説明

表示画像撮影方法および表示画像撮影装置

【課題】 プロジェクタのフリッカーに起因する輝度変化およびプロジェクタのゆらぎに起因する輝度変化を補正し得る表示画像撮影装置および方法を提供する。
【解決手段】 本発明の表示画像撮影装置は、プロジェクタのフリッカー周期を検出し、キャリブレーション用カメラ6のシャッター時間を検出したフリッカー周期の整数倍に制御し、プロジェクタの照明光あるいは筐体の熱等に起因する輝度変化に対応するゆらぎ周期を検出し、前記シャッター速度に基づいて前記ゆらぎ周期に対応する繰り返し撮影回数を決定し、前記フリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いてキャリブレーション用カメラ6によりスクリーン1上に投影表示された画像を決定された繰り返し撮影回数だけ繰り返し撮影し、前記繰り返し撮影回数分の撮影画像を平均化することにより、フリッカー補正およびゆらぎ補正された撮像画像を生成するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影手段によって表示面上に投影表示された画像を撮影手段によって撮影する表示画像撮影方法および投影手段によって表示面上に投影表示された画像を撮影する表示画像撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数台のプロジェクタからそれぞれ分割画像をスクリーン上に投影することにより全体画像を表示するマルチディスプレイ装置が提案されている。このマルチディスプレイ装置では、各分割画像の端部にオーバーラップ部分を持たせておき、隣接するオーバーラップ部分を貼り合わせて1つの全体画像を形成するようにしているため、高精細大画面表示が可能である。このマルチディスプレイ装置は、同一仕様の複数台のプロジェクタを用いて構成されているが、プロジェクタを配置するときの位置精度等に起因する幾何ずれ以外に、プロジェクタの構成部品のばらつきや照明ランプの明るさのばらつき等に起因して、色のばらつき、明るさ(輝度)のばらつき、ホワイトバランスの相違等が発生することがある。その場合、複数枚の分割画像をオーバーラップさせて貼り合わせることにより全体画像を表示する際に、各分割画像間の色や明るさのばらつきによって繋ぎ合わせ部分が目立ってしまい、表示品質を損ねてしまう。そこで、このような従来のマルチディスプレイ装置では、スクリーンの前にキャリブレーション用カメラ(例えばデジタルカメラ)を設置して、スクリーン上に表示した画像(例えばテストパターン画像)を撮影し、撮影画像データに基づいて補正データ(例えば各プロジェクタにおける色の特性を示すプロファイル)を生成しておき、各プロジェクタから部分画像を投影する際に各々のプロファイルを参照して色補正や幾何補正を行うようにしている。
プロファイルを作成する他の従来技術としては、テストパターン画像をスクリーンに投影してデジタルカメラ等の撮影手段で撮影して、撮影データからプロファイルを作成するシステムがある。なお、以下においては、テストパターン画像をデジタルカメラで撮影してプロファイルを作成することを「キャリブレーション」と称し、そのために用いるカメラを「キャリブレーション用カメラ」と称し、そのために用いるシステムを「キャリブレーションシステム」と称することにする。
【0003】
上記マルチディスプレイ装置に適用されるキャリブレーションシステムにおいて色補正データを取得する際には、PC(パーソナルコンピュータ)からテストパターンを各プロジェクタに送出して、各プロジェクタからスクリーン上に輝度および色の異なるテストパターンを時系列的に投影したときに、スクリーンに表示されたテストパターンをキャリブレーション用カメラで撮影し、撮影データをPCに保存して、PC内で補正データを算出する。これによって得られた補正データは、画像補正処理部に送られて、そこで実際の表示に用いる画像データをリアルタイムに補正して、各プロジェクタに送出するので、補正を盛り込んだ画像を投影することにより、色、輝度が補正された画像がスクリーンに表示されることになる。なお、色補正には、各プロジェクタ間の色ムラ(または各プロジェクタ内の色ムラ)を軽減させるための小面積毎あるいは画素毎のガンマ補正と、R(Red),G(Green),B(Blue)各色の表示レベルを合せるホワイトバランス補正とがある。
【0004】
上記キャリブレーションシステムにおいてガンマ補正データを取得する際には、輝度レベルが適当な範囲になるようなシャッタースピードをキャリブレーション用カメラ(例えばデジタルカメラ)に設定した後、RGB各色において最低レベル(黒)から最高レベルまでの間の所定輝度値刻みの複数枚の画像(テストパターン)を順次スクリーンに投影して、それぞれの画像を撮影し、PCにおいて輝度レベルを検出した後、各プロジェクタの輝度レベル差を算出して、各プロジェクタの輝度レベル差を解消するような補正データを作成する。
一方、ホワイトバランス補正データを取得する際には、輝度レベルが適当な範囲になるようなシャッタースピードをキャリブレーション用カメラ(例えばデジタルカメラ)に設定した後、キャリブレーション用カメラ側で、例えばCIE 1931 XYZ表色系 等色関数のX,Y,Zの各波長領域を通過するフィルタである、Xフィルタ、Yフィルタ、Zフィルタを順次カメラ光路上に挿入した状態で、各フィルタについて、画像(テストパターン)として、Rの輝度値255(全赤)のテストパターン、Gの輝度値255(全緑)のテストパターン、Bの輝度値255(全青)のテストパターンを順次スクリーンに投影して、それぞれの画像を撮影し、PCにおいて各色のバランスがとれるように補正データを作成する。
【0005】
上述したキャリブレーションシステムにおいてガンマ補正データやホワイトバランス補正データを得るために複数枚の画像(テストパターン)を撮影する際には、キャリブレーション用カメラ(例えばデジタルカメラ)において、シャッター速度調整等の露光制御を行う必要があるが、プロジェクターの投影画面には以下の3点の特有な輝度変化がある。
(1)表示周期によるフリッカー
単板DLPプロジェクターは、時系列にRGBを順次投影しているので、それぞれの色のタイミングで輝度変化することになり、例えば一色あたり1/60秒や1/120秒の周期で点灯している。
(2)プロジェクタの光源や筺体の熱に起因するゆらぎによる輝度変化
プロジェクタの照明用光源として一般的に用いられる超高圧水銀ランプやキセノンランプのような電極間の放電を利用した放電管形式の光源は、封入されたガスの対流等の影響により放射強度にゆらぎが発生するので、そのような光源から投影された照明光の輝度分布は不安定なものとなる。また、プロジェクタ筐体から発せられる熱に起因する光路上の空気のゆらぎにより投影した画像の輝度が不安定に変化する。
(3)正弦波高周波電力による光源のちらつき
プロジェクタの電力として交流電力(50Hz)を数倍高速にした正弦波高周波電力を使用するが、一般に200〜500Hzなので、人間の目では気にならない周期の輝度変化である。この(3)の周期は、上記(1),(2)の周期より比較的早い周期なので、上記(1),(2)に対応した低速シャッター速度にすれば、(3)の影響は平均化されてしまうので、ほとんどなくなる。
以上のように、電気的処理に起因する輝度変化を招くフリッカーと、光源や筺体の熱に起因する輝度変化を招くゆらぎとを考慮した適当な露光条件で撮影を行わないと、「所望の平均的な明るさ」からズレた画像が撮影されることになる。より具体的に説明すると、黒から白へ徐々に輝度を変化させながら撮影するときにフリッカーやゆらぎの影響を受けると正確な輝度変化データを取得できないので、適切な補正データが得られず、プロジェクタ間の輝度レベルが合わない等の不具合を招くことになる。
【0006】
フリッカーの対策を行う従来技術としては、被写体の照明光の変化を検出する照明光検出手段の検出出力を周波数解析手段で周波数解析して、周波数解析手段の出力における最も多い周波数成分の周期の整数倍を露光時間として算出し、その露光時間を被写体の光学像を撮影する撮像素子に与えるもの(例えば特許文献1参照、以下、従来技術1という)および、第1の画像信号と、第1の画像信号を増幅して第2の画像信号を出力する増幅手段と、第1の画像信号を第1の周期でサンプリングした第1の信号レベルと第2の画像信号を第1の周期より短い第2の周期でサンプリングした第2の信号レベルとに基づいて前記増幅手段の利得を制御する利得制御手段とを備え、前記第2の周期が前記第1の画像信号の画像の撮影に用いられた照明用光源の放射強度のゆらぎの周期に対応する画像信号用ゆらぎ補償回路(例えば特許文献2参照、以下、従来技術2という)がある。なお、上記に加えて、基本的なフリッカー対策として、「フリッカー周期にシャッター速度を合致させること」がある。
【0007】
【特許文献1】特開平7−336586号公報
【特許文献2】特開2004−141382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術1は、フリッカーの原因が蛍光灯(100Hz)等の比較的高周波数かつ一定の周波数である場合を想定した対策であるので、ゆらぎ周期がシャッター時間より遅い(長い)場合は対応できない、という問題がある。
また、従来技術2は、フリッカー周期に応じてシャッター時間を変化させる代わりに増幅手段の利得を制御する(増加させる)ようにしているので、利得の増加に伴い画像信号のS/N比が悪化する、という問題がある。
さらに、上記従来技術1および従来技術2は、共に、フリッカーのみの対策を行う技術であるため、「プロジェクタの光源や筐体の熱に起因するゆらぎによる輝度変化」に対応していないという問題がある。
【0009】
本発明は、投影手段のフリッカーに起因する輝度変化および投影手段のゆらぎに起因する輝度変化の双方を補正し得る表示画像撮影方法を提供することを第1の目的とする。
本発明は、投影手段のフリッカーに起因する輝度変化および投影手段のゆらぎに起因する輝度変化の双方を補正し得る表示画像撮影装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の第1発明は、投影手段によって表示面上に投影表示された画像を撮影手段によって撮影する表示画像撮影方法であって、前記投影手段のフリッカー周期を検出するフリッカー周期検出工程と、前記撮影手段のシャッター時間を前記フリッカー周期の整数倍に制御するシャッター時間制御工程と、前記投影手段の照明光に起因する輝度変化あるいは前記投影手段の筐体の熱等に起因する輝度変化であるゆらぎ周期を検出するゆらぎ周期検出工程と、前記シャッター時間に基づいて前記ゆらぎ周期に対応する繰り返し撮影回数を決定する撮影回数決定工程と、前記フリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を前記決定された繰り返し撮影回数だけ繰り返し撮影する繰り返し撮影工程と、前記繰り返し撮影工程によって得られる前記繰り返し撮影回数分の撮影画像を平均化する撮影画像平均化工程と、を順次行うことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の第2発明は、前記フリッカー周期検出工程は、高速の同一シャッター速度を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を複数回撮影する第1工程と、前記撮影手段により同一シャッター速度で撮影した複数回分の撮影画像の信号レベルを比較してレベル差を求める第2工程と、前記同一シャッター速度よりも低速な同一シャッター速度を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を前記複数回撮影する第3工程と、前記撮影手段により前記低速な同一シャッター速度で撮影した複数回分の撮影画像の信号レベルを比較してレベル差を求める第4工程と、前記第2工程における前回のレベル差と前記第4工程における今回のレベル差とを比較する第5工程と、前記第5工程の比較において前回のレベル差が今回のレベル差以上である間、シャッター速度を徐々に低速側にシフトして前記第3工程〜前記第5工程を繰り返す第6工程と、前記第5工程の比較において前回のレベル差が今回のレベル差未満になったとき、前回のレベル差に対応するシャッター速度を前記投影手段のフリッカー周期として検出する第7工程と、から成ることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の第3発明は、前記シャッター時間制御工程は、撮影画像の信号レベルが飽和しない信号レベルになるように前記撮影手段への入射光量を制限する入射光量制御手段の入射光量制限状態と、シャッター時間との組合せにより制御することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の第4発明は、前記ゆらぎ周期検出工程は、前記シャッター時間制御工程によりフリッカー周期の整数倍に制御されたシャッター時間を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像をN(N=1,2,・・)回撮影する工程である工程Xおよび工程Yを行う撮影工程と、前記工程Xによって得られる撮影画像および前記工程Yによって得られる撮影画像をそれぞれ加算平均する加算平均工程と、前記工程Xの加算平均された撮影画像と前記工程Yの加算平均された撮影画像とのレベルを比較してレベル差を求めるレベル差算出工程と、撮影回数が(N−1)の場合のレベル差と撮影回数がNの場合のレベル差とを比較するレベル差比較工程と、前記レベル差比較工程において撮影回数がNの場合のレベル差が撮影回数が(N−1)の場合のレベル差よりも小さい場合は、撮影回数を(N+1)として前記撮影工程〜前記レベル差比較工程を繰り返す再撮影工程と、前記レベル差比較工程において撮影回数がNの場合のレベル差が撮影回数が(N−1)の場合のレベル差よりも大きくなった場合は、撮影回数を(N−1)に決定する撮影回数決定工程と、から成り、前記撮影工程におけるシャッター速度と前記撮影回数決定工程により決定された撮影回数との積を前記ゆらぎ周期として検出することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の第5発明は、前記ゆらぎ周期検出工程を複数回行って前記ゆらぎ周期を複数回検出し、[(ゆらぎ周期最大値−ゆらぎ周期最小値)/ゆらぎ周期最大値]で定義されるゆらぎ偏差の逆数に基づいて決定した繰り返し撮影回数だけ前記繰り返し撮影工程を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の第6発明は、前記投影手段の照明光光源の経過時間に対するゆらぎ周期の特性を予め記憶した経過時間−ゆらぎ周期テーブルおよび前記投影手段の温度に対するゆらぎ周期の特性を予め記憶した温度−ゆらぎ周期テーブルの少なくとも一方を作成しておき、撮影時に前記経過時間および前記温度の少なくとも一方をパラメータとして前記経過時間−ゆらぎ周期テーブルおよび前記温度−ゆらぎ周期テーブルを参照することによりゆらぎ周期を求めることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の第7発明は、第6発明の表示画像撮影方法で前記表示面上に投影表示された画像を複数回撮影した場合の撮影画像のばらつきと、第1発明〜第4発明の何れかの表示画像撮影方法で前記表示面上に投影表示された画像を複数回撮影した場合の撮影画像のばらつきとを比較し、ばらつきの少ない方の表示画像撮影方法を選択することを特徴とする。
【0017】
上記第1の目的を達成するため、請求項8に記載の第8発明は、投影手段によって表示面上に投影表示された画像を撮影手段によって撮影する表示画像撮影方法であって、前記投影手段のフリッカー周期を検出するフリッカー周期検出工程と、前記撮影手段のシャッター時間を前記フリッカー周期の整数倍に制御するシャッター時間制御工程と、ゆらぎ周期検出手段によって前記投影手段の照明光に起因する輝度変化あるいは前記投影手段の筐体の熱等に起因する輝度変化であるゆらぎ周期を検出するゆらぎ周期検出工程と、前記フリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を前記ゆらぎ周期の間繰り返し撮影する繰り返し撮影工程と、前記繰り返し撮影工程によって得られる前記ゆらぎ周期に対応する枚数の撮影画像を平均化する撮影画像平均化工程と、を順次行うことを特徴とする。
【0018】
上記第2の目的を達成するため、請求項9に記載の第9発明は、投影手段によって表示面上に投影表示された画像を撮影する表示画像撮影装置であって、前記表示面上に投影表示された画像を撮影して撮影画像を出力する撮影手段と、前記投影手段のフリッカー周期を検出するフリッカー周期検出手段と、前記撮影手段のシャッター時間を前記フリッカー周期の整数倍に制御するシャッター時間制御手段と、前記投影手段の照明光に起因する輝度変化あるいは前記投影手段の筐体の熱等に起因する輝度変化であるゆらぎ周期を検出するゆらぎ周期検出手段と、前記シャッター時間に基づいて前記ゆらぎ周期に対応する繰り返し撮影回数を決定する撮影回数決定手段と、前記フリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を前記決定された繰り返し撮影回数だけ繰り返し撮影する繰り返し撮影手段と、前記繰り返し撮影手段によって得られる前記繰り返し撮影回数分の撮影画像を平均化する撮影画像平均化手段と、を具備して成ることを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の第10発明は、前記フリッカ周期検出手段および前記ゆらぎ周期検出手段として機能するセンサを別に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1発明によれば、投影手段によって表示面上に投影表示された画像を撮影手段によって撮影する際には、前記投影手段のフリッカー周期を検出し、前記撮影手段のシャッター時間を前記フリッカー周期の整数倍に制御し、前記投影手段の照明光に起因する輝度変化あるいは前記投影手段の筐体の熱等に起因する輝度変化であるゆらぎ周期を検出し、前記シャッター時間に基づいて前記ゆらぎ周期に対応する繰り返し撮影回数を決定した後に、前記フリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を前記決定された繰り返し撮影回数だけ繰り返し撮影し、前記繰り返し撮影工程によって得られる前記繰り返し撮影回数分の撮影画像を平均化するので、投影手段のフリッカーに起因する輝度変化および投影手段のゆらぎに起因する輝度変化の双方を補正し得る表示画像撮影方法を提供することができる。
【0021】
第2発明によれば、前記フリッカー周期検出工程は、高速の同一シャッター速度を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を複数回撮影し、前記撮影手段により同一シャッター速度で撮影した複数回分の撮影画像の信号レベルを比較してレベル差を求め、前記同一シャッター速度よりも低速な同一シャッター速度を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を前記複数回撮影し、前記撮影手段により前記低速な同一シャッター速度で撮影した複数回分の撮影画像の信号レベルを比較してレベル差を求め、前記第2工程における前回のレベル差と前記第4工程における今回のレベル差とを比較し、前記第5工程の比較において前回のレベル差が今回のレベル差以上である間、シャッター速度を徐々に低速側にシフトして前記第3工程〜前記第5工程を繰り返し、前記第5工程の比較において前回のレベル差が今回のレベル差未満になったとき、前回のレベル差に対応するシャッター速度を前記投影手段のフリッカー周期として検出するから、前記投影手段のフリッカー周期に対応するシャッター速度を求めることができる。
【0022】
第3発明によれば、前記シャッター時間制御工程は、撮影画像の信号レベルが飽和しない信号レベルになるように前記撮影手段への入射光量を制限する入射光量制御手段の入射光量制限状態と、シャッター時間との組合せにより制御するから、撮影手段により撮影した撮影画像の信号レベル(輝度レベル)は飽和しないような適当な範囲に収まるので、撮影手段により撮影した撮影画像を用いて適正にフリッカー補正およびゆらぎ補正を行うことができる。
【0023】
第4発明によれば、前記ゆらぎ周期検出工程は、前記シャッター時間制御工程によりフリッカー周期の整数倍に制御されたシャッター時間を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像をN(N=1,2,・・)回撮影する工程である工程Xおよび工程Yを行い、前記工程Xによって得られる撮影画像および前記工程Yによって得られる撮影画像をそれぞれ加算平均し、前記工程Xの加算平均された撮影画像と前記工程Yの加算平均された撮影画像とのレベルを比較してレベル差を求め、撮影回数が(N−1)の場合のレベル差と撮影回数がNの場合のレベル差とを比較し、前記レベル差比較工程において撮影回数がNの場合のレベル差が撮影回数が(N−1)の場合のレベル差よりも小さい場合は、撮影回数を(N+1)として前記撮影工程〜前記レベル差比較工程を繰り返し、前記レベル差比較工程において撮影回数がNの場合のレベル差が撮影回数が(N−1)の場合のレベル差よりも大きくなった場合は、撮影回数を(N−1)に決定し、前記撮影工程におけるシャッター速度と前記撮影回数決定工程により決定された撮影回数との積を前記ゆらぎ周期として検出するから、所望の通り、前記投影手段の光源あるいは筐体の熱等に起因するゆらぎのゆらぎ周期を求めることができる。
【0024】
第5発明によれば、前記ゆらぎ周期検出工程を複数回行って前記ゆらぎ周期を複数回検出し、[(ゆらぎ周期最大値−ゆらぎ周期最小値)/ゆらぎ周期最大値]で定義されるゆらぎ偏差の逆数に基づいて決定した繰り返し撮影回数だけ前記繰り返し撮影工程を行うので、ゆらぎ周期検出値のばらつきを解消して正確にゆらぎ周期を求めることができるようになり、投影手段のゆらぎに起因する輝度変化を正確に補正することができる。
【0025】
第6発明によれば、前記投影手段の照明光光源の経過時間に対するゆらぎ周期の特性を予め記憶した経過時間−ゆらぎ周期テーブルおよび前記投影手段の温度に対するゆらぎ周期の特性を予め記憶した温度−ゆらぎ周期テーブルの少なくとも一方を作成しておき、撮影時に前記経過時間および前記温度の少なくとも一方をパラメータとして前記経過時間−ゆらぎ周期テーブルおよび前記温度−ゆらぎ周期テーブルを参照することによりゆらぎ周期を求めるので、第1発明における実測データに基づくゆらぎ周期検出工程を、上記パラメータによる経過時間−ゆらぎ周期テーブル、温度−ゆらぎテーブルの参照に基づくゆらぎ周期検出工程に置き換えることにより、処理の高速化が期待できるようになる。
【0026】
第7発明によれば、第6発明の表示画像撮影方法で前記表示面上に投影表示された画像を複数回撮影した場合の撮影画像のばらつきと、第1発明〜第4発明の何れかの表示画像撮影方法で前記表示面上に投影表示された画像を複数回撮影した場合の撮影画像のばらつきとを比較し、ばらつきの少ない方の表示画像撮影方法を選択するので、投影手段のフリッカーに起因する輝度変化および投影手段のゆらぎに起因する輝度変化の双方を確実に補正することができる。
【0027】
第8発明によれば、投影手段によって表示面上に投影表示された画像を撮影手段によって撮影する際には、前記投影手段のフリッカー周期を検出し、前記撮影手段のシャッター時間を前記フリッカー周期の整数倍に制御し、ゆらぎ周期検出手段によって前記投影手段の照明光に起因する輝度変化あるいは前記投影手段の筐体の熱等に起因する輝度変化であるゆらぎ周期を検出し、前記フリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を前記ゆらぎ周期の間繰り返し撮影し、前記繰り返し撮影工程によって得られる前記ゆらぎ周期に対応する枚数の撮影画像を平均化するので、投影手段のフリッカーに起因する輝度変化および投影手段のゆらぎに起因する輝度変化の双方を補正し得る表示画像撮影方法を提供することができる。
【0028】
第9発明によれば、投影手段によって表示面上に投影表示された画像を撮影する表示画像撮影装置は、前記表示面上に投影表示された画像を撮影して撮影画像を出力する撮影手段と、前記投影手段のフリッカー周期を検出するフリッカー周期検出手段と、前記撮影手段のシャッター時間を前記フリッカー周期の整数倍に制御するシャッター時間制御手段と、前記投影手段の照明光に起因する輝度変化あるいは前記投影手段の筐体の熱等に起因する輝度変化であるゆらぎ周期を検出するゆらぎ周期検出手段と、前記シャッター時間に基づいて前記ゆらぎ周期に対応する繰り返し撮影回数を決定する撮影回数決定手段と、前記フリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を前記決定された繰り返し撮影回数だけ繰り返し撮影する繰り返し撮影手段と、前記繰り返し撮影手段によって得られる前記繰り返し撮影回数分の撮影画像を平均化する撮影画像平均化手段と、を具備して成るから、投影手段のフリッカーに起因する輝度変化および投影手段のゆらぎに起因する輝度変化の双方を補正し得る表示画像撮影装置を提供することができる。
【0029】
第10発明によれば、前記フリッカ周期検出手段および前記ゆらぎ周期検出手段として機能するセンサを別に設けたから、第5発明においてフリッカー補正およびゆらぎ補正された撮像画像を生成する処理の高速化を希望する場合には、前記センサによって検出した前記投影手段の光源のフリッカー周期に起因する輝度変化および前記投影手段のゆらぎに起因する輝度変化を用いることにより、前記撮影手段のシャッター速度、露光条件および撮影回数を最適化することができるようになるので、フリッカー補正およびゆらぎ補正に要する時間を短縮してフリッカー補正およびゆらぎ補正された撮像画像を生成する処理を高速化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0031】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態の表示画像撮影方法の実施に用いる表示画像撮影装置の全体構成を示す図であり、図2は第1実施形態の表示画像撮影装置に用いるキャリブレーション用カメラおよびパーソナルコンピュータの詳細構成を示す図である。
【0032】
本実施形態の表示画像撮影装置は、例えばマルチディスプレイ装置のスクリーン上に投影された画像の表示状態を調整するために色補正(ガンマ補正およびホワイトバランス補正)を行う際に、前記画像を撮影した撮影画像に基づいてフリッカー補正およびゆらぎ補正を行うように構成されており、図1に示すように、スクリーン1上にオーバーラップ部分2を有するように分割画像を投影表示する複数台(図示例では4台)の投影手段であるプロジェクタ3a,3b,3c,3dと、プロジェクタ3a,3b,3c,3dのそれぞれに分割画像信号を供給する画像補正処理部4と、画像補正処理部4を経由してプロジェクタ3a,3b,3c,3d間の画像表示状態のばらつきを補正するための複数枚の画像(以下、テストパターンともいう)をスクリーン1上に順次投影表示する画像投影機能ならびに後述するようにスクリーン1上に表示された画像を複数回連続撮影することによりフリッカー補正およびゆらぎ補正された撮像画像データを生成するフリッカー補正機能およびゆらぎ補正機能を有するパーソナルコンピュータ(PC)5と、シャッター速度および絞りによって規定される所定露光条件下で前記複数枚の画像を撮影する撮影手段であるキャリブレーション用カメラ6と、キャリブレーション用カメラ6と同一光路上の所定位置に設けられた色フィルタ機構8とを具備して成る。
【0033】
上記画像補正処理部4は、PC5で作成された補正データを記憶する補正データ記憶部4aと、外部から供給される(画像補正処理部4自体で供給するようにしてもよい)分割画像データ(以下、単に画像データともいう)に上記補正データによる補正を加えて出力する補正処理部4bとを具備して成る。
【0034】
上記PC5は、図2に示すように、キャリブレーション用カメラ6から入力された「スクリーン1上に投影表示された画像の撮影画像データ」の輝度レベル(信号レベル)を検出する輝度レベル検出部5aと、前記「スクリーン1上に投影表示された画像の撮影画像データ」に基づいて当該画像を投影表示したプロジェクタに関する補正データを算出(生成)および記憶するとともに前記「スクリーン1上に投影表示された画像を複数回連続撮影した撮影画像データ」に基づいてフリッカーおよびゆらぎに関する補正データ(フリッカー補正およびゆらぎ補正された撮像画像データ)を算出(生成)および記憶する補正データ算出記憶部5bと、キャリブレーション用カメラ6によって同一シャッター速度で連続撮影したときに得られる2つの撮影画像の輝度レベルを比較して輝度レベル差を算出する輝度レベル比較部5cと、輝度レベル比較部5cが算出した輝度レベル差が極小になるようにキャリブレーション用カメラ6の露光制御(シャッター速度指令、絞り指令)を行う露光制御部5dと、輝度レベル比較手段5cが算出した輝度レベル差が極小になるシャッター速度に基づいて後述する繰り返し撮影時の繰り返し撮影回数をキャリブレーション用カメラ6に設定(指令)する撮影回数設定部5eと、輝度レベル検出部5aによって検出した輝度レベルに基づいて前記複数枚の画像を順次撮影する際に使用する色フィルタを選択的に切り換える色フィルタ切換制御部5fとを具備して成る。なお、上記色フィルタ制御部5fは、キャリブレーション用カメラ6による前記複数枚のテストパターン画像の一連の撮影期間中に、後述するようにホワイトバランス補正時にCIE 1931 XYZ表色系 等色関数のX,Y,Zの各波長領域を通過するフィルタであるXフィルタ、Yフィルタ、Zフィルタを順次切り換えて使用しガンマ補正時には色フィルタの無い空洞を使用するフィルタ切換制御を行うものとする。
【0035】
上記キャリブレーション用カメラ6としては、本実施形態ではモノクロ撮影手段であるモノクロデジタルカメラを用いる。このキャリブレーション用カメラ6は、図2に示すように、被写体の像を形成するレンズ機構6aと、レンズ機構6aの出射光量を調整する絞り機構6bと、絞り機構6bを介して入射される被写体の像を電気信号(画像データ信号)に光電変換するCCD6cと、CCD6cから出力される画像データ信号に対してサンプルホールドおよび自動利得制御(AGC)を行うS/H・AGC回路6dと、S/H・AGC回路6dから出力される画像データ信号をA/D変換するA/D変換部6eと、A/D変換した画像データ信号に対して各種信号処理を行うカメラ信号処理部6fと、カメラ信号処理部6fから出力される画像データ信号をPC5に出力したりPC5から入力される各種信号を中継したりする入出力I/F部6gと、PC5の露光制御部5dからの指令されたシャッター速度でCCD6cを駆動するCCD駆動部6hと、PC5の露出制御部5dから指令された絞り値となるように絞り機構6bを駆動する絞り駆動部6iとを具備して成る。本実施形態では、キャリブレーション用カメラ6として、シャッター速度を例えば1/1000秒8〜2秒に設定可能なものを用いるものとする。なお、上記キャリブレーション用カメラ6としては、モノクロデジタルカメラの他、モノクロ撮影手段である、モノクロビデオカメラや、モノクロ用CMOSセンサや、モノクロラインセンサ等を用いることもできる。
【0036】
上記色フィルタ機構8は、ホワイトバランス補正のためのテストパターン撮影時に用いるものであり、CIE 1931 XYZ表色系 等色関数のX,Y,Zの各波長領域を通過するフィルタであるXフィルタ8a、Yフィルタ8b、Zフィルタ8cと、これらフィルタを装着するための4個の開口が円周上に形成されたターレット8dと、PC5の色フィルタ切換制御部5fの指令に対応するフィルタ(または空洞)が光路上に位置するようにターレット8cを中心軸周りに回転駆動するモータ(図示せず)とから成り、4個の開口の内でフィルタを装着されない開口は、空洞8fとして、XYZフィルタを使用しないガンマ補正のための画像撮影時に用いる。
なお、上記色フィルタ機構8では、ホワイトバランス補正のためにキャリブレーション用カメラ6の入力光を複数の波長特性に分離し得る複数枚の色フィルタ手段として、CIE 1931 XYZ表色系 等色関数のX,Y,Zの各波長領域を通過するフィルタであるXフィルタ、Yフィルタ、Zフィルタを用いているが、代わりにR,G,B各色の通過フィルタを用いても、任意の色フィルタを用いてもよい。
【0037】
次に、本実施形態の表示画像撮影装置においてキャリブレーション時に実施するフリッカー補正およびゆらぎ補正について説明する。本実施形態の表示画像撮影装置では、キャリブレーションとして、色補正および幾何補正を行うが、その手順は、以下の通りである。
まず、図1に示すように、キャリブレーション用カメラ6を概略観客の観察位置に配置する。次に、幾何補正用のテストパターン画像をスクリーン1に投影表示して撮影し、撮影データに基づいてPC5で幾何補正データを作成する(幾何ずれが生じないマルチディスプレイ装置である場合は、幾何補正は不要である)。
その後、幾何補正を加えた色補正(ガンマ補正およびホワイトバランス補正)用のテストパターン画像をスクリーン1に投影表示して撮影し、撮影データに基づいてPC5で色補正データを作成する。その際、「投影手段であるプロジェクタ3a,3b,3c,3dの光源のフリッカー周期がキャリブレーション用カメラ6のシャッター時間より遅い(長い)場合には、撮影するタイミングによって、キャリブレーション用カメラ6によって撮影した撮影画像データの輝度レベルが変動すること」と、「投影手段であるプロジェクタ3a,3b,3c,3dの筐体の熱等による光路上の空気のゆらぎのゆらぎ周期がキャリブレーション用カメラ6のシャッター時間より遅い(長い)場合には、撮影するタイミングによって、キャリブレーション用カメラ6によって撮影した撮影画像データの輝度レベルが変動すること」とを考慮して、本発明の狙いとする「フリッカー補正およびゆらぎ補正」を行う。
【0038】
なお、上記のようにして実施する色補正では、各プロジェクタ間の色ムラ(または各プロジェクタ内の色ムラ)を軽減させるための小面積毎あるいは画素毎のガンマ補正と、R(Red),G(Green),B(Blue)各色の表示レベルを合せるホワイトバランス補正とを行う。ガンマ補正における補正対象をどの位の小面積にするかは、使用するキャリブレーション用カメラ(デジタルカメラ)の画素数に応じて決定することができ、例えば、スクリーン1上の表示画素数が800万画素で、デジタルカメラの画素数が200万画素である場合には、2×2画素毎が補正領域になる。ガンマ補正では、RGB各色毎に輝度信号の最低レベル(黒)から最高レベルまでの範囲の所定輝度値刻みの複数枚のテストパターン画像をスクリーン1に投影表示して、それをキャリブレーション用カメラ6で撮影する。一方、ホワイトバランス補正は、RGB各色の適当な輝度値(例えば最大輝度値)のテストパターン画像をスクリーン1に投影表示して、CIE 1931 XYZ表色系 等色関数等の人間の視感度にあったフィルタを通してキャリブレーション用カメラ6でテストパターン画像を撮影し、撮影データに基づいて、各色のバランスがとれるような補正を行う。
【0039】
次に、本実施形態の表示画像撮影装置において実施するフリッカー補正およびゆらぎ補正を図3〜図7に基づいて詳細に説明する。
図3は第1実施形態の表示画像撮影装置において実施するフリッカー補正およびゆらぎ補正のための処理の概略を示すフローチャートである。なお、図3におけるフリッカー補正およびゆらぎ補正のための処理は、色補正のためのテストパターン画像の撮影時に同時に実施するようにしているが、色補正のためのテストパターン画像の撮影に先立って実施するようにしてもよい。
【0040】
まず、図3のステップS1では、後述する図4のフローチャートに示す処理によって、投影手段であるプロジェクタの光源のフリッカー周期(すなわち、プロジェクタの垂直表示周期とキャリブレーション用カメラ6のシャッター時間とのずれにより発生するフリッカの周期)を検出し、次のステップS2では、撮影手段であるキャリブレーション用カメラ6のシャッター時間を上記ステップS1で求めたフリッカー周期の整数倍に制御(決定)することにより、フリッカー周期に対応したシャッター時間にする。なお、本実施形態では、フリッカー周期の検出方法として後述する図4のフローチャートに示す検出方法を用いているが、代わりに、上述した特許文献1に記載された検出方法や特許文献2に記載された検出方法等の公知技術を用いてもよい。
【0041】
次のステップS3では、露出合わせを行う。この露出合わせは、撮影画像の信号レベルが飽和しない適正な信号レベル(例えば70%〜90%)になるようにキャリブレーション用カメラ6への入射光量を制限するものであり、キャリブレーション用カメラ6の絞りの絞り値と上記ステップS2で決定したシャッター時間との組合せにより制御する。なお、本実施形態では、露出合わせをステップS3で実施するようにしているが、信号レベルが飽和したり信号レベルが低いために上記ステップS1やステップS2で不具合が生じる場合には、ステップS1の前に信号レベルが適当になるように仮露出合せを行うようにしてもよい。
【0042】
次のステップS4では、後述する図5のフローチャートに示す処理によって、ゆらぎ周期(プロジェクタの光源に起因する輝度変化あるいはプロジェクタの筐体の熱等に起因する光路上の空気のゆらぎによる輝度変化の双方に対応する周期である)を検出し、ゆらぎ周期に対応する繰り返し撮影回数を決定する。この繰り返し撮影回数の決定は、例えば、検出したゆらぎ周期が1秒であり、上記ステップS2で決定したシャッター時間が1/60秒である場合には、繰り返し撮影回数は1秒÷(1/60秒)=60(回)となる。
【0043】
次のステップS5では、本撮影を行う。この本撮影は、上記ステップS2で決定したフリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いてキャリブレーション用カメラ6によりスクリーン1上に投影表示された画像をステップS4で決定した繰り返し撮影回数だけ繰り返し撮影することによって行う。そして、次のステップS6では、ステップS5の繰り返し撮影によって得られる繰り返し撮影回数分の撮影画像データの平均化処理を行う。それにより、フリッカー補正およびゆらぎ補正された撮像画像が生成されることになる。
なお、上記ステップS1〜ステップS4で行う撮影は、撮影条件を決めるための撮影であるので「プリ撮影」と称し、上記ステップS5で行う撮影は、実際に撮影画像データを得るための撮影であるので「本撮影」と称すことにする。
【0044】
次に、本実施形態におけるフリッカー周期の検出を図4のフローチャートに基づいて説明する。図4のフローチャートでは、初回には比較データが存在しないので、初回のために別途比較データを取り込む必要があるが、その取り込み方法も含めて説明する。なお、キャリブレーション用カメラ6のシャッター速度は、例えば1/500〜2秒の間のシャッター速度を設定可能であるものとする。
[初回の比較データの取り込み方法]
後述する図4のステップS11と同様にして、シャッター速度を所定のシャッター速度(例えば上限高速シャッター速度である1/500秒)に設定する。ただし、被写体であるスクリーン1上の画像が暗いため絞りを開放にしても信号レベルがほとんど0である場合には、シャッター速度を1/500秒よりも低速なシャッター速度に設定する。次に、後述する図4のステップS12と同様にして、キャリブレーション用カメラ6によってスクリーン1上に投影表示された画像を上記シャッタ速度で連続撮影して、PC5の補正データ算出記憶部5b内のフレームメモリ(後述する図6参照)に2つの撮影画像データを取り込み、記憶する。次に、後述する図4のステップS13と同様にして、2つの撮影画像データを積分して各々の信号レベル(輝度レベル)を求め、両者の信号レベルのレベル差を算出して、上記フレームメモリに記憶する。
【0045】
[初回の比較データを取り込んだ後のフリッカー周期の検出]
まず、図4のステップS11では、キャリブレーション用カメラ6のシャッター速度を所定シャッター速度に設定する。この所定シャッター速度としては、例えば上述した初回撮影時にに用いた上限高速シャッター速度(1/500秒)から1段低下させたシャッター速度である1/250秒を用いる。次のステップS12では、スクリーン1上に投影表示された画像を上記シャッタ速度で連続撮影して、PC5の補正データ算出記憶部5b内のフレームメモリ(後述する図6参照)に2つの撮影画像データを取り込む。次のステップS13では、2つの撮影画像データを積分して各々の信号レベル(輝度レベル)を求め、両者の信号レベルのレベル差を算出して、上記フレームメモリに記憶する。
【0046】
次のステップS14では、今回のレベル差と、前回(シャッター速度=1/500秒での撮影時)のレベル差とを比較し、今回のレベル差が前回のレベル差未満である場合には処理をステップS15に進め、今回のレベル差が前回のレベル以上である場合には処理をステップS16に進めて前回のシャッター速度をフリッカー周期とする。ステップS15では、シャッター速度を低下させることが可能か否かを判定し、YES(低下可能)の場合には次のステップS17でシャッター速度を1段低下させてから処理を上記ステップS12以降に戻し、NO(低下不能)の場合には処理を上記ステップS16に進める。なお、本実施形態で使用するキャリブレーション用カメラ6は1/1000秒〜2秒の範囲のシャッター速度が設定可能であり、かつ、フリッカー周期は一般的にプロジェクターの表示周期とほぼ等しくなって1/60秒以上となるので、ステップS16がNOになるケースはほとんど起こり得ないことから、ステップS16がNOになった場合には「エラー」としてユーザーに警告して、フリッカー周期の検出のやり直しを促すようにしてもよい。
【0047】
上記ステップS11〜ステップS12・・・ステップS14のNO−ステップS16の実行により、フリッカー周期の検出が完了するが、ステップS16の次のステップS18では、検出したフリッカー周期が妥当であるか否かを検証するために、2枚の撮影画像データの信号レベルが100%であるか否かを判定する。この判定において、「2枚の撮影画像データの信号レベルが100%であればレベル差は0となるが、その場合は2枚の撮影画像が飽和していてレベル差が0となった場合」であることから、上記ステップS16で検出したシャッター速度はフリッカー周期として不適当であることを考慮して、処理をステップS19に進めて露出補正(露光補正)を行ってから、処理を上記ステップS12以降に戻して、再びフリッカー周期の検出をやり直す。上記ステップS19における露出補正では、2枚の撮影画像データの信号レベルが飽和しない適切な信号レベルになるように入射光量を制限するために、キャリブレーション用カメラ6の絞りおよびシャッター時間の組合せを調整する。具体的には、信号レベルが飽和していれば絞り値を上げて入射光量を低下させ、信号レベルが小さい場合には絞り値を下げる(絞りを開放する)とともにシャッター速度をフリッカー周期に近似するシャッター速度(ステップS16で求めたシャッター速度)から1段ずつ低下させて1/60秒→1/30秒→1/15秒→1/8秒→1/4秒→1/2秒→1秒というように変化させる。
【0048】
上記ステップS19の露出調整およびその後のフリッカー周期の再検出は、上記ステップS18の判定がNOになるまで繰り返し、上記ステップS18の判定がNOになったら処理をステップS20に進めてそのときのシャッター速度をシャッター速度に決定する。このステップS20で決定されたシャッター速度は、フリッカー周期に近似するシャッター速度となる。
【0049】
次に、本実施形態におけるゆらぎ周期の検出を図5のフローチャートに基づいて説明する。図5のフローチャートでは、初回には比較データが存在しないので、初回のために別途比較データを取り込む必要があるが、その取り込み方法も含めて説明する。なお、以下に説明する例では、上記ステップS20で決定されたキャリブレーション用カメラ6のシャッター時間(すなわち、フリッカーを低減するシャッター時間)が1/60秒であるものとし、かつ、そのときのゆらぎ周期は1秒であるものとする。
[初回の比較データの取り込み方法]
後述する図5のステップS21において、撮影回数N(Nは自然数)を初回のプレ撮影時に限りN=1に設定する。次に、後述する図5のステップS22〜ステップS25と同様にして、キャリブレーション用カメラ6によってスクリーン1上に投影表示された画像を上記ステップS20で決定されたシャッタ時間でN回連続撮影して、PC5の補正データ算出記憶部5b内のフレームメモリ(後述する図6参照)に2種類の撮影画像データ(撮影画像データX,撮影画像データY)を取り込み、記憶する。次に、後述する図5のステップS26と同様にして、2種類の撮影画像データを積分して各々の信号レベル(輝度レベル)を求め、両者の信号レベルのレベル差を算出して、上記フレームメモリに記憶する。
【0050】
[初回の比較データを取り込んだ後のゆらぎ周期の検出]
まず、図5のステップS21では、撮影回数Nを設定する。この撮影回数Nの設定は、後述するステップS28におけるNのインクリメント(N=N+1)に応じて行うので、2回目のプレ撮影時には、撮影回数Nは、前回のN=1に基づいて1+1=2回になる。同様に、3回目のプレ撮影時には、撮影回数Nは(2+1)=3回になり、N回目のプレ撮影時には、撮影回数Nは(N+1)回になる。次のステップS22、ステップS23では、キャリブレーション用カメラ6によってスクリーン1上に投影表示された画像を上記ステップS20で決定されたシャッタ時間でN回(2回目の場合は、2回)連続撮影して、PC5の補正データ算出記憶部5b内のフレームメモリ(後述する図6参照)に2種類の撮影画像データ(撮影画像データX,Xおよび撮影画像データY,Y)を取り込み、記憶する。次のステップS24では、撮影画像データX,Xおよび撮影画像データY,Y)をそれぞれ加算平均し、次のステップS25では、加算平均値Xav、YavをPC5の補正データ算出記憶部5b内のフレームメモリ(後述する図6参照)に記憶する。次のステップS26では、2種類の撮影画像データ加算平均値Xav、Yavを積分して各々の信号レベル(輝度レベル)を求め、両者の信号レベルのレベル差を算出して、上記フレームメモリに記憶する。
【0051】
次のステップS27では、今回のレベル差と、前回(今回が2回目の場合は、初回)のレベル差とを比較し、今回のレベル差が前回のレベル差未満である場合には処理をステップS28に進め、今回のレベル差が前回のレベル以上である場合には処理をステップS29に進める。ステップS28では、Nのインクリメント(N=N+1)を行ってから処理を上記ステップS21以降に戻して撮影回数を1回増やして上記と同様の処理を行い、ステップS29では、撮影回数を(N−1)回に決定する。なお、この例の場合はゆらぎ周期が1秒であるので、N=60か撮影回数となる。
【0052】
図6は第1実施形態のキャリブレーション装置における撮影画像データの平均化処理を説明するためのフレームメモリの機能ブロック図であり、図7は図6のフレームメモリのスイッチの状態推移を示す図である。以下、「4回の連続撮影で得られる撮影画像データの加算平均化処理」の場合を例に挙げて説明する。なお、図6および図7には4回連続撮影時の加算平均化処理を示しているが、「8回の連続撮影や16回の連続撮影で得られる撮影画像データを加算平均化処理する場合には、後述する加算係数Kを変更することによって対応可能である。
【0053】
まず、図6、図7に示すように、1枚目の撮影画像データ(以下、画像01という)を加算係数K=0で取り込む。このとき、巡回/出力切換スイッチであるSW1は、SW102側に接続されているので、画像01はフレームメモリFM1に記憶される。
次に、2枚目の撮影画像データ(以下、画像02という)を加算係数K=1/2で取り込む。これにより、フレームメモリFM1から読み出された画像01と、取り込んだ画像02とが加算平均されて、(画像01+画像02)/2となって、フレームメモリFM1に上書きされる。
次に、3枚目の撮影画像データ(以下、画像03という)を加算係数K=2/3で取り込む。これにより、フレームメモリFM1から読み出された画像01、画像02と、取り込んだ画像03とが加算平均されて、(画像01+画像02+画像03)/3となって、フレームメモリFM1に上書きされる。
次に、4枚目の撮影画像データ(以下、画像04という)を加算係数K=3/4で取り込む。これにより、フレームメモリFM1から読み出された画像01、画像02、画像03と、取り込んだ画像04とが加算平均されて、(画像01+画像02+画像03+画像04)/4となる。このとき、図7に示すように、巡回/出力切換スイッチであるSW1はSW101側に切り換わり、書込FM選択スイッチであるSW2はSW202側に接続されているので、加算平均された(画像01+画像02+画像03+画像04)/4はフレームメモリFM3に記憶される。
以下、同様にして、連続する4枚の撮影画像データの加算平均値は、フレームメモリFM2,フレームメモリFM3に交互に記憶されることになる。
このようにしてフレームメモリFM2,フレームメモリFM3に記憶された4枚の撮影画像データの加算平均値は、図7に示すように、フレームメモリFM2,フレームメモリFM3の一方においてデータ書き換えがなされたタイミングで読出FM選択スイッチであるSW3が切り換わるので、外部に出力されることになる。つまり、SW2およびSW3の書き込みと読み出しとは、交互に切り換わることになる。
なお、SW1,SW2,SW3は、動作を明確化するために記載したものであり、フレームメモリの書込動作および読出動作を適宜制御するようにすれば、SW1,SW2,SW3を必ずしも設けなくてもよい。
【0054】
次に、本実施形態の表示画像撮影装置の作用を図1、図3〜図5、図8に基づいて説明する。
図1に示すように、キャリブレーション用カメラ6によってスクリーン1上に投影表示された画像を連続撮影して2枚分の撮影画像データを得る際には、プロジェクタの照明用光源のフリッカー周期およびゆらぎ周期と、キャリブレーション用カメラ6のシャッター時間との関係によって、「所望の平均的な明るさ」からズレた撮影画像となる場合がある。
例えば図8に示すように、プロジェクタの照明用光源のフリッカー周期が1/60秒であり、プロジェクタのゆらぎ周期が1秒である場合にキャリブレーション用カメラ6のシャッター時間を1/60秒よりも短く設定した場合には、フリッカー波形のどのタイミングで撮影するかによって輝度レベルが変化するので、シャッター時間をプロジェクタのフリッカー周期の整数倍にする必要があるが、そのためには、プロジェクタのフリッカー周期およびゆらぎ周期を検出することが要求される。
【0055】
そこで、本実施形態では、図3のフローチャートのステップS1(すなわち図4のフローチャート)を実行することによりプロジェクタのフリッカー周期を検出し、ステップS2でキャリブレーション用カメラ6のシャッター時間を前記フリッカー周期の整数倍に制御することによりフリッカーの影響を最少にするとともに、ステップS3で撮影画像の信号レベルが飽和しない適正な信号レベルになるように露出合わせしてからステップS4(すなわち図5のフローチャート)を実行することによりプロジェクタのゆらぎ周期を検出するとともに前記ゆらぎ周期に対応する繰り返し撮影回数を決定した後に、ステップS5で前記フリッカー周期の整数倍のシャッター速度を用いてキャリブレーション用カメラ6によりスクリーン1上に投影表示された画像を前記繰り返し撮影回数だけ繰り返し撮影し、ステップS6で前記繰り返し撮影回数分の撮影画像の平均化処理を行うから、ステップS6においてフリッカー補正およびゆらぎ補正された撮像画像が生成されることになる。したがって、本実施形態の表示画像撮影装置は、プロジェクタのフリッカーに起因する輝度変化およびプロジェクタのゆらぎに起因する輝度変化の双方を補正し得る表示画像撮影装置となり、プロジェクタのフリッカーに起因する輝度変化およびプロジェクタのゆらぎに起因する輝度変化の双方を補正し得る表示画像撮影方法を提供することができる。
【0056】
なお、上記第1実施形態では、撮影画像の信号レベルが飽和しない適正な信号レベルになるようにキャリブレーション用カメラ6のCCD6cへの入射光量を制限する入射光量制御手段として「絞り6cおよび絞り駆動部6iより成る絞り機構」を用いているが、代わりに、図9に示すように、「駆動回路6jと、駆動回路6jにより駆動されるモータ9と、モータ9の回転によってNDフィルタ10a、NDフィルタ10b、NDフィルタ10c、空洞10dの何れか1つをCCD6cの光路上前方に配置されるターレット10とから成るNDフィルタ機構」を用いるようにしてもよい。なお、上記絞り機構および上記NDフィルタ機構を併用するように構成してもよい。
【0057】
また、上記第1実施形態において、図3のステップS4のゆらぎ周期の検出を複数回行ってゆらぎ周期を複数回検出し、[(ゆらぎ周期最大値−ゆらぎ周期最小値)/ゆらぎ周期最大値]で定義されるゆらぎ偏差を求め、ゆらぎ偏差の逆数に基づいて繰り返し撮影回数を決定し、該繰り返し撮影回数だけ図3のステップS5の本撮影を行うようにすれば、ゆらぎ周期検出値のばらつきを解消して正確にゆらぎ周期を求めることができるようになるので、投影手段であるプロジェクタのゆらぎに起因する輝度変化を正確に補正することができる。具体例を挙げると、ステップS4のゆらぎ周期検出を3回行った場合のゆらぎ周期検出値が0.9秒、0.95秒、1秒である場合、ゆらぎ偏差は、(1−0.9)/1=0.1=10%であるので、その逆数である10回が繰り返し撮影回数になる。
【0058】
[第2実施形態]
図10は本発明の第2実施形態の表示画像撮影装置に用いるキャリブレーション用カメラ、パーソナルコンピュータおよび輝度センサの詳細構成を示す図である。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、「輝度センサ11を追加して輝度センサ11の検出信号をPC5の輝度レベル検出部5aに入力する変更」を加えたものである。なお、上記輝度センサ11としては、CCDやCMOSセンサ等を用いるものとする。
【0059】
本実施形態の表示画像撮影装置は、キャリブレーション用カメラ6とは別に、プロジェクタの照明用光源等の輝度を検出することによってプロジェクタの照明用光源のフリッカー周期やゆらぎ周期を検出する輝度センサ11を設けたため、上記第1実施形態と同様の「キャリブレーション用カメラ6の撮影画像データの信号レベル比較によって、プロジェクタの照明用光源のフリッカー周期を検出する図4の処理」および「キャリブレーション用カメラ6の撮影画像データの信号レベル比較によって、プロジェクタの光源や筺体の熱に起因するゆらぎのゆらぎ周期を検出する図5の処理」の一部または全部を省略することができる。よって、輝度センサ11によって検出したプロジェクタの光源のフリッカー周期に起因する輝度変化およびプロジェクタのゆらぎに起因する輝度変化を用いることにより、「プロジェクタの照明用光源のフリッカー周期を検出する図4の処理」および「プロジェクタの光源や筺体の熱に起因するゆらぎのゆらぎ周期を検出する図5の処理」の一部または全部を省略して、キャリブレーション用カメラ6のシャッター速度、露光条件および撮影回数を最適化することができるようになるので、「フリッカー補正およびゆらぎ補正に関する一連の処理に要する時間」を短縮してキャリブレーションを高速化することができる。
また、本実施形態の表示画像撮影装置は、キャリブレーション用カメラ6の撮影とは無関係に、リアルタイムでプロジェクタの照明用光源のフリッカー周期およびゆらぎ周期を検出できるので、本撮影中であってもフリッカー補正およびゆらぎ補正に対応できる、という利点もある。
【0060】
[第3実施形態]
図11は本発明の第3実施形態の表示画像撮影方法の実施に用いる表示画像撮影装置に用いるキャリブレーション用カメラ、パーソナルコンピュータおよびプロジェクタの詳細構成を示す図である。図11では、説明の都合上、複数台のプロジェクタの内の1台のプロジェクタ(プロジェクタ12)のみを記載している。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、PC5の内部構成を入れ換える変更を加えたものである。
すなわち、本実施形態のPC5は、第1実施形態のPC5における輝度レベル検出部5aおよび輝度レベル比較部5cを省略し、代わりに温度−ゆらぎ周期テーブル5g、経過時間−ゆらぎ周期テーブル5hおよび撮影条件決定部5iを追加して構成したものである。図11では、説明の都合上、PC5の色フィルタ切換部5f、色フィルタ機構8およびスクリーン1の記載を省略している。なお、本実施形態では温度−ゆらぎ周期テーブル5g、経過時間−ゆらぎ周期テーブル5hの双方を設けているが、何れか一方のみを設けるようにしてもよい。
【0061】
上記温度−ゆらぎ周期テーブル5gは、プロジェクタ12の筺体内の温度に対するプロジェクタ12のゆらぎ周期の特性を予め記憶したものである。プロジェクタ12の筺体内の温度検出部12aによって温度検出を行うCPU12bから「プロジェクタ温度に関する信号」がPC5に入力されると、当該プロジェクタ温度をパラメータとして温度−ゆらぎ周期テーブル5gを参照することにより、当該プロジェクタ温度に対応するプロジェクタ12のゆらぎ周期を求めることができる。
上記経過時間−ゆらぎ周期テーブル5hは、プロジェクタ12の照明光光源であるランプのランプ経過時間(ランプの累積使用時間)に対するプロジェクタ12のゆらぎ周期の特性を予め記憶したものである。プロジェクタ12においてランプ駆動部12cによるランプ(照明光光源)の駆動状態を監視しているCPU12bから「ランプ経過時間(ランプの累積使用時間)に関する信号」がPC5に入力されると、当該ランプ経過時間をパラメータとして経過時間−ゆらぎ周期テーブル5hを参照することにより、当該ランプ経過時間に対応するプロジェクタ12のゆらぎ周期を求めることができる。
【0062】
本実施形態の表示画像撮影装置において実施するフリッカー補正およびゆらぎ補正に関する処理は、図3のフローチャートに示す第1実施形態の処理とほぼ同様であるが、図3のステップS4中の「ゆらぎ周期の検出」の具体的な処理は、上記第1実施形態において用いた図5の「実際の撮影画像データに基づいてゆらぎ周期を検出(決定)する処理」の代わりに、上述した「経過時間データによる経過時間−ゆらぎ周期テーブルの参照、あるいは、温度データによる温度−ゆらぎ周期テーブルに参照に基づいてゆらぎ周期を検出(決定)する処理」を用いている。
【0063】
本実施形態の表示画像撮影装置は、プロジェクタ12のランプの経過時間に対するゆらぎ周期の特性を予め記憶した経過時間−ゆらぎ周期テーブル5gおよびプロジェクタ12の温度に対するゆらぎ周期の特性を予め記憶した温度−ゆらぎ周期テーブル5hの少なくとも一方を作成しておき、撮影時に経過時間および前記温度の少なくとも一方をパラメータとして経過時間−ゆらぎ周期テーブル5gおよび温度−ゆらぎ周期テーブル5hを参照することによりゆらぎ周期を求め、該ゆらぎ周期に基づいて繰り返し撮影回数を決定し、フリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いてキャリブレーション用カメラ6によりスクリーン1上に投影表示された画像を前記繰り返し撮影回数だけ繰り返し撮影するので、第1実施形態の実測データに基づくゆらぎ周期検出工程を、上記パラメータによる経過時間−ゆらぎ周期テーブル、温度−ゆらぎテーブルの参照に基づくゆらぎ周期検出工程に置き換えることによって、処理の高速化が期待できるようになる。
【0064】
[第4実施形態]
図12は本発明の第4実施形態の表示画像撮影方法の実施に用いる表示画像撮影装置に用いるキャリブレーション用カメラ、パーソナルコンピュータおよびプロジェクタの詳細構成を示す図である。図12では、説明の都合上、複数台のプロジェクタの内の1台のプロジェクタ(プロジェクタ12)のみを記載している。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、PC5の内部構成を入れ換える変更を加えたものである。
すなわち、本実施形態のPC5は、第1実施形態のPC5に、第3実施形態と同様の温度−ゆらぎ周期テーブル5g、経過時間−ゆらぎ周期テーブル5hおよび撮影条件決定部5iを追加するとともに、選択部5jを追加して構成したものである。図12では、説明の都合上、PC5の色フィルタ切換部5f、色フィルタ機構8およびスクリーン1の記載を省略している。なお、本実施形態では温度−ゆらぎ周期テーブル5g、経過時間−ゆらぎ周期テーブル5hの双方を設けているが、何れか一方のみを設けるようにしてもよい。
【0065】
本実施形態の表示画像撮影装置は、上記第1実施形態の表示画像撮影方法および上記第3実施形態の表示画像撮影方法の双方を行い得るように構成されており、PC5に設けた選択部5jは、第1実施形態の表示画像撮影方法でキャリブレーション用カメラ6によりスクリーン1上に投影表示された画像を複数回撮影した場合の撮影画像のばらつきと、第3実施形態の表示画像撮影方法でキャリブレーション用カメラ6によりスクリーン1上に投影表示された画像を複数回撮影した場合の撮影画像のばらつきとを比較し、ばらつきの少ない方の表示画像撮影方法を選択するように構成されている。
したがって、本実施形態の表示画像撮影装置は、複数回撮影した場合の撮影画像のばらつきを最小にすることができるので、プロジェクタ12のフリッカーに起因する輝度変化およびプロジェクタ12のゆらぎに起因する輝度変化の双方を確実に補正することができるようになる。
【0066】
[第5実施形態]
図13は本発明の第5実施形態の表示画像撮影方法の実施に用いる表示画像撮影装置に用いるキャリブレーション用カメラ、パーソナルコンピュータおよびプロジェクタの詳細構成を示す図である。図12では、説明の都合上、複数台のプロジェクタの内の1台のプロジェクタ(プロジェクタ12)のみを記載している。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、PC5の内部構成を入れ換える変更を加えたものである。
すなわち、本実施形態のPC5は、第1実施形態のPC5ににおける撮影回数設定部5eを省略し、代わりにゆらぎ周期検出部5kを追加して構成したものである。図11では、説明の都合上、PC5の色フィルタ切換部5f、色フィルタ機構8およびスクリーン1の記載を省略している。
【0067】
本実施形態の表示画像撮影装置は、上記第1実施形態のように「撮影回数設定部5eが露光制御部5dに対してキャリブレーション用カメラ6による撮影回数を直接指示する」のではなく、「ゆらぎ周期検出部5kが露光制御部5dに対してキャリブレーション用カメラ6による撮影時間としてのゆらぎ周期を指示する」ように構成されている。そのため、プロジェクタ12によってスクリーン1上に投影表示された画像をキャリブレーション用カメラ6によって撮影する際には、プロジェクタ12のフリッカー周期を検出し、キャリブレーション用カメラ6のシャッター時間を前記フリッカー周期の整数倍に制御し、ゆらぎ周期検出部5kによってプロジェクタ12の照明光に起因する輝度変化あるいはプロジェクタ12の筐体の熱等に起因する輝度変化であるゆらぎ周期を検出し、前記フリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いてキャリブレーション用カメラ6によりスクリーン1上に投影表示された画像を前記ゆらぎ周期の間繰り返し撮影し、前記繰り返し撮影工程によって得られる前記ゆらぎ周期に対応する枚数の撮影画像を平均化することになる。
したがって、本実施形態の表示画像撮影装置は、プロジェクタのフリッカーに起因する輝度変化およびプロジェクタのゆらぎに起因する輝度変化の双方を補正し得る表示画像撮影装置となり、プロジェクタのフリッカーに起因する輝度変化およびプロジェクタのゆらぎに起因する輝度変化の双方を補正し得る表示画像撮影方法を提供することができる。
【0068】
なお、上記各実施形態では、スクリーン上に投射される画像が一部オーバーラップしたシームレスマルチディスプレイ装置に本発明のフリッカー対策およびゆらぎ対策を適用した例について説明したが、本発明により実現し得るフリッカー対策およびゆらぎ対策は、「プロジェクタの照明用光源のフリッカーや、プロジェクタの光源や筺体の熱に起因するゆらぎに類似するゆらぎがある、他の光源」によって照明された被写体を撮影して画像データを取得する撮影システムにも適用可能であり、その場合、フリッカーおよびゆらぎの影響が少ない画像が取得できるようになるので有利である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施形態の表示画像撮影方法の実施に用いる表示画像撮影装置の全体構成を示す図である。
【図2】第1実施形態の表示画像撮影装置に用いるキャリブレーション用カメラおよびパーソナルコンピュータの詳細構成を示す図である。
【図3】第1実施形態の表示画像撮影装置において実施するフリッカー補正およびゆらぎ補正のための処理の概略を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態の表示画像撮影装置において実施するフリッカ周期の検出のための処理を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態の表示画像撮影装置において実施するゆらぎ周期の検出のための処理を示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態の表示画像撮影装置における撮影画像データの平均化処理を説明するためのフレームメモリの機能ブロック図である。
【図7】図6のフレームメモリのスイッチの状態推移を示す図である。
【図8】第1実施形態の表示画像撮影装置の作用の説明に用いる、フリッカー周期およびゆらぎ周期と信号レベルとの関係を例示する図である。
【図9】第1実施形態の表示画像撮影装置の変形例を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態の表示画像撮影方法の実施に用いる表示画像撮影装置の全体構成を示す図である。
【図11】本発明の第3実施形態の表示画像撮影方法の実施に用いる表示画像撮影装置に用いるキャリブレーション用カメラ、パーソナルコンピュータおよびプロジェクタの詳細構成を示す図である。
【図12】本発明の第4実施形態の表示画像撮影方法の実施に用いる表示画像撮影装置に用いるキャリブレーション用カメラ、パーソナルコンピュータおよびプロジェクタの詳細構成を示す図である。
【図13】本発明の第5実施形態の表示画像撮影方法の実施に用いる表示画像撮影装置に用いるキャリブレーション用カメラ、パーソナルコンピュータおよびプロジェクタの詳細構成を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1 スクリーン
2 オーバーラップ部分
3,3a,3b,3c,3d プロジェクタ
4 画像補正処理部
5 パーソナルコンピュータ(PC)
5a 輝度レベル検出部
5b 補正データ算出記憶部
5c 輝度レベル比較部
5d 露光制御部
5e 撮影回数設定部
5f 色フィルタ切換制御部
5g 経過時間−ゆらぎ周期テーブル
5h 温度−ゆらぎ周期テーブル
5i 撮影条件決定部
5j 選択部
5k ゆらぎ周期検出部
6 キャリブレーション用カメラ
6a レンズ機構
6b 絞り機構
6c CCD
6d S/H・AGC回路
6e A/D変換部
6f カメラ信号処理部
6g 入出力I/F部
6h CCD駆動部
6i 絞り駆動部
6j 駆動回路
8 色フィルタ機構
8a Xフィルタ
8b Yフィルタ
8c Zフィルタ
8d ターレット
8f 空洞
9 モータ
10 ターレット
10a,10b,10c NDフィルタ
10d 空洞
11 輝度センサ
12 プロジェクタ
12a 温度検出部
12b CPU
12c ランプ駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影手段によって表示面上に投影表示された画像を撮影手段によって撮影する表示画像撮影方法であって、
前記投影手段のフリッカー周期を検出するフリッカー周期検出工程と、
前記撮影手段のシャッター時間を前記フリッカー周期の整数倍に制御するシャッター時間制御工程と、
前記投影手段の照明光に起因する輝度変化あるいは前記投影手段の筐体の熱等に起因する輝度変化であるゆらぎ周期を検出するゆらぎ周期検出工程と、
前記シャッター時間に基づいて前記ゆらぎ周期に対応する繰り返し撮影回数を決定する撮影回数決定工程と、
前記フリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を前記決定された繰り返し撮影回数だけ繰り返し撮影する繰り返し撮影工程と、
前記繰り返し撮影工程によって得られる前記繰り返し撮影回数分の撮影画像を平均化する撮影画像平均化工程と、
を順次行うことを特徴とする表示画像撮影方法。
【請求項2】
前記フリッカー周期検出工程は、
高速の同一シャッター速度を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を複数回撮影する第1工程と、
前記撮影手段により同一シャッター速度で撮影した複数回分の撮影画像の信号レベルを比較してレベル差を求める第2工程と、
前記同一シャッター速度よりも低速な同一シャッター速度を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を前記複数回撮影する第3工程と、
前記撮影手段により前記低速な同一シャッター速度で撮影した複数回分の撮影画像の信号レベルを比較してレベル差を求める第4工程と、
前記第2工程における前回のレベル差と前記第4工程における今回のレベル差とを比較する第5工程と、
前記第5工程の比較において前回のレベル差が今回のレベル差以上である間、シャッター速度を徐々に低速側にシフトして前記第3工程〜前記第5工程を繰り返す第6工程と、
前記第5工程の比較において前回のレベル差が今回のレベル差未満になったとき、前回のレベル差に対応するシャッター速度を前記投影手段のフリッカー周期として検出する第7工程と、から成ることを特徴とする請求項1記載の表示画像撮影方法。
【請求項3】
前記シャッター時間制御工程は、
撮影画像の信号レベルが飽和しない信号レベルになるように前記撮影手段への入射光量を制限する入射光量制御手段の入射光量制限状態と、シャッター時間との組合せにより制御することを特徴とする請求項1記載の表示画像撮影方法。
【請求項4】
前記ゆらぎ周期検出工程は、
前記シャッター時間制御工程によりフリッカー周期の整数倍に制御されたシャッター時間を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像をN(N=1,2,・・)回撮影する工程である工程Xおよび工程Yを行う撮影工程と、
前記工程Xによって得られる撮影画像および前記工程Yによって得られる撮影画像をそれぞれ加算平均する加算平均工程と、
前記工程Xの加算平均された撮影画像と前記工程Yの加算平均された撮影画像とのレベルを比較してレベル差を求めるレベル差算出工程と、
撮影回数が(N−1)の場合のレベル差と撮影回数がNの場合のレベル差とを比較するレベル差比較工程と、
前記レベル差比較工程において撮影回数がNの場合のレベル差が撮影回数が(N−1)の場合のレベル差よりも小さい場合は、撮影回数を(N+1)として前記撮影工程〜前記レベル差比較工程を繰り返す再撮影工程と、
前記レベル差比較工程において撮影回数がNの場合のレベル差が撮影回数が(N−1)の場合のレベル差よりも大きくなった場合は、撮影回数を(N−1)に決定する撮影回数決定工程と、から成り、
前記撮影工程におけるシャッター速度と前記撮影回数決定工程により決定された撮影回数との積を前記ゆらぎ周期として検出することを特徴とする請求項1記載の表示画像撮影方法。
【請求項5】
前記ゆらぎ周期検出工程を複数回行って前記ゆらぎ周期を複数回検出し、[(ゆらぎ周期最大値−ゆらぎ周期最小値)/ゆらぎ周期最大値]で定義されるゆらぎ偏差の逆数に基づいて決定した繰り返し撮影回数だけ前記繰り返し撮影工程を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の表示画像撮影方法。
【請求項6】
前記投影手段の照明光光源の経過時間に対するゆらぎ周期の特性を予め記憶した経過時間−ゆらぎ周期テーブルおよび前記投影手段の温度に対するゆらぎ周期の特性を予め記憶した温度−ゆらぎ周期テーブルの少なくとも一方を作成しておき、撮影時に前記経過時間および前記温度の少なくとも一方をパラメータとして前記経過時間−ゆらぎ周期テーブルおよび前記温度−ゆらぎ周期テーブルを参照することによりゆらぎ周期を求めることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の表示画像撮影方法。
【請求項7】
請求項6記載の表示画像撮影方法で前記表示面上に投影表示された画像を複数回撮影した場合の撮影画像のばらつきと、請求項1〜4の何れか1項記載の表示画像撮影方法で前記表示面上に投影表示された画像を複数回撮影した場合の撮影画像のばらつきとを比較し、ばらつきの少ない方の表示画像撮影方法を選択することを特徴とする請求項6記載の表示画像撮影方法。
【請求項8】
投影手段によって表示面上に投影表示された画像を撮影手段によって撮影する表示画像撮影方法であって、
前記投影手段のフリッカー周期を検出するフリッカー周期検出工程と、
前記撮影手段のシャッター時間を前記フリッカー周期の整数倍に制御するシャッター時間制御工程と、
ゆらぎ周期検出手段によって前記投影手段の照明光に起因する輝度変化あるいは前記投影手段の筐体の熱等に起因する輝度変化であるゆらぎ周期を検出するゆらぎ周期検出工程と、
前記フリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を前記ゆらぎ周期の間繰り返し撮影する繰り返し撮影工程と、
前記繰り返し撮影工程によって得られる前記ゆらぎ周期に対応する枚数の撮影画像を平均化する撮影画像平均化工程と、
を順次行うことを特徴とする表示画像撮影方法。
【請求項9】
投影手段によって表示面上に投影表示された画像を撮影する表示画像撮影装置であって、
前記表示面上に投影表示された画像を撮影して撮影画像を出力する撮影手段と、
前記投影手段のフリッカー周期を検出するフリッカー周期検出手段と、
前記撮影手段のシャッター時間を前記フリッカー周期の整数倍に制御するシャッター時間制御手段と、
前記投影手段の照明光に起因する輝度変化あるいは前記投影手段の筐体の熱等に起因する輝度変化であるゆらぎ周期を検出するゆらぎ周期検出手段と、
前記シャッター時間に基づいて前記ゆらぎ周期に対応する繰り返し撮影回数を決定する撮影回数決定手段と、
前記フリッカー周期の整数倍のシャッター時間を用いて前記撮影手段により前記表示面上に投影表示された画像を前記決定された繰り返し撮影回数だけ繰り返し撮影する繰り返し撮影手段と、
前記繰り返し撮影手段によって得られる前記繰り返し撮影回数分の撮影画像を平均化する撮影画像平均化手段と、
を具備して成ることを特徴とする表示画像撮影装置。
【請求項10】
前記フリッカ周期検出手段および前記ゆらぎ周期検出手段として機能するセンサを別に設けたことを特徴とする請求項9記載の表示画像撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−49269(P2007−49269A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229242(P2005−229242)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】