説明

表示システム

【課題】ディスプレイの上下方向位置が、表示面が上下方向に任意サイズ分隠れる位置にあるときにも、当該ディスプレイを用いた情報の提示を適切に行う「表示システム」を提供する。
【解決手段】ディスプレイ3の昇降が停止したならば、ディスプレイ3の位置を検出し、ディスプレイ3の表示面の露出している部分に表示する案内画面として、ディスプレイ3の表示面と同サイズの案内画面、縦方向がディスプレイ3の表示面の1/2サイズの案内画面、縦方向が縦方向がディスプレイ3の1/4サイズの案内画面のうちの、当該露出している部分の縦方向サイズに近似している画面を、当該露出している部分と同サイズに拡大/縮小して表示する。各案内画面は、同種の情報を異なる簡易化の程度で表した画面とし、サイズの小さい案内画面ほど簡易化の程度は大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降式のディスプレイを用いた表示を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昇降式のディスプレイを用いた表示を制御する技術に関する技術としては、表示面の下方半分が自動車のインストルメントパネル下に隠れる位置と、表示面の全てがインストルメントパネルの上方に露出する位置との間を電動機構により上下動可能なディスプレイの表示を制御する技術が知られている(特許文献1)。
【0003】
この技術では、自動車が市街地を走行しているときには、ディスプレイを上昇させて表示面の全てが露出したフル画面状態として、詳細地図上で現在位置や経路を表したナビゲーション情報を表示画面の全面に表示し、他の場合にはディスプレイを下降させて表示面の下方半分が隠れたハーフ画面状態とし、簡易的な情報を表示画面の上半面に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-38593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示面が隠れる収容位置と表示面が露出する使用位置との間で電動機構により上下動するディスプレイを用いる場合、電動機構の故障により、予測不能の高さで、ディスプレイの表示面の一部が隠れた状態でディスプレイが静止してしまうことがある。
そして、このような場合に、表示画面の全面を用いて情報の表示を行うと、その一部しかユーザは視認できないために様々な不具合が生じる。一方、このような場合に故障としてディスプレイの表示を完全に停止してしまうと、ユーザのディスプレイの可用性が全く失われてしまうこととなる。
【0006】
また、ユーザが任意に所望の高さにディスプレイを静止させた状態においても、当該ディスプレイを用いた情報の提示を適切に行うことができれば、ユーザにとっての、ディスプレイの利便性をさらに高めることができる。
そこで、本発明は、ディスプレイの上下方向位置が、表示面が上下方向に任意サイズ分隠れる位置にあるときにも、当該ディスプレイを用いた情報の提示を適切に行うことができる表示システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題達成のために、本発明は、ディスプレイを備えた表示システムに、前記ディスプレイを、表示面の全部もしくは下部が隠れる下方位置と、表示面の全てが露出する上方位置との間で昇降する昇降手段と、前記ディスプレイの上下方向位置を検出する位置検出手段と、同種の情報を異なる表現で表した、上下方向のサイズが異なる複数の情報提示画面のいずれかを選択的に、前記ディスプレイに表示する情報提示画面出力手段と、前記ディスプレイの昇降が停止したときに、前記位置検出手段が検出している前記ディスプレイの上下方向位置に基づいて、前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズを算出する露出サイズ算出手段とを備えたものである。ただし、前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズの範囲毎に、前記複数の情報提示画面のうちのいずれかの情報提示画面が、当該範囲内の上下方向サイズの表示領域を用いた情報の提示に適した情報提示画面として予め対応づけられており、前記情報提示画面出力手段は、前記露出サイズ算出手段が算出した前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズが属する範囲に対応づけられている情報提示画面を、前記ディスプレイに表示する情報提示画面として前記複数の情報提示画面のうちから選定するものである。
【0008】
このような表示システムによれば、ディスプレイの位置が、ディスプレイの表示面の任意サイズ分隠れる中途位置となった場合でも、その時点のディスプレイの表示面の露出している部分のサイズの表示領域を用いた情報の提示に適した情報提示画面が選定されてディスプレイに表示されることとなる。
【0009】
よって、ディスプレイの上下方向位置が、表示面が上下方向に任意サイズ分隠れる位置にあるときにも、当該ディスプレイを用いた情報の提示を適切に行うことができるようになる。
ここで、このような表示システムは、前記露出サイズ算出手段において、前記昇降手段による前記ディスプレイの昇降に不具合が生じて、前記ディスプレイが停止したときに、前記位置検出手段が検出している前記ディスプレイの上下方向位置に基づいて、前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズを算出するように構成してもよい。
【0010】
このようにすることにより、ディスプレイの昇降機能の故障によりディスプレイの表示面の任意サイズ分隠れる中途位置でディスプレイが停止してしまったような場合にも、ディスプレイを用いた情報の提示を適切に行うことができるようになる。
または、このような表示システムは、前記昇降手段において、ユーザ操作に応じて、前記ディスプレイの昇降と停止を行い、前記露出サイズ算出手段において、前記昇降手段が、ユーザ操作に応じて、前記ディスプレイを停止したときに、前記位置検出手段が検出している前記ディスプレイの上下方向位置に基づいて、前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズを算出するように構成してもよい。
【0011】
このようにすることにより、ユーザが任意に所望の高さにディスプレイを位置させた状態においても、ディスプレイを用いた情報の提示を適切に行うことができるようになる。
また、このような表示システムは、前記各情報提示画面を、当該情報提示画面の上下方向のサイズ以上かつ、当該情報提示画面の次に上下方向のサイズが大きい情報提示画面の上下方向のサイズ未満の、前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズの範囲に対して予め対応づけるように構成してもよい。
【0012】
このようにすることにより、情報提示画面の全体が必ずディスプレイの表示面の露出している部分に表示されることを担保することができる。
または、このような表示システムは、前記各情報提示画面を、当該情報提示画面の上下方向のサイズを含む、前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズの範囲に対して予め対応づけ、前記情報提示画面出力手段において、前記選定した情報提示画面を、当該情報提示画面の上下方向のサイズを、前記露出サイズ算出手段が算出した前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズに一致するように拡大もしくは縮小した上で、前記ディスプレイに表示するように構成してもよい。
【0013】
このようにすることにより、ディスプレイの表示面の露出している部分のサイズと情報提示画面のサイズを等しくすることができ、ディスプレイの表示面の露出している部分の全てを利用して視認性良く情報をユーザに提示することができるようになる。
なお、以上の当該表示システムは、自動車に搭載されたシステムであって良く、前記昇降手段は、前記ディスプレイを、表示面の全部もしくは下部が前記自動車のダッシュボード上面下に隠れる下方位置と、表示面の全てがダッシュボードの上面上に露出する上方位置との間で昇降するものであって良い。
【0014】
また、以上の当該表示システムは、自動車に搭載されたシステムであって良く、前記情報提示画面出力手段は、現在位置と経路の情報を異なる表現で表した、上下方向のサイズが異なる複数の情報提示画面のいずれかを選択的に、前記ディスプレイに表示するものであり、前記複数の情報提示画面は、より上下方向のサイズが小さな情報提示画面は、現在位置と経路の情報を、より簡易化した表現で表したものであっても良い。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、ディスプレイの上下方向位置が、表示面が上下方向に任意サイズ分隠れる位置にあるときにも、当該ディスプレイを用いた情報の提示を適切に行うことができる表示システムを提供することができる表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るディスプレイの配置と昇降のようすを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る各案内画面とその拡大/縮小のようすを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る昇降制御処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るディスプレイの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る表示システムの構成を示す。
本実施形態に係る表示システムは、自動車に搭載されるシステムであり、図示するように、ナビゲーション装置1、入力装置2、ディスプレイ3、電動昇降装置4、位置検出センサ5とを備えている。
ここで、ディスプレイ3は、図2a-cに示すように、車内側に表示面を向けた状態で、図2aの自動車のダッシュボード10の上面に全体が埋没して表示面の全てが隠れる下端位置と、図2cの自動車のダッシュボード10の上面上に表示面の全てが露出する上端位置との間を上下方向に昇降可能に設けられている。そして、このようなディスプレイ3の昇降を行うのが電動昇降装置4である。また、位置検出センサ5は、このように電動昇降装置4によって昇降されるディスプレイ3の上下方向位置を検出する、たとえば、リニアポジションメータ等のセンサである。
【0018】
次に、ナビゲーション装置1は、自動車の現在位置の算出や、目的地までの経路の算出や、ユーザに対する現在位置や経路の案内を、所定の案内画面をディスプレイ3に表示することにより行う装置である。
ここで、ナビゲーション装置1は、表示モードとして、フル案内画面表示モード、ハーフ案内画面表示モード、クオータ案内画面表示モードとを備えている。また、案内画面としてフル案内画面、ハーフ案内画面、クオータ案内画面の3種類の案内画面を生成することができ、表示モードに応じて、フル案内画面、ハーフ案内画面、クオータ案内画面のいずれかを、選択的にディスプレイ3に表示する。また、ナビゲーション装置1は、フル案内画面、ハーフ案内画面、クオータ案内画面を、設定した拡大/縮小率に応じて縦方向に拡大/縮小して、ディスプレイ3に表示する。
【0019】
すなわち、より具体的には、ナビゲーション装置1は、フル案内画面表示モードではフル案内画面を、ハーフ案内画面表示モードではハーフ案内画面を、クオータ案内画面表示モードではクオータ案内画面を、その時点で設定されている拡大/縮小率に応じて拡大/縮小して、ディスプレイ3に、ディスプレイ3の表示面の上端に案内画面の上端を揃えた配置で表示する。
【0020】
ここで、図3に、クオータ案内画面、ハーフ案内画面、フル案内画面の例を示す。
図中、a1がクオータ案内画面、b1がハーフ案内画面、c1がフル案内画面を表している。
図示するように、クオータ案内画面は、横方向サイズがディスプレイ3の表示面の横方向サイズと等しく、縦方向サイズがディスプレイ3の表示面の縦方向サイズの1/4のサイズを有する画面として生成される。また、ハーフ案内画面は、横方向サイズがディスプレイ3の表示面の横方向サイズと等しく、縦方向サイズがディスプレイ3の表示面の縦方向サイズの1/2のサイズを有する画面として生成される。また、フル案内画面は、横方向サイズがディスプレイ3の表示面の横方向サイズと等しく、縦方向サイズがディスプレイ3の表示面の縦方向サイズと等しいサイズを有する画面として生成される。
【0021】
また、フル案内画面は、詳細な道案内情報を表示する画面であり、正規の地図上に現在位置や経路を表した画面となっている。また、ハーフ案内画面は、簡易化した道案内情報を表示する画面であり、経路周辺の道路のみを模式的に表した簡易地図上に現在位置や経路を表した画面となっている。そして、クオータ案内画面は、さらに簡易化した道案内情報を表示する画面であり、目的地や右左折ポイントまで現在地からの距離のみを表した画面となっている。
【0022】
以下、このような構成において、ナビゲーション装置1が行う昇降制御処理について説明する。
図4に、この昇降制御処理の手順を示す。
図示するように、この処理において、ナビゲーション装置1は、入力装置2を用いたユーザからのディスプレイ3の下降指示操作の発生(ステップ402)と、入力装置2を用いたユーザからのディスプレイ3の上昇指示操作の発生(ステップ404)とを監視する。
【0023】
そして、ディスプレイ3の上昇指示操作が発生したならば(ステップ404)、位置検出センサ5を参照してディスプレイ3が上昇可能な最上方の位置である上端位置にあるかどうかを調べ(ステップ406)、上端位置にあればステップ402、404の監視に戻る。
【0024】
一方、上端位置になければ電動昇降装置4を制御してディスプレイ3の上昇を開始し(ステップ408)、所定のタイムアウト時間を有するタイマをスタートする(ステップ410)。ここで、タイマは、電動昇降装置4によるディスプレイ3の上昇を開始してから、ディスプレイ3が上端位置に上昇するまでに要するに充分な時間を設定する。
【0025】
そして、位置検出センサ5が表すディスプレイ位置の上端位置への到達の発生(ステップ412)と、入力装置2を用いたユーザからのディスプレイ3の上昇停止操作の発生(ステップ414)と、タイマのタイムアウトの発生(ステップ416)とを監視し、いずれかが発生したならば、電動昇降装置4を制御してディスプレイ3の上昇を停止する(ステップ418)。そして、ステップ420に進む。
【0026】
一方、ステップ402において、ディスプレイ3の下降指示操作が発生したならば(ステップ402)、位置検出センサ5を参照してディスプレイ3が下降可能な最下方の位置である下端位置にあるかどうかを調べ(ステップ436)、下端位置にあればステップ402、404の監視に戻る。
【0027】
一方、下端位置になければ電動昇降装置4を制御してディスプレイ3の下降を開始し(ステップ438)、所定のタイムアウト時間を有するタイマをスタートする(ステップ440)。ここで、タイマは、電動昇降装置4によるディスプレイ3の下降を開始してから、ディスプレイ3が下端位置に下降するまでに要するに充分な時間を設定する。
【0028】
そして、位置検出センサ5が表すディスプレイ位置の下端位置への到達の発生(ステップ442)と、入力装置2を用いたユーザからのディスプレイ3の下降停止操作の発生(ステップ444)と、タイマのタイムアウトの発生(ステップ446)とを監視し、いずれかが発生したならば、電動昇降装置4を制御してディスプレイ3の下降を停止する(ステップ448)。そして、ステップ420に進む。
【0029】
なお、以上の処理のステップ416、446で検出するタイムアウトは、電動昇降装置4の故障等の理由によりディスプレイ3が正常に昇降できなくなっている場合に生じる。
さて、このようにしてステップ418または448からステップ420に進んだならば、位置検出センサ5が表すディスプレイ位置から、ディスプレイ開度を算出する。ここで、ディスプレイ開度は、ディスプレイ3の表示面のダッシュボード10上に露出している部分の縦方向サイズの、ディスプレイ3の表示面全面の縦方向サイズに対する比として算出する。すなわち、ディスプレイ3の位置が、ディスプレイ3の表示面の上半分だけがダッシュボード10上に露出する位置にあれば、ディスプレイ開度は50%となり、ディスプレイ3の表示面の上1/4だけがダッシュボード10上に露出する位置にあれば、ディスプレイ開度は25%となる。
【0030】
そして、次に、算出したディスプレイ開度がしきい値TH未満であるかどうかを調べ(ステップ422)、しきい値TH未満であればディスプレイ3に対する案内画面の表示を停止し(ステップ426)、ステップ402、404の監視に戻る。ここで、しきい値THは、たとえば、19%とする。
【0031】
一方、算出したディスプレイ開度がしきい値TH未満でなければ(ステップ422)、ディスプレイ開度に応じて、上述した表示モードと拡大/縮小率を設定し(ステップ424)、ステップ402、404の監視に戻る。
ここで、ディスプレイ開度に応じた表示モードと拡大/縮小率の設定は次のように行う。
すなわち、ディスプレイ開度が19%以上38%未満であれば表示モードをクオータ案内画面表示モードに設定し、ディスプレイ開度が38%以上75%未満であれば表示モードをハーフ案内画面表示モードに設定し、ディスプレイ開度が75%以上であれば表示モードをフル案内画面表示モードに設定する。
【0032】
また、表示モードとしてクオータ案内画面表示モードを設定したときには、ディスプレイ開度÷25%を拡大/縮小率として設定し、表示モードとしてハーフ案内画面表示モードを設定したときには、ディスプレイ開度÷50%を拡大/縮小率として設定し、表示モードとしてフル案内画面表示モードを設定したときには、ディスプレイ開度÷100%を拡大/縮小率として設定する。
【0033】
このような表示モードと拡大/縮小率の設定によって、ディスプレイ開度が19%以上38%未満のときにはクオータ案内画面表示モードが設定され、図3a1に示すクオータ案内画面が、図3a2に示すようにディスプレイ3の表示面のダッシュボード10の上面より露出している部分と同じサイズとなるように、縦方向に拡大/縮小された上で、ディスプレイ3に、ディスプレイ3の表示面と上端揃えの位置配置で表示される。また、ディスプレイ開度が38%以上75%未満のときには、図3b1に示すハーフ案内画面が、図3b2に示すようにディスプレイ3の表示面のダッシュボード10の上面より露出している部分と同じサイズとなるように、縦方向に拡大/縮小された上で、ディスプレイ3に、ディスプレイ3の表示面と上端揃えの位置配置で表示される。また、ディスプレイ開度が75%以上のときには、図3c1に示すフル案内画面が、図3c2に示すようにディスプレイ3の表示面のダッシュボード10の上面より露出している部分と同じサイズとなるように、縦方向に拡大/縮小された上で、ディスプレイ3に、ディスプレイ3の表示面と上端揃えの位置配置で表示される。
【0034】
以上、ナビゲーション装置1が行う昇降制御処理について説明した。
以上のような表示システムによれば、図5a、b、cに示すように、ディスプレイ3がユーザ操作により、または、故障等により、上下方向について中途の位置で静止した場合にも、ディスプレイ3の表示面の、その時点でダッシュボード10上に露出している部分を用いて、現在位置や経路の情報を表す案内画面の全体を、その視認性を確保しつつ表示することができる。
【0035】
ところで、以上の実施形態では、拡大/縮小率を設定し、クオータ案内画面、ハーフ案内画面、フル案内画面を、設定した拡大/縮小率で縦方向に拡大/縮小して表示するようにしたが、当該拡大/縮小率の設定や拡大/縮小は、これを行わないようにしてもよい。ただし、この場合には、クオータ案内画面、ハーフ案内画面、フル案内画面の全体がディスプレイ3の表示面の露出部分に表示されることを担保するために、ディスプレイ開度が25%未満の場合にはディスプレイ3の表示を停止し、ディスプレイ開度が25%以上50%未満であれば表示モードをクオータ案内画面表示モードに設定し、ディスプレイ開度が50%以上100%未満であれば表示モードをハーフ案内画面表示モードに設定し、ディスプレイ開度が100%であれば表示モードをフル案内画面表示モードに設定するようにする。
【0036】
また、以上の実施形態では、ディスプレイ3にナビゲーション装置1の案内画面を表示する場合を例にとり説明したが、本実施形態は、ディスプレイ3に任意の装置の任意の情報を表示する場合に同様に適用することができる。すなわち、この場合には、ディスプレイ3の表示面と同サイズの画面の他に、縦方向が1/2サイズの画面、縦方向が1/4サイズの画面を、当該情報を異なる詳細度/簡易化の程度で表す画面として設けるようにすればよい。ただし、縦方向サイズが小さいほど当該情報を簡易化した表現で表すものとする。
【0037】
また、以上の実施形態では、ディスプレイ3の表示面と同サイズのフル案内画面の他に、縦方向が1/2サイズのハーフ案内画面、縦方向が1/4サイズのクオータ案内画面との二つの縦方向のサイズ違いの画面を用いるようにしたが、これは、縦方向のサイズが、これらのサイズ以外の他のサイズの案内画面を任意数用いるようにしてもかまわない。
【0038】
また、以上の実施形態は、ディスプレイ3を最も下方に下降させた状態で、ディスプレイ3の表示面の全てではなく、下方の一部のみが隠れるものである場合にも同様に適用することができる。
また、以上の実施形態では、下から上にディスプレイ3が移動するに従って表示面の露出量が増大する場合について説明したが、本実施形態は、各画面をディスプレイ3の表示面と下端揃えで表示するようにすることにより、上から下にディスプレイ3が移動するに従って表示面の露出量が増大する場合についても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1…ナビゲーション装置、2…入力装置、3…ディスプレイ、4…電動昇降装置、5…位置検出センサ、10…ダッシュボード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイを備えた表示システムであって、
前記ディスプレイを、表示面の全部もしくは下部が隠れる下方位置と、表示面の全てが露出する上方位置との間で昇降する昇降手段と、
前記ディスプレイの上下方向位置を検出する位置検出手段と、
同種の情報を異なる表現で表した、上下方向のサイズが異なる複数の情報提示画面のいずれかを選択的に、前記ディスプレイに表示する情報提示画面出力手段と、
前記ディスプレイの昇降が停止したときに、前記位置検出手段が検出している前記ディスプレイの上下方向位置に基づいて、前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズを算出する露出サイズ算出手段とを有し、
前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズの所定の範囲毎に、前記複数の情報提示画面のうちのいずれかの情報提示画面が、当該範囲内の上下方向サイズの表示領域を用いた情報の提示に適した情報提示画面として予め対応づけられており、
前記情報提示画面出力手段は、前記露出サイズ算出手段が算出した前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズが属する範囲に対応づけられている情報提示画面を、前記ディスプレイに表示する情報提示画面として前記複数の情報提示画面のうちから選定することを特徴とする表示システム。
【請求項2】
請求項1記載の表示システムであって、
前記露出サイズ算出手段は、前記昇降手段による前記ディスプレイの昇降に不具合が生じて、前記ディスプレイが停止したときに、前記位置検出手段が検出している前記ディスプレイの上下方向位置に基づいて、前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズを算出することを特徴とする表示システム。
【請求項3】
請求項1記載の表示システムであって、
前記昇降手段は、ユーザ操作に応じて、前記ディスプレイの昇降と停止を行い、
前記露出サイズ算出手段は、前記昇降手段が、ユーザ操作に応じて、前記ディスプレイを停止したときに、前記位置検出手段が検出している前記ディスプレイの上下方向位置に基づいて、前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズを算出することを特徴とする表示システム。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の表示システムであって、
前記各情報提示画面は、当該情報提示画面の上下方向のサイズ以上かつ、当該情報提示画面の次に上下方向のサイズが大きい情報提示画面の上下方向のサイズ未満の、前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズの前記範囲に対して予め対応づけられていることを特徴とする表示システム。
【請求項5】
請求項1、2または3記載の表示システムであって、
前記各情報提示画面は、当該情報提示画面の上下方向のサイズを含む、前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズの前記範囲に対して予め対応づけられており、
前記情報提示画面出力手段は、前記選定した情報提示画面を、当該情報提示画面の上下方向のサイズを、前記露出サイズ算出手段が算出した前記ディスプレイの表示面の露出している部分の上下方向サイズに一致するように拡大もしくは縮小した上で、前記ディスプレイに表示することを特徴とする表示システム。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5記載の表示システムであって、
当該表示システムは自動車に搭載されたシステムであって、
前記昇降手段は、前記ディスプレイを、表示面の全部もしくは下部が前記自動車のダッシュボード上面下に隠れる下方位置と、表示面の全てがダッシュボードの上面上に露出する上方位置との間で昇降することを特徴とする表示システム。
【請求項7】
請求項請求項1、2、3、4または5記載の表示システムであって、
当該表示システムは自動車に搭載されたシステムであって、
前記情報提示画面出力手段は、現在位置と経路の情報を異なる表現で表した、上下方向のサイズが異なる複数の情報提示画面のいずれかを選択的に、前記ディスプレイに表示し、
前記複数の情報提示画面は、より上下方向のサイズが小さな情報提示画面は、現在位置と経路の情報を、より簡易化した表現で表したものであることを特徴とする表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−83793(P2013−83793A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223660(P2011−223660)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】