表示制御装置及び情報表示システム
【課題】道路の渋滞を判断し、渋滞中の道路区間では広告などの情報の提供を停止し、渋滞が解消されたときには情報の提供を再開できるようにする。
【解決手段】表示装置2は、VICSセンタ4から交通情報を受け取る。そして、情報表示装置3が設置されている道路区間が渋滞しているか否かを判断する。ある道路区間が渋滞していたときは、その道路区間を示す区間番号と対応付けて登録されている機器番号の情報表示装置3に対して広告を表示するように指示する。この渋滞が解消したときは情報表示装置3に対して広告の表示の停止を指示する。
【解決手段】表示装置2は、VICSセンタ4から交通情報を受け取る。そして、情報表示装置3が設置されている道路区間が渋滞しているか否かを判断する。ある道路区間が渋滞していたときは、その道路区間を示す区間番号と対応付けて登録されている機器番号の情報表示装置3に対して広告を表示するように指示する。この渋滞が解消したときは情報表示装置3に対して広告の表示の停止を指示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告などの情報の表示を制御する表示制御装置、及び広告などの情報を表示する情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般道や高速道の沿線のビルなどに広告看板を設置し、車を運転中の人に商品広告を行うことが広く行われている。
【0003】
また、車内の人に対して広告情報を送る技術としては、特許文献1が知られている。この技術は、車から取得した現在位置情報に基づいて、ネットワークセンタから車内の移動体通信機に広告情報を送信するものである。
【0004】
さらに、特許文献2には、利用者が指定した渋滞発生場所などの情報を車内でリアルタイムに入手できるようにした技術について開示されている。
【0005】
特許文献3には、渋滞状況を予測して、渋滞による車両走行の遅れを織り込んだ様々な情報を提供する技術について開示されている。
【0006】
また、VICS(Vehicle Information and Communication System)は、VICSセンタで編集、処理された渋滞や交通規制などの道路交通情報をリアルタイムに送信し、カーナビゲーションなどの車載機に文字や図形で表示する情報通信システムとして知られている。
【特許文献1】特開2001−333455号公報
【特許文献2】特開2004−38866号公報
【特許文献3】特開2003−344074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように道路の沿線に広告看板を設置し、車を運転中の人に商品広告を行うことは、運転者が運転しながら広告に視線を向けることになるので、場合によっては脇見運転による事故につながる恐れがある。
【0008】
一方、広告看板の設置された道路が渋滞中であれば、運転者が広告看板を見ても事故につながる可能性は低いといえる。
【0009】
そこで、道路の渋滞状況を判断し、渋滞中の道路区間では車の運転者に向かって広告を行ない、渋滞中でない道路区間では車の運転者に向かって広告を行うことを停止することを自動的に行えるようにしたい。
【0010】
本発明の目的は、道路の渋滞を判断し、渋滞中の道路区間では広告などの情報の提供を行い、渋滞が解消されたときには情報の提供を停止できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、情報の表示及びその停止を選択的に実行する情報表示装置が設置されている各道路区間を識別する第1識別情報と前記情報表示装置を識別する第2識別情報とが関連付けて記憶される記憶手段と、所定の情報提供先から提供される交通情報から、前記第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していることを示す渋滞情報、及び前記第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していないことを示す非渋滞情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により前記渋滞情報が得られたときは当該渋滞情報と関連付けられている前記第1識別情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記第2識別情報が特定する前記情報表示装置に対して前記情報の表示を指示し、前記非渋滞情報が得られたときは当該非渋滞情報と関連付けられている前記第1識別情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記第2識別情報が特定する前記情報表示装置に対して前記情報の表示の停止を指示する制御手段と、を備えている表示制御装置である。
【0012】
別の面から見た本発明は、情報の表示及びその停止を選択的に実行する情報表示装置と、所定の情報提供先から提供される交通情報から、前記情報表示装置が設置されている各道路区間を識別する第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していることを示す渋滞情報、及び前記第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していないことを示す非渋滞情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により前記渋滞情報が前記第1識別情報と関連付けて得られたときは前記情報表示装置に対して前記情報の表示を指示し、前記非渋滞情報が前記第1識別情報と関連付けて得られたときは前記情報表示装置に対して前記情報の表示の停止を指示する制御手段と、を備えている情報表示システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、渋滞している道路区間を特定し、その道路区間に設置されている情報表示装置に対しては情報の表示の実行を指示し、渋滞が解消されれば情報の表示の停止を指示するので、運転者が運転しながら広告に視線を向けることによる脇見運転による事故を未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
まず、本実施形態の情報表示システムのシステム構成について説明する。
【0016】
図1は、この情報表示システムの全体のシステム構成を説明するブロック図である。図1に示すように、情報表示システム1は、ホストコンピュータとなる表示制御装置2と、三面広告表示装置、電光掲示板など、広告などの情報の表示又はその表示の停止を選択的に行うことができる1又は複数台(本例では複数台として説明する)の情報表示装置3とから構成される。
【0017】
表示制御装置2は、VICS(Vehicle Information and Communication System)センタ4と、例えば有線のネットワーク5を介して情報交換が可能である。
【0018】
図2は、表示制御装置2の電気的な接続のブロック図である。表示制御装置2は、各種演算を行ない、表示制御装置2の全体を集中的に制御するCPU11と、CPU11が実行する各種制御プログラムや固定データが格納されたROM12と、CPU11のワークエリアとなるRAM13とがバス14で接続されている。
【0019】
バス14には、さらにマウス、キーボードなどの入力装置15と、LCDなどの表示装置16とが所定のインターフェイスを介して接続され、また、VICSセンタ4とネットワーク5を介して通信を行う通信制御装置17と、無線送受信装置18により情報表示装置3と無線通信を行う通信制御装置19とが接続されている。
【0020】
図3は、情報表示装置3の電気的な接続のブロック図である。本例では情報表示装置3に三面広告表示装置を適用した例について説明する。情報表示装置3の制御装置28は、ホストとしての表示制御装置2に対するターミナルとなる装置であり、各種演算を行ない、情報表示装置3の全体を集中的に制御するCPU21と、CPU21が実行する各種制御プログラムや固定データが格納されたROM22と、CPU21のワークエリアとなるRAM23とがバス24で接続されている。
【0021】
さらに、バス24には、無線送受信装置25により表示制御装置2と無線通信を行う通信制御装置26が接続され、また、三面広告表示装置31のモータ32がモータ駆動回路27を介して接続されている。
【0022】
三面広告表示装置31は、三面の広告面を備え、モータ32の駆動により、外部に表示する広告面として三面の広告面のうちのいずれか一面を選択することができる装置である。そして、この三面の広告面のうちのひとつを白紙にすれば、モータ32の駆動により、広告の表示又はその表示の停止を選択的に行うことができることになる。
【0023】
図4は、情報表示装置3の設置例を示す説明図であり、情報表示装置3を道路のガードレール41に設置した例である。三面広告表示装置31をガードレール41の道路側(図4の上側)に設置し、制御装置28をガードレール41の反対側に設置している。図4(a)は広告の表示を停止している状態を示し、図4(b)は広告の表示を行っている状態を示している。
【0024】
次に、以上のようなシステム構成の情報表示システム1の動作について説明する。
【0025】
まず、情報表示システム1で使用する道路区間・機器相関テーブル51(図5参照)、渋滞発生管理テーブル61(図6参照)、及び渋滞解消管理テーブル71(図7参照)について説明する。
【0026】
図5に示すように、道路区間・機器相関テーブル51は記憶手段を実現するテーブルであり、情報表示装置3が設置されている道路の特定の区間(道路区間)を識別する第1識別標識である区間番号52と、その道路区間に設置されている情報表示装置3を識別する第2識別標識である機器番号53とが互いに関連付けられて記憶されている。道路区間・機器相関テーブル51により、どこの道路区間にどの情報表示装置3が設置されているかを知ることができる。この道路区間・機器相関テーブル51はROM12に登録されている(なお、情報表示装置3が設置される道路区間は適宜変更されうるので、この変更を考慮すれば不揮発性メモリに格納するのが望ましい)。図5の例では、中央自動車道の各道路区間に設置されている情報表示装置3の機器番号53が、その道路区間の区間番号52と関連付けて登録されている。
【0027】
ここで、VICSセンタ4から表示制御装置2に提供される渋滞情報の内容について説明すると、道路の混雑状況は、渋滞(一般道路:≦10km/h、高速道路:≦20km/h)、混雑(一般道路:10〜20km/h、高速道路:20〜40km/h)、閑散(一般道路:≧20km/h、高速道路:≧40km/h)の3段階で表示され、道路区間(リンク)をリンク番号で指定して、例えば、リンク全体が同一の混雑状態である時は、「リンク番号+状態(渋滞/混雑/閑散/不明)」で表現されて提供される。このリンク番号は前述の区間番号52となる。"渋滞"、"不明"という状態を示すデータは、対応する道路区間が渋滞していることを示す渋滞情報となり、"混雑"、"閑散"という状態を示すデータは、対応する道路区間が渋滞していないことを示す非渋滞情報となる("不明"は渋滞情報、非渋滞情報のどちらにも区分できるが、ここでは安全サイドを考えて渋滞情報に含めている)。
【0028】
図6に示すように、渋滞発生管理テーブル61は、VICSセンタ4から得られるデータから判断される、現在渋滞している道路区間の区間番号52を登録するテーブルであり、RAM13の所定エリアに格納される。
【0029】
図7に示すように、渋滞解消管理テーブル71は、渋滞発生管理テーブル61に登録された後、非渋滞情報がVICSセンタ4から得られたときの道路区間の区間番号52を登録するテーブルであり、RAM13の所定エリアに格納される。
【0030】
次に、道路区間・機器相関テーブル51、渋滞発生管理テーブル61、渋滞解消管理テーブル71を使用して、表示制御装置2が実行する処理、及びこれに対応して情報表示装置3が行う動作について説明する。
【0031】
図8、図9は、表示制御装置2のCPU11が実行する処理のフローチャートである。まず、VICSセンタ4から提供される交通情報は刻々と変化しており、表示制御装置2は、所定期間(例えば10分)ごとに(S1のY)、VICSセンタ4から提供される交通情報を取り込んで(S2)、次のような処理を行う。
【0032】
前述のとおり、渋滞状況は「リンク番号+状態(渋滞/混雑/閑散/不明)」の形態で提供されるので、各道路区間の各リンク番号に対応している渋滞状況の"状態"を判断し(S3)、状態が"渋滞"、"不明"であるとき、すなわち、リンク番号(区間番号52)に渋滞情報が付されているときは(S3のY)、そのリンク番号が区間番号52として、渋滞発生管理テーブル61に登録されていなければ(S4のY)、渋滞発生管理テーブル61に登録し(S5)、すでに渋滞発生管理テーブル61に登録されていれば(S4のN)、識別コード62を当該区間番号52に関連付けて渋滞発生管理テーブル61に登録する(図6参照)(S6)。
【0033】
また、S3で、各道路区間のリンク番号に対応している渋滞状況の"状態"を判断し(S3)、状態が"混雑"、"閑散"であるとき、すなわち、リンク番号(区間番号52)に非渋滞情報が付されているときは(S3のN)、そのリンク番号を区間番号52として、渋滞発生管理テーブル61に登録されていれば(S7のY)、その登録を消去して(S8)、その区間番号52を渋滞解消管理テーブル71に登録する(S5)。
【0034】
以上の処理をすべての道路区間で終了すると(S9のY)、次に、図9に示すように、CPU11は、渋滞発生管理テーブル61をルックアップして、識別コード62が付されていない区間番号52が登録されているときは(S10のY)、道路区間・機器相関テーブル51をルックアップして、その識別コード62が付されていない各区間番号52に対応している各機器番号53を特定し(S11)、その各機器番号5の各情報表示装置3に対してポーリングを行う(S12)。
【0035】
図10は、このときの情報表示装置3のCPU21が実行する処理のフローチャートである。ステップS12により表示制御装置2から呼び出しがあったときは(S31のY)、その呼び出しに対して応答する(S32)。
【0036】
図9に戻り、この応答があった情報表示装置3に対して、CPU11は、広告の表示を指示する(S13)。また、応答がない情報表示装置3があったときは(S14のY)、その情報表示装置3の区間番号52及び機器番号53を表示装置16に表示して、エラーを報知する(S15)。このエラーは通信系などの故障などを示すものである。
【0037】
図10に戻り、この広告の表示の指示を受けたときは(S33のY)、情報表示装置3のCPU21は、モータ32により三面広告表示装置31を駆動し、広告の表示を行う(S34)。
【0038】
次に、図9に示すように、CPU11は、渋滞解消管理テーブル71に区間番号52が登録されているときは(S16のY)、道路区間・機器相関テーブル51をルックアップして、その各区間番号52に対応している各機器番号53を特定し(S17)、その各機器番号5の各情報表示装置3に対してポーリングを行う(S18)。
【0039】
図11は、このときの情報表示装置3のCPU21が実行する処理のフローチャートである。ステップS18により表示制御装置2から呼び出しがあったときは(S41のY)、その呼び出しに対して応答する(S42)。
【0040】
図9に戻り、この応答があった情報表示装置3に対して、CPU11は、広告の表示の停止を指示する(S19)。また、応答がない情報表示装置3があったときは(S20のY)、その情報表示装置3の区間番号52及び機器番号53を表示装置16に表示して、エラーを報知する(S21)。このエラーも通信系などの故障などを示すものである。
【0041】
図11に戻り、この広告表示の停止の指示を受けたときは(S43のY)、情報表示装置3のCPU21は、モータ32により三面広告表示装置31を駆動し、広告の表示を停止する(S44)。
【0042】
以上説明した情報表示システム1によれば、表示制御装置2は、渋滞している道路区間を特定し、その道路区間に設置されている情報表示装置3に対しては広告の表示の実行を指示し、渋滞が解除されれば広告の表示の停止を指示するので、運転者が運転しながら広告に視線を向けることによる脇見運転による事故を未然に防止することができる。
【0043】
次に、別の実施形態について説明する。
【0044】
図12は、本実施形態の情報表示システム101の電気的な接続のブロック図である。図12において、図3の情報表示装置3と同一符号の回路要素などは図3の情報表示装置3と同様であるため、詳細な説明は省略する。図12の情報表示システム101が情報表示装置3と装置構成上異なるのは、無線送受信装置25及び通信制御装置26に代えて、ビーコン受信装置102がビーコン受信駆動回路103を介して接続されていることである。VICSセンタ4からは渋滞情報が電波ビーコンや光ビーコンでも道路上の各所で提供されており、ビーコン受信装置102は、この電波ビーコン又は光ビーコンを受信することができる。
【0045】
このような情報表示システム101は、前述の情報表示装置3と同様に広告を行いたい道路の各所に設置される。この情報表示システム101が前述の情報表示システム1と異なるのは、前述の情報表示装置3とほぼ同様の装置構成である情報表示システム101単体により、設置されている道路区間の渋滞状況を判断し、渋滞しているときだけ広告を表示することができ、そのためにホストコンピュータである表示制御装置2を要しないことである。
【0046】
次に、情報表示システム101が実行する具体的な動作について、図13のフローチャートを参照して説明する。図13に示すように、情報表示システム101のCPU11は、所定期間(例えば10分)ごとに(S51のY)、VICSセンタ4から提供される交通情報を取り込んで(S52)、次のような処理を行う。
【0047】
まず、取り込んだ交通情報から予めROM12に登録されている(情報表示装置3が設置される道路区間は適宜変更されうるので、この変更を考慮すれば、ここでも不揮発性メモリに格納するのが望ましい)、本情報表示システム101が設置されている道路区間のリンク番号とこれに対応している"状態"(渋滞/混雑/閑散/不明)のデータを取得し(S53)、状態が"渋滞"又は"不明"で(S54のY)、所定の渋滞中フラグが立っていないときは(渋滞中フラグが立っているときは渋滞中又は不明であったことを示し、立っていないときは混雑又は閑散中を示す)(S55のY)、渋滞中フラグを立て(S56)、モータ32により三面広告表示装置31を駆動し、広告の表示を行う(S57)。渋滞中フラグが立っているときは(S55のN)、そのまま処理を終了する。
【0048】
また、状態が"混雑"又は"閑散"で(S54のN)、渋滞中フラグが立っているときは(S58のY)、渋滞中フラグを降ろし(S59)、モータ32により三面広告表示装置31を駆動し、広告の表示の停止を行う(S60)。渋滞中フラグが立っていないときは(S58のN)、そのまま処理を終了する。
【0049】
以上説明した情報表示システム101によれば、その設置された道路区間が渋滞していることを検知して広告の表示の実行を指示し、渋滞が解除されれば広告の表示の停止を指示するので、運転者が運転しながら広告に視線を向けることによる脇見運転による事故を未然に防止することができる。
【0050】
また、情報表示システム101によれば、前述の情報表示システム1と異なりホストコンピュータを必要としないので、システム構成を簡易なものとすることができる。
【0051】
なお、前述のいずれの実施形態においても、ある道路区間全体として渋滞しているか、いないかを判断し、広告の表示及びその停止を実行しているが、1つの道路区間内に渋滞している領域と渋滞していない領域とが存在する場合もある。
【0052】
これに対して、VICSセンタ4からは、1つのリンク(が示す道路区間)内に異なる混雑状況が共存するときは、「リンク番号+状態先頭距離+状態末尾距離+状態」によってリンク内の現在の混雑状況まで表現されて情報提供される。
【0053】
そこで、表示制御装置2や情報表示システム101において、三面広告表示装置31の設置場所を、その設置されている道路区間の先頭(又は末尾)からの距離で登録しておけば(例えば、「先頭(〜I.C)から5km」など)、三面広告表示装置31は道路区間の渋滞中の領域にあるか否かまで判断できるので、より正確に渋滞状況に合わせた広告の表示及びその停止の制御を実行することができる。
【0054】
また、VICSセンタ4からはFM多重放送でも交通情報が提供されているので、情報表示システム101においては、前述の電波ビーコン、光ビーコンによらずに、FM多重放送の文字情報から情報表示システム101の設置されている道路区間の渋滞状況を判断し、広告の表示及びその停止の制御を実行するようにしてもよい。
【0055】
さらに、前述の実施例では情報表示システム1,101が表示するのは広告であるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な情報の提供に使用することができる(例えば、渋滞中にのみ運転者に伝達したい交通情報など)。
【0056】
情報表示装置3は、前述の例では三面広告表示装置31を使用する例で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述の電光掲示板やプラズマディスプレイなど、様々な表示装置を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態である情報表示システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】情報表示システムを構成する表示制御装置の電気的な接続のブロック図である。
【図3】情報表示システムを構成する情報表示装置の電気的な接続のブロック図である。
【図4】情報表示装置の設置例の説明図である。
【図5】道路区間・機器相関テーブルの説明図である。
【図6】渋滞発生管理テーブルの説明図である。
【図7】渋滞解消管理テーブルの説明図である。
【図8】表示制御装置が実行する処理のフローチャートである。
【図9】表示制御装置が実行する処理のフローチャートである。
【図10】情報表示装置の動作のフローチャートである。
【図11】情報表示装置の動作のフローチャートである。
【図12】本発明の別の実施形態である情報表示システムの全体構成を示すブロック図である。
【図13】情報表示システムの動作のフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 情報表示システム
2 表示制御装置
3 情報表示装置
101 情報表示システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告などの情報の表示を制御する表示制御装置、及び広告などの情報を表示する情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般道や高速道の沿線のビルなどに広告看板を設置し、車を運転中の人に商品広告を行うことが広く行われている。
【0003】
また、車内の人に対して広告情報を送る技術としては、特許文献1が知られている。この技術は、車から取得した現在位置情報に基づいて、ネットワークセンタから車内の移動体通信機に広告情報を送信するものである。
【0004】
さらに、特許文献2には、利用者が指定した渋滞発生場所などの情報を車内でリアルタイムに入手できるようにした技術について開示されている。
【0005】
特許文献3には、渋滞状況を予測して、渋滞による車両走行の遅れを織り込んだ様々な情報を提供する技術について開示されている。
【0006】
また、VICS(Vehicle Information and Communication System)は、VICSセンタで編集、処理された渋滞や交通規制などの道路交通情報をリアルタイムに送信し、カーナビゲーションなどの車載機に文字や図形で表示する情報通信システムとして知られている。
【特許文献1】特開2001−333455号公報
【特許文献2】特開2004−38866号公報
【特許文献3】特開2003−344074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように道路の沿線に広告看板を設置し、車を運転中の人に商品広告を行うことは、運転者が運転しながら広告に視線を向けることになるので、場合によっては脇見運転による事故につながる恐れがある。
【0008】
一方、広告看板の設置された道路が渋滞中であれば、運転者が広告看板を見ても事故につながる可能性は低いといえる。
【0009】
そこで、道路の渋滞状況を判断し、渋滞中の道路区間では車の運転者に向かって広告を行ない、渋滞中でない道路区間では車の運転者に向かって広告を行うことを停止することを自動的に行えるようにしたい。
【0010】
本発明の目的は、道路の渋滞を判断し、渋滞中の道路区間では広告などの情報の提供を行い、渋滞が解消されたときには情報の提供を停止できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、情報の表示及びその停止を選択的に実行する情報表示装置が設置されている各道路区間を識別する第1識別情報と前記情報表示装置を識別する第2識別情報とが関連付けて記憶される記憶手段と、所定の情報提供先から提供される交通情報から、前記第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していることを示す渋滞情報、及び前記第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していないことを示す非渋滞情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により前記渋滞情報が得られたときは当該渋滞情報と関連付けられている前記第1識別情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記第2識別情報が特定する前記情報表示装置に対して前記情報の表示を指示し、前記非渋滞情報が得られたときは当該非渋滞情報と関連付けられている前記第1識別情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記第2識別情報が特定する前記情報表示装置に対して前記情報の表示の停止を指示する制御手段と、を備えている表示制御装置である。
【0012】
別の面から見た本発明は、情報の表示及びその停止を選択的に実行する情報表示装置と、所定の情報提供先から提供される交通情報から、前記情報表示装置が設置されている各道路区間を識別する第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していることを示す渋滞情報、及び前記第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していないことを示す非渋滞情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により前記渋滞情報が前記第1識別情報と関連付けて得られたときは前記情報表示装置に対して前記情報の表示を指示し、前記非渋滞情報が前記第1識別情報と関連付けて得られたときは前記情報表示装置に対して前記情報の表示の停止を指示する制御手段と、を備えている情報表示システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、渋滞している道路区間を特定し、その道路区間に設置されている情報表示装置に対しては情報の表示の実行を指示し、渋滞が解消されれば情報の表示の停止を指示するので、運転者が運転しながら広告に視線を向けることによる脇見運転による事故を未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
まず、本実施形態の情報表示システムのシステム構成について説明する。
【0016】
図1は、この情報表示システムの全体のシステム構成を説明するブロック図である。図1に示すように、情報表示システム1は、ホストコンピュータとなる表示制御装置2と、三面広告表示装置、電光掲示板など、広告などの情報の表示又はその表示の停止を選択的に行うことができる1又は複数台(本例では複数台として説明する)の情報表示装置3とから構成される。
【0017】
表示制御装置2は、VICS(Vehicle Information and Communication System)センタ4と、例えば有線のネットワーク5を介して情報交換が可能である。
【0018】
図2は、表示制御装置2の電気的な接続のブロック図である。表示制御装置2は、各種演算を行ない、表示制御装置2の全体を集中的に制御するCPU11と、CPU11が実行する各種制御プログラムや固定データが格納されたROM12と、CPU11のワークエリアとなるRAM13とがバス14で接続されている。
【0019】
バス14には、さらにマウス、キーボードなどの入力装置15と、LCDなどの表示装置16とが所定のインターフェイスを介して接続され、また、VICSセンタ4とネットワーク5を介して通信を行う通信制御装置17と、無線送受信装置18により情報表示装置3と無線通信を行う通信制御装置19とが接続されている。
【0020】
図3は、情報表示装置3の電気的な接続のブロック図である。本例では情報表示装置3に三面広告表示装置を適用した例について説明する。情報表示装置3の制御装置28は、ホストとしての表示制御装置2に対するターミナルとなる装置であり、各種演算を行ない、情報表示装置3の全体を集中的に制御するCPU21と、CPU21が実行する各種制御プログラムや固定データが格納されたROM22と、CPU21のワークエリアとなるRAM23とがバス24で接続されている。
【0021】
さらに、バス24には、無線送受信装置25により表示制御装置2と無線通信を行う通信制御装置26が接続され、また、三面広告表示装置31のモータ32がモータ駆動回路27を介して接続されている。
【0022】
三面広告表示装置31は、三面の広告面を備え、モータ32の駆動により、外部に表示する広告面として三面の広告面のうちのいずれか一面を選択することができる装置である。そして、この三面の広告面のうちのひとつを白紙にすれば、モータ32の駆動により、広告の表示又はその表示の停止を選択的に行うことができることになる。
【0023】
図4は、情報表示装置3の設置例を示す説明図であり、情報表示装置3を道路のガードレール41に設置した例である。三面広告表示装置31をガードレール41の道路側(図4の上側)に設置し、制御装置28をガードレール41の反対側に設置している。図4(a)は広告の表示を停止している状態を示し、図4(b)は広告の表示を行っている状態を示している。
【0024】
次に、以上のようなシステム構成の情報表示システム1の動作について説明する。
【0025】
まず、情報表示システム1で使用する道路区間・機器相関テーブル51(図5参照)、渋滞発生管理テーブル61(図6参照)、及び渋滞解消管理テーブル71(図7参照)について説明する。
【0026】
図5に示すように、道路区間・機器相関テーブル51は記憶手段を実現するテーブルであり、情報表示装置3が設置されている道路の特定の区間(道路区間)を識別する第1識別標識である区間番号52と、その道路区間に設置されている情報表示装置3を識別する第2識別標識である機器番号53とが互いに関連付けられて記憶されている。道路区間・機器相関テーブル51により、どこの道路区間にどの情報表示装置3が設置されているかを知ることができる。この道路区間・機器相関テーブル51はROM12に登録されている(なお、情報表示装置3が設置される道路区間は適宜変更されうるので、この変更を考慮すれば不揮発性メモリに格納するのが望ましい)。図5の例では、中央自動車道の各道路区間に設置されている情報表示装置3の機器番号53が、その道路区間の区間番号52と関連付けて登録されている。
【0027】
ここで、VICSセンタ4から表示制御装置2に提供される渋滞情報の内容について説明すると、道路の混雑状況は、渋滞(一般道路:≦10km/h、高速道路:≦20km/h)、混雑(一般道路:10〜20km/h、高速道路:20〜40km/h)、閑散(一般道路:≧20km/h、高速道路:≧40km/h)の3段階で表示され、道路区間(リンク)をリンク番号で指定して、例えば、リンク全体が同一の混雑状態である時は、「リンク番号+状態(渋滞/混雑/閑散/不明)」で表現されて提供される。このリンク番号は前述の区間番号52となる。"渋滞"、"不明"という状態を示すデータは、対応する道路区間が渋滞していることを示す渋滞情報となり、"混雑"、"閑散"という状態を示すデータは、対応する道路区間が渋滞していないことを示す非渋滞情報となる("不明"は渋滞情報、非渋滞情報のどちらにも区分できるが、ここでは安全サイドを考えて渋滞情報に含めている)。
【0028】
図6に示すように、渋滞発生管理テーブル61は、VICSセンタ4から得られるデータから判断される、現在渋滞している道路区間の区間番号52を登録するテーブルであり、RAM13の所定エリアに格納される。
【0029】
図7に示すように、渋滞解消管理テーブル71は、渋滞発生管理テーブル61に登録された後、非渋滞情報がVICSセンタ4から得られたときの道路区間の区間番号52を登録するテーブルであり、RAM13の所定エリアに格納される。
【0030】
次に、道路区間・機器相関テーブル51、渋滞発生管理テーブル61、渋滞解消管理テーブル71を使用して、表示制御装置2が実行する処理、及びこれに対応して情報表示装置3が行う動作について説明する。
【0031】
図8、図9は、表示制御装置2のCPU11が実行する処理のフローチャートである。まず、VICSセンタ4から提供される交通情報は刻々と変化しており、表示制御装置2は、所定期間(例えば10分)ごとに(S1のY)、VICSセンタ4から提供される交通情報を取り込んで(S2)、次のような処理を行う。
【0032】
前述のとおり、渋滞状況は「リンク番号+状態(渋滞/混雑/閑散/不明)」の形態で提供されるので、各道路区間の各リンク番号に対応している渋滞状況の"状態"を判断し(S3)、状態が"渋滞"、"不明"であるとき、すなわち、リンク番号(区間番号52)に渋滞情報が付されているときは(S3のY)、そのリンク番号が区間番号52として、渋滞発生管理テーブル61に登録されていなければ(S4のY)、渋滞発生管理テーブル61に登録し(S5)、すでに渋滞発生管理テーブル61に登録されていれば(S4のN)、識別コード62を当該区間番号52に関連付けて渋滞発生管理テーブル61に登録する(図6参照)(S6)。
【0033】
また、S3で、各道路区間のリンク番号に対応している渋滞状況の"状態"を判断し(S3)、状態が"混雑"、"閑散"であるとき、すなわち、リンク番号(区間番号52)に非渋滞情報が付されているときは(S3のN)、そのリンク番号を区間番号52として、渋滞発生管理テーブル61に登録されていれば(S7のY)、その登録を消去して(S8)、その区間番号52を渋滞解消管理テーブル71に登録する(S5)。
【0034】
以上の処理をすべての道路区間で終了すると(S9のY)、次に、図9に示すように、CPU11は、渋滞発生管理テーブル61をルックアップして、識別コード62が付されていない区間番号52が登録されているときは(S10のY)、道路区間・機器相関テーブル51をルックアップして、その識別コード62が付されていない各区間番号52に対応している各機器番号53を特定し(S11)、その各機器番号5の各情報表示装置3に対してポーリングを行う(S12)。
【0035】
図10は、このときの情報表示装置3のCPU21が実行する処理のフローチャートである。ステップS12により表示制御装置2から呼び出しがあったときは(S31のY)、その呼び出しに対して応答する(S32)。
【0036】
図9に戻り、この応答があった情報表示装置3に対して、CPU11は、広告の表示を指示する(S13)。また、応答がない情報表示装置3があったときは(S14のY)、その情報表示装置3の区間番号52及び機器番号53を表示装置16に表示して、エラーを報知する(S15)。このエラーは通信系などの故障などを示すものである。
【0037】
図10に戻り、この広告の表示の指示を受けたときは(S33のY)、情報表示装置3のCPU21は、モータ32により三面広告表示装置31を駆動し、広告の表示を行う(S34)。
【0038】
次に、図9に示すように、CPU11は、渋滞解消管理テーブル71に区間番号52が登録されているときは(S16のY)、道路区間・機器相関テーブル51をルックアップして、その各区間番号52に対応している各機器番号53を特定し(S17)、その各機器番号5の各情報表示装置3に対してポーリングを行う(S18)。
【0039】
図11は、このときの情報表示装置3のCPU21が実行する処理のフローチャートである。ステップS18により表示制御装置2から呼び出しがあったときは(S41のY)、その呼び出しに対して応答する(S42)。
【0040】
図9に戻り、この応答があった情報表示装置3に対して、CPU11は、広告の表示の停止を指示する(S19)。また、応答がない情報表示装置3があったときは(S20のY)、その情報表示装置3の区間番号52及び機器番号53を表示装置16に表示して、エラーを報知する(S21)。このエラーも通信系などの故障などを示すものである。
【0041】
図11に戻り、この広告表示の停止の指示を受けたときは(S43のY)、情報表示装置3のCPU21は、モータ32により三面広告表示装置31を駆動し、広告の表示を停止する(S44)。
【0042】
以上説明した情報表示システム1によれば、表示制御装置2は、渋滞している道路区間を特定し、その道路区間に設置されている情報表示装置3に対しては広告の表示の実行を指示し、渋滞が解除されれば広告の表示の停止を指示するので、運転者が運転しながら広告に視線を向けることによる脇見運転による事故を未然に防止することができる。
【0043】
次に、別の実施形態について説明する。
【0044】
図12は、本実施形態の情報表示システム101の電気的な接続のブロック図である。図12において、図3の情報表示装置3と同一符号の回路要素などは図3の情報表示装置3と同様であるため、詳細な説明は省略する。図12の情報表示システム101が情報表示装置3と装置構成上異なるのは、無線送受信装置25及び通信制御装置26に代えて、ビーコン受信装置102がビーコン受信駆動回路103を介して接続されていることである。VICSセンタ4からは渋滞情報が電波ビーコンや光ビーコンでも道路上の各所で提供されており、ビーコン受信装置102は、この電波ビーコン又は光ビーコンを受信することができる。
【0045】
このような情報表示システム101は、前述の情報表示装置3と同様に広告を行いたい道路の各所に設置される。この情報表示システム101が前述の情報表示システム1と異なるのは、前述の情報表示装置3とほぼ同様の装置構成である情報表示システム101単体により、設置されている道路区間の渋滞状況を判断し、渋滞しているときだけ広告を表示することができ、そのためにホストコンピュータである表示制御装置2を要しないことである。
【0046】
次に、情報表示システム101が実行する具体的な動作について、図13のフローチャートを参照して説明する。図13に示すように、情報表示システム101のCPU11は、所定期間(例えば10分)ごとに(S51のY)、VICSセンタ4から提供される交通情報を取り込んで(S52)、次のような処理を行う。
【0047】
まず、取り込んだ交通情報から予めROM12に登録されている(情報表示装置3が設置される道路区間は適宜変更されうるので、この変更を考慮すれば、ここでも不揮発性メモリに格納するのが望ましい)、本情報表示システム101が設置されている道路区間のリンク番号とこれに対応している"状態"(渋滞/混雑/閑散/不明)のデータを取得し(S53)、状態が"渋滞"又は"不明"で(S54のY)、所定の渋滞中フラグが立っていないときは(渋滞中フラグが立っているときは渋滞中又は不明であったことを示し、立っていないときは混雑又は閑散中を示す)(S55のY)、渋滞中フラグを立て(S56)、モータ32により三面広告表示装置31を駆動し、広告の表示を行う(S57)。渋滞中フラグが立っているときは(S55のN)、そのまま処理を終了する。
【0048】
また、状態が"混雑"又は"閑散"で(S54のN)、渋滞中フラグが立っているときは(S58のY)、渋滞中フラグを降ろし(S59)、モータ32により三面広告表示装置31を駆動し、広告の表示の停止を行う(S60)。渋滞中フラグが立っていないときは(S58のN)、そのまま処理を終了する。
【0049】
以上説明した情報表示システム101によれば、その設置された道路区間が渋滞していることを検知して広告の表示の実行を指示し、渋滞が解除されれば広告の表示の停止を指示するので、運転者が運転しながら広告に視線を向けることによる脇見運転による事故を未然に防止することができる。
【0050】
また、情報表示システム101によれば、前述の情報表示システム1と異なりホストコンピュータを必要としないので、システム構成を簡易なものとすることができる。
【0051】
なお、前述のいずれの実施形態においても、ある道路区間全体として渋滞しているか、いないかを判断し、広告の表示及びその停止を実行しているが、1つの道路区間内に渋滞している領域と渋滞していない領域とが存在する場合もある。
【0052】
これに対して、VICSセンタ4からは、1つのリンク(が示す道路区間)内に異なる混雑状況が共存するときは、「リンク番号+状態先頭距離+状態末尾距離+状態」によってリンク内の現在の混雑状況まで表現されて情報提供される。
【0053】
そこで、表示制御装置2や情報表示システム101において、三面広告表示装置31の設置場所を、その設置されている道路区間の先頭(又は末尾)からの距離で登録しておけば(例えば、「先頭(〜I.C)から5km」など)、三面広告表示装置31は道路区間の渋滞中の領域にあるか否かまで判断できるので、より正確に渋滞状況に合わせた広告の表示及びその停止の制御を実行することができる。
【0054】
また、VICSセンタ4からはFM多重放送でも交通情報が提供されているので、情報表示システム101においては、前述の電波ビーコン、光ビーコンによらずに、FM多重放送の文字情報から情報表示システム101の設置されている道路区間の渋滞状況を判断し、広告の表示及びその停止の制御を実行するようにしてもよい。
【0055】
さらに、前述の実施例では情報表示システム1,101が表示するのは広告であるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な情報の提供に使用することができる(例えば、渋滞中にのみ運転者に伝達したい交通情報など)。
【0056】
情報表示装置3は、前述の例では三面広告表示装置31を使用する例で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述の電光掲示板やプラズマディスプレイなど、様々な表示装置を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態である情報表示システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】情報表示システムを構成する表示制御装置の電気的な接続のブロック図である。
【図3】情報表示システムを構成する情報表示装置の電気的な接続のブロック図である。
【図4】情報表示装置の設置例の説明図である。
【図5】道路区間・機器相関テーブルの説明図である。
【図6】渋滞発生管理テーブルの説明図である。
【図7】渋滞解消管理テーブルの説明図である。
【図8】表示制御装置が実行する処理のフローチャートである。
【図9】表示制御装置が実行する処理のフローチャートである。
【図10】情報表示装置の動作のフローチャートである。
【図11】情報表示装置の動作のフローチャートである。
【図12】本発明の別の実施形態である情報表示システムの全体構成を示すブロック図である。
【図13】情報表示システムの動作のフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 情報表示システム
2 表示制御装置
3 情報表示装置
101 情報表示システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の表示及びその停止を選択的に実行する情報表示装置が設置されている各道路区間を識別する第1識別情報と前記情報表示装置を識別する第2識別情報とが関連付けて記憶される記憶手段と、
所定の情報提供先から提供される交通情報から、前記第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していることを示す渋滞情報、及び前記第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していないことを示す非渋滞情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により前記渋滞情報が得られたときは当該渋滞情報と関連付けられている前記第1識別情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記第2識別情報が特定する前記情報表示装置に対して前記情報の表示を指示し、前記非渋滞情報が得られたときは当該非渋滞情報と関連付けられている前記第1識別情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記第2識別情報が特定する前記情報表示装置に対して前記情報の表示の停止を指示する制御手段と、
を備えている表示制御装置。
【請求項2】
情報の表示及びその停止を選択的に実行する1又は複数の情報表示装置と、
請求項1に記載の表示制御装置と、
を備え、
前記表示制御装置は、前記記憶手段に前記1又は複数の情報表示装置の各々について前記第1識別情報と前記第2識別情報とを関連付けて記憶する、
情報表示システム。
【請求項3】
情報の表示及びその停止を選択的に実行する情報表示装置と、
所定の情報提供先から提供される交通情報から、前記情報表示装置が設置されている各道路区間を識別する第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していることを示す渋滞情報、及び前記第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していないことを示す非渋滞情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により前記渋滞情報が前記第1識別情報と関連付けて得られたときは前記情報表示装置に対して前記情報の表示を指示し、前記非渋滞情報が前記第1識別情報と関連付けて得られたときは前記情報表示装置に対して前記情報の表示の停止を指示する制御手段と、
を備えている情報表示システム。
【請求項4】
前記情報表示装置は、前記情報としての広告の表示及びその停止を選択的に実行する、請求項2又は3に記載の情報表示システム。
【請求項1】
情報の表示及びその停止を選択的に実行する情報表示装置が設置されている各道路区間を識別する第1識別情報と前記情報表示装置を識別する第2識別情報とが関連付けて記憶される記憶手段と、
所定の情報提供先から提供される交通情報から、前記第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していることを示す渋滞情報、及び前記第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していないことを示す非渋滞情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により前記渋滞情報が得られたときは当該渋滞情報と関連付けられている前記第1識別情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記第2識別情報が特定する前記情報表示装置に対して前記情報の表示を指示し、前記非渋滞情報が得られたときは当該非渋滞情報と関連付けられている前記第1識別情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されている前記第2識別情報が特定する前記情報表示装置に対して前記情報の表示の停止を指示する制御手段と、
を備えている表示制御装置。
【請求項2】
情報の表示及びその停止を選択的に実行する1又は複数の情報表示装置と、
請求項1に記載の表示制御装置と、
を備え、
前記表示制御装置は、前記記憶手段に前記1又は複数の情報表示装置の各々について前記第1識別情報と前記第2識別情報とを関連付けて記憶する、
情報表示システム。
【請求項3】
情報の表示及びその停止を選択的に実行する情報表示装置と、
所定の情報提供先から提供される交通情報から、前記情報表示装置が設置されている各道路区間を識別する第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していることを示す渋滞情報、及び前記第1識別情報と関連付けて提供され当該第1識別情報が特定する前記道路区間が渋滞していないことを示す非渋滞情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により前記渋滞情報が前記第1識別情報と関連付けて得られたときは前記情報表示装置に対して前記情報の表示を指示し、前記非渋滞情報が前記第1識別情報と関連付けて得られたときは前記情報表示装置に対して前記情報の表示の停止を指示する制御手段と、
を備えている情報表示システム。
【請求項4】
前記情報表示装置は、前記情報としての広告の表示及びその停止を選択的に実行する、請求項2又は3に記載の情報表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−127964(P2007−127964A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322408(P2005−322408)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
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