機2のI/F部20からから親機1に、要求信号が送信される(ステップ♯37)。そして、要求信号を親機1は受信することにより、省電力モードが解除され(図6、ステップ♯18等参照)、子機2に向けて映像信号の送信が再開される。即ち、表示部21(バックライト211、液晶パネル210)への電力供給停止状態で入力部22(タッチパネル220)への入力があった場合、子機2は、親機1に向けて映像信号の送信再開を要求する要求信号をI/F部20からI/F部15へ送信し、処理部24は、映像信号の送信が再開されてから表示部21への電力供給が再開される。
【0087】
ここで、要求信号は、子機2のタッチパネル220のタッチパネル入力信号でも良いし、例えば、CPU240から発せられ、データ変換器245、I/F部20を経て親機に伝えられる予め定められたデータでも良く、子機2のタッチパネル220に入力がなされたために、省電力モードを解除すべきことを親機1に伝達できればよい。
【0088】
このように、本実施形態の表示システム5では、親機1と子機2のいずれかのタッチパネルに入力があった場合、省電力モードに移行するまでのタイマ144の計時がリセットされる(図5のステップ♯8参照)。又、親機1は省電力モードでは子機2への映像信号の送信を停止し、子機2は親機1からの映像信号が無くなった時点で省電力モードに移行する(図7のステップ♯22参照)。親機1は、親機1のタッチパネル120への入力や、子機2からの要求信号により省電力モードから表示モードに復帰し(図6のステップ♯18参照)、映像信号の子機2への送信を再開する(図5のステップ♯4参照)。子機2は、親機1からの映像信号の送信を確認してから省電力モードから復帰する(図8のステップ♯34参照)。従って、子機2と親機1は、ほぼ同時に省電力モードに移行し、ほぼ同時に省電力モードから復帰する。
【0089】
このようにして、本実施形態の表示システム5によれば、親機1に設けられ、例えば、タイマ等を有する処理部14による判断のもと、子機2が省電力モード移行する場合、親機1は、子機2への映像信号の送信を停止するので、親機1における映像信号送信のための無駄な電力の消費をなくすことができる。従って、表示システム5での消費電力を減らすことができる。又、省電力モードでは、子機2では親機1からの映像信号の送信がなくなったことをトリガとして、子機2の液晶パネル210への電力供給を停止して、子機2の液晶パネルの駆動を停止させるので、子機2の液晶パネルの負担を少なくし、子機2の液晶パネルにおける無駄な電力の消費もなくすことができる。
【0090】
そして、従来は、省電力モード時でも、親機1から子機2への映像信号が送信され続け、子機2の液晶パネルへの電力供給を続けていたので、省電力モードからの復帰時にいきなり子機2のバックライト211を点灯させても、例えば、子機2では操作用画像等の何らかの表示がなされ、白一色の表示がなされることはなかった。ここで、本実施形態の子機2では、より一層の省電力のため、省電力モードでは、親機1から子機2への映像信号の送信を停止するので、従来のように、タッチパネル220への入力があった際に、直ちにバックライト211を点灯させると、映像信号が親機1から到着していないと、子機2で白一色の表示がなされ得る。白一色の表示は、子機2の故障発生、誤動作等の誤解を招くなど、好ましくない。しかし、本実施形態の子機2では、処理部24(第2処理部)は、親機1から子機2への映像信号の送信が再開されてからバックライト211、液晶パネル210(第2表示部)への電力供給を再開させるので、省電力モードからの復帰時に子機2で白一色の表示がなされることを防ぐことができる。又、親機1は、省電力モード中、A/D変換器145やデータ変換器146等も停止させるので、表示システム5における無駄な電力の消費をより一層なくすことができる。
【0091】
又、上記の表示システム5における子機2を1つの発明として捉えることもでき、本実施形態の子機2を、他の表示入力装置と接続され、少なくとも、他の表示入力装置からの映像信号を受信するとともに、他の表示入力装置に向けて入力信号を送信するI/F部20と、液晶パネル210とバックライト211を含み、映像信号に基づく表示を行う表示部21と、入力を受け付ける入力部22と、他の表示入力装置からの映像信号がない状態では、表示部の液晶パネル210とバックライト211への電力供給を停止する処理部24を有する表示入力装置として捉えれば、省電力モードでは、液晶パネルへの電力供給を停止して、液晶パネルの駆動を停止させるので、液晶パネルの負担が少なく、無駄な電力の消費もない子機2として用いることができる表示入力装置を提供することができる。
【0092】
又、本実施形態の子機2を、表示部21への電力供給停止状態で入力部22への入力があった場合、I/F部20は、他の表示入力装置に向けて、他の表示入力装置からの映像信号の送信再開を要求する要求信号を送信し、処理部24は、他の表示入力装置からの映像信号の送信が再開されてから表示部への電力供給を再開させる表示入力装置ととらえれば、処理部は、他の表示入力装置からの映像信号の送信が再開されてから表示部21への電力供給を再開させるので、省電力モードからの復帰時に白一色の表示がなされない子機2としての表示入力装置を提供することができる。
【0093】
又、親機1が省電力モードへの移行を判断する場合、親機1でも省電力モードでの液晶パネルへの電力供給が停止されるから、省電力モード中、親機1の液晶パネルの駆動は停止され、親機1の液晶パネルの負担を少なくすることができる。更に、親機1での無駄な電力の消費もなくすことができる。又、親機1と子機2は、ほぼ同時にモードが切り替わるので、親機1と子機2の省電力モードへの移行と、省電力モードからの復帰を同期させることができる。又、図1を用いて説明したように、本実施形態の表示システム5には、複数の子機2が接続できるところ、本実施形態の表示システム5では、親機1や各子機2の液晶パネルの負担が軽いので、液晶パネルの故障が少ないため耐久性が高く、低消費電力のために低ランニングコストの表示システム5を提供することができる。
【0094】
(第2の実施形態の親機1の表示モードと省電力モード)
次に、図9〜図11に基づき、本発明の第2の実施形態に係る親機1の表示モードと省電力モードの遷移制御の一例を説明する。図9は、本発明の第2の実施形態に係る親機1による子機2のモードの認定制御の一例を示すフローチャートである。図10は、本発明の第2の実施形態に係る親機1での表示モードでの制御の一例を示すフローチャートである。図11は、本発明の第2の実施形態に係る親機1での省電力モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【0095】
尚、本実施形態では、親機1と子機2のそれぞれのタッチパネルへの入力が無くなってから所定時間の経過を確認しつつ、親機1と子機2とがそれぞれ独立して表示モードと省電力モードの切り替えが行われるように、親機1が制御する場合を説明する。即ち、本実施形態記の表示システム5では、処理部14は、入力部12と入力部22のそれぞれについて、直前になされた入力から所定時間が経過したことを計時し、所定時間が経過した際に、それぞれ親機1及び子機2を別個に省電力モードに移行に移行させると判断し、入力部12に入力があれば親機1だけを省電力モードから復帰させると判断し、入力部22に入力があれば子機2だけを省電力モードから復帰させると判断し、処理部14の判断に基づき、省電力モードへの移行と復帰が別個に親機1及び子機2でなされる。
【0096】
ここで、第2の実施形態は、第1の実施形態と親機1でのモード切り替えの制御が異なるが、子機2のモード切り替えは、親機1からの映像信号をトリガとして切り替られればよく、第1の実施形態と同様でよいので、子機2の各モードでの動作は、図7及び図8を準用するものとして説明を省略する。又、親機1、子機2や制御装置3などの各構成自体は、第1の実施形態同様のものでよく、本実施形態の説明では、第1の実施形態と共通する部分は、図示、説明を省略し、同じ符号を付す。
【0097】
(親機1による子機2のモードの認定)
上述したように、本実施形態の表示システム5では、親機1と子機2で表示モードと省電力モード切り替えが別々に行われるが、子機2のモード切り替えは、子機2への映像信号の送信の有無により、親機1が制御する。そこで、まず、図9に基づき、第2の実施形態における親機1が子機2のモードを認定する制御の一例を説明する。
【0098】
まず、図9に示すスタートは、例えば、表示システム5の電源投入時(親機1及び子機2への電力供給開始時)である。次に、親機1の処理部14(CPU140)は、又、データ変換器148に送られてくる子機2からのタッチパネル入力信号の有無をスキャン(確認)し(ステップ♯41)、子機2から親機1へのタッチパネル入力信号の有無を確認する(ステップ♯42)。尚、ステップ♯41〜♯42は、第1の実施形態でのステップ♯6〜7と同様の処理である(図5参照)。
【0099】
もし、タッチパネル入力信号が親機1に到達し、タッチパネル入力信号が子機2からあれば(ステップ♯42のYes)、処理部14は、子機2の省電力モード移行までのタイマ144による計時をリセットさせる(ステップ♯43)。第1の実施形態では、省電力モード移行までカウントする時間は親機1と子機2で共通であったが、本実施形態では、タイマ144は、子機2は子機2について、タッチパネル220に入力されなくなってからの時間を計時する。そして、処理部14は、子機2が表示モードであると認定する(ステップ♯44)。尚、ステップ♯44の後、例えば、ステップ♯41に戻る。
【0100】
一方、タッチパネル入力信号が子機2から来なければ(ステップ♯42のNo)、処理部14は、子機2からの要求信号があったかを確認する(ステップ♯45)。尚、要求信号は、第1の実施形態と同じでよいが、子機2へのタッチパネル入力信号を要求信号として用いるのであれば、ステップ♯45とステップ♯46は無くても良い。もし、要求信号が子機2からあれば(ステップ♯46のYes)、ステップ♯43に移行する。尚、ステップ♯45〜♯46は、第1の実施形態でのステップ♯17〜18と同様の処理である(図6参照)。
【0101】
そして、要求信号が子機2からなければ(ステップ♯46のNo)、処理部14は、子機2のタッチパネル220への直前の入力から所定時間が経過して、タイムアップとなったかを確認する(ステップ♯47)。もし、子機2がタイムアップとなっていなければ(ステップ♯47のNo)、ステップ♯44に移行する。一方、子機2がタイムアップとなっていれば(ステップ♯47のYes)、処理部14は、子機2が省電力モードであると認定する(ステップ♯48)。尚、ステップ♯47の確認を行う際、既に子機2が省電力モードであると認定されていれば、処理部14は、タイマ144を確認することなく、子機2は省電力モードと認定してしまえばよい。又、ステップ♯48の後、例えば、ステップ♯41に戻る。
【0102】
このように、親機1の処理部14は、子機2が表示モードであるか、省電力モードであるかの認定を継続して行う。言い換えると、子機2のモードの認定を継続的に行う。
【0103】
〈表示モード〉
次に、第2の実施形態での親機1の表示モードでの制御を図10に基づき説明する。図10に示すように、親機1の電源投入時や省電力モードからの復帰時等、表示モードが開始されると、親機1の処理部14は、液晶パネル110への電力供給を再開する(ステップ♯51)。
【0104】
次に、本実施形態では、親機1と子機2のモードは、それぞれ独立して切り替えられるので、親機1が省電力モードでも、子機2は表示モードの場合がある。子機2で表示を行うには、子機2は、親機1から映像信号を受信しなければならない。従って、本実施形態では、親機1が省電力モードでも、子機2が表示モードであれば、親機1は、子機2に映像信号を送信するため、A/D変換器145、データ変換器146、データ変換器147等を駆動させ続け、制御装置3からの映像信号を処理し、子機2に映像信号を送信しなければならない。一方で、親機1と子機2がともに省電力モードである場合には、A/D変換器145、データ変換器146、データ変換器147等を省電力モードにする等により、電力を消費しない状態にすることができる。
【0105】
そこで、処理部14は、A/D変換器145、データ変換器146等が駆動していて、親機1の液晶コントローラ141が映像信号の供給を受けている状態であるかを確認する(ステップ♯52)。言い換えると、子機2が表示モードであるため、A/D変換器145、データ変換器146等が駆動状態であるか確認する。映像信号を受けていなければ(ステップ♯52のNo)、A/D変換器145、データ変換器146、液晶コントローラ141等を駆動させ、液晶コントローラ141への映像信号の供給を開始させ、親機1が映像信号に基づく表示を行えるようにする(ステップ♯53)
【0106】
そして、液晶コントローラ141が映像信号を処理し、液晶パネルを映像信号に基づき駆動させる状態となれば(ステップ♯52のNo及びステップ♯53の後)、処理部14は、バックライト111を点灯させ、液晶パネル110での表示を開始する(ステップ♯54)。
【0107】
次に、処理部14は、図9に示した子機2のモードの認定結果に基づき、子機2が省電力モードであるか否かを確認する(ステップ♯55)。もし、子機2が省電力モードであれば(ステップ♯55のYes)、子機2への映像信号の送信は不要なので、処理部14は、例えば、データ変換器147の停止や、I/F部15に指示することにより、子機2への映像信号の送信を停止させ、映像信号を子機2に送信しない(ステップ♯56)。これにより、親機1だけの省電力モードからの復帰や、親機1だけ表示モードとすることができる。一方、子機2が表示モードであれば(ステップ♯55のNo)、データ変換器147を駆動させ、I/F部15から子機2に映像信号を送信する(ステップ♯57)。
【0108】
更に、処理部14は、親機1のタッチパネルコントローラ143に、タッチパネル120の出力電圧をスキャンさせ(ステップ♯58)、親機1のタッチパネル120に操作者による入力の有無を確認する(ステップ♯59)。もし、入力があれば(ステップ♯59のYes)、処理部14は、タイマ144による親機1の省電力モード移行までの計時をリセットさせる(ステップ♯60)。一方、入力がなければ(ステップ♯59のNo)、ステップ♯61に移行する。そして、ステップ♯61では、処理部14は親機1がタイムアップとなったかを確認する(ステップ♯61)。もし、タイムアップであれば(ステップ♯61のYes)、親機1は省電力モードに移行する。一方、タイムアップでなければ(ステップ♯61のNo)、例えば、ステップ♯55に戻る。尚、ステップ♯58〜61は、親機1のみの省電力モード移行までの所定時間を計時する点のみ異なるが、ステップ♯58〜♯61は、第1の実施形態でのステップ♯5、7〜9と同様の処理である(図5参照)。
【0109】
〈省電力モード〉
次に、図11に基づき、第2の実施形態に係る親機1の省電力モードを説明する。図11に示すように、親機1が省電力モードに移行した際、処理部14は、まず、バックライトコントローラ142を停止させる等により、バックライト111をOFFする(ステップ♯71)。更に、処理部14は、液晶パネル110への電力供給を停止させる(ステップ♯72)。尚、ステップ♯71、72は、第1の実施形態でのステップ♯11、13と同様の処理である(図6参照)。
【0110】
そして、処理部14は、図9に示した子機2のモードの認定結果に基づき、子機2が省電力モードであるか否かを確認する(ステップ♯73)。もし、子機2が省電力モードであれば(ステップ♯73のYes)、即ち、親機1も子機2も省電力モードであれば(ステップ♯73のYes)、親機1で表示を行う必要も、子機2に映像信号を送信する必要もないので、処理部14は、A/D変換器145、データ変換器146、液晶コントローラ141や、データ変換器147を省電力モードとするか、電力供給を遮断して、液晶コントローラ141への映像信号の供給を停止し(ステップ♯74)、子機2への映像信号の送信を停止する(ステップ♯75)。
【0111】
一方、子機2が省電力モードでなければ(ステップ♯73のNo)、子機2に映像信号を送信しなければならないので、A/D変換器145、データ変換器146、データ変換器147を省電力モードとせず、駆動させ、親機1は子機2に映像信号を送信する(ステップ♯76)。その後、例えば、処理部14は、親機1のタッチパネルコントローラ143に、タッチパネル120の出力電圧をスキャンさせ(ステップ♯77)、親機1のタッチパネル120に操作者による入力の有無を確認する(ステップ♯78)。もし、入力があれば(ステップ♯78のYes)、処理部14は、タイマ144による親機1の省電力モード移行までの計時をリセットさせ(ステップ♯79)、表示モードに移行する。もし、入力がなければ(ステップ♯78のNo)、例えば、ステップ♯73に戻る。尚、ステップ♯77〜♯79は、図10のステップ♯58〜♯60と同様の処理であり、詳細な説明は省略する。
【0112】
このようにして、本実施形態の構成によれば、親機1と子機2は、独立して省電力モードに移行し、又、省電力モードから復帰するので、入力部に入力のない親機1又は子機2のいずれか一方を、省電力モードのままとすることができる。従って、使用しない方の表示入力装置は、省電力モードのままとされ、表示システム5全体として高い省電力効果が得られる。
【0113】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、親子接続される表示入力装置や、この表示入力装置を含む表示システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 親機(表示入力装置)
11 表示部(第1表示部)
110 液晶パネル(親機、第1表示部の一部)
111 バックライト(親機、第1表示部の一部)
12 入力部(第1入力部)
120 タッチパネル(親機、第1入力部)
14 処理部(親機、第1処理部)
144 タイマ
145 A/D変換器(データ変換器の一種)
146、147 データ変換器
15 I/F部(第1通信部)
2 子機(表示入力装置)
20 I/F部(第2通信部)
21 表示部(第2表示部)
210 液晶パネル(子機、第2表示部の一部)
211 バックライト(子機、第2表示部の一部)
22 入力部(第2入力部)
220 タッチパネル(子機、第2入力部)
24 処理部(子機、第2処理部)
3 制御装置
4 制御対象
5 表示システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、親子接続された2台以上の表示入力装置からなる表示システムに関する。また、表示システムで用いられる子機としての表示入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、工場内の製造装置、医療機器、銀行のATM、鉄道等の発券装置など、多方面にわたり、各種装置、機器の操作用に、操作用画像等の表示画面(例えば、液晶表示画面)と、タッチパネル等の入力装置を備える表示入力装置がある。表示入力装置は、旧来の表示部のない操作盤による入力に比べ、操作用画像を入力に応じて切り替えることで入力を容易に行える点や、各種装置、機器の設定状況や稼働状況を目視で確認できる点などの利点を有する。そのため、各技術分野での採用、導入が進められている。
【0003】
そして、表示入力装置は、同様の操作用画像等を表示する2台以上の表示入力装置を親子接続したシステムとして設置されることがある。例えば、大型の医療機器(例えば、放射線による撮影装置)では、被曝回避等の観点から、医療機器の設置場所と、技師等の操作者が操作する場所が位置的に離されるように(例えば、別室)、医療機器の近傍に表示入力装置を設け、操作者の操作部屋にも表示入力装置を設け、両方の表示入力装置で医療機器を操作可能とすることがある。又、大型の製造装置(例えば、半導体製造装置や多機能製造装置など)では、操作しやすくするため、2台以上の表示入力装置を親子接続しつつ、位置的に離して製造装置の周囲に設けることがある。
【0004】
例えば、親子接続された2以上の表示装置に同様の表示を行わせる画像表示システムの一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1には、主表示装置と、副表示装置と、主、副表示装置を接続するシリアル式のデータ通信路とを備え、主、副表示装置の表示デバイスは、データが並列的に入力されるデジタル式であり、主表示装置でのパラレル状の表示データをシリアル状の表示データに変換し、シリアル式のデータ通信路を介して副表示装置側に送出する一方、副表示装置では、入力されたシリアル状の表示データをパラレル状の表示データに戻して表示デバイスに入力する画像表示システムが記載されている。これにより、主、副表示装置で略同一の画面表示を可能とし、副表示装置の構成を可及的に簡略化し、データ通信路の長さの自由度が増す。(特許文献1:請求項1、段落[0006]、[0007]、[0011]等参照)。
【特許文献1】特開平11−134164号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、環境保護、省エネ等の観点から、表示入力装置は、所定時間使用されないと装置内の一部の駆動を停止させ、消費電力を低減させる省電力モードを有することがある(例えば、表示入力装置内のバックライトの消灯)。そして、所定時間の計時(カウント)を親機が行い、親機が省電力モードへの移行を決定し、子機に省電力モードへの移行を指示することがある。具体的に、従来、親機は、省電力モードへの移行時、自己のバックライトの消灯を行うとともに、子機に対しバックライトの消灯指示信号を発していた。
【0006】
従来、省電力モードでは、親機、子機ともに、バックライトは消灯されるが、液晶パネルへの電力供給を遮断していない(特に子機)。又、親機は、モードを問わず、子機に向けて映像信号を流し続けていた。そのため、親機、子機の液晶パネルの駆動が続き、省電力モードでも液晶パネルに負担がかかっているという問題がある。更に、親機は子機に映像信号を流し続けるため、省電力モードでも映像信号の処理を行っており、無駄な電力が消費されているという問題もある。
【0007】
尚、特許文献1記載の発明は、主表示装置と副表示装置間のデータ伝送を、シリアル通信で行い、確かに、副表示装置の構成簡略化によるコストダウンや、主表示装置と副表示装置間のケーブル長の延長化に対応可能な点で大きな利点がある。しかし、省電力モード時にも液晶パネルが駆動していて負担がかかっている問題や、子機への映像信号を流し続けることによる無駄な電力消費という問題に対応するための記載はない。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、子機が省電力モードである場合、親機から子機への無駄な映像信号送信を停止して省電力を達成するとともに、省電力モードの親機や子機の液晶パネルへの電力供給を停止して、液晶パネルへの負担を少なくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため請求項1に係る表示システムは、表示入力装置である親機と、表示入力装置である子機を含む表示システムであって、前記親機は、液晶パネルとバックライトを含む第1表示部と、前記親機に対する入力を受け付ける第1入力部と、前記親機の動作を制御する処理を行うとともに、前記親機と前記子機の省電力モードへの移行を判断する処理を行う第1処理部と、少なくとも、前記子機に向けて映像信号を送信するとともに、前記子機の入力信号を前記子機から受信する第1通信部と、を備え、前記子機は、液晶パネルとバックライトを含み、前記映像信号に基づく表示を行う第2表示部と、前記子機に対する入力を受け付ける第2入力部と、前記子機の動作を制御する処理を行う第2処理部と、前記第1通信部と接続され、少なくとも、前記親機から前記映像信号を受信するとともに、前記親機に向けて入力信号を送信する第2通信部と、を備え、前記子機が省電力モードに移行する場合、前記親機は、前記子機への映像信号の送信を停止し、前記第2処理部は、前記親機からの前記映像信号がなくなった際、前記第2表示部の液晶パネル及びバックライトへの電力供給を停止することとした。
【0010】
この構成によれば、親機に設けられ、例えば、タイマ等を有する第1処理部による判断のもと、子機が省電力モード移行する場合、親機は、子機への映像信号の送信を停止するので、親機における映像信号送信のための無駄な電力の消費をなくすことができる。従って、表示システムでの消費電力を減らすことができる。又、省電力モードでは、子機は映像信号がなくなったことをトリガとして、子機の液晶パネルへの電力供給を停止して、子機の液晶パネルの駆動を停止させるので、子機の液晶パネルの負担を少なくし、子機の液晶パネルでの無駄な電力の消費もなくすことができる。
【0011】
又、請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記第2表示部への電力供給停止状態で前記第2入力部への入力があった場合、前記子機は、前記親機に向けて前記映像信号の送信再開を要求する要求信号を前記第2通信部から前記第1通信部へ送信し、前記第2処理部は、前記映像信号の送信が再開されてから前記第2表示部への電力供給を再開させることとした。
【0012】
子機の第2入力部への操作者による入力があった場合、省電力モードを解除して子機が再び表示を行う必要があるところ、本発明の表示システムでは、省電力モード中、親機から子機への映像信号の送信が停止するので、子機が親機から映像信号を受信する前に表示を再開した場合、子機で白一色の表示がなされる場合がある。このような白一色の表示は、操作者に故障、誤動作といった誤認や、システムの不安定感を与えかねないところ、この構成によれば、第2処理部は、親機から子機への映像信号の送信が再開されてから第2表示部への電力供給を再開させるので、省電力モードからの復帰時に子機で白一色の表示がなされることを防ぐことができる。
【0013】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記親機と制御対象とに通信可能に接続され、前記制御対象を制御するためになされた前記第1入力部又は前記第2入力部への入力に基づき、前記制御対象の制御を行う制御装置を有し、前記親機は、前記子機に送信する前記映像信号と異なる形式の映像信号の供給を前記制御装置から受け、前記親機の第1表示部で表示を行うため、及び/又は、映像信号を前記子機に送信するために前記異なる形式の映像信号の形式を変換する1又は複数のデータ変換器を有し、前記親機の第1処理部は、前記親機及び前記子機がいずれも省電力モードである場合、前記データ変換器への電力供給を停止することとした。この構成によれば、親機は、省電力モード中、データ変換器も停止させるので、表示システムにおける無駄な電力の消費をより一層なくすことができる。
【0014】
又、請求項4に係る表示入力装置は、他の表示入力装置と接続され、少なくとも、前記他の表示入力装置からの映像信号を受信するとともに、前記他の表示入力装置に向けて入力信号を送信する通信部と、液晶パネルとバックライトを含み、前記映像信号に基づく表示を行う表示部と、入力を受け付ける入力部と、前記他の表示入力装置からの映像信号がない状態では、前記表示部の液晶パネルとバックライトへの電力供給を停止する処理部を有することとした。
【0015】
この構成は、上記の表示システムの子機を1つの発明として捉えたものであり、この構成によれば、請求項1記載の発明と同様、省電力モードでは、他の表示入力装置から映像信号を受信する表示入力装置の液晶パネルへの電力供給を停止して、液晶パネルの駆動を停止させるので、液晶パネルの負担が少なく、無駄な電力の消費もない、例えば、子機としての表示入力装置を提供することができる。
【0016】
又、請求項5に係る発明は、請求項4の発明において、前記表示部への電力供給停止状態で前記入力部への入力があった場合、前記通信部は、前記他の表示入力装置に向けて、前記他の表示入力装置からの映像信号の送信再開を要求する要求信号を送信し、前記処理部は、前記他の表示入力装置からの映像信号の送信が再開されてから前記表示部への電力供給を再開させることとした。
【0017】
この構成は、上記の表示システム5の子機2を1つの発明として捉えたものであり、この構成によれば、請求項2記載の発明と同様、処理部は他の表示入力装置からの映像信号の送信が再開されてから表示部への電力供給を再開させるので、省電力モードからの復帰時に白一色の表示がなされない表示入力装置を提供することができる。
【0018】
又、上記表示システムにおいて、前記親機の第1処理部は、前記親機が前記省電力モードである場合、前記第1表示部の液晶パネルとバックライトへの電力供給を停止してもよい。この構成によれば、親機が省電力モードへの移行を判断する場合、省電力モードで液晶パネルへの電力供給が停止されるから、省電力モード中、親機の液晶パネルの駆動は停止され、親機の液晶パネルの負担を少なくすることができ、親機での無駄な電力の消費もなくすことができる。
【0019】
又、上記表示システムにおいて、前記第1処理部は、前記第1入力部と前記第2入力部のいずれかの入力部に対し、直前になされた入力から所定時間が経過したことを計時し、所定時間が経過した際に、前記親機及び前記子機をともに、省電力モードに移行させると判断し、前記親機の前記第1入力部若しくは前記子機の前記第2入力部のうち、いずれかに入力があった際に、前記親機及び前記子機をともに省電力モードから復帰させると判断し、前記第1処理部の判断に基づき、省電力モードへの移行と復帰が同時に前記親機及び前記子機でなされるようにしてもよい。この構成によれば、親機と子機の省電力モードへの移行と、省電力モードからの復帰を同期させることができる。
【0020】
又、上記表示システムにおいて、前記第1処理部は、前記第1入力部と前記第2入力部のそれぞれについて、直前になされた入力から所定時間が経過したことを計時し、所定時間が経過した際に、それぞれ前記親機及び前記子機を別個に省電力モードに移行に移行させると判断し、前記第1入力部に入力があれば前記親機だけを省電力モードから復帰させると判断し、前記第2入力部に入力があれば前記子機だけを省電力モードから復帰させると判断し、前第1処理部の判断に基づき、省電力モードへの移行と復帰が別個に前記親機及び前記子機でなされるようにしてもよい。この構成によれば、親機と子機は、独立して省電力モードに移行し、又、省電力モードから復帰するので、入力部に入力のない親機又は子機のいずれか一方を、省電力モードのままとすることができる。従って、使用しない表示入力装置は、省電力モードのままとされ、表示システム全体として高い省電力効果が得られる。
【0021】
ここで、上記所定時間は、各入力部への入力がなくなってから省電力モード移行までの時間であり、例えば、30秒〜数十分の範囲で適宜設定できる。又、所定時間は、親機又は子機の各入力部への入力により、操作者が自由に定めても良いし、製造者が出荷時の設定値として親機に記憶させておいても良い。
【0022】
又、表示システムにおいて、前記親機に対し、複数の前記子機が通信可能に接続されることにより、及び/又は、前記子機に対し更に別の前記子機が通信可能に接続されることにより、複数の前記子機を備えるようにしてもよい。この構成によれば、複数の子機が接続される表示システムでも、親機や各子機の液晶パネルの負担が軽いので、液晶パネルの故障が少ないため耐久性が高く、低消費電力のために低ランニングコストの表示システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
上述したように、本発明によれば、表示システムにおける親子接続された表示入力装置での液晶パネルへの負担を少なくして、メンテナンスの頻度の少なくし、製品の寿命を延ばすことができる。又、無駄な電力消費をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施形態に係る表示システムの一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る表示システムでの映像信号の流れの一例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係るタッチパネル入力信号の流れの一例を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態に係る親機の表示モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る親機の省電力モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係る子機での表示モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態に係る子機での省電力モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態に係る親機での子機のモードの認定制御の一例を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に係る親機での表示モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係る親機での省電力モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の第1の実施形態を、図1〜8を参照しつつ、本発明を説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0026】
(表示システム5の概要)
まず、図1に基づき、本発明の第1の実施形態に係る表示システム5の概要説明を行う。図1は本発明の第1の実施形態に係る表示システム5の一例を示す図である。
【0027】
まず、本実施形態の表示システム5には、図1に示すように、表示入力装置である親機1と、親機1と通信可能に接続され、親機1から映像信号を受け表示を行うとともに入力内容を親機1に送信する表示入力装置である子機2が含まれる。又、表示システム5には、制御装置3を含むことができる。制御装置3は、親機1と制御対象4とに通信可能に接続され、制御対象4を制御するためになされた、親機1のタッチパネル120(第1入力部12)や子機2のタッチパネル220(第2入力部22)への入力に基づき、制御対象4の制御を行う。
【0028】
そのため、制御装置3には、表示システム5にて動作の制御を行おうとする制御対象4が接続される。このように、本実施形態の表示システム5では、制御装置3に対し親機1が通信可能に接続され、親機1に対し子機2が通信可能に接続され、子機2と制御装置3間の通信においては、親機1が中継を行う。
【0029】
尚、図1では破線で示すように、親機1に対し複数の子機2を通信可能に接続することも可能であるし、子機2に対し子機2を更に通信可能に接続することも可能である。即ち、又、表示システム5において、親機1に対し、複数の子機2が通信可能に接続されることにより、及び/又は、子機2に対し更に別の子機2が通信可能に接続されることにより、複数の子機2を備えるようにして表示システム5が構成されても良い。複数の子機2を接続する場合でも、親機1と子機2の1対1の関係として捉えれば良く、以下の本実施形態の説明では、記載の複雑化を避けるため、親機1と子機2がそれぞれ1台である場合について述べる。
【0030】
本システムにおける親機1と子機2は、制御対象4の動作を制御(操作)し、指示するための画像(操作用画像)を表示できる。又、制御装置3は、エラー発生や動作速度等、制御対象4の動作状況に関する情報を制御対象4から取得可能であり、親機1と子機2は、制御装置3から動作状況に関する情報を受信し、制御対象4の動作状態を示す画像(状況表示画像)等を表示できる。そして、詳細は後述するが、操作者は親機1、又は、子機2に表示された操作用画像に配されたキーやボタンを押下して指定するため、タッチパネル等により入力を行うことができる。例えば、子機2のタッチパネル220への入力により生ずるタッチパネル入力信号は、親機1を経て制御装置3に到達する。
【0031】
そして、例えば、大型の医療機器(例えば、放射線による撮影装置や治療装置、MRI、CTスキャナ等)や、大型の製造装置(例えば、半導体製造装置や大型液晶パネル製造装置や各種プラント等、特に限定はない)を制御対象4の例として挙げることができる。上記のような大型の制御対象4は、放射線の被曝回避等の各種の理由で、操作者が操作を行う場所と、制御対象4の設置場所が異なる場合がある。例えば、制御装置3や親機1を操作者が通常、操作を行う場所(部屋)に設置し、大型の制御対象4の設置場所の近くに子機2を設置しておけば、操作者は子機2により制御対象4の動作を目視しながら制御の指示を与えることができる。
【0032】
又、親機1、子機2を位置的に離しつつ、親機1と子機2を制御対象4の周辺に配すれば、複数人が同時に制御の指示を与えられる(尚、同時に制御の指示を与えることが禁止される場合、一方の操作中は他方を操作できないようにロックしてもよい)。又、制御対象4を動かし続けるうえで、制御対象4に複数の確認箇所がある場合、確認箇所の近くに親機1又は子機2を配しておけば、操作者はほとんど移動せずに制御の指示を与えることもできる。このように、顧客ごとの事情に応じ、制御対象4の制御を行うため、親機1と子機2を含む表示システム5を様々な態様で、設置することができる。
【0033】
(表示システム5のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、本発明の第1の実施形態に係る表示システム5のハードウェア構成の一例を説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る表示システム5のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
まず、制御装置3の構成を説明する。制御装置3は、演算処理装置としての処理部31、制御対象4の制御用プログラムや制御用データや、親機1及び子機2に表示させる操作用画像等の画像データを記憶する記憶部32や、親機1と通信可能に接続するためのI/F部33を有する。尚、詳細は後述するが、本実施形態では、親機1は、子機に送信する映像信号と異なる形式の操作用画像等の映像信号を、制御装置3からを受け、映像信号に応じた表示を行う。例えば、制御装置3には、産業用コンピュータのほか、パーソナルコンピュータを用いることができる。
【0035】
次に、表示入力装置としての親機1の構成を説明する。親機1は、I/F部10、表示部11(第1表示部に相当)、入力部12(第1入力部に相当)、記憶部13、処理部14(第1処理部に相当)、I/F部15(第1通信部に相当)、電源部16等を有する。
【0036】
I/F部10は、親機1と制御装置3を通信可能に接続するためのインターフェイスであり、複数の規格に対応するため、複数のコネクタ、ソケットや通信制御用のチップ等を有する(他のI/F部も同様)。これにより、親機1は制御装置3と各種のデータ、信号のやり取りを行うことができる。又、親機1、子機2で操作用画像等を表示させるための映像信号を制御装置3から受信することができる。
【0037】
表示部11は、液晶パネル110(第1表示部の一部に相当)、バックライト111(第1表示部の一部に相当)等を含み、制御対象4の操作用画像や状況表示画像等を表示する。液晶パネル110は、バックライト111と組み合わせて用いられ、後述の液晶コントローラ141からの制御信号に基づき動作し、操作用画像等の表示を行うためのものであり、カラーフィルタ等を含むことができる。バックライト111は、液晶パネル110の背面に接して設けられ、液晶パネル110を親機1の背面側から照らす。バックライト111に用いられる光源としては、例えば、冷陰極管を用いることができる。尚、光源には、アレイ状のLEDなど、他の光源を用いることもでき、バックライト111として機能すればよい。
【0038】
入力部12は(第1入力部に相当)、タッチパネル120等で構成され、制御対象4や親機1の動作を指示、設定するため、操作者が親機1に対して行う入力等を受け付ける部分である。タッチパネル120は、親機1に対する入力を受け付け、操作者の入力用のもので、親機1の液晶パネルを利用して表示された操作用画像に配された各種キー、ボタンの操作者の押下による入力を受け付けるため、液晶パネル110の表面に設けられる。このタッチパネル120と後述のタッチパネルコントローラ143を経て、タッチパネルの出力電圧値が制御装置3にまで送られ、制御装置3で操作者の押下位置、座標が特定され、押下された各種キー、ボタン等が判別される。本実施形態の親機1のタッチパネル120は、透明抵抗膜方式のものであるが、例えば、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等、他の方式のタッチパネルを用いてもよい。尚、入力部12としては、タッチパネル120のほか、数字や矢印等のキー(ボタン)(不図示)が筐体に設けられてもよい。
【0039】
記憶部13は、親機1での表示や制御に必要となる各種データや各種プログラムを記憶、展開する部分であり、データメモリ130、ワークメモリ131等で構成される。データメモリ130は、操作用画像等の画像データや、省電力モードへの移行用プログラムや、省電力モードからの復帰用プログラムなど、制御プログラムなどを不揮発的に格納しておけるメモリであり、書換、読出可能なFEPROM(Flash Erasable and Programmable ROM)等を用いることができる。ワークメモリ131は、例えば、DRAMによって構成され、制御装置3から送信された映像信号に基づく画像データや各種プログラムの展開に用いられ、作業用の記憶領域として機能する。
【0040】
処理部14は、例えば、基板上に構成され、親機1の動作を制御する処理を行うとともに、親機1と子機2の省電力モードへの移行を判断する処理を行う。例えば、処理部14は、CPU140、液晶コントローラ141、バックライトコントローラ142、タッチパネルコントローラ143、タイマ144等を有する。CPU140は、演算処理装置であって、親機1での表示等、親機1の制御を司り、データメモリ130、ワークメモリ131に記憶されるプログラム、データに基づき、プログラムの実行や各種演算を行う。そして、CPU140は、処理部14内の各部と接続され、制御信号を発する。尚、本実施形態では、CPU140は、親機1の制御のみを担当し、制御装置3とCPU140間では、データのやり取りが行われない(言い換えると、制御装置3からCPU140は指示を受けず、CPU140は独立して動作する)。
【0041】
液晶コントローラ141は、液晶パネル110と接続され、映像信号に基づき液晶パネル110に表示を行わせるコントローラである。バックライトコントローラ142は、バックライト111と接続されバックライト111を点灯させるための回路を含むコントローラである。バックライト111に例えば、冷陰極管を用いる場合、冷陰極管の点灯用電圧を発生させるインバータがバックライトコントローラ142に含まれる。タッチパネルコントローラ143は、タッチパネル120と接続され、タッチパネル120の出力電圧(タッチパネル入力信号)をスキャンする。
【0042】
そして、タッチパネル入力信号は、制御装置3に送られ、制御装置3の処理部31は、親機1の液晶パネル110の押下位置の座標を特定し、特定された座標と、液晶パネル110に表示されたキーやボタンなどの配置を比較し、操作者の入力を認識する。指示内容により、操作用画像の切り替えが必要であれば、制御装置3は、新たな映像信号を親機1に送信し、その結果、親機1での操作用画像が切り替えられる。又、制御対象4の制御が指示されれば、制御装置3は、指示通りに制御対象4を制御する。
【0043】
タイマ144は、例えば、親機1と子機2の省電力モードへの移行を判断する処理を行うため親機1と子機2が省電力モードに移行するまでの計時を行う等、時間のカウントを行う部分である。尚、CPU140に計時機能があれば、タイマ144を設けなくても良い。タイマ144は、制御上、各種時間の計時が可能であるが、例えば、親機1と子機2の省電力モードへの移行を判断するうえで、親機1又は子機2に対する入力(各タッチパネルへの入力)がなくなってからの時間を計時する。そして、親機1又は子機2に対する入力がなくなってから所定時間(例えば、30秒〜数十分)経過した段階で、処理部14は、省電力モードに移行すると判断する(詳細は後述)。
【0044】
I/F部15は、子機2と通信可能に接続するためのインターフェイスである。このI/F部15から、例えば、子機2に表示させる操作用画像等の映像信号が子機2に向けて送信される。又、子機2のタッチパネル220への入力内容を示すデータ(タッチパネル入力信号)を受信し、I/F部10から制御装置3に向けて転送する。即ち、I/F部15は、少なくとも、子機2に向けて映像信号を送信するとともに、子機2の入力信号を子機2から受信する。電源部16は、例えば、商用電源に接続され、親機1内の各部、各部品用の電圧を生成し供給する。
【0045】
次に、表示入力装置としての子機2の構成を説明する。子機2は、親機1とほぼ同様の構成で、I/F部20(第2通信部に相当)、表示部21(第2表示部に相当)、入力部22(第2入力部に相当)、記憶部23、処理部24(第2処理部に相当)、I/F部25、電源部26等を有する。
【0046】
I/F部20は、親機1のI/F部15とケーブル等で接続される。これにより、子機2は、映像信号を受けられる。そして、子機2は、親機1と同様の操作用画像等を表示できる。又、子機2のタッチパネル220への入力内容を示すタッチパネル入力信号を親機1に送信することもできる。即ち、I/F部20は、I/F部15と接続され、少なくとも、親機1から映像信号を受信するとともに、親機1に向けて入力信号を送信する。尚、子機2は、I/F部25を有し、更に子機2を接続することもできる(孫機ともいえるが、ここでは子機2で統一する)。即ち、子機2は複数段連ねて接続可能である(図1参照)。
【0047】
尚、子機2では、液晶パネル210(第2表示部の一部)、バックライト211(第2表示部の一部)を含ませて表示部21(第2表示部に相当)を構成し、表示部21が子機2に入力された映像信号に基づく表示を行う点や、入力部22(第2入力部に相当)は、タッチタッチパネル220等で構成され、制御対象4や子機2の動作を指示、設定するため、操作者が子機2に対して行う入力等を受け付ける点は、親機1と同じである。従って、表示部21(液晶パネル210、バックライト211)、入力部22(タッチパネル220等)は、親機1の表示部11(液晶パネル110、バックライト111)、入力部12(タッチパネル120)と同様のものでよく、表示部21と入力部22については、親機1の表示部11と入力部12の説明を準用するものとして説明を省略する。
【0048】
記憶部23は、子機2での表示や制御に必要となる各種データや各種プログラムを記憶、展開する部分であり、データメモリ230、ワークメモリ231等で構成される。データメモリ230は、親機1のデータメモリ130と同様に、各種画像データ、プログラム等を不揮発的に格納するメモリである。ワークメモリ231は、親機1のワークメモリ131と同様、親機1から受信した映像信号に基づく画像データや、各種プログラムを展開する記憶領域である。尚、電源部26は、親機の電源部16と同様のものでよく、親機1での電源部16の説明を準用するものとして説明を省略する。
【0049】
又、処理部24は、例えば、基板上に構成され、子機2の動作を制御する処理を行い、CPU240、液晶コントローラ241、バックライトコントローラ242、タッチパネルコントローラ243等を有する。子機2の処理部24は、親機の処理部14とタイマ144の有無が異なるが処理部24内の構成は、処理部14と基本的に同様の構成である。
【0050】
処理部24は、親機1の処理部14の説明を準用できるが、構成の説明を簡易に行っておく。まず、CPU240は、子機2の制御を司り、データメモリ230、ワークメモリ231内のプログラム等に基づき、プログラム等を実行し、制御信号を発する。尚、本実施形態では、CPU240は、子機2の制御のみを担当し、制御装置3とCPU240間では、データのやり取りが行われない(言い換えると、制御装置3からCPU240は指示を受けず、CPU240は独立して動作する)。液晶コントローラ241は、映像信号に基づき液晶パネル210に表示を行わせるコントローラである。バックライトコントローラ242は、バックライト211を点灯させるための回路である。タッチパネルコントローラ243は、タッチパネル220と接続され、タッチパネル220の出力電圧(タッチパネル入力信号)をスキャンする。
【0051】
そして、タッチパネル入力信号は、親機1を経て、制御装置3に送られ、制御装置3の処理部31は、子機2の液晶パネル210への押下位置の座標を特定し、特定された座標と、液晶パネル210に表示されたキーやボタンなどの配置を比較し、操作者の指示を認識する。指示内容により、操作用画像の切り替えが必要であれば、制御装置3は、新たな映像信号を親機1に送信し、親機1を経て、映像信号が子機2で受信され、その結果、子機2での操作用画像が切り替えられる。又、制御対象4の制御が指示されれば、制御装置3は、指示通りに制御対象4を制御する。
【0052】
(映像信号の流れ)
次に、図3に基づき、本発明の第1の実施形態に係る表示システム5での映像信号の流れを説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る表示システム5での映像信号の流れの一例を示すブロック図である。
【0053】
図3に示すように、本実施形態の表示システム5では、親機1から子機2に映像信号が供給される。親機1から子機2に供給する映像信号は、親機1が、例えば、制御装置3からI/F部10で受け取った映像信号に基づいたものでも良いし、親機1のデータメモリ130やワークメモリ131に記憶される映像信号でもよい。
【0054】
制御装置3から受け取った映像信号の処理の流れを説明すると、親機1のI/F部10は、制御装置3から操作用画像等を表示するための映像信号を受信する。制御装置3からI/F部10への映像信号の送信方式は、シリアル方式でも良いしパラレル方式でも良い。又、アナログ信号でも良いし、ディジタル信号でも良い。
【0055】
もし、I/F部10が制御装置3から受け取った映像信号がアナログ信号(例えば、アナログRGB信号)であれば、アナログの映像信号は、I/F部10からA/D変換器145にわたされる。A/D変換器145は、例えば、R、G、Bの各色についてサンプリングと量子化を行い映像信号をディジタル値に変換する。従って、A/D変換器145もデータ変換器の一種といえる。一方、制御装置3からI/F部10にディジタルの映像信号を送信してもよく、ディジタルの映像信号(例えば、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)等)であれば、A/D変換は不要なのでデータ変換器146にそのままわたせばよい。
【0056】
データ変換器146は、制御装置3から親機1に送信された映像信号に基づき、液晶パネルを駆動できるように、A/D変換後のディジタル信号(例えば、LVDS(Low voltage differential signaling))やI/F部10で受信されたディジタル信号の変換を行う。例えば、ディジタル信号がシリアル方式のものであれば、パラレル方式に変換する。そして、液晶コントローラ141は、パラレル方式に変換された映像信号に基づき液晶パネル110を駆動させる。又、例えば、A/D変換後やI/F部10から送信された信号がパラレル方式であれば、データ変換器146は、信号の波形の整形等を行っても良い。
【0057】
そして、データ変換器146の後段に位置するデータ変換器147は、データ変換器146からデータを受け取り、子機2への映像信号の伝送に適した形式に映像信号の変換を行う。通常、親機1と子機2は、位置的に離されて設置されるので、本実施形態では長距離の信号伝送に適したディジタルでシリアル差動形式の映像信号(例えば、TMDS)を親機1から子機2に送信するものとして説明する。尚、ノイズや信号遅延や伝送距離に問題がなければ、親機1から子機2にパラレル形式やアナログの映像信号(例えば、アナログRGB)を送信してもよい。このように、親機1は、子機2に送信する映像信号と異なる形式の映像信号の供給を制御装置3から受け、親機1の液晶パネル110等で表示を行うため、及び/又は、子機2に送信するために異なる形式の映像信号の形式を変換するデータ変換器146、147等を有する。
【0058】
データ変換器147により変換された映像信号は、親機1のI/F部15から送信され、子機2のI/F部20で受信される。そして、受信された映像信号に基づいて子機2の液晶パネル210を駆動させるため、子機2内にもデータ変換器244が設けられる。ここで、上述したように、親機1と子機2の構成は同様であるので、データ変換器244は、親機1から受信した、例えば、ディジタルでシリアル差動形式の映像信号をパラレル方式に変換し、液晶コントローラ241に与える。
【0059】
尚、液晶コントローラ141、A/D変換器145、データ変換器146、データ変換器147等は、親機1のCPU140と、制御のため接続される。そして、例えば、CPU140は、省電力のため、液晶コントローラ141やA/D変換器145やデータ変換器146、データ変換器147に、映像信号に対する処理を行わない省電力モードへの移行を指示できる。あるいは、CPU140は、液晶コントローラ141やA/D変換器145やデータ変換器146、データ変換器147への電力供給をOFFして、映像信号への処理が行われないようにしてもよい。又、CPU140は、液晶コントローラ141に指示を与えることや、液晶パネル110への電力供給用スイッチ(不図示)をOFFすることにより、液晶パネル110への電力供給を停止させることができる。
【0060】
又、液晶コントローラ241等は、子機2のCPU240と、制御のため信号線等で接続される。そして、例えば、CPU240は、省電力のため、液晶コントローラ241等に映像信号に対する処理を行わない省電力モードへの移行を指示できる。あるいは、CPU240は、液晶コントローラ241等への電力供給OFFにより、映像信号への処理が行われないようにしてもよい。又、CPU240は、液晶コントローラ241に指示を与えることや、液晶パネル210への電力供給用スイッチ(不図示)をOFFすることにより、液晶パネル210への電力供給を停止させることができる。更に、子機2のCPU240は、データ変換器244、液晶コントローラ241と通信可能に接続されるので、I/F部15、I/F部20を経て、データ変換器244が受け取る映像信号の有無を確認できる。言い換えると、処理部24は、親機1から子機2に映像信号が送信されているかを確認できる。
【0061】
(タッチパネル入力信号の流れ)
次に、図4に基づき、本発明の第1の実施形態に係る表示システム5でのタッチパネル入力信号の流れを説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル入力信号の流れの一例を示すブロック図である。
【0062】
まず、タッチパネル入力信号とは、操作者が親機1のタッチパネル120や子機2のタッチパネル220を押下することにより生じた信号である。各タッチパネルコントローラは、接続されたタッチパネルの出力電圧をスキャン(監視)しており、タッチパネルの押下を検出し、タッチパネルの出力電圧を把握する。そして、図4に示すように、本実施形態の表示システム5では、親機1で生じたタッチパネル入力信号は、親機1から制御装置3に送信される。又、子機2で生じたタッチパネル入力信号は、子機2から親機1へ送信され、親機1を経由した後、親機1から制御装置3に送信される。
【0063】
具体的には、子機2から発せられたタッチパネル入力信号は、I/F部20→I/F部15→I/F部10と親機1を経由して子機2から制御装置3へ送られる。親機1から発せられたタッチパネル入力信号は、I/F部10から制御装置3へと送られる。
【0064】
子機2でのタッチパネル押下時の動作の一例を説明すると、子機2で操作者がタッチパネル220に入力を行うと、タッチパネルコントローラ243がタッチパネル220の出力電圧値を把握し、タッチパネルの出力電圧を示すデータ(タッチパネル入力信号)が、タッチパネルコントローラ243からデータ変換器245にわたされる。データ変換器245は、タッチパネル入力信号の形式を変更する。例えば、データ変換器245は、長距離伝送に対応し、シリアル差動形式の信号(例えば、RS−485)に、タッチパネル入力信号を変換する。尚、この時、タッチパネル入力信号には、子機2になされた入力であることを示す符号が付加されてもよい。
【0065】
そして、子機2からのタッチパネル入力信号は、例えば、親機1内のデータ変換器148に入力される。データ変換器148は制御装置3のI/F部33と親機1のI/F部10間の通信方式(例えば、RS−232C)に合わせて、子機2からのタッチパネル入力信号の変換を行う。タッチパネル入力信号伝送において、制御装置3−親機1間と親機1−子機2間の通信方式が同じであれば、データ変換器148は、変換を行う必要はなく中継のみ行えばよい。
【0066】
一方、親機1でのタッチパネル押下時の動作の一例を説明すると、親機1で操作者がタッチパネル120に入力を行うと、タッチパネルコントローラ143がタッチパネル120の出力電圧値を把握し、タッチパネルの出力電圧を示すデータ(タッチパネル入力信号)が、タッチパネルコントローラ143からデータ変換器148に送られる。データ変換器148は、制御装置3−親機1間の通信方式に合わせ、タッチパネル入力信号の形式を変更する。尚、この時、タッチパネル入力信号には、親機1になされた入力であることを示す符号が付加されてもよい。
【0067】
尚、タッチパネル入力信号の伝送における親機1−子機2間、親機1−制御装置3間の通信規格は、上記のものに限られず、シリアル形式でもパラレル形式でも良く、又、アナログ信号でもディジタル信号でも良く、正確にタッチパネル入力信号の伝送を行うことができればよい。このように、タッチパネル入力信号は、子機2、親機1から制御装置3に送信され、タッチパネル入力信号に基づき、制御装置3は制御対象4を制御する。
【0068】
更に、親機1のタッチパネル120への入力に伴い、親機1の操作用画像や状況表示画像の切り替えを行う必要があれば、制御装置3は、操作用画像等の映像信号を親機1に向けて送信する。これにより、親機1の表示が切り替えられる。尚、親機1は、子機2に同じ操作用画像等を表示させるため、映像信号を子機2に送信(転送)しても良い。これにより、親機1と子機2で同じ画面を表示させることができる。
【0069】
又、子機2のタッチパネル220への入力に伴い、子機2の操作用画像や状況表示画像の切り替えを行う必要があれば、制御装置3は、操作用画像の映像信号を親機1に向け、これを親機1は子機2に転送することができる。これにより、子機2の表示が切り替えられる。尚、親機1は、子機2に向けて制御装置3から送信された映像信号に基づき、表示を行って、親機1と子機2で同じ画面を表示させてもよい。一方で、親機1は、子機2向けの映像信号であれば、子機2向けの映像信号に基づき表示を行わないようにしても良い。この場合、親機1と子機2で別々の操作用画像や状況表示画像が表示される。
【0070】
ここで、親機1のCPU140は、データ変換器148と信号線等で接続される。これにより、処理部14は、子機2で生じたタッチパネル入力信号が親機1に送信されたことや親機1のタッチパネル120への入力がなされたことを確認できる。又、親機1の処理部14は、タッチパネルコントローラ143等と制御のため接続される。これによっても処理部14は、タッチパネル120への入力があったか等を確認できる。又、子機2のCPU240は、タッチパネルコントローラ243やデータ変換器245等と信号線等で接続される。これにより、処理部24は、タッチパネル220への入力があったかを確認できる。
【0071】
(親機1の表示モードと省電力モード)
次に、図5及び図6に基づき、本発明の第1の実施形態に係る親機1の表示モードと省電力モードの遷移制御の一例を説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る親機1の表示モードでの制御の一例を示すフローチャートである。図6は、本発明の第1の実施形態に係る親機1の省電力モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【0072】
尚、本実施形態では、親機1と子機2で表示モードと省電力モードの切り替えがほぼ同時に行われる例を説明する。即ち、表示システム5において、処理部14は、入力部12と入力部22のいずれかの入力部に対し、直前になされた入力から所定時間が経過したことを計時し、所定時間が経過した際に、親機1及び子機2をともに、省電力モードに移行させると判断し、親機1の入力部12若しくは子機2の入力部22のうち、いずれかに入力があった際に、親機1及び子機2をともに省電力モードから復帰させると判断し、処理部14の判断に基づき、省電力モードへの移行と復帰が同時に親機1及び子機2でなされる例の説明を行う。又、制御装置3は、親機1、子機2のモードを問わず、映像信号の親機1への送信を継続し、表示モードでは、親機1は、制御装置3から映像信号の供給を受け、子機2は親機1から映像信号の供給を受け表示を行うことを前提として説明を行う。
【0073】
まず、本実施形態の表示システム5における親機1と子機2は、それぞれ、制御対象4の操作用画像や状況表示画像等の表示を行う表示モードを有する。そして、親機1のタッチパネル120と子機2のタッチパネル220のいずれに対しても操作者の入力が無くなってから所定時間を経過した際、親機1と子機2は、省電力モードに移行する。
【0074】
〈表示モード〉
そこで、まず、親機1の表示モードでの制御を図5に基づき説明する。図5に示すように、親機1の電源投入時や省電力モードからの復帰時、親機1の処理部14(CPU140)は、液晶パネル110への電力供給を再開させる(ステップ♯1、図3参照)。次に、処理部14は、A/D変換器145、データ変換器146、液晶コントローラ141を省電力モードや電源OFF状態から復帰させ、液晶コントローラ141への映像信号の供給を開始させる(ステップ♯2)。その後、処理部14は、バックライトコントローラ142を制御して、バックライト111を点灯させる(ステップ♯3)。映像信号に基づく液晶パネル110の駆動が再開されてからバックライト111を点灯させるので、親機1の表示が白一色の状態にならない。
【0075】
次に、親機1の処理部14(CPU140)は、データ変換器147を省電力モードや電源OFF状態から復帰させ、子機2への映像信号が送信を行われる(ステップ♯4)。次に、処理部14は、タッチパネル120の出力電圧をタッチパネルコントローラ243にスキャンさせ(ステップ♯5)、又、データ変換器148に送られてくる子機2からのタッチパネル入力信号の有無を確認して(ステップ♯6)、子機2のタッチパネル220に入力があったか否かを確認する。以上の確認のもと、処理部14は、親機1のタッチパネル120と子機2のタッチパネル220のいずれかに対し、入力があったか否かを確認する(ステップ♯7)。
【0076】
もし、処理部14は、入力があれば(ステップ♯7のYes)、処理部14は、省電力モード移行までのタイマ144による計時をリセットさせる(ステップ♯8)。一方、入力がなければ(ステップ♯7のNo)、計時はリセットされずステップ♯9に移行する。そして、ステップ♯9では、処理部14は、タイマ144による計時時間が所定時間に到ったか、言い換えると、タイマ144が、省電力モードに移行するまでの所定時間のカウントダウンを開始して、各タッチパネルへの入力がないまま、タイムアップとなったかを処理部14は、確認する(ステップ♯9)。もし、タイムアップであれば(ステップ♯9のYes)、親機1は省電力モードに移行する。一方、タイムアップでなければ(ステップ♯9のNo)、例えば、ステップ♯4に戻る。
【0077】
〈省電力モード〉
次に、図6に基づき、親機1の省電力モードを説明する。図6に示すように、親機1が省電力モードに移行した際、処理部14は、まず、バックライトコントローラ142を停止させる等により、バックライト111をOFFする(ステップ♯11)。次に、処理部14は、液晶コントローラ141やA/D変換器145やデータ変換器146に省電力モードへの移行の指示や電力供給遮断により停止させて、液晶コントローラ141への映像信号の供給を停止する(ステップ♯12)。又、処理部14は、液晶パネル110への電力供給を停止させる(ステップ♯13)。即ち、親機1の処理部14は、親機1が省電力モードである場合、バックライト111や液晶パネル110への電力供給を停止する。
【0078】
更に、処理部14は、例えば、データ変換器147に対しての省電力モードへの移行指示や電力供給を遮断により停止させることや、親機1のデータメモリ130やワークメモリ131内の映像信号の送信を停止し、子機2への映像信号の送信を停止させる(ステップ♯14)。このように、親機1の処理部14は、親機1及び子機2がいずれも省電力モードである場合、データ変換器146、147等への電力供給を停止する。
【0079】
更に、処理部14は、省電力モードでも、タッチパネル120の出力電圧をタッチパネルコントローラ143等にスキャンさせ(ステップ♯15)、タッチパネル120への入力の有無を確認する(ステップ♯16)。もし、入力が無ければ(ステップ♯16のNo)、処理部14は、子機2からの要求信号があったかを確認する(ステップ♯17)。要求信号の詳細は後述するが、要求信号は、省電力モードで子機2のタッチパネル220に入力があった場合、子機2から親機1に向けて映像信号の子機2への送信の再開を要求する信号である。もし、要求信号が子機2から無ければ(ステップ♯18のNo)、ステップ♯15に戻る。一方、親機1のタッチパネル120に対し入力があった場合(ステップ♯16のYes)、及び、子機2からの要求信号があった場合(ステップ♯18のYes)、処理部14は、タイマ144に計時のリセットを行わせ(ステップ♯19)、表示モードに移行する。
【0080】
(子機2の表示モードと省電力モード)
次に、図7及び図8に基づき、本発明の第1の実施形態に係る子機2の表示モードと省電力モードの遷移制御の一例を説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る子機2での表示モードでの制御の一例を示すフローチャートである。図8は、本発明の第1の実施形態に係る子機2での省電力モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【0081】
〈表示モード〉
まず、子機2の表示モードでの制御を図7に基づき説明する。図7に示すように、子機2の電源投入時や省電力モードからの復帰時、子機2の処理部24(CPU240)は、I/F部20を介してデータ変換器244が受信する親機1からの映像信号の有無をデータ変換器244や液晶コントローラ241との通信によりスキャンし(ステップ♯21)、親機1から子機2への映像信号の送信があるかを確認する(ステップ♯22)。ここで、本実施形態の子機2では、親機1からの映像信号が無いことが確認された時点で(ステップ♯22のNo)、表示モードから省電力モードに移行する。これは、親機1が省電力モードになった場合、親機1は子機2への映像信号の送信を停止させることに対応する(図6のステップ♯14に対応)。言い換えると、親機1からの映像信号の送信が無くなったことをトリガとして子機2は省電力モードに移行する。
【0082】
親機1からの映像信号の送信が確認できれば(ステップ♯22のYes)、処理部24は、子機2のバックライト211が点灯しているか確認する(ステップ♯23)。もし、バックライト211が消灯していれば(ステップ♯23のNo)、子機2は無表示状態なので、液晶パネル210への電力供給を再開させる(ステップ♯28、図3参照)。更に、処理部24は、バックライトコントローラ242を制御して、バックライト211を点灯させる(ステップ♯29)。その後、例えば、ステップ♯21に戻る。
【0083】
一方、バックライト211が点灯していれば(ステップ♯23のYes)、その結果、子機2の表示部21で、親機1からの映像信号に基づく操作用画像等の表示が行われていることになる(ステップ♯24)。そして、処理部24は、タッチパネル220の出力電圧をタッチパネルコントローラ243等にスキャンさせ(ステップ♯25)、子機2のタッチパネル220に対し、入力があったか否かを確認する(ステップ♯26)。そして、タッチパネル220への入力があった場合(ステップ♯26のYes)、タッチパネルコントローラ243やI/F部20を利用し、子機2から親機1に向け、タッチパネル入力信号を送信した後(ステップ♯27)、例えば、ステップ♯21に戻る。又、タッチパネル220への入力がない場合も(ステップ♯27のNo)、例えば、ステップ♯21に戻る。
【0084】
〈省電力モード〉
次に、図8に基づき、子機2の省電力モードを説明する。図8に示すように、子機2が省電力モードに移行した際、子機2の処理部24は、まず、バックライトコントローラ242を停止させる等により、バックライト211をOFFし、電力供給を停止する(ステップ♯31)。次に、処理部24は、液晶パネル210への電力供給を停止させる(ステップ♯32)。即ち、子機2が省電力モードに移行する場合、親機1は、子機2への映像信号の送信を停止し、処理部24は、親機1からの映像信号がなくなった際、表示部21の液晶パネル210及びバックライト211への電力供給を停止する。尚、子機2は後述するように、親機1の映像信号の送信再開により表示モードに移行するので、親機1と異なり、処理部24はデータ変換器244等を停止させない。
【0085】
次に、処理部24(CPU240)は、I/F部20を介してデータ変換器244が受信する親機1からの映像信号の有無をデータ変換器244や液晶コントローラ241との通信によりスキャンし(ステップ♯33)、親機1から子機2への映像信号の送信があるかを確認する(ステップ♯34)。もし、親機1からの映像信号の送信があれば(ステップ♯34のYes)、処理部24は子機2を表示モードに移行させる。言い換えると、省電力モードでは、子機2は、親機1からの映像信号の送信再開をトリガとして表示モードに復帰する。
【0086】
一方、親機1からの映像信号の送信がなければ(ステップ♯34のNo)、処理部24は、省電力モードでも、タッチパネル220の出力電圧をタッチパネルコントローラ243等にスキャンさせ(ステップ♯35)、子機2のタッチパネル220に対し、入力があったか否かを確認する(ステップ♯36)。もし、入力が無ければ(ステップ♯36のNo)、例えば、ステップ♯33に戻る。一方、入力があれば、子機2のI/F部20からから親機1に、要求信号が送信される(ステップ♯37)。そして、要求信号を親機1は受信することにより、省電力モードが解除され(図6、ステップ♯18等参照)、子機2に向けて映像信号の送信が再開される。即ち、表示部21(バックライト211、液晶パネル210)への電力供給停止状態で入力部22(タッチパネル220)への入力があった場合、子機2は、親機1に向けて映像信号の送信再開を要求する要求信号をI/F部20からI/F部15へ送信し、処理部24は、映像信号の送信が再開されてから表示部21への電力供給が再開される。
【0087】
ここで、要求信号は、子機2のタッチパネル220のタッチパネル入力信号でも良いし、例えば、CPU240から発せられ、データ変換器245、I/F部20を経て親機に伝えられる予め定められたデータでも良く、子機2のタッチパネル220に入力がなされたために、省電力モードを解除すべきことを親機1に伝達できればよい。
【0088】
このように、本実施形態の表示システム5では、親機1と子機2のいずれかのタッチパネルに入力があった場合、省電力モードに移行するまでのタイマ144の計時がリセットされる(図5のステップ♯8参照)。又、親機1は省電力モードでは子機2への映像信号の送信を停止し、子機2は親機1からの映像信号が無くなった時点で省電力モードに移行する(図7のステップ♯22参照)。親機1は、親機1のタッチパネル120への入力や、子機2からの要求信号により省電力モードから表示モードに復帰し(図6のステップ♯18参照)、映像信号の子機2への送信を再開する(図5のステップ♯4参照)。子機2は、親機1からの映像信号の送信を確認してから省電力モードから復帰する(図8のステップ♯34参照)。従って、子機2と親機1は、ほぼ同時に省電力モードに移行し、ほぼ同時に省電力モードから復帰する。
【0089】
このようにして、本実施形態の表示システム5によれば、親機1に設けられ、例えば、タイマ等を有する処理部14による判断のもと、子機2が省電力モード移行する場合、親機1は、子機2への映像信号の送信を停止するので、親機1における映像信号送信のための無駄な電力の消費をなくすことができる。従って、表示システム5での消費電力を減らすことができる。又、省電力モードでは、子機2では親機1からの映像信号の送信がなくなったことをトリガとして、子機2の液晶パネル210への電力供給を停止して、子機2の液晶パネルの駆動を停止させるので、子機2の液晶パネルの負担を少なくし、子機2の液晶パネルにおける無駄な電力の消費もなくすことができる。
【0090】
そして、従来は、省電力モード時でも、親機1から子機2への映像信号が送信され続け、子機2の液晶パネルへの電力供給を続けていたので、省電力モードからの復帰時にいきなり子機2のバックライト211を点灯させても、例えば、子機2では操作用画像等の何らかの表示がなされ、白一色の表示がなされることはなかった。ここで、本実施形態の子機2では、より一層の省電力のため、省電力モードでは、親機1から子機2への映像信号の送信を停止するので、従来のように、タッチパネル220への入力があった際に、直ちにバックライト211を点灯させると、映像信号が親機1から到着していないと、子機2で白一色の表示がなされ得る。白一色の表示は、子機2の故障発生、誤動作等の誤解を招くなど、好ましくない。しかし、本実施形態の子機2では、処理部24(第2処理部)は、親機1から子機2への映像信号の送信が再開されてからバックライト211、液晶パネル210(第2表示部)への電力供給を再開させるので、省電力モードからの復帰時に子機2で白一色の表示がなされることを防ぐことができる。又、親機1は、省電力モード中、A/D変換器145やデータ変換器146等も停止させるので、表示システム5における無駄な電力の消費をより一層なくすことができる。
【0091】
又、上記の表示システム5における子機2を1つの発明として捉えることもでき、本実施形態の子機2を、他の表示入力装置と接続され、少なくとも、他の表示入力装置からの映像信号を受信するとともに、他の表示入力装置に向けて入力信号を送信するI/F部20と、液晶パネル210とバックライト211を含み、映像信号に基づく表示を行う表示部21と、入力を受け付ける入力部22と、他の表示入力装置からの映像信号がない状態では、表示部の液晶パネル210とバックライト211への電力供給を停止する処理部24を有する表示入力装置として捉えれば、省電力モードでは、液晶パネルへの電力供給を停止して、液晶パネルの駆動を停止させるので、液晶パネルの負担が少なく、無駄な電力の消費もない子機2として用いることができる表示入力装置を提供することができる。
【0092】
又、本実施形態の子機2を、表示部21への電力供給停止状態で入力部22への入力があった場合、I/F部20は、他の表示入力装置に向けて、他の表示入力装置からの映像信号の送信再開を要求する要求信号を送信し、処理部24は、他の表示入力装置からの映像信号の送信が再開されてから表示部への電力供給を再開させる表示入力装置ととらえれば、処理部は、他の表示入力装置からの映像信号の送信が再開されてから表示部21への電力供給を再開させるので、省電力モードからの復帰時に白一色の表示がなされない子機2としての表示入力装置を提供することができる。
【0093】
又、親機1が省電力モードへの移行を判断する場合、親機1でも省電力モードでの液晶パネルへの電力供給が停止されるから、省電力モード中、親機1の液晶パネルの駆動は停止され、親機1の液晶パネルの負担を少なくすることができる。更に、親機1での無駄な電力の消費もなくすことができる。又、親機1と子機2は、ほぼ同時にモードが切り替わるので、親機1と子機2の省電力モードへの移行と、省電力モードからの復帰を同期させることができる。又、図1を用いて説明したように、本実施形態の表示システム5には、複数の子機2が接続できるところ、本実施形態の表示システム5では、親機1や各子機2の液晶パネルの負担が軽いので、液晶パネルの故障が少ないため耐久性が高く、低消費電力のために低ランニングコストの表示システム5を提供することができる。
【0094】
(第2の実施形態の親機1の表示モードと省電力モード)
次に、図9〜図11に基づき、本発明の第2の実施形態に係る親機1の表示モードと省電力モードの遷移制御の一例を説明する。図9は、本発明の第2の実施形態に係る親機1による子機2のモードの認定制御の一例を示すフローチャートである。図10は、本発明の第2の実施形態に係る親機1での表示モードでの制御の一例を示すフローチャートである。図11は、本発明の第2の実施形態に係る親機1での省電力モードでの制御の一例を示すフローチャートである。
【0095】
尚、本実施形態では、親機1と子機2のそれぞれのタッチパネルへの入力が無くなってから所定時間の経過を確認しつつ、親機1と子機2とがそれぞれ独立して表示モードと省電力モードの切り替えが行われるように、親機1が制御する場合を説明する。即ち、本実施形態記の表示システム5では、処理部14は、入力部12と入力部22のそれぞれについて、直前になされた入力から所定時間が経過したことを計時し、所定時間が経過した際に、それぞれ親機1及び子機2を別個に省電力モードに移行に移行させると判断し、入力部12に入力があれば親機1だけを省電力モードから復帰させると判断し、入力部22に入力があれば子機2だけを省電力モードから復帰させると判断し、処理部14の判断に基づき、省電力モードへの移行と復帰が別個に親機1及び子機2でなされる。
【0096】
ここで、第2の実施形態は、第1の実施形態と親機1でのモード切り替えの制御が異なるが、子機2のモード切り替えは、親機1からの映像信号をトリガとして切り替られればよく、第1の実施形態と同様でよいので、子機2の各モードでの動作は、図7及び図8を準用するものとして説明を省略する。又、親機1、子機2や制御装置3などの各構成自体は、第1の実施形態同様のものでよく、本実施形態の説明では、第1の実施形態と共通する部分は、図示、説明を省略し、同じ符号を付す。
【0097】
(親機1による子機2のモードの認定)
上述したように、本実施形態の表示システム5では、親機1と子機2で表示モードと省電力モード切り替えが別々に行われるが、子機2のモード切り替えは、子機2への映像信号の送信の有無により、親機1が制御する。そこで、まず、図9に基づき、第2の実施形態における親機1が子機2のモードを認定する制御の一例を説明する。
【0098】
まず、図9に示すスタートは、例えば、表示システム5の電源投入時(親機1及び子機2への電力供給開始時)である。次に、親機1の処理部14(CPU140)は、又、データ変換器148に送られてくる子機2からのタッチパネル入力信号の有無をスキャン(確認)し(ステップ♯41)、子機2から親機1へのタッチパネル入力信号の有無を確認する(ステップ♯42)。尚、ステップ♯41〜♯42は、第1の実施形態でのステップ♯6〜7と同様の処理である(図5参照)。
【0099】
もし、タッチパネル入力信号が親機1に到達し、タッチパネル入力信号が子機2からあれば(ステップ♯42のYes)、処理部14は、子機2の省電力モード移行までのタイマ144による計時をリセットさせる(ステップ♯43)。第1の実施形態では、省電力モード移行までカウントする時間は親機1と子機2で共通であったが、本実施形態では、タイマ144は、子機2は子機2について、タッチパネル220に入力されなくなってからの時間を計時する。そして、処理部14は、子機2が表示モードであると認定する(ステップ♯44)。尚、ステップ♯44の後、例えば、ステップ♯41に戻る。
【0100】
一方、タッチパネル入力信号が子機2から来なければ(ステップ♯42のNo)、処理部14は、子機2からの要求信号があったかを確認する(ステップ♯45)。尚、要求信号は、第1の実施形態と同じでよいが、子機2へのタッチパネル入力信号を要求信号として用いるのであれば、ステップ♯45とステップ♯46は無くても良い。もし、要求信号が子機2からあれば(ステップ♯46のYes)、ステップ♯43に移行する。尚、ステップ♯45〜♯46は、第1の実施形態でのステップ♯17〜18と同様の処理である(図6参照)。
【0101】
そして、要求信号が子機2からなければ(ステップ♯46のNo)、処理部14は、子機2のタッチパネル220への直前の入力から所定時間が経過して、タイムアップとなったかを確認する(ステップ♯47)。もし、子機2がタイムアップとなっていなければ(ステップ♯47のNo)、ステップ♯44に移行する。一方、子機2がタイムアップとなっていれば(ステップ♯47のYes)、処理部14は、子機2が省電力モードであると認定する(ステップ♯48)。尚、ステップ♯47の確認を行う際、既に子機2が省電力モードであると認定されていれば、処理部14は、タイマ144を確認することなく、子機2は省電力モードと認定してしまえばよい。又、ステップ♯48の後、例えば、ステップ♯41に戻る。
【0102】
このように、親機1の処理部14は、子機2が表示モードであるか、省電力モードであるかの認定を継続して行う。言い換えると、子機2のモードの認定を継続的に行う。
【0103】
〈表示モード〉
次に、第2の実施形態での親機1の表示モードでの制御を図10に基づき説明する。図10に示すように、親機1の電源投入時や省電力モードからの復帰時等、表示モードが開始されると、親機1の処理部14は、液晶パネル110への電力供給を再開する(ステップ♯51)。
【0104】
次に、本実施形態では、親機1と子機2のモードは、それぞれ独立して切り替えられるので、親機1が省電力モードでも、子機2は表示モードの場合がある。子機2で表示を行うには、子機2は、親機1から映像信号を受信しなければならない。従って、本実施形態では、親機1が省電力モードでも、子機2が表示モードであれば、親機1は、子機2に映像信号を送信するため、A/D変換器145、データ変換器146、データ変換器147等を駆動させ続け、制御装置3からの映像信号を処理し、子機2に映像信号を送信しなければならない。一方で、親機1と子機2がともに省電力モードである場合には、A/D変換器145、データ変換器146、データ変換器147等を省電力モードにする等により、電力を消費しない状態にすることができる。
【0105】
そこで、処理部14は、A/D変換器145、データ変換器146等が駆動していて、親機1の液晶コントローラ141が映像信号の供給を受けている状態であるかを確認する(ステップ♯52)。言い換えると、子機2が表示モードであるため、A/D変換器145、データ変換器146等が駆動状態であるか確認する。映像信号を受けていなければ(ステップ♯52のNo)、A/D変換器145、データ変換器146、液晶コントローラ141等を駆動させ、液晶コントローラ141への映像信号の供給を開始させ、親機1が映像信号に基づく表示を行えるようにする(ステップ♯53)
【0106】
そして、液晶コントローラ141が映像信号を処理し、液晶パネルを映像信号に基づき駆動させる状態となれば(ステップ♯52のNo及びステップ♯53の後)、処理部14は、バックライト111を点灯させ、液晶パネル110での表示を開始する(ステップ♯54)。
【0107】
次に、処理部14は、図9に示した子機2のモードの認定結果に基づき、子機2が省電力モードであるか否かを確認する(ステップ♯55)。もし、子機2が省電力モードであれば(ステップ♯55のYes)、子機2への映像信号の送信は不要なので、処理部14は、例えば、データ変換器147の停止や、I/F部15に指示することにより、子機2への映像信号の送信を停止させ、映像信号を子機2に送信しない(ステップ♯56)。これにより、親機1だけの省電力モードからの復帰や、親機1だけ表示モードとすることができる。一方、子機2が表示モードであれば(ステップ♯55のNo)、データ変換器147を駆動させ、I/F部15から子機2に映像信号を送信する(ステップ♯57)。
【0108】
更に、処理部14は、親機1のタッチパネルコントローラ143に、タッチパネル120の出力電圧をスキャンさせ(ステップ♯58)、親機1のタッチパネル120に操作者による入力の有無を確認する(ステップ♯59)。もし、入力があれば(ステップ♯59のYes)、処理部14は、タイマ144による親機1の省電力モード移行までの計時をリセットさせる(ステップ♯60)。一方、入力がなければ(ステップ♯59のNo)、ステップ♯61に移行する。そして、ステップ♯61では、処理部14は親機1がタイムアップとなったかを確認する(ステップ♯61)。もし、タイムアップであれば(ステップ♯61のYes)、親機1は省電力モードに移行する。一方、タイムアップでなければ(ステップ♯61のNo)、例えば、ステップ♯55に戻る。尚、ステップ♯58〜61は、親機1のみの省電力モード移行までの所定時間を計時する点のみ異なるが、ステップ♯58〜♯61は、第1の実施形態でのステップ♯5、7〜9と同様の処理である(図5参照)。
【0109】
〈省電力モード〉
次に、図11に基づき、第2の実施形態に係る親機1の省電力モードを説明する。図11に示すように、親機1が省電力モードに移行した際、処理部14は、まず、バックライトコントローラ142を停止させる等により、バックライト111をOFFする(ステップ♯71)。更に、処理部14は、液晶パネル110への電力供給を停止させる(ステップ♯72)。尚、ステップ♯71、72は、第1の実施形態でのステップ♯11、13と同様の処理である(図6参照)。
【0110】
そして、処理部14は、図9に示した子機2のモードの認定結果に基づき、子機2が省電力モードであるか否かを確認する(ステップ♯73)。もし、子機2が省電力モードであれば(ステップ♯73のYes)、即ち、親機1も子機2も省電力モードであれば(ステップ♯73のYes)、親機1で表示を行う必要も、子機2に映像信号を送信する必要もないので、処理部14は、A/D変換器145、データ変換器146、液晶コントローラ141や、データ変換器147を省電力モードとするか、電力供給を遮断して、液晶コントローラ141への映像信号の供給を停止し(ステップ♯74)、子機2への映像信号の送信を停止する(ステップ♯75)。
【0111】
一方、子機2が省電力モードでなければ(ステップ♯73のNo)、子機2に映像信号を送信しなければならないので、A/D変換器145、データ変換器146、データ変換器147を省電力モードとせず、駆動させ、親機1は子機2に映像信号を送信する(ステップ♯76)。その後、例えば、処理部14は、親機1のタッチパネルコントローラ143に、タッチパネル120の出力電圧をスキャンさせ(ステップ♯77)、親機1のタッチパネル120に操作者による入力の有無を確認する(ステップ♯78)。もし、入力があれば(ステップ♯78のYes)、処理部14は、タイマ144による親機1の省電力モード移行までの計時をリセットさせ(ステップ♯79)、表示モードに移行する。もし、入力がなければ(ステップ♯78のNo)、例えば、ステップ♯73に戻る。尚、ステップ♯77〜♯79は、図10のステップ♯58〜♯60と同様の処理であり、詳細な説明は省略する。
【0112】
このようにして、本実施形態の構成によれば、親機1と子機2は、独立して省電力モードに移行し、又、省電力モードから復帰するので、入力部に入力のない親機1又は子機2のいずれか一方を、省電力モードのままとすることができる。従って、使用しない方の表示入力装置は、省電力モードのままとされ、表示システム5全体として高い省電力効果が得られる。
【0113】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、親子接続される表示入力装置や、この表示入力装置を含む表示システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 親機(表示入力装置)
11 表示部(第1表示部)
110 液晶パネル(親機、第1表示部の一部)
111 バックライト(親機、第1表示部の一部)
12 入力部(第1入力部)
120 タッチパネル(親機、第1入力部)
14 処理部(親機、第1処理部)
144 タイマ
145 A/D変換器(データ変換器の一種)
146、147 データ変換器
15 I/F部(第1通信部)
2 子機(表示入力装置)
20 I/F部(第2通信部)
21 表示部(第2表示部)
210 液晶パネル(子機、第2表示部の一部)
211 バックライト(子機、第2表示部の一部)
22 入力部(第2入力部)
220 タッチパネル(子機、第2入力部)
24 処理部(子機、第2処理部)
3 制御装置
4 制御対象
5 表示システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示入力装置である親機と、表示入力装置である子機を含む表示システムであって、
前記親機は、
液晶パネルとバックライトを含む第1表示部と、
前記親機に対する入力を受け付ける第1入力部と、
前記親機の動作を制御する処理を行うとともに、前記親機と前記子機の省電力モードへの移行を判断する処理を行う第1処理部と、
少なくとも、前記子機に向けて映像信号を送信するとともに、前記子機の入力信号を前記子機から受信する第1通信部と、を備え、
前記子機は、
液晶パネルとバックライトを含み、前記映像信号に基づき表示を行う第2表示部と、
前記子機に対する入力を受け付ける第2入力部と、
前記子機の動作を制御する処理を行う第2処理部と、
前記第1通信部と接続され、少なくとも、前記親機から前記映像信号を受信するとともに、前記親機に向けて入力信号を送信する第2通信部と、
を備え、
前記子機が省電力モードに移行する場合、
前記親機は、前記子機への映像信号の送信を停止し、
前記第2処理部は、前記親機からの前記映像信号がなくなった際、前記第2表示部の液晶パネル及びバックライトへの電力供給を停止することを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記第2表示部への電力供給停止状態で前記第2入力部への入力があった場合、前記子機は、前記親機に向けて前記映像信号の送信再開を要求する要求信号を前記第2通信部から前記第1通信部へ送信し、前記第2処理部は、前記映像信号の送信が再開されてから前記第2表示部への電力供給を再開させることを特徴とする請求項1記載の表示システム。
【請求項3】
前記親機と制御対象とに通信可能に接続され、前記制御対象を制御するためになされた前記第1入力部又は前記第2入力部への入力に基づき、前記制御対象の制御を行う制御装置を有し、
前記親機は、前記子機に送信する前記映像信号と異なる形式の映像信号の供給を前記制御装置から受け、前記親機の第1表示部で表示を行うため、及び/又は、前記映像信号を前記子機に送信するために前記異なる形式の映像信号の形式を変換する1又は複数のデータ変換器を有し、
前記第1処理部は、前記親機及び前記子機がいずれも省電力モードである場合、前記データ変換器への電力供給を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示システム。
【請求項4】
他の表示入力装置と接続され、少なくとも、前記他の表示入力装置からの映像信号を受信するとともに、前記他の表示入力装置に向けて入力信号を送信する通信部と、
液晶パネルとバックライトを含み、前記他の表示入力装置からの映像信号に基づく表示を行う表示部と、
入力を受け付ける入力部と、
前記他の表示入力装置からの映像信号がない状態では、前記表示部の液晶パネルとバックライトへの電力供給を停止する処理部を有することを特徴とする表示入力装置。
【請求項5】
前記表示部への電力供給停止状態で前記入力部への入力があった場合、
前記通信部は、前記他の表示入力装置に向けて、前記他の表示入力装置からの映像信号の送信再開を要求する要求信号を送信し、
前記処理部は、前記他の表示入力装置からの映像信号の送信が再開されてから前記表示部への電力供給を再開させることを特徴とする請求項4記載の表示入力装置。
【請求項1】
表示入力装置である親機と、表示入力装置である子機を含む表示システムであって、
前記親機は、
液晶パネルとバックライトを含む第1表示部と、
前記親機に対する入力を受け付ける第1入力部と、
前記親機の動作を制御する処理を行うとともに、前記親機と前記子機の省電力モードへの移行を判断する処理を行う第1処理部と、
少なくとも、前記子機に向けて映像信号を送信するとともに、前記子機の入力信号を前記子機から受信する第1通信部と、を備え、
前記子機は、
液晶パネルとバックライトを含み、前記映像信号に基づき表示を行う第2表示部と、
前記子機に対する入力を受け付ける第2入力部と、
前記子機の動作を制御する処理を行う第2処理部と、
前記第1通信部と接続され、少なくとも、前記親機から前記映像信号を受信するとともに、前記親機に向けて入力信号を送信する第2通信部と、
を備え、
前記子機が省電力モードに移行する場合、
前記親機は、前記子機への映像信号の送信を停止し、
前記第2処理部は、前記親機からの前記映像信号がなくなった際、前記第2表示部の液晶パネル及びバックライトへの電力供給を停止することを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記第2表示部への電力供給停止状態で前記第2入力部への入力があった場合、前記子機は、前記親機に向けて前記映像信号の送信再開を要求する要求信号を前記第2通信部から前記第1通信部へ送信し、前記第2処理部は、前記映像信号の送信が再開されてから前記第2表示部への電力供給を再開させることを特徴とする請求項1記載の表示システム。
【請求項3】
前記親機と制御対象とに通信可能に接続され、前記制御対象を制御するためになされた前記第1入力部又は前記第2入力部への入力に基づき、前記制御対象の制御を行う制御装置を有し、
前記親機は、前記子機に送信する前記映像信号と異なる形式の映像信号の供給を前記制御装置から受け、前記親機の第1表示部で表示を行うため、及び/又は、前記映像信号を前記子機に送信するために前記異なる形式の映像信号の形式を変換する1又は複数のデータ変換器を有し、
前記第1処理部は、前記親機及び前記子機がいずれも省電力モードである場合、前記データ変換器への電力供給を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示システム。
【請求項4】
他の表示入力装置と接続され、少なくとも、前記他の表示入力装置からの映像信号を受信するとともに、前記他の表示入力装置に向けて入力信号を送信する通信部と、
液晶パネルとバックライトを含み、前記他の表示入力装置からの映像信号に基づく表示を行う表示部と、
入力を受け付ける入力部と、
前記他の表示入力装置からの映像信号がない状態では、前記表示部の液晶パネルとバックライトへの電力供給を停止する処理部を有することを特徴とする表示入力装置。
【請求項5】
前記表示部への電力供給停止状態で前記入力部への入力があった場合、
前記通信部は、前記他の表示入力装置に向けて、前記他の表示入力装置からの映像信号の送信再開を要求する要求信号を送信し、
前記処理部は、前記他の表示入力装置からの映像信号の送信が再開されてから前記表示部への電力供給を再開させることを特徴とする請求項4記載の表示入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−231496(P2010−231496A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78282(P2009−78282)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000134109)株式会社デジタル (224)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000134109)株式会社デジタル (224)
【Fターム(参考)】
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